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JP3396868B2 - ハイブリット車輌 - Google Patents

ハイブリット車輌

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Publication number
JP3396868B2
JP3396868B2 JP12690095A JP12690095A JP3396868B2 JP 3396868 B2 JP3396868 B2 JP 3396868B2 JP 12690095 A JP12690095 A JP 12690095A JP 12690095 A JP12690095 A JP 12690095A JP 3396868 B2 JP3396868 B2 JP 3396868B2
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JP
Japan
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electric motor
rotor
clutch
engine
combustion engine
Prior art date
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JP12690095A
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JPH08318741A (ja
Inventor
脩三 諸戸
睦 川本
悟 田中
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Aisin AW Co Ltd
Equos Research Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
Equos Research Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Equos Research Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガソリンエンジン、デ
ィーゼルエンジン及びガスタービンエンジン等の燃焼エ
ンジンと、バッテリ等の電気エネルギによる電気モータ
とを動力源として組合わせて用いるハイブリット車輌に
係り、詳しくは電気モータの冷却を図った駆動装置に関
する。
【0002】上記ハイブリット車輌は、エンジンを一定
状態で回転してジェネレータを駆動し、該ジェネレータ
の発電による電気エネルギによりモータを駆動して走行
するシリーズタイプと、エンジン及びモータの出力をそ
れぞれ駆動車輪に連結し、エンジン及びモータのいずれ
か一方を選択的に用いるパラレルタイプと、そしてこれ
らシリーズタイプとパラレルタイプとを組合せたシリー
ズ・パラレルタイプとがあるが、本発明は、上記パラレ
ルタイプ、又はシリーズ・パラレルタイプ、即ちエンジ
ンを略々一定状態で駆動すると共に、変動する負荷に対
応して電気モータをアシストとして駆動するタイプに用
いて好適である。
【0003】
【従来の技術】従来、本出願人は、特開平7−7622
9号公報に示すように、ジェネレータ、トランスミッシ
ョン及び電気モータを1個の一体ケースに収納すると共
に、これら各装置に、該ケース内に溜っているオイルを
潤滑油として供給し、これら各装置の潤滑及び冷却を図
ったハイブリット車輌における駆動装置を提案してい
る。
【0004】該駆動装置は、エンジン回転により駆動さ
れるオイルポンプからのオイルが、一体ケースに形成さ
れた油路を介して電気モータのステータに滴下・供給さ
れ、該ステータを冷却し得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電気モータ
は、使用により発熱するが、放熱が充分でなくて高温に
なると、モータ効率が低下すると共に耐久性にも悪影響
を与える。特に、永久磁石を用いる場合、温度により磁
石性能に大きな影響を生じるので、所定モータ性能を維
持するためには、充分な冷却が必要とされる。
【0006】しかし、上記ハイブリット車輌における電
気モータは、ケースに固定されて外側に位置するステー
タを冷却することは可能であるが、内側に位置して回転
しているロータを冷却することはできない。
【0007】特に、ハイブリット車輌の駆動装置は、燃
焼エンジン及び電気モータの外、これら燃焼エンジン及
び電気モータと車輪との間に自動変速装置等の変速装置
を介在するため、車輌搭載上の制限から、上記電気モー
タ及び変速装置を密集してコンパクトに構成する必要が
あり、ロータの回転による冷却風路を充分に取ることが
できず、ロータの加熱が大きな問題になる虞れがある。
【0008】そこで、本発明は、電気モータのロータ内
側に油圧アクチュエータを配設し、該アクチュエータに
給排されるオイルによりロータの冷却を図り、もって上
述課題を解決したハイブリット車輌を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、燃焼エンジン(1)と、電気
モータ(7)と、を備え、前記燃焼エンジン、電気モー
タのうちの少なくとも一方の回転を車輪(66a,66
b)に伝達してなるハイブリット車輌(HV)におい
て、前記電気モータ(7)が、ケース(33 )に固定さ
れたステータ(45)と、該ステータの内側に位置して
回転自在なロータ(46)と、を有し、該ロータ(4
6)に、湿式多板クラッチ(C3 )を作動させる油圧ア
クチュエータ(56)のシリンダ(46c)を形成し、
該シリンダ(46c)内に給排されるオイルにより前記
ロータ(46)を冷却してなる、ことを特徴とする。
【0010】また好ましくは、前記ロータ(46)を前
記車輪に連結すると共に、該ロータと前記燃焼エンジン
の出力軸(1a)との間に入力切換えクラッチ(C3
を介在し、前記湿式多板クラッチが、該入力切換えクラ
ッチ(C3 )である。
【0011】
【作用】以上構成に基づき、ハイブリット車輌(HV)
は、内燃エンジン(1)及び/又は電気モータ(7)の
動力が車輪(66a,66b)に伝達されて走行する。
この際、電気モータ(7)は、使用により発熱するが、
ロータ(46)の熱は、湿式多板クラッチ用の油圧アク
チュエータ(56)が作動することにより、シリンダ
(46c)内にオイルが供給されると、該シリンダを構
成するロータから直接オイルに伝達され、そして該オイ
ルが排出されることにより、該オイルと共に電気モータ
外部に放熱される。
【0012】例えば、ハイブリット車輌(HV)は、通
常では、燃費がよくかつ排気ガスのきれいな状態の負荷
範囲で内燃エンジン(1)が駆動されると共に、車輌の
負荷変動に伴う上記内燃エンジン出力では不足する部分
を電気モータ(7)がアシストするように出力する。従
って、加速等の正駆動時にあっては、油圧アクチュエー
タ(56)により入力切換えクラッチ(C3 )が接続
し、エンジン出力軸(1a)の回転は、該クラッチを介
してロータ(46)に伝達され、更に該ロータは、電気
モータ(7)として上記不足する分の動力をアシストす
べく回転されて、車輌に伝達する。また、減速等の送駆
動時(コースト時)、油圧アクチュエータ(56)によ
り入力切換えクラッチ(C3 )を切断すると共に、電気
モータ(7)を回生ブレーキ用回路の切換え、車輌の慣
性エネルギを該回生ブレーキとしての電気モータ(7)
により電気エネルギに変換して、バッテリ(70)に蓄
える。上述した入力切換えクラッチ(C3 )を切換える
毎に、ロータ(46)の熱は、油圧アクチュエータ(5
6)の作動によるオイルの給排により、放熱される。
【0013】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、何等本発明の構成を限定する
ものではない。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ロータの熱は、該ロータにより構成されるシリンダから
直接オイルに伝達され、そして湿式多板クラッチ用油圧
アクチュエータが作動する度に該オイルが給排されて、
該オイルと共に上記熱が放出されるので、従来冷却の困
難であったロータを冷却することができ、温度による電
気モータへの悪影響を減じて、電気モータひいてはハイ
ブリット車輌の信頼性及び耐久性を向上することができ
る。
【0015】また、前記油圧アクチュエータを、燃焼エ
ンジンの動力をロータに断・接する入力切換えクラッチ
用のアクチュエータとすると、該クラッチの断・接の度
に油圧アクチュエータを作動して、電気モータの使用
時、確実にロータを冷却することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の実施例について
説明する。図1及び図2は、本発明の実施例を示すもの
であり、図1は、概略を示す図で、図2はその具体的な
構成を示す断面図である。
【0017】ハイブリット車輌の前部(いわゆるエンジ
ンルーム)には、ガソリン又はディーゼル等の内燃エン
ジン1が横向きに搭載されており、更に該エンジン1に
連接して、従来の自動変速装置に相当する部分に本発明
に係るハイブリットユニット2が設置されている。な
お、内燃エンジン1として、リーンバーンエンジン(希
薄空燃エンジン)を用いると好ましい。該ハイブリット
ユニット2は、コンバータハウジング31 、トランスア
クスルケース32 及びモータケース33 が一体化された
一体ケース3を有しており、該ケース内には、エンジン
出力軸1aに整列して、トルクコンバータ5、3速自動
変速装置6及び電気モータ7が配置され、更にその下方
にはディファレンシャル装置9が配置されており、かつ
該一体ケースはエンジン1の側部に固定されている。
【0018】トルクコンバータ5は、エンジンクランク
軸(エンジン出力軸)1aに連結されているポンプ1
0、変速装置6の入力軸11に連結されているタービン
12及び固定部にワンウェイクラッチ13を介して連結
されているステータ15を有しており、更にポンプハウ
ジング10aと入力軸11との間にロックアップクラッ
チ16を介在してなる。従って、該トルクコンバータ5
は、エンジンクランク軸1aから、トルクコンバータ5
内の油流又はロックアップクラッチ16による機械的接
続を介して自動変速装置6内の入力軸11に伝動する。
なお、自動変速装置6とトルクコンバータ5との間部分
にオイルポンプ17が設置されている。
【0019】3速自動変速装置6は、エンジン出力部よ
り軸方向に外側に向かって制御部20、出力部21、プ
ラネタリギヤユニット部22そしてクラッチ部23が順
に配置されており、更に入力軸11に被嵌して回転自在
に中空軸25が支持されている。
【0020】そして、プラネタリギヤユニット部22は
シングルプラネタリギヤ26とデュアルプラネタリギヤ
27とからなり、シングルプラネタリギヤ26は中空軸
25に形成されたサンギヤS1 、リングギヤリングギヤ
1 、及びこれらギヤに噛合するピニオンP1 を支持し
たキャリヤCR1 からなり、またデュアルプラネタリギ
ヤ27は前記中空軸25に形成されたサンギヤS2 、リ
ングギヤR2 、並びにサンギヤS2 に噛合する第1ピニ
オンP2 及びリングギヤR2 に噛合する第2のピニオン
3 を互に噛合するように支持するキャリヤCR1 から
なる。そして、これら両プラネタリギヤ26,27はサ
ンギヤS1 ,S2 が中空軸53に形成されて一体回転
し、またキャリヤCR1 も一体に構成されており、更に
第1ピニオンP1 及び第2のピニオンP2 は同じシャフ
トに支持されている。
【0021】また、制御部20は、第2のクラッチC2
及び第1のブレーキB1 を有している。そして、第2の
クラッチC2 は入力軸11から立上がっているフランジ
部11aと中空軸25の先端から立上がっているフラン
ジ部25aとの間に介在しており、また該クラッチC2
に対して前記フランジ25aの軸方向反対側にシリンダ
部材25bが配設されている。更に、該シリンダ部材2
5bにはピストン部材30が嵌挿していると共に、該ピ
ストン部材30の背面と止めリングとの間にスプリング
31が介在されており、これらにより第2のクラッチC
2 用の油圧アクチュエータ32を構成している。また、
中空軸フランジ部25aの外方端部分にはブレーキ用ド
ラム25cが固定されており、該ドラムにはバンドブレ
ーキからなる第1のブレーキB1 が接離し得る。
【0022】一方、出力部21はハイブリットユニット
2の略々中央部に位置しており、ボス部35aを有する
出力(カウンタドライブ)ギヤ35からなる。該出力ギ
ヤ35のボス部35aの外径をアクスルケース32 に一
体に形成されている隔壁32aにベアリング36を介し
て回転自在にかつ軸方向移動不能に支持されており、か
つ該ベアリング36は隔壁32 aにスプライン結合され
ているアウタレース及びスペーサリングを介在した2個
のインナレースを有するダブルテーパドローラベアリン
グからなる。更に、アウタレースは軸方向に延びてお
り、該延長部分には第1のワンウェイクラッチF1 のイ
ンナレースが固定されている。また、デュアルユニット
27のリングギヤR2 とスプライン結合して軸方向に延
びてワンウェイクラッチのアウタレースとなる連結部材
39が配置されており、これら両レースとの間に第1の
ワンウェイクラッチF1 が介在している。
【0023】従って、該ワンウェイクラッチF1 はデュ
アルプラネタリギヤ27とケース隔壁32 aとの間にて
軸方向に並んで、かつ該デュアルプラネタリギヤ27の
リングギヤR2 の略々内方に配置される。また、リング
ギヤR2 外周とアクスルケース32 との間には第2のブ
レーキB2 が介在しており、かつ隔壁32 a一側壁面部
にはシリンダが形成されて、かつ該シリンダにはピスト
ンからなる油圧アクチュエータ40が第1のワンウェイ
クラッチF1 との間で挟まれるように配設されている。
更に、該油圧アクチュエータ40は円筒状のくし歯形状
からなるアームを有しており、該アームは第1のワンウ
ェイクラッチF1 の外径側を通って軸方向に延びて、第
2のブレーキB2 を制御すると共に、そのくし歯部分に
戻しスプリング41が配設される。
【0024】そして、クラッチ部23は第1の(フォワ
ード)クラッチC1 を備えており、かつ自動変速装置6
の後端部分に配置されている。また、入力軸11後端部
には外径方向に延びるフランジ状のシリンダ部材42が
回転自在に支持されており、該シリンダ部材にはピスト
ン部材43が嵌合されており、クラッチC1 用の油圧ア
クチュエータ45を構成している。また、第1のクラッ
チC1 は、シリンダ部材42の膨径延長部42bの内径
部とシングルプラネタリギヤ26のリングギヤR1 の外
径部との間に介在しており、またピストン部材43の背
面と止めリングとの間に戻しスプリング45が縮設され
ている。
【0025】そして、自動変速装置6のトルクコンバー
タ5と反対側となる後端側に電気モータ7が配置されて
いる。該電気モータ7は、ブラシレスDCモータ、誘導
モータ、直流分巻モータ等のホローモータからなり、エ
ンジン1から離れた軸方向最後端部に配置され、かつ前
記一体ケースの一部を構成するモータケース33 内に配
置されている。該電気モータ10はステータ45及びロ
ータ46を有しており、ステータ45はモータケース3
3 の内壁に固定され、コイル28が巻装されているか又
はフェライト、希土類等の永久磁石からなる。また、ロ
ータ46は後端側が半径方向に延びる鍔部46aとなっ
ていると共に前端側が開放されており、かつ該鍔部46
aの内径端部にスリーブ部材46bが一体に固定されて
いる。
【0026】一方、モータケース33 の後壁中心部分に
は、段付円筒状の支持部材49が固定されており、該支
持部材はケース33 と連通した油路が形成されていると
共に、その大径部分にてベアリング50を介してロータ
46の鍔部46aが回転自在に支持されている。更に、
その小径部分にはスリーブ49aが嵌合・固定されてお
り、該スリーブには油路及びシール用溝が形成されてい
ると共に、ローラベアリング51を介して前記ロータの
スリーブ部材46bが回転自在に支持されている。更
に、前記入力軸11の先端部分には段付環状の連結部材
52がスプライン結合されており、該連結部の外周面に
は前記シリンダ部材42がブッシュを介して回転自在に
支持されており、かつその大径部内周面は連通路及びオ
イルシールにより油路を形成して前記スリーブ49aに
支持されている。更に、前記中空軸25、小リングギヤ
1 用支持部材53、連結部材52は、支持部材49の
端面によりそれぞれスラストベアリング54を介して軸
方向に位置決めされている。
【0027】そして、前記ロータ46の内周面にはスプ
ライン溝46dが形成されており、該スプライン溝と前
記連結部材52に固定されたラグ52a外周面との間に
は湿式多板クラッチからなる入力切換えクラッチC3
介在している。更に、前記ロータ46の内周面、鍔部4
6a及び内径スリーブ部材46bとにより構成される環
状溝部分にてシリンダ46cが形成されており、該シリ
ンダにはピストン55が嵌合して、入力切換えクラッチ
用油圧アクチュエータ56が構成されている。また、ス
リーブ部材46bに抜止されたフランジ部とピストン背
面との間には戻しスプリング57が縮設されており、ま
たスリーブ部材46b端と連結部材52との間にスラス
トベアリング59が介在し、かつ該連結部材と一体のラ
グ52aと前記シリンダ部材42との間に樹脂型スラス
トベアリング58が介在して、軸方向に位置決めされて
いる。
【0028】更に、前記ロータ46は、組立てられた状
態でその開放側が前記フランジ状のシリンダ部材42に
て閉塞された形となり、かつ該閉塞空間A即ちロータ4
6の内径側に前記入力切換えクラッチC3 及びその油圧
アクチュエータ56が内蔵される。また、シリンダ部材
42の小径部外周面にはスプライン突起42aが形成さ
れており、該突起42aはロータに形成されたスプライ
ン溝46dに係合している。従って、シリンダ部材42
は、内燃エンジン1及び/又は電気モータ7により駆動
される自動変速装置6の入力部材を構成している。
【0029】そして、トランスアクスルケース32 にお
ける入力軸11と異なる位置にカウンタシャフト60及
びディファレンシャル装置9が配置されている。カウン
タシャフト60には前記出力(カウンタドライブ)ギヤ
35と噛合するカウンタドリブンギヤ61及び小ギヤ6
2が固定されており、またディファレンシャル装置9は
該小ギヤと噛合するリングギヤ63を有している。更
に、該ディファレンシャル装置9はリングギヤからの回
転が左右に差動・分岐され、それぞれ左右アクスル軸6
5a,65bを介して前記軸66a,66bに伝達され
る。
【0030】図4は、各要素の配置を示すハイブリット
車輌HVの平面図であり、車輌の前部いわゆるエンジン
ルーム内に、トルクコンバータ6、自動変速装置6及び
電気モータ7からなるハイブリット駆動ユニット2とエ
ンジン1とが横方向に配置されており、略々その中央部
から突出している出力部を介してディファレンシャル装
置9に連結している。該ディファレンシャル装置9は、
右前アクスル軸65a,65bの略々中央に位置してお
り、同長の車軸を介して左右前輪66a,66bに連動
している。また、車輌の後部における左右後輪67a,
67bの間にバッテリ70が搭載されている。
【0031】ついで、本実施例の作用について説明す
る。
【0032】本ハイブリット車輌HVの一般的な使用に
あっては、内燃エンジン1を、効率が高く(即ち燃料消
費率が少なく)かつ排気ガスがきれいな状態の一定負荷
範囲で回転し、走行状況に応じた負荷変動により、前記
内燃エンジン1の出力では足りない分を電気モータ7が
アシストすべく適宜駆動される。従って、大きな駆動力
を必要とする車輌発進時は、入力切換えクラッチC3
接続状態となる。この状態で、内燃エンジン1からの出
力は、トルクコンバータ5及び変速装置6の入力軸11
そして入力切換えクラッチC3 を介して電気モータ7の
ロータ46に伝達され、かつ電気モータ7は、内燃エン
ジン1では不足する動力をアシストすべく、所定出力状
態となっており、バッテリ70からの電気エネルギに基
づく動力がロータ46に付加される。そして、これら内
燃エンジン1及び電気モータ7による両出力が統合し
て、スプライン46d,42aを介して入力部材となる
シリンダ部材42に伝達され、更に適宜変速される(後
述)自動変速装置6を介して車輪66a,66bに伝達
される。
【0033】車輌が巡航状態となって、消費動力が少な
くなると、それに応じて電気モータ7からの出力が少な
くなり、更には電気モータ7への給電回路が切られて、
ロータ46は空転状態となり、車輌は、効率状態で回転
する内燃エンジン1からの動力のみにより回転する。ま
た高速走行となって、内燃エンジン1からの動力だけで
は不足する場合、制御部からの指令により、不足分に応
じた動力をアシストすべく、再び電気モータ7が駆動さ
れる。
【0034】減速、停止及び下り勾配等によりコースト
状態、即ち車輪からエンジン側へ動力伝達される逆駆動
状態となる場合、入力切換えクラッチC3 は切断される
と共に、電気モータ7は回生ブレーキ用回路に切換えら
れる。すると、車輌の慣性エネルギは、電気モータ7の
回生ブレーキ回路により電気エネルギに変換され、バッ
テリ70に蓄電される。なおこの際、内燃エンジン1は
アイドリング状態になる。これにより、加速及び減速、
停止が繰返される通常走行状態では、上述した回生ブレ
ーキ作用により、バッテリ70に電気モータの通常の出
力消費に対応した大きな電気エネルギが蓄えられるが、
該回生ブレーキでは足りない場合、車輌巡航時におい
て、電気モータ7を回生ブレーキ(発電)回路に切換
え、内燃エンジン1の出力の一部を電気モータによる発
電に使用して、バッテリ70に蓄えてもよく、また車輌
停止状態において、第1及び第2のクラッチC1 ,C2
を切断すると共に、入力切換えクラッチC3 を接続し、
かつ電気モータ7を回生ブレーキ(発電)回路に切換え
て内燃エンジン1の動力を電気モータ7による発電に用
いてもよく、更に通常のジェネレータを別設して、常時
充電するようにしてもよい。
【0035】なお、上述したハイブリットユニット2に
マッチする内燃エンジン1としてリーンバーンエンジン
(希薄空燃エンジン)を用いると、該エンジンの希薄空
燃比域を大幅に拡大して、該エンジンのメリットであ
る、低燃費及び低窒素酸化物等による燃費向上及び排気
ガス浄化を一層発揮することが可能となる。
【0036】また、早朝時等で内燃エンジンの騒音が気
になる場合、又はエンジン効率の悪い低トルク領域で
は、入力切換えクラッチC3 を切断して、電気モータ7
の動力によってのみ車輌を駆動・走行することも可能で
ある。この場合、電気モータ7のロータ46の回転は、
スプライン46d,42aを介して入力部材となるシリ
ンダ部材42に伝達され、更に適宜変速される(1速及
び2速)変速装置6を介して車輪66a,66bに伝達
される。この際、内燃エンジン1はアイドリング状態と
なっている。そして、一般道に出るか又は暖気運転が終
了した後、上述したハイブリット駆動に切換えられる。
また、電気モータ7の駆動回路を切断すると共に、入力
切換えクラッチC3 を接続して、ロータを空転しつつ、
内燃エンジン1の動力のみによって車輌を走行すること
も可能である。
【0037】また、電気モータ7をエンジンスタータと
して用いることも可能である。トルクコンバータ5のロ
ックアップクラッチ16が、エンジン停止時に接続する
ようにして、シフトレバーをニュートラル位置、即ち第
1及び第2のクラッチC1 ,C2 を切断し、かつ入力切
換えクラッチC3 を接続した状態で、電気モータ7を回
転する。すると、ロータ46の回転は、入力切換えクラ
ッチC3 、入力軸11及びロックアップクラッチ16を
介してエンジンクランク軸1aに伝達され、エンジン1
を始動する。
【0038】上述したように、前記ハイブリットユニッ
ト2の使用状態において、入力切換えクラッチC3 は、
適時に接続又は切断するように切換えられる。即ち、モ
ータケース33 及び支持部材49に形成された油路を介
して、オイルポンプ17に基づく圧油が油圧アクチュエ
ータ56の油圧室に供給され、ピストン55を伸長する
ことにより上記クラッチC3 が接続され、また上記油圧
アクチュエータ56の油圧室から圧油をドレーンするこ
とにより、ピストン55が戻しスプリング47により戻
されて、クラッチC3 は切断される。
【0039】従って、入力切換えクラッチC3 の切換え
毎に、油圧アクチュエータ56のシリンダ46cにオイ
ルが供給そして排出され、これにより電気モータ7の使
用(回生ブレーキ等による使用も含む)により発熱した
ロータ46の熱は、該ロータ自体(ロータ46、鍔部4
6a及び内径スリーブ部材46b)にて構成されるシリ
ンダ46cから直接油圧室のオイルに伝達され、そして
オイルの排出に伴って電気モータ7の外に排出される。
即ち、電気モータ7のロータ46は、入力切換えクラッ
チC3 用油圧アクチュエータ56の作動に伴うオイルに
より冷却される。
【0040】なお、電気モータ(7)のステータ45
は、従来の技術で示したものと同様に、オイルポンプ1
7に基づく潤滑油が、モータケース33 に形成された油
路から直接ステータ45に向けて滴下・供給されて冷却
される。また、支持部材49の油路を介して供給される
潤滑油は、ローラベアリング51、スラストベアリング
59等を潤滑した後、入力切換えクラッチC3 に供給さ
れ、該クラッチを潤滑して、スプライン46d,42a
から外方に排出される。
【0041】また、電気モータのロータ46は、その鍔
部46a及びスリーブ部材46bがベアリング50,5
1を介して支持部材49に直接支持されており、ステー
タ45の間隙を均一かつ一定に保持して、常に安定した
モータ性能を維持している。ついで、3速自動変速装置
6の作動について、図3の作動表に沿って説明する。上
述した内燃エンジン1及び/又は電気モータ7による回
転は、ロータ46からスプライン46d,42aを介し
て入力部材であるシリンダ部材42に伝達される。
【0042】1速(1ST)状態は第1の(フォワー
ド)クラッチC1 を接続する。すると、入力部材42の
回転は、該クラッチC1 を介してシングルプラネタリギ
ヤ26の(小)リングギヤR1 に伝達され、かつこの状
態では、デュアルプラネタリギヤ27の(大)リングギ
ヤR2 は第1のワンウェイクラッチF1 により回転が阻
止されているので、サンギヤS1 ,S2 を逆方向に空転
させながら共通キャリヤCR1 が正方向に大幅減速回転
され、該回転が出力ギヤ35から取出される。
【0043】また、2速(2ND)状態では、第1のク
ラッチC1 の接続に加えて第1の(セカンド)ブレーキ
1 が作動する。すると、サンギヤS1 ,S2 がブレー
キB1 により回転が停止され、従って入力部材42から
の小リングR1 の回転は、デュアルプラネタリギヤ27
の大リングギヤR2 を正方向に空転させながらキャリヤ
CR1 を正方向に減速回転し、該回転が出力ギヤ35に
2速として取出される。
【0044】また、3速(3RD)状態では、第1の
(フォワード)クラッチC1 接続に加えて第2の(ダイ
レクト)クラッチC2 が接続する。すると、入力部材4
2の回転が第1のクラッチC1 を介して小リングギヤR
1 に伝達されると共に、入力軸11の回転が第2のクラ
ッチC2 を介してサンギヤS1 ,S2 に伝達され、かつ
入力切換えクラッチC3 が接続状態にあって、入力部材
42と入力軸11とは同回転しており、従って両プラネ
タリギヤ26,27が一体に回転して、キャリヤCR1
を介して出力ギヤ35から入力部材42と同速回転が取
出される。
【0045】更に、リバース(REV)レンジでは、第
2のクラッチC2 及び第2の(1ST・リバース)ブレ
ーキB2 が作動する。すると、入力部材42と同回転し
ている入力軸11の回転はクラッチC2 を介してサンギ
ヤS1 ,S2 に伝達され、かつこの状態ではデュアルプ
ラネタリギヤ27の大リングギヤR2 が第2のブレーキ
2 の制動により固定されているので、シングルプラネ
タリギヤ26の小リングギヤR1 を逆転させながらキャ
リヤCR1 も逆転し、該キャリヤの逆転が出力ギヤ35
に取出される。
【0046】また、コースト時における1速状態ではワ
ンウェイクラッチF1 がフリー状態になるが、第1のク
ラッチC1 の接続に加えて第2のブレーキB2 が作動す
ると、該ブレーキB2 により大リングギヤR2 が固定状
態となり、1速状態が保たれる。また2速、3速及びリ
バースにあっては、ワンウェイクラッチを介していない
ので、コースト状態にあっても該変速段を保持される。
従って、前述したコースト時における電気モータ7によ
る回生ブレーキ機能は、常に維持される。
【0047】そして、上述した各変速段による出力ギヤ
35の回転は、ギヤ61,62,63を介して減速さ
れ、ディファレンシャル装置9から左右の車軸65a,
65bそして前輪66a,66bに伝達される。
【0048】なお、上述した前進3速及び後進1速の自
動変速装置6は、コンパクト、特に軸方向寸法の短縮化
が図られたものであると共に、信頼性の高いものであ
り、かつ後端部に電気モータ7を付設しても、ロータ内
側に入力切換えクラッチC1 及びその油圧アクチュエー
タ56を配置する等により、エンジン横置きタイプのF
・F車輌用として搭載可能である。また、自動変速装置
は、上述した実施例のものに限らず、例えば、コンパク
ト特に軸方向の短縮化が図られているようなもの等、他
の自動変速装置でもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例を示す概略図。
【図2】その具体化したハイブリットユニットを示す断
面図。
【図3】その自動変速装置の各クラッチ及びブレーキの
作動を示す図。
【図4】本実施例を適用したハイブリット車輌の平面
図。
【符号の説明】
1 燃焼エンジン 1a エンジン出力軸 2 ハイブリットユニット 33 (モータ)ケース 6 自動変速装置 7 電気モータ 45 ステータ 46 ロータ 46c シリンダ 47 ピストン 56 油圧アクチュエータ C3 入力切換えクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02K 9/19 ZHV H02K 9/19 ZHVB (72)発明者 田中 悟 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−76229(JP,A) 特開 平5−345253(JP,A) 特開 平5−330348(JP,A) 特開 平6−328950(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 6/04 F01M 1/14 H02K 9/19

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼エンジンと、電気モータと、を備
    え、前記燃焼エンジン電気モータのうちの少なくとも
    一方の回転を車輪に伝達してなるハイブリット車輌にお
    いて、 前記電気モータが、ケースに固定されたステータと、該
    ステータの内側に位置して回転自在なロータと、を有
    し、 該ロータに、湿式多板クラッチを作動させる油圧アクチ
    ュエータのシリンダを形成し、 該シリンダ内に給排されるオイルにより前記ロータを冷
    却してなる、 ことを特徴とするハイブリット車輌。
  2. 【請求項2】 前記ロータを前記車輪に連結すると共
    に、該ロータと前記燃焼エンジンの出力軸との間に入力
    切換えクラッチを介在し、 前記湿式多板クラッチが、入力切換えクラッチであ
    る、 請求項1記載のハイブリット車輌。
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