JP3460508B2 - カスタードクリーム練込用油脂組成物 - Google Patents
カスタードクリーム練込用油脂組成物Info
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Description
るカスタードクリームを製造できる油脂組成物に関す
る。
の嗜好にマッチしたフィリング材として、シュークリー
ムやワッフルなどへの応用が広く行われている。しか
し、カスタードクリームは、配合として牛乳、卵の他、
小麦粉、コーンスターチなどを用いるため、冷凍解凍に
より澱粉が老化して離水が生じ、さらに卵蛋白質等が凍
結変性して組織の悪化が起こるなど、品質の劣化が顕著
であるため冷凍保存は困難なものとされていた。
凍解凍耐性の無かった食品についても冷凍解凍耐性を求
める声が多くなってきた。このような市場ニーズに対応
して、冷凍解凍耐性を有するカスタードクリームの開発
がこれまでにも試みられてきた。即ち、化工澱粉、冷凍
加糖卵黄を用いた耐凍結性カスタードクリームの製造方
法が、特開平6−78679号公報で提案されている。
しかしながら、このカスタードクリームでは、凍結によ
る澱粉の老化を抑え、離水を減らすことができるもの
の、凍結による卵黄蛋白の変性、離水を抑えることはで
きない。したがって、冷凍解凍後の組織悪化を十分に防
止することはできず、冷凍解凍耐性の点においても満足
できるものではなかった。
性を有するカスタードクリームは開発されていなかっ
た。また、冷凍解凍耐性を付与することができる油脂組
成物も開発されていなかった。
現状に鑑み、冷凍解凍耐性のあるカスタードクリームを
製造できる油脂組成物を提供せんとするものである。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、グリセリン
脂肪酸エステル、蔗糖不飽和脂肪酸エステル、加工澱粉
及び糖類を含有し、さらに前記グリセリン脂肪酸エステ
ルとしてクエン酸モノグリセリドを含有する油脂組成物
をカスタードクリームに使用することにより、冷凍解凍
による澱粉の老化を抑え、かつ、蛋白質の変性も抑えら
れ、結果としてカスタードクリームの冷凍解凍耐性が非
常に高くなることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
ば、冷凍解凍耐性のあるカスタードクリームを製造する
ことができる。即ち、本発明の第1は、食用油脂、組成
物100重量部中、グリセリン脂肪酸エステル0.2〜
5重量部、蔗糖不飽和酸脂肪酸エステル0.1〜3重量
部、加工澱粉1〜20重量部及び糖類5〜40重量部を
含有し、油中水型に乳化してなり、かつ前記グリセリン
脂肪酸エステルとしてクエン酸モノグリセライドを含む
ことを特徴とするカスタードクリーム練込用油脂組成物
に関するものである。
肪酸エステルとしてモノグリセライドを含有することを
特徴とするカスタードクリーム練込用油脂組成物に関す
るものである。また、別の好ましい実施態様としては、
必要に応じて蛋白質を含有してなることを特徴とするカ
スタードクリーム練込用油脂組成物に関するものであ
る。
練込用油脂組成物を含有することを特徴とするカスター
ドクリームに関するものである。
本発明にかかる油脂組成物には食用油脂が用いられる。
この食用油脂としては、例えば、食用に適する動物性、
植物性の油脂、またはそれらの硬化油、エステル交換
油、分別油等から目的に応じて適宜選択し、これを単独
で、あるいは組み合わせて使用する。
としては、モノグリセライド、モノグリセライド有機酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ
る。前記モノグリセライドとしては、構成脂肪酸が炭素
数16〜22の飽和脂肪酸および/または炭素数18〜
22の不飽和脂肪酸、即ち、通常のモノグリセライドを
用いるのが好ましい。また、前記モノグリセライド有機
酸エステルの有機酸としては、酒石酸、コハク酸、クエ
ン酸、乳酸、ジアセチル酒石酸またはこれらの混合物を
挙げることができる。このうち、クエン酸エステルが特
に好適である。モノグリセライド有機酸エステルの脂肪
酸としては、炭素数16〜22の飽和脂肪酸が90重量
%以上のものを用いるのが好ましい。さらに、前記ポリ
グリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリン重合度
が2〜10のものを用いるのが好ましい。かかるグリセ
リン脂肪酸エステルの使用量は、組成物100重量部
中、0.2〜5重量部が適当であり、使用量が0.2重
量部より少ないと目的とする効果が得られにくく、ま
た、使用量が5重量部より多いと組成物自体の安定性が
悪くなり、品質が経日的に劣化する恐れがある。
としては、構成脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、
ベヘニン酸等の飽和酸、オレイン酸、エルカ酸等の不飽
和酸のいずれもが挙げられる。また、水溶性、油溶性に
かかわらずいずれの蔗糖脂肪酸エステルも用いられる。
かかる蔗糖脂肪酸エステルの使用量は、組成物100重
量部中、0.1〜3重量部が適当であり、使用量が0.
1重量部より少ないと目的とする効果が得られにくく、
また、使用量が3重量部より多いと蔗糖脂肪酸エステル
独特の渋味がカスタードクリーム中に出て風味を損なう
恐れがある。
化剤としては、上記グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂
肪酸エステルが挙げられるが、これらの他、食品用途と
して使用できる乳化剤、例えば、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン等も同様
に使用できる。
ル化処理澱粉、燐酸架橋処理およびエーテル化処理した
澱粉、デキストリン類等、種々のものが挙げられる。こ
のうち、粒子が残存している澱粉については、加熱して
も粒子が崩壊せず、糊状にならないものが好適である。
また、粒子の残存しない澱粉については、加熱、冷却に
よってもその溶液が老化しにくいものが好適である。さ
らに、原料澱粉の種類については、タピオカ、馬鈴薯、
ワキシーコーンなどのアミロペクチン含量が多いものが
好適である。かかる加工澱粉の使用量は、組成物100
重量部中、1〜20重量部が適当であり、使用量が1重
量部より少ないと目的とする効果が得られにくく、使用
量が20重量部より多いと、組成物自体の安定性が悪く
なる。
質、小麦蛋白質、血液蛋白質、卵蛋白質およびこれら蛋
白質の分解物から選ばれた1種または2種以上の蛋白質
であり、例えば、蛋白質としては、乳清蛋白質濃縮物
(WPC)、カゼインナトリウム、酸カゼイン、グルテ
ン、グリアジン、グルテニン、血漿蛋白質、卵黄、卵白
等が挙げられる。このうち、カゼイン、カゼインナトリ
ウム、WPC等の乳蛋白質およびこれらの酵素処理物、
あるいは卵蛋白質として、例えば、全卵あるいは卵黄を
酵素処理したもの、卵黄を酵素処理し加糖してペースト
状にしたもの等が好適である。なお、ここで蛋白質の分
解物とは、例えば、プロテアーゼ等の酵素や酸により蛋
白質を加水分解したものをいう。かかる蛋白質の使用量
は、組成物100重量部中、0.1〜3重量部が適当で
あり、使用量が0.1重量部より少ないと目的とする効
果が得られにくく、また、使用量が3重量部より多い
と、カスタードクリームに蛋白質由来の風味が強く出て
カスタードクリーム自体の風味に悪影響を及ぼす恐れが
ある。
化液糖、水飴、蜂蜜、ソルビトール、マルチトール、オ
リゴ糖、分岐オリゴ糖、還元水飴、還元澱粉糖化物等、
液状のもの、あるいは粉末状のもののいずれも使用でき
る。このうち、デキストリン分の多い水飴や、保水能力
の高いソルビトール、オリゴ糖などが好適である。かか
る糖類の使用量は組成物100重量部中、5〜40重量
部が適当である。使用量が5重量部より少ないと油中水
型に乳化した場合、水相部の加工澱粉の加熱変性を抑え
る効果が発揮されにくく、さらに、カスタードクリーム
に対して目的とする効果が得られにくい。また、使用量
が40重量部より多いと、油中水型に乳化した場合、組
成物自体の乳化安定性に悪影響を及ぼす恐れがある。
上記の各種配合物の他、油中水型乳化を安定化させる目
的でキサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム等の
増粘剤類、セルロースおよびその誘導体、ポリデキスト
ロース、小麦ふすま、大豆繊維、さつまいも繊維、りん
ご繊維、難消化性デキストリン等の食物繊維、プロピレ
ングリコール、エタノール等のアルコール類を使用して
も差し支えない。また、乳化安定性を更に高めるために
クエン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、酒石酸水素カ
リウム等の有機酸塩類を使用することも可能である。さ
らに、香料、着色料も好みに応じて適宜使用できる。
えば以下のようにして製造することができる。まず、食
用油脂にグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステ
ルを加熱溶解し、次に加工澱粉を加える。この混合液を
冷却、捏和処理して油脂組成物を得る。また、例えば、
以下のようにして製造することもできる。まず、水、ソ
ルビトール、液糖等の糖類に加工澱粉、蛋白質等を加
え、必要に応じて水溶性のグリセリン脂肪酸エステル、
水溶性の蔗糖脂肪酸エステル等の乳化剤、クエン酸ナト
リウム等の有機酸塩等を加え、攪拌しながら加温し、こ
れを水相部とする。一方、食用油脂、油溶性のグリセリ
ン脂肪酸エステル、油溶性の蔗糖脂肪酸エステルあるい
は更に必要に応じて着色料、香料を加えて混合し、加
温、溶解させ、これを油相部とする。上記水相部を攪拌
しながら、これに油相部をゆっくり加えて油中水型に乳
化し、この乳化液を冷却、捏和処理して油脂組成物を得
る。
油脂組成物を用いて常法により製造することができる。
た試験例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例、試験例に何ら限定されるもので
はない。 (実施例1〜実施例8、比較例1、2)表1に示す配合
により、前述の製造法にしたがって、油脂組成物を作成
した。
て得られた実施例1〜実施例8および比較例1、2の油
脂組成物を用いて、表2の配合および以下に示した製法
にてカスタードクリームを製造し、チラー水中で室温以
下まで冷却した後、−20℃の冷凍庫で所定の期間冷凍
し、評価する2日前から10℃の冷蔵庫で解凍し、評価
した。<カスタードクリームの製法> ボールに上白糖と小麦粉、コーンスターチを加え、混
合する。
まで炊き上げる。 評価結果を表2に示した。
の油脂組成物をカスタードクリームの製造に使用するこ
とにより、長期間の冷凍保存後に解凍しても組織状態が
滑らかで離水現象も抑えられ、安定した品質のカスター
ドクリームが得られる。
ムの製造に使用することにより、長期間の冷凍保存後に
解凍しても組織状態が滑らかで離水現象も抑えられ、冷
凍解凍耐性のあるカスタードクリームが得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】 食用油脂、組成物100重量部中、グリ
セリン脂肪酸エステル0.2〜5重量部、蔗糖不飽和酸
脂肪酸エステル0.1〜3重量部、加工澱粉1〜20重
量部及び糖類5〜40重量部を含有し、油中水型に乳化
してなり、かつ前記グリセリン脂肪酸エステルとしてク
エン酸モノグリセライドを含むことを特徴とするカスタ
ードクリーム練込用油脂組成物。 - 【請求項2】 グリセリン脂肪酸エステルとして、モノ
グリセライドを含有することを特徴とする請求項1記載
の油脂組成物。 - 【請求項3】 加工澱粉が、アセチル化処理澱粉、燐酸
架橋処理およびエーテル化処理した澱粉、並びにデキス
トリン類から選ばれた1種または2種以上である請求項
1または2に記載の油脂組成物。 - 【請求項4】 蛋白質の1種または2種以上をさらに含
有することを特徴とする請求項1記載のカスタードクリ
ーム練込用油脂組成物。 - 【請求項5】 蛋白質を0.1〜3重量部含有すること
を特徴とする請求項4記載の油脂組成物。 - 【請求項6】 蛋白質が乳蛋白質、卵蛋白質およびこれ
ら蛋白質の分解物から選ばれた1種または2種以上であ
る請求項4または5記載の油脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の油脂組
成物を含有することを特徴とするカスタードクリーム。
Priority Applications (1)
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JP12922797A JP3460508B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | カスタードクリーム練込用油脂組成物 |
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JPH10313806A JPH10313806A (ja) | 1998-12-02 |
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ID=15004311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12922797A Expired - Lifetime JP3460508B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | カスタードクリーム練込用油脂組成物 |
Country Status (1)
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JP2006050923A (ja) * | 2004-08-10 | 2006-02-23 | Nikken Kasei Kk | クリーム類 |
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-
1997
- 1997-05-20 JP JP12922797A patent/JP3460508B2/ja not_active Expired - Lifetime
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