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JP3444226B2 - 積層インダクタ - Google Patents

積層インダクタ

Info

Publication number
JP3444226B2
JP3444226B2 JP08305799A JP8305799A JP3444226B2 JP 3444226 B2 JP3444226 B2 JP 3444226B2 JP 08305799 A JP08305799 A JP 08305799A JP 8305799 A JP8305799 A JP 8305799A JP 3444226 B2 JP3444226 B2 JP 3444226B2
Authority
JP
Japan
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coil
conductor
coils
conductor patterns
laminated
Prior art date
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JP08305799A
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Inventor
靖生 鈴木
暢 小島
佳成 野寄
Original Assignee
エフ・ディ−・ケイ株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by エフ・ディ−・ケイ株式会社 filed Critical エフ・ディ−・ケイ株式会社
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Publication of JP2000216023A publication Critical patent/JP2000216023A/ja
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機器等
の高周波回路に使用する積層インダクタに関し、特に、
小型で高L値を実現した積層インダクタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層インダクタのコイル形成
方法として、セラミックスをシート上に形成して行うシ
ート積層法や電気絶縁層と内部導体を全てスクリーン印
刷にて形成する印刷積層法が知られている。図12〜図
14はコイル形成の際の各絶縁層90における代表的な
コイル構造を示している。ここで、図12は1層中に1
ターンのコイル91を形成した例、図13はコイルをス
パイラル構造として1層中に1ターン以上(2ターン)
の連続的なコイル92を形成した例、図14は内側のコ
イルと外側のコイルを別々に形成する例である。
【0003】近年、電子部品の軽薄短小化傾向にあっ
て、上記積層技術を使用して作製される積層インダクタ
おいては、小型化・高L値の実現が不可欠である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図12に示
した、各絶縁層90内に1ターンのコイル91を形成す
る方法によってL値が20nH以上の高インダクタンス
を実現する場合、コイル断面積を大きくするか、あるい
はコイルの巻き数を多くしなければならないが、巻き数
を多くするにはチップ内部に多層にわたるコイルを形成
しなければならず、これではチップサイズも大型化して
しまう。
【0005】また、巻き数を多くするため、コイルをス
パイラル構造にして1層内に1ターン以上のコイル92
を形成するようにした図13に示す方法は、コイル92
の外周端部93と内周端部94を各層毎に順次接続して
ゆく構造であるから、図13に示すように、接続部分9
5,96においては常に上側のコイルが下側のコイルを
跨いで印刷・積層されることとなり、特に、サイズ10
05以下の超小型サイズのチップにあっては、積層面
(印刷面)がでこぼこして精度良く積み重ねることがで
きなかった。
【0006】また、上記スパイラル構造における上下接
続の不都合を解決するものとして、実開平3−3440
7号公報や実開平9−330818号公報等が開示され
ている。上記開示技術は、各コイルの接続をセラミック
スに設けた貫通孔を介して行うもので、上下接続のし易
い構造であることから比較的少ない積層数で高L値を実
現できるものとされているが、この方法は、チップサイ
ズが小型になり、貫通孔の大きさが100μm以下にな
ると安定した印刷ができないこと、貫通孔の位置が移動
し平らな印刷面が確保できないこと等の欠点があること
ことから、超小型のチップ作製には適用困難であった。
【0007】また、図14に示すものとして、特開閉3
−4507号公報が開示されているが、図12の符号9
7,98に示す部分でコイル同士が跨ぎ合う構造である
ため、印刷面に段差が生じ、精度の高い印刷は困難であ
る。
【0008】以上のように、超小型チップでは1ターン
以上のコイル形成を如何に精度良く行うかが重要なポイ
ントとなるが、上記した従来技術は、印刷面に段差や凸
凹が発生する構造となっており、高精度印刷を実現する
ために必須の平らな印刷面を確保することができなかっ
た。
【0009】本発明は、上記問題に鑑みて成されたもの
で、外側のコイルと内側のコイルを独立して形成し、且
つ、各々コイルが他のコイルを跨ぐことの無い構造にし
て常に平らな印刷面を確保することにより高精度印刷を
可能とし、小型で且つ高精度・高L値を実現可能とした
多重構造の積層インダクタを提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の本発明では、電気絶縁層と導体パターンが交互に積
層され、各導体パターンの端部が順次接続されて電気絶
縁体(2)中に積層方向に重畳したコイルが形成される
とともに、当該コイルの端部が引出導体(9,10)に
よって外部電極(3,4)に接続されており、前記コイ
ルは各々独立して配置・形成された複数のコイル(5,
6)で構成されて成る積層インダクタ(1)において、
前記複数のコイル(5,6)は、途中で他のコイル導体
を跨ぐことなく独立して形成し、それぞれ内側と外側の
コイルをその最上部、もしくは最下部にて接続して構成
した。
【0011】このように、1層内に1ターン以上のコイ
ルを形成する際、1層内で周回させるのではなく、外側
のコイルと内側のコイルを独立して形成し、両コイルを
端部で繋げることにより、各層毎の導体パターンの接続
を単純化できる。この際、内側のコイルと外側のコイル
同士が跨がないようい、同じ場所にコイルを形成するこ
とにより、コイルの印刷面を常に平らで歪みのないもの
にできる。その結果、高精度のコイル印刷が可能とな
り、小型で且つ精度の高い高L値の多重コイルを形成で
きる。
【0012】また、請求項2に記載の本発明では、電気
絶縁層と導体パターンが交互に積層され、各導体パター
ンの端部が順次接続されて電気絶縁体(2)中に積層方
向に重畳したコイルが形成されるとともに、当該コイル
の端部が引出導体(9,10)によって外部電極(3,
4)に接続されており、前記コイルは各々独立して配置
・形成された複数のコイル(5,6)で構成されて成る
積層インダクタ(1)において、前記引出導体(9,1
0)をチップ断面の中央に配置し、それぞれ内側のコイ
ル(5)と外側のコイル(6)に接続するとともに、当
該コイル(5,6)は、それぞれ上下逆方向に巻くよう
に、且つ、途中で他のコイル導体を跨ぐことなく独立し
て形成し、それぞれ最上部と最下部で反対側のコイルに
接続して構成した。
【0013】本構成は上記同様、各上下層での導体パタ
ーンの接続を単純化でき、且つ、途中で他のコイル導体
を跨ぐことが無いから、高精度のコイル形成が可能であ
る。また、外部電極への引出導体をチップ断面の中央に
配置することにより、コイルを上下方向に対称に形成で
きから、L値に係わる上下の方向性を無くすことができ
る。これにより、チップを整列梱包する際、上下方向を
合わせる必要が無くなる。
【0014】また、請求項3に記載の本発明では、前記
コイル(5,6)は1ターン以下の2種類の導体パター
ンの組み合わせで形成し、且つ、前記2種類の導体パタ
ーンが相接続される接続部の導体幅を違えて構成した。
【0015】例えば、図10に示すように、U字形導体
パターン102,103とI字形導体パターン100,
101の接続部105,104でU字形導体パターン1
02,103の幅を変えることにより、パターン同士の
接続性を向上できる。この場合、内側の導体パターン1
02と外側の導体パターン103で導体幅を太くする部
分は各々反対側とし、各コイルの中心を意図的にずらす
ことにより、より一層確実な接続が可能となる。
【0016】さらに、請求項4に記載の本発明では、前
記電気絶縁層の素材として誘電体セラミックスを使用し
た。これにより、高周波で使用しても高いQ値を得るこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態を説明する。
【0018】先ず、図1〜図6に基づいて本発明の第1
の実施形態を説明すれば、図1は本発明に係る積層イン
ダクタの内部構造を示す斜視図、図2は同、積層インダ
クタのコイル構造を示す図、図3は同、積層インダクタ
の製造方法の一例を示す工程図、図4〜図6は同、積層
インダクタの製造方法の各々別の例を示す工程図であ
る。
【0019】図1に示すように、積層インダクタ1は電
気絶縁体2より成る直方体形状で、両端に外部接続用の
外部電極3,4が形成されている。この電気絶縁体2の
内部にコイル5,6による2重構造の周回コイルが形成
されており、その端部がそれぞれチップの底部より引出
導体9,10にて前記外部電極3,4に接続されてい
る。
【0020】図2に示すように、上記周回コイルは各々
独立した状態で同心状に配置・形成された内側のコイル
5(図2中、破線で示すコイル)と外側のコイル6(図
2中、実線で示すコイル)の2個のコイルを、その最下
部にて接続パターン7で繋げたものである。
【0021】次に、上記積層インダクタ1の製造方法を
説明する。既述したように、コイル形成方法としてシー
ト積層法や印刷積層法が可能であるが、ここでは後者の
印刷積層法により説明する。
【0022】先ず、セラミックス系の電気絶縁素材とし
て、ガラスを添加して低温焼結化した誘電体セラミック
スを使用した。ここでは、ホウケイ酸ガラスをアルミナ
に体積で70:30の比率に混合した誘電体材料を使用
し、これに、ビヒクルとしてエチルセルロースと分散
剤、可塑剤を混合したものを配合し混合して印刷用の誘
電体ペーストを作製した。
【0023】また、導体用として銀を用い、これに前記
ビヒクルを混合して導体ペーストを作製した。尚、バイ
ンダーとしてエチルセルロース以外でPVB、メチルセ
ルロースやアクリル樹脂を使用しても良い。また、導体
ペーストに銀パラジウムを使用しても良い。尚、分散剤
や可塑剤は印刷性の向上や生産時の取り扱いを考慮して
添加する必要がある。
【0024】図3に示す工程図はU字形パターンとI字
形パターンの組み合わせにより2重構造の周回コイルを
形成する例である。
【0025】先ず、図3(a)に示すように、誘電体2
1を繰り返し印刷・積層して所定厚の電気絶縁層を形成
し、図3(b)に示すように、この電気絶縁層上に導体
パターン22、23を印刷し、引出導体9、10を形成
する。この際、前記導体パターン22,23の幅を内部
導体の幅より太くすることによりパターン同士の接続性
が向上し、ひいては外部電極3,4への接続性を高める
ことができる。
【0026】次に、図3(c)に示すように、前記導体
パターン22,23の一部をI字形に残して他の導体部
分を誘電体パターン24で覆い、図3(d)に示すよう
に、その上から前記導体パターン22,23の露出終端
部と接続するようにU字形導体パターン25,26を印
刷する。前記導体パターン26は内側コイル5用、導体
パターン25は外側コイル6用である。ここで、前記導
体パターン25,26は、図10により既述したように
同一方向に接続する部分のU字側の導体幅を極力広くす
ることによってパターン同士の接続精度を高めることが
できる。
【0027】次に、図3(e)に示すように、誘電体パ
ターン27で前記導体パターン22,23の露出部分を
覆い、さらに図3(f)に示すように、前記U字形導体
パターン25,26の終端部と接続するようにI字形導
体パターン28,29を印刷する。この時、図11に示
すように、U字形導体パターン25,26と直角に繋が
るI字形導体パターン29,28の端部をU字形導体パ
ターン25,26側に少々引き出すことにより接続部3
6,37の接続面積を大きくでき、より一層接続時の信
頼性を高めることができる。
【0028】これで内側コイル5と外側コイル6の各1
ターン分が別々に形成されたことになる。
【0029】次に、図3(g)に示すように、誘電体パ
ターン30で導体パターン25,26を覆い、図3
(h)に示すように、露出しているI字形導体パターン
28,29の終端部と接続するようにU字形導体パター
ン31,32を印刷する。この後、(e)〜(h)の工
程を所定回数繰り返し行う。これによって、所定巻き数
の内側コイル5、および外側コイル6が積層方向に同心
状に、且つ各々独立した状態で形成されることになる。
【0030】次に、図3(i)に示すように、誘電体パ
ターン33にてI字形導体パターン28,29を覆った
後、図3(j)に示すように、内側の導体パターンと外
側の導体パターンを接続するため、導体パターン34
(図1,図2の接続パターン7に相当)を印刷する。こ
れによって、内側コイル5と外側コイル6が繋がって一
連の周回コイルが形成される。
【0031】最後に、図3(k)に示すように、所定の
厚みまで誘電体35を繰り返し印刷・積層する。尚、実
際の工程では、通常上記コイルが多数整列配置された複
数個取りの積層ブロックとして作製される。
【0032】以上、工程(a)〜(k)を経て作製した
積層ブロックをチップ単位に切断し、脱脂、焼成、バリ
を削った後、チップ両端に外部電極3,4を形成し、焼
き付けメッキ処理をして図1に示すような積層インダク
タが完成する。
【0033】このように、本発明では、1層内に1ター
ン以上のコイルを形成する際、従来のように1層内で渦
巻状に周回させるのではなく、先ず、1層1ターン構造
の外側コイル6と内側コイル5を所定層数各々独立して
形成し、次に、積層コイルの最上部もしくは最下部で両
コイルを繋げることにより、従来、コイルを跨ぐように
して行っていた上下層での導体パターンの接続に替え
て、内側のコイルと外側のコイル同士を跨がない積層構
造にすることができる。これにより、コイルの印刷面を
平らで歪みのないものにすることができ、高精度の印刷
が可能となるため、精度の高い多重構造の周回コイルを
形成することができる。
【0034】したがって、上記構造であれば、サイズ1
005以下の超小型チップにおいても、高L値の積層イ
ンダクタが実現できる。
【0035】また、本実施形態のように、U字形パター
ンとI字形パターンの組み合わせでコイルパターンを構
成することにより、I字とU字の印刷ズレで生じるコイ
ル断面積のバラツキを小さくでき、高精度の印刷が可能
となる。
【0036】次に、図4に積層インダクタの製造方法の
別の例を示す。既述した図3の実施形態がU字とI字の
組み合わせによるものであるのに対し、図4に示す本実
施形態は1/2ターンを構成するU字形パターンの組み
合わせによって2重構造の周回コイルを形成する例であ
る。但し、この場合も、上記同様、常に誘電体パターン
を印刷した上に導体パターンが印刷されるものである。
【0037】先ず、図4(a)に示すように、誘電体4
1を所定の厚みになるまで繰り返し印刷し、図4(b)
に示すように、この上に導体パターン42、43を印刷
し、引出導体9、10を形成する。
【0038】次に、図4(c)に示すように、積層面の
右半分を誘電体パターン44で覆い、図4(d)に示す
ように、その上に前記導体パターン42,43の露出終
端部と接続するようにU字形導体パターン45,46を
印刷する。
【0039】次に、図4(e)に示すように、誘電体パ
ターン47で積層面の左半分を覆い、図4(f)に示す
ように、さらにその上に前記U字形導体パターン45,
46の露出終端部と接続するようにU字形導体パターン
48,49を印刷する。これで内側コイル5と外側コイ
ル6の各々1ターン分が形成されたことになる。
【0040】次に、図4(g)に示すように、誘電体パ
ターン50で積層面の右半分を覆い、図4(h)に示す
ように、その上にU字形導体パターン48,49の露出
終端部と接続するようにU字形導体パターン52,51
を印刷する。この後、(e)〜(h)の工程を所定回数
繰り返し行う。これによって、所定巻き数の内側コイル
5、および外側コイル6が各々独立した状態で積層方向
に同心状に形成されることになる。
【0041】次に、図4(i)に示すように、誘電体パ
ターン53で積層面の左半分を覆った後、図4(j)に
示すように、内側の導体パターンと外側の導体パターン
の終端部を接続するため、導体パターン54(図1,図
2の接続パターン7に相当)を印刷する。これで内側コ
イル5と外側コイル6が繋がって一連の周回コイルが形
成される。
【0042】最後に、図4(k)に示すように、所定の
厚みまで誘電体55を繰り返し印刷・積層し、積層ブロ
ックが完成する。
【0043】ところで、上記した二つの実施形態は何れ
も2重構造のコイル形成に係わるものであるが、同様の
手順にて更なる多重構造のコイル形成も可能である。そ
の一例を図5および図6に示す。
【0044】先ず、図5はU字の組み合わせで3重構造
の周回コイルを形成する例であって、図5(a)〜
(c)の工程を繰り返すことにより、内側・中側・外側
に各々独立した所定巻き数の周回コイルを同心状に形成
する。その後、図5(d)に示すように、導体パターン
56を印刷することにより、内側のコイルと中側のコイ
ルとが接続される。
【0045】次に、図6により4重構造の周回コイルを
形成する例を説明する。この場合も図5と同様であり、
図6(a)〜(c)を繰り返すことにより、各々独立し
た4重の周回コイルが形成される。また、各コイル同士
の接続は、導体パターン57,58によって行われる。
【0046】尚、上記した3重構造および4重構造のコ
イルの印刷積層工程は何れも既述した図4の場合と基本
的に同じであるので、その詳細についての説明は省略す
る。
【0047】次に、図7〜図9に基づいて本発明の第2
の実施形態を説明する。図7は本発明に係る積層インダ
クタの内部構造を示す斜視図、図8は同、積層インダク
タのコイル構造を示す図、図9は同、積層インダクタの
製造方法の一例を示す工程図である。
【0048】図7に示すように、本発明の積層インダク
タ1は、両端に外部電極3,4を備えた直方体形状であ
って、電気絶縁体2の内部に内側コイル5と外側コイル
6より成る2重構造の周回コイルが形成されている。こ
の点は図1に示した第1の実施形態とほぼ同様の構成で
あるが、本実施形態では、コイル端部を外部電極3,4
に引き出すための引出導体9,10がチップ断面の中央
部に配置されており、したがって、周回コイルの形成が
この点において前記第1の実施形態とは相違するもので
ある。また、これらのコイルは別々に印刷するのではな
く一体となったものを1度に印刷しても良い。
【0049】すなわち、本実施形態は、図8に示すよう
に中央に配置した引出導体9、10よりチップの上下方
向に外側コイル6、6(図8中、実線で示すコイル)を
形成し、その最上部と最下部でそれぞれ接続パターン
7、7により連続的に形成される内側コイル5(図8
中、破線で示すコイル)に接続して2重構造の周回コイ
ルを形成するものである。
【0050】本発明の積層インダクタ1は上記構造を有
するから、第1実施形態と同様、各上下層での導体パタ
ーンの接続を単純化でき、高精度のコイル形成が可能と
なるとともに、引出導体9,10がチップ断面の中央に
配置されることによりコイル形成を上下対称にできるた
め、チップの方向性が無くなり、上下方向の置き方によ
るL値の変化を無くすことができるものである。
【0051】次に上記積層インダクタ1の製造方法を説
明する。尚、コイル形成は印刷積層法を用い、印刷用の
誘電体材料や導体ペーストは第1実施形態と同様のもの
を使用した。
【0052】図9に示す工程図は、U字形パターンの組
み合わせによる2重構造の周回コイルを形成する例であ
る。
【0053】先ず、チップ断面の中央部から下方に向う
2重コイルを形成する。
【0054】それには先ず、図9(a)に示すように、
誘電体61を繰り返し印刷・積層して所定厚の電気絶縁
層を形成した後、図9(b)に示すように、さらにこの
絶縁層上にU字形導体パターン62,63を印刷し、そ
れらの終端部を接続する導体パターン65(図8の下部
接続パターン7に相当)を印刷する。前記導体パターン
62は外側コイル6用、導体パターン63は内側コイル
5用である。
【0055】次に、図9(c)に示すように、積層面の
左半分を誘電体パターン66で覆い、図9(d)に示す
ように、前記導体パターン62,63の露出終端部と接
続するようにU字形導体パターン67,68を印刷す
る。以下同様の印刷・積層を行い、図9(h)で導体パ
ターン70の終端部と接続するように導体パターン73
を印刷し、引出導体10を形成する。これで下部コイル
が完成する。
【0056】次に、チップ断面の中央部から上方に向う
2重コイルを形成する。
【0057】それには、先ず、図9(i)に示すよう
に、積層面の右半分を誘電パターン75で覆い、図9
(j)に示すように、その上に導体パターン76を印刷
し、もう一方の引出導体9を形成する。この時、同時に
印刷した導体パターン77は内側コイル5用であって、
前工程にて印刷された内側コイル5用の導体パターン7
4に接続されるものである。
【0058】以降、下部コイルの場合と同じ手順にて導
体パターン79,80、82,83,85,86を順次
印刷・積層していき、図9(r)で導体パターン85と
86の終端部を接続する導体パターン88(図8の上部
接続パターン7に相当)を印刷する。これで外側コイル
6と内側コイル5とが繋がって、上部コイルが完成す
る。
【0059】最後に、図9(s)に示すように、所定の
厚みまで誘電体89を繰り返し印刷・積層する。
【0060】以上、工程(a)〜(s)を経て作製した
積層ブロックをチップ単位に切断し、脱脂、焼成、バリ
を削った後、チップ両端に外部電極3,4を形成し、焼
き付けメッキ処理をして図7に示すような積層インダク
タ1が完成する。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明によれば、内側のコイルと外側のコイルを途中で
他のコイル同士が跨ぐことのないよう各々独立して形成
し、その後、コイルの最下部あるいは最上部で両者を接
続する構成としたので、各上下層でのコイル接続を単純
化でき、且つ、コイルの印刷面を常に平らで歪みのない
ものにできるため、小型で精度の高い多重コイルが形成
でき、チップサイズ1005以下の超小型の積層インダ
クタで高いL値が実現できる。因みに、上記の実施形態
にけるチップサイズ1005の積層インダクタおいてL
値120〜220nHが確認されている。
【0062】また、請求項2に記載の本発明によれば、
コイルと外部電極を接続するための引出導体をチップ断
面の中央部に配置する構成としたので、上下方向のコイ
ル形状を対称にでき、よってL値に係わる上下の方向性
を無くすことができる。これにより、コイルを整列梱包
する際、その都度コイルの上下位置を合わせる必要は無
くなるから、作業性は大幅に向上する。また、この場合
も、前記同様に途中で他のコイル導体を跨ぐことが無い
から、高精度のコイル形成が可能である。
【0063】また、請求項3に記載の本発明によれば、
前記コイルは1ターン以下の2種類の導体パターンの組
み合わせで形成し、且つ、前記2種類の導体パターンが
相接続される接続部の幅を違えて構成したので、各導体
パターン同士の接続性が向上し、積層インダクタとして
の信頼性が向上する。
【0064】さらに、請求項4に記載の本発明によれ
ば、電気絶縁層として誘電体セラミックスを使用したの
で、線間浮遊容量を減少させることができ、高周波帯域
で高いQ値を得ることができる。また、低温焼成が可能
であるため、積層インダクタの作製は容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る積層インダクタの
内部構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す積層インダクタのコイル構造を示す
図である。
【図3】図1に示す積層インダクタの製造方法の一例を
示す工程図である。
【図4】図1に示す積層インダクタの製造方法の図3と
別の例を示す工程図である。
【図5】図1に示す積層インダクタの製造方法の図4と
別の例を示す工程図である。
【図6】図1に示す積層インダクタの製造方法の図5と
別の例を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る積層インダクタの
内部構造を示す斜視図である。
【図8】図2に示す積層インダクタのコイル構造を示す
図である。
【図9】図2に示す積層インダクタの製造方法の一例を
示す工程図である。
【図10】導体パターン同士の接続態様を示す図であ
る。
【図11】図3(e)〜(h)に対応する別の工程図で
ある。
【図12】従来の積層インダクタのコイル構造を示す図
である。
【図13】同、積層インダクタの図12とは別のコイル
構造を示す図である。
【図14】同、積層インダクタの図13とは別のコイル
構造を示す図である。
【符号の説明】
1 積層インダクタ 2 電気絶縁体 3,4 外部電極 5 内側のコイル 6 外側のコイル 9,10 引出導体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−4507(JP,A) 特開 平10−27711(JP,A) 特開 平8−186024(JP,A) 特開 平9−306770(JP,A) 特開 平5−13238(JP,A) 実開 平7−22514(JP,U) 実開 平3−88309(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁層と導体パターンが交互に積層
    され、各導体パターンの端部が順次接続されて電気絶縁
    体(2)中に積層方向に重畳したコイルが形成されると
    ともに、当該コイルの端部が引出導体(9,10)によ
    って外部電極(3,4)に接続されており、前記コイル
    は各々独立して配置・形成された複数のコイル(5,
    6)で構成されて成る積層インダクタ(1)において、 前記複数のコイル(5,6)は、途中で他のコイル導体
    を跨ぐことなく独立して形成され、それぞれ内側と外側
    のコイルがその最上部、もしくは最下部にて接続されて
    多重構造を成すことを特徴とする積層インダクタ。
  2. 【請求項2】 電気絶縁層と導体パターンが交互に積層
    され、各導体パターンの端部が順次接続されて電気絶縁
    体(2)中に積層方向に重畳したコイルが形成されると
    ともに、当該コイルの端部が引出導体(9,10)によ
    って外部電極(3,4)に接続されており、前記コイル
    は各々独立して配置・形成された複数のコイル(5,
    6)で構成されて成る積層インダクタ(1)において、 前記引出導体(9,10)がチップ断面の中央に配置さ
    れ、それぞれ内側のコイル(5)と外側のコイル(6)
    に接続されるとともに、当該コイル(5,6)は、それ
    ぞれ上下逆方向に巻くように、且つ、途中で他のコイル
    導体を跨ぐことなく独立して形成されており、それぞれ
    最上部と最下部で反対側のコイルに接続されて多重構造
    を成すことを特徴とする積層インダクタ。
  3. 【請求項3】 前記コイル(5,6)は1ターン以下の
    2種類の導体パターンの組み合わせで形成され、且つ、
    前記2種類の導体パターンが相接続される接続部の導体
    幅を違えて成ることを特徴とする請求項1または請求項
    2の何れかに記載の積層インダクタ。
  4. 【請求項4】 前記電気絶縁体(2)の素材が誘電体セ
    ラミックスであることを特徴とする請求項1から請求項
    3までの何れかに記載の積層インダクタ。
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