JP3371815B2 - 既存建築物の制震補強構造 - Google Patents
既存建築物の制震補強構造Info
- Publication number
- JP3371815B2 JP3371815B2 JP21761698A JP21761698A JP3371815B2 JP 3371815 B2 JP3371815 B2 JP 3371815B2 JP 21761698 A JP21761698 A JP 21761698A JP 21761698 A JP21761698 A JP 21761698A JP 3371815 B2 JP3371815 B2 JP 3371815B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stud
- steel
- existing
- studs
- frame
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
- Building Environments (AREA)
Description
建築物に対して、制震装置を組み込んだ補強要素を増設
することにより、既存建築物を制震化する制震補強構造
に関するものである。
震性の低い既存の鉄筋コンクリート建物を耐震補強する
場合、新たに壁あるいは鉄骨枠組みブレースを組み込ん
だ耐震要素を増設する方法が採用されていた。
とすると、必要な補強構面数を確保するために、廊下や
部屋への出入り口が確保できなくなり、結果として建物
の使用勝手を著しく低下させることが多いという問題が
あった。
なされたもので、その目的は、既存建築物の柱・梁に囲
まれた開口部に制震要素を組み込んだ補強構面を出入り
口用等の開口を確保して増設することができると共に、
地震により建築物に入力されたエネルギーを制震要素で
吸収して数少ない補強要素の増設で既存の建築物の耐震
性を向上させることができ、さらに既存の梁に耐力上の
余裕が無くても補強構面を構築することができる既存建
築物の制震補強構造を提供することにある。
震補強構造は、既存建築物の柱と梁で囲まれた開口部の
内側に鋼製の門型フレームを固定し、この門型フレーム
内に鋼製の間柱を1つまたは複数設け、間柱の下端は床
スラブに後施工アンカーや樹脂接着剤等で固定し、この
間柱を上下に分離して上部間柱と下部間柱から構成する
と共に、この上部間柱と下部間柱の分断位置を下端に近
い位置とし、この上部間柱と下部間柱とを制震要素(弾
塑性ダンパー、オイルダンパー、粘性ダンパー,粘弾性
ダンパーなど)により連結して構成されていることを特
徴とする(請求項1:図1、図2参照)。間柱の上部
は、門型フレームの梁と一体的に形成し、あるいは門型
フレームの梁に溶接等で固定するなどして、門型フレー
ムと間柱を一体化する。また、間柱はその下端近くで分
断して制震要素を配置する。
み込んだ1つまたは複数の間柱が形成され、開口部の左
右両側や中央部に、廊下や部屋への出入り口等のための
開口が容易に確保される。地震により建築物自体が変形
すると、同時に制震要素も変形を受け、この制震要素は
変形により振動エネルギーを吸収して制震効果を発揮
し、補強構面の増設数が少なくても既存の建築物の耐震
性を向上させることができる。制震要素に発生する力
は、門型フレームを介して既存の梁に水平力として伝達
され、付加応力として生じる曲げモーメントおよび剪断
力は門型フレームで全てが負担され既存の梁には伝わら
ないため、既存の梁の耐力の余裕に関わらず補強構面を
構築できる。また、制震要素は下端に近い位置に設置す
ることによって間柱下端の曲げモーメントが小さくなる
ため、間柱を床スラブに固定するための後施工アンカー
や樹脂接着剤等の設計が可能となり、かつ制震要素を一
構面内に必要量確保することができる。
る門型フレームの梁の剛性が制約され、間柱の変形が大
きくなり、制震要素の変形が相対的に小さくなって、エ
ネルギーを吸収する効果が低くなることが懸念される
が、既存の梁の耐力に余裕がある場合には、既存の梁と
門型フレームの梁の側面同士を接合金物を介して部分的
に接合する(請求項2:図4参照)。このように門型フ
レームの梁を接合金物で既存の梁に固定することで、門
型フレームの梁の変形を拘束し、間柱の変形を小さくし
て制震要素のエネルギーを吸収する効果を高めることが
可能となる。
態に基づいて説明する。図1は本発明の既存の鉄筋コン
クリート造の建物における制震補強構造の基本的な実施
形態を示したものである。図2はその制震補強構造の具
体的な実施形態の例を示したものである。図3は制震補
強構面の上端および下端の接合部の詳細を示したもので
ある。図4は制震補強構造の別の実施形態を示したもの
である。
の骨組みにおける柱1、1と梁2、3で囲まれた開口部
4の内側に鋼製の門型フレーム5を固定し、この門型フ
レーム5の内部に鋼製の間柱6を設けて開口部4内に出
入り口等のための開口4a、4b、4cを確保し、この
間柱6はその下部において上下に分断し、門型フレーム
5の梁5bと一体の上部間柱6−1と、下部の梁3およ
び床スラブ9に固定した下部間柱6−2とを弾塑性ダン
パー7で連結して地震エネルギーを吸収するようにして
いる。
なる柱5aと梁5bから構成され、弾塑性ダンパー7に
より生じる付加応力に対して許容応力度設計がなされ
る。この門型フレーム5の柱5a、梁5bは、それぞれ
柱1の内側面、上部の梁2の下面に接着剤8やモルタル
等で固定される。また、柱5aの下端は、床スラブ9に
接着剤8やモルタル等と後施工アンカー10で固定され
る(図2参照)。
性ダンパー7で発生する力は、接着部を介して水平力と
して上部の梁2に伝わるが、付加応力として生じる曲げ
モーメントおよび剪断力は門型フレーム5の鉄骨部材で
全てが負担され、上部の梁2には伝達しない。従って、
既存の梁2の曲げ耐力や剪断耐力に余裕がなかったとし
ても、補強せずに当該開口部4を補強構面として用いる
ことができる。なお、門型フレーム5として鉄骨の例を
示したが、これに限らず、その他の構造・形状を採用で
きることはいうまでもない。
に、所定幅の鋼板6aと、この鋼板6aを両端と中間で
補強する一体的な縦リブ6bと、鋼板6aの下部に位置
するT形鋼等からなる下部鉄骨6cなどから構成され、
後述する理由から、下部鉄骨6cを上部間柱6−1から
分離した下部間柱6−2としている。なお、間柱6は鋼
板、縦リブ、鉄骨材等からなる場合を示したが、これに
限定されることなく、その他の構造・形状を採用できる
ことはいうまでもない。
bから一体的に垂設している。図2の図示例では、梁5
bの下面に突出板を一体的に形成しておき、この突出板
に中間板を継手板で接合することで、梁5bに固定され
た上部間柱6−1を構成している。なお、これに限ら
ず、門型フレーム5の梁5bの下面に上部間柱6−1の
上端を溶接等で接続するようにしてもよい(図1参
照)。
右の逆L字型の鉄骨部材と梁中央の鉄骨部材を組み合わ
せて構成し、左右一対の上部間柱6−1を門型フレーム
5の中央に配設し、左右両側に出入り口等の開口4a、
4bを確保している。図2(b) では、門型フレーム5を
左右の逆L字型の鉄骨部材を組み合わせて構成し、この
門型フレーム5の左右両側に一対の上部間柱6−1を間
隔をおいて配設し、中央部に大きな開口4aを確保して
いる。
下部の梁3および床スラブ9に、接着剤8やモルタル等
と後施工アンカー10で固定する。ここで、一般に、後
施工アンカーは引張強度が低いため、床スラブへの下部
間柱の直接接合は、曲げモーメントに対する抵抗が弱
い。そのため、制震要素を組み込む位置、即ち間柱6の
分断位置を下端に近い位置とし、下部間柱6−2の床ス
ラブ9への接合部に作用する曲げモーメントを低減して
いる。
は、適当な間隙が形成されるようにし、両者を制震要素
としての弾塑性ダンパー7で連結する。この弾塑性ダン
パー7は、例えば鋼板7aの中間部にハニカム形状の孔
7bを設けたものであり(図2参照)、上部間柱6−1
の鋼板6aおよび下部間柱6−2のウェブを鋼板7aで
挟み、ボルト11で締結する(図3(b) 参照) 。また、
この弾塑性ダンパー7は、図2の図示例では、左右一対
の上部間柱6−1のそれぞれの下部に2組、合計4組配
設している。なお、制震要素としては、これに限らず、
その他の弾塑性ダンパー、オイルダンパー、粘性ダンパ
ー、粘弾性ダンパー等を用いることができる。
上の余裕が無くても補強構面を構築できることを特徴と
しているが、必要となる開口高さにより設置できる門型
フレーム5の梁5bの剛性が制約され、間柱6−1の回
転による変形が大きくなり、制震要素7での変形が相対
的に小さくなって、エネルギーを吸収する効果が低くな
ることが懸念される。このような場合、既存の梁の耐力
に余裕がある場合には、図4に示すように、何箇所か既
存の梁2と門型フレーム5の梁5bの側面同士を接合金
物12で接合することにより、梁5bの曲げ変形によっ
て生じる引張り力に抵抗し、梁5bの回転変形を拘束す
る。そうすると、間柱6−1の制震要素位置での変形は
小さくなり、相対的に制震要素7での変形が大きくな
り、エネルギーを吸収する効果を高めることができる。
接続する箇所および数は限定されるものではなく、梁貫
通などの障害を避けた位置に設けることで、その効果を
発揮できる。
上部を上部の梁2の両側面に添接し貫通ボルト13で固
定し、接合金物12の下部を門型フレーム5の梁5bの
両側面にボルト14で固定する。ここでは、H形鋼の梁
5bの両側面に補強リブ15および溝形鋼16を溶接で
取付け、この溝形鋼16に接合金物12の下部をボルト
14で固定している。
既存建築物の柱と梁で囲まれた開口部の内側に鋼製の門
型フレームを固定し、この門型フレーム内に鋼製の間柱
を1つまたは複数設け、間柱の下端は後施工アンカーや
樹脂接着剤等で床スラブに固定し、この間柱を上下に分
離して上部間柱と下部間柱から構成すると共に、この上
部間柱と下部間柱の分断位置を下端に近い位置とし、こ
の上部間柱と下部間柱とを制震要素により連結するよう
にしたため、次のような効果を奏する。 (1) 柱と梁に囲まれた開口部に制震要素を組み込んだ複
数の間柱が形成され、開口部の左右両側や中央部に、廊
下や部屋への出入り口等のための開口が容易に確保され
るため、従来の建物の使用勝手の低下を解消することが
できる。 (2) 地震により建築物自体が変形すると、同時に制震要
素も変形を受け、この制震要素は変形により振動エネル
ギーを吸収して制震効果を発揮し、補強構面の増設数が
少なくても既存の建築物の耐震性を向上させることがで
きるため、建物の使用勝手が向上すると共に、比較的安
価な既存建築物の補強構造を得ることができる。 (3) 鋼製の門型フレームを設けることにより、制震要素
による付加応力を直接梁に水平力として伝達するので、
既存の梁の補強が不要となり、あるいは既存の梁に耐力
上の余裕が無くても補強構面を構築することができる。
また、制震要素は下端に近い位置に設置することによっ
て間柱下端の曲げモーメントが小さくなるため、間柱を
床スラブに固定するための後施工アンカーや樹脂接着剤
等の設計が可能となり、かつ制震要素を一構面内に必要
量確保することができる。 (4) 梁下のみで工事ができるので、梁貫通等との干渉が
なく施工性が高い。 (5) 既存の梁の耐力に余裕がある場合には、何箇所かで
既存の梁と門型フレームを接合することで、制震要素の
エネルギー吸収効果を高めることができる。
実施形態を示す正面図である。
実施形態を示す正面図であり、(a) は左右両側に開口を
設けた場合、(b) は中央に開口を設けた例である。
合部を示す断面図であり、(a)は上端の接合部、(b) は
下端の接合部を示す。
の耐力に余裕がある場合の実施形態であり、(a) は正面
図、(b) は(a) のb−b線断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 既存建築物の柱と梁で囲まれた開口部の
内側に鋼製の門型フレームを固定し、この門型フレーム
内に鋼製の間柱を1つまたは複数設け、間柱の下端は床
スラブに固定し、この間柱を上下に分離して上部間柱と
下部間柱から構成すると共に、この上部間柱と下部間柱
の分断位置を下端に近い位置とし、この上部間柱と下部
間柱とを制震要素により連結して構成されていることを
特徴とする既存建築物の制震補強構造。 - 【請求項2】 既存の梁と門型フレームの梁とを接合金
物を介して部分的に接合して構成されていることを特徴
とする請求項1に記載の既存建築物の制震補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21761698A JP3371815B2 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 既存建築物の制震補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21761698A JP3371815B2 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 既存建築物の制震補強構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000045538A JP2000045538A (ja) | 2000-02-15 |
JP3371815B2 true JP3371815B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=16707094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21761698A Expired - Fee Related JP3371815B2 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 既存建築物の制震補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3371815B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104631647A (zh) * | 2015-01-19 | 2015-05-20 | 江苏沪宁钢机股份有限公司 | 高层减震阻尼装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5120592B2 (ja) * | 2006-10-13 | 2013-01-16 | 清水建設株式会社 | 耐震壁構造 |
KR101705318B1 (ko) * | 2016-05-23 | 2017-02-09 | 주식회사 유니크내진시스템 | 창호 개방 간주형 건축물 제진시스템 |
-
1998
- 1998-07-31 JP JP21761698A patent/JP3371815B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104631647A (zh) * | 2015-01-19 | 2015-05-20 | 江苏沪宁钢机股份有限公司 | 高层减震阻尼装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000045538A (ja) | 2000-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101894917B1 (ko) | 강철판 접합 철골프레임을 이용한 철근콘크리트 구조물의 내진보강 구조 | |
KR101880494B1 (ko) | 코어벽체의 내진 보강 구조 및 그 시공방법 | |
KR101348577B1 (ko) | 건물의 개구부에 설치된 수평보형 댐퍼를 이용한 내진보강방법 | |
KR20180010833A (ko) | 헌치를 이용한 철근콘크리트 보-기둥 내진 보강 접합부 | |
KR100798457B1 (ko) | 제진 구조물 | |
JP3667123B2 (ja) | 木造家屋の耐震補強構造 | |
JP3809536B2 (ja) | 既存鉄筋コンクリート造建物および鉄骨鉄筋コンクリート造建物における耐震壁構造 | |
JP3371815B2 (ja) | 既存建築物の制震補強構造 | |
JP3407237B2 (ja) | 鋼板ブロックを用いた耐震及び制振構造 | |
JP3371811B2 (ja) | 既存建築物の制震補強構造 | |
JP3456417B2 (ja) | 既存建築物の制震補強構造 | |
JPH02144435A (ja) | Rc造開口部の耐震補強構造 | |
JP6690150B2 (ja) | 板状集合住宅の柱梁構造 | |
JP2001248331A (ja) | 制震ダンパーの設置構造および設置方法 | |
JP5946165B2 (ja) | 耐震補強構造 | |
JPH1162265A (ja) | 既存建築物の耐震補強方法 | |
JP6293207B2 (ja) | 既存建物への間柱の設置構造 | |
JPH02128035A (ja) | Rc造躯体開口部の耐震補強方法 | |
JP3043938B2 (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造 | |
JPH02248577A (ja) | 既存rc造の鉄骨による耐震補強構造 | |
KR102300605B1 (ko) | 내진용 조적 칸막이벽 전도 방지 구조 | |
JP2020002631A (ja) | 柱梁接合構造 | |
JP2005179981A (ja) | 構造物の制震構造 | |
JP7361561B2 (ja) | ブレース取付構造、構造物およびブレース取付方法 | |
JP6448832B1 (ja) | 建物の耐震補強構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20021022 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141122 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |