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JP3396890B2 - ホログラム、これを用いた光ヘッド装置及び光学系 - Google Patents

ホログラム、これを用いた光ヘッド装置及び光学系

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JP3396890B2
JP3396890B2 JP03465792A JP3465792A JP3396890B2 JP 3396890 B2 JP3396890 B2 JP 3396890B2 JP 03465792 A JP03465792 A JP 03465792A JP 3465792 A JP3465792 A JP 3465792A JP 3396890 B2 JP3396890 B2 JP 3396890B2
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light beam
optical
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慶明 金馬
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Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Optics & Photonics (AREA)
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  • Optical Head (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクあるいは光
カードなど、光媒体もしくは光磁気媒体上に記憶される
情報の記録・再生あるいは消去を行う光ヘッド装置、及
び、電気配線に代わって非常に多くの信号を伝達する光
インターコネクションの光学系、及びこれらの光学系に
おいてキーデバイスとなるホログラム(回折格子を含
む)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高密度・大容量の記憶媒体として、ピッ
ト状パターンを有する光ディスクを用いる光メモリ技術
は、ディジタルオーディオディスク、ビデオディスク、
文書ファイルディスク、さらにはデータファイルと用途
を拡張しつつ、実用化されてきている。微小に絞られた
光ビームを介して光ディスクへの情報の記録再生が高い
信頼性のもとに首尾よく遂行されるメカニズムは、ひと
えにその光学系に因っている。その光学系の主要部であ
る光ヘッド装置の基本的な機能は、回折限界の微小スポ
ットを形成する集光性、前記光学系の焦点制御とトラッ
キング制御、及びピット信号の検出に大別される。これ
らは、目的、用途に応じて、各種の光学系ならびに光電
変換検出方式の組合せによって現わされており、特に近
年、光ピックアップヘッド装置を小型化、薄型化するた
めに、ホログラムを用いた光ピックアップヘッド装置が
開示されている。
【0003】図12に、我々が先に考案し特許出願した
(特願平3−46630)光ヘッド装置の構成図を従来
例として示す。
【0004】図12において、2は半導体レーザ等の放
射光源である。この光源から出射した光ビーム3(レー
ザ光)は反射型ブレーズ化ホログラム105(以下単に
ホログラムと呼ぶ)で反射して対物レンズ4に入射し、
情報媒体5上に集光される。情報媒体5で反射した光ビ
−ムはもとの光路を逆にたどって(復路)、ホログラム
105に入射する。このホログラム105から生じる復
路の+1次回折光6は光検出器7に入射する。光検出器
7の出力を演算することによって、サーボ信号及び、情
報信号を得ることができる。
【0005】ここで、ホログラム105がブレーズ化さ
れている理由は、放射光源2から情報媒体5へ至る往路
においてホログラム105から発生する不要な回折光
が、情報媒体5で反射して光検出器7に入射することを
防ぐためである。
【0006】また、ブレーズ化ホログラムの作製にあた
っては図13に示すように2回のエッチングによって階
段上の断面形状(図14:a7=b7=c7=d7)を
もつマルチレベルホログラムを作製することにより回折
効率の制御の自由度を高くすることができる。すなわ
ち、一回目のエッチング深さと二回目のエッチング深さ
を独立に制御して不要な回折光の回折効率を低く、同時
に、往復の光の利用効率を高くすることができる。
【0007】さらに、反射型ブレーズ化ホログラム10
5は光軸の折りまげミラーの役割も兼ねているので、薄
型の光ヘッド装置を少数の部品で構成できるという効果
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来例に示したように
光学系は有限光学系を用いた方がコリメートレンズを省
くことのできるぶんだけ小型化、軽量化、低コスト化で
きる。しかしながら、図12においてホログラム105
のA点とE点では光の入射する角度が異なるために回折
効率に違い(むら)がでるという課題がある。
【0009】ここで、図15を用いて入射角度の違いに
よって反射型ホログラムから発生する回折光の回折効率
が異なる理由を説明する。
【0010】図15において65a、65bはホログラ
ムへの入射光束、66a、66bは回折光束、θ1は入
射角、θ2は回折角、33aはレリーフ型の反射型ブレ
ーズ化ホログラムの上側反射面、33bは下側の反射
面、hは上側と下側の反射面の段差、L1、L2は段差
hによって生じる光路差である。このとき、光路差は、 L1=h・cosθ1 L2=h・cosθ2 ・・・・・(1) となる。
【0011】式1からわかるように、光路差は入射角、
回折角の余弦に比例しているため、入射角、反射角が4
5°の時、入射角や反射角の変化に対して光路差が最も
敏感に変化して、回折効率もこれにともなって変化する
ことが分かる。
【0012】従来例に示した光ヘッド装置では回折効率
にむらが生じるとサーボ信号オフセットが発生したり、
RF信号の周波数特性を劣化させる原因となる。
【0013】このように、ホログラム素子の回折効率の
むらは、このホログラム素子を用いて構成したシステム
の特性を劣化させるので解消する必要がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のホログラムは
階段状の断面形状を有するホログラムであって、断面形
状は4段のレベルを有し、格子ピッチに対する各階段幅
の比をホログラム面内の位置によって変化させ、断面形
状の階段の階段幅を格子ベクトルに沿った順番にそれぞ
れan+1、bn+1、bn、anとしたときに、an
+1=anかつ、bn+1=bnとし、かつ、anとb
の比をホログラム面内の位置によって変化させること
を特徴とする。 また本発明のホログラムは、前記ホログ
ラムへの入射光線の入射角度が大きな部分はan>bn
であることを特徴とする。 また本発明のホログラムは、
前記ホログラムへの入射光線の入射角度が小さな部分は
an<bnであることを特徴とする。
【0015】本発明の光ヘッド装置は、放射光源と、前
記放射光源からの光ビームを受け情報媒体上へ微小スポ
ットに収束する集光光学系と、前記情報媒体で反射、回
折した光ビームを受け光電流を出力する複数の光検出部
からなる光検出器と、前記情報媒体で反射した光ビーム
を+1次回折光として回折させて前記光検出器へ光ビー
ムを導くためのホログラムとを具備した光ヘッド装置
あって、前記ホログラムが請求項1から3のいずれかに
記載のホログラムであることを特徴とする。 また本発明
の光へッド装置は放射光源と、前記放射光源からの光ビ
ームを複数の回折光に分割するホログラムと、前記光ビ
ームを受け情報媒体上へ微小スポットに収束する集光光
学系と、前記情報媒体で反射、回折した光ビームを受け
光電流を出力する複数の光検出部からなる光検出器と、
前記情報媒体で反射した光ビームを前記光検出器へ導く
手段とを具備した光ヘッド装置であって、前記ホログラ
ムが請求項1から3のいずれかに記載のホログラムであ
ることを特徴とする。
【0016】
【0017】また、本発明の光インターコネクション光
学系は、放射光源と、放射光源より出射する光ビームを
受けて回折光を発生させるホログラムと、前記ホログラ
ムより発生した回折光を受けて得られた光量に応じて光
電流を発生するように構成された光検出器とを有する光
インターコネクション光学系であって、前記ホログラム
が請求項1から3のいずれかに記載のホログラムである
ことを特徴とする。
【0018】
【作用】上記手段は階段状断面形状を有するホログラム
において、階段の深さを変えなくても各段の線幅を変え
ることによって回折効率を制御できることを見いだした
ものであり、これによって (1)マルチレベルホログラムの階段状断面形状を構成
する各段差の幅を変化させることにより、フォトプロセ
スとエッチングプロセスによる簡単な作製工程によっ
て、ホログラムに発散光が入射した時に生じる回折効率
のむらを解消できる。 (2)発散光が入射した時に生じる回折効率のむらを解
消したホログラムを用いて光ヘッド装置を構成すること
によって、コリメートレンズを必要とせず小型軽量で部
品点数も少なく安価な光ヘッド装置を構成できる。しか
も、フォーカスサーボ信号やトラッキングエラー信号の
オフセットも発生しにくく、RF信号の周波数特性も良
好である。 (3)発散光が入射した時に生じる回折効率のむらを解
消したホログラムを用いた光ヘッド装置においてフォー
カスサーボ信号の検出方式として、SSD法を用いる。
これによって光ヘッド装置の組み立て許容誤差を著しく
緩和できる上に波長変動に対しても安定にサーボ信号を
得ることができる。 (4)トラッキングエラー(TE)信号検出方式として
3ビーム方を用いた光ヘッド装置において、回折格子を
反射型にして光の入射角度を45°程度にし、回折格子
のデューティーを変化させることによって、小型の光学
系を構成でき、かつ、3ビーム用回折格子の面内で回折
効率を一定にできる、すなわち、回折効率のむらを解消
でき安定でオフセットの少ないトラッキングエラー信号
を得ることができる。 (5)ホログラムを用いた光インターコネクションの光
学系においてホログラムの回折効率のむらを補正するこ
とによって、光学系の小型化とアライメントの簡略化を
実現できる上に、光の伝達効率が向上し、不要な回折光
も抑圧できるので信号間のクロストークが減少し、S/
N比が向上する。
【0019】
【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0020】前述の回折効率むらはホログラム上の位置
に応じて段差を変化させることによって解消できると考
えられるが、図13に示したホログラム作製プロセスに
おいてホログラム上の位置に応じてエッチング深さを変
化させることは極めて難しい。そこで本発明において
は、マルチレベルホログラムの階段を構成する各段差の
幅を変化させる。
【0021】図1は本発明の第1の実施例によるホログ
ラムの一部の断面図である。本実施例においては図12
のA点付近は図1の(a)のように、図12のE点付近
は図1の(b)のようにマルチレベルのホログラム断面
を設計する。すなわち、(a)ではa1=a2>b1=
b2とし、(b)ではa3=a4<b3=b4とする。
そして図12のA点とE点の中間ではA点とE点の断面
形状を線形に変化させる。例えば、主光線の入射点付近
では各段差の線幅をほぼ等しくする。
【0022】このとき+1次回折光の回折効率η+1は図
2(a)の(2)に示す計算結果のようにホログラム面
上の位置に関わらずほぼ一定になる。すなわち回折効率
のむらが解消できるという効果がある。ここで縦軸は回
折効率を表し、横軸はホログラム面上での位置を表す。
A点〜E点は図2(b)に示す点を表している。なお、
図2(a)の(1)は、従来例において説明したように
ホログラムのすべての面上で各段差の線幅を一定にした
ときの回折効率を示す。(1)に比べて(2)の方がは
るかに均一な回折特性を有していることが分かる。
【0023】なお、各段差の線幅の変化の方法に付いて
は、A点(図1(a))でa1=b1=b2<a2、E
点(図1(b))ではa3=b3=b4>a4として、
A点とE点の中間ではA点とE点の断面形状を線形に変
化させても同様の効果を得ることができる。
【0024】本実施例はマルチレベルの階段状断面形状
のそれぞれの段差をホログラム面内で均一に保つので、
フォトマスク32A,Bの線幅を制御するだけで図13
に示した作製プロセスによって容易にホログラムを作製
できるという効果がある。
【0025】さらに本発明のホログラムを用いて光ヘッ
ド装置を構成した第2の実施例を図3〜図5に示す(光
学系の構成は図12を用いて従来例において説明したも
のと同様なのでここでは省略する)。
【0026】本実施例ではフォーカスサーボ信号の検出
方式として、スポットサイズディテクション法(SSD
法)を用いる。SSD法は特開平2−185722号公
報にも開示されているように光ヘッド装置の組み立て許
容誤差を著しく緩和できる上に波長変動に対しても安定
にサーボ信号を得ることのできる検出方法である。
【0027】SSD法を実現するためには、ホログラム
の復路の+1次回折光が曲率の異なる2種類の球面波と
なるように設計する。それぞれの球面波は図3において
光検出器7の平面の前側eと後ろ側fに焦点を持つよう
に設計し、図4に示すように復路の+1回折光141と
142を6分割光検出器71によって受光する。ここで
(b)がジャストフォーカス状態であり、(a)、
(c)がデフォーカス状態を表す。従って、フォーカス
エラー信号FEは、 FE=(S10+S30−S20)−(S40+S60
−S50)...(2) という演算によって得られる。
【0028】さらにSSD法用のブレーズ化ホログラム
を実現する例を図5に示す。図5においてA領域151
は光検出器の前側に焦点を持つ球面波141(図3)を
発生させ、B領域152は光検出器の後ろ側に焦点を持
つ球面波142(図3)を発生させる。図5のようなホ
ログラムパターンから回折する波面のファーフィールド
パターンはホログラムパターンが分割されていることを
反映してやはり図4に示すように一部分が欠けるが、フ
ォーカスサーボ信号には影響はない。
【0029】なお、情報媒体5の上で反射した光は、情
報媒体5上のトラック溝によって回折されることによる
回折パターンを持つ。このため、情報媒体5の上の集光
スポットとトラック溝の相対位置変化によりホログラム
上での光量分布に変化が起こる。例えば図5のX方向を
情報媒体のトラック溝と並行な方向として、+Y方向が
明るくなって、−Y方向が暗くなったり、この逆の光量
変化が起こったりする。
【0030】そこで図5の領域分割はここで示したよう
に数個〜数十個程度にすることが望ましい。なぜなら
ば、このようにホログラムの領域を多分割することによ
って+Y方向と−Y方向の非対称性を少なくし、情報媒
体5の上の集光スポットとトラック溝の相対位置変化に
よるホログラム上での光量分布変化の影響でフォーカス
サーボ信号にオフセットが発生することを防ぐことがで
きるからである。従って、ホログラムの領域を多分割す
れば、安定なフォーカスサーボ特性が得られる。
【0031】また、情報媒体5の上の集光スポットとト
ラック溝の相対位置変化によるホログラム上での光量分
布変化をトラッキングエラー信号TEとして取り出すた
めに、第3の実施例として図6に示すようにさらに別の
回折領域153や154をホログラム104上に設けて
もよい。この回折領域153や154からのトラッキン
グエラー信号検出用回折光163をトラッキングエラー
信号検出用光検出器72(図7)によって受光し式3に
示す演算によってトラッキングエラー信号TEを得るこ
とができる。
【0032】TE=S70−S80 ...(3) なお図8に示す如く、放射光源2、光検出器7、反射型
ブレーズ化ホログラム105、及び対物レンズ4などの
すべての光学部品をアルミ筐体などの全光学系保持手段
14によって一体化して、一体駆動すると対物レンズ4
がトラック追従によって移動しても放射光源2に対する
相対位置が変化せず、軸外収差が発生しないという効果
がある。さらにまた、軸外収差が発生しないことから対
物レンズ4を小型化、薄型化できて、より一層小型で薄
型の光ヘッド装置を構成できるという効果がある。
【0033】さらに第4の実施例を図9、図10を用い
て説明する。図9はトラッキングエラー(TE)信号検
出方式として3ビーム方を用いた光ヘッド装置の例であ
る。図9において2は半導体レーザ等の放射光源であ
る。この光源から出射した光ビーム3(レーザ光)は反
射型の3ビーム用回折格子24に入射して反射する際に
0次回折光と±1次回折光の3つの光ビームに分割され
る。この3つの光ビームは反射型ブレーズ化ホログラム
102(以下単にホログラムと呼ぶ)で反射して対物レ
ンズ4に入射し、情報媒体5上に集光される。情報媒体
5で反射した光ビ−ムはもとの光路を逆にたどって(復
路)、ホログラム102に入射する。このホログラム1
02から生じる復路の+1次回折光6は反射ミラー25
で反射して、光検出器7に入射する。光検出器7の出力
を演算することによって、サーボ信号及び、情報信号を
得ることができる。
【0034】本実施例においてはホログラム(回折格子
を含む)を2つ用いている。1つはブレーズ化ホログラ
ム102であり、第1の実施例において図5を用いて説
明したものと同様のものである。他の1つは3ビーム用
回折格子24である。3ビーム方では回折格子24から
発生する+1次回折光と−1次回折光の両方を用いてT
E信号を検出するので、回折格子24はブレーズ化しな
い。しかし図9の様にして小型の光学系を構成するため
には、回折格子24を反射型にして光の入射角度を45
°程度にする必要があるため、第1の実施例で説明した
ブレーズ化ホログラム102と同様に回折効率のむらを
解消する必要がある。
【0035】図10は3ビーム用回折格子24の概略拡
大断面図及びその部分図である。24Aで示した部分と
24Bで示した部分の回折効率を等しくするために、2
4Aで示した部分のデューティーをほぼ1:1とし(a
5:b5=1:1)、24Bで示した部分のデューティ
ーは1:1とは異なる比にする(a6>b6またはa6
<b6)。こうすることによって3ビーム用回折格子の
面内で回折効率を一定にできる、すなわち、回折効率の
むらを解消でき、安定でオフセットの少ないトラッキン
グエラー信号を得ることができる。
【0036】さらに第5の実施例を図11に示す。図1
1は光インターコネクションをホログラム26を用いて
実現した例である。図11において27は放射光源アレ
イ、28は光検出器である。放射光源アレイ28から出
射した光ビーム3eはホログラム26で回折され、光検
出器28上の所定の分割領域に入射する。こうして放射
光源アレイ28から出射する光ビーム3eの強弱やON
・OFFを光検出器28で受光し、信号を伝える。この
とき、図11のように放射光源アレイ27、ホログラム
26、光検出器28だけから光学系を構成することによ
って、小型化を可能にし、且つ光学系のアライメントを
容易にできるが、このときやはりホログラムにコリメー
トされていない発散光が入射するため、回折効率のむら
を補正する必要がある。従って第1の従来例において説
明したブレーズ化ホログラム106と同様にして、本実
施例でもホログラム26において回折効率のむらを補正
することによって光の伝達効率が向上し、不要な回折光
の抑圧によって信号のS/N比が向上するという格別の
効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたことから明らかなように、
本発明では以下のような効果が得られる。 (1)マルチレベルホログラムの階段状断面形状を構成
する各段差の幅を変化させることにより、フォトプロセ
スとエッチングプロセスによる簡単な作製工程によっ
て、ホログラムに発散光が入射した時に生じる回折効率
のむらを解消できる。 (2)発散光が入射した時に生じる回折効率のむらを解
消したホログラムを用いて光ヘッド装置を構成すること
によって、コリメートレンズを必要とせず小型軽量で部
品点数も少なく安価な光ヘッド装置を構成できる。しか
も、フォーカスサーボ信号やトラッキングエラー信号の
オフセットも発生しにくく、RF信号の周波数特性も良
好である。 (3)発散光が入射した時に生じる回折効率のむらを解
消したホログラムを用いた光ヘッド装置においてフォー
カスサーボ信号の検出方式として、SSD法を用いる。
これによって光ヘッド装置の組み立て許容誤差を著しく
緩和できる上に波長変動に対しても安定にサーボ信号を
得ることができる。 (4)トラッキングエラー(TE)信号検出方式として
3ビーム方を用いた光ヘッド装置において、回折格子を
反射型にして光の入射角度を45°程度にし、回折格子
のデューティーを変化させることによって、小型の光学
系を構成でき、かつ、3ビーム用回折格子の面内で回折
効率を一定にできる、すなわち、回折効率のむらを解消
でき安定でオフセットの少ないトラッキングエラー信号
を得ることができる。 (5)ホログラムを用いた光インターコネクションの光
学系においてホログラムの回折効率のむらを補正するこ
とによって、光学系の小型化とアライメントの簡略化を
実現できる上に、光の伝達効率が向上し、不要な回折光
も抑圧できるので信号間のクロストークが減少し、S/
N比が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のブレーズ化ホログラム
の一部分の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例のブレーズ化ホログラム
上の位置と回折効率の関係を表す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例の光ヘッド装置の要部の
概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例における光検出器上での
回折光の様子を表す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施例におけるホログラムパタ
ーンを表す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施例におけるホログラムパタ
ーンを表す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施例の光ヘッド装置の要部の
概略斜視図である。
【図8】本発明の第2及び第3の実施例を発展させた光
ヘッド装置の概略断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例の光ヘッド装置の概略断
面図である。
【図10】本発明の第4の実施例の要件である3ビーム
用回折格子の概略断面図と一部分の詳細な断面図であ
る。
【図11】本発明の第5の実施例の光インターコネクシ
ョン光学系の概略斜視図である。
【図12】従来例及び本発明の第1〜第3の実施例の光
ヘッド装置の概略断面図である。
【図13】従来例、及び本発明の実施例の要件であるブ
レ−ズ化ホログラムの作製例の概略説明図である。
【図14】従来例におけるブレーズ化ホログラムの一部
分の断面図である。
【図15】従来の光ヘッドの課題の線図的説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ブレ−ズ化ホログラム 2 放射光源 3 光ビーム 4 対物レンズ 5 情報媒体 6 復路の+1次回折光 7 光検出器 61 往路の0次回折光 103 ホログラム 105 反射型ブレーズ化ホログラム 106 反射型ブレーズ化ホログラム 141 球面波(+1次回折光) 142 球面波(+1次回折光)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/32 G02B 5/18 G03H 1/22 G03H 1/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】階段状の断面形状を有するホログラムであ
    って、断面形状は4段のレベルを有し、格子ピッチに対
    する各階段幅の比をホログラム面内の位置によって変化
    させ、 断面形状の階段の階段幅を格子ベクトルに沿った順番に
    それぞれan+1、bn+1、bn、anとしたとき
    に、an+1=anかつ、bn+1=bnとし、かつ、
    anとbnの比をホログラム面内の位置によって変化さ
    せることを特徴とするホログラム。
  2. 【請求項2】前記ホログラムへの入射光線の入射角度が
    大きな部分はan>bnであることを特徴とする請求項
    1記載のホログラム。
  3. 【請求項3】前記ホログラムへの入射光線の入射角度が
    小さな部分はan<bnであることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のホログラム。
  4. 【請求項4】放射光源と、前記放射光源からの光ビーム
    を受け情報媒体上へ微小スポットに収束する集光光学系
    と、前記情報媒体で反射、回折した光ビームを受け光電
    流を出力する複数の光検出部からなる光検出器と、前記
    情報媒体で反射した光ビームを+1次回折光として回折
    させて前記光検出器へ光ビームを導くためのホログラム
    とを具備した光ヘッド装置であって、前記ホログラムが
    請求項1から3のいずれかに記載のホログラムであるこ
    とを特徴とする光ヘッド装置。
  5. 【請求項5】放射光源と、前記放射光源からの光ビーム
    を複数の回折光に分割するホログラムと、前記光ビーム
    を受け情報媒体上へ微小スポットに収束する集光光学系
    と、前記情報媒体で反射、回折した光ビームを受け光電
    流を出力する複数の光検出部からなる光検出器と、前記
    情報媒体で反射した光ビームを前記光検出器へ導く手段
    とを具備した光ヘッド装置であって、前記ホログラムが
    請求項1から3のいずれかに記載のホログラムであるこ
    とを特徴とする光ヘッド装置。
  6. 【請求項6】放射光源と、放射光源より出射する光ビー
    ムを受けて回折光を発生させるホログラムと、前記ホロ
    グラムより発生した回折光を受けて得られた光量に応じ
    て光電流を発生するように構成された光検出器とを有す
    る光インターコネクション光学系であって、前記ホログ
    ラムが請求項1から3のいずれかに記載のホログラムで
    あることを特徴とする光インターコネクション光学系。
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