JP3376125B2 - 掲示用シート、掲示用ディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents
掲示用シート、掲示用ディスプレイ及びその製造方法Info
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- JP3376125B2 JP3376125B2 JP24830194A JP24830194A JP3376125B2 JP 3376125 B2 JP3376125 B2 JP 3376125B2 JP 24830194 A JP24830194 A JP 24830194A JP 24830194 A JP24830194 A JP 24830194A JP 3376125 B2 JP3376125 B2 JP 3376125B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、看板、電飾広告、垂れ
幕、ポスター、インテリア等、屋内外において長期間の
情報の掲示を目的とした大判の掲示用シートに関する。
特に本発明は、鮮明で高精細な絵柄を有する掲示用シー
トに関する。又、本発明は上記の掲示用シートを簡便且
つ低コストで提供する製造方法に関する。
幕、ポスター、インテリア等、屋内外において長期間の
情報の掲示を目的とした大判の掲示用シートに関する。
特に本発明は、鮮明で高精細な絵柄を有する掲示用シー
トに関する。又、本発明は上記の掲示用シートを簡便且
つ低コストで提供する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特に自然画や多色刷りが要求され
る分野では、掲示用シートはガラス、フイルム、紙等に
印刷により画像を形成して制作するか、銀塩写真方式を
用いて制作されていた。この為に大型の製造装置を必要
とし、夫々製版工程や現像工程等が必要となり、製造工
程も複雑であった。この為に製造コストが高い、小ロッ
ト生産に対応しずらい、一度図柄を決めてしまうと容易
に変更出来ない等の問題がある。
る分野では、掲示用シートはガラス、フイルム、紙等に
印刷により画像を形成して制作するか、銀塩写真方式を
用いて制作されていた。この為に大型の製造装置を必要
とし、夫々製版工程や現像工程等が必要となり、製造工
程も複雑であった。この為に製造コストが高い、小ロッ
ト生産に対応しずらい、一度図柄を決めてしまうと容易
に変更出来ない等の問題がある。
【0003】一方、インクジェット記録方式はシステム
が小型であり、コンピューターからのアウトプットを直
接且つ簡便にプリント出来るシステムであり、特にフル
カラー画像の形成が容易であることから注目されてい
る。インクジェット記録方式を用いて、掲示用シートの
制作が可能になれば、上記の問題が解決され、表現の自
由度が増すメリットがある。
が小型であり、コンピューターからのアウトプットを直
接且つ簡便にプリント出来るシステムであり、特にフル
カラー画像の形成が容易であることから注目されてい
る。インクジェット記録方式を用いて、掲示用シートの
制作が可能になれば、上記の問題が解決され、表現の自
由度が増すメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】インクジェット記
録方式を用いて、掲示用シートを形成する場合の問題点
は、インクジェット記録方式が水溶性染料を記録剤とし
て使用する為に、従来の方式と比較して画像の堅牢性に
やや劣る点が挙げられる。例えば、画像を形成する記録
媒体として、特開昭59−35977号公報にある様な
多孔質な表面を有するコート紙を用いて、インクジェッ
ト記録により画像を形成した場合には、付着した染料が
記録後も直接空気にさらされる為に、画像の褪色を起こ
し易い。
録方式を用いて、掲示用シートを形成する場合の問題点
は、インクジェット記録方式が水溶性染料を記録剤とし
て使用する為に、従来の方式と比較して画像の堅牢性に
やや劣る点が挙げられる。例えば、画像を形成する記録
媒体として、特開昭59−35977号公報にある様な
多孔質な表面を有するコート紙を用いて、インクジェッ
ト記録により画像を形成した場合には、付着した染料が
記録後も直接空気にさらされる為に、画像の褪色を起こ
し易い。
【0005】特開昭61−10483号公報にある様
な、PET基材上に水溶性樹脂よりなるコート層を設け
たシート材では、記録後の染料はコート層中に包含され
る為に画像の褪色は起こらないが、コート層が水溶性樹
脂から形成されている為に画像の耐水性に欠ける。特開
昭62−280068号公報にある様な記録シート(以
下BPF)は、多孔質層より付与されたインクが、多孔
質層を透過し、その下の樹脂層に包含され、且つ画像を
基材であるPETフイルム側から観察する様に設計され
ている。この様な記録シートは、画像の鮮明性に優れ、
又、褪色等を発生せず、耐水性にも優れている。この記
録シートを用いた場合の問題点は、多孔質層中に残った
透過しきれない染料が、高湿気の環境におかれたときに
滲むことである。
な、PET基材上に水溶性樹脂よりなるコート層を設け
たシート材では、記録後の染料はコート層中に包含され
る為に画像の褪色は起こらないが、コート層が水溶性樹
脂から形成されている為に画像の耐水性に欠ける。特開
昭62−280068号公報にある様な記録シート(以
下BPF)は、多孔質層より付与されたインクが、多孔
質層を透過し、その下の樹脂層に包含され、且つ画像を
基材であるPETフイルム側から観察する様に設計され
ている。この様な記録シートは、画像の鮮明性に優れ、
又、褪色等を発生せず、耐水性にも優れている。この記
録シートを用いた場合の問題点は、多孔質層中に残った
透過しきれない染料が、高湿気の環境におかれたときに
滲むことである。
【0006】従って本発明の目的は、掲示用シート、特
に鮮明で高精細な絵柄を有する掲示用シートを提供する
ことにある。更に本発明のもう一つの目的は、オリジナ
ルデザインの絵柄を有する掲示用シートを少量であって
も安価に製造する方法を提供することにある。又、本発
明の別の目的は、インクジェット記録方式を用いて掲示
用シートを提供することにある。
に鮮明で高精細な絵柄を有する掲示用シートを提供する
ことにある。更に本発明のもう一つの目的は、オリジナ
ルデザインの絵柄を有する掲示用シートを少量であって
も安価に製造する方法を提供することにある。又、本発
明の別の目的は、インクジェット記録方式を用いて掲示
用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】上記の目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、プラスチック基
材及びインク受容層よりなるシート材の記録面側を支持
体に貼り付けて使用する構造を有する掲示用シートの製
造方法において、透明プラスチック基材上に順次設けら
れた透明インク保持層と不透明インク輸送層とからなる
インク受容層を有するシート材を用い、該シート材のイ
ンク輸送層側に、アニオン性基を有する水溶性染料を含
むインクを用いてインクジェット記録を実施して記録画
像を形成し、その後、記録画像が形成された記録面に、
分子量が1,000以下のカチオン性物質と、高分子物
質とを含む粘着剤及び/又は接着剤を付与し、上記記録
面側を支持体に貼り付く構造としたことを特徴とする掲
示用シートの製造方法、及び上記に記載の方法で製造さ
れた掲示用シートの記録画像が形成されている記録面側
を、ガラス、プラスチック、或は、建材に接着して、前
記ガラス、プラスチック、或は建材で上記シートを支持
してなることを特徴とする掲示用ディスプレイである。
によって達成される。即ち、本発明は、プラスチック基
材及びインク受容層よりなるシート材の記録面側を支持
体に貼り付けて使用する構造を有する掲示用シートの製
造方法において、透明プラスチック基材上に順次設けら
れた透明インク保持層と不透明インク輸送層とからなる
インク受容層を有するシート材を用い、該シート材のイ
ンク輸送層側に、アニオン性基を有する水溶性染料を含
むインクを用いてインクジェット記録を実施して記録画
像を形成し、その後、記録画像が形成された記録面に、
分子量が1,000以下のカチオン性物質と、高分子物
質とを含む粘着剤及び/又は接着剤を付与し、上記記録
面側を支持体に貼り付く構造としたことを特徴とする掲
示用シートの製造方法、及び上記に記載の方法で製造さ
れた掲示用シートの記録画像が形成されている記録面側
を、ガラス、プラスチック、或は、建材に接着して、前
記ガラス、プラスチック、或は建材で上記シートを支持
してなることを特徴とする掲示用ディスプレイである。
【0008】
【作用】本発明によれば、インクジェット記録後に、カ
チオン性物質を記録面に付与することにより、シート材
中の染料を記録後不溶化することにより、従来技術の印
刷や銀塩写真方式と同等以上の鮮明性及び解像性を有す
ると同時に、従来技術と同等の耐水性及び耐湿性を有す
る画像を有する掲示用シートが提供される。更に本発明
の好ましい態様としては、記録シートとしてBPFと組
み合わせることによって、記録画像の褪色を発生せず、
且つ耐水性及び耐湿性に優れた掲示用シートが提供され
る。
チオン性物質を記録面に付与することにより、シート材
中の染料を記録後不溶化することにより、従来技術の印
刷や銀塩写真方式と同等以上の鮮明性及び解像性を有す
ると同時に、従来技術と同等の耐水性及び耐湿性を有す
る画像を有する掲示用シートが提供される。更に本発明
の好ましい態様としては、記録シートとしてBPFと組
み合わせることによって、記録画像の褪色を発生せず、
且つ耐水性及び耐湿性に優れた掲示用シートが提供され
る。
【0009】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の掲示用シートは、
プラスチック基材及びインク受容層よりなるシート材
に、インクジェット記録を実施した後に、その記録面に
カチオン性物質が付与されてなることを特徴としてい
る。
発明を更に詳細に説明する。本発明の掲示用シートは、
プラスチック基材及びインク受容層よりなるシート材
に、インクジェット記録を実施した後に、その記録面に
カチオン性物質が付与されてなることを特徴としてい
る。
【0010】本発明で使用する記録用シートを構成する
透明プラスチック基材としては、例えば、ポリエステル
系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、セロハン、セルロイド等のフイルム若しくは板等が
挙げられる。これらのプラスチック基材の厚みには特に
制限はないが、一般的には10μm〜5,000μm程
度である。
透明プラスチック基材としては、例えば、ポリエステル
系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、セロハン、セルロイド等のフイルム若しくは板等が
挙げられる。これらのプラスチック基材の厚みには特に
制限はないが、一般的には10μm〜5,000μm程
度である。
【0011】上記プラスチック基材上に形成するインク
受容層は、使用するインクが一般的に水性インキである
ので、これらのインクを吸収保持し得る様に、水溶性乃
至親水性ポリマーより形成する。有用なポリマーとして
は、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷ
ん、カチオンでんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソー
ダ等の天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリアミド、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、四級
化ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジリウムハラ
イド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、
ポリウレタン、ポリビニルアルコール、イオン変性ポリ
ビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリル酸ソー
ダ等の合成樹脂、更にはこれらのポリマーを架橋処理し
て水不溶性にした親水性ポリマー、2種以上のポリマー
からなる親水性且つ水不溶性のポリマーコンプレック
ス、親水性セグメントを有する親水性且つ水不溶性のポ
リマー等が挙げられる。
受容層は、使用するインクが一般的に水性インキである
ので、これらのインクを吸収保持し得る様に、水溶性乃
至親水性ポリマーより形成する。有用なポリマーとして
は、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷ
ん、カチオンでんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソー
ダ等の天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリアミド、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、四級
化ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジリウムハラ
イド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、
ポリウレタン、ポリビニルアルコール、イオン変性ポリ
ビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリル酸ソー
ダ等の合成樹脂、更にはこれらのポリマーを架橋処理し
て水不溶性にした親水性ポリマー、2種以上のポリマー
からなる親水性且つ水不溶性のポリマーコンプレック
ス、親水性セグメントを有する親水性且つ水不溶性のポ
リマー等が挙げられる。
【0012】インク受容層をプラスチック基材上に形成
する方法としては、上記のポリマー或いは適当な添加剤
を含む混合物を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液
を調製し、該塗工液を、例えば、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング
法、エアナイフコーティング法等の公知の方法によりプ
ラスチック基材上に塗工し、その後速やかに乾燥させる
方法や前記の材料をホットメルトコーティングする方法
等が挙げられる。この様に形成されるインク受容層は、
通常約5〜100μm程度の厚みである。
する方法としては、上記のポリマー或いは適当な添加剤
を含む混合物を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液
を調製し、該塗工液を、例えば、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング
法、エアナイフコーティング法等の公知の方法によりプ
ラスチック基材上に塗工し、その後速やかに乾燥させる
方法や前記の材料をホットメルトコーティングする方法
等が挙げられる。この様に形成されるインク受容層は、
通常約5〜100μm程度の厚みである。
【0013】本発明において特に好ましい記録用シート
材は、透明プラスチック基材としてのポリエチレンテレ
フタレートフイルム上に、インク保持層及びインク輸送
層を順次積層してインク受容層とした構成である。イン
ク輸送層は、インク中の染料に対して非染着性の粒子及
びバインダー樹脂を主体として形成される不透明多孔質
層である。インク保持層は主として親水性樹脂により形
成される透明樹脂層である。インクジェット記録画像
は、インク輸送層面よりインクジェット記録方法により
付与されたインク滴の大部分が、インク輸送層を透過
し、インク保持層中に保持されることにより形成され
る。この様なプラスチック基材、インク保持層及びイン
ク輸送層より構成されるインクジェット記録媒体は、例
えば、特開昭62−280068号公報にその一例が記
載されている。
材は、透明プラスチック基材としてのポリエチレンテレ
フタレートフイルム上に、インク保持層及びインク輸送
層を順次積層してインク受容層とした構成である。イン
ク輸送層は、インク中の染料に対して非染着性の粒子及
びバインダー樹脂を主体として形成される不透明多孔質
層である。インク保持層は主として親水性樹脂により形
成される透明樹脂層である。インクジェット記録画像
は、インク輸送層面よりインクジェット記録方法により
付与されたインク滴の大部分が、インク輸送層を透過
し、インク保持層中に保持されることにより形成され
る。この様なプラスチック基材、インク保持層及びイン
ク輸送層より構成されるインクジェット記録媒体は、例
えば、特開昭62−280068号公報にその一例が記
載されている。
【0014】次に本発明の掲示用シートの絵柄を形成す
るインクジェット記録方式について以下に説明する。イ
ンクジェット記録を行う場合のインクそれ自体は、公知
のものが何等問題なく使用可能である。又、インクの記
録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、食用色
素に代表される水溶性染料が使用可能であり、通常のイ
ンクジェット記録用のものであれば特に制限なく使用す
ることが出来る。特に好ましい染料はアニオン性基を有
する水溶性染料である。この様な記録剤は、従来のイン
ク中において一般には約0.1〜20重量%を占める割
合で使用されており、本発明においてもこの割合と同様
でよい。
るインクジェット記録方式について以下に説明する。イ
ンクジェット記録を行う場合のインクそれ自体は、公知
のものが何等問題なく使用可能である。又、インクの記
録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、食用色
素に代表される水溶性染料が使用可能であり、通常のイ
ンクジェット記録用のものであれば特に制限なく使用す
ることが出来る。特に好ましい染料はアニオン性基を有
する水溶性染料である。この様な記録剤は、従来のイン
ク中において一般には約0.1〜20重量%を占める割
合で使用されており、本発明においてもこの割合と同様
でよい。
【0015】本発明に用いる水系インクに使用する溶媒
は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特
に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であっ
て、水溶性有機溶剤としてのインクの乾燥防止効果を有
する多価アルコールを含有するものである。本発明にお
いて、カチオン性物質を記録ヘッドより吐出する方式に
おいては、上記と同様なものをカチオン性物質の溶媒と
して使用することが出来る。
は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特
に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であっ
て、水溶性有機溶剤としてのインクの乾燥防止効果を有
する多価アルコールを含有するものである。本発明にお
いて、カチオン性物質を記録ヘッドより吐出する方式に
おいては、上記と同様なものをカチオン性物質の溶媒と
して使用することが出来る。
【0016】上記のインクを付与して記録を行うインク
ジェット記録方法は、インクをノズルより効果的に離脱
させて、射程体である記録用シートにインクを付与し得
る方式であればいかなる方式でもよい。特に特開昭54
−59936号公報に記載されている方法で、熱エネル
ギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、こ
の状態変化による作用力によって、インクをノズルから
吐出させるインクジェット方式が有効に使用することが
出来る。
ジェット記録方法は、インクをノズルより効果的に離脱
させて、射程体である記録用シートにインクを付与し得
る方式であればいかなる方式でもよい。特に特開昭54
−59936号公報に記載されている方法で、熱エネル
ギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、こ
の状態変化による作用力によって、インクをノズルから
吐出させるインクジェット方式が有効に使用することが
出来る。
【0017】本発明に使用出来る好ましいインクジェッ
ト記録ヘッドの構成例を図1、図2及び図3に示す。ヘ
ッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミ
ックス又はプラスチック板等を、感熱記録に用いられる
発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これ
に限定されるものではない)とを接着して得られる。発
熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜1
6、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等
で形成される発熱抵抗体層18、畜熱層19、アルミナ
等の放熱性の良い基板20よりなっている。
ト記録ヘッドの構成例を図1、図2及び図3に示す。ヘ
ッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミ
ックス又はプラスチック板等を、感熱記録に用いられる
発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これ
に限定されるものではない)とを接着して得られる。発
熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜1
6、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等
で形成される発熱抵抗体層18、畜熱層19、アルミナ
等の放熱性の良い基板20よりなっている。
【0018】インク21は吐出オリフィス(緻細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。今、電極17−1、17−2に電気信号が加わ
ると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱
し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、
オリフィス22より記録小滴24となり、記録用シート
25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを
多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッ
ドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明
したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されて
いる。尚、図3は、インク流路に沿ったヘッド13の断
面図である。
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。今、電極17−1、17−2に電気信号が加わ
ると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱
し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、
オリフィス22より記録小滴24となり、記録用シート
25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを
多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッ
ドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明
したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されて
いる。尚、図3は、インク流路に沿ったヘッド13の断
面図である。
【0019】本発明では、上記の如くインクジェット方
式により記録用シートのインク受容層に必要な画像を形
成し、その面にカチオン性物質を付与する。本発明で使
用するカチオン性物質は、カチオン性高分子物質である
ことがより好ましい。これらのカチオン性高分子物質
は、例えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスル
ホン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩
等を挙げることが出来るが、勿論これらに限定されるわ
けではない。又、塩酸塩型、酢酸塩型に限定されるわけ
ではない。又、ノニオン性高分子物質の一部をカチオン
化したものでもよい。
式により記録用シートのインク受容層に必要な画像を形
成し、その面にカチオン性物質を付与する。本発明で使
用するカチオン性物質は、カチオン性高分子物質である
ことがより好ましい。これらのカチオン性高分子物質
は、例えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスル
ホン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩
等を挙げることが出来るが、勿論これらに限定されるわ
けではない。又、塩酸塩型、酢酸塩型に限定されるわけ
ではない。又、ノニオン性高分子物質の一部をカチオン
化したものでもよい。
【0020】具体的には、ビニルピロリドンとアミノア
ルキルアクリレート4級塩との共重合体、アクリルアマ
イドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合
体等を挙げることが出来るが、勿論これらの化合物に限
定されないことは言うまでもない。又、カチオン性の高
分子物質は水溶性であれば申し分ないが、ラテックスや
エマルジョンの様な分散体であってもかまわない。又、
本発明で使用するカチオン性物質として、分子量1,0
00以下の低分子物質を使用する場合には、これらに高
分子物質を併用することにより、上記化合物を用いるよ
りも、より優れた画像の耐水性及び耐湿性の効果を発現
させることが出来る。
ルキルアクリレート4級塩との共重合体、アクリルアマ
イドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合
体等を挙げることが出来るが、勿論これらの化合物に限
定されないことは言うまでもない。又、カチオン性の高
分子物質は水溶性であれば申し分ないが、ラテックスや
エマルジョンの様な分散体であってもかまわない。又、
本発明で使用するカチオン性物質として、分子量1,0
00以下の低分子物質を使用する場合には、これらに高
分子物質を併用することにより、上記化合物を用いるよ
りも、より優れた画像の耐水性及び耐湿性の効果を発現
させることが出来る。
【0021】低分子のカチオン性物質の具体例として
は、1級乃至2級乃至3級アミン塩型の化合物、具体的
にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、
ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等、第4級アンモニウ
ム塩型の化合物、具体的にはラウリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロ
ライド、塩化ベンザルコニウム等、ピリジニウム塩型化
合物、具体的にはセチルピリジニウムクロライド、セチ
ルピリジニウムブロマイド等、イミダゾリン型カチオン
性化合物、具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシ
エチルイミダゾリン等、高級アルキルアミンのエチレン
オキシド付加物、具体的にはジヒドロキシエチルステア
リルアミン等が挙げられる。
は、1級乃至2級乃至3級アミン塩型の化合物、具体的
にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、
ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等、第4級アンモニウ
ム塩型の化合物、具体的にはラウリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロ
ライド、塩化ベンザルコニウム等、ピリジニウム塩型化
合物、具体的にはセチルピリジニウムクロライド、セチ
ルピリジニウムブロマイド等、イミダゾリン型カチオン
性化合物、具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシ
エチルイミダゾリン等、高級アルキルアミンのエチレン
オキシド付加物、具体的にはジヒドロキシエチルステア
リルアミン等が挙げられる。
【0022】更に本発明では、あるpH領域においてカ
チオン性を有する両性界面活性剤も使用出来る。より具
体的には、アミノ酸型両性界面活性剤、R-NH-CH2-CH2-C
OOH型の化合物、ベタイン型の化合物、具体的にはステ
アリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチル
ベタイン等のカルボン酸塩型両性界面活性剤の他、硫酸
エステル型、スルホン酸型、隣酸エステル型等の両性界
面活性剤等が挙げられる。勿論、本発明で使用すること
が出来る化合物は必ずしもこれらに限定されないことは
言うまでもない。
チオン性を有する両性界面活性剤も使用出来る。より具
体的には、アミノ酸型両性界面活性剤、R-NH-CH2-CH2-C
OOH型の化合物、ベタイン型の化合物、具体的にはステ
アリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチル
ベタイン等のカルボン酸塩型両性界面活性剤の他、硫酸
エステル型、スルホン酸型、隣酸エステル型等の両性界
面活性剤等が挙げられる。勿論、本発明で使用すること
が出来る化合物は必ずしもこれらに限定されないことは
言うまでもない。
【0023】低分子のカチオン性物質と併用可能な高分
子物質の具体例としては、水溶性高分子であるポリアク
リルアマイド、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロー
ス、具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルアルコール等が挙げられるが、これらに
限定されないことは言うまでもない。
子物質の具体例としては、水溶性高分子であるポリアク
リルアマイド、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロー
ス、具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルアルコール等が挙げられるが、これらに
限定されないことは言うまでもない。
【0024】前記のカチオン物質を画像記録面に付与す
る方法はいかなる方式でもよいが、以下の方法が好まし
い。第1の方式としては、上記のカチオン物質の溶液を
吐出するインクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置
を用いる方法であり、インクジェット記録とカチオン物
質の付与が一度に出来る利点がある。更にこの方式を用
いれば、カチオン物質は、記録の行なわれた画素にのみ
付与されるので、カチオン物質の使用量を最小限に抑え
ることが可能であり、この為に画像の変褪色やシート材
の黄変といった副作用を最小限にとどめることが出来
る。
る方法はいかなる方式でもよいが、以下の方法が好まし
い。第1の方式としては、上記のカチオン物質の溶液を
吐出するインクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置
を用いる方法であり、インクジェット記録とカチオン物
質の付与が一度に出来る利点がある。更にこの方式を用
いれば、カチオン物質は、記録の行なわれた画素にのみ
付与されるので、カチオン物質の使用量を最小限に抑え
ることが可能であり、この為に画像の変褪色やシート材
の黄変といった副作用を最小限にとどめることが出来
る。
【0025】第2の方式としては、記録面にカチオン性
物質を含む接着剤及び/又は粘着剤を付与する方法であ
り、カチオン性物質を付与する工程と掲示用シートを支
持体に張り付ける為の処理工程が一度に出来る利点があ
る。上記の粘着剤及び/又は接着剤として使用可能なも
のとしては、従来公知の材料である澱粉糊や、にかわ、
或は天然ゴム系、変成ゴム系、合成ゴム系、ポリアクリ
ル酸エステル系、セルロース系、ポリ酢酸ビニル系、ポ
リビニルピロリドン系、ポリエステル系、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルブチラール、ウレタン系、アクリル
系、エポキシ系、シリコン系、メラミン系、尿素系等の
ものが挙げられる。本発明においては、これらの材料中
に前記のカチオン物質を混合して用いてもよいし、上記
の化合物の中でカチオン性を有するものを用いてもよ
い。
物質を含む接着剤及び/又は粘着剤を付与する方法であ
り、カチオン性物質を付与する工程と掲示用シートを支
持体に張り付ける為の処理工程が一度に出来る利点があ
る。上記の粘着剤及び/又は接着剤として使用可能なも
のとしては、従来公知の材料である澱粉糊や、にかわ、
或は天然ゴム系、変成ゴム系、合成ゴム系、ポリアクリ
ル酸エステル系、セルロース系、ポリ酢酸ビニル系、ポ
リビニルピロリドン系、ポリエステル系、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルブチラール、ウレタン系、アクリル
系、エポキシ系、シリコン系、メラミン系、尿素系等の
ものが挙げられる。本発明においては、これらの材料中
に前記のカチオン物質を混合して用いてもよいし、上記
の化合物の中でカチオン性を有するものを用いてもよ
い。
【0026】特にBPFにおいては、従来公知の方法に
よって、予めインク輸送層を形成する塗工液中に、カチ
オン化合物を混合する方法では、インク輸送層に付着し
たインク滴が、インク保持層側に充分に透過しなくな
り、結果として、基材面から画像を観察した際に充分な
画像濃度を有する画像が得られない問題点があり、本発
明では、この様な問題は生じないのでBPFと組み合わ
せた場合が最も効果的である。
よって、予めインク輸送層を形成する塗工液中に、カチ
オン化合物を混合する方法では、インク輸送層に付着し
たインク滴が、インク保持層側に充分に透過しなくな
り、結果として、基材面から画像を観察した際に充分な
画像濃度を有する画像が得られない問題点があり、本発
明では、この様な問題は生じないのでBPFと組み合わ
せた場合が最も効果的である。
【0027】本発明の掲示用シートは、垂れ幕やポスタ
ーの用途に使用する場合には、そのまま使用することが
出来る。又、看板や広告塔等に使用する場合には、ガラ
ス、プラスチック板、或は建材等により支持して使用さ
れる。支持する方式としては、例えば、2枚のアクリル
板等で挟み込む方式や、前記の支持体に貼り付ける方法
が挙げられる。特にBPFを用いて、インク輸送面にカ
チオン系の糊剤を塗布し、支持体に貼り付けたものは、
染料自体が完全にシート材内に包含される為に、画像の
褪色や水滴による流れを発生せず、又、染料の滲み出し
もない本発明の最も好ましい態様である。
ーの用途に使用する場合には、そのまま使用することが
出来る。又、看板や広告塔等に使用する場合には、ガラ
ス、プラスチック板、或は建材等により支持して使用さ
れる。支持する方式としては、例えば、2枚のアクリル
板等で挟み込む方式や、前記の支持体に貼り付ける方法
が挙げられる。特にBPFを用いて、インク輸送面にカ
チオン系の糊剤を塗布し、支持体に貼り付けたものは、
染料自体が完全にシート材内に包含される為に、画像の
褪色や水滴による流れを発生せず、又、染料の滲み出し
もない本発明の最も好ましい態様である。
【0028】
【実施例】次に実施例、参考例及び比較例を挙げて本発
明を更に詳細に説明する。尚、文中、部とあるのは特に
断りのない限りは重量基準である。参考 例1 基材として、透明ポリエチレンテレフタレートフイルム
(厚さ100μm;東レ製)を使用し、そのフイルム上
に下記の塗工組成物Aを乾燥膜厚が8μmとなる様にブ
レードコーターにて塗工し、140℃の乾燥炉内で5分
間乾燥した。更にその上に下記の塗工組成物Bを乾燥膜
厚が25μmとなる様にブレードコーターを用いて塗工
し、140℃の乾燥炉内にて2分間乾燥してフイルム上
にインク保持層とインク輸送層とからなるインク受容層
を形成した。
明を更に詳細に説明する。尚、文中、部とあるのは特に
断りのない限りは重量基準である。参考 例1 基材として、透明ポリエチレンテレフタレートフイルム
(厚さ100μm;東レ製)を使用し、そのフイルム上
に下記の塗工組成物Aを乾燥膜厚が8μmとなる様にブ
レードコーターにて塗工し、140℃の乾燥炉内で5分
間乾燥した。更にその上に下記の塗工組成物Bを乾燥膜
厚が25μmとなる様にブレードコーターを用いて塗工
し、140℃の乾燥炉内にて2分間乾燥してフイルム上
にインク保持層とインク輸送層とからなるインク受容層
を形成した。
【0029】
【0030】
【0031】インクジェット記録用に次のインク及びカ
チオン性物質溶液を調製して用いた。下記の成分を混合
し、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィル
ター(商品名;フロロポアフィルター、住友電工製)に
て加圧濾過してイエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
クのインク(1)−Y、(1)−M、(1)−C、
(1)−K及びカチオン性物質溶液を得た。
チオン性物質溶液を調製して用いた。下記の成分を混合
し、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィル
ター(商品名;フロロポアフィルター、住友電工製)に
て加圧濾過してイエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
クのインク(1)−Y、(1)−M、(1)−C、
(1)−K及びカチオン性物質溶液を得た。
【0032】(1)−Y
・C.I.ダイレクトイエロー86 2部
・チオジグリコール 10部
・アセチレノールEH 0.05部
・水 残部
(1)−M
染料をC.I.アシッドレッド−289の2.5部に代
えた以外は参考例(1)−Yと同じ組成。 (1)−C 染料をC.I.アシッドブルー9の2.5部に代えた以
外は参考例(1)−Yと同じ組成。 (1)−K 染料をC.I.フードブラック−2の3部に代えた以外
は参考例(1)−Yと同じ組成。 カチオン性物質溶液 上記のインク組成の染料に代えて、カチオン性化合物
(ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド 商品名
BTBAC、三洋化成製)1.5部及び高分子化合物
(ポリアクリルアミド 商品名 サンフロックN−50
0P、三洋化成製)0.05部を用いた。
えた以外は参考例(1)−Yと同じ組成。 (1)−C 染料をC.I.アシッドブルー9の2.5部に代えた以
外は参考例(1)−Yと同じ組成。 (1)−K 染料をC.I.フードブラック−2の3部に代えた以外
は参考例(1)−Yと同じ組成。 カチオン性物質溶液 上記のインク組成の染料に代えて、カチオン性化合物
(ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド 商品名
BTBAC、三洋化成製)1.5部及び高分子化合物
(ポリアクリルアミド 商品名 サンフロックN−50
0P、三洋化成製)0.05部を用いた。
【0033】次に上記の様にして得られたシート材及び
インクを用いて、1mmあたり14本の割合で記録ノズ
ルを有する熱の作用によりインク滴を吐出させるインク
ジェット方式の記録ヘッド5個を搭載した記録装置によ
りカラー画像を形成した。前記の記録ヘッド4個は上記
のインクを、残りの1個はカチオン性物質溶液を吐出す
る。尚、記録に用いた装置は各インクが付与された全て
の画素に対して、カチオン性物質溶液の小滴を付与する
様に制御されている。以上の様にして掲示用シート1を
形成した。
インクを用いて、1mmあたり14本の割合で記録ノズ
ルを有する熱の作用によりインク滴を吐出させるインク
ジェット方式の記録ヘッド5個を搭載した記録装置によ
りカラー画像を形成した。前記の記録ヘッド4個は上記
のインクを、残りの1個はカチオン性物質溶液を吐出す
る。尚、記録に用いた装置は各インクが付与された全て
の画素に対して、カチオン性物質溶液の小滴を付与する
様に制御されている。以上の様にして掲示用シート1を
形成した。
【0034】
【0035】参考例2 参考
例1のシート材に対してインクジェット記録によ
り、画像を形成した後に、下記のカチオン性物質溶液を
エアースプレーにてインク輸送層面に付与した。得られ
た掲示用シートの両面を透明な厚さ0.5mmのアクリ
ル板にて挟むことにより本参考例の掲示用ディスプレイ
を得た。
り、画像を形成した後に、下記のカチオン性物質溶液を
エアースプレーにてインク輸送層面に付与した。得られ
た掲示用シートの両面を透明な厚さ0.5mmのアクリ
ル板にて挟むことにより本参考例の掲示用ディスプレイ
を得た。
【0036】実施例1 参考
例1のシート材に対してインクジェット記録により
画像を形成した後に、従来公知のアクリル系の接着剤と
参考例1で使用したカチオン性物質溶液を混合したもの
を、剥離工程紙の離型処理面に塗布及び常温で乾燥させ
た後、粘着剤とインク輸送層面とを熱圧着し、更に剥離
紙を剥して粘着剤をインク輸送層面に付与した。得られ
た掲示用シートの糊剤面を利用して上記のシートを透明
な厚さ2mmのアクリル板に貼り付けることにより本発
明の掲示用ディスプレイを得た。 比較例1参考 例1のシート材に対してインクジェット記録により
画像を形成しただけのものを比較例の掲示用シートとし
た。
画像を形成した後に、従来公知のアクリル系の接着剤と
参考例1で使用したカチオン性物質溶液を混合したもの
を、剥離工程紙の離型処理面に塗布及び常温で乾燥させ
た後、粘着剤とインク輸送層面とを熱圧着し、更に剥離
紙を剥して粘着剤をインク輸送層面に付与した。得られ
た掲示用シートの糊剤面を利用して上記のシートを透明
な厚さ2mmのアクリル板に貼り付けることにより本発
明の掲示用ディスプレイを得た。 比較例1参考 例1のシート材に対してインクジェット記録により
画像を形成しただけのものを比較例の掲示用シートとし
た。
【0037】比較例2
塗工組成物Bとして下記のものを用いた以外は、参考例
1と同様にして比較用の掲示用シートを得た。
1と同様にして比較用の掲示用シートを得た。
【0038】記録画像の評価は次の方法で行なった。
1.画像濃度
100%デューティのベタ画像をブラックのインクで形
成し、12時間放置後の反射濃度計を反射濃度計マクベ
スRD−918(マクベス社製)にて測定した。 2.耐水性 100%デューティの文字の上にスポイトで水を1滴た
らして自然乾燥させ、目視にて評価した。画像の流れは
生じないが、文字太りを生じるものを○とした。特に画
像の流れを生じず、且つ文字太りも生じないものを◎と
した。それ以外のレベルのものは×とした。
成し、12時間放置後の反射濃度計を反射濃度計マクベ
スRD−918(マクベス社製)にて測定した。 2.耐水性 100%デューティの文字の上にスポイトで水を1滴た
らして自然乾燥させ、目視にて評価した。画像の流れは
生じないが、文字太りを生じるものを○とした。特に画
像の流れを生じず、且つ文字太りも生じないものを◎と
した。それ以外のレベルのものは×とした。
【0039】3.耐湿性
印字物を35℃/90%RHの環境下に14日間放置
し、放置後の画像について目視にて評価した。文字太り
を生じるが、文字が判読可能であるものを○とした。特
に文字太りも生じないものを◎とした。又、文字太りが
ひどく判読不能であるものは×とした。 4.耐光性 前記の記録装置を用いてマゼンダのベタ画像を印字し、
印字物の耐光性評価の促進試験として、アトラスフェー
ドメーターCi−35を用いて、キセノンランプ光を1
00時間印字物に照射した後の画像濃度と照射前の画像
濃度との比率を求めた。比率が大きいものほど耐光性は
良好である。
し、放置後の画像について目視にて評価した。文字太り
を生じるが、文字が判読可能であるものを○とした。特
に文字太りも生じないものを◎とした。又、文字太りが
ひどく判読不能であるものは×とした。 4.耐光性 前記の記録装置を用いてマゼンダのベタ画像を印字し、
印字物の耐光性評価の促進試験として、アトラスフェー
ドメーターCi−35を用いて、キセノンランプ光を1
00時間印字物に照射した後の画像濃度と照射前の画像
濃度との比率を求めた。比率が大きいものほど耐光性は
良好である。
【0040】
【0041】
【発明の効果】以上の様な本発明によれば、カラーイン
クジェット記録方式を用いて絵柄を形成する為に、鮮明
且つ高精細な絵柄を有する掲示用シートが提供される。
又、本発明によれば、絵柄はインクジェット記録ヘッド
の制御装置から、直接記録ヘッドに画像信号として伝達
され記録を行なうことにより形成される為に、小ロット
のオリジナルデザインの絵柄であっても、簡便に且つ低
コストで提供可能である。更に本発明の掲示用シートは
従来のものと同等の画像堅牢性を有している。
クジェット記録方式を用いて絵柄を形成する為に、鮮明
且つ高精細な絵柄を有する掲示用シートが提供される。
又、本発明によれば、絵柄はインクジェット記録ヘッド
の制御装置から、直接記録ヘッドに画像信号として伝達
され記録を行なうことにより形成される為に、小ロット
のオリジナルデザインの絵柄であっても、簡便に且つ低
コストで提供可能である。更に本発明の掲示用シートは
従来のものと同等の画像堅牢性を有している。
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図で
ある。
ある。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図で
ある。
ある。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
観斜視図である。
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:記録液滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 鈴木 鋭一
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 片山 正人
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(56)参考文献 特開 昭62−271779(JP,A)
特開 昭55−150396(JP,A)
特開 昭56−145964(JP,A)
特開 昭57−55913(JP,A)
特開 昭56−58869(JP,A)
特開 昭63−286391(JP,A)
特開 平6−191139(JP,A)
特開 昭62−280068(JP,A)
実開 昭53−135197(JP,U)
実開 平4−112291(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41M 5/00
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック基材及びインク受容層より
なるシート材の記録面側を支持体に貼り付けて使用する
構造を有する掲示用シートの製造方法において、透明プ
ラスチック基材上に順次設けられた透明インク保持層と
不透明インク輸送層とからなるインク受容層を有するシ
ート材を用い、該シート材のインク輸送層側に、アニオ
ン性基を有する水溶性染料を含むインクを用いてインク
ジェット記録を実施して記録画像を形成し、その後、記
録画像が形成された記録面に、分子量が1,000以下
のカチオン性物質と、高分子物質とを含む粘着剤及び/
又は接着剤を付与し、上記記録面側を支持体に貼り付く
構造としたことを特徴とする掲示用シートの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の方法で製造された掲示
用シートの記録画像が形成されている記録面側を、ガラ
ス、プラスチック、或は、建材に接着して、前記ガラ
ス、プラスチック、或は建材で上記シートを支持してな
ることを特徴とする掲示用ディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24830194A JP3376125B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 掲示用シート、掲示用ディスプレイ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24830194A JP3376125B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 掲示用シート、掲示用ディスプレイ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0885250A JPH0885250A (ja) | 1996-04-02 |
JP3376125B2 true JP3376125B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=17176045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24830194A Expired - Fee Related JP3376125B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 掲示用シート、掲示用ディスプレイ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3376125B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6406138B1 (en) | 2000-04-20 | 2002-06-18 | Hewlett-Packard Company | Polymer systems for high quality inkjet printing |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5611107Y2 (ja) * | 1977-03-30 | 1981-03-12 | ||
JPS55150396A (en) * | 1979-05-14 | 1980-11-22 | Fuji Photo Film Co Ltd | Method for attaining waterproof property to ink jet recorded sheet |
JPS5658869A (en) * | 1979-10-18 | 1981-05-22 | Fuji Photo Film Co Ltd | Waterproofing method for increasing water resistance of ink jet recording sheet |
JPS56145964A (en) * | 1980-04-14 | 1981-11-13 | Dainippon Ink & Chem Inc | Aqueous adhesive |
JPS5755913A (en) * | 1980-09-19 | 1982-04-03 | Kuraray Co Ltd | Production of cationic emulsion and paste composition |
JPS62271779A (ja) * | 1986-05-21 | 1987-11-26 | Canon Inc | カラ−画像の形成方法 |
JPS62280068A (ja) * | 1986-05-30 | 1987-12-04 | Canon Inc | 被記録材 |
GB8711105D0 (en) * | 1987-05-11 | 1987-06-17 | Ici Plc | Information device |
JPH04112291U (ja) * | 1991-03-13 | 1992-09-30 | 三菱レイヨン株式会社 | 掲示・案内板 |
JPH06191139A (ja) * | 1992-12-24 | 1994-07-12 | Dainippon Ink & Chem Inc | 記録方法 |
-
1994
- 1994-09-19 JP JP24830194A patent/JP3376125B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0885250A (ja) | 1996-04-02 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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