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JP3446423B2 - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合体の製造方法

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Publication number
JP3446423B2
JP3446423B2 JP26523295A JP26523295A JP3446423B2 JP 3446423 B2 JP3446423 B2 JP 3446423B2 JP 26523295 A JP26523295 A JP 26523295A JP 26523295 A JP26523295 A JP 26523295A JP 3446423 B2 JP3446423 B2 JP 3446423B2
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group
compound
carbon atoms
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polymerization
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誠 曽根
彩樹 長谷川
悟 山田
明広 矢野
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、置換フルオレニル
基を配位子として含み、かつもう一方の配位子であるシ
クロペンタジエニル基とこの置換フルオレニル基との間
にシランジイル基による架橋構造を持つことを特徴とす
るメタロセン化合物を含んでなる触媒を用いて120℃
以上の高温で重合反応を行い、高分子量のオレフィン重
合体を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合において高い重合活性
を示す錯体触媒として、チタン、ジルコニウムまたはハ
フニウム(周期表4族)等の遷移金属のシクロペンタジ
エニル誘導体とアルミノオキサンを基本構成成分として
用いるメタロセン触媒が報告されている。この公知技術
は、J.Boor著「チーグラー・ナッタ触媒および重
合」Academic Press.New York
(1979)、H.SinnおよびW.Kaminsk
y著 Adv.Organomet.Chem.189
9(1980)に記載されている。これらの触媒には、
オレフィン重合に対する触媒活性が高い点と立体規則性
オレフィン重合体を生成する能力のある点が示されてい
る。また、特開平1−503788号公報には、上述し
た触媒系であるメタロセン化合物およびアルミノオキサ
ンを用いた高圧高温法による高密度ポリエチレンあるい
は比較的高密度のエチレン/α−オレフィン共重合体の
製造方法が記載されている。
【0003】しかし、これらの触媒を大規模に産業上使
用することを妨げてきた主たる欠点として以下のことが
挙げられる。第1には、助触媒として用いられるアルミ
ノオキサンを再現性ある形態で合成することが困難であ
り、そのため適切な再現特性を備えた触媒および重合体
を調製することが困難なことである。第2には、活性の
向上、重合の安定性を計るためには高価なアルミノオキ
サンを主触媒である遷移金属化合物に対して著しく高い
比率で使用しなければならない点である。
【0004】触媒調製におけるこれら欠点は、イオン性
メタロセン触媒によって排除される。特開平3−207
704号公報には、メタロセン化合物とイオン化イオン
性化合物を反応させることにより製造したイオン性メタ
ロセン化合物が記載されている。また、WO92/01
723号公報には、ハロゲン化メタロセン化合物と有機
金属化合物とを反応せしめ、反応物にイオン化イオン性
化合物を接触させてなる触媒系を用いたα−オレフィン
の重合方法が記載されており、このような触媒系がオレ
フィン重合触媒として有利に使用されることが開示され
ている。
【0005】また、特開平5−320246号公報に
は、このイオン性メタロセン触媒を用いた高温重合に関
する記載がある。すなわち、従来公知であるジシクロペ
ンタジエニルジルコニウムジクロライドを用いて、テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素ジメチルアニリニ
ウムおよびトリイソブチルアルミニウムからイオン性メ
タロセン触媒を製造し、重合触媒として用いるものであ
る。しかしながら、上記触媒を用いて高温下でエチレン
/1−オクテンの共重合を行った際、生成するポリマー
の極限粘度は小さい(このことはポリマーの分子量が小
さい)ことが報告されており、重合体を単独で樹脂とし
て利用する際に必要となる剛性または強度が不足するこ
とが推測される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高分子量の重
合体を得るためには重合温度を下げ、重合の連鎖移動反
応を抑えることが考えられるが、実際に重合体の融点以
下の低温で重合すると生成する重合体が反応容器内で析
出し、撹拌が阻害され、生産性の向上を妨げることとな
る。重合温度を得られる重合体の融点より高く設定した
溶液重合においてはこの問題が解決され、重合の際の溶
液粘度を低下させ、撹拌効率を上げることで均質な重合
体を得ることが可能となり、また重合熱除去が容易とな
り、反応の制御が有利になる。また、高温高圧重合では
重合温度と供給原料の温度差が大きいほどオレフィンの
転化率が良くなり、経済的利益が大きくなる。従って、
高温重合において、より高温度の条件下で使用可能なメ
タロセン触媒の開発が求められている。
【0007】本発明はこの課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、120℃以上の高温下の重
合において、狭い組成分布や分子量分布を有し、高分子
量のオレフィン重合体を製造する方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、エチレンα−
オレフィン類との共重合を実施する際に、重合温度が1
20℃以上の高温下においても特定の置換基を有するメ
タロセン触媒を用いることで、狭い組成分布や分子量分
布を有し、かつ高分子量のオレフィン重合体を得ること
ができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、a)一般式(1)
【0010】
【化3】
【0011】[式中、R1はC54基とC44-m2 m5
44-n3 n基を架橋し、一般式(1)で表される化合
物の立体的剛性を高めるシランジイル基であり、C54
基はシクロペンタジエニル基であり、C44-m2 m5
44-n3 n基は置換フルオレニル基であり、R2およ
びR3は置換フルオレニル基のベンゾ環部分上の置換基
であり、各々同一でも異なっていてもよく、アルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロゲン
化アリール基であり、M1はTi、ZrまたはHfであ
り、R4は各々独立して水素原子、炭化水素基、炭素数
1〜20のアミノ基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水
素基またはハロゲンであり、mは0〜4の整数であり、
nは0〜4の整数である。]で示される置換フルオレニ
ル基を有するメタロセン化合物、およびb)メタロセン
に対して対アニオンを提供するプロトン酸、ルイス酸、
イオン化イオン性化合物またはルイス酸性化合物からな
るオレフィン重合触媒、さらにc)有機金属化合物を含
んでなるオレフィン重合触媒を用いて、エチレンおよび
炭素数3以上のα−オレフィン類を120℃以上の温度
で重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方
法に関するものであり、以下にその詳細を述べる。
【0012】本発明で用いられるメタロセン化合物は、
一般式(1)で示される。
【0013】
【化4】
【0014】式中、R1はC54基とC44-m2 m5
44-n3 n基を架橋し、一般式(1)で示される化合物
の立体的剛性を高めるシランジイル基であり、アルキル
シランジイル基、アリールシランジイル基およびアルキ
ルアリールシランジイル基等が挙げられ、好ましくはア
リールシランジイル基およびアルキルアリールシランジ
イル基である。具体的には、アルキルシランジイル基の
例としてジメチルシランジイル基、ジエチルシランジイ
ル基、シクロプロピルシランジイル基等が挙げられ、ア
リールシランジイル基およびアルキルアリールシランジ
イル基の例としてフェニルメチルシランジイル基、ジフ
ェニルシランジイル基、ジトルイルシランジイル基、ジ
ナフチルシランジイル基等が挙げられ、好ましくは配位
子の置換フルオレニル基やシクロペンタジエニル基等の
分子振動を抑えるという観点から、架橋部分は珪素の単
原子がシクロペンタジエニル基部分と置換フルオレニル
の9位の部分を架橋し、さらに架橋の原子にフェニル基
誘導体が結合してなるジフェニルシランジイル基、ジト
リルシランジイル基またはジナフチルシランジイル基が
挙げられる。
【0015】フルオレニル骨格を以下の一般式(2)に
示す。
【0016】
【化5】
【0017】(但し、添付した数字はフルオレニル骨格
の置換基の位置を示す。) R2およびR3は置換フルオレニル基のベンゾ環部分上の
置換基であり、各々同一でも異なっていてもよく、アル
キル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはハロ
ゲン化アリール基であり、具体例としてメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、フェニ
ル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、トルイル
基、メチルトルイル基、ベンジル基、ナフチル基、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等、またはこれらのハロゲン化物を挙げ
ることができる。
【0018】M1はTi、ZrまたはHfであり、R4
各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イ
ソブチル基、イソペンチル基、フェニル基、メチルフェ
ニル基、エチルフェニル基、トルイル基、メチルトルイ
ル基、ベンジル基、ナフチル基、シクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等
の炭化水素基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルア
ミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジ
オクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ
基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、
ジイソペンチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチル
フェニルアミノ基、エチルフェニルアミノ基、ジトルイ
ルアミノ基、メチルトルイルアミノ基、ジベンジルアミ
ノ基、ベンジルメチルアミノ基、ジナフチルアミノ基、
シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シク
ロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等の炭素
数1〜20のアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキ
シ基、フェノキシ基、1−フェニルメトキシ基、ナフト
キシ基、2−メトキシメチル基、2−メトキシエチル基
等の炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基またはハロゲ
ンである。
【0019】フルオレニル基の置換基の数を示すmは0
〜4の整数であり、またnは0〜4の整数である。
【0020】具体的にメタロセン化合物としては、ジフ
ェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(フルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシラン
ジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルフルオレ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジ
イル(シクロペンタジエニル)(2−エチルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイ
ル(シクロペンタジエニル)(2−イソプロピルフルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシラン
ジイル(シクロペンタジエニル)(2−t−ブチルフル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシラ
ンジイル(シクロペンタジエニル)(4−メチルフルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシラン
ジイル(シクロペンタジエニル)(4−エチルフルオレ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジ
イル(シクロペンタジエニル)(4−イソプロピルフル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシラ
ンジイル(シクロペンタジエニル)(4−t−ブチルフ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシ
ランジイル(シクロペンタジエニル)(2−フェニルフ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシ
ランジイル(シクロペンタジエニル)(2−ナフチルフ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシ
ランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチ
ルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニ
ルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ
エチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフ
ェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7
−ジイソプロピルフルオレニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペン
タジエニル)(2,7−ジフェニルフルオレニル)ジル
コニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シク
ロペンタジエニル)(2,7−ジナフチルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライドおよび中心金属のZrを
TiまたはHfに置き換えたもの、あるいはR4をメチ
ル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、フッ素、臭
素、ヨウ素等に置き換えたものを例示することができる
が、これに限定されるものではない。
【0021】
【0022】そして、メタロセン化合物を触媒として用
いる際、メタロセン化合物のアルキル化、ヒドロ化等を
含むカチオン性メタロセン化合物の生成、生成したカチ
オン性メタロセン化合物の触媒毒からの保護または反応
場を提供する溶媒的役割として、アルキル基を少なくと
も1個以上有する有機金属化合物(9)を用いることが
できる。
【0023】本発明に用いられるプロトン酸は、下記一
般式(3) [HL1 l][M28 4] (3) (式中、Hはプロトンであり、L1は各々独立してルイ
ス塩基であり、lは0<l≦2であり、M2はホウ素原
子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R8
は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール
基である。)で表される化合物である。
【0024】ルイス酸は、下記一般式(4) [C][M28 4] (4) (式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウム
カチオンであり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子
またはガリウム原子であり、R8は各々独立して炭素数
6〜20のハロゲン置換アリール基である。)で表され
る化合物である。
【0025】イオン化イオン性化合物は、下記一般式
(5) [M32 r][M28 4] (5) (式中、M3は周期表の1族、2族、8族、9族、10
族、11族または12族から選ばれる金属の陽イオンで
あり、L2はルイス塩基またはシクロペンタジエニル基
であり、rは0≦r≦2であり、M2はホウ素原子、ア
ルミニウム原子またはガリウム原子であり、R8は各々
独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基であ
る。)で表される化合物である。
【0026】ルイス酸性化合物は、下記一般式(6) [M28 3] (6) (式中、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガ
リウム原子であり、R8は各々独立して炭素数6〜20
のハロゲン置換アリール基である。)表される化合物で
ある。
【0027】本発明の触媒の構成成分として用いられる
プロトン酸(3)、ルイス酸(4)、イオン化イオン性
化合物(5)、ルイス酸性化合物(6)は、上記のメタ
ロセン化合物と反応し、カチオン性メタロセン化合物を
生成しうる化合物であり、生成したカチオン性メタロセ
ン化合物に対して対アニオンを提供する化合物である。
【0028】一般式(3)で表されるプロトン酸の具体
例として、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメ
チレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアンモニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ
−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジメチルオ
キソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アル
ミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)アルミネート、ヒドロニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)アルミネート、トリ−n−ブチルアンモ
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネ
ート等を挙げることができるが、これらに限定されるも
のではない。
【0029】一般式(4)で表されるルイス酸として
は、具体的にトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】そして、一般式(5)で表されるイオン化
イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリ
チウム塩、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム
塩、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)アルミネート等の銀塩等、またはそのエーテル錯体
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0031】一般式(6)で表されるルイス酸性化合物
の具体的な例として、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロ
フェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフ
ェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(パーフルオロ
フェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロ
フェニル)アルミニウム等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】本発明において用いられる有機金属化合物
としては、周期表1族、2族、13族、SnまたはZn
を含む有機金属化合物を挙げることができ、具体的には
下記一般式(9) M49 s (9) (式中、M4は周期表1族、2族、13族、Snまたは
Znの元素であり、R9は各々独立して水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または
炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリ
ールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリ
ール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少な
くとも1つのR9は水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基または炭素数6〜20のアリール基、アリールアル
キル基、アルキルアリール基であり、sはM4の酸化数
に等しい。)で表される化合物である。
【0036】前記一般式(9)で表される化合物として
は、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリ−n−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニ
ウム、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルア
ルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウム
エトキサイド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサ
イド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n
−ブチルアルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニ
ウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n
−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルア
ルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウム
ハイドライド等を例示することができる。
【0037】触媒を調製する方法としては、メタロセン
化合物およびメタロセン化合物をカチオン性メタロセン
化合物にしうる化合物、さらに有機金属化合物からなる
触媒成分をこれらの化合物に対して不活性な溶媒下で混
合する方法や重合に用いるオレフィン類の存在する反応
容器内でメタロセン化合物と有機金属化合物を接触させ
る方法等の混合方法、あるいは各成分を混合する順番の
組み合わせが幾種類か挙げられるが、カチオン性メタロ
セン化合物が生成する条件であれば特定の方法に限定さ
れるものではない。
【0038】触媒系においてプロトン酸、ルイス酸、イ
オン化イオン性化合物またはルイス酸性化合物の量は、
使用するメタロセン化合物に対して0.1〜100倍m
olとするのが好ましく、特に0.5〜30倍molと
することが好ましい。さらに、これとは別に用いられる
第三成分の有機金属化合物の量は特に限定されないが、
好ましくはメタロセン化合物に対して100000倍m
ol以下であり、これ以上の量であると脱灰の工程を考
慮する必要が出てくる。さらに、本発明の触媒系により
高分子量の重合体を製造するためには、この有機金属化
合物の使用量は用いるメタロセン化合物に対してできる
限り少量にするのが好ましく、例えばイオン化イオン性
化合物とR4がアルキル基または水素であるメタロセン
化合物のみで重合を行うことにより最も高分子量化を実
現できると考えられるが、カチオン性メタロセン化合物
の安定化および触媒毒の排除の観点を考え合わせると有
機金属化合物を1〜4000倍molの範囲で使用する
ことがより好ましい。
【0039】
【0040】本発明で用いる炭素数が3以上のα−オレ
フィン類の例として、プロピレン、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、またはスチレン、p−メチルスチレン等を挙
げることができる。また、ジエン類としてブタジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリ
デンノルボルネン、ビニリデンノルボルネン等を少量な
ら用いてもよく、これらに限定されるものではない。ま
た重合を行う際、これらのうち1種または2種以上を混
合して用いてもよい。
【0041】重合方法としては、公知の技術である溶媒
を用いた溶液重合法や高温高圧法等が挙げられる。この
際、高圧法プロセスとしては、ベッセルタイプまたはチ
ューブラータイプの反応器等が用いられる。
【0042】溶液重合法での重合条件は以下のようであ
り、重合温度は120℃以上の温度であれば特に限定さ
れないが、重合温度が高い方が溶液粘度の低下および重
合熱の除去が容易となることから重合体の生産性は向上
すると考えられる。このことから120℃以上300℃
以下の温度が好ましいが、本発明の目的である高分子量
の重合体を得るためには、重合体の分子量を低下させる
連鎖移動反応を抑えるという観点から重合温度は低いほ
どよく、120℃以上250℃以下の重合温度で行うこ
とがさらに好ましい。重合時の圧力についても特に限定
されないが、経済性を考えると大気圧〜200kg/c
2の範囲が好ましい。
【0043】高温高圧法での重合条件は以下のようであ
り、重合温度は120℃以上の温度であれば特に限定さ
れないが、先に溶液重合で述べたような理由により重合
体の生産性の観点から120℃以上300℃以下の温度
が好ましいが、重合体の分子量を低下させる連鎖移動反
応を抑えるという観点からは120℃以上250℃以下
の重合温度で行うことがさらに好ましい。重合圧力につ
いても特に限定されないが、重合体の生産性の点から5
00〜3500kg/cm2の圧力下で実施することが
好ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、特定の構造を有するメ
タロセン触媒を用い、高温下で、エチレンおよびα−オ
レフィン類の重合を行うことにより、狭い組成分布と分
子量分布を有し、高分子量のオレフィン重合体を効率的
に製造することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するため、メタロセン化合物の合成および重合の結果
を例示するが、これらの実施例に限定されるものではな
い。
【0046】重合操作、反応および溶媒精製はすべて精
製アルゴンまたは乾燥窒素の不活性ガス雰囲気下で行っ
た。また、反応に用いた溶媒は、すべて予め公知の方法
で精製、乾燥および/または脱酸素を行ったものを用い
た。反応に用いた化合物は、公知の技術を用いるかある
いは応用し、合成、同定したものを用いた。
【0047】本発明で得られたオレフィン重合体は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ−(GPC)(W
ATERS社製 150C型)を用いて、カラムTSK
−GEL GMHHR−H(S)、溶離液o−ジクロロ
ベンゼン、測定温度140℃、測定濃度7mg(サンプ
ル)/10ml(o−ジクロルベンゼン)の条件で測定
した。
【0048】実施例1 溶媒として脂肪族系炭化水素(IPソルベント1620
(出光石油化学社製))600mlを1l反応器に加
え、これに1−ヘキセン 20mlを加え、反応器の温
度を150℃に設定した。そして、この反応器の圧力が
20kg/cm2となるようにエチレンを供給した。
【0049】一方、別の容器においてジフェニルシラン
ジイル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジル
コニウムジクロライド0.75μmolをトルエンに溶
解し、そこにトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶
液(トリイソブチルアルミニウム20wt%)をアルミ
ニウム換算125μmol加えて1時間撹拌した。次
に、この混合物をN,N−ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 1.5μm
olをトルエン1mlに溶解した溶液に加え、10分間
撹拌し、ここで得られた混合物を窒素圧で前記反応器に
供給した。
【0050】混合物を反応器に供給した後、150℃に
保持したまま1500rpmで20分間攪拌し、共重合
反応を行わせ、得られた反応生成物を真空下、100℃
で6時間乾燥した。その結果、28gのエチレン−1−
ヘキセン共重合体が得られた。得られた共重合体の重量
平均分子量(Mw)等の測定結果を表1に示す。
【0051】実施例2 エチレン圧を6kg/cm2とした以外は実施例1と同
様の方法により共重合を行った。その結果を表1に示
す。
【0052】実施例3 重合温度を170℃とした以外は実施例1と同様の方法
により共重合を行った。その結果を表1に示す。
【0053】実施例4 N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート 1.5μmolの代わりにト
ロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート1.5μmolを用いた以外は実施例1と同様の方
法により共重合を行った。その結果を表1に示す。
【0054】実施例5 N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート 1.5μmolの代わりにト
リフェニルカルベニウム(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート1.5μmolを用いた以外は実施例1と同様の
方法により共重合を行った。その結果を表1に示す。
【0055】実施例6 [ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)
(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジ
クロライドの合成] ジフェニル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−
ブチルフルオレニル)シラン 100mmolをテトラ
ヒドロフラン1000mlに溶解し、−70℃に冷却し
て、102mmolのn−ブチルリチウムを滴下した。
室温まで昇温し、1日室温で撹拌した後、THFを除去
して、残渣をヘキサン洗浄することにより淡黄色の粉末
を得た。
【0056】一方、別の容器で四塩化ジルコニウム50
mmolにジエチルエーテル850mlを加え、0℃に
冷却し、激しく撹拌を行った。そこに、先に得られた粉
末のエーテル懸濁液1150mlをゆっくりと加えた。
室温まで昇温し、濾過して生成した固体を濾別した。濾
液を濃縮し、−70℃に冷却することにより結晶が析出
するため、溶液を濾別し、得られる黄色固体を塩化メチ
レンとヘキサンで再結晶を繰り返すことにより、26.
5gのジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニ
ル)(2,7−ジt−ブチルフルオレニル)ジルコニウ
ムジクロライドの淡黄色粉末を得た。
【0057】[重合]溶媒として脂肪族系炭化水素(I
Pソルベント1620(出光石油化学社製))600m
lを1l反応器に加え、これに1−ヘキセン 20ml
を加え、反応器の温度を170℃に設定した。そして、
この反応器の圧力が20kg/cm2となるようにエチ
レンを供給した。
【0058】一方、別の容器においてジフェニルシラン
ジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブチ
ルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド 0.25
μmolをトルエンに溶解し、そこにトリイソブチルア
ルミニウムのトルエン溶液(トリイソブチルアルミニウ
ム20wt%)をアルミニウム換算で62.5μmol
加えて1時間撹拌した。次に、この混合物をN,N−ジ
メチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート 0.5μmolをトルエン0.5mlに
溶解した溶液に加え、10分間撹拌し、ここで得られた
混合物を窒素圧で前記反応器に供給した。
【0059】混合物を反応器に供給した後、170℃に
保持したまま1500rpmで20分間攪拌し、共重合
反応を行わせ、得られた反応生成物を真空下、100℃
で6時間乾燥した。その結果、21gのエチレン−1−
ヘキセン共重合体が得られた。得られた共重合体のMw
等の測定結果を表1に示す。
【0060】実施例7 ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライドの代わりにジフ
ェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7
−ジt−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ドを用いた以外は実施例1と同様の方法により共重合を
行った。その結果を表1に示す。
【0061】実施例8 1−ヘキセン 20mlの代わりに1−ブテンを20m
l用いた以外は実施例7と同様の方法により共重合を行
った。その結果を表1に示す。
【0062】比較例1 溶媒として脂肪族系炭化水素(IPソルベント1620
(出光石油化学社製))600mlを1l反応器に加
え、これに1−ヘキセン 20mlを加え、反応器の温
度を150℃に設定した。そして、反応器の圧力が20
kg/cm2となるようにエチレンを供給した。
【0063】一方、別の容器においてエチレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド1.0μmolを
トルエンに溶解し、そこにトリイソブチルアルミニウム
のトルエン溶液(トリイソブチルアルミニウム20wt
%)をアルミニウム換算で250μmol加えて1時間
撹拌した。次に、この混合物をN,N−ジメチルアニリ
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
2.0μmolをトルエン1mlに溶解した溶液に加
え、10分間撹拌し、ここで得られた混合物を窒素圧で
前記反応器に供給した。
【0064】混合物を反応器に供給した後、150℃に
保持したまま1500rpmで1時間攪拌し、共重合反
応を行わせ、得られた反応生成物を真空下、100℃で
6時間乾燥した。その結果、40gのエチレン−1−ヘ
キセン共重合体が得られた。得られた共重合体のMw等
の測定結果を表1に示す。
【0065】比較例2 エチレン圧を6kg/cm2にした以外は比較例1と同
様の方法により共重合を行った。その結果を表1に示
す。
【0066】比較例3 重合温度を170℃にした以外は比較例1と同様の方法
により共重合を行った。その結果を表1に示す。
【0067】比較例4 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド
1.0μmolの代わりにビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド1.0μmolを用いた
以外は比較例1と同様の方法により共重合を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0068】比較例5 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド
1.0μmolの代わりにジメチルシランジイルビス
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド 1.0μmolを用いた以外は比較例
1と同様の方法により共重合を行った。その結果を表1
に示す。
【0069】
【表1】
【0070】本発明の重合温度120℃以上の重合条件
において生成する重合体は、充分高い分子量であること
が確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−138275(JP,A) 特開 平6−1803(JP,A) 特開 平6−271625(JP,A) 特開 平8−59706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/64 - 4/658 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)一般式(1) 【化1】 [式中、R1はC54基とC44-m2 m544-n3 n
    基を架橋し、一般式(1)で表される化合物の立体的剛
    性を高めるシランジイル基であり、C54基はシクロペ
    ンタジエニル基であり、C44-m2 m544-n3 n
    基は置換フルオレニル基であり、R2およびR3は置換フ
    ルオレニル基のベンゾ環部分上の置換基であり、各々同
    一でも異なっていてもよく、アルキル基、ハロゲン化ア
    ルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール基であ
    り、M1はTi、ZrまたはHfであり、R4は各々独立
    して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜20のアミノ
    基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基またはハロゲ
    ンであり、mは0〜4の整数であり、nは0〜4の整数
    である。]で示される置換フルオレニル基を有するメタ
    ロセン化合物、および b)メタロセンに対して対アニオンを提供するプロトン
    酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物またはルイス酸
    性化合物からなる触媒を用いて、エチレンおよび炭素数
    3以上のα−オレフィン類を120℃以上の温度で重合
    することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】a)一般式(1) 【化2】 [式中、R1はC54基とC44-m2 m544-n3 n
    基を架橋し、一般式(1)で表される化合物の立体的剛
    性を高めるシランジイル基であり、C54基はシクロペ
    ンタジエニル基であり、C44-m2 m544-n3 n
    基は置換フルオレニル基であり、R2およびR3は置換フ
    ルオレニル基のベンゾ環部分上の置換基であり、各々同
    一でも異なっていてもよく、アルキル基、ハロゲン化ア
    ルキル基、アリール基またはハロゲン化アリール基であ
    り、M1はTi、ZrまたはHfであり、R4は各々独立
    して水素原子、炭化水素基、炭素数1〜20のアミノ
    基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基またはハロゲ
    ンであり、mは0〜4の整数であり、nは0〜4の整数
    である。]で示される置換フルオレニル基を有するメタ
    ロセン化合物、b)メタロセンに対して対アニオンを提
    供するプロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物
    またはルイス酸性化合物、およびc)有機金属化合物か
    らなる触媒を用いて、エチレンおよび炭素数3以上のα
    −オレフィン類を120℃以上の温度で重合することを
    特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(1)中のR1がアリール基置換シ
    ランジイル基である触媒を用いることを特徴とする請求
    項1または2に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機金属化合物が、有機アルミニウム化合
    である触媒を用いることを特徴とする請求項2〜
    記載のオレフィン重合体の製造方法。
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