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JP3445134B2 - グレー発色アルミニウム材とその着色体の製造方法 - Google Patents

グレー発色アルミニウム材とその着色体の製造方法

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Publication number
JP3445134B2
JP3445134B2 JP02902298A JP2902298A JP3445134B2 JP 3445134 B2 JP3445134 B2 JP 3445134B2 JP 02902298 A JP02902298 A JP 02902298A JP 2902298 A JP2902298 A JP 2902298A JP 3445134 B2 JP3445134 B2 JP 3445134B2
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aluminum material
colored
gray
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electrolytic
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和夫 相川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルや住宅用建
材、サッシ、カーテンウォール、パネル、門扉等の建築
内外装用形材、オーディオ機器等の電気製品フレーム、
看板等の景観材など、各種分野で使用されるアルミニウ
ム材にグレー系酸化皮膜を形成したグレー発色アルミニ
ウム材やその着色体の製造方法に関する。なお、本明細
書中において、アルミニウム材とは、アルミニウム及び
アルミニウム合金を総称するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、建
築用アルミニウム材としては、耐食性が良いこと、強度
が高いこと、及び押出性がよいことから、JIS A
6000系、特に6063合金が多く用いられてきた。
これらの合金は、通常、陽極酸化処理を施して用いられ
るが、その色はアルミニウム特有の銀白色(シルバー)
である。さらに装飾性を高めるため、Ni、Co、Sn
等を含む電解液中で電解着色が行われるが、これらの色
もブロンズ系の同系色が主体となっている。一方、上記
以外の各種色調を有する建築用部材の需要も強く、特に
近年は落ちついた色調、質感を有する無彩色系のグレー
色が要求されている。アルミニウム材の表面にグレー系
着色酸化皮膜を形成する方法としては、従来より、合金
発色法、電解着色法、着色塗装方法などが知られてい
る。
【0003】陽極酸化処理によりグレー発色をする合金
としては、従来からAl−Fe系合金、Al−Si系合
金、あるいはMgを添加して時効硬化型合金としたAl
−Mg−Si系合金が知られている。これらのうち、発
色元素としてFeを含む合金の場合、濃色化するために
Fe量を増加させると強度が低下し、また粗大なAl−
Fe化合物を形成し、しかも不均一に分布するため、陽
極酸化時に色むらを発生する等の問題がある。また、発
色元素としてSiを含む合金の場合、通常の熱処理条
件、押出条件では発色に寄与する微細な析出Siの量が
少なく、濃色化が困難である。一般に合金発色法の場
合、金属組織の均一化が難しく、色が不均一になり易
い。また、陽極酸化皮膜の厚さと色の濃さは比例し、色
の濃さと陽極酸化皮膜厚が指定されると、その都度、合
金成分の濃度調整が必要になるなどの問題がある。
【0004】一方、電解着色法の場合、処理工程が簡単
で皮膜性能も良いという利点があるが、グレー系の場
合、現状では淡色の着色酸化皮膜のみしか得られていな
い。グレー系の電解着色法としては、例えば、特開昭6
1−143593号には、陽極酸化皮膜生成後、Ni塩
及びZn塩中にて電解着色を行ない、グレー色にする方
法が提案されている。しかしながら、この方法の場合、
Znを着色物質として使用するため、耐候性が極端に悪
くなり、また付廻り性も悪いという難点があり、さらに
はエッチング槽にこの亜鉛が入るとアルミニウム材表面
の荒れの原因にもなるという問題点がある。さらに、着
色塗装方法の場合、着色塗膜に傷が付き易く、また処理
コストが高くなるという難点がある。
【0005】したがって、本発明の目的は、アルミニウ
ム材表面に、簡単な処理で、淡色から濃色まで、希望す
る濃度の均一なグレー色の酸化皮膜を安定して再現性良
く形成でき、しかも皮膜性能にも優れるグレー発色アル
ミニウム材の製造方法を提供することにある。さらに本
発明の目的は、このようなグレー発色アルミニウム材を
ベースとして種々の色調に着色された均一な着色酸化皮
膜を形成できる着色アルミニウム材の製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するた
め、本発明によれば、バリヤー層形成及び/又は電解腐
食とアルカリエッチングを組み合わせたグレー発色アル
ミニウム材の製造方法が提供され、その第一の態様は、
アルミニウム材の表面に、酸性電解液中で10〜200
Vの直流又は交流電解によりバリヤー層を形成する工
程、バリヤー層が形成されたアルミニウム材を、ハロゲ
ン化物を含有する電解浴中で陽極電解し、バリヤー層に
多数の小孔を形成する工程、得られたアルミニウム材を
アルカリエッチングする工程、及びアルカリエッチング
されたアルミニウム材を陽極酸化する工程を含むことを
特徴としている。また、第二の態様は、アルミニウム材
の表面に、ハロゲン化物を含有する酸性電解液中で0.
3〜5A/dm2の電流密度で電解して多数の小孔を有
するバリヤー層を形成する工程、得られたアルミニウム
材をアルカリエッチングする工程、及びアルカリエッチ
ングされたアルミニウム材を陽極酸化する工程を含むこ
とを特徴としている。
【0007】前記いずれの態様においても、前記陽極酸
化工程後、さらにクリヤー塗装を施すことができる。さ
らに、本発明によれば、前記いずれかの態様の方法によ
り得られたグレー発色アルミニウム材に、金属塩を含む
電解着色浴中で電解着色を施すことを特徴とする着色ア
ルミニウム材の製造方法も提供される。この場合におい
ても、電解着色後、さらにクリヤー塗装を施すことがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のグレー発色アルミニウム
材の製造方法の特徴は、アルミニウム材表面にグレー系
の酸化皮膜を形成するために、前処理電解としてのバリ
ヤー層形成及び/又は電解腐食とアルカリエッチングの
組合せを利用している点にある。まず、第一の態様で
は、アルミニウム材表面に酸性電解液中での高電圧電解
により緻密なバリヤー層(Al23)を形成した後、ハ
ロゲン化物を含有する電解浴中で陽極電解を施し、いわ
ゆる電解腐食(孔食)を行ってバリヤー層及びその下の
地金に孔食を生じさせ、直径1〜200μm程度の多数
の小孔を形成し、その後、アルカリエッチングを行っ
て、形成された小孔の大きさをより大きくし、またその
形状を整えるものである。電解腐食の処理時間を長くす
ると、直径2〜5mm程度の大きな孔を形成することも
できる。この際、アルミニウム結晶の粒界部分のバリヤ
ー層から選択的に溶解しさらにエッチングを進める
と、アルミニウム材表面に残存するバリヤー層が溶解す
ると共に、上記小孔がより大きな孔になる(選択的エッ
チング)。これは、Al結晶粒界に存在するMgやSi
等の合金成分などの不純物が溶出し易いためと考えられ
る。
【0009】このように選択的エッチングを施したアル
ミニウム材に、次いで、陽極酸化処理を施す。高電圧電
解により形成したバリヤー層は絶縁性皮膜であるため、
通常の陽極酸化処理の電圧では通電困難であるが、上記
のようにバリヤー層を選択的に溶解するか、又は完全に
溶解することにより、通常の硫酸酸性浴を用いた陽極酸
化処理条件でも比較的容易に陽極酸化皮膜を形成するこ
とができる。このように処理して得られるアルミニウム
材は、上記選択的アルカリエッチングにより形成された
梨地状表面の細かい凹凸や陽極酸化皮膜による光の反射
や屈折により、グレーの色調を呈する。色濃度は、高電
圧電解条件の選択により生成するバリヤー層の厚さを変
えたり、アルカリエッチングの液濃度、処理時間の選択
によりバリヤー層の選択的溶解の度合い(小孔の大きさ
やバリヤー層の残存の程度)を変えることによりコント
ロールできる。
【0010】上記ハロゲン化物含有浴での陽極電解によ
り形成される小孔の状態を示すために、NaCl浴(N
aClを約5g/l含む約30℃の水溶液)中で陽極電
解(2A/dm2×20分)を行い、硫酸浴中で通常の
陽極酸化処理したアルミニウム材(JIS A 606
3合金)の断面の走査型電子顕微鏡写真を図1として示
す。なお、図1に示すアルミニウム材は、陽極酸化皮膜
の生成の状態を見るために、上記各処理後にNi浴によ
り12Vの交流電解着色を施した試料である。
【0011】図1に示されるように、孔食は試料表面部
のかなり深いところまで入り組んだ形で進行している。
小孔入口は20〜100μm程度である。また、小孔の
入口近くに宙に浮いたようにアルミニウム部分が残った
形になっているが、この部分(例えば、L,M,Nの部
分)は一つ一つが元々の6063合金の結晶であると考
えられる。NaCl浴での電食が試料表面の或る部位か
ら始まると、電食は横方向や地金方向に進むが、結晶粒
界には不純物が多く存在するので、粒界に沿って腐食が
進み易く、結晶が宙に浮いた形で残ったり、粒界に沿っ
て様々な方向に洞穴が形成されたような形態になったも
のと考えられる。試料表面部に宙に浮いたような形のア
ルミニウム部分(例えば、L,M,Nの部分)を取り除
くことにより、もっと大きな孔にすることができる。そ
のため、本発明の方法の第一態様では、アルミニウムを
溶解する水酸化ナトリウムなどにより化学エッチング処
理を行い、より大きな滑らかな孔部を形成するものであ
る。孔部の大きさ、深さ等の形態、従ってグレー色の濃
淡は、電解腐食の処理条件やアルカリエッチングの処理
条件を変えることによりコントロールできる。
【0012】一方、第二の態様では、ハロゲン化物を含
有する酸性電解液中で0.3〜5A/dm2の電流密度
で電解して、バリヤー層形成と電解腐食を単一の工程で
同時に行い、多数の小孔を含むバリヤー層を形成し、そ
の後、上記と同様にアルカリエッチングを行うものであ
る。上記第一及び第二のいずれの態様においても、その
後、陽極酸化皮膜を形成することにより、グレー発色ア
ルミニウム材が得られる。
【0013】以下、前記した本発明のグレー発色アルミ
ニウム材の製造方法の各工程について詳しく説明する。
まず、必要に応じてアルミニウム材表面に脱脂、エッチ
ング、中和等の前処理を施す。なお、ここでいうエッチ
ング処理は、素材のアルミニウム材の表面全体を平滑に
することを目的としており、前記した本発明特有の選択
的アルカリエッチングとはその目的、効果を全く異にす
る別個の処理である。
【0014】このように常法に従って前処理したアルミ
ニウム材に、第一の態様では、酸性電解液中で10〜2
00Vの直流又は交流電解を行い、緻密なバリヤー層を
形成する。電解液としては、マレイン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、スルファミン酸、酒石酸、スルホサリチル酸等
の高電圧型有機酸、リン酸、クロム酸、ホウ酸アンモン
等の高電圧型無機酸、及びそれらの混合物を用いること
ができる。これらはいずれも高電圧型電解質であり、用
いる電解質によってバリヤー層形成電圧は異なるが、電
解条件としては、電圧10〜200V、好ましくは30
〜150V程度、電解時間15秒〜10分程度、好まし
くは1〜5分程度が適当であり、最も好ましくは3分程
度である。電解質の濃度はバリヤー層形成電圧を考慮し
て設定できるが、0.5〜15%程度が適当である。
【0015】第一の態様で採用する電解腐食に用いる浴
としては、NaCl、KF等のハロゲン化物(アルカリ
金属のハロゲン化物)を含有する水溶液を好適に用いる
ことができ、その濃度は0.1〜10W/V%(以下、
単に%と表示する)程度が適当である。なお、形成され
る小孔の大きさの均一性を向上させ、また電解腐食によ
って溶解したAl3+を浴中に溶解させ、小孔内での水酸
化アルミニウムの生成及びその沈殿を防止するために、
電解腐食に用いる浴に硫酸、リン酸、シュウ酸等の無機
酸又は有機酸の一種以上を0〜10%程度添加すること
ができる。電解条件としては、電圧2〜200V程度、
電解時間30秒〜60分程度が適当である。電圧を高く
した場合には通電時間を短くでき、また低い電圧を使用
した場合には通電時間を長くすることにより所望の孔食
を生じさせることができる。なお、前記バリヤー層形成
と電解腐食を連続的に行う第一の態様の場合、前記した
処理条件をそのまま適用できる。一方、バリヤー層形成
と電解腐食を単一の工程で同時に行う第二の態様の場
合、前記した処理条件の範囲内で適宜設定できるが、ハ
ロゲン化物を含有する酸性電解液中での電解は、陽極電
解の場合には電流密度0.3〜5A/dm2程度、好ま
しくは0.5〜3A/dm2、また交流電解の場合には
直流成分として0.3〜3.0A/dm2の電流密度で
行うことが好ましい。また、浴中に添加する酸として
は、後述する陽極酸化処理に用いる酸を使用できる。
【0016】選択的アルカリエッチングの処理条件とし
ては、NaOH、KOH等の強アルカリの5〜10%程
度の水溶液を用い、10秒〜10分程度、好ましくは1
〜5分程度の処理時間が適当である。また、選択的エッ
チング効果を上げるために、処理液を加温することが好
ましい。処理液を加温した場合、例えば40℃での処理
時間は30秒〜6分程度、50℃での処理時間は20秒
〜3分程度が好ましい。過剰にエッチングすると、バリ
ヤー層やアルミニウム材の溶解が進み過ぎて小孔がなだ
らかな凹部になり易いので好ましくない。
【0017】前記した各処理の後に行う陽極酸化は、常
法に従って行うことができ、前記のように処理したアル
ミニウム材を陽極に接続して直流電解、又は交流電解も
しくは交直重畳電解することにより陽極酸化皮膜を形成
する。すなわち、周知の無機酸及び/又は有機酸電解
液、例えば、硫酸、クロム酸、リン酸等の無機酸、ある
いはこれらの混酸、またシュウ酸、マロン酸等の有機
酸、あるいはこれらの混酸、さらには上記無機酸と有機
酸との混酸などを含有する電解液中で、直流もしくはこ
れに類似の電流波形又は交流波形、交直重畳波形を使用
して、前記アルミニウム材を陽極酸化する。陽極酸化処
理の印加電圧、印加時間等は常法通りで充分であるが、
通常、処理液の種類にもよるが、5〜100V程度の範
囲内で行なう。5V未満では希望する陽極酸化皮膜厚を
得るのに長時間必要となり、生産性が悪く、一方、10
0Vを越えると皮膜厚のバラツキが大きく、また高電圧
での処理のためエネルギー的にも無駄が大きいので望ま
しくない。
【0018】前記した一連の処理により、石材調ないし
セラミック調のグレー発色アルミニウム材が得られる。
このようにして得られたグレー発色アルミニウム材表面
には、クリヤー塗装を施して透明な保護皮膜を形成する
ことができ、それによって耐食性、耐候性をさらに向上
させることができる。塗装方法としては、電着塗装や静
電塗装など適宜の方法を採用できる。前記グレー発色ア
ルミニウム材は、前記処理により形成された孔部に当た
る光の屈折によってグレー色を呈するものであるが、そ
の表面にクリヤー塗膜を付加することにより、光の屈折
がさらに複雑になり、結果的にはアルミニウムの透明感
をなくした無彩色系不透明グレー色を得ることができ
る。
【0019】本発明の別の態様によれば、前記のような
処理により得られたグレー発色アルミニウム材に、電解
着色を施す。これによって、均一な種々の色調の着色ア
ルミニウム材が得られる。電解着色法としては従来公知
の方法を適宜採用することができる。電解着色法に用い
られる金属塩としては、例えばニッケル、コバルト、ク
ロム、銅、カドミウム、チタン、マンガン、モリブデ
ン、カルシウム、マグネシウム、バナジウム鉄、金、
銀、鉛及び亜鉛などの硝酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩、酢
酸塩、酒石酸塩、クロム酸塩、リン酸塩などが挙げられ
る。電解着色法は、これらの金属塩と、鉱酸又は有機酸
(例えばホウ酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸、
スルフアミン酸)、好ましくは弱酸、それらのアンモニ
ウム塩、アミノ塩、イミノ塩等を含む着色浴中で、交流
電解、直流陰極電解又は交直重畳電解などの適宜の電流
波形を用いて、5〜75V程度の電圧で電解処理する。
それによって、陽極酸化皮膜はブロンズ、アンバー、
黒、緑、青、褐色などの各種色調に着色される。陽極酸
化処理の電圧にもよるが、一般に、電解電圧が5V未満
では、陽極酸化皮膜の電気抵抗が大きくて電流が流れな
いため、電解着色浴中の金属イオンの分極は殆ど行われ
ず、着色不能となる。一方、電解電圧が75Vを超える
と、陽極酸化皮膜の破壊や剥離が生じ易くなる。このよ
うにして得られたアルミニウム材の着色皮膜には、さら
に必要に応じて封孔処理やクリヤー塗装を施すことが出
来る。
【0020】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
【0021】実施例 常法に従って脱脂、エッチング、中和処理をしたアルミ
ニウム材A6063を陽極とし、NaClを5g/l含
有する27℃の水溶液中でDC180Vで30秒間電解
を行った。次いで、これを水洗した後、50℃の5%N
aOH水溶液に1.5分間浸漬し、選択的アルカリエッ
チングを行った後、水洗し、硫酸電解浴中でDC14V
で35分間陽極酸化を行ったところ、均一にグレー発色
したアルミニウム材が得られた。
【0022】実施例 常法に従って脱脂、エッチング、中和処理をしたアルミ
ニウム材A6063を陽極とし、リン酸を30g/l、
マレイン酸を30g/l含有する32℃の電解液中、D
C120Vで2分間電解を行い、アルミニウム材表面に
バリヤー層を生成させた。次いで、これをNaClを1
0g/l、H2SO4を2g/l含有する29℃の水溶液
中で電流密度2A/dm2で20分間陽極電解を行っ
た。その後、これを水洗した後、50℃の5%NaOH
水溶液に1.5分間又は4分間浸漬し、アルカリエッチ
ングを行った後、水洗し、硫酸電解浴中でDC14Vで
35分間陽極酸化を行ったところ、アルカリエッチング
を1.5分間行ったアルミニウム材は均一に淡くグレー
発色し、アルカリエッチングを4分間行ったアルミニウ
ム材は均一に濃くグレー発色したものが得られた。
【0023】実施例 常法に従って脱脂、エッチング、中和処理をしたアルミ
ニウム材A6063を陽極とし、NaClを5g/l、
2SO4を2g/l含有する29℃の水溶液中で電流密
度2A/dm2で20分間陽極電解を行った。その後、
これを水洗した後、50℃の5%NaOH水溶液に1.
5分間又は4分間浸漬し、アルカリエッチングを行った
後、水洗し、硫酸電解浴中でDC14Vで35分間陽極
酸化を行ったところ、アルカリエッチングが1.5分間
及び4分間のいずれの場合にも、均一に淡くグレー発色
したアルミニウム材が得られた。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
アルミニウム材表面に、簡単な処理工程で、淡色から濃
色まで、希望する濃度の均一なグレー色の酸化皮膜を安
定して再現性良く形成でき、しかも皮膜性能にも優れる
グレー発色アルミニウム材を生産性良く製造できる。さ
らに本発明によれば、このようなグレー発色アルミニウ
ム材をベースとして種々の色調に着色された均一な着色
酸化皮膜を形成した着色アルミニウム材、並びにこれら
グレー発色アルミニウム材及び着色アルミニウム材の表
面にクリヤー塗装を施したより一層耐食性、耐候性等の
皮膜性能に優れる複合皮膜を有するアルミニウム材を再
現性良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解腐食させた後に陽極酸化及び電解着色を行
ったアルミニウム材の断面の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−177497(JP,A) 特開 平10−18086(JP,A) 特開 平9−41194(JP,A) 特開 平6−240494(JP,A) 特開 平1−205093(JP,A) 特開 昭56−51388(JP,A) 特開 昭53−123204(JP,A) 特開 昭58−14797(JP,A) 特開 平6−48061(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/00 - 11/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材の表面に、酸性電解液中
    で10〜200Vの直流又は交流電解によりバリヤー層
    を形成する工程、バリヤー層が形成されたアルミニウム
    材を、ハロゲン化物を含有する電解浴中で陽極電解し、
    バリヤー層に多数の小孔を形成する工程、得られたアル
    ミニウム材をアルカリエッチングする工程、及びアルカ
    リエッチングされたアルミニウム材を陽極酸化する工程
    を含むことを特徴とするグレー発色アルミニウム材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム材の表面に、ハロゲン化物
    を含有する酸性電解液中で0.3〜5A/dm2の電流
    密度で電解して多数の小孔を有するバリヤー層を形成す
    る工程、得られたアルミニウム材をアルカリエッチング
    する工程、及びアルカリエッチングされたアルミニウム
    材を陽極酸化する工程を含むことを特徴とするグレー発
    色アルミニウム材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記陽極酸化工程後、さらにクリヤー塗
    装を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1又は2に記載の方法により
    得られたグレー発色アルミニウム材に、金属塩を含む電
    解着色浴中で電解着色を施すことを特徴とする着色アル
    ミニウム材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電解着色後、さらにクリヤー塗装を
    施すことを特徴とする請求項に記載の方法。
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