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JP3390455B2 - ポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製剤 - Google Patents

ポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製剤

Info

Publication number
JP3390455B2
JP3390455B2 JP52368099A JP52368099A JP3390455B2 JP 3390455 B2 JP3390455 B2 JP 3390455B2 JP 52368099 A JP52368099 A JP 52368099A JP 52368099 A JP52368099 A JP 52368099A JP 3390455 B2 JP3390455 B2 JP 3390455B2
Authority
JP
Japan
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polystyrene sulfonate
water
preparation
gel
production example
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP52368099A
Other languages
English (en)
Inventor
英彰 二宮
昌弘 中島
敏之 幸崎
正樹 安藤
文男 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14181326&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3390455(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd filed Critical Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Application granted granted Critical
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、服用が容易で、服用時の水分摂取量を激減
させたポリスチレンスルホン酸塩含有製剤で、殊にポリ
スチレンスルホン酸塩を有効成分とするゲル状の高カリ
ウム血症治療剤に係る。
背景技術 従来から、高カリウム血症患者に対する治療は、比較
的緊急を要する場合にはグルコン酸カルシウム療法、グ
ルコース−インシュリン療法、重曹療法、食塩水療法又
はそれらを組み合わせた治療法が適用され、緊急を要し
ない場合には、透析療法及びポリスチレンスルホン酸塩
のような陽イオン交換樹脂投与を主流とする陽イオン交
換療法が行われている。これらの療法の内でも、慢性腎
不全を伴う患者には、腸管内でのカリウムイオンの置換
によりカリウムを体外に除去する陽イオン交換療法が一
般的に行われ、通常成人1日当たり15−30gのポリスチ
レンスルホン酸塩を2−3回に分け、その1回量が水30
−50mlに懸濁され経口投与されている。しかしながら、
ポリスチレンスルホン酸塩は水に殆ど溶けない粉末であ
り、服用量も多いため内服する際に口腔内での不快感が
強く、医師の指示による服薬遵守(コンプライアンス)
に従わない場合が多いとの指摘がある。
尚、水に懸濁させる場合に、ポリスチレンスルホン酸
塩はコップの底に沈降し易く、全量を1回で服用するこ
とが困難であるため、懸濁させずに粉末状態のまま口腔
に投与し、水と共に服用している患者もいる。この場合
に、ポリスチレンスルホン酸塩は消化管内で均一に分散
せず、塊状となり所期の薬効をもたらすことができない
可能性がある。更に、粉末状態のままでの服用において
は、口腔内における不快感は強くなり、患者は大きな精
神的負担を負うことになる。このように、ポリスチレン
スルホン酸塩は口腔内に著しい不快感を与え、又現行の
用法では一度に規定の全量を服用することが困難である
ために、その服用に際して患者は、腎不全に禁忌とされ
る水を大量に飲んでしまっているのが現状である。
そこで最近、一部の病院では製剤投与方法に工夫がな
され、ポリスチレンスルホン酸カルシウム等をゼリー製
剤化することにより、コンプライアンスの向上を図って
いることが報告されている[「診療と新薬」Vol.29,No.
2,p.514(1992)、「診療と新薬」Vol.31,No.11,p.1911
(1994)及び「医薬の門」Vol.31,No.3,p.190(199
1)]。
しかしながら、ポリスチレンスルホン酸塩を含有する
上記のゼリー製剤に関しても、次のような問題が残され
ている。
(a)上記の諸文献で報告されているポリスチレンスル
ホン酸塩含有ゼリー製剤は、砂のようなザラツキ感があ
り、服用感において劣る。このザラツキ感は口腔内に可
成り残留し、殊に50%以上のポリスチレンスルホン酸塩
は、ゼリー製剤の製造時に容器底部に沈降してしまうの
で、容器の下部部分におけるゼリー製剤の服用に際して
は顕著なザラツキ感を呈し、この不快感乃至違和感の除
去には水の飲用を必要とし、その結果水分の過剰摂取を
招き、腎不全患者においては大きな問題となる。
(b)一般食品としてのゼリー菓子に関しては、内容成
分のバラツキが或る程度許容されるが、医薬品としての
ゼリー製剤の場合には、製剤の内容成分量が厳密に保証
されている必要がある。しかしながら、ポリスチレンス
ルホン酸塩は、ゲル化前の溶液中に投入すると殆どが沈
降してしまうため、個々のゼリー製剤中の当該塩含有量
を一定にすることは困難であり、従って当該塩の成分量
が一定しているゼリー製剤を大量生産することは不可能
に近い。ポリスチレンスルホン酸塩含有量が一定である
ゼリー製剤を大量に調製する方法としては、個々の容器
に当該塩を一定量投入し、次いでゲル化用溶液を流し込
むことが考えられるが、容器内でのポリスチレンスルホ
ン酸塩の均一分散性が悪く、当該塩量が多い部位を喫食
すると、口腔内に与える不快感は著しく強くなってしま
う。従って、現状では少量ずつ手早くかき混ぜながら分
注する等、手作業でゼリー製剤化する必要性があり、操
作が煩雑化する上、生産性が低下してしまう。結局、ゼ
リー製剤中おいてポリスチレンスルホン酸塩が偏在する
のを防止することは、極めて困難乃至不可能である。
(c)従来のポリスチレンスルホン酸塩含有ゼリー製剤
中の水分量は100ml/個以上であり、従って、1日3回服
用乃至摂取した場合の水分摂取量は300ml/日以上とな
る。しかも、著しい不快感を解消するために水を50ml/
回飲めば、服用に伴う水分摂取量は更に増え、450ml/日
以上となってしまう。ところが、腎不全患者において
は、腎臓への負担を軽減するために、1日当たりの水分
摂取量が400−700mlに制限されている。従って、ポリス
チレンスルホン酸塩含有ゼリー製剤を服用すると、当該
製剤以外から摂取し得る水分量(飲料水を含む)は通常
の半分以下、場合によっては極僅かとなり、患者の生命
乃至生活の質[クオリティ・オブ・ライフ(QOL)]を
著しく損ない、患者に大きな精神的負担をもたらすこと
になる。
発明の開示 本発明は、上記従来技術における課題を一気に解決す
ることを目的とする。即ち、本発明が解決しようとする
課題は、服用乃至摂取時の不快感が低減され、且つ水分
含有量の低いポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製剤
を提供することにより、腎不全患者で大きな問題となっ
ている服用時の水分摂取量を低減させることである。更
には、医薬品としての内容成分量を保証し、工業化レベ
ルでの大量生産を可能にすることである。
本発明によるポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製
剤は、ポリスチレンスルホン酸塩の粒子径が少なくとも
5−100μmの範囲内に均一化されていることを特徴と
する。また、当該粒度に応じて、ゲル化前の粘度が増粘
剤の添加により調整され、ゲル化後のポリスチレンスル
ホン酸塩粒子が均一に分散されていることを特徴とす
る。更に好ましくは、水置換剤を含有することにより、
含有する水の一部が置換されていることを特徴とする。
以下に、本発明のゲル状製剤を、さらに詳細に説明す
る。
本発明におけるポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状
製剤の調製時に、ゲル化前の溶液の粘度調整を行うの
は、当該塩のイオン交換能を損なうことなく、規定量の
当該有効成分を製剤中において均一分散状態で含有さ
せ、且つ服用時の口腔内における不快なザラツキ感を軽
減させるためである。口腔内における不快なザラツキ感
の軽減は、当該製剤服用時の水の飲用を抑制することに
繋がる。
この増粘剤による粘度調整は、具体的には、ゲル化前
の品温50℃における粘度として、ポリスチレンスルホン
酸塩の粒子径が5−25μmの場合は50cP以上、5−50μ
mの場合は100cP以上、5−75μmの場合は300cP以上、
5−100μmの場合は1000cP以上を目安に調整される。
この粘度調整の後に各容器に分注すれば、ポリスチレン
スルホン酸塩粒子が沈降せず(後期試験例1参照)、規
定量の当該塩を均一分散状態で含有しているゲル状製剤
が得られ、しかも、当該製剤服用時の口腔内における不
快なザラツキ感が軽減されることを見出したのである。
厳密には、例えば、粒度分布が5−Xμmのポリスチ
レンスルホン酸塩を用いてゲル状製剤を調製する場合に
は、粒子径Xμmの粒子が沈降しない粘度を添付図面の
第2図から読み取って調整すれば、所望の製剤が得られ
ることになる。
尚、既述の粘度50cPは下限値ではなく、例えば、5−
10μmの粒子が大半を占めている場合にはさらに低い値
になり、また、例えば粒度分布幅が20−35μmの粒子
に、少量の大径粒子(例えば100μm)を配合し、ゲル
化前の粘度を50cP程度に調製する等の方法を講じること
もできる。
この粘度調整は、各種増粘剤、糖及び糖アルコール内
の少なくとも1種類の物質を使用して行うことができ
る。この場合に、増粘剤としては格別の制限はなく、キ
サンタンガム、グアーガム等の天然多糖類、ヒドロキシ
プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の
セルロースの水溶性誘導体、カルボキシメチルスターチ
等の澱粉誘導体、アルギン酸ポリプロピレングリコール
エステル等のアルギン酸誘導体、ポリアクリル酸誘導体
を例示することができる。また、糖及び糖アルコールに
関しても格別の制限はなく、グルコース、キシロース、
マルトース、白糖(蔗糖)、乳糖、デキストリン、転化
糖類、水飴糖の各種糖類、ソルビトール、マンニトー
ル、キシリトール、マルチトール、還元麦芽糖水飴等の
糖アルコールを例示することができる。尚、本明細書中
では、便宜的に、増粘剤、糖及び糖アルコールのすべて
を含めて、増粘剤と呼ぶことにする。
本発明のゲル状製剤において、記述のように、最終製
剤についてでなく、凝固前の溶液の粘度調整をもって規
定されているが、これは、最終製剤の状態での規定が極
めて困難乃至不可能なためであり、また、具体的には品
温50℃における粘度として示されているのは、この温度
がゲル状組成物を調製する場合における一般的な分注温
度だからである。
本発明におけるポリスチレンスルホン酸塩の粒子径
が、少なくとも5−100μmの範囲内に制御されている
のは、服用時の口腔内における不快なザラツキ感を更に
軽減させるためである。即ち、本発明者らは、上記増粘
剤添加によりポリスチレンスルホン酸塩の均一分散化を
図っただけでは、服用感が十分には改善されないことに
気付き、試行錯誤の結果、当該塩の粒子径制御、即ち小
粒子化することにより、口腔内におけるザラツキ感が著
しく軽減されることを見出した。そして、粒子径を100
μm以下にすると、ゲル乃至ゼリー状製剤が水の飲用な
しでそのまま服用できるという結論に至ったのである
(後記試験例2参照)。従って、この寸法範囲内におい
て粒子径は小さいほど好ましい。5−75μmが好まし
く、5−50μmが更に好ましく、5−25μmが殊に好ま
しい。
尚、本発明に使用されるポリスチレンスルホン酸塩
は、薬理学的に許容される塩であれば特に限定されない
が、カルシウム塩、ナトリウム塩を例示することができ
る。市販されている製剤用ポリスチレンスルホン酸塩粉
末は、粘膜から吸収された後に細網内皮系組織に沈着す
るのを防ぐため、5μm以下の微粒子の含有量が0.1%
以下に規制されているが、100−200μmの比較的大きな
寸法の粒子を、全体の20%以上含有している。所望の寸
法の粒子は、市販の製剤用ポリスチレンスルホン酸塩粉
末より、一般的方法即ち篩分けや粉砕分級機により容易
に得ることができる。
本発明のゲル状製剤においては、水置換剤の含有は必
ずしも必要ではないが、含有していることが好ましい。
これは、ゲル状製剤中の水の一部を置換することによ
り、ゲル容量を減少させることなくゲル状製剤中の水分
量を極力減少させるためである。これにより、服用感の
悪化を伴わずに、当該製剤服用に伴う水分摂取量を極力
抑えることができる。
この水置換剤としては格別の制限はなく、グリセリ
ン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール
類、糖類及び糖アルコール類の内の少なくとも1種類の
物質を使用することができる。さらに、糖類としては、
グルコース、キシロース、マルトース、白糖(蔗糖)、
乳糖、デキストリン、転化糖類、水飴を例示することが
でき、糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニト
ール、キシリトール、マルチトール、還元麦芽糖水飴を
例示することができる。これらは、上記増粘剤と重複す
る場合がある。
水置換剤の含有が必須ではないのは、本発明において
は、ゲル状製剤中の水分含有量を減少させるために、単
純に使用する水分量を減らすことも可能だからである。
従来のポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製剤におい
ては、試験例6に示すように、使用水分量を減らすとゲ
ル(ゼリー)容量も減り、それと共に服用感は著しく悪
化してしまい、結局、更に水を飲まざるを得ないことに
なってしまい、単純に使用する水分量を減らすことはで
きなかった。即ち、使用水分量の減少(ゲル容量の減
少)と服用感の改善は、相容れないことであった。とこ
ろが、本発明のポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製
剤においては、前述の増粘剤添加による均一分散化と粒
子径5−100μmへの制御により、著しく服用感が改善
された結果、使用する水分量を減らしゲル容量を減少さ
せても、服用感の悪化は軽微であることが判明したので
ある(後記試験例4,6参照)。これは、本発明が、使用
水分量の減少(ゲル容量の減少)と服用感の改善とを、
同時に達成したことを意味し、水置換剤がなくても、従
来品に比べ十分な水分含有量低減と服用感改善が達成さ
れたのである。
尚、本発明としては開示されているゲル状製剤が含有
する水分量は、ポリスチレンスルホン酸塩5gあたり60ml
以下、1gあたりでは12ml以下であり、ポリスチレンスル
ホン酸塩の均一分散化と服用感改善が達成される範囲に
おいて、少ない程好ましい。製品としての取扱い易さも
考慮すると、ポリスチレンスルホン酸塩1回の服用量5g
が、20−30ml程度のゲル容量となっているのが最も好ま
しいと考えられ、この場合、含有する水分量としてはそ
れより少ない数値、即ち、12−20ml程度が最も好ましい
と考えられる。水分量を更に減らすことは、含有成分の
溶解が困難となったり、ポリスチレンスルホン酸塩の均
一分散化が達成されない可能性を生じる。
本発明におけるゲル状製剤を調製するためのゲル化剤
に関しては、格別な制限はなく、寒天、カラギーナン、
ローカストビーンガム、アルギン酸及びその塩、ゼラチ
ン、ペクチン、繊維素グリコール酸塩、澱粉を例示する
ことができる。
本発明におけるゲル状製剤は、一般的なゼリー菓子の
調製方法に準じて、即ち、各種成分を加熱溶解した溶液
を適当な容器に分注し、次いで冷却することにより調製
することができる。外観は、ゼリー、プリン、ババロ
ワ、グミ状等の固形状態から葛湯様のペースト状態であ
り、カップ、バッグ、チューブ等に収容、包装されるこ
とができる。また、場合により、pH調整剤、フレーバ
ー、着色剤、甘味剤、抗菌剤等の添加物を含有すること
ができる。
以上、本発明におけるゲル状製剤を詳細に説明してき
た。既述の手段の組合せにより、本発明におけるポリス
チレンスルホン酸塩含有ゲル状製剤は、製剤中に含有す
る水分量が著しく低減された。製造例に記載した本発明
のゲル状製剤の含有水分量は、ポリスチレンスルホン酸
塩5gあたり15−60mlであり、従来の当該塩含有ゲル状製
剤(ポリスチレンスルホン酸塩5gあたり100ml)の15−6
0%にまで低減させることが可能となった。しかも、当
該製剤服用時に水を飲む必要が殆どなくなり、試験例3
に示すように、服用に伴う水分摂取量が従来品に比べ1/
4から1/5になり、1日の服用に伴う水分摂取量は300−4
00ml低減することができた。腎不全患者では、1日あた
りの水分摂取量が400−700mlに制限されているにも関わ
らず、従来のポリスチレンスルホン酸塩製剤では、服用
に伴い400ml以上の水分摂取を行い、制限水分量の1/2以
上から、場合によっては全量を消費してしまっている。
これは、当該製剤以外からの水分摂取量(食物や飲料
水)を著しく減ずる必要性を生じ、患者の「クオリティ
・オブ・ライフ」を著しく損なうことになる。これらを
考慮すると、本発明品による300−400ml/日の水分摂取
量低減という効果が、極めて顕著なものであることがわ
かる。その結果、患者の水分摂取管理を厳密に行うこと
ができるだけでなく、患者の「クオリティ・オブ・ライ
フ」を著しく改善することができるのである。
尚、試験例3は、本発明品の中でも平均的な水分量の
製剤を使用しているが、製造例10又は製造例13のよう
に、更に水分量の少ない製剤を使用すれば、1日の当該
製剤服用に伴う水分摂取量は50ml程度となり、その効果
は更に顕著なものとなる。
また、医薬品であるポリスチレンスルホン酸塩含有ゲ
ル状製剤においては、有効成分である当該塩の含有量を
厳密に保証する必要がある。従来製剤においては、既述
のように、有効成分であるポリスチレンスルホン酸塩の
含有量或いは投与における有効量が保証されるような状
態ではなかった。本発明におけるポリスチレンスルホン
酸塩含有ゲル状製剤は、既述のように、有効成分である
ポリスチレンスルホン酸塩含有量が有効量として厳密に
保証されており、医薬品としての規格を満たすポリスチ
レンスルホン酸塩製剤を、工業化レベルで製造すること
を初めて可能にした製剤である。
図面の簡単な説明 第1図は、粒度分布幅が異なるポリスチレンスルホン
酸塩を使用してゲル状製剤を調製し、ゲル化前の溶液の
粘度と、ポリスチレンスルホン酸塩粒子のゲル状製剤中
における垂直方向分布との関係を該塩粒子径別に調べた
結果を示すグラフであり、第2図は、各粒子径のポリス
チレンスルホン酸塩をゲル状製剤中に均一分散させ得
る、粒子径とゲル化前の溶液の粘度との関係を示すグラ
フである。
発明を実施する最良の形態 次に、試験例、製造例、対照製造例により本発明を更
に詳細に且つ具体的に説明する。
試験例1(ポリスチレンスルホン酸の粒度とゲル状製剤
中での分散性) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g 平均粒子径24.1μm(粒度分布幅:20−35μm)、 平均粒子径46.0μm(粒度分布幅:40−60μm)、 平均粒子径73.4μm(粒度分布幅:70−80μm)又
は 平均粒子径103μm (粒度分布幅:90−120μm)、 寒天 1g 精製水 42ml 赤ワイン 20ml D−ソルビトール 38g カルボキシメチルセルロース−Na(CMC−Na) 適量 ゲル化剤としての寒天を精製水に加熱溶解した後に赤
ワインを添加し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム(CMC−Na)を分散させたD−ソル
ビトールを添加して混合した。次いで得られた溶液を濾
過し、50℃に冷却した後にポリスチレンスルホン酸カル
シウムを添加し混合して均一状態になし、次いで円筒状
容器に分注し、冷蔵庫で冷却してゲル化させた。
調製されたゲル状製剤サンプルを容器から取り出し、
輪切りにして5等分することにより被検体(最上部検体
I−最下部検体V、各被検体の厚み:約1cm)とした。
これらの被検体を各々別々に加熱溶解した。得られたゾ
ルをガラスフィルター(G4)により濾過し、フィルター
上の残留物(ポリスチレンスルホン酸塩)を熱湯約100m
lで洗浄し、80℃で5時間減圧乾燥した後にポリスチレ
ンスルホン酸塩の重量を測定した。
尚、ゲル状製剤サンプル調製用溶液の粘度調整は、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウムの配合量を変ずる
ことにより行った。
結果は第1図に示される通りであった。この図から明
らかなように、粒子径に応じて粘度を増加させることに
より、ポリスチレンスルホン酸塩の垂直方向含有量比
(V/I)は小さくなった1に近ずき、ポリスチレンスル
ホン酸塩を製剤中で均一分散させ得ることが判明した。
又、品温50℃における分注時の溶液の粘度であって、各
粒子径のポリスチレンスルホン酸塩をゲル化製剤中に均
一分散させることが可能な粘度、即ち製剤各部分(I−
V)におけるポリスチレンスルホン酸塩の含有量が90−
110%の範囲内になる粘度(例えば本試験例においては
ポリスチレンスルホン酸塩を5g使用して円柱状ゲル状製
剤が調製され、これを5等分して被検体I−Vとしてい
るので、均一分散状態であれば各被検体のポリスチレン
スルホン酸塩含有量はそれぞれ1gとなる筈であるが、10
%の許容量を見込んで0.9−1.1gの範囲内の量になる粘
度,換言すればV/Iが1.22以下となる粘度)を求めた
処、第2図に示される曲線から上方の部分になることが
判明した。
製造例1 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−100μm) 寒天 0.5g カルボキシメチルセルロース−Na 0.9g 精製水 43.6ml アスパルテーム 0.025g 上記諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシウ
ム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ゲル化剤として寒
天を精製水に加熱溶解し、更に増粘剤としてカルボキシ
メチルセルロースナトリウム(CMC−Na)及び甘味剤の
アスパルテームを添加して混合溶解した。得られた溶液
を濾過し、50℃に冷却した後にポリスチレンスルホン酸
カルシウムを添加し均一に混合して容器に分注し、冷蔵
庫で冷却して所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃におけ
る溶液の粘度は3500cPに調整された(この粘度測定はポ
リスチレンスルホン酸カルシウム添加後に行われ、これ
については以下の各製造例においても同様である)。
製造例2 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.5g カルボキシメチルセルロース−Na 0.9g 精製水 43.6ml アスパルテーム 0.025g 上記諸成分を用いて製造例1と同様な操作を行うこと
により、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は3300cPに調整された。
製造例3 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−100μm) 寒天 0.5g カルボキシメチルセルロース−Na 0.9g 精製水 33.6ml 粉末還元麦芽糖水飴 10.0g 上記諸成分を用いて製造例1と同様な操作を行うこと
により(カルボキシメチルセルロースナトリウムと共に
粉末還元麦芽糖水飴を添加)、所望のゲル状製剤を得
た。尚、50℃における溶液の粘度は3900cPに調整され
た。
製造例4 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.5g カルボキシメチルセルロース−Na 0.9g 精製水 33.6ml 粉末還元麦芽糖水飴 10.0g 上記諸成分を用いて製造例3と同様な操作を行うこと
により、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は3850cPに調整された。
製造例5 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−100μm) 寒天 1g 精製水 42ml 赤ワイン 20ml D−ソルビトール 38g カルボキシメチルセルロース−Na(CMC−Na) 0.29g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ゲル化剤として
寒天を精製水に加熱溶解した後に赤ワインを添加し、更
に増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム
(CMC−Na)を分散させたD−ソルビトールを添加して
混合した。次いで得られた溶液を濾過し、50℃に冷却し
た後にポリスチレンスルホン酸カルシウムを添加し均一
に混合して容器に分注し、冷蔵庫で冷却して所望のゲル
状製剤を得た。尚、50℃における溶液の粘度は1013cPに
調整された。
製造例6 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−75μm) 寒天 1g 精製水 42ml 赤ワイン 20ml D−ソルビトール 38g カルボキシメチルセルロース−Na(CMC−Na) 0.15g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は302cPに調整された。
製造例7 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 1g 精製水 42ml 赤ワイン 20ml D−ソルビトール 38g カルボキシメチルセルロース 0.04g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は111cPに調整された。
製造例8 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−25μm) 寒天 1g 精製水 42ml 赤ワイン 20ml D−ソルビトール 38g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は54cpに調整された。
製造例9(ゲル容量を製造例7の1/2に設定) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.5g 精製水 21ml 赤ワイン 10ml D−ソルビトール 19g キサンタンガム 0.0125g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は105cPに調整された。
製造例10(ゲル容量を製造例7の1/4に設定) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.25g 精製水 10ml 赤ワイン 5ml D−ソルビトール 9.5g キサンタンガム 0.0063g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は335cPに調整された。
製造例11 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 1g 精製水 30ml コーヒーエキス 適量 D−ソルビトール 50g プロピレングリコール 20g キサンタンガム 0.16g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ゲル化剤として
の寒天を精製水に加熱溶解した後にプロピレングリコー
ルを添加し、更に増粘成分としてキサンタンガムを分散
させたD−ソルビトールを添加し、攪拌混合した。得ら
れた溶液を濾過し、コーヒーエキスを濾液に添加して50
℃に冷却した後、ポリスチレンスルホン酸カルシウムを
添加し混合し均一状態になして容器に分注し、冷蔵庫で
冷却して所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は4200cPに調整された。
製造例12 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 1g 精製水 20ml コーヒーエキス 適量 グリセリン 80g キサンタンガム 0.16g 上記の諸成分を用いて製造例11と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は1675cPに調整された。
製造例13 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.5g 精製水 15ml コーヒーエキス 適量 D−ソルビトール 35g ソルビン酸ナトリウム 0.05g キサンタンガム 0.08g 上記の諸成分を用いて製造例11と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は1075cPに調整された。
製造例14 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.35g 精製水 20ml 赤ワイン 10ml 粉末還元麦芽糖水飴 20g ソルビン酸ナトリウム 0.05g キサンタンガム 0.08g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は500cPに調整された。
製造例15 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 0.5g 精製水 15ml 赤ワイン 10ml 白糖 25g キサンタンガム 0.08g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は1400cPに調整された。
製造例16(製造例7に相当するゲル状製剤の連続製造) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 250g (粒度分布:5−50μm) 寒天 50g 精製水 2100ml 赤ワイン 1000ml D−ソルビトール 1900g カルボキシメチルセルロース−Na(CMC−Na) 2g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を連続製造した。即ち、ゲル化剤と
しての寒天を精製水に加熱溶解した後に赤ワインを添加
し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナト
リウムを分散させたD−ソルビトールを添加して攪拌混
合した。得られた溶液を濾過し、50℃に冷却した後、ポ
リスチレンスルホン酸カルシウムを添加してプロペラ攪
拌機で混合して均一状態になした。更に、プロペラ攪拌
機で攪拌しながら一定量ずつ分注機を用いて容器に分注
し、冷蔵庫で冷却して所望の製剤を得た。尚、50℃にお
ける溶液の粘度は110cPに調整された。
製造例17(プリン状製剤) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 牛乳 40ml ゼラチン 4g 精製水 12ml D−ソルビトール 40g オレンジフレーバー 1滴 加工澱粉 0.5g キサンタンガム 0.05g グアーガム 0.45g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ゲル化剤として
のゼラチンを精製水に膨潤させ、牛乳及びD−ソルビト
ールを添加し、加温して溶解させた。この液にオレンジ
フレーバー、加工澱粉、キサンタンガム及びグアーガム
を添加して混合し、得られた溶液を50℃に冷却した後、
ポリスチレンスルホン酸カルシウムを添加し混合して均
一状態になした後に容器に分注し、冷蔵庫で冷却して所
望のプリン状製剤を得た。尚、50℃における溶液の粘度
は155cPに調整された。
製造例18(ゼリー状製剤:カラギーナン・ゼリー) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) カラギーナン 0.2g ローカストビーンガム 0.17g 燐酸二水素ナトリウム 0.045g 乳酸カルシウム 0.015g D−ソルビトール 15g クエン酸 0.04g クエン酸ナトリウム 0.015g 精製水 35ml オレンジフレーバー 0.6g キサンタンガム 0.08g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調整した。即ちカラギーナン、ロ
ーカストビーンガム、燐酸二水素ナトリウム及び乳酸カ
ルシウムをD−ソルビトールに分散し、精製水を添加し
80℃に加温して溶解させた。該溶液にオレンジフレーバ
ー、クエン酸、クエン酸ナトリウム及びキサンタンガム
を添加して攪拌し、得られた溶液を50℃に冷却した後、
ポリスチレンスルホン酸カルシウムを加え混合して均一
状態になした後に容器に分注し、冷蔵庫で冷却して所望
のゼリー状製剤を得た。尚、50℃における溶液の粘度は
1050cPに調整された。
製造例19(ゼリー状製剤:マンナン・ゼリー) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) グルコマンナン 0.25g カラギーナン 0.35g クエン酸 0.16g D−ソルビトール 34.8g 精製水 50ml オレンジ果汁 8g オレンジフレーバー 1滴 キサンタンガム 0.08g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、グルコマンナン
及びカラギーナンを精製水により膨潤させ、85℃に加温
して溶解させた。この液にD−ソルビトール、クエン酸
及びキサンタンガムを添加して溶かし、得られた溶液を
50℃に冷却した後、オレンジフレーバー、オレンジ果汁
及びポリスチレンスルホン酸カルシウムを添加し混合し
て均一状態になした後に容器に分注し、冷蔵庫で冷却し
て所望のゼリー状製剤を得た。尚、50℃における溶液の
粘度は120cPに調整された。
製造例20(グミ・ゼリー状製剤) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) D−ソルビトール 25g 還元麦芽糖水飴 37g ゼラチン 9g クエン酸 0.4g 精製水 24ml パプリカ色素 0.07g 野菜色素 0.02g ホワイトピーチオイル 0.2g ピーチ1/5濃縮果汁 2.0g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ゲル化剤として
のゼラチンを精製水23mlに添加して60℃で溶解させた。
一方、クエン酸を精製水1mlに添加し60℃に加温した。
次にD−ソルビトール及び水飴を添加して115℃になる
まで加熱し、予め調製した上記のゼラチン溶液及びクエ
ン酸溶液並びに色素、香料及び果汁を添加して混合し
た。得られた溶液を50℃に冷却した後、ポリスチレンス
ルホン酸カルシウムを添加し混合して均一状態になした
後に容器に分注し、乾燥させることにより所望のグミ・
ゼリー状製剤を得た。尚、50℃における溶液の粘度は51
0cPに調整された。
製造例21(半固形状製剤) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) D−ソルビトール 5g 蜂蜜 5g 加工澱粉 2.25g デキストリン 0.75g 精製水 45ml 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、水にD−ソルビ
トール及び蜂蜜を添加し加熱して溶解させた。次に加工
澱粉及びデキストリンを添加して溶解し、得られた溶液
を50℃に冷却した後、ポリスチレンスルホン酸カルシウ
ムを添加し混合して均一状態になした後に容器に分注
し、冷蔵庫で冷却することにより所望の半固形状製剤を
得た。尚、50℃における溶液の粘度は900cPに調整され
た。
製造例22 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 粉末還元麦芽糖水飴 2g 寒天 0.07g カラギーナン 0.03g ゼラチン 0.1g ペクチン 0.02g クエン酸ナトリウム 0.28g 精製水 17.5ml 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、クエン酸ナトリ
ウム、寒天及びカラギーナンを精製水に加熱溶解した
後、液温を70℃以上に保ちゼラチン及びペクチンを添加
して溶解した。更に粉末還元麦芽糖水飴を添加して溶解
した後、50℃に冷却したポリスチレンスルホン酸カルシ
ウムを添加し混合して均一状態になした。得られた溶液
を容器に分注し、冷蔵庫で冷却して所望のゲル状製剤を
得た。尚、50℃における溶液の粘度は1000cPに調整され
た。
製造例23 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) D−ソルビトール 5g 寒天 0.14g カラギーナン 0.07g ゼラチン 0.33g ペクチン 0.16g クエン酸緩衝液(pH6.3) 14.3ml 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、寒天及びカラギ
ーナンをpH6.3のクエン酸緩衝液に加熱溶解した後、液
温を70℃以上に保ちゼラチン及びペクチンを添加して溶
解した。更にD−ソルビトールを添加して溶解した後、
50℃に冷却したポリスチレンスルホン酸カルシウムを添
加し混合して均一状態になした。得られた溶液を容器に
分注し、冷蔵庫で冷却して所望のゲル状製剤を得た。
尚、50℃における溶液の粘度は25000cPに調整された。
製造例24 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 粉末還元麦芽糖水飴 5g 寒天 0.14g ペクチン 0.11g クエン酸緩衝液(pH6.3) 14.75ml 上記の諸成分を用いて製造例23と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は1625cPに調整された。
製造例25 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 粉末還元麦芽糖水飴 5g 寒天 0.07g ゼラチン 0.492g クエン酸緩衝液(pH6.3) 14.438ml 上記の諸成分を用いて製造例23と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は105cPに調整された。
製造例26 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) D−ソルビトール 8g 還元麦芽糖水飴 4g ペクチン 0.568g 粉糖 0.84g 精製水 9ml 50%クエン酸溶液 0.24ml 香料 適量 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ペクチンを分散
させた粉糖を精製水に加熱溶解した後、液温を90℃以上
に保ち水飴及びD−ソルビトールを添加して溶解した。
更にポリスチレンスルホン酸カルシウムを添加して均一
に混合した後、充てん直前に香料及び50%クエン酸溶液
を添加して混合した。得られた溶液を50℃以上で容器に
分注し、冷蔵庫で冷却して所望のゲル状製剤を得た。
尚、50℃における溶液の粘度は4760cPに調整された。
製造例27 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 粒度分布: 5−50μm 4.75g 粒度分布:90−100μm 0.25g 寒天 1g 精製水 42ml 赤ワイン 20ml D−ソルビトール 38g カルボキシメチルセルロース−Na(CMC−Na) 0.04g 上記の諸成分を用いて製造例5と同様の操作を行うこ
とにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃における
溶液の粘度は110cPに調整された。
対照製造例1 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−200μmの市販粉末製剤) 寒天 0.5g 精製水 43.6ml アスパルテーム 0.025g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を調製した。即ち、ゲル化剤として
寒天を精製水に加熱溶解し、甘味剤のアスパルテームを
添加して混合溶解した。得られた溶液を濾過し、50℃に
冷却した後にポリスチレンスルホン酸カルシウムを添加
し均一に混合して容器に分注し、冷蔵庫で冷却して所望
のゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶液の粘度は30
cPであった。
対照製造例2 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−200μmの市販粉末製剤) 寒天 0.5g カルボキシメチルセルロース−Na 0.9g 精製水 43.6ml アスパルテーム 0.025g 上記の諸成分を用いて対照製造例1と同様の操作を行
うことにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃にお
ける溶液の粘度は3750cPに調整された。
対照製造例3 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−150μm) 寒天 0.5g カルボキシメチルセルロース 0.9g 精製水 43.6ml アスパルテーム 0.025g 上記の諸成分を用いて対照製造例1と同様な操作を行
うことにより、所望のゲル状製剤を得た。尚、50℃にお
ける溶液の粘度は3700cPに調整された。
対照製造例4{文献[「薬理と治療」Vol.21,No.6,p.20
17(1993)]による処方の製剤} ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−200μmの市販粉末製剤) 寒天 1g 精製水 80ml 赤ワイン 20ml 白糖 10g 上記の諸成分を用い且つ該文献に記載の方法に従い、
ポリスチレンスルホン酸カルシウム含有ゲル状製剤を調
製した。即ち、ゲル化剤としての寒天を精製水に加熱溶
解し、白糖及び赤ワインを添加した。得られた溶液を濾
過し、50℃に冷却した後、ポリスチレンスルホン酸カル
シウムを添加し混合して均一状態になし、容器に流し込
み冷蔵庫で冷却することにより、所望のゲル状製剤を得
た。尚、50℃における溶液の粘度は35cPであった。
対照製造例5(ゲル容量を対照製造例4の1/2に設定) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−200μmの市販粉末製剤) 寒天 0.5g 精製水 40ml 赤ワイン 10ml 白糖 5g 上記の諸成分を用いて対照製造例4と同様の操作を行
うことにより、ゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は35cPであった。
対照製造例6 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−100μm) 寒天 1g 精製水 80ml 赤ワイン 20ml 上記の諸成分を用いて対照製造例4と同様の操作を行
うことにより、ゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は10cPであった。
対照製造例7 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−75μm) 寒天 1g 精製水 80ml 赤ワイン 20ml 上記の諸成分を用いて対照製造例4と同様の操作を行
うことにより、ゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は10cPであった。
対照製造例8 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布:5−50μm) 寒天 1g 精製水 80ml 赤ワイン 20ml 上記の諸成分を用いて対照製造例4と同様の操作を行
うことにより、ゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は10cPであった。
対照製造例9 ポリスチレンスルホン酸カルシウム 5g (粒度分布5−25μm) 寒天 1g 精製水 80ml 赤ワイン 20ml 上記の諸成分を用いて対照製造例4と同様の操作を行
うことにより、ゲル状製剤を得た。尚、50℃における溶
液の粘度は10cPであった。
対照製造例10(対照製造例4によるゲル状製剤の連続製
造) ポリスチレンスルホン酸カルシウム 250g (粒度分布:5−200μm) 寒天 50g 精製水 4000ml 赤ワイン 1000ml 白糖 500g 上記の諸成分を用いてポリスチレンスルホン酸カルシ
ウム含有ゲル状製剤を連続調製した。即ち、ゲル化剤と
しての寒天を精製水に加熱溶解させ、白糖及び赤ワイン
を添加した。得られた溶液を濾過し、50℃に冷却した後
にポリスチレンスルホン酸カルシウムを添加しプロペラ
攪拌機で混合して均一状態になした。更に、プロペラ攪
拌機で攪拌しながら分注機を用いて一定量ずつ容器に分
注した後、冷蔵庫で冷却することにより、ゲル状製剤を
得た。
試験例2(官能試験:服用感に及ぼす粒子径及び分散性
の影響) 5人のパネラーにより、製造例1及び2並びに対照製
造例1、2及び3により得られたゲル乃至ゼリー状製剤
を対象として、ポリスチレンスルホン酸塩の粒子径及び
分散性が服用感乃至食感に及ぼす影響を調べた。不快な
場合は自由に水を飲んでもらい、飲んだ水の量を10ml単
位で計量した。尚、これらの製造例及び対照製造例にお
けるポリスチレンスルホン酸塩の粒子径と50℃における
溶液の粘度を纏めたものが下記の表1である。また、表
における服用感の程度は、本明細書中のすべての官能試
験において、ザラツキの強い感覚を異物感(++以上)
と表現した。
結果は下記の表に示す通りである。即ち、ポリスチレ
ンスルホン酸塩の粒子径を100μm以下に制御して、粘
度を調整することにより当該塩を均一分散させた製剤で
は、当該塩に起因する異物感乃至ザラツキ感が大幅に少
ないため、余分な水を飲まなくても済むことがわかる。
試験例3(官能試験:先行技術との比較) 5人のパネラーにより、製造例4と対照製造例4[文
献「薬理と治療」Vol.21,No.6,p.2017(1993)]、並び
に市販粉末製剤の一般的用法である50mlの水に懸濁して
服用する方法を対象として、服用感乃至食感に関する試
験を実施した。また、不快な場合は、試験例2と同様に
自由に水を飲んでもらった。
結果は下記の表3に示す通りである。即ち、市販粉末
製剤の一般的用法である50mlの水にポリスチレンスルホ
ン酸塩を懸濁して服用した場合、当該塩の顕著な異物感
を感じ平均で96mlの水を更に飲んでしまい、懸濁用の水
と合わせ146mlの水分摂取となった。従来のポリスチレ
ンスルホン酸塩含有ゲル状製剤である対照製造例4で
は、当該塩の異物感は水懸濁液に比べ幾分改善される
が、平均で68mlの水を更に飲んだ。対照製造例4は製剤
中の水分量が100mlと多く、合わせて168mlの水分摂取と
なった。これら従来の投与方法及び製剤では、1日3回
の服用によりそれぞれ438ml及び504mlの水分を摂取する
ことになる。一方、本発明品は異物感乃至ザラツキ感が
大幅に少ないため、服用時に余分な水をほとんど飲まな
くてもよく、製剤中の水分と合わせても平均で38ml、1
日当たりで114mlの水分摂取量となった。これは、水懸
濁液投与の約1/4、対照製造例4の約1/5の水分摂取量で
ある。
試験例4(官能試験:水置換剤の効果) 5人のパネラーにより、製造例1、2、3及び4によ
り得られたゲル乃至ゼリー状製剤を対象として、水置換
剤の服用感乃至食感に及ぼす影響を調べた。また、不快
な場合は、試験例2と同様に自由に水を飲んでもらっ
た。尚、製造例1、2に水置換剤として粉末還元麦芽糖
水飴を添加したものが、それぞれ製造例3、4である。
結果は下記の表4に示す通りである。本発明品は、水
置換剤の有無に関わらず、ポリスチレンスルホン酸塩に
起因する異物感乃至ザラツキ感が大幅に少ないことがわ
かる。水置換剤を添加した場合、該異物感乃至ザラツキ
感が更に改善され、余分に飲む水分量も更に低下する傾
向があることが認められる。
試験例5(官能試験:本発明品の効果) 5人のパネラーにより、製造例5、6、7、8及び27
並びに対照製造例4により得られたゲル乃至ゼリー状製
剤を対象として、服用感乃至食感を調べた。尚、これら
の製造例及び対照製造例におけるポリスチレンスルホン
酸塩の粒子径と50℃における溶液の粘度を纏めたもの
が、下記の表5である。
結果は下記の表6に示す通りである。本発明によるゲ
ル状製剤は、従来のゲル状製剤と比較して、服用乃至摂
取時の異物感乃至ザラツキ感が大幅に少ないことが認め
られる。
試験例6(官能試験:服用感に及ぼすゲル容量の影響) 5人のパネラーにより製造例7、9及び10並びに対照
製造例4及び5により得られたゲル乃至ゼリー状製剤を
対象として、ゲル容量が服用感に及ぼす影響を調べた。
尚、これらの製造例及び対照製造例におけるポリスチレ
ンスルホン酸塩の粒子径と50℃における溶液の粘度を纏
めたものが、下記の表7である。
結果は下記の表8に示す通りである。対照製造例によ
る従来のゲル状製剤においては、ゲル容量を少なく設定
すると摂取時の異物感が著しく増加するが、本発明のゲ
ル状製剤の場合には、ゲル容量を少なく設定しても、服
用感の悪化は僅かであった。
試験例7(ゲル状製剤中におけるポリスチレンスルホン
酸塩の分散性) 試験例2で使用した製造例1及び2並びに対照製造例
1、2及び3につき、製剤中におけるポリスチレンスル
ホン酸塩の分散性を評価した。即ち、調製したゲル状製
剤(円柱状)を約1cm間隔で輪切りにより5等分するこ
とにより、上部から被検体I−被検体Vとした。これら
の被検体ゲルを各々別々に加熱溶解し、得られたゾルを
ガラスフィルター(G4)で濾過、フィルター上の残留物
(ポリスチレンスルホン酸塩)を熱湯約100mlで洗浄
し、80℃で5時間減圧乾燥した後にポリスチレンスルホ
ン酸塩の重量を測定した。尚、上記の製造例及び対照製
造例におけるポリスチレンスルホン酸塩の粒子径と50℃
における溶液の粘度を纏めたものが下記の表9である。
結果は下記の表10に示す通りである。即ち、対照製造
例1を除き、粘度調整した製造例1及び2並びに対照製
造例2及び3において、その最上部に位置する被検体I
と最下部に位置する被検体Vとにおけるポリスチレンス
ルホン酸塩含有量はほぼ同量であった。これは、当該塩
がゲル状製剤中に均一に分散していることを示してい
る。
試験例8(ゲル状製剤中におけるポリスチレンスルホン
酸塩の分散性) 製造例5、6、7、8及び27並びに対照製造例4、
6、7、8及び9につき、製剤中におけるポリスチレン
スルホン酸塩の分散性を、試験例7の方法で評価した。
尚、上記の製造例及び対照製造例におけるポリスチレン
スルホン酸塩の粒子径と50℃における溶液の粘度を纏め
たものが、下記の表11である。
結果は下記の表12に示す通りである。本発明のゲル状
製剤(円柱体)において、その最上部に位置する被検体
Iと最下部に位置する被検体Vとにおけるポリスチレン
スルホン酸塩含有量はほぼ同量であり、該塩がゲル状製
剤中に均一に分散していることがわかる。一方、対照製
造例のゲル状製剤においては、両被検体I及びV間にお
いて、ポリスチレンスルホン酸塩含有量に有意な差が認
められ、従って溶液が容器に分注されてから凝固するま
での間に、該塩粒子の沈降が生じていることが認められ
る。
試験例9(ゲル状製剤間におけるポリスチレンスルホン
酸塩の含有量均一性) 製造例16及び対照製造例10のゲル状製剤を対象とし
て、製剤個々におけるポリスチレンスルホン酸塩含有量
を調べた。即ち、分注機を用いた連続製造によって得ら
れたゲル状製剤を10個宛それぞれ無作為的に選出し、各
々別々に加熱溶解させた。得られたゾルをガラスフィル
ター(G4)により濾過し、フィルター上の残留物(ポリ
スチレンスルホン酸塩)を熱湯約100mlにて洗浄した後
に80℃で5時間減圧乾燥し、次いでポリスチレンスルホ
ン酸塩の重量を測定した。尚、上記の製造例及び対照製
造例におけるポリスチレンスルホン酸塩の粒子径と50℃
における溶液の粘度を纏めたものが、下記の表13であ
る。
結果は下記の表14に示す通りである。ポリスチレンス
ルホン酸塩の平均含有量は、製造例16の製剤では何れも
ほぼ規定量通りの含有量であったが、対照製造例10の製
剤では、平均含有量が規定量より約20%低く、医薬品と
して許容できる規格のものではなかった。又、個々の製
剤のポリスチレンスルホン酸塩の含有量については、製
造例16の製剤では規定量からの乖離も殆どなく、個々の
バラツキが少ない医薬品として許容できるものであった
が、対照製造例10のゲル状製剤において可成りのバラツ
キが見られ、最大偏差は15%(医薬品におけるバラツキ
の許容基準)以上であった。
試験例10(ゲル状製剤の強度及び水分量の測定) 製造例11、12、13、14及び15並びに対照製造例4によ
り得られたゲル状製剤を対象として強度を測定した。即
ち、レオメーター(サン科学株式会社製)を用いてゲル
状製剤を一定の速度で圧縮し、ゲルが破断され応力が大
きく低下する点における荷重をゲル強度とした。又、ゲ
ルを80℃で24時間乾燥させ、重量の減少分を水分量とし
て算出した。尚、各ゲル状製剤において水置換剤として
用いた物質を纏めたものが表15である。
結果は下記の表16に示す通りである。対照である従来
のゲル状製剤と比較して、本発明によるゲル状製剤の水
分量は、糖アルコール等で置換することにより約40%以
上低減されていることがわかる。尚、本発明によるゲル
状製剤は何れも保形強度を保持しており、対照製造例に
よるゲル状製剤と比較して摂取時の服用感が良好であっ
た。
産業上の利用可能性 本発明によるポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル状製
剤は、高カリウム血症治療用の薬剤である。本発明によ
るゲル状製剤は、服用乃至摂取時の口腔内の異物感乃至
ザラツキ感がないため、服用に際して喫水を必要とせ
ず、しかも水分含有量が低いので、腎不全患者のように
水分の摂取に厳しい制限を受けている場合にも水分管理
が容易となり、患者のクオリティ・オブ・ライフの著し
い向上をもたらす。更に、医師の指示によるコンプライ
アンスの向上、その結果としての薬効の安定な発現が期
待できる。また、個々の製剤における上記の有効成分量
にバラツキが極めて少ないため、医薬品としての規格を
満たし、工業化レベルで大量生産が可能な製剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 正樹 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 樋口 文男 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−193414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/00 A61K 31/795 A61P 7/00 EUROPAT(QUESTEL)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、ゲル化剤と、水と、ポリスチ
    レンスルホン酸塩とを原料として含有するゲル状製剤に
    おいて、ポリスチレンスルホン酸塩の粒度が少なくとも
    5−100μmの範囲内に制御されると共に、当該粒度に
    応じて、ゲル化前の粘度が増粘剤の添加により調整さ
    れ、ゲル化後のポリスチレンスルホン酸塩粒子が均一に
    分散していることを特徴とするポリスチレンスルホン酸
    塩含有ゲル状製剤。
  2. 【請求項2】グリセリン、プロピレングリコール、ポリ
    エチレングリコール類、糖類及び糖アルコール類から選
    択された少なくとも1種類の物質を含有することによ
    り、含有する水の一部が置換されていることを特徴とす
    る、請求の範囲第1項に記載のポリスチレンスルホン酸
    塩含有ゲル状製剤。
  3. 【請求項3】ゲル化前の品温50℃における粘度が、ポリ
    スチレンスルホン酸塩の粒子径が5−25μmの場合は50
    cP以上に、5−50μmの場合は100cP以上に、5−75μ
    mの場合は300cP以上に、又5−100μmの場合は1000cP
    以上に調整されていることを特徴とする、請求の範囲第
    1又は2項に記載のポリスチレンスルホン酸塩含有ゲル
    状製剤。
  4. 【請求項4】含有する水分量が、ポリスチレンスルホン
    酸塩1gあたり12ml以下であることを特徴とする請求の範
    囲第1−3項の何れか1つに記載のポリスチレンスルホ
    ン酸塩含有ゲル状製剤。
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