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JP3312308B2 - ボールペン用水性金属光沢色インキ - Google Patents

ボールペン用水性金属光沢色インキ

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Publication number
JP3312308B2
JP3312308B2 JP29134693A JP29134693A JP3312308B2 JP 3312308 B2 JP3312308 B2 JP 3312308B2 JP 29134693 A JP29134693 A JP 29134693A JP 29134693 A JP29134693 A JP 29134693A JP 3312308 B2 JP3312308 B2 JP 3312308B2
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JP
Japan
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ink
weight
viscosity
rpm
ballpoint pens
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JP29134693A
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裕志 宮下
松田幸子
岡部鋭一
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パール顔料を用いて金
色、銀色などの金属光沢色の筆跡が得られるボールペン
用水性金属光沢色インキに関し、長期保管後も金属光沢
色の筆跡を得ることができ、インキ吐出性が良好なボー
ルペン用水性金属光沢色インキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金色、銀色などの金属光沢色の筆
跡を得るために、顔料としてアルミニウム粉末、ブロン
ズ粉、パール顔料を用いたインキが種々提案されてい
る。例えば、特公昭62−37678号公報には、アル
ミニウム粉末などの金属粉顔料と、油溶性染料と樹脂と
溶剤とよりなり、金属粉顔料により形成される筆跡の周
囲に染料が浸透拡散して輪郭線効果を生じる二重発色イ
ンキ組成物が開示されている。特公平1−56109公
報には、表面処理したアルミニウム粉末などの微細金属
粉と、樹脂と溶剤とよりなり、種々のマーキングペンか
らの円滑なインキ流出性を有し、実用時における易分散
性を有するマーキングペン用金属光沢色インキが開示さ
れている。また、特開昭60−186573号公報に
は、溶剤及び当該溶剤に可溶性の増粘性の樹脂、更に金
属粉顔料及び着色顔料が各々少なくとも所要量ずつ含有
され、且つ、所要値以上の高粘度を有することを特徴と
する水を含有しない油性のメタリック調の色彩を有する
インキが開示され、このインキは、加圧ボールペンへの
使用が適している。
【0003】更に、特開平1−210478号公報に
は、ピンホールによる塗布の汚れを防止することを目的
として、樹脂、アルミニウムペースト、水とからなるイ
ンキ主成分に、添加剤としてアセチレンアルコール誘導
体を添加した水性メタリックインキが開示されている。
また、特開平5−117569号公報には、金属粉顔料
の代わりに水に対して安定であるパール顔料を用いた水
性インキが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ボールペン用として使
用できる水性金属光沢色インキは提案されていないこと
である。ボールペン用インキとしては、顔料を再分散し
ないで用いることができることが必要である。にもかか
わらず、上記従来提案されたインキで、水性であり、顔
料が沈降しないものはなかった。例えば、特公昭62−
37678号公報、特公平1−56109号公報に記載
されたインキは油性であり、しかも、マーキング用ペン
を意識したものである。このマーキング用ペンとは、イ
ンキ収容室に金属球などの撹拌部材を収容しておき、使
用時に筆記具を振って、沈降したアルミニウム粉末を再
分散して用いるものである。つまり、これらの発明にお
けるインキ組成物は、短時間にアルミニウム粉末が沈降
するものである。特開昭60−186573号公報に開
示されたインキは、顔料の沈降の少ないものであるが、
油性である。また、特公平1−210478号公報、特
開平5−117569号公報に記載された発明は水性イ
ンキではあるものの、上記と同様にマーキング用ペンを
意識したものである。
【0005】本発明の目的は、長期間保存しても、良好
に使用できるボールペン用水性金属光沢色インキを提供
することにある。
【0006】本発明は、パール顔料と増粘性の樹脂と溶
剤と水とを少なくとも含み、粘度が10000〜150
000cps(E型粘度計のSTロータ、1rpm、2
5℃)であり、1rpmで測定したときの粘度と、10
rpmでの測定値との比が3.0以上であるボールペン
用水性金属光沢色インキを要旨とするものである。
【0007】以下詳細に説明する。本発明に使用するパ
ール顔料は、金属光沢色の着色材として用いる。パール
顔料は、天然マイカの表面を酸化チタン又は酸化鉄など
の高屈折率の金属酸化物で被覆することにより得られ
る。パール顔料の平均粒子径は、5〜60μmのものが
好ましい。平均粒子径が5μm以下であるとパール光沢
が少なくなり、筆跡の金属光沢が少なくなり易く、60
μm以上であると、従来一般的に使用されているボール
ペン先に適用する場合インキ吐出が低下し易い。
【0008】市販されているパール顔料としては、Ir
iodin100(平均粒子径:10〜60μm、以下
同)、同103(10〜50)以上、銀色、Iriod
in300(10〜60)、同302(5〜20)、同
323(5〜20)以上、金色、Iriodin504
(10〜60)、同524(5〜20)以上、赤色、I
riodin502(10〜60μm)、同520(5
〜20μm)以上、銅色(メルクジャパン(株)製)な
どがある。これらは、耐酸、耐アルカリ性があり、水に
不溶だが水性の系に対し容易に分散する。パール顔料
は、ボールペン用水性金属光沢色インキに対して5〜2
0重量%が好ましく用いられる。
【0009】増粘用の樹脂は、パール顔料の沈降防止及
び水性ボールペン用インキ組成物としての品質、例え
ば、ペン先からのインキ漏出防止、適性なインキ吐出、
ペン先汚れやボテ防止等の目的で使用するものである。
インキ収容管の一端が開放されている通常の雰囲気中で
使用されるボールペン用としては、種子多糖類のガーガ
ム、ローカストビーンガム及びその誘導体や微生物系の
ザンサンガム等が好ましく使用できる。また、高速度筆
記やペン先上向き筆記に適する加圧式ボールペン用には
前記樹脂の添加量を多くしたり、その他、海藻多糖類の
カラギーナン、アルギン酸及びその誘導体、樹脂多糖類
のタラガントガム、セルロース誘導体、合成高分子のポ
リエチレンオキサイドやポリアクリル酸ソーダなどを使
用することができる。増粘用の樹脂の使用量は、用いる
樹脂の種類によって大きく異なるので、適正な粘度を示
すように設定する。その粘度は、10000〜1500
00cps(E型粘度計のSTロータ、1rpm、25
℃)である。また、ボールペン用として用いる場合、ボ
ール回転のせん断力によるインキ粘度の低下が、ペン先
からのインキ吐出量に影響を及ぼすので、E型粘度計の
STロータ、25℃の測定条件において、1rpmで測
定したときの粘度と、10rpmでの測定値との比が
3.0以上であることが好ましい。
【0010】水溶性有機溶剤は、ボールペン用の水性イ
ンキとしての種々の品質、例えば、ペン先でのインキ乾
燥防止、低温時でのインキ凍結防止などの目的で使用す
るものである。具体的には、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリ
ン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
2−ピロリドン、トリエタノールアミン等を単独或は混
合して使用することができる。その使用量はボールペン
用水性金属光沢色インキ全量に対して5〜40重量%が
好ましい。
【0011】水は主溶剤として使用する。
【0012】上記の成分以外、更に、尿素、エチレン尿
素、チオ尿素などの湿潤剤や、潤滑剤、ベンゾチアゾリ
ン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールな
どの防錆剤、アニオン系、ノニオン系の界面活性剤など
の種々の添加剤や、更に種々のカラーの金属光沢色の色
相を醸し出す場合には酸性染料、塩基性染料や直接染料
といった染料や有色の顔料が使用できる。
【0013】本発明のボールペン用金属光沢色インキを
製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採
用できる。例えば、上記各成分を配合し、ヘンシェルミ
キサー等の撹拌機により撹拌混合したり、ボールミル等
の分散機により混合摩砕したりすることによって容易に
得られる。
【0014】
【作用】本発明のボールペン用水性金属光沢色インキ
が、長期保存においてもパール顔料の沈降を抑制し経時
安定性に効果があるのかについては、以下のように推考
される。本発明の通常のボールペン用のインキ組成物は
インキの流動性が損なわれることのない程度に粘度が高
いため、パール顔料が樹脂間に固定され、その結果、パ
ール顔料の沈降は防止できる。また、パール顔料は、樹
脂に対し、ゲル化、加水分解、一部不溶化を引き起こさ
ないので、インキの粘度が上昇したり、減少したりする
ことがない。
【0015】
【実施例】
実施例1 Iriodin302(メルクジャパン(株)製) 10.0重量部 ジャガーCMHP(ガーガム誘導体、三晶(株)製) 1.0重量部 エチレングリコール 15.0重量部 グリセリン 10.0重量部 水 62.9重量部 プロクセルXL−2(防腐剤、ICIジャパン(株)製)0.1重量部 NP−10(分散剤、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部 上記各成分中ジャガーCMHP以外の成分をボールミル
中に入れ10時間分散処理後、ジャガーCMHPを加え
て再度1時間処理を行い、粘度25000cps(E型
粘度計、1rpm、25℃)の金色インキを得た。この
金色インキをボールペン(洋白ボールペンチップ(ボー
ル材質:超硬合金)を一端に連接したポリプロピレン製
の中空軸筒よりなる透明なインキ収容管よりなるもの)
に充填して紙面に筆記したところ、にじみのない鮮明な
金色の筆跡を得た。また、このインキの1/10rpm
の粘度比は3.6であった。
【0016】実施例2 Iriodin103(メルクジャパン(株)製) 10.0重量部 ローカストビーンガム 2.0重量部 プロピレングリコール 20.0重量部 エチレングリコール 10.0重量部 水 56.9重量部 プロクセルGXL(防腐剤、ICIジャパン(株)製) 0.1重量部 BT−12(分散剤、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部 上記各成分をボールミル中にて12時間分散処理して粘
度35000cps(E型粘度計、1rpm、25℃)
の銀色インキを得た。この銀色インキを実施例1と同様
にボールペンに充填して紙面に筆記したところ、にじみ
のない鮮明な銀色の筆跡を得た。また、このインキの1
/10rpmの粘度比は3.1であった。
【0017】実施例3 Iriodin524(メルクジャパン(株)製) 10.0重量部 ザンサンガム 1.0重量部 エチレングリコール 10.0重量部 グリセリン 10.0重量部 水 67.9重量部 プロクセルXL−2 0.1重量部 NP−10 1.0重量部 上記各成分をボールミルにて2時間分散処理して粘度3
0000cps(E型粘度計、1rpm、25℃)の金
属光沢色の赤色インキを得た。この赤色インキを実施例
1と同様にボールペンに充填して紙面に筆記したとこ
ろ、にじみのない鮮明なる金属光沢色の赤色の筆跡を得
た。また、このインキの1/10rpmの粘度比は6.
0であった。
【0018】実施例4 Iriodin302 10.0重量部 ヒドロキシエチルセルロース 5.0重量部 エチレングリコール 17.0重量部 グリセリン 8.0重量部 水 61.9重量部 プロクセルGXL 0.1重量部 NP−10 1.0重量部 上記各成分をボールミルにて3時間分散処理して粘度1
10000cps(E型粘度計、1rpm、25℃)の
金色インキを得た。この金色インキを、加圧ボールペン
(ステンレスボールペンチップ(ボール材質:超硬合
金)を一端に連接したステンレス製の軸筒よりなるイン
キ収容管であって、該収容管内に圧力3.0kg/cm
2 をかけて尾栓にて密封するもの)に充填した後、紙面
に筆記したところ、にじみのない鮮明な金色の筆跡を得
た。
【0019】比較例1 実施例1のジャガーCMHPを0.6重量部に減らし、
減らした分だけ水を加えた以外は、実施例1と同様にな
して、粘度7000cps(E型粘度計、1rpm、2
5℃)の金色インキを得た。この金色インキを実施例1
と同様にボールペンに充填して紙面に筆記したところ、
にじみのない鮮明な金色の筆跡を得た。また、このイン
キの1/10rpmの粘度比は2.5であった。
【0020】比較例2 実施例1のジャガーCMHPを2.8重量部に増やし、
増やした分だけ水を減らした以外は、実施例1と同様に
なして、粘度180000cps(E型粘度計、1rp
m、25℃)の金色インキを得た。この金色インキを実
施例1と同様にボールペンに充填して紙面に筆記したと
ころ、筆記できなかった。また、このインキの1/10
rpmの粘度比は5.0であった。
【0021】比較例3 実施例2のIriodin103の代わりに、アルミニ
ウム粉末(WB0230、東洋アルミ(株)製)を用い
た以外は、実施例2と同様になして、粘度36000c
ps(E型粘度計、1rpm、25℃)の銀色インキを
得た。この銀色インキを実施例1と同様にボールペンに
充填して紙面に筆記したところ、にじみのない鮮明な銀
色の筆跡を与えた。また、このインキの1/10rpm
の粘度比は3.2であった。
【0022】実施例1〜4、比較例1〜3で得たボール
ペン用水性金属光沢色インキについて、粘度変化試験、
筆記試験及び沈降試験を行った。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】(表1の注) 比較例1;粘度変化試験は、パール顔料沈降のため測定
不可。 ;筆記試験は、遠心脱泡時にパール顔料沈降のため測定
不可。 ;沈降試験は、遠心脱泡時にパール顔料沈降のため測定
不可。
【0025】粘度変化試験:インキの調整直後と経時後
の粘度を測定する。 ・測定条件:E型粘度計、1rpm、25℃(単位 ポ
イズ)。 ・経時条件:ガラス製ネジ口瓶に入れ、50℃の恒温室
内に1ヶ月放置。
【0026】筆記試験:筆記サンプル作製直後の筆跡と
経時後の筆跡を観察する。 ・筆記サンプル:ボールペンチップを一端に連接したポ
リプロピレン製の中空軸筒よりなる透明なインキ収容管
に0.8g直接充填し、その上部に逆流防止体を0.1
g充填後、気泡を遠心脱泡した。但し、実施例4で得た
インキは、ステンレスボールペンチップ(ボール材質:
超硬合金)を一端に連接したステンレス製の軸筒よりな
るインキ収容管に0.8g充填し、収容管内に圧力3.
0kg/cm2 をかけた。 ・筆記用紙:上質紙(JIS 3201筆記用紙A) ・経時条件:50℃の恒温室内にペン先下向きの状態で
1ヶ月放置。 評価 ○・・・良好に筆記できる △・・・かすれ発生 ×・・・筆記不能
【0027】沈降度試験:経時後のインキの上澄みを測
定する ・サンプル:ポリプロピレン製の中空軸筒よりなる透明
なインキ収容管(内経3.0mm)にインキを0.8g
充填した。 ・経時条件:50℃の恒温室内に1ヶ月放置。 評価 上澄みの長さ/インキ柱の長さ(単位 mm)
【0028】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ボールペン用水性金属光沢色インキは鮮明なる金属光
沢色の筆跡を与え、長期保存においてもインキ変質のな
い経時的にも安定なものであり、インキ吐出が良好な、
所望の目的が充分に達成できる有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−117569(JP,A) 特開 昭60−186573(JP,A) 特開 平3−172367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/18 C09D 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パール顔料と増粘性の樹脂と溶剤と水と
    を少なくとも含み、粘度が10000〜150000c
    ps(E型粘度計のSTロータ、1rpm、25℃)
    あり、1rpmで測定したときの粘度と、10rpmで
    の測定値との比が3.0以上であるボールペン用水性金
    属光沢色インキ。
JP29134693A 1993-10-27 1993-10-27 ボールペン用水性金属光沢色インキ Expired - Lifetime JP3312308B2 (ja)

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