JP3464196B2 - 磁場強度可変型電磁石、及び、これを用いたエネルギ可変型加速器 - Google Patents
磁場強度可変型電磁石、及び、これを用いたエネルギ可変型加速器Info
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Description
磁石、及び、これを用いたエネルギ可変型加速器に係
り、特に、角度方向に変化する磁場を持つAVF(Azim
uthal Varied Field)サイクロトロンに用いるのに好
適な、磁場強度の変化に拘らず、略一定の磁場分布を形
成するための磁場強度可変型電磁石、及び、これを用い
たエネルギ可変型加速器に関する。
磁場分布によって、ビームの加速と集束の性能が決ま
る。特に、エネルギ可変型サイクロトロンの場合、低エ
ネルギから高エネルギまで、即ち、低い磁場から高い磁
場までの広い範囲に亘って、ビームの加速及び集束に適
した磁場分布を形成することが必要となる。
れる電磁軟鉄の磁気特性(B−H曲線)は、直線的でな
く、2T(テスラ)程度で飽和するような曲線を描く。
従って、一般的な電磁石では、磁力線が集中する部分
と、そうでない部分では、励磁電流(磁界の強さ)を増
していった場合、磁束密度の増加率は等しくない。その
結果、低い磁場と高い磁場で、磁場分布が変わってしま
う。
極形状を図1(下半分の斜視図)及び図2(全体の断面
図)に示す。AVFサイクロトロンの磁極は、バレー部
10と、ヒル部12と、中心部14で構成される。特
に、中心部磁極形状は、中心領域の磁場Bの分布を決定
するため、加速初期段階のビームの加速及び集束性能に
大きく影響する。従来の中心部磁極形状は、図1及び図
2に示した如く、バレー部10及びヒル部12と中心部
14の境界エッジ部12E、14Eでは、急激な段にな
っていた。
布は、図3に高磁場の磁場分布として実線で示すような
バンプを中心に形成させ、加速初期の段階では、弱集束
の原理によって、ビームに縦方向の集束作用を与えてお
り、同時に、加速電圧の周波数とビーム周回周波数が、
ある範囲内で一致するような磁束密度となっている。
示したような従来の中心部磁極形状で、そのまま励磁電
流を減じていくと、中心バンプの高さは極端に低くな
り、終には、図3に低磁場の磁場分布として破線で示す
如く、中心部の磁束密度が極端に低い谷型の分布を形成
してしまう。即ち、加速初期段階で、ビームに集束作用
ではなく、逆に発散作用を与えてしまう。
で、中心部分に補助コイルを設置することも考えられて
いるが、その場合でも、深い谷型の磁場分布を補正しよ
うとすると、中心部分の非常に狭い設置スペースに、比
較的起磁力の大きいコイルを設置しなければならず、技
術的な困難が伴う。
極形状で、低磁場の時に適正な中心バンプを形成するよ
う、中心部14の高さを高くすると、高磁場において加
速性能に悪影響を及ぼすほど高いバンプを形成してしま
い、結果的に加速性能(等時性)に大きな悪影響を来し
てしまうという問題点を有していた。
くなされたもので、磁場強度の変化に拘らず、略一定の
磁場分布を形成することが可能な磁場強度可変型電磁石
を提供することを第一の課題とする。
まで、ビームの加速及び集束に適した中心領域磁場分布
を形成することが可能なエネルギ可変型加速器を提供す
ることを第二の課題とする。
化に拘らず、略一定の磁場分布を形成するための磁場強
度可変型電磁石であって、バレー部と、ヒル部と、中心
部で構成される磁極を有し、高い磁場でも磁気が飽和し
ないよう、前記ヒル部の先端及び前記中心部のバレー部
側を階段形状又は斜面形状とすることにより、前記第一
の課題を解決したものである。
に階段形状又は斜面形状を付加したものである。
石を用いてエネルギ可変型加速器を構成することによ
り、前記第二の課題を解決したものである。
と、図2に示したような、バレー部10やヒル部12と
中心部14の境界エッジ部12E、14Eにおいて、励
磁電流の違いによる磁場分布変化が顕著であり、これ
は、磁極の形状と電磁軟鉄の磁気特性に起因していると
考えられる。即ち、境界に近いエッジ部12Eや14E
では、中心部14に向かって、急な段形状となっている
ため、高磁場において磁気飽和し、低磁場において磁力
線の集中が顕著に現れ、分布の変化が大きくなると考え
られる。
が飽和しないよう、ヒル部の先端及び中心部のバレー部
側を階段形状又は斜面形状として、磁気飽和の影響を緩
和し、分布の変化を小さくしている。
施形態を詳細に説明する。
は、図4(下半分の斜視図)及び図5(全体の断面図)
に示す如く、ヒル部12の先端に階段形状12Aを付加
したものである。この場合、追加する段数が多いほど、
磁気飽和の影響を緩和できる。
は、図6(下半分の斜視図)及び図7(全体の断面図)
に示すように、中心部14とバレー部10の接続部も階
段形状14Aとしている。
びヒル部と中心部の接続部に階段形状が形成されていた
が、図8(下半分の斜視図)及び図9(全体の断面図)
に示す第2実施形態のように、斜面形状12B、14B
を形成することも可能である。
励磁電流と中心領域磁場分布の相関の例を図10に示
す。図3に示した従来例と比較して、実線で示す高磁場
の磁場分布は従来とほぼ同じを維持したまま、破線で示
す低磁場の磁場分布の中心部分の磁束密度の落ち込みを
減らして、必要な中心バンプを維持できていることが分
かる。
ギの広い範囲で、加速初期段階の充分な加速、集束性能
(等時性と弱集束)を得ることができる。即ち、低磁場
から高磁場までの広い範囲で、適切な中心領域磁場分布
を形成することができる。
AVFサイクロトロンに適用されていたが、本発明の適
用対象はこれに限定されず、AVFサイクロトロン以外
の一般のサイクロトロンや他の加速器、あるいは、蛍光
X線分析PIXE(ParticleInduced X-ray Emission
Tomography)等、加速器以外の磁場強度可変型電磁石
全般にも同様に適用できることは明らかである。
中心領域磁場分布の変化を最小限に抑えることができ、
可変エネルギの範囲を広げることができる。又、例えば
加速器において、中心磁場を補正するためのコイルが不
要としたり、あるいは、コイル起磁力を小さくすること
ができる。
半分の形状を示す斜視図
を示す断面図
分布の相関の例を示す線図
示す斜視図
を示す断面図
下半分の形状を示す斜視図
を示す断面図
下半分の形状を示す斜視図
を示す断面図
の相関の例を示す線図
Claims (3)
- 【請求項1】磁場強度の変化に拘らず、略一定の磁場分
布を形成するための磁場強度可変型電磁石であって、バレー部と、ヒル部と、中心部で構成される磁極を有
し、 高い磁場でも磁気が飽和しないよう、前記ヒル部の
先端及び前記中心部のバレー部側が階段形状又は斜面形
状とされていることを特徴とする磁場強度可変型電磁
石。 - 【請求項2】前記ヒル部の中心部との境界エッジ部に階
段形状又は斜面形状を付加したことを特徴とする請求項
1記載の磁場強度可変型電磁石。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の磁場強度可変型電
磁石を用いたことを特徴とするエネルギ可変型加速器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000212440A JP3464196B2 (ja) | 2000-07-13 | 2000-07-13 | 磁場強度可変型電磁石、及び、これを用いたエネルギ可変型加速器 |
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JP (1) | JP3464196B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107347227B (zh) * | 2017-08-22 | 2018-06-29 | 合肥中科离子医学技术装备有限公司 | 一种等时性回旋加速器中心区可调节式活塞型磁铁结构 |
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WO2016092623A1 (ja) * | 2014-12-08 | 2016-06-16 | 株式会社日立製作所 | 加速器及び粒子線照射装置 |
EP3244707B1 (en) * | 2016-05-13 | 2018-09-05 | Ion Beam Applications S.A. | Pole insert for cyclotron |
EP3244708B1 (en) * | 2016-05-13 | 2018-09-05 | Ion Beam Applications S.A. | Peripheral hill sector design for cyclotron |
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2000
- 2000-07-13 JP JP2000212440A patent/JP3464196B2/ja not_active Expired - Fee Related
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