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JP3377067B2 - ブリルアン周波数シフト分布測定方法および装置 - Google Patents

ブリルアン周波数シフト分布測定方法および装置

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Publication number
JP3377067B2
JP3377067B2 JP20219096A JP20219096A JP3377067B2 JP 3377067 B2 JP3377067 B2 JP 3377067B2 JP 20219096 A JP20219096 A JP 20219096A JP 20219096 A JP20219096 A JP 20219096A JP 3377067 B2 JP3377067 B2 JP 3377067B2
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JP
Japan
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light
optical fiber
brillouin
frequency
frequency shift
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP20219096A
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English (en)
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JPH1048065A (ja
Inventor
常雄 堀口
利雄 倉嶋
史 泉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP20219096A priority Critical patent/JP3377067B2/ja
Publication of JPH1048065A publication Critical patent/JPH1048065A/ja
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバをセン
サとして用いて温度分布等を計測する際に使用される光
ファイバのブリルアン周波数シフト分布の測定方法およ
び測定装置に関し、特にそれらの高性能化に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバに可視部の光を入射すると、
入射角に対して90°以上の角度で散乱する後方散乱光
が発生する。この後方散乱光のスペクトルを測定する
と、散乱光には主に3つの成分が含まれていることが分
かる。それは、レイリー散乱光、ラマン散乱光、ブリル
アン散乱光である。レイリー散乱光は、光ファイバガラ
スの微少な屈折率の揺らぎにより生じるものであり、そ
の波長は入射光と同一である。一方、ラマンおよびブリ
ルアン散乱はそれぞれ光学的フォノンおよび音響的フォ
ノンとの非線形相互作用による非弾性散乱であり、その
波長は入射光とは異なったものとなる。ラマン散乱で
は、その周波数シフトは約13THz(波長で約100
nm)と比較的大きいが、ブリルアン散乱の場合にはそ
の周波数シフトは約10GHz(波長換算で約0.1n
m)と小さい。
【0003】これらの散乱光のうち、ブリルアン散乱が
最近特に注目を集めている。その理由は、ブリルアン周
波数シフトは歪みおよび温度依存性を有するため、これ
を利用して歪みと温度のセンシング(検出)が可能とな
るからである。光ファイバの長さ方向の各位置zにおけ
るブリルアン周波数シフトを測定すれば、歪みと温度の
分布のセンシングが可能となる。これを可能とする方法
としてBOTDA(Brillouin Optical Fiber Time-Dom
ain Analysis;ブリルアン光時間領域解析) が知られて
いる。
【0004】BOTDAでは、パルス光である第1の光
と、それとは別の第2の光を光ファイバ中で対向して伝
搬させる。いま、第1の光の周波数ν1と第2の光の周
波数ν2の差Δν=ν1−ν2を光ファイバのブリルア
ン周波数シフトνB の近傍値に一致させたとする。この
状態で第1の光と第2の光が光ファイバ中で出会ったと
き、ブリルアン効果により第2の光のパワーは増加す
る。BOTDAではこの増加量を測定すべき信号とみな
す(この方法を、説明の便宜上ブリルアン利得法と呼ぶ
ことにする)。
【0005】ブリルアン利得法では、その信号(第2の
光の増加量)のパワー(強度)を、第1の光が光ファイ
バに入射してから、第1の光と第2の光が出会い、第1
の光により増幅された第2の光が、第1の光が光ファイ
バに入射した点に到達するまでの遅延時間tの関数とし
て測定し、その測定値をSB (t,Δν)とする。さら
にSB (t,Δν)を、種々のΔνについて測定し、デ
ータ群{SB (t,Δν);Δν}を得る。ここで遅延
時間tは、光ファイバの長さ方向に沿った位置座標zと
次の関係がある。
【0006】
【数1】 t=(1/V1 +1/V2 )z (1) ここで、V1 およびV2 はそれぞれ第1および第2の光
の、光ファイバ中での速度である。そこで、上記データ
群{SB (t,Δν);Δν}において、tを固定し
て、SB (t,Δν)を最大にするΔνを求めると、そ
れは式(1)で表される光ファイバの長さ方向の位置z
におけるブリルアン周波数シフトと一致する。すなわ
ち、ブリルアン周波数シフト分布νB (z)が求まるこ
とになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ブリルアン利得法による測定方法には次のような問題点
がある。すなわち、大きな信号を得ようとして、第1あ
るいは第2の光のパワーを上げると、第1のパルスの光
はブリルアン効果による第2の光との相互作用により、
光ファイバを伝搬するにつれ、自らのエネルギーを失
う。その結果、たとえ光ファイバの損失が無視できるほ
ど小さい場合でも、光ファイバの遠端付近では、第1の
パルスの光は減衰してしまう。また、この減衰量は、光
周波数差Δνに依存して異なる。
【0008】このことは、光周波数差Δνが、ブリルア
ン周波数シフトνB に一致するか、あるいはそれに近い
場合のみ、ブリルアン効果が起きることを考えれば、容
易に理解できよう。したがって、光ファイバ遠端付近の
光ファイバ区間(この区間の座標を[zm ,zm +d
z]とする)に入射する第1の光パワー、すなわち区間
[zm −dz,zm ]を伝搬する第1の光パワーは、光
周波数差Δν依存性がある。よって、この区間[zm
dz,zm ]を伝搬する第1の光のパワーのΔν依存性
を考慮せずに、ただ単純に区間[zm ,zm +dz]か
らの信号SB (tm ,Δν)(ここでtm とzm は、式
(1)の関係で結ばれている)を最大とするΔνを、区
間[zm ,zm +dz]におけるブリルアン周波数シフ
トνB とみなすと、その測定値には非常に大きな誤差を
伴うという結果になってしまう。
【0009】以上、ブリルアン利得法の問題点を説明し
た。BOTDAには、それと対になる、ブリルアン損失
法というものもある。ブリルアン損失法の場合は、第1
の光の周波数ν1と第2の光の周波数ν2の差Δν=ν
1−ν2を−νB の近傍値に一致させる(Δν〜−
νB )。この状態で第1の光と第2の光が光ファイバ中
で出会ったとき、ブリルアン効果により第2の光のパワ
ーは減衰する。ブリルアン損失法ではこの減衰量を測定
すべき信号とみなす。その後の測定手順は、ブリルアン
利得法の場合と全く変わらない。すなわち、この信号の
パワーを、第1の光が光ファイバに入射してから、第1
の光と第2の光が出会い、第1の光により減衰した第2
の光が、第1の光が光ファイバに入射した点に到達する
までの遅延時間tの関数として測定し、それをS
B (t,Δν)とする。さらにSB (t,Δν)を、種
々のΔνについて測定し、データ群{SB (t,Δ
ν);Δν}を得る。そして、データ群{SB (t,Δ
ν);Δν}において、tを固定して、SB (t,Δ
ν)を最大にするΔνを求めると、それは式(1)で表
される光ファイバの長さ方向の位置zにおけるブリルア
ン周波数シフトと一致する。すなわち、ブリルアン周波
数シフト分布νB (z)が求まることになる。
【0010】ブリルアン損失法がブリルアン利得法と異
なる点は、ブリルアン利得法では、上述のように、大き
な信号を得ようとして、第1あるいは第2の光のパワー
を上げると、第1のパルスの光はブリルアン効果による
第2の光との相互作用により、光ファイバを伝搬するに
つれ、自らのエネルギーを失ってしまうが、ブリルアン
損失法では、逆に第1のパルスの光はブリルアン効果に
より第2の光からエネルギーを得ることである。すなわ
ち、信号パワーの点では、ブリルアン損失法の方がブリ
ルアン利得法よりも優れているといえる。しかしなが
ら、ブリルアン損失法もブリルアン利得法の場合と同様
に、光ファイバ遠端付近の光ファイバ区間[zm ,zm
+dz]に入射する第1の光のパワー、すなわち区間
[zm −dz,zm ]を伝搬する第1の光のパワーは、
光周波数差Δν依存性がある。従って、これを補正しな
い限り、ブリルアン利得法の場合と同様に、高精度なブ
リルアン周波数シフト分布νB (z)の測定はできな
い。
【0011】本発明の目的は、上記のような従来技術の
状況に鑑み、BOTDA法におけるブリルアン周波数シ
フト分布の測定精度を向上させることを図ったブリルア
ン周波数シフト分布測定方法およびその方法を実施する
測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるブリルアン周波数シフト分布測定方法
は、ブリルアン効果による第2の光の増加量である上述
の信号(以下、BOTDA信号と呼ぶ)を測定するだけ
でなく、後方レイリー散乱光あるいは後方ラマン散乱光
をも測定し、この測定データを使用してBOTDA信号
を補正することで、BOTDA法におけるブリルアン周
波数シフト分布の測定精度を向上させる。
【0013】さらに詳しくは、本発明の測定方法は、そ
の第1の形態として、光ファイバに2つの光を対向して
伝搬させ、上記2つの光のうち少なくとも一方の光をパ
ルス光とし、上記パルス光を第1の光とし他方の光を第
2の光とし、上記第1の光の周波数ν1と上記第2の光
の周波数ν2の差Δν=ν1−ν2を上記光ファイバの
ブリルアン周波数シフトνB の近傍値に一致させ、その
状態で、上記第1の光と上記第2の光が出会ったときに
上記第1の光により増幅された上記第2の光のパワーの
増加量を信号とし、あるいは上記第1の光の周波数ν1
と上記第2の光の周波数ν2の差Δν=ν1−ν2を−
νB の近傍値に一致させ、その状態で、上記第1の光と
上記第2の光が出会ったときに、上記第1の光により減
衰を受けた上記第2の光のパワーの減衰量を信号とし、
上記信号のパワーを、上記第1の光が上記光ファイバに
入射してから、上記第1の光と上記第2の光が出会い上
記第1の光により増幅された、あるいは、減衰を受けた
上記第2の光が上記第1の光が上記光ファイバに入射し
た点に到達するまでの遅延時間tの関数として測定し、
この測定した値をSB (t,Δν)とし、上記S
B (t,Δν)を種々のΔνについて測定し、その測定
データを基に上記光ファイバの長さ方向の位置zの関数
として、ブリルアン周波数シフト分布νB (z)を測定
する方法において、上記第1の光による後方レイリー散
乱光のパワーを遅延時間tRay の関数として測定し、こ
の測定した値をSRay (tRay ,Δν)とし、上記SB
(t,Δν)を上記SRay (tRay ,Δν)により補正
した信号から、上記光ファイバの長さ方向のブリルアン
周波数シフト分布νB (z)を測定することを特徴とす
る。
【0014】また、本発明の測定方法は、その第2の形
態として、上記第1の光による後方ラマン散乱光のパワ
ーを遅延時間tRam の関数、すなわち上記光ファイバの
長さ方向に沿った位置zの関数として測定し、この測定
した値をSRam (tRam ,Δν)とし、上記SB (t,
Δν)を上記SRam (tRam ,Δν)により補正した信
号から、上記光ファイバの長さ方向のブリルアン周波数
シフト分布νB (z)を測定することを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の測定方法は、その実施形
態として、光ファイバの一端からパルス光の第1光を入
射し同時に上記光ファイバの他端から第2光を入射して
上記第1の光と上記第2の光を対向して伝搬させる工程
と、上記第1の光の周波数ν1と上記第2の光の周波数
ν2の差Δν=ν1−ν2を−νB またはνB (νB
上記光ファイバのブリルアン周波数シフト)の近傍値に
設定する工程と、ブリルアン効果による上記第2光のパ
ワー減衰量に対応する値SB (t,Δν)を検出する工
程と、上記第1光による後方レイリー散乱光の強度に対
応する値SRay (tRay ,Δν)を検出する工程と、上
記SB (t,Δν)、上記SRay(tRay ,Δν)をそ
れぞれ位置zの関数PB (z,Δν)、PRay (z,Δ
ν)に変換し、BYR(z,Δν)=PB (z,Δν)
/PRay (z,Δν)を計算する工程と、以上の全て工
程をΔνを変化させて実施して上記光ファイバの各位置
zにおいて上記BYR(z,Δν)の値を最大とする|
Δν|の値、すなわちブリルアン周波数シフトν
B (z)を求める工程とを有することを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の測定方法は、他の実施形
態として、上記第1光による後方ラマン散乱光の強度に
対応する値SRam (tRam ,Δν)を検出する工程と、
上記SB (t,Δν)、上記SRam (tRam ,Δν)を
それぞれ位置zの関数PB (z,Δν)、PRam (z,
Δν)に変換し、BMR(z,Δν)=PB (z,Δ
ν)/PRam (z,Δν)を計算する工程と、以上の全
て工程をΔνを変化させて実施して上記光ファイバの各
位置zにおいて上記BMR(z,Δν)の値を最大とす
る|Δν|の値、すなわちブリルアン周波数シフトνB
(z)を求める工程とを有することを特徴とする。
【0017】本発明による測定装置は、ブリルアン効果
によるBOTDA信号を測定する手段だけでなく、後方
レイリー散乱光あるいは後方ラマン散乱光も測定する手
段を有し、かつその測定データを使用してBOTDA信
号を補正する手段も有する。
【0018】さらに詳しくは、本発明の測定装置は、そ
の第1の形態として、2つの光のうち少なくとも一方の
光をパルス光として、上記パルス光を第1の光とし、他
方の光を第2の光とし、光ファイバに上記2つの光を対
向して伝搬させる光伝搬手段と、上記第1の光の周波数
ν1と上記第2の光の周波数ν2の差Δν=ν1−ν2
を上記光ファイバのブリルアン周波数シフトνB の近傍
値に一致させる、あるいは上記周波数差Δνを−νB
近傍値に一致させることが可能な周波数制御手段と、上
記Δνが上記νB の近傍値である状態で上記第1の光と
上記第2の光が出会ったときにブリルアン効果により増
幅された上記第2の光のパワーの増加量を信号とし、あ
るいは上記Δνが上記−νB の近傍値である状態で上記
第1の光と上記第2の光が出会ったときにブリルアン効
果により減衰を受けた上記第2の光のパワーの減衰量を
信号とし、上記信号のパワーを上記第1の光が上記光フ
ァイバに入射してから、上記第1の光と上記第2の光が
出会い、上記第1の光により増幅された、あるいは、減
衰を受けた上記第2の光が上記第1の光が光ファイバに
入射した点に到達するまでの遅延時間tの関数として測
定する第1の測定手段と、上記第1の測定手段で測定さ
れた測定データをSB (t,Δν)とし、種々の周波数
差Δνに関するSB (t,Δν)のデータから、上記光
ファイバの長さ方向のブリルアン周波数シフト分布νB
(z)を計算する演算手段とを有するブリルアン周波数
シフトの測定装置において、上記第1の光による後方レ
イリー散乱光のパワーを遅延時間tRay の関数として測
定する第2の測定手段と、上記第2の測定手段で測定さ
れた測定データをSRay (tRay ,Δν)とし、上記S
B (t,Δν)を上記SRay (tRay ,Δν)により補
正する補正手段とを有し、上記演算手段は、上記補正手
段で補正したデータから上記光ファイバの長さ方向のブ
リルアン周波数シフト分布νB (z)を算出することを
特徴とする。
【0019】また、本発明の測定方法は、第2の形態と
して、上記第1の光による後方ラマン散乱光のパワーを
遅延時間tRam の関数として測定する第2の測定手段
と、上記第2の測定手段で測定された測定データをS
Ram (tRam ,Δν)とし、上記SB (t,Δν)を上
記SRam (tRam ,Δν)により補正する補正手段とを
有し、上記演算手段は、上記補正手段で補正したデータ
から上記光ファイバの長さ方向のブリルアン周波数シフ
ト分布νB (z)を算出することを特徴とする。次に、
上記構成による本発明の作用を説明する。
【0020】前述したように、BOTDA信号の周波数
差Δν依存性は、着目した光ファイバ区間[Zn,Z
n+dz]で起きたブリルアン効果によるものと、上
記光ファイバ区間に入射する第1の光パルスのパワー
の、Δν依存性によるものが合成されたものである。本
来、測定すべきものは上記である。そこで、本発明
は、これら、を分離するために、上記のようにBO
TDA信号の測定の他に、BOTDAにおける第1の光
パルスによる後方レイリー散乱光あるいは後方ラマン散
乱光を測定する。後方レイリー散乱光あるいは後方ラマ
ン散乱光のパワーは、散乱点における第1の光パルスの
パワーに比例するため、これらの測定値から、上述の
が得られる。そこで、その測定データを用いて、BOT
DA信号のΔν依存性測定値を補正することにより、正
確なブリルアン周波数シフトの測定が可能となる。
【0021】この補正は、ブリルアン利得法、ブリルア
ン損失法の何れの場合にも有効であるが、特にブリルア
ン損失法に適用した場合には、前述のようにBOTDA
信号がブリルアン効果により増大しているため、ブリル
アン周波数シフトの測定精度の向上および測定距離の拡
大が同時に図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0023】(第1の実施形態)まず最初に、本発明の
第1の実施形態の測定方法について説明する。
【0024】図1の(a)図は、本発明を説明するため
の光ファイバのブリルアン周波数シフト分布のモデルを
示す。区間[0,zm ]と測定のために着目する微小区
間[zm ,zm +dz]のブリルアン周波数シフトは、
それぞれνB1およびνB2とする。また、対向して伝搬さ
せる第1の光(パルス)の入射パワー(強度)はP
1(z=0における左側からの入射パワー)および第2
の光(連続光)の入射パワーはP2 (z=zm +dzに
おける右側からの入射パワー)とする。このとき第1の
光がある位置zまで伝搬したときのパワーP1 (z,Δ
ν)は、
【0025】
【数2】 P1 (z,Δν)=P1 ・exp(−α1 z)・D(z,Δν) (2) となる。ここで、Δνは、第1の光の周波数ν1と第2
の光の周波数ν2の差Δν=ν1−ν2である。α
1 は、第1の光の周波数ν1波に対する光ファイバの損
失係数である。また、D(z,Δν)は、第1の光が区
間[0,zm ]を伝搬するときに生じたブリルアン効果
により、第1の光と第2の光との間にエネルギーの交換
が起こり、第1の光のパワーが変化することを示す、パ
ワー変化係数である。
【0026】D(z,Δν)の特徴は以下の通りであ
る。
【0027】・ブリルアン効果がないときは、D(z,
Δν)=1である。
【0028】・Δν=−νB のとき、D(z,Δν)は
極大値をとり、その近傍では、Δνが−νB から離れる
に従い、1に漸近する。
【0029】・Δν=νB のとき、D(z,Δν)は極
小値をとり、その近傍では、ΔνがνB から離れるに従
い、1に漸近する。
【0030】・zが増えると、ブリルアン効果が増大す
るので、Δν=−νB のとき、D(z,Δν)も増加
し、Δν=νB のときは、D(z,Δν)は減少する。
【0031】従って、Δνを−νB の近傍で、−νB
2δ → −νB −δ → −νB→ −νB +δ →
−νB +2δと変化させると、図1の(b)図に示す
ように、曲線1→2→3→2→1のように、第1の光パ
ワーP1 (z,Δν)が変化する。また、ΔνをνB
近傍で、−νB −2δ → −νB −δ → −νB
→ −νB +δ → −νB +2δと変化させると、図
1の(c)図に示すように、曲線1→4→5→4→1の
ように、第1の光パワーP1 (z,Δν)が変化する。
【0032】さて、このようにΔνに対してパワーが変
化する第1の光が、微小区間[zm,zm +dz]に入
射し、第2の光のパワーをブリルアン効果により変化さ
せ、その第2の光が区間[0,zm ]を伝搬して、位置
0に到達し、後述の光検出器(図3、図4の9)により
検出される。このとき、第2の光のパワーの変化分の絶
対値が、BOTDA信号となる。微小区間[zm ,zm
+dz]のブリルアン効果に基づくBOTDA信号PB
(zm ,Δν)は、以下のようになる。
【0033】
【数3】 PB (zm , Δν) =P1 (zm , Δν) ・P2 ・g(Δν,νB2) ・dz・exp (-α2 zm )/ A (3) ここで、g(Δν,νB )は、ブリルアン利得であり、
以下に示すようにローレンツ型の特性を示すことが知ら
れている。
【0034】
【数4】 g(Δν,νB ) = g0 ・( ΔνB /2)2 / {(|Δν|-νB )2 +(ΔνB /2)2 } (4) ここで、g0 は、|Δν|=νB のときのブリルアン利
得を表すブリルアン利得係数であり、ΔνB は、ブリル
アン線幅と呼ばれるものである。
【0035】式(3)、式(4)から、|Δν|がνB
を中心とした幅ΔνB の周波数領域に入るとき、ブリル
アン効果が効率良く起こることが分かる。光ファイバの
ブリルアン線幅ΔνB を波長1.55μmで測定したと
ころ、その値は、およそ40MHzであった。
【0036】また、式(3)におけるα2 は第2の光の
周波数ν2に対する光ファイバの損失係数である。さら
にAは、光ファイバのコアの有効断面積である。
【0037】式(2)を式(3)に代入すると、
【0038】
【数5】 PB (zm , Δν) =P1 ・P2 ・exp (-α1 zm - α2 zm ) ・dz ・D(zm , Δν) ・g(Δν, νB2 )/ A (5) となる。
【0039】BOTDAの測定では、Δνの変化量は高
々1GHz程度であるので、そのときのα1 およびα2
の周波数(波長)依存性は無視できる。従って、BOT
DA信号PB (zm ,Δν)のΔν依存性は、式(5)
から分かるように、D(zm,Δν)・g(Δν,
νB2)で決定される。この様子を、ブリルアン損失法の
場合を例にして示したものが図2である。図2の(a)
図は、D(zm ,Δν)とg(Δν,νB2)をそれぞれ
示したものである。
【0040】図2の(b)図は、BOTDA信号P
B (zm ,Δν)のΔν依存性を示したものである。図
2の(b)図から分かるように、BOTDA信号が最大
値をとるΔνの値は、νm となり、この値νm は微小区
間[zm ,zm +dz]における真のブリルアン周波数
シフトの値νB2とは異なっている。すなわち、ブリルア
ン損失法における、BOTDA信号の増大効果を使用す
ると、ブリルアン周波数シフトの系統的測定誤差が発生
することが分かる。
【0041】後述の本発明の第1の実施形態では、この
系統的測定誤差を、後方レイリー散乱光の測定データを
使用して補正する。第1の光(パルス光)による、区間
[z,z+dz]からの後方レイリー散乱光を、その第
1の光の入射端で測定すると、その受信パワーP
Ray (z,Δν)は良く知られたように、次式で表すこ
とが可能である。
【0042】
【数6】 PRay (z,Δν) =P1 (z,Δν) ・RRay ・dz・exp (-α1 z) (6) ここでRRay は、後方レイリー散乱係数である。したが
って、図1の(a)図における微小区間[zm ,zm
dz]からの後方レイリー散乱光の受信パワーは、式
(2)と式(6)から、
【0043】
【数7】 PRay (zm , Δν) =P1 ・exp(-2α1 zm ) ・RRay ・dz・D(zm , Δν) (7) となる。
【0044】次に、BOTDA信号PB (zm ,Δν)
と後方レイリー散乱光信号RRay (zm ,Δν)の比
(=BYR(zm ,Δν))をとると、式(5)と式
(7)から
【0045】
【数8】 BYR(zm ,Δν) =PB (zm , Δν)/PRay (zm , Δν) =P2 ・exp(α1 zm −α2 z m ) ・g(Δν, νB2)/( A・RRay ) (8) を得る。この様に両者の比をとることにより、D
(zm ,Δν)の項がキャンセル(消去)されるので、
BYR(zm ,Δν)に含まれるΔνの依存性のある項
は、g(Δν,νB2)だけである。従って、BYR(z
m ,Δν)の最大値をとるΔνを測定することにより、
区間[zm ,zm +dz]におけるブリルアン周波数シ
フトの値νB2を正確に測定することが可能となる。
【0046】以上の説明では、測定する区間は、
[zm ,zm +dz]に限ったが、任意の区間[z,z
+dz]でも同様にしてブリルアン周波数シフトを正確
に測定可能であることは容易に分かる。
【0047】また、以上の説明では、BOTDA信号お
よび後方レイリー散乱光信号は、位置zの関数として表
してきたが、直接測定される値は、それぞれ時間の関数
B(t,Δν)およびSRay (tRay ,Δν)であ
る。ここで、tおよびtRay は、位置zとは次の関係で
結ばれる。
【0048】
【数9】 t=(1/V1 +1/V2 )z (9) tRay =(2/V1 )z (10) 従って、測定値SB (t,Δν)およびS
Ray (tRay ,Δν)にそれぞれ式(9)および式(1
0)を代入して、位置の関数PB (z,Δν)=S
B ((1/V1 +1/V2 )z,Δν)、および、P
Ray (z,Δν)=SRay ((2/V1 )z,Δν)に
変換して、式(8)に相当する比BYR(z,Δν)=
B(z,Δν)/PRay (z,Δν)を求めることに
なる。そして、各位置zにおいて、BYR(z,Δν)
の値を最大とする|Δν|を求めることにより、ブリル
アン周波数シフトの分布νB (z)を、正確に測定する
ことが可能となる。
【0049】しかし実際には、V1 とV2 は近似し、す
なわちtとtRay は近似しているので、時間の関数同士
の比(=SB (t,Δν)/SRay (tRay ,Δν))
を求め、それに式(9)あるいは式(10)を代入した
ものを、BYR(z,Δν)とみなしても問題はない。
【0050】図3は、以上説明した本発明の測定方法を
実行する本発明の第1の実施形態の測定装置の構成を示
す。
【0051】図3において、1は発振線幅の狭い第1の
狭線幅光源、2は狭線幅光源1からの連続光を光パルス
(第1の光)に変換する光パルス変調器、3は光パルス
変調器2と光学的に結合(光結合)する光方向性結合
器、4は光方向性結合器3と一端で光結合する光ファイ
バである。5は第2の光を発生する発振線幅の狭い第2
の狭線幅光源であり、第1の光に対向して光ファイバ4
の他端から第2の光を入射する。6は第1の狭線幅光源
1および第2の狭線幅光源5の周波数、あるいは第1の
狭線幅光源1と第2の狭線幅光源5の周波数差を制御す
るための周波数制御装置である。7は光分岐器であり、
光方向性結合器3を通じて光ファイバ4から入射する光
(後方散乱光を含む)を2つに分岐する。
【0052】8は光分岐器7からの入射光の中で第2の
光のみを透過させる第1の光フィルタ、9は第1の光フ
ィルタ8を通った第2の光を受光して電気信号に変換す
る第1の光検出器、10は変換された電気信号を所定レ
ベルまで増幅する第1の増幅器、11は増幅されたアナ
ログ信号をディジタル信号に変換する第1のAD変換
器、12はそのディジタル信号の平均値を得る第1の平
均化処理装置である。
【0053】また、13は光分岐器7からの入射光の中
で第1の光による後方レイリー散乱光のみを通過させる
第2の光フィルタ、14は第2の光フィルタ13を通過
した後方レイリー散乱光を受光して光電変換をする第2
の光検出器、15は変換された電気信号を所定レベルま
で増幅する第2の増幅器、16は増幅されたアナログ信
号をディジタル信号に変換する第2のAD変換器、17
はそのディジタル信号の平均値を得る第2の平均化処理
装置である。18は第1と第2の平均化処理装置12、
17から供給される測定データに基づいて上述の式
(9)、式(10)に係る演算処理を行い、ブリルアン
周波数シフト分布を求めるディジタル信号処理装置であ
る。ディジタル信号処理装置18としては例えばパーソ
ナル・コンピュータ(パソコン)を利用できる。
【0054】なお、本発明では、光ファイバ4に対向し
て伝搬される上記第1の光と上記第2の光は、少なくと
もその一方をパルス光とする。
【0055】第1の狭線幅光源1から出力される連続光
は、光パルス変調器2によりパルス光に変換される。こ
のパルス光を上記のように第1の光とする。第1の光は
光方向性結合器3を介して光ファイバ4に入射される。
同時に、第2の狭線幅光源5の出力光(これを第2の光
とする)は、上記第1の光と対向して伝搬するように、
光ファイバ4に入射される。また、周波数制御装置6に
より、第1の光の周波数ν1と第2の光の周波数ν2の
周波数差Δν=ν1−ν2を制御し、Δνを−νB (ν
B は、光ファイバ4のブリルアン周波数シフト)の近傍
の値に設定する。このとき、先に説明したように、第1
の光と第2の光が出会ったときに、ブリルアン効果のた
めに第1の光により減衰を受けた第2の光のパワーの減
衰量を信号としたBOTDA信号が、第1の光の入射フ
ァイバ端で観測できる。
【0056】このBOTDA信号を取り出すために、光
ファイバ4から出射した第2の光を光方向性結合器3に
より第1の光と分離し、また光分岐器7により第2の光
の一部を第1の光フィルタ8に導く。第1の光フィルタ
8は第2の光は透過させるが、それと異なる周波数の
光、例えば、光ファイバ4の中で反射あるいは散乱され
た、第1の光と同じ周波数の光は遮断する特性を有す
る。このような光フィルタ特性は、ファブリペローエタ
ロン、ファイバグレーティング、誘電体多層膜などで実
現できる。第1の光ファイバ8を透過した第2の光は、
第1の光検出器9により電気信号に変換され、第1の増
幅器10により所望(所定)の大きさまで増幅された後
に第1のAD変換器によりディジタル信号に変換され
る。そのディジタル信号は、所望(所定)の回数で、第
1の平均化処理装置12により平均化される。この平均
化されたBOTDA信号をSB (t,Δν)とする。デ
ィジタル信号処理装置18は、式(9)を使用して、信
号SB (t,Δν)を、位置zの関数PB (z,Δν)
に変換する。
【0057】本発明では、以上のBOTDA信号の測定
と平行して、第1の光による後方レイリー散乱光の測定
も行う。光ファイバ4中で後方に散乱された、第1の光
による後方レイリー散乱光は、光方向性結合器3および
光分岐器7を介して第2の光フィルタ13に導かれる。
第2の光フィルタ13は、第1の光による後方レイリー
散乱光は通過させるが、これと異なる周波数の光、例え
ば、第2の光は遮断する特性を有する。このような特性
は、ファブリペローエタロン、ファイバグレーティン
グ、誘電体多層膜などで実現できる。第2の光フィルタ
13を透過した後方レイリー散乱光は、第2の光検出器
14により電気信号に変換され、第2の増幅器15によ
り所望(所定)の大きさまで増幅された後に第2のAD
変換器16によりディジタル信号に変換される。そのデ
ィジタル信号は、所望(所定)の回数で、第2の平均化
処理装置17により平均化される。この平均化された信
号をSRay (tRay ,Δν)とする。ディジタル信号処
理装置18は、式(10)を使用して、信号SRay (t
Ray ,Δν)を、位置zの関数PRay (z,Δν)に変
換する。
【0058】ディジタル信号処理装置18は、このよう
にして測定した、PB (z,Δν)とPRay (z,Δ
ν)の比である、BYR(z,Δν)=PB (z,Δ
ν)/PRay (z,Δν)を計算する(上式(8)参
照)。
【0059】以上の測定を、ディジタル信号処理装置1
8の制御の下に周波数制御装置6により第1の光と第2
の光の周波数差Δνを変化させて実施することにより、
光ファイバ4の各位置zにおいて、BYR(z,Δν)
の値を最大とする|Δν|の値、すなわちブリルアン周
波数シフトνB (z)を、正確に求めることが可能とな
る。
【0060】特に、ブリルアン損失法の場合(Δνが−
νB に近似の場合)、第1の光は、光ファイバ4を伝搬
するにつれ、ブリルアン効果により第2の光によって増
幅され、その第1の光の光パワー(光強度)は増大する
ため、BOTDA信号および第1の光による後方レイリ
ー散乱光も増大し、その結果として精度の高い測定が可
能となる。
【0061】なお、ディジタル信号処理装置18は以上
説明した信号処理の他に、光パルス変調器2、第1のA
D変換器11、第1の平均化処理装置12、第2のAD
変換器16、第2の平均化処理装置17へタイミング信
号を供給することも行っている。
【0062】以上説明した第1の実施形態では、第2の
光フィルタ13を使用して後方レイリー散乱光成分を他
の光の成分から分離している。しかし、この光フィルタ
13に代えて、後方レイリー散乱光をコヒーレント検波
(光ヘテロダイン検波あるいは光ホモダイン検波)によ
り検出し、電気的フィルタにより他の光の成分の信号か
ら分離しても良いことは言うまでもない。
【0063】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態の測定方法について説明する。
【0064】本発明の第2の実施形態では、上述の系統
的測定誤差を、後方ラマン散乱光を使用して補正する。
第1の光(パルス光)による区間[z,z+dz]から
の後方ラマン散乱光を入射端で測定すると、その受信パ
ワーPRam (z,Δν)は次式で表すことが可能であ
る。
【0065】
【数10】 PRam (z, Δν)=P1 (z,Δν) ・RRam ・dz・exp (-α3 z) (11) ここでRRam は、後方ラマン散乱係数である。また、α
3 は後方ラマン光の周波数における光ファイバ4の損失
係数である。このとき、微小区間[zm ,zm+dz]
からの後方ラマン散乱光の受信パワーは、式(2)と式
(11)から、
【0066】
【数11】 PRam (zm , Δν)=P1 ・exp (-α1 zm - α3 zm ) ・RRam ・dz・D(zm , Δν) (12) となる。
【0067】次に、BOTDA信号PB (zm ,Δν)
と後方ラマン散乱光信号PRam (zm ,Δν)の比(=
BMR(zm ,Δν))をとると、式(5)と式(1
2)から
【0068】
【数12】 BMR(zm , Δν) =PB (zm , Δν)/PRam (zm , Δν) =P2 ・exp(α3 zm - α2 zm ) ・g(Δν, νB2)/( A・RRam ) (13) を得る。BOTDAの測定では、前述のように、Δνの
変化量は高々1GHz程度であるので、そのときのα3
およびα2 の周波数(波長)依存性は無視できる。よっ
て、両者の比をとることにより、D(zm ,Δν)の項
がキャンセルされ、BMR(zm ,Δν)に含まれるΔ
νの依存性のある項は、g(Δν,νB2)だけとなる。
従って、BMR(zm ,Δν)の最大値をとるΔνを測
定することにより、区間[zm ,zm +dz]における
ブリルアン周波数シフトの値νB2を正確に測定すること
が可能となる。
【0069】以上の説明では、測定する区間は、
[zm ,zm +dz]に限ったが、任意の区間[z,z
+dz]でも同様にしてブリルアン周波数シフトを正確
に測定可能であることは容易に分かる。
【0070】また、以上の説明では、BOTDA信号お
よび後方ラマン散乱信号は、位置zの関数として表して
きたが、直接測定される値は、それぞれ時間の関数SB
(t,Δν)およびSRam (tRay ,Δν)である。こ
こでtは、位置zとは前述の式(9)の関係で結ばれ
る。一方、tRam は位置zとは次の関係で結ばれる。
【0071】
【数13】 tRam =(1/V1 +1/V3 )z (14) ここで、V3 は後方ラマン散乱光の波長における光ファ
イバ4中の光速である。従って、測定値SB (t,Δ
ν)およびSRam (tRam ,Δν)にそれぞれ式(9)
および式(14)を代入して、位置の関数PB (z,Δ
ν)=SB ((1/V1 +1/V2 )z,Δν)、およ
びPRam (z,Δν)=SRam ((1/V1 +1/
3 )z,Δν)に変換し、式(13)に相当する比B
MR(z,Δν)=PB (z,Δν)/PRam (z,Δ
ν)を求めることになる。そして、各位置zにおいてB
MR(z,Δν)の値を最大とする|Δν|を求めるこ
とにより、ブリルアン周波数シフトの分布νB (z)を
正確に測定することが可能となる。
【0072】光ファイバ4の長さが短い場合には、tが
Ram に近似しているので、時間の関数同士の比(=S
B (t,Δν)/SRam (tRam ,Δν))を求め、そ
の得られた値を式(9)あるいは式(14)を代入した
ものをBMR(z,Δν)とみなしても問題はない。し
かし、第1の実施形態と異なり、光ファイバ4の長さが
長い場合には、tがtRam とほぼ同じとはみなせなくな
る。これは、後方ラマン散乱光の周波数は、入射光であ
る第1の光の周波数から大きくシフトするため、V3
1 で近似できないためである。ちなみに、石英光ファ
イバの場合は、このシフト量は約13THz(波長換算
で約100nm)である。従って、本発明の第2の実施
形態において、光ファイバ4の長さが長い場合には、上
述の時間の関数から位置の関数への変換を行った後、比
BMR(z,Δν)を求める必要がある。
【0073】なお、後方ラマン散乱光には、波長が長波
長側にシフトする(すなわち、入射光より周波数が低く
なる)ストークス光と、逆に短波長側にシフトする(す
なわち、入射光より周波数が高くなる)反ストークス光
がある。本発明では両方を合わせたものを測定しても良
いし、何れか一方のみを測定しても良い。しかし、両方
を合わせたものを測定する場合には、光ファイバ4の長
さが長いと、ストークス光と反ストークス光が光ファイ
バ4を伝搬する時間の差が大きくなり、距離分解能が劣
化するという問題が生じる。また、一般にストークス光
のパワーは反ストークス光よりも大きく、常温では前者
は後者のおよそ5倍もある。また、低温になるほどその
差は拡大する。従って、ストークス光のみを利用するこ
とが一番望ましい。
【0074】また、後方レイリー散乱光を利用した、本
発明の第1の実施形態と、後方ラマン散乱光を利用した
本発明の第2の実施形態を比較すると、後者には以下の
ような特長がある。
【0075】後方ラマン散乱光のパワーは、後方レイリ
ー散乱光に較べて、2桁あるいは3桁低いレベルであ
る。しかし、本発明のように、第1の光に狭線幅光源か
らの光を使用したときには、後方レイリー散乱光にフェ
ージングノイズ(fading noise) が発生する。このノイ
ズの振幅は後方散乱光の平均レベルと同等の大きさに達
し、また時間とともに変動する。このため、フェージン
グノイズは大きな測定誤差を生じさせる。一方、後方ラ
マン散乱光にはこのようなフェージングノイズは発生し
ない。これは、(a)後方ラマン散乱光は熱的擾乱によ
り発生し、フェージングノイズは自然に平均化されるた
め、(b)および後方ラマン散乱光のスペクトル線幅は
広く(石英光ファイバの場合は約500GHz)、波長
に関する平均化が行われるためである。したがって、レ
ベル的に大きな後方レイリー散乱光を利用するよりも、
後方ラマン散乱光を利用した方が高精度な測定が可能で
ある。
【0076】図4は、以上説明した本発明の第2の実施
形態における測定方法を実行する測定装置の構成を示
す。
【0077】図4において、19は第1の光による後方
ラマン散乱光は通過させるが、これと異なる周波数の
光、例えば、第2の光は遮断する特性を有する第3の光
フィルタである。第2フィルタ13に代えて第3フィル
タ19が設けられている以外は、その他の構成は、図3
の第1の実施形態での構成と同様であり、同一符号は同
様な機能を有するので、その詳細な説明は省略する。
【0078】このように第3の光フィルタ19を除く他
の構成部品は全て、図3に示した第1の実施形態のもの
と同一である。従って、BOTDA信号の測定は、第1
の実施形態の場合と全く同じである。一方、後方ラマン
散乱光の測定は以下の通りに行う。すなわち、光ファイ
バ4中で後方に散乱された、第1の光による後方ラマン
散乱光は、光方向性結合器3および光分岐器7を介して
第3の光フィルタ19に導かれる。第3の光フィルタ1
9は第1の光による後方ラマン散乱光は通過させるが、
これと異なる周波数の光、例えば、第2の光は遮断する
特性を有する。このような特性は、誘電体多層膜やファ
イバグレーディングなどで実現できる。
【0079】第3の光フィルタ19を透過した後方ラマ
ン散乱光は、第2の光検出器14により電気信号に変換
され、第2の増幅器15により所望(所定)の大きさま
で増幅された後に第2のA/D変換器16によりディジ
タル信号に変換される。そのディジタル信号は、所望
(所定)の回数、第2の平均化処理装置17により平均
化される。この平均化された信号をSRam (tRam ,Δ
ν)とする。ディジタル信号処理装置18は、式(1
4)を使用して、信号SRam (tRam ,Δν)を、位置
zの関数PRam (z,Δν)に変換する。
【0080】ディジタル信号処理装置18は、このよう
にして測定したPB (z,Δν)とPRam (z,Δν)
の比である、BMR(z,Δν)=PB (z,Δν)/
Ram (z,Δν)を計算する。
【0081】以上の測定を、ディジタル信号処理装置1
8の制御の下に周波数制御装置6により、第1の光と第
2の光の周波数差Δνを逐次変化させて実施することに
より、光ファイバ4の各位置zにおいて、BMR(z,
Δν)の値を最大とする|Δν|の値、すなわちブルリ
アン周波数シフトνB (z)を、正確に求めることが可
能となる。
【0082】特に、ブルリアン損失法を採用した場合
(Δνと−νB がほぼ同じ場合)は、第1の光は光ファ
イバ4を伝搬するにつれ、ブリルアン効果により第2の
光によって増幅され、その光パワーは増大するため、B
OTDA信号および第1の光による後方ラマン散乱光も
増大し、結果として、精度の高い測定が可能となる。
【0083】特に、第3の光フィルタ19として、後方
ラマン散乱光のうち、ストークス光成分は通過させる
が、反ストークス光を含むその他の波長の光は遮断する
特性を有するものを使用すると、前述した理由により、
一層高精度に、なおかつ長距離にわたるブリルアン周波
数シフト分布の測定ができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
後方レイリー散乱光あるいは後方ラマン散乱光パワー
の、2つの光(第1の光と第2の光)の周波数差Δν依
存性を測定し、その測定データを用いてBOTDA信号
のΔν依存性測定値を補正するようにしているので、光
ファイバのブリルアン周波数分布の高精度な測定が長距
離にわたり可能となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明を説明するための光ファイバ
のモデルを示す図であり、(b)は、ブリルアン損失法
における第1の光のパワーの変化を示す図であり、
(c)は、ブリルアン利得法における第1の光のパワー
の変化を示す図である。
【図2】(a)は、パワー変化係数D(zm ,Δν)と
規格化したブリアン利得g(Δν,νB2)/g0 の|Δ
ν|依存性を示す図であり、(b)は、BOTDA信号
B (zm ,Δν)の|Δν|依存性を示す図である。
【図3】本発明による第1の実施形態の測定装置の構成
を示すブロック図である。
【図4】本発明による第2の実施形態の測定装置の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1の狭線幅光源 2 光パルス変調器 3 光方向性結合器 4 光ファイバ 5 第2の狭線幅光源 6 周波数制御装置 7 光分岐器 8 第1の光フィルタ 9 第1の光検出器 10 第1の増幅器 11 第1のAD変換器 12 第1の平均化処理装置 13 第2の光フィルタ 14 第2の光検出器 15 第2の増幅器 16 第2のAD変換器 17 第2の平均化処理装置 18 ディジタル信号処理装置 19 第3の光フィルタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−230091(JP,A) 特開 平6−273270(JP,A) 特開 平2−6725(JP,A) 特開 平5−172657(JP,A) 特開 平8−54257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 11/12 G01B 11/16 G01L 1/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバに2つの光を対向して伝搬さ
    せ、前記2つの光のうち少なくとも一方の光をパルス光
    とし、前記パルス光を第1の光とし他方の光を第2の光
    とし、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を前記光ファイバのブリルアン周
    波数シフトνB の近傍値に一致させ、その状態で、前記
    第1の光と前記第2の光が出会ったときに前記第1の光
    により増幅された前記第2の光のパワーの増加量を信号
    とし、あるいは前記第1の光の周波数ν1と前記第2の
    光の周波数ν2の差Δν=ν1−ν2を−νB の近傍値
    に一致させ、その状態で、前記第1の光と前記第2の光
    が出会ったときに、前記第1の光により減衰を受けた前
    記第2の光のパワーの減衰量を信号とし、 前記信号のパワーを、前記第1の光が前記光ファイバに
    入射してから、前記第1の光と前記第2の光が出会い前
    記第1の光により増幅された、あるいは、減衰を受けた
    前記第2の光が前記第1の光が前記光ファイバに入射し
    た点に到達するまでの遅延時間tの関数として測定し、
    この測定した値をSB (t,Δν)とし、前記S
    B (t,Δν)を種々のΔνについて測定し、その測定
    データを基に前記光ファイバの長さ方向の位置zの関数
    として、ブリルアン周波数シフト分布νB (z)を測定
    する方法において、 前記第1の光による後方レイリー散乱光のパワーを遅延
    時間tRay の関数として測定し、この測定した値をS
    Ray (tRay ,Δν)とし、 前記SB (t,Δν)を前記SRay (tRay ,Δν)に
    より補正した信号から、前記光ファイバの長さ方向のブ
    リルアン周波数シフト分布νB (z)を測定することを
    特徴とするブリルアン周波数シフト分布測定方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバに2つの光を対向して伝搬さ
    せ、前記2つの光のうち少なくとも一方の光をパルス光
    とし、前記パルス光を第1の光とし他方の光を第2の光
    とし、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を前記光ファイバのブリルアン周
    波数シフトνB の近傍値に一致させ、その状態で、前記
    第1の光と前記第2の光が出会ったときに前記第1の光
    により増幅された前記第2の光のパワーの増加量を信号
    とし、あるいは前記第1の光の周波数ν1と前記第2の
    光の周波数ν2の差Δν=ν1−ν2を−νB の近傍値
    に一致させ、その状態で、前記第1の光と前記第2の光
    が出会ったときに、前記第1の光により減衰を受けた前
    記第2の光のパワーの減衰量を信号とし、 前記信号のパワーを、前記第1の光が前記光ファイバに
    入射してから、前記第1の光と前記第2の光が出会い前
    記第1の光により増幅された、あるいは、減衰を受けた
    前記第2の光が前記第1の光が前記光ファイバに入射し
    た点に到達するまでの遅延時間tの関数として測定し、
    この測定した値をSB (t,Δν)とし、前記S
    B (t,Δν)を種々のΔνについて測定し、その測定
    データを基に前記光ファイバの長さ方向の位置zの関数
    として、ブリルアン周波数シフト分布νB (z)を測定
    する方法において、 前記第1の光による後方ラマン散乱光のパワーを遅延時
    間tRam の関数、すなわち前記光ファイバの長さ方向に
    沿った位置zの関数として測定し、この測定した値をS
    Ram (tRam ,Δν)とし、 前記SB (t,Δν)を前記SRam (tRam ,Δν)に
    より補正した信号から、前記光ファイバの長さ方向のブ
    リルアン周波数シフト分布νB (z)を測定することを
    特徴とするブリルアン周波数シフト分布測定方法。
  3. 【請求項3】 2つの光のうち少なくとも一方の光をパ
    ルス光として、前記パルス光を第1の光とし、他方の光
    を第2の光とし、光ファイバに前記2つの光を対向して
    伝搬させる光伝搬手段と、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を前記光ファイバのブリルアン周
    波数シフトνB の近傍値に一致させる、あるいは前記周
    波数差Δνを−νB の近傍値に一致させることが可能な
    周波数制御手段と、 前記Δνが前記νB の近傍値である状態で前記第1の光
    と前記第2の光が出会ったときにブリルアン効果により
    増幅された前記第2の光のパワーの増加量を信号とし、
    あるいは前記Δνが前記−νB の近傍値である状態で前
    記第1の光と前記第2の光が出会ったときにブリルアン
    効果により減衰を受けた前記第2の光のパワーの減衰量
    を信号とし、前記信号のパワーを前記第1の光が前記光
    ファイバに入射してから、前記第1の光と前記第2の光
    が出会い、前記第1の光により増幅された、あるいは、
    減衰を受けた前記第2の光が前記第1の光が光ファイバ
    に入射した点に到達するまでの遅延時間tの関数として
    測定する第1の測定手段と、 前記第1の測定手段で測定された測定データをS
    B (t,Δν)とし、種々の周波数差Δνに関するSB
    (t,Δν)のデータから、前記光ファイバの長さ方向
    のブリルアン周波数シフト分布νB (z)を計算する演
    算手段とを有するブリルアン周波数シフトの測定装置に
    おいて、 前記第1の光による後方レイリー散乱光のパワーを遅延
    時間tRay の関数として測定する第2の測定手段と、 前記第2の測定手段で測定された測定データをS
    Ray (tRay ,Δν)とし、前記SB (t,Δν)を前
    記SRay (tRay ,Δν)により補正する補正手段とを
    有し、 前記演算手段は、前記補正手段で補正したデータから前
    記光ファイバの長さ方向のブリルアン周波数シフト分布
    νB (z)を算出することを特徴とするブリルアン周波
    数シフト分布測定装置。
  4. 【請求項4】 2つの光のうち少なくとも一方の光をパ
    ルス光として、前記パルス光を第1の光とし、他方の光
    を第2の光とし、光ファイバに前記2つの光を対向して
    伝搬させる光伝搬手段と、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を前記光ファイバのブリルアン周
    波数シフトνB の近傍値に一致させる、あるいは前記周
    波数差Δνを−νB の近傍値に一致させることが可能な
    周波数制御手段と、 前記Δνが前記νB の近傍値である状態で前記第1の光
    と前記第2の光が出会ったときにブリルアン効果により
    増幅された前記第2の光のパワーの増加量を信号とし、
    あるいは前記Δνが前記−νB の近傍値である状態で前
    記第1の光と前記第2の光が出会ったときにブリルアン
    効果により減衰を受けた前記第2の光のパワーの減衰量
    を信号とし、前記信号のパワーを前記第1の光が前記光
    ファイバに入射してから、前記第1の光と前記第2の光
    が出会い、前記第1の光により増幅された、あるいは、
    減衰を受けた前記第2の光が前記第1の光が光ファイバ
    に入射した点に到達するまでの遅延時間tの関数として
    測定する第1の測定手段と、 前記第1の測定手段で測定された測定データをS
    B (t,Δν)とし、種々の周波数差Δνに関するSB
    (t,Δν)のデータから、前記光ファイバの長さ方向
    のブリルアン周波数シフト分布νB (z)を計算する演
    算手段とを有するブリルアン周波数シフトの測定装置に
    おいて、 前記第1の光による後方ラマン散乱光のパワーを遅延時
    間tRam の関数として測定する第2の測定手段と、 前記第2の測定手段で測定された測定データをS
    Ram (tRam ,Δν)とし、前記SB (t,Δν)を前
    記SRam (tRam ,Δν)により補正する補正手段とを
    有し、 前記演算手段は、前記補正手段で補正したデータから前
    記光ファイバの長さ方向のブリルアン周波数シフト分布
    νB (z)を算出することを特徴とするブリルアン周波
    数シフト分布測定装置。
  5. 【請求項5】 前記後方ラマン散乱光はストークス光で
    あることを特徴とする請求項2に記載のブリルアン周波
    数シフト分布測定方法。
  6. 【請求項6】 前記後方ラマン散乱光はストークス光で
    あることを特徴とする請求項4に記載のブリルアン周波
    数シフト分布測定装置。
  7. 【請求項7】 光ファイバの一端からパルス光の第1光
    を入射し同時に前記光ファイバの他端から第2光を入射
    して前記第1の光と前記第2の光を対向して伝搬させる
    工程と、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を−νB またはνB (νB は前記
    光ファイバのブリルアン周波数シフト)の近傍値に設定
    する工程と、 ブリルアン効果による前記第2光のパワー変化量に対応
    する値SB (t,Δν)を検出する工程と、 前記第1光による後方レイリー散乱光の強度に対応する
    値SRay (tRay ,Δν)を検出する工程と、 前記SB (t,Δν)、前記SRay (tRay ,Δν)を
    それぞれ位置zの関数PB (z,Δν)、PRay (z,
    Δν)に変換し、 BYR(z,Δν)=PB (z,Δν)/PRay (z,
    Δν) を計算する工程と、 以上の全て工程をΔνを変化させて実施して前記光ファ
    イバの各位置zにおいて前記BYR(z,Δν)の値を
    最大とする|Δν|の値、すなわちブリルアン周波数シ
    フトνB (z)を求める工程とを有することを特徴とす
    るブリルアン周波数シフト分布測定方法。
  8. 【請求項8】 光ファイバの一端からパルス光の第1光
    を入射し同時に前記光ファイバの他端から第2光を入射
    して前記第1の光と前記第2の光を対向して伝搬させる
    工程と、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を−νB またはνB (νB は前記
    光ファイバのブリルアン周波数シフト)の近傍値に設定
    する工程と、 ブリルアン効果による前記第2光のパワー変化量に対応
    する値SB (t,Δν)を検出する工程と、 前記第1光による後方ラマン散乱光の強度に対応する値
    Ram (tRam ,Δν)を検出する工程と、 前記SB (t,Δν)、前記SRam (tRam ,Δν)を
    それぞれ位置zの関数PB (z,Δν)、PRam (z,
    Δν)に変換し、 BMR(z,Δν)=PB (z,Δν)/PRam (z,
    Δν) を計算する工程と、 以上の全て工程をΔνを変化させて実施して前記光ファ
    イバの各位置zにおいて前記BMR(z,Δν)の値を
    最大とする|Δν|の値、すなわちブリルアン周波数シ
    フトνB (z)を求める工程とを有することを特徴とす
    るブリルアン周波数シフト分布測定方法。
  9. 【請求項9】 光ファイバの一端からパルス光の第1光
    を入射し同時に前記光ファイバの他端から第2光を入射
    して前記第1の光と前記第2の光を対向して伝搬させる
    光伝搬手段と、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を−νB またはνB (νB は前記
    光ファイバのブリルアン周波数シフト)の近傍値に設定
    する周波数制御手段と、 ブリルアン効果による前記第2光のパワー変化量に対応
    する値SB (t,Δν)を検出する第1の検出手段と、 前記第1光による後方レイリー散乱光の強度に対応する
    値SRay (tRay ,Δν)を検出する第2の検出手段
    と、 前記SB (t,Δν)、前記SRay (tRay ,Δν)を
    それぞれ位置zの関数PB (z,Δν)、PRay (z,
    Δν)に変換し、 BYR(z,Δν)=PB (z,Δν)/PRay (z,
    Δν) を計算する演算手段とを有し、 該演算手段は以上の全て処理を前記周波数制御手段を介
    してΔνを変化させて実施させ、前記光ファイバの各位
    置zにおいて前記BYR(z,Δν)の値を最大とする
    |Δν|の値、すなわちブリルアン周波数シフトν
    B (z)を求めることを特徴とするブリルアン周波数シ
    フト分布測定装置。
  10. 【請求項10】 光ファイバの一端からパルス光の第1
    光を入射し同時に前記光ファイバの他端から第2光を入
    射して前記第1の光と前記第2の光を対向して伝搬させ
    る光伝搬手段と、 前記第1の光の周波数ν1と前記第2の光の周波数ν2
    の差Δν=ν1−ν2を−νB またはνB (νB は前記
    光ファイバのブリルアン周波数シフト)の近傍値に設定
    する周波数制御手段と、 ブリルアン効果による前記第2光のパワー変化量に対応
    する値SB (t,Δν)を検出する第1の検出手段と、 前記第1光による後方ラマン散乱光の強度に対応する値
    Ram (tRam ,Δν)を検出する第2の検出手段と、 前記SB (t,Δν)、前記SRam (tRam ,Δν)を
    それぞれ位置zの関数PB (z,Δν)、PRam (z,
    Δν)に変換し、 BMR(z,Δν)=PB (z,Δν)/PRam (z,
    Δν) を計算する演算手段とを有し、 前記演算手段は以上の全て処理を前記周波数制御手段を
    介してΔνを変化させて実施して、前記光ファイバの各
    位置zにおいて前記BMR(z,Δν)の値を最大とす
    る|Δν|の値、すなわちブリルアン周波数シフトνB
    (z)を求めることを特徴とするブリルアン周波数シフ
    ト分布測定装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の検出手段は、前記後方ラマ
    ン散乱光のうち、ストークス光成分のみを通過させる光
    フィルタあるいはコヒーレント検波手段を有することを
    特徴とする請求項10に記載のブリルアン周波数シフト
    分布測定装置。
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