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JP3378573B2 - 光ディスクと再生装置と記録方法 - Google Patents

光ディスクと再生装置と記録方法

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Publication number
JP3378573B2
JP3378573B2 JP2001260105A JP2001260105A JP3378573B2 JP 3378573 B2 JP3378573 B2 JP 3378573B2 JP 2001260105 A JP2001260105 A JP 2001260105A JP 2001260105 A JP2001260105 A JP 2001260105A JP 3378573 B2 JP3378573 B2 JP 3378573B2
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JP2001260105A
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秀夫 安東
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JP3378573B2 publication Critical patent/JP3378573B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大容量光ディス
クに代表される情報記憶媒体およびこの媒体を利用した
デジタル情報録画再生システムに関する。
【0002】とくに、パーソナルコンピュータ環境との
親和性を考慮したDVD(デジタルバーサタイルディス
ク)録画再生システムに関する。
【0003】
【従来の技術】近年、映像(動画)や音声等を記録した
光ディスクを再生するシステムが開発され、LD(レー
ザディスク)あるいはビデオCD(ビデオコンパクトデ
ィスク)などの様に、映画ソフトやカラオケ等を再生す
る目的で、一般に普及している。
【0004】その中で、国際規格化したMPEG2(ム
ービングピクチャエキスパートグループ)方式を使用
し、ACー3(デジタルオーディオコンプレッション)
その他のオーディオ圧縮方式を採用したDVD(デジタ
ルバーサタイルディスク)規格が提案された。このDV
D規格には、再生専用のDVDビデオ(またはDVDー
ROM)、ライトワンスのDVDーR、反復読み書き可
能なDVD−RW(またはDVDーRAM)が含まれ
る。
【0005】DVDビデオ(DVDーROM)の規格
は、MPEG2システムレイヤに従って、動画圧縮方式
としてはMPEG2、音声記録方式としてはリニアPC
Mの他にAC3オーディオおよびMPEGオーディオを
サポートしている。さらに、このDVDビデオ規格は、
字幕用としてビットマップデータをランレングス圧縮し
た副映像データ、早送り巻き戻しデータサーチ等の再生
制御用コントロールデータ(ナビゲーションデータ)を
追加して構成されている。
【0006】また、この規格では、コンピュータでデー
タを読むことができるように、ISO9660およびU
DFブリッジフォーマットもサポートしている。このこ
とから、パーソナルコンピュータ環境でもDVDビデオ
の映像情報を取り扱えるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、DVD
の動画情報は膨大なデータ量になるため、従来のパーソ
ナルコンピュータ環境で用いられているデータの記録管
理方法(ファイルアロケーションテーブルFAT16を
利用)では管理が困難になっている。
【0008】すなわち、現在普及している汎用パーソナ
ルコンピュータでは、それまでに蓄積してきた過去のデ
ータとの互換性をとるために、データ記録装置(ハード
ディスクドライブHDD等)のファイルシステムとして
FAT16を利用している場合が多い。FAT16で
は、1パーティション当たり最大2Gバイトまでの容量
しか扱えない。この場合、MPEG2で圧縮した動画デ
ータの転送レートを5Mbpsとすると、1パーティシ
ョン当たり最大で約53分しか記録できない。このた
め、たとえば2時間半の映画をFAT16のファイルシ
ステムで管理された大容量HDDに記録するには、3パ
ーティションにまたがって記録する必要が生じる。この
場合、ディスクアレイ装置(Redundant Arrays of Inex
pensive Disks略してRAID)を装備していない汎用
パーソナルコンピュータシステムでは、長時間の連続ビ
デオ録画が難しくなる(課題その1)。
【0009】また、録画したビデオ映像の編集(ノンリ
ニア編集)を行う場合には「録画編集用アプリケーショ
ンソフトウエア」、「編集加工用標準テンプレート情
報」および「録画・編集対象の映像情報」をすべてパー
ソナルコンピュータ環境内に用意する必要があり、パー
ソナルコンピュータ環境のメモリ空間を大きく圧迫して
しまう。つまり、ビデオ映像の録画・編集を行なうにあ
たってパーソナルコンピュータのメモリ容量がどうにか
間に合う場合でも、ビデオ情報の録画・編集作業終了時
にはメモリ空間の大部分がビデオ情報に食われてしま
い、メモリ空間の残量が少なくなって、別のアプリケー
ションソフトウエアの実行に支障をきたす場合も生じる
(課題その2)。
【0010】また、パーソナルコンピュータシステムと
DVD録画再生システムとでは適正な情報処理方法に違
いがあり、パーソナルコンピュータでは長時間の動画情
報の記録・再生を連続的に(途切れずに)行なうことが
難しい。
【0011】すなわち、パーソナルコンピュータ環境で
は、ファイルデータを変更する場合、情報記憶媒体(H
DD等)上の空き領域に変更後のファイルデータ全体を
再記録する処理を行なう。このときの情報記憶媒体上の
再記録位置は、変更前のファイルデータ記録位置とは無
関係に決定される。変更前のファイルデータ記録位置は
変更後に小さな空き領域として解放される。ファイルデ
ータの変更が頻繁に繰り返されると、この小さな空き領
域が媒体上で物理的に離れた位置に虫食い状態で点在す
るようになる。そうなると、新たなファイルデータを記
録する場合、そのデータは虫食い状態になった複数の空
き領域に分断されて記録されることになる。この状態を
フラグメンテーションという。
【0012】パーソナルコンピュータの情報処理では使
用する情報(ファイルデータ)がディスク上に点在(フ
ラグメンテーション)しやすいが、読み出し対象ファイ
ルがフラグメンテーションしていても、それらを飛び飛
びに順次再生することで必要なファイル情報をディスク
から取り出すことができる。このフラグメンテーション
によりファイルの読出所要時間が若干長くなるが、高速
HDDを用いておればユーザの感覚上では大した問題に
はならない。しかし、DVD録画再生システムにおいて
記録情報(MPEG圧縮された動画データ)がフラグメ
ンテーションしている場合、それらを飛び飛びに順次再
生しようとすると、動画再生が途切れてしまうことがあ
る。とくに光ディスクドライブではHDD等の高速ディ
スクドライブと較べ光ヘッドのシーク時間が長いので、
MPEG動画映像を光ディスク(DVD−RAMディス
ク等)に記録・再生するDVD録画再生システムでは、
フラグメンテーション部分のシーク中に再生映像の途切
れが生じやすく、現状では実用性に乏しい。
【0013】パーソナルコンピュータデータとDVD動
画データとが混在する場合には、上記フラグメンテーシ
ョンが起きる可能性が特に高くなる。したがって、パー
ソナルコンピュータ環境を取り込んだDVD録画再生シ
ステムは、よほどの高速光ディスクドライブが実用化さ
れ、かつ現実的なコストで大容量バッファを搭載できる
ようにならない限り、実現性がない(課題その3)。
【0014】この発明の目的は、デジタル動画情報の記
録・再生が可能な情報記憶媒体およびこの媒体を利用し
た装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の光ディスク
は、映像情報及び前記映像情報を管理するための管理情
報を記録するものであって、前記映像情報を記録する前
記光ディスクの領域に対して、2kバイト単位の物理セ
クタ番号が付与され、前記物理セクタ番号が付与された
前記領域に対して、2kバイト単位の論理セクタ番号お
よび論理ブロック番号のいずれかが付与されるととも
に、前記物理セクタ番号と、前記論理セクタ番号若しく
は前記論理ブロック番号とが付与された前記領域に対し
て、32kバイト単位のアドレスが付与されたものであ
る。 この発明の再生装置は、映像情報及び前記映像情報
を管理するための管理情報を記録した光ディスクから前
記映像情報を再生するものであって、前記光ディスク
は、前記映像情報を記録した前記光ディスクの領域に対
して、2kバイト単位の物理セクタ番号が付与され、前
記物理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2k
バイト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号の
いずれかが付与されるとともに、前記物理セクタ番号
と、前記論理セクタ番号若しくは前記論理ブロック番号
とが付与された前記領域に対して、32kバイト単位の
アドレスが付与されており、前記映像情報を再生する際
に、2kバイト単位の番号及び前記32kバイト単位の
アドレスを用いて再生を行う再生手段を備えたものであ
る。 この発明の再生装置は、映像情報及び前記映像
情報を管理するための管理情報を記録した光ディスクか
ら前記映像情報を再生するものであって、前記光ディス
クは、前記映像情報を記録した前記光ディスクの領域に
対して、2kバイト単位の物理セクタ番号が付与され、
前記物理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2
kバイト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号
のいずれかが付与されるとともに、前記物理セクタ番号
と、前記論理セクタ番号若しくは前記論理ブロック番号
とが付与された前記領域に対して、32kバイト単位の
アドレスが付与されており、前記光ディスクから、前記
映像情報を再生する再生手段を備えたものである この
発明の記録方法は、映像情報及び前記映像情報を管理す
るための管理情報を光ディスクに記録するものにおい
て、前記映像情報を記録する前記光デ ィスクの領域に対
して、2kバイト単位の物理セクタ番号を付与し、前記
物理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2kバ
イト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号のい
ずれかを付与し、前記物理セクタ番号と、前記論理セク
タ番号若しくは前記論理ブロック番号とが付与された前
記領域に対して、32kバイト単位のアドレスを付与
し、そして前記光ディスクに映像情報の記録を行うよう
にしたものである
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施の形態に係るデジタル情報記録再生システムを
説明する。
【0017】この発明に係るデジタル情報記録再生シス
テムの代表的な一実施の形態として、MPEG2に基づ
きエンコードされた動画を可変ビットレートで記録・再
生する装置、たとえばDVDデジタルビデオレコーダが
ある。(このDVDデジタルビデオレコーダの具体的な
構成例については後述する。)図1は、上記DVDデジ
タルビデオレコーダに使用される記録可能な光ディスク
(DVDーRAM/DVD−RWディスク等)10の構
造を説明する斜視図である。
【0018】図1に示すように、この光ディスク10
は、それぞれ記録層17が設けられた一対の透明基板1
4を接着層20で貼り合わせた構造を持つ。各基板14
は0.6mm厚のポリカーボネートで構成することがで
き、接着層20は極薄(たとえば40μm厚)の紫外線
硬化性樹脂で構成することができる。これら一対の0.
6mm基板14を、記録層17が接着層20の面上で接
触するようにして貼り合わすことにより、1.2mm厚
の大容量光ディスク10が得られる。
【0019】なお、記録層17はROM/RAM2層構
造を持つことができる。その場合、読み出し面19側か
らみて近い方にROM層/光反射層(エンボス層)17
Aが形成され、読み出し面19側からみて遠い方にRA
M層/相変化記録層17Bが形成される。
【0020】光ディスク10には中心孔22が設けられ
ており、ディスク両面の中心孔22の周囲には、この光
ディスク10を回転駆動時にクランプするためのクラン
プエリア24が設けられている。中心孔22には、図示
しないディスクドライブ装置に光ディスク10が装填さ
れた際に、ディスクモータのスピンドルが挿入される。
そして、光ディスク10は、そのクランプエリア24に
おいて、図示しないディスククランパにより、ディスク
回転中クランプされる。
【0021】光ディスク10は、クランプエリア24の
周囲に、ビデオデータ、オーディオデータその他の情報
を記録することができる情報エリア25を有している。
【0022】情報エリア25のうち、その外周側にはリ
ードアウトエリア26が設けられている。また、クラン
プエリア24に接する内周側にはリードインエリア27
が設けられている。そして、リードアウトエリア26と
リードインエリア27との間にデータ記録エリア28が
定められている。
【0023】情報エリア25の記録層(光反射層)17
には、記録トラックがたとえばスパイラル状に連続して
形成されている。その連続トラックは複数の物理セクタ
に分割され、これらのセクタには連続番号が付されてい
る。このセクタを記録単位として、光ディスク10に種
々なデータが記録される。
【0024】データ記録エリア28は、実際のデータ記
録領域であって、記録・再生情報として、映画等のビデ
オデータ(主映像データ)、字幕・メニュー等の副映像
データおよび台詞・効果音等のオーディオデータが、同
様なピット列(レーザ反射光に光学的な変化をもたらす
物理的な形状あるいは相状態)として記録されている。
【0025】光ディスク10が片面1層で両面記録のR
AMディスクの場合は、各記録層17は、2つの硫化亜
鉛・酸化シリコン混合物(ZnS・SiO2)で相変化
記録材料層(たとえばGe2Sb2Te5)を挟み込ん
だ3重層により構成できる。
【0026】光ディスク10が片面1層で片面記録のR
AMディスクの場合は、読み出し面19側の記録層17
は、上記相変化記録材料層を含む3重層により構成でき
る。この場合、読み出し面19から見て反対側に配置さ
れる層17は情報記録層である必要はなく、単なるダミ
ー層でよい。
【0027】光ディスク10が片面読み取り型の2層R
AM/ROMディスクの場合は、2つの記録層17は、
1つの相変化記録層(読み出し面19からみて奥側;読
み書き用)と1つの半透明金属反射層(読み出し面19
からみて手前側;再生専用)で構成できる。
【0028】光ディスク10がライトワンスのDVDー
Rである場合は、基板としてはポリカーボネートが用い
られ、図示しない反射膜としては金、図示しない保護膜
としては紫外線硬化樹脂を用いることができる。この場
合、記録層17には有機色素が用いられる。この有機色
素としては、シアニン、スクアリリウム、クロコニッ
ク、トリフェニルメンタン系色素、キサンテン、キノン
系色素(ナフトキン、アントラキノン等)、金属錯体系
色素(フタロシアン、ボルフィリン、ジチオール錯体
等)その他が利用可能である。
【0029】このようなDVD−Rディスクへのデータ
書き込みは、たとえば波長650nmで出力6〜12m
W程度の半導体レーザを用いて行うことができる。
【0030】光ディスク10が片面読み取り型の2層R
OMディスクの場合は、2つの記録層17は、1つの金
属反射層(読み出し面19からみて奥側)と1つの半透
明金属反射層(読み出し面19からみて手前側)で構成
できる。
【0031】読み出し専用のDVDーROMディスク1
0では、基板14にピット列が予めスタンパーで形成さ
れ、このピット列が形成された基板14の面に金属等の
反射層が形成され、この反射層が記録層17として使用
されることになる。このようなDVD−ROMディスク
10では、通常、記録トラックとしてのグルーブは特に
設けられず、基板14の面に形成されたピット列がトラ
ックとして機能するようになっている。
【0032】上記各種の光ディスク10において、再生
専用のROM情報はエンボス信号として記録層17に記
録される。これに対して、読み書き用(またはライトワ
ンス用)の記録層17を持つ基板14にはこのようなエ
ンボス信号は刻まれておらず、その代わりに連続のグル
ーブ溝が刻まれている。このグルーブ溝に、相変化記録
層が設けられるようになっている。読み書き用DVDー
RAMディスクの場合は、さらに、グルーブの他にラン
ド部分の相変化記録層も情報記録に利用される。
【0033】なお、光ディスク10が片面読み取りタイ
プ(記録層が1層でも2層でも)の場合は、読み出し面
19から見て裏側の基板14は読み書き用レーザに対し
て透明である必要はない。この場合は裏側基板14全面
にラベル印刷がされていても良い。
【0034】後述するDVDデジタルビデオレコーダ
は、DVDーRAMディスク(またはDVD−RWディ
スク)に対する反復記録・反復再生(読み書き)と、D
VDーRディスクに対する1回の記録・反復再生と、D
VDーROMディスクに対する反復再生が可能なように
構成できる。
【0035】図2は、図1の光ディスク(DVDーRA
M等)10のデータ記録エリア28とそこに記録される
データの記録トラックとの対応関係を説明する図であ
る。
【0036】ディスク10がDVD−RAM(またはD
VD−RW)の場合は、デリケートなディスク面を保護
するために、ディスク10の本体がカートリッジ11に
収納されるようになっている。DVD−RAMディスク
10がカートリッジ11ごと後述するDVDビデオレコ
ーダのディスクドライブに挿入されると、カートリッジ
11からディスク10が引き出されて図示しないスピン
ドルモータのターンテーブルにクランプされ、図示しな
い光ヘッドに向き合うようにして回転駆動される。
【0037】一方、ディスク10がDVDーRまたはD
VDーROMの場合は、ディスク10の本体はカートリ
ッジ11に収納されておらず、裸のディスク10がディ
スクドライブのディスクトレイに直接セットされるよう
になる。
【0038】図1に示した情報エリア25の記録層17
には、データ記録トラックがスパイラル状に連続して形
成されている。その連続するトラックは、図2に示すよ
うに一定記憶容量の複数論理セクタ(最小記録単位)に
分割され、この論理セクタを基準にデータが記録されて
いる。1つの論理セクタの記録容量は、1パックデータ
長と同じ2048バイト(あるいは2kバイト)に決め
られている(図24参照)。
【0039】データ記録エリア28には、実際のデータ
記録領域であって、管理データ、主映像(ビデオ)デー
タ、副映像データおよび音声(オーディオ)データが同
様に記録されている。
【0040】なお、図4を参照して後述するが、図2の
ディスク10のデータ記録エリア28は、リング状(年
輪状)に複数の記録エリア(複数の記録ゾーン)に分割
することができる。各記録ゾーン毎にディスク回転速度
は異なるが、各ゾーン内では線速度または角速度を一定
にすることができる。この場合、各ゾーン毎に予備の記
録エリアすなわちスペアエリア(フリースペース)を設
けることができる。このゾーン毎のフリースペースを集
めて、そのディスク10のリザーブエリアとすることが
できる。
【0041】図3は、図1の2層貼合せ光ディスク10
を読書両用とする場合の、データ記録部をデフォルメし
て示す部分断面図である。ここでは、金(Au)または
硫化亜鉛(ZnS)と酸化シリコン(SiO2)との混
合物(ZnS・SiO2)で、厚さがたとえば20nm
の読出専用情報記録層(ROM層17A)を形成してい
る。
【0042】また、アルミニウム(Al)またはアルミ
ニウム・モリブデン合金(Al・Mo)を用いた光反射
膜と紫外線硬化性樹脂接着層20との間に、2つの硫化
亜鉛・酸化シリコン混合物ZnS・SiO2(92、9
4)で相変化記録材料層90(Ge2Sb2Te5ある
いはGeAnTe等)を挟み込んだ3重層(90〜9
4)が、設けられている。この3重層が、読み書き可能
な情報記録層(RAM層17B)を形成している。
【0043】アルミニウムまたはアルミニウム・モリブ
デン合金反射膜の厚さはたとえば100nm程度に選ば
れ、ZnS・SiO2混合物層94の厚さはたとえば2
0nm程度に選ばれ、Ge2Sb2Te5相変化記録材
料層90の厚さはたとえば20nm程度に選ばれ、Zn
S・SiO2混合物層92の厚さはたとえば180nm
程度に選ばれる。
【0044】RAM層17Bに対する書込レーザ光WL
は、基板14側から半透明のROM層17Aを貫通し
て、相変化記録材料層90に入射するようになってい
る。
【0045】RAM層17Bに対する読出レーザ光RL
は、基板14側から半透明のROM層17Aを貫通して
相変化記録材料層90に入射し、そこで書込状態(結晶
質か非結晶質か)に応じた反射をするようになってい
る。
【0046】一方、ROM層17Aに対する読出レーザ
光RLは、基板14側から入射し半透明のROM層17
Aの凹凸(エンボス)状態に応じた反射をするようにな
っている。ROM層17Aを読むかRAM層17Bを読
むかは、どちらの層に光ピックアップのフォーカスを結
ばせるかで切り換えることができる。
【0047】なお、読出専用の情報がエンボス信号とし
て記録されている基板14に対して、読み書き用の基板
にはこのようなエンボス信号は刻まれておらず、その代
わりに連続のグルーブ溝が刻まれている。このグルーブ
溝に、相変化記録材料層90が設けられるようになって
いる。
【0048】図4は、図1の2層光ディスクのRAM層
のデータトラック構成例(交替処理用スペアエリアSA
00〜SA23が各ユーザエリアUA00〜UA23の
外側に配置された構成)を説明する図である。
【0049】毎秒回転数(Hz)がN00のユーザエリ
アUA00の外側同心状に、毎秒回転数(Hz)がN0
0のスペアエリアSA00(ユーザエリアUA00で生
じた欠陥部分の交替処理用)が設けられている。同様
に、毎秒回転数(Hz)がN01のユーザエリアUA0
1の外側に毎秒回転数(Hz)がN01のスペアエリア
SA01が同心状に設けられ、毎秒回転数(Hz)がN
23のユーザエリアUA23の外側に毎秒回転数(H
z)がN23のスペアエリアSA23が同心状に設けら
れる。
【0050】この同心状エリア構成において、各回転ゾ
ーン00(UA00+SA00)〜23(UA23+S
A23)間での記録密度を平均化してディスク全体で大
きな記録容量を確保するために、各定回転ゾーン毎の回
転数をN00>N01>…>N23としている。
【0051】なお、ここでは同心状のゾーン数を24個
(ゾーン00〜ゾーン23)としてあるが、このゾーン
数24以外でもこの発明を実施できる。
【0052】図4の構成の光ディスク10において、ユ
ーザエリアUA00に書込を行うときは、その管理(ユ
ーザエリアUA00のどこからどこまでに該当データが
書き込まれるか等)および欠陥発生時の交替処理は同じ
回転数ゾーン内で行なう。同様に、ユーザエリアUA0
1での書込管理・欠陥管理は同じ回転数ゾーン内で行な
い、ユーザエリアUA23での書込管理・欠陥管理は同
じ回転数ゾーン内で行なう。
【0053】このようにすれば、書込管理処理中あるい
は交替処理中にディスク10の回転速度を切り換える必
要がなくなるから、書込処理および交替処理を高速化で
きる。
【0054】図5は、図1の2層光ディスクのRAM層
のレイアウトを説明する図である。
【0055】すなわち、ディスク内周側のリードインエ
リア27は、光反射面が凹凸形状をしたエンボスゾー
ン、表面が平坦(鏡面)なミラーゾーンおよび書替可能
ゾーンで構成される。エンボスゾーンは基準信号ゾーン
および制御データゾーンを含み、ミラーゾーンは接続ゾ
ーンを含む。
【0056】書替可能ゾーンは、ディスクテストゾーン
と、ドライブテストゾーンと、ディスクID(識別子)
ゾーンと、欠陥管理エリアDMA1およびDMA2を含
んでいる。
【0057】ディスク外周側のリードアウトエリア26
は、欠陥管理エリアDMA3およびDMA4と、ディス
クID(識別子)ゾーンと、ドライブテストゾーンと、
ディスクテストゾーンを含む書替可能ゾーンで構成され
る。
【0058】リードインエリア27とリードアウトエリ
ア26との間のデータエリア28は、24個の年輪状の
ゾーン00〜ゾーン23に分割されている。各ゾーンは
一定の回転速度を持っているが、異なるゾーン間では回
転速度が異なる。また、各ゾーンを構成するセクタ数
も、ゾーン毎に異なる。具体的には、ディスク内周側の
ゾーン(ゾーン00等)は回転速度が早く構成セクタ数
は少ない。一方、ディスク外周側のゾーン(ゾーン23
等)は回転速度が遅く構成セクタ数が多い。このような
レイアウトによって、各ゾーン内ではCAVのような高
速アクセス性を実現し、ゾーン全体でみればCLVのよ
うな高密度記録性を実現している。
【0059】図6は、図5のレイアウトにおけるリード
イン部分およびリードアウト部分の詳細を説明する図で
ある。
【0060】エンボスデータゾーンの制御データゾーン
には、適用されるDVD規格のタイプ(DVD−ROM
・DVD−RAM・DVD−R等)およびパートバージ
ョンと、ディスクサイズおよび最小読出レートと、ディ
スク構造(1層ROMディスク・1層RAMディスク・
2層ROM/RAMディスク等)と、記録密度と、デー
タエリアアロケーションと、バーストカッティングエリ
アの記述子と、記録時の露光量指定のための線速度条件
と、読出パワーと、ピークパワーと、バイアスパワー
と、媒体の製造に関する情報が記録されている。
【0061】別の言い方をすると、この制御データゾー
ンには、記録開始・記録終了位置を示す物理セクタ番号
などの情報記憶媒体全体に関する情報と、記録パワー、
記録パルス幅、消去パワー、再生パワー、記録・消去時
の線速などの情報と、記録・再生・消去特性に関する情
報と、個々のディスクの製造番号など情報記憶媒体の製
造に関する情報等が事前に記録されている。
【0062】リードインおよびリードアウトの書替可能
データゾーンには、各々の媒体ごとの固有ディスク名記
録領域と、試し記録領域(記録消去条件の確認用)と、
データエリア内の欠陥領域に関する管理情報記録領域が
設けられている。これらの領域を利用することで、個々
のディスクに対して最適な記録が可能となる。
【0063】図7は、図5のレイアウトにおけるデータ
エリア部分の詳細を説明する図である。
【0064】24個のゾーン毎に同数のグループが割り
当てられ、各グループはデータ記録に使用するユーザエ
リアと交替処理に使用するスペアエリアをペアで含んで
いる。各グループのユーザエリアおよびスペアエリアは
同じ回転速度のゾーンに収まっており、グループ番号の
小さい方が高速回転ゾーンに属し、グループ番号の大き
い方が低速回転ゾーンに属する。低速回転ゾーンのグル
ープは高速回転ゾーンのグループよりもセクタ数が多い
が、低速回転ゾーンはディスクの回転半径が大きいの
で、ディスク10上での物理的な記録密度はゾーン全体
(グループ全て)に渡りほぼ均一になる。
【0065】各グループにおいて、ユーザエリアはセク
タ番号の小さい方(つまりディスク上で内周側)に配置
され、スペアエリアはセクタ番号の大きい方(ディスク
上で外周側)に配置される。このセクタ番号の割り当て
方は、図4のディスク10上におけるユーザエリアUA
とスペアエリアSAとの配置方法に対応する。
【0066】次に、情報記憶媒体(DVDーRAMディ
スク10等)上に記録される情報の記録信号構造とその
記録信号構造の作成方法について説明する。なお、媒体
上に記録される情報の内容そのものは「情報」と呼び、
同一内容の情報に対しスクランブルしたり変調したりし
たあとの構造や表現、つまり信号形態が変換された後の
“1”〜“0”の状態のつながりは「信号」と表現し
て、両者を適宜区別することにする。
【0067】図8は、図5のデータエリア部分に含まれ
るセクタの構造を説明する図である。図8の1セクタは
図7のセクタ番号の1つに対応し、図2に示すように2
048バイトのサイズを持つ。各セクタはディスク10
にエンボスで刻まれたヘッダを先頭に、同期コードと変
調後の信号(ビデオデータその他)を交互に含んでい
る。
【0068】次に、DVD−RAMディスク10におけ
るECCブロック処理方法について説明する。
【0069】図9は、図5のデータエリア部分に含まれ
る情報の記録単位(エラーコレクションコードのECC
単位)を説明する図である。
【0070】パーソナルコンピュータ用の情報記憶媒体
(ハードディスクHDDや光磁気ディスクMOなど)の
ファイルシステムで多く使われるFAT(ファイルアロ
ケーションテーブル)では、256バイトまたは512
バイトを最小単位として情報記憶媒体へ情報が記録され
る。
【0071】それに対し、CD−ROMやDVD−RO
M、DVD−RAMなどの情報記憶媒体では、ファイル
システムとしてUDF(ユニバーサルディスクフォーマ
ット;詳細は後述)を用いており、ここでは2048バ
イトを最小単位として情報記憶媒体へ情報が記録され
る。この最小単位をセクタと呼ぶ。つまりUDFを用い
た情報記憶媒体(光ディスク10)に対しては、図9に
示すようにセクタ501毎に2048バイトずつの情報
を記録して行く。
【0072】CD−ROMやDVD−ROMではカート
リッジを使わず裸ディスクで取り扱うため、ユーザサイ
ドで情報記憶媒体表面に傷が付いたり表面にゴミが付着
し易い。情報記憶媒体表面に付いたゴミや傷の影響で特
定のセクタ(たとえば図9のセクタ501c)が再生不
可能(もしくは記録不能)な場合が発生する。
【0073】DVDでは、そのような状況を考慮したエ
ラー訂正方式(積符号を利用したECC)が採用されて
いる。具体的には16個ずつのセクタ(図9ではセクタ
501aからセクタ501pまでの16個のセクタ)で
1個のECC(エラーコレクションコード)ブロック5
02を構成し、その中で強力なエラー訂正機能を持たせ
ている。その結果、たとえばセクタ501cが再生不可
能といったような、ECCブロック502内のエラーが
生じても、エラー訂正され、ECCブロック502のす
べての情報を正しく再生することが可能となる。
【0074】図10は、図5のデータエリア内でのゾー
ンとグループ(図7参照)との関係を説明する図であ
る。
【0075】図5の各ゾーン00〜23は、図4に示す
ようにディスク10上に物理的に配置されるもので、実
際に使用されるデータエリア(ユーザエリア+スペアエ
リア)の他に、ゾーン間のデータ使用エリアを区分けす
るガードエリアを持っている。これに対して、図7のグ
ループは実際に使用されるデータエリア(ユーザエリア
+スペアエリア)に対して割り当てられる。
【0076】すなわち、図10においてガードエリア7
11で区切られたグループ00はディスク10の物理セ
クタ番号031000hから始まるユーザエリアUA0
0およびスペアエリアSA00を含み、ガードエリア7
11とガードエリア712で区切られたグループ01は
ユーザエリアUA01およびスペアエリアSA01を含
む。以下同様に、ディスク10の最外周側のガードエリ
ア713で区切られたグループ23はディスク10の最
終物理セクタ番号で終わるユーザエリアUA23および
スペアエリアSA23を含んでいる。
【0077】図10の構成を持つ図4の光ディスク(D
VDーRAMディスク)10が図示しないディスクドラ
イブにかけられているときは、ガードエリア通過中にデ
ィスク10の回転速度を切り替える処理を行なうことが
できる。たとえば、図示しない光ヘッドがグループ00
からグループ01にシークする際に、ガードエリア71
1を通過中にディスク10の回転速度がN00からN0
1に切り替えられる。
【0078】図11は、図5のデータエリア内での論理
セクタの設定方法を説明する図である。物理的には図1
0に示すようなガードエリアがディスク10上に設けら
れているが、論理的には(つまり書込制御を行なうソフ
トウエアからみれば)、各グループ00〜23が密に並
んでいる。このグループ00〜23の並びは、グループ
番号の小さい方(物理セクタ番号の小さい方)がディス
ク10の内周側(リードイン側)に配置され、グループ
番号の大きい方(物理セクタ番号の大きい方)がディス
ク10の外周側(リードアウト側)に配置される。
【0079】この配置において、同一グループ内のスペ
アエリアの論理セクタ番号は事前には設定されておら
ず、ユーザエリアの欠陥発生時に、交替処理前のユーザ
エリアの欠陥位置での論理セクタ番号が、交替処理後の
対応するスペアエリア位置に移される。ただし、物理セ
クタ番号については、ユーザエリアもスペアエリアも始
めから設定されている。
【0080】次に、ユーザエリアで生じた欠陥を処理す
る方法を幾つか説明する。その前に、欠陥処理に必要な
欠陥管理エリア(図5または図6のDMA1〜DMA
4)およびその関連事項について説明しておく。
【0081】[欠陥管理エリア]欠陥管理エリア(DM
A1〜DMA4)はデータエリアの構成および欠陥管理
の情報を含むもので、たとえば32セクタで構成され
る。2つの欠陥管理エリア(DMA1、DMA2)は光
ディスク(DVDーRAMディスク)10のリードイン
エリア27内に配置され、他の2つの欠陥管理エリア
(DMA3、DMA4)は光ディスク10のリードアウ
トエリア26内に配置される。各欠陥管理エリア(DM
A1〜DMA4)の後には、適宜予備のセクタ(スペア
セクタ)が付加されている。
【0082】各欠陥管理エリア(DMA1〜DMA4)
は、2つのECCブロックからなる。各欠陥管理エリア
(DMA1〜DMA4)の最初のECCブロックには、
ディスク10の定義情報構造(DDS; Disc Definitio
n Structure)および一次欠陥リスト(PDL; Primary
Defect List)が含まれる。各欠陥管理エリア(DMA
1〜DMA4)の2番目のECCブロックには、二次欠
陥リスト(SDL;Secondary Defect List)が含まれ
る。4つの欠陥管理エリア(DMA1〜DMA4)の4
つの一次欠陥リスト(PDL)は同一内容となってお
り、それらの4つの二次欠陥リスト(SDL)も同一内
容となっている。
【0083】4つの欠陥管理エリア(DMA1〜DMA
4)の4つの定義情報構造(DDS)は基本的には同一
内容であるが、4つの欠陥管理エリアそれぞれのPDL
およびSDLに対するポインタについては、それぞれ個
別の内容となっている。
【0084】ここでDDS/PDLブロックは、DDS
およびPDLを含むECCブロックを意味する。また、
SDLブロックは、SDLを含むECCブロックを意味
する。
【0085】光ディスク(DVDーRAMディスク)1
0を初期化したあとの各欠陥管理エリア(DMA1〜D
MA4)の内容は、以下のようになっている: (1)各DDS/PDLブロックの最初のセクタはDD
Sを含む; (2)各DDS/PDLブロックの2番目のセクタはP
DLを含む; (3)各SDLブロックの最初のセクタはSDLを含
む。
【0086】一次欠陥リストPDLおよび二次欠陥リス
トSDLのブロック長は、それぞれのエントリ数によっ
て決定される。各欠陥管理エリア(DMA1〜DMA
4)の未使用セクタはデータ0FFhで書き潰される。
また、全ての予備セクタは00hで書き潰される。
【0087】[ディスク定義情報]定義情報構造DDS
は、1セクタ分の長さのテーブルからなる。このDDS
はディスク10の初期化方法と、PDLおよびSDLそ
れぞれの開始アドレスを規定する内容を持つ。DDS
は、ディスク10の初期化終了時に、各欠陥管理エリア
(DMA)の最初のセクタに記録される。
【0088】[パーティショニング]ディスク10の初
期化中に、データエリアは24の連続したグループ00
〜23に区分される。最初のゾーン00および最後のゾ
ーン23を除き、区分された各ゾーンの頭には複数のバ
ッファブロックが配置される。各グループは、バッファ
フロックを除き1つのゾーンを完全にカバーするように
なっている。
【0089】各グループは、データセクタ(ユーザエリ
ア)のフルブロックと、それに続くスペアセクタ(スペ
アエリア)のフルブロックを備えている。
【0090】[スペアセクタ]各データエリア内の欠陥
セクタは、所定の欠陥管理方法(後述する検証、スリッ
ピング交替、スキッピング交替、リニア交替)により、
正常セクタに置換(交替)される。この交替のためのス
ペアセクタのブロックは、図7の各グループのスペアエ
リアに含まれる。
【0091】光ディスク10は使用前に初期化できるよ
うになっているが、この初期化は検証の有無に拘わらず
実行可能となっている。
【0092】欠陥セクタは、スリッピング交替処理(Sl
ipping Replacement Algorithm)、スキッピング交替処
理(Skipping Replacement Algorithm)あるいはリニア
交替処理(Linear Replacement Algorithm)により処理
される。これらの処理(Algorithm)により前記PDL
およびSDLにリストされるエントリ数の合計は、所定
数、たとえば4092以下とされる。
【0093】[初期化]ディスク10の初期化におい
て、そのディスクの最初の使用よりも前に、4つの欠陥
管理エリア(DMA1〜DMA4)が前もって記録され
る。データエリアは24グループ(図7のグループ00
〜23)にパーティションされる。各グループは、デー
タセクタ(ユーザエリア)用に多数のブロックと、それ
に続く多数のスペアブロック(スペアエリア)を含む。
これらのスペアブロックは欠陥セクタの交替用に用いる
ことができる。
【0094】初期化時は各グループの検証(サーティフ
ァイ)を行なうこともできる。これにより、初期化段階
で発見された欠陥セクタは特定され、使用時にはスキッ
プされるようになる。
【0095】全ての定義情報構造DDSのパラメータ
は、4つのDDSセクタに記録される。一次欠陥リスト
PDLおよび二次欠陥リストSDLは、4つの欠陥管理
エリア(DMA1〜DMA4)に記録される。最初の初
期化では、SDL内のアップデートカウンタは00hに
セットされ、全ての予約ブロックは00hで書き潰され
る。
【0096】[検証/サーティフィケーション]ディス
ク10を検証する場合は、各グループ内のデータセクタ
(ユーザエリア)およびスペアセクタ(スペアエリア)
を検証することになる。この検証は、各グループ内セク
タの読み書きチェックにより行なうことができる。
【0097】検証中に発見された欠陥セクタは、たとえ
ばスリッピング交替により処理される。この欠陥セクタ
は、読み書きに使用してはならない。
【0098】検証の実行中にディスク10のゾーン内ス
ペアセクタを使い切ってしまったときは、そのディスク
10は不良と判定し、以後そのディスク10は使用しな
いものとする。
【0099】なお、ディスク10をコンピュータのデー
タ記憶用に用いるときは上記初期化+検証が行われる
が、ビデオ録画用に用いられるときは、上記初期化+検
証を行うことなく、いきなりビデオ録画することもあり
得る。
【0100】図12は、図5のデータエリア内での交替
処理(スリッピング交替法)を説明する図である。
【0101】検証が実行されたときは、データエリア内
の各グループ全てに対してスリッピング交替処理が個別
に適用される。
【0102】検証中に発見された欠陥データセクタ(た
とえばm個の欠陥セクタ731)は、その欠陥セクタの
後に続く最初の正常セクタ(ユーザエリア723b)と
交替(あるいは置換)される(交替処理734)。これ
により、該当グループの末端に向かってmセクタ分のス
リッピング(論理セクタ番号後方シフト)が生じる。同
様に、その後にn個の欠陥セクタ732が発見されれ
ば、その欠陥セクタはその後に続く正常セクタ(ユーザ
エリア723c)と交替される。最後のデータセクタ
(ユーザエリア723c)欠陥がある場合については、
そのグループのスペアセクタ(スペアエリア724のう
ち論理セクタ番号の小さい方の記録使用領域743から
順に)にスリッピングする。
【0103】欠陥セクタのアドレスは一次欠陥リスト
(PDL)に書き込まれる。欠陥セクタは、ユーザデー
タの記録に使用してはならない。もし検証中に欠陥セク
タが発見されないときは、PDLには何も書き込まな
い。
【0104】最後のデータセクタ(ユーザエリア723
c)を超えてスペアエリア724にスリッピングするこ
とがあれば、検証中に欠陥が発見されたスペアセクタの
アドレスは、PDLに書き込まれる。この場合、使用可
能なスペアセクタ(スペアエリアの不使用領域736の
セクタ)の数は減少する。
【0105】該当グループのユーザエリア中でm+n個
の欠陥セクタが発見されたときは、m+nセクタ分がス
ペアエリア724の記録使用領域743にスリッピング
し、その結果、スペアエリア724の不使用領域726
はm+nセクタ分減少する。
【0106】もしあるグループのスペアエリア724の
セクタを検証中に交替処理で使い切ってしまったとき
は、検証失敗とみなす。
【0107】検証が成功した場合、欠陥セクタのないユ
ーザエリア723a〜723cとスペアエリアの記録使
用領域743がそのグループの情報記録使用部分(論理
セクタ番号設定領域735)となり、この部分に連続し
た論理セクタ番号が割り当てられる。
【0108】図13は、図5のデータエリア内での他の
交替処理(スキッピング交替法)を説明する図である。
【0109】スキッピング交替処理は、ディスク10の
使用中の反復読み書きにより発生した欠陥または劣化に
適用できる。このスキッピング交替処理は、16セクタ
単位、すなわちECCブロック単位(1セクタが2kバ
イトなので32kバイト単位)で実行される。
【0110】たとえば、正常なECCブロックで構成さ
れるユーザエリア723aの後に1個の欠陥ECCブロ
ック741が発見されれば、この欠陥ECCブロック7
41に記録予定だったデータは、直後の正常なユーザエ
リア723bのECCブロックに代わりに記録される
(交替処理744)。同様に、k個の欠陥ECCブロッ
ク742が発見されれば、これらの欠陥ブロック742
に記録する予定だったデータは、直後の正常なユーザエ
リア723cのk個のECCブロックに代わりに記録さ
れる。
【0111】こうして、該当グループのユーザエリア中
で1+k個の欠陥ECCブロックが発見されたときは、
(1+k)ECCブロック分がスペアエリア724の記
録使用延長領域743にスキッピングする。その結果、
スペアエリア724の不使用領域726は(1+k)E
CCブロック分減少し、残りの不使用領域746は小さ
くなる。そしてスペアエリア724の不使用領域726
はm+nセクタ分減少する。
【0112】もし該当グループのスペアエリア724を
検証中に交替処理で使い切ってしまったときは、検証失
敗とみなす。
【0113】検証が成功した場合、欠陥ECCブロック
のないユーザエリア723a〜723cがそのグループ
の情報記録使用部分(論理セクタ番号設定領域725)
となる。そして、欠陥ECCブロック741および74
2の論理セクタ番号設定位置がスペアエリア724の延
長領域743に平行移動する。このとき、欠陥ECCブ
ロックのないユーザエリア723a〜723cは、欠陥
の有無に拘わらず、欠陥がないときに割り振られた論理
セクタ番号のまま不変に保たれている。
【0114】上記論理セクタ番号設定位置の平行移動7
45により、延長領域743にスキッピングされた(1
+k)個のECCブロックを構成するセクタの論理セク
タ番号が、欠陥ECCブロック741とk個の連続EC
Cブロックに事前に割り振られた論理セクタ番号を担う
ことになる。
【0115】このスキッピング交替処理法では、ディス
ク10が事前に検証(サーティファイ)されていなくて
も、ECCブロック単位でエラーが発見されたら、即、
交替処理を実行して行ける。
【0116】図14は、図5のデータエリア内でのさら
に他の交替処理(リニア交替法)を説明する図である。
【0117】リニア交替処理は、検証以後の反復読み書
きにより発生した欠陥セクタおよび劣化セクタの双方に
適用できる。このリニア交替処理も、16セクタ単位、
すなわちECCブロック単位(32kバイト単位)で実
行される。
【0118】リニア交替処理では、欠陥ECCブロック
751は、該当グループ内で最初に使用可能な正常スペ
アブロック(スペアエリア724の最初の記録使用領域
753)と交替(置換)される(交替処理758)。も
しそのグループにスペアブロックが残っていないなら、
つまりそのグループ内に残っているセクタが16セクタ
未満のときは、その旨は二次欠陥リスト(SDL)に記
録される。そして、欠陥ブロックは、他のグループ内で
最初に使用可能な正常スペアブロックと交替(置換)さ
れる。欠陥ブロックのアドレスおよびその最終交替(置
換)ブロックのアドレスは、SDLに書き込まれる。
【0119】上述したように、該当グループにスペアブ
ロックがないときは、その旨はSDLに記録される。グ
ループ00にスペアブロックがないということは、SD
Lの所定ビットに“1”をセットすることで示される。
この所定ビットが“0”にセットされているときは、そ
のグループ00内にまだスペアブロックが残っているこ
とを示す。この所定ビットはグループ00に対応して設
けられる。グループ01に対しては別の所定ビットが対
応する。以下同様にして、24個の個別所定ビットが2
4個のグループ00〜23それぞれに対応するようにな
っている。
【0120】検証後、もしデータブロック(ECCブロ
ック)に欠陥が発見されたときは、そのブロックは欠陥
ブロックとみなし、その旨はSDLの新エントリとして
リストされる。
【0121】SDLにリストされた交替ブロックが、後
に欠陥ブロックであると判明したときは、ダイレクトポ
インタ法を用いてSDLに登録を行なう。このダイレク
トポインタ法では、交替ブロックのアドレスを欠陥ブロ
ックのものから新しいものへ変更することによって、交
替された欠陥ブロックが登録されているSDLのエント
リが修正される。
【0122】上記二次欠陥リストSDLを更新するとき
は、SDL内の更新カウンタを1つインクリメントす
る。
【0123】[検証されないディスク]スキッピング交
替処理あるいはリニア交替処理は、検証されていないデ
ィスク10で発見された欠陥セクタに対しても適用でき
る。この交替処理は、16セクタ単位(すなわち1EC
Cブロック単位)で実行される。
【0124】たとえばリニア交替処理の場合、欠陥ブロ
ックは、該当グループ内で最初に使用可能な正常スペア
ブロックと交替(置換)される。もしそのグループにス
ペアブロックが残っていないなら、その旨が二次欠陥リ
スト(SDL)に記録される。そして、欠陥ブロック
は、他のグループ内で最初に使用可能な正常スペアブロ
ックと交替(置換)される。欠陥ブロックのアドレスお
よびその最終交替(置換)ブロックのアドレスは、SD
Lに書き込まれる。
【0125】該当グループにスペアブロックがないとき
は、その旨がSDLに記録される。グループ00にスペ
アブロックがないということは、そのグループの所定ビ
ットに“1”をセットすることで示される。この所定ビ
ットが“0”にセットされているときは、グループ00
内にまだスペアブロックが残っていることを示す。
【0126】もし、一次欠陥リスト(PDL)内に欠陥
セクタのアドレスリストが存在するなら、たとえそのデ
ィスクが検証されていなくても、これらの欠陥セクタは
ディスク使用時にスキップされる。この処理は、検証さ
れたディスクに対する処理と同様である。
【0127】[書込処理]あるグループのセクタにデー
タ書込を行うときは、一次欠陥リスト(PDL)にリス
トされた欠陥セクタはスキップされる。そして、前述し
たスリッピング交替処理にしたがって、欠陥セクタに書
き込もうとするデータは次に来るデータセクタに書き込
まれる。もし書込対象ブロックが二次欠陥リスト(SD
L)にリストされておれば、そのブロックへ書き込もう
とするデータは、前述したリニア交替処理またはスキッ
ピング交替処理にしたがって、SDLにより指示される
スペアブロックに書き込まれる。
【0128】なお、パーソナルコンピュータの環境下で
は、パーソナルコンピュータファイルの記録時にはリニ
ア交替処理が利用され、AVファイルの記録時にはスキ
ッピング交替処理が利用される。
【0129】[一次欠陥リスト;PDL]一次欠陥リス
ト(PDL)は常に光ディスク10に記録されるもので
あるが、その内容が空であることはあり得る。
【0130】欠陥セクタのリストは、ディスク10の検
証以外の手段によって得ても良い。
【0131】PDLは、初期化時に特定された全ての欠
陥セクタのアドレスを含む。これらのアドレスは、昇順
にリストされる。PDLは必要最小限のセクタ数で記録
するようにする。そして、PDLは最初のセクタの最初
のユーザバイトから開始する。PDLの最終セクタにお
ける全ての未使用バイトは、0FFhにセットされる。
このPDLには、以下のような情報が書き込まれること
になる: バイト位置 PDLの内容 0 00h;PDL識別子 1 01h;PDL識別子 2 PDL内のアドレス数;MSB 3 PDL内のアドレス数;LSB 4 最初の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号;MSB) 5 最初の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号) 6 最初の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号) 7 最初の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号;LSB) ・ ・ x−3 最後の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号;MSB) x−2 最後の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号) x−1 最後の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号) x 最後の欠陥セクタのアドレス(セクタ番号;LSB) *注;第2バイトおよび第3バイトが00hにセットされているときは、第3 バイトはPDLの末尾となる。
【0132】なお、マルチセクタに対する一次欠陥リス
ト(PDL)の場合、欠陥セクタのアドレスリストは、
2番目以降の後続セクタの最初のバイトに続くものとな
る。つまり、PDL識別子およびPDLアドレス数は、
最初のセクタにのみ存在する。
【0133】PDLが空の場合、第2バイトおよび第3
バイトは00hにセットされ、第4バイトないし第20
47バイトはFFhにセットされる。
【0134】また、DDS/PDLブロック内の未使用
セクタには、FFhが書き込まれる。
【0135】[二次欠陥リスト;SDL]二次欠陥リス
ト(SDL)は初期化段階で生成され、サーティフィケ
ーションの後に使用される。全てのディスクには、初期
化中にSDLが記録される。
【0136】このSDLは、欠陥データブロックのアド
レスおよびこの欠陥ブロックと交替するスペアブロック
のアドレスという形で、複数のエントリを含んでいる。
SDL内の各エントリには、8バイト割り当てられてい
る。つまり、その内の4バイトが欠陥ブロックのアドレ
スに割り当てられ、残りの4バイトが交替ブロックのア
ドレスに割り当てられている。
【0137】上記アドレスリストは、欠陥ブロックおよ
びその交替ブロックの最初のアドレスを含む。欠陥ブロ
ックのアドレスは、昇順に付される。
【0138】SDLは必要最小限のセクタ数で記録さ
れ、このSDLは最初のセクタの最初のユーザデータバ
イトから始まる。SDLの最終セクタにおける全ての未
使用バイトは、0FFhにセットされる。その後の情報
は、4つのSDL各々に記録される。
【0139】SDLにリストされた交替ブロックが、後
に欠陥ブロックであると判明したときは、ダイレクトポ
インタ法を用いてSDLに登録を行なう。このダイレク
トポインタ法では、交替ブロックのアドレスを欠陥ブロ
ックのものから新しいものへ変更することによって、交
替された欠陥ブロックが登録されているSDLのエント
リが修正される。その際、SDL内のエントリ数は、劣
化セクタによって変更されることはない。
【0140】このSDLには、以下のような情報が書き
込まれることになる: バイト位置 SDLの内容 0 (00);SDL識別子 1 (02);SDL識別子 2 (00) 3 (01) 4 更新カウンタ;MSB 5 更新カウンタ 6 更新カウンタ 7 更新カウンタ;LSB 8〜26 予備(00h) 27〜29 ゾーン内スペアセクタを全て使い切ったことを示すフラグ 30 SDL内のエントリ数;MSB 31 SDL内のエントリ数;LSB 32 最初の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号;MSB) 33 最初の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号) 34 最初の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号) 35 最初の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号;LSB) 36 最初の交替ブロックのアドレス(セクタ番号;MSB) 37 最初の交替ブロックのアドレス(セクタ番号) 38 最初の交替ブロックのアドレス(セクタ番号) 39 最初の交替ブロックのアドレス(セクタ番号;LSB) ・ ・ y−7 最後の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号;MSB) y−6 最後の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号) y−5 最後の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号) y−4 最後の欠陥ブロックのアドレス(セクタ番号;LSB) y−3 最後の交替ブロックのアドレス(セクタ番号;MSB) y−2 最後の交替ブロックのアドレス(セクタ番号) y−1 最後の交替ブロックのアドレス(セクタ番号) y 最後の交替ブロックのアドレス(セクタ番号;LSB) *注;第30〜第31バイト目の各エントリは8バイト長。
【0141】なお、マルチセクタに対する二次欠陥リス
ト(SDL)の場合、欠陥ブロックおよび交替ブロック
のアドレスリストは、2番目以降の後続セクタの最初の
バイトに続くものとなる。つまり、上記SDLの内容の
第0バイト目〜第31バイト目は、最初のセクタにのみ
存在する。
【0142】また、SDLブロック内の未使用セクタに
は、FFhが書き込まれる。
【0143】図15は、図1の2層光ディスクにおける
ROM層部分の論理セクタの設定方法を説明する図であ
る。ここでは、リードインエリアからリードアウトエリ
アまでの間のボリュームスペースにおいて、レイヤ0の
データエリアの物理セクタ番号PSNおよび論理セクタ
番号LSNを、1:1で対応させている。このROM層
のセクタ構造は1層構造のDVDーROMディスクにも
適用できる。
【0144】図16は、図1の2層光ディスクにおける
ROM層/RAM層の論理セクタの設定方法を説明する
図である。リードインエリアからリードアウトエリアま
での間のボリュームスペースにおいて、物理セクタ番号
PSNの小さな方(ボリュームスペースの前半)にレイ
ヤ0のデータエリア(再生用ROM層)を配置し、物理
セクタ番号PSNの大きな方(ボリュームスペースの後
半)にレイヤ1のデータエリア(記録用RAM層)を配
置している。ここでは、前半のROM層の物理セクタ番
号PSN+後半のRAM層の物理セクタ番号PSNを、
単一のボリュームスペースの論理セクタ番号LSNに対
応させている。
【0145】図17は、図1の2層光ディスクにおける
ROM層/RAM層の論理セクタの他の設定方法を説明
する図である。ボリュームスペースの前半にROM層を
配置し、後半にRAM層を配置している点は図16の場
合と同じであるが、ROM層とRAM層のつなぎ目の物
理的な位置が違っている。
【0146】すなわち、図16ではレイヤ0のROM層
もレイヤ1のRAM層もディスクの内周から外周に向か
って物理セクタ番号PSN増えるようになっている。一
方、図17の場合、レイヤ0のROM層ではディスクの
内周から外周に向かって物理セクタ番号PSN増えるよ
うになっているが、レイヤ1のRAM層ではディスクの
外周から内周に向かって物理セクタ番号PSN増えるよ
うになっている。しかし、ROM層の物理セクタ番号P
SN+RAM層の物理セクタ番号PSNは、単一のボリ
ュームスペースの論理セクタ番号LSNに対応してい
る。
【0147】なお、図15の例は1層構造(レイヤ0)
のディスク1枚の場合を示し、図16および図17の例
では2層構造(レイヤ0とレイヤ1)のディスク1枚の
場合を示している。図示はしないが、3層(レイヤ0〜
レイヤ2)あるいは4層(レイヤ0〜レイヤ3)のディ
スク1枚の全部のレイヤを1つの連続したボリュームス
ペースとすること、すなわち各レイヤの物理セクタ番号
PSNを全て繋ぎ合わせて1つの連続した論理セクタ番
号LSNに対応させることは、当然可能である。
【0148】また、複数のディスクを連続的に扱えるデ
ィスクチェンジャ(あるいはディスクパック)を採用す
る場合は、全てのディスクの各レイヤの物理セクタ番号
PSNをトータルに繋ぎ合わせて1つの連続した論理セ
クタ番号LSNに対応させることもできる。
【0149】このように複数ディスクの複数レイヤの物
理セクタ番号を全て包含するボリュームの論理セクタ番
号LSNはかなり大きな数値になりやすいが、そのアド
レス管理は、32kバイトのECCブロック単位(後述
するAVアドレス単位)を採用することで、無理なく行
うことができる。
【0150】図18は、たとえば図2の光ディスク(と
くにDVD−RAMまたはDVD−RWディスク)10
に記録される情報の階層構造の一例を説明する図であ
る。
【0151】リードインエリア27は、光反射面が凹凸
形状を持つエンボスデータゾーンと、表面が平坦(鏡
面)なミラーゾーンと、情報の書き替えが可能な書替可
能データゾーンとを含んでいる。
【0152】データ記録エリア(ボリュームスペース)
28は、ユーザによる書き替えが可能なボリューム/フ
ァイル管理情報70およびデータエリアDAで構成され
ている。
【0153】リードインエリア27とリードアウトエリ
ア26の間に挟まれたデータエリアDAには、コンピュ
ータデータとAVデータの混在記録が可能になってい
る。コンピュータデータとAVデータの記録順序、各記
録情報サイズは任意で、コンピュータデータが記録され
ている場所をコンピュータデータエリア(DA1、DA
3)と呼びAVデータが記録された領域をAVデータエ
リア(DA2)と名付ける。
【0154】ボリューム/ファイル管理情報70には、
ボリューム全体に関する情報、ボリュームスペース28
に含まれるコンピュータデータ(パーソナルコンピュー
タのデータ)のファイル数およびAVデータに関するフ
ァイル数、記録レイヤ情報などに関する情報が記録され
ている。
【0155】とくに記録レイヤ情報としては、以下のも
のが含まれる: *構成レイヤ数(たとえばROM/RAM2層ディスク
1枚は2レイヤとされ、ROMだけの2層ディスク1枚
も2レイヤとされ、片面1層ディスクn枚はROMでも
RAMでもnレイヤとされる); *各レイヤ毎に割り付けた論理セクタ番号範囲テーブル
(各レイヤ毎の容量を示す); *各レイヤ毎の特性(DVDーRAMディスク、ROM
/RAM2層ディスクのRAM部、DVD−R、CDー
ROM、CDーR等); *各レイヤ毎のRAM領域でのゾーン単位での割り付け
論理セクタ番号範囲テーブル(各レイヤ毎の書替可能領
域容量の情報も含む);および *各レイヤ毎の独自のID情報(多連ディスクパック内
のディスク交換を発見するため)。
【0156】上記内容を含む記録レイヤ情報により、多
連ディスクパックやROM/RAM2層ディスクに対し
ても、連続した論理セクタ番号を設定して1個の大きな
ボリュームスペースとして取り扱えるようになる。
【0157】データエリアDAには、コンピュータデー
タ、ビデオデータ、オーディオデータなどが記録され
る。ボリューム/ファイル管理情報70には、データエ
リアDAに記録されたオーディオ・ビデオデータのファ
イルまたはボリューム全体に関する情報が記録される。
【0158】リードアウトエリア26も、情報書き替え
が可能なように構成されている。
【0159】リードインエリア27のエンボスデータゾ
ーンには、たとえば以下の情報が事前に記録されてい
る: (1)DVD−ROM、DVD−RAM(またはDVD
ーRW)、DVD−R等のディスクタイプ;12cm、
8cm等のディスクサイズ;記録密度;記録開始/記録
終了位置を示す物理セクタ番号、その他の、情報記憶媒
体全体に関する情報; (2)記録パワーと記録パルス幅;消去パワー;再生パ
ワー;記録・消去時の線速度、その他の、記録・再生・
消去特性に関する情報;および (3)製造番号等、個々の情報記憶媒体の製造に関する
情報。
【0160】また、リードインエリア27およびリード
アウトエリア26の書替可能ゾーンは、それぞれ、たと
えば以下の領域を含んでいる: (4)各情報記憶媒体毎の固有ディスク名を記録する領
域; (5)試し記録領域(記録消去条件の確認用);および (6)データエリアDA内の欠陥領域に関する管理情報
を記録する領域。
【0161】上記(4)〜(6)の領域には、DVD記
録装置(DVDビデオレコーダ専用機あるいはパーソナ
ルコンピュータにDVDビデオ処理ボードと処理ソフト
ウエアをインストールしたもの等)による記録が可能と
なっている。
【0162】データエリアDAには、オーディオ・ビデ
オデータDA2とコンピュータデータDA1、DA3が
混在して記録できるようになっている。
【0163】なお、コンピュータデータとオーディオ・
ビデオデータの記録順序および記録情報サイズ等は任意
である。データエリアDAにコンピュータデータだけを
記録することも、オーディオ・ビデオデータだけを記録
することも、可能である。
【0164】オーディオ・ビデオデータエリアDA2
は、制御情報DA21、ビデオオブジェクトDA22、
ピクチャオブジェクトDA23およびオーディオオブジ
ェクトDA24を含んでいる。
【0165】オーディオ・ビデオデータエリアDA2の
最初の位置には、制御情報DA21の記録位置を示す情
報を持ったアンカーポインタAPが存在する。情報記録
再生システムでこのオーディオ・ビデオデータエリアD
A2の情報を利用する場合には、まず最初にアンカーポ
インタAPから制御情報DA21の記録位置を調べ、そ
こにアクセスして制御情報DA21を読み取る。
【0166】ビデオオブジェクトDA22は、記録され
たビデオデータの中身(コンテンツ)の情報を含んでい
る。
【0167】ピクチャオブジェクトDA23は、スチル
画、スライド画、検索・編集時に用いるビデオオブジェ
クトDA22の中身を代表する縮小画像(サムネールピ
クチャ)等の静止画情報を含んでいる。
【0168】オーディオオブジェクトDA24は、記録
されたオーディオデータの中身(コンテンツ)の情報を
含んでいる。
【0169】なお、オーディオ・ビデオデータの再生対
象(コンテンツ)の記録情報は、後述する図19のビデ
オオブジェクトセットVOBSに含まれる。
【0170】制御情報DA21は、AVデータ制御情報
DA210、再生制御情報DA211、記録制御情報D
A212、編集制御情報DA213および縮小画像制御
情報DA214を含んでいる。
【0171】AVデータ制御情報DA210は、ビデオ
オブジェクトDA22内のデータ構造を管理しまた情報
記憶媒体(光ディスク等)10上での記録位置に関する
情報を管理する情報と、制御情報の書替回数を示す情報
CIRWNsを含む。
【0172】再生制御情報DA211は再生時に必要な
情報を含むもので、プログラムチェーンPGCの繋がり
を指定する機能を持つ。具体的には、PGCを統合した
再生シーケンスに関する情報;この情報に関連して情報
記憶媒体10をたとえば1本のテープ(デジタルビデオ
カセットDVCやビデオテープVTR)とみなし「擬似
的記録位置」を示す情報(記録された全てのセルを連続
して再生するシーケンス);異なる映像情報を持つ複数
画面同時再生に関する情報;検索情報(検索カテゴリ毎
に対応するセルIDとそのセル内の開始時刻のテーブル
が記録され、ユーザがカテゴリを選択して該当映像情報
へ直接アクセスすることを可能にする情報)等が、再生
制御情報DA211に含まれる。
【0173】この再生制御情報DA211により、AV
ファイルのファイル名と、ディレクトリ名のパスと、P
GCのIDと、セルIDを指定することができる。
【0174】記録制御情報DA212は、記録(録画お
よび/または録音)時に必要な制御情報(番組予約録画
情報等)を含む。
【0175】編集制御情報DA213は、編集時に必要
な制御情報を含む。たとえば、各PGC単位の特殊編集
情報(該当時間設定情報、特殊編集内容等のEDL情
報)やファイル変換情報(AVファイル内の特定部分を
図23のAVIファイル等に変換し変換後のファイル格
納位置を指定する情報等)を含むことができる。
【0176】縮小画像制御情報DA214は、ビデオデ
ータ内の見たい場所の検索用または編集用の縮小画像
(サムネールピクチャ;Thumbnail Picture)に関する
管理情報および縮小画像データを含んでいる。
【0177】縮小画像制御情報DA214は、ピクチャ
アドレステーブルおよび縮小画像データ等を含むことが
できる。縮小画像制御情報DA214はまた、ピクチャ
アドレステーブルおよび縮小画像データの下層情報とし
て、メニューインデックス情報、インデックスピクチャ
情報、スライドおよびスチルピクチャ情報、インフォメ
ーションピクチャ情報、欠陥エリア情報および壁紙ピク
チャ情報等を含むことができる(図示せず)。
【0178】AVデータ制御情報DA210は、アロケ
ーションマップテーブルAMTと、プログラムチェーン
制御情報PGCCIと、セル時間制御情報CTCIを含
む。
【0179】アロケーションマップテーブルAMTは、
情報記憶媒体(光ディスク10等)上の実際のデータ配
置に沿ったアドレス設定、既記録・未記録エリアの識別
等に関する情報を含む。図18の例では、このアロケー
ションマップテーブルAMTは、ユーザエリアアロケー
ション記述子UAD、スペアエリアアロケーション記述
子SADおよびアドレス変換テーブルACTを含んでい
る(アロケーションマップAMTの別の例は図65を参
照)。
【0180】プログラムチェーン制御情報PGCCI
は、ビデオ再生プログラム(シーケンス)に関する情報
を含む。
【0181】また、セル時間制御情報CTCIは、ビデ
オ情報の基本単位(セル)のデータ構造に関する情報を
含む。このセル時間制御情報CTCIは、セル時間制御
一般情報CTCGIと、セル時間検索情報CTSIと、
m個のセル時間検索情報CTI#1〜CTI#mを含
む。
【0182】セル時間制御一般情報CTCGIは、個々
のセルに関する情報を含む。セル時間検索情報CTSI
は、特定のセルIDが指定された場合それに対応するセ
ル時間情報の記載位置(AVアドレス)を示すマップ情
報である。
【0183】各セル時間検索情報(CTI#m)は、セ
ル時間一般情報CTGI#mと、セルVOBUテーブル
CVT#mで構成される。このセル時間検索情報(CT
I#m)の詳細については、図26を参照して後述す
る。
【0184】図18の概要は上記のようになるが、以下
に個々の情報に対しての補足説明をまとめる。
【0185】<1>ボリューム/ファイル管理情報70
には、以下の情報が含まれる: ボリュームスペース28全体に関する情報; ボリュームスペース28に含まれるコンピュータデータ
(DA1、DA3)のファイル数およびオーディオ・ビ
デオデータ(AVデータDA2)に関するファイル数; 情報記憶媒体(DVDーRAMディスク、DVDーRO
MディスクあるいはDVDーROM/RAM多層ディス
ク)の記録レイヤ情報;その他。
【0186】ここで、上記記録レイヤ情報としては、 構成レイヤ数(例:RAM/ROM2層ディスク1枚は
2レイヤ、ROM2層ディスク1枚も2レイヤ、片面デ
ィスクn枚はnレイヤとしてカウント); 各レイヤ毎に割り付けた論理セクタ番号範囲テーブル
(各レイヤ毎の容量に対応); 各レイヤ毎の特性(例:DVD−RAMディスク、RA
M/ROM2層ディスクのRAM部、CD−ROM、C
D−R など) 各レイヤ毎のRAM領域でのゾーン単位での割付け論理
セクタ番号範囲テーブル(各レイヤ毎の書替可能領域容
量情報も含む); 各レイヤ毎の独自のID情報(たとえば多連ディスクパ
ック内のディスク交換を発見するため);その他が記録
され、多連ディスクパックやRAM/ROM2層ディス
クに対しても連続した論理セクタ番号を設定して1個の
大きなボリュームスペースとして扱えるようになってい
る。
【0187】<2>再生制御情報DA211には、 PGCを統合した再生シーケンスに関する情報;上記P
GCを統合した再生シーケンスに関連して、情報記憶媒
体10をビデオテープレコーダVTRやデジタルビデオ
カセットDVCのように一本のテープと見なした「擬似
的記録位置を示す情報」(記録された全てのセルを連続
して再生するシーケンス);異なる映像情報を持つ複数
画面同時再生に関する情報; 検索情報(検索カテゴリー毎に対応するセルIDとその
セル内の開始時刻のテーブルが記録され、ユーザがカテ
ゴリーを選択して該当映像情報への直接アクセスを可能
にする情報);などが記録されている。
【0188】<3>記録制御情報DA212には、 番組予約録画情報; などが記録されている。
【0189】<4>編集制御情報DA213には、 各PGC単位の特殊編集情報(該当時間設定情報と特殊
編集内容が編集ライブラリ(EDL)情報として記載さ
れているもの); ファイル変換情報(AVファイル内の特定部分を、AV
IファイルなどPC上で特殊編集を行えるファイルに変
換し、変換後のファイルを格納する場所を指定する情
報);などが記録されている。
【0190】図19は、図18の情報階層構造において
ビデオオブジェクトのセル構成とプログラムチェーンP
GCとの対応例を例示する図である。この情報階層構造
において、ビデオオブジェクトDA22はビデオオブジ
ェクトセットVOBSにより構成される。このVOBS
は各々が異なる方法でセル再生順序を指定した1以上の
プログラムチェーンPGC#1〜#kに対応した内容を
持つ。
【0191】ビデオオブジェクトセット(VOBS)
は、1以上のビデオオブジェクト(VOB)の集合とし
て定義されている。ビデオオブジェクトセットVOBS
中のビデオオブジェクトVOBは同一用途に用いられ
る。
【0192】たとえばメニュー用のVOBSは、通常、
1つのVOBで構成され、そこには複数のメニュー画面
表示用データが格納される。これに対して、タイトルセ
ット用のVOBSは、通常、複数のVOBで構成され
る。
【0193】ここで、タイトルセット用ビデオオブジェ
クトセット(VTSTT_VOBS)を構成するVOB
は、あるロックバンドのコンサートビデオを例にとれ
ば、そのバンドの演奏の映像データに相当すると考える
ことができる。この場合、VOBを指定することによっ
て、そのバンドのコンサート演奏曲目のたとえば3曲目
を再生することができる。
【0194】また、メニュー用ビデオオブジェクトセッ
トVTSM_VOBSを構成するVOBには、そのバン
ドのコンサート演奏曲目全曲のメニューデータが格納さ
れ、そのメニューの表示にしたがって、特定の曲、たと
えばアンコール演奏曲目を再生することができる。
【0195】なお、通常のビデオプログラムでは、1つ
のVOBで1つのVOBSを構成することができる。こ
の場合、1本のビデオストリームが1つのVOBで完結
することとなる。
【0196】一方、たとえば複数ストーリのアニメーシ
ョン集あるいはオムニバス形式の映画では、1つのVO
BS中に各ストーリに対応して複数のビデオストリーム
(複数のプログラムチェーンPGC)を設けることがで
きる。この場合は、各ビデオストリームが対応するVO
Bに格納されることになる。その際、各ビデオストリー
ムに関連したオーディオストリームおよび副映像ストリ
ームも各VOB中で完結する。
【0197】VOBには、識別番号(VOB_IDN#
i;i=0〜i)が付され、この識別番号によってその
VOBを特定することができる。VOBは、1または複
数のセルから構成される。通常のビデオストリームは複
数のセルで構成されるが、メニュー用のビデオストリー
ムは1つのセルで構成される場合もある。各セルには、
VOBの場合と同様に識別番号(C_IDN#j)が付
されている。
【0198】図20は、図2の光ディスクのリードイン
エリアに記録される情報(表現方法は違うが図6のリー
ドインデータ部分に対応)の論理構造を説明する図であ
る。
【0199】ディスク10が図示しないDVDビデオレ
コーダ(または図示しないDVビデオプレーヤ)にセッ
トされると、まずリードインエリア27の情報が読み取
られる。このリードインエリア27には、セクタ番号の
昇順に沿って、所定のリファレンスコードおよび制御デ
ータが記録されている。
【0200】リードインエリア27のリファレンスコー
ドは、所定のパターン(特定のシンボル“172”の反
復パターン)を含み、2つのエラー訂正コードブロック
(ECCブロック)で構成されている。各ECCブロッ
クは16セクタで構成される。この2つのECCブロッ
ク(32セクタ)は、スクランブルデータを付加して生
成されるようになっている。スクランブルデータが付加
されたリファレンスコードを再生したときに、特定のデ
ータシンボル(“172”)が再生されるよう再生側の
フィルタ操作等を行って、その後のデータ読み取り精度
を確保するようにしている。
【0201】リードインエリア27の制御データは、1
92個のECCブロックで構成されている。この制御デ
ータの部分には、各ブロック内の16セクタの内容が、
192回繰り返し記録されている。
【0202】図21は、図20のリードインエリアに記
録される制御データの内容の一例を説明する図である。
16セクタで構成されるこの制御データは、最初の1セ
クタ(2048バイト)に物理フォーマット情報を含
み、その後にディスク製造情報およびコンテンツプロバ
イダ情報を含んでいる。
【0203】図22は、図21の制御データに含まれる
2048バイトの物理フォーマット情報(表現方法は違
うが図6の制御データゾーン部分に対応)の内容の一例
を説明する図である。
【0204】最初のバイト位置「0」には、記録情報が
DVD規格のどのバージョンに準拠しているのかを示す
「ブックタイプ&パートバージョン」が記載される。
【0205】2番目のバイト位置「1」には、記録媒体
(光ディスク10)のサイズ(12cm、8cm、その
他)および最小読出レートが記載される。読出専用DV
Dビデオの場合、最小読出レートとしては、2.52M
bps、5.04Mbpsおよび10.08Mbpsが
規定されているが、それ以外の最小読出レートもリザー
ブされている。たとえば、可変ビットレート記録が可能
なDVDビデオレコーダにより2Mbpsの平均ビット
レートで録画が行われた場合、上記リザーブ部分を利用
することにより、最小読出レートを、1.5〜1.8M
bpsに設定することができる。
【0206】3番目のバイト位置「2」には、記録媒体
(光ディスク10)のディスク構造(記録層の数、トラ
ックピッチ、記録層のタイプなど)が記載される。この
記録層のタイプにより、そのディスク10が、何層構造
のDVDーROMなのかDVDーRなのかDVDーRA
M(またはDVDーRW)なのかを識別することができ
る。
【0207】4番目のバイト位置「3」には、記録媒体
(光ディスク10)の記録密度(リニア密度およびトラ
ック密度)が記載される。リニア密度は、1ビット当た
りの記録長(0.267μm/ビットあるいは0.29
3μm/ビットなど)を示す。また、トラック密度は、
隣接トラック間隔(0.74μm/トラックあるいは
0.80μm/トラックなど)を示す。DVDーRAM
あるいはDVD−Rのリニア密度およびトラック密度と
して、別の数値が指定できるように、4番目のバイト位
置「3」には、リザーブ部分も設けられている。
【0208】5番目のバイト位置「4〜15」には、記
録媒体(光ディスク10)のデータエリア28の開始セ
クタ番号および終了セクタ番号等が記載される。
【0209】6番目のバイト位置「16」には、バース
トカッティングエリア(BCA)記述子が記載される。
このBCAはDVDーROMディスクだけにオプション
で適用されるもので、ディスク製造プロセス終了後の記
録情報を格納するエリアである。
【0210】7番目のバイト位置「17〜20」には、
記録媒体(光ディスク10)の空き容量が記述される。
たとえばディスク10が片面1層記録のDVDーRAM
ディスクである場合、ディスク10のこの位置には、
2.6Gバイト(またはこのバイト数に対応したセクタ
数)を示す情報が記載される。ディスク10が両面記録
DVDーRAMディスクである場合は、この位置に、
5.2Gバイト(またはこのバイト数に対応したセクタ
数)を示す情報が記載される。
【0211】8番目のバイト位置「21〜31」および
9番目のバイト位置「32〜2047」は、別目的に利
用できるようリザーブされている。
【0212】図23は、図2の光ディスク等に記録され
る情報(データファイル)のディレクトリ構造の一例を
説明する図である。
【0213】コンピュータの汎用オペレーティングシス
テムが採用している階層ファイル構造と同様に、ルート
ディレクトリの下に、ビデオタイトルセットVTSのサ
ブディレクトリと、オーディオタイトルセットATSの
サブディレクトリと、オーディオ・ビデオ情報AVIの
サブディレクトリと、ビデオRAMファイルのサブディ
レクトリが繋がっている。
【0214】そして、ビデオタイトルセットVTSのサ
ブディレクトリ中に、種々なビデオファイル(VMG
I、VMGM、VTSI、VTSM、VTS等のファイ
ル)が配置されて、各ファイルが整然と管理されるよう
になっている。特定のファイル(たとえば特定のVT
S)は、ルートディレクトリからそのファイルまでのパ
スを指定することで、アクセスできる。
【0215】パーソナルコンピュータにDVD処理ボー
ドと処理ソフトウエアをインストールしたシステムで
は、パーソナルコンピュータで扱うビデオファイルをA
VIディレクトリに格納することができ、管理情報を含
むAVファイルをビデオRAMディレクトリに格納する
ことができる。
【0216】このようなパーソナルコンピュータシステ
ムにおいて、AVファイル内のPGC列(図19のPG
C#1〜PGC#kのようなもの)をDVDビデオのフ
ォーマットに変換し、それをビデオタイトルセットVT
Sディレクトリ内のVTSファイルに保存することもで
きる。
【0217】AVIディレクトリおよびビデオRAMデ
ィレクトリ内のデータ(ファイル)へのアクセス方法
は、パーソナルコンピュータでの通常ファイル(デー
タ)に対するアクセス方法と同様に行なうことができ
る。一般的にはルートディレクトリから目的のファイル
(データ)までのパスを指定することでアクセスされる
が、ハイパーテキスト構造を採用したシステムソフトウ
エアがインストールされたパーソナルコンピュータで
は、たとえばAVIディレクトリ内からビデオRAMデ
ィレクトリ内のデータに直接アクセスすることも可能で
ある。あるいは、ビデオRAMディレクトリからビデオ
タイトルセットVTSにアクセスすることも可能であ
る。これにより、ROM/RAM2層ディスク10を用
いてRAM層に録画をしている際にROM層内のDVD
ビデオのセルをRAM層への録画にインサートすること
も可能になる。
【0218】図1または図2に示すようなDVDーRA
Mディスク(またはDVDーRディスク)10は、図2
3のディレクトリ構造を持つようにプリフォーマットし
ておき、このプリフォーマット済みディスク10をDV
Dビデオ録画用の未使用ディスク(生ディスク)として
市販することができる。
【0219】たとえば、プリフォーマットされた生ディ
スク10のルートディレクトリは、ビデオタイトルセッ
トまたはオーディオ・ビデオデータというサブディレク
トリを含むことができる。このサブディレクトリは、所
定のメニュー情報を格納するためのメニューデータファ
イル(VMGM、VTSMまたは縮小画像制御情報DA
214等)をさらに含むことができる。
【0220】あるいは、ディスク10がROM/RAM
2層ディスクの場合は、図23のディレクトリ構造を持
つシステムソフトウエアおよび必要なアプリケーション
ソフトウエアをROM層に予めエンボス記録しておき、
ユーザがディスクを使用するときに、ROM層のシステ
ムソフトウエアの必要部分をRAM層にコピーしてその
ディスク10を使用するようにもできる。
【0221】あるいは、図23のディレクトリ構造を図
18のボリューム/ファイル管理情報70に予め記録し
ておくこともできる。そして、RAM層の初期化時にボ
リューム/ファイル管理情報70のディレクトリ構造情
報をRAM層にコピーして利用することができる。
【0222】図24は、図19のビデオオブジェクトD
A22に含まれる情報の階層構造を例示する図である。
【0223】図24に示すように、ビデオオブジェクト
DA22を構成する各セル(たとえばセル#m)は1以
上のビデオオブジェクトユニット(VOBU)により構
成される。そして、各ビデオオブジェクトユニットは、
ビデオパック、副映像パック、オーディオパックおよび
ダミーパックの集合体(パック列)として構成されてい
る。
【0224】これらのパックは、いずれも2048バイ
トのサイズを持ち、データ転送処理を行う際の最小単位
となる。また、論理上の処理を行う最小単位はセル単位
であり、論理上の処理はこのセル単位で行わる。
【0225】上記ビデオオブジェクトユニットVOBU
の再生時間は、ビデオオブジェクトユニットVOBU中
に含まれる1以上の映像グループ(グループオブピクチ
ャ;略してGOP)で構成されるビデオデータの再生時
間に相当し、その再生時間は0.4秒〜1.2秒の範囲
内に定められる。1GOPは、MPEG規格では通常約
0.5秒であって、その間に15枚程度のフレーム画像
を再生するように圧縮された画面データである。
【0226】ビデオオブジェクトユニットVOBUがビ
デオデータを含む場合には、ビデオパック、副映像パッ
ク、オーディオパック等から構成されるGOP(MPE
G規格準拠)が配列されてビデオデータストリームが構
成される。しかし、このGOPの数とは無関係に、GO
Pの再生時間を基準にしてビデオオブジェクトユニット
VOBUが定められる。
【0227】なお、ビデオを含まないオーディオおよび
/または副映像データのみの再生データであっても、ビ
デオオブジェクトユニットVOBUを1単位として再生
データが構成される。たとえば、オーディオパックのみ
でビデオオブジェクトユニットVOBUが構成されいる
場合、ビデオデータのビデオオブジェクトの場合と同様
に、そのオーディオデータが属するビデオオブジェクト
ユニットVOBUの再生時間内に再生されるべきオーデ
ィオパックが、そのビデオオブジェクトユニットVOB
Uに格納される。
【0228】各ビデオオブジェクトユニットVOBUを
構成するパックは、ダミーパックを除き、同様なデータ
構造を持っている。オーディオパックを例にとると、図
24に例示するように、その先頭にパックヘッダが配置
され、次にパケットヘッダが配置され、その次にサブス
トリームIDが配置され、最後にオーディオデータが配
置される。このようなパック構成において、パケットヘ
ッダには、パケット内の最初のフレームの先頭時間を示
すプレゼンテーションタイムスタンプPTSの情報が書
き込まれている。
【0229】ところで、図24に示すような構造のビデ
オオブジェクトDA22を含むビデオタイトルセットV
TS(またはビデオプログラム)を光ディスク10に記
録できるDVDビデオレコーダでは、このVTSの記録
後に記録内容を編集したい場合が生じる。この要求に答
えるため、各VOBU内に、ダミーパックを適宜挿入で
きるようになっている。このダミーパックは、後に編集
用データを記録する場合などに利用できる。
【0230】図24に示した各セル#1〜セル#mに関
する情報は、図18のセル時間制御情報CTCI内に記
録されており、その中味は、図18に示したようにセル
時間情報CTI#1〜CTI#m(各セル個々に関する
情報);セル時間検索情報CTSI(特定のセルIDが
指定された場合、それに対応するセル時間情報の記載位
置(AVアドレス)を示すマップ情報);およびセル時
間制御一般情報CTCGI(セル情報全体に関する情
報)となっている。
【0231】また、各セル時間情報(たとえばCTI#
m)は、それぞれ、セル時間一般情報(CTGI#m)
およびセルVOBUテーブル(CVT#m)を含んでい
る。
【0232】次に、ビデオオブジェクトDA22内のデ
ータ構造の説明を行う。
【0233】映像情報の最小基本単位をセルと呼ぶ。ビ
デオオブジェクトDA22内のデータは図24に示すよ
うに1以上のセル#1〜#mの集合体として構成され
る。
【0234】ビデオオブジェクトDA22での映像情報
圧縮技術としてはMPEG2(あるいはMPEG1)を
利用している場合が多い。MPEGでは、映像情報をお
よそ0.5秒刻みでGOPと呼ばれるグループに分け、
このGOP単位で映像情報の圧縮を行っている。このG
OPとほぼ同じサイズでGOPに同期してビデオオブジ
ェクトユニットVOBUという映像情報圧縮単位を形成
している。
【0235】この発明では、このVOBUサイズをEC
Cブロックサイズ(32kバイト)の整数倍に合わせて
いる(この発明の重要な特徴の1つ)。
【0236】さらに、各VOBUは2048バイト単位
のパックに分けられ、それぞれのパック毎に、生の映像
情報(ビデオデータ)、音声情報(オーディオデー
タ)、副映像情報(字幕データ・メニューデータ等)、
ダミー情報等が記録される。それらが、ビデオパック、
オーディオパック、副映像パックおよびダミーパックの
形で記録されている。
【0237】ここで、ダミーパックは、録画後に追加記
録する情報の事後追加用(アフターレコーディング情報
をオーディオパックの中に入れてダミーパックと交換す
るメモ情報を、副映像情報として副映像パック内に挿入
してダミーパックと交換する等);VOBUのサイズを
ECCブロックサイズ(32kバイト)の整数倍にぴた
り合わせるため、32kバイトの整数倍から不足するサ
イズを補う;などの使用目的で各VOBU内に挿入され
ている。
【0238】各パック内には、オブジェクトデータ(オ
ーディオパックならオーディオデータ)の前方に、パッ
クヘッダ、パケットヘッダ(およびサブストリームI
D)が、この順で配置されている。
【0239】DVDビデオ規格では、オーディオパック
および副映像パックが、パケットヘッダとオブジェクト
データとの間にサブストリームIDを含んでいる。
【0240】また、パケットヘッダ内には、時間管理用
のタイムコードが記録されている。オーディオパケット
を例にとれば、このタイムコードとして、そのパケット
内での最初のオーディオフレームの先頭時間が記録され
ているPTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)情
報が、図24に示すような形で挿入されている。
【0241】図25は、図24のダミーパックの内容
(ダミーパック1パック分)の構造を示す。すなわち、
1パックのダミーパック89は、パックヘッダ891
と、所定のストリームIDを持つパケットヘッダ892
と、所定のコード(無効データ)で埋められたパディン
グデータ893とで、構成されている。(パケットヘッ
ダ892およびパティングデータ893はパティングパ
ケット890を構成している。)未使用ダミーパックの
パディングデータ893の内容は、特に意味を持たな
い。
【0242】このダミーパック89は、図2のディスク
10に所定の録画がなされたあと、この録画内容を編集
する場合に、適宜利用することができる。また、ユーザ
メニューに利用される縮小画像データを格納することに
も、ダミーパック89を用いることができる。さらに
は、AVデータDA2内の各VOBUを32kバイトの
整数倍に一致させる(32kバイトアライン)目的に
も、ダミーパック89を用いることができる。
【0243】たとえば、ポータブルビデオカメラで家族
旅行を録画したビデオテープをDVDーRAM(または
DVD−RW)ディスク10に録画し編集する場合を考
えてみる。
【0244】この場合、まず1枚のディスクにまとめた
いビデオシーンだけを選択的にディスク10に録画す
る。このビデオシーンは図24のビデオパックに記録さ
れる。また、ビデオカメラで同時録音された音声は、オ
ーディオパックに記録される。
【0245】これらのビデオパック、オーディオパック
等を含むVOBUは、必要に応じて、その先頭にDVD
ビデオで採用されているナビゲーションパック(図示せ
ず)を持たせることができる(通常は、図24に示すよ
うに、DVDビデオRAMではナビゲーションパックは
使用しない)。このナビゲーションパックは、再生制御
情報PCIおよびデータ検索情報DSIを含んでいる。
このPCIあるいはDSIを利用して、各VOBUの再
生手順を制御できる(たとえば飛び飛びのシーンを自動
的に繋いだり、マルチアングルシーンを記録することが
できる)。
【0246】あるいは、DVDビデオ規格のナビゲーシ
ョンパック程複雑な内容を持たせずに、単にVOBU単
位の同期情報を持たせた同期ナビゲーションパック(S
NV_PCK;図示せず)を持たせることもできる。
【0247】ビデオテープからDVDーRAMディスク
10に編集録画したあと、各シーンにVOBU単位で音
声・効果音等をアフターレコーディングする場合あるい
はバックグラウンドミュージックBGMを追加する場合
に、アフターレコーディング音声またはBGMをダミー
パック89に記録できる。また、録画内容の解説を追加
する場合には、追加の文字、図形等の副映像をダミーパ
ック89に記録できる。さらに追加のビデオ映像をイン
サートしたい場合には、そのインサートビデオをダミー
パック89記録することもできる。
【0248】上述したアフターレコーディング音声等
は、オーディオパックとして利用するダミーパック89
のパディングデータ893に書き込まれる。また、上記
追加の解説等は、副映像パックとして利用するダミーパ
ック89のパディングデータ893に書き込まれる。同
様に、上記インサートビデオは、ビデオパックとして利
用するダミーパック89のパディングデータ893に書
き込まれる。
【0249】さらに、録画・編集後の各パック列を含む
各VOBUのサイズがECCブロックサイズ(32kバ
イト)の整数倍にならない場合に、このVOBUサイズ
が32kバイトの整数倍になるような無効データをパデ
ィングデータ893として含むダミーパック89を、各
VOBU中に挿入することもできる。
【0250】このように各VOBUがECCブロックの
整数倍になるようなダミーパック(パディングパック)
を録画・編集後の各VOBUに適宜挿入することによ
り、全てのVOBUを、常にECCブロック単位で書き
替えることができるようになる。あるいは、ディスク1
0のRAM層に欠陥が生じた場合にその欠陥部分だけを
ECCブロック単位で交替処理できるようになる。さら
には、ECCブロック単位をAVアドレス単位として各
VOBUを容易にアドレス変換できるようになる。
【0251】つまり、ダミーパック89は、使用目的に
よってオーディオパックにも副映像パックにもビデオパ
ックにもパディングパックもなり得る、ワイルドカード
のようなパックである。
【0252】図26は、図18のセル時間情報CTIの
内部構造を説明する図である。
【0253】図18の説明でも触れたが、各セル時間検
索情報(CTI#m)はセル時間一般情報CTGI#m
とセルVOBUテーブルCVT#mで構成されている。
【0254】セル時間一般情報は、図26の上半分に図
示するように、(1)セルデータ一般情報と、(2)タ
イムコードテーブルと、(3)後天的欠陥情報と、
(4)セルビデオ情報と、(5)セルオーディオ情報
と、(6)セル副映像情報とを含んでいる。
【0255】(1)のセルデータ一般情報は、セルID
と、そのセルの合計時間長と、セルデータ集合体の数
と、セルデータ集合体記述子と、セル時間物理サイズ
と、そのセルの構成VOBU数の情報を含んでいる。
【0256】ここで、セルIDは各セル毎の独自のID
である。合計時間長はそのセル内の再生に要する全所要
時間を示す。
【0257】セルデータ集合体数は、そのセル内でのセ
ルデータ集合体記述子の数を示す。
【0258】セルデータ集合体記述子については、図3
3を参照して後述する。
【0259】セル時間物理サイズは、先天的欠陥場所も
含めたセルが記録された情報記憶媒体上の記録位置サイ
ズを示す。このセル時間物理サイズと合計時間長の情報
を組み合わせることにより、そのセル内での先天的欠陥
領域の大きさが分かり、実質的な転送レートの予想をす
ることができる。このセル時間物理サイズは、連続再生
を保証できるセルの記録位置候補を定めるときに利用で
きる。
【0260】構成VOBU数は、そのセルを構成するV
OBUの数を示す。
【0261】(2)のタイムコードテーブルは、そのセ
ルを構成するVOBUのピクチャ番号#1〜#nと、そ
のセルを構成するVOBUのECCブロック番号#1〜
#nを含んでいる。
【0262】このテーブルのタイムコードは、該当セル
内のVOBU毎のピクチャ数(ビデオフレーム数;1バ
イトで表現)と、上記セルデータ集合体記述子で示され
る媒体上の記録位置でのVOBU毎の使用ECCブロッ
ク数(1バイト表現)との組で表記される。この表記方
法を採用することにより、(NTSCでいえば毎秒30
枚あるフレーム毎にタイムコードを付す場合に比べて)
タイムコードを非常に少ない情報量で記録することが可
能になる。
【0263】このタイムコードを用いたアクセス方法に
ついては、図36を参照して後述する。
【0264】(3)の後天的欠陥情報は、そのセル中で
の後天的欠陥の数と後天的欠陥のアドレスの情報を含ん
でいる。
【0265】後天的欠陥の数は、そのセル内で後天的欠
陥(図28参照)が発生したECCブロック数を示す。
また、後天的欠陥アドレスは、後天的欠陥の存在位置を
ECCブロック毎にAVアドレス値で示したものであ
る。セル再生時に欠陥が発生すると(つまりECCのエ
ラー訂正に失敗すると)、その都度、欠陥ECCブロッ
クのAVアドレスが、後天的欠陥アドレスに逐次登録さ
れる。
【0266】(4)のセルビデオ情報は、そのセルのビ
デオ情報の種類(NTSCかPALか等)、圧縮方式
(MPEG2かMPEG1かモーションJPEGか
等)、ストリームIDおよびサブストリームID(主画
面か副画面か;複数画面同時記録・再生時に利用)、最
大転送レートなどの情報を含んでいる。
【0267】(5)のセルオーディオ情報は、オーディ
オ信号の種類(リニアPCMかMPEG1かMPEG2
かドルビーAC−3か等)、標本化周波数(48kHz
か96kHzか)、量子化ビット数(16ビットか20
ビットか24ビット)などの情報を含んでいる。
【0268】(6)のセル副映像情報は、各セル内の副
映像ストリームの数およびその記録場所を示す情報を含
んでいる。
【0269】一方、セルVOBUテーブルは、図26の
下半分に図示するように、そのセルを構成するVOBU
情報#1〜#nを含んでいる。各VOBU情報は、VO
BU一般情報と、ダミーパック情報と、オーディオ同期
情報を含んでいる。
【0270】図26において、セル時間情報(CTI#
m)内の個々の情報内容を改めてまとめると、以下のよ
うになる: (1)セルデータ一般情報(個々のセルに関する一般的
情報で、以下の内容を含む); (1.1)セルID(各セル毎の独自の識別子) (1.2)合計時間長(セル内の再生に要する全所用時
間) (1.3)セルデータ集合体数(セル内でのセルデータ
集合体記述子数 (1.4)セルデータ集合体記述子(記述例は図33を
参照して後述) (1.5)セル時間物理サイズ(先天的欠陥場所も含め
たセルが記録された情報記憶媒体上の記録位置サイズを
示す。前述の「合計時間長」と組み合わせることにより
セル内での先天的欠陥領域の大きさがわかり、実質的な
転送レ−トの予想が付く。この情報は、別項で説明する
「連続再生を保証できるセルの記録位置候補を定める」
時に利用する。) (1.6)構成VOBUの数(セルを構成するVOBU
数) (2)タイムコードテーブル(詳細は後述); (3)後天的欠陥情報(セル内に検出された後天的欠陥
情報で、以下の内容を含む); (3.1)後天的欠陥数(セル内で後天的欠陥が発生し
たECCブロックの数) (3.2)後天的欠陥アドレス(図28に示す後天的欠
陥の存在位置をECCブロック毎にAVアドレス値で示
す。セルの再生時に欠陥が発生する毎に逐次登録して行
く。) (4)セルビデオ情報(以下の内容を含む); (4.1)映像信号種類(NTSCか、PALか) (4.2)圧縮方式(MPEG2か、MPEG1か、モ
ーションJPEGか) (4.3)ストリームIDおよびサブストリームIDの
情報(主画面か副画面か→複数画面同時記録・再生用) (4.4)最大転送レート (5)セルオーディオ情報(以下内容を含む); (5.1)信号種類(リニアPCMか、MPEG1か、
MPEG2か、ドルビーAC−3か) (5.2)標本化周波数 (5.3)量子化ビット数 (6)セル副映像情報(各セル内の副映像情報のストリ
ーム数やその記録場所を示す。) 上記「タイムコードテーブル」は、図26の上方に示す
ように、セル内のVOBU毎のピクチャ数(フレーム
数:1バイト表現)#1〜#nと、前記「セルデータ集
合体記述子」に示されるところの情報記憶媒体上記録位
置でのVOBU毎の使用ECCブロック数(1バイト表
現)#1〜#nの組で表わされている。
【0271】この表記方法を用いることにより、タイム
コードを非常に少ない情報量で記録することができる。
以下にこのタイムコードを用いたアクセス方法に付いて
説明する(図36の中身については別項で説明する)。
【0272】1.図36の録画再生アプリケーションか
らアクセスしたいセルIDとその時間が指定される; 2.図36の映像管理レイヤはこの指定された時間から
対応するピックチャー(ビデオフレーム)のセル開始位
置からのピクチャ番号(フレーム番号)を割り出す; 3.図36の映像管理レイヤは図26に示したセル先頭
からのVOBU毎のピクチャ数(フレーム数)を順次累
計計算し、図36の録画再生アプリケーションが指定し
たピクチャ(フレーム)が先頭から何番目のVOBU内
の更に何番目のピクチャ(フレーム)に該当するかを割
り出す; 4.図26のセルデータ集合体記述子と図18のアロケ
ーションマップテーブルAMTからセル内の全データの
情報記憶媒体上の記録位置を割り出す; 5.上記「3.」で割り出したVOBU番号(#n)ま
で図26のVOBU(#n)のECCブロック数(#1
〜#n)の値を加算し、該当するVOBU先頭位置での
AVアドレスを調べる; 6.上記「5.」の結果に基づき直接該当するVOBU
先頭位置へアクセスし、上記「3.」で求めた所定のピ
クチャ(フレーム)に到達するまでトレースする; 7.この時、アクセス先のVOBU内のIピクチャ記録
最終位置情報が必要な場合には、図27のIピクチャ終
了位置の情報を利用する。
【0273】図27は、図26のセルVOBUテーブル
(VOBU情報)の内部構造を説明する図である。
【0274】オーディオ情報に関する時間管理情報(P
TS)は、図24に示すように、パケットヘッダの中に
記録されている。しかし記録位置が管理階層の深い所に
記録されているため、この情報を取り出すためにはオー
ディオパックの情報を直接再生する必要があり、セル単
位での映像情報の編集時には非常に時間がかかる。
【0275】この「セル単位編集時に時間がかかる」と
いう問題に対処するために、図18のAVデータ制御情
報DA210内に、オーディオ情報に対する同期情報を
持たせている。この同期情報が、図27のオーディオ同
期情報である。
【0276】図27において、VOBU情報は、MPE
Gエンコードされた映像情報のIピクチャの終了位置を
示すもので、Iピクチャの最終位置のVOBUの先頭位
置からの差分アドレスで表現される(1バイト)。
【0277】ダミーパック情報は、各VOBU内に挿入
されたダミーパック(図25)の数を示すダミーパック
数(1バイト)と、そのVOBUの先頭からダミーパッ
ク挿入位置までの差分アドレス(2バイト)および個々
のダミーパック数(2バイト)を含むダミーパック分布
(ダミーパックの番号X2バイト)とで表現される。
【0278】オーディオ同期情報は、オーディオストリ
ームのチャネル数を示すオーディオストリームチャネル
番号(1バイト)と、Iピクチャ開始時刻と同時刻のオ
ーディオパックが含まれるECCブロックのVOBU先
頭からの差分アドレス値を示すIピクチャオーディオ位
置#1、#2、…(各1バイト;最上位ビットで同時刻
オーディオパックが含まれる位置の方向を指定…“0”
で後方、“1”で前方)と、ECCブロック内において
Iピクチャ開始時刻と同時刻のオーディオサンプル位置
のサンプル番号を全オーディオパックの連番で係数表示
したIピクチャ開始オーディオサンプル番号#1、#
2、…(各2バイト)と、オーディオストリームとビデ
オストリームとの間の同期情報の有無を示すオーディオ
同期情報フラグ#1、#2、…(各1バイト)と、この
オーディオ同期情報フラグが「同期情報有」を示すとき
だけに各オーディオ同期情報フラグに付加されるもので
対応VOBUに含まれるオーディオサンプル数を示すオ
ーディオ同期データ(2バイト)とで表現される。
【0279】図27のIピクチャ開始のオーディオ位置
#1、#2、…により、Iピクチャ開始時刻と同時刻の
オーディオパックが含まれるECCブロックの、該当V
OBUの先頭からの差分アドレス値が示される。
【0280】さらに、図27のIピクチャ開始オーディ
オサンプル番号#1、#2、…により、Iピクチャ開始
時刻と同時刻のオーディオサンプル位置の上記ECCブ
ロック内サンプル番号が、全オーディオパックの連番で
計数表示される。
【0281】たとえばビデオ編集時にセル内のAV情報
が分割される場合において、そのセル内のVOBUが更
に2分割されてそれぞれ分割された情報が再エンコード
される場合、図27の上記情報(Iピクチャ開始のオー
ディオ位置#1とIピクチャ開始オーディオサンプル番
号#1)を用いることにより、再生音の途切れや再生チ
ャネル間で位相ずれのない分割をすることが可能とな
る。この点について、以下に具体例を挙げて説明する。
【0282】通常のデジタルオーディオ録音機器の基準
クロックの周波数ずれ量はおよそ0.1%程度と言われ
ている。すると、たとえばデジタルビデオテープ(DA
T)レコーダによりデジタル録音した音源情報をデジタ
ルコピーにより既に録画したビデオ情報に重ね記録する
場合、ビデオ情報とオーディオ情報間の基準クロックず
れが0.1%程度ずれる可能性がある。この基準クロッ
クのずれはデジタルコピー(あるいはパーソナルコンピ
ュータ等を利用したノンリニア編集)を繰り返して行く
うちに無視できない大きさとなり、再生音の途切れある
いは再生チャネル間での位相ずれとなって現れる。
【0283】この発明での一実施の形態では、オーディ
オ情報の基準クロックがずれてもビデオ情報とオーディ
オ情報を同期して再生できるように(あるいはマルチチ
ャネル音声のチャネル間位相同期が取れるように)、オ
プションで同期情報も記録できる形をとっている。
【0284】すなわち図27のオーディオ同期情報にお
いて、オーディオストリームとビデオストリーム間の同
期情報の有無が、各オーディオストリームID(#1、
#2、…)毎に設定できるようになっている。
【0285】このオーディオ同期情報がある場合には、
その中のオーディオ同期データ内に、各VOBU単位で
オーディオサンプル数が記載されている。この情報(オ
ーディオサンプル数)を利用して、再生時に、オーディ
オストリーム毎にVOBU単位でビデオ情報とオーディ
オ情報の同期あるいはマルチチャネルオーディオのチャ
ネル間同期をとることができるようになる。
【0286】図28は、図26の欠陥情報に関連して欠
陥の種類(先天的欠陥と後天的欠陥)を説明する図であ
る。
【0287】情報記憶媒体10上の欠陥に対しては、欠
陥の発生時期に合わせて欠陥の種類を分け、それぞれの
欠陥に応じて異なる位置に欠陥情報を記録している。
【0288】情報記憶媒体上の欠陥領域検出方法として
は、以下のものがある。
【0289】*検証(サーティファイ) … 情報の記
録前に検査領域にダミーデータを記録し、そこを再生し
てECCエラーチェックを行って欠陥箇所を検出する。
【0290】*事前の再生チェック … 情報の記録前
に検査領域を再生する。情報記憶媒体表面にゴミや傷が
付くと再生信号の検出量が減少するので、たとえば図5
4のアンプ213出力を検出し、特定レベル以下の場所
を欠陥領域と見なすことで、チェックを行なう。
【0291】*記録時のIDエラー … 図8に示すよ
うに1セクタの最初にはエンボス構造のヘッダーが存在
する。記録時にはまずこのヘッダーの情報を再生し、物
理セクタ番号を確認後、同期コードおよび変調後信号を
記録する。このときヘッダが再生できない場合をIDエ
ラーと呼び、情報記憶媒体上の欠陥の一種とする。
【0292】*再生時のエラー … 記録完了後に再生
し、ECCブロック内でのエラー訂正が不可能な領域を
欠陥箇所と見なす。
【0293】情報記憶媒体10上で映像情報を記録もし
くは情報の更新を行う場合には、ECCブロック単位の
事前の再生とECCブロック内の変更・再書き込みを行
わず、新たな情報もしくは更新すべき情報をECCブロ
ック(AVアドレス)単位で直接上書きする。
【0294】記録前に事前に場所が分かっている欠陥箇
所もしくは記録中に発見されたIDエラー箇所のこと
を、ここでは「先天的欠陥」と呼んでいる。この先天的
欠陥の領域に対しては図13に示したスキッピング交替
処理を行い、記録情報の保護を行う。
【0295】これに対し、 *記録時の記録条件の不適合によりきちんと情報記憶媒
体上に記録されなかった;または *記録は正確に行われたが、その後除法記憶媒体表面に
ゴミ付着、傷発生が生じて情報再生が不可能になったな
どの原因から、記録後の再生時にECCエラー訂正が不
能になる場所が発生することもある。
【0296】この状態で発生した欠陥を「後天的欠陥」
と呼ぶ。この後天的欠陥箇所に対しては情報の保護・補
償は不可能となる。これに対してはユーザに映像を表示
する側では、 *欠陥画面の前の画面を再度表示する; *欠陥画面前後の画面を用いて間の画面を補間生成して
表示する; *欠陥画面の前の複数画面の表示速度を局所的に遅らせ
て欠陥画面の間引き表示をするなどの補間処理が必要と
なる。
【0297】図28は、上述した先天的欠陥および後天
的欠陥に対する定義とその対処方法を表にしてまとめた
ものである。
【0298】図29は、図23のビデオRAMファイル
に含まれるAVファイルのアドレス(すなわちAVアド
レス;AVA)と、図2の光ディスクの論理ブロック番
号(LBN)・論理セクタ番号(LSN)・物理セクタ
番号(PSN)との対応関係を説明する図である。
【0299】情報記憶媒体10上の全記録領域は、20
48バイト(2kバイト)を最小単位とする論理セクタ
に分割され、全論理セクタには論理セクタ番号(LS
N)が連番で付けられている。情報記憶媒体10上に情
報を記録する場合にはこの論理セクタ単位で情報が記録
される。情報記憶媒体10上での記録位置はこの情報を
記録した論理セクタの論理セクタ番号(LSN)で管理
される。
【0300】図29のAVアドレスがECCブロックサ
イズ32kバイトを最小単位としている理由について
は、図34を参照して後述する。
【0301】図29において、物理セクタ番号PSN、
論理セクタ番号LSN、論理ブロック番号LBNおよび
AVアドレスAVAは、以下の内容を持つ: *物理セクタ番号PSNは、最小単位が物理セクタサイ
ズの2kバイト(2048バイト)であり、ディスク1
0のリードインのリファレンス信号ゾーン(図5の基準
信号ゾーン)から開始する。欠陥発生時は欠陥箇所でP
SNの欠番が生じる。欠陥発生の有無に拘わらずPSN
はその媒体上で不変とされる。また欠陥に対する交替処
理と連動してPSNが変わることもない。PSNは媒体
の内周側(リードイン側)から外周側(リードアウト
側)に向かって順次増加するよう付番される。このPS
Nは、記録再生装置(ディスクドライブ)内のマイクロ
コンピュータ(MPU)により認知される。
【0302】*論理セクタ番号LSNは、最小単位が物
理セクタサイズの2kバイトであり、ディスク10のデ
ータエリア(図20の030000h)から開始する。
欠陥発生時の交替処理によりLSNに欠番あるいは重複
番号が生じることはなく、その開始番号および最終番号
は不変とされる。また欠陥に対する交替処理と連動して
媒体上の対応番号付加位置が適宜変更される。また欠陥
に対する交替処理と連動して番号付加位置が変化する。
LSNはDMA情報(図6のDMA1〜DMA4)に対
応し、PSNに対して変化する。このLSNは、ファイ
ルシステム(図36のUDF等)および記録再生装置
(ディスクドライブ)内のMPUにより認知される。
【0303】*論理ブロック番号LBNは、最小単位が
物理セクタサイズの2kバイトであり、ディスク10上
のファイル構造開始位置から始まる。欠陥発生時の交替
処理によりLBNに欠番あるいは重複番号が生じること
はなく、その開始番号および最終番号は不変とされる。
また欠陥に対する交替処理と連動して媒体上の対応番号
付加位置が適宜変更される。また欠陥に対する交替処理
と連動して番号付加位置が変化する。LBNはLSNの
平行移動により番号変換される(LBN=LSNーLS
Nfs;LSNfsはLBN開始位置でのLSN)。こ
のLBNは、ファイルシステム(図36のUDF等)お
よび記録再生装置(ディスクドライブ)内のMPUによ
り認知される。
【0304】*AVアドレスAVAは、最小単位がEC
Cブロックサイズの32kバイト(=16セクタ)であ
り、ディスク10上のAVデータ(図18のDA2)開
始位置から始まる。欠陥発生時の交替処理によりAVA
に欠番あるいは重複番号が生じることはなく、その開始
番号および最終番号は不変とされる。また欠陥に対する
交替処理と連動して媒体上の対応番号付加位置が適宜変
更される。また欠陥に対する交替処理と連動して番号付
加位置が変化する。AVAはLBNに対応して番号変換
される(AVA=(LBNーLBNav)÷16;LB
NavはAVA開始位置でのLBN)。このAVAは、
映像管理レイヤ(図36を参照して後述)により認知さ
れる。
【0305】図30は、図2の光ディスクに欠陥が発生
した場合のAVアドレスの設定とエクステント(ECC
データの集合体)記述子の記述方法を説明する図であ
る。
【0306】ユーザエリア集合体記述子の記述例が図3
0に示されている。この例では、個々のユーザエリア集
合体記述子を情報記憶媒体10上の配置順に合わせて並
べて記述してある。このユーザエリア集合体記述子で
は、AVアドレスとして0,1,2,3,7,8,9,
D,E,Fが登録されており、4,5,6,A,B,C
が欠番になっている。
【0307】ここでの欠番位置が「先天的欠陥」の存在
する場所である。これにより、情報記憶媒体10上の欠
陥位置や欠陥長さや使用済み(既使用)のAVアドレス
番号と未使用状態のAVアドレスの分布がわかる。
【0308】この発明では、AVアドレス単位とECC
ブロック単位を一致させているが、それに拘わらず、た
とえば論理ブロック番号で記録位置あるいは欠陥位置を
記述することも可能であり、その場合もこの発明内容に
含まれる。
【0309】図30の例で分かるように、スペアエリア
724内での情報記憶媒体10上の配列に従ったAVア
ドレス番号はA,B,6,C,4,5と順不同の並び方
をしている。
【0310】このため、スペアエリアアロケーション記
述子SAD(図18)の各エクステント(集合体)の記
述方法は、ユーザエリア集合体記述子UADのようにつ
ながりのサイズと開始アドレスの組で表現するのでな
く、その代わりに、情報記憶媒体10上の配列に沿った
AVアドレス個々を並べて記述する。この方が記述に必
要なバイト数が少なくて済むからである。
【0311】したがって、スペアエリア724内でAV
アドレスの設定を行ったECCブロックに対しては、ス
ペアエリア集合体記述子として、図31に示すように、
AVアドレス番号のみを「3バイト」で表現する。
【0312】またユーザエリア集合体記述子と同様に、
3バイト領域の最上位ビットにフラグを付加し、最上位
ビットが“0”であるエクステント(集合体)は既に使
用されているエクステントとみなす。これにより、最上
位ビットが“1”の未使用エクステントを使用済みのエ
クステントから区別(識別で)きるるようになる。
【0313】なお、スペアエリア724内ではAVアド
レス番号は順不同の並び方をしているため、AVアドレ
スの並びを見ただけでは欠陥位置を特定することはでき
ない。そのためECCブロック毎に先天的欠陥集合体記
述子DED(図30)を配置し、先天的欠陥集合体記述
子DEDの識別子として3バイトの値をFFFFFFと
設定する。
【0314】ところで、先天的欠陥に対して図13のス
キッピング交替処理に合わせて情報記憶媒体10上のA
Vアドレス設定位置が移動すると、情報記憶媒体10上
で多数欠陥が生じた場合、AVアドレスの番号設定順が
情報記憶媒体10上の配置順に対して異なってしまう現
象が生じる。
【0315】たとえば、図30の例において、 1)映像情報新規記録前にAVアドレスの後方3ECC
ブロック分欠陥を発見→ スペアエリア724にA,
B,C分AVアドレス位置を移動; 2)映像情報重ね書き前に更にAVアドレスの後方3E
CCブロック分欠陥を発見 → スペアエリア724に
4,5,6分AVアドレス位置を移動; 3)最後に、映像情報の重ね書きをする前に、スペアエ
リア724内のAVアドレスC,4,5位置に新たに3
ECCブロック分欠陥領域発生を発見 → スペアエリ
ア724内のAVアドレスBの後方3ECCブロック分
のAVアドレス設定位置を、AVアドレス6の後ろ側に
ずらす; と言うように、時間的にずれて複数回、先天的欠陥が発
生した場合には、情報記憶媒体上の並びに沿って見たと
きのAVアドレスは0,1,2,3,7,8,9,D,
E,F,A,B,6,C,4,5の順番に設定されてし
まう。
【0316】この情報に対して更に新たな映像情報を上
書きする場合、記録・再生の連続性を確保するために、
記録可能箇所を情報記憶媒体10上での配置順に従って
記録する必要性が生じる。従って、情報記憶媒体上の配
置順に従ったAVアドレス設定マップが必要になる。こ
のAVアドレス設定マップが、図18のアロケーション
マップテーブルAMTであり、これが情報記憶媒体10
に記録される。
【0317】このアロケーションマップテーブルAMT
は、図18に示すように、ユーザエリアアロケーション
記述子UAD、スペアエリアアロケーション記述子SA
Dおよびアドレス変換テーブルACTという3つの領域
に区分されている。
【0318】図30から分かるように、AVアドレスの
配置順は、ユーザエリア723内では情報記憶媒体10
上の配列順に一致し、スペアエリア724内では情報記
憶媒体10上の配置順と一致していない。従って、ユー
ザエリア723内ではAVアドレス配置情報を圧縮して
記録することができる。
【0319】すなわち欠陥領域も含めてAVアドレス設
定位置が連続して続く領域をエクステント(集合体)と
言う一つのまとまりとみなし、ユーザエリア集合体記述
子UED(*,*)で表現する。これは (イ)連続したAVアドレス設定数(連続したECCブ
ロック数に一致)を2バイトで表現し; (ロ)エクステント(集合体)先頭のAVアドレス番号
を3バイト表現し; (ハ)上記2種類の情報(イ)(ロ)を1組として並べ
て記述するというもので、記述方法は、別項(図39)
で述べるアロケーション記述子(AD)の表記方法と一
致している。
【0320】上記の表現方法を用いることにより、ユー
ザエリア723内で欠陥場所が少ない場合には、各AV
アドレス毎に分布を個々に記述する場合に比べて記述に
必要なビット数が少なくて済み、図18のアロケーショ
ンマップテーブルAMTの記述に必要な情報量が少なく
なる。そうすると、情報記憶媒体10のトータル容量は
決まっているので、各オブジェクト(図18のDA22
〜DA24)に対する情報記憶媒体10の記憶容量が、
相対的に増加する。
【0321】また、ユーザエリア723内ではAVアド
レスの配置順と情報記憶媒体配列順が一致しているの
で、ユーザエリア集合体記述子(図31の所で改めて説
明)内で指定された以外のAVアドレス番号位置に先天
的欠陥が存在することが分かる。
【0322】図31は、各種エクステント記述子(集合
体記述子)の対応関係を説明する図である。
【0323】ユーザエリア集合体記述子に対しては、A
Vアドレス単位で「使用済み(既使用)」か「未使用」
かの判別用フラグが付いている。すなわち、図31の
「既使用・未使用の判別情報」記載欄にあるように、ユ
ーザエリア集合体記述子内先頭アドレスを記述する3バ
イト領域の最上位ビットにフラグを付加し、最上位ビッ
トが“0”であるエクステント(集合体)は既に使用さ
れているエクステントとみなし、最上位ビットが“1”
のエクステント(集合体)は未使用のエクステントと識
別される。
【0324】ところで、図24に示したように映像情報
の最小単位はセル単位になっており、また図7に示した
ようにDVD−RAMディスクでは各ゾーンの間にはガ
ードエリアが存在する。このため、セル情報を2ゾーン
間にまたがって1以上のセルの記録する場合、光ヘッド
がガードエリア間を移動するのに時間が取られ(さらに
図5に示したようにゾーン間でディスク10の回転速度
が変化するので回転サーボの切換処理に時間が取ら
れ)、連続記録・連続再生が保証できなくなる。
【0325】このため、この発明では、「同一セル情報
のゾーン間にまたがった録画あるいは記録を禁止する」
と言う制約条件を付加している。
【0326】またそれに従って、必ず「ユーザエリア集
合体(ユーザエリアエクステント)」はゾーン間にまた
がって定義しない」(すなわち全てのユーザエリアエク
ステントのサイズは1個のゾーンサイズより小さい)と
言う制約条件も付加している。
【0327】図7に示すように1個のゾーン内に存在す
るECCブロック数は比較的少ないので、ユーザエリア
集合体記述子に記述されるECCブロックサイズ(EC
Cブロック数)としては、図31に示すように、2バイ
トのみの表現で充分となる。
【0328】このように「ユーザエリア集合体(ユーザ
エリアエクステント)はゾーン間にまたがらない」と定
義することにより、ユーザエリア集合体記述子の記述に
必要な総バイト数(サイズ)が低減でき、その分アロケ
ーションマップテーブルAMTのサイズが小さくなる。
その結果、ビデオオブジェクトに対する記録容量を相対
的に増加させることができる。
【0329】ところで、この発明の情報記憶媒体10で
は、図18に示すように、AVファイル(DA2)と通
常のコンピュータ用のファイル(DA1、DA3)が混
在記録できるようになっている。
【0330】したがって、図30の例に示すように、ス
ペアエリア724内にコンピュータデータエリアの交替
箇所が混入する場合がある。
【0331】この場所をAVデータの欠陥箇所と区別す
るため、図31に示すように、PC(パーソナルコンピ
ュータ)使用集合体記述子も記述できるようにしてあ
る。
【0332】このPC使用集合体記述子の値は、たとえ
ば図31に示すように FFFFFE とする。(図30および図31中のPEDは、パーソナ
ルコンピュータのエクステント・ディスクリプタの頭文
字を取ったものである。) なお、図7から分かるように、DVD−RAMディスク
では記録可能領域が24ゾーンに分割されている。従っ
て各ゾーンの境界が分かるように、図31の表図では、
次ゾーン開始マークとして FFFFFC といった識別子も設定している。(図30および図31
中のZSMは、次のゾーンのスタート・マークの頭文字
を取ったものである。) 以上述べた各種集合体記述子(エクステント・ディスク
リプタ)の内容と記述方法は、図31の一覧表にまとめ
て記述されている。この一覧表は、基本的には、情報記
憶媒体10上の配列に従って、ECCブロック単位で各
集合体記述子(エクステント・ディスクリプタ)を順次
配置した形になっている。
【0333】図65は、図2の光ディスクに記録される
情報の階層構造の他の例(図18のアロケーションマッ
プテーブルAMTと異なる内容のアロケーションマップ
テーブルAMTを持つ例)を説明する図である。
【0334】図18に示した構造でのスペアエリアアロ
ケーション記述子SADは、図30に示すように、各E
CCブロック毎にAVアドレスや先天的欠陥状況を記述
する必要がある。そのためAVデータエリアDA2内の
管理領域(制御情報DA21)内のデータ量が増大す
る。その反面、図7から分かるように、ユーザエリア7
23に対するスペアエリア724の容量はおよそ1/1
9しかない。
【0335】このような状況から、映像情報記録方法の
他の実施方法として *先天的欠陥が生じた時の交替処理方法としてはスキッ
ピング交替処理を行う; *先天的欠陥が生じた時の交替処理としてスペアエリア
724へのAVアドレスおよび論理セクタ番号(と論理
ブロック番号)の付け替えのみ行う; *スペアエリア724へは情報(映像情報等)の記録を
行わない;と言う使い方もある。
【0336】この実施方法では、情報(映像情報等)の
記録はユーザエリア723内のみで行うためスペアエリ
アアロケーション記述子SADでのECCブロック毎の
集合体記述子(エクステントディスクリプタ)の記述が
不要となり、管理領域(制御情報DA21)の情報量が
大幅に減る。
【0337】図66は、図2の光ディスクに先天的欠陥
がある場合の先天的欠陥アロケーション記述子とアロケ
ートされないスペース記述子の記述方法を説明する図で
ある。
【0338】以下、図65および図66を参照して、映
像情報(AVデータ)等の記録をユーザエリア723内
のみで行う場合のユーザエリアアロケーション記述子S
AD(図30)に対する応用例を説明する。
【0339】図65に示すように、先天的欠陥位置情報
の管理方法として先天的欠陥アロケーション記述子PD
ADを用い、未記録場所情報の管理方法としてアロケー
トされないスペース記述子(Unallocated Space Descri
ptors)USDを利用する。その具体的な管理情報内容
について、図66を用いて説明する。
【0340】ユーザエリア723内のAVデータエリア
DA2内に欠陥箇所が発生した場合、交替処理により自
動的にスペアエリア724内に交替箇所が作成され、欠
陥箇所に事前に設定されたAVアドレスや論理セクタ番
号、論理ブロック番号がそのままスペアエリア724の
交替箇所に移される。
【0341】映像情報等を記録する場合には、このユー
ザエリア723内の欠陥箇所を飛ばしてその直後の記録
箇所に記録が行われる。
【0342】前述したように映像情報等の記録はユーザ
エリア723内だけに限られるため、スペアエリア72
4には映像情報等の記録は行わず、未記録のまま放置さ
れる。従ってこのスペアエリア724内での欠陥位置管
理や未記録領域管理は不要となり、この場所内での管理
情報は持たない。
【0343】図30のユーザエリアアロケーション記述
子UADでは先天的欠陥位置情報を明記せず、ユーザエ
リア集合体記述子UEDで指定されないAVアドレスを
先天的欠陥位置と判定していた。
【0344】それとは異なり、図65の先天的欠陥アロ
ケーション記述子PDADでは、図66に示すように、
先天的欠陥位置での事前に設定されたAVアドレスを3
バイトずつ並べて記述する。
【0345】従って、先天的欠陥アロケーション記述子
PDADに指定されてないAVアドレスが利用可能な場
所と認識できる。
【0346】また、図30のユーザエリアアロケーショ
ン記述子UADでは、図31に示すように、ユーザエリ
ア集合体記述子UEDの先頭AVアドレスの最上位ビット
に既記録(既使用=“0”)、未記録(未使用=
“1”)の識別フラグを持たせていた。
【0347】それとは異なり、図65のアロケートされ
ないスペース記述子USDでは、未記録場所のAVアド
レスを明示する。この未記録場所を示すアロケートされ
ないスペース記述子USDは先天的欠陥場所を考慮に入
れず、連続したAVアドレスのつながりを示す集合体
(エクステント)毎に場所指定を行う。
【0348】すなわち、集合体(エクステント)内のE
CCブロック数を前半の2バイトで表現し、その集合体
(エクステント)の先頭のAVアドレスを3バイトで表
現し、両者を1組の集合体(エクステント)情報とす
る。
【0349】今までの説明では各AVファイル独自のA
Vアドレスを持ち、このAVアドレスを管理情報(制御
情報DA21)に利用してきた。しかしそれに限らず管
理情報(制御情報DA21)に例えば論理ブロック番号
を利用することもできる。すなわち、情報記録時の基本
単位を2048バイト毎の論理ブロック単位とし、アド
レスに論理ブロック番号を用いてアロケーションマップ
テーブルAMTやセル時間制御情報CTCIを記述する
ことが可能である。
【0350】図32は、図18の制御情報DA21に含
まれる情報の階層構造を例示する図である。
【0351】図19または図24のセルは、再生データ
を開始アドレスと終了アドレスとで指定した再生区間を
示す。また、図19のプログラムチェーンPGCは、セ
ルの再生順序を指定した一連の再生実行単位である。図
19のビデオオブジェクトセットVOBSの再生は、そ
れを構成するプログラムチェーンPGCとセルとによっ
て決定される。
【0352】図32のAVデータ制御情報DA210
は、このようなプログラムチェーンPGCの制御情報P
GCCIを持つ。このPGC制御情報PGCCIは、P
GC情報管理情報PGC_MAIと、n個(1個以上)
のPGC情報サーチポインタと、k個(1個以上)のP
GC情報とで構成される。
【0353】PGC情報管理情報PGC_MAIには、
PGCの数を示す情報が含まれる。PGC情報サーチポ
インタは各PGC情報PGCIの先頭をポイントするも
ので、このサーチポインタにより対応PGC情報PGC
Iの検索が容易に行えるようになっている。
【0354】各PGC情報PGCIはPGC一般情報と
m個のセル再生情報を含む。このPGC一般情報はPG
Cの再生時間やセル再生情報の数を含む。
【0355】図33は、図26の説明で触れた「セルデ
ータ集合体記述子(セルデータ・エクステント・ディス
クリプタ)」の記述内容の一例を示す。ここでは、使用
可能なECCブロックの配列順で、同一セルに関する記
録情報の塊を、1個のセルデータ集合体(セルデータエ
クステント)としている。
【0356】図33は、特定のセル#1が別のセル#2
によって分断されてない限り、1個のセルデータ集合体
とみなす。具体的記述方法としては、セルデータ集合体
の長さ(セルデータ集合体が記録されているECCブロ
ック数)を「2バイト」で表現し、セルデータ集合体の
先頭のAVアドレスを「3バイト」で表現し、両者を続
けて並べて記述する。すなわち、 CED(*,*) と表現する。
【0357】図33に示すように、1個のセルを構成す
る全てのセルデータ集合体を並べて記述した記述文がセ
ルデータ集合体記述子となる。この記述子によりセルが
記録されている全AVアドレスの分布がわかり、アクセ
スが容易となる。
【0358】また、セルデータ集合体の長さとセルデー
タ集合体の先頭のAVアドレスを組にして並べて記述す
ることにより、情報記憶媒体10上に連続して記録され
た領域が多い場合には、セルデータ集合体記述子の記述
に必要なバイト数が減り、セル時間一般情報(#m)に
必要なデータ量が減り、その分、ビデオオブジェクトD
A22に使用できる記録容量が相対的に増加する。
【0359】なお、図33に示すように情報記憶媒体1
0の配列に沿って見た対応AVアドレス番号は不連続な
順番に並ぶことが多い。が、この発明の実施形態では図
18に示すようにアロケーションマップテーブルAMT
を持っているため、セルデータ集合体記述子において先
頭のAVアドレスを設定するだけでセル内の全データの
情報記憶媒体上の記録位置を特定することができる。こ
のことは、AVアドレスがECCブロック単位となって
いることと相まって、この発明の大きな特徴となってい
る。
【0360】次に、図34を参照してAVアドレスの最
小単位であるECCブロック位置と図24>に示したビ
デオオブジェクトユニットVOBUとの間の位置がずれ
た時の問題点について説明する。
【0361】図34のデータ変更領域に新たな情報の記
録もしくは情報の更新を行う場合には 1)VOBU#gの先頭位置に掛かるECCブロックの
再生; 2)上記ECCブロックのデインターリーブ; 3)上記ECCブロック内のデータ変更領域に関する部
分の情報変更; 4)上記ECCブロック内のエラー訂正符号の付け替
え; 5)変更後の情報の上記ECCブロック位置への重ね書
き; といった複雑な処理が必要となる。すると、毎秒30枚
のフレームレートが要求されるNTSCビデオ録画にお
ける連続記録処理が阻害される。
【0362】さらに、情報記憶媒体(DVDーRAMデ
ィスク10)の表面にゴミや傷があった場合、再生処理
よりも記録処理の方が大きく影響を受ける。
【0363】すなわち、上記1)〜5)の処理を受ける
ECCブロックの位置近傍にゴミや傷があった場合、そ
れまでは問題なくVOBU#gの再生が行われていたの
にECCブロックの書き替え処理により情報欠陥が発生
し、VOBU#gの再生が不可能になってしまう場合が
ある。
【0364】またVOBU#gとは関係ないデータ変更
領域での情報の書き替えを行う毎にVOBU#gの先頭
位置の書き替えが必要となる。DVD−RAMディスク
の記録材料に用いられる相変化記録膜は何度も繰り返し
記録を行うと特性が劣化し、欠陥が増加する傾向を持
つ。従って本来必要のない場所(図34ではVOBU#
gの先頭部分)の書替回数はなるべく減らすことが望ま
しい(この書替回数は図18の制御情報書替回数CIR
WNsに記録しておくことができる)。
【0365】以上の理由から、毎秒30枚のフレームレ
ートでの連続記録処理の保証と不要箇所の書替回数を減
らす等の目的のために、この発明では、図24に示すよ
うに、VOBU記録単位をECCブロック(32kバイ
ト)の整数倍にしている。これを32kバイトアライン
という。
【0366】この32kバイトアラインのために、つま
り各VOBUのサイズがデータ変更の前後で常に32k
バイトの整数倍になるように、各VOBUに適当なサイ
ズのダミーパック(図25)を挿入している。
【0367】上記の条件(記録単位をECCブロックの
整数倍にする32kバイトアライン)に基づきこの発明
で新規に設定したAVアドレス番号の設定方法につい
て、他の論理ブロック番号付け方と比較した表を図29
に示す。
【0368】ファイルシステムで用いる論理ブロック番
号との換算を容易にするため、情報記憶媒体10上で発
生した欠陥に対する交替処理による欠番や重複番号は避
けるようになっている。
【0369】映像情報を記録する場合には、情報記憶媒
体上の欠陥に対して図13のスキッピング交替処理を行
う。このとき、交替処理により、AVアドレスの設定場
所が情報記憶媒体10上で移動する。
【0370】AVアドレス番号を「AVA」、論理ブロ
ック番号を「LBN」、AVファイル開始位置での論理
ブロック番号LBNを「LBNav」と記号化すると、
論理ブロック番号とAVアドレス番号との間には、以下
の関係がある: AVA=(LBN−LBNav)÷16 ここで16で割った時の小数点以下の値は全て切り捨て
とする。
【0371】図35は、録画後にデータ変更のあったセ
ル中に前記ダミーパックを挿入することにより、前記3
2kバイトアラインが実行された場合を示している。そ
うすると、セル内のビデオオブジェクトユニットVOB
Uの境界位置とこのセル内のデータを構成するECCブ
ロック(16セクタ32kバイト)の境界位置とが一致
する。
【0372】そうなれば、その後データを書き替える場
合もECCブロック単位で上書き(オーバーライト)で
きる(ECCのエンコードをやり直す必要がない)。し
かも、AVアドレスがECCブロックを単位としている
ので、録画後の上書き(インサート編集等)がなされて
もアドレス管理は容易である。この上書きはデータ変更
のないVOBU#gには関係無く行われるので、データ
変更領域の書替が原因でVOBU#gのデータが再生不
能になる恐れもない。
【0373】なお、ダミーパックを挿入しなくても各V
OBUのサイズがデータ変更の前後で32kバイトの整
数倍となっているときは、32kバイトアラインという
目的のためにダミーパックをあえて追加する必要はな
い。しかしダミーパックは32kバイトアライン以外の
使い途もある(アフターレコーディング用の予備エリア
等)ので、32kバイトアラインをするしないに拘わら
ず適当な数のダミーパックを挿入することは好ましい。
【0374】次に、この発明で利用される情報処理機器
制御システムの階層構造の説明を行う。図36は、情報
記憶媒体(DVDーRAMディスク等)に記録される情
報を扱う情報処理機器(パーソナルコンピュータ等)内
での、システム階層と個々の管理対象情報との関係を例
示している。
【0375】具体的には、このシステム階層は、1番目
に「録画再生アプリケーション」の階層を持ち、2番目
に「映像管理レイヤ」の階層を持ち、3番目に「I/O
マネージャ」の階層を持ち、4番目に「ファイルシステ
ム(UDF等)」の階層を持ち、5番目に「デバイスド
ライバ」の階層を持ち、6番目に「ハードウエア(記録
再生装置)」の階層を持っている。
【0376】最上位階層の「録画再生アプリケーショ
ン」は、映像情報(AVファイルのデータ)に関する録
画・再生処理を行なう機能を担うもので、セルあるいは
PGCを管理対象としている。ここでは処理単位として
時間が用いられ、欠陥管理は行われない。
【0377】2番目の階層の「映像管理レイヤ」は、A
Vファイル内の記録位置を制御する機能を担うもので、
AVアドレスおよびセル内構造を管理対象としている。
ここでは処理単位として映像フレームが用いられ、欠陥
管理も行われる。すなわち、記録および再生の連続性を
確保するために情報記憶媒体(DVDーRAMディスク
等)上の欠陥位置も管理上考慮される。
【0378】3番目の階層の「I/Oマネージャ」は、
システムと情報記憶媒体(DVDーRAMディスク等)
との間のインターフェイス処理機能を担うもので、媒体
に記録されるファイル(図23のAVファイル等)を管
理対象としている。ここでは処理単位としてファイルが
用いられ、欠陥管理は行われない。
【0379】4番目の階層の「ファイルシステム」は、
主にファイル単位での記録・再生のアドレス制御機能を
担うもので、情報記憶媒体(DVDーRAMディスク
等)に割り当てられた論理ブロック番号LBNおよび論
理セクタ番号LSN(図29参照)を管理対象としてい
る。ここでは処理単位としてファイルが用いられ、欠陥
管理は行われない。
【0380】5番目の階層の「デバイスドライバ」は、
システム側からの記録再生装置(DVDーRAMドライ
ブ等)の動作制御機能を担うもので、情報記憶媒体(D
VDーRAMディスク等)に割り当てられた論理セクタ
番号LSNを管理対象としている。ここでは処理単位と
してセクタサイズ(2kバイト)が用いられ、欠陥管理
は行われない。
【0381】6番目の階層の「記録再生装置」は、情報
記憶媒体(DVDーRAMディスク等)に対する単純記
録および単純再生を実行する機能を担うもので、情報記
憶媒体に割り当てられた物理セクタ番号PSN(図29
参照)を管理対象としている。ここでは処理単位として
映像フレームが用いられ、欠陥管理も行われる。
【0382】次に、図36のシステム階層とこの階層が
適用されるハードウエア(図52を参照して後述するパ
ーソナルコンピュータPC等)との関係を簡単に説明す
る。
【0383】図36のシステム階層のうち、録画再生ア
プリケーションからデバイスドライバまでのプログラム
に従った処理の実行は、図52のPCのメインCPU1
11が行なう。また図36の最下行に示された情報記録
再生装置(内部構成は図示せず)は、図52のDVDー
ROM/RAMドライブ140に対応している。しか
し、それに限らず、図36の情報記録再生装置を図52
のCDーROMドライブ122に対応させることもでき
る。図36のシステム階層のうち、I/Oマネージャー
からデバイスドライバまでのプログラムは、図52のメ
インメモリ112の一部を構成するEEPROMなどの
不揮発性半導体メモリに格納できる。
【0384】図36のシステム階層構造を利用する図5
2の情報処理機器は、通常のパーソナルコンピュータで
は必須アイテムとなっているハードディスクドライブH
DDを持たない(必要としない)ことを特徴としている
(このことは、しかしながら、HDDを併用できないと
いうことではない)。
【0385】また、図36のシステム階層のうち、録画
再生アプリケーションおよび映像管理レイヤは、情報記
録再生装置(DVDーROM/RAMドライブ)140
に装着された情報記憶媒体(光ディスク10のROM領
域)に格納されている。
【0386】次に、図36映像管理レイヤでの映像情報
(AVデータ)の記録・削除に関する制御方法につい
て、図24のセル#3を例にとって説明する。
【0387】[セル#3の映像情報に対して追加加工後
に再記録する方法] <01>セル#3の読み込み、追加加工処理を行う。
【0388】<02>追加加工後のセル#3がデータサ
イズ的に元の位置に戻るかを調べる(ここでは元の位置
にサイズ的に入り切らず別の位置に記録する場合を説明
する)。
【0389】<03>アロケーションマップテーブルA
MT(図18)から未使用のAVアドレスを探す。
【0390】<04>PGC制御情報PGCCI(図1
8)からセル#3の前後の再生順にあるセルIDを調べ
る。
【0391】<05>セル時間制御情報CTCIからセ
ル#3の前後の再生順にあるセルの保存場所を示すAV
アドレスを調査する。
【0392】<06>アロケーションマップテーブルA
MT(図18)からセル#3の前後の再生順にあるセル
の情報記憶媒体10上の記録位置を推測する。
【0393】<07>上記<03>で探した結果を基に
連続再生を保証できるセル#3の記録位置候補を定め
る。
【0394】<08>上記<07>で定めた記録位置候
補に対して事前の確証作業を行う。たとえば、情報記録
再生装置(図52のドライブ140等)のアクセス速度
などの性能情報を情報記録再生装置からもらい、連続再
生が危ない場所を抽出する。この危ない場所のみに対し
て実際に情報記録再生装置にアクセス動作をさせ、連続
再生が確保できない場合には別の記録位置を探す。ここ
で最悪の場合、つまり連続再生が可能な記録位置が見つ
からない場合には、その前後のセルの記録位置まで記録
位置候補をずらす。
【0395】<09>記録位置が確定したら追加加工後
のセル#3の情報の記録処理に入る。
【0396】<10>記録中も記録状況をモニターし、
IDエラーをチェックする。
【0397】(注)記録時のIDエラーについて:図8
に示すように、1セクタの最初にはエンボス構造を有し
たヘッダが存在する。記録時にはまずこのヘッダ情報を
再生し、物理セクタ番号を確認後、同期コード、変調後
信号を記録する。その際、ヘッダが再生できない場合を
IDエラーと呼び、情報記憶媒体上の欠陥の一種にな
る。
【0398】<11>上記<10>のIDエラーが検出
された場合、IDエラー発生情報を情報記録再生装置
(図52のドライブ140等)から受け取ると、スキッ
ピング交替処理(図13)を実行させるとともに、その
情報を基に逐次アロケーションマップテーブルAMT
(図18)に先天的欠陥(図28)の情報を追記して行
く。
【0399】<12>上記<11>の記録処理が完了す
ると、追加加工後のセル#3の情報を記録したAVアド
レスの既使用登録を、アロケーションマップテーブルA
MTに対して行う。
【0400】<13>最後に、図36のデバイスドライ
バを制御して、情報記憶媒体10のDMA管理領域(図
6のDMA1&DMA2とDMA3&DMA4)にスキ
ッピング交替処理情報を記録させる。
【0401】[セル#3の映像情報を削除する方法] <21>PGC制御情報PGCCI(図18)に対して
データ変更処理を実施する。
【0402】<22>セル時間制御情報CTCI(図1
8)からセル#3に関する情報を削除する。
【0403】<23>アロケーションマップテーブルA
MT(図18)内のAVアドレスリストにおいて、セル
#3が使っていたAVアドレスを「未使用」に変更す
る。
【0404】<24>もしセル#3に関する後天的欠陥
アドレス(図26)が登録されていた場合には、その欠
陥場所を先天的欠陥に変更して、擬似的なスキッピング
交替処理を行い、その結果をアロケーションマップテー
ブルAMT(図18)に登録する。
【0405】その後、登録された情報に従いデバイスド
ライバ(図36)を制御して、情報記憶媒体10のDM
A管理領域(図6のDMA1&DMA2とDMA3&D
MA4)にスキッピング交替処理情報を記録させる。
【0406】図36のファイルシステムでは、情報記憶
媒体10上での追記・更新情報の記録位置制御を行って
いるが、ファイルエントリではファイル単位の論理ブロ
ック番号情報しか管理してない。
【0407】一方、編集も含めた映像情報の録画・再生
処理を行うためには、図24で示したように、映像情報
の最小単位であるセル単位での情報記憶媒体10上の位
置制御が必要となる。
【0408】また、映像情報の連続記録条件および連続
再生条件をともに満足することも必要条件となる。情報
記憶媒体10では表面のごみ、傷による欠陥が逐次発生
する。その欠陥に対する交替処理として映像情報に対し
ては図13に示すスキッピング交替処理が行われる。
【0409】しかしUDF(ユニバーサルディスクフォ
ーマット)に限らずFAT(ファイルアロケーションテ
ーブル)、NTFS(ニューテクノロジーファイルシス
テム)、UNIX(登録商標)(汎用オペレーティング
システムのユニックス)などのファイルシステムでは、
情報記憶媒体上の欠陥管理は行っていない。
【0410】別項で行なうUDFについての説明(第3
7図〜第46図)でも、論理セクタ番号空間や論理ブロ
ック番号空間では欠陥がないものとして番号設定を行っ
ている。
【0411】しかし、広い領域に渡り連続して欠陥が生
じた場合には、そこで映像情報の連続記録もしくは連続
再生が不可能となる。
【0412】以上のことから、連続記録・連続再生を満
足するDVDビデオレコーディングシステムでは、 *映像情報の連続記録・連続再生を可能にするための、
情報記憶媒体10上の欠陥位置も考慮に入れた記録再生
管理;および *ファイル単位ではなく、それより小さい単位(たとえ
ばセル単位)での情報の記録再生管理;という2つの管
理機能を持ったシステム階層が必要となる。
【0413】しかし、業務用(編集用)ビデオテープレ
コーダVTRの例から明らかなように、一般の録画再生
関連アプリケーションソフトでは、図36に示すような
タイムコードを用いた上位の録画・再生処理を行うが、
情報記憶媒体(ビデオテープ)上の欠陥管理を行わな
い。
【0414】また、従来のコンピュータシステムでは、
記録・再生時の連続性確保の必要性がないため、この連
続性は考慮されていない。
【0415】そこで、この発明では、ファイルシステム
(図36のUDF)の上位層に「映像管理レイヤ」を新
たに設け、ここで欠陥管理も含めた情報記憶媒体10上
の記録・再生位置の管理および制御を行っている。
【0416】次に、図36のシステム階層の4番目に記
載されたファイルシステムで扱われるところの、情報記
憶媒体上の情報内容について、説明する。このファイル
システムの代表例として、現在DVDに採用されている
UDF規格について説明を行う。
【0417】初めに、DVDで採用されているUDFフ
ォーマットについて説明する。
【0418】<<<UDFの概要説明>>> <<UDFとは何か>>UDFとはユニバーサルディス
クフォーマットの略で、主にディスク状情報記憶媒体に
おける「ファイル管理方法に関する規約」を示す。
【0419】CD−ROM、CD−R、CD−RW、D
VD-ビデオ、DVD−ROM、DVD−R、DVD−
RAM等は、国際標準規格である「ISO9660」で
規格化されたUDFフォーマットを採用している。
【0420】ファイル管理方法としては、基本的にルー
トディレクトリを親に持ち、ツリー状にファイルを管理
する階層ファイルシステムを前提としている。
【0421】ここでは主にDVD−RAM規格に準拠し
たUDFフォーマットについての説明を行うが、この説
明内容の多くの部分はDVD−ROM規格内容とも一致
している。
【0422】<<UDFの概要>> <情報記憶媒体へのファイル情報記録内容>情報記憶媒
体に情報を記録する場合、情報のまとまりを「ファイル
データ」と呼び、ファイルデータ単位で記録が行なわれ
る。個々のファイルデータは、他のファイルデータと識
別するため、ファイルデータ毎に独自のファイル名が付
加されている。
【0423】共通な情報内容を持つ複数のファイルデー
タ毎にグループ化すると、ファイル管理とファイル検索
が容易になる。この複数ファイルデータ毎のグループを
「ディレクトリ」または「フォルダ」と呼ぶ。各ディレ
クトリ(またはフォルダ)毎に独自のディレクトリ名
(またはフォルダ名)が付加される。
【0424】さらに、複数のディレクトリ(フォルダ)
を集めて、その上の階層のグループとして上位ディレク
トリ(上位フォルダ)でまとめることができる。ここで
はファイルデータとディレクトリ(フォルダ)を総称し
てファイルと呼ぶことにする。
【0425】情報を記録する場合には (イ)ファイルデータの情報内容そのもの; (ロ)ファイルデータに対応したファイル名;および (ハ)ファイルデータの保存場所(どのディレクトリの
下に記録するか)に関する情報を全て情報記憶媒体(た
とえば図1のディスク10)上に記録する。
【0426】また、各ディレクトリ(フォルダ)に対す
る (ニ)ディレクトリ名(フォルダ名);および (ホ)各ディレクトリ(フォルダ)が属している位置
(つまりその親となる上位ディレクトリ/上位フォルダ
の位置)に関する情報も、すべて情報記憶媒体(10)
上に記録する。
【0427】図37は、図23の階層ファイルシステム
構造と情報記憶媒体(DVDーRAMディスク10)に
記録された情報内容との間の基本的な関係を説明する図
である。図37は、その上側に階層ファイルシステム構
造の簡単な例を示し、その下側にUDFに従ったファイ
ルシステム記録内容の一例を示している。
【0428】<階層ファイルシステム構造の簡単な例>
小型コンピュータ用の汎用オペレーティングシステム
(OS)であるUNIX、MacOS(登録商標)、M
S−DOS、Windows(登録商標)など、ほとん
どのOSのファイル管理システムは、図37あるいは図
43に例示するようなツリー状の階層構造を持つ。
【0429】図37において、1個のディスクドライブ
(たとえば1台のハードディスクドライブHDDが複数
のパーティションに区切られている場合には、各パーテ
ィション単位を1個のディスクドライブとして考える)
にはその全体の親となる1個のルートディレクトリ40
1が存在し、その下にサブディレクトリ402が属して
いる。このサブディレクトリ402の中にファイルデー
タ403が存在している。
【0430】実際にはこの例に限られず、ルートディレ
クトリ401の直接下にファイルデータ403が存在し
たり、複数のサブディレクトリ402が直列につながっ
た複雑な階層構造を持つ場合もある。
【0431】<情報記憶媒体上のファイルシステム記録
内容> ファイルシステム情報は論理ブロック単位(または論理
セクタ単位;図36参照)で記録され、各論理ブロック
内に記録される内容としては、主に、次のようなものが
ある: *ファイルID記述子FID(ファイル情報を示す記述
文)…ファイルの種類やファイル名(ルートディレクト
リ名、サブディレクトリ名、ファイルデータ名など)を
記述しているもの。ファイルID記述子FIDの中に
は、それに続くファイルデータのデータ内容や、ディレ
クトリの中身に関する情報が記録されている位置も記述
されている。
【0432】*ファイルエントリFE(ファイル内容の
記録場所を示す記述文)…ファイルデータの内容やディ
レクトリ(サブディレクトリなど)の中身に関する情報
が記録されている情報記憶媒体上の位置(論理ブロック
番号)などを記述しているもの。
【0433】図37の中央部分は、図37の上側に示す
ようなファイルシステム構造の情報を情報記憶媒体10
に記録したときの、記録内容を例示している。以下、こ
の例示内容を具体的に説明する。
【0434】*論理ブロック番号「1」の論理ブロック
には、ルートディレクトリ401の中味が示されてい
る。
【0435】図37の例では、ルートディレクトリ40
1の中にはサブディレクトリ402のみが入っている。
このため、ルートディレクトリ401の中味としては、
サブディレクトリ402に関する情報がファイルID記
述子(FID)404で記載されている。なお、図示し
ないが、同一論理ブロック内に、ルートディレクトリ4
01自身の情報もファイルID記述子の文で並記されて
いる。
【0436】このルートディレクトリ401のファイル
ID記述子404中に、サブディレクトリ402の中味
が何処に記録されているかを示すファイルエントリ(F
E)405の記録位置が、ロングアロケーション記述子
(LAD(2))で記載されている。
【0437】*論理ブロック番号「2」の論理ブロック
には、サブディレクトリ402の中味が記録されている
位置を示すファイルエントリ405が記録されている。
【0438】図37の例では、サブディレクトリ402
の中にはファイルデータ403のみが入っている。この
ため、サブディレクトリ402の中味は、実質的にはフ
ァイルデータ403に関する情報が記述されているファ
イルID記述子406の記録位置を示すことになる。
【0439】ファイルエントリ405では、その中のシ
ョートアロケーション記述子で3番目の論理ブロックに
サブディレクトリ402の中味が記録されていることが
記述(AD(3))されている。
【0440】*論理ブロック番号「3」の論理ブロック
には、サブディレクトリ402の中味が記録されてい
る。
【0441】図37の例では、サブディレクトリ402
の中にはファイルデータ403のみが入っているので、
サブディレクトリ402の中味としてファイルデータ4
03に関する情報がファイルID記述子406で記載さ
れている。なお、図示しないが、同一論理ブロック内
に、サブディレクトリ402自身の情報もファイルID
記述子の文で並記されている。
【0442】ファイルデータ403に関するファイルI
D記述子406の中に、このファイルデータ403の中
味が何処に記録されているかを示すファイルエントリ4
07の記録位置が、ロングアロケーション記述子(LA
D(4))で記載されている。
【0443】*論理ブロック番号「4」の論理ブロック
には、ファイルデータ403の内容(408、409)
が記録されている位置を示すファイルエントリ407が
記録されている。
【0444】ファイルエントリ407内のショートアロ
ケーション記述子により、ファイルデータ403の内容
(408、409)が、5番目と6番目の論理ブロック
に記録されていることが記述(AD(5)、AD
(6))されている。
【0445】*論理ブロック番号「5」の論理ブロック
には、ファイルデータ403の内容408が記録されて
いる。
【0446】*論理ブロック番号「6」の論理ブロック
には、ファイルデータ403の内容409が記録されて
いる。
【0447】<図37の情報に沿ったファイルデータへ
のアクセス方法>上述したように、ファイルID記述子
FIDとファイルエントリFEには、それに続く情報が
記述してある論理ブロック番号が記述してある。
【0448】ルートディレクトリから階層を下りながら
サブディレクトリを経由してファイルデータへ到達する
のと同様に、ファイルID記述子FIDとファイルエン
トリに記述してある論理ブロック番号に従って、情報記
憶媒体10上の論理ブロック内の情報を順次再生しなが
ら、目的のファイルデータの内容にアクセスする。
【0449】つまり図37に示したファイルデータ40
3にアクセスするには、まず始めに1番目の論理ブロッ
ク情報を読み、その中のLAD(2)に従って2番目の
論理ブロック情報を読む。ファイルデータ403はサブ
ディレクトリ402の中に存在しているので、その中か
らサブディレクトリ402のファイルID記述子FID
を探し、AD(3)を読み取る。その後、読み取ったA
D(3)に従って3番目の論理ブロック情報を読む。そ
の中にLAD(4)が記述してあるので、4番目の論理
ブロック情報を読み、ファイルデータ403に関するフ
ァイルID記述子FIDを探し、その中に記述してある
AD(5)に従って5番目の論理ブロック情報を読み、
AD(6)に従って6番目の論理ブロックに到達する。
【0450】なお、AD(論理ブロック番号)、LAD
(論理ブロック番号)といった記述の内容については、
後述する。
【0451】<<<UDFの各記述文(記述子/ディス
クリプタ)の具体的内容説明>>> <<論理ブロック番号の記述文>> <アロケーション記述子>前記<情報記憶媒体上のファ
イルシステム情報記録内容>で述べたように、ファイル
ID記述子FIDやファイルエントリなどの一部に含ま
れ、その後に続く情報が記録されている位置(論理ブロ
ック番号)を示した記述文をアロケーション記述子と呼
ぶ。
【0452】アロケーション記述子には、示すロングア
ロケーション記述子とショートアロケーション記述子が
ある。
【0453】<ロングアロケーション記述子>図38
は、情報記憶媒体上の連続セクタ集合体(エクステン
ト)の記録位置を表示するロングアロケーション記述子
の記述内容を説明する図である。
【0454】ロングアロケーション記述子LAD(論理
ブロック番号)は、エクステントの長さ410と、エク
ステントの位置411と、インプリメンテーション使用
412とで構成されている。
【0455】エクステントの長さ410は論理ブロック
数を4バイトで表示したものであり、エクステントの位
置411は該当する論理ブロック番号を4バイトで表示
したものであり、インプリメンテーション使用412は
演算処理に利用する情報を8バイトで表示したものであ
る。
【0456】ここでは、記述を簡素化するために、「L
AD(論理ブロック番号)」といった略号をロングアロ
ケーション記述子の記述に用いている。
【0457】<ショートアロケーション記述子>図39
は、情報記憶媒体10上の連続セクタ集合体(エクステ
ント)の記録位置を表示するショートアロケーション記
述子の記述内容を説明する図である。
【0458】ショートアロケーション記述子AD(論理
ブロック番号)は、エクステントの長さ410と、エク
ステントの位置411とで構成されている。
【0459】エクステントの長さ410は論理ブロック
数を4バイトで表示したものであり、エクステントの位
置411は該当する論理ブロック番号を4バイトで表示
したものである。
【0460】ここでは、記述を簡素化するために、「A
D(論理ブロック番号)」といった略号をショートアロ
ケーション記述子の記述に用いている。
【0461】<アロケートされないスペースエントリ>
図40は、情報記憶媒体上の未記録連続セクタ集合体
(未記録エクステント)を検索するものでアロケートさ
れないスペースエントリ(Unallocated Space Entry;
略してUSE)として使用される記述文の内容を説明す
る図である。
【0462】アロケートされないスペースエントリと
は、情報記憶媒体10の記録領域内での「記録済み論理
ブロック」か「未記録論理ブロック」かを表すスペース
テーブル(図44〜図46参照)に用いられる記述文で
ある。
【0463】このアロケートされないスペースエントリ
USEは、記述子タグ413と、ICBタグ414と、
アロケーション記述子列の全長415と、アロケーショ
ン記述子416とで、構成されている。
【0464】*記述子タグ413は記述内容の識別子を
表すもので、この例では“263”となっている。
【0465】*ICBタグ414は、ファイルタイプを
示す。
【0466】ICBタグ内のファイルタイプ=1はアロ
ケートされないスペースエントリUSEを意味し、ファ
イルタイプ=4はディレクトリを表し、ファイルタイプ
=5はファイルデータを表している。
【0467】*アロケーション記述子列の全長415
は、アロケーション記述子列の総バイト数を4バイトで
表している。
【0468】*アロケーション記述子416は、各エク
ステント(セクタ集合体)の媒体10上の記録位置(論
理ブロック番号)を列記したものである。たとえば、
(AD(*),AD(*),………,AD(*))のよ
うに列記される。
【0469】<ファイルエントリ>図41は、図23ま
たは図37のように階層構造を持ったファイル構造内
で、指定されたファイルの記録位置を表示するファイル
エントリの記述内容の一部を抜粋して説明する図であ
る。
【0470】ファイルエントリは、記述子タグ417
と、ICBタグ418と、パーミッション(許可)41
9と、アロケーション記述子420とで、構成されてい
る。
【0471】*記述子タグ417は、記述内容の識別子
を表すもので、この場合は“261”となっている。
【0472】*ICBタグ418は、ファイルタイプを
示すもので、その内容は、図40のアロケートされない
スペースエントリのICBタグ414と同様である。
【0473】*パーミッション(Permissions)419
は、ユーザ別の記録・再生・削除の許可情報を示す。主
にファイルのセキュリティー確保を目的として使われ
る。
【0474】*アロケーション記述子420は、該当フ
ァイルの中味が記録してある位置を、エクステント毎に
ショートアロケーション記述子を並べて、記述したもの
である。たとえば、FE(AD(*),AD(*),…
……,AD(*))のように列記される。
【0475】<ファイルID記述子FID>図42は、
図23または図37のように階層構造を持ったファイル
構造内で、ファイル(ルートディレクトリ、サブディレ
クトリ、ファイルデータ等)の情報を記述するファイル
ID記述子の一部を抜粋して説明する図である。
【0476】ファイルID記述子FIDは、記述子タグ
421と、ファイルキャラクタ422と、情報制御ブロ
ックICB423と、ファイル識別子424と、パディ
ング437とで構成されている。
【0477】*記述子タグ421は、記述内容の識別子
を表したもので、この場合は“257”となっている。
【0478】*ファイル特性422は、ファイルの種別
を示し、親ディレクトリ、ディレクトリ、ファイルデー
タ、ファイル削除フラグのどれかを意味する。
【0479】*情報制御ブロックICB423は、この
ファイルに対応したFE位置(ファイルエントリ位置)
をロングアロケーション記述子で記述したものである。
【0480】*ファイル識別子424は、ディレクトリ
名またはファイル名を記述したものである。
【0481】*パディング437は、ファイル識別子4
24全体の長さを調整するために付加されたダミー領域
で、通常は全て“0”(または000h)が記録されて
いる。
【0482】なお、この発明では、図18に示すよう
に、1つのボリュームスペース内でコンピュータデータ
(DA1、DA3)とAVデータ(DA2)とが混在で
きるようになっている。この場合、ファイルとしてはコ
ンピュータファイルとAVファイルの2種が混在する可
能性がある。
【0483】AVファイルをコンピュータファイルから
区別するためのAVファイル識別子の設定方法として
は、次の2つが考えられる: 1)AVファイルのファイル名の末尾に所定の拡張
子(.VOB等)を付ける; 2)AVファイルのパディング437に独自のフラグ
(図示せず)を挿入する(このフラグが“1”ならAV
ファイルを示し、“0”ならコンピュータファイルを示
す等)。
【0484】なお、パディング437の領域内に暗号化
されたユーザパスワードを記録することもできる。
【0485】図43は、図37に例示されたファイル構
造をより一般化したファイルシステム構造を示す。図4
3において、括弧内はディレクトリの中身に関する情
報、またはファイルデータのデータ内容が記録されてい
る情報記憶媒体10上の論理ブロック番号を例示してい
る。
【0486】<<<UDFに従って記録したファイル構
造記述例>>>前述した<<UDFの概要>>で示した
内容(ファイルシステムの構造)について、具体的な例
を用いて以下に説明する。
【0487】情報記憶媒体(DVDーRAMディスク
等)10上の未記録位置の管理方法としては、以下の方
法がある: [スペースビットマップ法]この方法は、スペースビッ
トマップ記述子を用いるもので、情報記憶媒体内記録領
域の全論理ブロックに対してビットマップ的に「記録済
み」または「未記録」のフラグを立てる方法である。
【0488】[スペーステーブル法]この方法は、図4
0の記述方式を用いてショートアロケーション記述子の
列記により記録済み論理ブロック番号を記載する方法で
ある。
【0489】ここでは、説明をまとめて行なうために、
図44〜図46に両方式(スペースビットマップ法およ
びスペーステーブル方法)を併記しているが、実際には
両方が一緒に使われる(情報記憶媒体上に記録される)
ことはほとんど無く、どちらか一方のみが使用される。
【0490】また、スペーステーブル内での記述内容
(ショートアロケーション記述子の記述・並べ方)は取
りあえず図43のファイルシステム構造に合わせている
が、これに限らず自由にショートアロケーション記述子
を記述することができる。
【0491】図44〜図46は、図43のファイルシス
テム構造の情報をUDFフォーマットに従って情報記憶
媒体10上に記録した例を示す。図44はその前半を示
し、図45はその中盤を示し、図46はその後半を示し
ている。
【0492】図44〜図46に示すように、ファイル構
造486とファイルデータ487に関する情報が記録さ
れている論理セクタは、特に「論理ブロック」とも呼ば
れ、論理セクタ番号(LSN)に連動して論理ブロック
番号(LBN)が設定されている。(論理ブロックの長
さは論理セクタと同様2048バイトになっている。)
図44〜図46に記述されている主な記述子の内容とし
ては、次のようなものがある: *エクステントエリア記述子開始445は、ボリューム
認識シーケンス(Volume Recognition Sequence;略し
てVRS)の開始位置を示す。
【0493】*ボリューム構造記述子446は、ディス
クの内容(ボリュームの内容)の説明を記述している。
【0494】*ブート記述子447は、コンピュータシ
ステムのブート開始位置など、ブート時の処理内容に関
する記述をした部分である。
【0495】*エクステントエリア記述子終了448
は、ボリューム認識シーケンス(VRS)の終了位置を
示す。
【0496】*パーティション記述子450は、パーテ
ィションのサイズなどのパーティション情報を記述して
いる。
【0497】なお、DVD−RAMでは、1ボリューム
あたり1パーティションを原則としている。
【0498】*論理ボリューム記述子454は、論理ボ
リュームの内容を記述している。
【0499】*アンカーボリューム記述子ポインタ45
8は、情報記憶媒体10の記録領域内で記録済みの情報
の記録最終位置を表示している。
【0500】*予約459〜465は、特定の記述子
(ディスクリプタ)を記録する論理セクタ番号を確保す
るための調整領域であり、始めは全て“00h”が書き
込まれている。
【0501】*リザーブボリューム記述子シーケンス4
67は、メインボリューム記述子シーケンス449に記
録された情報のパックアップ領域である。
【0502】<<<再生時のファイルデータへのアクセ
ス方法>>>図44〜図46に示したファイルシステム
情報を用い、たとえば図43のファイルデータH432
のデータ内容を再生する場合を想定して、情報記憶媒体
10上のファイルデータアクセス処理方法について説明
する。
【0503】(1)情報記録再生装置起動時または情報
記憶媒体装着時のブート領域として、ボリューム認識シ
ーケンス444領域内のブート記述子447の情報を再
生しに行く。ブート記述子447の記述内容に沿ってブ
ート時の処理が始まる。
【0504】その際、特に指定されたブート時の処理が
ない場合には、 (2)始めにメインボリューム記述子シーケンス449
領域内の論理ボリューム記述子454の情報を再生す
る。
【0505】(3)論理ボリューム記述子454の中に
論理ボリューム内容使用455が記述されている。そこ
に、ファイルセット記述子472が記録してある位置を
示す論理ブロック番号が、ロングアロケーション記述子
(図38)の形式で記述してある。(図44〜図46の
例ではLAD(100)であるから100番目の論理ブ
ロックに記録してある。) (4)100番目の論理ブロック(論理セクタ番号では
400番目になる)にアクセスし、ファイルセット記述
子472を再生する。その中のルートディレクトリIC
B473に、ルートディレクトリA425に関するファ
イルエントリが記録されている場所(論理ブロック番
号)が、ロングアロケーション記述子(図38)の形式
で記述してある(図44〜図46の例ではLAD(10
2)であるから102番目の論理ブロックに記録してあ
る)。
【0506】この場合、ルートディレクトリICB47
3のLAD(102)に従って、 (5)102番目の論理ブロックにアクセスし、ルート
ディレクトリA425に関するファイルエントリ475
を再生し、ルートディレクトリA425の中身に関する
情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読み
込む(AD(103);103番目の論理ブロックに記
録)。
【0507】(6)103番目の論理ブロックにアクセ
スし、ルートディレクトリA425の中身に関する情報
を再生する。
【0508】ファイルデータH432はディレクトリD
428系列の下に存在するので、ディレクトリD428
に関するファイルID記述子FIDを探し、ディレクト
リD428に関するファイルエントリが記録してある論
理ブロック番号(図44〜図46には図示していないが
LAD(110);110番目の論理ブロックに記録)
を読み取る。
【0509】(7)110番目の論理ブロックにアクセ
スし、ディレクトリD428に関するファイルエントリ
480を再生し、ディレクトリD428の中身に関する
情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読み
込む(AD(111);111番目の論理ブロックに記
録)。
【0510】(8)111番目の論理ブロックにアクセ
スし、ディレクトリD428の中身に関する情報を再生
する。
【0511】ファイルデータH432はサブディレクト
リF430の直接下に存在するので、サブディレクトリ
F430に関するファイルID記述子FIDを探し、サ
ブディレクトリF430に関するファイルエントリが記
録してある論理ブロック番号(LAD(112);11
2番目の論理ブロックに記録)を読み取る。
【0512】(9)112番目の論理ブロックにアクセ
スし、サブディレクトリF430に関するファイルエン
トリ482を再生し、サブディレクトリF430の中身
に関する情報が記録されている位置(論理ブロック番
号)を読み込む(AD(113);113番目の論理ブ
ロックに記録)。
【0513】(10)113番目の論理ブロックにアク
セスし、サブディレクトリF430の中身に関する情報
を再生し、ファイルデータH432に関するファイルI
D記述子FIDを探す。そしてそこからファイルデータ
H432に関するファイルエントリが記録してある論理
ブロック番号(LAD(114);114番目の論理ブ
ロックに記録)を読み取る。
【0514】(11)114番目の論理ブロックにアク
セスし、ファイルデータH432に関するファイルエン
トリ484を再生しファイルデータH432のデータ内
容489が記録されている位置を読み取る。
【0515】(12)ファイルデータH432に関する
ファイルエントリ484内に記述されている論理ブロッ
ク番号順に情報記憶媒体から情報を再生してファイルデ
ータH432のデータ内容489を読み取る。
【0516】<<<特定のファイルデータ内容変更方法
>>>次に、図44〜図46に示したファイルシステム
情報を用いて例えばファイルデータH432のデータ内
容を変更する場合の、アクセスも含めた処理方法につい
て説明する。
【0517】(1)ファイルデータH432の変更前後
でのデータ内容の容量差を求め、その値を2048バイ
トで割り、変更後のデータを記録するのに論理ブロック
を何個追加使用するかまたは何個不要になるかを事前に
計算しておく。
【0518】(2)情報記録再生装置起動時または情報
記憶媒体装着時のブート領域として、ボリューム認識シ
ーケンス444領域内のブート記述子447の情報を再
生しに行く。ブート記述子447の記述内容に沿ってブ
ート時の処理が始まる。
【0519】このとき、特に指定されたブート時の処理
がない場合には、 (3)始めにメインボリューム記述子シーケンス449
領域内のパーティション記述子450を再生し、その中
に記述してあるパーティション内容使用451の情報を
読み取る。このパーティション内容使用451(パーテ
ィションヘッダ記述子とも呼ぶ)の中にスペーステーブ
ルまたはスペースビットマップの記録位置が示してあ
る。
【0520】*スペーステーブル位置はアロケートされ
ないスペーステーブル452の欄にショートアロケーシ
ョン記述子の形式で記述されている(図44〜図46の
例ではAD(80))。また、 *スペースビットマップ位置はアロケートされないスペ
ースビットマップ453の欄にショートアロケーション
記述子の形式で記述されている(図44〜図46の例で
はAD(0))。
【0521】(4)上記(3)で読み取ったスペースビ
ットマップが記述してある論理ブロック番号(0)へア
クセスする。スペースビットマップ記述子からスペース
ビットマップ情報を読み取り、未記録の論理ブロックを
探し、上記(1)の計算結果分の論理ブロックの使用を
登録する(スペースビットマップ記述子情報の書き替え
処理)。
【0522】または、(4*)上記(3)で読み取った
スペーステーブルが記述してある論理ブロック番号(8
0)へアクセスする。スペーステーブルのアロケートさ
れないスペースエントリUSE(AD(*))からファ
イルデータIのUSE(AD(*)、AD(*))まで
を読み取り、未記録の論理ブロックを探し、上記(1)
の計算結果分の論理ブロックの使用を登録する(スペー
ステーブル情報の書き替え処理)。
【0523】実際の処理では、上記(4)か上記(4
*)のいずれか一方の処理が行なわれる。
【0524】(5)次にメインボリューム記述子シーケ
ンス449の領域内の論理ボリューム記述子454の情
報を再生する。
【0525】(6)論理ボリューム記述子454の中
に、論理ボリューム内容使用455が記述されている。
そこに、ファイルセット記述子472が記録してある位
置を示す論理ブロック番号が、ロングアロケーション記
述子(図38)の形式で記述してある(図44〜図46
の例ではLAD(100)から100番目の論理ブロッ
クに記録してある)。
【0526】(7)100番目の論理ブロック(論理セ
クタ番号では400番目になる)にアクセスし、ファイ
ルセット記述子472を再生する。その中のルートディ
レクトリICB473に、ルートディレクトリA425
に関するファイルエントリが記録されている場所(論理
ブロック番号)が、ロングアロケーション記述子(図3
8)の形式で記述してある(図44〜図46の例ではL
AD(102)から102番目の論理ブロックに記録し
てある)。
【0527】そして、ルートディレクトリICB473
のLAD(102)に従って、 (8)102番目の論理ブロックにアクセスし、ルート
ディレクトリA425に関するファイルエントリ475
を再生し、ルートディレクトリA425の中身に関する
情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読み
込む(AD(103))。
【0528】(9)103番目の論理ブロックにアクセ
スし、ルートディレクトリA425の中身に関する情報
を再生する。
【0529】ファイルデータH432はディレクトリD
428系列の下に存在するので、ディレクトリD428
に関するファイルID記述子FIDを探し、ディレクト
リD428に関するファイルエントリが記録してある論
理ブロック番号(LAD(110))を読み取る。
【0530】(10)110番目の論理ブロックにアク
セスし、ディレクトリD428に関するファイルエント
リ480を再生し、ディレクトリD428の中身に関す
る情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読
み込む(AD(111))。
【0531】(11)111番目の論理ブロックにアク
セスし、ディレクトリD428の中身に関する情報を再
生する。
【0532】ファイルデータH432はサブディレクト
リF430の直接下に存在するので、サブディレクトリ
F430に関するファイルID記述子FIDを探し、サ
ブディレクトリF430に関するファイルエントリが記
録してある論理ブロック番号(LAD(112))を読
み取る。
【0533】(12)112番目の論理ブロックにアク
セスし、サブディレクトリF430に関するファイルエ
ントリ482を再生し、サブディレクトリF430の中
身に関する情報が記録されている位置(論理ブロック番
号)を読み込む(AD(113))。
【0534】(13)113番目の論理ブロックにアク
セスし、サブディレクトリF430の中身に関する情報
を再生し、ファイルデータH432に関するファイルI
D記述子FIDを探す。そしてそこからファイルデータ
H432に関するファイルエントリが記録してある論理
ブロック番号(LAD(114))を読み取る。
【0535】(14)114番目の論理ブロックにアク
セスし、ファイルデータH432に関するファイルエン
トリ484を再生しファイルデータH432のデータ内
容489が記録されている位置を読み取る。
【0536】(15)上記(4)か上記(4*)で追加
登録した論理ブロック番号も加味して変更後のファイル
データH432のデータ内容489を記録する。
【0537】<<<特定のファイルデータ/ディレクト
リ消去処理方法>>>一例として、ファイルデータH4
32またはサブディレクトリF430を消去する方法に
ついて説明する。
【0538】(1)情報記録再生装置起動時または情報
記憶媒体装着時のブート領域としてボリューム認識シー
ケンス444領域内のブート記述子447の情報を再生
しに行く。ブート記述子447の記述内容に沿ってブー
ト時の処理が始まる。
【0539】特に指定されたブート時の処理がない場合
には、 (2)始めにメインボリューム記述子シーケンス449
領域内の論理ボリューム記述子54の情報を再生する。
【0540】(3)論理ボリューム記述子454の中に
論理ボリューム内容使用455が記述されており、そこ
にファイルセット記述子472が記録してある位置を示
す論理ブロック番号がロングアロケーション記述子(図
38)形式で記述してある(図44〜図46の例ではL
AD(100)から100番目の論理ブロックに記録し
てある)。
【0541】(4)100番目の論理ブロック(論理セ
クタ番号では400番目になる)にアクセスし、ファイ
ルセット記述子472を再生する。その中のルートディ
レクトリICB473に、ルートディレクトリA425
に関するファイルエントリが記録されている場所(論理
ブロック番号)が、ロングアロケーション記述子(図3
8)形式で記述してある(図44〜図46の例ではLA
D(102)から102番目の論理ブロックに記録して
ある)。
【0542】そこで、ルートディレクトリICB473
のLAD(102)に従って、 (5)102番目の論理ブロックにアクセスし、ルート
ディレクトリA425に関するファイルエントリ475
を再生し、ルートディレクトリA425の中身に関する
情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読み
込む(AD(103))。
【0543】(6)103番目の論理ブロックにアクセ
スし、ルートディレクトリA425の中身に関する情報
を再生する。
【0544】ファイルデータH432はディレクトリD
428系列の下に存在するので、ディレクトリD428
に関するファイルID記述子FIDを探し、ディレクト
リD428に関するファイルエントリが記録してある論
理ブロック番号(LAD(110))を読み取る。
【0545】(7)110番目の論理ブロックにアクセ
スし、ディレクトリD428に関するファイルエントリ
480を再生し、ディレクトリD428の中身に関する
情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読み
込む(AD(111))。
【0546】(8)111番目の論理ブロックにアクセ
スし、ディレクトリD428の中身に関する情報を再生
する。
【0547】ファイルデータH432はサブディレクト
リF430の直接下に存在するので、サブディレクトリ
F430に関するファイルID記述子FIDを探す。
【0548】いま、サブディレクトリF430を消去す
る場合を想定してみる。この場合、サブディレクトリF
430に関するファイルID記述子FID内のファイル
特性422(図42)に「ファイル削除フラグ」を立て
る。
【0549】それから、サブディレクトリF430に関
するファイルエントリが記録してある論理ブロック番号
(LAD(112))を読み取る。
【0550】(9)112番目の論理ブロックにアクセ
スし、サブディレクトリF430に関するファイルエン
トリ482を再生し、サブディレクトリF430の中身
に関する情報が記録されている位置(論理ブロック番
号)を読み込む(AD(113))。
【0551】(10)113番目の論理ブロックにアク
セスし、サブディレクトリF430の中身に関する情報
を再生し、ファイルデータH432に関するファイルI
D記述子FIDを探す。
【0552】次に、ファイルデータH432を消去する
場合を想定してみる。この場合、ファイルデータH43
2に関するファイルID記述子FID内のファイル特性
422(図42)に「ファイル削除フラグ」を立てる。
【0553】さらにそこからファイルデータH432に
関するファイルエントリが記録してある論理ブロック番
号(LAD(114))を読み取る。
【0554】(11)114番目の論理ブロックにアク
セスし、ファイルデータH432に関するファイルエン
トリ484を再生しファイルデータH432のデータ内
容489が記録されている位置を読み取る。
【0555】ファイルデータH432を消去する場合に
は、以下の方法でファイルデータH432のデータ内容
489が記録されていた論理ブロックを解放する(その
論理ブロックを未記録状態に登録する)。
【0556】(12)次にメインボリューム記述子シー
ケンス449領域内のパーティション記述子450を再
生し、その中に記述してあるパーティション内容使用4
51の情報を読み取る。このパーティション内容使用
(パーティションヘッダ記述子)451の中にスペース
テーブルまたはスペースビットマップの記録位置が示し
てある。
【0557】*スペーステーブル位置は、アロケートさ
れないスペーステーブル452の欄にショートアロケー
ション記述子の形式で記述されている(図44〜図46
の例ではAD(80))。また、 *スペースビットマップ位置は、アロケートされないス
ペースビットマップ453の欄にショートアロケーショ
ン記述子の形式で記述されている(図44〜図46例で
はAD(0))。
【0558】(13)上記(12)で読み取ったスペー
スビットマップが記述してある論理ブロック番号(0)
へアクセスし、上記(11)の結果得られた「解放する
論理ブロック番号」をスペースビットマップ記述子に書
き替える。
【0559】または、(13*)上記(12)で読み取
ったスペーステーブルが記述してある論理ブロック番号
(80)へアクセスし、上記(11)の結果得られた
「解放する論理ブロック番号」をスペーステーブルに書
き替える。
【0560】実際の処理では、上記(13)か上記(1
3*)のいずれか一方の処理が行なわれる。
【0561】ファイルデータH432を消去する場合に
は、(12)上記(10)〜上記(11)と同じ手順を
踏んでファイルデータI433のデータ内容490が記
録されている位置を読み取る。
【0562】(13)次にメインボリューム記述子シー
ケンス449領域内のパーティション記述子450を再
生し、その中に記述してあるパーティション内容使用4
51の情報を読み取る。このパーティション内容使用
(パーティションヘッダ記述子)451の中にスペース
テーブルまたはスペースビットマップの記録位置が示し
てある。
【0563】*スペーステーブル位置はアロケートされ
ないスペーステーブル452の欄にショートアロケーシ
ョン記述子の形式で記述されている。(図44〜図46
の例ではAD(80))。また、 *スペースビットマップ位置は、アロケートされないス
ペースビットマップ453の欄にショートアロケーショ
ン記述子の形式で記述されている(図44〜図46例で
はAD(0))。
【0564】(14)上記(13)で読み取ったスペー
スビットマップが記述してある論理ブロック番号(0)
へアクセスし、上記(11)と上記(12)の結果得ら
れた「解放する論理ブロック番号」をスペースビットマ
ップ記述子に書き替える。
【0565】または、(14*)上記(13)で読み取
ったスペーステーブルが記述してある論理ブロック番号
(80)へアクセスし、上記(11)と上記(12)の
結果得られた「解放する論理ブロック番号」をスペース
テーブルに書き替える。
【0566】実際の処理では、上記(14)か上記(1
4*)のいずれか一方の処理が行なわれる。
【0567】<<<ファイルデータ/ディレクトリの追
加処理>>>一例として、サブディレクトリF430の
下に新たにファイルデータまたはディレクトリを追加す
る時のアクセス・追加処理方法について説明する。
【0568】(1)ファイルデータを追加する場合には
追加するファイルデータ内容の容量を調べ、その値を2
048バイトで割り、ファイルデータを追加するために
必要な論理ブロック数を計算しておく。
【0569】(2)情報記録再生装置起動時または情報
記憶媒体装着時のブート領域としてボリューム認識シー
ケンス444領域内のブート記述子447の情報を再生
しに行く。ブート記述子447の記述内容に沿ってブー
ト時の処理が始まる。
【0570】特に指定されたブート時の処理がない場合
には、 (3)始めにメインボリューム記述子シーケンス449
領域内のパーティション記述子450を再生し、その中
に記述してあるパーティション内容使用451の情報を
読み取る。このパーティション内容使用(パーティショ
ンヘッダ記述子)451の中にスペーステーブルまたは
スペースビットマップの記録位置が示してある。
【0571】*スペーステーブル位置はアロケートされ
ないスペーステーブル452の欄にショートアロケーシ
ョン記述子の形式で記述されている(図44〜図46の
例ではAD(80))。また、 *スペースビットマップ位置はアロケートされないスペ
ースビットマップ453の欄にショートアロケーション
記述子の形式で記述されている(図44〜図46例では
AD(0))。
【0572】(4)上記(3)で読み取ったスペースビ
ットマップが記述してある論理ブロック番号(0)へア
クセスする。スペースビットマップ記述子からスペース
ビットマップ情報を読み取り、未記録の論理ブロックを
探し、上記(1)の計算結果分の論理ブロックの使用を
登録する(スペースビットマップ記述子情報の書き替え
処理)。
【0573】または、(4*)上記(3)で読み取った
スペーステーブルが記述してある論理ブロック番号(8
0)へアクセスする。スペーステーブルのUSE(AD
(*))461からファイルデータIのUSE(AD
(*),AD(*))470までを読み取り、未記録の
論理ブロックを探し、上記(1)の計算結果分の論理ブ
ロックの使用を登録する(スペーステーブル情報の書き
替え処理)。
【0574】実際の処理では、上記(4)か上記(4
*)のいずれか一方の処理が行なわれる。
【0575】(5)次にメインボリューム記述子シーケ
ンス449領域内の論理ボリューム記述子454の情報
を再生する。
【0576】(6)論理ボリューム記述子454の中に
論理ボリューム内容使用455が記述されており、そこ
にファイルセット記述子472が記録してある位置を示
す論理ブロック番号が、ロングアロケーション記述子
(図38)形式で記述してある(図44〜図46の例で
は、LAD(100)から、100番目の論理ブロック
に記録してある)。
【0577】(7)100番目の論理ブロック(論理セ
クタ番号では400番目になる)にアクセスし、ファイ
ルセット記述子472を再生する。その中のルートディ
レクトリICB473に、ルートディレクトリA425
に関するファイルエントリが記録されている場所(論理
ブロック番号)が、ロングアロケーション記述子(図3
8)形式で記述してある(図44〜図46の例では、L
AD(102)から、102番目の論理ブロックにルー
トディレクトリA425に関するファイルエントリが記
録してある)。
【0578】このルートディレクトリICB473のL
AD(102)に従って、 (8)102番目の論理ブロックにアクセスし、ルート
ディレクトリA425に関するファイルエントリ475
を再生し、ルートディレクトリA425の中身に関する
情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読み
込む(AD(103))。
【0579】(9)103番目の論理ブロックにアクセ
スし、ルートディレクトリA425の中身に関する情報
を再生する。
【0580】ディレクトリD428に関するファイルI
D記述子FIDを探し、ディレクトリD428に関する
ファイルエントリが記録してある論理ブロック番号(L
AD(110))を読み取る。
【0581】(10)110番目の論理ブロックにアク
セスし、ディレクトリD428に関するファイルエント
リ480を再生し、ディレクトリD428の中身に関す
る情報が記録されている位置(論理ブロック番号)を読
み込む(AD(111))。
【0582】(11)111番目の論理ブロックにアク
セスし、ディレクトリD428の中身に関する情報を再
生する。
【0583】サブディレクトリF430に関するファイ
ルID記述子FIDを探し、サブディレクトリF430
に関するファイルエントリが記録してある論理ブロック
番号(LAD(112))を読み取る。
【0584】(12)112番目の論理ブロックにアク
セスし、サブディレクトリF430に関するファイルエ
ントリ482を再生し、サブディレクトリF430の中
身に関する情報が記録されている位置(論理ブロック番
号)を読み込む(AD(113))。
【0585】(13)113番目の論理ブロックにアク
セスし、サブディレクトリF430の中身に関する情報
内に新たに追加するファイルデータまたはディレクトリ
のファイルID記述子FIDを登録する。
【0586】(14)上記(4)または上記(4*)で
登録した論理ブロック番号位置にアクセスし、新たに追
加するファイルデータまたはディレクトリに関するファ
イルエントリを記する。
【0587】(15)上記(14)のファイルエントリ
内のショートアロケーション記述子に示した論理ブロッ
ク番号位置にアクセスし、追加するディレクトリに関す
る親ディレクトリのファイルID記述子FIDまたは追
加するファイルデータのデータ内容を記録する。
【0588】なお、図44〜図46において、LSNは
論理セクタ番号(LSN)491を示す略号であり、L
BNは論理ブロック番号(LBN)492を示す略号で
あり、LLSNは最後の論理セクタ番号(ラストLS
N)493を示す略号である。
【0589】図44の第1アンカーポイント456およ
び図46の第2アンカーポイント457の具体例につい
ては、図47〜図49の説明中で触れる。
【0590】<<UDFの特徴>> <UDFの特徴の説明>以下にハードディスクHDD、
フロッピーディスクFDD、光磁気ディスクMOなどで
使われているファイルアロケーションテーブルFATと
の比較により、ユニバーサルデータフォーマットUDF
の特徴を説明する。
【0591】(1)FATはファイルの情報記憶媒体へ
の割り当て管理表(ファイルアロケーションテーブル)
が情報記憶媒体上で局所的に集中記録されるのに対し、
UDFではファイル管理情報をディスク上の任意の位置
に分散記録できる。
【0592】FATではファイル管理領域で集中管理さ
れているため頻繁にファイル構造の変更が必要な用途
(主に頻繁な書き替え用途)に適している。(集中箇所
に記録されているので管理情報を書き替え易いため。)
なお、FATではファイル管理情報の記録場所はあらか
じめ決まっているので記録媒体の高い信頼性(欠陥領域
が少ないこと)が前提となる。
【0593】UDFではファイル管理情報が分散配置さ
れているので、ファイル構造の大幅な変更が少なく、階
層の下の部分(主にルートディレクトリより下の部分)
で後から新たなファイル構造を付け足して行く用途(主
に追記用途)に適している。(追記時には以前のファイ
ル管理情報に対する変更箇所が少ないため。)また分散
されたファイル管理情報の記録位置を任意に指定できる
ので、先天的な欠陥箇所を避けて記録することができ
る。
【0594】さらにファイル管理情報を任意の位置に記
録できるので、全ファイル管理情報を一箇所に集めて記
録することでFATの利点も出せるので、より汎用性の
高いファイルシステムと考えることができる。
【0595】(2)UDFでは(最小論理ブロックサイ
ズ、最小論理セクタサイズなどの)最小単位が大きく、
記録すべき情報量の多い映像情報や音楽情報の記録に向
く。
【0596】すなわち、FATの論理セクタサイズが5
12バイトに対して、UDFの論理セクタ(ブロック)
サイズは2048バイトと大きくなっている。
【0597】なお、UDFでは、ファイル管理情報やフ
ァイルデータに関するディスク上での記録位置は、論理
セクタ(ブロック)番号としてアロケーション記述子に
記述される。
【0598】以上がUDFの概要であるが、UDFの説
明を終えるにあたり、大容量情報を扱うDVDビデオレ
コーダにおけるAVアドレスの新規定義の必要性につい
て触れておく。
【0599】連続記録・連続再生の必要性のなかったフ
ァイシシステム(UDF等)では、図36に示すよう
に、アドレス指定用に「情報記憶媒体上の実際の記録位
置との対応を持たない」論理ブロック番号・論理セクタ
番号を採用している。これに対して、この発明ではサイ
ズの大きい映像情報(AVデータ)の管理に適した映像
管理レイヤを設定し、これに合わせ映像管理レイヤの機
能に最適なアドレスを設定する必要が生じた。この必要
に対応して新たに定義したのが、この発明の「AVアド
レス」である。
【0600】AVアドレスに望まれる条件とそれを満た
す方法について以下に述べる。
【0601】(1)別媒体への移植性 図18AVデータエリアDA2は1個ないしは複数個の
AVファイルから構成され、1ボリューム=1AVファ
イルとなっている。このAVファイルを、必要に応じて
そのままハードディスクHDDや光磁気MOディスク等
に移植できるようにする必要性がある。
【0602】図18のようにAVファイル(DA2)の
前にコンピュータデータエリアDA1がある場合、図7
に示す論理セクタ番号(もしくは論理ブロック番号)の
設定方法に従うと、AVファイル先頭位置での論理ブロ
ック(セクタ)番号にはオフセット値(0ではない値)
が付いてしまう。
【0603】このままAVファイルをHDDあるいはM
Oなどの別媒体に移植させると論理ブロック(セクタ)
番号にずれが生じてしまう。
【0604】別媒体への移植容易性を確保するために
は、上記「論理ブロック番号のオフセット」は好ましく
ない。すなわち、別媒体への移植性を考慮すれば、AV
ファイル先頭位置でのAVアドレスは“0”になってい
ることが望ましい。
【0605】そこで、この発明の一実施の形態では、図
18に示すように、アロケーションマップテーブルAM
Tを用意している。このアロケーションマップテーブル
AMTを利用すれば、AVファイルを別媒体に移植する
場合には全てのAVアドレス情報を書き替える必要がな
く、移植が非常に容易になる。具体的には、移植先の媒
体のアドレス設定方法に合わせてアロケーションマップ
テーブルAMT内を適宜変更するだけで良い。
【0606】(2)高速に追記記録または変更記録が可
能な記録処理単位 UDF上で使われる論理ブロック(セクタ)サイズは2
048バイト単位になっている。
【0607】ところで、DVD−RAMディスクでは、
図9に示すように、16個のセクタの塊でECCブロッ
ク502を構成し、このECCブロック502内でエラ
ー訂正符号(積符号)を付加している。たとえば図9内
の1個のセクタ501bの情報を変更する場合、図示し
ない情報記録再生装置側でECCブロック502分の全
情報(32kバイト)を読み取り、デインターリーブ処
理した後、セクタ501bの情報のみを変更する。その
後、再度ECCブロックのエラー訂正符号の付け直しを
して記録する。
【0608】何の工夫もなしに上記エラー訂正符号の付
け直し処理を行うと、記録時の連続性が損なわれる。そ
こで、記録時の連続性を確保するため、この発明では、
情報記憶媒体10への記録をECCブロック502(3
2kバイト)単位とし、ECCブロック502毎に直接
上書きするようにしている。
【0609】すなわち、DVD−RAMディスクを用い
た情報記録装置においては、記録処理の単位としてEC
Cブロック単位(2048×16=32kバイト)が採
用される。そして、このECCブロック単位でAVデー
タDA2(図18)のアドレス管理が行なわれる。
【0610】図47は、図1のディスクに録画されるA
Vデータ(ビデオコンテンツ)のうちユーザが作成する
メニューのファイル構造の一例を概念的に示す。
【0611】ユーザメニューファイルのフォーマット
は、概念図的には図47に示すような構成をとることが
でき、具体的には図48〜図49に示すような構成をと
ることができる。
【0612】まず、ユーザメニューファイルに入ってい
るデータの順番は、図47において上から下へ向かって
例示するように、第1アンカーポイント(図44の第1
アンカーポイント456に対応)、縮小画像管理部、縮
小画像管理部のバックアップ(図示せず)、縮小画像デ
ータ群、第2アンカーポイント(図46の第2アンカー
ポイント457に対応)の順で記載されている。
【0613】図47で示す第1および第2アンカーポイ
ントは図18の縮小画像制御情報DA214内に存在
し、縮小画像制御情報DA214内の縮小画像管理部と
この縮小画像管理部のバックアップの記録位置を示す情
報を持っている。図47で示す第1および第2アンカー
ポイントは、図18での制御情報DA21の記録位置を
示すアンカーポインタAPとは、指し示す位置の情報内
容が異なる。
【0614】このユーザメニューファイルに最初に入れ
てあるのは第1アンカーポイント(図47ではa,p,
b,q)と呼ばれるポインタアドレスで、それぞれに、
縮小画像管理部のスタートアドレス(a)およびエンド
アドレス(p)、そして縮小画像管理部のバックアップ
データのスタートアドレス(b)およびエンドアドレス
(q)が記載されている。
【0615】第1アンカーポイントの次には縮小画像管
理部(より広義には図18の制御情報DA21)が記録
されており、このデータは、後述する「32kバイトア
ライン」の処理を受けている。この縮小画像管理部に
は、ユーザメニューを構成する各縮小画像に関するデー
タが記録されている。
【0616】ユーザメニューを構成する各縮小画像に関
する実際のデータとしては、PGC番号、タイムコード
(タイムサーチなどに使用できる)、縮小画像の先頭ア
ドレス、使用セクタ数(=データ長)、縮小画像のサイ
ズ、縮小画像の元ファイル(AVデータ)へのアドレス
(ポインタ)、検索や表題に使用するテキストデータな
どがある。
【0617】さらにその後には、ファイル内にもし欠陥
領域がある場合にはその欠陥領域の先頭アドレスとデー
タ長が記録される。そして、ユーザメニューの背景画像
データに関して、登録番号およびその先頭アドレスなど
が記録されている。
【0618】さらにその後には、図示しないが、縮小画
像管理部のバックアップが記録されている。このバック
アップは、前記縮小画像管理領域の破損に対する保険の
ために記録している。
【0619】さらにその後には、パック化された実際の
縮小画像データ群(より広義には図18のオブジェクト
群DA22〜DA24;さらに広義にはAVデータDA
2)が記録されている。ただし、これらのデータは、1
つの縮小画像毎(あるいはその1VOBU毎に)に、3
2kバイトアラインされている。
【0620】さらにその後には、ユーザメニューファイ
ルの先頭と同様な第2アンカーポイント(a,p,b,
q)が記載されている。このようにするのは、ファイル
は、通常、アクセスの多い先頭の管理領域から破損して
いくことを考えてのことである。ファイルの最後にもア
ンカーポイント置くことにより、より安全性を高めてい
る。
【0621】また、このファイルの各区切りで32kバ
イトアラインしているのは、データの変更、追加や削除
時に、32kバイト単位のECCグループ毎にアクセス
することができるようにという配慮からである。この3
2kバイトアライン(換言すればECCブロックアライ
ン)することにより、より高速のアクセスが可能とな
り、後述する図52のDVDドライブ140内のMPU
あるいは図84のデータプロセサ36の動作上の負荷が
軽減される。
【0622】なお、このユーザメニューファイル中のア
ドレス情報は、全てファイルの先頭からの相対アドレス
で表されている。
【0623】図47のユーザメニューファイルには、以
下の特徴がある: (イ)少なくともビデオデータの一部の静止画を表すと
ころのメニュー選択用画像データ(すなわち縮小画像デ
ータ)が同一のユーザメニューファイル内に1以上記録
されている。
【0624】(ロ)縮小画像管理部を有し、記録媒体
(DVD−RAMディスク、DVDーRWディスクまた
はDVD−Rディスク)上に記録した全縮小画像データ
(の保存場所と対応するビデオ信号の指定)の管理を一
括して行う。
【0625】図47のユーザメニューファイルには、具
体的には図48〜図49に例示するような内容が書き込
まれる。
【0626】すなわち、図48および図49に示すよう
に、ピクチャアドレステーブル用の第1アンカーポイン
タとして、ピクチャアドレステーブルの開始位置、ピク
チャアドレステーブルの終了位置、予約ピクチャアドレ
ステーブルの開始位置および予約ピクチャアドレステー
ブルの終了位置が記述され;ピクチャアドレステーブル
として、メニューインデックス情報(INFO1)、イ
ンデックスピクチャ情報(INFO2)、欠陥領域情報
(INFO5)、壁紙ピクチャ情報(INFO6)およ
びパディングデータが記述され;ピクチャアドレステー
ブル用の第2アンカーポインタとして、ピクチャアドレ
ステーブルの開始位置、ピクチャアドレステーブルの終
了位置、予約ピクチャアドレステーブルの開始位置およ
び予約ピクチャアドレステーブルの終了位置が記述され
る。
【0627】なお、図48および図49のピクチャアド
レステーブル内には、スライド&スチルピクチャ情報I
NFO3およびインフォメーションピクチャ情報INF
O4も適宜記述される。
【0628】図48のメニューインデックス情報は、イ
ンデックスピクチャの数、インフォメーションピクチャ
の数、スライド&スチルピクチャの数、欠陥領域の数お
よび壁紙ピクチャの数を含む。
【0629】図48のインデックスピクチャ情報は、内
容特性、インデックスピクチャ用プログラムチェーンの
ID、インデックスピクチャのタイムコード、インデッ
クスピクチャの開始位置、インデックスピクチャ記録の
使用セクタ数、ピクチャサイズ、オリジナルのオーディ
オ・ビデオデータのアドレスおよび検索用テキストデー
タを含む。
【0630】なお、インデックスピクチャ情報に含まれ
る内容特性には、ユーザメニューに利用される静止画が
記録済みなら“1”が記述され、この静止画の記録位置
(アドレス)のみを記録しているなら“0”が記述され
る。
【0631】アドレスのみでユーザメニュー用画像を指
定する場合のインデックスピクチャ情報は、図49に示
すように、“0”が記述された内容特性と、スライド&
スチルピクチャ用のプログラムチェーンPGCのID
と、オリジナルのオーディオ・ビデオデータのアドレス
と、スライド&スチルピクチャのタイムコードを含む。
【0632】図49の壁紙ピクチャ情報は、ユーザメニ
ューの背景画像として利用できる壁紙ピクチャの数(登
録された背景画像の番号)と、壁紙ピクチャの開始位置
と、壁紙ピクチャが記録されている領域の使用セクタ数
を含む。
【0633】図49のパディングデータは、インデック
スピクチャの内容、欠陥領域の内容および壁紙ピクチャ
の内容等を含む。
【0634】次に、前述した「32kバイトアライン」
について説明する。
【0635】図47〜図49に示したユーザメニューフ
ァイル内は、既記録領域と未記録領域のいかんに関わら
ず、すべてエラー訂正コードの単位(ECCグループ
で)ある32kバイト毎に分割され、その境界部分であ
る「ECCバウンダリー」の位置が事前に確定してい
る。
【0636】各縮小画像データ、アンカーポイント、縮
小画像管理部と縮小画像管理部のバックアップを記録す
る場合には、全てのデータの記録開始位置と記録終了位
置は、上記「ECCバウンダリー」位置と一致するよう
に記録される(図35参照)。
【0637】各データ量が32kバイトの整数値より若
干少ない場合には図47に示したように「ダミー領域」
を付加して、記録終了位置を「ECCバウンダリー」位
置に一致させる。この「ダミー領域」は図48の「パデ
ィング」の領域を意味している。
【0638】縮小画像データの記録・消去時には前述し
た「ECCバウンダリー」毎に情報の記録・消去を行
う。この場合、ECCグループ内の一部の情報を変更す
る必要が無いので、記録時にはECCバウンダリーに合
わせて縮小データを直接重ね書きできる。
【0639】以上のような「32kバイトアライン」を
行えば、縮小画像データをECCグループ単位で記録・
消去するため付加されたエラー訂正情報の修正が不要と
なるから、ECCグループ単位の記録・消去処理の高速
化が図れる。
【0640】図47のユーザメニューファイルは、パー
ソナルコンピュータ等を利用した別の記録媒体への移植
性を考慮している。そのために、ユーザメニュー用の縮
小画像、背景画像、縮小画像管理領域の保存アドレス
は、全てユーザメニューファイル先頭位置からの差分ア
ドレス(相対アドレス)で表現している。
【0641】図47の縮小画像管理領域内の関連テーブ
ルの中では、PGC番号から検索用テキストデータサイ
ズまでの2行が1組の対応テーブルを表している。
【0642】この場合、ビデオ信号のタイムコードと先
頭アドレスとの組の対応により記録された縮小画像デー
タとビデオ信号との関係が分かる。
【0643】また、この関連テーブル全体を検索するこ
とにより、ユーザメニューファイル内の未記録領域また
は消去後縮小画像データの消去された位置が分かり、こ
の領域に新規な縮小画像データを記録することができ
る。
【0644】図47のユーザメニューファイルにおいて
は、オーディオ・ビデオデータを含むAVファイル上の
位置と縮小画像記録位置間の関連テーブルの中で、欠陥
領域の管理を行うようにしている。
【0645】ここで、ディスク(記録媒体)10の表面
に付着したゴミや傷により縮小画像管理部が破損した場
合の具体的処理方法に付いて説明する。
【0646】まず、ディスク(記録媒体)表面のゴミや
傷による縮小画像管理部の破損を検出する。(破損して
いるかどうかはECCグループのエラー訂正が失敗した
かどうかで判定できる。) 破損が検出された場合は、アンカーポイントの情報を読
み、縮小画像管理部のバックアップデータアドレスを調
べ、縮小画像管理部のバックアップデータを読み込む。
【0647】次に、図47の縮小画像記録位置間の関連
テーブルから、ユーザメニューファイル内の未記録領域
を探す。そして、ユーザメニューファイル内の未記録領
域に縮小画像管理データを記録し、アンカーポイントの
アドレス情報を更新する。
【0648】続いて、ディスク(記録媒体)表面のゴミ
や傷により縮小画像管理部が破損した場所を、図47の
縮小画像記録位置間の関連テーブル内に、欠陥領域とし
て登録する。
【0649】図47〜図49のユーザメニューファイル
フォーマットを採用すると、以下の効果が期待できる: (a)前記「32kバイトアライン」によって、縮小画
像データの追加・検索とアクセス高速化が図れる; (b)図示しないモニタディスプレイの表示部に一度に
複数枚の縮小画像を表示する場合、各縮小画面毎に記録
媒体上の該当する縮小画像データ位置にアクセスする必
要がある。記録媒体上にこの縮小画像データが点在(散
在)する場合には、アクセスに時間がかかり、複数枚の
縮小画像を表示するための所要時間が長くなるとい弊害
がある。ところが、図47に例示するように、複数の縮
小画像データを同一のユーザメニューファイル内にまと
めて配置すれば、このユーザメニューファイルを再生す
るだけで高速に複数枚の縮小画像を表示させることがで
きる。
【0650】(c)縮小画像管理部での全縮小画像デー
タを一括管理することにより、縮小画像データの削除や
追加処理の管理が容易となる。すなわち、ユーザメニュ
ーファイル内の未記録領域(または縮小画像データ削除
領域)の検索が容易となり、新規の縮小画像データの追
加登録を高速に行なうことが可能となる。
【0651】(d)後述するDVDビデオレコーダで
は、データプロセサ36で16パック(=32kバイ
ト)毎にまとめてECCグループとしてエラー訂正情報
を付けてディスク(DVD−RAM、DVD−RWまた
はDVD−R)10に記録している。もしECCグルー
プ内の一部の情報を変更した場合には、付加されたエラ
ー訂正情報の修正が必要となり、処理が煩雑になるとと
もに情報変更処理に多大な時間がかかるようになる。と
ころが、前記「32kバイトアライン」を行うことによ
って、縮小画像データをECCグループ単位で記録・消
去する際に付加されるエラー訂正情報の修正が不要とな
り、ユーザメニューデータの記録と消去が高速に処理可
能となる。
【0652】(e)以下の方法により、アンカーポイン
トと縮小画像管理部、縮小画像管理部のバックアップデ
ータの高信頼性を確保できる: *縮小画像管理領域の信頼性確保…縮小画像管理領域の
バックアップ領域を設け、万一の縮小画像管理領域欠陥
に備えるとともに欠陥発生時には記録場所移動を可能と
する; *縮小画像管理領域の記録場所を示すアンカーポイント
情報の信頼性確保…単独でECCブロックを構成し、デ
ータ変更回数を少なくするとともに2ヶ所に記録する
(図47の第1および第2アンカーポイント); *欠陥管理処理…ディスク(記録媒体)表面のゴミや傷
により縮小画像管理部やアンカーポイントからの情報再
生が不能になった場合、前述したバックアップ部からデ
ータを読み直して、別位置に再記録できるようにする。
これにより、欠陥領域を登録して誤ってその欠陥場所を
再び使用してしまうことを防止できる。
【0653】なお、ユーザメニューに用いる縮小画像デ
ータには、その元画像に、クローズドキャプションや多
重文字が重畳されているケースがある。そのような場合
には、文字を多重後、縮小画像を構成しても良い。ま
た、この文字データだけで縮小画像を構成することも考
えられる。
【0654】さらに、実際の縮小画像データを持たず、
本画像へのポインタのみでユーザメニュー用縮小画像を
表すことも可能である(後述する図51の構成におい
て、ハードウエア側でユーザメニューを構成するため
に、縮小画像をデコーダ内で作りながら表示を行う場合
に対応する)。この方法によると、メニュー表示時にデ
ィスクサーチを頻繁に行うため、ユーザメニュー表示に
若干時間がかかるが、実際に縮小画像を持たない分、使
用するディスク容量が少なくて済む利点が得られる。
【0655】ところで、図18のAVデータ制御情報D
A210内のPGC制御情報PGCCIは図32に示す
ようなデータ構造を持ち、PGCとセルによって再生順
序が決定される。PGCは、セルの再生順序を指定した
一連の再生を実行する単位を示す。セルは、再生データ
を開始アドレスと終了アドレスで指定した再生区間を示
す。
【0656】図50は、図2のディスク10に記録され
たセルデータを再生する場合の一例を模式的に示してい
る。図示するように、再生データは、セルAからセルF
までの再生区間で指定されている。各プログラムチェー
ン(PGC)におけるこれらのセルの再生組み合わせは
プログラムチェーン情報において定義される。
【0657】図51は、図50の再生データを構成する
各セルとプログラムチェーン情報(PGCI)との関係
の一例を説明する図である(図19参照)。
【0658】すなわち、3つのセル#1〜#3で構成さ
れるPGC#1は、セルA→セルB→セルCという順序
でセル再生を指定している。また、3つのセル#1〜#
3で構成されるPGC#2は、セルD→セルE→セルF
という順序でセル再生を指定している。さらに、5つの
セル#1〜#5で構成されるPGC#3は、セルE→セ
ルA→セルD→セルB→セルEという順序でセル再生を
指定している。
【0659】図50および図51において、PGC#1
はセルAからセルCまでの連続再生区間を例示してお
り、PGC#2はセルDからセルFまでの断続した再生
区間を例示している。また、PGC#3は、セルの再生
方向や重複再生(セルCとセルD)に拘わらず飛び飛び
のセル再生が可能な例を示している。
【0660】図52は、図1〜図11の構成を持つ情報
記憶媒体(DVDーRAMディスク等)10を用いてデ
ジタルビデオ情報の録画・再生を行えるように構成され
たパーソナルコンピュータPCの一例を説明するブロッ
ク図である。
【0661】<<一般的なパーソナルコンピュータシス
テムPCの内部構造説明>> (1)メインCPUに直接接続されるデータ/アドレス
ライン パーソナルコンピュータPC内のメインCPU111は
メインメモリ112との間の情報入出力を直接行うメモ
リデータライン114と、メインメモリ112内に記録
されている情報のアドレスを指定するメモリアドレスラ
イン113を持ち、メインメモリ112内にロードされ
たプログラムに従ってメインCPU111の実行処理が
進む。
【0662】さらに、メインCPU111は、I/Oデ
ータライン146を通して各種コントローラとの情報転
送を行うとともに、I/Oアドレスライン145のアド
レス指定により情報転送先コントローラの指定と転送さ
れる情報内容の指定を行っている。
【0663】(2)ディスプレイコントロールとキーボ
ードコントロール ビットマップディスプレイ(モニタCRT)116の表
示内容制御を行うディスプレイコントローラ115はメ
モリデータライン114を介しメインCPU111間の
情報交換を行っている。
【0664】さらに、高解像度で豊かな色彩表現(およ
び階調表現)を実現するため、CRTディスプレイ11
6専用のメモリとして、ビデオRAM117を備えてい
る。LCDコントローラ115はメモリデータライン1
14を経由してメインメモリ112から直接情報を入力
し、CRTディスプレイ116に表示することもでき
る。
【0665】キーボード119から入力されたテンキー
情報はキーボードコントローラ118で変換されてI/
Oデータライン146を経由してメインCPU111に
入力される。
【0666】(3)情報再生装置(DVD−ROM/R
AMドライブ等)の制御系統 パーソナルコンピュータPC内に内蔵されたCD−RO
Mドライブ122やDVD−ROM/RAMコンパチブ
ルドライブ140などの光学式の情報再生装置には、I
DEインターフェイスあるいはSCSIインターフェイ
スが使われる場合が多い。CD−ROMドライブ122
からの再生情報はIDEコントローラ120を経由して
I/Oデータライン146に転送される。
【0667】(4)PC外部とのシリアル/パラレルイ
ンターフェイス パーソナルコンピュータシステムの外部機器との情報転
送用には、シリアルラインとパラレルラインがそれぞれ
用意されている。
【0668】「セントロニクス」に代表されるパラレル
ラインを制御するパラレルI/Fコントローラ123
は、ネットワーク等を介さずに直接プリンター124や
スキャナー125を駆動する場合に使われる。スキャナ
ー125から転送される情報はパラレルI/Fコントロ
ーラ123を経由してI/Oデータライン146に転送
される。またI/Oデータライン146上で転送される
情報はパラレルI/Fコントローラ123を経由してプ
リンター124へ転送される。
【0669】たとえば、ディスプレイ116に表示され
ているビデオRAM117内の情報やメインメモリ11
2内の特定情報をプリントアウトする場合、これらの情
報をメインCPU111を介してI/Oデータライン1
46に転送した後、パラレルI/Fコントローラ123
でプロトコル変換してプリンター124に出力する。
【0670】外部に出力されるシリアル情報に関して
は、I/Oデータライン146で転送された情報がシリ
アルI/Fコントローラ130でプロトコル変換され、
たとえばRS−232Cのシリアル信号として出力され
る。
【0671】(5)機能拡張用バスライン パーソナルコンピュータシステムは機能拡張用に各種の
バスラインを持っている。デスクトップのパーソナルコ
ンピュータではバスラインとしてPCIバス133とE
ISAバス126を持っている場合が多い。
【0672】PCIバス133およびEISAバス12
6それぞれのバスラインは、PCIバスコントローラ1
43およびEISAバスコントローラ144を介して、
I/Oデータライン146とI/Oアドレスライン14
5に接続されている。
【0673】バスラインに接続される各種ボードはEI
SAバス126専用ボードとPCIバス133専用ボー
ドに分かれている。比較的PCIバス133の方が高速
転送に向くため、図52の構成ではPCIバス133に
接続しているボードの数が多くなっているが、これは一
例にすぎない。図52の構成に限らずEISAバス12
6専用ボードを使用すれば、たとえばLANボード13
9やSCSIボード138をEISAバス126に接続
することも可能である。
【0674】(6)バスライン接続の各種ボードの概略
機能説明 (6.1)サウンドブラスターボード127 マイク128から入力された音声信号はサウンドブラス
ターボード127によりデジタル情報に変換され、EI
SAバス126、I/Oデータライン146を経由して
メインメモリ112やDVDーRAMドライブ140に
入力され、適宜加工される。
【0675】また音楽等を聞きたい場合には、CD−R
OMドライブ122あるいはDVDーROM/RAMド
ライブ140に記録されているファイル名をユーザが指
定することにより、デジタル音源信号がI/Oデータラ
イン146、EISAバス126を経由してサウンドブ
ラスターボード127に転送され、アナログ信号に変換
された後、スピーカー129から出力される。
【0676】(6.2)専用DSP137 ある特殊な処理を高速で実行したい場合、その処理専用
のDSPボード137をPCIバスライン133に接続
することができる。
【0677】(6.3)SCSIインターフェイス 外部記憶装置との間の情報入出力にはSCSIインター
フェイスが利用される場合が多い。SCSIボード13
8内では、DVDーROM/RAMドライブ140等の
外部記憶装置との間で入出力されるSCSIフォーマッ
ト情報をPCIバス133またはEISAバス126に
転送するためのプロトコル変換や、転送情報フォーマッ
ト変換が、実行される。
【0678】(6.4)情報圧縮・伸長専用ボード 音声、静止画、動画像などマルチメディア情報は、情報
圧縮され、DVDーROM/RAMドライブ140等に
より情報記憶媒体(図1のDVDーRAMディスク1
0)記録される。この情報圧縮・伸長専用ボード(13
4〜136)は、DVDーROM/RAMドライブ14
0から圧縮された情報を再生する際、圧縮されている情
報を伸長して、ディスプレイ116に表示する画像情報
を生成したり、スピーカー129を鳴らす音声信号を生
成する。またマイク128から入力された音声信号など
を情報圧縮してDVDーROM/RAMドライブ140
に記録する際にも利用される。
【0679】上記情報の圧縮・伸長機能は各種専用ボー
ドが受け持っている。
【0680】具体的には、音楽・音声信号の圧縮・伸長
はオーディオエンコーダ/デコーダボード136で行
い、動画(ビデオ映像)の圧縮・伸長はMPEGボード
134で行い、静止画の圧縮・伸長はJPEGボード1
35で行なうようにしている。
【0681】<<パーソナルコンピュータの外部ネット
ワークとの接続>> (7)電話回線を用いたネットワーク接続 電話回線を経由して外部に情報転送したい場合には、モ
デム131を用いる。すなわち希望の相手先へ電話接続
するには図示しないNCU(Network Control Unit)が
電話回線を介して電話交換機に相手先電話番号を伝達す
る。電話回線が接続されると、シリアルI/Fコントロ
ーラ130がI/Oデータライン146上の情報に対し
て転送情報フォーマット変換とプロトコル変換を行い、
その結果得られるデジタル信号のRS−232C信号が
モデム131でアナログ信号に変換されて電話回線に転
送される。
【0682】(8)IEEE1394を用いたネットワ
ーク接続 音声、静止画、動画などマルチメディア情報を外部装置
(図示せず)へ転送する場合には、IEEE1394イ
ンターフェイスが適している。
【0683】動画や音声では一定時間内に必要な情報を
送り切れないと画像の動きがギクシャクしたり、音声が
途切れたりする。その問題を解決するためIEEE13
94では125μs毎にデータ転送が完了するisochron
ous転送方式を採用している。IEEE1394ではこ
のisochronous転送と通常の非同期転送の混在も許して
いるが、1サイクルの非同期転送時間は最大63.5μ
sと上限が決められている。この非同期転送時間が長過
ぎるとisochronous転送を保証できなくなるためであ
る。
【0684】なお、IEEE1394ではSCSIのコ
マンド(命令セット)をそのまま使用することができ
る。
【0685】IEEE1394I/Fボード132は、
PCIバス133を伝わってきた情報に対し、isochron
ous転送用の情報フォーマット変換やプロトコル変換、
ノード設定のようなトポロジーの自動設定などの処理を
行なう。
【0686】このようにパーソナルコンピュータシステ
ム内で持っている情報をIEEE1394信号として外
部に転送するだけでなく、同様に外部から送られて来る
IEEE1394信号を変換してPCIバス133に転
送する働きもIEEE1394I/Fボード132は持
っている。
【0687】(9)LANを用いたネットワーク接続 企業内や官庁・学校など特定地域内のローカルエリア情
報通信のために、図示しないが、LANケーブルを媒体
としてLAN信号の入出力を行っている。
【0688】LANを用いた通信のプロトコルとしては
TCP/IP、NetBEUIなどが存在し、各種プロ
トコルに応じて独自のデータパケット構造(情報フォー
マット構造)が採用される。PCIバス133上で転送
される情報に対する情報フォーマット変換や各種プロト
コルに応じた外部との通信手続き処理などは、LANボ
ード139により行われる。
【0689】一例としてDVDーROM/RAMドライ
ブ140にセットされたDVDーRAMディスク10
(図1)内に記録してある特定ファイル情報をLAN信
号に変換して、図示しない外部のパーソナルコンピュー
タ、EWSあるいはネットワークサーバに転送する場合
の手続きと情報転送経路について、説明する。
【0690】SCSIボード138の制御によりDVD
ーRAMディスク10内に記録されているファイルディ
レクトリ(図23)を出力させ、その結果のファイルリ
ストを、メインCPU111がメインメモリ112に記
録するとともにCRTディスプレイ116に表示させ
る。
【0691】ユーザが転送したいファイル名をキーボー
ド119から入力すると、その内容がキーボードコント
ローラ118を介してメインCPU111に送られ、C
PU111により認識される。メインCPU111がS
CSIボード138に転送するファイル名を通知する
と、DVDーROM/RAMドライブ140がDVDー
RAMディスク10内部の情報記録場所を判定してアク
セスし、そこからの再生情報がSCSIボード138お
よびPCIバス133を経由してLANボード139へ
転送される。
【0692】LANボード139では、一連の通信手続
きにより転送先とセッションを張った後、PCIバス1
33からのファイル情報受け、伝送するプロトコルに従
ったデータパケット構造に変換後、LAN信号として外
部へ転送する。
【0693】<<情報再生装置または情報記憶再生装置
からの情報転送>> (10)標準的インターフェイスと情報転送経路 CD−ROM、DVDーろむなど再生専用の光ディスク
を扱う装置であるドライブ122、DVD−RAM、P
D(相変化記録ディスク)、MO(光磁気ディスク)な
ど記録再生可能な光ディスクを扱う装置であるドライブ
140をパーソナルコンピュータシステム内に組み込ん
で使用する場合、標準的なインターフェイスとして“I
DE”“SCSI”“IEEE1394”などが存在す
る。
【0694】一般的にはPCIバスコントローラ143
やEISAバスコントローラ144は内部にDMA(ダ
イレクトメモリアクセス)機能を持っている。このDM
Aの制御により、メインCPU111を介在させること
なく各ブロック間で直接情報を転送することができる。
【0695】たとえば、DVDドライブ140からの再
生情報をMPEGボード134に転送する場合、メイン
CPU111からの処理はPCIバスコントローラ14
3へ転送命令を与えるだけで良い。情報転送管理はPC
Iバスコントローラ143内のDMAに任せる。その結
果、実際の情報転送時にはメインCPUは情報転送処理
に忙殺されることなく、その情報転送処理中に他の処理
を並行して実行できる。
【0696】同様に、CDドライブ122からの再生情
報をたとえばメモリ112へ転送する場合も、メインC
PU111はIDEコントローラ120へ転送命令を出
すだけで、後の転送処理管理をIDEコントローラ12
0内のDMAに任せることができる。
【0697】(11)認証機能 情報記録再生装置(DVDーRAMドライブ等)140
もしくは情報再生装置(CDーROMドライブ等)12
2に関する情報転送処理には、上述したようにPCIバ
スコントローラ143内のDMA、EISAバスコント
ローラ144内のDMAまたはIDEコントローラ12
0内のDMAが管理を行っているが、実際の転送処理自
体は情報記録再生装置140もしくは情報再生装置12
2が持つ認証(authentication)機能部が実際の転送処
理を実行している。
【0698】DVDビデオ、DVD−ROM、DVD−
RなどのDVDシステムでは、ビデオ、オーディオのビ
ットストリームはMPEG2プログラムストリームフォ
ーマットで記録されており、オーディオストリーム、ビ
デオストリーム、サブピクチャストリーム、プライベー
トストリームなどが混在して記録されている。
【0699】情報記録再生装置(DVDーROM/RA
Mドライブ等)140は、情報の再生時にプログラムス
トリームからオーディオストリーム、ビデオストリー
ム、サブピクチャストリーム、プライベートストリーム
などを分離抽出し、抽出したストリームを、メインCP
U111を介在させることなく、PCIバス133を介
して直接音声符号化復号化ボード136、MPEGボー
ド134あるいはJPEGボード135に転送する。
【0700】同様に、情報再生装置(CDーROMドラ
イブ等)122もそこから再生されるプログラムストリ
ームを各種のストリーム情報に分離抽出し、個々のスト
リーム情報をI/Oデータライン146、PCIバス1
33を経由して直接(メインCPU111を介在させる
ことなく)音声符号化復号化ボード136、MPEGボ
ード134あるいはJPEGボード135に転送する。
【0701】情報記録再生装置140や情報再生装置1
22と同様、音声符号化復号化ボード136、MPEG
ボード134あるいはJPEGボード135自体も内部
に認証機能を持っている。
【0702】この機能により、情報転送に先立ち、PC
Iバス133(およびI/Oデータライン146)を介
して情報記録再生装置140や情報再生装置122と音
声符号化復号化ボード136、MPEGボード134、
JPEGボード135間で互いに認証し合うことができ
る。相互認証が完了すると、情報記録再生装置140や
情報再生装置122で再生されたビデオストリーム情報
はMPEGボード134だけに転送される。同様に、オ
ーディオストリーム情報は音声符号化復号化ボード13
6のみに転送される。また、静止画ストリームはJPE
Gボード135へ、プライベートストリームやテキスト
情報はメインCPU111へ送られる。
【0703】ところで、情報記録再生装置は、大きく分
けて、情報記憶媒体に対して情報の記録・再生を行う情
報記録再生部(物理系ブロック)と、外部とのインター
フェイス部や情報記録再生装置として独自の装置機能を
果たすための機能実施部などから構成された応用構成部
(アプリケーション系ブロック)とに分類できる。
【0704】図53は、図52のデジタルビデオ録再機
能付パーソナルコンピュータPCにおいて、物理系ブロ
ックとアプリケーション系ブロックを分けて説明する図
である。
【0705】情報再生装置(DVDプレーヤ等)もしく
は情報記録再生装置(DVDレコーダ等)103は、図
53に示すように、大きく2つのブロックから構成され
る。
【0706】情報再生部もしくは情報記録再生部(物理
系ブロック)101は情報記憶媒体(図1の光ディスク
10)を回転させ、光ヘッドを用いて情報記憶媒体にあ
らかじめ記録してある情報を読み取る(または情報記憶
媒体に新たな情報を記録する)機能を有する。
【0707】具体的には、情報記憶媒体としての光ディ
スク10を回転させるスピンドルモーター、光ディスク
10に記録してある情報を再生する光ヘッド、再生した
い情報が記録されている光ディスク10上の半径位置に
光ヘッドを移動させるための光ヘッド移動機構、その他
各種サーボ回路などから構成されている。この斑理系ブ
ロック101の構成については後述する。
【0708】応用構成部(アプリケーションブロック)
102は、情報再生部もしくは情報記録再生部(物理系
ブロック)101から得られた再生信号cに処理を加え
て情報再生装置もしくは情報記録再生装置103の外に
再生情報aを送出する働きをする。このアプリケーショ
ンブロック内の構成は、情報再生装置もしくは情報記録
再生装置103の具体的用途(使用目的)に応じて変化
する。このアプリケーションブロック102の構成につ
いても後述する。
【0709】情報記録再生装置(DVDレコーダ等)の
場合には、以下の手順で外部から与えられた記録情報b
を情報記憶媒体(光ディスク10)に記録する。
【0710】*外部から与えられた記録情報bは直接ア
プリケーションブロック102に転送される。
【0711】*アプリケーションブロック102内で記
録情報bに処理を加えた後、記録信号dを物理系ブロッ
ク101へ伝送する。
【0712】*伝送された記録信号dを物理系ブロック
101内で光ディスク10に記録する。
【0713】図54は、図52のDVDーROM/RA
Mドライブ140(図53でいえば物理系ブロック10
1)の構成の一例を説明するブロック図である。
【0714】まず始めに、情報記録再生装置内の情報記
録再生部(物理系ブロック101)の内部構造から説明
する。
【0715】<<<情報記録再生部の機能説明>>> <<情報記録再生部の基本機能>>情報記録再生部で
は、情報記憶媒体(光ディスク)10上の所定位置に、
レーザビームの集光スポットを用いて、新規情報の記録
あるいは書き替え(情報の消去も含む)を行う。
【0716】情報記憶媒体10上の所定位置から、レー
ザビームの集光スポットを用いて、既に記録されている
情報の再生を行う。
【0717】<<情報記録再生部の基本機能達成手段>
>上記基本機能を達成するために、情報記録再生部で
は、情報記憶媒体10上のトラックに沿って集光スポッ
トをトレース(追従)させる。情報記憶媒体10に照射
する集光スポットの光量(強さ)を変化させて情報の記
録/再生/消去の切り替えを行う。外部から与えられる
記録信号dを高密度かつ低エラー率で記録するために最
適な信号に変換する。
【0718】<<<機構部分の構造と検出部分の動作>
>> <<光ヘッド202基本構造と信号検出回路>> <光ヘッド202による信号検出>光ヘッド202は、
基本的には、光源である半導体レーザ素子と光検出器と
対物レンズから構成されている。
【0719】半導体レーザ素子から発光されたレーザ光
は、対物レンズにより情報記憶媒体(光ディスク)10
上に集光される。情報記憶媒体10の光反射膜または光
反射性記録膜で反射されたレーザ光は光検出器により光
電変換される。
【0720】光検出器で得られた検出電流は、アンプ2
13により電流−電圧変換されて検出信号となる。この
検出信号は、フォーカス・トラックエラー検出回路21
7あるいは2値化回路212で処理される。
【0721】一般的に、光検出器は、複数の光検出領域
に分割され、各光検出領域に照射される光量変化を個々
に検出している。この個々の検出信号に対してフォーカ
ス・トラックエラー検出回路217で和・差の演算を行
い、フォーカスずれおよびトラックずれの検出を行う。
この検出によりフォーカスずれおよびトラックずれを実
質的に取り除いた後、情報記憶媒体10の光反射膜また
は光反射性記録膜からの反射光量変化を検出して、情報
記憶媒体10上の信号を再生する。
【0722】<フォーカスずれ検出方法>フォーカスず
れ量を光学的に検出する方法としては、たとえば次のよ
うなものがある: [非点収差法]情報記憶媒体10の光反射膜または光反
射性記録膜で反射されたレーザ光の検出光路に非点収差
を発生させる光学素子(図示せず)を配置し、光検出器
上に照射されるレーザ光の形状変化を検出する方法であ
る。光検出領域は対角線状に4分割されている。各検出
領域から得られる検出信号に対し、フォーカス・トラッ
クエラー検出回路217内で対角和間の差を取ってフォ
ーカスエラー検出信号を得る。
【0723】[ナイフエッジ法]情報記憶媒体10で反
射されたレーザ光に対して非対称に一部を遮光するナイ
フエッジを配置する方法である。光検出領域は2分割さ
れ、各検出領域から得られる検出信号間の差を取ってフ
ォーカスエラー検出信号を得る。
【0724】通常、上記非点収差法あるいはナイフエッ
ジ法のいずれかがが採用される。
【0725】<トラックずれ検出方法> 情報記憶媒体(光ディスク)10はスパイラル状または
同心円状のトラックを有し、トラック上に情報が記録さ
れる。このトラックに沿って集光スポットをトレースさ
せて情報の再生または記録/消去を行う。安定して集光
スポットをトラックに沿ってトレースさせるため、トラ
ックと集光スポットの相対的位置ずれを光学的に検出す
る必要がある。
【0726】トラックずれ検出方法としては一般に、次
の方法が用いられている: [位相差検出(Differential Phase Detection)法]情
報記憶媒体(光ディスク)10の光反射膜または光反射
性記録膜で反射されたレーザ光の光検出器上での強度分
布変化を検出する。光検出領域は対角線上に4分割され
ている。各検出領域から得られる検出信号に対し、フォ
ーカス・トラックエラー検出回路217内で対角和間の
差を取ってトラックエラー検出信号を得る。
【0727】[プッシュプル(Push-Pull)法]情報記
憶媒体10で反射されたレーザ光の光検出器上での強度
分布変化を検出する。光検出領域は2分割され、各検出
領域から得られる検出信号間の差を取ってトラックエラ
ー検出信号を得る。
【0728】[ツインスポット(Twin-Spot)法]半導
体レーザ素子と情報記憶媒体10間の送光系に回折素子
などを配置して光を複数に波面分割し、情報記憶媒体1
0上に照射する±1次回折光の反射光量変化を検出す
る。再生信号検出用の光検出領域とは別に+1次回折光
の反射光量と−1次回折光の反射光量を個々に検出する
光検出領域を配置し、それぞれの検出信号の差を取って
トラックエラー検出信号を得る。
【0729】<対物レンズアクチュエータ構造>半導体
レーザ素子から発光されたレーザ光を情報記憶媒体10
上に集光させる対物レンズ(図示せず)は、対物レンズ
アクチュエータ駆動回路218の出力電流に応じて2軸
方向に移動可能な構造になっている。この対物レンズの
移動方向には、次の2つがある。すなわち、フォーカス
ずれ補正用に情報記憶媒体10に対する垂直方向に移動
し、トラックずれ補正用に情報記憶媒体10の半径方向
に移動する。
【0730】対物レンズの移動機構(図示せず)は対物
レンズアクチュエータと呼ばれる。対物レンズアクチュ
エータ構造には、たとえば次のようなものがよく用いら
れる: [軸摺動方式]中心軸(シャフト)に沿って対物レンズ
と一体のブレードが移動する方式で、ブレードが中心軸
に沿った方向に移動してフォーカスずれ補正を行い、中
心軸を基準としたブレードの回転運動によりトラックず
れ補正を行う方法である。
【0731】[4本ワイヤ方式]対物レンズ一体のブレ
ードが固定系に対し4本のワイヤで連結されており、ワ
イヤの弾性変形を利用してブレードを2軸方向に移動さ
せる方法である。
【0732】上記いずれの方式も永久磁石とコイルを持
ち、ブレードに連結したコイルに電流を流すことにより
ブレードを移動させる構造になっている。
【0733】<<情報記憶媒体10の回転制御系>>ス
ピンドルモータ204の駆動力によって回転する回転テ
ーブル221上に情報記憶媒体(光ディスク)10を装
着する。
【0734】情報記憶媒体10の回転数は、情報記憶媒
体10から得られる再生信号によって検出する。すなわ
ち、アンプ213出力の検出信号(アナログ信号)は2
値化回路212でデジタル信号に変換され、この信号か
らPLL回路211により一定周期信号(基準クロック
信号)を発生させる。情報記憶媒体回転速度検出回路2
14では、この信号を用いて情報記憶媒体10の回転数
を検出し、その値を出力する。
【0735】情報記憶媒体10上で再生あるいは記録/
消去する半径位置に対応した情報記憶媒体回転数の対応
テーブルは、半導体メモリ219に予め記録されてい
る。再生位置または記録/消去位置が決まると、制御部
220は半導体メモリ219情報を参照して情報記憶媒
体10の目標回転数を設定し、その値をスピンドルモー
タ駆動回路215に通知する。
【0736】スピンドルモータ駆動回路215では、こ
の目標回転数と情報記憶媒体回転速度検出回路214の
出力信号(現状での回転数)との差を求め、その結果に
応じた駆動電流をスピンドルモータ204に与えて、ス
ピンドルモータ204の回転数が一定になるように制御
する。情報記憶媒体回転速度検出回路214の出力信号
は、情報記憶媒体10の回転数に対応した周波数を有す
るパルス信号であり、スピンドルモータ駆動回路215
では、このパルス信号の周波数およびパルス位相の両方
に対して、制御(周波数制御および位相制御)を行な
う。
【0737】<<光ヘッド移動機構>>この機構は、情
報記憶媒体10の半径方向に光ヘッド202を移動させ
るため光ヘッド移動機構(送りモータ)203を持って
いる。
【0738】光ヘッド202を移動させるガイド機構と
しては、棒状のガイドシャフトを利用する場合が多い。
このガイド機構では、このガイドシャフトと光ヘッド2
02の一部に取り付けられたブッシュ間の摩擦を利用し
て、光ヘッド202を移動させる。それ以外に回転運動
を使用して摩擦力を軽減させたベアリングを用いる方法
もある。
【0739】光ヘッド202を移動させる駆動力伝達方
法は、図示していないが、固定系にピニオン(回転ギ
ヤ)の付いた回転モータを配置し、ピニオンとかみ合う
直線状のギヤであるラックを光ヘッド202の側面に配
置して、回転モータの回転運動を光ヘッド202の直線
運動に変換している。それ以外の駆動力伝達方法として
は、固定系に永久磁石を配置し、光ヘッド202に配置
したコイルに電流を流して直線的方向に移動させるリニ
アモータ方式を使う場合もある。
【0740】回転モータ、リニアモータいずれの方式で
も、基本的には送りモータに電流を流して光ヘッド20
2移動用の駆動力を発生させている。この駆動用電流は
送りモータ駆動回路216から供給される。
【0741】<<<各制御回路の機能>>> <<集光スポットトレース制御>>フォーカスずれ補正
あるいはトラックずれ補正を行うため、フォーカス・ト
ラックエラー検出回路217の出力信号(検出信号)に
応じて光ヘッド202内の対物レンズアクチュエータ
(図示せず)に駆動電流を供給する回路が、対物レンズ
アクチュエータ駆動回路218である。この駆動回路2
18は、高い周波数領域まて対物レンズ移動を高速応答
させるため、対物レンズアクチュエータの周波数特性に
合わせた特性改善用の位相補償回路を、内部に有してい
る。
【0742】対物レンズアクチュエータ駆動回路218
では、制御部220の命令に応じて、 (イ)フォーカス/トラックずれ補正動作(フォーカス
/トラックループ)のオン/オフ処理と; (ロ)情報記憶媒体10の垂直方向(フォーカス方向)
へ対物レンズを低速で移動させる処理(フォーカス/ト
ラックループオフ時に実行)と; (ハ)キックパルスを用いて、対物レンズを情報記憶媒
体10の半径方向(トラックを横切る方向)にわずかに
動かして、集光スポットを隣のトラックへ移動させる処
理とが行なわれる。
【0743】<<レーザ光量制御>> <再生と記録/消去の切り替え処理>再生と記録/消去
の切り替えは情報記憶媒体10上に照射する集光スポッ
トの光量を変化させて行う。
【0744】相変化方式を用いた情報記憶媒体に対して
は、一般的に [記録時の光量]>[消去時の光量]>[再生時の光量] …(1) の関係が成り立ち、光磁気方式を用いた情報記憶媒体に
対しては、一般的に [記録時の光量]≒[消去時の光量]>[再生時の光量] …(2) の関係がある。光磁気方式の場合では、記録/消去時に
は情報記憶媒体10に加える外部磁場(図示せず)の極
性を変えて記録と消去の処理を制御している。
【0745】情報再生時では、情報記憶媒体10上に一
定の光量を連続的に照射している。
【0746】新たな情報を記録する場合には、この再生
時の光量の上にパルス状の断続的光量を上乗せする。半
導体レーザ素子が大きな光量でパルス発光した時に情報
記憶媒体10の光反射性記録膜が局所的に光学的変化ま
たは形状変化を起こし、記録マークが形成される。すで
に記録されている領域の上に重ね書きする場合も同様に
半導体レーザ素子をパルス発光させる。
【0747】すでに記録されている情報を消去する場合
には、再生時よりも大きな一定光量を連続照射する。連
続的に情報を消去する場合にはセクタ単位など特定周期
毎に照射光量を再生時に戻し、消去処理と平行して間欠
的に情報再生を行う。これにより、間欠的に消去するト
ラックのトラック番号やアドレスを再生することで、消
去トラックの誤りがないことを確認しながら消去処理を
行っている。
【0748】<レーザ発光制御>図示していないが、光
ヘッド202内には、半導体レーザ素子の発光量を検出
するための光検出器が内蔵されている。レーザ駆動回路
205では、その光検出器出力(半導体レーザ素子発光
量の検出信号)と記録・再生・消去制御波形発生回路2
06から与えられる発光基準信号との差を取り、その結
果に基づき、半導体レーザへの駆動電流をフィードバッ
ク制御している。
【0749】<<<機構部分の制御系に関する諸動作>
>> <<起動制御>>情報記憶媒体(光ディスク)10が回
転テーブル221上に装着され、起動制御が開始される
と、以下の手順に従った処理が行われる。
【0750】(1)制御部220からスピンドルモータ
駆動回路215に目標回転数が伝えられ、スピンドルモ
ータ駆動回路215からスピンドルモータ204に駆動
電流が供給されて、スピンドルモータ204が回転を開
始する。
【0751】(2)同時に制御部220から送りモータ
駆動回路216に対してコマンド(実行命令)が出さ
れ、送りモータ駆動回路216から光ヘッド駆動機構
(送りモータ)203に駆動電流が供給されて、光ヘッ
ド202が情報記憶媒体10の最内周位置に移動する。
その結果、情報記憶媒体10の情報が記録されている領
域を越えてさらに内周部に光ヘッド202が来ているこ
とを確認する。
【0752】(3)スピンドルモータ204が目標回転
数に到達すると、そのステータス(状況報告)が制御部
220に出される。
【0753】(4)制御部220から記録・再生・消去
制御波形発生回路206に送られた再生光量信号に合わ
せて半導体レーザ駆動回路205から光ヘッド202内
の半導体レーザ素子に電流が供給されて、レーザ発光が
開始する。
【0754】なお、情報記憶媒体(光ディスク)10の
種類によって再生時の最適照射光量が異なる。起動時に
は、そのうちの最も照射光量の低い値に対応した値に、
半導体レーザ素子に供給される電流値を設定する。
【0755】(5)制御部220からのコマンドに従っ
て、光ヘッド202内の対物レンズ(図示せず)を情報
記憶媒体10から最も遠ざけた位置にずらし、ゆっくり
と対物レンズを情報記憶媒体10に近付けるよう対物レ
ンズアクチュエータ駆動回路218が対物レンズを制御
する。
【0756】(6)同時にフォーカス・トラックエラー
検出回路217でフォーカスずれ量をモニターし、焦点
が合う位置近傍に対物レンズがきたときにステータスを
出して、「対物レンズが合焦点位置近傍にきた」ことを
制御部220に通知する。
【0757】(7)制御部220では、その通知をもら
うと、対物レンズアクチュエータ駆動回路218に対し
て、フォーカスループをオンにするようコマンドを出
す。
【0758】(8)制御部220は、フォーカスループ
をオンにしたまま送りモータ駆動回路216にコマンド
を出して、光ヘッド202をゆっくり情報記憶媒体10
の外周部方向へ移動させる。
【0759】(9)同時に光ヘッド202からの再生信
号をモニターし、光ヘッド202が情報記憶媒体10上
の記録領域に到達したら、光ヘッド202の移動を止
め、対物レンズアクチュエータ駆動回路218に対して
トラックループをオンさせるコマンドを出す。
【0760】(10)続いて情報記憶媒体10の内周部
に記録されている「再生時の最適光量」および「記録/
消去時の最適光量」が再生され、その情報が制御部22
0を経由して半導体メモリ219に記録される。
【0761】(11)さらに制御部220では、その
「再生時の最適光量」に合わせた信号を記録・再生・消
去制御波形発生回路206に送り、再生時の半導体レー
ザ素子の発光量を再設定する。
【0762】(12)そして、情報記憶媒体10に記録
されている「記録/消去時の最適光量」に合わせて記録
/消去時の半導体レーザ素子の発光量が設定される。
【0763】<<アクセス制御>>情報記憶媒体10に
記録されたアクセス先情報が再生情報記憶媒体10上の
どの場所に記録されまたどのような内容を持っているか
についての情報は、情報記憶媒体10の種類により異な
る。たとえばDVDディスクでは、この情報は、情報記
憶媒体10内のディレクトリ管理領域またはナビゲーシ
ョンパックなどに記録されている。
【0764】ここで、ディレクトリ管理領域は、通常は
情報記憶媒体10の内周領域または外周領域にまとまっ
て記録されている。また、ナビゲーションパックは、M
PEG2のPS(プログラムストリーム)のデータ構造
に準拠したVOBS(ビデオオブジェクトセット)中の
VOBU(ビデオオブジェクトユニット)というデータ
単位の中に含まれ、次の映像がどこに記録してあるかの
情報を記録している。
【0765】特定の情報を再生あるいは記録/消去した
い場合には、まず上記の領域内の情報を再生し、そこで
得られた情報からアクセス先を決定する。
【0766】<粗アクセス制御>制御部220ではアク
セス先の半径位置を計算で求め、現状の光ヘッド202
位置との間の距離を割り出す。
【0767】光ヘッド202移動距離に対して最も短時
間で到達できる速度曲線情報が事前に半導体メモリ21
9内に記録されている。制御部220は、その情報を読
み取り、その速度曲線に従って以下の方法で光ヘッド2
02の移動制御を行う。
【0768】すなわち、制御部220から対物レンズア
クチュエータ駆動回路218に対してコマンドを出して
トラックループをオフした後、送りモータ駆動回路21
6を制御して光ヘッド202の移動を開始させる。
【0769】集光スポットが情報記憶媒体10上のトラ
ックを横切ると、フォーカス・トラックエラー検出回路
217内でトラックエラー検出信号が発生する。このト
ラックエラー検出信号を用いて情報記憶媒体10に対す
る集光スポットの相対速度を検出することができる。
【0770】送りモータ駆動回路216では、このフォ
ーカス・トラックエラー検出回路217から得られる集
光スポットの相対速度と制御部220から逐一送られる
目標速度情報との差を演算し、その結果で光ヘッド駆動
機構(送りモータ)203への駆動電流にフィードバッ
ク制御をかけながら、光ヘッド202を移動させる。
【0771】前記<<光ヘッド移動機構>>の項で述べ
たように、ガイドシャフトとブッシュあるいはベアリン
グ間には常に摩擦力が働いている。光ヘッド202が高
速に移動している時は動摩擦が働くが、移動開始時と停
止直前には光ヘッド202の移動速度が遅いため静止摩
擦が働く。この静止摩擦が働く時には(特に停止直前に
は)、相対的に摩擦力が増加している。この摩擦力増加
に対処するため、光ヘッド駆動機構(送りモータ)20
3に供給される電流が大きくなるように、制御部220
からのコマンドによって制御系の増幅率(ゲイン)を増
加させる。
【0772】<密アクセス制御>光ヘッド202が目標
位置に到達すると、制御部220から対物レンズアクチ
ュエータ駆動回路218にコマンドを出して、トラック
ループをオンさせる。
【0773】集光スポットは、情報記憶媒体10上のト
ラックに沿ってトレースしながら、その部分のアドレス
またはトラック番号を再生する。
【0774】そこでのアドレスまたはトラック番号から
現在の集光スポット位置を割り出し、到達目標位置から
の誤差トラック数を制御部220内で計算し、集光スポ
ットの移動に必要なトラック数を対物レンズアクチュエ
ータ駆動回路218に通知する。
【0775】対物レンズアクチュエータ駆動回路218
内で1組のキックパルスを発生させると、対物レンズは
情報記憶媒体10の半径方向にわずかに動いて、集光ス
ポットが隣のトラックへ移動する。
【0776】対物レンズアクチュエータ駆動回路218
内では、一時的にトラックループをオフさせ、制御部2
20からの情報に合わせた回数のキックパルスを発生さ
せた後、再びトラックループをオンさせる。
【0777】密アクセス終了後、制御部220は集光ス
ポットがトレースしている位置の情報(アドレスまたは
トラック番号)を再生し、目標トラックにアクセスして
いることを確認する。
【0778】<<連続記録/再生/消去制御>>フォー
カス・トラックエラー検出回路217から出力されるト
ラックエラー検出信号は、送りモータ駆動回路216に
入力されている。上述した「起動制御時」と「アクセス
制御時」には、送りモータ駆動回路216内では、トラ
ックエラー検出信号を使用しないように制御部220に
より制御されている。
【0779】アクセスにより集光スポットが目標トラッ
クに到達したことを確認した後、制御部220からのコ
マンドにより、モータ駆動回路216を経由してトラッ
クエラー検出信号の一部が光ヘッド駆動機構(送りモー
タ)203への駆動電流として供給される。連続に再生
または記録/消去処理を行っている期間中、この制御は
継続される。
【0780】情報記憶媒体10の中心位置は回転テーブ
ル221の中心位置とわずかにずれた偏心を持って装着
されている。トラックエラー検出信号の一部を駆動電流
として供給すると、偏心に合わせて光ヘッド202全体
が微動する。
【0781】また長時間連続して再生または記録/消去
処理を行うと、集光スポット位置が徐々に外周方向また
は内周方向に移動する。トラックエラー検出信号の一部
を光ヘッド移動機構(送りモータ)203への駆動電流
として供給した場合には、それに合わせて光ヘッド20
2が徐々に外周方向または内周方向に移動する。
【0782】このようにして対物レンズアクチュエータ
のトラックずれ補正の負担を軽減することにより、トラ
ックループを安定化させることができる。
【0783】<<終了制御>>一連の処理が完了し、動
作を終了させる場合には以下の手順に従って処理が行わ
れる。
【0784】(1)制御部220から対物レンズアクチ
ュエータ駆動回路218に対して、トラックループをオ
フさせるコマンドが出される。
【0785】(2)制御部220から対物レンズアクチ
ュエータ駆動回路218に対して、フォーカスループを
オフさせるコマンドが出される。
【0786】(3)制御部220から記録・再生・消去
制御波形発生回路206に対して、半導体レーザ素子の
発光を停止させるコマンドが出される。
【0787】(4)スピンドルモータ駆動回路215に
対して、基準回転数として0が通知される。
【0788】<<<情報記憶媒体への記録信号/再生信
号の流れ>>> <<再生時の信号の流れ>> <2値化・PLL回路>前記<光ヘッド202による信
号検出>の項で述べたように、情報記憶媒体(光ディス
ク)10の光反射膜または光反射性記録膜からの反射光
量変化を検出して、情報記憶媒体10上の信号を再生す
る。アンプ213で得られた信号は、アナログ波形を有
している。2値化回路212は、コンパレーターを用い
て、そのアナログ信号を“1”および“0”からなる2
値のデジタル信号に変換する。
【0789】こうして2値化回路212で得られた再生
信号から、PLL回路211において、情報再生時の基
準信号が取り出される。すなわち、PLL回路211は
周波数可変の発振器を内蔵しており、この発振器から出
力されるパルス信号(基準クロック)と2値化回路21
2出力信号との間で周波数および位相の比較が行われ
る。この比較結果を発振器出力にフィードバックしする
ことで、情報再生時の基準信号を取り出している。
【0790】<信号の復調>復調回路210は、変調さ
れた信号と復調後の信号との間の関係を示す変換テーブ
ルを内蔵している。復調回路210は、PLL回路21
1で得られた基準クロックに合わせて変換テーブルを参
照しながら、入力信号(変調された信号)を元の信号
(復調された信号)に戻す。復調された信号は、半導体
メモリ219に記録される。
【0791】<エラー訂正処理>エラー訂正回路209
の内部では、半導体メモリ219に保存された信号に対
し、内符号PIと外符号POを用いてエラー箇所を検出
し、エラー箇所のポインタフラグを立てる。その後、半
導体メモリ219から信号を読み出しながらエラーポイ
ンタフラグに合わせて逐次エラー箇所の信号を訂正した
後、再度半導体メモリ219に訂正後情報を記録する。
【0792】情報記憶媒体10から再生した情報を再生
信号cとして外部に出力する場合には、半導体メモリ2
19に記録されたエラー訂正後情報から内符号PIおよ
び外符号POをはずして、バスライン224を経由して
データI/Oインターフェイス222へ転送する。
【0793】そして、データI/Oインターフェイス2
22が、エラー訂正回路209から送られてきた信号を
再生信号cとして出力する。
【0794】<<情報記憶媒体10に記録される信号形
式>>情報記憶媒体10上に記録される信号に対して
は、以下のことを満足することが要求される: (イ)情報記憶媒体10上の欠陥に起因する記録情報エ
ラーの訂正を可能とすること; (ロ)再生信号の直流成分を“0”にして再生処理回路
の簡素化を図ること; (ハ)情報記憶媒体10に対してできるだけ高密度に情
報を記録すること。
【0795】以上の要求を満足するため、情報記録再生
部(物理系ブロック)101では、「エラー訂正機能の
付加」と「記録情報に対する信号変換(信号の変復
調)」とを行っている。
【0796】<<記録時の信号の流れ>> <エラー訂正コードECC付加処理>このエラー訂正コ
ードECC付加処理について、説明する。
【0797】情報記憶媒体10に記録したい情報dが、
生信号の形で、図54のデータI/Oインターフェイス
222に入力される。この記録信号dは、そのまま半導
体メモリ219に記録される。その後、ECCエンコー
ダ208内において、以下のようなECCの付加処理が
実行される。
【0798】以下、積符号を用いたECC付加方法の具
体例について説明を行なう。
【0799】記録信号dは、半導体メモリ219内で、
172バイト毎に1行ずつ順次並べられ、192行で1
組のECCブロックとされる(172バイト行×192
バイト列でおよそ32kバイトの情報量になる)。
【0800】この「172バイト行×192バイト列」
で構成される1組のECCブロック内の生信号(記録信
号d)に対し、172バイトの1行毎に10バイトの内
符号PIを計算して半導体メモリ219内に追加記録す
る。さらにバイト単位の1列毎に16バイトの外符号P
Oを計算して半導体メモリ219内に追加記録する。
【0801】そして、10バイトの内符号PIを含めた
12行分(12×(172+10)バイト)と外符号P
Oの1行分(1×(172+10)バイト)の合計23
66バイト(=(12+1)×(172+10))を単
位として、エラー訂正コードECC付加処理のなされた
情報が、情報記憶媒体10の1セクタ内に記録される。
【0802】ECCエンコーダ208は、内符号PIと
外符号POの付加が完了すると、その情報を一旦半導体
メモリ219へ転送する。
【0803】情報記憶媒体10に情報が記録される場合
には、半導体メモリ219から、1セクタ分の2366
バイトずつの信号が、変調回路207へ転送される。
【0804】<信号変調>再生信号の直流成分(DS
V:Digital Sum ValueまたはDigital Sum Variation)
を“0”に近付け、情報記憶媒体10に対して高密度に
情報を記録するため、信号形式の変換である信号変調を
変調回路207内で行う。
【0805】図54の変調回路207および復調回路2
10は、それぞれ、元の信号と変調後の信号との間の関
係を示す変換テーブルを内蔵している。
【0806】変調回路207は、ECCエンコーダ20
8から転送されてきた信号を所定の変調方式に従って複
数ビット毎に区切り、上記変換テーブルを参照しなが
ら、別の信号(コード)に変換する。
【0807】たとえば、変調方式として8/16変調
(RLL(2、10)コード)を用いた場合には、変換
テーブルが2種類存在し、変調後の直流成分(DSV)
が0に近付くように逐一参照用変換テーブルを切り替え
ている。
【0808】<記録波形発生>情報記憶媒体(光ディス
ク)10に記録マークを記録する場合、一般的には、記
録方式として、次のものが採用される:[マーク長記録
方式]記録マークの前端位置と後端末位置に“1”がく
るもの。
【0809】[マーク間記録方式]記録マークの中心位
置が“1”の位置と一致するもの。
【0810】なお、マーク長記録を採用する場合、比較
的長い記録マークを形成する必要がある。この場合、一
定期間以上記録用の大きな光量を情報記憶媒体10に照
射し続けると、情報記憶媒体10の光反射性記録膜の蓄
熱効果によりマークの後部のみ幅が広がり、「雨だれ」
形状の記録マークが形成されてしまう。この弊害を除去
するため、長さの長い記録マークを形成する場合には、
記録用レーザ駆動信号を複数の記録パルスに分割した
り、記録用レーザの記録波形を階段状に変化させる等の
対策が採られる。
【0811】記録・再生・消去制御波形発生回路206
内では、変調回路207から送られてきた記録信号に応
じて、上述のような記録波形を作成し、この記録波形を
持つ駆動信号を、半導体レーザ駆動回路205に送って
いる。
【0812】次に、図54の構成におけるブロック間の
信号の流れをまとめておく。
【0813】1)記録すべき生信号の情報記録再生装置
への入力 図54は、情報記録再生装置内の情報記憶媒体(光ディ
スク)10に対する情報の記録処理と再生処理に関連す
る部分をまとめた情報記録再生部(物理系ブロック)内
の構成を例示している。PC(パーソナルコンピュー
タ)やEWS(エンジニアリングワークステーション)
などのホストコンピュータから送られて来た記録信号d
はデータI/Oインターフェイス222を経由して情報
記録再生部(物理系ブロック)101内に入力される。
【0814】2)記録信号dの2048バイト毎の分割
処理 データI/Oインターフェイス222では記録信号dを
時系列的に2048バイト毎に分割し、後述する図57
のデータID510などを付加した後、スクランブル処
理を行う。その結果得られた信号は図54のECCエン
コーダ208に送られる。
【0815】3)ECCブロックの作成 図54のECCエンコーダ208では、図57の記録信
号に対してスクランブルを掛けた後の信号を16組集め
て「172バイト×192列」のブロックを作った後、
後述する図58の内符号PI(内部パリティコード)と
外符号PO(外部パリティコード)の付加を行う。
【0816】4)インターリーブ処理 図54のECCエンコーダ208ではその後、図59を
参照して後述するように、外符号POのインターリーブ
処理を行う。
【0817】5)信号変調処理 図54の変調回路207では、外外符号POのインター
リーブ処理した後の信号を変調後、図8に示すように同
期コードを付加する。
【0818】6)記録波形作成処理 その結果得られた信号に対応して記録・再生・消去制御
波形発生回路206で記録波形が作成され、この記録波
形がレーザ駆動回路205に送られる。
【0819】情報記憶媒体(DVD−RAMディスク)
10では「マーク長記録」の方式が採用されているた
め、記録パルスの立ち上がりタイミングと記録パルスの
立ち下がりタイミングが変調後信号の“1”のタイミン
グと一致する。
【0820】7)情報記憶媒体(光ディスク)10への
記録処理 光ヘッド202から照射され、情報記憶媒体(光ディス
ク)10の記録膜上で集光するレーザ光の光量が断続的
に変化して情報記憶媒体(光ディスク)201の記録膜
上に記録マークが形成される。
【0821】図55は、たとえば図52のデジタルビデ
オ録再PCにおいて、使用媒体(DVDーRAMディス
ク等)に対する論理ブロック番号の設定動作の一例を説
明するフローチャートである。
【0822】図54のターンテーブル221にたとえば
図1のDVDーRAMディスク10が装填されると(ス
テップST131)、制御部220はスピンドルモータ
204の回転を開始させる(ステップST132)。
【0823】ディスク10の回転が開始したあと光ヘッ
ド202内の対物レンズのフォーカスサーボループがオ
ンされ(ステップST134)、光ヘッド内の半導体レ
ーザがレーザ発振(発光)を開始する(ステップST1
33)。
【0824】レーザ発光後、制御部220は送りモータ
203を作動させて光ヘッド202を回転中のディスク
10のリードインエリアに移動させる(ステップST1
35)。そして光ヘッド202内の対物レンズのトラッ
クサーボループがオンされる(ステップST136)。
【0825】トラックサーボがアクティブになると、光
ヘッド202はディスク10のリードインエリア内の制
御データゾーン(図6参照)の情報を再生する(ステッ
プST137)。この制御データゾーン内の「ブックタ
イプ&パートバージョン」を再生することで、現在回転
駆動されている光ディスク10が記録可能な媒体(DV
DーRAMディスクまたはDVDーRディスク)である
と確認される(ステップST138)。ここでは、媒体
10がDVDーRAMディスクであるとする。
【0826】媒体10がDVDーRAMディスクである
と確認されると、再生対象の制御データゾーンから、再
生・記録・消去時の最適光量(半導体レーザの発光パワ
ーおよび発光期間またはデューティ比等)の情報が再生
される(ステップST139)。
【0827】続いて、制御部220は、現在回転駆動中
のDVD−RAMディスク10に欠陥がないものとし
て、物理セクタ番号と論理セクタ番号との変換表(図7
参照)を作成する(ステップST140)。
【0828】この変換表が作成されたあと、制御部22
0はディスク10のリードインエリア内の欠陥管理エリ
アDMA1/DMA2およびリードアウトエリア内の欠
陥管理エリアDMA3/DMA4を再生して、その時点
におけるディスク10の欠陥分布を調査する(ステップ
ST141)。
【0829】上記欠陥分布調査によりディスク10上の
欠陥分布が判ると、制御部220は、ステップST14
0で「欠陥がない」として作成された変換表を、実際の
欠陥分布に応じて修正する(ステップST142)。具
体的には、欠陥があると判明したセクタそれぞれの部分
で、物理セクタ番号PSNに対応していた論理セクタ番
号LSNがシフトされる(図29の「欠陥発生時の欠
番」の欄から「番号変換方法」の欄まで参照) 図56は、たとえば図52のデジタルビデオ録再PCに
おいて、使用媒体(DVDーRAMディスク等)におけ
る欠陥処理動作(ドライブ側の処理)の一例を説明する
フローチャートである。この処理は、図52ではDVD
−ROM/RAMドライブ140で行われる。以下、こ
のドライブ140が図54のような構成を持つものとし
て、図54を参照しながら、図56のフローチャートを
説明する。図54の制御部220は、図示しないがマイ
クロコンピュータMPUで構成されている。
【0830】最初に、たとえば図52のメインCPU1
11が、図54の制御部220内のMPUに対して、現
在ドライブに装填されている媒体(たとえばDVDーR
AMディスク)10に記録する情報(たとえば図23の
AVファイル)の先頭論理ブロック番号LBNおよび記
録情報のファイルサイズを指定する(ステップST15
1)。
【0831】すると、制御部220のMPUは、図29
の関係に基づいて、指定された先頭論理ブロック番号L
BNから、記録する情報(AVファイル)の先頭論理セ
クタ番号LSNを算出する(ステップST152)。こ
うして算出された先頭論理セクタ番号LSNおよび指定
されたファイルサイズから、ディスク10への書込アド
レス(AVアドレス)が定まる。
【0832】記録情報ファイル(AVファイル)の書込
アドレス(AVアドレス)が定まると、制御部220の
MPUはDVDーRAMディスク10の指定アドレスに
記録情報ファイルを書き込むとともに、ディスク10上
の欠陥を調査する(図28の「発生時期」および「欠陥
検出方法」の欄参照)(ステップST153)。
【0833】このファイル書込中に欠陥が検出されなけ
れば、記録情報ファイル(AVファイル)が所定のAV
アドレスに異常なく(つまりエラーが発生せずに)記録
されたことになり、記録処理が正常に完了する(ステッ
プST155)。
【0834】一方、ファイル書込中に欠陥が検出されれ
ば、所定の交替処理(たとえば図13のスキッピング交
替処理)が実行される(図28の「交替処理方法」の欄
参照)(ステップST156)。
【0835】この交替処理後、新たに検出された欠陥が
ディスクのリードインのDMA1/DMA2およびリー
ドアウトのDMA3/DMA4に追加登録される(図2
8の「検出情報記載箇所」の欄参照)(ステップST1
57)。なお、この新たに検出された欠陥の情報は、図
18のアロケーションマップテーブルAMTにも登録さ
れる(アロケーションマップテーブルAMTを構成する
記述子UAD、SADについては図30を参照して説明
済み)。
【0836】ディスク10へのDMA1/DMA2およ
びDMA3/DMA4の追加登録後、このDMA1/D
MA2およびDMA3/DMA4の登録内容に基づい
て、図55のステップST140で作成した変換表(図
7)の内容が修正される(ステップST158)。
【0837】以上の記録処理/交替処理は、ドライブ1
40が所定のAVアドレスに所定のAVファイルデータ
を書き込む毎に反復される。
【0838】図57は、図2の情報記憶媒体(DVDー
RAMディスク等)に記録される信号の構成を説明する
図である。
【0839】以下、2048バイト単位でのスクランブ
ル前の記録信号構造について説明する。
【0840】(1)メインデータ(D0〜D2047)
505〜509の生成 PC(パーソナルコンピュータ)やEWS(エンジニア
リングワークステーション)などのホストコンピュータ
から送られてきた記録信号dは、データI/Oインター
フェイス222において時系列的に沿って2048バイ
ト毎に分割される。各2048バイト毎の記録信号dは
記録信号の中に組み込まれ、図57に示すように、メイ
ンデータ(D0〜D2047)として配置される。
【0841】この記録信号には、メインデータ(D0〜
D2047)の前後に、後述するようなデータID(デ
ータ識別子)510、IED(データIDのエラー検出
コード)511、RSV(リザーブ)512おおびED
C(エラー検出コード)513が付加される。
【0842】(2)データID(データ識別子)510
の作成 データID510は4バイトで記述され、このデータI
Dには、 ・「データエリア」、「リードインエリア」、「リード
アウトエリア」のいずれのエリアか; ・「読出専用データ」、「読み書き可能データ」のどち
らのデータタイプか; ・何層目のデータか(ディスクが多層ディスクの場合に
必要;図1は2層ディスクを例示している);および ・該当セクタの論理セクタ番号に“31000h”を加
算した値などの情報が記載される。
【0843】(3)IED(データIDのエラー検出コ
ード)511の作成 データID510に対するエラー検出コードとして、I
ED511が記録信号に付加される。再生時に、再生さ
れたデータIDに対してこのIEDコードを演算処理し
て、再生されたデータIDの再生エラーを検出すること
に使用する。
【0844】(4)RSV(リザーブ)512の作成 記録信号には6バイトのリザーブ領域RSV512が用
意され、将来設定される特定の規格でこの場所に指定情
報を記録できるようにしてある。
【0845】(5)EDC(エラー検出コード)513
の作成 図57で示すデータID510からメインデータの最終
バイト(D2047)509までの2060バイト信号
に対するエラー検出コードがEDC513であり、ED
Cとして4バイトが記録信号に付加される。
【0846】情報記憶媒体(光ディスク10から情報を
再生する際、図54の復調回路210で復調後、エラー
訂正回路209でECCブロック内のエラー訂正および
デスクランブルを行って図57の記録信号の構造に戻し
た後、該当セクタ内のデータID510からメインデー
タの最終バイト(D2047)509までの2060バ
イト信号に対して、このEDC513を用いてエラー検
出を行う。ここでエラーが検出された場合には、再度E
CCブロック内のエラー訂正処理に戻ることもある。
【0847】なお、ECCブロック内のエラー訂正とデ
スクランブルについては、後述する。
【0848】(6)メインデータ(D0〜D2047)
505〜509のスクランブル処理 上述した「メインデータ505〜509の生成」から
「EDC513の作成」までを行い、図57に示すよう
なセクタ単位の記録信号の構造を生成した後、メインデ
ータ(D0〜D2047)のみに対してスクランブル処
理を行う。
【0849】スクランブル処理用の回路は、図示しない
が、8ビットパラレル入力・シリアル出力のシフトレジ
スタと、0番〜8番の入力ビットを持つイクスクルーシ
ブOR回路で構成できる。この場合、シフトレジスタの
10番目のビットと14番目のビットとの間のイクスク
ルーシブOR演算の結果が、シフトレジスタの0番目の
ビットに帰還される構造になっている。
【0850】スクランブル開始時のシフトレジスタの初
期データには、そのセクタ内のデータID510の最終
15ビットが使われる。
【0851】スクランブル処理後の記録信号の構造とト
ータルの信号サイズは図57と全く同じ構造・同じサイ
ズになっている。
【0852】図58は、図57の記録信号をスクランブ
ルして生成されたECCブロックの構成を説明する図で
ある。
【0853】<<ECCブロック内の記録信号構造>>
DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM等はEC
C(エラー訂正コード)に積符号を採用している。
【0854】いま、図9を例にとって、ECCブロック
形成方法を説明する。
【0855】・まず、ECCブロック内の最初のセクタ
501aにあるスクランブル後の信号において、図57
のデータID510からメインデータ160バイト(D
0〜D159)505までの信号が、図58バイト52
1(0、0)からバイト523(0、171)に配置さ
れる。
【0856】・次に、ECCブロック内の最初のセクタ
501aにあるスクランブル後の信号において、図57
のメインデータ172バイト(D160〜D331)5
06の信号が、図58のバイト526(1、0)からバ
イト528(1、171)に配置される。
【0857】・以下同様に、セクタ501a内の各信号
が図58内に順次配置される。
【0858】・ECCブロック内の2番目のセクタ50
1bにあるスクランブル後の信号において、データID
510からメインデータ160バイト(D0〜D15
9)505までの信号が、図58の上から数えて13列
目(図示せず)のバイト536(12、0)からバイト
538(12、171)に配置される。
【0859】・次に、ECCブロック内の2番目のセク
タ501bにあるスクランブル後の信号において、メイ
ンデータ172バイト(D160〜D331)506の
信号が図58の上から14列目(図示せず)に配置され
る。
【0860】・以下同様の手順で、図9のECCブロッ
ク502内の16番目のセクタ501pにあるメインデ
ータ168バイト(D1880〜D2047)509と
図57のEDC513とが図58の上から192列目の
バイト551(191、0)からバイト553(19
1、171)に配置されるまで、順次、図58の記録信
号配置が実行される。この実行結果の配置(図58)
が、スクランブル後のECCブロックの信号配置とな
る。
【0861】・上記スクランブル終了後、図58のバイ
ト521(0、0)からバイト523(0、171)ま
での横列172バイト信号に対して、10バイト内符号
PI(内部パリティコード)を計算し、その計算結果を
バイト524(0、172)からバイト525(0、1
81)までに挿入する。
【0862】・以下同様な処理が反復される。その反復
の最後に、図58のバイト551(191、0)からバ
イト553(191、171)までの172バイト信号
に対して10バイトの内符号PIが計算され、バイト5
54(191、172)からバイト555(191、1
81)までに算出された内符号PIが挿入される。
【0863】・上記内符号PIの算出・挿入処理が終了
すると、図58のバイト521(0、0)からバイト5
51(191、0)までの縦列192バイト信号に対し
て、16バイトの外符号PO(外部パリティコード)が
計算される。その計算結果は、縦列方向のバイト556
(192、0)からバイト566(207、0)までに
挿入される。
【0864】・以下同様な処理が反復される。その反復
の最後に、図58のバイト525(0、181)からバ
イト555(191、181)までの縦列192バイト
信号に対して16バイトの外符号POが計算され、その
計算結果がバイト560(192、181)からバイト
570(207、181)までの縦列に挿入される。
【0865】図59は、図58のECCブロックをイン
ターリーブした場合を説明する図である。
【0866】<<ECCブロック内での外符号POイン
ターリーブ方法>>図58で内符号PIと外符号POを
計算した後、この記録信号を12横列(12行)毎に分
け、その間に外符号POを各1行ずつ挿入する。これ
が、ECCブロック内での外符号POのインターリーブ
である。
【0867】すなわち、図59に示すように、バイト5
31(11、0)からバイト533(11、171)ま
での12列の次(13列目)に、外符号POの最初の行
(横列)のバイト556(192、0)からバイト55
8(192、181)までが挿入される。以下同様に、
外符号POの各行(各横列)が記録信号の12行(12
横列)毎にインターリーブ挿入され、図58の記録信号
の配置(スクランブル後)は図59に示すような配置
(インターリーブ後)に並び替えられる。
【0868】<<実際に情報記憶媒体上に記録される記
録信号構造>>図59に示す外符号POインターリーブ
後のECCブロック内記録信号は、各13行(13横
列)ずつ分割されて、それぞれが図9の各セクタ501
a〜501pに記録される。
【0869】情報記憶媒体10には、各セクタ501の
先頭位置に、物理セクタ番号PSNなどがエンボス構造
で事前に記録されたヘッダ(図8)が配置されている。
図8の例示において、あるセクタのヘッダ(エンボス)
から次のセクタのヘッダまでの間に、上記13行(13
横列)分の信号が記録される。
【0870】ところで、図59の記録信号構造では、ビ
ット単位で“0”が連続して配置される可能性がある。
このままの信号を情報記憶媒体10に記録すると、
“0”が連続して多数個配列された場所で再生時にビッ
トシフトエラーを起こす危険がある。そのため、“0”
の連続配置上限数を制限し、かつ高密度記録が可能なよ
うに信号の変換(変調)を行っている。DVD−ROM
やDVD−RAMでは「8/16変調」(ランレングス
コードで表現するとRLL(2,10)コード)と呼ば
れる変調方法を採用している。
【0871】このように変調された信号は途中に同期コ
ードが挿入された後、図8に示すような構造になって情
報記憶媒体10上に記録される。
【0872】<<情報記憶媒体からの再生信号に対する
逆変換手順>>情報記憶媒体(光ディスク)10から情
報を再生するときは以下の手順で逆変換がなされた後、
再生信号cとしてPC(パーソナルコンピュータ)やE
WS(エンジニアリングワークステーション)などのホ
ストコンピュータへ(図54のデータI/Oインターフ
ェイス222から)転送される。
【0873】(1)図54において、再生信号は、光ヘ
ッド202、アンプ213、2値化回路212およびP
LL回路211を経た後、復調回路210において復調
される。
【0874】(2)エラー訂正回路209内で図58の
内符号PIと外符号POを用いてECCブロック内のエ
ラー訂正が行われる。
【0875】(3)その後エラー訂正回路209内で
「メインデータ(D0〜D2047)505〜509の
スクランブル処理」の逆の処理である「デスクランブル
処理」が行なわれ、エラー訂正後の信号は、メインデー
タ(D0〜D2047)505〜509に戻される。
【0876】(4)このデスクランブル処理によって、
図57の記録信号の構造が復元される。
【0877】(5)図57のEDC513を用いてメイ
ンデータ(D0〜D2047)505〜509のエラー
検出が行われる。ここでエラー検出された場合には
(2)のECCブロック内エラー訂正処理に戻る。
【0878】(6)各セクタ501(図9)毎に得られ
た情報記憶媒体10からの再生情報は、図54のデータ
I/Oインターフェイス222を介して、再生信号cと
してホストコンピュータ等へ転送される。
【0879】<<情報記憶媒体上に記録される情報の記
録信号構造変換手順の概説>>情報記憶媒体として記録
再生可能なDVD−RAMディスク10を用いた場合に
は、16個のセクタ501毎にECCブロック502
(図9)を構成しながら信号記録が行われる。
【0880】ECCブロック502を構成しながら記録
するためには、所定の手順(図60)に従い、元の信号
に対し「信号のスクランブル化(信号の分散/暗号
化)」「ECCブロック内のパリティーコードの付加」
「インターリーブ処理(配置の分散化)」「高記録密度
化を目的とした情報記憶媒体特性に合わせた変調処理」
などの記録信号の変換処理が行われる。
【0881】図60は、記録用の生信号が所定の信号処
理(ECCインターリーブ/信号変調等)を受けて情報
記憶媒体に記録されるまでの手順を説明するフローチャ
ートである。
【0882】以下、DVD−RAMディスク10を例に
取り、図60のフローチャートに従って、記録信号に対
する構造変換手順の概略説明を行う。
【0883】まず、記録用の生信号が、たとえば図54
のECCエンコーダ回路208に入力される(ステップ
ST116)。
【0884】入力された記録用の信号は2048バイト
毎に分割され、スクランブル前の記録信号(図57)が
作成される(ステップST117)。
【0885】その後ECCブロック(図58)が作成さ
れ(ステップST118)、作成されたECCブロック
に対してインターリーブ処理(図59)が施される(ス
テップST119)。
【0886】こうしてインターリブされたECCブロッ
クは図54の変調回路207で変調(たとえば前述した
8/16変調)され(ステップST120)、記録・再
生・消去用制御波形発生回路206に送られる。
【0887】記録・再生・消去用制御波形発生回路20
6では、現在装填されているDVDーRAMディスク1
0の特性に合わせた記録波形を生成する(ステップST
121)。そして、この記録波形とそのディスク10に
最適のレーザ発光でもって、ステップST116の記録
用生信号に対応した信号(ECCブロックを単位とする
信号)が、ディスク10の所定箇所(指定されたAVア
ドレスに相当する論理セクタと1対1に対応する物理セ
クタ番号の位置)に、書き込まれる(ステップST12
2)。
【0888】図61は、図1の2層光ディスクにおける
ROM層/RAM層の論理セクタの設定において、物理
セクタ番号の大きなRAM層部分を論理セクタ番号の小
さな位置へ論理的に配置替えする方法を説明する図であ
る。図61は図16のROM層とRAM層を入れ替えた
構成になっている。両者は似ているが、以下の点で違
う。
【0889】すなわち、図16の構成では、ボリューム
スペース前半のROM層の物理セクタ番号PSN+ボリ
ュームスペース後半のRAM層の物理セクタ番号PSN
がリードインからリードアウトに向かって連続的に増加
する。
【0890】これに対し、物理セクタ番号PSNが大き
な方のRAM層をボリュームスペース前半に配置した図
61の構成では、RAM層の終わりとROM層の始まり
とのつなぎ目において物理セクタ番号PSNが不連続に
なる。この物理的なセクタ番号の不連続性は、ボリュー
ムスペース全体に渡り連続した統合論理セクタ番号LS
Nを予めROM層にエンボス記録しておき、このエンボ
ス記録された統合論理セクタ番号LSNを用いることで
解消できる。
【0891】すなわち、物理セクタ番号PSNでみれば
不連続な「RAM層+ROM層」のボリュームスペース
も、エンボス記録された統合論理セクタ番号LSNでみ
れば連続化される。
【0892】あるいは、図18(または図65)のアド
レス変換テーブルACTを用いることで、物理セクタ番
号PSNでみれば不連続な「RAM層+ROM層」のボ
リュームスペースを、論理的には連続化できる。すなわ
ち、アドレス変換テーブルACTを用いたAVアドレス
変換により、物理セクタ番号PSNでみれば不連続な
「RAM層+ROM層」のボリュームスペースを論理セ
クタ番号LSN上で連続化できる。このアドレス変換テ
ーブルACTを用いたAVアドレス変換による論理セク
タ番号の統合化は、ディスク10が前記「エンボス記録
された統合論理セクタ番号LSN」を持っていないとき
に利用できる。
【0893】図62は、図1の2層光ディスクにおける
ROM層/RAM層の論理セクタの設定において、RA
M層部分が論理的にROM層部分に割り込むように配置
替えする方法を説明する図である。
【0894】ROM層とRAM層とでは両者の物理セク
タ番号PSNが違う。そのため、ROM部分にRAM部
分を割り込ませると、RAM層の先頭および末尾の2カ
所で、物理セクタ番号PSNが不連続になる。
【0895】この物理的なセクタ番号の不連続も、前述
した「エンボス記録された統合論理セクタ番号LSN」
を用いるか、図18(または図65)のアドレス変換テ
ーブルACTを用いることで、論理的には連続化でき
る。すなわち、ディスク10に予めエンボス記録された
統合論理セクタ番号LSNをアドレス管理に利用するこ
とで、あるいはアドレス変換テーブルACTを用いたA
Vアドレス変換により、物理セクタ番号PSNでみれば
不連続な「ROM層の一部+RAM層+ROM層の他
部」からなるボリュームスペースを、論理セクタ番号L
SN上で連続化できる。
【0896】図63は、図2の光ディスクに記録される
情報(データファイル)のディレクトリ構造の他の例を
説明する図である。
【0897】前述した図23の例では、ルートディレク
トリの下にビデオタイトルセットVTSディレクトリ
(DVDビデオファイル用)、オーディオタイトルセッ
トATSディレクトリ(DVDビデオファイルまたはD
VDオーディオファイル用)、オーディオ・ビデオ情報
AVI(パーソナルコンピュータで扱われるビデオファ
イル用)およびビデオRAMディレクトリ(DVD−R
AMディスクのAVデータファイル用)が例示されてい
る。
【0898】これに対し、図63の例はDVDーRAM
ディスク10を純粋なコンピュータ用に利用する場合を
想定しており、ルートディレクトリの下にアプリケーシ
ョンディレクトリとアプリケーション関連ディレクトリ
が配置されている。
【0899】アプリケーションディレクトリ内には、図
52のパーソナルコンピュータPCが起動(ブートまた
はリブート)されると自動的に実行されるプログラム
(アプリケーション実行ファイル)が格納されている。
この自動実行プログラムとしては、ウインドウズ、ジャ
バ、マックOS等のパーソナルコンピュータ用システム
ソフトウエア(またはオペレーティングシステムOS)
を、何種類か持つことができる(どのシステムソフトウ
エアでブートするかは、ユーザが選択できる)。
【0900】アプリケーションディレクトリ内のアプリ
ケーションデータファイルには、アプリケーション実行
ファイルのプログラムが作成したデータが格納される。
また、アプリケーションディレクトリの下層ディレクト
リであるアプリケーションテンプレートディレクトリに
は、アプリケーション実行ファイルのプログラムが所定
の処理を実行する際に適宜利用されるテンプレートファ
イル#1、#2、…が含まれている。
【0901】たとえば、アプリケーション実行ファイル
にシステムソフトウエアとしてウインドウズが格納され
アプリケーションプログラムとしてスプレッドシートが
格納されているとする。このウインドウズで図52のパ
ーソナルコンピュータがブートすると、ウインドウズは
スプレッドシートのフォルダ(アプリケーションデータ
ファイル)を自動的に作成する。このウインドウズ上で
スプレッドシートを立ち上げると、このスプレッドシー
トで作成したユーザファイルがアプリケーションデータ
ファイルに格納され、このスプレッドシートの標準テン
プレート(たとえば住宅ローン返済計画用シートなど)
が、テンプレートファイル#1等に用意される。
【0902】また、アプリケーション関連ディレクトリ
には、ユーザが作成したアプリケーションデータファイ
ルをオブジェクト化して利用できる他のアプリケーショ
ンソフトウエア(たとえばワードプロセサ)の実行ファ
イルを格納することができる。
【0903】図64は、図2の光ディスクに記録される
情報(データファイル)のディレクトリ構造のさらに他
の例を説明する図である。
【0904】図63の例はDVDーRAMディスク10
を純粋なコンピュータ用に利用する場合を主に想定して
いたが、図64の例はVDーRAMディスク10をデジ
タルビデオ録画用に利用する場合を想定している。そこ
で、図64の例では、図23のビデオタイトルセットV
TSディレクトリおよびオーディオタイトルセットAT
Sディレクトリの他に、ビデオディレクトリとAV変換
情報ディレクトリを含んでいる。
【0905】図64において、ビデオの録画・再生・編
集等の処理を行なう映像情報処理プログラムは、ビデオ
ディレクトリ内のビデオアプリケーション実行ファイル
に入っている。このプログラムで処理された情報(録画
または編集されたデジタルビデオデータ)は、AVファ
イルのデータとしてビデオディレクトリ内に保存され
る。
【0906】録画・編集された情報(AVデータ)は全
て1個のAVファイル内に記録される。このAVデータ
は、図18に示すように、アンカーポインタAP、制御
情報DA21、ビデオオブジェクトDA22、ピクチャ
オブジェクトDA23およびオーディオオブジェクトD
A24を含むことができる。
【0907】また、ビデオ編集用の標準テンプレート
(あるいはコマーシャルCM情報等)はAVテンプレー
ト01、02、…、のデータとして、ビデオディレクト
リ内に記録できるようになっている。
【0908】録画が行われ編集が終了した後のAVファ
イルデータは、ビデオアプリケーション実行ファイル内
の変換プログラムに従ってDVDビデオ形式またはDV
Dオーディオ形式の情報に変換されて、ビデオタイトル
セットVTSディレクトリ内またはオーディオタイトル
セットATSディレクトリ内に保存される。
【0909】なお、現状ではDVDーRAMディスク1
0の記憶容量は1層(1レイヤ)あたり2.6Gバイト
であり、長時間のビデオ録画には容量が充分とは言えな
い。そこで、この発明では、記録層を複数持つDVDー
RAMディスク(両面2層RAMディスク等)の複数記
録層の全体を1ボリュームスペースとして管理したり、
複数のDVDーRAMディスクそれぞれの記録層全体を
まとめて1ボリュームスペースとして管理し、見かけ上
非常に大きな容量のボリュームスペースを用いて長時間
のビデオ録画をすることが可能なようにしている(図1
6〜図17または図61〜図62において全ての記録層
をRAM層で構成した場合等)。
【0910】このように複数の記録層(DVD−RAM
層等)をまとめて1ボリュームスペースとして管理する
には、各記録層毎に(あるいは各ディスク毎に)それら
の論理ブロック番号のつなぎ合わせ管理をしなければな
らない。すなわち、各ディスクに設定された論理ブロッ
ク番号を統合したアドレス(統合論理セクタ番号)を設
定し、この統合論理セクタ番号と個々の記録層(または
個々のディスク)の論理ブロック番号との対応関係を記
憶したアドレス変換テーブルが必要になる。このアドレ
ス変換テーブルは、たとえば図18のアロケーションマ
ップテーブルAMT内のアドレス変換テーブルACTに
相当し、図64の例ではAV変換情報ディレクトリに格
納される。
【0911】なお、上記アドレス変換テーブルACTは
図16その他に例示するようにROM層およびRAM層
が混在した統合論理セクタ番号の使用も可能にしてい
る。
【0912】図64の構成を利用すれば、たとえばDV
DビデオのROM層に記録された情報に上記統合アドレ
ス(AVアドレス)を用いてアクセスし、そこから取り
出したDVDビデオ情報の一部を、ビデオアプリケーシ
ョン実行ファイル内の変換プログラムを利用してAVフ
ァイル内のデータ(ユーザが書替・編集・消去できるデ
ータ)に取り込むこともできる。
【0913】図63のディレクトリ構造と図23および
/または図64のディレクトリ構造を組み合わせれば、
あるDVDビデオ(図23または図64のVTSディレ
クトリのファイル)中の特定シーン(ビデオデータ)
を、ファイル変換して、パーソナルコンピュータ用のア
プリケーションデータファイル(図63)に取り込むこ
ともできる。そうなれば、パーソナルコンピュータの画
像処理ソフトウエアで取り込んだDVDビデオデータを
加工し、加工後のビデオ情報を図64のAVファイルに
戻すことが可能になる。
【0914】図67および図68は、たとえば図61で
説明したような配置替えが行われたROM/RAM2層
ディスクにおいて、情報の記録場所とRAM層の初期化
前後の状態を説明する図である。ここでは、図1のRO
M/RAM2層DVDディスク10を例にとって、説明
する(始めは図67の最上段から)。
【0915】[01a]DVD−RAM層17Bのリー
ドインエリア内書替可能データゾーン中のディスク識別
子ゾーン(図6参照)では、初期化前は、RAM層・R
OM層の積層構造とトータルの記録容量および初期化前
状態であることが明記され;初期化後は、RAM層・R
OM層の積層構造とトータルの記録容量および初期化の
日時が明記される。
【0916】なお、RAM層リードインエリア内制御デ
ータゾーン中のブックタイプ&パートバージョンには、
そのディスクがリライタブルディスク(DVD−RAM
またはDVDーRW)であることが記載される。
【0917】[02a]DVDーROM層17Aのリー
ドインエリア内制御データ中の物理フォーマット情報の
予約エリア(図22参照)では、初期化前後を通じて、
初期化時にDVDーROM層17AからDVDーRAM
層17Bにコピーされる範囲が、DVDーROM層17
Aの物理セクタ番号PSNで表示されている。
【0918】なお、ROM層リードインエリア内制御デ
ータ中の物理フォーマット情報中のブックタイプ&パー
トバージョンには、そのディスクがリードオンリーディ
スク(DVD−ROMまたはDVDビデオ)であること
が記載される。
【0919】[03a]UDFのボリューム認識シーケ
ンス(図44の444)は、初期化前は、DVDーRO
M層17Aに事前に記録されており(この記録位置は実
際に使用されるときのボリューム認識シーケンスの記録
位置とは異なる);初期化後は、DVDーRAM層17
Bにコピーされる(コピー先の論理セクタ番号は開始位
置が“16”となる)。
【0920】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「ボリューム認識シーケンス」が利用される。
【0921】[04a]第1アンカーポイント(図44
の456)は、初期化前は、DVDーROM層17Aに
事前に記録されており(その指定先はコピー後のRAM
層17Bの論理セクタ番号LSNで指定する);初期化
後は、DVDーRAM層17Bにコピーされる(コピー
先の論理セクタ番号は開始位置が“256”となる)。
【0922】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「第1アンカーポイント」が利用される。
【0923】[05a]UDFのメインボリューム記述
子シーケンス(図44の449)は、初期化前は、DV
DーROM層17Aに事前に記録されており(その指定
先はコピー後のRAM層17Bの論理セクタ番号LSN
で指定する);初期化後は、DVDーRAM層17Bに
コピーされる(コピー先の論理セクタ番号LSNは実際
に使用する論理セクタ番号LSNと一致する)。
【0924】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「メインボリューム記述子シーケンス」が利用され
る。
【0925】[06a]UDFの論理ボリューム保全シ
ーケンス(Logical Volume Integrity Sequence;図示
せず)は、初期化前は、DVDーROM層17Aに事前
に記録されており;初期化後は、DVDーRAM層17
Bにコピーされる。
【0926】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「論理ボリューム保全シーケンス」が利用される。
【0927】[07a]UDFのスペースビットマップ
またはスペーステーブル(図44〜図45参照)は、初
期化前は、DVDーROM層17Aに事前に記録されて
おり;初期化後は、DVDーRAM層17Bにコピーさ
れる。
【0928】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「スペースビットマップまたはスペーステーブル」が
利用される。なお、DVD−ROM層17Aに対応する
論理ブロック番号LBNは全て「使用済み」に設定され
る。
【0929】ここで、参照図は図67に変わる。
【0930】[08a]UDFのファイルセット記述子
(図44の472)は、初期化前は、DVDーROM層
17Aに事前に記録されており;初期化後は、DVDー
RAM層17Bにコピーされる。
【0931】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「ファイルセット記述子」が利用される。なお、ここ
での指定論理ブロック番号LBNは、RAM層17Bを
指定している。
【0932】[09a]UDFのルートディレクトリの
ファイルエントリ(図45の475;図63参照)は、
初期化前は、DVDーROM層17Aに事前に記録され
ており;初期化後は、DVDーRAM層17Bにコピー
される。
【0933】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「ルートディレクトリのファイルエントリ」が利用さ
れる。なお、ここでの指定論理ブロック番号LBNは、
RAM層17Bを指定している。
【0934】[10a]ルートディレクトリ内のロング
アロケーション記述子LAD(図45の476、481
等)は、初期化前は、アプリケーションディレクトリ
(図63)も含めて、DVD−ROM層17Aに事前に
記録されており;初期化後は、DVDーRAM層17B
にコピーされる。
【0935】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た情報を利用して、ユーザがこのロングアロケーション
記述子LADを追加できる。なお、アプリケーションデ
ィレクトリも含め、LADのファイルエントリを指定す
る論理ブロック番号LBNは、コピー前から、RAM層
17Bを指定している。
【0936】[11a]アプリケーション実行ファイル
の情報(図63参照)は、初めからDVDーROM層1
7Aにエンボス記録されている。初期化後にこの「アプ
リケーション実行ファイル」の情報をRAM層17Bに
コピーすることはしない。この「アプリケーション実行
ファイル」の記録位置指定論理ブロック番号LBNは、
ROM層17Aを指定している。
【0937】[12a]アプリケーションテンプレート
ディレクトリ(図63参照)は、初めからDVDーRO
M層17Aにエンボス記録されている。初期化後にこの
「アプリケーションテンプレートディレクトリ」の情報
をRAM層17Bにコピーすることはしない。この「ア
プリケーションテンプレートディレクトリ」の記録位置
指定論理ブロック番号LBNは、ROM層17Aを指定
している。
【0938】[13a]アプリケーションデータファイ
ル(図63参照)は、ROM層17AにもRAM層17
Bにも記録されていない。この「アプリケーションデー
タファイル」は、初期化後にRAM層17Bに作成され
るもので、アプリケーションソフトウエア起動後に新規
作成される。
【0939】[14a]アプリケーション関連ディレク
トリ(図63参照)は、初期化前は、DVDーROM層
17Aに事前に記録されており;初期化後は、DVDー
RAM層17Bにコピーされる。
【0940】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「アプリケーション関連ディレクトリ」が利用され
る。なお、ここでの指定論理ブロック番号LBNは、R
AM層17Bを指定している。
【0941】[15a]第2アンカーポイント(図46
の457)は、初めからDVDーROM層17Aにエン
ボス記録されている。初期化後にこの「第2アンカーポ
イント」の情報をRAM層17Bにコピーすることはし
ない。この「アプリケーションテンプレートディレクト
リ」の記録位置指定論理ブロック番号LBNは、RAM
層17Bを指定している。
【0942】[16a]リザーブボリューム記述子シー
ケンス(図46の467)は、初めからDVDーROM
層17Aにエンボス記録されている。初期化後にこの
「リザーブボリューム記述子シーケンス」の情報をRA
M層17Bにコピーすることはしない。この「リザーブ
ボリューム記述子シーケンス」の記録位置指定論理ブロ
ック番号LBNは、RAM層17Bを指定している。
【0943】DVD−RAMのUDFに準拠したファイ
ルシステムでは、 *図44のボリューム認識シーケンス444の開始位置
の論理セクタ番号LSNを“16”に設定する; *図44の第1アンカーポイント456および図46の
第2アンカーポイント457は ・LSN=256 ・LSN=最終LSN−256 ・LSN=最終LSN の内の2箇所に配置する;と言う規約を設けている。
【0944】上記規約を満足しつつ図61等に例示した
論理セクタ番号設定方法を満たす実施の形態が、図67
および図68に示されている。
【0945】市販される未使用DVD−RAMディスク
(ブランクディスク)10では、基本的に、図6に示す
リードインエリア中の書替可能データゾーン内に記録さ
れるディスク識別子ゾーンに、そのディスクが図1に示
すようなROM/RAM2層構造をしたことが記述さ
れ、初期化前の状態であることが示されている以外は、
全く未記録状態になっている。
【0946】ユーザがこのブランクディスク10のRA
M層17Bを使用前に初期化すると、DVD−ROM層
17A内の必要情報を情報記録再生装置(DVDビデオ
レコーダ)が自動コピーして使えるようになる。
【0947】このコピーされるDVD−ROM層17A
内情報の指定アドレスは、全てコピー後のDVD−RA
M層17B内のアドレス(論理セクタ番号LSNまたは
論理ブロック番号LBN)で記述されている。
【0948】ブランクディスク10の初期化時には、図
44〜図46に示す各種情報(ボリューム認識シーケン
ス444、第1アンカーポイント456、メインボリュ
ーム記述子シーケンス449、論理ボリューム保全シー
ケンス、スペースビットマップまたはスペーステーブ
ル、ファイルセット記述子472、ルートディレクトリ
のファイルエントリ、ルートディレクトリ内のロングア
ロケーション記述子LADs476など)がDVD−R
AM層17B内にコピーされて使用可能となる。
【0949】その際、第2アンカーポイント457とリ
ザーブボリューム記述子シーケンス467については、
DVD−ROM層17A上の最終の論理セクタ番号LS
N側に配置されているため、DVD−RAM層17Bへ
のコピーは不要となる。
【0950】前述した統合アドレス(統合論理セクタ番
号)の設定方法は、ROM層およびRAM層を含め複数
の記録層を持つ情報記憶媒体(1枚以上のDVDーRA
Mディスクを内蔵した多連ディスクパック)にも適用で
きる。
【0951】一般ユーザが購入した直後のDVDーRA
Mディスク10には、何も記録されていない。このよう
なブランクディスク10をユーザが購入後、ユーザの記
録再生装置(図52あるいは後述する図84)に装填す
ると、この装置のディスクドライブ(図52ではDVD
ーROM/RAMドライブ140;図84ではディスク
チェンジャ100+ディスクドライブ32)は、ドライ
ブ内(またはディスクチェンジャ内)にあるデスク枚数
および各ディスクの種類(DVDーROMかDVDーR
AMか等)を自動的に判別する。
【0952】そして、そのブランクディスク10の初期
化時に、そのディスク10のリードインエリアの書き替
え可能データゾーンに含まれるディスク識別子ゾーン
(ディスクIDゾーン)に、 *多連ディスクパック(またはディスクチェンジャ)の
場合はパック独自のID; *ディスク全体の記録容量(ROM/RAM混成の多層
ディスクの場合はROM層の容量も含む); *多連ディスクパック内のRAM層の総数; *多連ディスクパック内の各RAM層毎の記録層番号; 等の情報を書き込む。
【0953】複数のROM層/RAM層を1ボリューム
としてまとめて管理できる統合アドレス(統合論理セク
タ番号LSN)の設定方法として、この多連ディスクパ
ック内の各RAM層毎の上記記録層番号を利用する。
【0954】すなわち、ディスクの初期化時に、ディス
クパック内の1枚目のディスク10の記録層(RAM
層)に、ボリューム認識シーケンス、第1アンカーポイ
ント、メインボリューム記述子シーケンス(図44〜図
46参照)、論理ボリューム保全シーケンス等を記録
し、最後の(n枚目の)ディスクの記録層(RAM層)
に、第2アンカーポイントおよびリザーブボリューム記
述子シーケンスを自動的に記録(コピー)して、そのデ
ィスクパックの各ディスク(n枚)を使用可能状態にす
る。
【0955】この発明の他の実施の形態として、図16
(または図17)で示したように前半の論理セクタ番号
LSNにDVD−ROM層を配置し、後半の論理セクタ
番号LSNにDVD−RAM層を配置することも可能で
ある。この場合の初期化方法は図69および図70に示
すようになる。ここでも、図1のROM/RAM2層D
VDディスク10を例にとって、説明する(始めは図6
9の最上段から)。
【0956】[01b]DVD−RAM層17Bのリー
ドインエリア内書替可能データゾーン中のディスク識別
子ゾーン(図6参照)では、初期化前は、RAM層・R
OM層の積層構造とトータルの記録容量および初期化前
状態であることが明記され;初期化後は、RAM層・R
OM層の積層構造とトータルの記録容量および初期化の
日時が明記される。
【0957】なお、RAM層リードインエリア内制御デ
ータゾーン中のブックタイプ&パートバージョンには、
そのディスクがリライタブルディスク(DVD−RAM
またはDVDーRW)であることが記載される。
【0958】[02b]DVDーROM層17Aのリー
ドインエリア内制御データ中の物理フォーマット情報の
予約エリア(図22参照)では、初期化前後を通じて、
初期化時にDVDーROM層17AからDVDーRAM
層17Bにコピーされる範囲が、DVDーROM層17
Aの物理セクタ番号PSNで表示されている。
【0959】なお、ROM層リードインエリア内制御デ
ータ中の物理フォーマット情報中のブックタイプ&パー
トバージョンには、そのディスクがリードオンリーディ
スク(DVD−ROMまたはDVDビデオ)であること
が記載される。
【0960】[03b]UDFのボリューム認識シーケ
ンス(図44の444)は、初めからDVDーROM層
17Aにエンボス記録されている。初期化後にこの「ア
プリケーション実行ファイル」の情報をRAM層17B
にコピーすることはしない。この「アプリケーション実
行ファイル」の記録位置指定論理ブロック番号LBN
は、ROM層17Aを指定している。
【0961】[04b]第1アンカーポイント(図44
の456)は、初めからDVDーROM層17Aにエン
ボス記録されている。初期化後にこの「アプリケーショ
ン実行ファイル」の情報をRAM層17Bにコピーする
ことはしない。この「アプリケーション実行ファイル」
の記録位置指定論理ブロック番号LBNは、ROM層1
7Aを指定している。
【0962】[05b]UDFのメインボリューム記述
子シーケンス(図44の449)は、初めからDVDー
ROM層17Aにエンボス記録されている。初期化後に
この「アプリケーション実行ファイル」の情報をRAM
層17Bにコピーすることはしない。この「アプリケー
ション実行ファイル」の記録位置指定論理ブロック番号
LBNは、ROM層17Aを指定している。
【0963】[06b]UDFの論理ボリューム保全シ
ーケンス(Logical Volume Integrity Sequence;図示
せず)は、初めからDVDーROM層17Aにエンボス
記録されている。初期化後にこの「アプリケーション実
行ファイル」の情報をRAM層17Bにコピーすること
はしない。この「アプリケーション実行ファイル」の記
録位置指定論理ブロック番号LBNは、ROM層17A
を指定している。
【0964】[07b]UDFのスペースビットマップ
またはスペーステーブル(図44〜図45参照)は、初
期化前は、DVDーROM層17Aに事前に記録されて
おり;初期化後は、DVDーRAM層17Bにコピーさ
れる。
【0965】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「スペースビットマップまたはスペーステーブル」が
利用される。なお、DVD−ROM層17Aに対応する
論理ブロック番号LBNは全て「使用済み」に設定され
る。
【0966】ここで、参照図は図67に変わる。
【0967】[08b]UDFのファイルセット記述子
(図44の472)は、初期化前は、DVDーROM層
17Aに事前に記録されており;初期化後は、DVDー
RAM層17Bにコピーされる。
【0968】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「ファイルセット記述子」が利用される。なお、ここ
での指定論理ブロック番号LBNは、RAM層17Bを
指定している。
【0969】[09b]UDFのルートディレクトリの
ファイルエントリ(図45の475;図63参照)は、
初期化前は、DVDーROM層17Aに事前に記録され
ており;初期化後は、DVDーRAM層17Bにコピー
される。
【0970】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「ルートディレクトリのファイルエントリ」が利用さ
れる。なお、ここでの指定論理ブロック番号LBNは、
RAM層17Bを指定している。
【0971】[10b]ルートディレクトリ内のロング
アロケーション記述子LAD(図45の476、481
等)は、初期化前は、アプリケーションディレクトリ
(図63)も含めて、DVD−ROM層17Aに事前に
記録されており;初期化後は、DVDーRAM層17B
にコピーされる。
【0972】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た情報を利用して、ユーザがこのロングアロケーション
記述子LADを追加できる。なお、アプリケーションデ
ィレクトリも含め、LADのファイルエントリを指定す
る論理ブロック番号LBNは、コピー前から、RAM層
17Bを指定している。
【0973】[11b]アプリケーション実行ファイル
の情報(図63参照)は、初めからDVDーROM層1
7Aにエンボス記録されている。初期化後にこの「アプ
リケーション実行ファイル」の情報をRAM層17Bに
コピーすることはしない。この「アプリケーション実行
ファイル」の記録位置指定論理ブロック番号LBNは、
ROM層17Aを指定している。
【0974】[12b]アプリケーションテンプレート
ディレクトリ(図63参照)は、初めからDVDーRO
M層17Aにエンボス記録されている。初期化後にこの
「アプリケーションテンプレートディレクトリ」の情報
をRAM層17Bにコピーすることはしない。この「ア
プリケーションテンプレートディレクトリ」の記録位置
指定論理ブロック番号LBNは、ROM層17Aを指定
している。
【0975】[13b]アプリケーションデータファイ
ル(図63参照)は、ROM層17AにもRAM層17
Bにも記録されていない。この「アプリケーションデー
タファイル」は、初期化後にRAM層17Bに作成され
るもので、アプリケーションソフトウエア起動後に新規
作成される。
【0976】[14b]アプリケーション関連ディレク
トリ(図63参照)は、初期化前は、DVDーROM層
17Aに事前に記録されており;初期化後は、DVDー
RAM層17Bにコピーされる。
【0977】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「アプリケーション関連ディレクトリ」が利用され
る。なお、ここでの指定論理ブロック番号LBNは、R
AM層17Bを指定している。
【0978】[15b]第2アンカーポイント(図46
の457)は、初期化前は、DVDーROM層17Aに
事前に記録されており(その指定先はコピー後のRAM
層17Bの論理セクタ番号LSNで指定する);初期化
後は、DVDーRAM層17Bにコピーされる(コピー
先の論理セクタ番号LSNは“最終のLSN−256”
となる)。
【0979】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「第2アンカーポイント」が利用される。
【0980】[16b]リザーブボリューム記述子シー
ケンス(図46の467)は、初期化前は、DVDーR
OM層17Aに事前に記録されており(その指定先はコ
ピー後のRAM層17Bの論理セクタ番号LSNで指定
する);初期化後は、DVDーRAM層17Bにコピー
される(コピー先の論理セクタ番号LSNは実際に使用
する論理セクタ番号LSNと一致する)。
【0981】初期化後は、RAM層17Bにコピーされ
た「リザーブボリューム記述子シーケンス」が利用され
る。
【0982】図67〜図70の説明ではアンカーポイン
トやボリューム記述子シーケンスをROM層からRAM
層へコピーしているが、この発明はこれに限られない。
たとえば、アンカーポイントやボリューム記述子シーケ
ンス等をROM層に予め持たず、情報記録再生装置がR
AM層を初期化するときに初めて、情報記録再生装置が
アンカーポイントやボリューム記述子シーケンス等をR
AM層に記録するように構成することは可能である。
【0983】また、別の統合アドレス設定方法として、
図62に示すようにROM層の論理セクタ番号LSNの
レンジ内にRAM層の論理セクタ番号LSNを挿入した
り、逆にRAM層の論理セクタ番号LSNのレンジ内に
ROM層の論理セクタ番号LSNを挿入すること(図示
せず)も可能である。
【0984】この発明の統合アドレス設定方法は、RA
M層のみならずROM層も含めた複数情報記録層を持っ
た種々な情報記憶媒体に利用できる。
【0985】この発明を適用可能な情報記憶媒体として
は、相変化記録方式を利用したDVDーRAMディスク
のみならず、従来の相変化(PD)記録ディスク、光磁
気(MO)ディスク、ハードディスク(リムーバブルタ
イプも含む)あるいは高密度フロッピー(登録商標)デ
ィスクが考えられ、さらにはこれら異種タイプの媒体を
混合して使用することも考えられる。
【0986】たとえば、DVDーROM/RAMドライ
ブおよびハードディスクHDDを備えたパーソナルコン
ピュータにおいて、HDDとDVDーRAMディスクに
前述した統合論理セクタ番号LSNを割り振る(たとえ
ばLSNの小さなアドレスレンジにHDDを割り当て、
LSNの大きなアドレスレンジにDVD−RAMを割り
当てるなど)。そして、このLSNを用いてHDDとR
AMディスクの双方にアクセスできるようにする。この
ようにすると、たとえばビデオ編集中に適宜作成される
中間的なデータをHDDへ一時的に記録し、編集後のビ
デオデータをDVDーRAMディスクに保管する、とい
ったことが1つのシステムソフトウエアの管理下で実行
できる。
【0987】以上のようにこの発明は種々なタイプの情
報記憶媒体に適用可能ではあるが、マルチメディア時代
のマーケットデマンドを考えると、大容量でポータビリ
ティに優れたDVDーRAMディスクが有望なので、こ
の発明の実施形態の説明ではDVD−RAMディスク
(あるいはDVDーROM/RAM多層ディスク)を取
り上げている。
【0988】DVDーRAMディスクのRAM層は、G
eSbTeやGeAnTe等の相変化形記録材料で構成
される(図3参照)。この材料は5万〜10万回までの
繰り返し記録が保証されているが、それ以上繰り返し記
録を行うと物質移動や金属疲労などの原因により記録後
の再生信号のジッタ量が増大し、エラーが増える。
【0989】1個のAVファイルに相当するAVデータ
エリアDA2内の各オブジェクト情報(図18のDA2
2〜DA24)の新規記録・変更(オーバーライト)・
消去が行なわれる毎に、管理領域(制御情報DA21)
の書き替えが行なわれる。この書き替え回数が5万〜1
0万回を超えると相変化記録のRAM層のエラーが増え
信頼性に乏しくなる。
【0990】そこで、この発明の実施形態では、管理領
域(制御情報DA21)の書き替え回数が5万〜10万
回を越えても管理情報が失わないよう工夫されている。
【0991】すなわち、図18に示したように、制御情
報DA21の最初の位置にこの制御情報DA21の書き
替え回数を記録する制御情報書替回数CIRWNs記録
部が配置されている。この制御情報書替回数CIRWN
sが所定回数(たとえば安全を見て1万回)を越える
と、AVデータエリアDA2内の制御情報DA21の記
録位置が自動的に変更される。
【0992】AVデータエリアDA2内の制御情報DA
21の記録位置は図18に示すようにアンカーポインタ
APに記録されている。制御情報DA21の記録位置変
更にともなってアンカーポインタAPの情報も自動的に
変更される。
【0993】図71は、映像情報とその管理領域の書き
替え方法を説明するフローチャートである。このフロー
チャートは、上述した「制御情報書替回数CIRWNs
が所定回数を越えた場合の、制御情報DA21の記録位
置自動変更」の処理も含んでいる。このフローチャート
の処理は、図52の例ではメインCPU111により実
行でき、後述する図84の例ではメインMPU部30に
より実行できる。以下ではハードウエアとして図52の
構成が用いられる場合を想定して説明を行なう。
【0994】始めに、たとえばユーザが編集/新規記録
を行うAVファイルを指定する(ステップST16
1)。すると、図18に示すようにAVデータエリアD
A2の最初に記録してあるアンカーポインタAPが読み
取られる(ステップST162)。このアンカーポイン
タAPから、制御情報DA21が記録してあるアドレス
(AVアドレス)が判る。
【0995】こうして判明したアドレスを基に制御情報
DA21の記録位置へのアクセスが行われ(ステップS
T163)、そこから制御情報書替回数CIRWNsが
読み取られる(ステップST164)。読み取られたC
IRWNsは、アクセスされた記録位置の制御情報DA
21とともに、図52のメインメモリ112に取り込ま
れる(ステップST165)。
【0996】新たな映像情報の記録または編集作業後の
映像情報の重ね書き(オーバーライト)を行う前に、A
VデータエリアDA2内の新規情報の記録場所を決定す
る必要がある。
【0997】まず、新たに記録する(または重ね書きを
行なう)新規情報のサイズを調べるとともに、その新規
情報の既記録情報との再生時のつながりをPGC情報
(図32)から調べる(連続再生を保証するため)。こ
の調査の結果得られた情報を基に、図18のアロケーシ
ョンマップテーブルAMTから、AVデータエリアDA
2内の未記録領域を探す(ステップST166)。
【0998】未記録領域が見つかれば、その領域内で新
規記録情報の記録場所を決定し、決定された場所に、新
規映像情報または編集後の映像情報をビデオオブジェク
トDA22として記録する(ステップST167)。
【0999】次にその映像情報に関するセル時間制御情
報CTCIとPGC制御情報PGCCIを作成し、メイ
ンメモリ112内の制御情報DA21を変更する(ステ
ップST168)。
【1000】ここで、ステップST164で読み取り済
みの制御情報書替回数CIRWNsの値を調べ、制御情
報DA21領域のそれまでの書き替え回数を検査する
(ステップST169)。
【1001】制御情報DA21領域の書き替え回数値が
所定の値(たとえば1万回)以下の場合には(ステップ
ST169ノー)、図52のメインメモリ112内の制
御情報DA21を情報記憶媒体(DVDーRAMディス
ク10)上の以前の記録位置に重ね書きする(ステップ
ST170)。その際、図18の制御情報書替回数CI
RWNsを1つインクリメントする。
【1002】この制御情報DA21はECCブロック単
位(AVアドレス単位)で記録されている。上記の処理
により情報記憶媒体上に重ね書きすべき制御情報DA2
1の量が既存の値より若干増加した場合には、重ね書き
する制御情報DA21をECCブロック単位(32kバ
イトの整数倍)で変更(増加)する。こうして変更され
た制御情報DA21が32kバイトの整数倍に対して不
足分する場合は、適量のパディングデータを持つダミー
パック(図25参照)を付加して情報記憶媒体上に記録
する。
【1003】たとえば変更前の制御情報DA21が32
kバイトであり、処理後の制御情報DA21が50kバ
イトであれば、14kバイトのパディングデータを付加
して64kバイトの制御情報DA21として、情報記憶
媒体上に記録する。
【1004】制御情報DA21領域のそれまでの書き替
え回数が所定の値(1万回)を越えていた場合には(ス
テップST169イエス)、既存の場所(今後エラーが
起き易いと推定される場所)とは異なる位置に制御情報
DA21を記録する。すなわち、図18のアロケーショ
ンマップテーブルAMTからAVデータエリアDA2内
の未記録領域を探し(ステップST171)、新しく制
御情報DA21を記録する場所を情報記憶媒体(DVD
ーRAM光ディスク10)上に設定する(ステップST
172)。
【1005】そして、新しく設定した位置にメインメモ
リ112内の制御情報DA21を記録するとともに、図
18の制御情報書替回数CIRWNsの値を“1”にリ
セットする(ステップST173)。その後、アンカー
ポインタAPを書き換えて、新たな制御情報DA21の
記録場所(AVアドレス)をアンカーポインタAPに記
憶する。
【1006】以上のように構成すれば、所定回数(たと
えば1万回)以上管理領域が書き替えられると、情報記
憶媒体上の管理領域記録場所が、反復書替していない場
所へ自動的に変更される。このため、たとえば相変化記
録膜が持つ「オーバーライトの繰り返しによる信頼性低
下」の問題を克服できる。
【1007】<連続再生条件の確保方法>映像情報は、
従来のコンピュータ情報と異なり、再生時の連続性の保
証が必須条件となる。この連続再生を保証する情報とし
ては、特別なフラグや記述文が存在する必要はない。こ
の再生時の連続性を保証する情報は、図18に示したP
GC制御情報PGCCI内に記録することができる。具
体的には、各セルを連結するPGCの連結方法に所定条
件を付加する形で、「再生時の連続性を保証する情報」
を組み込むことができる。以下、この所定条件の組み込
みについて説明する。
【1008】再生時の連続性を説明するための再生系シ
ステム概念図を図72に示す。情報記憶媒体10に記録
されている映像情報は光ヘッド202で読み取られ、バ
ッファメモリ(半導体メモリ)219に一時保管され
る。外部にはこのバッファメモリ219から読み取られ
た映像情報が送られる。光ヘッド202からバッファメ
モリ219へ送られる映像情報の転送レートをここでは
物理転送レート(PTR:Physical Transmission Rat
e)と呼ぶ。またバッファメモリ219から外部に転送
される映像情報の転送レートの平均値をシステム転送レ
ート(STR:System Transmission Rate)と名付け
る。一般には、物理転送レートPTRとシステム転送レ
ートSTRは異なる値になる。
【1009】情報記憶媒体10上の異なる場所に記録し
てある情報を順に再生するには、光ヘッド202の集光
スポット位置を移動させるアクセス操作が必要となる。
大きな移動に対しては光ヘッド202全体を動かす粗ア
クセスが行なわれ、微少距離の移動にはレーザ集光用の
対物レンズ(図示せず)のみを動かす密アクセスが行な
われる。
【1010】アクセス制御を行いながら映像情報を外部
に転送する際にバッファメモリ219内に一時的に保存
される映像情報量の時間的推移を、図73に示す。
【1011】一般に、システム転送レートSTRより物
理転送レートPTRの方が速いので、映像情報再生時間
の期間ではバッファメモリ219内に一時的に保存され
る映像情報量は増加し続ける。一時保管される映像情報
量がバッファメモリ219容量に達すると光ヘッド20
2による再生処理が間欠的に行われ、バッファメモリ2
19内に一時的に保存される映像情報量はバッファメモ
リ容量一杯状態(図73の映像情報再生時間内において
グラフの山頂が水平になった部分)のまま推移する。
【1012】続けて情報記憶媒体10上の別位置に記録
された映像情報を再生する場合には、光ヘッド202の
アクセス処理が実行される。
【1013】光ヘッド202のアクセス期間としては、
図73に示すように、粗アクセス時間、密アクセス時間
および情報記憶媒体10回転待ち時間の3種類が必要と
なる。これらの期間では情報記憶媒体10からの再生が
行われないので、その期間の物理転送レートPTRは実
質的に“0”の状態になっている。これに対して、外部
へ送られる映像情報の平均システム転送レートSTRは
不変に保たれるため、バッファメモリ219内の映像情
報一時保存量は減少の一途をたどる(図73において、
粗アクセス時間、密アクセス時間あるいは回転待ち時間
中の右下がりのグラフ)。
【1014】光ヘッド202のアクセスが完了し、情報
記憶媒体10からの再生が再開されると(図73におい
て「点」で塗りつぶされた映像情報再生時間のうち面積
の小さい方)、バッファメモリ219内の映像情報一時
保存量は再び増加する。
【1015】この増加勾配は物理転送レートと平均シス
テム転送レートとの差分すなわち(物理転送レートPT
R)−(平均システム転送レートSTR)で決まる。
【1016】その後、情報記憶媒体10上の再生位置近
傍に再度アクセスする場合には、密アクセスのみでアク
セス可能なので、密アクセス時間と回転待ち時間のみが
必要となる(図73の右端の右下がりグラフ)。
【1017】図73のような再生動作において連続再生
を可能にする条件は、「特定期間内のアクセス回数の上
限値」で規定することができる。すなわち、アクセス回
数が「特定期間内のアクセス回数上限値」以下の値にな
るように、図18のPGC制御情報PGCCIの情報内
容、たとえば図51に示すのセル組み合わせが設定され
る。
【1018】ここで、連続再生を絶対的に不可能にする
アクセス回数条件について、図74を用いて説明する。
【1019】最もアクセス頻度の高い場合は、図74の
グラフ中央から右よりに示すように映像情報再生時間が
非常に短く、密アクセス時間と回転待ち時間だけが連続
して続く場合になる。この場合には物理転送レートPT
Rがどんなに早くても再生連続性の確保が不可能にな
る。
【1020】いま、バッファメモリ219の容量をBM
で表すと BM/STR(=BM÷STRのこと) …(3) の期間でバッファメモリ219内の一時保管映像情報が
枯渇し、連続再生が不可能になる。
【1021】図74の各密アクセス時間をJATi(対
物レンズのJump Access Time)、各回転待ち時間をMW
Ti(Spindle Motor Wait Time)とすると、図74の例
では BM/STR=Σ(JATi+MWTi) …(4) の関係が成り立つ。
【1022】式(4)に対して近似を用い、平均密アク
セス時間をJATa、平均回転待ち時間をMWTaとし、
バッファメモリ219内の一時保管映像情報が枯渇する
までの期間内のアクセス回数をnで表すと、式(4)は BM/STR=n・(JATa+MWTa) …(5) のように書き直すことができる。
【1023】この場合、連続再生を確保するための絶対
条件となる「バッファメモリ219内の一時保管映像情
報が枯渇するまでのアクセス回数n」として n<BM/(STR・(JATa+MWTa)) …(6) が必須条件となる。
【1024】式(6)の値を1秒当たりのアクセス回数
Nに書き換えると N=n/(BM/STR)<1/(JATa+MWTa)…(7) となる。
【1025】MPEG2を用いた場合の平均システム転
送レートSTRは4Mbps(ビット・パー・セコン
ド)前後であり、容量2.6GバイトのDVD−RAM
片面1層ディスクの平均回転周期はおよそ35ms(ミ
リセコンド)なので、平均回転待ち時間MWTaは、M
WTa≒18msとなる。また一般的な情報記録再生装
置ではJATa≒5msになっている。
【1026】バファーメモリ219容量BMの実際例と
して、大きいものでは2Mバイト=16Mビットを搭載
しているドライブもあるが、多くのドライブ(情報記録
再生装置)のバッファメモリ容量は、現状では(製品コ
ストの兼ね合いから)512kバイト=4Mビット程度
となっている。
【1027】バファーメモリ容量BM=4Mビットとし
て計算すると、バッファメモリ219内の一時保管映像
情報が枯渇するまでの最短所要時間は4Mビット/4M
bps≒1秒となる。これを式(6)に当てはめると、
n<BM/(STR・(JATa+MWTa))=1秒/
(18ms+5ms)≒43回になる。
【1028】条件を特定した計算例は上記のような結果
(アクセス回数上限n≒43回)になるが、装置のバッ
ファメモリ容量や平均システム転送レートにより計算結
果は変化するので、式(5)が連続再生を確保するため
の必要条件式になる。
【1029】式(5)で求められたアクセス頻度より若
干低いアクセス頻度でアクセスした場合、平均システム
転送レートSTRに比べて大幅に物理転送レートPTR
が大きい場合には、連続再生が可能となる。
【1030】しかし式(5)の条件を満足するだけで連
続再生が可能になるためには 1)物理転送レートPTRが極端に速い; 2)全てのアクセス対象映像情報が互いに近傍位置に配
置され、粗アクセスを行わず密アクセスのみでアクセス
が可能; という前提条件が必要となる。
【1031】そこで、物理転送レートPTRが比較的遅
くても連続再生を保証できる条件を以下に検討する。
【1032】図75に示すように映像情報再生時間とア
クセス時間のバランスが取れ、グローバルに見てバッフ
ァメモリ219内の一時保管映像情報がほぼ一定に保た
れている場合には、バッファメモリ219内の一時保管
映像情報が枯渇することなく外部システムから見た映像
情報再生の連続性が確保される。
【1033】いま、各粗アクセス時間をSATi(対物
レンズのSeek Access Time)、n回アクセス後の平均粗
アクセス時間をSATaとし、各アクセス毎の再生情報
読みとり時間をDRTi(Data Read Time)、n回アク
セス後の平均再生情報読みとり時間をDRTa とす
る。
【1034】すると、n回アクセスした場合の全アクセ
ス期間でのバッファメモリ219から外部へ転送される
データ量は STR×(Σ(SATi+JATi+MWTi)) ≒STR×n×(SATa+JATa+MWTa) …(8) となる。
【1035】この式(8)の値とn回アクセスして映像
情報再生した時にバッファメモリ219内に蓄えられる
映像情報量 (PTR−STR)×ΣDRTi ≒(PTR−STR)×n・DRTa …(9) との間で、(PTR−STR)×n・DRTa≧STR
×n×(SATa+JATa+MWTa)、すなわち (PTR−STR)・DRTa ≧STR・(SATa+JATa+MWTa) …(10) の関係がある時に、外部システム側から見た再生映像の
連続性が確保される。
【1036】ここで1秒間の平均アクセス回数をNとす
ると 1≒N・(DRTa+SATa+JATa+MWTa)…(11) の関係が成立する。
【1037】式(10)と式(11)から 1/{N・(SATa+JATa+MWTa)} ≧1+STR/(PTR−STR) が成り立つので、Nに対して解くと N≦1/{[1+STR/(PTR−STR)] ・(SATa+JATa+MWTa)} …(12) が得られる。
【1038】この式(12)のNが、再生映像の連続性
を確保する1秒当たりのアクセス回数上限値になる。
【1039】次に、粗アクセス距離とそれに必要な粗ア
クセス時間の関係を検討する。
【1040】図76は、光ヘッドのシーク距離とシーク
時間との関係を説明する図である。
【1041】等加速度αで加減速して目標位置に到達し
た場合、光ヘッド202の移動速度が最大になるまでの
時間tmaxまでに移動した距離は、図76から、α・tm
ax・tmax/2となる。そこで、粗アクセスにより移動
した全距離ρは ρ=α・tmax・tmax …(13) で与えられる。
【1042】式(13)から、粗アクセスに必要な時間
は移動距離の1/2剰(つまり平方根)に比例すること
がわかる。
【1043】図77は、光ヘッドの平均シーク距離を求
める方法を説明する図である。
【1044】半径幅Lの領域に映像情報を記録した場合
の平均シーク距離(平均粗アクセス距離)を検討する。
図77のように(シークエリアの)端からXoの距離か
ら全記録領域までの平均シーク距離は XoXo/2L+(L−Xo)・(L−Xo)/2L…(14) となる。
【1045】この式(14)に対してXoが0からLま
で移動させた時の平均値を取ると、規格化条件下でXo
に対して積分した結果平均シーク距離は L/3 …(15) となる。
【1046】いま、図18に示すデータエリアDAに対
応する光ディスク10上の半径幅のうち、例えば半分の
半径幅をAVデータエリアDA2の記録に利用した場合
を考える。
【1047】この場合には、式(15)から、平均シー
ク距離(平均粗アクセス距離)はデータエリアDAに対
応する光ディスク10上の半径幅の1/6になる。
【1048】たとえば、光ヘッド202が記録領域(図
18のデータエリアDA)の最内周から最外周まで移動
(シーク)するのに0.5秒かかった場合には、式(1
3)から、AVデータエリアDA2内での平均シーク時
間(平均粗アクセス時間)は0.5秒の1/6の1/2
剰に比例した値である SATa≒200ms …(16) となる。
【1049】ここで、たとえば前述したようにMWTa
≒18ms、JATa≒5msを計算に使ってみる。す
ると、容量2.6GバイトのDVD−RAMディスクで
は、PTR=11.08Mbpsである。MPEG2の
平均転送レートがSTR≒4Mbpsの場合には上記の
数値を式(12)に代入するとN≦2.9を得る。
【1050】図78は、記録信号の連続性を説明するた
めの記録系システム概念図である。
【1051】記録情報は、外部から平均システム転送レ
ートSTR(MPEG2ビデオでは4Mbps程度)で
バッファメモリ219に送られてくる。バッファメモリ
219はレートSTRで送られてきた情報(MPEGビ
デオデータ等)を一旦保持し、記憶媒体およびそのドラ
イブの種類にあった物理転送レートPRTでもって、保
持した情報を光ヘッド202に転送する。
【1052】情報記憶媒体10上の異なる場所に上記情
報を順に記録するには、光ヘッド202の集光スポット
位置を移動させるアクセス操作が必要となる。大きな移
動に対しては光ヘッド202全体を動かす粗アクセスが
行なわれ、微少距離の移動にはレーザ集光用の対物レン
ズ(図示せず)のみを動かす密アクセスが行なわれる。
【1053】<連続記録条件の確保方法>図82は、映
像信号の連続記録時におけるアクセス動作等とバッファ
メモリ内の一時保存量との関係の一例(最もアクセス頻
度が高い場合)を説明する図である。
【1054】また、図83は、映像信号の連続記録時に
おけるアクセス動作等とバッファメモリ内の一時保存量
との関係の他例(記録時間とアクセス時間のバランスが
取れている場合)を説明する図である。
【1055】図74を参照して説明した「バッファメモ
リ219上の一時保管映像情報量の枯渇時に連続再生が
不可能になる場合」と異なり、連続記録時には、図82
に示すようにバッファメモリ219上の一時保管映像情
報量が飽和する。すなわち、図82と図74とを比較す
れば分かるように、連続記録条件を満足するアクセス頻
度には式(5)を適用することができる。
【1056】また同様に、図83と図75とを比較すれ
ば分かるように、連続記録条件を満足するアクセス頻度
については式(10)が適用できる。
【1057】図73〜図77および図82〜図83を参
照して説明した「連続性確保の条件式」に従うことによ
り、使用する情報記録再生装置(ドライブ)の特性に関
わらず、シームレスな(再生中あるいは記録中に途切れ
が生じない)連続再生あるいは連続記録を保証できるよ
うになる。
【1058】<アクセス頻度低減方法;編集によるセル
の並べ替え>図79は、記録されたAVデータ(映像信
号情報)の一部を構成するセルおよび各セルのビデオオ
ブジェクトユニットVOBU配列を例示する図である。
【1059】また、図80は、図79の配列において、
セル#2が編集され、セル#2の途中(VOBU108
eの所)でデータが切れた場合を説明する図(VOBU
108eは再エンコードされる)である。
【1060】さらに、図81は、図80の編集が終わっ
た後に、図79に例示したセル構成、VOBU配列およ
び空き領域の位置がどのように変化しているかを説明す
る図である。
【1061】前記シームレスな連続再生あるいは連続記
録を保証するためには、図18のPGC制御情報PGC
CI内のPGC情報(図32、図51)での各セル配置
は、式(5)または式(10)の条件を満たすように設
定される。しかし、たとえば編集作業時のユーザ要求に
よりアクセス頻度がシームレス保証値よりも多くなる場
合には、式(5)または式(10)の条件が満たされる
ように、再度アクセス頻度低減処理が実行される。以
下、この再処理について説明する。
【1062】図79に示すように、最初は セル#1→セル#2→セル#3 の順に再生するように設定されていたと仮定する(この
場合には再生途中でのアクセスは生じない)。
【1063】次に、ユーザが編集作業でセル#2内をセ
ル#2Aとセル#2Bに2分割し(図80)、 セル#2A→セル#1→セル#2B→セル#3 の順に再生するよう設定したとする。この場合、セル#
2A後端からセル#1先端へのアクセス;およびセル#
1後端からセル#2B先端へのアクセスの2回分、アク
セス回数が増加する。
【1064】このように当該PGC内でアクセス回数が
増加した結果、式(5)または式(10)が満足できな
くなると、図81のようにセル#2Aを空き領域107
へ移動させる。その結果、「セル#2A→セル#1→セ
ル#2B→セル#3」という再生順序を規定した当該P
GC内でのアクセス回数は、セル#1後端からセル#2
B先端へのアクセスの一回に減少する。
【1065】上記の例のように、式(5)または式(1
0)が満足できなくなると一部のセルを移動させ(つま
り情報記憶媒体10上の記録位置を変更し)、アクセス
頻度を低下させる。これにより式(5)または式(1
0)が満足されるようにして、そのPGCでのシームレ
スな連続再生あるいは連続記録を保証できる。
【1066】編集によるアクセス回数の増加を上記方法
で減らしてもなお式(5)または式(10)が満足され
ないときは、ユーザは当該PGCのセル構成自体を見直
して再構成し、式(5)または式(10)が満足される
ようにPGCのセル数および配列(配置)を再構成す
る。
【1067】図84は、ビデオオブジェクト内で映像情
報の並べ替え(編集等)を行った場合の映像〜音声間の
同期外れにも対応できるDVDビデオレコーダの構成を
説明するブロック図である。
【1068】図84に示すDVDビデオレコーダの装置
本体は、大まかにいって、DVDーRAM(DVD−R
W)ディスク10またはDVDーRディスク10を回転
駆動し、このディスク10に対して情報の読み書きを実
行するディスクドライブ32と、ディスクドライブ32
に所定のディスク10を自動供給するもので複数のディ
スク10を内装できるディスクチェンジャ(またはディ
スクパック)100と、録画側を構成するエンコーダ部
50と、再生側を構成するデコーダ部60と、装置本体
の動作を制御するメインMPU部30とで構成されてい
る。
【1069】データプロセサ36は、メインMPU部3
0の制御に従って、エンコーダ部50からのDVD記録
データをディスクドライブ32に供給したり、ディスク
10から再生されたDVD再生信号をドライブ32から
取り出したり、ディスク10に記録された管理情報を書
き換えたり、ディスク10に記録されたデータの削除を
したりする機能を持つことができる。
【1070】データプロセサ36はまた、フォーマッタ
56から送られてきたパックを16パック毎にまとめて
ECCグループとし、そのECCグループにエラー訂正
情報をつけてディスクドライブ32へ送る。ただし、デ
ィスクドライブ32がディスク10に対して記録準備が
できていない場合には、エラー訂正情報が付加されたE
CCグループのデータは一時記憶部34へ転送され、デ
ータ記録の準備ができるまで一時的に格納される。ディ
スクドライブ32の記録準備ができた段階で、一時記憶
部34に格納されたデータのディスク10への記録が開
始される。
【1071】メインMPU部30は、制御プログラム等
が書き込まれたROM、およびプログラム実行に必要な
ワークエリアを提供するRAM、オーディオ情報同期処
理部、電話I/FまたはインターネットI/F等を含ん
でいる。
【1072】このMPU30は、そのROMに格納され
た制御プログラムに従い、そのRAMをワークエリアと
して用いて、後述するオーディオ情報同期処理(図8
6)その他の処理(図55、図56または図71等)
を、実行する。
【1073】メインMPU部30の実行結果のうち、D
VDビデオレコーダのユーザに通知すべき内容は、DV
Dビデオレコーダの表示部(図示せず)に表示され、ま
たはモニタディスプレイ(図52では116)にオンス
クリーンディスプレイ(OSD)で表示される。
【1074】DVDディスク10に対して情報の読み書
き(録画および/または再生)を実行する情報記録再生
装置部分は、ディスクチェンジャ(ディスクパック)1
00と、ディスクドライブ32と、一時記憶部34と、
データプロセサ36と、システムタイムカウンタ(また
はシステムタイムクロック;STC)38とを備えてい
る。
【1075】一時記憶部34は、ディスクドライブ32
を介してディスク10に書き込まれるデータ(エンコー
ダ部50から出力されるデータ)のうちの一定量分をバ
ッファイリングしたり、ディスクドライブ32を介して
ディスク10から再生されたデータ(デコーダ部60に
入力されるデータ)のうちの一定量分をバッファイリン
グするのに利用される。その意味で、図84の一時記憶
部34は図54のメモリ219あるいは図72、図78
のバッファメモリ219に相当する機能を持つ。
【1076】たとえば一時記憶部34が4M〜8Mバイ
トの半導体メモリ(DRAM)で構成されるときは、平
均4Mbpsの記録レートでおよそ8〜16秒分の記録
または再生データのバッファリングが可能である。ま
た、一時記憶部34が16MバイトのEEPROM(フ
ラッシュメモリ)で構成されるときは、平均4Mbps
の記録レートでおよそ32秒の記録または再生データの
バッファリングが可能である。さらに、一時記憶部34
が100Mバイトの超小型HDD(ハードディスク)で
構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートで3分
以上の記録または再生データのバッファリングが可能と
なる。
【1077】なお、図84(あるいは図52)では図示
しないが、DVDビデオレコーダ(パーソナルコンピュ
ータPC)に外部カードスロットを設けておけば、上記
EEPROMはオプションのICカードとして別売でき
る。また、DVDビデオレコーダに外部ドライブスロッ
トあるいはSCSIインターフェイスを設けておけば、
上記HDDもオプションの拡張ドライブとして別売でき
る。
【1078】ついでながら、図54の実施形態(パーソ
ナルコンピュータPCをソフトウエアでDVDビデオレ
コーダ化するもの)では、PC自身のハードディスクド
ライブの空き領域の一部またはメインメモリの一部を、
図84の一時記憶部34として利用できる。
【1079】一時記憶部34は、前述した「シームレス
な連続再生あるいはシームレスな連続記録」を保証する
目的の他に、録画途中でディスク10を使い切ってしま
った場合において、ディスク10が新しいディスクに交
換されるまでの録画情報を一時記憶しておくことにも利
用できる。
【1080】また、一時記憶部34は、ディスクドライ
ブ32として高速ドライブ(2倍速以上)を採用した場
合において、一定時間内に通常ドライブより余分に読み
出されたデータを一時記憶しておくことにも利用でき
る。再生時の読み取りデータを一時記憶部34にバッフ
ァリングしておけば、振動ショック等で図示しない光ピ
ックアップが読み取りエラーを起こしたときでも、一時
記憶部34にバッファリングされた再生データを切り替
え使用することによって、再生映像が途切れないように
できる。
【1081】ディスク10に記録される生信号のアナロ
グ信号源としては、VHSビデオやレーザディスクLD
等のビデオ再生信号があり、このアナログビデオ信号は
図84のAV入力を介してエンコーダ部50に入力され
る。
【1082】別のアナログ信号源としては通常のアナロ
グTV放送(地上放送あるいは衛星放送)があり、この
アナログTV信号は図84のTVチューナからエンコー
ダ部50に入力される(TVの場合クローズドキャプシ
ョン等の文字情報がビデオ情報と同時に放送されること
があり、そのような文字情報もエンコーダ部50に入力
されるようになっている)。
【1083】また、ディスク10に記録される生信号の
デジタル信号源としては、デジタル放送チューナのデジ
タル出力等があり、このデジタルビデオ信号はエンコー
ダ部50へダイレクトに入力される。
【1084】このデジタルチューナがIEEE1394
インターフェイスまたはSCSIインターフェイスを持
っているときは、その信号ラインはメインMPU部30
に接続される。
【1085】また、DVDビデオのビットストリーム
(MPEGエンコードされたビデオを含む)がそのまま
デジタル放送され、デジタルチューナがそのデジタル出
力を持っているときは、このビットストリーム出力はエ
ンコード済みなので、そのままデータプロセサ36に転
送される。
【1086】なお、デジタルビデオ出力は持たないがデ
ジタルオーディオ出力は備えているデジタル機器、たと
えばデジタルビデオカセットDVCやデジタルVHSビ
デオDVHSについては、そのアナログビデオ出力は上
記AV入力に接続され、そのデジタルオーディオ出力
は、サンプルレートコンバータSRCを介してエンコー
ダ部50に供給される。このSRCは、たとえばサンプ
リング周波数が44.1kHzのデジタルオーディオ信
号をサンプリング周波数が48kHzのデジタルオーデ
ィオ信号に変換するものである。
【1087】また、図84では信号線を省略している
が、パーソナルコンピュータPCがDVDビデオフォー
マットのデジタルビデオ信号を出力できる場合は、その
デジタルビデオ信号はエンコーダ部50へダイレクトに
入力できる。
【1088】デジタル入力のオーディオ信号源(デジタ
ルチューナ、DVC、DVHS、PC等)は全てメイン
MPU部30に接続される。これは、後述する「オーデ
ィオ同期処理」に使用するためである。
【1089】メインMPU部30がディスクチェンジャ
(ディスクパック)100、ディスクドライブ32、デ
ータプロセサ36、エンコーダ部50および/またはデ
コーダ部60を制御するタイミングは、STC38から
の時間データに基づいて、実行することができる(録画
・再生の動作は、通常はSTC38からのタイムクロッ
クに同期して実行されるが、それ以外の処理は、STC
38とは独立したタイミングで実行されてもよい)。
【1090】ディスクドライブ32を介してディスク1
0から再生されたDVDデジタル再生信号は、データプ
ロセサ36を介してデコーダ部60に入力される。詳細
は図85を用いて後述するが、デコーダ部60は入力さ
れたDVDデジタル再生信号から主映像ビデオ信号をデ
コードするビデオデコーダと、この再生信号から副映像
信号を再生する副映像デコーダと、この再生信号からオ
ーディオ信号を再生するオーディオデコーダと、デコー
ドされた主映像にデコードされた副映像を合成するビデ
オプロセサと、ビデオ信号とオーディオ信号間あるいは
マルチチャネルオーディオ信号のチャネル間のタイミン
グずれを修正する手段(基準クロック発生部)が含まれ
ている。
【1091】デコーダ部60でデコードされたビデオ信
号(主映像+副映像)はビデオミキサ602に供給され
る。ビデオミキサ602へは、メインMPU部30か
ら、適宜、縮小画像/サムネールピクチャ(図18また
は図47参照)やテキストデータが供給される。この縮
小画像(および/またはテキスト)はフレームメモリ6
04上でデコードされたビデオ信号に適宜合成され、録
画内容の検索等に利用されるビジュアルメニュー(ユー
ザメニュー)が生成される。
【1092】ユーザメニュー用の縮小画像をモニタ(図
示せず)に表示するときには、別ファイルとして保存し
ておいた縮小画像用ファイルをストリームパックとして
流し、フレームメモリ604に表示位置(X,Y座標
値)を指定して表示させる。このとき、もし、テキスト
データなどがある場合には、キャラクタROM(または
漢字ROM)などを使用して、テキストを縮小画像の下
に表示させることができる。
【1093】このビジュアルメニュー(ユーザメニュ
ー)を適宜含むデジタルビデオ信号が、デジタルビデオ
I/Fを介して図84の装置外部に出力される。また、
このビジュアルメニューを適宜含むデジタルビデオ信号
が、ビデオDACを介してアナログビデオ信号となっ
て、外部のアナログモニタ(AV入力付のTV)に送ら
れる。
【1094】なお、ユーザメニュー用縮小画像のデータ
を上述した別ファイルとせずに、別のビデオパックデー
タとして、記録データ中に挿入することも考えられる。
すなわち、DVDビデオフォーマットでは主映像として
はストリーム番号を0番(ストリームID=0E0h)と
規定してるたが、さらに縮小画像用にストリーム番号を
1番(ストリームID=0E1h)と規定し、多重するこ
とも可能である。こうして多重されたストリーム番号
「1」の縮小画像は、メニュー編集処理時に使用される
元データとなる。
【1095】図85は、図84の構成におけるエンコー
ダ部50およびデコーダ部60の内部構成を説明するブ
ロック図である。
【1096】エンコーダ部50は、ADC(アナログ・
デジタル変換器)52と、ビデオエンコーダ53と、オ
ーディオエンコーダ54と、副映像エンコーダ55と、
フォーマッタ56と、バッファメモリ57と、縮小画像
(サムネールピクチャ)用のフレームメモリ51と、縮
小ビデオエンコーダ58と、縮小画像のエンコード時に
利用するメモリ59を備えている。
【1097】ADC52には、図84のAV入力からの
外部アナログビデオ信号+外部アナログオーディオ信
号、あるいはTVチューナからのアナログTV信号+ア
ナログ音声信号が入力される。このADC52は、入力
されたアナログビデオ信号を、たとえばサンプリング周
波数13.5MHz、量子化ビット数8ビットでデジタ
ル化する。(すなわち、輝度成分Y、色差成分Cr(ま
たはY−R)および色差成分Cb(またはY−B)それ
ぞれが、8ビットで量子化される。)同様に、ADC5
2は、入力されたアナログオーディオ信号を、たとえば
サンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビ
ットでデジタル化する。
【1098】なお、ADC52にアナログビデオ信号お
よびデジタルオーディオ信号が入力されるときは、AD
C52はデジタルオーディオ信号だけをスルーパスさせ
る。(デジタルオーディオ信号の内容は改変せず、デジ
タル信号に付随するジッタだけを低減させる処理、ある
いはサンプリングレートや量子化ビット数を変更する処
理等は行っても良い)。
【1099】一方、ADC52にデジタルビデオ信号お
よびデジタルオーディオ信号が入力されるときは、AD
C52はデジタルビデオ信号およびデジタルオーディオ
信号をともにスルーパスさせる(これらのデジタル信号
に対しても、内容は改変することなく、ジッタ低減処理
やサンプリングレート変更処理等は行っても良い)。
【1100】ADC52からのデジタルビデオ信号成分
は、ビデオエンコーダ53を介してフォーマッタ56に
送られる。また、ADC52からのデジタルオーディオ
信号成分は、オーディオエンコーダ54を介してフォー
マッタ56に送られる。
【1101】ビデオエンコーダ53は、入力されたデジ
タルビデオ信号を、MPEG2またはMPEG1規格に
基づき、可変ビットレートで圧縮されたデジタル信号に
変換する機能を持つ。
【1102】また、オーディオエンコーダ54は、入力
されたデジタルオーディオ信号を、MPEGまたはAC
−3規格に基づき、固定ビットレートで圧縮されたデジ
タル信号(またはリニアPCMのデジタル信号)に変換
する機能を持つ。
【1103】DVDビデオ信号がAV入力から入力され
た場合、あるいはDVDビデオ信号(デジタルビットス
トリーム)が放送されそれがデジタルチューナで受信さ
れた場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号成分(副
映像パック)が、副映像エンコーダ55に送られる。あ
るいは、副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレ
ーヤがあれば、その副映像出力端子から副映像信号成分
をから取り出すことができる。副映像エンコーダ55に
入力された副映像データは、所定の信号形態にアレンジ
されて、フォーマッタ56に送られる。
【1104】そして、フォーマッタ56は、バッファメ
モリ57をワークエリアとして使用しながら、入力され
たビデオ信号、オーディオ信号、副映像信号等に対して
所定の信号処理を行い、所定のフォーマット(ファイル
構造)に合致した記録データをデータプロセサ36に出
力する。
【1105】すなわち、各エンコーダ(53〜55)
は、入力されたそれぞれの信号(ビデオ、オーディオ、
副映像)を圧縮してパケット化する。(ただし、各パケ
ットは、パック化した時に1パックあたり2048バイ
トになるように切り分けられてパケット化される。)圧
縮されたこれらの信号は、フォーマッタ56に入力され
る。ここで、フォーマッタ56は、必要に応じて、ST
C38からのタイマ値に従って各パケットのプレゼンテ
ーションタイムスタンプPTSおよびデコードタイムス
タンプDTSを決定し記録する。
【1106】ただし、ユーザメニューに利用される縮小
画像のパケットは、縮小画像蓄積用のメモリ59へ転送
され、そこに一時保存される。この縮小画像のパケット
データに関しては、録画終了後、別ファイルとして記録
される。ユーザメニューにおける縮小画像の大きさは、
たとえば144画素x96画素程度に選ばれる。
【1107】なお、縮小画像の圧縮フォーマットとして
は主映像と同じMPEG2圧縮を使用できるが、他の圧
縮方式でもかまわない。たとえば、JPEG圧縮、ラン
レングス圧縮(パレット256色:256色の減色化が
必要)、TIFFフォーマット、PICTフォーマット
などの圧縮方式が利用可能である。
【1108】フォーマッタ56は、バッファメモリ57
へパケットデータを一時保存し、その後、入力された各
パケットデータをパック化して、MPEGのGOP毎に
ミキシングし、データプロセサ36へ転送する。
【1109】ここで、データプロセサ36へ転送される
記録データを作成するための標準的なエンコード処理内
容を簡単に説明しておく。
【1110】エンコーダ部50においてエンコード処理
が開始されると、ビデオ(主映像)データおよびオーデ
ィオデータのエンコードにあたって必要なパラメータが
設定される。次に、設定されたパラメータを利用して主
映像データがプリエンコードされ、設定された平均転送
レート(記録レート)に最適な符号量の分配が計算され
る。こうしてプリエンコードで得られた符号量分配に基
づき、主映像のエンコードが実行される。このとき、オ
ーディオデータのエンコードも同時に実行される。
【1111】プリエンコードの結果、データ圧縮量が不
十分な場合(録画しようとするDVDーRAMディスク
またはDVDーRディスクに希望のビデオプログラムが
収まり切らない場合)、再度プリエンコードする機会を
持てるなら(たとえば録画のソースがビデオテープある
いはビデオディスクなどの反復再生可能なソースであれ
ば)、主映像データの部分的な再エンコードが実行さ
れ、再エンコードした部分の主映像データがそれ以前に
プリエンコードした主映像データ部分と置換される。こ
のような一連の処理によって、主映像データおよびオー
ディオデータがエンコードされ、記録に必要な平均ビッ
トレートの値が、大幅に低減される。
【1112】同様に、副映像データをエンコードするに
必要なパラメータが設定され、エンコードされた副映像
データが作成される。
【1113】以上のようにしてエンコードされた主映像
データ、オーディオデータおよび副映像データが組み合
わされて、録画用のデータ構造に変換される。すなわ
ち、図19または図51に示すようなプログラムチェー
ンPGCを形成するセルの構成、主映像、副映像および
オーディオの属性等が設定され(これらの属性情報の一
部は、各データをエンコードする時に得られた情報が利
用される)、種々な情報を含めた情報管理テーブル情報
が作成される。
【1114】エンコードされた主映像データ、オーディ
オデータおよび副映像データは、図24に示すような一
定サイズ(2048バイト)のパックに細分化される。
これらのパックには、前述した「32kバイトアライ
ン」が実現されるように、ダミーパック(図25)が適
宜挿入される。
【1115】ダミーパック以外のパック内には、適宜、
PTS(プレゼンテーションタイムスタンプ;図24参
照)、DTS(デコードタイムスタンプ)等のタイムス
タンプが記述される。副映像のPTSについては、同じ
再生時間帯の主映像データあるいはオーディオデータの
PTSより任意に遅延させた時間を記述することができ
る。
【1116】そして、各データのタイムコード順に再生
可能なように、VOBU単位で各データセルが配置され
て、図19に示すような複数セルで構成されるVOBS
が、ビデオオブジェクトDA22としてフォーマットさ
れる。
【1117】なお、DVDビデオプレーヤからDVD再
生信号をデジタルコピーする場合は、上記セル、プログ
ラムチェーン、管理テーブル、タイムスタンプ等の内容
は初めから決まっているので、これらを改めて作成する
必要はない。(ただし、DVD再生信号をデジタルコピ
ーできるようにDVDビデオレコーダを構成するには、
電子すかしその他の著作権保護手段が講じられている必
要がある。)図85のデコーダ部60は、図84のメイ
ンMPU部30から送られてくるオーディオ同期信号A
−SYNCによりシンク・ロックされた基準クロックを
発生する基準クロック発生部61と、図24に示すよう
な構造を持つ再生データから各パックを分離して取り出
すセパレータ62と、パック分離その他の信号処理実行
時に使用するメモリ63と、セパレータ62で分離され
た主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードする
ビデオデコーダ64と、セパレータ62で分離された副
映像データ(副映像パックの内容)をデコードする副映
像デコーダ65と、ビデオデコーダ64からのビデオデ
ータに副映像デコーダ65からの副映像データを適宜合
成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕その
他の副映像を重ねて出力するビデオプロセサ66と、セ
パレータ62で分離されたオーディオデータ(オーディ
オパックの内容)を基準クロック発生部61からの基準
クロックのタイミングでデコードするオーディオデコー
ダ68と、オーディオデコーダ68からのデジタルオー
ディオ信号を外部に出力するデジタルオーディオI/F
と、オーディオデコーダ68からのデジタルオーディオ
信号をアナログオーディオ信号に変換して外部に出力す
るDACとで、構成されている。
【1118】このDACからのアナログオーディオ信号
は、図示しない外部コンポーネント(2チャネル〜6チ
ャネルのマルチチャネルステレオ装置)に供給される。
【1119】ここで、上記オーディオ同期信号A−SY
NCは、図24のVOBU単位でオーディオ信号の同期
をとるためのものである。図84のメインMPU部30
は、デジタル入力機器から送られてくるデジタルオーデ
ィオ信号が図24の構成を含む場合において、各VOB
Uの先頭にオーディオ同期用のパック(SNV_PC
K;図示せず)が設けられておれば、このオーディオ同
期用パックを検出することで、オーディオ同期信号A−
SYNCを生成できる。
【1120】あるいは、図84のメインMPU部30
は、オーディオパッックに含まれるプレゼンテーション
タイムスタンプPTS(図24)を検出し、検出したP
TSの情報を用いて上記オーディオ同期信号A−SYN
Cを生成させることもできる。
【1121】図84および図85の構成において、再生
時のデータ処理は、以下のようになる。
【1122】まず、ユーザ操作によって再生開始命令
(再生キーのオン等)を受けると、メインMPU部30
は、データプロセサ36を介して、ディスクドライブ3
2からディスク10の管理領域を読み込み、再生するア
ドレス(統合論理セクタ番号LSNを用いたアドレスに
対応)を決定する。
【1123】次に、メインMPU部30は、ディスクド
ライブ32に先ほど決定された再生データのアドレスお
よびリード命令を送る。
【1124】ディスクドライブ32内の図示しないMP
U(図54の制御部220に対応)は、送られてきた命
令に従って、ディスク10よりセクタデータを読み出
し、データプロセサ36でエラー訂正を行い、パックデ
ータの形にして、デコーダ部60へ出力する。
【1125】デコーダ部60の内部では、読み出された
パックデータをパケット化する。そして、データの目的
に応じて、ビデオパケットデータ(MPEGビデオデー
タ)はビデオデコーダ64へ転送し、オーディオパケッ
トデータはオーディオデコーダ68へ転送し、副映像パ
ケットデータは副映像デコーダ65へ転送する。
【1126】上記各パケットデータの転送開始時に、プ
レゼンテーションタイムスタンプPTSがSTC38に
ロードされる。その後、デコーダ部60内の各デコーダ
は、パケットデータ内のPTSの値に同期して(PTS
とSTCの値を比較しながら)再生処理を行い、図示し
ないモニタTVに音声・字幕付きの動画を出力する。
【1127】前述したAVアドレスの設定をすることに
より、多連ディスクパック(図84のディスクチェンジ
ャ100)内に挿入された複数のDVDーROMおよび
/またはDVD−RAMディスク内の映像情報をAVフ
ァイルの一部として取り込むことが可能となる。
【1128】DVDビデオ(DVD−ROM)ディスク
ではファイルエントリとしてビデオオブジェクトの記録
位置が論理ブロック番号で設定されているが、図18に
示したアドレス変換テーブルACTを用いることによ
り、この論理ブロック番号をAVアドレスに変換するこ
とができる。このアドレス変換テーブルACTでは、個
々の論理ブロック番号とAVアドレスが組になってテー
ブル上に記述されている。
【1129】図86は、図84および図86のハードウ
エア(DVDビデオレコーダ)における映像〜音声間の
同期処理を説明するフローチャートである。
【1130】TVチューナーもしくはVTRやカメラレ
コーダーなどAV入力からの映像信号はADC52でデ
ジタル信号に変換される(ステップST200)。
【1131】変換されたデジタル信号は、ビデオ情報、
オーディオ情報に分けられ、ビデオエンコーダー53、
オーディオエンコード54で別々にエンコードされる。
クローズドキャプション情報や文字多重放送の多重文字
部で送られてきた情報は、副映像エンコーダ55で副映
像としてエンコードされる。それぞれエンコードされた
情報は、フォーマッタ56で2048バイト単位のビデ
オパック、オーディオパック、副映像パック中に組み込
まれ、図24のように32kバイトの整数倍サイズを持
つVOBUを単位として、配置される(ステップST2
02)。
【1132】このとき、フォーマッタ56において、
「VOBUの先頭のIピクチャ表示開始時刻でのオーデ
ィオ情報サンプル位置が、ビデオパックの位置を基準と
して、何個後ろの(あるいは何個前の)オーディオパッ
ク内の何番目のサンプル位置にあるか」の情報が抽出さ
れる(ステップST204A)。
【1133】こうして抽出されたオーディオ情報サンプ
ル位置情報は、図84のメインMPU部30に送られ
る。
【1134】メインMPU部30内のオーディオ情報同
期処理部は、送られてきたオーディオ情報サンプル位置
情報に基づいて、前記オーディオ同期信号A−SYNC
の元になるプレゼンテーションタイムスタンプPTSあ
るいは同期用ナビゲーションパックSNV_PCK(図
示せず)を生成させる信号を、フォーマッタ56に返
す。
【1135】フォーマッタ56は、エンコードされたビ
デオ情報、副映像情報およびオーディオ情報とともに、
上記オーディオ同期信号A−SYNCの元になる情報
(PTSあるいはSNV_PCK)を含めて、図24に
示すようなVOBUの情報をデータプロセサ36に送
る。その後継続して実行される「オーディオ情報サンプ
ル位置情報抽出ステップST204A」と並行して、デ
ータプロセサ36は、図24に示すようなVOBU情報
からなるビデオオブジェクトDA22を、ディスク10
の指定されたアドレス(AVアドレス)に記録する(ス
テップST204B)。
【1136】この記録の進行にともなって、ディスクド
ライブ32からメインMPU部30には、記録に使用さ
れたアドレス情報(論理セクタ番号LSN)が返されて
いる。メインMPU部30は、返されたアドレス情報お
よび図29のアドレス〜セクタ対応関係に基づいて、デ
ィスク10上の記録位置(例えば記録されたあるVOB
Uの先頭のIピクチャ表示開始時刻でのオーディオ情報
サンプルがディスク10上のどの物理セクタ番号PSN
位置に対応するか)を、算出する。この算出結果は、後
のステップST208で利用される。
【1137】上記ディスク10上の記録位置(VOBU
の先頭のIピクチャ表示開始時刻でのオーディオ情報サ
ンプルがディスク10上のどの物理セクタ番号PSN位
置に対応するか)は、図27のオーディオ同期情報に含
まれる「Iピクチャオーディオ位置#1、#2、…」に
対応する。すなわち、図27のIピクチャオーディオ位
置Iピクチャ開始時刻と同時刻のオーディオパックが含
まれるECCブロックの、VOBU先頭からの差分アド
レス値が、1バイトで記録されている。この1バイトの
うち、最上位の1ビットで、オーディオサンプル位置が
VOBU先頭から後方にあるのか前方にあるのかを識別
している。具体的には、 最上位1bit=0:後方にある 最上位1bit=1:前方にある とする。
【1138】前記ビデオオブジェクトDA22のディス
ク10への記録は、記録終了の入力があるまで(たとえ
ば、ユーザが記録停止を指示するまで、あるいはディス
ク10の空き領域を使い切ってしまうまで)継続される
(ステップST206ノー;ST200〜ST204A
/ST204B)。
【1139】記録終了入力があれば(ステップST20
6イエス)記録終了アドレス(ディスク10上の物理セ
クタ番号PSN)、記録日時等の記録に関する情報がデ
ィスク10の管理領域(制御情報DA21)に書き込ま
れる(ステップST208)。その際、管理領域の書込
にともなって、図18の制御情報書替回数CIRWNs
が1つインクリメントされる。
【1140】なお、Iピクチャ開始時刻と同時刻のオー
ディオサンプル位置のECCブロック内サンプル番号を
全オーディオパックの連番で計数した値は、図27のオ
ーディオ同期情報に含まれる「Iピクチャ開始オーディ
オサンプル番号#1、#2、…」として、管理領域(制
御情報DA21)に書き込まれる(ステップST20
8)。
【1141】なお、ディスク10の記録位置の表現は、
AVアドレスに限られない。論理ブロック番号、論理セ
クタ番号あるいは物理セクタ番号を用いて「ディスク1
0の記録位置」を表現することもできる。
【1142】<図27のオーディオ同期情報を含むセル
の編集処理>いま、図79のようにディスク10上でセ
ル#1、セル#2、セル#3の順で記録情報が並んでい
たものに対し、図80のようにセル#2の途中でセル#
2Aとセル#2Bに分割し、図81のようにセル#2A
を空き領域91へ移動させ、セル#2A→セル#1→セ
ル#2B→セル#3の順で再生可能にする場合を考えて
みる。
【1143】この場合VOBU108eは再エンコード
されVOBU108pとVOBU108qに分けられ
る。その際、メインMPU部30内のオーディオ情報同
期処理部は、ディスク10から、Iピクチャオーディオ
位置(図27)と、Iピクチャ開始オーディオサンプル
番号(図27)とから、移動されるセル#2Aに含まれ
るオーディオパックの位置を探す。
【1144】もしセル#2Aに含まれるオーディオパッ
クがVOBU108cかVOBU108q内にある場合
には、その中から該当するオーディオパックを取り込み
VOBU108d*かVOBU108p内に埋め込む。
【1145】この埋め込みは、そのVOBUに余分な
(意味のある記録データを持たない)ダミーパックがあ
る場合には、そこに対して行う。このようなダミーパッ
クがない場合には、フォーマットの再配列、場合によっ
ては再エンコードを行う。
【1146】一方、セル#2A内にVOBU108cま
たはVOBU108fで使用するオーディオパックが含
まれる場合には、セル#2A内から該当するオーディオ
パックをコピーし、VOBU108cまたはVOBU1
08f内に挿入(埋込)処理する。このとき、挿入(埋
込)処理結果を、再度Iピクチャオーディオ位置および
Iピクチャ開始オーディオサンプル番号(図27)に記
録する。この一連の操作制御は、図84のメインMPU
部30のオーディオ情報同期処理部が主だって実行す
る。
【1147】次に、上述のように再生・編集後の映像情
報に対してCDやMDなどのデジタルオーディオ情報記
憶媒体から既存のオーディオ情報をバックグランドミュ
ージックとして重ね記録する場合について説明する。
【1148】オーディオ情報の重ね記録方法としては、
図24、図25のダミーパックをオーディオパックとし
て置換する方法と、重ね記録されるオーディオ情報を再
エンコードする方法がある。
【1149】ところで、オーディオ情報のサンプリング
周波数(32kHzや44.1kHz)は録画した映像
情報内のオーディオ情報サンプリング周波数(48kH
zや96kHz)と異なる場合がある。また公称周波数
は同じでも基準周波数を発生する水晶発振器の周波数変
動(周波数のゆれ)は通常±0.1%程度ある。従っ
て、デジタルオーディオ情報をデジタルダビングする場
合には、異なる基準周波数で記録が行われることにな
る。このことから、元から記録されていたオーディオ情
報の周波数で再生を行なうと同期ずれが生じてしまう。
【1150】その弊害を防ぐため、この発明では、オプ
ションでデジタルダビングしたオーディオ情報に対する
VOBU毎のオーディオサンプル数を管理領域(図18
の制御情報DA21)内に記録できるようにしている。
【1151】すなわち、図27のオーディオ同期情報フ
ラグ#1、#2、…に示すように、オーディオストリー
ム番号毎にオーディオ同期データを記録するかどうかの
フラグを立て、該当する(フラグが立っている)場合に
は図27のオーディオ同期情報によりVOBU毎のオー
ディオサンプル数を2バイトで表現している。
【1152】このオーディオ同期情報は、たとえば次の
ようにして記録することができる。
【1153】まず、重ね記録するオーディオ情報を図8
5のフォーマッタ56で2048バイト毎のオーディオ
パックに変換する。このとき、図84のメインMPU部
30内のオーディオ情報同期処理部から、該当するビデ
オ情報のVOBU毎の所要時間が通知される。その時間
情報に基づき、フォーマッタ56でVOBU毎のオーデ
ィオサンプル数をオーディオ情報同期処理部に回答す
る。
【1154】そして、重ね記録するオーディオ情報が含
まれたオーディオパックをダミーパックと置換して、ビ
デオオブジェクトDA22が完成する。
【1155】その後フォーマッタ56からメインMPU
部30に回答されたVOBU毎のオーディオサンプル数
を基に、オーディオ情報同期処理部により、ディスク1
0上のオーディオ同期情報に必要な情報の記録が行われ
る。
【1156】再生時には、メインMPU部30のオーデ
ィオ情報同期処理部がディスク10上のオーディオ同期
情報を読み取り、VOBU毎のオーディオサンプル数を
「オーディオ同期信号A−SYNC」の形で、基準クロ
ック発生部61に送る。その情報(A−SYNC)に合
わせた(シンク・ロックした)周波数の基準クロックを
基準クロック発生部61で発生し、その基準クロックの
周波数に合わせて、オーディオデコーダ68がビデオ情
報に同期して、後挿入されたオーディオ情報(重ね記録
するオーディオ情報)を再生する。
【1157】以上により、ビデオ情報と同期ずれのない
オーディオ再生が可能になる。
【1158】なお、上記説明ではオーディオサンプル数
をVOBU単位で記録しているが、それに限らずセル単
位、あるいはビデオフレーム単位で記録することもでき
る。
【1159】以上述べた実施の形態によれば、以下の効
果が得られる: A)音声信号の同期を保証した映像情報の並べ替えが可
能; B)ビデオの録画後にデジタルダビング処理によりオリ
ジナルとは異なるサンプル周波数で生成されたデジタル
オーディオ情報をダミーパック等に記録した場合も、同
期のとれたオーディオ情報の再生が可能; c)AC−3等のマルチチャネルオーディオ情報の並べ
替えや異なるサンプリング周波数のデジタルソースから
のミックスダウン編集が行われた場合においても、各チ
ャネル間の同期を保証できる。
【1160】なお、上記説明は情報記憶媒体としてDV
DーRAMディスクを例に取って説明したが、この発明
のシステム(とくに32kバイトのECCブロック単位
でアドレス管理および交替処理を行なうシステム)は、
情報記憶媒体として光磁気ディスク(MOディスク)を
用いファイルシステムにパーソナルコンピュータ用のフ
ァイルアロケーションテーブル(FAT)を用いたシス
テムにも、応用できる。
【1161】また、システムソフトウエア(またはオペ
レーティングシステム)としてはMSウインドウズの他
にNTFS(New Technology File System)、UNIX
等を利用することもできる。具体的には、ROM/RA
M2層ディスクにおいてROM層17Aに必要なシステ
ムソフトウエア(1種または複数種類のオペレーティン
グシステムOS)・アプリケーションソフトウエアなど
をエンボス記録しておき、記録・再生処理時にROM層
17AのOSおよびディレクトリ情報をパーソナルコン
ピュータのメインメモリにコピーし、アプリケーション
ソフトウエアはROM層17Aに格納されたものをその
まま利用するようにできる。その場合、アプリケーショ
ンソフトウエアをメインメモリに展開しないで済む分メ
インメモリの空間を広げることができる。このようなパ
ーソナルコンピュータシステムにおいて、ROM層17
Aのアプリケーションソフトウエアによる作業結果(編
集されたビデオなど)を保存する大容量記憶媒体とし
て、同じディスク10のRAM層17Bを利用すること
ができる。
【1162】さらに、AVデータ構造のアドレスとして
ECCブロック単位のAVアドレスを取り上げ説明して
きたが、AVデータのアドレス管理を、たとえば204
8バイト単位のアドレスで行うこともできる。
【1163】[実施の形態による効果] (1)統合論理セクタ番号LSNを用いることにより、
互いに連続していないアドレスレンジを持つ複数の記録
媒体(あるいは複数の記録レイヤ)を、大容量の1ボリ
ュームスペースで管理できる。
【1164】(2)アドレス管理にECCブロック単位
(32kバイト単位)のAVアドレスを採用すれば、既
存のパーソナルコンピュータのシステムを利用して、数
十Gバイトを超える巨大なボリュームスペースのアドレ
ス管理も可能になる。
【1165】(3)ECCブロック単位で書き替え(オ
ーバーライト)あるいは消去が可能なので、書き替え・
消去時に、書き替える必要のないECCブロック(書き
替え・消去対象のECCブロックの周辺ECCブロッ
ク)をいじる必要がなくなる。
【1166】(4)管理領域の書き替え回数を媒体毎に
持ち、この書き替え回数が所定値を超えたら管理領域の
記録場所を移し変えるようにすれば、反復書き替えによ
り信頼性の低下が懸念される相変化記録媒体でも、管理
領域の記録情報の安全性が確保される。
【1167】(5)使用するディスクドライブの性能に
合わせて記録するプログラムチェーンのセル構成を適宜
修正できるので、どのようなディスクドライブを用いて
も、シームレスな連続再生あるいはシームレスな連続記
録が可能になる。
【1168】(6)オーディオ同期情報を持たせること
で、種々な音源(種々なサンプルレートで作成されたデ
ジタル音源)からアフターレコーディングを行っても、
元のビデオ信号とアフターレコーディングされたオーデ
ィオ信号との同期がずれることを防止できる。
【1169】
【発明の効果】デジタル動画情報の記録・再生が可能な
情報記憶媒体およびこの媒体を利用した装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 記録再生可能な光ディスク(DVDーRAM
/DVD−RWディスク等)の構造を説明する斜視図。
【図2】 図1の2層光ディスクのデータ記録領域とそ
こに記録されるデータの記録トラックとの対応関係を説
明する図。
【図3】 図1の2層光ディスクのROM層およびRA
M層の構成を例示する断面図。
【図4】 図1の2層光ディスクのRAM層のデータト
ラック構成例(交替処理用スペアエリアが各ユーザエリ
アの外側に配置された構成)を説明する図。
【図5】 図1の2層光ディスクのRAM層のレイアウ
トを説明する図。
【図6】 図5のレイアウトにおけるリードイン部分お
よびリードアウト部分の詳細を説明する図。
【図7】 図5のレイアウトにおけるデータエリア部分
の詳細を説明する図。
【図8】 図5のデータエリア部分に含まれるセクタの
構造を説明する図。
【図9】 図5のデータエリア部分に含まれる情報の記
録単位(ECC単位)を説明する図。
【図10】 図5のデータエリア内でのゾーンとグルー
プ(図7参照)との関係を説明する図。
【図11】 図5のデータエリア内での論理セクタの設
定方法を説明する図。
【図12】 図5のデータエリア内での交替処理(スリ
ッピング交替法)を説明する図。
【図13】 図5のデータエリア内での他の交替処理
(スキッピング交替法)を説明する図。
【図14】 図5のデータエリア内でのさらに他の交替
処理(リニア交替法)を説明する図。
【図15】 図1の2層光ディスクにおけるROM層の
論理セクタの設定方法を説明する図。
【図16】 図1の2層光ディスクにおけるROM層/
RAM層の論理セクタの設定方法を説明する図。
【図17】 図1の2層光ディスクにおけるROM層/
RAM層の論理セクタの他の設定方法を説明する図。
【図18】 図2の光ディスクに記録される情報の階層
構造の一例を説明する図。
【図19】 図18の情報階層構造においてビデオオブ
ジェクトのセル構成とプログラムチェーンPGCとの対
応例を例示する図。
【図20】 図2の光ディスクのリードインエリアに記
録される情報(表現方法は違うが図6のリードインデー
タ部分に対応)の論理構造を説明する図。
【図21】 図20のリードインエリアに記録される制
御データの内容の一例を説明する図。
【図22】 図21の制御データに含まれる物理フォー
マット情報(表現方法は違うが図6の制御データゾーン
部分に対応)の内容の一例を説明する図。
【図23】 図2の光ディスク等に記録される情報(デ
ータファイル)のディレクトリ構造の一例を説明する
図。
【図24】 図19のビデオオブジェクトDA22に含
まれる情報の階層構造を例示する図。
【図25】 図24のダミーパックの内容を説明する
図。
【図26】 図18のセル時間情報CTIの内部構造を
説明する図。
【図27】 図26のVOBU情報の内部構造を説明す
る図。
【図28】 図26の欠陥情報に関連して欠陥の種類
(先天的欠陥と後天的欠陥)を説明する図。
【図29】 図23のビデオRAMファイルに含まれる
AVファイルのアドレスと図2の光ディスクの論理ブロ
ック番号・論理セクタ番号・物理セクタ番号との対応関
係を説明する図。
【図30】 図2の光ディスクに欠陥が発生した場合の
AVアドレスの設定とエクステント(ECCデータの集
合体)記述子の記述方法を説明する図。
【図31】 各種エクステント記述子(集合体記述子)
の対応関係を説明する図。
【図32】 図18の制御情報DA21に含まれる情報
の階層構造を例示する図。
【図33】 図26のセルデータエクステント記述子
(セルデータ集合体記述子)の表現方法を説明する図。
【図34】 図24のセル内のビデオオブジェクトユニ
ットVOBUの境界位置とこのセル内のデータを構成す
るECCブロック(16セクタ32kバイト)の境界位
置とがずれる場合を説明する図。
【図35】 図24のセル内のビデオオブジェクトユニ
ットVOBUの境界位置とこのセル内のデータを構成す
るECCブロック(16セクタ32kバイト)の境界位
置とが一致する場合を説明する図。
【図36】 図2の光ディスクに記録される情報を扱う
情報処理機器(たとえばパーソナルコンピュータ)内で
のシステム階層と個々の管理対象情報との関係を説明す
る図。
【図37】 図23の階層ファイルシステム構造と情報
記憶媒体に記録された情報内容との間の基本的な関係を
説明する図。
【図38】 情報記憶媒体上の連続セクタ集合体(エク
ステント)の記録位置を表示するロングアロケーション
記述子の記述内容を説明する図。
【図39】 情報記憶媒体上の連続セクタ集合体(エク
ステント)の記録位置を表示するショートアロケーショ
ン記述子の記述内容を説明する図。
【図40】 情報記憶媒体上の未記録連続セクタ集合体
(未記録エクステント)を検索するものでスペースエン
トリとして使用される記述文の内容を説明する図。
【図41】 図23または図37のように階層構造を持
ったファイル構造内で、指定されたファイルの記録位置
を表示するファイルエントリの記述内容の一部を抜粋し
て説明する図。
【図42】 図23または図37のように階層構造を持
ったファイル構造内で、ファイル(ルートディレクト
リ、サブディレクトリ、ファイルデータ等)の情報を記
述するファイルID記述子の一部を抜粋して説明する
図。
【図43】 図23または図37のように階層構造を持
ったファイルシステムの構造の一例を説明する図。
【図44】 ユニバーサルディスクフォーマット(UD
F)に従って情報記憶媒体上にファイルシステムを構築
した場合の一例を説明する第1の部分図。
【図45】 UDFに従って情報記憶媒体上にファイル
システムを構築した場合の一例を図21とともに説明す
る第2の部分図。
【図46】 UDFに従って情報記憶媒体上にファイル
システムを構築した場合の一例を図21および図22と
ともに説明する第3の部分図。
【図47】 図1のディスクに録画されるビデオコンテ
ンツのうちユーザが作成するメニューのファイル構造の
一例を概念的に説明する図。
【図48】 図1のディスクに録画されるビデオコンテ
ンツのうちユーザが作成するメニューのファイル構造の
具体例を説明する図(その1)。
【図49】 図1のディスクに録画されるビデオコンテ
ンツのうちユーザが作成するメニューのファイル構造の
具体例を説明する図(その2)。
【図50】 図2のディスクに記録されたセルデータを
再生する場合を説明する図。
【図51】 図50の再生データを構成する各セルとプ
ログラムチェーン情報との関係の一例を説明する図(図
19参照)。
【図52】 図1〜図11の構成を持つ情報記憶媒体
(DVDーRAMディスク等)を用いてデジタルビデオ
情報の録画・再生を行えるように構成されたパーソナル
コンピュータPCの一例を説明するブロック図。
【図53】 図52のデジタルビデオ録再パーソナルコ
ンピュータPCにおいて、物理系ブロックとアプリケー
ション系ブロックを分けて説明する図。
【図54】 図52のDVDーROM/RAMドライブ
140の構成の一例を説明するブロック図(図53でい
えば物理系ブロック)。
【図55】 たとえば図52のデジタルビデオ録再PC
において、使用媒体(DVDーRAMディスク等)に対
する論理ブロック番号の設定動作の一例を説明するフロ
ーチャート図。
【図56】 たとえば図52のデジタルビデオ録再PC
において、使用媒体(DVDーRAMディスク等)にお
ける欠陥処理動作(ドライブ側の処理)の一例を説明す
るフローチャート図。
【図57】 図2の情報記憶媒体(DVDーRAMディ
スク等)に記録される信号の構成を説明する図。
【図58】 図57の記録信号をスクランブルして生成
されたECCブロックの構成を説明する図。
【図59】 図58のECCブロックをインターリーブ
した場合を説明する図。
【図60】 記録用の生信号が所定の信号処理(ECC
インターリーブ/信号変調等)を受けて情報記憶媒体
(DVDーRAMディスク等)に記録されるまでの手順
を説明するフローチャート図。
【図61】 図1の2層光ディスクにおけるROM層/
RAM層の論理セクタの設定において、物理セクタ番号
の大きなRAM層部分を論理セクタ番号の小さな位置へ
論理的に配置替えする方法を説明する図。
【図62】 図1の2層光ディスクにおけるROM層/
RAM層の論理セクタの設定において、RAM層部分が
論理的にROM層部分に割り込むように配置替えする方
法を説明する図。
【図63】 図2の光ディスクに記録される情報(デー
タファイル)のディレクトリ構造の他の例を説明する
図。
【図64】 図2の光ディスクに記録される情報(デー
タファイル)のディレクトリ構造のさらに他の例を説明
する図。
【図65】 図2の光ディスクに記録される情報の階層
構造の他の例(図18のアロケーションマップテーブル
AMTと異なる内容のアロケーションマップテーブルA
MTを持つ例)を説明する図。
【図66】 図2の光ディスクに先天的欠陥がある場合
の先天的欠陥アロケーション記述子とアロケートされな
いスペース記述子の記述方法を説明する図。
【図67】 図61の配置替えが行われたROM/RA
M2層ディスクにおいて、情報の記録場所とRAM層の
初期化前後の状態を説明する図(その1)。
【図68】 図61の配置替えが行われたROM/RA
M2層ディスクにおいて、情報の記録場所とRAM層の
初期化前後の状態を説明する図(その2)。
【図69】 図16の配置替えが行われたROM/RA
M2層ディスクにおいて、情報の記録場所とRAM層の
初期化前後の状態を説明する図(その1)。
【図70】 図16の配置替えが行われたROM/RA
M2層ディスクにおいて、情報の記録場所とRAM層の
初期化前後の状態を説明する図(その2)。
【図71】 映像情報とその管理領域の書き替え方法を
説明するフローチャート図。
【図72】 再生信号の連続性を説明するための再生系
システム概念図。
【図73】 映像信号の連続再生時におけるアクセス動
作等とバッファメモリ内の一時保存量との関係の一例を
説明する図。
【図74】 映像信号の連続再生時におけるアクセス動
作等とバッファメモリ内の一時保存量との関係の他例
(最もアクセス頻度が高い場合)を説明する図。
【図75】 映像信号の連続再生時におけるアクセス動
作等とバッファメモリ内の一時保存量との関係の他例
(再生時間とアクセス時間のバランスが取れている場
合)を説明する図。
【図76】 光ヘッドのシーク距離とシーク時間との関
係を説明する図。
【図77】 光ヘッドの平均シーク距離を求める方法を
説明する図。
【図78】 記録信号の連続性を説明するための記録系
システム概念図。
【図79】 記録されたAVデータ(映像信号情報)の
一部を構成するセルおよび各セルのビデオオブジェクト
ユニットVOBU配列を例示する図。
【図80】 図79の配列において、セル#2が編集さ
れ、セル#2の途中(VOBU108eの所)でデータ
が切れた場合を説明する図(VOBU108eは再エン
コードされる)。
【図81】(図79〜図80は編集によるセルの並べ替
え方法を説明する図)図80の編集が終わった後に、図
79に例示したセル構成、VOBU配列および空き領域
の位置がどのように変化しているかを説明する図。
【図82】 映像信号の連続記録時におけるアクセス動
作等とバッファメモリ内の一時保存量との関係の一例
(最もアクセス頻度が高い場合)を説明する図。
【図83】 映像信号の連続記録時におけるアクセス動
作等とバッファメモリ内の一時保存量との関係の他例
(記録時間とアクセス時間のバランスが取れている場
合)を説明する図。
【図84】 ビデオオブジェクト内で映像情報の並べ替
え(編集等)を行った場合の映像〜音声間の同期外れに
対応したDVDビデオレコーダの構成を説明するブロッ
ク図。
【図85】 図84の構成におけるエンコーダ部および
デコーダ部の内部構成を説明するブロック図。
【図86】 図84のDVDビデオレコーダにおける映
像〜音声間の同期処理を説明するフローチャート図。
【符号の説明】
10…情報記憶媒体/情報記憶媒体(DVDーRAM/
DVD−RWまたはDVDーR等の光ディスク);10
0…ディスクチェンジャ(ディスクパック);11…カ
ートリッジ(DVDーRAMのディスク収納用);14
…透明基板(ポリカーボネート基板);17…記録層;
17A…ROM層(半透明の光反射層);17B…RA
M層(相変化記録層);19…情報読み出し面(レーザ
光入射面);20…接着層;22…ディスク中心孔;2
4…クランプエリア;25…情報エリア;26…リード
アウトエリア(書替可能);27…リードインエリア
(書替可能);28…データ記録エリア(ボリュームス
ペース;書替可能);30…メインMPU部;32…デ
ィスクドライブ(DVDーROM/DVDーRAMコン
パチブル);34…一時記憶部;36…データプロセ
サ;38…システムタイムカウンタ(システムタイムク
ロック);50…エンコーダ部;51…縮小画像用フレ
ームメモリ;52…ビデオ用アナログ・デジタルコンバ
ータ;53…ビデオエンコーダ;54…オーディオエン
コーダ;55…副映像エンコーダ;56…フォーマッ
タ;57…バッファメモリ;58…縮小ビデオエンコー
ダ;59…メモリ;60…デコーダ部;61…基準クロ
ック発生部;62…セパレータ;63…メモリ;64…
ビデオデコーダ;65…副映像デコーダ;66…ビデオ
プロセサ;68…オーディオデコーダ;602…ビデオ
ミキサ;604…フレームメモリ;70…ボリューム/
ファイル管理情報エリア(書替可能);73…他記録エ
リア(オプション);90…相変化記録材料層90(G
e2Sb2Te5);92、94…硫化亜鉛・酸化シリ
コン混合物(ZnS・SiO2);101…情報再生部
/情報記録再生部(物理系ブロック);102…応用構
成部(アプリケーションブロック);103…情報再生
装置(DVDプレーヤ機能)/情報記録再生装置(DV
Dレコーダ機能);111…メインCPU;112…メ
インメモリ;113…メモリアドレス線;114…メモ
リデータ線;115…ディスプレイコントローラ;11
6…ビットマップディスプレイ(TVモニタ);117
…ビデオRAM;118…キーボードコントローラ;1
19…キーボード;120…IDEコントローラ;12
2…CD−ROMドライブ;123…パラレルI/Fコ
ントローラ;124…プリンタ;125…イメージスキ
ャナ;126…EISAバス;127…サウンドボー
ド;128…マイク;129…スピーカ;130…シリ
アルI/Fコントローラ;131…モデム;132…I
EEE1392ボード;133…PCIバス;134…
MPEGボード;135…JPEGボード;136…オ
ーディオエンコーダ/デコーダボード;137…専用D
SP(デジタル信号プロセサ);138…SCSIボー
ド;139…LANボード;140…DVDーROM/
DVDーRAMコンパチブルドライブ;143…PCI
バスコントローラ;144…EISAバスコントロー
ラ;145…I/Oアドレスライン;146…I/Oデ
ータライン;202…光ヘッド;203…光ヘッド移動
機構(送りモータ);204…スピンドルモータ;20
5…半導体レーザ駆動回路;206…記録・再生・消去
の制御波形発生回路;207…変調回路;208…EC
Cエンコーダ;209…エラー訂正回路;210…復調
回路;211…PLL回路;212…2値化回路;21
3…アンプ;214…媒体(光ディスク)回転速度検出
回路;215…スピンドルモータ駆動回路;216…送
りモータ駆動回路;217…フォーカス・トラッキング
エラー検出回路;218…対物レンズアクチュエータ駆
動回路;219…半導体メモリ;220…制御部;22
1…ターンテーブル(回転テーブル);222…データ
I/Oインターフェイス;A−SYNC…MPU30内
のオーディオ情報同期処理部から得られるオーディオ同
期信号;DVC…デジタルビデオカセット;DVHS…
デジタルVHSカセット;PC…パーソナルコンピュー
タ;SRC…サンプルレートコンバータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/12 H04N 5/85 H04N 5/92

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像情報及び前記映像情報を管理するた
    めの管理情報を記録する光ディスクであって、 前記映像情報を記録する前記光ディスクの領域に対し
    て、 2kバイト単位の物理セクタ番号が付与され、 前記物理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2
    kバイト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号
    のいずれかが付与されるとともに、 前記物理セクタ番号と、前記論理セクタ番号若しくは前
    記論理ブロック番号とが付与された前記領域に対して、
    32kバイト単位のアドレスが付与されたことを特徴と
    する光ディスク。
  2. 【請求項2】 映像情報及び前記映像情報を管理するた
    めの管理情報を記録した光ディスクから前記映像情報を
    再生する再生装置であって、 前記光ディスクは、前記映像情報を記録した前記光ディ
    スクの領域に対して、 2kバイト単位の物理セクタ番号が付与され、 前記物理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2
    kバイト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号
    のいずれかが付与されるとともに、 前記物理セクタ番号と、前記論理セクタ番号若しくは前
    記論理ブロック番号とが付与された前記領域に対して、
    32kバイト単位のアドレスが付与されており、 前記映像情報を再生する際に、2kバイト単位の番号及
    び前記32kバイト単位のアドレスを用いて再生を行う
    再生手段と、 を備えたことを特徴とする再生装置。
  3. 【請求項3】 映像情報及び前記映像情報を管理するた
    めの管理情報を記録した光ディスクから前記映像情報を
    再生する再生装置であって、 前記光ディスクは、前記映像情報を記録した前記光ディ
    スクの領域に対して、 2kバイト単位の物理セクタ番号が付与され、 前記物理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2
    kバイト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号
    のいずれかが付与されるとともに、 前記物理セクタ番号と、前記論理セクタ番号若しくは前
    記論理ブロック番号と が付与された前記領域に対して、
    32kバイト単位のアドレスが付与されており、 前記光ディスクから、前記映像情報を再生する再生手段
    を備えたことを特徴とする再生装置。
  4. 【請求項4】 映像情報及び前記映像情報を管理するた
    めの管理情報を光ディスクに記録する方法において、 前記映像情報を記録する前記光ディスクの領域に対し
    て、2kバイト単位の物理セクタ番号を付与し、前記物
    理セクタ番号が付与された前記領域に対して、2kバイ
    ト単位の論理セクタ番号および論理ブロック番号のいず
    れかを付与し、前記物理セクタ番号と、前記論理セクタ
    番号若しくは前記論理ブロック番号とが付与された前記
    領域に対して、32kバイト単位のアドレスを付与し、
    そして、 前記光ディスクに映像情報の記録を行うようにしたこと
    を特徴とする記録方法。
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