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JP3442240B2 - 熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板

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Publication number
JP3442240B2
JP3442240B2 JP31918896A JP31918896A JP3442240B2 JP 3442240 B2 JP3442240 B2 JP 3442240B2 JP 31918896 A JP31918896 A JP 31918896A JP 31918896 A JP31918896 A JP 31918896A JP 3442240 B2 JP3442240 B2 JP 3442240B2
Authority
JP
Japan
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resin
bis
component
thermosetting resin
maleimidophenoxy
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Application number
JP31918896A
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JPH10158363A (ja
Inventor
淳介 田中
浩太郎 朝比奈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
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Publication of JPH10158363A publication Critical patent/JPH10158363A/ja
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Publication of JP3442240B2 publication Critical patent/JP3442240B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術利用分野】本発明は、耐熱性、低吸湿性、
接着性、作業性、靭性および吸湿後の耐はんだ耐熱性に
優れた樹脂組成物およびプリプレグ、積層板に関する。
すなわち、電子・電気部品、半導体分野等絶縁材料、樹
脂封止用材料、積層板材料として、吸湿後のはんだ耐熱
性の向上をはかる樹脂組成物に関わり、特に、耐熱性を
要求されるプリント配線板用積層板に有用な樹脂組成物
と、これを用いたプレプリグおよび積層板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器、通信機器、計算機器等
に広く用いられているプリント配線板については、配線
密度の高度化、高集積化が進展し、これにともなって、
配線用積層板の耐熱性の向上による信頼性向上への要求
が強まっている。また、COB、PGA、BGA、MC
M基板等、基板上へ半導体チップを直接、実装する用途
が増大してきており、このような実装工程においては、
高温が必要であり、実装する基板に耐熱性が要求され
る。従来より、プリント配線板用積層板を構成する樹脂
材料としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等が用いられてき
ており、これらの樹脂のうちのエポキシ樹脂、そしてビ
スマレイミドと芳香族ジアミンを反応させて得られるポ
リアミノビスマレイミド樹脂は高密度実装、高多層化積
層板に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ樹脂はその耐熱性が比較的良好であるものの、近年の
プリント配線板の高密度実装、高多層化構成にともなう
耐熱性向上への要請に対応するには、どうしてもその耐
熱性の上昇には限界がある。耐熱性を向上させる積層板
用材料として、ポリアミノビスマレイミド樹脂等が提案
されている(フランス国特許第1455514号、特公
昭46−23250号公報、特開昭61−200149
号公報)。このポリアミノビスマレイミドの場合には、
その耐熱性は非常に優れているものの、吸湿性が高く、
接着性に難点があり、また、積層時にエポキシ樹脂に比
べ高温、長時間を必要とするため、コスト高になるとい
う課題があった。また、このポリアミノビスマレイミド
樹脂の欠点を補う為に、ポリアミノビスマレイミド樹脂
にエポキシ樹脂を加えたイミド変性エポキシ樹脂(特公
昭47−42160号公報)があるが、耐熱性がポリア
ミノビスマレイミド樹脂より大幅に劣り、耐熱性が不十
分であるという問題があった。
【0004】このため、今後の高密度実装、高多層化の
進展に対応でき、また、半導体チップを直接実装する用
途に対応できる、耐熱性に優れ、低吸湿性であり、吸湿
後のはんだ耐熱性に優れ、しかも接着性、靭性等の機械
的性能も良好で、安価なコストの積層板用樹脂材料が強
く求められていた。本発明は、このような事情に鑑みて
なされたものであり、従来のエポキシ樹脂、ポリイミド
樹脂の欠点を解消し、耐熱性、特に吸湿後のはんだ耐熱
性に優れた新しい積層板用樹脂材料を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ポリマレイミ
ド化合物と、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−マレイミドフェニル)プロパンとフェノール樹脂
とエポキシ樹脂および、分子中に少なくとも一つの活性
水素を有する化合物を使用することにより、ポリマレイ
ミド樹脂の耐熱性、エポキシ樹脂の接着性、作業性とい
った特徴を生かして、耐熱性、機械特性、はんだ耐熱性
を向上させることに成功し、本発明を完成することにい
たった。
【0006】すなわち、本発明は、 1)(a)一般式(1)〔化3〕で示されるポリマレイ
ミド化合物
【0007】
【化3】 (式中、R1 はm価の有機基、Xa,Xbは水素原子、
ハロゲン原子および有機基から選ばれた同一または異な
る一価の原子または基、mは2以上の整数)と、(b)
式(2)〔化4〕
【0008】
【化4】 で表せられる2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−マレイミドフェニル)プロパンと、(c)フェノ
ール樹脂と、(d)分子中に少なくとも二つ以上のエポ
キシ基を有するエポキシ樹脂および、(e)分子中に少
なくとも一つの活性水素を有する化合物により変性して
得られる変性イミド樹脂を含有してなる熱硬化性樹脂組
成物。
【0009】2)硬化促進剤、難燃剤、充填剤および/
または添加剤を配合してなる(1)の熱硬化性樹脂組成
物、 3)上記(1)、(2)の樹脂材料を基材に含浸させた
ことを特徴とするプリプレグ、 4)上記()のプリプレグを一枚または複数枚、積層
形成してなること特徴とする熱硬化性樹脂積層板およ
び、 5)最外層金属箔と積層一体化成形してなる上記(
の熱硬化性樹脂積層板である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用される(a)ポリマ
レイミド化合物としては、1分子中に2個以上のマレイ
ミド基を有する化合物ならば全て使用可能である。この
ようなポリマレイミド化合物としては、例えば、N,N'-
エチレンビスマレイミド、N,N'- ヘキサメチレンビスマ
レイミド、N,N'-(1,3-フェニレン) ビスマレイミド、N,
N'-[1,3-(2- メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N'
-(1,4-フェニレン) ビスマレイミド、ビス(4- マレイミ
ドフェニル) メタン、ビス(3- メチル-4- マレイミドフ
ェニル) メタン、ビス(4- マレイミドフェニル) エーテ
ル、ビス(4- マレイミドフェニル) スルホン、ビス(4-
マレイミドフェニル) スルフィド、ビス(4- マレイミド
フェニル) ケトン、ビス(4- マレイミドシクロヘキシ
ル) メタン、1,4-ビス(4- マレイミドフェニル) シクロ
ヘキサン、1,4-ビス (マレイミドメチル) シクロヘキサ
ン、1,4-ビス (マレイミドメチル) ベンゼン、1,3-ビス
(4- マレイミドフェノキシ) ベンゼン、1,3-ビス(3- マ
レイミドフェノキシ) ベンゼン、ビス[4-(3-マレイミド
フェノキシ) フェニル] メタン、ビス[4-(4-マレイミド
フェノキシ) フェニル] メタン、1,1-ビス[4-(3-マレイ
ミドフェノキシ) フェニル] エタン、1,1-ビス[4-(4-マ
レイミドフェノキシ) フェニル] エタン、1,2-ビス[4-
(3-マレイミドフェノキシ) フェニル] エタン、1,2-ビ
ス[4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル] エタン、2,
2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ) フェニル] プロパ
ン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル]
プロパン、2,2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ) フェ
ニル] ブタン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)
フェニル] ブタン、2,2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキ
シ) フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、
2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル]-1,1,
1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ビス(3- マレ
イミドフェノキシ) ビフェニル、4,4'- ビス(4- マレイ
ミドフェノキシ) ビフェニル、ビス[4-(3-マレイミドフ
ェノキシ) フェニル] ケトン、ビス[4-(4-マレイミドフ
ェノキシ) フェニル] ケトン、ビス[4-(3-マレイミドフ
ェノキシ) フェニル] スルフィド、ビス[4-(4-マレイミ
ドフェノキシ) フェニル] スルフィド、ビス[4-(3-マレ
イミドフェノキシ) フェニル] スルホキシド、ビス[4-
(4-マレイミドフェノキシ) フェニル] スルホキシド、
ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ) フェニル] スルホ
ン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル]スル
ホン、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ) フェニル] エ
ーテル、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ) フェニル]
エーテル、1,4-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-α,
α- ジメチルベンジル] ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-マレ
イミドフェノキシ)-α, α- ジメチルベンジル] ベンゼ
ン、1,4-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-α, α- ジ
メチルベンジル] ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-マレイミド
フェノキシ)-α, α- ジメチルベンジル] ベンゼン、1,
4-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル-
α, α- ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-
マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル- α, α- ジメチ
ルベンジル] ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-マレイミドフェ
ノキシ)-3,5-ジメチル- α, α- ジメチルベンジル] ベ
ンゼン、1,3-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジ
メチル- α, α- ジメチルベンジル] ベンゼン、一般式
(3)〔化5〕;
【0011】
【化5】 (式中、nは平均値で 0〜10である)で表されるポリマ
レイミド化合物、及び一般式(4)〔化6〕;
【0012】
【化6】 (式中、mは平均値で 0〜10である)で表されるポリマ
レイミド化合物等が挙げられる。また、これらのポリマ
レイミド化合物は、単独で用いても2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0013】(b)成分としては、式(2)で表せられ
る2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−マレイ
ミドフェニル)プロパンである。
【0014】(c)成分であるフェノール樹脂として
は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ジヒド
ロキシビフェニル、フェニルフェノール等のフェノール
類、1−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナ
フタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアル
デヒド、グルオキザール、アルカンジアール等のアルデ
ヒド類との反応生成物であるノボラック樹脂、および上
記フェノール類またはナフトール類とアラルキルアルコ
ール誘導体またはアラルキルハライド誘導体との反応生
成物であるアラルキル樹脂が挙げられ、これらフェノー
ル樹脂の1種類または2種類以上の混合物が使用され
る。
【0015】(c)成分であるエポキシ樹脂としては、
分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
が全て使用できる。このようなエポキシ化合物を例示す
ると、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ナフ
トール等のフェノール類、あるいはこれらをハロゲン化
したフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、グリオキザ
ール、アルカンジアール等のアルデヒド類との縮合反応
により得られる反応生成物とエピクロルヒドリンとの反
応により得られるエポキシ樹脂。上記フェノール類とア
ラルキルアルコール誘導体またはアラルキルハライド誘
導体との反応物との反応により得られるエポキシ樹脂。
さらに、次に示した1分子中に2個以上の活性水素を有
する化合物から誘導されるエポキシ樹脂、例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、レゾルシン、ビスヒ
ドロキシジフェニルエーテル、ビスヒドロキシビフェニ
ル、ビスヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシフェニ
ルメタン等の多価フェノール類、エチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類;
エチレンジアミン、アニリン、ビス(4ーアミノフェニ
ル)メタン等のアミン類;アジピン酸、フタル酸、イソ
フタル酸等の多価カルボン酸類とエピクロルヒドリンを
反応させて得られるエポキシ樹脂が挙げられる。これら
のエポキシ樹脂は1種類または2種類以上の混合物が使
用できる。また、臭素化フェノールノボラック樹脂、臭
素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の各種のハロゲ
ン化エポキシ樹脂を使用することができる。
【0016】本発明の組成物においては、(a)成分の
一般式(1)で表されるポリマレイミド化合物と(b)
成分の2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−マ
レイミドフェニル)プロパンの配合比は、(a)成分1
00重量部に対して、1から50重量部、好ましくは2
から40重量部である。(c)フェノール樹脂および
(d)成分のエポキシ樹脂の配合量は、(a)成分10
0重量部に対して、(b)成分と(c)成分の合計量が
10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部で
あり、(b)成分のフェノール樹脂に対して(c)成分
のエポキシ樹脂が当量比で0.1〜10の範囲、好まし
くは、0.5〜2.0の範囲である。 本発明の樹脂組
成物は、トリヒドロキシフェニルメタン、テトラヒドロ
キシフェニルメタン、テトラキスフェノール等の多価フ
ェノール類、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルホン、ジシアンジアミド等に代表されるアミ
ン類、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物
を併用することもできる。
【0017】変性イミド樹脂を製造する際に用いられる
(e)成分としては、分子中に少なくとも一つの活性水
素を有する化合物なら全て使用できる。分子中に少なく
とも一つの活性水素を有する化合物としては、フェノー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾー
ル、レゾルシノール、ナフトール、ジヒドロキシナフト
ール等のフェノール類、アニリン、アミノフェノール、
フェニレンジアミン、エチレンジアミン、ビス(4−ア
ミノフェニル)メタン等のアミン類、グリシドール、グ
リセリンジグリシジルエーテル、エチレングリコールモ
ノグリシジルエーテル、レゾルシノールモノグリシジル
エーテル、ナフトレゾルシノールモノグリシジルエーテ
ル等、一分子中に一つのアルコール性もしくはフェノー
ル性OH基と、一つ以上のエポキシ基とを含む化合物、
プロパギルアルコール等のOH基とアセチレン基を有す
る化合物等が挙げられる。
【0018】変性イミド樹脂を製造する方法としては、
(a)成分であるポリマレイミド樹脂、(b)成分、
(c)成分、(d)成分および(e)成分の全部または
一部を80〜200℃で、0.1〜10時間加熱混合す
るのが一般的であるが、さらに、有機溶媒中で加熱混合
してもよい。有機溶媒中で加熱混合する場合は、使用す
る有機溶媒の沸点にもよるが、一般的には、50〜20
0℃で、0.1〜20時間である。変性イミド樹脂の内
容については明かではないが、主にポリマレイミド樹脂
のオリゴマー化と考えられている。変性の際、ポリマレ
イミド樹脂(a)成分に対して(b)、(c)および/
または(d)成分のみ、または(e)成分のみでは、安
定な変性イミド樹脂を製造することは困難である。
【0019】(e)成分としては、ポリマレイミド樹脂
100重量部に対し、5〜100重量部用いるのが好ま
しいが、特に、耐熱性の保持等の目的では、10〜30
重量部用いるのが好ましい。(c)成分のフェノール樹
脂および(d)成分のエポキシ樹脂の量は、(a)成分
100重量部に対して、(b)成分と(c)成分の合計
量が10〜500重量部、好ましくは25〜300重量
部であり、(b)成分のフェノール樹脂に対して(c)
成分のエポキシ樹脂が当量比で0.1〜10の範囲、好
ましくは、0.5〜2.0の範囲である。
【0020】本発明において、樹脂組成物を硬化するに
あたっては、硬化促進剤を含有させることが望ましく、
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類;
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン塩類;1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導体が挙げ
られる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種類
以上を併用してもよく、また、必要に応じて、有機過酸
化物やアゾ化合物を併用することもできる。これら硬化
促進剤の含有量は、樹脂100重量部に対して、0.005〜10
重量部の範囲で用いられる。
【0021】本発明の樹脂材料は上記各種成分の他、必
要に応じてジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌ
レート、o,o'- ジアリルビスフェノールA、ビスフェノ
ールAジアリルエーテル、ビスフェノールAジシアネー
ト等のイミド樹脂に対して一般的に使用される反応性希
釈剤;各種シリコーンオイル;ブロム化合物、アンチモ
ン、リン等の難燃剤;シリカ、タルク、アルミナ、窒化
アルミ等の充填剤、ポリエーテルスルホン、ポリフェニ
レンエーテル、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリパラバン酸等の直鎖上高分子、その他の適宜な
添加物等を配合してもよい。
【0022】以上のようなこの発明の樹脂組成物を用い
てプリプレグを製造するには、この樹脂樹脂組成物であ
る(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、
硬化促進剤とその他添加剤を溶剤に溶かし樹脂ワニスと
する。または、(a)成分、(b)成分、(c)成分、
(d)成分および(e)成分からなる変性イミド樹脂と
硬化促進剤とその他添加剤を溶剤に溶かし樹脂ワニスと
する。(a)成分であるポリマレイミド化合物を(b)
成分、(c)成分、(d)成分または(b)成分と
(c)成分と(d)成分の一部または全部さらにその他
の添加剤を予め溶解させておいたり、またこれらを反応
させたプレポリマーとした後、溶剤に溶かし樹脂ワニス
としてもよい。さらに、ポリマレイミド化合物(a)を
(b)成分、(c)成分、(d)成分または(b)成分
と(c)成分と(d)成分の一部または全部さらに、添
加剤を溶剤中に加えて、溶媒中で反応させたものを樹脂
ワニスとして使用してもよい。
【0023】ワニス中の熱硬化性樹脂組成物の濃度は4
0〜70重量%の範囲が望ましい。この際に使用される
溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジオキサ
ン、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン、ヂメチル
スルホキシド、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン、2−ヘプタノン等が使用でき
る。
【0024】基材としてはガラスクロス、炭素繊維、有
機繊維布、ガラス不織布、紙等の公知の基材が全て使用
可能である。前記ワニスを前記基材に塗布・含浸した
後、乾燥工程を経てプリプレグを製造するが、塗布方
法、含浸方法、乾燥方法は特に限定されるものではな
い。乾燥条件については、使用する溶剤の沸点により適
宜決められるが、あまり高温は好ましくなく、また、プ
リプレグ中の残存溶剤の量が1重量%以下となることが
望ましい。
【0025】積層板は前記プリプレグを一枚または複数
枚重ねた物を加熱加圧して一体化する事により製造され
るが、この際、最外層となる片面または両面に金属箔ま
たは金属板を重ねることができる。加熱温度としては1
00〜300℃、加圧圧力としては、5〜100kg/
cm2 が望ましい。金属箔または金属板としては銅、ア
ルミニウム、鉄、ステンレス等が使用できる。また、内
層コア材を用いて多層プリント配線板用積層板としても
よい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における性能の試験方法は次の通りで
ある。 ・ガラス転移温度:動的粘弾性法 ・銅箔ピール試験:JIS C−6481 ・吸水率:JIS C−6481 ・曲げ強度:JIS C−6481 ・はんだ耐熱性:JIS C−6481に準じて、試験
片を120℃、100%RHの条件下で、3時間吸水処
理後、300℃のはんだ浴に120秒フロートし、積層
板の異常の有無を調べた。
【0027】また、実施例および比較例で使用した原料
は、次のものを使用した。 ・ポリマレイミド化合物;ビス(4−マレイミドフェニ
ル)メタン(三井東圧化学(株)製) ・フェノール樹脂(1);ナフトール・フェノールノボ
ラック樹脂(カヤハード NHN、日本化薬(株)製) ・フェノール樹脂(2);フェノールアラルキル樹脂
(ミレックス XL-225 ,三井東圧化学(株)製) ・フェノール樹脂(3);フェノールノボラック樹脂(P
N-80、日本化薬(株)製) ・エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ピコート 1001 、油化シェルエポキシ(株)製) ・グリシドール;エピオールOH(日本油脂(株)製) ・1,6ジヒドロキシナフタレン(関東化学(株)製) ・硬化促進剤;2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ
、四国化成(株)製) ・ポリアミノビスマレイミド樹脂;ケルイミド601A(ロ
ーヌ・プーラン社製)
【0028】合成例 2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−マレイミ
ドフェニル)プロパンを次のように合成した。攪はん
機、温度計および共沸蒸留トラップを装着した反応容器
に無水マレイン酸60g(0.61モル)、トルエン4
80gおよび95%硫酸2.6gを挿入し、攪はん下で
還流温度まで加熱し、予め N,N−ジメチルアセトア
ミド160gに2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−アミノフェニ
ル)プロパン114g(0.5モル)を溶解した溶液を
滴下ロートにより、4〜5時間で滴下し、同温度で5時
間反応を行った。反応により生成する水は共沸除去す
る。反応終了後、反応液を80〜90℃に冷却し直ちに
溶剤を減圧下で留去し、続いて得られた有機層にイソプ
ロピルアルコール100mlを挿入しさらに水を300
ml挿入し、0.5〜1時間攪はんし結晶を析出させた
後、濾過乾燥して黄色結晶の2−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−(4−マレイミドフェニル)プロパンを1
47g(収率96%)を得た。得られた生成物の融点は
168〜171℃、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ(GPC)による純度分析結果は99%であった。
【0029】変性イミド樹脂(1)の製造例 撹拌機、温度計および冷却器を装着した反応容器に、ポ
リマレイミド樹脂90重量部、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2(4−マレイミドフェニル)プロパン10
重量部、フェノール樹脂(1)30重量部、エポキシ樹
脂50重量部、グリシドール20重量部を挿入して、1
30℃、30分間反応させ、変性イミド樹脂(1)を得
た。
【0030】変性イミド樹脂(2)の製造例 撹拌機、温度計および冷却器を装着した反応容器に、ポ
リマレイミド樹脂90重量部、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2(4−マレイミドフェニル)プロパン10
重量部、フェノール樹脂(2)30重量部、エポキシ樹
脂60重量部、1,6ジヒドロキシナフタレン10重量
部、メチルエチルケトン90重量部、ジメチルホルムア
ミド10重量部を挿入して、80℃、5時間反応させ、
変性イミド樹脂(2)を得た。
【0031】実施例1、2および比較例1〜4 第1表に示す組成(重量部)の配合物を、フラスコ中で
溶解し、熱硬化性樹脂ワニスを得た。このようにして得
られた熱硬化性樹脂ワニスを、104g/m2 のガラス
クロスに含浸し、140℃で5分間乾燥して、約190
g/m2 のプリプレグを得た。このプリプレグを16枚
重ね合わせ、さらに上下の最外層に18μの銅箔を配し
て、40kg/cm2 の圧力で、180〜200℃、1
20分の加熱条件で成形し、1.6mm厚の銅張積層板
を得た。得られた、積層板の試験結果を第1表に示す。
比較のために、実施例と同様な組成で2−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−(4−マレイミドフェニル)プロ
パンを使用していない組成物、ポリアミノビスマレイミ
ド樹脂についても、プリプレグ、積層板を製造し、その
樹脂特性について同様に評価した。なお、比較例3のポ
リアミノビスマレイミド樹脂の場合は200〜220
℃、120分の加熱条件で成形した。
【0032】この発明の実施例1、2に較べ、2ー(4
ーヒドロキシフェニル)−2−(4−マレイミドフェニ
ル)プロパンを使用しない場合は、粘弾性により測定し
たTgが低温(約150℃)と高温(約300℃)に分
れ、はんだ耐熱性が劣る。ポリアミノビスマレイミド樹
脂の場合は吸水率が高く、はんだ耐熱性が劣る。ポリマ
レイミド樹脂を含まない場合は、Tgが低く、はんだ耐
熱性に劣る。以上、本実施例に較べ、機械特性、吸湿
性、接着性およびはんだ耐熱性全てを満足するレベルで
はなかった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】実施例および比較例にて説明したごと
く、本発明による熱硬化性樹脂組成物は、高Tgを有し
ながら、吸湿性が低く接着性も良好で吸湿後のはんだ耐
熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物であり、積層板用樹脂
材料として有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 71/10 C08L 71/10 // C08G 65/38 C08G 65/38 (56)参考文献 特開 平3−724(JP,A) 特開 昭57−74328(JP,A) 特開 昭57−74327(JP,A) 特開 平8−259668(JP,A) 特開 平8−225668(JP,A) 特開 平6−263844(JP,A) 特開 平3−725(JP,A) 特開 平6−263843(JP,A) 特開 平3−723(JP,A) 特開 昭58−65718(JP,A) 特開 昭56−109219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/00 - 59/72 B32B 27/38 C08J 5/24 C08L 63/00 - 63/10 C08L 71/10 - 71/12 C08G 65/38 - 65/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(1)〔化1〕で示される
    ポリマレイミド化合物 【化1】 (式中、R1 はm価の有機基、Xa,Xbは水素原子、
    ハロゲン原子および有機基から選ばれた同一または異な
    る一価の原子または基、mは2以上の整数)と、(b)
    式(2)〔化2〕 【化2】 で表せられる2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
    (4−マレイミドフェニル)プロパンと、(c)フェノ
    ール樹脂と、(d)分子中に少なくとも二つ以上のエポ
    キシ基を有するエポキシ樹脂および、(e)分子中に少
    なくとも一つの活性水素を有する化合物により変性して
    得られる変性イミド樹脂を含有してなる熱硬化性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 硬化促進剤、難燃剤、充填剤および/ま
    たは添加剤を配合してなる請求項1記載の熱硬化性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1、2記載の樹脂材料を基材に含
    浸させたことを特徴とするプリプレグ。
  4. 【請求項4】 請求項記載のプリプレグを一枚または
    複数枚、積層形成してなること特徴とする熱硬化性樹脂
    積層板。
  5. 【請求項5】 最外層金属箔と積層一体化成形してなる
    請求項記載の熱硬化性樹脂積層板。
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