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JP3311373B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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Publication number
JP3311373B2
JP3311373B2 JP00652792A JP652792A JP3311373B2 JP 3311373 B2 JP3311373 B2 JP 3311373B2 JP 00652792 A JP00652792 A JP 00652792A JP 652792 A JP652792 A JP 652792A JP 3311373 B2 JP3311373 B2 JP 3311373B2
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JP
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JP00652792A
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Inventor
和重 田口
哲弥 藤岡
浩 高橋
和典 坂内
将 椎名
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05268415A publication Critical patent/JPH05268415A/ja
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Publication of JP3311373B2 publication Critical patent/JP3311373B2/ja
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  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機及びファクシミ
リ等のブック原稿の画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブック原稿の読み取り装置および方法と
しては、(1)原稿支持台上に上向きに見開いて載置し
たブック原稿の原稿面を情報のコンタクトガラスに当接
させ、このコンタクトガラスを挾んで対向配置された走
査光学系の走査によって原稿画像を露光走査する装置、
(2)原稿載置面上に上向きに見開いて載置されたブッ
ク原稿の原稿面上を密着型読み取りセンサにより露光走
査して原稿画像を読み取る装置、等が知られている。
【0003】一方、複写機及びファクシミリ等における
原稿読み取り装置として、シート原稿を原稿読み取り位
置に自動的に搬送して原稿情報を読み取り、読み取りの
終了した原稿を上記原稿読み取り位置から自動的に排出
する自動原稿給送装置(ADF)が知られている。
【0004】このように、原稿がシート原稿の場合に
は、ADFを搭載することにより、その原稿情報の読み
取りを自動的に行うことができるが、原稿がブック原稿
の場合には、自動ページめくり機構の実現が事実状困難
なため、現段階では、ブック原稿のページめくりを手動
的にしか行うことができない状況にある。
【0005】従来、こうした現状に鑑み、手間の掛るブ
ック原稿の読み取りを自動化するための方法や手段の提
案が種々なされている。
【0006】このブック原稿の自動読み取りを実現させ
るために不可欠となるブック原稿の自動ページめくり装
置および方法としては、(3)下向きに見開いて載置し
たブック原稿を移動させながら、その原稿ページを吸引
して分離する装置、(4)上向きに見開いて載置したブ
ック原稿の原稿ページを吸引して分離する装置、(5)
上向きに見開いて載置したブック原稿の原稿ページをロ
ーラ,アーム等でめくる装置、等が知られている。
【0007】しかしながら、上記の従来技術は、アイデ
アのみの提案が多く、およそ実現し得るレベルには到達
しておらず、以下のような問題点がある。
【0008】すなわち、(1)原稿支持台上に上向きに
見開いて載置したブック原稿の原稿面を情報のコンタク
トガラスに当接させ、このコンタクトガラスを挾んで対
向配置された走査光学系の走査によって原稿画像を露光
走査する装置では、ブック原稿の原稿ページをめくる位
置から露光走査を行なう位置までブック原稿を移動させ
る必要があり、原稿露光走査効率が低下するとともに、
装置の大型化が避けがたくなる不具合があった。
【0009】また、(2)原稿載置面上に上向きに見開
いて載置されたブック原稿の原稿面上を密着型読み取り
センサにより露光走査して原稿画像を読み取る装置で
は、装置の大型化という点は解消し得るものの、ブック
原稿の原稿面を押圧する手段を備えていないため、載置
された原稿面が浮き上がり易く、原稿面の読み取り走査
が不安定になる不具合を有していた。
【0010】一方、(3)下向きに見開いて載置したブ
ック原稿を移動させながら、その原稿ページを吸引して
分離する装置では、ブック原稿の自重の影響によりペー
ジめくりの信頼性が損なわれるばかりでなく、そのペー
ジめくり時に原稿面が擦れて原稿が破損する虞れがあ
り、さらに、その構成上装置の大型化を余儀なくされる
不具合があった。
【0011】また、(4)上向きに見開いて載置したブ
ック原稿の原稿ページを吸引して分離する装置、並び
に、(5)上向きに見開いて載置したブック原稿の原稿
ページをローラ,アーム等でめくる装置等では、ブック
原稿の上側空間を移動する従来のページ分離機構が複雑
且つ大型なため、装置の大型化が避けがたくなる不具合
があった。
【0012】こうした現状に鑑み、本出願人は、例え
ば、特願平2−193589号明細書等に開示したよう
に、原稿台の原稿載置面に沿って張架されたページ押え
ベルトの一部に上記原稿載置面から離間する迂回部を形
成させながら、上記原稿載置面とページ押えベルトとの
間に見開かれて載置されたブック原稿の原稿面に対し
て、ページ収納手段,ページ吸着手段,ページ分離手段
および読み取り手段等が配設されたページめくり読み取
りユニットを相対移動させることによって、上記ブック
原稿のページめくりおよび原稿読み取り走査を行なうブ
ック原稿のページめくり読み取り装置(以下、MFDS
という)を提案した。
【0013】この提案によるMFDSによれば、上記明
細書等に記述したように、複写作業等に多大な労力を要
していたブック原稿のページめくり操作および原稿読み
取り走査を完全に自動化させることができ、複写等の生
産性を著しく向上させる多機能原稿読み取りシステムを
実現することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記MFDSは、ブッ
ク原稿の原稿情報の読み取り走査および原稿ページめく
り動作を自動で行なう機能を持っているので、このMF
DSをプリンタと接続することによって、書籍や雑誌等
のコピーを人手を掛けずに高速で行なうことができる。
【0015】しかしながら、周知のように、一般の書籍
などを著作者の許可を得ないで複写することは、純粋な
私的利用を除いて原則として著作権法違反となる。
【0016】そこで、本発明は、前記MFDSを含むブ
ック原稿画像の読み取り手段を有する画像読み取り装置
において、許可された特定のブック原稿から、或いは、
特定ユーザーによる画像読み取り(複写)のみを可能と
することにより、著作権問題への対処を図り得る画像読
み取り装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために、次の(1)乃至(8)の構成とした。
【0018】(1).請求項1記載の発明では、原稿台
と、前記原稿台上に見開かれて載置されたブック原稿の
原稿面上を露光走査することによって前記ブック原稿画
像の読み取りを行なう読み取り手段と、原稿台に載置さ
れたブック原稿の表紙又は背表紙の所定位置に付された
識別符号を検知する検知手段と、前記検知手段によっ
て、前記識別符号が検知された場合にのみ前記読み取り
手段による読み取り動作を可能とするように前記読み取
り手段を制御する制御手段と、を有することとした。
【0019】(2).請求項2記載の発明では、請求項
1記載の画像読み取り装置において、前記制御手段は、
装置外部から読み取り手段による読み取り動作を可能に
するための識別信号を入力する入力手段を有し、前記識
別信号の入力が検知された場合にのみ前記読み取り手段
による読み取り動作を可能とするように前記読み取り手
段を制御することとした。
【0020】(3).請求項3記載の発明では、原稿台
上に載置されたブック原稿の読み取りを行なうブック原
稿読み取りモードと、シート原稿トレイ上に載置された
シート原稿を1枚毎に原稿台上に給送して、前記シート
原稿画像の読み取りを行なうADFモードと、が選択可
能な画像読み取り装置であって、原稿台に載置されたブ
ック原稿の表紙又は背表紙の所定位置に付された識別符
号を検知する検知手段と、ブック原稿読み取りモードが
選択されている場合には、前記検知手段によって前記識
別符号が検知されたときにのみ前記読み取り手段による
読み取り動作を可能とするように前記読み取り手段を制
御する制御手段と、を有することとした。
【0021】(4).請求項4記載の発明では、原稿台
と、前記原稿台上に載置されたブック原稿の読み取りを
行なうブック原稿読み取りモードと、前記原稿台上に載
置された任意の原稿上の原稿画像の読み取りを行なう圧
板モードと、が選択可能な画像読み取り装置であって、
原稿台に載置されたブック原稿の表紙又は背表紙の所定
位置に付された識別符号を検知する検知手段と、ブック
原稿読み取りモードが選択されている場合には、前記検
知手段によって前記識別符号が検知されたときにのみ前
記読み取り手段による読み取り動作を可能とするように
前記読み取り手段を制御する制御手段と、を有すること
とした。
【0022】(5).請求項5記載の発明では、原稿台
上に載置されたブック原稿の読み取りを行なうブック原
稿読み取りモードと、シート原稿トレイ上に載置された
シート原稿を1枚毎に原稿台上に給送して、前記原稿画
像の読み取りを行なうADFモードと、が選択可能な画
像読み取り装置であって、装置外部から読み取り手段に
よる読み取り動作を可能とするための識別信号を入力す
る入力手段と、前記識別信号の入力を検知する検知手段
と、ブック原稿読み取りモードが選択されている場合に
は前記検知手段によって前記識別信号の入力が検知され
たときにのみ前記読み取り手段による読み取り動作を可
能とするように前記読み取り手段を制御する制御手段
と、を有することとした。
【0023】(6).請求項6記載の発明では、原稿台
と、前記原稿台上に載置されたブック原稿の読み取りを
行なうブック原稿読み取りモードと、前記原稿台上に載
置された任意の原稿上の原稿画像の読み取りを行なう圧
板モードと、が選択可能であって、装置外部から読み取
り手段による読み取り動作を可能とするための識別信号
を入力する入力手段と、前記識別信号の入力を検知する
検知手段と、ブック原稿読み取りモードが選択されてい
る場合には、前記検知手段によって前記識別信号の入力
が検知されたとにきのみ前記読み取り手段による読み取
り動作を可能とするように前記読み取り手段を制御する
制御手段と、を有することとした。
【0024】(7).請求項7記載の発明では、原稿台
と、前記原稿台上に載置された原稿の原稿面上を露光走
査することによって原稿画像の読み取りを行なう読み取
り手段と、前記読み取り手段によって読み取られた画像
情報を出力する出力手段と、を有する画像読み取り装置
であって、前記読み取り手段による原稿面上の露光走査
によって原稿面上の所定位置に付された識別符号の検出
動作を行なうと共に、前記検出動作によって前記識別符
号が検知された場合にのみ前記出力手段による出力動作
を可能とするように前記出力手段を制御する、こととし
た。
【0025】(8).請求項8記載の発明では、請求項
記載の画像読み取り装置において、読み取り手段によ
って読み取られた画像情報を出力する際、所定位置に識
別符号が付されたブック原稿から読み取った情報である
場合は、その旨を識別するための付加情報を出力手段に
よる出力情報に付加する、こととした。
【0026】
【作用】著作権管理用としての識別符号の付された原稿
の読み取りは自動的に阻止される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。本発明の実施例の説明に先立って、この発明
が実施される前記のMFDS(ブック原稿のページめく
り読み取り装置)について、その構成および動作を説明
する。
【0028】先ず、図1を参照しながら、本発明による
原稿読み取り装置におけるめくり搬送ベルトの周辺の構
成について説明する。図1は、本発明を実施した、マル
チ・ファンクション・ドキュメント・スキャナA(以
下、”MFDS”とする)の概略断面図である。図1に
おいて、めくり搬送ベルト8は、駆動ローラ12、テン
ションローラ13、第1ベルト支持ローラ97、第2ベ
ルト支持ローラ98、第3ベルト支持ローラ99、第4
ベルト支持ローラ100、及び、第5ベルト支持ローラ
101により支持されている。
【0029】このとき、めくり搬送ベルト8は、ページ
めくり読取ユニット1のめくりローラ2、第1バイアス
ローラ3、第1ローラ4、第2ローラ5、及び、押えロ
ーラ6を介して、このページめくり読取ユニット1を取
り巻くように支持されている。
【0030】テンションローラ13は、ベルトテンショ
ンスプリング112によって、図1において左方向に引
っ張られ、めくり搬送ベルト8に適度なテンションを与
え、ブック原稿92の原稿面を押圧している。ベルトテ
ンションセンサ32は、テンションローラ13の移動量
からめくり搬送ベルト8のテンションを検出している。
【0031】一方、MFDSの搬送部19の上部には、
シート原稿200をセットするためのシート原稿トレイ
94と、シート原稿200のサイド方向のセット位置を
調整するシート原稿サイドガイド93と、排紙されたシ
ート原稿200が載置される排紙トレイ23とが、それ
ぞれ配設されている。
【0032】また、MFDSの給紙部21(図1の右上
方)には、シート原稿200のセットの有無を検知する
シート原稿センサ25と、シート原稿200を一枚ずつ
分離給紙する給紙ローラ96及び給紙分離パッド95
と、シート原稿200の給紙タイミングをはかる給紙セ
ンサ26とが配設されており、さらに、シート原稿20
0の搬送路を構成する第1搬送ガイド108及び第2搬
送ガイド109が配設されている。
【0033】さらに、ベルト支持ローラ97の僅かに左
側のめくり搬送ベルト8の外側には、シート原稿200
の搬送時の帯電用としての第2バイアスローラ11があ
り、その内側には、支持用のバイアス対向ローラ102
がある。
【0034】また、第2搬送ガイド109の下端には、
搬送ガイド爪115があり、シート原稿200の搬送を
補助している。さらに、第4ベルト支持ローラ100に
は第6対向ローラ105、第5ベルト支持ローラ101
には第7対向ローラ106、駆動ローラ12には排紙ロ
ーラ107が、めくり搬送ベルト8を挾んでめくり搬送
ベルト8の外側にそれぞれ配設されている。
【0035】また、第3ベルト支持ローラ99から駆動
ローラ12までのめくり搬送ベルト8の外側には、シー
ト原稿200の搬送路を構成する第3搬送ガイド110
が配設されている。ここで、第2ベルト支持ローラ98
から第3ベルト支持ローラ99までの間は、原稿台18
の上面の原稿載置面116がシート原稿200の搬送路
として使用される。
【0036】この原稿載置面116は、プレスキャンし
てブック原稿92のサイズを検出する際に、このブック
原稿92の先端の検知をし易くするために、黒色に形成
されている。一方、図1において左上方のMFDSの排
紙部22には、排紙ローラ107の手前に排紙センサ2
8があって、シート原稿200の排紙時におけるジャム
の有無を検知している。
【0037】また、この排紙部22の排紙口117の下
側には、排紙分離爪111が形成されており、シート原
稿200のスムーズな排紙を補助している。MFDSの
原稿台18には、第2ベルト支持ローラ98の下側に第
4対向ローラ103が、第3ベルト支持ローラ99の下
側に第5対向ローラ104がそれぞれ配設され、ページ
めくり読取ユニット1がホームポジション位置〔1A〕
にあるときのめくりローラ2の下側に第1対向ローラ1
5が、押えローラ6の下側に第2対向ローラ16が、第
1読み取りセンサユニット9の下側に第2読み取りセン
サユニット14が、それぞれ配設されている。
【0038】また、ページめくり読取ユニット1がエン
ドポジション位置(シート原稿200の読み込みモード
時におけるページめくり読取ユニット1の停止位置)
〔1C〕にある時の、第1読み取りセンサユニット9の
下側には第3対向ローラ17が、めくりローラ2の下側
にはブックサイズ上限センサ33が、それぞれ配設され
ている。
【0039】さらに、原稿載置面116の中央には、ブ
ック原稿92の載置位置を決めるための中央基準位置決
め部24が形成されている。この中央基準位置決め部2
4には、ブック原稿92が載置された状態でブック原稿
92の背に当接する中央位置決め板113と、この中央
位置決め板113に対して上昇する習性を与えるための
中央位置決めスプリング114と、ブック原稿92の載
置状態における中央位置決め板113の下方への変位量
を検出するブック原稿センサ27とが、それぞれ配設さ
れている。ここで、中央位置決め板113の一部は切り
欠かれていて、この切欠部の下方には、図67にも示す
ように識別符号検知手段としてのバーコードスキャナ3
41aが配置され制御手段としてのワンチップマイコン
330に接続されている。
【0040】このように構成された原稿台18の下部に
は、MFDSを略水平に支持するためのスタンド91が
設けられている。一方、搬送部19の原稿台18と接す
る部位の両脇には、搬送部ロックセンサ31を内蔵した
搬送部ロック装置140が配設されており、搬送部19
と原稿台18との開閉状態を検知している。
【0041】以上述べたように、このMFDSは、シー
ト原稿200の自動原稿給送・読取機能と、ブック原稿
の読み取り及び自動ページめくり機能との両機能を合わ
せ持った原稿読み取り装置として構成される。次に、図
2乃至図4を参照しながら、この原稿読み取り装置にお
ける駆動系の構成について説明する。
【0042】図2は、MFDSの駆動系の概略横断面図
である。図3は、MFDSの駆動系の概略平面図であ
る。図4は、ページめくり読取ユニット1の端部の斜視
図である。図2乃至図4において、ページめくり読取ユ
ニット1は、めくりユニット駆動板49のスキャニング
パイプ51が、MFDSの手前側と奥側とに平行に横架
された一対のスキャニングロッド50に嵌挿されること
によって、MFDSの左右方向に沿って摺動自在に支持
されている。
【0043】各スキャニングロッド50は、MFDSの
搬送部右側板58と、搬送部左側板59とに、それぞれ
の端部が固定されている。また、図3に示すように、搬
送部前側板56と搬送部後側板57との間には、第1シ
ャフト64と第2シャフト65とが、それぞれ回転自在
に軸支されている。これらの第1シャフト64と第2シ
ャフト65には、駆動プーリ62と従動プーリ63と
が、その手前側と奥側とに、それぞれ1つずつ固定され
ていて、これらの駆動プーリ62と従動プーリ63を一
対として、2本のめくりユニット駆動ベルト52が、そ
れぞれ懸架がされている。
【0044】このページめくり読取ユニット1は、図3
及び図4に示すように、めくりユニット駆動板49の駆
動ベルト固定部53で、駆動ベルト固定板54と駆動ベ
ルト固定ビス55によって、めくりユニット駆動ベルト
52と固定されており、このめくりユニット駆動ベルト
52の回動により駆動される。
【0045】また、第1シャフト64には、搬送部後側
板57を挾んで、その奥側に第1ギア66が固定されて
おり、この第1ギア66がめくりユニット駆動モータ6
0の出力軸に固定された第2ギア67と噛み合って、め
くりユニット駆動モータ60の回転が伝達され、駆動プ
ーリ62、めくりユニット駆動ベルト52、従動プーリ
63、及び、ページめくり読取ユニット1が、それぞれ
駆動される。
【0046】一方、図3に示すように、第4ベルト支持
ローラ100と同軸固定された第3シャフト121、駆
動ローラ12と同軸固定された第4シャフト122、給
紙ローラ96と同軸固定された第7シャフト125、第
1ベルト支持ローラ97と同軸固定された第8シャフト
126は、搬送部前側板56と搬送部後側板57との間
にそれぞれ回転自在に軸支されている。第4シャフト1
22には、搬送部後側板57を挾んで、その奥側に第3
ギア68が固定されている。また、第4ギア69と第5
ギア73とは、同軸固定され回転自在に軸支されてい
る。
【0047】さらに、めくり搬送ベルト駆動モータ61
の出力軸に固定された第6ギア74は第5ギア73と、
また、第4ギア69は第3ギア68と、それぞれ噛み合
っていて、めくり搬送ベルト駆動モータ61の回転を順
次伝達し、駆動ローラ12を駆動してめくり搬送ベルト
8を回動させる。
【0048】また、図2及び図3に示すように、第8シ
ャフト126には、搬送部後側板57の奥側に第2給紙
プーリ130が、第7シャフト125には、搬送部後側
板57の奥側に給紙クラッチ128を介して第1給紙プ
ーリ129が、それぞれ固定されており、第2給紙プー
リ130と第1給紙プーリ129とには、給紙駆動ベル
ト127が懸架されている。
【0049】これにより、めくり搬送ベルト8の回動に
よって回転された第1ベルト支持ローラ97の回転は、
第8シャフト126、第2給紙プーリ130、給紙駆動
ベルト127、第1給紙プーリ129に順次伝達され、
給紙クラッチ128の入力側に伝達される。
【0050】また、メイン制御ボード310(図34参
照)から送られる制御信号によって、給紙クラッチ12
8が作動し、第7シャフト125及び給紙ローラ96が
駆動される。一方、図1に示した、第1対向ローラ1
5、第2対向ローラ16、及び、第3対向ローラ17
は、図示しない駆動伝達機構によって、めくり搬送ベル
ト8と同期し、且つ、同じ周速でそれぞれ駆動される。
【0051】次に、図1乃至図4を参照しながら、ペー
ジめくり読取ユニット1の構成について説明する。図1
乃至図4において、第1めくりユニット側板40と、第
2めくりユニット側板41は、めくり搬送ベルト8を挾
む位置に互いに対向して配置されており、これらの第1
めくりユニット側板40と、第2めくりユニット側板4
1との間には、めくりローラ2、第1バイアスローラ
3、第1ローラ4、第2ローラ5、及び、押えローラ6
がそれぞれ回転自在に支持されている。これらの各ロー
ラの支持構造は、何れも同じに構成されている。
【0052】そこで、第1ローラ4を例に取って説明す
ると、この第1ローラ4は、図5に示すように、第1め
くりユニット側板40と第2めくりユニット側板41に
両端部が固定された第5シャフト123が、中空軸から
なるこの第1ローラ4の中空部に挿通され、この第5シ
ャフト123に配設された一対の軸受131によって、
この第1ローラ4の両端部が支持されることにより、第
5シャフト123に対して回転自在に支持されている。
【0053】ここで、これらのめくりローラ2、第1バ
イアスローラ3、第1ローラ4、第2ローラ5、及び、
押えローラ6は、自らは回転せず、めくり搬送ベルト8
の回動によってのみ回転される。また、第1めくりユニ
ット側板40と第2めくりユニット側板41の外側に
は、図1に示す第1読み取りセンサユニット9の長手方
向の延長位置に、回動支持ロッド42(両側とも同じに
構成されている)がそれぞれ回転自在に支持されてい
る。
【0054】そこで、この回動支持ロッド42の片側の
みの支持構造を説明すると、この回動支持ロッド42
は、図4に示すように、摺動パイプ43、第2スプリン
グ止め爪48、上限検知部76と一体に構成されてい
る。図4において、傾き修正スプリング44は、ねじり
コイルスプリングで形成されており、その一端が回動支
持ロッド42に、他端が第1めくりユニット側板40
に、それぞれ固定されている。
【0055】この傾き修正スプリング44は、その自然
状態、すなわち、傾き修正スプリング44に外力が加わ
っていない状態において、摺動パイプ43の軸心方向
(図4の上下方向)と、第1読み取りセンサユニット9
の読取光学系の光軸方向(第1読み取りセンサユニット
9の第1めくりユニット側板40及び第2めくりユニッ
ト側板41に対する移動方向(詳しくは後述))とを一
致させるように構成されている。
【0056】これにより、第1めくりユニット側板40
及び第2めくりユニット側板41が、各回動支持ロッド
42を中心としてそれぞれ一体的に回転した際、この傾
き修正スプリング44によって、これらの第1めくりユ
ニット側板40及び第2めくりユニット側板41に対し
て常に初期状態の姿勢に戻そうとする回転力が作用し、
これらの第1めくりユニット側板40及び第2めくりユ
ニット側板41の傾きが適時修正される。
【0057】また、摺動パイプ43は、図4に示すよう
に、摺動支持ロッド46に対して滑らかに摺動するよう
に構成されている。この摺動支持ロッド46の上端は上
部ロッド支持板70に、また、この摺動支持ロッド46
の下端は下部ロッド支持板71に、それぞれ固定されて
いる。
【0058】また、上部ロッド支持板70には第1スプ
リング止め爪47が、摺動パイプ43の上部には第2ス
プリング止め爪48が、それぞれ形成されており、これ
らの第1スプリング止め爪47及び第2スプリング止め
爪48によって、摺動パイプ43と上部ロッド支持板7
0との間に軸装された、めくりユニット上下スプリング
45の両端がそれぞれ係止されている。
【0059】ここで、摺動パイプ43は、通常の状態で
は、下部ロッド支持板71に当接しているが、ページめ
くり読取ユニット1が外力を受けることによって、めく
りユニット上下スプリング45の弾力に抗し、摺動支持
ロッド46に沿って、図4において上方に摺動する。こ
のとき、摺動パイプ43には、第2スプリング止め爪4
8を常に下方に押圧する、めくりユニット上下スプリン
グ45の弾力によって、上述の通常の状態に戻ろうとす
る摺動力が作用している。
【0060】また、この摺動パイプ43の上方への摺動
範囲は、めくりユニット駆動板49に配置されたスキャ
ンカットオフセンサ34が、摺動パイプ43に設けられ
た上限検知部76を検知した状態で、摺動パイプ43の
上方への摺動位置が限界位置となるように設定されてい
る。
【0061】一方、めくりユニット駆動板49は、図4
に示すように、上部ロッド支持板70、下部ロッド支持
板71、第1スプリング止め爪47、スキャニングパイ
プ51、駆動ベルト固定部53、及び、ホーム検知フィ
ラ75と一体的に形成されている。
【0062】また、このめくりユニット駆動板49の駆
動ベルト固定部53は、前述したように、駆動ベルト固
定板54と駆動ベルト固定ビス55によって、めくりユ
ニット駆動ベルト52に固定されている。さらに、この
めくりユニット駆動板49のスキャニングパイプ51
は、スキャニングロッド50に対して滑らかに摺動する
ように嵌合されている。
【0063】これにより、前述したように、めくりユニ
ット駆動ベルト52が駆動されて、ページめくり読取ユ
ニット1が、そのホームポジション位置〔1A〕に到達
した時点で、図3に示すホームセンサ30により、スキ
ャニングパイプ51のホーム検知フィラ75が検知され
るように構成されている。
【0064】次に、図6乃至図8を参照しながら、この
原稿読み取り装置における搬送部ロック装置の構成につ
いて説明する。図6乃至図8は、MFDSの両側部に配
設された搬送部ロック装置140(両側とも同じ構成)
の一方の構成を示す概略図である。
【0065】この搬送部ロック装置140は、ロック解
除ソレノイド132、及び、ロック杆134等で構成さ
れている。図6乃至図8において、ロック解除ソレノイ
ド132は、ロック解除ソレノイドアーム133の一端
と連結されている。
【0066】ロック解除ソレノイドアーム133の他端
は、ロック杆134の一端と回転自在に軸支されてい
る。このロック杆134のロック解除ソレノイドアーム
133に対向するがわの側部には、電磁ロック141が
配置されている。また、ロック杆134の他端には、ロ
ック解除ソレノイドアーム133が配置されているがわ
に向けて鍵爪状に折曲されたロック爪134aが形成さ
れている。
【0067】ロック杆134は、回転部136で回転自
在に支持されており、その回転部136の上部がわが、
ロックスプリング135の一端に繋がれている。このロ
ックスプリング135の他端は、搬送部19の一部に繋
がれていて、これにより、ロック杆134に対して、第
6図において、時計回転方向への回動習性を与えてい
る。
【0068】このロック杆134の回動習性による回動
は、その回転部136の左下側に配置されたロック爪ス
トッパ137によって、所定の角度に阻止されている。
一方、原稿台18側には、ロックピン139、及び、搬
送部ロックセンサ31が配置されたロック部138が形
成されている。
【0069】図6において、搬送部19を押し下げなが
ら閉じていくと、図7に示すように、ロックピン139
にロック杆134のロック爪134aの下端が当接し
て、ロック杆134がその回転部136を回転軸とし
て、反時計回りに回動される。この状態から、搬送部1
9をさらに閉じていくと、図8に示すように、ロック杆
134のロック爪134aがロックピン139に引っか
かって、搬送部19が原稿台18に固定される。
【0070】また、この搬送部19のロック動作時に、
ロック杆134のロック爪134aによって、搬送部ロ
ックセンサ31が作動される。この搬送部19のロック
の解除は、図16に示す操作表示ボード313のオープ
ンキー620を押すことによって実行される。
【0071】すなわち、操作表示ボード313のオープ
ンキー620を押下すると、ロック解除ソレノイド13
2が作動して、ロック杆134が回転部136を回転軸
として反時計回りに回動し、ロックピン139からロッ
ク杆134のロック爪134aが外れ、図示せぬ搬送部
開閉スプリングによって、搬送部19が上方へ開放され
る(図10参照)。
【0072】但し、このオープンキー620は、ブック
原稿92の一連のページめくり走査時、読み取り走査途
中、及び、シート原稿200の搬送中の場合には、作動
しない(入力を受け付けない)ようにプログラムされて
いる。
【0073】また、このようにオープンキー620が入
力を受け付けない状態では、電磁ロック141が作動さ
れ、この電磁ロック141によって、ロック爪134a
がロックピン139に係合されたままの状態で、ロック
杆134の回動が拘束されるように構成されている。
【0074】上述のように構成されたMFDSは、図9
及び図10に示すように、例えば、プリンタ300の上
部に搭載されて使用される。図10は、上述したよう
に、このMFDSの搬送部19を開放した状態を示して
いる。
【0075】次に、図11乃至図13を参照しながら、
この原稿読み取り装置におけるページめくり読取ユニッ
ト1の内部の第1読み取りセンサユニット9の構成につ
いて説明する。図11は第1読み取りセンサユニット9
の端部付近の斜視図、図12は第1読み取りセンサユニ
ット9の端部付近の側面図、図13は第1読み取りセン
サユニット9の端部の詳細断面図である。
【0076】この第1読み取りセンサユニット9の両端
部は、両方共同じに構成されているので、ここではその
片方のみの構成を説明する。第1読み取りセンサユニッ
ト9は、図11に示すように、コの字状に形成された読
み取りセンサブラケット146によって、その上部が覆
われており、かつ、この読み取りセンサブラケット14
6に対して、上下動自在に配設されている。 読み取り
センサブラケット146は、その両端が第1めくりユニ
ット側板40及び第2めくりユニット側板41に固定さ
れることによって、ページめくり読取ユニット1と一体
に構成されている。
【0077】この読み取りセンサブラケット146の端
部の少し内側には、読み取りセンサスタッド148が下
向きに固定されている。この読み取りセンサスタッド1
48の下端部は、図13に示すように、第1読み取りセ
ンサユニット9の端部に形成されているボス149に嵌
合されている。これにより、第1読み取りセンサユニッ
ト9が、読み取りセンサスタッド148を介して、読み
取りセンサブラケット146に対して上下動自在に支持
される。
【0078】ここで、読み取りセンサスタッド148と
ボス149とは、読み取りセンサスタッド148の下端
に形成されたフランジ状の掛り部によって、それらの嵌
合が外れないように構成されている。また、読み取りセ
ンサブラケット146の読み取りセンサスタッド148
の基部と、第1読み取りセンサユニット9のボス149
の基部との間には、読み取りセンサスプリング147が
軸装されており、この読み取りセンサスプリング147
の伸長力によって、第1読み取りセンサユニット9に対
して、下方への変位習性が付勢されている。
【0079】これにより、この第1読み取りセンサユニ
ット9は、常に、ページめくり読取ユニット1の最下部
位に位置し、例えば、ブック原稿92の表面の凹凸等に
よって外力を受けた際に、この外力に逆らうことなく、
ブック原稿92の表面の凹凸等に沿って滑らかに上下動
される。また、第1読み取りセンサユニット9の端部に
は、図11に示すように、読み取りセンサ解除ソレノイ
ドアーム151を介して、読み取りセンサ解除ソレノイ
ド150が取付けられている。
【0080】この読み取りセンサ解除ソレノイド150
は、図12に示すように、第1めくりユニット側板40
に固定されており、第1読み取りセンサユニット9で原
稿読み取り動作を行なわずにページめくり読取ユニット
1が移動されるとき、例えば、ページめくり動作時、非
読み取りページの空走査時、及び、シート原稿スキャン
モードのリターン時等に、この読み取りセンサ解除ソレ
ノイド150が作動される。
【0081】この読み取りセンサ解除ソレノイド150
が作動されると、読み取りセンサスプリング147の弾
力に抗して、第1読み取りセンサユニット9が上方へ移
動され、その原稿走査面が原稿の表面から退避(離隔)
される。この第1読み取りセンサユニット9は、めくり
ローラ2の回転によって発せられるエンコーダ152の
信号をその画像読み取りの基準信号としている。このめ
くりローラ2とエンコーダ152は、第14図に示すよ
うに構成されている。
【0082】第14図は、めくりローラ2の奥側の側面
図を示している。第14図において、めくりローラ2の
奥側の端部には、王冠状に形成されたフィラ153が配
設されている。フィラ153は、等間隔の同じ幅のスリ
ットを円周上に形成して構成されている。
【0083】エンコーダ152は、このフィラ153を
上下に挾むようにして、第2めくりユニット側板41に
固定されている。これにより、このエンコーダ152
は、めくりローラ2の回転に応じ、フィラ153がエン
コーダ152の検知光路を周期的に遮ることによって、
第1読み取りセンサユニット9の画像読み取りの基準信
号を発生する。
【0084】一方、原稿台18に対するブック原稿92
の位置決めは、中央基準位置決め部24によって行われ
る。この中央基準位置決め部24の詳細断面図を第15
図に示す。この中央基準位置決め部24は、ブック原稿
92の読み取り走査時、及び、ページめくり走査時の基
準位置となっている。
【0085】中央基準位置決め部24は、原稿載置面1
16の中央部に形成された溝内に構成されている。この
溝内には、中央位置決め板113が、原稿載置面116
に対して昇降自在に嵌合されている。中央位置決め板1
13は、その下部に配設された中央位置決めスプリング
114によって、常に、上昇する習性が与えられてい
る。
【0086】この習性による中央位置決め板113の上
方への移動は、原稿載置面116の溝の縁部に形成され
たストッパ118に、中央位置決め板113のストッパ
爪119が当接することによって阻止され、平生、第1
5図の破線で示す位置で停止されている。原稿載置面1
16へのブック原稿92のセットは、溝内の中央位置決
め板113の上にブック原稿92の背(綴じ部)を載せ
ることによって行われる。
【0087】すなわち、溝内の中央位置決め板113の
上にブック原稿92の背(綴じ部)が載せられると、こ
のブック原稿92の自重によって、中央位置決め板11
3が下方に押し下げられる。これにより、原稿載置面1
16の溝内の側部に配置されたブック原稿センサ27
が、中央位置決め板113の移動を検知して、ブック原
稿92のセットが認知される。
【0088】ところで、この原稿台18の全面部位に
は、MFDSの操作表示ボード313が配置されている
(図9及び図10参照)。この操作表示ボード313
は、図16に示すような、多数の入力キーが配置されて
いる。以下、これらの入力キーの機能を順に説明する。
【0089】スタートキー600は、原稿の読み取り開
始を指示するときに押される。エンターキー601は、
テンキー入力や液晶表示パネル上での選択入力のとき
に、その入力を確定する際に押される。テンキー602
は、原稿のプリント枚数、及び、ページめくり枚数等を
設定するときに使用される。
【0090】読み取り開始ページ選択キー603は、ブ
ック原稿読み取りモード時おいて、ブック原稿92の向
かって「左」・「右」どちらのページから読み取りを開
始するかを選択するキーであって、このキーを1回押下
する毎に、ブック原稿92の読み取り開始ページの左右
が切り替わる。
【0091】このキーの初期設定時における読み取り開
始ページは、「左」ページに設定されており、このキー
により選択されたの読み取り開始ページがブック原稿9
2の左右の何れであるかは、2つの読み取り開始ページ
表示LED631のどちらが点灯されているかによって
表示される。
【0092】読み取り総ページ設定キー606は、ブッ
ク原稿読み取りモードにおいて、そのページめくり枚数
を入力する際の、読み取りたい総ページ枚数を設定する
ときに押下される。
【0093】ブック原稿92の読み取り総ページ枚数
は、この読み取り総ページ設定キー606を押下して、
テンキー602でそのページ数を入力した後、エンター
キー601を押下することにより確定され、この確定さ
れた値が液晶表示パネル630に表示される。
【0094】ブックサイズ選択キー607は、ブック原
稿読み取りモードのときに、「自動ブックサイズ認識モ
ード」、もしくは、「ブックサイズキー入力モード」の
何れかを選択する際に押下される。また、このキーが1
回押される毎に、ブックサイズ表示LED632の表示
が、「自動」・「定形」・「不定形(mm入力)」の順
に切り替えられ、このブックサイズ表示LED632に
より表示されたモードが選択される。
【0095】このブックサイズ選択キー607の初期設
定時の、ブックサイズ表示LED632の表示は、「自
動」になっており、「自動ブックサイズ認識モード」が
選択されている。ここで、ブックサイズキー入力モード
には、「定形」と、「不定形(mm入力)」とがあり、
ブックサイズが、A5・B5・A4の場合に限り、「定
形」を選択することにより、定形ブックサイズ選択キー
619によるブックサイズの入力が可能となる。
【0096】この定形ブックサイズ選択キー619が1
回押される毎に、定形ブックサイズ表示LED633の
表示が、「A5」・「B5」・「A4」の順に切り替え
られ、選択されたブックサイズが表示されて認識され
る。この定形ブックサイズ選択キー619の初期設定時
の、定形ブックサイズ表示LED633の表示は、「A
4」となっている。但し、ここでいうブックサイズと
は、ブック原稿92の表紙の大きさを指している。
【0097】ここで、ブック原稿92が、上述した定形
ブックサイズ以外の場合には、ブックサイズ選択キー6
07により、「不定形(mm入力)」を選択し、テンキ
ー602で、セットされたブック原稿92の縦サイズ、
及び、横サイズ(mm単位)をそれぞれ入力した後、エ
ンターキー601を押下して、そのブックサイズを確定
する。
【0098】このようにしてブック原稿92のサイズが
確定されると、その入力されたサイズ値が液晶表示パネ
ル630に表示される。ブック綴じ部マスク領域設定キ
ー608は、ブック原稿読み取りモードのときに、中央
基準位置決め部24のセンターからの非読み取り領域
(マスク領域)を、「左(−)」・「右(+)」の何れ
とするかを設定するときに押下される。
【0099】すなわち、ブック原稿92のブック綴じ部
にマスク領域を形成するときには、先ず、このブック綴
じ部マスク領域設定キー608で、ブック原稿92の左
右何れのページにマスク領域を形成するかを設定し、次
いで、この設定された「左マスク領域(−)」、もしく
は、「右マスク領域(+)」の長さ(mm単位)を、テ
ンキー602により入力した後、エンターキー601で
この入力値を確定する。 このようにしてブック原稿9
2のマスク領域が確定されると、その入力された値が液
晶表示パネル630に表示される。このブック綴じ部マ
スク領域設定キー608の初期設定時におけるマスク領
域の値は、「±10mm」となっている。
【0100】読み取り領域選択キー609は、ブック原
稿読み取りモードのときに、ブック原稿92の読み取り
領域を、「片頁(左)」・「片頁(右)」・「両頁」の
うちの何れとするかを選択する際に押下される。
【0101】この読み取り領域選択キー609が1回押
される毎に、読み取り領域表示LED636の表示が、
「片頁(左)」・「片頁(右)」・「両頁」の順に切り
替えられ、選択された読み取り領域が表示されて認識さ
れる。
【0102】この読み取り領域選択キー609の初期設
定時の、読み取り領域表示LED636の表示は、「両
頁」となっている。ここで、「片頁(左)」が選択され
た場合には、ブック原稿92の向かって左ページのみの
読み取り走査が実行され、右ページの読み取り走査は行
われない。また、ここで、「片頁(右)」が選択された
場合には、ブック原稿92の向かって右ページのみの読
み取り走査が実行され、左ページの読み取り走査は行わ
れない。
【0103】見開き連写キー610は、ブック原稿読み
取りモードの「見開き2ページ連続読み取りモード」、
及び、その「両面モード」のときに、読み取った原稿情
報を等倍率でプリントアウトすることを指示する際に押
下される。
【0104】見開き連写縮小キー611は、ブック原稿
読み取りモードの「見開き2ページ連続読み取りモー
ド」、及び、その「両面モード」のときに、読み取った
原稿情報を縮小倍率でプリントアウトすることを指示す
る際に押下される。
【0105】この時の、原稿情報の縮小倍率の設定は、
プリント変倍キー614を操作することによって行われ
る。また、この見開き連写縮小キー611の初期設定時
における基準縮小倍率は、「原稿のサイズ×0.71
(A3⇒A4/B4⇒B5)」に設定されている。
【0106】両面モード選択キー612は、ブック原稿
読み取りモードが、「見開き1ページ区切り読み取りモ
ード」の「両面モード」のときに、何れの面を表にし、
また、何れの面を裏にしてプリントするかを、「見開き
両面モード」・「オリジナル両面モード」・「順次両面
モード」の3つの両面モードの中から選択する際に押下
される。
【0107】この両面モード選択キー612が1回押さ
れる毎に、両面モード表示LED634の表示が、「見
開き両面モード」・「オリジナル両面モード」・「順次
両面モード」の順に切り替えられ、選択された読み取り
領域が表示されて認識される。
【0108】この両面モード選択キー612の初期設定
時の、両面モード表示LED634の表示は、「オリジ
ナル両面モード」となっている。ここで、「見開き両面
モード」が選択された場合には、見開かれたブック原稿
92の左右両ページのうち、左ページを表にし、右ペー
ジを裏にして、両面プリントが実行される。
【0109】このとき、読み取り開始ページ選択キー6
03により、ブック原稿92の読み取り開始ページが
「右」に設定されている場合には、始めの1枚目のプリ
ントは片面プリントとなる。
【0110】また、ここで、「オリジナル両面モード」
が選択された場合には、見開かれたブック原稿92の左
右両ページのうち、右ページを表にし、ページめくり動
作によりめくられた次のページの左ページを裏にして、
両面プリントが実行される。すなわち、この「オリジナ
ル両面モード」では、読み取られるブック原稿92の装
丁と全く同様にプリントされる。
【0111】このとき、読み取り開始ページ選択キー6
03により、ブック原稿92の読み取り開始ページが
「右」に設定されている場合には、「見開き両面モー
ド」の場合と同様、始めの1枚目のプリントは片面プリ
ントとなる。さらに、ここで、「順次両面モード」が選
択された場合には、見開かれたブック原稿92の左右両
ページのうち、読み取り開始ページ選択キー603で設
定されたページを表にし、ページめくり動作によりめく
られた次のページを裏にして、以後、順次読み取った順
番に両面プリントが実行される。
【0112】見開き連写高速プリント設定キー613
は、ブック原稿読み取りモードの「見開き2ページ連続
読み取りモード」の「片面モード」のときに、ブック原
稿92の綴じ部付近において、ページめくり読取ユニッ
ト1の操作を減速または停止させること無く、連続して
読み取り走査を実行し、ブック原稿92の左右両ページ
の連続プリントを指示する際に押下される。
【0113】プリント変倍キー614は、読み取った画
像を変倍してプリントするときに、その変倍率を設定す
るためのキーである。このプリント変倍キー614を押
下すると、液晶表示パネル630に、予め設定された変
倍率が表示される。ここで、変倍率は、カーソル移動キ
ー617で希望する変倍率にカーソルを合わせてから、
エンターキー601を押下することにより確定される。
【0114】画像処理設定キー615は、読み取った画
像を画像処理してプリントするときに、その画像処理モ
ードを設定するためのキーである。この画像処理設定キ
ー615を押下すると、液晶表示パネル630に、予め
設定された画像処理モードが表示される。
【0115】ここで、画像処理モードは、カーソル移動
キー617で希望する画像処理モードにカーソルを合わ
せてから、エンターキー601を押下することにより確
定される。モード設定選択キー616は、MFDSの動
作モードを設定するためのキーである。
【0116】このモード設定選択キー616を押下する
と、液晶表示パネル630に、予め設定されたMFDS
の動作モードが表示される。ここで、MFDSの動作モ
ードは、希望するMFDSの動作モードカーソルを合わ
せてから、エンターキー601を押下することにより確
定される。
【0117】カーソル移動キー617は、液晶表示パネ
ル630に表示された各選択エリアにカーソルを移動さ
せるためのキーである。読み取りスキップページ設定キ
ー618は、ブック原稿読み取りモードにおいて、読み
取り走査を実行せずに読み飛ばすページを設定するため
のキーである。 すなわち、ブック原稿92の各ページ
のうち、原稿読み取り走査を実行せずに読み飛ばしたい
ページがある場合には、先ず、この読み取りスキップペ
ージ設定キー618を押下し、次いで、ブック原稿92
の読み飛ばしたいページ(スキップページ)が、その読
み取り開始ページから何ページ目であるかをテンキー6
02で入力した後、エンターキー601を押下して、こ
のスキップページを確定する。
【0118】このようにして入力されたスキップページ
は、液晶表示パネル630に表示される。定形ブックサ
イズ選択キー619は、ブック原稿92のブックサイズ
を選択するためのキーである。
【0119】前述したように、ブックサイズキー入力モ
ードには、「定形」と、「不定形(mm入力)」とがあ
り、ブックサイズが、A5・B5・A4の場合に限り、
「定形」を選択することにより、この定形ブックサイズ
選択キー619によるブックサイズの入力が可能とな
る。
【0120】この定形ブックサイズ選択キー619が1
回押される毎に、定形ブックサイズ表示LED633の
表示が、「A5」・「B5」・「A4」の順に切り替え
られ、選択されたブックサイズが表示されて認識され
る。
【0121】この定形ブックサイズ選択キー619の初
期設定時の、定形ブックサイズ表示LED633の表示
は、「A4」となっている。但し、ここでいうブックサ
イズとは、ブック原稿92の表紙の大きさを指してい
る。
【0122】オープンキー620は、MFDSの搬送部
19を開放するときに押下される。シート原稿セット選
択キー625は、シート原稿読み取りモードにおいて、
「シート原稿スルーモード」の「片面原稿読み取りモー
ド」のときに、原稿載置面116にセットされるシート
原稿200の原稿面を「上向き」・「下向き」の何れか
に選択するためのキーである。
【0123】このシート原稿セット選択キー625が1
回押される毎に、シート原稿セット表示LED635の
表示が、「上向き」・「下向き」の順に切り替えられ、
選択されたシート原稿セット面が表示されて認識され
る。このシート原稿セット選択キー625の初期設定時
の、シート原稿セット表示LED635の表示は、「上
向き」となっている。
【0124】次に、図9及び図10に示したプリンタ3
00について説明する。このプリンタ300の概略断面
図を図17に示す。画像処理後の画像情報は、プリンタ
300の書き込み部において、レーザ光のラスター走査
によって、光の点の集合の形で感光体ドラム170上に
書き込まれる。
【0125】このときのレーザ光源には、半導体レーザ
が使用されている。このプリンタ300の書き込み部の
平面図を図18に示す。図18において、半導体レーザ
171で発せられたレーザ光は、コリメートレンズ17
2で平行な光束に変えられ、アパーチャ173により、
一定形状の光束に整形される。
【0126】この整形されたビームは、第1シリンダー
レンズ174により、その副走査方向を圧縮された形で
ポリゴンミラー175に入射される。このポリゴンミラ
ー175は、正確な多角形状をしており、ポリゴンモー
タ176により、一定方向に一定の速度で回転されてい
る。
【0127】このポリゴンミラー175の回転速度は、
感光体ドラム170の速度と、書き込み密度と、面数と
によって決定される。ポリゴンミラー175に入射され
たレーザ光は、その反射光がミラーの回転により偏向さ
れる。この偏向されたレーザ光は、各fθレンズ177
a,177b,177cに入射される。
【0128】これらのfθレンズ177a,177b,
177cは、角速度が一定の走査光を感光体ドラム17
0上で等速走査するように変換する機能、感光体ドラム
170上で最小光点となるようにこの走査光を結像させ
る機能、及び、その面倒れを補正する機能を有してい
る。
【0129】各fθレンズ177a,177b,177
cを通過した光は、その画像領域外で、同期検知ミラー
178により同期検知センサ179に導かれ、主走査方
向の頭出し信号を出す同期信号が出力されてから、一定
時間後に画像データが1ライン分だけ出力され、以下、
これを繰り返すことにより、1つの画像を形成する。一
方、感光体ドラム170の表面には、感光層が塗布され
ている。
【0130】ここで、半導体レーザ171の780nm
という波長に感度を有する感光体としては、有機感光体
(OPC)、α−Si、Se−Te等が知られている
が、本実施例では、有機感光体を使用している。
【0131】また、一般に、レーザ書き込みの場合、画
像部に光をあてるN/Pプロセスと、地肌部に光をあて
るP/Pプロセスがあるが、本実施例では、そのレーザ
書き込みプロセスとして、画像部に光をあてるN/Pプ
ロセスを採用している。
【0132】図17において、感光体ドラム170の表
面は、感光体ドラム170がわにグリッドを持つスコロ
トロン方式の帯電チャージャ180により、均一に負帯
電させる。
【0133】次いで、この負帯電された感光体ドラム1
70の画像部に、レーザ光が照射されて、この画像部電
位が落されると、この感光体ドラム170の表面に、地
肌部電位が−750〜−800V、画像部電位が−50
V程度の静電潜像が形成される。
【0134】この静電潜像は、現像器181の現像ロー
ラに、−500〜−600Vのバイアス電圧を与えて、
負帯電されたトナーによって、顕像化される。この現像
器181によって顕像化された画像は、感光体ドラム1
70の回転にシンクロして給送された転写紙の紙面上
に、この転写紙の裏面側から正電位のチャージをかける
転写チャージャ182の転写作用によって転写される。
【0135】この画像の転写された転写紙は、転写チャ
ージャ182と一体に保持された分離チャージャ183
により交流除電されることによって、感光体ドラム17
0の表面から分離される。
【0136】このとき、転写紙に転写されずに、感光体
ドラム170上に残留されたトナーは、クリーニングブ
レード184により感光体ドラム170の表面から掻き
落され、このクリーニングブレード184の周囲に配設
されたタンク185内に回収される。また、感光体ドラ
ム170の表面に残留された電位のパターンは、除電ラ
ンプ186により光が照射されることによって消去され
る。
【0137】現像器181のすぐ下流側には、フォトセ
ンサ187が設けられている。このフォトセンサ187
は、受光素子と発光素子とで構成されており、感光体ド
ラム170の表面の反射濃度を計測し、この反射濃度
(現像後のトナー濃度)が予め設定された基準値以下に
なったときに、現像器181内に新たなトナーを補給す
るためのトナー補給信号を出力する。
【0138】すなわち、このフォトセンサ187は、例
えば、このフォトセンサ187の読み取り位置に対応し
た位置に、その光書き込み部で一定パターン(純黒また
は網点のパターン)を書き込み、このパターンを現像し
た後のパターン部の光反射率と、このパターン部位外の
感光体ドラム170の光反射率との比から現像された画
像の濃淡を判断し、この画像の濃度がその基準値よりも
低いときにトナー補給信号を出力するように構成され
る。
【0139】ここで、新たな補給トナーが不足している
場合には、トナー補給信号を出力しても、その現像濃度
が高くならない点を利用して、このフォトセンサ187
をトナーの残量不足を検知するセンサとして兼用させる
ように構成してもよい。
【0140】一方、本実施例のプリンタ300は、複数
のカセット188a,188bを備えており、且つ、画
像が一度転写された転写紙を再給紙ループ189を通し
て両面給紙し得るように構成されている。
【0141】すなわち、図17において、所定のカセッ
トが選択された後、プリンタ300のスタートボタンが
押されると、各カセット188a,188bの各給紙コ
ロ190a,190bのうちの選択されたがわの給紙コ
ロが回転されて、そのカセット内の転写紙がレジストロ
ーラ191のニップに突き当たるまで給送される。
【0142】このレジストローラ191は、感光体ドラ
ム170に形成された画像の位置と転写紙の位置とがシ
ンクロするタイミングをとって、回転が開始され、感光
体ドラム170の表面に向けて、転写紙を給送する。
【0143】これにより、この転写紙は、前述したよう
に、画像が転写され、さらに、感光体ドラム170の表
面から分離された後、分離搬送部192に吸引搬送さ
れ、ヒートローラ193、及び、加圧ローラ194から
なる定着ローラによって、その紙面上に転写されたトナ
ーが定着される。
【0144】このトナーの定着された転写紙は、通常の
プリント時には、切換爪195が図19(a)に示すよ
うな位置に臨み、この切換爪195により、プリンタ3
00の排紙口を通して排紙トレイ169上に排出され
る。
【0145】ここで、プリンタ300のプリントモード
が「両面モード」の場合には、切換爪195が図19
(b)に示す位置に切り換えられ、プリンタ300の左
側部に形成された両面搬送路に向けて転写紙が搬送され
る。
【0146】この転写紙は、反転ガイド爪196を通過
して、一旦、反転ガイドトレー197上へ導かれた後、
反転ガイド爪196が切り換えられ、且つ、反転ガイド
ローラ198が逆回転(反転)されることによって、再
給紙ループ189を通して、再び、レジストローラ19
1のニップに当接されるまで給送される。
【0147】このようにして、再給送された転写紙は、
前述の通常のプリント時と同様にして、感光体ドラム1
70上に形成されたトナー画像が転写・定着された後、
図19(a)で示す初期状態に切り換えられた、切換爪
195を経て排紙トレイ169上に排出される。
【0148】ここで、片面プリントモード時の排出時に
おける転写紙の画像定着面を排紙トレイ169の積載面
に対向させて転写紙の排出を行う、「裏面排紙モード」
が設定されている場合には、上述の「両面モード」時と
同様に、切換爪195が図19(b)に示す位置に切り
換えられ、転写紙がそのまま排紙されること無く、一
旦、両面搬送路に向けて搬送される。
【0149】そして、この転写紙の後端が、切換爪19
5を通過すると、その直後に、切換爪195が図19
(c)に示す位置に切り換えられるとともに、スイッチ
バックローラ199の回転方向が反転されて、この両面
搬送路に導かれた転写紙が、スイッチバック搬送され、
プリンタ300の排紙口を通して排紙トレイ169上に
排出される。
【0150】この「裏面排紙モード」では、片面プリン
トされた転写紙が、その画像定着面を排紙トレイ169
の積載面に対向させて排紙トレイ169上に排出される
ので、原稿の読み取りページ順どおりに、転写紙のプリ
ントページ順序の揃った転写紙の排出が行われる。
【0151】ところで、ページめくり読取ユニット1
は、図4を参照して説明したように、第1めくりユニッ
ト側板40と第2めくりユニット側板41との間に、め
くりローラ2、第1ローラ4、第2ローラ5、押えロー
ラ6、及び、第1バイアスローラ3が、それぞれ回転自
在に配設されている。
【0152】これらの、めくりローラ2、第1ローラ
4、第2ローラ5、押えローラ6、及び、第1バイアス
ローラ3には、図20に示すように、めくり搬送ベルト
8が掛け渡されている。
【0153】第1バイアスローラ3には、第1高圧電源
320が接続されていて、2本のポートより、吸着用,
除電用の各周波数の交流電圧が、それぞれ与えられるよ
うに構成されている。 また、このページめくり読取ユ
ニット1の内部の、めくりローラ2と第1読み取りセン
サユニット9との間には、めくりガイド10が、さら
に、このめくりガイド10の上方には、めくり搬送ベル
ト8の内周面に沿うようにしてページ収納部7が、それ
ぞれ配設されている。
【0154】このページ収納部7には、ページめくり時
のエラーを検知するための、フォトセンサなどからなる
ページめくりセンサ29が配置されている。このページ
めくりセンサ29は、めくりガイド10に配置してもよ
い。
【0155】また、めくりローラ2と押えローラ6との
間には、図11を参照して説明したように、第1読み取
りセンサユニット9が配置されている。この第1読み取
りセンサユニット9は、ページめくり読取ユニット1に
対して、約3mm程度上下移動可能に取付けられてお
り、原稿読み取り時には、読み取りセンサスプリング1
47により下方に押下されて、ブック原稿92、または
シート原稿200の原稿面に密着されるように構成され
ている。
【0156】また、この第1読み取りセンサユニット9
は、図21に示すように、原稿の照明系としてのLED
316、原稿像の結像系としてのRMLA81(ルーフ
ミラーレンズアレイ)、及び、結像された原稿の光像を
電気信号に変換する光電変換系としてのSi等倍センサ
315を備えている。
【0157】この第1読み取りセンサユニット9による
原稿読み取りは、次のようにように行われる。図21に
おいて、先ず、LED316から発せられた光が、バー
レンズ83により、原稿面上に集光されて、原稿が照明
される。
【0158】次に、この原稿面からの反射光が、光路分
離ミラー84で反射されて、LA85(レンズアレ
イ)、及び、RMA86(ルーフミラーアレイ)を通
り、再び、光路分離ミラー84により反射される。 こ
の光路分離ミラー84により反射された原稿の画像光
は、Si等倍センサ315の受光面上に結像され、この
Si等倍センサ315によって、これに結像された画像
情報が、電気信号に変換されて読み取られる。
【0159】次に、上述のように構成された本願実施例
における基本的なページめくり動作について説明する。
先ず、本実施例における原稿の読み取りは、次のような
手順で行われる。
【0160】原稿がブック原稿92の場合には、操作表
示ボード313のオープンキー620を押して、図10
に示すように搬送部19を上方に開き、原稿台18の中
央基準位置決め部24に、ブック原稿92の綴じ部
(背)をセットし、このブック原稿92の読み取り開始
ページを上向きに開いた状態で、図9に示すように搬送
部19を閉じる。
【0161】この状態で、操作表示ボード313の各キ
ーを操作して、このブック原稿92の読み取り条件を設
定した後、スタートキー600を押してMFDSをスタ
ートさせる。これにより、図1に示すように、めくりユ
ニット駆動ベルト52が、めくりユニット駆動モータ6
0(図34参照)により駆動されて、ページめくり読取
ユニット1が、左端のホームポジション位置〔1A〕か
ら、右方向に移動を開始し、このページめくり読取ユニ
ット1の移動により、第1読み取りセンサユニット9
が、ブック原稿92の原稿情報を読み込んでいく。
【0162】このとき、めくり搬送ベルト8は、その回
転が停止されており、見開かれたブック原稿92の原稿
面をその上から押え付けている。また、ページめくり読
取ユニット1は、前述したように、その回動支持ロッド
42を支点として回動され、且つ、これと一体化された
摺動パイプ43が摺動支持ロッド46に沿って上下動さ
れることによって、ブック原稿92の原稿面に沿って、
この原稿面に第1読み取りセンサユニット9を密着させ
ながら移動される。
【0163】さらに、このページめくり読取ユニット1
が、ブック原稿92の略中央のブック原稿読み取り途中
位置〔1B〕に到達すると、第1バイアスローラ3に、
図20に示した第1高圧電源320から、吸着用の交流
電圧が印加されて、めくり搬送ベルト8上にストライプ
形状の電荷パターンが形成される。
【0164】このように、ページめくり読取ユニット1
は、めくり搬送ベルト8上にストライプ形状の電荷パタ
ーンを形成しながら、図1の右端のエンドポジション位
置〔1C〕まで移動し、その第1読み取りセンサユニッ
ト9によって、ブック原稿92の原稿情報を読み取る。
【0165】上述のようにして、ブック原稿92の原稿
情報の読み取りが完了すると、ページめくり読取ユニッ
ト1は、図22に示すように、そのエンドポジション位
置〔1C〕から、ホームポジション位置〔1A〕に向け
て、復帰移動される。
【0166】このとき、図23に示すように、めくり搬
送ベルト8上には、その読み取り動作時に形成された電
荷パターンによって、不平等な電界が発生しており、こ
の静電界により、ブック原稿92の右ページが、めくり
搬送ベルト8に、静電的に吸着されるようになってい
る。
【0167】従って、この状態で、ページめくり読取ユ
ニット1が、そのエンドポジション位置〔1C〕に向け
て移動され、このページめくり読取ユニット1が、図2
2に示す、めくり開始位置〔1D〕に到達すると、図2
4に示すように、このめくり搬送ベルト8と一緒に、ブ
ック原稿92の右ページ1枚分の原稿の端部が、ページ
めくり読取ユニット1の中に巻き込まれる。
【0168】このように、ページめくり読取ユニット1
内に巻き込まれた原稿は、このページめくり読取ユニッ
ト1の移動に伴って、そのめくりローラ2の曲率と原稿
の腰の強さとによる曲率分離により、その先端が、めく
り搬送ベルト8から徐々に分離される。
【0169】このようにして、めくり搬送ベルト8から
徐々に分離された原稿は、図20に示しためくりガイド
10に沿って移動され、この原稿の移動方向の下流側に
配置されているページ収納部7内に導かれる。
【0170】このページ収納部7は、図20に示すよう
に、円筒状に形成されており、その内周面に沿うよう
に、ページめくり読取ユニット1内に巻き込まれた原稿
を巻き取ることによって、極めて僅かなスペースに、読
み取りを終えた1ページ分の原稿を収納することができ
る。
【0171】従って、このページめくり読取ユニット1
によれば、図22に示すように、このページめくり読取
ユニット1が、そのめくり開始位置〔1D〕から巻き取
り完了位置〔1E〕に向けて復帰移動されることによ
り、その読み取りを終えた1ページ分の原稿と、次の読
み取り動作により読み取りが行われる次頁の原稿とを、
極めてスムーズに分離させることができる。
【0172】このようにしてページ収納部7に収納され
た原稿は、ページめくり読取ユニット1が、その巻き取
り完了位置〔1E〕から、ブック原稿92の中央を越え
て、ブック原稿92の左ページがわのページ排出位置
〔1F〕に向けて、さらに復帰移動されることによっ
て、このページめくり読取ユニット1と、これに収納さ
れた原稿との相対的な移動により、この原稿がページめ
くり読取ユニット1のページ収納部7から排出され始め
る。
【0173】そして、このページめくり読取ユニット1
が、そのホームポジション位置〔1A〕に復帰移動され
て、その移動が完了することにより、このページめくり
読取ユニット1のページ収納部7に収納されていた原稿
の排出が完了して、読み取りを終えた原稿の1ページ分
のめくり動作が完了される。
【0174】一方、この原稿のめくり動作中において
は、ページめくり読取ユニット1のページ収納部7への
原稿の巻き取りが開始された直後から、この原稿の巻き
取りが完了する間にかけて、第1バイアスローラ3に、
図20に示した第1高圧電源320から除電用の交流電
圧が印加されることによって、めくり搬送ベルト8上に
形成されていた電荷パターンが除電されるようにプログ
ラムされている。
【0175】従って、このページめくり読取ユニット1
の復帰移動時においては、読み取りを終えた原稿と、こ
の原稿をめくるめくり搬送ベルト8との間に、静電的な
吸着力が発生しないので、この原稿の巻き取り動作、及
び、排出動作を極めてスムーズに行うことができる。
【0176】本願実施例では、図20、図23及び図2
4に示したように、無端ベルトからなる、めくり搬送ベ
ルト8に、高圧電源320から吸着用の交流電圧を印加
して、めくり搬送ベルト8の表面に、交番的なストライ
プ形状、もしくは、市松模様などの電荷パターンを形成
することによって、このめくり搬送ベルト8に不平等電
界を発生させて、原稿の保持搬送、及び、ページめくり
を行っている。
【0177】このページめくり方式によれば、原稿の保
持搬送、及び、ページめくり動作を極めてスムーズに行
うことがでる。
【0178】以下、このページめくり方式における基本
的な構成、及び、静電吸着原理について説明する。この
ページめくり方式に使用されるめくり搬送ベルト8とし
ては、無端ベルト状に形成された誘電体の裏面に、導電
処理を施してなる2層構造のベルトを使用した。
【0179】このめくり搬送ベルト8に対して不平等電
界を発生させる手段としては、例えば、このめくり搬送
ベルト8の表面に周面を接触させて回転自在に支持され
た第1バイアスローラ3に、第1高圧電源320により
吸着用の交流電圧を印加すればよい。
【0180】図20及び図23に示すように、めくり搬
送ベルト8の導電層8bをアース面として、第1バイア
スローラ3に交番的な電界を印加させながら、このめく
り搬送ベルト8と第1バイアスローラ3とを相対移動さ
せることによって、めくり搬送ベルト8の誘電体8aの
表面に、ストライプ形状の電荷パターンが形成される。
【0181】これによって、めくり搬送ベルト8の誘電
体8aの表面近傍に、不平等電界が発生する。この不平
等な電界中に、読み取り原稿となる用紙等の誘電体を近
づけると、その内部が分極をおこし、この電界が不平等
なために、この用紙にめくり搬送ベルト8がわへの吸引
力が働く。
【0182】本実施例の具体的な構成としては、めくり
搬送ベルト8として、厚さ75μmのPETフィルム
(誘電体8a)に、厚さ10μmのアルミ蒸着層(導電
層8b)が形成された無端ベルトを使用し、これに形成
される電荷パターンのピッチを2.4mmとした。 す
なわち、ブック原稿92の読み取り速度を120mm/
s、交流周波数を50Hz、印加電圧を±2kVp−p
とした。また、図25に印加電圧を±2kVp−pに一
定としたときの搬送力のピッチ特性の実験値を、図26
に印加電圧を±2kVp−pに一定としたときの吸着力
のピッチ特性の実験値を、図27に電荷パターンのピッ
チを2.4mmに一定としたときの搬送力の印加電圧特
性の実験値を、第28図に電荷パターンのピッチを2.
4mmに一定としたときの吸着力の印加電圧特性の実験
値を示す。
【0183】これらの実験値から明らかなように、本実
施例に使用される電荷パターンのピッチ、及び、印加電
圧は、上述した値に限定されるものではなく、例えば、
電荷パターンのピッチとしては、0.5mm〜10mm
の範囲であれば良く、また、印加電圧としては、±1k
Vp−p以上であれば良い。
【0184】また、本実施例では、除電用の高周波交流
電圧として、2kHzの周波数と、±2kVp−pの印
加電圧を使用しているが、これらの各値についても、そ
の除電効果が得られる値であれば、どのような値であっ
ても良い。
【0185】ところで、上記実施例では、第1バイアス
ローラ3に、第1高圧電源320により、交流電圧を印
加することによって、搬送ベルト8上を正・負に帯電さ
せ、この搬送ベルト8の表面近傍に不平等な電界を発生
させて、原稿の保持搬送およびページめくりを行なうよ
うに構成されている。
【0186】ここで、搬送ベルト8に印加される電圧
は、交番電圧であれば、原稿を吸引することが可能であ
り、交流電圧のみに限定する必然性は無い。すなわち、
交流電圧は、周期的にその方向を変える電流であって、
1周期にわたって平均値が“0”であることを言い、本
発明では、このような電圧に限定されない。
【0187】但し、搬送ベルト8に印加される電圧を交
流電圧にすることによって、搬送ベルト8の原稿吸着力
が均一化されるという一応の効果は得られる。従って、
搬送ベルト8の表面近傍に不平等電界を発生させるため
の手段としては、上記実施例以外の構成としてもよい。
【0188】例えば、搬送ベルト8の表面近傍に不平等
電界を発生させるための手段として、図29および図3
0に示すように、金属等の導電性電極ローラからなるバ
イアスローラ3−Aの外周面に、市松模様の凹凸を形成
し、このバイアスローラ3−Aに、第1高圧電源320
により、直流電圧を印加するように構成してもよい。
【0189】この手段によれば、搬送ベルトの表面に対
して、バイアスローラ3−Aの外周面をなす凸部3aの
みが接触し、凹部3bが非接触となるので、搬送ベルト
8の表面に、バイアスローラ3−Aの周面の凹凸に対応
した市松模様の高密度な電荷パターンが形成される。
【0190】これにより、誘電体である搬送ベルト8上
の帯電領域(図29の+部分)と非帯電領域との境界部
には、他の部分よりも強い電場が存在し、不平等電界が
形成され、上記の市松模様の電荷パターンのそれぞれの
端縁部に発生した強い電場によって、ブック原稿のペー
ジが搬送ベルト8に静電的に強く吸着される。
【0191】この第2の実施例のように、電荷パターン
を市松模様とした場合には、その模様の単位を略正方形
にすることによって、図24に示した第1の実施例のよ
うなストライプ模様の電荷パターンに比べ、その単位面
積中に存在する端縁部の長さが略2倍になるので、原稿
ページの保持吸着力が倍増され、ページめくり動作の信
頼性が向上される。
【0192】一方、上記第2の実施例では、バイアスロ
ーラ3−Aの周面に凹凸を形成して市松模様を構成した
が、例えば、樹脂やセラミック等からなる絶縁ローラの
表面に、プリントや蒸着等により市松模様の導電層パタ
ーンを形成したり、市松模様のシート状の電極を接着
し、この導電層パターンや電極を電気的に結合されるよ
うに構成してもよい。
【0193】また、搬送ベルト8の表面近傍に不平等電
界を発生させるための第3の実施例としては、図31に
示すように、全体が金属等の導電性材料によって形成さ
れた電荷付与部材としてのローラ状電極3−Bの外周面
に、フランジ状に突出する多数の電極部3cと、周溝状
の非電極部3dとを、ローラ状電極3−Bの軸方向に沿
って交互に配列し、このローラ状電極3−Bに、第1高
圧電源320により、直流電圧を印加するように構成し
てもよい。
【0194】この第3の実施例によれば、前記第1の実
施例と同様に、搬送ベルト8の表面に、帯電領域と費帯
電領域とが直線状に交互に配列されたストライプ状の電
荷パターンが形成される。
【0195】一方、図32に示す第4の実施例は、電極
部3cと非電極部3dとを交互に配列してなる電荷印加
手段を、前記のローラ状電極3−Bに替えて、櫛歯状の
電極板3−Cで構成したもので、前記第3の実施例のも
のと同様な作用が得られる。
【0196】これらの第3,第4の各実施例では、ロー
ラ状電極3−B、および、電極板3−Cが、何れも導電
性の材料で構成されるため、母材の一部を切り欠くこと
によって、その非電極部3dを形成したが、例えば、樹
脂やセラミック等からなる絶縁ローラの表面に、電極部
3cとしての多数の導電部を電気的に接続して配列する
ことにより、電荷印加手段を形成してもよい。
【0197】上述のように、これらの第3,第4の各実
施例では、搬送ベルト8に対して、ローラ状電極3−
B、および、電極板3−Cを対向させて配置するだけの
構造であるので、回転駆動するための機構が不要にな
り、そのコストを低減、および、小型化を図ることがで
きる。
【0198】ところで、このようにして形成されるスト
ライプ状の電荷パターンは、電極部3cの縁端から電荷
が回り込むため、その帯電領域の幅が非帯電領域の幅よ
りも広くなる傾向があり、その境界の電場が弱められる
虞れが高い。
【0199】そこで、これらの実施例では、搬送ベルト
8上に形成される電荷パターンの帯電領域の幅と非帯電
領域の幅とが略均等となるように、ローラ状電極3−
B、および、電極板3−Cの電極部3cの幅が、非電極
部3dの幅よりも予め大きく形成されている。
【0200】従って、これらの第3,第4の実施例によ
れば、その電荷パターンの帯電領域と非帯電領域との境
界が明確となり、この境界部の電場の強度を大きくでき
るので、その電極部3cと非電極部3dとの配列ピッチ
を密にしてその端縁効果を増大させることにより、ブッ
ク原稿のページの搬送ベルト8に対する吸着力を高める
ことができる。
【0201】また、さらに他の、搬送ベルト8の表面近
傍に不平等電界を発生させるための手段としては、図3
3に示すように、直流電源からなる高圧電源320の印
加電圧をスイッチ320aでオン/オフを繰り返しなが
ら、バイアスローラ3−Dに直流電圧を印加するように
構成してもよい。
【0202】上述のように、不平等電界を発生させるた
めの手段は、交流電圧に限定されるものでなく、矩形
状、三角状、鋸形状等の交番電圧、あるいは、交流交番
電圧に直流成分を重畳し、正・負のどちらかに偏った電
圧でもよい。
【0203】このように、本実施例におけるページめく
り方式によれば、めくり搬送ベルト8に吸着させる用紙
(ブック原稿92)には、何等細工を施す必要が無いの
で、この用紙どうしが静電気により互いに引き合うこと
が無く、用紙端部の乱れ(不揃い)の発生による、ブッ
ク原稿92のページめくりミスの発生を無くすことがで
きる。
【0204】また、このぺージめくり方式によれば、そ
の吸着力の発生している個所が、めくり搬送ベルト8の
表面の近傍であるので、このめくり搬送ベルト8の表面
に接触している用紙、すなわち、ブック原稿92のペー
ジめくりが実行されるがわの最上位の原稿に対しては、
充分に大きな搬送力、及び、吸着力が作用するが、この
原稿の下位に位置する、2枚目以下の原稿に対しては、
これらの搬送力、及び、吸着力が、ほとんど作用するこ
とが無い。
【0205】従って、このページめくり方式によれば、
1枚だけのページめくりを確実に実行することができる
ので、この方式は、ブック原稿92のページめくり方式
として最適な方式となる。
【0206】次に、上述のように構成されたMFDSの
動作について説明する。図34はMFDSの電装ブロッ
ク図、図35、図36、図37はブック原稿読み取り時
の動作モード遷移図、図35、図38はシート原稿読み
取り時の遷移図、及び、図39はMFDSの動作モード
を示すフローチャートである。
【0207】先ず、図34に基づいて、MFDSの制御
手段について説明する。図34において、メイン制御ボ
ード310は、各ボード間のコマンド、及び、データを
制御し、各負荷のON/OFFタイミングや、各センサ
入力による異常処理、及び、モード切り換え等を行 い
MFDS全体のコントロールをしている。
【0208】また、このメイン制御ボード310は、接
続機器との通信を行うことにより、通信プロトコルを設
定し、各接続機器に対して個別に対応できるように構成
されている。
【0209】例えば、プリンタ300がその出力装置と
して接続されている場合には、その画素密度、処理速
度、両面プリントの可否、及び、裏面排紙の可否等をチ
ェックし、その対応モード選択域を決定できるように構
成されている。
【0210】さらに、このメイン制御ボード310は、
各モードに対応して、外部機器へのインターフェースを
2系統備えている。本実施例のメイン制御ボード310
では、各ボード間のコマンドをシリアル通信で行い、そ
のデータ・制御線から分離して、そのデータ出力中にも
コマンド送受信を可能としている。
【0211】ここで、その汎用性を高める場合には、そ
のインターフェースとして、GPIB、セントロニク
ス、SCSI等の、どちらか一方、もしくは、両方を設
定することにより、汎用プリンタや、パーソナルコンピ
ュータを介して、そのディスプレイ表示や、光ディスク
装置、HDD、及び、FDD等の記憶装置に対して、特
別なインターフェースを使用すること無く、ストアする
ことができる。
【0212】一方、図34において、めくり搬送ベルト
駆動制御ボード311は、めくり搬送ベルト駆動モータ
61の制御を行っている。また、めくりユニット駆動制
御ボード312は、めくりユニット駆動モータ60の制
御を行っている。
【0213】ここで、めくり搬送ベルト駆動モータ61
は、このめくり搬送ベルト駆動モータ61に一体的に取
付けられたエンコーダの発するエンコーダパルスのフィ
ードバックによって、めくり搬送ベルト8の速度を検出
し、その速度位置制御及び正逆転動作を行っている。
【0214】これに対し、めくりユニット駆動モータ6
0は、めくりローラ2に取付けられているエンコーダ1
52の発するエンコーダパルスのフィードバックによっ
て、めくりローラ2の位置を検出し、その速度位置制御
及び正逆転動作を行っている。
【0215】また、これらのめくり搬送ベルト駆動制御
ボード311、及び、めくりユニット駆動制御ボード3
12は、メイン制御ボード310とそれぞれ接続されて
おり、このメイン制御ボード310との間で、それぞれ
シリアル通信によりコマンドの送受信を行っている。
【0216】操作表示ボード313は、プリント置数、
変倍率、ページめくり枚数、及び、各モード等を設定す
る各キー入力と、これらのキー入力に対する表示や、エ
ラー表示、めくり状態表示、及び、各モードの原稿セッ
ト方法等の表示を行う。
【0217】ここで、モード表示においては、接続機器
(プリンタ300)の能力により可能なモードしか表示
しないか、あるいは、不可能なモードが選択された場合
にエラー表示を行う。
【0218】例えば、両面プリントのできないプリンタ
が接続されているにも拘らず、両面モード選択キー61
2のキー入力がなされた場合に、”接続のプリンタは両
面不可です”等のエラー表示が行われる。
【0219】また、原稿の読み取りは、この操作表示ボ
ード313上のスタートキー600のキー入力により開
始される。さらに、この操作表示ボード313と、メイ
ン制御ボード310とは、シリアル通信によりコマン
ド、あるいは、データの送受信を行っている。
【0220】第1画像処理ボード314は、第1読み取
りセンサユニット9に内蔵されているSi等倍センサ3
15(以下これを第1CCD315とする)のドライブ
クロックを発生する機能と、同じく第1読み取りセンサ
ユニット9に内蔵されている第1LED316のON/
OFFタイミングをとる機能と、第1CCD315の出
力を増幅し、この出力をA/D変換して画像処理を行う
機能を有している。
【0221】また、この第1画像処理ボード314で
は、シェーディング補正、MTF補正、主走査変倍、文
字処理、写真処理、及び、ネガ・ポジ反転等の画像処理
が行われる。この第1画像処理ボード314は、メイン
制御ボード310に接続されており、このメイン制御ボ
ード310との間で、データやコマンドを送受信してい
る。
【0222】第2画像処理ボード317は、上述の第1
画像処理ボード314と同様に、第2読み取りセンサユ
ニット14(第1読み取りセンサユニット9と同様に構
成されている)に内蔵されている第2CCD318のド
ライブクロックを発生する機能と、同じく第2読み取り
センサユニット14に内蔵されている第2LED319
のON/OFFタイミングをとる機能と、第2CCD3
18の出力を増幅し、この出力をA/D変換して画像処
理を行う機能を有している。
【0223】また、この第2画像処理ボード317で
は、第1画像処理ボード314と同様に、シェーディン
グ補正、MTF補正、主走査変倍、文字処理、写真処
理、及び、ネガ・ポジ反転等の画像処理が行われる。
【0224】さらに、この第2画像処理ボード317
は、メイン制御ボード310に接続されており、このメ
イン制御ボード310との間で、データやコマンドを送
受信している。
【0225】第1高圧電源320は、前述したように、
第1バイアスローラ3に高圧交流電圧を印加する電源で
あって、原稿吸着用と、ベルト除電用の2通りの周波数
を発生できるように構成されており、各周波数の切り換
えは、メイン制御ボード310の2本の出力ポートから
の切り換え信号により行われる。
【0226】また、第2高圧電源321は、第1高圧電
源320と同様に、第2バイアスローラ11に高圧交流
電圧を印加する電源であって、原稿吸着用と、ベルト除
電用の2通りの周波数を発生できるように構成されてお
り、各周波数の切り換えは、メイン制御ボード310の
2本の出力ポートからの切り換え信号により行われる。
【0227】給紙クラッチ128は、メイン制御ボード
310からの制御信号に基づいて、シート原稿200の
給紙開始タイミングを制御している。また、メイン制御
ボード310の各入力ポートに接続されている各種セン
サ25,26,27,28,29,30,31,32,
33,34は、前記の機構説明において述べた通り、モ
ード切り換え、タイミング検知、及び、異常検知等を行
っており、それぞれ、その検知信号をメイン制御ボード
310に与えている。
【0228】次に、MFDSの動作モードについて説明
する。MFDSの動作モードは、大きく2つのモードに
分けられている。このMFDSの第1の動作モードは、
図35に示すような、ブック原稿の自動ページめくり読
み取り動作を行うブック原稿読み取りモードであり、第
2の動作モードは、同図35に示すような、シート原稿
の自動給紙読み取り動作を行うシート原稿読み取りモー
ドである。
【0229】これらのブック原稿読み取りモード、及
び、シート原稿読み取りモードは、それぞれさらに細分
化されたモードを持っている。すなわち、ブック原稿読
み取りモードには、図37に示すように、ブック原稿9
2のブックサイズを自動的に認識する自動ブックサイズ
認識モードと、操作表示ボード313のキー入力でブッ
クサイズを指定するブックサイズキー入力モードとがあ
る。
【0230】これらの、自動ブックサイズ認識モード、
及び、ブックサイズキー入力モードでは、何れも、原稿
面を上向きに見開いた状態でブック原稿92をセットす
る見開き読み取りモードにより、ブック原稿92に対す
る自動ページめくり読み取り動作が行われる。
【0231】さらに、このブック原稿読み取りモード
は、その読み取り方式として、出力装置(特にプリン
タ)と関連して、見開かれたブック原稿92の左右2ペ
ージ分の原稿画像を連続して読み取り、この2ページ分
の画像を1枚の転写紙上にプリントする見開き2ページ
連続読み取りモードと、両面画像形成機能を有するプリ
ンターを使用して、上述の見開き2ページ連続読み取り
モードにより左右2ページ分の原稿画像がプリントされ
た1枚の転写紙の裏面に、見開かれたブック原稿92の
次の左右2ページ分の読み取り画像を連続して形成す
る、この見開き2ページ連続読み取りモードの両面モー
ドと、見開かれたブック原稿92の左右両ページの原稿
画像を1頁ずつ区切って読み取り動作を行う見開き1ペ
ージ区ぎり読み取りモードと、この見開き1ページ区ぎ
り読み取りモードによりプリントされた転写紙の裏面
に、上記両面画像形成機能を有するプリンタにより、見
開かれたブック原稿92の次の左右両ページの原稿画像
を1頁ずつ区切って形成する、この見開き1ページ区切
り読み取りモードの両面モードとを有している。
【0232】一方、シート原稿読み取りモードには、図
38に示すように、第1読み取りセンサユニット9、も
しくは、第2読み取りセンサユニット14の位置を固定
した状態で、シート原稿200を自動で給送・排出移動
させながら、シートスルー方式により原稿画像の読み取
りを行うシート原稿スルーモードと、原稿載置面116
上にシート原稿200をセット(定置)した状態で、ペ
ージめくり読取ユニット1の第1読み取りセンサユニッ
ト9を繰返し往復移動(スキャン)させて、シート原稿
200の読み取り動作を行うシート原稿スキャンモード
と、自動原稿給送機能(ADF)で原稿をセットできな
い(あるいはセットしない)場合に、手動で原稿をセッ
トするシート原稿手動開閉モードとがある。
【0233】また、シート原稿スルーモードには、シー
ト原稿200の片面のみの画像を読み取る片面読み取り
モードと、第1読み取りセンサユニット9及び第2読み
取りセンサユニット14で、シート原稿200の両面の
画像を同時に読み取る両面読み取りモードとがある。
【0234】さらに、この両面読み取りモードは、第1
読み取りセンサユニット9及び第2読み取りセンサユニ
ット14を、互いに向き合った同一位置に配置して、原
稿画像の読み取りを行う同一位置読み取りモードと、第
1読み取りセンサユニット9及び第2読み取りセンサユ
ニット14を、互いにずらした別位置に配置して、原稿
画像の読み取りを行う別位置読み取りモードとを有して
いる。 以上、MFDSの動作モードについて説明して
きたが、次に、図39を参照しながら、上述した個々の
モードの切り換えについて説明する。図39において、
MFDSのメイン電源をONすると、図34で示したメ
イン制御ボード310、めくり搬送ベルト駆動制御ボー
ド311、めくりユニット駆動制御ボード312、操作
表示ボード313、第1画像処理ボード314、第2画
像処理ボード317が、それぞれリセットされて初期設
定が行われる。
【0235】その後、プリンタ300等の接続機器の接
続をチェックし、この接続機器に対応可能なモードを表
示する一方、プリント置数、変倍率、ページめくり枚
数、及び、各モード等を設定する各キーの入力を受け付
ける。また、この間に、ブック原稿92またはシート原
稿200のセットが行われる。ここで、シート原稿20
0が、シート原稿トレイ94にセットされた場合には、
シート原稿センサ25がONされる。また、ここで、操
作表示ボード313のオープンキー620によりMFD
Sの搬送部19が開放され、その原稿載置面116の中
央基準位置決め部24に、ブック原稿92が、見開かれ
た状態でセットされた場合には、ブック原稿センサ27
がONされる。
【0236】これらのシート原稿センサ25とブック原
稿センサ27のON/OFFの状態、及び、操作表示ボ
ード313のテンキー602により入力されたシート原
稿200のプリント枚数を示すプリント置数に応じて、
原稿画像の読み取りモードが、図39に示すように切り
替わる。
【0237】すなわち、ここで、ブック原稿センサ27
がOFF、シート原稿センサ25がONで、且つ、プリ
ント置数が「1」の場合には、シート原稿スルーモード
へ遷移する。また、ここで、ブック原稿センサ27がO
FF、シート原稿センサ25がONで、且つ、プリント
置数が「2」以上の場合には、シート原稿スキャンモー
ドへ遷移する。
【0238】さらに、ブック原稿センサ27、及び、シ
ート原稿センサ25が、両方共OFFの場合には、シー
ト原稿手動開閉モードへ遷移する。また、ブック原稿セ
ンサ27がONで、シート原稿センサ25がOFFの場
合には、ブック原稿読み取りモードに遷移する。
【0239】さらに、ここで、ブック原稿センサ27、
及び、シート原稿センサ25が、両方共ONの場合に
は、異常処理1(警告ブザーON、及び、エラー表示)
を行って、ユーザーに注意を促した後、ブック原稿読み
取りモードに遷移する。
【0240】このようにして、それぞれ選択されたモー
ドサブルーチンへ入った後、操作表示ボード313のス
タートキー600が押されていなければ、画像読み取り
動作を実行せずに、キー入力を受け付けるステップにリ
ターンされる。
【0241】次に、上述した、各モードの動作につい
て、説明する。先ず、図40を参照して、ブック原稿読
み取りモードについて説明する。MFDSのモードが、
ブック原稿読み取りモードに入ると、スキャンカットオ
フセンサ34のON/OFFのチェックが行われる。
【0242】このスキャンカットオフセンサ34は、図
4に示したように、ページめくり読取ユニット1が、そ
の上限位置まで上昇したときに、その上限検知部76を
検知してONされる。ページめくり読取ユニット1は、
前述したように、原稿載置面116上に載置されたブッ
ク原稿92の厚さに応じて上下動される。このページめ
くり読取ユニット1の上昇、すなわち、ブック原稿92
の厚さが厚くなるに従って、これを駆動するめくり搬送
ベルト8のテンションが高くなる。
【0243】従って、このめくり搬送ベルト8のテンシ
ョンが高くなりすぎると、つまり、ブック原稿92が厚
すぎてページめくり読取ユニット1が上昇しすぎると、
このテンションがブレーキとなって、ページめくり読取
ユニット1のスキャンができなくなる。
【0244】スキャンカットオフセンサ34は、このよ
うな、ブック原稿92が厚すぎて、ページめくり読取ユ
ニット1がスキャンできないレベルを検知している。こ
のスキャンカットオフセンサ34がONの場合には、異
常処理2(警告ブザーのONと、”ブック原稿が厚すぎ
ます”のエラー表示)を行って、ユーザーが無理に搬送
部19を閉じて、この搬送部19を破損することがない
ようにしている。
【0245】ここで、ブック原稿92の厚さが適応レベ
ル以下の場合には、ユーザーにより搬送部19が閉じら
れることによって、搬送部ロックセンサ31がONされ
る。このとき、搬送部19が開いたまま、すなわち、搬
送部ロックセンサ31がOFFのままであれば、異常処
理3(警告ブザーのONと、”搬送部を閉じて下さい”
の表示)が行われる。
【0246】そして、この搬送部19が閉じられると、
ブックサイズ上限センサ33のON/OFFのチェック
が行われる。ここで、ブックサイズ上限センサ33が、
ブック原稿92のブックサイズを検知してONされてい
る場合、すなわち、原稿載置面116にセットされてい
るブック原稿92のブックサイズが、ページめくり読取
ユニット1の読み取り領域を越えた読み取り不可能なブ
ックサイズの場合には、異常処理4(警告ブザーのON
と、”ブック原稿のサイズが大きすぎます”の表示)が
行われる。
【0247】その後、プリント置数、変倍率、めくり枚
数のキー入力の有無のチェックが行われた後、自動ブッ
クサイズ認識モードの場合には、プレスキャンフラグが
セットされ、自動ブックサイズ認識モードでない場合に
は、ブックサイズ入力モードとなり、操作表示ボード3
13により所定のキー入力を行ってブックサイズを設定
することにより、ブック原稿92の読み取り領域が決定
される。
【0248】そして、スタートキー600が押されるこ
とにより、搬送部ロック装置140が作動して、搬送部
19が原稿台18にロックされる。これにより、ページ
めくり読取ユニット1によるページめくり動作中に、ユ
ーザーが間違って搬送部19を開放して、ブック原稿9
2を破損するような事態が回避される。
【0249】次いで、この搬送部ロック装置140の作
動後、前述したプレスキャンフラグがセットされている
場合には、ページめくり読取ユニット1のプレスキャン
動作が実行される。ここで、プレスキャンフラグがセッ
トされていない場合には、このプレスキャン動作がスキ
ップされる。
【0250】このプレスキャン動作後は、接続機器(プ
リンタ300)の準備が整うまで待機される。そして、
この接続機器(プリンタ300)の準備が整った段階
で、接続機器(プリンタ300)から出力される読み取
り開始信号を受けると、ページめくり読取ユニット1が
駆動されて、前述したように、ブック原稿92の原稿画
像の読み取り動作が開始される。
【0251】このページめくり読取ユニット1による読
み取り動作は、前に設定されているプリント置数に応じ
た回数だけ、繰り返して行われる。そして、この所定回
数の読み取り動作が完了すると、次ページの原稿画像の
読み取り動作を行うべく、前述したように、ページめく
り読取ユニット1によって、ページめくり動作が実行さ
れる。
【0252】このようにして、ブック原稿92の原稿画
像の読み取り動作、及び、ページめくり動作は、それぞ
れ、予め設定された置数に応じて、その最終ページがめ
くられるまで、繰り返し実行される。そして、予め設定
された最終めくりページのページめくり動作が完了し、
且つ、最終読み取りページに対する所定回数の読み取り
動作が完了すると、この最終読み取りページのページめ
くり動作を行わずに、ページめくり読取ユニット1が、
そのホームポジション位置〔1A〕に復帰されて、この
ブック原稿読み取りモードルーチンがリターンされる。
【0253】ブック原稿読み取りモードの基本動作は、
以上の図40に示すフローチャートの通りであるが、こ
のモード中の前述した、見開き2ページ連続読み取りモ
ードと、その両面モード、及び、見開き1頁区切り読み
取りモードと、その両面モードは、図41のキー入力セ
ット時に受け付けた入力モードとなる。
【0254】これらの各入力モードについては、スター
トキー600が押されてからの経過を示すタイミングチ
ャートを参照して説明する。先ず、図41に示すタイミ
ングチャートを使用して、見開き2ページ連続読み取り
モードについて説明する。
【0255】図41において、操作表示ボード313の
スタートキー600が押されて、読み取りスタートスイ
ッチSWがONされると、第1読み取りセンサユニット
9内のシャッタ(図示せず)が閉じる。このシャッタの
内面は、白色基準板になっていて、これにより、第1読
み取りセンサユニット9のシェーディング補正が行われ
る。
【0256】このシェーディング補正は、ページめくり
読取ユニット1の立上り時に毎回行われ、ページめくり
読取ユニット1の移動速度が一定速度になる前に完了さ
れる(この部分のタイミングチャートは図示せず)。こ
のページめくり読取ユニット1のスタートは、メイン制
御ボード310から、めくりユニット駆動制御ボード3
12へ送られる正転スタート信号によって行われる。
【0257】この正転スタート信号により、ページめく
り読取ユニット1が、プレスキャンを開始する。ここ
で、ページめくり読取ユニット1の移動速度が一定速度
Vfに立ち上がった後は、前述のシャッタが既に開かれ
ており、第1CCD315により、ブック原稿92の原
稿画像の読み取りが開始されている。
【0258】このページめくり読取ユニット1のプレス
キャン時の読み取りにより、見開かれたブック原稿92
の端部を画像処理でエッジ検出し、このときのめくりロ
ーラ2に取付けられたエンコーダ152の出力をカウン
トすることによって、原稿載置面116にセットされた
ブック原稿92のブックサイズを認識して、ページめく
り読取ユニット1の原稿画像の読み取り領域、及び、ペ
ージめくり領域を決定する。
【0259】このように、このMFDSは、ブック原稿
92が原稿載置面116のセンターを基準としてセット
されるように構成されているので、このセットされたブ
ック原稿92の左端部のみを検出することによって、そ
のページめくり読取ユニット1の原稿画像の読み取り領
域、及び、ページめくり領域を算出することができる。
【0260】従って、このMFDSでは、ブック原稿9
2のブックサイズ検知に際して、ページめくり読取ユニ
ット1を全面プレスキャンさせる必要がなく、ページめ
くり読取ユニット1をショートプレスキャンさせるだけ
で、原稿載置面116上に載置されたブック原稿92の
ブックサイズを検知することができる。
【0261】これにより、このページめくり読取ユニッ
ト1のプレスキャン時に、ブック原稿92の読み取り開
始ページを誤ってページめくりすることがなくなる。
【0262】このブック原稿92のブックサイズデータ
は、メイン制御ボード310から、外部接続機器として
のプリンタ300に送信される。
【0263】一方、このブックサイズ検知が完了し、そ
のブックサイズデータがプリンタ300に送信されてい
る間に、メイン制御ボード310から、めくりユニット
駆動制御ボード312に対して、めくりユニット駆動モ
ータ60を逆転させる逆転信号が与えられ、ページめく
り読取ユニット1が速度Vrの速さで、そのホームポジ
ション位置〔1A〕に向けて復帰移動される。
【0264】なお、このMFDSの原稿台18の原稿載
置面116を、有彩色、例えば、黄色などのような、ブ
ック原稿としてあまり使用されていないような有彩色で
着色しておくことにより、この原稿載置面116と、ブ
ック原稿92の原稿画像の読み取り領域との、領域識別
精度を高めることができるので、上述のプレスキャン時
におけるブックサイズ検知をより正確に行うことがで
き、そのブックサイズデータの信頼性が向上される。
【0265】また、ここで、原稿載置面116を、例え
ば、灰色などの中間色で着色しておけば、第1読み取り
センサユニット9の第1CCD315として、カラーセ
ンサを使用せずに、プレスキャン時の領域識別が可能と
なる。上述のプレスキャンが終了して、ページめくり読
取ユニット1がホームポジション位置〔1A〕に退避し
た後、プリンタ300の準備ができて、プリンタ300
からメイン制御ボード310に対し、データの転送を要
求する転送要求信号が与えられると、これにより、メイ
ン制御ボード310から、めくりユニット駆動制御ボー
ド312に対して、めくりユニット駆動モータ60を正
転させる正転信号が与えられ、ページめくり読取ユニッ
ト1の正転動作が開始される。
【0266】このページめくり読取ユニット1は、前述
したように、めくりローラ2のエンコーダ152の出力
がフィードバックされることによって、ブック原稿92
の原稿面に沿って、速度Vfの速さに定速度制御され
て、そのエンドポジション位置〔1C〕に向けて移動さ
れる。
【0267】このとき、第1読み取りセンサユニット9
のLED316は、既に点灯されており、この第1読み
取りセンサユニット9の第1CCD315により、ブッ
ク原稿92の原稿情報の読み取りが開始されている。
【0268】ここで、図1に示すように、原稿載置面1
16上に見開かれてセットされたブック原稿92の綴じ
部(センター部)付近は、原稿面の反りがきついため、
この綴じ部付近の原稿情報を正確に読み取ることが困難
となる。また、このブック原稿92の綴じ部付近には、
通常、文字や画像等の原稿情報が形成されることがな
い。
【0269】そこで、このMFDSでは、図41に示す
ように、このブック原稿92の綴じ部付近において、第
1CCD315の読み取りSFGATEがOFFされ、
この綴じ部付近の原稿情報の読み取りがマスクされるよ
うになっている。
【0270】この原稿情報の初期設定時におけるマスク
領域は、前述したように、中央基準位置決め部24のセ
ンターより+10mm、−10mmとなるように設定さ
れているが、このマスク領域は、操作表示ボード313
のブック綴じ部マスク領域設定キー608のキー入力に
よって、その設定値を変更し得るようになっており、特
殊な装丁のブック原稿にも対応できるようになってい
る。
【0271】ところで、第1読み取りセンサユニット9
によるブック原稿92の原稿情報の読み取りは、ページ
めくり読取ユニット1がそのエンドポジション位置〔1
C〕に至るまで行われるが、このページめくり読取ユニ
ット1が、ブック原稿92のセンター付近に到達した時
点で、第1高圧電源320が周波数f1でONされる。
これにより、めくり搬送ベルト8のブック原稿92の右
側のページに当接する部分に、前述した電荷パターンが
形成される。
【0272】このめくり搬送ベルト8は、上述のよう
に、ページめくり読取ユニット1が駆動されているとき
には駆動されず、ブック原稿92を押える働きをしてい
る。このようにして、ページめくり読取ユニット1が、
そのエンドポジション位置〔1C〕まで駆動されて、ブ
ック原稿92の右端部の読み取り領域までの原稿情報の
読み取りが終了すると、第1高圧電源320の出力がO
FFされるとともに、メイン制御ボード310からめく
りユニット駆動制御ボード312に対して、めくり信号
が与えられ、ページめくり読取ユニット1によるブック
原稿92のページめくり動作が開始される。
【0273】このとき、この第1読み取りセンサユニッ
ト9の読み取った原稿面が、予め設定されたブック原稿
92の最終読み取りページに相当している場合には、メ
イン制御ボード310からめくり信号が出力されず、こ
のページめくり読取ユニット1は、このブック原稿92
の最終読み取りページの読み取りを終えた後、上述のペ
ージめくり動作を行わずに復帰移動されて、そのホーム
ポジション位置〔1A〕に退避される。
【0274】ブック原稿92のページめくり動作時にお
いて、ページめくりセンサ29がONされるまでの間
は、ページめくり読取ユニット1の逆転動作がスロース
タートされ、めくり搬送ベルト8上に静電的に吸着され
たブック原稿92の読み取り終了ページ(図1における
右ページ)が、そのページ収納部7内に導かれる。
【0275】そして、ページめくり読取ユニット1が、
そのホームポジション位置1−Aに向けて、さらに復帰
移動され、このブック原稿92の読み取り終了ページの
センター部分までが、ページ収納部7内にめくり込まれ
る。
【0276】また、このページめくり読取ユニット1の
ページめくり動作時においては、めくり搬送ベルト8の
原稿吸着領域の電荷パターンを除電するために、第1高
圧電源320が周波数f2でONされる。
【0277】このようにして、ページめくり読取ユニッ
ト1のページ収納部7内にめくり込まれたブック原稿9
2の読み取り終了ページは、ページめくり読取ユニット
1が、ブック原稿92のセンター部を越してから、その
エンドポジション位置〔1C〕に至る間に、ページ収納
部7内から排出されて、そのページめくり動作が完了す
る。
【0278】このページ排出時におけるページめくり読
取ユニット1のリターン速度Vrmは、その原稿読み取
り時における速度Vfよりも大きくなるように、すなわ
ち、Vrm>Vfとなるように設定されており、このペ
ージめくり動作の高速化が図られている。
【0279】この1連のページめくり動作の状態は、ペ
ージめくりセンサ29により検知されている。すなわ
ち、このMFDSは、ページめくり読取ユニット1の各
位置におけるページめくりセンサ29のON/OFFが
チェックされることにより異常の有無が検出され、異常
がある場合に、異常処理動作が実行される。
【0280】この異常処理動作としては、警告ブザーが
作動されるとともに、例えば、ページ収納部7へ原稿ペ
ージをめくり込めない場合には、”ページめくり不
能”、ページ収納部7にめくり込まれた原稿ページを排
出できない場合には、”ページ重ね不能”等の表示が、
操作表示ボード313に表示され、さらに、このページ
めくり動作が停止される。
【0281】また、この異常が発生したページめくり状
態をユーザーが確認できるようにするために、このペー
ジめくり状態の異常発生箇所が、操作表示ボード313
に表示される。
【0282】以下、ブック原稿92の2ページ目以降の
原稿画像の読み取り、及び、ページめくり動作は、プリ
ンタ300からの転送要求信号によって、順次スタート
され、上述と同様の読み取り動作、及び、ページめくり
動作が、予め設定された最終読み取りページに至るま
で、繰り返し実行される。
【0283】ここで、図41のタイミングチャートで
は、原稿のプリント置数を「1」とした場合、すなわ
ち、ブック原稿92の各読み取りページを、それぞれ1
回読み取る毎に、この読み取りを終えたページのめくり
動作を実行する場合について示したが、この原稿のプリ
ント置数が「2」以上に設定されている場合には、第1
読み取りセンサユニット9による第1回目の原稿読み取
り動作が完了した時点で、メイン制御ボード310から
めくりユニット駆動制御ボード312に対して、めくり
信号の代わりに逆転信号が送信され、ページめくり読取
ユニット1が速度Vrの速さで、そのホームポジション
位置〔1A〕に向けてリターンされ、このリターン動作
が終えると同時に、このページめくり読取ユニット1の
第2回目の原稿読み取り動作がスタートされる。
【0284】そして、このようなページめくり読取ユニ
ット1の原稿読み取り動作が、予め設定された原稿のプ
リント置数の回数分だけ、繰り返し実行され、この動作
の回数とプリント置数とが一致した時点で、初めて、メ
イン制御ボード310からめくりユニット駆動制御ボー
ド312に対して、めくり信号が送信され、上述したペ
ージめくり動作が実行される。
【0285】以下、ブック原稿92の2ページ目以降の
原稿画像の読み取り、及び、ページめくり動作は、プリ
ンタ300からの転送要求信号によって、順次スタート
され、上述と同様のプリント置数に応じた回数の読み取
り動作、及び、ページめくり動作が、予め設定された最
終読み取りページに至るまで、繰り返し実行される。
【0286】また、ここで、プリント変倍キー614に
より、読み取った原稿画像が変倍されるように設定され
ている場合には、第1読み取りセンサユニット9のスキ
ャン速度Vfが、その変倍率に応じた速度に可変される
ことによって、この原稿画像の副走査方向の変倍がなさ
れるとともに、第1画像処理ボード314によって、こ
の原稿画像の主走査方向の変倍処理がなされる。
【0287】一方、上述のような、見開き2ページ連続
読み取りモードの両面モードにおいては、プリンタ30
0が原稿画像の両面プリントを行なうために、このプリ
ンタ300からのメイン制御ボード310への転送要求
信号の送信タイミングが多少遅れる点は異なるが、それ
以外の動作に関しては、前述した見開き2ページ連続読
み取りモードと同様の動作が実行される。
【0288】次に、図42を参照して、見開き1ページ
区切り読み取りモードについて説明する。この見開き1
ページ区切り読み取りモードは、見開かれたブック原稿
92の左ページと、右ページとを別々に読み取って、画
像形成を行なうモードで、これらの各画像を別々の転写
紙にプリントするモードと、1枚の転写紙の表裏にプリ
ントするモード(この見開き1ページ区切り読み取りモ
ードの両面モード)とがある。
【0289】また、このモードにおいては、ブック原稿
92の左ページから読み取る動作と、右ページから読み
取る動作との、何れか一方の動作を、操作表示ボード3
13の読み取り開始ページ選択キー603のキー入力に
より選択設定することができる。 図42は、ブック原
稿92の向かって左ページから読み取りを開始する場合
のタイミングチャートを示している。
【0290】この見開き1ページ区切り読み取りモード
の動作は、前述した見開き2ページ連続読み取りモード
の両面モードの動作と略同じであり、この見開き2ペー
ジ連続読み取りモードの両面モードの動作と異なる点と
しては、プリンタ300からメイン制御ボード310へ
の転送要求信号が、1ページ毎に送信される点であっ
て、これにより、ページめくり読取ユニット1が、ブッ
ク原稿92の左ページから右ページに向けて等速で移動
(スキャン)される。
【0291】図43は、この見開き1ページ区切り読み
取りモードにおいて、ブック原稿92の右ページから読
み取りを開始するように、セットされている場合のタイ
ミングチャートを示している。
【0292】このタイミングチャートから明らかなよう
に、ブック原稿92の右ページから読み取りが開始され
る場合には、このブック原稿92の読み取りが行なわれ
ない左ページに対するページめくり読取ユニット1の移
動速度が、右ページに対する第1読み取りセンサユニッ
ト9のスキャン速度Vfよりも速い速度となるようにプ
ログラムされていて、原稿読み取り時間の短縮化、すな
わち、読み取り機能の性能アップが図られている。
【0293】また、この見開き1ページ区切り読み取り
モードにおいて、読み取りスキップページ設定キー61
8により、スキャンをせずに読み飛ばす(スキップす
る)ページが設定されている場合には、この読み取りス
キップページに対するページめくり読取ユニット1が、
読み取りを行なう時の第1読み取りセンサユニット9の
スキャン速度Vfよりも速い速度で移動されて、直ち
に、この読み取りスキップページのめくり動作が実行さ
れるようにプログラムされている(タイミングチャート
は図示せず)。
【0294】ところで、一般的には、図42及び図43
に示したように、プリンタ300からメイン制御ボード
310に対して、通常状態で連続して転送要求信号を要
求できるプリンタは少ない。
【0295】そこで、このような一般的なプリンタを使
用して、この見開き1ページ区切り読み取りモードを実
施する場合には、このプリンタ側において、2枚の転写
紙を重連するように給紙させることによって実現させる
ことができる。
【0296】また、ここで、転写紙と感光体ドラムとの
レジストの関係上、これらの2枚の転写紙間に、どうし
ても、ある程度の距離を設けなければならないような場
合には、ブック原稿92の左ページ側の画像データはそ
のままプリンタに流し、ブック原稿92の右ページ側の
画像データは、ディレーメモリを通して、これら転写紙
間の距離に相当する時間だけ、プリンタへの転送タイミ
ングを遅延させることにより実現させることができる。
【0297】この後者の場合の一例のブロック図を図4
4に、また、そのタイミングチャートを図45に示す。
この例では、メイン制御ボード310上の内部の各ゲー
トA,Bにより、切り換え器を通してプリンタへそのま
ま出力される画像データに対して、ディレーメモリを通
してプリンタへ出力される画像データが、時間Tdだけ
遅延されるように構成されている。
【0298】次に、この見開き1ページ区切り読み取り
モードにおける両面モードについて説明する。先ず、見
開かれたブック原稿92の左右2ページの画像データを
1枚の転写紙の表裏にプリントする場合について説明す
る。
【0299】この場合には、プリンタ300側におい
て、転写紙を反転搬送する必要があるため、その左ペー
ジの画像データのプリントを終えてから、右ページの画
像データのプリントを開始するまでに、多少の時間がか
かる。
【0300】このため、このモードでは、ページめくり
読取ユニット1がブック原稿92の左ページの読み取り
を終えて、その綴じ部付近に到達した時点で、このペー
ジめくり読取ユニット1の駆動が一旦停止される。
【0301】そして、プリンタ300側での左ページ画
像のプリント、及び、この転写紙の反転搬送が完了し、
プリンタ300からメイン制御ボード310に転送要求
信号が出されると、停止されていたページめくり読取ユ
ニット1が再び所定のスキャン速度Vfで駆動されて、
ブック原稿92の右ページの読み取りが行なわれ、この
右ページの画像データがプリンタ300に転送されて、
表面に左ページ画像のプリントされた転写紙の裏面に、
この右ページ画像がプリントされて、両面プリントが行
なわれる。この時の、タイミングチャートを図46に示
す。
【0302】次に、この見開き1ページ区切り読み取り
モードにおいて、プリントされた転写紙の表裏と、ブッ
ク原稿92の原稿面の表裏との関係を、一致させて画像
形成する場合の両面モードについて説明する。このモー
ドにおいて、ブック原稿92の左ページから読み取りを
開始する場合には、前述したように、プリンタ300に
対して、2枚連続給紙を行なうように指示し、左ページ
画像のプリントされた転写紙はそのまま排紙させる一
方、右ページ画像のプリントされた転写紙は反転搬送さ
せて、その裏面にブック原稿92の次ページの左ページ
画像をプリントするための準備を行なっておく。
【0303】この間に、MFDS側においては、読み取
りを終えた原稿ページのページめくり動作が行なわれ
る。このMFDS側でのページめくり動作が完了される
と、次ページに対する読み取り動作が実行され、前に、
右ページ画像がプリントされて反転搬送された転写紙の
裏面に、読み取られた左ページ画像がプリントされて排
出される。
【0304】また、この時読み取られた右ページ画像
は、新たに給紙された転写紙にプリントされる。この転
写紙は、先の転写紙と同様に、反転搬送されて、その裏
面にブック原稿92の次ページの左ページ画像をプリン
トするための準備が行なわれる。このような1連の動作
が繰り返し実行されることにより、ブック原稿92と全
く同様なページ構成の原稿画像がプリントされた転写紙
が得られる。以上が、ブック原稿読み取りモードにおけ
る動作の一例である。
【0305】ここで、見開き読み取りモードにおけるブ
ック原稿のセットについて説明する。 図34の接続機
器チェックにおいて、プリンタ300が裏面排紙可能な
場合には、次のような表示が行なわれる。
【0306】すなわち、”ブック原稿が横書き(左開
き)ならば、読み取りたい先頭ページを見開いて正面上
向きにセットして下さい。””ブック原稿が縦書き(右
開き)ならば、読み取りたい先頭ページを見開いて天地
逆上向きにセットして下さい。”のように、ブック原稿
の横書き、縦書きに対する、それぞれのセット方法が指
示される。
【0307】これに対し、図34の接続機器チェックに
おいて、プリンタ300が表面排紙のみ可能な場合に
は、次のような表示が行なわれる。
【0308】すなわち、”ブック原稿が横書き(左開
き)ならば、読み取りたい最終ページを見開いて天地逆
上向きにセットして下さい。””ブック原稿が縦書き
(右開き)ならば、読み取りたい最終ページを見開いて
正面上向きにセットして下さい。”のように、ブック原
稿の横書き、縦書きに対する、それぞれのセット方法が
指示される。
【0309】このMFDSでは、上述のような指示に従
って、ブック原稿92をセットすることにより、これに
接続されるプリンタ300の機能に関わらず、排出され
る転写紙のページ揃えを行なうことができる。また、こ
のMFDSにおけるページめくり枚数の入力方法には、
操作表示ボード313のキー入力による2通りの入力方
法があり、これらの入力方法の内の何れか1つを、ユー
ザーが好みによって選択できるようになっている。 こ
の入力方法の一つは、読み取り総ページ設定キー606
等を使用して、読み取りたい総ページ数を設定する方法
であり、他の入力方法は、読み取り開始ページ設定キー
604、読み取り最終ページ設定キー605等を使用し
て、読み取りたい先頭ページと、最終ページを入力する
方法である。
【0310】このMFDSにおけるページめくり枚数の
入力は、上記の何れの方法で行なうにせよ、ページめく
り読取ユニット1のページめくり回数を正確に算出でき
ればよい。以下、上述の各方法におけるページめくり回
数の算出方法について説明する。 先ず、読み取りたい
総ページ数を入力した場合について説明する。
【0311】ここで、読み取りたい総ページ数をXと
し、めくり回数をMとすれば、左ページから読み取る場
合には、 (X−2)/2=M+余り・・・ 右ページから読み取る場合には、 (X−1)/2=M+余り・・・ となり、これらの式よりMの値を算出する事により、そ
のめくり回数が求められる。
【0312】次に、読み取りたい先頭ページと、最終ペ
ージを入力した場合について説明する。ここで、読み取
りたい先頭ページをY、最終ページをZととし、読み取
りたい総ページ数をXとすれば、 X=Z−Y+1・・・ となり、この式を、前記の式、式に代入すること
により、めくり回数Mを算出する事ができる。
【0313】ところで、このMFDSは、前述したよう
に、1台の装置で、ブック原稿と、シート原稿とを選択
的に読み取って、その画像形成を行うことができるよう
に構成されている。ブック原稿に関する画像読み取りモ
ードは、上述した通りであり、以下、このMFDSにお
けるシート原稿の画像読み取りモードについて説明す
る。
【0314】このシート原稿の読み取りモードには、図
38に示したように、シート原稿スルーモードと、シー
ト原稿スキャンモードと、シート原稿手動開閉モードと
がある。
【0315】先ず、シート原稿スルーモードについて説
明する。このシート原稿スルーモードには、片面原稿読
み取りモードと、両面原稿読み取りモードとがあり、こ
の両面原稿読み取りモードに、同一位置読み取りモード
と、別位置読み取りモードとがある。
【0316】これらのモードの選択は、図47に示すよ
うに行われる。先ず、片面原稿読み取りモードでは、図
48、及び、図49に示すように、シート原稿トレイ9
4に、シート原稿200が下向きにセットされ、この状
態で、スタートキー600が押されると、先ず、めくり
搬送ベルト駆動モータ61の電源がONされ、駆動ロー
ラ12が回転されて、めくり搬送ベルト8が回動され
る。
【0317】このとき、各センサと、各入力データに異
常がなければ、給紙クラッチ128がONされ、第1ベ
ルト支持ローラ97に取付けられた第2給紙プーリ13
0から給紙駆動ベルト127を介して、給紙ローラ96
が回転され、シート原稿200が給紙分離パッド95に
向けて搬送される。
【0318】この給紙分離パッド95によって、最下位
の1枚だけのシート原稿200が他のシート原稿から分
離され、第1搬送ガイド108及び第2搬送ガイド10
9に案内されながら、めくり搬送ベルト8に接する位置
まで搬送される。
【0319】ここで、この第2搬送ガイド109には、
給紙センサ26が取付けられており、この給紙センサ2
6によって、シート原稿200の後端が検知されされた
後、給紙クラッチ128がOFFされるように、シート
原稿200の搬送タイミングが設定されている。
【0320】一方この間に、このめくり搬送ベルト8の
回転とともに、第2バイアスローラ11に交流電源から
交流の高電圧が印加されて、めくり搬送ベルト8にスト
ライプ状の電荷パターンが形成される。これにより、こ
のめくり搬送ベルト8によって、給紙されたシート原稿
200が吸着されて搬送される。このときのめくり搬送
ベルト8の線速は、等倍時では360mm/sに、変倍
時ではその設定倍率に応じて変化されるようになってい
る。
【0321】一方、このモードでは、ページめくり読取
ユニット1が、そのエンドポジション位置〔1C〕に位
置しており、その第1読み取りセンサユニット9によっ
て、めくり搬送ベルト8により搬送されたシート原稿2
00の原稿情報が順次読み取られる(画素密度は400
dpi)。
【0322】そして、この読み取りを終えたシート原稿
200は、第3搬送ガイド110及び第4対向ローラ1
03,第5対向ローラ104,第6対向ローラ105,
第7対向ローラ106により、挾持搬送されて、排紙口
117から排紙トレイ23上に排紙される。
【0323】この排紙口117の近傍の第3搬送ガイド
110には、排紙センサ28が取付けられていて、この
排紙されるシート原稿200の排紙ジャムが検知されて
いる。 そして、1枚目のシート原稿200の読み取り
動作が完了されると、次に、所定の給紙タイミングで、
給紙クラッチ128が再びONされ、2枚目のシート原
稿200が給紙されて、上述と同様な読み取り動作が実
行される。
【0324】このようにして、シート原稿トレイ94に
セットされたシート原稿200が順次給送されて読み取
られ、最後の(最上位の)シート原稿200が給紙され
て、シート原稿センサ25がOFFすると、第2バイア
スローラ11の電源が高周波交流電圧に切り替えられ、
めくり搬送ベルト8の電荷パターンが除電されて、この
最終のシート原稿200が排紙された後、MFDSの全
ての動作が停止される。以上の読み取り動作は、このM
FDSに裏面排紙機能を有するプリンタが接続されてい
る場合の動作であり、これにより、シート原稿200及
びプリントされた転写紙のページ揃え排紙が実現され
る。
【0325】ここで、このMFDSに接続されているプ
リンタが表面排紙機能しか有していない場合には、シー
ト原稿トレイ94上に、シート原稿200を上向きにセ
ットして、第2読み取りセンサユニット14によって、
このシート原稿200の読み取りを行うことにより、上
述した裏面排紙機能を有するプリンタの場合と同様に、
シート原稿200及びプリントされた転写紙のページ揃
え排紙が実現される。また、この表面排紙機能を持った
プリンタが接続されている場合におけるその他の動作
は、裏面排紙機能を有するプリンタが接続されている場
合と同様である。
【0326】次に、このシート原稿スルーモードにおけ
る両面原稿読み取りモードについて説明する。この両面
原稿読み取りモードでは、横書きのシート原稿が、その
原稿先端から下向きにして、シート原稿トレイ94上に
セットされる。
【0327】これは、第1読み取りセンサユニット9及
び第2読み取りセンサユニット14がメモリーを持って
いないため、その主走査方向でのミラー反転しか用いる
ことができないことによる。
【0328】先ず、この両面原稿読み取りモードにおけ
る同一位置読み取りモードの基本動作は、図50、及
び、図51に示すように、片面原稿読み取りモードの場
合と同様であるが、このモードでは、ページめくり読取
ユニット1が、そのホームポジション位置〔1A〕に位
置されて、原稿台18がわの第2読み取りセンサユニッ
ト14の位置と同一位置で、シート原稿200の表裏両
面の原稿情報の読み取りが、これらの第1読み取りセン
サユニット9、及び、第2読み取りセンサユニット14
によって、同時に平行して実行される。
【0329】一方、この両面原稿読み取りモードにおけ
る別位置読み取りモードの基本動作は、図52、及び、
図53に示すように、片面原稿読み取りモードの場合と
同様であるが、このモードでは、ページめくり読取ユニ
ット1が、そのエンドポジション位置〔1C〕に位置さ
れている。
【0330】ここで明らかなように、この別位置読み取
りモードでは、第1読み取りセンサユニット9と、第2
読み取りセンサユニット14との読み取り位置の間隔
が、最大サイズの原稿の長さよりも大きくなるため、こ
れらの第1読み取りセンサユニット9及び第2読み取り
センサユニット14によ読み取られたシート原稿200
の表裏両面の原稿情報が、時系列的に出力される。
【0331】次に、シート原稿読み取りモードにおける
シートスキャンモードについて説明する。このシートス
キャンモードでは、図54、及び、図55に示すよう
に、シート原稿トレイ94に、シート原稿200が上向
きにセットされ、この状態で、スタートキー600が押
されると、先ず、めくり搬送ベルト駆動モータ61の電
源がONされ、駆動ローラ12が回転されて、めくり搬
送ベルト8が回動される。
【0332】このとき、各センサと、各入力データに異
常がなければ、給紙クラッチ128がONされ、第1ベ
ルト支持ローラ97に取付けられた第2給紙プーリ13
0から給紙駆動ベルト127を介して、給紙ローラ96
が回転され、シート原稿200が給紙分離パッド95に
向けて搬送される。
【0333】この給紙分離パッド95によって、最下位
の1枚だけのシート原稿200が他のシート原稿から分
離され、第1搬送ガイド108及び第2搬送ガイド10
9に案内されながら、めくり搬送ベルト8に接する位置
まで搬送される。
【0334】ここで、この第2搬送ガイド109には、
給紙センサ26が取付けられており、この給紙センサ2
6によって、シート原稿200の後端が検知されされた
後、給紙クラッチ128がOFFされるように、シート
原稿200の搬送タイミングが設定されている。
【0335】一方この間に、このめくり搬送ベルト8の
回転とともに、第2バイアスローラ11に交流電源から
交流の高電圧が印加されて、めくり搬送ベルト8にスト
ライプ状の電荷パターンが形成される。
【0336】これにより、このめくり搬送ベルト8によ
って、給紙されたシート原稿200が吸着されて搬送さ
れる。このときのめくり搬送ベルト8の線速は、360
mm/sに設定されており、シート原稿200の先端が
ホームポジション位置〔1A〕に到達したときに、めく
り搬送ベルト8の回動が停止されるようになっている。
【0337】一方、このモードでは、ページめくり読取
ユニット1が、そのホームポジション位置〔1A〕に位
置しており、めくり搬送ベルト8の回動が停止された後
に、ページめくり読取ユニット1がめくりユニット駆動
モータ60によって、そのエンドポジション位置〔1
C〕に向けて移動されながら、その第1読み取りセンサ
ユニット9によって、めくり搬送ベルト8により搬送さ
れたシート原稿200の原稿情報が順次読み取られる
(画素密度は400dpi)。
【0338】この原稿情報の読み取り時には、第1バイ
アスローラ3に、第1高圧電源320により高周波交流
電圧が印加され、めくり搬送ベルト8に形成されていた
電荷パターンが除電される。これにより、ページめくり
読取ユニット1の復帰移動時におけるシート原稿200
のページめくり読取ユニット1内への進入が防止されて
いる。このようにしてシート原稿200の読み取りを終
えたページめくり読取ユニット1は、そのホームポジシ
ョン位置〔1A〕に向けてリターンされる。
【0339】また、このページめくり読取ユニット1の
リターン時には、第1読み取りセンサユニット9がシー
ト原稿200の原稿面から上方に退避されるとともに、
第1バイアスローラ3に第1高圧電源320から高圧交
流電圧が印加されて、めくり搬送ベルト8にストライプ
状の電荷パターンが形成されて、このシート原稿200
がめくり搬送ベルト8に吸着されて固定される。
【0340】そして、上述のような動作がその設定回数
だけ繰り返された後、めくり搬送ベルト駆動モータ61
がONされて、めくり搬送ベルト8が回動され、この読
み取りを終えたシート原稿200が、排紙口117から
排紙トレイ23上に排紙される。
【0341】この排紙口117の近傍の第3搬送ガイド
110には、排紙センサ28が取付けられていて、この
排紙されるシート原稿200の排紙ジャムが検知されて
いる。そして、1枚目のシート原稿200の読み取り動
作が完了されると、次に、所定の給紙タイミングで、給
紙クラッチ128が再びONされ、2枚目のシート原稿
200が給紙されて、上述と同様な読み取り動作が実行
される。
【0342】このようにして、シート原稿トレイ94に
セットされたシート原稿200が順次給送されて読み取
られ、最後の(最上位の)シート原稿200が給紙され
て、シート原稿センサ25がOFFすると、第2バイア
スローラ11の電源が第2高圧電源321の高周波交流
電圧に切り替えられ、めくり搬送ベルト8の電荷パター
ンが除電されて、この最終のシート原稿200が排紙さ
れた後、MFDSの全ての動作が停止される。
【0343】次に、このシート原稿スルーモードにおけ
るシート原稿手動開閉モードについて説明する。このシ
ート原稿手動開閉モードの動作は、図56、及び、図5
7に示すように、上述したシート原稿スキャンモードの
動作における、シート搬送手段、及び、シート吸着用の
各電源をそれぞれOFFの状態にし、オペレータが手操
作により、シート原稿の入れ替えが行われる。
【0344】以下、このMFDSにおけるページめくり
読取ユニット1の操作制御について説明する。図58
に、このMFDSにおけるページめくり読取ユニット1
の操作制御回路を示す。
【0345】この操作制御回路は、ページめくり読取ユ
ニット1の往復駆動制御、及び、その速度制御を行って
おり、めくりユニット駆動制御ボード312に組み込ま
れている。図58において、マイクロコンピュータ52
0(以下、単にマイコンという)は、このMFDSのモ
ード制御、及び、シーケンス制御も行っている(詳細は
図示せず)。
【0346】このようなマイコン520としては、例え
ば、μPD71054Gによるプログラマブルインター
バルタイマ521(以下、単にタイマという)が接続さ
れている。このタイマ521は、マイコン520の制御
により、めくりユニット駆動モータ60(直流モータ)
の速度制御を行うためのパルス幅変調PWM出力を送出
するためのものである。
【0347】このPWM制御の周期は、50(μsec)
であり、これを400ビットの分解能で制御する。この
タイマ521には、8MHzの発振器522が接続さ
れ、クロック信号が与えられるように構成されている。
また、めくりユニット駆動モータ60は、マイコン52
0に対し、駆動用トランジスタQ1〜Q4を介して接続
されている。
【0348】すなわち、トランジスタQ1,Q4がON
で、トランジスタQ2,Q3がOFFの状態で、めくり
ユニット駆動モータ60には、時計方向(CW)に回転
する電流が供給され、トランジスタQ2,Q3がON
で、トランジスタQ1,Q4がOFFの状態で、めくり
ユニット駆動モータ60には、反時計方向(CCW)に
回転する電流が供給される。
【0349】ここで、めくりユニット駆動モータ60
が、時計方向(CW)に回転すると、ページめくり読取
ユニット1は往動され、めくりユニット駆動モータ60
が、反時計方向(CCW)に回転すると、ページめくり
読取ユニット1は復動されるように設定されている。
【0350】このめくりユニット駆動モータ60の回転
方向は、マイコン520のポートPF6,PF7からそ
れぞれ出力されるCW信号、及び、CCW信号により制
御される。また、めくりローラ2には、その回転に従っ
てパルスを発生させるエンコーダ152が直結されてい
る。
【0351】ここで、このエンコーダ152は、めくり
ユニット駆動モータ60の回転量、及び、回転方向に応
じて、位相の異なる2つのパルス信号を発生する。1つ
は、A相エンコーダパルスENCAであり、他の1つ
は、B相エンコーダパルスENCBである。A相エンコ
ーダパルスENCAは、分周マルチプレクサ524を介
して、マイコン520のカウンタインプット端子C1に
入力されている。
【0352】これにより、マイコン520は、A相エン
コーダパルスENCAのパルス間隔が、マイコン520
の内部のカウンタ(マイコン520の発振器525の発
振周波数10MHzにより規制される)によって計測さ
れる。
【0353】また、このカウンタインプット端子C1へ
の入力信号は、割込み入力となっており、割込みプログ
ラムの処理中に、A相エンコーダパルスENCAのパル
ス間隔の測定データの値を読み、このデータに基づい
て、めくりユニット駆動モータ60の回転数の算出、比
例・積分制御演算によるモータ制御量の算出、並びに、
出力(タイマ521へのデータロード)等が行われる。
【0354】具体的には、A相エンコーダパルスENC
Aの出力を目標速度に応じて分周マルチプレクサ524
により、1,2,4,8分周することにより、カウンタ
インプット端子C1に割込み入力信号が与えられてい
る。
【0355】ここで、1分周時には、第1読み取りセン
サユニット9が、エンコーダ152の1パルスによっ
て、0.116mm移動することにより、その速度が割
込み間隔によりマイコン520の内部で演算される。そ
して、この算出された速度データに基づいて比例・積分
演算処理により、出力タイマ値が決定される。
【0356】また、A相エンコーダパルスENCA、及
び、B相エンコーダパルスENCBは、フリップフロッ
プ526を介して、マイコン520の入力端子PC3に
入力され、両者間の位相差検知に供されて、その位相差
によりめくりユニット駆動モータ60の回転方向が決定
される。
【0357】つまり、A相エンコーダパルスENCAの
立上り時における、B相エンコーダパルスENCBの状
態がマイコン520のポートに入力されることによっ
て、めくりユニット駆動モータ60の回転方向が判断さ
れる。
【0358】次に、めくりユニット駆動モータ60の速
度制御について説明する。このめくりユニット駆動モー
タ60の速度制御はPWM制御によって行われる。先
ず、ページめくり読取ユニット1のスキャナ走査時、す
なわち、めくりユニット駆動モータ60の時計方向への
回転時には、トランジスタQ1をONさせる一方、タイ
マ521からのPWM出力により、ゲート527を介し
て、トランジスタQ4をON/OFFさせ、めくりユニ
ット駆動モータ60の両端子間に電位差を生じさせて、
PWM信号のデューティ比に応じた速度でこのめくりユ
ニット駆動モータ60を回転させる。
【0359】一方、ページめくり読取ユニット1のリタ
ーン時には、上述の場合と逆に、トランジスタQ3をO
Nさせるとともに、タイマ521からのPWM出力によ
り、ゲート回路528を介して、トランジスタQ2をO
N/OFFさせ、めくりユニット駆動モータ60の両端
子間に逆向きの電位差を生じさせて、PWM信号のデュ
ーティ比に応じた速度でこのめくりユニット駆動モータ
60を回転させる。
【0360】以下、上述のように構成されたMFDSで
の著作権管理支援システムについて説明する。先ず、図
59により、MFDSのメイン制御ボード310の内部
の構成、および機能について説明する。
【0361】図59において、ワンチップマイクロコン
ピュータ330(以下、単にマイコンという)は、内部
RAM、内部ROM、I/O、タイマ、外部・内部割込
み、シリアルインターフェース等を含んだ構成となって
いる。また、アドレスバス、データバスにより、外部R
OM331、外部RAM332をはじめとする外部デバ
イスをアクセスすることができるようになっている。
【0362】外部ROM331は、マイコン内部ROM
と同様に動作プログラムが組み込まれている。外部RA
M332は、外部デバイスへの設定データ等をストアす
ることができ、バッテリーバックアップ用電池334に
より、装置の電源オフ時でもメモリできるようにバック
アップされている。
【0363】シリアルインターフェース337,33
8,339は、外部ユニット、外部機器等とシリアル通
信で接続されていて、ワンチップマイコンとコマンドお
よびデータの送受信が可能となっている。IDカード読
み取り装置340は、個人や団体に発行されたカードに
組み込まれている磁気データ等を読み取り、コード化し
てシリアルインターフェース338を介してマイコンに
入力される。このデータにより、誰がブック原稿をコピ
ーしたかを判断することができる。
【0364】バーコード読み取り装置341は、書籍や
雑誌等のブック原稿に貼付または印刷されたバーコード
パターンによって、ブック原稿の種類を識別するための
ブック原稿識別装置である。
【0365】本実施例では、このブック原稿識別装置と
してバーコード読み取り装置341を示したが、ブック
原稿に貼付した磁気パターンを識別する装置であっても
よい。
【0366】このバーコード読み取り装置341は、バ
ーコードスキャナとバーコードデータとからなってい
る。本例では、バーコードスキャナにCCDを使用した
タイプで説明するが、このバーコードスキャナとして
は、反射光センサを使用したペンタイプや、レーザスキ
ャンタイプのスキャナであってもよい。
【0367】このCCDスキャナにより読み取られたバ
ーコードデータは、そのバーコード信号がASCIIに
コードに変換され、シリアル通信でメイン制御ボード3
10へ送信されるようになっている。操作表示ボード3
13は、モードの設定や表示、操作手順表示、エラー表
示等を行なう。
【0368】メモリコントローラ342は、ワンチップ
マイコン330からのコマンドより画像処理ボード31
4からの画像データをプリンタへ直接出力するか、画像
メモリボード343へ出力するかを切り換えたり、画像
処理ボード314またはプリンタ300からの主走査、
副走査の同期信号およびゲート信号、クロック信号の切
り換えを行なう。
【0369】また、メモリコントローラ342は、画像
メモリボード343からの出力をコントロールできるよ
うに、主走査、副走査の同期信号(LSYNC)および
ゲート信号(FGATE)、クロック信号を発生するこ
とができる。さらに、メモリコントローラ342は、キ
ャラクタージェネレータ344をコントロールする。
【0370】キャラクタージェネレータ344は、文字
フォントや図形パターンのデータを内部ROMに持って
いて出力可能になっている。このキャラクタージェネレ
ータ344の出力タイミングは、メモリーコントローラ
342によって指示され、その出力は、OR回路345
を経てプリンタ300に出力される。
【0371】OR回路345は、メモリコントローラ3
42から出力される画像データとキャラクタジェネレー
タ344から出力されるパターンデータとを合成するこ
とができる。画像メモリボード343は、原稿最大読み
取りサイズ分のメモリを標準で2ページ分持っている。
【0372】また、この画像メモリボード343は、1
ドット多値化出力の1ドット当りのビット数増分用およ
びプリンタジャム時のリカバリー用にメモリを増設でき
るように構成されている。
【0373】次に、本発明に関する動作モードについて
説明する。前述したように、MFDSの動作モードは、
大きく2つのモードにわかれており、一方は、ブック原
稿のページめくり読み取り動作を行なうブック原稿読み
取りモードであり、他方は、シート原稿に対する読み取
りを行なうシート原稿読み取りモード(ADFモードと
圧板モード)である(図38)。
【0374】本発明は、ブック原稿読み取りモードのう
ちで、著作権利用料の管理ができるようにIDカード認
識モードとバーコード認識モードとを設定できるように
なっている(図36)。
【0375】ここで、各モードの設定のオン/オフは、
使用者が簡単に変更できないようにするために、操作表
示ボード313からの暗号キー入力によって設定する
か、はじめから各モードが組み込まれたプログラムRO
Mを使用して行なうようにしてもよい。その他の細分化
されたモードは、前記の図37を参照して述べた通りで
ある。
【0376】次に、操作部からのキー入力による個々の
モードの切り換えと、センサ入力による自動モード切り
換えについて説明する。図60において、MFDSのメ
イン電源をオンすると、図34で示したメイン制御ボー
ド310、操作表示ボード313、めくりユニット駆動
制御ボード312、めくり搬送ベルト駆動制御ボード3
11、各画像処理ボード314,317がリセットさ
れ、初期設定が行なわれる。
【0377】この初期設定では、図35に示す自動選択
モードが設定される。この自動選択モードでは、各セン
サ入力によってモードを自動的に選択する。その後、プ
リンタ300等の出力装置の接続をチェックし、プリン
タ等の接続器機に対応可能なモードを表示する一方、置
数枚、変倍、ページめくり枚数、モードのキー入力を受
け付ける。
【0378】ここで、自動選択モードをオフすると、操
作表示ボード313からキー入力でモード選択を設定で
きる。すなわち、操作表示ボード313のモード選択キ
ーによりモードが指定されると、この操作表示ボード3
13からのシリアル通信により、モード選択コードが送
信され、これによりモード選択フラグがセットされる。
【0379】そして、このモード選択フラグチェックに
より各モードへの分岐(サブルーチンコール)が行なわ
れる。一方、自動選択モードのオン時には、ブック原稿
またはシート原稿のセットにより、各センサ入力および
設定条件によって、次に示すようにモードが分岐され
る。
【0380】シート原稿がシート原稿トレイ94に置か
れると、シート原稿センサ25がオンされる。また、搬
送部19を開いて原稿台18の中央位置基準決め部24
に、ブック原稿が見開いた状態でセットされると、ブッ
ク原稿センサ27がオンされる。この2つのセンサ2
5,27により、図60に示すようにモードが切り替わ
る。
【0381】すなわち、ブック原稿センサ27がオフ、
シート原稿センサ25がオンで、置数枚が1枚の場合は
シート原稿スルーモード(ADFモード)へ、置数枚が
2枚以上の場合はシート原稿スキャンモード(ADFモ
ード)へ、各センサ25,27が共にオフの場合はシー
ト原稿手動開閉モード(圧板モード)へ、それぞれ切り
替わる。
【0382】また、ブック原稿センサ27がオンで、シ
ート原稿センサ25がオフの場合はブック原稿読み取り
モードへ、各センサ25,27が共にオンの場合は以上
処理1を実行して、警告ブザーとエラー表示を行なって
ユーザに注意を促した後、ブック原稿読み取りモードへ
遷移する。
【0383】ここで、ブック原稿読み取りモードは、著
作権利用管理ができるモードであるのに対し、シート原
稿読み取りモード(ADFモードと圧板モード)は、通
常複写動作ができるようになっている。
【0384】すなわち、ブック原稿モードと圧板モード
のみ(ADFモード無)の場合には、中央位置決め部2
4のブック原稿センサ27の状態を見てモードの判断が
なされ、(1)ブック原稿センサ27がオンでブック原
稿モードの場合には、ブック原稿の画像の読み取りを行
なう画像読み取りセンサユニット9の画像読み取り走査
回数、または、この読み取りセンサユニット9によって
読み取られた画像情報を出力するメモリコントローラ3
42の上記画像情報出力回数が、カウント手段によりカ
ウントが実行され、(2)ブック原稿センサ27がオフ
で圧板モードの場合には、上記のカウント手段による画
像読み取りセンサユニット9の画像読み取り走査回数、
または、メモリコントローラ342の上記画像情報出力
回数のカウントが不実行となる。
【0385】また、それぞれモードサブルーチンへ入っ
た後は、読み取りスタートキーが押されていなければ、
処理を実行せずにリターンするようになっている。
【0386】それそれのモード動作は、前述した通りで
ある。
【0387】次に、本発明に関する、ブック原稿読み取
りモードについて、図61乃至図63のフローチャート
を用いて説明する。図61乃至図63において、ブック
原稿読み取りモードに入ると、ベルトテンションセンサ
34のオン/オフのチェックを行なう。
【0388】これは、載置されるブック原稿が厚すぎ
て、めくり読み取りユニット1が原稿面をスキャンでき
ないレベルを検知している。このベルトテンションセン
サ34がオンすると、異常処理2が実行され、ユーザが
無理に搬送部19を閉じて装置を破損することのないよ
うに、警告ブザーがオンするとともに、”本が厚すぎま
す”のエラー表示が行なわれる。
【0389】ここで、ブック原稿の厚さが適応レベル以
下なら、ユーザにより搬送部19が閉じられて、搬送部
ロックセンサ31がオンする。このとき、搬送部19が
開いたままであれば、異常処理3が実行され、警告ブザ
ーがオンするとともに、”搬送部を閉じてください”の
エラー表示が行なわれる。
【0390】このようにして搬送部19が閉じられる
と、ブックサイズ上限検知センサ33のオン/オフのチ
ェックを行ない、このセンサがオンの場合には、本のサ
イズが読み取り領域以上となるため、異常処理4が実行
され、警告ブザーがオンするとともに、”本のサイズが
多きすぎます”のエラー表示が行なわれる。
【0391】そして、ここで、ブックサイズ上限検知セ
ンサ33がオフの場合は、置数枚、変倍、めくり枚数が
セット済みであることを判断し、さらに、IDカード認
識モードであることを判断して、サブルーチンがコール
される。
【0392】IDカード認識モードは、図64に示すフ
ローチャートに示すように動作される。このIDカード
認識モードが実行されると、図64に示すように、先
ず、IDカード読み取り装置340が接続されているか
否かが、シリアルインターフェース338(図59)を
介して、ブレーク信号通のやり取りでチェックされる。
【0393】ここで、IDカード読み取り装置340が
接続されていない場合には、シリアルインターフェース
337を介して、操作表示ボード313へ接続方法の指
示表示を行なうようにコマンドを送信し、NGフラグを
セットして、ブック原稿読み取りモードへリターンす
る。
【0394】一方、IDカード読み取り装置340が接
続されている場合には、操作表示ボード313へIDカ
ード読み取り装置340の操作方法の表示を行なうよう
にコマンドを送信する。
【0395】次に、IDカードより個別コードが読み取
られたかどうかのシリアル通信上でのコマンドのやり取
りを行なう。その結果、個別コードの読み取りがまだ行
なわれていない場合には、NGフラグをセットしてリタ
ーンする。ここで、個別コードの読み取りが行なわれて
いると判定された場合には、そのIDコードがブック原
稿の複写を許可しているか否かの判断を行なう。そし
て、IDコードがブック原稿の複写を許可していない場
合には、”ブック原稿の複写が許可されていません”等
のエラー表示を行なうように、操作表示ボード313へ
コマンドを送信する。
【0396】一方、IDコードがブック原稿複写を許可
済の場合には、このIDコード別に設定されている外部
RAM332上のカウンタのアドレスをセレクトして、
分岐もとルーチンへリターンする。この外部RAM33
2上のカウンタは、IDコード別にブック原稿の複写枚
数をカウントする機能を有している。
【0397】上述したIDカード認識モードのリターン
終了後は、NGフラグのセット・リセットを判断する。
ここで、NGフラグがセットされている場合には、NG
フラグをリセット後、ブック原稿読み取りモードをリタ
ーンして終了する。
【0398】一方、NGフラグがセットされていなけれ
ば、バーコード認識モードかを判断して、そのサブルー
チンをコールする。このとき、バーコード認識モードで
なければ、次のモードへ進む。
【0399】〔請求項1に対応する説明〕図65に、上
記のバーコード認識モードのフローチャートを示す。
【0400】このサブルーチンでは、先ず、バーコード
読み取り装置341の接続チェックを行なう。
【0401】ここで、バーコード読み取り装置341が
接続されていない場合には、操作表示ボード313へエ
ラー表示をするコマンドを送信し、NGフラグをセット
してリターンする。
【0402】一方、ここで、異常がなければ、バーコー
ドスキャナ内部のLEDを点灯させ、同じくバーコード
スキャナ内部のCCDにより、ブック原稿に貼付または
印刷されたバーコードの読み取りを行なう。
【0403】このバーコードスキャナの読み取り位置
は、ブック原稿セット基準位置近辺に設定することによ
り、ブック原稿のサイズに左右されずに、図66に示す
ようなブック原稿の背表紙部のバーコードパターン34
1cを読み取ることができる。そこで、本発明の実施例
では、図67および図68に示すように、ブック原稿9
2の中央綴じ部(背表紙部)を支持する原稿台18の中
央基準位置決め部24のブック原稿セット基準位置側
に、バーコード読み取り装置341のバーコードスキャ
ナ341aが取付けられている。
【0404】この実施例以外のバーコードスキャナ34
1aの取り付け位置としては、読み取りめくり可能な最
小ブック原稿サイズ以内の、ブック原稿の表紙または裏
表紙の原稿セット基準位置の近傍でもよい。なお、図6
8に示すページめくり読み取りユニット1は、めくりロ
ーラ2によってめくられた原稿ページを収納するための
ページ収納部7と、原稿ページを世に取るための読み取
りセンサユニット9とをブック原稿92の載置面に沿う
ように、原稿読み取り走査方向に並列に配置した例を示
している。
【0405】バーコードスキャナ341aによって読み
取られたバーコードパターン341cのデータは、バー
コード読み取り装置341内のバーコードデコーダ34
1bに送られ、ASCIIコードに変換されて、メイン
制御ボード310のシリアルインターフェース339を
介してワンチップマイコン330に送られる。
【0406】ここで、バーコードパターン341cが読
み取れない場合には、”バーコードパターンが読み取れ
ません”のエラー表示をし、NGフラグをセットしてリ
ターンする。また、バーコードパターン341cが読み
取れた場合には、このバーコードパターンが複写許可さ
れているかどうかを判断する。そして、複写許可されて
いない場合は、操作表示ボード313へ”このブック原
稿(バーコードパターンは複写(コピー)許可されてい
ません”のエラー表示を行なう。
【0407】一方、複写許可されている場合には、読み
取りコード別に設定されている外部RAM332上のカ
ウンタのアドレス値をセレクトしてリターンする。この
外部RAM332上のカウンタは、バーコードパターン
別に定められた、すなわち、例えば、出版社別、著作社
別、あるいは、価格等によってウエイト付けされたカウ
ンタである。
【0408】ブック原稿読み取りモードへリターン後
は、NGフラグを判断し、NGフラグがセットされてい
れば、このNGフラグをリセットしてリターンする。ま
た、NGフラグがリセットならば、次の自動ブックサイ
ズ認識モードに移行する。
【0409】自動ブックサイズ認識モードの場合には、
プレスキャンフラグをセットし、そうでなければ、ブッ
ク原稿サイズ入力モードとなり、操作表示ボード313
よりキー入力を行なって、ブック原稿のサイズを設定
し、その読み取り領域を決定する。
【0410】ここで、読み取りスタートキーが押されて
いる場合には、前述した搬送部ロック機構が作動する。
これは、ブック原稿のページめくり動作中に、ユーザが
間違って搬送部19を開いて原稿ページを破損しないよ
うにするためである。そして、この搬送部ロック機構の
作動後に、プレスキャンフラグがセットされていれば、
プレスキャン動作を行ない、プレスキャンフラグがセッ
トされていなければ、スキップする。
【0411】このプレスキャン動作後、またはスキップ
後は、接続機器(プリンタ300)の準備ができるま
で、待機される。そして、準備ができると、ブック原稿
の読み取り動作が開始される。この読み取り動作の終了
後、IDコード・バーコード別カウント動作処理サブル
ーチンがコールされる。
【0412】このIDコード・バーコード別カウント動
作処理サブルーチンでは、図69に示すように、先ず、
中央綴じユニットセンサ346の状態を判断する。図7
0に示すように、中央綴じユニット347は、著作権の
無いステープルされた原稿等を複写する場合に使用され
る。
【0413】すなわち、この中央綴じユニット347
は、ステープルされた原稿をクリップ(挾持)した状態
で、原稿台18の中央基準位置決め部24内にセットで
きるように、装置本体に対して着脱自在に構成されてい
る。そして、この中央綴じユニット347が原稿台18
の中央基準位置決め部24内にセットされると、その端
部に形成された検知片347aによって、中央綴じユニ
ットセンサ346がオンされ、原稿台18上にセットさ
れた原稿がブック原稿でないことが判断される。
【0414】この中央綴じユニットセンサ346がオン
の状態では、前記のカウント動作を必要としないので、
直ちにリターンされる。ここで、中央綴じユニットセン
サ346がオフの時には、先程サブルーチンコールされ
たIDカード認識処理(図64)、バーコード認識処理
(図65)でコード別にセレクトしたカウンタ値をロー
ドしてカウントアップし、さらに、もとのアドレス値に
ストアする。このときに使用される外部RAM332
は、バッテリーバックアップ用電池334によって、電
源オフ時にもバックアップされるようになっている。
【0415】また、このときのカウントアップは、ブッ
ク原稿の読み取りページ数と対応するようにカウントす
る。すなわち、ブック原稿を2ページずつ読み取れば、
2カウントアップずつカウントされる。
【0416】なお、上記の中央綴じユニットセンサ34
6には、光透過型センサを使用しているが、例えば、中
央綴じユニット347の裏側に独自のバーコードパター
ンを貼付もしくは印刷し、この不正防止とコストダウン
を兼ねたバーコードパターンをバーコードスキャナ34
1aで読み取るようにして、ブック原稿と区別してもよ
い。
【0417】このようにして、上記のカウント値によ
り、ブック原稿別に何ページの複写が実行されたかを判
断することができる。そして、上記の読み取り動作を予
め設定された置数枚分繰り返して、ページめくり動作を
実行し、最終ページのめくり読み取り動作が完了するま
でこの動作を繰り返す。これにより、ブック原稿の最終
ページのページめくり読み取り動作が実行された後、ブ
ック原稿読み取りモードをリターンして動作を終了す
る。
【0418】一方、前述したIDコード別、および、バ
ーコード別にカウントしたデータは、操作部よりキー入
力することで、随時、表示部へ出力することが可能とな
っている。また、このMFDSにプリンタ300が接続
してある場合には、操作表示ボード313からのキー入
力により、メイン制御ボード310のワンチップマイコ
ン330が、外部RAM332にストアしているカウン
タ値をコード別に呼び出して、メモリコントローラ34
2により発生される同期信号で制御されたキャラクタジ
ェネレータ344によって、一覧表やグラフ等の画像出
力とともに、カウントデータを出力させることが可能と
なる。
【0419】これにより、例えば、IDコードカウンタ
値に基づいて、個人、あるいは、団体別に著作権料を正
確に徴収することができる。また、操作表示ボード31
3よりキー入力で、予め、1ページ複写時の代金を設定
しておくことにより、上記のカウンタ値によって、複写
終了時の合計金額を計算することも可能である。
【0420】さらに、バーコードパターン341cによ
り、ブック原稿別にカウントした値により、原稿1ペー
ジ当りの代金を予め入力しておけば、原稿の著作者や出
版社別に、その支払金額を期間別に一覧表としてプリン
タ300へ出力することができる。
【0421】これらの出力は操作表示ボードのキー入力
により随時出力できるが、メイン制御ボード内のマイコ
ンのタイマ機能により定期的に出力をさせてもよい。
週、月極めにより自動出力させてキー入力の手間を省く
事ができる。
【0422】ところで、このMFDSに接続されたプリ
ンタ300側で、コピー用紙がジャムした場合には、こ
のプリンタ300側からMFDSのメイン制御ボード3
10へ、シリアル通信によりジャム発生コードが送信さ
れる。
【0423】これによって、MFDS側は、プリンタジ
ャムリカバリー動作を行なう。
【0424】このリカバリー動作の一部に、先のジャム
発生コードの送信タイミングにより、図63、および図
69で示したように、読み取り動作が終了して、既に、
IDコード・バーコードカウント動作済みであるなら
ば、マイナスカウントを行なう。 また、ここで、ID
コード・バーコードカウント動作済みでなければ、この
ときのカウント値をそのまま保持する。
【0425】一方、本実施例では、ブック原稿読み取り
モードルーチン内に、IDコード・バーコード別カウン
ト動作処理サブルーチンを組み込んだ例を示したが、プ
リンタ300から送信されてくる排出OKコード(転写
紙がプリンタ300から排出されたときにMFDSへ出
力されるコード)を受信したときに、先のサブルーチン
コールを実行するように組み込んでもよい。
【0426】このように、プリンタ300から送信され
てくる排出OKコード(転写紙がプリンタ300から排
出されたときにMFDSへ出力されるコード)を受信し
たときに、先のサブルーチンコールを実行するように組
み込むことによって、ジャム時のマイナスカウントを行
なう必要がなくなる。
【0427】ところで、上記実施例は、画像出力がリア
ルタイム処理される場合の例であるが、例えば、プリン
タ300の処理速度が速い場合や、リピート複写の高速
化および原稿保護のために、一旦、メモリに画像データ
を蓄えた後、このメモリから画像データを適時出力する
ように構成されている場合の実施例を以下に示す。
【0428】上記のように、例えば、図57において、
画像メモリボード343にメモリコントローラ342を
介してブック原稿の読み取り画像を一旦記憶し、この記
憶された画像データをプリンタ300へ逐次出力する場
合、MFDSのワンチップマイコン330がメモリコン
トローラ342に対してFGATE出力を要求する毎
に、IDコード・バーコード別カウント動作サブルーチ
ンを実行するように組み込むことにより、メモリリテン
ション時にも、先のカウント動作を行なうことができ
る。
【0429】〔請求項7に対応する説明〕また、上記実
施例では、ブック原稿の背表紙部のバーコードパターン
341cを読み取ることによって、複写の許可・不許可
を判断したが、例えば、ブック原稿のページに貼られた
り、押されたりしている、印紙、印鑑、シール等を読み
取り、そのパターンを認識することによって、そのブッ
ク原稿の複写の許可・不許可を判断することもできる。
【0430】このように、ブック原稿の印紙、印鑑、シ
ール等を読み取り、そのパターンを認識することによっ
て、そのブック原稿の複写の許可・不許可を判断する手
段としては、画像メモリボード343に、ブック原稿の
印紙、印鑑、シール等の読み取りデータをストアし、メ
モリ上の所定位置(所定アドレス)に複写許可マークが
あるか無い可をパターンマッチングにより判断して、メ
モリからの複写許可あるいはカウント動作のするしない
を決定する。
【0431】ここで、メモリボード343を使用しない
場合には、プレスキャンにおいて、上記の判断を行なっ
て、ブック原稿の読み取り動作の許可・不許可を決定す
るようにしてもよい。
【0432】〔請求項8に対応する説明〕ところで、こ
のMFDSでは、読み取った画像情報をプリンタ300
へ出力する場合、キャラクタジェネレータ344によ
り、文字やマーク(読み取ったIDコードやバーコード
パターン)等の付加情報をOR回路345によって、ブ
ック原稿の読み取り画像データとともに、合成して出力
することができる。これにより、著作権のあるブック原
稿から複写したか否かが明らかとなり、誤った複写によ
る著作権の更なる侵害を防止することができる。
【0433】例えば、著作権のあるブック原稿をじかに
複写した場合には、このシステムによりその著作権料の
徴収が可能となるが、このブック原稿のコピーを原本と
して複写した場合には、著作権料を算出するためのカウ
ントができなくなる。
【0434】そこで、著作権のあるオリジナル原稿の複
写時には、そのコピー画像として、読み取り画像データ
と複写禁止マークやコードとを予め合成して出力するこ
とによって、このようなブック原稿のコピーを原本とす
る複写時にも著作権料の徴収が可能となる。
【0435】また、本実施例では、IDカード認識手段
により、ブック原稿の読み取りの許可・不許可を決定し
ているが、例えば、操作部からのパスワードや、暗証番
号などのキー入力によって、読み取り動作の許可・不許
可を決定してもよい。
【0436】さらに、ブック原稿の読み取りの許可・不
許可や著作権料の徴収に際して、このMFDSにプリペ
イドカードの読み取り装置を接続することにより、ブッ
ク原稿の読み取り処理時に、著作権料を前払したプリペ
イドカードのポイントをダウンさせることによって、著
作権料を徴収するようにしてもよい。
【0437】
【発明の効果】本発明によれば、許可された特定のブッ
ク原稿から、或いは、特定ユーザーによる画像読み取り
(複写)のみを可能とすることにより、著作権問題への
対処を図り得る画像読み取り装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適するマルチ・ファンクション
・ドキュメント・スキャナ(MFDS)の概略断面図で
ある。
【図2】前記MFDSの駆動系の概略横断面図である。
【図3】前記MFDSの駆動系の概略平面図である。
【図4】前記MFDSにおけるページめくり読取ユニッ
トの端部の斜視図である。
【図5】前記ページめくり読取ユニットを構成するロー
ラの支持構造を示すローラ端部の断面図である。
【図6】前記MFDSにおける搬送部ロック装置のロッ
ク解除態様を示す側面図である。
【図7】前記搬送部ロック装置のロック開始作動態様を
示す側面図である。
【図8】前記搬送部ロック装置のロック完了態様を示す
側面図である。
【図9】前記MFDSが搭載されたプリンタの外観を示
す斜視図である。
【図10】前記MFDSが搭載されたプリンタの搬送部
開放時の外観を示す斜視図である。
【図11】前記ページめくり読取ユニット内に配設され
た第1読み取りセンサユニットの端部付近の斜視図であ
る。
【図12】前記第1読み取りセンサユニットの端部付近
の側面図である。
【図13】前記第1読み取りセンサユニットの端部の支
持構造を示す部分拡大断面図である。
【図14】前記ページめくり読取ユニットのめくりロー
ラ2の奥側の側面図である。
【図15】前記MFDSにおける原稿載置面の中央基準
位置決め部の構造を示す断面図である。
【図16】前記MFDSにおける操作表示ボードの平面
図である。
【図17】前記プリンタの概略断面図である。
【図18】前記プリンタの書込部の平面図である。
【図19】前記プリンタの転写紙搬送経路を切り換える
切換爪の作動態様図である。
【図20】前記ページめくり読取ユニットの概略断面図
である。
【図21】前記第1読み取りセンサユニットの構成を示
す断面図である。
【図22】前記MFDSの作動態様を示す概略断面図で
ある。
【図23】前記MFDSにおけるめくり搬送ベルトの説
明図である。
【図24】前記めくり搬送ベルトのページめくり動作を
示す部分斜視図である。
【図25】前記めくり搬送ベルトの搬送力のピッチ特性
を示す線図である。
【図26】前記めくり搬送ベルトの吸着力のピッチ特性
を示す線図である。
【図27】前記めくり搬送ベルトの搬送力の印加電圧特
性を示す線図である。
【図28】前記めくり搬送ベルトの吸着力の印加電圧特
性を示す線図である。
【図29】前記めくり搬送ベルトに不平等電荷を付与す
る他の手段の部分斜視図である。
【図30】前記めくり搬送ベルトに不平等電荷を付与す
るさらに他の手段の部分斜視図である。
【図31】前記めくり搬送ベルトに不平等電荷を付与す
るさらに他の手段の部分斜視図である。
【図32】前記めくり搬送ベルトに不平等電荷を付与す
るさらに他の手段の部分斜視図である。
【図33】前記めくり搬送ベルトに不平等電荷を付与す
るさらに他の手段の部分斜視図である。
【図34】前記MFDSの電装ブロック図である。
【図35】前記MFDSの著作権管理支援システムの動
作モードの遷移図である。
【図36】前記MFDSの著作権管理支援システムの動
作モードの遷移図である。
【図37】前記MFDSの著作権管理支援システムの動
作モードの遷移図である。
【図38】前記MFDSの著作権管理支援システムの動
作モードの遷移図である。
【図39】前記各モードの切り換え動作を示すフローチ
ャートである。
【図40】前記ブック原稿読み取りモードの動作を示す
フローチャートである。
【図41】ブック原稿読み取りモードにおける見開き2
ページ連続読み取りモードの動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図42】ブック原稿読み取りモードにおける見開き1
ページ区切り読み取りモードの動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図43】前記見開き1ページ区切り読み取りモードに
おいてブック原稿の右ページから読み取るようにセット
した場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図44】前記見開き1ページ区切り読み取りモードに
おいて読み取られたデータの転送タイミングを遅延させ
る回路のブロック図である。
【図45】前記見開き1ページ区切り読み取りモードに
おいて読み取られたデータの転送タイミングを遅延させ
る回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図46】前記見開き1ページ区切り読み取りモードに
おける両面モードの動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図47】前記シート原稿読み取りモードにおけるシー
ト原稿スルーモードの切り換え動作を示すフローチャー
トである。
【図48】前記シート原稿スルーモードにおける片面読
み取りモードの動作を示すフローチャートである。
【図49】前記片面読み取りモードの動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図50】前記シート原稿スルーモードにおける同一位
置読み取りモードの動作を示すフローチャートである。
【図51】前記同一位置読み取りモードの動作を示すタ
イミングチャートである。
【図52】前記シート原稿スルーモードにおける別位置
読み取りモードの動作を示すフローチャートである。
【図53】前記別位置読み取りモードの動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図54】前記シート原稿読み取りモードにおけるシー
ト原稿スキャンモードの動作を示すフローチャートであ
る。
【図55】前記シート原稿スキャンモードの動作を示す
タイミングチャートである。
【図56】前記シート原稿読み取りモードにおけるシー
ト原稿手動開閉モードの動作を示すフローチャートであ
る。
【図57】前記シート原稿手動開閉モードの動作を示す
タイミングチャートである。
【図58】前記ページめくり読取ユニットの走査制御回
路図である。
【図59】前記MFDSの著作権管理支援システムに関
するブロック図である。
【図60】前記著作権管理支援システムの動作モードの
設定動作を示すフローチャートである。
【図61】前記著作権管理支援システムのブック原稿読
み取りモードのフローチャートである。
【図62】前記著作権管理支援システムのブック原稿読
み取りモードのフローチャートである。
【図63】前記著作権管理支援システムのブック原稿読
み取りモードのフローチャートである。
【図64】前記著作権管理支援システムのIDカード認
識モードのフローチャートである。
【図65】前記著作権管理支援システムのバーコード認
識モードのフローチャートである。
【図66】前記MFDSによって読み取られるブック原
稿の斜視図である。
【図67】本発明にかかる画像読み取り装置におけるバ
ーコード読み取り装置を説明した概略斜視図である。
【図68】本発明にかかる他の画像読み取り装置におけ
るバーコード読み取り装置を説明するための概略断面図
である。
【図69】前記著作権管理支援システムのIDコード・
バーコード別カウント動作処理モードのフローチャート
でである。
【図70】本発明にかかる画像読み取り装置にセットさ
れる中央綴じユニットを説明するための概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 (読取手段としての)ページめくり読取ユニッ
ト 1a (識別符号検知手段としての)バーコードスキ
ャナ 18 原稿台 92 ブック原稿 330 (制御手段としての)ワンチップマイコン 341C (識別符号としての)バーコードパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03B 27/62 G03G 15/00 107 G03G 15/00 107 G06T 1/00 430B 21/04 H04N 1/00 108Q G06T 1/00 430 1/04 Z H04N 1/00 108 1/10 1/10 G03G 21/00 390 1/107 (72)発明者 坂内 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 椎名 将 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平3−255466(JP,A) 特開 昭54−32322(JP,A) 特開 平5−236175(JP,A) 特開 平2−184173(JP,A) 実開 昭62−3161(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/04 - 1/207 H04N 1/00 - 1/00 108 G03G 21/00 370 - 540 G03G 21/02 - 21/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿台と、前記原稿台上に見開かれて載置
    されたブック原稿の原稿面上を露光走査することによっ
    て前記ブック原稿画像の読み取りを行なう読み取り手段
    と、 原稿台に載置されたブック原稿の表紙又は背表紙の所定
    位置に付された識別符号を検知する検知手段と、 前記検知手段によって、前記識別符号が検知された場合
    にのみ前記読み取り手段による読み取り動作を可能とす
    るように前記読み取り手段を制御する制御手段と、 を有することを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の画像読み取り装置におい
    て、 前記制御手段は、装置外部から読み取り手段による読み
    取り動作を可能にするための識別信号を入力する入力手
    段を有し、前記識別信号の入力が検知された場合にのみ
    前記読み取り手段による読み取り動作を可能とするよう
    に前記読み取り手段を制御することを特徴とする画像読
    み取り装置。
  3. 【請求項3】原稿台上に載置されたブック原稿の読み取
    りを行なうブック原稿読み取りモードと、 シート原稿トレイ上に載置されたシート原稿を1枚毎に
    原稿台上に給送して、前記シート原稿画像の読み取りを
    行なうADFモードと、が選択可能な画像読み取り装置
    であって、 原稿台に載置されたブック原稿の表紙又は背表紙の所定
    位置に付された識別符号を検知する検知手段と、 ブック原稿読み取りモードが選択されている場合には、
    前記検知手段によって前記識別符号が検知されたときに
    のみ前記読み取り手段による読み取り動作を可能とする
    ように前記読み取り手段を制御する制御手段と、 を有することを特徴とする画像読み取り装置。
  4. 【請求項4】原稿台と、 前記原稿台上に載置されたブック原稿の読み取りを行な
    うブック原稿読み取りモードと、 前記原稿台上に載置された任意の原稿上の原稿画像の読
    み取りを行なう圧板モードと、が選択可能な画像読み取
    り装置であって、 原稿台に載置されたブック原稿の表紙又は背表紙の所定
    位置に付された識別符号を検知する検知手段と、 ブック原稿読み取りモードが選択されている場合には、
    前記検知手段によって前記識別符号が検知されたときに
    のみ前記読み取り手段による読み取り動作を可能とする
    ように前記読み取り手段を制御する制御手段と、 を有することを特徴とする画像読み取り装置。
  5. 【請求項5】原稿台上に載置されたブック原稿の読み取
    りを行なうブック原稿読み取りモードと、 シート原稿トレイ上に載置されたシート原稿を1枚毎に
    原稿台上に給送して、前記原稿画像の読み取りを行なう
    ADFモードと、が選択可能な画像読み取り装置であっ
    て、 装置外部から読み取り手段による読み取り動作を可能と
    するための識別信号を入力する入力手段と、 前記識別信号の入力を検知する検知手段と、 ブック原稿読み取りモードが選択されている場合には前
    記検知手段によって前記識別信号の入力が検知されたと
    きにのみ前記読み取り手段による読み取り動作を可能と
    するように前記読み取り手段を制御する制御手段と、 を有することを特徴とする画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】原稿台と、 前記原稿台上に載置されたブック原稿の読み取りを行な
    うブック原稿読み取りモードと、 前記原稿台上に載置された任意の原稿上の原稿画像の読
    み取りを行なう圧板モードと、が選択可能であって、 装置外部から読み取り手段による読み取り動作を可能と
    するための識別信号を入力する入力手段と、 前記識別信号の入力を検知する検知手段と、 ブック原稿読み取りモードが選択されている場合には、
    前記検知手段によって前記識別信号の入力が検知された
    とにきのみ前記読み取り手段による読み取り動作を可能
    とするように前記読み取り手段を制御する制御手段と、 を有することを特徴とする画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】原稿台と、 前記原稿台上に載置された原稿の原稿面上を露光走査す
    ることによって原稿画像の読み取りを行なう読み取り手
    段と、 前記読み取り手段によって読み取られた画像情報を出力
    する出力手段と、を有する画像読み取り装置であって、 前記読み取り手段による原稿面上の露光走査によって原
    稿面上の所定位置に付された識別符号の検出動作を行な
    うと共に、前記検出動作によって前記識別符号が検知さ
    れた場合にのみ前記出力手段による出力動作を可能とす
    るように前記出力手段を制御する、 ことを特徴とする画像読み取り装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の画像読み取り装置におい
    て、読み取り手段によって読み取られた画像情報を出力
    する際 、所定位置に識別符号が付されたブック原稿から読み取
    った情報である場合は、その旨を識別するための付加情
    報を出力手段による出力情報に付加する、 ことを特徴とする画像読み取り装置。
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