JP3329798B2 - コージェライト質セラミックハニカム構造体 - Google Patents
コージェライト質セラミックハニカム構造体Info
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Description
ら排出される微粒子を捕集するフィルタに用いるコージ
ェライト質セラミックハニカム構造体に関するものであ
る。
除去するため、コージェライト質ハニカム構造体の隔壁
を多孔質構造とし、その隔壁に微粒子を含んだ排気ガス
を通過せしめる構造の微粒子捕集用フィルタ(ディーゼ
ルパティキュレートフィルタ)を採用する検討が進めら
れている。このフィルタの特性に関しては、微粒子の捕
集効率、圧力損失(圧損)、微粒子の捕集時間(捕集開
始から一定圧損に達するまでの時間)の3つが重要とさ
れている。中でも、捕集効率と圧損は相反する関係にあ
り、捕集効率を高くしようとすると、圧損が増大し、捕
集時間が短くなり、また圧損を低くすると、捕集時間は
長くできるが、捕集効率が悪くなる。これらの相反する
フィルタの特性を満足するように、コージェライト質ハ
ニカム構造体に対しては、下記のように、その気孔率、
細孔分布を制御し、最適化する技術が従来から検討され
てきた。
ィルタ隔壁表面に存在する細孔を、孔径5〜40μmの
小孔と、孔径40〜100μmの大孔とから構成し、該
小孔の数が該大孔の数の5〜40倍となるように構成し
た排ガス浄化用フィルタが開示されている。その気孔率
について記載はされていないが、累積細孔容積が0.3
〜0.7cm3/gであることからコージェライトの真
比重を2.5として気孔率を計算すると気孔率は42〜
64%となる。また、特公昭61−54750号公報に
は、オープンポロシティ(気孔率)と平均細孔径を制御
することによって、高捕集率タイプから低捕集率タイプ
までのフィルタを設計しうることが開示されている。本
公報では気孔率の好ましい範囲は33〜90%とされて
いる。一方、特許第2578176号公報には、気孔率
40〜55%で直径2μm以下の細孔容積が0.015
cc/g以下である多孔質セラミックハニカムフィルタ
ーが開示され、直径2μm以下の細孔を一定量以下に抑
えることによって、捕集時間の長いフィルターが開示さ
れている。さらに、特許第2562186号公報では、
造孔剤として易燃焼性のカーボン粉を使用することによ
って、短い焼成時間で造孔剤の燃え残りや造孔剤の急激
な燃焼に伴う溶け不良のないディーゼルパティキュレー
トフィルターとして好適な多孔質セラミックハニカム構
造体の製法が開示されている。そして、特開平9−77
573号公報には、高捕集率、低圧損を得るため、気孔
率55〜80%、平均細孔径が25〜40μmであり、
かつ隔壁表面の細孔は5〜40μmの小孔と40〜10
0μmの大孔とよりなり、該小孔の数が該大孔の数の5
〜40倍であるハニカム構造体が開示されている。
ハニカム構造体の隔壁にディーゼルパティキュレート用
のフィルタ機能を持たせるために、ハニカム構造体を構
成するコージェライト質セラミックスの気孔率は、ガソ
リンエンジン用の触媒担体の気孔率30〜35%に比べ
て大きな値となっている。しかしながら、多孔質体の強
度は、その気孔率と相反する関係にあることから、ハニ
カム構造体を構成するコージェライト質セラミックスの
気孔率が大きくなれば、必然的にハニカム構造体の強度
は低下することになるのである。しかも上記従来技術に
よれば、気孔を形成するための造孔剤としては、カーボ
ンや黒鉛等の比較的扁平形状をした粉末が主として使用
されていることから、その気孔はアスペクト比の大きい
鋭角部を有する形態となる。このため気孔先端に応力集
中が発生しやすく、ハニカム構造体の強度が低下する原
因になるのである。このような理由から、ディーゼル機
関の微粒子捕集用フィルタとして使用した場合、発生す
る熱応力や熱衝撃応力、組立時の機械的締め付け力や振
動による応力等により破損することなく、長期にわたり
耐久性のあるコージェライト質ハニカム構造体が得られ
ないという問題があった。
に、コージェライト質セラミックスの気孔率が55%以
上の値であっても、ディーゼル機関から排出される微粒
子捕集用フィルタとして長期にわたり安定して使用する
ことのできる、高強度コージェライト質ハニカム構造体
を提供することを目的とする。
め、本発明者は鋭意検討を行った結果、ハニカム構造体
に形成される細孔の形状を従来の鋭角形状から略円形に
することにより、ハニカム構造体の強度が向上すること
見出し、本発明に想到した。すなわち、本第1発明のコ
ージェライト質セラミックハニカム構造体は、主成分の
化学組成がSiO2:42〜56質量%、Al2O3:
30〜45質量%、MgO:12〜16%であるコージ
ェライト質セラミックハニカム構造体であって、気孔率
が55〜80%、隔壁の任意断面において断面積が10
00μm2以上である細孔のうち細孔の断面形状が略円
形状であるものが含まれ、該細孔の真円度が1〜10で
ある細孔の個数が50%以上であることを特徴とする。
第2発明のコージェライト質セラミックハニカム構造体
は、主成分の化学組成がSiO2:42〜56質量%、
Al2O3:30〜45質量%、MgO:12〜16%
であるコージェライト質セラミックハニカム構造体であ
って、気孔率が55〜80%、ハニカム壁の任意断面に
おける断面積が1000μm2以上である細孔のうち、
アスペクト比が2以下の細孔の個数が60%以上である
ことを特徴とする。第3発明のコージェライト質セラミ
ックハニカム構造体は、第1乃至第2のいずれかの発明
において気孔率が60〜70%であることを特徴とす
る。第4発明のコージェライト質ハニカム構造体は、第
1乃至第3のいずれかの発明において、細孔の平均細孔
径が10〜40μmであることを特徴とする。第5発明
のコージェライト質ハニカム構造体は、第1乃至第4の
いずれかの発明において、隔壁の厚さが0.1〜0.4
5mm、隔壁の間隔が1〜3.5mmであることを特徴
とする。第6発明のコージェライト質ハニカム構造体
は、第1乃至第5のいずれかの発明において、A軸圧縮
強度が3MPa以上であることを特徴とする。
する。本発明のハニカム構造体は、気孔率55〜80%
の多孔質コージェライト質セラミックス中に存在する比
較的細孔径の大きい細孔、すなわち隔壁の任意断面にお
いて断面積が1000μm2以上である細孔の中に、細
孔の断面形態が略円形状をした細孔が含まれることによ
り、鋭角的な角部を有する細孔部が少なくなり細孔部角
部への応力集中が発生しにくくなり、ハニカム構造体の
強度の改善が認められるからである。ここで気孔率を5
5〜80%に限定するのは、気孔率が55%未満の場合
にはディーゼルパティキュレートフィルターとして使用
した時に、圧損が大きくなってしまい、ディーゼルエン
ジンの排気効率が悪くなり、ディーゼルエンジンの効率
が悪くなるからであり、気孔率が80%を超える場合、
比較的大きな細孔の形態を略円形状にしても、気孔の割
合そのものが多くなるため強度の改善は認められないか
らであり、さらに、微粒子の捕集効率も悪くなるからで
ある。ここで略円形状とは例えば真円度が1〜10の円
形を指す。この真円度は(円周長)×(円周長)/(4
×π×(面積))で表した。半径一定の円の場合、真円
度は1となり、細孔の形態が円形からずれるに従い大き
くなる。尚、本発明のハニカム構造体の略円形状をした
細孔は、隔壁の任意断面において断面積が1000μm
2以上である細孔のうち細孔の真円度が1〜10である
細孔の個数が50%以上であることが望ましい。ここで
真円度は上記した通りである。従って、細孔の形態が略
円形である真円度1〜10である細孔の個数が増えるこ
とにより、略円形からはずれた破壊の起点となり易い鋭
角部を有する細孔が少なくなるため、ハニカム構造体の
強度の改善がより認められる。
55〜80%の多孔質コージェライト質セラミックス中
に存在する比較的細孔径の大きい細孔、すなわち隔壁の
任意断面における断面積が1000μm2以上である細
孔のうち、アスペクト比が2以下の細孔の個数を60%
以上とすることにより、鋭角な角部を有する細孔が少な
くなることから、細孔部への応力集中が発生しにくくな
るため、ハニカム構造体の強度の改善が認められる。こ
こで、気孔率を55〜80%に限定するのは、気孔率が
55%未満の場合にはディーゼルパティキュレートフィ
ルターとして使用した時に、圧損が大きくなってしま
い、ディーゼルエンジンの排気効率が悪くなり、ディー
ゼルエンジンの効率が悪くなるからであり、気孔率が8
0%を超える場合、比較的大きな細孔の形態を略円形状
にしても、気孔の割合そのものが多くなるため強度の改
善は認められないからであり、さらに、微粒子の捕集効
率も悪くなるからである。
に60〜70%の間が好ましい。また、本発明のハニカ
ム構造体中に存在する細孔の平均細孔径は10〜40μ
mが好適としたのは、平均細孔径が10μm未満ではデ
ィーゼルパティキュレートフィルターとして使用した場
合、圧損が大きくなってしまい、ディーゼルエンジンの
効率が悪くなる場合が有るからであり、平均細孔径が4
0μmを超える場合、比較的大きな細孔の形態を概略円
形状にしても、気孔の大きさ自体が大きくなるため強度
の改善は認められない場合が有るからであり、さらに、
小さな微粒子は捕捉されずにフィルターを通過してしま
い捕集効率も悪くなる場合も有る。また、本発明のハニ
カム構造体の好適な隔壁の厚さを0.1〜0.45m
m、隔壁の間隔が1〜3.5mmとしたのは、隔壁の厚
さが0.45mmを越える場合、或いは隔壁の間隔が1
mm未満の場合ではディーゼルパティキュレートフィル
ターとして使用した場合、圧損が大きくなってしまい、
十分なフィルター特性が得られない場合が有るからであ
り、隔壁ハニカム壁厚が0.1mm未満の場合、或い
は、隔壁の間隔が3.5mmを越える場合、隔壁を構成
するコージェライト質セラミックス中の細孔の形態を制
御しても、ハニカム構造体の強度の改善は認められない
場合があるからである。
軸圧縮強度を3MPa以上としたのは、A軸圧縮強度が
3MPa以上あれば、ディーゼル機関の微粒子捕集用フ
ィルタとして使用した場合、発生する熱応力や熱衝撃応
力、組立時の機械的締め付け力や振動による応力等によ
り破損しない、耐久性のあるコージェライト質ハニカム
構造体を提供できるからである。
明する。 (実施例1) 本発明のディーゼル微粒子捕集フィルター用コージェラ
イト質ハニカム構造体を製造するには、まずコージェラ
イト組成すなわちSiO2が42〜56質量%、Al2
O3が30〜45質量%、MgOが12〜16質量%と
なるようにカオリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化
アルミニウム、シリカ、タルク、及び球状造孔剤の所定
量を混合する。次に、この混合物に可塑剤及び粘結剤を
加えて可塑化可能なバッチを作製し、このバッチを公知
の押出成形法により、直径143mm、長さ152mm
の円筒形ハニカム構造体を成形した。次いでこの成形体
を乾燥した上で1350〜1440℃の温度域で焼成し
て、第1図(a)、(b)の正面図及び側面図を示すように
多孔質セラミック隔壁2と貫通孔3からなる各種コージ
ェライト質セラミックハニカム構造体1を得た。ハニカ
ム構造体の製造に当たっては、原料の配合組成、成形条
件或いは焼成条件等々を調整することによって、各種細
孔特性及びハニカム壁構造を有する表1に記載の試験N
o.1〜4のハニカム構造体を製造した。ハニカム構造
体の気孔率及び平均細孔径の測定にはMicromeritics社
製のオートポアIII9410を使用し、水銀圧入法で測
定した。また断面積が1000μm2以上の細孔の形態
は、ハニカム構造体を試料研磨用埋め込み樹脂に埋め込
んだ後、ハニカム壁の押出方向に垂直な面の研磨を行っ
た上で、SEM観察を行い、SEM像から目視にて略円
形の細孔の有無を確認した。また、断面積が1000μ
m2以上の細孔の真円度の測定は、上記SEM観察をし
た画像データに対して市販の画像解析ソフトウェア(メ
ディアサイバネティクス社製イメージプロプラス ヴァ
ージョン3.0)により解析を行った。
験片を切り出しA軸圧縮強度を測定した。A軸圧縮強度
の測定は、社団法人自動車技術会が定める規格M505
−87「自動車排気ガス浄化触媒用セラミックモノリス
担体の試験方法」に従って行った。
面を第2図(a)、(b)にその正面図及び側面図を示
すように封じ材4により目封じし、多孔質セラミックハ
ニカムフィルターを得た。この得られた多孔質セラミッ
クハニカムフィルターのフィルター特性を、耐破損性、
圧損、捕集効率について評価を行った。その結果を表1
に示す。ここで、耐破損性は、A軸圧縮強度の値で評価
し、これが3MPa以上の場合は合格とし(○)で、更
に7MPa以上の好ましい場合は(◎)で、3MPa未満
の場合には不合格とし(×)で示した。圧損は、圧力損
失テストスタンドにて空気流量7.5Nm3/minの
時のハニカムフィルター流入前と流出後の圧力損失で評
価を行ない、300mmAq以下の圧力損失であれば合
格とし(○)で、更に好ましい250Aq以下の場合は
(◎)で、300mmAqを超える圧力損失であれば不
合格とし(×)で示した。捕集効率は、上記ハニカムフ
ィルターを準備し、圧力損失テストスタンドにて空気流
量7.5Nm3/minに粒子径0.042μmのカー
ボンを3g/Hrで2Hr投入後にハニカムフィルター
により捕捉したカーボン量が90%を越えた場合を合格
とし(○)で、捕捉したカーボン量が90%未満であれ
ば不合格とし(×)で示した。そして、総合判定とし
て、耐破損性、圧損、捕集効率のいずれも合格であるも
のを(○)、そのうち(◎)判定が一つ以上あった場合
は(◎)、いずれか1つでも不合格であるものを(×)
で評価した。
に示すハニカム構造体では、断面積が1000μm2以
上の細孔の形態が略円形状のものを含んでいることか
ら、真円度1〜10の細孔の割合も高かったため、耐破
損性はいずれも合格した。また圧損、捕集効率について
も、合格し、総合判定は(○)、及び(◎)であった。
以上、表1の結果から明らかなように、微粒子捕集用フ
ィルターとして重要な特性である耐破損性、微粒子の捕
集効率、圧損の結果から総合判定すると、本発明の実施
例である試験No.1〜4のハニカム構造体フィルタは
いずれも耐破損性、捕集効率、圧損特性を満足するフィ
ルタであった。
ター用コージェライト質ハニカム構造体を製造するた
め、まずコージェライト組成すなわちSiO2が42〜
56質量%、Al2O3が30〜45質量%、MgOが
12〜16質量%となるようにカオリン、仮焼カオリ
ン、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、
及び黒鉛粉末、カーボン粉末等のアスペクト比の大きい
扁平形状の造孔剤の所定量を混合する。次に、この混合
物に可塑剤及び粘結剤を加えて可塑化可能なバッチを作
製し、このバッチを公知の押出成形法により、直径14
3mm、長さ152mmの円筒形ハニカム構造体を成形
した。次いで、この成形体を乾燥した上で1350〜1
440℃の温度域で焼成して、第1図(a)、(b)の正面
図及び側面図を示すように多孔質セラミック隔壁3と貫
通孔2からなる各種コージェライト質セラミックハニカ
ム構造体1を得た。ハニカム構造体の製造に当たって
は、原料の配合組成、成形条件或いは焼成条件等々を調
整することによって、表1に示す試験N0.5、6のハ
ニカム構造体を製造した。以下、実施例1と同様の方法
により、気孔率、平均細孔径、真円度、A軸圧縮強度の
測定を行い、端面の目封じを行った上で、フィルター特
性の測定を行った。
o.5、6のハニカム構造体は、断面積が1000μm
2以上の細孔の形態が角形状であったことから、必然的
に真円度を計測すること不可能であり、A軸圧縮強度も
3MPaを下回る値となったため、耐破損性はいずれも
不合格となり、総合判定は不合格(×)となった。
集フィルター用コージェライト質ハニカム構造体を製造
するには、まずコージェライト組成すなわちSiO2が
42〜56質量%、Al2O3が30〜45質量%、M
gOが12〜16質量%となるようにカオリン、仮焼カ
オリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、タル
ク、及び球状造孔剤の所定量を混合する。次に、この混
合物に可塑剤及び粘結剤を加えて可塑化可能なバッチを
作製し、このバッチを公知の押出成形法により、直径1
43mm、長さ152mmの円筒形ハニカム構造体を成
形した。次いでこの成形体を乾燥した上で1350〜1
440℃の温度域で焼成して、第1図(a)、(b)の正面
図及び側面図を示すように多孔質セラミック隔壁3と貫
通孔2からなる各種コージェライト質セラミックハニカ
ム構造体1を得た。ハニカム構造体の製造に当たって
は、原料の配合組成、成形口金の寸法、成形条件或いは
焼成条件等々を調整することによって、各種細孔特性及
びハニカム壁構造を有する表2記載の試験No.7〜2
0のハニカム構造体を製造した。ハニカム構造体の気孔
率及び平均細孔径の測定にはMicromeritics社製のオー
トポアIII9410を使用し、水銀圧入法で測定した。
また、断面積が1000μm2以上の細孔の形態は、ハ
ニカム構造体を試料研磨用埋め込み樹脂に埋め込んだ
後、ハニカム壁の押出方向に垂直な面の研磨を行った上
で、SEM観察を行い、SEM像から目視にて略円形の
細孔の有無を確認した。また、断面積が1000μm2
以上の細孔の真円度の測定は、上記SEM観察をした画
像データに対して市販の画像解析ソフトウェア(メディ
アサイバネティクス社製イメージプロプラス ヴァージ
ョン3.0)により解析を行った。
験片を切り出しA軸圧縮強度を測定した。A軸圧縮強度
の測定は、社団法人自動車技術会が定める規格M505
−87「自動車排気ガス浄化触媒用セラミックモノリス
担体の試験方法」に従って行った。
面を第2図(a)、(b)にその正面図及び側面図を示
すように封じ材4により目封じし、多孔質セラミックハ
ニカムフィルターを得た。この得られた多孔質セラミッ
クハニカムフィルターのフィルター特性を、耐破損性、
圧損、捕集効率について評価を行った。その結果を表2
に示す。ここで、耐破損性は、A軸圧縮強度の値で評価
し、これが3MPa以上の場合は合格とし(○)で、更
に7MPa以上の好ましい場合は(◎)で、3MPa未満
の場合には不合格とし(×)で示した。圧損は、圧力損
失テストスタンドにて空気流量7.5Nm3/minの
時のハニカムフィルター流入前と流出後の圧力損失で評
価を行ない、300mmAq以下の圧力損失であれば合
格とし(○)で、更に好ましい250Aq以下の場合は
(◎)で、300mmAqを超える圧力損失であれば不
合格とし(×)で示した。捕集効率は、上記ハニカムフ
ィルターを準備し、圧力損失テストスタンドにて空気流
量7.5Nm3/minに粒子径0.042μmのカー
ボンを3g/Hrで2Hr投入後にハニカムフィルター
により捕捉したカーボン量が90%を越えた場合を合格
とし(○)で、捕捉したカーボン量が90%未満であれ
ば不合格とし(×)で示した。そして、総合判定とし
て、耐破損性、圧損、捕集効率のいずれも合格であるも
のを(○)、そのうち(◎)判定が一つ以上あった場合
は(◎)、いずれか1つでも不合格であるものを(×)
で評価した。
は、試験No.7〜試験No.20のハニカム構造体で
は、3MPa以上のA軸圧縮強度が得られたことから合
格した。中でも、試験No.9、11、15、18、1
9のハニカム構造体では、7MPa以上のA軸圧縮強度
が得られた。試験No.9、18では、隔壁の肉厚が厚
かったため、試験No.11では気孔率が小さめであっ
たため、試験No.15では平均細孔径が小さめであっ
たため、試験No.19では隔壁のピッチが小さめであ
ったため、A軸圧縮強度の極めて高いハニカム構造体が
得られた。
0のハニカム構造体はいずれも合格したが、中でも試験
No.12、16、17、20のハニカム構造体は優れ
た圧損を示した。試験No.12では、気孔率が大きめ
であったため、試験No.16では平均細孔径が大きめ
であったため、試験No.17は隔壁の厚さが薄かった
ため、試験No.20では隔壁のピッチが大きめであっ
たため、圧損が特に小さかった。また、捕集効率につい
ては、試験No.7〜20のハニカム構造体は、すべて
合格であった。
粒子捕集用フィルターとして重要な特性である耐破損
性、微粒子の捕集効率、圧損の結果から総合判定する
と、本発明の実施例である試験No.7〜20のハニカ
ム構造体フィルタはいずれも耐破損性、捕集効率、圧損
特性を満足するフィルタであった。
ター用コージェライト質ハニカム構造体を製造するた
め、まずコージェライト組成すなわちSiO2が42〜
56質量%、Al2O3が30〜45質量%、MgOが
12〜16質量%となるようにカオリン、仮焼カオリ
ン、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、
及び黒鉛粉末、カーボン粉末等アスペクト比の大きい扁
平形状の造孔剤の所定量を混合する。次に、この混合物
に可塑剤及び粘結剤を加えて可塑化可能なバッチを作製
し、このバッチを公知の押出成形法により、直径143
mm、長さ152mmの円筒形ハニカム構造体を成形し
た。次いでこの成形体を乾燥した上で1350〜144
0℃の温度域で焼成して、第1図(a)、(b)の正面図及
び側面図を示すように多孔質セラミック隔壁3と貫通孔
2からなる各種コージェライト質セラミックハニカム構
造体1を得た。ハニカム構造体の製造に当たっては、原
料の配合組成、成形条件或いは焼成条件等々を調整する
ことによって、表2に示す試験N0.21〜24のハニ
カム構造体を製造した。以下、実施例2と同様の方法に
より、気孔率、平均細孔径、真円度、A軸圧縮強度の測
定を行い、端面の目封じを行った上で、フィルター特性
の測定を行った。
o.21、22のハニカム構造体は、断面積が1000
μm2以上の細孔のうちアスペクト比が2以下の細孔の
個数が60%を下回ったことから、A軸圧縮強度が3M
Paを下回る値となったため、耐破損性はいずれも不合
格となり、総合判定は不合格(×)となった。一方試験
No.23のハニカム構造体は、気孔率が55%を下回
ったため、圧損が不合格となり、総合判定は不合格
(×)となった。また、試験No.24のハニカム構造
体では、気孔率が80%を上まわったため、アスペクト
比2以上の個数割合が60%以上であるにも拘わらず、
3MPa以上のA軸圧縮強度が得られず、耐破損性が不
合格となり、また捕集効率も不合格となったことから、
総合判定は不合格(×)となった。
ターを構成するコージェライト質セラミックス中の断面
積1000μm2以上の細孔の形態を略円形状のものが
含まれるようにしているため、或いは断面積1000μ
m2以上の細孔のうちアスペクト比2以下の細孔の個数
割合を60%以上としているため、気孔率が55〜80
%の高い値であっても、ディーゼルパティキュレートフ
ィルターとして使用した際に発生する熱応力や熱衝撃応
力、組立時の機械的締め付け力や振動による応力に対し
ても破損しない、耐久性に優れたコージェライト質セラ
ミックハニカム構造体が得られる。
一例を示す正面図及び側面図である。
使用したフィルターの一例を示す正面図及び側面図であ
る。
通孔、4 セラミックハニカムフィルタ、5 封じ材
Claims (6)
- 【請求項1】 主成分の化学組成がSiO2:42〜5
6質量%、Al2O3:30〜45質量%、MgO:1
2〜16%であるコージェライト質セラミックハニカム
構造体であって、気孔率が55〜80%、隔壁の任意断
面において断面積が1000μm2以上である細孔のう
ち細孔の断面形状が略円形状であるものが含まれ、該細
孔の真円度が1〜10である細孔の個数が50%以上で
あることを特徴とするコージェライト質セラミックハニ
カム構造体。 - 【請求項2】 主成分の化学組成がSiO2:42〜5
6質量%、Al2O3:30〜45質量%、MgO:1
2〜16%であるコージェライト質セラミックハニカム
構造体であって、気孔率が55〜80%、隔壁の任意断
面において断面積が1000μm2以上である細孔のう
ち、アスペクト比が2以下の細孔の個数が60%以上で
あることを特徴とするコージェライト質セラミックハニ
カム構造体。 - 【請求項3】 気孔率が60〜70%であることを特徴
とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載のコージ
ェライト質セラミックハニカム構造体。 - 【請求項4】 細孔の平均細孔径が10〜40μmであ
ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
コージェライト質セラミックハニカム構造体。 - 【請求項5】 隔壁の厚さが0.1〜0.45mm、隔
壁の間隔が1〜3.5mmであることを特徴とする請求
項1乃至4のいずれかに記載のコージェライト質セラミ
ックハニカム構造体。 - 【請求項6】 A軸圧縮強度が3MPa以上であること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコージ
ェライト質セラミックハニカム構造体。
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