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JP3302064B2 - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JP3302064B2
JP3302064B2 JP35769192A JP35769192A JP3302064B2 JP 3302064 B2 JP3302064 B2 JP 3302064B2 JP 35769192 A JP35769192 A JP 35769192A JP 35769192 A JP35769192 A JP 35769192A JP 3302064 B2 JP3302064 B2 JP 3302064B2
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憲裕 菊地
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  • Luminescent Compositions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光性物質からなる発
光層を有し、電界を印加することにより電界印加エネル
ギーを直接光エネルギーに変換することが出来る電界発
光素子に関する。詳しくは、従来の白熱灯、蛍光灯ある
いは発光ダイオード等と異なり、大面積、高分解能、薄
型、軽量、高速動作、更に完全な固体デバイスという特
徴を有し、高度な要求を満たす可能性のあるエレクトル
ミネッセンス(EL)パネルに使用することの出来る電
界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機材料の電界発光現像は、1963年
Popeらによってアンスラセン単結晶で観測され
(J.Chem.Phys.38(1963)204
2)、それに続き1965年、HelfinchとSc
hueiderは、注入効率のよい溶液電極系を用いる
ことにより比較的強い注入型ELの観測に成功している
(Phys.Rev.Lett.14(1965)22
9)。それ以来、米国特許3,172,862明細書、
米国特許3,173,050明細書、米国特許3,71
0,167明細書、J.Chem.Phys.44(1
966)2902、J.Chem.Phys.50(1
969)14364、J.Chem.Phys.58
(1973)1542、あるいはChem.Phys.
Lett.36(1975)345等に報告されている
様に、共役の有機ホスト物質と縮合ベンゼン環を持つ共
役の有機活性化剤とで有機発光性物質を形成した研究が
行われた。
【0003】ナフタレン、アンスラセン、フェナンスレ
ン、テトラセン、ピレン、ベンゾピレン、クリセン、ピ
セン、カルバゾール、フルオレン、ビフェニル、ターフ
ェニル、トリフェニレンオキサイド、ジハロビフェニ
ル、トランス−スチルベン及び1,4−ジフェニルブタ
ンジエン等が有機ホスト物質の例として示され、アンス
ラセン、テトラセン、及びペンタセン等が活性化剤の例
として挙げられた。しかし、これらの有機発光性物質は
いずれも1μm以上を超える厚さを持つ単一層として存
在し、発光には高電界が必要であった。この為、真空蒸
着法による薄膜素子の研究が進められた(例えば、Th
in Solid Films 94(1982)17
1、Polymer 24(1983)748、Jp
n.J.Appl.Phys.25(1986)L77
3)。しかし、薄膜化は駆動電圧の低減には有効ではあ
ったが、実用レベルの高輝度の素子を得るには至らなか
った。
【0004】しかし近年、Tangs等は(Appl.
Phys.Lett.51(1987)913あるいは
米国特許4,356,429明細書)、陽極と陰極との
間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真空
蒸着で積層したEL素子を考案し、低い駆動電圧で高輝
度を実現した。この種の積層型有機ELデバイスはその
後も活発に研究され、例えば、特開昭59−19439
3号公報、米国特許4,539,507明細書、特開昭
59−194393号公報、米国特許4,720,43
2明細書、特開昭63−264692号公報、App
l.Phys.Lett.55(1989)1467、
特開平3−163188号公報等に記載されている。
【0005】また更に、Jpn.J.Appl.Phy
s.27(1988)L269,L713には、キャリ
ア輸送と発光の機能を分離した3層構造のEL素子が報
告されており、発光色を決める発光層の色素の選択に際
しても、キャリア輸送性能の制約が緩和され選択の自由
度がかなり増し、更には中央の発光層にホールと電子
(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて向上をはかる可
能性も示唆されている。積層型有機EL素子作成には、
一般に真空蒸着法が用いられているが、キャスティング
法によってもかなりの明るさの素子が得られることが報
告されている(例えば、第50回応物学会学術講演会講
演予稿集1006(1989)及び第50回応物学会学
術講演会講演予稿集1041(1990))。更には、
ホール輸送化合物としてポリビニルカルバゾール、電子
輸送化合物としてオキサジアゾール誘導体及び発光体と
してクマリン6を混合した溶液から浸漬塗布法で形成し
た混合1層型EL素子でもかなり高い発光効率が得られ
ることが報告されている(例えば、第38回応物関係連
合講演会講演予稿集1086(1991))。上述の様
に有機ELデバイスにおける最近の進歩は著しく、広汎
な用途の可能性を示唆している。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、そ
れらの研究の歴史はまだまだ浅く、未だその材料研究や
デバイス化への研究は十分になされていない。現状で
は、更なる高輝度の光出力や長時間の使用による経時変
化や酸素を含む雰囲気気体や湿気等による劣化等の耐久
性の面で未だ問題がある。更には、フルカラーデスプレ
ー等への応用を考えた場合の、青、緑及び赤の発光色相
を精密に選択できる為の発光波長の多様化等の問題も未
だ十分に解決されていない。
【0007】従って本発明の目的は、第一に極めて高精
度の光出力を有する電界発光素子を提供することにあ
る。又、第二に発光波長に多様性があり、種々の発光色
相を呈するとともに極めて耐久性のある電界発光素子を
提供することにある。更に、第三に製造が容易で且つ比
較的安価に提供することの出来る電界発光素子材料を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、陽極及び陰極
と、これらの間に扶持された一層または複数層の有機化
合物により構成される電界発光素子において、前記有機
化合物のうち少なくとも一層が下記一般式[1]で示さ
れ、且つアミン骨格を有さない化合物を含有することを
特徴とする電界発光素子。 (但し、式中、Arは、置換基を有してもよいフルオラ
ンテン、ピレン、トリフェニレン、クリセン、テトラセ
ン、ペンタセン又はコロネンの1価ののいずれかを示
す。又、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換
基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい
芳香族基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基
を有してもよいアリールオキシ基、水酸基、又は水素原
子を示す。)
【0009】
【作用】本発明者らは上記目的を達成する為に鋭意研究
をした結果、上記の特定の有機化合物の層を含む本発明
の電界発光素子によれば、低い印加電圧で極めて輝度の
高い発光を得ることが出来、且つ耐久性にも極めて優れ
ていることを知見して、本発明に至った。又、電界発光
素子の作成も真空蒸着あるいはキャスティング法等で作
成することが出来る為、比較的安価に大面積の素子を容
易に作成することが可能である。
【0010】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の電界発光素子は、
陽極及び陰極と、これらの間に狭持された一層または複
数層の有機化合物より構成されているが、有機化合物層
のうち少なくとも一層が下記一般式[1]で示され、且
つアミン骨格を有さない化合物を含むことを特徴とす
る。 上記一般式[1]中のArは、ピレン、フルオラン
ン、トリフェニレン、クリセン、テトラセン、ペンタセ
又はコロネンの1価ののいずれかを示す。RはC1
〜C4のアルキル基、ベンジル、フェネチル、ナフチル
メチル等のアラルキル基、フェニル、ナフチル、アンス
リル等の芳香族基、メトキシエトキシ、プロポキシ等の
アルコキシ基、フェノキシ、ナフトキシ等のアリールオ
キシ基、水酸基、または水素原子を示す。尚、Ar及び
Rは、各々置換基を有してもよい。有してもよい置換基
としてはC1〜C4のアルキル基、メトキシ及びエトキシ
等のアルコキシ基、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン
原子、フェニル及びナフチル等の芳香族基、又はニトロ
基が挙げられる。
【0011】より具体的には、上記一般式[1]中のA
rが、置換基を有してもよい下記の構造式から選択され
る少なくとも3つ以上のベンゼン環を有する1価の縮合
多環芳香族基を示す化合物が挙げられる。
【0012】
【0013】以下に一般式[1]で示される化合物につ
いてその代表例を挙げる。但し、これらの化合物に限定
されるものではない。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】本発明の発光素子は、上述の様な一般式
[1]で示される化合物を、真空蒸着法や溶液塗布法等
により陽極及び陰極との間に形成する。その有機層の厚
みは2μmより薄く、好ましくは0.5μmより小さく
薄膜化することが好ましい。
【0022】以下、図面に沿って本発明を更に詳細に説
明する。図1は、基板上に陽極、発光層及び陰極を順次
設けた構成のものである。ここで使用する発光素子はそ
れ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性
の性能を単一で有している場合や、夫々の特性を有する
化合物を混ぜて使う場合に有用である。図2は基板上に
陽極、ホール輸送層、エレクトロン輸送層及び陰極を順
次設けた構成のものである。この場合は、発光物質とし
てはホール輸送性かあるいはエレクトロン輸送性のいず
れか、あるいは両方の機能を有している材料を夫々の層
に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいはエ
レクトロン輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用で
ある。
【0023】図3は基板上に陽極、ホール輸送層、発光
層、エレクトロン輸送層及び陰極を順次設けた構成のも
のである。これは、キャリア輸送と発光の機能を分離し
たものであり、キャリア輸送性、エレクトロン輸送性、
発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用い
られ、材料の選択の自由度が極めて増すとともに、発光
波長を異にする種々の化合物を使用することが出来る
為、発光色相の多様化が可能となる。また更に、中央の
発光層にホールとエレクトロン(或いは励起子)を有効
に閉じ込めて発光効率の向上を図ることも可能になる。
本発明で使用される化合物は、従来の化合物に比べいず
れも極めて発光特性の優れた化合物であり、必要に応じ
て図1、図2、図3のいずれかの形態でも使用すること
が可能である。又、本発明で使用される化合物は、その
構造によりホール輸送性あるいはエレクトロン輸送性の
いずれか、あるいは両方の性能を有し、図1、図2、図
3のいずれの形態の場合でも、前記一般式[1]で示さ
れる化合物を必要に応じ2種類以上使用してもかまわな
い。
【0024】本発明に於いては、発光層構成成分として
前記一般式[1]で示される化合物を用いるものである
が、必要に応じて電子写真感光体分野等で研究されてい
るホール輸送性化合物や、これ迄知られているホール輸
送性発光体化合物、あるいはエレクトロン輸送性化合物
や、これまで知られているエレクトロン輸送性発光体化
合物を一緒に使用することも出来る。これらのホール輸
送性化合物、ホール輸送性発光体化合物、あるいはエレ
クトロン輸送性化合物、エレクトロン輸送性発光体化合
物としては、例えば、下記に示した様なものが挙げられ
る。
【0025】[ホール輸送性化合物] (ホール輸送体)
【0026】
【0027】(ホール輸送性発光体)
【0028】[エレクトロン輸送性化合物] (エレクトロン輸送体)
【0029】(エレクトロン輸送性発光体)
【0030】本発明の電界発光素子は、前記した化合物
を用い、一般には真空蒸着あるいは適当な結着性樹脂と
組み合わせて薄膜を形成する。この際に使用される結着
剤としては、広範囲な結着性樹脂より選択することが出
来、例えば、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、
ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらは単独ま
たは共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合し
て用いてもよい。
【0031】陽極材料としては仕事関数がなるべく大き
なものがよく、例えば、ニッケル、金、白金、パラジウ
ム、セレン、レニウム、イリジウムやこれらの合金、あ
るいは酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、ヨウ化銅
が好ましい。又、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ
フェニレンスルフィドあるいはポリピロール等の導電性
ポリマーも使用することが出来る。
【0032】一方、陰極材料としては仕事関数が小さ
な、銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシ
ウム、マンガン、インジウム、クロムあるいはこれらの
合金が用いられる。又、陽極及び陰極として用いる材料
のうち、少なくとも一方は、素子の発光波長領域におい
て50%より多くの光を透過するものであることが好ま
しい。又、本発明で用いる透明性基板としては、ガラ
ス、プラスチックフィルム等が用いられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本
発明を更に具体的に説明する。 (実施例1) 酸化錫インジウム(ITO)被膜(50nm)ガラスの
透明陽極上に、前記した例示化合物(18)からなる発
光層80nm、そしてMg/Ag(10/1)合金から
なる陰極200nmを各々順次真空蒸着法により形成
し、図1に示す様な本発明の電界発光素子を作成した。
この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結
び直流電源を接続し、10Vの電圧を印加したところ、
電流密度7.5mA/cm2の電流が素子に流れ、0.
07mW/cm2の光電力が確認された。そして、その
ままの電流密度(7.5mA/cm2)を24時間保っ
たところ、24時間後でも最終出力0.06mW/cm
2の光出力が、11.0Vの印加電圧で得られた。
【0034】(実施例2及び実施例) 上記実施例1で用いた例示化合物(18)の代わりに、
前記した例示化合物(16)及び(29)を夫々用いた
以外は実施例1と同様にして本発明の電界発光素子を作
成した。そして、それらの得られた素子に、電流密度
7.5mA/cm2の電流を24時間流した。その時の
結果を以下の表1に示す。
【0035】
【0036】(比較例1〜比較例3) 実施例1で用いた例示化合物(18)の代わりに、下記
構造式の化合物(a)、(b)及び(c)を夫々用いた
以外は、実施例1と同様にして比較用の素子を形成し
た。
【0037】 その様にして形成した各素子の陽極と陰極をリード線で
結び、直流電源を接続し、実施例1と同様に電流密度
7.5mA/cm2の電流を24時間流した。その時の
結果を以下の表2に示す。
【0038】
【0039】以上の表1及び表2から明らかな様に、本
発明の実施例の素子は比較例のものに比べて光出力及び
耐久性において極めて優れていることが分かる。
【0040】(実施例) 酸化錫インジウム(ITO)被膜(60nm)ガラスの
透明陽極上に、前記した例示化合物(39)からなる発
光層45nm、下記に示される化合物(A)からなる電
子輸送層40nm、そしてMg/Ag(10/1)合金
からなる陰極を、各々順次真空蒸着により形成し、図2
に示す様な素子を作成した。
【0041】 この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結
び直流電源を接続し、9.0Vの電圧を印加したとこ
ろ、電流密度5.0mA/cm2の電流が素子に流れ、
0.19mW/cm2の光出力が確認された。そして、
そのままの電流密度(5.0mA/cm2)を24時間
保ったところ、24時間後でも、最終出力0.17mA
/cm2の光出力が8.4Vの印加電圧で得られた。
【0042】(実施例〜実施例) 実施例で用いた例示化合物(39)の代わりに、前記
例示化合物(19)(26)及び(28)を夫々用いた
以外は実施例1と同様にして本発明の電界発光素子を作
成した。そしてそれらの得られた素子に、電流密度5.
0mA/cm2の電流を流した。その時の結果を以下の
表3に示す。
【0043】
【0044】(比較例4〜比較例6) 実施例で用いた例示化合物(39)の代わりに、下記
の式で示される化合物(d)、(e)及び(f)を夫々
用いた以外は、実施例1と同様にして比較用の電界発光
素子を作成した。そしてそれらの得られた素子に、実施
と同様に、電流密度5.0mA/cm2の電流を流
した。その時の結果を以下の表4に示す。
【0045】
【0046】 表3及び表4から明らかな様に、本発明の電界発光素子
は比較例の電界発光素子に比べて光出力において優れて
いることが分かる。
【0047】(実施例) ガラス基板上に金からなる陽極60nm、下記に示され
る化合物(B)からなるホール輸送層60nm、前記し
た例示化合物(25)からなる発光層60nm、そして
アルミニウムからなる陰極150nmを、各々順次真空
蒸着により形成し、図2に示す様な本発明の電界発光素
子を作成した。
【0048】 この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結
び、直流電源を接続し8.5Vの電圧を印加したとこ
ろ、電流密度6.5mA/cm2の電流が素子に流れ、
0.11mW/cm2の光出力が確認された。
【0049】(実施例) 酸化錫インジウム(ITO)被膜(60nm)ガラスの
透明陽極上に、下記に示される化合物(C)からなるホ
ール輸送層45nm、前記した例示化合物(31)から
なる発光層65nm、下記に示される化合物(D)から
なる電子輸送層50nm、そしてMg/Ag(10/
1)合金からなる陰極150nmを順次真空蒸着により
形成し、図3に示す様な本発明の電界発光素子を作成し
た。
【0050】 この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結
び、直流電源を接続し8.0Vの電圧を印加したとこ
ろ、電流密度6.0mA/cm2の電流が素子に流れ、
0.18mW/cm2の光出力が確認された。
【0051】(実施例1) 実施例で用いた例示化合物(31)の代わりに、前記
例示化合物 (21)を用いた以外は、実施例と同様
にして本発明の電界発光素子を作成した。そして得られ
た素子に、電流密度6.0mA/cm2の電流を流し
た。その時の結果を以下の表5に示す。
【0052】
【0053】(比較例7〜9) 実施例で用いた例示化合物(31)の代わりに、下記
に示される化合物(g)、(h)及び(i)を夫々用い
た以外は実施例と同様にして、素子を作成した。そし
て、それらの得られた素子に、実施例と同様に電流密
度6.0mA/cm2の電流を流した。その時の結果を
以下の表6に示す。
【0054】
【0055】 表5及び表6からは明らかな様に、本発明の電界発光素
子は、比較例の素子に比べ光出力において極めて優れて
いることが分かる。
【0056】(実施例1) 例示化合物(20)2g、下記の構造式で示されるホー
ル輸送化合物(E)1g、エレクトロン輸送化合物
(F)1g及びポリカーボネート樹脂(重量平均分子量
35,000)3gをテトラヒドロフラン280mlに
溶解し塗工液を調製した。この塗工液を酸化錫インジウ
ム(ITO)被膜(50nm)ガラスの透明陽極上にマ
イヤーバーで塗布し、450nmの層を形成した。そし
てその上にアルミニウムを真空蒸着し、陽極を形成し素
子を作成した。
【0057】 この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結
び直流電源を接続し、13.0Vの電圧を印加したとこ
ろ、電流密度4.2mA/cm2の電流が素子に流れ、
0.02mW/cm2の光出力が確認された。
【0058】
【発明の効果】以上説明した様に本発明の電界発光素子
は、低い印加電圧で極めて輝度の高い発光を得ることが
出来、且つ耐久性にも極めて優れている。又、電界発光
素子の作成も真空蒸着あるいはキャスティング法等で作
成することが出来、比較的安価に大面積の素子を容易に
作成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかわる電界発光素子の代表的
な断面図である。
【図2】図2は本発明にかかわる電界発光素子の代表的
な断面図である。
【図3】図3は本発明にかかわる電界発光素子の代表的
な断面図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−55493(JP,A) 特開 平4−320484(JP,A) 特開 平3−791(JP,A) 特開 平4−31488(JP,A) 特開 平6−52989(JP,A) 特開 平5−295361(JP,A) 特開 平5−302081(JP,A) 特開 平6−136360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/14 C09K 11/06 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極及び陰極と、これらの間に扶持され
    た一層または複数層の有機化合物により構成される電界
    発光素子において、前記有機化合物のうち少なくとも一
    層が下記一般式[1]で示され、且つアミン骨格を有さ
    ない化合物を含有することを特徴とする電界発光素子。 (但し、式中、Arは、置換基を有してもよいフルオラ
    ンテン、ピレン、トリフェニレン、クリセン、テトラセ
    ン、ペンタセン又はコロネンの1価ののいずれかを示
    す。又、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換
    基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい
    芳香族基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基
    を有してもよいアリールオキシ基、水酸基、又は水素原
    子を示す。)
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