JP3387236B2 - 生体磁気計測装置 - Google Patents
生体磁気計測装置Info
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- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、生体活動電流源の位
置、向き、大きさを推定するための生体磁気計測装置に
係り、特に、推定した生体活動電流源の位置、向き、大
きさの良否の評価を正確に行うための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】生体に刺激を与えると、細胞膜を挟んで
形成されている分極が壊れて、生体活動電流が流れる。
この生体活動電流は、脳や心臓などにおいて現れ、脳
波、心電図として記録される。また、生体活動電流によ
って生じる磁界は、脳磁図、心磁図として記録される。 【0003】近年、生体内の微小な磁界を計測する装置
として、SQUID(Super-conducting Quantum Inter
face Device :超電導量子干渉計)を用いたセンサが開
発されている。このSQUIDセンサは、デュワーと呼
ばれる容器内に、磁気センサが液体窒素などの冷媒に浸
漬して収納されている。また、このSQUIDセンサに
は、シングルチャネルSQUIDセンサとマルチチャネ
ルSQUIDセンサとがあり、シングルチャネルSQU
IDセンサは、上記磁気センサを1個備え、マルチチャ
ンルSQUIDセンサは、磁気センサを複数個備えてい
る。 【0004】例えば、脳内の生体活動電流による微小磁
界の計測を、シングルチャネルSQUIDセンサで行う
際には、被検体の頭部の近辺の複数の計測位置に、係る
SQUIDセンサを移動して、各計測位置における磁界
データを無浸襲に検出して収集し、複数個の計測データ
を得る。また、同様の計測を、マルチチャネルSQUI
Dセンサで行う際には、係るSQUIDセンサを被検体
の頭部に近接配置し(このとき、デュワー内の各磁気セ
ンサは各計測位置に位置される)、各磁気センサで磁界
データを無浸襲に検出して収集し、複数個の計測データ
を得る。 【0005】そして、得られた複数個の計測データに基
づき、病巣に関連した生体活動電流源の位置、向き、大
きさを推定し、推定した電流源をX線CT装置や磁気共
鳴断層撮影装置(MRI装置)等で得られた断層画像上
に重ねて表示させるなどして、患部などの物理的位置の
特定などに用いている。 【0006】ところで、従来の電流源の推定は、最小自
乗法や最小ノルム法、格子点移動最小ノルム法等で行わ
れている。 【0007】最小自乗法は、電流源を仮想的に設定し、
各計測位置における磁気センサが、上記仮想した電流源
により生じる微小磁界を計測したと仮定したときの仮想
的な磁場データを計算によって求め、この計算で求めた
データと、実際に計測したデータとの自乗誤差を求め、
この自乗誤差が最小になるように、仮想した電流源を移
動させ、真の電流源に近づける方法である。 【0008】また、最小ノルム法は、検査対象領域内に
格子点を設定し、格子点上の電流源と各計測データとの
間の関係を示す行列を求め、この行列の一般逆行列と、
計測データとの積をとって電流源(格子点上の分布)を
求める方法である(例えば、W.H.Kullmann,K.D.Jandt,
K.Rehm,H.A.Schlitt, W.J.Dallas and W.E.Smith,Adva
nces in Biomagnetism pp.571-574, Plenum Pless, New
York, 1989 や、次の特願平5-160450号、特願平5-1604
51号等の従来技術等を参照)。 【0009】さらに、格子点移動最小ノルム法は、本願
出願人によって、特願平5-160450号や特願平5-160451号
等で提案している方法であり、上記最小ノルム法の格子
点の数を変えずに、上記最小ノルム法で得られた分布の
うち、大きい電流源の近くに各格子点を移動し、その格
子点の配置における電流源の分布を最小ノルム法で求
め、以下、同様の処理を、最小の格子点間隔が予め設定
された収束値以下になるまで繰り返し、電流源を推定す
る方法である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、最小自乗法で電流源を推定した場合、
推定結果は自乗誤差によりその良否が評価できる。すな
わち、自乗誤差が「0」に近いほど推定された電流源は
真の電流源に近いと評価できる。しかしながら、計測デ
ータにノイズが含まれている場合には、自乗誤差の大小
と評価の良否とは必ずしも一致せず、正確な評価が行え
ないという問題がある。 【0011】また、最小ノルム法では、推定結果の良否
の判断を適正に行うことができないという問題がある。 【0012】さらに、格子点移動最小ノルム法でも、各
格子点の配置における電流源の推定は、最小ノルム法で
行うので、各格子点の配置における推定結果の良否の判
断を適正に行えず、また、最終の電流源を推定するため
に、最小の格子点間隔が予め設定された収束値以下にな
ったか否かを収束判定条件としているため、この設定さ
れた収束判定値の値によって推定結果が異なり、推定法
に一般性をもたせることができないという問題がある。 【0013】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、各推定方法で推定した結果の良否を
適正、正確に評価することができる生体磁気計測装置を
提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、被検体の診断対象領域内の生体活動電
流源により生じる微小磁界を、磁気センサで前記診断対
象領域の近傍の複数の計測位置から計測して複数個の計
測データを収集し、それら複数個の計測データに基づ
き、前記生体活動電流源の位置、向き、大きさを推定す
るための生体磁気計測装置において、(a)前記複数個
の計測データのうちの一部の計測データ群(以下、これ
らの計測データを「第1のグループの計測データ」とい
う)を用いて生体活動電流源の位置、向き、大きさを推
定する推定手段と、(b)前記第1のグループの計測デ
ータに含まれない計測データを含む計測データ群(以
下、これらの計測データを「第2のグループの計測デー
タという)の計測データを計測したときの各計測位置に
おける磁気センサが、前記推定手段で推定された生体活
動電流源により生じる微小磁界を計測したと仮定したと
きの仮想的な磁場データを計算によって求め、この計算
で求めたデータと、前記第2のグループの計測データと
の自乗誤差を求めて、前記推定手段で推定した生体活動
電流源の位置、向き、大きさの良否を判断するための評
価値を得る評価値算出手段とを備えたものである。 【0015】 【作用】この発明の作用は次のとおりである。推定手段
は、複数個の計測データのうちの一部の計測データ群
(第1のグループの計測データ)を用いて生体活動電流
源の位置、向き、大きさを、最小自乗法や最小ノルム法
等で推定する。そして、評価値算出手段は、第1のグル
ープの計測データに含まれない計測データを含む計測デ
ータ群(第2のグループの計測データ)の計測データを
計測したときの各計測位置における磁気センサが、推定
手段で推定された生体活動電流源により生じる微小磁界
を計測したと仮定したときの仮想的な磁場データを計算
によって求め、この計算で求めたデータと、第2のグル
ープの実際の計測データとの自乗誤差を求めて、推定手
段で推定した生体活動電流源の位置、向き、大きさの良
否を判断するための評価値を求める。 【0016】なお、第1のグループの計測データと第2
のグループの計測データの採り方としては、例えば、全
計測データを2分し、一方の計測データ群を第1のグル
ープの計測データ、他方の計測データ群を第2のグルー
プの計測データに設定したり、各グループの計測データ
に含まれる計測データの一部が互いに重なるように設定
するなど、種々の採り方が選択できる。しかし、第2の
グループの計測データが、完全に第1のグループの計測
データに含まれる採り方はできない。 【0017】 【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図1は、この発明の実施例に係る生体磁気計
測装置の概略構成を示した図であり、図2は実施例で用
いられるマルチチャネルSQUIDセンサの概略構成を
示す図である。 【0018】図中、符号2は磁気シールドルームであ
り、この磁気シールドルーム2内に被検体Mが仰臥され
るベッド3と、被検体Mの例えば頭部に近接配備され、
被検体の脳内に生じた生体活動電流源による微小磁界を
無浸襲に計測するためのマルチチャネルSQUIDセン
サ1とが設けられている。マルチチャネルSQUIDセ
ンサ1は、図2に示すように、デュアー1a内に複数個
の磁気センサS1 〜Smが冷媒に浸漬して収納されてい
る。デュアー1aが被検体の頭部の近傍に配置されたと
きの各磁気センサS1 〜Sm の配置位置を計測位置とし
て、各磁気センサS1 〜Sm は被検体Mの脳内の生体活
動電流源により生じる磁界データをそれぞれ計測する。 【0019】マルチチャネルSQUIDセンサ1内の各
磁気センサS1 〜Sm で計測された複数個の計測データ
はデータ変換ユニット4に与えられてディジタルデータ
に変換された後、データ収集ユニット5に集められる。
刺激装置6は、被検体Mに電気的刺激(あるいは音、光
刺激など)を与えるためのものである。ポジショニング
ユニット7は、マルチチャネルSQUIDセンサ1を基
準とした3次元座標系に対する被検体Mの頭部の位置関
係を把握するための装置である。例えば、被検体Mの頭
部の複数個所(例えば、両眉の中間と両耳の付け根の3
個所)に小コイルを取付け、これら小コイルにポジショ
ニングユニット7から給電する。そして、各小コイルか
ら発生した磁界をマルチチャネルSQUIDセンサ1で
検出することにより、マルチチャネルSQUIDセンサ
1に対する被検体Mの頭部の位置関係を把握する。な
お、SQUIDセンサ1に対する被検体Mの頭部の位置
関係を把握するための手法は、これ以外に、デュアー1
aに投光器を取付けて光ビームで被検体Mの頭部を照射
して両者の位置関係を把握するものや、あるいは、特開
平5-237065号公報や特開平6-788925号公報などに開示さ
れた種々の手法が用いられる。 【0020】データ解析ユニット8は、推定手段および
評価値算出手段に相当するものであり、データ収集ユニ
ット5に集められた計測データに基づいて、被検体Mの
検査対象領域内(脳内)の電流源を推定するとともに、
その推定結果の評価値を求めるためのものである。デー
タ解析ユニット8に関連して設けられた光磁気ディスク
9には、例えばX線CT装置やMRI装置で得られた断
層画像が記録されており、データ解析ユニット8で推定
された電流源が、これら断層画像上に重ね合わされてカ
ラーモニタ10に表示されたり、あるいはカラープリン
タ11に印字出力され、また、評価値は、例えば、操作
モニタ12などに表示されて操作者に通知される。な
お、X線CT装置やMRI装置で得られた断層画像は、
図1に示した通信回線13を介してデータ解析ユニット
8に直接伝送するように構成してもよい。 【0021】また、図1の装置では、マルチチャネルS
QUIDセンサ1を用いて電流源から生じる磁界データ
を計測するように構成しているが、例えば、シングルチ
ャネルSQUIDセンサを用いて電流源から生じる磁界
データを計測する場合には、図3に示すように、デュア
ー1aと被検体Mとの位置関係を変位して、各位置にお
ける磁気センサSS の配置位置を計測位置として、磁気
センサSS は複数の計測位置において、電流源から生じ
る磁界データを計測し、複数個の計測データをデータ収
集ユニット5に集めるように構成される。 【0022】次に、上記データ解析ユニット8で実行さ
れる処理について、図4に示すフローチャートを参照し
て説明する。図4のフローチャートは、最小自乗法また
は最小ノルム法で電流源を推定する場合の手順を示す。 【0023】まず、データ収集ユニット5に集められた
複数個の計測データをグループ分けする(ステップS
1)。ここでは、図5に示すように、全計測データD1
〜Dm(各磁気センサS1 〜Sm で計測されたデータ)
を2分し、一方の計測データ群(D1 〜Di :但し、i
は2以上、(m−2)以下の自然数)を第1のグループ
GR1の計測データとし、残りの計測データ群(Di+1
〜Dm )を第2のグループGR2の計測データとしてグ
ループ分けしている。 【0024】次に、第1のグループGR1の計測データ
(D1 〜Di )を用いて、電流源を推定する(ステップ
S2)。この推定方法は、最小自乗法や最小ノルム法で
あり、これら方法は、全計測データを用いて電流源を推
定(従来例)するか、一部の計測データを用いて電流源
を推定(この実施例)するかが異なるだけで、その基本
的な処理内容は従来例と同様であるので、ここでの詳述
は省略する。 【0025】そして、第2のグループGR2の計測デー
タ(Di+1 〜Dm )を計測したときの各計測位置におけ
る磁気センサ(この実施例では各磁気センサSi+1 〜S
m )が、ステップS2で推定された電流源により生じる
微小磁界を計測したと仮定したときの仮想的な磁場デー
タを計算によって求める(ステップS3)。この計算方
法は、例えば、従来例の最小自乗法において、各磁気セ
ンサが、仮想的に設定した電流源により生じる微小磁界
を計測したと仮定したときの仮想的な磁場データを求め
る際の計算と同様であるので、ここでの詳述は省略す
る。 【0026】次に、ステップS3で計算したデータ(T
i+1 〜Tm とする:但し、添字は、磁気センサSi+1 〜
Sm に対応する)と、第2のグループGR2の実際の計
測データ(Di+1 〜Dm )との自乗誤差を求め、評価値
fを求める(ステップS4)。以下に、その計算式を示
す。 【0027】 【数1】 【0028】そして、ステップS4で求めた評価値f
(ステップS2で求めた電流源の推定結果に対する評価
値)を、操作モニタ12に表示出力する(ステップS
5)。この評価値fは、値が小さい方がステップS2で
求めた電流源の推定結果が良いことを示す。 【0029】なお、所定の判断値を予め決めておき、上
記評価値fとその判断値とを比較して、評価値fが判断
値よりも大きいときには、ステップS2の推定条件(例
えば、最小自乗法であれば、仮想的に設定する電流源の
初期値や電流源の移動のやり方等、また、最小ノルム法
であれば、格子点の数や配置等)を変えて、ステップS
2からもう一度処理をやり直し、判断値よりも小さい評
価値fが得られるまで、その処理を繰り返して、真の電
流源により近い電流源を自動的に求められるように構成
してもよい。 【0030】このように、この実施例では、全計測デー
タ(D1 〜Dm )の一部で構成される第1のグループG
R1の計測データ(D1 〜Di )を用いて電流源を推定
し、その推定に用いた計測データ(D1 〜Di )以外の
計測データ(Di+1 〜Dm )で構成される第2のグルー
プGR2の計測データを用いて、第1のグループGR1
の計測データを用いて推定した結果(電流源)を評価す
るための評価値fを求めるので、第1のグループGR1
の計測データを用いた推定方法が最小ノルム法の場合で
あっても、その推定結果を適正に評価することが可能と
なった。 【0031】また、評価値fは、推定に用いた計測デー
タ以外の計測データを用いて求められるので、従来の最
小自乗法において、全計測データを用いて得られる自乗
誤差よりも客観性が高まり、従って、従来の最小自乗法
に比べて推定の良否を正確に評価することができる。 【0032】ところで、この上述の実施例のステップS
1におけるグループ分けでは、全計測データを2分して
行ったが、この発明における第1のグループの計測デー
タと第2のグループの計測データの採り方は、上記図5
の採り方に限定されるものではない。すなわち、第2の
グループGR2の計測データは、第1のグループGR1
の計測データに含まれない計測データを含めた計測デー
タ群で構成されていればよく、例えば、図6(a)に示
すように、双方のグループGR1、GR2の計測データ
の一部が重なるように各グループGR1、GR2の計測
データを決めてもよいし、図6(b)に示すように、第
1のグループGR1の計測データの全てが第2のグルー
プGR2の計測データに完全に含まれるように各グルー
プGR1、GR2の計測データを決めてもよい。しか
し、図6(c)に示すように、第2のグループGR2の
計測データの全てが第1のグループGR1の計測データ
に完全に含まれるように各グループGR1、GR2の計
測データを決めることはできない。これは、図5、図6
(a)、(b)では、推定に用いた計測データ以外の計
測データを含めて表価値fを求めており、推定に用いた
計測データ以外の計測データが反映された評価値fが得
えれ、推定結果を客観的に評価することができるが、図
6(c)では、推定に用いた計測データ以外の計測デー
タが評価値fに反映されず、推定結果を客観的に評価す
ることができないからである。なお、推定結果を、より
客観的に評価(すなわち、より正確に評価)するために
は、図5に示すように各グループGR1、GR2の計測
データが完全に分かれていることが好ましい。 【0033】次に、データ解析ユニット8により、格子
点移動最小ノルム法で電流源の推定等を行う場合の処理
について、図7に示すフローチャートを参照して説明す
る。 【0034】まず、全計測データをグループ分けする
(ステップS11)。これは、上記ステップS1と同じ
であるので、重複する説明は省略する。 【0035】次に、診断対象領域に格子点を設定し(ス
テップS12)、最小ノルム解(最小ノルム法による電
流源の推定)を求める(ステップS13)。これら処理
は、従来例と同じであるので、その詳述は省略する。 【0036】次に、ステップS14、S15で評価値f
を求める。これは、上記ステップS3、S4と同様であ
る。 【0037】そして、予め設定しておいた終了判定値
と、求めた評価値fとを比較し、評価値fが終了判定値
よりも小さければ処理を終了し、逆に大きければステッ
プS17、S18を実行して、再び、ステップS13に
戻る(ステップS16)。 【0038】ステップS17では、評価値fが最小とな
る最適な移動パラメータを求める。この移動パラメータ
は、特願平5-160451号等においてαやβ、γで説明され
ている、格子点の移動を制御するためのパラメータであ
り、上記出願の明細書にいおても説明しているように、
従来はこの移動パラメータは経験的に決めている。しか
し、この実施例では、評価値fを用いて、最適な移動パ
ラメータを自動的に決めることができる。 【0039】具体的には、移動パラメータに具体的な数
値を代入して、格子点を移動し、移動後の格子点におけ
る評価値fを計算し、評価値fが最小となったときの移
動パラメータの値を最適な移動パラメータとして選択す
る。 【0040】そして、ステップS18では、上記移動パ
ラメータを用いて格子点を移動し、ステップS13に戻
る。 【0041】上述したように、この実施例によれば、格
子点移動最小ノルム法で電流源を推定する場合において
も、推定結果の評価を適正に行うことができるし、終了
判定にも一般性を持たせることができる。また、上記し
たように、最適な移動パラメータを自動的に決めること
ができる。 【0042】なお、最適な移動パラメータを決める場合
の評価値fは、以下のようにして求めてもよい。 【0043】すなわち、第2のグループGR2の計測デ
ータを用いて求めた評価値fをf2とし、これと逆に、
第2のグループGR2の計測データを用いて電流源を推
定し、第1のグループGR1の計測データを用いて:第
2のグループGR2の計測データを用いて推定した電流
源の良否を評価するための評価値fを求めて、これをf
1 とする。そして、(f1 +f2 )を評価値fとして、
最適な移動パラメータを選択する。このように構成する
ことにより、各グループGR1、GR2の計測データを
用いた評価値を加味させることができ、客観性が高くな
る。 【0044】また、図8に示すように、全計測データを
3組(gr1、gr2、gr3)に分割し、まず、第1
組gr1の計測データを上記第1のグループGR1の計
測データに、第2組gr2、第3組gr3を合わせた計
測データを上記第2のグループGR2の計測データに割
り当てて、第1のグループGR1の計測データを用いて
推定した推定結果に対する評価値f23(第2組gr2、
第3組gr3の計測データを用いて算出)を求める。次
に、第2組gr2の計測データを上記第1のグループG
R1の計測データに、第1組gr1、第3組gr3を合
わせた計測データを上記第2のグループGR2の計測デ
ータに割り当てて、上記と同様の手順で求めた評価値f
13、および、第3組gr3の計測データを上記第1のグ
ループGR1の計測データに、第1組gr1、第2組g
r2を合わせた計測データを上記第2のグループGR2
の計測データに割り当てて求めた評価値f12をそれぞれ
求める。そして、(f23+f13+f12)を評価値fとし
て、最適な移動パラメータを選択するようにしてもよ
い。 【0045】さらに、全計測データをn組(nは4以上
の自然数)に分割し、上記3組に分割した場合と同様に
方法で、最適な移動パラメータを選択するための評価値
fを求めてもよい。 【0046】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、全計測データの一部で構成される第1のグ
ループの計測データを用いて電流源を推定し、その推定
に用いた計測データ以外の計測データを含む第2のグル
ープの計測データを用いて、第1のグループの計測デー
タを用いて推定した結果(電流源)を評価するための評
価値を求めるように構成したので、第1のグループの計
測データを用いた推定方法が最小ノルム法や格子点移動
最小ノルム法であっても、その推定結果を適正に評価す
ることが可能となった。また、この評価値を格子点移動
最小ノルム法の収束判定条件にも利用することができ、
格子点移動最小ノルム法に一般性を持たせることが可能
となった。 【0047】さらに、評価値は、推定に用いた計測デー
タ以外のデータを含めて求めるので、従来の最小自乗法
において、全計測データを用いて得られる自乗誤差より
も客観性が高まり、従って、従来の最小自乗法に比べて
推定結果の良否を正確に評価することができる。
置、向き、大きさを推定するための生体磁気計測装置に
係り、特に、推定した生体活動電流源の位置、向き、大
きさの良否の評価を正確に行うための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】生体に刺激を与えると、細胞膜を挟んで
形成されている分極が壊れて、生体活動電流が流れる。
この生体活動電流は、脳や心臓などにおいて現れ、脳
波、心電図として記録される。また、生体活動電流によ
って生じる磁界は、脳磁図、心磁図として記録される。 【0003】近年、生体内の微小な磁界を計測する装置
として、SQUID(Super-conducting Quantum Inter
face Device :超電導量子干渉計)を用いたセンサが開
発されている。このSQUIDセンサは、デュワーと呼
ばれる容器内に、磁気センサが液体窒素などの冷媒に浸
漬して収納されている。また、このSQUIDセンサに
は、シングルチャネルSQUIDセンサとマルチチャネ
ルSQUIDセンサとがあり、シングルチャネルSQU
IDセンサは、上記磁気センサを1個備え、マルチチャ
ンルSQUIDセンサは、磁気センサを複数個備えてい
る。 【0004】例えば、脳内の生体活動電流による微小磁
界の計測を、シングルチャネルSQUIDセンサで行う
際には、被検体の頭部の近辺の複数の計測位置に、係る
SQUIDセンサを移動して、各計測位置における磁界
データを無浸襲に検出して収集し、複数個の計測データ
を得る。また、同様の計測を、マルチチャネルSQUI
Dセンサで行う際には、係るSQUIDセンサを被検体
の頭部に近接配置し(このとき、デュワー内の各磁気セ
ンサは各計測位置に位置される)、各磁気センサで磁界
データを無浸襲に検出して収集し、複数個の計測データ
を得る。 【0005】そして、得られた複数個の計測データに基
づき、病巣に関連した生体活動電流源の位置、向き、大
きさを推定し、推定した電流源をX線CT装置や磁気共
鳴断層撮影装置(MRI装置)等で得られた断層画像上
に重ねて表示させるなどして、患部などの物理的位置の
特定などに用いている。 【0006】ところで、従来の電流源の推定は、最小自
乗法や最小ノルム法、格子点移動最小ノルム法等で行わ
れている。 【0007】最小自乗法は、電流源を仮想的に設定し、
各計測位置における磁気センサが、上記仮想した電流源
により生じる微小磁界を計測したと仮定したときの仮想
的な磁場データを計算によって求め、この計算で求めた
データと、実際に計測したデータとの自乗誤差を求め、
この自乗誤差が最小になるように、仮想した電流源を移
動させ、真の電流源に近づける方法である。 【0008】また、最小ノルム法は、検査対象領域内に
格子点を設定し、格子点上の電流源と各計測データとの
間の関係を示す行列を求め、この行列の一般逆行列と、
計測データとの積をとって電流源(格子点上の分布)を
求める方法である(例えば、W.H.Kullmann,K.D.Jandt,
K.Rehm,H.A.Schlitt, W.J.Dallas and W.E.Smith,Adva
nces in Biomagnetism pp.571-574, Plenum Pless, New
York, 1989 や、次の特願平5-160450号、特願平5-1604
51号等の従来技術等を参照)。 【0009】さらに、格子点移動最小ノルム法は、本願
出願人によって、特願平5-160450号や特願平5-160451号
等で提案している方法であり、上記最小ノルム法の格子
点の数を変えずに、上記最小ノルム法で得られた分布の
うち、大きい電流源の近くに各格子点を移動し、その格
子点の配置における電流源の分布を最小ノルム法で求
め、以下、同様の処理を、最小の格子点間隔が予め設定
された収束値以下になるまで繰り返し、電流源を推定す
る方法である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、最小自乗法で電流源を推定した場合、
推定結果は自乗誤差によりその良否が評価できる。すな
わち、自乗誤差が「0」に近いほど推定された電流源は
真の電流源に近いと評価できる。しかしながら、計測デ
ータにノイズが含まれている場合には、自乗誤差の大小
と評価の良否とは必ずしも一致せず、正確な評価が行え
ないという問題がある。 【0011】また、最小ノルム法では、推定結果の良否
の判断を適正に行うことができないという問題がある。 【0012】さらに、格子点移動最小ノルム法でも、各
格子点の配置における電流源の推定は、最小ノルム法で
行うので、各格子点の配置における推定結果の良否の判
断を適正に行えず、また、最終の電流源を推定するため
に、最小の格子点間隔が予め設定された収束値以下にな
ったか否かを収束判定条件としているため、この設定さ
れた収束判定値の値によって推定結果が異なり、推定法
に一般性をもたせることができないという問題がある。 【0013】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、各推定方法で推定した結果の良否を
適正、正確に評価することができる生体磁気計測装置を
提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、被検体の診断対象領域内の生体活動電
流源により生じる微小磁界を、磁気センサで前記診断対
象領域の近傍の複数の計測位置から計測して複数個の計
測データを収集し、それら複数個の計測データに基づ
き、前記生体活動電流源の位置、向き、大きさを推定す
るための生体磁気計測装置において、(a)前記複数個
の計測データのうちの一部の計測データ群(以下、これ
らの計測データを「第1のグループの計測データ」とい
う)を用いて生体活動電流源の位置、向き、大きさを推
定する推定手段と、(b)前記第1のグループの計測デ
ータに含まれない計測データを含む計測データ群(以
下、これらの計測データを「第2のグループの計測デー
タという)の計測データを計測したときの各計測位置に
おける磁気センサが、前記推定手段で推定された生体活
動電流源により生じる微小磁界を計測したと仮定したと
きの仮想的な磁場データを計算によって求め、この計算
で求めたデータと、前記第2のグループの計測データと
の自乗誤差を求めて、前記推定手段で推定した生体活動
電流源の位置、向き、大きさの良否を判断するための評
価値を得る評価値算出手段とを備えたものである。 【0015】 【作用】この発明の作用は次のとおりである。推定手段
は、複数個の計測データのうちの一部の計測データ群
(第1のグループの計測データ)を用いて生体活動電流
源の位置、向き、大きさを、最小自乗法や最小ノルム法
等で推定する。そして、評価値算出手段は、第1のグル
ープの計測データに含まれない計測データを含む計測デ
ータ群(第2のグループの計測データ)の計測データを
計測したときの各計測位置における磁気センサが、推定
手段で推定された生体活動電流源により生じる微小磁界
を計測したと仮定したときの仮想的な磁場データを計算
によって求め、この計算で求めたデータと、第2のグル
ープの実際の計測データとの自乗誤差を求めて、推定手
段で推定した生体活動電流源の位置、向き、大きさの良
否を判断するための評価値を求める。 【0016】なお、第1のグループの計測データと第2
のグループの計測データの採り方としては、例えば、全
計測データを2分し、一方の計測データ群を第1のグル
ープの計測データ、他方の計測データ群を第2のグルー
プの計測データに設定したり、各グループの計測データ
に含まれる計測データの一部が互いに重なるように設定
するなど、種々の採り方が選択できる。しかし、第2の
グループの計測データが、完全に第1のグループの計測
データに含まれる採り方はできない。 【0017】 【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図1は、この発明の実施例に係る生体磁気計
測装置の概略構成を示した図であり、図2は実施例で用
いられるマルチチャネルSQUIDセンサの概略構成を
示す図である。 【0018】図中、符号2は磁気シールドルームであ
り、この磁気シールドルーム2内に被検体Mが仰臥され
るベッド3と、被検体Mの例えば頭部に近接配備され、
被検体の脳内に生じた生体活動電流源による微小磁界を
無浸襲に計測するためのマルチチャネルSQUIDセン
サ1とが設けられている。マルチチャネルSQUIDセ
ンサ1は、図2に示すように、デュアー1a内に複数個
の磁気センサS1 〜Smが冷媒に浸漬して収納されてい
る。デュアー1aが被検体の頭部の近傍に配置されたと
きの各磁気センサS1 〜Sm の配置位置を計測位置とし
て、各磁気センサS1 〜Sm は被検体Mの脳内の生体活
動電流源により生じる磁界データをそれぞれ計測する。 【0019】マルチチャネルSQUIDセンサ1内の各
磁気センサS1 〜Sm で計測された複数個の計測データ
はデータ変換ユニット4に与えられてディジタルデータ
に変換された後、データ収集ユニット5に集められる。
刺激装置6は、被検体Mに電気的刺激(あるいは音、光
刺激など)を与えるためのものである。ポジショニング
ユニット7は、マルチチャネルSQUIDセンサ1を基
準とした3次元座標系に対する被検体Mの頭部の位置関
係を把握するための装置である。例えば、被検体Mの頭
部の複数個所(例えば、両眉の中間と両耳の付け根の3
個所)に小コイルを取付け、これら小コイルにポジショ
ニングユニット7から給電する。そして、各小コイルか
ら発生した磁界をマルチチャネルSQUIDセンサ1で
検出することにより、マルチチャネルSQUIDセンサ
1に対する被検体Mの頭部の位置関係を把握する。な
お、SQUIDセンサ1に対する被検体Mの頭部の位置
関係を把握するための手法は、これ以外に、デュアー1
aに投光器を取付けて光ビームで被検体Mの頭部を照射
して両者の位置関係を把握するものや、あるいは、特開
平5-237065号公報や特開平6-788925号公報などに開示さ
れた種々の手法が用いられる。 【0020】データ解析ユニット8は、推定手段および
評価値算出手段に相当するものであり、データ収集ユニ
ット5に集められた計測データに基づいて、被検体Mの
検査対象領域内(脳内)の電流源を推定するとともに、
その推定結果の評価値を求めるためのものである。デー
タ解析ユニット8に関連して設けられた光磁気ディスク
9には、例えばX線CT装置やMRI装置で得られた断
層画像が記録されており、データ解析ユニット8で推定
された電流源が、これら断層画像上に重ね合わされてカ
ラーモニタ10に表示されたり、あるいはカラープリン
タ11に印字出力され、また、評価値は、例えば、操作
モニタ12などに表示されて操作者に通知される。な
お、X線CT装置やMRI装置で得られた断層画像は、
図1に示した通信回線13を介してデータ解析ユニット
8に直接伝送するように構成してもよい。 【0021】また、図1の装置では、マルチチャネルS
QUIDセンサ1を用いて電流源から生じる磁界データ
を計測するように構成しているが、例えば、シングルチ
ャネルSQUIDセンサを用いて電流源から生じる磁界
データを計測する場合には、図3に示すように、デュア
ー1aと被検体Mとの位置関係を変位して、各位置にお
ける磁気センサSS の配置位置を計測位置として、磁気
センサSS は複数の計測位置において、電流源から生じ
る磁界データを計測し、複数個の計測データをデータ収
集ユニット5に集めるように構成される。 【0022】次に、上記データ解析ユニット8で実行さ
れる処理について、図4に示すフローチャートを参照し
て説明する。図4のフローチャートは、最小自乗法また
は最小ノルム法で電流源を推定する場合の手順を示す。 【0023】まず、データ収集ユニット5に集められた
複数個の計測データをグループ分けする(ステップS
1)。ここでは、図5に示すように、全計測データD1
〜Dm(各磁気センサS1 〜Sm で計測されたデータ)
を2分し、一方の計測データ群(D1 〜Di :但し、i
は2以上、(m−2)以下の自然数)を第1のグループ
GR1の計測データとし、残りの計測データ群(Di+1
〜Dm )を第2のグループGR2の計測データとしてグ
ループ分けしている。 【0024】次に、第1のグループGR1の計測データ
(D1 〜Di )を用いて、電流源を推定する(ステップ
S2)。この推定方法は、最小自乗法や最小ノルム法で
あり、これら方法は、全計測データを用いて電流源を推
定(従来例)するか、一部の計測データを用いて電流源
を推定(この実施例)するかが異なるだけで、その基本
的な処理内容は従来例と同様であるので、ここでの詳述
は省略する。 【0025】そして、第2のグループGR2の計測デー
タ(Di+1 〜Dm )を計測したときの各計測位置におけ
る磁気センサ(この実施例では各磁気センサSi+1 〜S
m )が、ステップS2で推定された電流源により生じる
微小磁界を計測したと仮定したときの仮想的な磁場デー
タを計算によって求める(ステップS3)。この計算方
法は、例えば、従来例の最小自乗法において、各磁気セ
ンサが、仮想的に設定した電流源により生じる微小磁界
を計測したと仮定したときの仮想的な磁場データを求め
る際の計算と同様であるので、ここでの詳述は省略す
る。 【0026】次に、ステップS3で計算したデータ(T
i+1 〜Tm とする:但し、添字は、磁気センサSi+1 〜
Sm に対応する)と、第2のグループGR2の実際の計
測データ(Di+1 〜Dm )との自乗誤差を求め、評価値
fを求める(ステップS4)。以下に、その計算式を示
す。 【0027】 【数1】 【0028】そして、ステップS4で求めた評価値f
(ステップS2で求めた電流源の推定結果に対する評価
値)を、操作モニタ12に表示出力する(ステップS
5)。この評価値fは、値が小さい方がステップS2で
求めた電流源の推定結果が良いことを示す。 【0029】なお、所定の判断値を予め決めておき、上
記評価値fとその判断値とを比較して、評価値fが判断
値よりも大きいときには、ステップS2の推定条件(例
えば、最小自乗法であれば、仮想的に設定する電流源の
初期値や電流源の移動のやり方等、また、最小ノルム法
であれば、格子点の数や配置等)を変えて、ステップS
2からもう一度処理をやり直し、判断値よりも小さい評
価値fが得られるまで、その処理を繰り返して、真の電
流源により近い電流源を自動的に求められるように構成
してもよい。 【0030】このように、この実施例では、全計測デー
タ(D1 〜Dm )の一部で構成される第1のグループG
R1の計測データ(D1 〜Di )を用いて電流源を推定
し、その推定に用いた計測データ(D1 〜Di )以外の
計測データ(Di+1 〜Dm )で構成される第2のグルー
プGR2の計測データを用いて、第1のグループGR1
の計測データを用いて推定した結果(電流源)を評価す
るための評価値fを求めるので、第1のグループGR1
の計測データを用いた推定方法が最小ノルム法の場合で
あっても、その推定結果を適正に評価することが可能と
なった。 【0031】また、評価値fは、推定に用いた計測デー
タ以外の計測データを用いて求められるので、従来の最
小自乗法において、全計測データを用いて得られる自乗
誤差よりも客観性が高まり、従って、従来の最小自乗法
に比べて推定の良否を正確に評価することができる。 【0032】ところで、この上述の実施例のステップS
1におけるグループ分けでは、全計測データを2分して
行ったが、この発明における第1のグループの計測デー
タと第2のグループの計測データの採り方は、上記図5
の採り方に限定されるものではない。すなわち、第2の
グループGR2の計測データは、第1のグループGR1
の計測データに含まれない計測データを含めた計測デー
タ群で構成されていればよく、例えば、図6(a)に示
すように、双方のグループGR1、GR2の計測データ
の一部が重なるように各グループGR1、GR2の計測
データを決めてもよいし、図6(b)に示すように、第
1のグループGR1の計測データの全てが第2のグルー
プGR2の計測データに完全に含まれるように各グルー
プGR1、GR2の計測データを決めてもよい。しか
し、図6(c)に示すように、第2のグループGR2の
計測データの全てが第1のグループGR1の計測データ
に完全に含まれるように各グループGR1、GR2の計
測データを決めることはできない。これは、図5、図6
(a)、(b)では、推定に用いた計測データ以外の計
測データを含めて表価値fを求めており、推定に用いた
計測データ以外の計測データが反映された評価値fが得
えれ、推定結果を客観的に評価することができるが、図
6(c)では、推定に用いた計測データ以外の計測デー
タが評価値fに反映されず、推定結果を客観的に評価す
ることができないからである。なお、推定結果を、より
客観的に評価(すなわち、より正確に評価)するために
は、図5に示すように各グループGR1、GR2の計測
データが完全に分かれていることが好ましい。 【0033】次に、データ解析ユニット8により、格子
点移動最小ノルム法で電流源の推定等を行う場合の処理
について、図7に示すフローチャートを参照して説明す
る。 【0034】まず、全計測データをグループ分けする
(ステップS11)。これは、上記ステップS1と同じ
であるので、重複する説明は省略する。 【0035】次に、診断対象領域に格子点を設定し(ス
テップS12)、最小ノルム解(最小ノルム法による電
流源の推定)を求める(ステップS13)。これら処理
は、従来例と同じであるので、その詳述は省略する。 【0036】次に、ステップS14、S15で評価値f
を求める。これは、上記ステップS3、S4と同様であ
る。 【0037】そして、予め設定しておいた終了判定値
と、求めた評価値fとを比較し、評価値fが終了判定値
よりも小さければ処理を終了し、逆に大きければステッ
プS17、S18を実行して、再び、ステップS13に
戻る(ステップS16)。 【0038】ステップS17では、評価値fが最小とな
る最適な移動パラメータを求める。この移動パラメータ
は、特願平5-160451号等においてαやβ、γで説明され
ている、格子点の移動を制御するためのパラメータであ
り、上記出願の明細書にいおても説明しているように、
従来はこの移動パラメータは経験的に決めている。しか
し、この実施例では、評価値fを用いて、最適な移動パ
ラメータを自動的に決めることができる。 【0039】具体的には、移動パラメータに具体的な数
値を代入して、格子点を移動し、移動後の格子点におけ
る評価値fを計算し、評価値fが最小となったときの移
動パラメータの値を最適な移動パラメータとして選択す
る。 【0040】そして、ステップS18では、上記移動パ
ラメータを用いて格子点を移動し、ステップS13に戻
る。 【0041】上述したように、この実施例によれば、格
子点移動最小ノルム法で電流源を推定する場合において
も、推定結果の評価を適正に行うことができるし、終了
判定にも一般性を持たせることができる。また、上記し
たように、最適な移動パラメータを自動的に決めること
ができる。 【0042】なお、最適な移動パラメータを決める場合
の評価値fは、以下のようにして求めてもよい。 【0043】すなわち、第2のグループGR2の計測デ
ータを用いて求めた評価値fをf2とし、これと逆に、
第2のグループGR2の計測データを用いて電流源を推
定し、第1のグループGR1の計測データを用いて:第
2のグループGR2の計測データを用いて推定した電流
源の良否を評価するための評価値fを求めて、これをf
1 とする。そして、(f1 +f2 )を評価値fとして、
最適な移動パラメータを選択する。このように構成する
ことにより、各グループGR1、GR2の計測データを
用いた評価値を加味させることができ、客観性が高くな
る。 【0044】また、図8に示すように、全計測データを
3組(gr1、gr2、gr3)に分割し、まず、第1
組gr1の計測データを上記第1のグループGR1の計
測データに、第2組gr2、第3組gr3を合わせた計
測データを上記第2のグループGR2の計測データに割
り当てて、第1のグループGR1の計測データを用いて
推定した推定結果に対する評価値f23(第2組gr2、
第3組gr3の計測データを用いて算出)を求める。次
に、第2組gr2の計測データを上記第1のグループG
R1の計測データに、第1組gr1、第3組gr3を合
わせた計測データを上記第2のグループGR2の計測デ
ータに割り当てて、上記と同様の手順で求めた評価値f
13、および、第3組gr3の計測データを上記第1のグ
ループGR1の計測データに、第1組gr1、第2組g
r2を合わせた計測データを上記第2のグループGR2
の計測データに割り当てて求めた評価値f12をそれぞれ
求める。そして、(f23+f13+f12)を評価値fとし
て、最適な移動パラメータを選択するようにしてもよ
い。 【0045】さらに、全計測データをn組(nは4以上
の自然数)に分割し、上記3組に分割した場合と同様に
方法で、最適な移動パラメータを選択するための評価値
fを求めてもよい。 【0046】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、全計測データの一部で構成される第1のグ
ループの計測データを用いて電流源を推定し、その推定
に用いた計測データ以外の計測データを含む第2のグル
ープの計測データを用いて、第1のグループの計測デー
タを用いて推定した結果(電流源)を評価するための評
価値を求めるように構成したので、第1のグループの計
測データを用いた推定方法が最小ノルム法や格子点移動
最小ノルム法であっても、その推定結果を適正に評価す
ることが可能となった。また、この評価値を格子点移動
最小ノルム法の収束判定条件にも利用することができ、
格子点移動最小ノルム法に一般性を持たせることが可能
となった。 【0047】さらに、評価値は、推定に用いた計測デー
タ以外のデータを含めて求めるので、従来の最小自乗法
において、全計測データを用いて得られる自乗誤差より
も客観性が高まり、従って、従来の最小自乗法に比べて
推定結果の良否を正確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る生体磁気計測装置の概
略構成を示した図である。 【図2】実施例で用いられるマルチチャネルSQUID
センサの概略構成を示す図である。 【図3】シングルチャネルSQUIDセンサで電流源か
らの磁界を計測する場合の構成を説明するための図であ
る。 【図4】実施例のデータ解析ユニットが、最小自乗法、
最小ノルム法で電流源を推定する場合の処理手順を示す
フローチャートである。 【図5】計測データのグループ分けを示す図である。 【図6】計測データのグループ分けの変形例等を示す図
である。 【図7】実施例のデータ解析ユニットが、格子点移動最
小ノルム法で電流源を推定する場合の処理手順を示すフ
ローチャートである。 【図8】評価値の算出の変形例を説明するための図であ
る。 【符号の説明】 1 … マルチチャネルSQUIDセンサ 8 … データ解析ユニット M … 被検体 S1 〜Sm … 磁気センサ D1 〜Dm … 計測データ GR1 … 第1のグループ GR2 … 第2のグループ
略構成を示した図である。 【図2】実施例で用いられるマルチチャネルSQUID
センサの概略構成を示す図である。 【図3】シングルチャネルSQUIDセンサで電流源か
らの磁界を計測する場合の構成を説明するための図であ
る。 【図4】実施例のデータ解析ユニットが、最小自乗法、
最小ノルム法で電流源を推定する場合の処理手順を示す
フローチャートである。 【図5】計測データのグループ分けを示す図である。 【図6】計測データのグループ分けの変形例等を示す図
である。 【図7】実施例のデータ解析ユニットが、格子点移動最
小ノルム法で電流源を推定する場合の処理手順を示すフ
ローチャートである。 【図8】評価値の算出の変形例を説明するための図であ
る。 【符号の説明】 1 … マルチチャネルSQUIDセンサ 8 … データ解析ユニット M … 被検体 S1 〜Sm … 磁気センサ D1 〜Dm … 計測データ GR1 … 第1のグループ GR2 … 第2のグループ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被検体の診断対象領域内の生体活動電流
源により生じる微小磁界を、磁気センサで前記診断対象
領域の近傍の複数の計測位置から計測して複数個の計測
データを収集し、それら複数個の計測データに基づき、
前記生体活動電流源の位置、向き、大きさを推定するた
めの生体磁気計測装置において、(a)前記複数個の計
測データのうちの一部の計測データ群(以下、これらの
計測データを「第1のグループの計測データ」という)
を用いて生体活動電流源の位置、向き、大きさを推定す
る推定手段と、(b)前記第1のグループの計測データ
に含まれない計測データを含む計測データ群(以下、こ
れらの計測データを「第2のグループの計測データとい
う)の計測データを計測したときの各計測位置における
磁気センサが、前記推定手段で推定された生体活動電流
源により生じる微小磁界を計測したと仮定したときの仮
想的な磁場データを計算によって求め、この計算で求め
たデータと、前記第2のグループの計測データとの自乗
誤差を求めて、前記推定手段で推定した生体活動電流源
の位置、向き、大きさの良否を判断するための評価値を
得る評価値算出手段とを備えたことを特徴とする生体磁
気計測装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP25471994A JP3387236B2 (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 生体磁気計測装置 |
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---|---|---|---|
JP25471994A JP3387236B2 (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 生体磁気計測装置 |
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