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JP3314183B2 - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタ

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Publication number
JP3314183B2
JP3314183B2 JP13237293A JP13237293A JP3314183B2 JP 3314183 B2 JP3314183 B2 JP 3314183B2 JP 13237293 A JP13237293 A JP 13237293A JP 13237293 A JP13237293 A JP 13237293A JP 3314183 B2 JP3314183 B2 JP 3314183B2
Authority
JP
Japan
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layer
bipolar transistor
heterojunction bipolar
base
indium
Prior art date
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JP13237293A
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巧 入戸野
裕彦 菅原
弘 伊藤
長明 中島
仁 永野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの元素構成に関し、特に非発光性電子・正
孔再結合によって誘起される特性劣化を防止する高信頼
ヘテロ接合バイポーラトランジスタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、AlGaAs系ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタの実用化を目指し、その特性劣化機構
および防止策について盛んに研究が行われている。図5
は、この種のAlGaAs系ヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの構成を示す断面図である。同図において、S
は半絶縁性GaAs基板、1はn型GaAsコレクタバ
ッファ層、2はGaAsコレクタ層、3はp型GaAs
ベース層、4はn型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層、5
はn型InGaAsエミッタキャップ層、6はエミッタ
電極、7はベース電極、8はコレクタ電極、9は素子間
分離層、10は絶縁膜である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成される従来のAlGaAs系ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタは、以下に説明するような問題があっ
た。第1の問題は、トランジスタ動作状態において、ベ
ース領域の不純元素ベリウムがエミッタ側に拡散するこ
とにより、図6に示すようにコレクタ電流が減少すると
ともに電流増幅率が減少する。
【0004】この問題を解決する手段として藤井らは、
ベリリウムドープしたAlGaAsベース全層に5.5
%のインジウムを添加することにより、ベリリウムの拡
散が約1/3に抑えられると発表している(J.Vac.Sci.
Technol.8,1990,pp.154)。ここでのインジウム添加の
目的は、ベリリウムの拡散を抑制することであった。し
かし、現在は、このベース不純物元素の拡散の問題は、
不純物元素を拡散係数のより小さい炭素に変更すること
で解決することがわかっている。
【0005】従来の第2の問題は、図5に示すp型Ga
Asベース層3としてベース不純物元素として拡散係数
の小さい炭素をドープしたヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタ構造においても、トランジスタ動作状態におい
て、図7に示すように時間の経過とともにベース電流が
徐々に増加し、電流増幅率が低下を招くというものであ
る。これに対しては、原因が明かでなく、また、その効
果的な対策方法がなかった。
【0006】したがって本発明は、前述した従来の課題
を解決するためになされたものであり、その目的はトラ
ンジスタ動作時の経時的なベース電流の増加を抑制し、
電流増幅率の低下のないヘテロ接合バイポーラトランジ
スタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】トランジスタの動作状態
において、ベース電流が増加するという現象は次のよう
に理解できる。例えばnpn型トランジスタの動作状態
では、電子がエミッタからベースに注入される。ベース
では、その不純物濃度および再結合中心密度に応じて電
子・正孔再結合が起こる。このうち、非発光性の再結合
は電子の持つエネルギーを格子振動として結晶に与え
る。この過激な格子振動により、結晶中にベース電流増
加の原因となる再結合中心(結晶欠陥・転位あるいは不
純物の偏析など)が徐々に導入されていく。さらにこの
増加した再結合中心が新たな再結合を生成し、ベース電
流が経時的に増加していく。したがってこれを解決する
方法として (1)初期の非発光性再結合中心密度を極力低く抑えるこ
と。 (2)例え非発光性再結合で過剰な格子振動が生じても、
これによって再結合中心が導入されにくい結晶にする。 ことが考えられる。
【0008】この両者の目的でヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを形成する場合にエネルギー禁制帯幅を決定
する構成元素および導電型を決定する不純物元素に加
え、構成元素と等電荷の元素を添加する。具体的には、
ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベースにインジウ
ムまたはアンチモンを添加する。また、ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタのエミッタにリン,インジウム,イ
ンジウムおよびリン,アンチモンまたはアンチモンおよ
びリンを添加する。また、ヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタのコレクタにリン,インジウムまたはインジウム
およびリン,アンチモンまたはアンチモンおよびリンを
添加する。これらによりベースあるいはエミッタの格子
歪量を一定の範囲内に設定する。
【0009】
【作用】等電荷元素を添加した場合のベース格子歪み量
とヘテロ接合バイポーラトランジスタの寿命との関係を
インジウムを添加した例を用いて説明する。図1は、図
5の炭素ドープp型GaAsベース層3にインジウムを
添加したインジウム添加炭素ドープp型GaAsベース
層13を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタの構
成を示す例である。この場合、図8に示すようにベース
格子歪み量Δa(%)=(aB −aC )/aC (ここで
B はベースの格子定数、aC はコレクタの格子定数)
に応じて素子寿命が顕著に変化する。すなわち炭素を含
むベース層にインジウムを添加し、ベース層の格子歪み
量をコレクタ層の格子定数(ベース層に接している2つ
の層、つまりエミッタ層とコレクタ層との格子定数を比
較し、その小さい方)を基準として0<Δa/a<+8
×10-4の範囲を設定することにより、ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの寿命を1桁以上向上させることが
できる。これをインジウムを添加しない従来のヘテロ接
合バイポーラトランジスタと比較すると、図9に示すよ
うに初期の電流増幅率が大きく、かつ経時的に電流増幅
率の低下がないヘテロ接合バイポーラトランジスタが得
られることになる。
【0010】これは、インジウムを添加してベース層の
格子歪みを所定の範囲内に設定することにより、GaA
s中の非発光性再結合中心密度が低減され、さらに非発
光性再結合が生じても再結合中心が導入されにくい結晶
になっていることを示している。この理由は、炭素ドー
プにより、(Al)GaAsベース層は格子が収縮する
方向に歪んでおり、この収縮歪みにより、結晶が劣化し
やすい状態になっている。これに対してGaおよびAs
よりも原子半径の大きいインジウムまたはアンチモンを
添加した場合、格子はむしろ膨張する方向に歪み、この
方が非発光性再結合によって生ずる過剰な格子振動に対
して結晶が安定になるためである。ベース層の格子定数
がエミッタ層の格子定数およびコレクタ層の格子定数か
ら所定の範囲内にあることも重要である。また、炭素ド
ープ(Al)GaAsベース層中の不純物水素濃度の低
減もヘテロ接合バイポーラトランジスタの寿命向上に有
効に働くと考えられる。
【0011】ここでは、ベース格子歪み量の規定の重要
性について説明したが、非発光性再結合はエミッタ層で
も生じ得るので、エミッタ層に関しても同様に格子歪み
量の規定が重要となる。さらにコレクタ層の格子定数を
等電荷元素添加により変化させてベース層のコレクタ層
に対する格子歪み量を調節しても構わない。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。 (実施例) 図1は、本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの一実施例による構成を示す断面図であり、AlGa
As/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの炭
素ドープGaAsベース層にインジウムを添加した例で
ある。同図において、半絶縁性GaAs基板S上にn型
GaAsコレクタバッファ層1,アンドープGaAsコ
レクタ層2,インジウム添加炭素ドープp型GaAsベ
ース層13,n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層4およ
びn型InGaAsエミッタキャップ層5を順次エピタ
キシャル成長する。これをメサ型に加工し、WSi/W
からなるエミッタ電極6,Ti/Wからなるベース電極
7およびAuGe/Niからなるコレクタ電極8を形成
する。なお、9は素子間分離層、10は絶縁膜である。
【0013】インジウムの濃度は、炭素濃度に応じてベ
ース層の格子歪みが0<Δa/a<+8×10-4の範囲
となるように決められる。また、ベース層の格子定数
は、0<Δa/a<+8×10-4の範囲で徐々に変化さ
せても良い。
【0014】なお、前述した実施例においては、ベース
層にインジウムを添加した場合について説明したが、イ
ンジウムに代えてアンチモンを添加しても同様な効果が
得られる。
【0015】(参考例1) 図2は、本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの参考例による構成を示す断面図であり、AlGaA
s/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタのベー
ス領域をインジウム添加炭素ドープGaAsと炭素ドー
プGaAsとの積層歪構造とした例である。同図におい
て、半絶縁性GaAs基板S上にn型GaAsコレクタ
バッファ層1,アンドープGaAsコレクタ層2,イン
ジウム添加炭素ドープInGaAs層と炭素ドープGa
As層との複数(n≧1)積層構造からなる積層歪ベー
ス層23,n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層4および
n型InGaAsエミッタキャップ層5を順次エピタキ
シャル成長する。これをメサ型に加工し、WSi/Wか
らなるエミッタ電極6,Ti/Wからなるベース電極7
およびAuGe/Niからなるコレクタ電極8を形成す
る。なお、9は素子間分離層、10は絶縁膜である。
【0016】ここでは、GaAsベース層での例を示し
たが、AlGaAsベース層でも同様である。また、各
層の厚さは10nm以下で相互の格子定数差が1×10
-4から1×10-2であるように形成できる。さらに炭素
を変調ドープすることで歪量を変化させても良い。な
お、前述した参考例1においては、インジウムを添加し
た場合について説明したが、インジウムに代えてアンチ
モンを添加しも同様な効果が得られる。
【0017】(参考例2) 図3は、本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タのさらに他の参考例による構成を示す断面図であり、
AlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジ
スタのAlGaAsエミッタ層にリンを添加した例であ
る。同図において、半絶縁性GaAs基板S上にn型G
aAsコレクタバッファ層1,アンドープGaAsコレ
クタ層2,炭素ドープp型GaAsベース層3,リン添
加n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層14およびn型I
nGaAsエミッタキャップ層5を順次エピタキシャル
成長する。これをメサ型に加工し、WSi/Wからなる
エミッタ電極6,Ti/Wからなるベース電極7および
AuGe/Niからなるコレクタ電極8を形成する。な
お、9は素子間分離層、10は絶縁膜である。
【0018】ここで、リン濃度は、エミッタ層の格子歪
みを制御すべく、エミッタ層14のAl組成に応じて変
化させる。また、エミッタ層の格子定数はエミッタ領域
内で徐々に変化させても良い。
【0019】なお、前述した参考例2においては、エミ
ッタ層にリンを添加した場合について説明したが、リン
に代えてインジウム,インジウムおよびリン,アンチモ
ンまたはアンチモンおよびリンを添加して格子定数を所
定の範囲内に設定しても、同様の効果が得られる。
【0020】(参考例3) 図4は、本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの他の参考例による構成を示す断面図であり、AlG
aAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの
GaAsコレクタ層にリンを添加した例である。同図に
おいて、半絶縁性GaAs基板S上にn型GaAsコレ
クタバッファ層1,リン添加アンドープGaAsコレク
タ層12,炭素ドープp型GaAsベース層3,n型A
0.3 Ga0.7 Asエミッタ層4およびn型InGaA
sエミッタキャップ層5を順次エピタキシャル成長す
る。これをメサ型に加工し、WSi/Wからなるエミッ
タ電極6,Ti/Wからなるベース電極7およびAuG
e/Niからなるコレクタ電極8を形成する。なお、9
は素子間分離層、10は絶縁膜である。
【0021】リン濃度は、コレクタ層に対するベース層
の格子歪みが0<Δa/a<+8×10-4の範囲となる
ように決められる。なお、前述した参考例3において
は、コレクタ層にリンを添加した場合について説明した
が、リンに代えてインジウム,インジウムおよびリン,
アンチモンまたはアンチモンおよびリンを添加してベー
ス層のコレクタ層に対する格子歪みを所定の範囲内に設
定しても良い。
【0022】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
経時的に電流増幅率の低下がないヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを得ることができるという極めて優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの一実施例による構成を示す断面図である。
【図2】本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの参考例による構成を示す断面図である。
【図3】本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タのさらに他の参考例による構成を示す断面図である。
【図4】本発明によるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの他の参考例による構成を示す断面図である。
【図5】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの構
成を示す断面図である。
【図6】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの特
性劣化現象を示す図である。
【図7】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの特
性劣化現象を示す図である。
【図8】ヘテロ接合バイポーラトランジスタの寿命と格
子歪み量との関係を示す図である。
【図9】従来および本発明によるヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの電流増幅率の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
S 半絶縁性GaAs基板 1 n型GaAsコレクタバッファ層 2 アンドープGaAsコレクタ層 3 炭素ドープp型GaAsベース層 4 n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層4 5 n型InGaAsエミッタキャップ層 6 エミッタ電極 7 ベース電極 8 コレクタ電極 9 素子間分離層 10 絶縁膜 12 リン添加アンドープGaAsコレクタ層 13 インジウム添加炭素ドープp型GaAsベース
層 14 リン添加n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層 23 炭素ドープ(InGaAs/GaAs)n(≧
1)積層歪ベース層
フロントページの続き (72)発明者 中島 長明 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 永野 仁 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−102312(JP,A) 特開 平4−33372(JP,A) 特開 平5−299340(JP,A) 特開 平5−251460(JP,A) 特開 平5−175226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/205 H01L 29/737

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エミッタ領域,ベース領域およびコレク
    タ領域から構成され、前記ベース領域が炭素を含むGa
    Asまたは炭素を含むAlGaAsから構成されている
    ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、 前記ベース領域は、前記コレクタ領域に対する前記ベー
    ス領域の格子歪み量(Δa/a)が0<Δa/a<+8
    ×10 -4 となる濃度のインジウムまたはアンチモンを含
    むことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジス
    タ。
JP13237293A 1992-05-20 1993-05-12 ヘテロ接合バイポーラトランジスタ Expired - Lifetime JP3314183B2 (ja)

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