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JP3315714B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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Publication number
JP3315714B2
JP3315714B2 JP01440692A JP1440692A JP3315714B2 JP 3315714 B2 JP3315714 B2 JP 3315714B2 JP 01440692 A JP01440692 A JP 01440692A JP 1440692 A JP1440692 A JP 1440692A JP 3315714 B2 JP3315714 B2 JP 3315714B2
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JP
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sintered body
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electrolytic capacitor
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伸二 中村
正寿 下嶋
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Rohm Co Ltd
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Rohm Co Ltd
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  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解コンデンサの
製造方法に関するものであり、更に詳しくは、焼結体に
硝酸マンガン溶液を含浸熱分解させる固体電解コンデン
サの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より固体電解コンデンサは、次のよ
うな方法等によって製造されている。先ず、タンタル
(Ta),アルミニウム(Al),ニオブ(Nb)等の弁作用
金属の焼結体表面に、陽極酸化等によって酸化膜を形成
する。そして、硝酸マンガン水溶液を含浸させた後、そ
の熱分解(250℃前後)により電解質となる二酸化マンガ
ン(MnO2)層を前記酸化膜上に形成する。最後に、二
酸化マンガン層上に電極取り出し用のグラファイト層及
び銀層を形成して、固体電解コンデンサが完成する。
【0003】更に、具体例を挙げて上記製造方法によっ
て得られる固体電解コンデンサについて説明する。図2
はタンタルから成る固体電解コンデンサの断面構造を示
しており、図3はその多孔性のタンタル焼結体(Ta焼
結体)10の一部分について、その上に五酸化タンタル
層(Ta25層)11及び第1二酸化マンガン層(第1M
nO2層)12が形成されていく様子を断面的に示してい
る。図2に示されている焼結体層15は、図3(a)〜
(c)に示すようにタンタル焼結体10表面に五酸化タン
タル層11及び第1二酸化マンガン層12が形成された
ものである。タンタルから成り、端子を構成するワイヤ
5は、タンタル焼結体10(図3(a))と電気的に接続さ
れ、かつ、固定されている。また、タンタル焼結体10
の陽極酸化時に、ワイヤ5にも五酸化タンタル層11が
形成される(図2)。
【0004】図2に示すように、焼結体層15の表面に
は第2二酸化マンガン層(第2MnO2層)20が形成さ
れているが、この層20は焼結体層15の内部には殆ど
入り込むことなく焼結体層15の外表面を被覆してい
る。そして、第2二酸化マンガン層20上にグラファイ
ト層(Gr層)30及び銀層(Ag層)40が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、焼結体のより内部まで硝酸マンガン溶液が含浸され
にくいので、高比重の硝酸マンガン溶液を含浸に用いる
と、焼結体層15(図2)内部には第1二酸化マンガン層
12(図3(c))が形成されてない部分が生じてしまう。
この未含浸部分は、コンデンサとして機能しないことに
なるので、従来より、低比重の硝酸マンガン溶液を用い
ることで含浸液の表面張力を低下させ、焼結体のより内
部にまで硝酸マンガン溶液が含浸されるようにしてい
る。しかし、溶液濃度を低くしなければならないため、
所定の電気特性を得るには含浸熱分解を10回程度繰り返
すことによって、硝酸マンガンの含浸量を増加させなけ
ればならない。よって、製造工程が増えてしまうといっ
た問題がある。また、含浸熱分解の繰り返し回数が多い
ため、酸化膜(五酸化タンタル層11)が劣化しやすいと
いった問題もある。
【0006】一方、アルコール等の界面活性剤を硝酸マ
ンガン溶液に添加することにより表面張力を下げて含浸
性を向上させる方法も知られているが、これによると逆
に二酸化マンガンの抵抗が上昇してしまうといった問題
がある。
【0007】本発明はこれらの点に鑑みなされたもので
あって、界面活性剤等の添加剤を用いることなく、含浸
・分解の繰り返し回数が従来より少なくても高比重の硝
酸マンガン溶液を焼結体のより内部にまで含浸させうる
固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、焼結体の表
面に誘電体皮膜を形成した後、硝酸マンガン溶液を含浸
熱分解させて前記誘電体皮膜上に二酸化マンガン層を形
成する固体電解コンデンサの製造方法において、前記硝
酸マンガン溶液を含浸させ、硝酸マンガンの分解温度以
下の80〜130℃程度の温度範囲の加熱を水蒸気雰囲
気中で行った後、熱分解を行うことを特徴としている。
【0009】
【作用】このような構成によると、焼結体に含浸された
硝酸マンガン溶液が、水蒸気雰囲気中で上記温度に加熱
されることにより吸水反応が起こり表面張力が低下
し、含浸時には含浸されていなかった焼結体の部分にま
で硝酸マンガン溶液が移動する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図2及び図3に示す従来例の各部と同一の部
分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0011】図1は本発明の第1実施例である固体電解
コンデンサの製造工程を示している。まず、図1(a)に
示す140CV/pのタンタル焼結体10を、0.1重
量%リン酸水溶液に浸漬し、100〜200Vで2〜3
時間の陽極酸化を行うことによって、タンタル焼結体1
0表面及びワイヤ5の一部表面に五酸化タンタル(Ta2
O5)層11を形成した。
【0012】次に、陽極酸化されたタンタル焼結体10
を純水で洗浄した後、図1(b)に示すようにρ(比重)=
1.4の硝酸マンガン水溶液50Aに2分間浸漬し、水溶
液50Aから引き上げた。尚、この含浸工程では、図1
(c)に示すようにタンタル焼結体10の内部には未含浸
部分17が残ることになる。
【0013】図1(c)に示すタンタル焼結体10を、水
溶液50Aが付着した状態で水蒸気雰囲気(S)中、80
℃で10分間加熱した(図1(d))。このときの湿度は8
0%RHであった。
【0014】上記のように高温の水蒸気にさらすことに
よって、焼結体10に含浸されたMn(NO3)2+nH2O(n=6〜
8)で表される硝酸マンガン水溶液50Aが、Mn(NO3)2・n
H2Oで表される硝酸マンガン水溶液50Bへと変化する
ように平衡反応に傾きが生じる。かかる吸水反応によ
り、硝酸マンガン水溶液の比重が1.2に変化し、その結
果、表面張力が低下する。硝酸マンガン水溶液の表面張
力の低下によって含浸性が向上するため、ρ=1.2の硝
酸マンガン水溶液50Bが未含浸部分17に入り、気泡
が抜ける(図1(d))。従って、加熱工程においては、ρ
=1.2の水溶液を用いたのと同等の含浸率で含浸が行わ
れることになるが、後述する熱分解工程を経たときに
は、ρ=1.4の水溶液を用いたのと同量の二酸化マンガ
ン層が得られることになる。尚、加熱による比重の低下
は、通常5〜10分間程度で完了させることができる。
【0015】また、加熱温度は硝酸マンガンの分解温度
(135℃)以下であるのが好ましく、好適には80〜1
30℃程度の範囲であるのがよい。この範囲の下限を越
えると水蒸気中での前記吸水反応が起こりにくく、上限
を越えると硝酸マンガンが分解しやすくなる。
【0016】次に、230℃で10分間の熱分解を行う
ことによって、タンタル焼結体10の五酸化タンタル層
11上にβ−MnO2から成る層を形成した(図1
(e))。尚、この熱分解を水蒸気中で加熱工程と連続し
て行ってもよく、一旦乾燥した後に行ってもよい。この
熱分解は、通常、加熱工程後の2〜3分間で230℃ま
で昇温した後、5〜10分間で完了させることができ
る。
【0017】上記のように、硝酸マンガン水溶液50A
をタンタル焼結体10に含浸する含浸工程と,水蒸気雰
囲気中で加熱する加熱工程と,含浸した硝酸マンガンを
熱分解する熱分解工程とから成る一連の工程を7回繰り
返し行った。これにより、五酸化タンタル層11(図2)
上に第1二酸化マンガン層12(図3(c))が形成されて
タンタル焼結体10は焼結体層15(図2)となり、更に
焼結体層15上には第2二酸化マンガン層20が形成さ
れた。
【0018】最後に、グラファイトの液に浸漬塗布する
ことによりグラファイト層30を形成し、銀ペーストを
塗布することにより銀層40を形成した。これらの外装
の金属層の形成は、従来より固体電解コンデンサの製造
方法として知られている方法に従って行うことができ
る。
【0019】尚、水蒸気雰囲気中での加熱工程を行わな
いほかは本実施例と同様にして、従来例に相当する比較
用サンプルを作製した。但し、含浸工程,加熱工程及び
熱分解工程から成る一連の工程については10回行っ
た。最初の3回の含浸にはρ=1.2の硝酸マンガン水溶
液を用い、続く7回の含浸ではρ=1.4の硝酸マンガン
水溶液50Aを用いた。本実施例と比較用のサンプルと
では、含浸工程前と熱分解工程後との重量変化がほぼ等
しいことから、ほぼ同量の二酸化マンガン層が形成され
たことが分かった。
【0020】次に、本発明の第2実施例を以下のように
して行った。第2実施例では、含浸工程においてρ=1.
95の硝酸マンガン水溶液50Aを用い、加熱工程におい
て加熱温度を100℃とし、湿度を90〜95%RHと
し、前記一連の工程を3回繰り返したほかは、前記第1
実施例と同様にして固体電解コンデンサを製造した。
【0021】本実施例と第1実施例及び比較用サンプル
とでは、含浸工程前と熱分解工程後との重量変化がほぼ
等しいことから、ほぼ同量の二酸化マンガン層が形成さ
れたことが分かった。
【0022】各実施例において、前記水蒸気雰囲気中で
の加熱工程と熱分解工程とをコンベア炉(連続式)を用い
て連続的に行うこともできる。また、加熱工程における
加熱温度,湿度をコントロールすることによって、含浸
された硝酸マンガン水溶液50Bの比重、表面張力を任
意にコントロールすることができる。その結果、粘度,
比重又は濃度が高くても焼結体のより内部にまで硝酸マ
ンガン水溶液を含浸することができるのである。
【0023】以上説明したように、従来の固体電解コン
デンサの製造方法においては、含浸工程において含浸液
の表面張力を低下させて硝酸マンガンの含浸量を増やし
ているのに対し、本発明の実施例では、含浸工程と熱分
解工程との間において、含浸された硝酸マンガン水溶液
の表面張力を水蒸気中での加熱によって低下させて硝酸
マンガンの含浸量を増やしている。よって、添加物に起
因する電気特性の劣化がなく、含浸熱分解の繰り返しに
よる酸化膜(図3中のTa2O5層11)の劣化も防止するこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の固体電解コン
デンサの製造方法によれば焼結体の表面に誘電体皮膜
を形成した後、硝酸マンガン溶液を含浸熱分解させて前
記誘電体皮膜上に二酸化マンガン層を形成する固体電解
コンデンサの製造方法において、前記硝酸マンガン溶液
を含浸させ硝酸マンガンの分解温度以下の80〜13
0℃程度の温度範囲の加熱を水蒸気雰囲気中で行っ
後、熱分解を行うことによって、界面活性剤等の添加剤
を用いることなく、含浸・分解の繰り返し回数が従来よ
り少なくても高比重の硝酸マンガン溶液を焼結体のより
内部にまで含浸させることができる。その結果、所定の
電気特性を有する固体電解コンデンサの製造において、
製造工程の簡易化及び酸化膜の劣化防止を図ることがで
きる。また、製造された固体電解コンデンサは、より内
部まで二酸化マンガン層が形成されるため、機械的強度
が向上するといった効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の製造工程を示す図。
【図2】従来例の構造を示す断面図。
【図3】本発明の実施例及び従来例の製造工程において
焼結体内部の構造の変化を断面的に示す図。
【符号の説明】
5 …ワイヤ(端子) 10 …タンタル焼結体(Ta焼結体) 11 …五酸化タンタル層(Ta25層) 12 …第1二酸化マンガン層(第1MnO2層) 15 …焼結体層 17 …未含浸部分 20 …第2二酸化マンガン層(第2MnO2層) 30 …グラファイト層(Gr層) 40 …銀層(Ag層) 50A,50B …硝酸マンガン水溶液 S …水蒸気雰囲気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−18613(JP,A) 特開 昭59−115516(JP,A) 特開 昭64−73712(JP,A) 特開 昭59−117210(JP,A) 特公 昭52−10840(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/032

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結体の表面に誘電体皮膜を形成した後、
    硝酸マンガン溶液を含浸熱分解させて前記誘電体皮膜上
    に二酸化マンガン層を形成する固体電解コンデンサの製
    造方法において、 前記硝酸マンガン溶液を含浸させ、硝酸マンガンの分解
    温度以下の80〜130℃程度の温度範囲の加熱を水蒸
    気雰囲気中で行った後、熱分解を行うことを特徴とする
    固体電解コンデンサの製造方法。
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