JP3365543B2 - 紙幣入出金装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、銀行等の金融機関
に設置される顧客操作型の自動取引装置の一部を成す紙
幣入出金装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】金融機関の店舗のＣＳコーナー等に設置
される自動取引装置には、現金処理のための紙幣入出金
装置が組み込まれており、従来の紙幣入出金装置は一般
に次のような入金機能、出金機能、、補充機能、及び回
収機能を有している。まず、入金機能は、顧客が接客部
に投入した入金用の紙幣を１枚づつ分離して鑑別部に搬
送し、この鑑別部で真偽，金種，正損等の鑑別、及び搬
送異常の検知を行い、偽券と鑑別された紙幣や搬送異常
が検知された紙幣を接客部に戻して顧客に返却すると共
に、真券と鑑別された紙幣は所定の一時集積部に集積し
た後、その金額を顧客に表示して、入金金額を顧客に承
認させた上で、これらの紙幣を各入出金用収納庫に収納
する機能である。

【０００３】出金機能は、顧客が入力した金種、金額に
対応して各入出金用収納庫から紙幣を順次１枚づつ繰り
出して鑑別部に搬送し、この鑑別部で真偽，正損，金種
等の鑑別、及び搬送異常の検知を行い、偽券と鑑別され
た紙幣や搬送異常が検知された紙幣をリジェク用収納庫
に搬送して収納し、真剣と鑑別された紙幣を接客部に搬
送して集積すると共に、前記金種、金額の紙幣を集積し
終わった後、この集積紙幣を接客部から顧客に払い出す
機能である。

【０００４】また、補充機能は、出金対象となる各金種
の紙幣を混在させて収納した一括収納庫から紙幣を順次
１枚づつ繰り出して鑑別部に搬送し、この鑑別部で真
偽，正損，金種等の鑑別、及び搬送異常の検知を行った
後、偽券と鑑別された紙幣や搬送異常が検知された紙幣
をリジェクト用収納庫に搬送して収納し、真剣と鑑別さ
れた紙幣を金種に応じて入出金用収納庫に収納する機能
である。

【０００５】更に、回収機能は、各入出金用収納庫から
紙幣を順次１枚づつ繰り出して鑑別部に搬送し、この鑑
別部で真偽，正損，金種等の鑑別、及び搬送異常の検知
を行った後、偽券と鑑別された紙幣及び搬送異常が検知
された紙幣をリジェクト用収納庫に搬送して収納し、真
剣と鑑別された紙幣を一括収納庫に収納する機能であ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の紙幣入出金装置では、顧客から入金される紙幣
や一括収納庫から補充される紙幣は、真券であれば表裏
に係わらず入出金用収納庫に収納して出金用に用いられ
るので、紙幣の表裏を揃えて顧客に支払うようにしたい
というユーザーの要求に答えられないという問題があ
る。

【０００７】この問題を解決するための方策として、装
置内に表裏反転機構を追加して紙幣の表裏を揃えるよう
にすることが考えられるが、このような表裏反転機構を
追加すると装置が大形化すると共に、高価になるという
問題がある。従って、本発明は、表裏反転機構を設ける
ことなく、紙幣の表裏を揃えて顧客に出金することがで
きる紙幣入出金装置を実現することを課題としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そのため本発明は、紙幣
を収納する第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収納庫と、
前記第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収納庫に対して補
充する紙幣を収納する紙幣収納部を有すると共に、入金
紙幣及び回収紙幣を収納する回収部を有し、かつ該回収
部に回収した紙幣を前記紙幣収納部に積み替える積み替
え手段を設けた一括収納庫と、紙幣の金種，表裏等を鑑
別する鑑別部と、紙幣の投入及び紙幣の払い出しを行う
接客口と、前記接客口，前記鑑別部，前記第１の紙幣収
納庫，前記第２の紙幣収納庫，及び前記一括収納庫の間
で紙幣を搬送できるように配置され、かつ前記接客口及
び前記一括収納庫の紙幣収納部から繰り出された紙幣
が、前記鑑別部を経て前記一括収納庫の回収部に回収さ
れるまでの間に表裏を反転するように搬送ルートが形成
された搬送路とを備え、前記第１の紙幣収納庫及び第２
の紙幣収納庫に表または裏の一方の紙幣を収納し、前記
一括収納庫の回収部に表または裏の別の一方の紙幣を収
納することを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１は実施の形態による紙幣入出
金装置の内部構成を示す側面図である。図において１は
自動取引装置で、この自動取引装置１には紙幣入出金装
置２が内蔵されている。

【００１０】この紙幣入出金装置２の内部には、紙幣を
収納する入出金用収納庫（第１の紙幣収納庫）３、この
入出金用収納庫３より小型の入出金用収納庫（第２の紙
幣収納庫）４、紙幣の鑑別や搬送異常の検知等を行う鑑
別部５、顧客による紙幣の投入や顧客に対する紙幣の払
い出しを行う接客口６、複数金種の紙幣を混在して収納
することが可能でかつ入出金用収納庫３，４に対して紙
幣の補充または回収を行う一括収納庫（第３の紙幣収納
庫）７、リジェクト紙幣収納庫（第４の紙幣収納庫）８
がそれぞれ設けられている。

【００１１】ここで、入出金用収納庫３内にはステージ
３ａが上下動可能に設けられ、入出金用収納庫３内に収
納する紙幣はこのステージ３ａ上に積載されるものとな
っている。この入出金用収納庫３の上部には一時保留部
１０が設けられており、この一時保留部１０は、複数の
ローラ等から成る繰り出し集積手段１０ａと、この繰り
出し集積手段１０ａの下に開閉可能に備えられる図示し
ないシャッター等から構成され、シャッターを閉状態と
して繰り出し集積手段１０ａの動作によりこのシャッタ
ー上に紙幣を集積して一時保留させると共に、このシャ
ッター上に一時保留させた紙幣を繰り出し集積手段１０
ａにより繰り出す動作、シャッターを開いて該シャッタ
ー上の紙幣を入出金用収納庫３内に収納する動作、及び
シャッターを開状態として繰り出し集積手段１０ａによ
り入出金用収納庫３内のステージ３ａ上の紙幣を繰り出
す動作を行うものとなっている。

【００１２】また、入出金用収納庫４内にはステージ４
ａが上下動可能に設けられ、入出金用収納庫４内に収納
する紙幣はこのステージ４ａ上に積載されるものとなっ
ている。この入出金用収納庫４の上部には一時保留部１
１が設けられており、この一時保留部１１は、複数のロ
ーラ等から成る繰り出し集積手段１１ａと、この繰り出
し集積手段１１ａの下に開閉可能に備えられる図示しな
いシャッター等から構成され、シャッターを閉状態とし
て繰り出し集積手段１１ａの動作によりこのシャッター
上に紙幣を集積して一時保留させると共に、このシャッ
ター上に一時保留させた紙幣を繰り出し集積手段１１ａ
により繰り出す動作、シャッターを開いて該シャッター
上の紙幣を入出金用収納庫３内に収納する動作、及びシ
ャッターを開状態として繰り出し集積手段１１ａにより
入出金用収納庫３内のステージ４ａ上の紙幣を繰り出す
動作を行うものとなっている。

【００１３】一方、鑑別部５は紙幣の金種、真偽、正
損、表裏等の鑑別を行うと共に、紙幣の計数、紙幣の斜
行や重ね送り等の搬送異常の検知を行うもので、この鑑
別部５は双方向に搬送される紙幣のどちらでも鑑別、計
数、搬送異常の検知が可能となっている。一括収納庫７
の内部には、複数金種の紙幣を混在させて収納できる紙
幣収納部１５、回収する紙幣を収納する回収部１６、及
び紙幣補充の際に出金用紙幣として不適と鑑別された紙
幣が収納されるリジェクト紙幣収納部１７が上下方向に
３段に分けて設けられており、紙幣収納部１５の上部に
は紙幣の分離繰り出しを行う複数のローラーから成る繰
り出し手段１２が設けられ、回収部１６下部とリジェク
ト紙幣収納部１７に対応させてそれぞれ紙幣を取り入れ
て集積させる複数のローラーから成る集積手段１３，１
４が設けられている。

【００１４】また、紙幣収納部１５には紙幣を積載する
ステージ１５ａが上下動可能に設けられており、このス
テージ１５ａと図示しない積み替え手段との協動により
回収部１６に収納した紙幣を前記ステージ１５ａ上に積
み替えて再度補充や出金に用いることが可能となってい
る。更に、リジェクト紙幣収納庫８は、出金動作時に顧
客が取り忘れた紙幣を収納する取り忘れ紙幣収納部９ａ
と、出金動作時や回収動作時に鑑別部５により偽券と鑑
別された紙幣や搬送異常が検知された紙幣等を収納する
リジェクト紙幣収納部９ｂにより構成され、このリジェ
クト紙幣収納庫８と一括収納庫７はそれぞれ紙幣入出金
装置２に対して着脱可能になっている。

【００１５】１８はルートＡ〜Ｄから成る搬送路で、ロ
ーラ群やこのローラ群を介して駆動されるベルト群によ
り構成され、紙幣を挟持して双方向に搬送できるものと
なっている。この搬送路１８は前記接客口６、鑑別部
５、及び前記各手段１０ａ，１１ａ，及び１２〜１４を
結ぶように設けられており、そしてこの搬送路１８の各
分岐点には紙幣の搬送方向を切り替える切り替えブレー
ド１９ａ〜１９ｇがそれぞれ設けられている。

【００１６】２０は自動取引装置１の前面側上部に設け
られた顧客が操作を行う顧客操作部２０で、この顧客操
作部２０は例えばＣＲＴやＬＣＤ等の表示部と組み合わ
せたタッチパネル等で構成され、顧客が取引種別、取引
金額、暗証番号等の取引に必要な情報を入力できるよう
になっている。尚、自動取引装置１には、上記構成の他
に、図示しないが明細票印刷装置、カード処理装置、通
帳記帳機等が設けられており、そして紙幣入出金装置２
を含めてこれらの動作制御を行う制御部も設けられてい
て、この制御部により図示しないセンタとの通信も行わ
れるようになっている。

【００１７】次に、上述した構成による実施の形態の作
用について説明する。尚、以下の作用において切替えブ
レード１９ａ〜１９ｇの動作は図示しない制御部により
適宜に制御されるものとし、その説明は省略する。ま
ず、入金動作について説明すると、図２は入金取引時に
おける入金確定前の紙幣の流れを示す説明図で、紙幣が
搬送される経路を太い実線及び破線で示している。

【００１８】顧客が顧客操作部２０で入金取引を選択
し、接客口６の図示しないシャッターが開いた後、顧客
が入金用の紙幣を接客口６に投入すると、前記シャッタ
ーが閉じ、図示しない分離手段により接客口６から紙幣
が１枚ずつ搬送路１８に繰り出される。繰り出された紙
幣は搬送路１８によりルートＡを通って鑑別部５へ送ら
れ、この鑑別部５で金種、真偽、表裏等の鑑別が行われ
ると共に、紙幣の斜行や重ね送り等の搬送異常の検知が
行われる。

【００１９】鑑別の結果、偽券と鑑別された紙幣や搬送
異常が検知された紙幣は入金リジェクト紙幣として搬送
路１８のルートＢにより搬送され、繰り出し集積手段１
１ａにより一時保留部１１の図示しないシャッター上に
集積される。一方、前記鑑別部５で真券と鑑別された紙
幣は金種毎に計数され、搬送路１８のルートＢを経て繰
り出し集積手段１０ａにより一時保留部１０の図示しな
いシャッター上に集積される。

【００２０】顧客が接客口６に投入したすべての紙幣が
鑑別され、一時保留部１０または一時保留部１１に集積
された後、一時保留部１１に集積されている入金リジェ
クト紙幣は、繰り出し集積手段１１ａにより搬送路１８
に繰り出され、ルートＢ，Ａの順に搬送されて接客口６
へ送り戻された後、顧客に返却される。このリジェクト
紙幣を顧客が受け取ったことが確認されると一時保留部
１０に集積した紙幣の金額等を顧客操作部２０の表示部
に表示して顧客の確認を促し、ここで顧客が確認ボタン
を押下すことで入金が確定する。

【００２１】図３は入金確定後の紙幣の流れを示す説明
図である。この図に示したように、入金確定前に一時保
留部１０に集積される紙幣は、万券のみ、千券のみ、五
千券のみ、あるいは２金種以上の紙幣の混在、更には表
裏混在の場合があり得るので、この一時保留部１０に集
積されている紙幣は、その金種や混在状態に応じて入金
確定後、図４〜図８に示したようなルートで収納処理さ
れる。

【００２２】図４は一時保留部１０に集積されている紙
幣が万券のみで、かつ鑑別部５で表と鑑別された紙幣の
みの場合の収納動作を示す側面図であり、この場合、一
時保留部１０の図示しないシャッターが開き、これによ
り太い実線で示したように紙幣はそのまま入出金用収納
庫３内に落下し、ステージ３ａ上に紙幣の上に積み重ね
られる。

【００２３】図５は一時保留部１０に集積されている紙
幣が万券のみで、かつ表裏が混在している場合の収納動
作を示す側面図で、この場合、一時保留部１０に集積さ
れている紙幣は、同図（ａ）に太い実線で示したように
繰り出し集積手段１０ａにより搬送路１８に繰り出さ
れ、ルートＢ，Ａの順に搬送されて一旦接客口６へ送り
戻されて集積される。

【００２４】その後、紙幣は同図（ｂ）に太い実線で示
したように図示しない分離手段により接客口６から１枚
ずつ搬送路１８に繰り出され、繰り出された紙幣は搬送
路１８によりルートＡを通って鑑別部５へ送られ、表裏
等の再鑑別が行われる。その結果、表と鑑別された紙幣
はルートＢを通り、繰り出し集積手段１０ａにより再び
一時保留部１１の図示しないシャッター上に集積され
る。

【００２５】また、裏と鑑別された紙幣はルートＢを通
り、集積手段１３により一括収納庫７の回収部１６に集
積される。そして、接客口６の紙幣がすべて繰り出され
て、一時保留部１０に集積され、また、回収部１６に集
積された後、一時保留部１０の図示しないシャッターが
開き、これにより紙幣はそのまま入出金用収納庫３内に
落下し、ステージ３ａ上に紙幣の上に積み重ねられる。

【００２６】図６は一時保留部１０に集積されている紙
幣が千券のみの場合の収納動作を示す側面図で、この場
合、一時保留部１０に集積されている紙幣は、同図
（ａ）に太い実線で示したように繰り出し集積手段１０
ａによって搬送路１８に繰り出され、ルートＢ，Ａの順
に搬送されて一旦接客口６へ送り戻されて集積される。
その後、紙幣は同図（ｂ）に太い実線で示したように図
示しない分離手段により接客口６から１枚ずつ搬送路１
８に繰り出され、繰り出された紙幣は搬送路１８により
ルートＡを通って鑑別部５へ送られ、表裏等の再鑑別が
行われる。

【００２７】その結果、表と鑑別された紙幣はルートＢ
を通り、繰り出し集積手段１１ａにより一時保留部１１
の図示しないシャッター上に集積される。また、裏と鑑
別された紙幣はルートＢを通り、集積手段１３により一
括収納庫７の回収部１６に集積される。そして、接客口
６の紙幣がすべて繰り出されて、一時保留部１１に集積
され、また、回収部１６に集積された後、一時保留部１
１の図示しないシャッターが開き、これにより紙幣はそ
のまま入出金用収納庫４内に落下し、ステージ４ａ上に
紙幣の上に積み重ねられる。

【００２８】図７は一時保留部１０に集積されている紙
幣が五千券のみの場合の収納動作を示す側面図で、この
場合、一時保留部１０に集積されている紙幣は、太い実
線で示したように繰り出し集積手段１０ａにより搬送路
１８に繰り出され、ルートＢ，Ａ，Ｄ，Ｃの順に搬送さ
れてリジェクト紙幣収納部９ｂに送り込まれて収納され
る。

【００２９】図８は一時保留部１０に集積されている紙
幣が２金種以上混在している場合の収納動作を示す側面
図で、この場合、一時保留部１０に集積されている紙幣
は、同図（ａ）に太い実線で示したように繰り出し集積
手段１０ａにより搬送路１８に繰り出され、ルートＢ，
Ａの順に搬送されて一旦接客口６へ送り戻されて集積さ
れる。

【００３０】その後、紙幣は同図（ｂ）に太い実線で示
したように図示しない分離手段によって接客口６から１
枚ずつ搬送路１８に繰り出され、繰り出された紙幣は搬
送路１８によりルートＡを通って鑑別部５へ送られ、金
種，表裏等の再鑑別が行われる。その結果、表と鑑別さ
れた万券の紙幣はルートＢを通り、繰り出し集積手段１
０ａにより一時保留部１０の図示しないシャッター上に
集積される。

【００３１】また、表と鑑別された千券の紙幣はルート
Ｂを通り、繰り出し集積手段１１ａにより一時保留部１
１の図示しないシャッター上に集積される。裏と鑑別さ
れた万券及び千券の紙幣はルートＢを通り、集積手段１
３により一括収納庫７の回収部１６に集積される。更
に、五千券と鑑別された紙幣は、表裏に拘わらず、ルー
トＢ，Ｃの順に搬送され、リジェクト紙幣収納部９ｂに
送り込まれて収納される。

【００３２】そして、接客口６の紙幣がすべて繰り出さ
れて、一時保留部１０または一時保留部１１に集積さ
れ、また、回収部１６に集積された後、一時保留部１０
及び１１の図示しないシャッターが開き、これにより一
時保留部１０及び１１の紙幣はそのまま入出金用収納庫
３及び４内に落下し、ステージ３ａ及び４ａ上に紙幣の
上に積み重ねられる。

【００３３】以上の収納動作によって入出金用収納庫３
及び４には表と鑑別された紙幣のみが収納されるので、
出金取引においてこの入出金用収納庫３及び４から万券
の紙幣及び千券の紙幣を繰り出して接客口６から支払う
ことで、紙幣の表裏を揃えて出金することができる。ま
た、前記の収納動作により一括収納庫７の回収部１６に
集積された紙幣は、鑑別部５で裏と鑑別された万券と千
券の紙幣であるが、この裏の紙幣は搬送路１８の構成に
よって、回収部１６に表が上になった状態で集積され
る。

【００３４】つまり、接客口６において裏が上になった
状態で集積されている紙幣は、実質的にコの形を成す搬
送路１８のルートＡ，Ｂを通ることで表裏反転が行わ
れ、表が上になった状態で一括収納庫７の回収部１６に
集積されることになる。この回収部１６に集積された紙
幣は、その後、ステージ１５ａと図示しない積み替え手
段との協動により、ステージ１５ａ上に積み替えられ、
補充の際に利用される。

【００３５】従って、鑑別部５で裏と鑑別された紙幣で
も、表に反転して補充に用いることができるので、装置
内の紙幣の有効利用を図ることが可能になり、資金効率
の低下を防止することができる。図９は紙幣補充時の紙
幣の流れを示す説明図、図１０はこの紙幣補充時の収納
動作を示す側面図である。

【００３６】紙幣の補充は、一括収納庫７の紙幣収納部
１５から紙幣を繰り出して入出金用収納庫３及び４に収
納させる動作で、金融機関の業務開始時あるいは入出金
用収納庫３及び４内の紙幣が少なくなったときに行われ
る。入出金用収納庫３及び４内の紙幣の残量は、それぞ
れの収納庫３及び４にセンサーを設けて検知するか、ま
たは入出金の際に紙幣の枚数を図示しない制御部に管理
させることで認識することができる。

【００３７】いま、一括収納庫７の紙幣収納部１５に
は、万券と千券の紙幣が混在して収納されているものと
し、補充動作にあたっては、まずステージ１５ａを所定
の位置まで上昇させる。その後、このステージ１５ａ上
の紙幣が繰り出し手段１２により搬送路１８に１枚づつ
繰り出される。

【００３８】繰り出された紙幣はルートＤを通ってルー
トＡに搬送され、このルートＡにより鑑別部５に搬送さ
れて、この鑑別部５で金種、真偽、表裏等の鑑別が行わ
れると共に、紙幣の斜行や重ね送り等の搬送異常の検知
が行われる。その結果、偽券と鑑別された紙幣や搬送異
常が検知された紙幣は出金に適さない補充リジェクト紙
幣として搬送路１８のルートＢにより搬送され、集積手
段１４により一括収納庫のリジェクト紙幣収納部１７に
集積される。

【００３９】一方、前記鑑別部５で正常と鑑別され、か
つ表と鑑別された万券と千券の紙幣は金種毎に計数さ
れ、搬送路１８のルートＢを経て万券は繰り出し集積手
段１０ａにより一時保留部１０の図示しないシャッター
上に、千券は繰り出し集積手段１１ａにより一時保留部
１１の図示しないシャッター上にそれぞれ集積される。
また、前記鑑別部５で裏と鑑別された万券と千券の紙幣
は搬送路１８のルートＢを経て集積手段１３により一括
収納庫７の回収部１６に集積される。

【００４０】この回収部１６に集積された紙幣は、補充
終了後、前記の入金時と同様にステージ１５ａ上に積み
替えられる。一時保留部１０、１１のシャッター上に紙
幣が一定量集積されると、紙幣収納部１５からの紙幣の
繰り出しが一旦中止され、シャッターが開いて紙幣はそ
れぞれ入出金用収納庫３，４に収納される。

【００４１】その後、紙幣収納部１５からの紙幣の繰り
出しが再開され、前記と同様の動作を行い、これを繰り
返すことで入出金用収納庫３，４にそれぞれ所定量の紙
幣が補充される。このような補充は、入出金用収納庫
３，４に対して紙幣が少なくなった一方の収納庫のみに
行うことも可能であり、補充しない金種の紙幣は一括収
納庫７の回収部１６に集積して回収する。

【００４２】次に、別の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、例えば顧客に入金された万券と千券
の紙幣をそえれぞれ一時保留部１０，１１を介して表裏
混在のまま入出金用収納庫３，４に収納し、出金取引時
に、この入出金用収納庫３，４から一時保留部１０，１
１の繰り出し集積手段１０ａ，１１ａにより繰り出した
紙幣のうち、鑑別部５で表と鑑別された紙幣を搬送路１
８により接客口６に搬送して払い出し、裏と鑑別された
紙幣を搬送路１８により一括収納庫７の回収部６に搬送
して集積手段１３により収納するもので、このようにし
ても表裏を揃えて紙幣を払い出すことが可能である。

【００４３】尚、上述した実施の各形態では、運用形態
として入出金用収納庫３に万券を、また入出金用収納庫
４に千券を収納するものとしたが、本発明はこれに限ら
れるものではなく。例えば、入出金用収納庫３に千券
を、また入出金用収納庫４に万券を収納するようにして
もよく、また入出金用収納庫３と入出金用収納庫４に万
券または千券を収納して１金種で運用を行うようにして
もよい。

【００４４】また、入金取引時に顧客により接客口に投
入された紙幣のうち、五千円の紙幣を入金確定後、リジ
ェクト用収納庫８のリジェクト紙幣収納部９ａに収納す
るものとしたが、一括収納庫７のリジェクト紙幣収納部
１７に収納するようにしてもよい。

【００４５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、入金取
引時や紙幣補充時に鑑別部で表（または裏）と鑑別部さ
れた紙幣のみを入出金用の紙幣収納庫に収納して、出金
取引時にこの紙幣収納庫から紙幣を繰り出して接客口か
ら払い出すか、または入出金用の紙幣収納庫に表裏混在
で紙幣を収納して、出金取引時に紙幣収納庫から紙幣を
繰り出して鑑別部で表（または裏）と鑑別部された紙幣
のみを接客口から払い出すようにしているため、表裏反
転機構を用いることなく紙幣の表裏を揃えて出金するこ
とができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による紙幣入出金装置の実施の形態を示
す側面図である。

【図２】入金取引時における入金確定前の紙幣の流れを
示す側面図である。

【図３】入金取引時における入金確定後の紙幣の流れを
示す説明図である。

【図４】表の万券紙幣の収納動作を示す側面図である。

【図５】表裏混在の万券紙幣の収納動作を示す側面図で
ある。

【図６】千券紙幣の収納動作を示す側面図である。

【図７】五千券紙幣の収納動作を示す側面図である。

【図８】金種混在の紙幣の収納動作を示す側面図であ
る。

【図９】補充時の紙幣の流れを示す説明図である。

【図１０】補充紙幣の収納動作を示す側面図である。

【符号の説明】

３ 入出金用収納庫 ４ 入出金用収納庫 ５ 鑑別部 ６ 接客口 ７ 一括収納庫 ８ リジェクト用収納庫 ９ｂ リジェクト紙幣収納部 １０ 一時保留部 １１ 一時保留部 １５ 紙幣収納部 １６ 回収部 １７ リジェクト紙幣収納部 １８ 搬送路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 幸広 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 小川 泰久 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼村 一志 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−169476（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−61193（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−108990（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−88743（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−205693（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07D 9/00 416

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙幣を収納する第１の紙幣収納庫及び第
   ２の紙幣収納庫と、 前記第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収納庫に対して補
   充する紙幣を収納する紙幣収納部を有すると共に、入金
   紙幣及び回収紙幣を収納する回収部を有し、かつ該回収
   部に回収した紙幣を前記紙幣収納部に積み替える積み替
   え手段を設けた一括収納庫と、 紙幣の金種，表裏等を鑑別する鑑別部と、 紙幣の投入及び紙幣の払い出しを行う接客口と、 前記接客口，前記鑑別部，前記第１の紙幣収納庫，前記
   第２の紙幣収納庫，及び前記一括収納庫の間で紙幣を搬
   送できるように配置され、かつ前記接客口及び前記一括
   収納庫の紙幣収納部から繰り出された紙幣が、前記鑑別
   部を経て前記一括収納庫の回収部に回収されるまでの間
   に表裏を反転するように搬送ルートが形成された搬送路
   とを備え、 前記第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収納庫に表または
   裏の一方の紙幣を収納し、前記一括収納庫の回収部に表
   または裏の別の一方の紙幣を収納することを特徴とする
   紙幣入出金装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の紙幣入出金装置におい
   て、 入 金取引時に顧客が接客口に投入した紙幣を搬送路によ
   り鑑別部に搬送して、該鑑別部で真券と鑑別された紙幣
   を第１の紙幣収納庫の一時保留部に集積し、 この第１の紙幣収納庫の一時保留部に集積した紙幣がす
   べて万券でかつ表の場合は、顧客の承認を得た後、その
   まま第１の紙幣収納庫に収納し、 前記第１の紙幣収納庫の一時保留部に集積した紙幣がす
   べて万券でかつ表以外の場合は、顧客の承認を得た後、
   前記第１の紙幣収納庫の一時保留部の紙幣を搬送路によ
   り一度接客口に戻してから、前記搬送路により鑑別部へ
   搬送して再度金種，表裏の鑑別を行い、 その結果、表と鑑別された万券の紙幣は第１の紙幣収納
   庫の一時保留部を介して第１の紙幣収納庫に収納すると
   共に、表と鑑別された千券の紙幣は第２の紙幣収納庫の
   一時保留部を介して第２の紙幣収納庫に収納し、かつ裏
   と鑑別された万券と千券の紙幣は一括収納庫の回収部に
   回収することを特徴とする紙幣入出金装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の紙幣入出金装置におい
   て、 紙 幣補充時に一括収納庫の紙幣収納部から繰り出された
   紙幣を搬送路により鑑別部に搬送し、 該鑑別部で、表と鑑別された万券の紙幣は第１の紙幣収
   納庫の一時保留部を介して第１の紙幣収納庫に収納する
   と共に、表と鑑別された千券の紙幣は第２の紙幣収納庫
   の一時保留部を介して第２の紙幣収納庫に収納し、かつ
   裏と鑑別された万券と千券の紙幣は前記一括収納庫の回
   収部に回収することを特徴とする紙幣入出金装置。
4. 【請求項４】 紙幣を収納する第１の紙幣収納庫及び第
   ２の紙幣収納庫と、 前記第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収納庫に対して補
   充する紙幣を収納する紙幣収納部を有すると共に、入金
   紙幣及び回収紙幣を収納する回収部を有し、かつ該回収
   部に回収した紙幣を前記紙幣収納部に積み替える積み替
   え手段を設けた一括収納庫と、 紙幣の金種，表裏等を鑑別する鑑別部と、 紙幣の投入及び紙幣の払い出しを行う接客口と、 前記接客口，前記鑑別部，前記第１の紙幣収納庫，前記
   第２の紙幣収納庫，及び前記一括収納庫の間で紙幣を搬
   送できるように配置され、かつ前記接客口及び前記一括
   収納庫の紙幣収納部から繰り出された紙幣が、前記鑑別
   部を経て前記一括収納庫の回収部に回収されるまでの間
   に表裏を反転するように搬送ルートが形成された搬送路
   とを備え、 前記第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収納庫には表裏混
   在のまま紙幣を収納し、 出金取引時に、前記第１の紙幣収納庫及び第２の紙幣収
   納庫から繰り出した紙幣のうち、前記鑑別部で表または
   裏と鑑別された一方の紙幣を前記搬送路により前記接客
   口に搬送して払い出し、 前記表または裏と鑑別された別の一方の紙幣を前記搬送
   路により前記一括収納庫の回収部に搬送して収納するこ
   とを特徴とする紙幣入出金装置。
5. 【請求項５】 請求項１または請求項４記載の紙幣入出
   金装置において、 一括収納庫はリジェクト紙幣収納部を備え、 入金取引時に接客口に投入された紙幣のうち、五千円の
   紙幣を入金確定後、前記一括収納庫のリジェクト紙幣収
   納部に収納することを特徴とする紙幣入出金装置。
6. 【請求項６】 請求項１または請求項４記載の紙幣入出
   金装置において、 リジェクト紙幣収納庫を備え、 入金取引時に接客口に投入された紙幣のうち、五千円の
   紙幣を入金確定後、前記リジェクト紙幣収納庫に収納す
   ることを特徴とする紙幣入出金装置。