JP3326899B2 - 薄膜積層空燃比センサ - Google Patents
薄膜積層空燃比センサInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜積層空燃比センサ、
更に詳しくは著しく小形化可能で且つ性能の優れた薄膜
積層空燃比センサに関するものである。
更に詳しくは著しく小形化可能で且つ性能の優れた薄膜
積層空燃比センサに関するものである。
【0002】
【従来技術】空燃比センサとしては種々の形態のものが
使用されている。その一つとして酸素センサを用いた空
燃比センサがある。この空燃比センサは例えば自動車エ
ンジン制御用の空燃比センサとして広く使われている。
ところで、前記空燃比センサに使用されている酸素セン
サは主として、酸化物半導体の抵抗変化を利用した抵抗
変化式酸素センサ、固体電解質を用いた酸素濃淡電池式
酸素センサ、及び酸素ポンプ式酸素センサ(研究開発段
階にあるもの及び既に実用化されているものを含む)の
3種類に分類される。以下に、3種類の酸素センサの特
徴を説明する。
使用されている。その一つとして酸素センサを用いた空
燃比センサがある。この空燃比センサは例えば自動車エ
ンジン制御用の空燃比センサとして広く使われている。
ところで、前記空燃比センサに使用されている酸素セン
サは主として、酸化物半導体の抵抗変化を利用した抵抗
変化式酸素センサ、固体電解質を用いた酸素濃淡電池式
酸素センサ、及び酸素ポンプ式酸素センサ(研究開発段
階にあるもの及び既に実用化されているものを含む)の
3種類に分類される。以下に、3種類の酸素センサの特
徴を説明する。
【0003】酸化物半導体の抵抗変化を利用した抵抗変
化式酸素センサには、TiO2 ,Nb2 O5 ,SnO2
等のn型半導体を用いたものと、CoO,CoO1-x M
gx等のp型半導体を用いたものとがある。前記抵抗変
化式酸素センサは、酸素分圧の変化によって酸化物半導
体の抵抗が次式(I)の様に変化する。 R=Po 1/n (I) 〔式(I)中、 R:酸化物半導体の抵抗 Po :酸素分圧 n:p型半導体では+4〜+6、n型半導体では−4〜
−6 を表わす。〕
化式酸素センサには、TiO2 ,Nb2 O5 ,SnO2
等のn型半導体を用いたものと、CoO,CoO1-x M
gx等のp型半導体を用いたものとがある。前記抵抗変
化式酸素センサは、酸素分圧の変化によって酸化物半導
体の抵抗が次式(I)の様に変化する。 R=Po 1/n (I) 〔式(I)中、 R:酸化物半導体の抵抗 Po :酸素分圧 n:p型半導体では+4〜+6、n型半導体では−4〜
−6 を表わす。〕
【0004】車両走行時において、空気過剰率λ=1の
点では、酸素分圧は10-0.2〜10-30 atmの範囲内
で急変する。それ故、空気過剰率λ=1では酸素分圧の
変化に伴って酸化物半導体の抵抗も3〜4桁急変する。
この急変特性から、抵抗変化式酸素センサは理論空燃比
検出用センサとして用いられる。
点では、酸素分圧は10-0.2〜10-30 atmの範囲内
で急変する。それ故、空気過剰率λ=1では酸素分圧の
変化に伴って酸化物半導体の抵抗も3〜4桁急変する。
この急変特性から、抵抗変化式酸素センサは理論空燃比
検出用センサとして用いられる。
【0005】一方、固体電解質を用いた酸素濃淡電池式
酸素センサにおいては、センサ素子は例えばジルコニア
固体電解質からなる一端が閉鎖された円筒状の形態にな
っており、排気側と大気側の酸素分圧の変化(酸素分圧
差)が次式(II)の如く起電力として検出される。 E=(RT/4F)ln(Po ′/Po ) (II) 〔式(II)中、 R:気体定数 T:絶対温度 F:ファラデー定数 Po ′:カソード側の酸素分圧 Po :アノード側の酸素分圧 を表わす。〕
酸素センサにおいては、センサ素子は例えばジルコニア
固体電解質からなる一端が閉鎖された円筒状の形態にな
っており、排気側と大気側の酸素分圧の変化(酸素分圧
差)が次式(II)の如く起電力として検出される。 E=(RT/4F)ln(Po ′/Po ) (II) 〔式(II)中、 R:気体定数 T:絶対温度 F:ファラデー定数 Po ′:カソード側の酸素分圧 Po :アノード側の酸素分圧 を表わす。〕
【0006】それ故、酸素濃淡電池式酸素センサでは、
車両走行時において、空気過剰率λ=1にて酸素分圧が
急変するのに伴って0〜1Vの範囲内の起電力が発生す
ることから、起電力0.5Vが発生した点を理論空燃比
(空気過剰率λ=1)として検出する。
車両走行時において、空気過剰率λ=1にて酸素分圧が
急変するのに伴って0〜1Vの範囲内の起電力が発生す
ることから、起電力0.5Vが発生した点を理論空燃比
(空気過剰率λ=1)として検出する。
【0007】酸素ポンプ式酸素センサは電気化学的ポン
プ作用を利用して電解質の酸素イオンの伝導度を計測す
る方式の酸素センサであり、基本構成の相違により、更
に以下の3種類に分類される。 (A)酸素ポンプセルがO2 モニターとして用いられる
もの。 (B)酸素ポンプセルが漏洩用細孔と共に用いられるも
の。 (C)酸素ポンプセルがO2 モニターとして及び漏洩用
細孔と共に用いられるもの。
プ作用を利用して電解質の酸素イオンの伝導度を計測す
る方式の酸素センサであり、基本構成の相違により、更
に以下の3種類に分類される。 (A)酸素ポンプセルがO2 モニターとして用いられる
もの。 (B)酸素ポンプセルが漏洩用細孔と共に用いられるも
の。 (C)酸素ポンプセルがO2 モニターとして及び漏洩用
細孔と共に用いられるもの。
【0008】又、酸素ポンプ式酸素センサにおける酸素
濃度の検出方法としても3種類の方法が知られている。
第1の検出方法はポンピング時間により酸素濃度を測定
する方法、第2の検出方法は限界電流により酸素濃度を
測定する方法、更に第3の検出方法は定電流印加時の電
圧により酸素濃度を測定する方法である。よって、酸素
ポンプ式酸素センサを用いると広い範囲の酸素濃度を測
定できることから、この型式の酸素センサはとりわけ広
帯域の空燃比センサとして利用されている。
濃度の検出方法としても3種類の方法が知られている。
第1の検出方法はポンピング時間により酸素濃度を測定
する方法、第2の検出方法は限界電流により酸素濃度を
測定する方法、更に第3の検出方法は定電流印加時の電
圧により酸素濃度を測定する方法である。よって、酸素
ポンプ式酸素センサを用いると広い範囲の酸素濃度を測
定できることから、この型式の酸素センサはとりわけ広
帯域の空燃比センサとして利用されている。
【0009】理論空燃比センサとしては、従来、ジルコ
ニア酸素濃淡電池式センサ及びTiO2 抵抗変化式酸素
センサが広く使用されている。これらのセンサは、共に
理論空燃比での平衡酸素分圧の大幅な変化に伴い、出力
(起電力及び抵抗)が急変する特性(所謂Z特性)を有
し、前記出力を各々の理論空燃比センサに対する適切な
基準値(電圧値又は抵抗値)と比較することにより、空
燃比がリーン領域に有るかリッチ領域に有るかを容易に
判定することができる。
ニア酸素濃淡電池式センサ及びTiO2 抵抗変化式酸素
センサが広く使用されている。これらのセンサは、共に
理論空燃比での平衡酸素分圧の大幅な変化に伴い、出力
(起電力及び抵抗)が急変する特性(所謂Z特性)を有
し、前記出力を各々の理論空燃比センサに対する適切な
基準値(電圧値又は抵抗値)と比較することにより、空
燃比がリーン領域に有るかリッチ領域に有るかを容易に
判定することができる。
【0010】ジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比セン
サの場合には、起電力のセンサ個体間における相違や起
電力の温度依存性が小さい。それ故、前記センサを同種
の別のセンサに取り替えたり、又は前記センサを車両の
排気系に装着した場合に排気温が変化したときに基準電
圧を固定して使用しても、理論空燃比を高精度で検出す
ることができるという優れた性質を有している。この様
な性質を有することにより、三元触媒を併用する自動車
エンジンの空燃比制御用として非常に使用し易いので、
ジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサは前記用途
に最も広く使用されている。
サの場合には、起電力のセンサ個体間における相違や起
電力の温度依存性が小さい。それ故、前記センサを同種
の別のセンサに取り替えたり、又は前記センサを車両の
排気系に装着した場合に排気温が変化したときに基準電
圧を固定して使用しても、理論空燃比を高精度で検出す
ることができるという優れた性質を有している。この様
な性質を有することにより、三元触媒を併用する自動車
エンジンの空燃比制御用として非常に使用し易いので、
ジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサは前記用途
に最も広く使用されている。
【0011】TiO2 抵抗変化式酸素センサの場合に
は、TiO2 抵抗体全体の抵抗が雰囲気の酸素分圧に応
じて変化する方式であることから、酸素濃度の測定に際
して基準酸素分圧を必要としない。従って、TiO2 抵
抗変化式酸素センサは基準電極や該基準電極に対するガ
ス導入路が不要であり、又構造が簡単で小形化可能であ
ることから、自動車エンジンの空燃比制御用として徐々
に使用されるようになってきた。
は、TiO2 抵抗体全体の抵抗が雰囲気の酸素分圧に応
じて変化する方式であることから、酸素濃度の測定に際
して基準酸素分圧を必要としない。従って、TiO2 抵
抗変化式酸素センサは基準電極や該基準電極に対するガ
ス導入路が不要であり、又構造が簡単で小形化可能であ
ることから、自動車エンジンの空燃比制御用として徐々
に使用されるようになってきた。
【0012】一方、広帯域空燃比センサとしてはジルコ
ニア限界電流式空燃比センサが広く使用されている。こ
のセンサはセンサ起電力及び出力電流の温度依存性が小
さいという優れた性質を有しており、非常に使い易いの
で、種々の全域空燃比センサの中でも最も広く使用され
ている。
ニア限界電流式空燃比センサが広く使用されている。こ
のセンサはセンサ起電力及び出力電流の温度依存性が小
さいという優れた性質を有しており、非常に使い易いの
で、種々の全域空燃比センサの中でも最も広く使用され
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のセ
ンサ例えばジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサ
は優れた特性を有するが、しかし一方、下記に例示する
ような大きな課題を抱えている。 一つの空燃比センサで理論空燃比を精度±0.1%程
度で計測することが必要である。又、理論空燃比センサ
に全域空燃比センサを付加した場合には、全域空燃比を
精度±1%程度で計測することが必要である。 エンジン始動直後から空燃比を精度よく検出できるこ
とが必要である。 車両の燃費改善のために、センサ作動時の消費電力を
極力小さくすることが必要である。 低コスト化を図るため、簡単な構成にすることが要求
されている。
ンサ例えばジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサ
は優れた特性を有するが、しかし一方、下記に例示する
ような大きな課題を抱えている。 一つの空燃比センサで理論空燃比を精度±0.1%程
度で計測することが必要である。又、理論空燃比センサ
に全域空燃比センサを付加した場合には、全域空燃比を
精度±1%程度で計測することが必要である。 エンジン始動直後から空燃比を精度よく検出できるこ
とが必要である。 車両の燃費改善のために、センサ作動時の消費電力を
極力小さくすることが必要である。 低コスト化を図るため、簡単な構成にすることが要求
されている。
【0014】米国、欧州、日本での自動車の排気規制は
年々厳しくなっており、自動車のエンジン自体の改善や
排気ガス浄化用触媒の浄化性能の向上だけでなく、空燃
比センサにも厳しい要求が求められるようになり、従来
技術の小規模な改良だけでは対応が難しくなってきた。
年々厳しくなっており、自動車のエンジン自体の改善や
排気ガス浄化用触媒の浄化性能の向上だけでなく、空燃
比センサにも厳しい要求が求められるようになり、従来
技術の小規模な改良だけでは対応が難しくなってきた。
【0015】即ち、 (a)地球規模で起っている環境破壊を改善するために
は、車両用エンジンとしては低燃費で有害成分排出量が
少なく、必要な時には高出力も得られるエンジンが望ま
れている。そのためには、エンジンの空燃比を理論空燃
比に精密に制御する必要がある。又、エンジンの空燃比
を理論空燃比だけでなく、リーン領域からリッチ領域ま
で車両の走行状態に応じて最適な空燃比に設定すれが一
層好ましい。そして空燃比を前記の如く設定された空燃
比となるように忠実に制御しようとすれば、空燃比セン
サによる精密な空燃比の検出と、この値に基づく空燃比
のフィードバック制御が不可欠である。そのため、理論
空燃比を精密に検出することが求められている。又、理
論空燃比に加えて、リーン領域のみでなくリッチ領域も
含めた全域を計測可能であればなお良い。
は、車両用エンジンとしては低燃費で有害成分排出量が
少なく、必要な時には高出力も得られるエンジンが望ま
れている。そのためには、エンジンの空燃比を理論空燃
比に精密に制御する必要がある。又、エンジンの空燃比
を理論空燃比だけでなく、リーン領域からリッチ領域ま
で車両の走行状態に応じて最適な空燃比に設定すれが一
層好ましい。そして空燃比を前記の如く設定された空燃
比となるように忠実に制御しようとすれば、空燃比セン
サによる精密な空燃比の検出と、この値に基づく空燃比
のフィードバック制御が不可欠である。そのため、理論
空燃比を精密に検出することが求められている。又、理
論空燃比に加えて、リーン領域のみでなくリッチ領域も
含めた全域を計測可能であればなお良い。
【0016】(b)エンジンの冷間始動時の炭化水素
(HC)排出量は、従来の空燃比センサでは、センサが
作動可能になる以前のエンジン始動直後の炭化水素(H
C)排出量が大きな比率を占めている。そして前記炭化
水素排出量にはエンジン始動時の燃料増量の適否が密接
に関係している。それ故、前記炭化水素排出量の低減の
ためにはエンジン始動時の燃料増量の最適化を図るた
め、エンジン始動直後から空燃比センサを急速に作動さ
せることが求められている。更に、排出される有害成分
の浄化を図るため排気ガス浄化用触媒による排気ガスの
処理が行なわれる。その浄化性能を十分に引き出すには
理論空燃比を精密に検出できるセンサが求められてお
り、空燃比センサの機能として理論空燃比及び更に加え
て広範囲の空燃比を精密に検出できる機能が求められて
いる。
(HC)排出量は、従来の空燃比センサでは、センサが
作動可能になる以前のエンジン始動直後の炭化水素(H
C)排出量が大きな比率を占めている。そして前記炭化
水素排出量にはエンジン始動時の燃料増量の適否が密接
に関係している。それ故、前記炭化水素排出量の低減の
ためにはエンジン始動時の燃料増量の最適化を図るた
め、エンジン始動直後から空燃比センサを急速に作動さ
せることが求められている。更に、排出される有害成分
の浄化を図るため排気ガス浄化用触媒による排気ガスの
処理が行なわれる。その浄化性能を十分に引き出すには
理論空燃比を精密に検出できるセンサが求められてお
り、空燃比センサの機能として理論空燃比及び更に加え
て広範囲の空燃比を精密に検出できる機能が求められて
いる。
【0017】しかしながら、空燃比センサを作動させる
ためには空燃比センサ(特にその空燃比検出部)を作動
に適する温度(約700℃)にすることが必要なので、
急速に作動させるため、センサの急速昇温加熱が必要で
ある。然して、一般的に空燃比センサの急速昇温は、該
センサ各部の熱歪みの増大による破損や特性劣化につな
がり易い。それ故、前記熱歪みの増大を抑制して、それ
らの悪影響を軽減するためには空燃比センサを小形化す
る必要がある。
ためには空燃比センサ(特にその空燃比検出部)を作動
に適する温度(約700℃)にすることが必要なので、
急速に作動させるため、センサの急速昇温加熱が必要で
ある。然して、一般的に空燃比センサの急速昇温は、該
センサ各部の熱歪みの増大による破損や特性劣化につな
がり易い。それ故、前記熱歪みの増大を抑制して、それ
らの悪影響を軽減するためには空燃比センサを小形化す
る必要がある。
【0018】しかし、ジルコニア限界電流式空燃比セン
サの場合には、理論空燃比を高精度で検出でき、更に加
えてリーン領域とリッチ領域の全域計測をするために
は、陰陽両電極を気密に保ち分離させ、排気に暴露され
ない側の電極には高濃度の酸素(空気)を供給する必要
がある。それ故、そのための空気(外気)導入用の通路
をセンサの外部から空燃比検出部まで設けなければなら
ない。よって、センサ素子として、通常は一端が閉鎖さ
れた筒形状(コップ形状)のセンサ素子が用いられてい
る。しかし、前述のような素子ではいくら小形化しよう
としても自づから限界がある。
サの場合には、理論空燃比を高精度で検出でき、更に加
えてリーン領域とリッチ領域の全域計測をするために
は、陰陽両電極を気密に保ち分離させ、排気に暴露され
ない側の電極には高濃度の酸素(空気)を供給する必要
がある。それ故、そのための空気(外気)導入用の通路
をセンサの外部から空燃比検出部まで設けなければなら
ない。よって、センサ素子として、通常は一端が閉鎖さ
れた筒形状(コップ形状)のセンサ素子が用いられてい
る。しかし、前述のような素子ではいくら小形化しよう
としても自づから限界がある。
【0019】(c)空燃比センサを加熱するための消費
電力が大きければ、発電機やバッテリーなどの加熱用電
力の供給も従来以上に大きくせざるを得ず、これは燃費
の悪化をもたらすことになる。従って、燃費改善のため
には、空燃比センサの低消費電力化、更にセンサの機能
向上が必要且つ有効である。
電力が大きければ、発電機やバッテリーなどの加熱用電
力の供給も従来以上に大きくせざるを得ず、これは燃費
の悪化をもたらすことになる。従って、燃費改善のため
には、空燃比センサの低消費電力化、更にセンサの機能
向上が必要且つ有効である。
【0020】ところで、従来のジルコニア酸素濃淡電池
式理論空燃比センサでは、理論空燃比の検出をするため
には上述の如く基準電極が必要であり、理論空燃比セン
サ内に空気の導入機構や酸素の発生機構を設ける必要が
ある。しかしながら、センサ内に外気から空気を導入す
る形式の理論空燃比センサは、空気導入通路の寸法が大
きいので複雑で大きな構造を有しており、その製造が非
常に難しい。更に、寸法が大きいことから放熱損も大き
くなり、空燃比センサを加熱するための消費電力が大き
くなる。又、寸法が大きいので熱歪みが発生し易く、急
速加熱が不可能であり、必然的に理論空燃比センサの始
動時間が長くなる。そのため、前記理論空燃比センサは
消費電力が大きいことから車両の燃費改善に悪影響を与
えると共に、始動時間が長いことから車両の冷間始動直
後の炭化水素排出量の低減にも寄与することができな
い。
式理論空燃比センサでは、理論空燃比の検出をするため
には上述の如く基準電極が必要であり、理論空燃比セン
サ内に空気の導入機構や酸素の発生機構を設ける必要が
ある。しかしながら、センサ内に外気から空気を導入す
る形式の理論空燃比センサは、空気導入通路の寸法が大
きいので複雑で大きな構造を有しており、その製造が非
常に難しい。更に、寸法が大きいことから放熱損も大き
くなり、空燃比センサを加熱するための消費電力が大き
くなる。又、寸法が大きいので熱歪みが発生し易く、急
速加熱が不可能であり、必然的に理論空燃比センサの始
動時間が長くなる。そのため、前記理論空燃比センサは
消費電力が大きいことから車両の燃費改善に悪影響を与
えると共に、始動時間が長いことから車両の冷間始動直
後の炭化水素排出量の低減にも寄与することができな
い。
【0021】理論空燃比センサ内に酸素の発生機構を有
する従来のジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサ
においても、酸素発生機構を付加するために複雑で大き
な構造を有しており、空気の導入機構を有する前記理論
空燃比センサと同様の問題点を有している。
する従来のジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサ
においても、酸素発生機構を付加するために複雑で大き
な構造を有しており、空気の導入機構を有する前記理論
空燃比センサと同様の問題点を有している。
【0022】従来のジルコニア限界電流式酸素センサに
おいても、全域空燃比を検出するためには、空燃比セン
サ内に空気の導入、又は酸素の発生機能を持った基準極
を作る必要がある。即ち、これらの手段を有しない空燃
比センサではリーン領域のみの計測は可能であるが、リ
ッチ領域に於いてもリーン領域に近い電流が流れる二価
関数特性が現われるのでリーン領域なのかリッチ領域な
のかを判別することができなくなり、リッチ領域におい
ては有効な空燃比の計測ができない。
おいても、全域空燃比を検出するためには、空燃比セン
サ内に空気の導入、又は酸素の発生機能を持った基準極
を作る必要がある。即ち、これらの手段を有しない空燃
比センサではリーン領域のみの計測は可能であるが、リ
ッチ領域に於いてもリーン領域に近い電流が流れる二価
関数特性が現われるのでリーン領域なのかリッチ領域な
のかを判別することができなくなり、リッチ領域におい
ては有効な空燃比の計測ができない。
【0023】然して、前記問題を克服するためには、リ
ーン領域空燃比センサに、リーン領域の空燃比を検出す
る手段とは別途にリッチかリーンかを判別する手段と、
リッチ領域の空燃比を検出する手段、更に、電気化学的
セルにより構成された酸素ガスを供給する酸素ポンプの
手段を付加する必要がある。
ーン領域空燃比センサに、リーン領域の空燃比を検出す
る手段とは別途にリッチかリーンかを判別する手段と、
リッチ領域の空燃比を検出する手段、更に、電気化学的
セルにより構成された酸素ガスを供給する酸素ポンプの
手段を付加する必要がある。
【0024】一方、空燃比センサ内に外部から空気を導
入する形式の全域空燃比センサでは、基本的に全域空燃
比を高精度に検出する性能を有する。しかしながら、こ
の型式の全域空燃比センサは空気導入通路の寸法が大き
く、複雑で大きな構造を有しており、前記のジルコニア
酸素濃淡電池式理論空燃比センサと同様の問題点を有し
ている。
入する形式の全域空燃比センサでは、基本的に全域空燃
比を高精度に検出する性能を有する。しかしながら、こ
の型式の全域空燃比センサは空気導入通路の寸法が大き
く、複雑で大きな構造を有しており、前記のジルコニア
酸素濃淡電池式理論空燃比センサと同様の問題点を有し
ている。
【0025】本発明は前述の従来の理論空燃比センサに
おける課題を解決するためになされたものであり、その
第1の目的は、温度変化に伴う起電力の変化が小さいな
どの従来の酸素濃淡電池式理論空燃比センサ(例えばジ
ルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサ)の優れた性
質を全て承継し、且つ空気導入用の通路を必要としない
小形で高性能の薄膜積層型の酸素濃淡電池式理論空燃比
センサ(例えばジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比セ
ンサ)を提供することにある。
おける課題を解決するためになされたものであり、その
第1の目的は、温度変化に伴う起電力の変化が小さいな
どの従来の酸素濃淡電池式理論空燃比センサ(例えばジ
ルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比センサ)の優れた性
質を全て承継し、且つ空気導入用の通路を必要としない
小形で高性能の薄膜積層型の酸素濃淡電池式理論空燃比
センサ(例えばジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比セ
ンサ)を提供することにある。
【0026】本発明の第2の目的は、前記酸素濃淡電池
式理論空燃比センサに加えて、耐熱性、安定性に優れ、
しかもセンサ出力の温度依存性が小さいなどの特長を持
ち、且つ空気導入用の通路を必要とせずにリーン領域か
らリッチ領域の全域にわたって空燃比検出計測性能を有
する限界電流式全域空燃比センサ(例えばジルコニア限
界電流式全域空燃比センサ)を有し、理論空燃検出部も
一体化し、原理的に著しく小形化が可能な薄膜積層空燃
比センサを提供することにある。
式理論空燃比センサに加えて、耐熱性、安定性に優れ、
しかもセンサ出力の温度依存性が小さいなどの特長を持
ち、且つ空気導入用の通路を必要とせずにリーン領域か
らリッチ領域の全域にわたって空燃比検出計測性能を有
する限界電流式全域空燃比センサ(例えばジルコニア限
界電流式全域空燃比センサ)を有し、理論空燃検出部も
一体化し、原理的に著しく小形化が可能な薄膜積層空燃
比センサを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】即ち、本第1の発明の薄
膜積層空燃比センサ〔(i)と称する〕は、多孔質基板
上に第1電極が形成され、第1電極の上に第1固体電解
質及び第3電極が順次積層され、第1固体電解質は第1
電極の周囲を含めて第1電極を覆い隠し、第3電極は第
1固体電解質の周囲を含めて第1固体電解質を覆い隠
し、更に第3電極の上に第2固体電解質及び第4電極が
順次積層され、第2固体電解質及び第4電極は共に第3
電極の周辺部が露出するように配置され、第1電極,第
3電極及び第4電極は多孔質でガス透過性を有する白金
を用いて形成され、第1固体電解質及び第2固体電解質
は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン伝導性の固体
電解質を用いて形成されてなり、多孔質基板上に第1電
極,第1固体電解質及び第3電極によって構成され、酸
素濃淡電池式理論空燃比センサとして作動する部分と、
第3電極,第2固体電解質及び第4電極によって構成さ
れ、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体的に形
成されてなるセンサ素子を有することを特徴とする。
膜積層空燃比センサ〔(i)と称する〕は、多孔質基板
上に第1電極が形成され、第1電極の上に第1固体電解
質及び第3電極が順次積層され、第1固体電解質は第1
電極の周囲を含めて第1電極を覆い隠し、第3電極は第
1固体電解質の周囲を含めて第1固体電解質を覆い隠
し、更に第3電極の上に第2固体電解質及び第4電極が
順次積層され、第2固体電解質及び第4電極は共に第3
電極の周辺部が露出するように配置され、第1電極,第
3電極及び第4電極は多孔質でガス透過性を有する白金
を用いて形成され、第1固体電解質及び第2固体電解質
は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン伝導性の固体
電解質を用いて形成されてなり、多孔質基板上に第1電
極,第1固体電解質及び第3電極によって構成され、酸
素濃淡電池式理論空燃比センサとして作動する部分と、
第3電極,第2固体電解質及び第4電極によって構成さ
れ、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体的に形
成されてなるセンサ素子を有することを特徴とする。
【0028】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いて、酸素濃淡電池式理論空燃比センサ部分に更に限界
電流式全域空燃比センサ部分を付加した本第1の発明の
好ましい態様〔(ii)と称する〕は、多孔質基板上に第
1電極と独立して更に第2電極が形成され、第1電極及
び第2電極の上に第1固体電解質及び第3電極が順次積
層され、第1固体電解質は第1電極及び第2電極の周囲
を含めて第1電極及び第2電極を覆い隠し、第3電極は
第1固体電解質の周囲を含めて第1固体電解質を覆い隠
し、更に第3電極の上に第2固体電解質及び第4電極が
順次積層され、第2固体電解質及び第4電極は共に第3
電極の周辺部が露出するように配置され、第1電極,第
2電極,第3電極及び第4電極は多孔質でガス透過性を
有する白金を用いて形成され、第1固体電解質及び第2
固体電解質は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン伝
導性の固体電解質を用いて形成されてなり、多孔質基板
上に第1電極,第1固体電解質及び第3電極によって構
成され、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとして作動す
る部分と、多孔質基板上に第2電極,第1固体電解質及
び第3電極によって構成され、限界電流式全域空燃比セ
ンサとして作動する部分と、第3電極,第2固体電解質
及び第4電極によって構成され、酸素ポンプセルとして
作動する部分とが一体的に形成されてなるセンサ素子を
有する(i)の薄膜積層空燃比センサである。
いて、酸素濃淡電池式理論空燃比センサ部分に更に限界
電流式全域空燃比センサ部分を付加した本第1の発明の
好ましい態様〔(ii)と称する〕は、多孔質基板上に第
1電極と独立して更に第2電極が形成され、第1電極及
び第2電極の上に第1固体電解質及び第3電極が順次積
層され、第1固体電解質は第1電極及び第2電極の周囲
を含めて第1電極及び第2電極を覆い隠し、第3電極は
第1固体電解質の周囲を含めて第1固体電解質を覆い隠
し、更に第3電極の上に第2固体電解質及び第4電極が
順次積層され、第2固体電解質及び第4電極は共に第3
電極の周辺部が露出するように配置され、第1電極,第
2電極,第3電極及び第4電極は多孔質でガス透過性を
有する白金を用いて形成され、第1固体電解質及び第2
固体電解質は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン伝
導性の固体電解質を用いて形成されてなり、多孔質基板
上に第1電極,第1固体電解質及び第3電極によって構
成され、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとして作動す
る部分と、多孔質基板上に第2電極,第1固体電解質及
び第3電極によって構成され、限界電流式全域空燃比セ
ンサとして作動する部分と、第3電極,第2固体電解質
及び第4電極によって構成され、酸素ポンプセルとして
作動する部分とが一体的に形成されてなるセンサ素子を
有する(i)の薄膜積層空燃比センサである。
【0029】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いて、センサ素子の外表面全体を、触媒金属例えば白
金、ロジウム、パラジウム等の貴金属触媒(酸化触媒)
を所定量担持した被覆層にて被覆すると、排気ガス中の
未燃焼分を完全燃焼させることができ、未燃焼ガスの影
響を受けないのでセンサ特性が向上し好ましい。この場
合の触媒の種類、担持量、被覆層の厚さ、被覆材料は適
宜選択し、単独又は組み合わせて用いる。
いて、センサ素子の外表面全体を、触媒金属例えば白
金、ロジウム、パラジウム等の貴金属触媒(酸化触媒)
を所定量担持した被覆層にて被覆すると、排気ガス中の
未燃焼分を完全燃焼させることができ、未燃焼ガスの影
響を受けないのでセンサ特性が向上し好ましい。この場
合の触媒の種類、担持量、被覆層の厚さ、被覆材料は適
宜選択し、単独又は組み合わせて用いる。
【0030】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いて、第1電極と多孔質基板とが接している部分〔(i
i)では更に第2電極と多孔質基板とが接している部
分〕は、多孔質基板の表面の凹凸がピークとピークの間
が1μm以上あると、酸素濃淡電池式理論空燃比センサ
〔(ii)では更に限界電流式全域空燃比センサ〕として
の性能に良好な結果をもたらすので好ましい。
いて、第1電極と多孔質基板とが接している部分〔(i
i)では更に第2電極と多孔質基板とが接している部
分〕は、多孔質基板の表面の凹凸がピークとピークの間
が1μm以上あると、酸素濃淡電池式理論空燃比センサ
〔(ii)では更に限界電流式全域空燃比センサ〕として
の性能に良好な結果をもたらすので好ましい。
【0031】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いて、第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は第2電
極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互いに連通
する溝が高密度に設けられていると、第1電極〔(ii)
では第1電極及び/又は第2電極〕の面内全体に酸素ガ
スを均一に拡散させることができるので好ましい。前記
溝の大きさ、形状、数等は適宜選択する。
いて、第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は第2電
極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互いに連通
する溝が高密度に設けられていると、第1電極〔(ii)
では第1電極及び/又は第2電極〕の面内全体に酸素ガ
スを均一に拡散させることができるので好ましい。前記
溝の大きさ、形状、数等は適宜選択する。
【0032】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いて、第3電極に微細で互いに連通する通路が高密度に
設けられ、更に第3電極に、それらの通路網の外周部と
外部とを第3電極の外周端面を介して接続する通路が設
けられていると、第3電極内の過剰な酸素ガスを外部に
放出することができるので好ましい。前記通路の大き
さ、形状、数等は適時選択する。
いて、第3電極に微細で互いに連通する通路が高密度に
設けられ、更に第3電極に、それらの通路網の外周部と
外部とを第3電極の外周端面を介して接続する通路が設
けられていると、第3電極内の過剰な酸素ガスを外部に
放出することができるので好ましい。前記通路の大き
さ、形状、数等は適時選択する。
【0033】第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は
第2電極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互い
に連通する溝が高密度に設けられ、第3電極に微細で互
いに連通する通路が高密度に設けられ、且つ更に第3電
極に、それらの通路網の外周部と外部とを第3電極の外
周端面を介して接続する通路が設けられていると、前記
二つの長所が併有されるので一層良い。
第2電極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互い
に連通する溝が高密度に設けられ、第3電極に微細で互
いに連通する通路が高密度に設けられ、且つ更に第3電
極に、それらの通路網の外周部と外部とを第3電極の外
周端面を介して接続する通路が設けられていると、前記
二つの長所が併有されるので一層良い。
【0034】それ故、本第1の発明の薄膜積層空燃比セ
ンサ〔(i)〕及びその好ましい態様(ii)において、
一層好ましい態様は以下のものである。 (iii ):センサ素子の外表面全体が、触媒金属を担持
した被覆層にて被覆されてなる(i)又は(ii)の薄膜
積層空燃比センサ。 (iv):第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は第2
電極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互いに連
通する溝が高密度に設けられてなる(i)ないし(iii
)の何れか一つの薄膜積層空燃比センサ。 (v):第3電極に微細で互いに連通する通路が高密度
に設けられ、更に第3電極に、それらの通路網の外周部
と外部とを第3電極の外周端面を介して接続する通路が
設けられてなる(i)ないし(iii )の何れか一つの薄
膜積層空燃比センサ。 (vi):第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は第2
電極〕の多孔質基板と接している部分3微細で互いに連
通する溝が高密度に設けられ、第3電極に微細で互いに
連通する通路が高密度に設けられ、且つ更に第3電極
に、それらの通路網の外周部と外部とを第3電極の外周
端面を介して接続する通路が設けられてなる(i)ない
し(iii )の何れか一つのの薄膜積層空燃比センサ。
ンサ〔(i)〕及びその好ましい態様(ii)において、
一層好ましい態様は以下のものである。 (iii ):センサ素子の外表面全体が、触媒金属を担持
した被覆層にて被覆されてなる(i)又は(ii)の薄膜
積層空燃比センサ。 (iv):第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は第2
電極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互いに連
通する溝が高密度に設けられてなる(i)ないし(iii
)の何れか一つの薄膜積層空燃比センサ。 (v):第3電極に微細で互いに連通する通路が高密度
に設けられ、更に第3電極に、それらの通路網の外周部
と外部とを第3電極の外周端面を介して接続する通路が
設けられてなる(i)ないし(iii )の何れか一つの薄
膜積層空燃比センサ。 (vi):第1電極〔(ii)では第1電極及び/又は第2
電極〕の多孔質基板と接している部分3微細で互いに連
通する溝が高密度に設けられ、第3電極に微細で互いに
連通する通路が高密度に設けられ、且つ更に第3電極
に、それらの通路網の外周部と外部とを第3電極の外周
端面を介して接続する通路が設けられてなる(i)ない
し(iii )の何れか一つのの薄膜積層空燃比センサ。
【0035】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサに使
用する多孔質基板は、この分野において慣用の材料、例
えばアルミナなどを用いて形成してもよい。多孔質基板
の大きさや形状、気孔質、多孔度は最適に選択する。
又、所望により多孔質基板の適する位置にセンサ素子に
加熱手段例えばヒータなど設けてもよい。
用する多孔質基板は、この分野において慣用の材料、例
えばアルミナなどを用いて形成してもよい。多孔質基板
の大きさや形状、気孔質、多孔度は最適に選択する。
又、所望により多孔質基板の適する位置にセンサ素子に
加熱手段例えばヒータなど設けてもよい。
【0036】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサに使
用する固体電解質は、例えばジルコニアやイットリアな
どの慣用の材料を単独又は組み合せて用いて、適する大
きさ及び形状のものを形成することができる。
用する固体電解質は、例えばジルコニアやイットリアな
どの慣用の材料を単独又は組み合せて用いて、適する大
きさ及び形状のものを形成することができる。
【0037】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサに使
用する電極は、適する貴金属ペースト例えば白金ペース
トを用いて慣用の方法例えば印刷法により形成してもよ
いし、又は蒸着等により形成してもよい。前記電極の大
きさ、形状及び厚さは適宜選択する。
用する電極は、適する貴金属ペースト例えば白金ペース
トを用いて慣用の方法例えば印刷法により形成してもよ
いし、又は蒸着等により形成してもよい。前記電極の大
きさ、形状及び厚さは適宜選択する。
【0038】本第1の発明の薄膜積層空燃比センサは、
実際に使用する上でのこの分野における慣用の付帯手
段、例えば電圧印加手段、電圧又は電流測定手段、ヒー
タ加熱手段などを備えていてよい。
実際に使用する上でのこの分野における慣用の付帯手
段、例えば電圧印加手段、電圧又は電流測定手段、ヒー
タ加熱手段などを備えていてよい。
【0039】本第2の発明の薄膜積層空燃比センサ
〔(vii )と称する〕は、多孔質基板上に第1電極が形
成され、第1電極の上に第1固体電解質及び第3電極が
順次積層され、第1固体電解質は第1電極の周囲を含め
て第1電極を覆い隠し、第3電極は第1固体電解質の周
囲を含めて第1固体電解質を覆い隠し、更に第3電極の
上に開口部を有する第2固体電解質が、第1固体電解質
との間に空間を設けて形成され、第2固体電解質の第3
電極と対向する面に第4電極が形成され且つ第2固体電
解質の第3電極と対向する面と反対側の面に第5電極が
形成され、第2固体電解質及び第5電極は共に第3電極
の周辺部が露出するように配置され、第1電極,第3電
極,第4電極及び第5電極は多孔質でガス透過性を有す
る白金を用いて形成され、第1固体電解質及び第2固体
電解質は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン伝導性
の固体電解質を用いて形成されてなり、多孔質基板上に
第1電極,第1固体電解質及び第3電極によって構成さ
れ、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとして作動する部
分と、第4電極,第2固体電解質及び第5電極によって
構成され、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体
的に形成されてなるセンサ素子を有することを特徴とす
る。
〔(vii )と称する〕は、多孔質基板上に第1電極が形
成され、第1電極の上に第1固体電解質及び第3電極が
順次積層され、第1固体電解質は第1電極の周囲を含め
て第1電極を覆い隠し、第3電極は第1固体電解質の周
囲を含めて第1固体電解質を覆い隠し、更に第3電極の
上に開口部を有する第2固体電解質が、第1固体電解質
との間に空間を設けて形成され、第2固体電解質の第3
電極と対向する面に第4電極が形成され且つ第2固体電
解質の第3電極と対向する面と反対側の面に第5電極が
形成され、第2固体電解質及び第5電極は共に第3電極
の周辺部が露出するように配置され、第1電極,第3電
極,第4電極及び第5電極は多孔質でガス透過性を有す
る白金を用いて形成され、第1固体電解質及び第2固体
電解質は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン伝導性
の固体電解質を用いて形成されてなり、多孔質基板上に
第1電極,第1固体電解質及び第3電極によって構成さ
れ、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとして作動する部
分と、第4電極,第2固体電解質及び第5電極によって
構成され、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体
的に形成されてなるセンサ素子を有することを特徴とす
る。
【0040】本第2の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いて、酸素濃淡電池式理論空燃比センサ部分に更に限界
電流式全域空燃比センサ部分を付加した本第1の発明の
好ましい態様〔(viii)と称する〕は、多孔質基板上に
第1電極と独立して更に第2電極が形成され、第1電極
及び第2電極の上に第1固体電解質及び第3電極が順次
積層され、第1固体電解質は第1電極及び第2電極の周
囲を含めて第1電極及び第2電極を覆い隠し、第3電極
は第1固体電解質の周囲を含めて第1固体電解質を覆い
隠し、更に第3電極の上に開口部を有する第2固体電解
質が、第1固体電解質との間に空間を設けて形成され、
第2固体電解質の第3電極と対向する面に第4電極が形
成され且つ第2固体電解質の第3電極と対向する面と反
対側の面に第5電極が形成され、第2固体電解質及び第
5電極は共に第3電極の周辺部が露出するように配置さ
れ、第1電極,第2電極,第3電極,第4電極及び第5
電極は多孔質でガス透過性を有する白金を用いて形成さ
れ、第1固体電解質及び第2固体電解質は緻密でガス透
過性を有しない酸素イオン伝導性の固体電解質を用いて
形成されてなり、多孔質基板上に第1電極,第1固体電
解質及び第3電極によって構成され、酸素濃淡電池式理
論空燃比センサとして作動する部分と、多孔質基板上に
第2電極,第1固体電解質及び第3電極によって構成さ
れ、限界電流式全域空燃比センサとして作動する部分
と、第4電極,第2固体電解質及び第5電極によって構
成され、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体的
に形成されてなるセンサ素子を有することを特徴とす
る。
いて、酸素濃淡電池式理論空燃比センサ部分に更に限界
電流式全域空燃比センサ部分を付加した本第1の発明の
好ましい態様〔(viii)と称する〕は、多孔質基板上に
第1電極と独立して更に第2電極が形成され、第1電極
及び第2電極の上に第1固体電解質及び第3電極が順次
積層され、第1固体電解質は第1電極及び第2電極の周
囲を含めて第1電極及び第2電極を覆い隠し、第3電極
は第1固体電解質の周囲を含めて第1固体電解質を覆い
隠し、更に第3電極の上に開口部を有する第2固体電解
質が、第1固体電解質との間に空間を設けて形成され、
第2固体電解質の第3電極と対向する面に第4電極が形
成され且つ第2固体電解質の第3電極と対向する面と反
対側の面に第5電極が形成され、第2固体電解質及び第
5電極は共に第3電極の周辺部が露出するように配置さ
れ、第1電極,第2電極,第3電極,第4電極及び第5
電極は多孔質でガス透過性を有する白金を用いて形成さ
れ、第1固体電解質及び第2固体電解質は緻密でガス透
過性を有しない酸素イオン伝導性の固体電解質を用いて
形成されてなり、多孔質基板上に第1電極,第1固体電
解質及び第3電極によって構成され、酸素濃淡電池式理
論空燃比センサとして作動する部分と、多孔質基板上に
第2電極,第1固体電解質及び第3電極によって構成さ
れ、限界電流式全域空燃比センサとして作動する部分
と、第4電極,第2固体電解質及び第5電極によって構
成され、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体的
に形成されてなるセンサ素子を有することを特徴とす
る。
【0041】本第2の発明の薄膜積層空燃比センサにお
いては、本第1の発明の薄膜積層空燃比センサと異な
り、第3電極の上に開口部を有する第2固体電解質が、
第1固体電解質との間に空間を設けて形成されている。
前記空間の大きさ(容積)、形状は適宜選択する。又、
前記空間は、適する多孔性材料例えば発泡セラミックに
より充填されていてもよい。第4電極,第2固体電解質
及び第5電極によって構成された酸素ポンプセルにより
前記空間内に供給される酸素ガスの量が過剰である場合
には、第2固体電解質の開口部より酸素ガスがセンサ素
子の外部に放出されるので、前記空間内の酸素ガス分圧
は常に最適に制御される。
いては、本第1の発明の薄膜積層空燃比センサと異な
り、第3電極の上に開口部を有する第2固体電解質が、
第1固体電解質との間に空間を設けて形成されている。
前記空間の大きさ(容積)、形状は適宜選択する。又、
前記空間は、適する多孔性材料例えば発泡セラミックに
より充填されていてもよい。第4電極,第2固体電解質
及び第5電極によって構成された酸素ポンプセルにより
前記空間内に供給される酸素ガスの量が過剰である場合
には、第2固体電解質の開口部より酸素ガスがセンサ素
子の外部に放出されるので、前記空間内の酸素ガス分圧
は常に最適に制御される。
【0042】第2固体電解質に設ける開口部の大きさ、
形状、数は、センサ素子の所定の性能が得られる様に適
宜選択する。開口部としては例えばピンホールを用いる
ことができる。
形状、数は、センサ素子の所定の性能が得られる様に適
宜選択する。開口部としては例えばピンホールを用いる
ことができる。
【0043】本第2の発明の薄膜積層空燃比センサ
〔(vii )〕及びその好ましい態様(viii)において、
一層好ましい態様は以下のものである。(ix)センサ素
子の外表面全体が、触媒金属を担持した被覆層にて被覆
されてなる(vii )又は(viii)の薄膜積層空燃比セン
サ。(x)第1電極〔(viii)では第1電極及び/又は
第2電極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互い
に連通する溝が高密度に設けられてなる(vii )ないし
(ix)の何れか一つの薄膜積層空燃比センサ。(xi)第
3電極に微細で互いに連通する通路が高密度に設けら
れ、更に第3電極に、それらの通路網の外周部と外部と
を第3電極の外周端面を介して接続する通路が設けられ
てなる(vii )ないし(ix)の何れか一つの薄膜積層空
燃比センサ。(xii )第1電極〔(viii)では第1電極
及び/又は第2電極〕の多孔質基板と接している部分に
微細で互いに連通する溝が高密度に設けられ、第3電極
に微細で互いに連通する通路が高密度に設けられ、且つ
更に第3電極に、それらの通路網の外周部と外部とを第
3電極の外周端面を介して接続する通路が設けられてな
る(vii )ないし(ix)の何れか一つの薄膜積層空燃比
センサ。
〔(vii )〕及びその好ましい態様(viii)において、
一層好ましい態様は以下のものである。(ix)センサ素
子の外表面全体が、触媒金属を担持した被覆層にて被覆
されてなる(vii )又は(viii)の薄膜積層空燃比セン
サ。(x)第1電極〔(viii)では第1電極及び/又は
第2電極〕の多孔質基板と接している部分に微細で互い
に連通する溝が高密度に設けられてなる(vii )ないし
(ix)の何れか一つの薄膜積層空燃比センサ。(xi)第
3電極に微細で互いに連通する通路が高密度に設けら
れ、更に第3電極に、それらの通路網の外周部と外部と
を第3電極の外周端面を介して接続する通路が設けられ
てなる(vii )ないし(ix)の何れか一つの薄膜積層空
燃比センサ。(xii )第1電極〔(viii)では第1電極
及び/又は第2電極〕の多孔質基板と接している部分に
微細で互いに連通する溝が高密度に設けられ、第3電極
に微細で互いに連通する通路が高密度に設けられ、且つ
更に第3電極に、それらの通路網の外周部と外部とを第
3電極の外周端面を介して接続する通路が設けられてな
る(vii )ないし(ix)の何れか一つの薄膜積層空燃比
センサ。
【0044】本第2の発明の薄膜積層空燃比センサにお
ける他の構成要素及び付帯手段に関しては、本第1の発
明の薄膜積層空燃比センサにおける構成要素と同様の事
が言える。
ける他の構成要素及び付帯手段に関しては、本第1の発
明の薄膜積層空燃比センサにおける構成要素と同様の事
が言える。
【0045】
【作用】本発明の薄膜積層空燃比センサは、従来のジル
コニア理論空燃比センサの場合のように、一方の電極に
高濃度の酸素濃度を維持するための空気(外気)導入用
の通路を設けて拡散により自然に空気をセンサ素子に供
給するのではなく、車両エンジン燃焼排気中に多量に含
まれている水蒸気及び二酸化炭素から酸素を解離させて
酸素イオンを酸素ポンプ作用により強制的に供給する。
又、本発明のセンサは、酸素ポンプセルの下に酸素濃淡
電池セルが多孔質基板上に薄膜手法にて積層されている
ため、低消費電力で急速加熱、急速昇温及び急速作動が
可能であり、理論空燃比を精度良く測定することができ
る。なお、本発明の薄膜積層空燃比センサにおいて、酸
素濃淡電池セルに加えて更に限界電流セルを付加した態
様は、理論空燃比に加えて更に全域空燃比も測定が可能
である。
コニア理論空燃比センサの場合のように、一方の電極に
高濃度の酸素濃度を維持するための空気(外気)導入用
の通路を設けて拡散により自然に空気をセンサ素子に供
給するのではなく、車両エンジン燃焼排気中に多量に含
まれている水蒸気及び二酸化炭素から酸素を解離させて
酸素イオンを酸素ポンプ作用により強制的に供給する。
又、本発明のセンサは、酸素ポンプセルの下に酸素濃淡
電池セルが多孔質基板上に薄膜手法にて積層されている
ため、低消費電力で急速加熱、急速昇温及び急速作動が
可能であり、理論空燃比を精度良く測定することができ
る。なお、本発明の薄膜積層空燃比センサにおいて、酸
素濃淡電池セルに加えて更に限界電流セルを付加した態
様は、理論空燃比に加えて更に全域空燃比も測定が可能
である。
【0046】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【0047】実施例1(第1の発明) 図1に本発明の実施例1のセンサを示す。本センサの構
成としては、例えばアルミナなどからなる多孔質基板1
上に第1電極2、第1固体電解質3及び第3電極4が順
次積層され、第1固体電解質3は第1電極2の周囲を含
めて第1電極2を覆い隠し、第3電極4は第1固体電解
質3の周囲を含めて第1固体電解質3を覆い隠し、更に
第3電極4の上に第2固体電解質5及び第4電極6が順
次積層され、第2固体電解質5及び第4電極6は共に第
3電極4の周辺部が露出するように配置され、第1電極
2、第3電極4及び第4電極6は多孔質でガス透過性を
有する白金を用いて形成され(白金ペーストを塗布する
印刷法によって形成した)、第1固体電解質3及び第2
固体電解質5は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン
伝導性の固体電解質を用いて形成した(ジルコニアを用
いた)。
成としては、例えばアルミナなどからなる多孔質基板1
上に第1電極2、第1固体電解質3及び第3電極4が順
次積層され、第1固体電解質3は第1電極2の周囲を含
めて第1電極2を覆い隠し、第3電極4は第1固体電解
質3の周囲を含めて第1固体電解質3を覆い隠し、更に
第3電極4の上に第2固体電解質5及び第4電極6が順
次積層され、第2固体電解質5及び第4電極6は共に第
3電極4の周辺部が露出するように配置され、第1電極
2、第3電極4及び第4電極6は多孔質でガス透過性を
有する白金を用いて形成され(白金ペーストを塗布する
印刷法によって形成した)、第1固体電解質3及び第2
固体電解質5は緻密でガス透過性を有しない酸素イオン
伝導性の固体電解質を用いて形成した(ジルコニアを用
いた)。
【0048】又、多孔質基板1の裏面にはヒータ7を設
けた。ヒータ7はヒータ加熱手段8に接続されている。
なお、ヒータ7の材質は白金、ロジウム、パラジウム等
の貴金属又はそれらの合金やSiC,W,Re,Moな
どからなる耐熱導電材料が適しており、本例では白金を
用いた。
けた。ヒータ7はヒータ加熱手段8に接続されている。
なお、ヒータ7の材質は白金、ロジウム、パラジウム等
の貴金属又はそれらの合金やSiC,W,Re,Moな
どからなる耐熱導電材料が適しており、本例では白金を
用いた。
【0049】更に、図1に示すように、第4電極6に対
して第3電極4に正の電圧を印加するための電圧印加手
段9を設けた。10は第1電極2に対する第3電極4の
電位差(電圧)を測定するための電圧測定手段である。
して第3電極4に正の電圧を印加するための電圧印加手
段9を設けた。10は第1電極2に対する第3電極4の
電位差(電圧)を測定するための電圧測定手段である。
【0050】第4電極6に対して第3電極4に正の電圧
を印加すると、第2固体電解質5を含めたこの部分で
は、酸素ポンプ作用により、第4電極6側から第3電極
4側へ酸素イオンが輸送される。この場合、リーン空燃
比雰囲気下では、雰囲気中に残留している酸素がガス拡
散により第4電極6に供給される。一方、リッチ空燃比
雰囲気下では、雰囲気中に酸素が充分に存在しないた
め、雰囲気中からガス拡散により第4電極6に供給され
た水蒸気及び二酸化炭素が第4電極6で解離されて酸素
イオンが生成され、前記の場合と同様に酸素イオンが輸
送される。輸送された酸素イオンは第2固体電解質5と
第3電極4との界面で酸素ガスに変換される。このよう
にして、多孔質の第3電極4の中においては、リーン空
燃比雰囲気下であるかリッチ空燃比雰囲気下であるかに
係わらず、常に酸素過剰状態が保たれる。
を印加すると、第2固体電解質5を含めたこの部分で
は、酸素ポンプ作用により、第4電極6側から第3電極
4側へ酸素イオンが輸送される。この場合、リーン空燃
比雰囲気下では、雰囲気中に残留している酸素がガス拡
散により第4電極6に供給される。一方、リッチ空燃比
雰囲気下では、雰囲気中に酸素が充分に存在しないた
め、雰囲気中からガス拡散により第4電極6に供給され
た水蒸気及び二酸化炭素が第4電極6で解離されて酸素
イオンが生成され、前記の場合と同様に酸素イオンが輸
送される。輸送された酸素イオンは第2固体電解質5と
第3電極4との界面で酸素ガスに変換される。このよう
にして、多孔質の第3電極4の中においては、リーン空
燃比雰囲気下であるかリッチ空燃比雰囲気下であるかに
係わらず、常に酸素過剰状態が保たれる。
【0051】第1電極2、第1固体電解質3及び第3電
極4からなる部分は、酸素濃淡電池式空燃比検出部とし
て作用し、起電力から理論空燃比を測定することができ
る。この状態で、センサ周囲の燃焼排気中の空気過剰量
率をパラメータにして、前記酸素濃淡電池式空燃比検出
部の起電力特性を測定すると、図2が得られた。
極4からなる部分は、酸素濃淡電池式空燃比検出部とし
て作用し、起電力から理論空燃比を測定することができ
る。この状態で、センサ周囲の燃焼排気中の空気過剰量
率をパラメータにして、前記酸素濃淡電池式空燃比検出
部の起電力特性を測定すると、図2が得られた。
【0052】第3電極4は多孔質体であり、その外周部
がセンサの外部と連通しているので、第3電極4へ過剰
な酸素が供給された場合には、外周部から外部へ過剰な
酸素が排出されるので測定の障害にはならない。又、第
1電極2内の酸素ガスは多孔質基板1内に排出される。
がセンサの外部と連通しているので、第3電極4へ過剰
な酸素が供給された場合には、外周部から外部へ過剰な
酸素が排出されるので測定の障害にはならない。又、第
1電極2内の酸素ガスは多孔質基板1内に排出される。
【0053】実施例2(第1の発明) 図3に本発明の実施例2のセンサを示す。本センサは第
1電極2の多孔質基板1と接している部分に微細で互い
に連通する溝11が高密度に設けられたこと以外は実施
例1のセンサと同じである。理論空燃比センサでは白金
電極を用いているが、白金は酸化・還元の繰り返しに対
する耐久性が必ずしも充分ではないことから、多孔質層
によって表面を被覆して雰囲気中から電極表面に到達す
るガスの拡散量を制限することにより劣化を抑制する
と、長期安定性も得易くなる。そこで、拡散抵抗の大き
い多孔質基板1を用いてガスの拡散量を下げるのが有効
な方法であるが、その反面、第1電極2の面内に酸素ガ
スが供給され難い部分(無効部分)、即ち、過渡応答時
間の長い部分が生じる。すると、過渡応答時間の短い正
常な部分の起電力と、過渡応答時間の長い不正常な部分
の起電力とが相互に影響を及ぼし合うことにより、全体
として起電力の変化が緩慢な特性となり、これは空燃比
制御用センサとしては不適切である。本実施例は、この
問題に対して有効な解決策を与えるものである。
1電極2の多孔質基板1と接している部分に微細で互い
に連通する溝11が高密度に設けられたこと以外は実施
例1のセンサと同じである。理論空燃比センサでは白金
電極を用いているが、白金は酸化・還元の繰り返しに対
する耐久性が必ずしも充分ではないことから、多孔質層
によって表面を被覆して雰囲気中から電極表面に到達す
るガスの拡散量を制限することにより劣化を抑制する
と、長期安定性も得易くなる。そこで、拡散抵抗の大き
い多孔質基板1を用いてガスの拡散量を下げるのが有効
な方法であるが、その反面、第1電極2の面内に酸素ガ
スが供給され難い部分(無効部分)、即ち、過渡応答時
間の長い部分が生じる。すると、過渡応答時間の短い正
常な部分の起電力と、過渡応答時間の長い不正常な部分
の起電力とが相互に影響を及ぼし合うことにより、全体
として起電力の変化が緩慢な特性となり、これは空燃比
制御用センサとしては不適切である。本実施例は、この
問題に対して有効な解決策を与えるものである。
【0054】溝11は、第1電極2の面内での酸素ガス
の拡散を容易にし、面内の酸素濃度分布を低く抑制する
作用が有る。これにより、拡散抵抗の大きな多孔質基板
1を用いた場合の第1電極2の面内の酸素ガスが供給さ
れ難い部分(無効部分)、即ち、過渡応答時間の長い不
正常な部分の発生を抑制でき、電極面内の過渡応答時間
を一定に揃えることができる。従って、全体として起電
力の変化が緩慢な空燃比制御用センサとして不適切な特
性となることが防止され、良好な耐久性が得られると共
に、長期安定性に対しても非常に良い結果が得られるよ
うになった。
の拡散を容易にし、面内の酸素濃度分布を低く抑制する
作用が有る。これにより、拡散抵抗の大きな多孔質基板
1を用いた場合の第1電極2の面内の酸素ガスが供給さ
れ難い部分(無効部分)、即ち、過渡応答時間の長い不
正常な部分の発生を抑制でき、電極面内の過渡応答時間
を一定に揃えることができる。従って、全体として起電
力の変化が緩慢な空燃比制御用センサとして不適切な特
性となることが防止され、良好な耐久性が得られると共
に、長期安定性に対しても非常に良い結果が得られるよ
うになった。
【0055】図4は図3のセンサの第1電極2の平面図
である。本例では溝11は所定間隔で格子状に設けた。
である。本例では溝11は所定間隔で格子状に設けた。
【0056】実施例3(第1の発明) 図5に本発明の実施例3のセンサを示す。本センサは第
3電極4に微細で互いに連通する通路12が高密度に設
けられ、更に第3電極4に、それらの通路網の外周部と
外部とを第3電極4の外周端面を介して接続する通路1
3が設けられたこと以外は実施例1のセンサと同じであ
る。
3電極4に微細で互いに連通する通路12が高密度に設
けられ、更に第3電極4に、それらの通路網の外周部と
外部とを第3電極4の外周端面を介して接続する通路1
3が設けられたこと以外は実施例1のセンサと同じであ
る。
【0057】酸素ポンプの作用により第3電極4内の圧
力が外部の圧力より高まれば、上述の微細な通路12及
び通路13を通じて過剰な酸素ガスが外部に排出される
ことにより、第2電極4内の圧力の上昇は抑制される。
力が外部の圧力より高まれば、上述の微細な通路12及
び通路13を通じて過剰な酸素ガスが外部に排出される
ことにより、第2電極4内の圧力の上昇は抑制される。
【0058】図6に図5のセンサの第3電極4のA−A
線に沿った平面図を示す。本例では通路12は所定間隔
で格子状に設け、又、通路13は通路12の外周部と外
部とを接続するように通路12の外周部に縦横方向に設
けた。
線に沿った平面図を示す。本例では通路12は所定間隔
で格子状に設け、又、通路13は通路12の外周部と外
部とを接続するように通路12の外周部に縦横方向に設
けた。
【0059】実施例4(第1の発明) 図7に本発明の実施例4のセンサを示す。本センサは実
施例2のセンサと同様に第1電極2の多孔質基板1と接
している部分に微細で互いに連通する溝11が高密度に
設けられ、又、実施例3のセンサと同様に第3電極4に
微細で互いに連通する通路12が高密度に設けられ、更
に第3電極4に、それらの通路網の外周部と外部とを第
3電極4の外周端面を介して接続する通路13が設けら
れたこと以外は実施例1のセンサと同じである。
施例2のセンサと同様に第1電極2の多孔質基板1と接
している部分に微細で互いに連通する溝11が高密度に
設けられ、又、実施例3のセンサと同様に第3電極4に
微細で互いに連通する通路12が高密度に設けられ、更
に第3電極4に、それらの通路網の外周部と外部とを第
3電極4の外周端面を介して接続する通路13が設けら
れたこと以外は実施例1のセンサと同じである。
【0060】それ故、本センサは実施例2のセンサの前
記長所と実施例3のセンサの前記長所とを併有してい
る。
記長所と実施例3のセンサの前記長所とを併有してい
る。
【0061】図8は図7のセンサの第1電極2の平面図
である。本例では溝11は所定間隔で格子状に設けた。
又、図9は図7のセンサの第3電極4のA−A線に沿っ
た平面図である。本例では通路12は所定間隔で格子状
に設け、通路13は通路12の外周部と外部とを接続す
るように通路12の外周部に縦横方向に設けた。
である。本例では溝11は所定間隔で格子状に設けた。
又、図9は図7のセンサの第3電極4のA−A線に沿っ
た平面図である。本例では通路12は所定間隔で格子状
に設け、通路13は通路12の外周部と外部とを接続す
るように通路12の外周部に縦横方向に設けた。
【0062】実施例5(第1の発明) 図10に本発明の実施例5のセンサを示す。本センサの
構成は、例えばアルミナなどからなる多孔質基板1(多
孔質基板の表面の凹凸がピークとピークの間が1μm以
上ある)上に第1電極2、第1電極に並行して配列され
た第2電極14、第1固体電解質3及び第3電極4が順
次積層され、第1固体電解質3は第1電極2及び第2電
極14の周囲を含めて第1電極2及び第2電極14を覆
い隠し、又第3電極4は第1固体電解質3の周囲を含め
て第1固体電解質3を覆い隠し、更に第3電極4上に第
2固体電解質5及び第4電極6が順次積層され、第2固
体電解質5及び第4電極6は共に第3電極4の周辺部が
露出するように配置され、第1電極2、第2電極14、
第3電極4及び第4電極6は多孔質でガス透過性を有す
る白金を用いて形成され(例えば、白金ペーストを塗布
する印刷法によって形成する)、第1固体電解質3及び
第2固体電解質5は緻密でガス透過性を有しない酸素イ
オン伝導性の固体電解質(例えば、ジルコニア)を用い
て形成されている。
構成は、例えばアルミナなどからなる多孔質基板1(多
孔質基板の表面の凹凸がピークとピークの間が1μm以
上ある)上に第1電極2、第1電極に並行して配列され
た第2電極14、第1固体電解質3及び第3電極4が順
次積層され、第1固体電解質3は第1電極2及び第2電
極14の周囲を含めて第1電極2及び第2電極14を覆
い隠し、又第3電極4は第1固体電解質3の周囲を含め
て第1固体電解質3を覆い隠し、更に第3電極4上に第
2固体電解質5及び第4電極6が順次積層され、第2固
体電解質5及び第4電極6は共に第3電極4の周辺部が
露出するように配置され、第1電極2、第2電極14、
第3電極4及び第4電極6は多孔質でガス透過性を有す
る白金を用いて形成され(例えば、白金ペーストを塗布
する印刷法によって形成する)、第1固体電解質3及び
第2固体電解質5は緻密でガス透過性を有しない酸素イ
オン伝導性の固体電解質(例えば、ジルコニア)を用い
て形成されている。
【0063】又、多孔質基板1の裏側にはヒータ7を設
けた。ヒータ7はヒータ加熱手段8に接続されている。
なお、ヒータ7の材質は白金、ロジウム、パラジウム等
の貴金属又はそれらの合金やSiC,W,Re,Moな
どからなる耐熱導電材料が適しており、本例では白金を
用いた。
けた。ヒータ7はヒータ加熱手段8に接続されている。
なお、ヒータ7の材質は白金、ロジウム、パラジウム等
の貴金属又はそれらの合金やSiC,W,Re,Moな
どからなる耐熱導電材料が適しており、本例では白金を
用いた。
【0064】更に、図10に示すように、第4電極6に
対して第3電極4に正の電圧を印加するための電圧印加
手段15を設けた。又、第2電極14に対して第3電極
4に正の電圧を印加するための電圧印加手段16を設け
た。17は流れる電流を測定するための電流測定手段で
ある。又、第1電極2と第3電極4の間に発生する起電
力を測定するための電圧測定手段10を設けた。
対して第3電極4に正の電圧を印加するための電圧印加
手段15を設けた。又、第2電極14に対して第3電極
4に正の電圧を印加するための電圧印加手段16を設け
た。17は流れる電流を測定するための電流測定手段で
ある。又、第1電極2と第3電極4の間に発生する起電
力を測定するための電圧測定手段10を設けた。
【0065】第4電極6に対して第3電極4に正の電圧
を印加すると、第2固体電解質5を含めたこの部分で
は、酸素ポンプ作用により、第4電極6から第3電極4
側へ酸素イオンが輸送される。この場合、リーン空燃比
雰囲気下では、排気中に残っている酸素ガス、更に、排
気中に含まれている水蒸気、二酸化炭素は第4電極6に
て解離され酸素イオンが生成される。一方、リッチ空燃
比雰囲気下では、雰囲気中に酸素が充分に存在しないた
め、排気中に含まれる水蒸気、二酸化炭素は第4電極6
で解離されて酸素イオンが生成される。生成した酸素イ
オンは第2固体電解質5中をイオン伝導し第3電極4へ
輸送され、第2固体電解質5と第3電極4との界面で酸
素ガスに変換される。このようにして、多孔質の第3電
極4の中においては、リーン空燃比雰囲気下であるかリ
ッチ雰囲気下であるかに係わらず、、常に酸素過剰状態
が保たれる。
を印加すると、第2固体電解質5を含めたこの部分で
は、酸素ポンプ作用により、第4電極6から第3電極4
側へ酸素イオンが輸送される。この場合、リーン空燃比
雰囲気下では、排気中に残っている酸素ガス、更に、排
気中に含まれている水蒸気、二酸化炭素は第4電極6に
て解離され酸素イオンが生成される。一方、リッチ空燃
比雰囲気下では、雰囲気中に酸素が充分に存在しないた
め、排気中に含まれる水蒸気、二酸化炭素は第4電極6
で解離されて酸素イオンが生成される。生成した酸素イ
オンは第2固体電解質5中をイオン伝導し第3電極4へ
輸送され、第2固体電解質5と第3電極4との界面で酸
素ガスに変換される。このようにして、多孔質の第3電
極4の中においては、リーン空燃比雰囲気下であるかリ
ッチ雰囲気下であるかに係わらず、、常に酸素過剰状態
が保たれる。
【0066】第2電極14、第1固体電解質3及び第3
電極4からなる部分は、限界電流式全域空燃比センサと
して作動し、限界電流から空燃比を測定することができ
る。この状態で、センサ周囲の燃焼排気中の空気過剰率
をパラメータにして、前記限界電流式全域空燃比センサ
の電流−電圧特性を測定すると図11が得られた。更
に、図11中の一点鎖線で示す印加電圧を与えて測定し
た電流を図12に示す。
電極4からなる部分は、限界電流式全域空燃比センサと
して作動し、限界電流から空燃比を測定することができ
る。この状態で、センサ周囲の燃焼排気中の空気過剰率
をパラメータにして、前記限界電流式全域空燃比センサ
の電流−電圧特性を測定すると図11が得られた。更
に、図11中の一点鎖線で示す印加電圧を与えて測定し
た電流を図12に示す。
【0067】一方、第1電極2、第1固体電解質3及び
第3電極4からなる部分は、酸素濃淡電池式理論空燃比
センサとして作動し、起電力の急変特性から理論空燃比
を測定することができる。よって、センサ周囲の燃焼排
気中の空気過剰率をパラメータにして、前記酸素濃淡電
池式理論空燃比センサの起電力特性を測定すると図2に
示す関係と同様の関係が得られた。
第3電極4からなる部分は、酸素濃淡電池式理論空燃比
センサとして作動し、起電力の急変特性から理論空燃比
を測定することができる。よって、センサ周囲の燃焼排
気中の空気過剰率をパラメータにして、前記酸素濃淡電
池式理論空燃比センサの起電力特性を測定すると図2に
示す関係と同様の関係が得られた。
【0068】実施例5のセンサの空燃比センサ部分との
比較のために、従来技術による空燃比センサの特性を図
18及び図19に示す。図18は図11に対応する図で
あり、図19は図12に対応する図である。図18は図
11、及び図19は図12の比較から明らかなように、
従来技術の空燃比センサでは空気過剰率が1より小さい
(即ち、燃料リッチ)雰囲気下に於いて、限界電流特性
が第3象限に現れていたのに対し、本発明のセンサの空
燃比センサ部分では第4象限に現れている。
比較のために、従来技術による空燃比センサの特性を図
18及び図19に示す。図18は図11に対応する図で
あり、図19は図12に対応する図である。図18は図
11、及び図19は図12の比較から明らかなように、
従来技術の空燃比センサでは空気過剰率が1より小さい
(即ち、燃料リッチ)雰囲気下に於いて、限界電流特性
が第3象限に現れていたのに対し、本発明のセンサの空
燃比センサ部分では第4象限に現れている。
【0069】その結果、従来品では空気過剰率が1より
大きい(即ち、燃料リーン)雰囲気下では正の印加電
圧、空気過剰率が1より小さい(即ち、燃料リッチ)雰
囲気下では負の印加電圧と、印加電圧の極性を切り替え
る必要が有ったのに対し、本実施例品では空燃比センサ
部分は常に正の印加電圧でよいことから、極性切り替え
の必要が無くなった。
大きい(即ち、燃料リーン)雰囲気下では正の印加電
圧、空気過剰率が1より小さい(即ち、燃料リッチ)雰
囲気下では負の印加電圧と、印加電圧の極性を切り替え
る必要が有ったのに対し、本実施例品では空燃比センサ
部分は常に正の印加電圧でよいことから、極性切り替え
の必要が無くなった。
【0070】従って、本実施例品においては検出雰囲気
が燃料リーンであるか燃料リッチであるかを検出するた
めの手段を別途設ける必要も無くなった。
が燃料リーンであるか燃料リッチであるかを検出するた
めの手段を別途設ける必要も無くなった。
【0071】又、印加電圧の極性を切り替える必要が無
くなったことにより、本実施例品においては切り替えに
伴うノイズ的な出力信号成分の発生も無くなった。
くなったことにより、本実施例品においては切り替えに
伴うノイズ的な出力信号成分の発生も無くなった。
【0072】本実施例のセンサの空燃比センサ部分で
は、従来技術による全域空燃比センサのように外気から
の酸素導入部を有しないが、前記の如く、第3電極4上
に酸素ポンプとして作用する電気化学セルを付加するこ
とにより酸素を供給せしめ、従来技術による全域空燃比
センサと等価な作用を行わせている。
は、従来技術による全域空燃比センサのように外気から
の酸素導入部を有しないが、前記の如く、第3電極4上
に酸素ポンプとして作用する電気化学セルを付加するこ
とにより酸素を供給せしめ、従来技術による全域空燃比
センサと等価な作用を行わせている。
【0073】実施例6(第1の発明) 図13に本発明の実施例6のセンサを示す。本センサは
第1電極2及び第2電極14の多孔質基板1と接してい
る部分に、実施例2のセンサと同様に微細で互いに連通
する溝11が高密度に設けられたこと以外は実施例5の
センサと同じである。酸素センサでは電極の単位面積当
たりの電流(即ち、電流密度)を大きくすると、電極抵
抗の影響が大きくなり初期特性が悪くなり易いばかりで
なく、長期安定性も得難くなる。そこで、拡散抵抗の大
きい多孔質基板1を用いて電流密度を下げるのが有効な
方法であるが、その反面、第1電極2及び第2電極14
の面内に酸素ガスが供給されない部分(無効部分)が多
くなることにより電極抵抗の増加を招き易く、必ずしも
充分な効果を得難い。本実施例は、この問題に対して有
効な解決策を与えるものである。
第1電極2及び第2電極14の多孔質基板1と接してい
る部分に、実施例2のセンサと同様に微細で互いに連通
する溝11が高密度に設けられたこと以外は実施例5の
センサと同じである。酸素センサでは電極の単位面積当
たりの電流(即ち、電流密度)を大きくすると、電極抵
抗の影響が大きくなり初期特性が悪くなり易いばかりで
なく、長期安定性も得難くなる。そこで、拡散抵抗の大
きい多孔質基板1を用いて電流密度を下げるのが有効な
方法であるが、その反面、第1電極2及び第2電極14
の面内に酸素ガスが供給されない部分(無効部分)が多
くなることにより電極抵抗の増加を招き易く、必ずしも
充分な効果を得難い。本実施例は、この問題に対して有
効な解決策を与えるものである。
【0074】溝11は、第1電極2及び第2電極14の
面内での酸素ガスの拡散を容易にし、面内の酸素濃度分
布を低く抑制する作用が有る。これにより、拡散抵抗の
大きな多孔質基板1を用いた場合の第1電極2及び第2
電極14の面内の酸素ガスが供給されない部分の増加を
抑制でき、電極抵抗の増加を防止できる。従って、電流
密度の低下と相まって、良好な初期特性が得られると共
に、長期安定性に対しても非常に良い結果が得られるよ
うになった。
面内での酸素ガスの拡散を容易にし、面内の酸素濃度分
布を低く抑制する作用が有る。これにより、拡散抵抗の
大きな多孔質基板1を用いた場合の第1電極2及び第2
電極14の面内の酸素ガスが供給されない部分の増加を
抑制でき、電極抵抗の増加を防止できる。従って、電流
密度の低下と相まって、良好な初期特性が得られると共
に、長期安定性に対しても非常に良い結果が得られるよ
うになった。
【0075】実施例6のセンサの第1電極2及び第2電
極14に設けた溝11の平面図は図4と同じである。本
例では溝11は所定間隔で格子状に設けた。
極14に設けた溝11の平面図は図4と同じである。本
例では溝11は所定間隔で格子状に設けた。
【0076】実施例7(第1の発明) 図14に本発明の実施例7のセンサを示す。本センサは
第3電極4に実施例3のセンサと同様に微細で互いに連
通する通路12が高密度に設けられ、更に第3電極4
に、それらの通路網の外周部と外部とを第3電極4の外
周端面を介して接続する通路13が設けられたこと以外
は実施例5のセンサと同じである。
第3電極4に実施例3のセンサと同様に微細で互いに連
通する通路12が高密度に設けられ、更に第3電極4
に、それらの通路網の外周部と外部とを第3電極4の外
周端面を介して接続する通路13が設けられたこと以外
は実施例5のセンサと同じである。
【0077】第3電極4は多孔質体であり、その外周部
がセンサの外部と連通しているので、酸素ポンプの作用
により第3電極4へ過剰な酸素が供給され第3電極4内
の圧力が外部の圧力より高まれば、上述の微細な通路1
2及び通路13を通じて過剰な酸素ガスが外部に排出さ
れることにより、第3電極4内の圧力の上昇は抑制され
るので測定の障害にはならない。又、第1電極2及び第
2電極14内の酸素ガスは多孔質基板1内に排出され
る。
がセンサの外部と連通しているので、酸素ポンプの作用
により第3電極4へ過剰な酸素が供給され第3電極4内
の圧力が外部の圧力より高まれば、上述の微細な通路1
2及び通路13を通じて過剰な酸素ガスが外部に排出さ
れることにより、第3電極4内の圧力の上昇は抑制され
るので測定の障害にはならない。又、第1電極2及び第
2電極14内の酸素ガスは多孔質基板1内に排出され
る。
【0078】実施例7のセンサの第3電極4のA−A線
に沿った平面図は図6と同じである。本例では通路12
は所定間隔で格子状に設け、又、通路13は通路12の
外周部と外部とを接続するように通路12の外周部に縦
横方向に設けた。
に沿った平面図は図6と同じである。本例では通路12
は所定間隔で格子状に設け、又、通路13は通路12の
外周部と外部とを接続するように通路12の外周部に縦
横方向に設けた。
【0079】実施例8(第1の発明) 図15に本発明の実施例8のセンサを示す。本センサは
実施例6のセンサと同様に第1電極2及び第2電極14
の多孔質基板1と接している部分に微細で互いに連通す
る溝11が高密度に設けられ、又、実施例7のセンサと
同様に第3電極4に微細で互いに連通する通路12が高
密度に設けられ、更に第3電極4に、それらの通路網の
外周部と外部とを第3電極4の外周端面を介して接続す
る通路13が設けられたこと以外は実施例5のセンサと
同じである。
実施例6のセンサと同様に第1電極2及び第2電極14
の多孔質基板1と接している部分に微細で互いに連通す
る溝11が高密度に設けられ、又、実施例7のセンサと
同様に第3電極4に微細で互いに連通する通路12が高
密度に設けられ、更に第3電極4に、それらの通路網の
外周部と外部とを第3電極4の外周端面を介して接続す
る通路13が設けられたこと以外は実施例5のセンサと
同じである。
【0080】それ故、本センサは実施例6のセンサの前
記長所と実施例7のセンサの前記長所とを併有してい
る。
記長所と実施例7のセンサの前記長所とを併有してい
る。
【0081】実施例8のセンサの第1電極2及び第2電
極14の平面図は図4と同じである。本例では溝11は
所定間隔で格子状に設けた。又、実施例8のセンサの第
3電極4のA−A線に沿った平面図は図6と同じであ
る。本例では通路12は所定間隔で格子状に設け、通路
13は通路12の外周部と外部とを接続するように通路
12の外周部に縦横方向に設けた。
極14の平面図は図4と同じである。本例では溝11は
所定間隔で格子状に設けた。又、実施例8のセンサの第
3電極4のA−A線に沿った平面図は図6と同じであ
る。本例では通路12は所定間隔で格子状に設け、通路
13は通路12の外周部と外部とを接続するように通路
12の外周部に縦横方向に設けた。
【0082】実施例9(第1の発明) 図16に本発明の実施例9のセンサを示す。本センサ
は、センサ素子全体が触媒金属を担持した被覆層18で
被覆されていること以外は実施例5のセンサと同じであ
る。触媒金属としては例えば白金を用い、被覆層の材質
としては例えばアルミナを用いてよい。以下に、触媒金
属を担持した被覆層18を設ける理由について説明す
る。
は、センサ素子全体が触媒金属を担持した被覆層18で
被覆されていること以外は実施例5のセンサと同じであ
る。触媒金属としては例えば白金を用い、被覆層の材質
としては例えばアルミナを用いてよい。以下に、触媒金
属を担持した被覆層18を設ける理由について説明す
る。
【0083】限界電流式全域空燃比センサの出力電流特
性及び酸素濃淡電池式理論空燃比センサの起電力特性
は、被検体である自動車排気ガス中の未燃焼ガス成分の
影響を大きく受ける。
性及び酸素濃淡電池式理論空燃比センサの起電力特性
は、被検体である自動車排気ガス中の未燃焼ガス成分の
影響を大きく受ける。
【0084】然して、自動車エンジンでは、ガソリンと
空気を混合し、各気筒で燃焼させるが、その場合、気筒
ごとに発生する未燃焼ガス成分の濃度が違う場合があ
る。例えば、第1気筒では燃焼後の未燃焼ガス成分とし
てH2 が多く、他の気筒ではHCガスが多かったとする
と、H2 ガス未燃焼成分の多い第1気筒の影響を大きく
受ける位置にセンサが取り付けられていた場合、限界電
流式全域空燃比センサでは出力電流が大きくなり、酸素
濃淡電池式理論空燃比センサでは起電力急変点がリーン
側へ移動することが予想される。更に、他の気筒の影響
を受ける位置にセンサが取り付けられている場合には、
限界電流式全域空燃比センサでは出力電流は小さくな
り、酸素濃淡電池式理論空燃比センサは起電力急変点が
リッチ側へ移動することが予想される。
空気を混合し、各気筒で燃焼させるが、その場合、気筒
ごとに発生する未燃焼ガス成分の濃度が違う場合があ
る。例えば、第1気筒では燃焼後の未燃焼ガス成分とし
てH2 が多く、他の気筒ではHCガスが多かったとする
と、H2 ガス未燃焼成分の多い第1気筒の影響を大きく
受ける位置にセンサが取り付けられていた場合、限界電
流式全域空燃比センサでは出力電流が大きくなり、酸素
濃淡電池式理論空燃比センサでは起電力急変点がリーン
側へ移動することが予想される。更に、他の気筒の影響
を受ける位置にセンサが取り付けられている場合には、
限界電流式全域空燃比センサでは出力電流は小さくな
り、酸素濃淡電池式理論空燃比センサは起電力急変点が
リッチ側へ移動することが予想される。
【0085】このようにセンサに到達する未燃焼ガス成
分によってセンサ特性は変わることから、未燃焼ガス成
分の影響を極力小さくする必要がある。その対策法とし
て、白金、ロジウム、パラジウム等の触媒金属を担持し
た被覆層にてセンサ素子全体を被覆することが有効であ
る。このような触媒金属を担持した被覆層があると、セ
ンサ素子表面に到達した未燃焼ガス成分は触媒の作用に
より被覆層にて完全燃焼する。よってセンサ素子に供給
される被検ガスは、未燃焼成分ガスを含まないことか
ら、センサ出力特性を安定化する方法として有効であ
る。
分によってセンサ特性は変わることから、未燃焼ガス成
分の影響を極力小さくする必要がある。その対策法とし
て、白金、ロジウム、パラジウム等の触媒金属を担持し
た被覆層にてセンサ素子全体を被覆することが有効であ
る。このような触媒金属を担持した被覆層があると、セ
ンサ素子表面に到達した未燃焼ガス成分は触媒の作用に
より被覆層にて完全燃焼する。よってセンサ素子に供給
される被検ガスは、未燃焼成分ガスを含まないことか
ら、センサ出力特性を安定化する方法として有効であ
る。
【0086】なお、触媒金属を担持した被覆層18を設
ける場合において、被覆層の材質、多孔度、厚さ、更に
触媒の種類、担持量などは、目的とする性能が得られる
様に適宜選択する。
ける場合において、被覆層の材質、多孔度、厚さ、更に
触媒の種類、担持量などは、目的とする性能が得られる
様に適宜選択する。
【0087】実施例10(第2の発明) 図17に本発明の実施例10のセンサを示す。本第2の
発明の薄膜積層空燃比センサにおいては、前記本第1の
発明の薄膜積層空燃比センサと異なり、センサ素子内に
空間を有する。即ち、本実施例のセンサにおいては、第
3電極4の上に開口部19(ピンホール)を有する第2
固体電解質5が、第1固体電解質3との間に空間20を
設けて形成されており、第2固体電解質5の第3電極4
側には第4電極21が形成され且つ第2固体電解質5の
第3電極4の反対側には第5電極22が形成されてい
る。他の構造は、前記実施例9のセンサと同様である。
以下に、空間20の機能を説明する。
発明の薄膜積層空燃比センサにおいては、前記本第1の
発明の薄膜積層空燃比センサと異なり、センサ素子内に
空間を有する。即ち、本実施例のセンサにおいては、第
3電極4の上に開口部19(ピンホール)を有する第2
固体電解質5が、第1固体電解質3との間に空間20を
設けて形成されており、第2固体電解質5の第3電極4
側には第4電極21が形成され且つ第2固体電解質5の
第3電極4の反対側には第5電極22が形成されてい
る。他の構造は、前記実施例9のセンサと同様である。
以下に、空間20の機能を説明する。
【0088】本実施例のセンサでは酸素ポンプセルの酸
素ポンプ作用によって、空間20内の圧力が高まれば、
開口部19を通じて過剰な酸素ガスがセンサ素子の外部
に排出されることにより空間20内の酸素ガス圧力が低
下するので、第3電極4近傍の雰囲気は一定酸素雰囲気
に保たれ、それ故、第3電極4は基準酸素極の作用をす
る。
素ポンプ作用によって、空間20内の圧力が高まれば、
開口部19を通じて過剰な酸素ガスがセンサ素子の外部
に排出されることにより空間20内の酸素ガス圧力が低
下するので、第3電極4近傍の雰囲気は一定酸素雰囲気
に保たれ、それ故、第3電極4は基準酸素極の作用をす
る。
【0089】上記のように本発明のセンサでは、従来の
大気基準極に相当する基準極を作り出す酸素ポンプセル
と、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとが一体化されて
いることから、酸素濃淡電池式理論空燃比センサの起電
力の急変特性から精度よく理論空燃比を検出することが
できる。又、酸素濃淡電池式理論空燃比センサに加えて
限界電流式全域空燃比センサを付加した態様において
は、出力電流に基づいてリッチ領域からリーン領域まで
の広い空燃比を検出することができる。
大気基準極に相当する基準極を作り出す酸素ポンプセル
と、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとが一体化されて
いることから、酸素濃淡電池式理論空燃比センサの起電
力の急変特性から精度よく理論空燃比を検出することが
できる。又、酸素濃淡電池式理論空燃比センサに加えて
限界電流式全域空燃比センサを付加した態様において
は、出力電流に基づいてリッチ領域からリーン領域まで
の広い空燃比を検出することができる。
【0090】
【発明の効果】本発明の薄膜積層空燃比センサは上述の
如き構成を有するため、以下に例示する様な種々の効果
を奏する。 1)本センサは、酸素ポンプ作用によってセンサ素子に
酸素を供給するため、センサ素子に酸素導入部を設ける
必要がなく、ハウジングの外部と連通する部分を必要と
しない。よって、センサ全体を小形にすることができ
る。 2)本センサは、センサ素子に酸素導入部を設ける必要
がないので、センサ素子を従来のセンサのように筒状な
どの立体的な構造とする必要がなく、平面的な構成とす
ることができるので、薄膜技術で製作するために適して
いる。 3)本センサは、酸素導入部を必要としないので、ハウ
ジングの気密構造が簡単になる。 4)本センサは酸素を解離する部分及び酸素ポンプとし
て作用する部分、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとし
て作動する部分が一体化されており、温度依存性が小さ
いことから使用方法が簡単である。 5)本センサの酸素濃淡電池式理論空燃比センサ部分で
は、基準電圧を温度によって調整するなどの煩雑な操作
をすることなく、理論空燃比を正確に測定することがで
きる。 6)本センサは小形化が可能であることから加熱に要す
る電力が小さい。 7)本センサは薄膜手法で製作されているので急速昇温
しても発生する熱歪みが小さく、安定性が良い。 8)本センサは多孔質基板上に薄膜技術により製作され
るので、量産性が良く、製造時の低コスト化が可能であ
る。 9)本センサは種々の変形が可能であるので、適用範囲
が広い。 10)本センサにおいて限界電流式全域空燃比センサと
して作動する部分を付加した態様においては、限界電流
式全域空燃比センサ部分では、印加電圧を切り換えるこ
となくリッチ領域からリーン領域までの空燃比を検出す
ることができる。
如き構成を有するため、以下に例示する様な種々の効果
を奏する。 1)本センサは、酸素ポンプ作用によってセンサ素子に
酸素を供給するため、センサ素子に酸素導入部を設ける
必要がなく、ハウジングの外部と連通する部分を必要と
しない。よって、センサ全体を小形にすることができ
る。 2)本センサは、センサ素子に酸素導入部を設ける必要
がないので、センサ素子を従来のセンサのように筒状な
どの立体的な構造とする必要がなく、平面的な構成とす
ることができるので、薄膜技術で製作するために適して
いる。 3)本センサは、酸素導入部を必要としないので、ハウ
ジングの気密構造が簡単になる。 4)本センサは酸素を解離する部分及び酸素ポンプとし
て作用する部分、酸素濃淡電池式理論空燃比センサとし
て作動する部分が一体化されており、温度依存性が小さ
いことから使用方法が簡単である。 5)本センサの酸素濃淡電池式理論空燃比センサ部分で
は、基準電圧を温度によって調整するなどの煩雑な操作
をすることなく、理論空燃比を正確に測定することがで
きる。 6)本センサは小形化が可能であることから加熱に要す
る電力が小さい。 7)本センサは薄膜手法で製作されているので急速昇温
しても発生する熱歪みが小さく、安定性が良い。 8)本センサは多孔質基板上に薄膜技術により製作され
るので、量産性が良く、製造時の低コスト化が可能であ
る。 9)本センサは種々の変形が可能であるので、適用範囲
が広い。 10)本センサにおいて限界電流式全域空燃比センサと
して作動する部分を付加した態様においては、限界電流
式全域空燃比センサ部分では、印加電圧を切り換えるこ
となくリッチ領域からリーン領域までの空燃比を検出す
ることができる。
【図1】本発明の実施例1の空燃比センサの説明図であ
る。
る。
【図2】実施例1の空燃比センサの起電力特性を示す図
である。
である。
【図3】本発明の実施例2の空燃比センサの説明図であ
る。
る。
【図4】図3の空燃比センサの第1電極の平面図であ
る。
る。
【図5】本発明の実施例3の空燃比センサの説明図であ
る。
る。
【図6】図5の空燃比センサの第3電極のA−A線に沿
った平面図である。
った平面図である。
【図7】本発明の実施例4の空燃比センサの説明図であ
る。
る。
【図8】図7の空燃比センサの第1電極の平面図であ
る。
る。
【図9】図7の空燃比センサの第3電極のA−A線に沿
った平面図である。
った平面図である。
【図10】本発明の実施例5の空燃比センサの説明図で
ある。
ある。
【図11】実施例5の空燃比センサの限界電流式全域空
燃比センサ部分の電流−電圧特性を示す図である。
燃比センサ部分の電流−電圧特性を示す図である。
【図12】実施例5の空燃比センサにおいて、図11中
の一点鎖線で示す印加電圧を与えて測定した電流を示す
図である。
の一点鎖線で示す印加電圧を与えて測定した電流を示す
図である。
【図13】本発明の実施例6の空燃比センサの説明図で
ある。
ある。
【図14】本発明の実施例7の空燃比センサの説明図で
ある。
ある。
【図15】本発明の実施例8の空燃比センサの説明図で
ある。
ある。
【図16】本発明の実施例9の空燃比センサの説明図で
ある。
ある。
【図17】本発明の実施例10の空燃比センサの説明図
である。
である。
【図18】従来の空燃比センサの限界電流式全域空燃比
センサ部分の電流−電圧特性を示す図である。
センサ部分の電流−電圧特性を示す図である。
【図19】従来の空燃比センサにおいて、所定印加電圧
を与えて測定した電流を示す図である。
を与えて測定した電流を示す図である。
1 多孔質基板 2 第1電極 3 第1固体電解質 4 第3電極 5 第2固体電解質 6,21 第4電極 7 ヒータ 8 ヒータ加熱手段 9,15,16 電圧印加手段 10 電圧測定手段 11 溝 12,13 通路 14 第2電極 17 電流測定手段 18 被覆層 19 開口部 20 空間 22 第5電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 正治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社 豊田中央研究所内 (72)発明者 颯田 耕三 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社 豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−201642(JP,A) 特開 昭57−144454(JP,A) 特開 昭59−95452(JP,A) 特開 昭62−214347(JP,A) 特開 平5−126793(JP,A) 特開 昭59−108951(JP,A) 実開 昭61−206863(JP,U) 実開 平1−158959(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/419 G01N 27/409 G01N 27/41
Claims (2)
- 【請求項1】 多孔質基板上に第1電極が形成され、第
1電極の上に第1固体電解質及び第3電極が順次積層さ
れ、第1固体電解質は第1電極の周囲を含めて第1電極
を覆い隠し、第3電極は第1固体電解質の周囲を含めて
第1固体電解質を覆い隠し、更に第3電極の上に第2固
体電解質及び第4電極が順次積層され、第2固体電解質
及び第4電極は共に第3電極の周辺部が露出するように
配置され、第1電極,第3電極及び第4電極は多孔質で
ガス透過性を有する白金を用いて形成され、第1固体電
解質及び第2固体電解質は緻密でガス透過性を有しない
酸素イオン伝導性の固体電解質を用いて形成されてな
り、 多孔質基板上に第1電極,第1固体電解質及び第3電極
によって構成され、酸素濃淡電池式理論空燃比センサと
して作動する部分と、 第3電極,第2固体電解質及び第4電極によって構成さ
れ、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体的に形
成されてなるセンサ素子を有することを特徴とする薄膜
積層空燃比センサ。 - 【請求項2】 多孔質基板上に第1電極が形成され、第
1電極の上に第1固体電解質及び第3電極が順次積層さ
れ、第1固体電解質は第1電極の周囲を含めて第1電極
を覆い隠し、第3電極は第1固体電解質の周囲を含めて
第1固体電解質を覆い隠し、更に第3電極の上に開口部
を有する第2固体電解質が、第1固体電解質との間に空
間を設けて形成され、第2固体電解質の第3電極と対向
する面に第4電極が形成され且つ第2固体電解質の第3
電極と対向する面と反対側の面に第5電極が形成され、
第2固体電解質及び第5電極は共に第3電極の周辺部が
露出するように配置され、第1電極,第3電極,第4電
極及び第5電極は多孔質でガス透過性を有する白金を用
いて形成され、第1固体電解質及び第2固体電解質は緻
密でガス透過性を有しない酸素イオン伝導性の固体電解
質を用いて形成されてなり、 多孔質基板上に第1電極,第1固体電解質及び第3電極
によって構成され、酸素濃淡電池式理論空燃比センサと
して作動する部分と、 第4電極,第2固体電解質及び第5電極によって構成さ
れ、酸素ポンプセルとして作動する部分とが一体的に形
成されてなるセンサ素子を有することを特徴とする薄膜
積層空燃比センサ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22063093A JP3326899B2 (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 薄膜積層空燃比センサ |
US08/174,126 US5480535A (en) | 1992-12-28 | 1993-12-27 | Thin film multilayered air/fuel ratio sensor |
DE4344826A DE4344826C2 (de) | 1992-12-28 | 1993-12-28 | Mehrlagiger Dünnschicht-Luft/Kraftstoffverhältnis-Sensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22063093A JP3326899B2 (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 薄膜積層空燃比センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0755765A JPH0755765A (ja) | 1995-03-03 |
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Family
ID=16753987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22063093A Expired - Lifetime JP3326899B2 (ja) | 1992-12-28 | 1993-08-12 | 薄膜積層空燃比センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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