JP3361200B2 - 電子ビーム照射排ガス処理法及び装置 - Google Patents
電子ビーム照射排ガス処理法及び装置Info
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Description
および/または窒素酸化物(NOx)を含む排ガスにア
ンモニアを添加した上で電子ビームを照射し、当該ガス
から硫黄酸化物および/または窒素酸化物を除去する、
電子ビーム排ガス処理法及び装置に関する。
含む排ガスにアンモニアを添加した上で電子ビームを照
射し、ガス中の硫黄酸化物および/または窒素酸化物を
除去する電子ビーム排ガス処理法において、硫黄酸化物
の除去効率(以下、脱硫率)が低温度条件で高くなると
いう傾向にあるため、従来、水スプレー式の冷却塔でま
ず温度を下げた後、排ガスを反応器に導き、当該反応器
入口でアンモニアを添加して電子ビームを照射するとい
う方式が取られていた。また、反応器上流の冷却塔での
水スプレーに加えて、反応器入口でも水をスプレーする
ということも行われたが、その際、水とアンモニアガス
は別々に注入されてきた。
において、脱硫率はガス温度の影響を強く受け、高い脱
硫率を達成するためには反応器出口のガスの温度を露点
近くにまで下げる必要があり、その場合、スプレーした
水が完全に蒸発せず排水が発生したり、反応器下流ダク
トの表面で結露する等の問題が生じた。
アガスを添加した上で電子ビームを照射し、ガス中の硫
黄酸化物を除去する電子ビーム排ガス処理法において
は、副生品として硫安が生成するが、従来の方法では、
硫安とともに植物の育成に有害なスルファミン酸アンモ
ニウムが無視できない量を生成し、副生品を肥料として
使用するためには、そのスルファミン酸を除去しなけれ
ばならなかった。
比較的高い場合でも高い脱硫率が得られるようにすると
ともに、副生品中のスルファミン酸アンモニウムの濃度
を軽減することを目的とする。
に、本発明においては、最初にアンモニアガスを空気と
均一に混合し、次いで該ガス混合物と水を均質に気液混
合して反応器に噴霧注入する。
物の割合は、二流体ノズルの構造、気体の圧力および水
の圧力などにより、その割合は影響を受けるが、一般的
に使用可能な割合は、0.1〜20L/m3の範囲であ
る。0.1L/m3より小さい割合では、高い脱硫率が
達成されない傾向がありかつスルファミン酸アンモニウ
ムの発生を抑制する効果が減少する不利がある。他方、
20L/m3より大きいとスプレーした水が完全に蒸発
せず排水が発生したり、反応器下流ダクトの表面で結露
する傾向がある。
物および/または窒素酸化物を夫々硫安および/または
硝安に変化させるに必要な量であるが、要求脱硫率、要
求脱硝率、およびリークアンモニア濃度なども考慮して
決定される。これは下式により表わされる。
点以上、100℃以下の範囲に調整するに必要な量であ
る。電子ビーム排ガス処理法では、アンモニアガスを添
加した排ガスに電子ビームを照射し、SOxを硫安に、
NOxを硝安に変化させるが、その際次式に示す反応に
より熱が発生し、排ガス温度を上昇させる。
の濃度、その要求除去率より選定されるが、最終的に熱
に変わり、処理排ガスの温度を上昇させる。
どを処理する際には、ほとんどの場合に上記の条件を考
慮した水が必要になる。
的とする水滴の粒径、水および空気の圧力などにより決
定されるが、最終的に前記の水対ガス混合物の割合の
0.1〜20L/m3の範囲にある。
上で電子ビームを照射し、ガス中の硫黄酸化物を除去す
る電子ビーム排ガス処理法において、排ガスに含まれる
SO2およびSO3が式(1)および(2)に示す反応に
よって直接アンモニアと反応するか、それとも、SO2
が電子ビーム照射によって生成したO゜やOH゜などの
ラジカルによってSO3に酸化され、それが式(2)に
よってアンモニアと反応すると考えられており、いずれ
の反応も反応式の左辺にNH3およびH2Oがあることか
らもわかるようにアンモニア濃度、水分濃度が高いほど
進行しやすく、またガスの温度が低いほど進行しやす
い。
ーム照射によって生成したOH゜ラジカルおよびアンモ
ニアと式(3)によって反応することによって生成する
と考えられ、この反応は反応式の右辺にH2Oがあるこ
とからガス中の水分濃度が高いほど進行しにくい。
合物と水を混合した上で噴霧注入のため、噴霧によって
生じた微小アンモニア水滴表面では、水分の蒸発によっ
て温度が周囲のガスよりかなり低くなり、かつ湿度も飽
和状態に近くなっている。しかも、そこには同時にアン
モニアも揮発しており、式(1)あるいは(2)の反応
が著しく促進されるようになる。一方、式(3)の反応
は水分濃度が高いため阻害されるようになる。
い脱硫率が達成でき、しかも、スルファミン酸アンモニ
ウムの生成を抑えることができる。
水を混合して噴霧注入する場合、あらかじめ(アンモニ
ア+空気+水)の気液混合物を製造し、それを噴霧注入
する方法もあるが、その場合には、処理すべきガスの温
度および硫黄酸化物の濃度によって水およびアンモニア
の注入量を独立に変化させることは困難であり、また、
水溶液で貯蔵すると大規模な貯蔵設備が必要になるとい
う問題がある。それに対して、アンモニアを空気と混合
し、混合後のガスと水を二流体ノズルの気液混合室で混
合して噴霧注入するようにすれば、そのような問題は生
じない。
中の炭酸ガスと水およびアンモニアが反応し、混合配管
内で炭酸水素アンモニウムまたは炭酸アンモニウムが生
成し、配管を閉そくさせる原因となる。両成分はいずれ
も固化または吸湿により粘着性の高い液体となって配管
内に蓄積し、最終的に閉そく状態となる。本発明者等が
種々テストした結果、通常の空気を使用する場合は、ア
ンモニアと空気を混合した後、次いで該ガス混合物を水
と気液混合させる迄の配管温度を60℃以上に加熱する
ことにより、上記閉そくを防ぐことができる。このため
の熱源としては、スチーム、電気ヒーター等が利用でき
る。
空気とアンモニアガスの混合ガス圧)は、通常1〜10
kgf/cm2、好ましくは3〜5kgf/cm2であ
る。空気と混合する前のアンモニア供給配管は、内部の
アンモニアが外気温が低くても液化しないように、すな
わちガス状態を保つため、スチーム、電気ヒータ等によ
り加温することが望ましい。
ンモニアは、圧力が高いと温度が高くても液化しやすい
傾向にあるためである。
発明はこれに限定されるものではない。
モニアガスと空気の)ガス混合物と水を気液混合して反
応器に噴霧注入する電子ビーム照射排ガス処理方法の工
程概略図に従って実施した。
ppm、窒素酸化物を200ppm含む排ガス12,5
00m3N/hを空気予熱器2およびガスヒータ3で1
10℃まで冷却し、水スプレー式の冷却塔4で60℃ま
で冷却して反応器5に導く。一方、アンモニア供給設備
6から供給された0.92当量分のアンモニアガス(2
0m3N/h)を1000m3N/hの空気とラインミキ
サ7で混合し、その混合ガスと水を二流体ノズル8の気
液混合室で混合して反応器入口部で噴霧注入して、電子
加速器9から電子ビームを12kGy照射した。その
際、水の量を50kg/hrから200kg/hrまで
変えて反応器出口温度を変化させたところ、反応器出口
温度と脱硫率の関係は、図4の実線のようになった。ま
た、生成した副生品中のスルファミン酸アンモニウムの
濃度は0.05%となった。これは、生成した副生品を
肥料として使用する際には全く問題のない濃度である。
ら成る気液混合物を使用する代りに、図2に示すアンモ
ニアガス単独を用いる従来のアンモニア添加電子ビーム
照射排ガス処理方法の工程概略図に従って実施した。
ガスヒータ3を通った実施例1と同じ温度、濃度条件の
排ガスについて、水スプレー式の冷却塔4の噴霧水量を
変えることによって反応器5の出口温度を変化させ、ア
ンモニア供給設備6から供給されたアンモニア20m3
N/hは気体の状態で注入した。電子加速器7から電子
ビームを12kGy照射したところ、反応器出口温度と
脱硫率の関係は、図4の破線のようになった。また、そ
の際、生成したスルファミン酸アンモニウムの濃度は
2.0%となった。スルファミン酸アンモニウムがこの
程度含まれていると、副生品を肥料として直接使用する
には支障がある。
ンモニアガスと空気を混合した後、次いで該ガス混合物
を水と気液混合させる迄の配管温度を、60℃、70
℃、80℃、及び100℃に加熱し、各数週間運転した
結果、配管の閉そくは見られなかった。
配管の温度を40℃と常温(約20℃)としたことを除
いて、実施例2を繰り返したところ、共に数日後に該配
管が閉そくした。
の温度が比較的高い場合でも高い脱硫率が得られると共
に副生品中のスルファミン酸アンモニウムの濃度を軽減
することができる。
物と水を気液混合して反応器に噴霧注入する電子ビーム
照射排ガス処理方法の工程概略図を示す。
電子ビーム照射排ガス処理方法の工程概略図を示す。
す。Bは前記二流体ノズルのアダプターの一例を示す。
反応器出口温度と脱硫率との関係を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 硫黄酸化物(SOx)および/または窒
素酸化物(NOx)を含む排ガスにアンモニアを添加し
た上で電子ビームを照射し、当該ガスから硫黄酸化物お
よび/または窒素酸化物を除去する排ガス処理法におい
て、最初にアンモニアガスを空気と均一に混合し、次い
で該ガス混合物と水を均質に気液混合して反応器に噴霧
注入することを特徴とする電子ビーム照射排ガス処理方
法。 - 【請求項2】 水対(アンモニアガスと空気の)ガス混
合物の割合は0.1〜20L/m3の範囲内にあり、ガ
ス混合物中のアンモニアの量は排ガス中の硫黄酸化物お
よび/または窒素酸化物を夫々硫安および/または硝安
に変化させるに必要な量であり、水の量は反応器出口の
ガス温度を水の露点以上、100℃以下の範囲に調整す
るに必要な量である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 アンモニアガスと空気を混合した後、次
いで該ガス混合物を水と気液混合させる迄の配管温度を
60℃以上に保持する、請求項1また2に記載の方法。 - 【請求項4】 アンモニアガスと空気の均一ガス混合物
と水を均質に気液混合して反応器に噴霧注入させるよう
に、気液混合室を設けた二流体ノズルを備えたことを特
徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の方法を実施す
るための装置。
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