JP3360336B2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射装置Info
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- JP3360336B2 JP3360336B2 JP00341193A JP341193A JP3360336B2 JP 3360336 B2 JP3360336 B2 JP 3360336B2 JP 00341193 A JP00341193 A JP 00341193A JP 341193 A JP341193 A JP 341193A JP 3360336 B2 JP3360336 B2 JP 3360336B2
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Description
料噴射装置に係り、特に、その始動時において蓄圧室の
燃料圧を急速に高める様にしたものに関する。
クタを搭載したディーゼルエンジン車において、コモン
レール圧を制御するための可変吐出量高圧ポンプとし
て、例えば特開平2−146256号公報に記載される
もの等が知られていた。こうした可変吐出量高圧ポンプ
は、プランジャ室に嵌合されたプランジャが上昇する際
に、プランジャ室に取り付けられた外開式電磁弁を閉弁
し、プランジャ室の内圧を高めることによってコモンレ
ールとの間の逆止弁を開き、燃料油を圧送するというも
のであった。
エンジン始動時にはコモンレール圧が低下しているの
で、コモンレール圧を急速に高める工夫が必要とされて
いた。このため、従来は、図16に示すように、所定の
閉弁期間T1にわたって電磁弁を閉弁し、続いて短い開
弁期間T2だけ開弁する制御を繰り返す始動時制御が採
用されていた。
の各T1の期間にわたって燃料油を圧送することがで
き、そのための燃料の吸入は、プランジャが下降する間
の各T2の期間に行われることとなった。そして、この
始動時制御は、コモンレール圧が所定以上になるか、エ
ンジン回転数が所定以上になるまで続けられていた。
プランジャ上昇によって外開式電磁弁が自閉する圧力ま
でプランジャ室の内圧を上げることができる期間を考慮
して定めるのが望ましいが、始動時というのは過渡的で
あるためエンジンの状態が安定せず、エンジン個々の機
差や経年変化などもあることから、結局、図16の[電
磁弁作動]に示すように、プランジャ上昇中に開いてし
まう状態が発生し、この期間は燃料の圧送がなされない
こととなった。また、このプランジャ上昇中の開弁の発
生によって、それ以前に一旦上昇した[プランジャ室圧
力]が再び下がってしまうこともあり、点線で示した理
想的な場合に比べて、燃料の圧送量はそれほど多くはな
らなかった。
降中にプランジャ室内へ十分な量の燃料油を吸入できる
期間を考慮して定めるのが望ましいが、上述と同様に、
これを精度よく定めるのは困難で、期間が短すぎて燃料
油の吸入が不十分となる場合があった。この燃料油の吸
入が不十分であると、次にプランジャが上昇する際の燃
料油の圧送量を低下させることになった。
料圧送においても燃料吸入においても無駄・無理が生
じ、始動時におけるコモンレール圧の上昇をそれほど早
められないという問題があった。そこで、本発明は、上
述した様な無駄や無理を排除し、始動時においてより早
くコモンレール圧を上昇させることのできる燃料噴射装
置を提供することを目的とする。
成するためになされた請求項1記載の発明は、プランジ
ャ室に嵌合されたプランジャの移動に合わせて制御弁を
開閉することで、プランジャ室内の燃料を蓄圧室へ圧送
する燃料圧送手段と、該制御弁の動作タイミングを設定
するための、前記プランジャの下死点に相当する基準信
号を、内燃機関の気筒を判別する気筒判別センサおよび
内燃機関の回転数を検出する回転数センサの少なくとも
一方のセンサ値に基づいて、出力する基準信号出力手段
と、前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する圧力検出手段
と、該圧力検出手段による検出値を燃料噴射の目標圧力
と比較し、前記蓄圧室の燃料圧力を該目標圧力とする様
に、前記基準信号に基づいて前記制御弁の動作タイミン
グを設定し、前記燃料圧送手段を駆動制御するフィード
バック制御手段とを備え、前記蓄圧室に蓄えられた燃料
にて燃料噴射をする内燃機関の燃料噴射装置において、
内燃機関の始動時には、所定時間毎に前記制御弁による
開閉動作を繰り返して、前記プランジャ室に吸入された
燃料を前記蓄圧室に圧送する第1の始動時制御を行い、
これに続き、前記基準信号出力手段における前記基準信
号が出力されたことが検出された後は、前記基準信号出
力手段による基準信号から判明するプランジャの上昇中
にわたって前記制御弁を閉弁し、同じく判明する下降中
にわたって前記制御弁を開弁する第2の始動時制御を実
行することによって、前記蓄圧室の燃料圧を急速に高め
る始動時制御手段を備えることを特徴とする。
筒判別センサおよび回転数センサの少なくとも一方のセ
ンサ値に基づいてプランジャの下死点に相当する基準信
号が基準信号出力手段より出力されたことが検出された
後は、その基準信号から判明するプランジャの上昇中に
わたって制御弁を閉弁し、同じく判明する下降中にわた
って制御弁を開弁する第2の始動時制御を実行する。
ジャ上昇中は、ほぼずっと制御弁が閉じたままなので、
蓄圧室に対して最大限に燃料油を圧送することができ
る。また、プランジャ下降中は、ほぼずっと制御弁が開
いたままなので、プランジャ室内に十分に燃料油を吸入
することができる。即ち、蓄圧室への燃料油の圧送はプ
ランジャ上昇中のほぼ全期間にわたり、プランジャ室へ
の燃料油の吸入はプランジャ下降中のほぼ全期間にわた
り、それぞれ実行されることになる。
こうした基準信号が得られないのが普通であるため、上
記第2の始動時制御手段による始動制御が実行できない
間は、第2の始動時制御に先立って、(例えば特開平2
−146256号などと同様な)第1の始動時制御が実
施される。この第1の始動時制御にて、所定の開弁期間
と閉弁期間とを繰り返す様に前記制御弁を開閉制御する
ことにより、機関始動開始直後の極初期に専用の始動時
制御を行う様にする。こうすれば、基準信号が得られな
い極初期の時点から蓄圧室へ燃料圧送を開始することが
でき、機関始動の直後から蓄圧室へ燃料圧送を開始する
ことができる。
しく説明する。図1は可変吐出量高圧ポンプを備えるコ
モンレール式燃料噴射制御装置の構成説明図である。
は、6気筒のディーゼルエンジン2と、ディーゼルエン
ジン2の各気筒に燃料を噴射するインジェクタ3と、こ
のインジェクタ3に供給する高圧燃料を蓄圧するコモン
レール4と、コモンレール4に高圧燃料を圧送する可変
吐出量高圧ポンプ5と、これらを制御する電子制御装置
(ECU)6とを備える。
態、例えば回転数センサ7の検出値やアクセルセンサ8
の検出値等の運転条件を取り込み、ディーゼルエンジン
2の燃焼状態が最適となるような燃料噴射圧を実現する
ための目標コモンレール圧PFINを算出し、コモンレ
ール4に設けたコモンレール圧センサ9の検出値に基づ
いて実コモンレール圧PCを目標コモンレール圧PFI
Nに維持する様に可変吐出量高圧ポンプ5を駆動制御す
るコモンレール圧フィードバック制御を行う。
からの制御指令に従って、燃料タンク10に蓄えられた
燃料を低圧供給ポンプ11を経て吸入し、自身の内部に
て高圧に加圧し、この加圧された高圧燃料を供給配管1
2を介してコモンレール4に圧送する。
高圧燃料を蓄圧したコモンレール4と連結されている。
そして、各インジェクタ3に配設されたコントロール弁
14を開閉動作することで、このコモンレール4にて蓄
圧されて目標コモンレール圧PFINとなった高圧燃料
が、ディーゼルエンジン2の各気筒の燃焼室へ噴射され
る。
閉動作は、ECU6からのインジェクタ制御指令に基づ
いて実行される。このインジェクタ制御指令は燃料噴射
量や燃料噴射時期を調節するためのものであって、回転
数センサ(以下、Neセンサという)7やアクセルセン
サ8等の運転条件検出手段からの検出値に基づいて算出
され、気筒判別センサ(以下、Gセンサという)16や
アイドルスイッチ17等の検出値に基づいて、所定のタ
イミングでECU6から出力される。なお、可変吐出量
高圧ポンプ5に対する制御指令もGセンサ16やアイド
ルスイッチ17等からの検出値に基づいた所定のタイミ
ングで出力されている。
2,図3に基づいて説明する。可変吐出量高圧ポンプ5
は、ハウジング20と、その下端部に配設されたカム室
30と、ハウジング20内に配設されたポンプシリンダ
21と、ポンプシリンダ21に連通し、前記低圧供給ポ
ンプ11から低圧燃料の供給を受ける導入管22と、ポ
ンプシリンダ21の上端部に螺着された制御弁としての
電磁弁60とを備える。
23が液密を保って摺動自在に嵌挿されている。プラン
ジャ23は円柱形状をなし、その上端面はポンプシリン
ダ21の内周面と協同してポンプ室24を形成する。ポ
ンプシリンダ21には、コモンレール4への供給配管1
2が連結される吐出孔41が穿設されている。
0との間には燃料溜26が形成され、導入管22からハ
ウジング20内へ導入された低圧燃料はここへ溜る様に
なっている。なお、燃料溜26は、ポンプ室24から溢
流する燃料の逃がしとしても作用する。
45に連通している。ポンプ室24で加圧された燃料
は、この逆止弁42の弁体43を、リターンスプリング
44の付勢力やコモンレール圧に抗して押し開くこと
で、吐出口45から供給配管12を通り、コモンレール
4に圧送されるのである。
され、弁座35はプランジャスプリング27によりカム
ローラ33を備えたタペット34に押圧されている。カ
ム室30内には、ディーゼルエンジン2の回転速度の1
/2で回転するカム軸31が挿通され、カム軸31には
カムローラ33と接触するカム32が固定されている。
そして、カム軸31の回転によりプランジャ23は、カ
ムローラ33,タペット34を介してカム32のカムプ
ロフィルに沿って上下に往復動する。
23の下死点をカム角度0度とすると、このカム曲面を
凹曲面32cとすると共に、カムプロフィルでプランジ
ャ23の上死点となる頂部32dまでのカム角度を60
度とする略正三角形状のものである。
磁弁60は、ポンプ室24に開口する低圧通路61を開
閉する弁体62を備えている。弁体62は、いわゆる外
開弁である。従って、弁体62は、通常はスプリング6
5によりポンプ室24内へ開いた状態となって低圧通路
61を開口する状態にあり、通電されるとスプリング6
5の付勢力に抗して移動し、低圧通路61とポンプ室2
4とを遮断する状態になる。また、弁体62は、ポンプ
室24の内部の燃料圧力を閉弁方向の圧力として受ける
ことになるので、燃料圧力が高くなるほど閉弁時のシー
ル性が良くなる。
61は、ギャラリー63および通路64を介して燃料溜
26に連通している。一方、プランジャ23は、カム軸
31の回転に伴ってポンプシリンダ21内を上下動す
る。なお、プランジャ23の下降は、プランジャスプリ
ング27の復帰力によってなされる。
状態にある電磁弁60を介して、低圧燃料が燃料溜26
からポンプ室24へと吸入される。ポンプ室24へ吸入
された燃料はプランジャ23の上昇に伴って加圧傾向に
なるが、電磁弁60が通電されていない場合は、低圧通
路61,ギャラリー63および通路64を通って燃料溜
26に溢流し、ポンプ室24内の燃料の実質的な加圧は
行われない。
磁弁60に通電がなされると、弁体62が低圧通路61
を遮断するため、ポンプ室24内の燃料は溢流すること
ができなくなり、加圧され始める。そして、ポンプ室2
4内の燃料圧力が上昇して、逆止弁42のリターンスプ
リング44の付勢力及び弁体43に加わっているコモン
レール4の圧力に打ち勝つと、逆止弁42が押し開か
れ、高圧燃料が吐出孔41,吐出口45および供給配管
12を通ってコモンレール4へ圧送される。
タイミングギヤ36と、二つの可変吐出量高圧ポンプ5
(第1高圧ポンプ5a,第2高圧ポンプ5b)とが配設
されている。また、図2に示したものと同じ構成には、
それぞれ添字a,bを付してあるので、それら添字a,
bの付された構成の詳細な構造等は図2を参照された
い。
a〜37gが設けられている。そして、このタイミング
ギヤ36と近接対向して、電磁ピックアップからなるカ
ム角度センサ38が設けられている。これらタイミング
ギヤとカム角度センサ38とにより、上述したGセンサ
16が構成される。
の上死点位置に対応して等間隔に設けられている。より
具体的には、突起37aがエンジンの第1気筒の上死点
位置より45度CA前に対応し、以下、突起37bが第
5気筒の、突起37cが第3気筒の、突起37dが第6
気筒の、突起37eが第2気筒の、突起37fが第4気
筒の、各上死点より45度CA前のタイミングに対応し
て設けられている。これに対し、突起37gは他の突起
間隔と明確に差がある様に突起37aに近接して設けら
れている。従って、カム角度センサ38により検出され
るパルス信号の間隔が極端に短くなるタイミングが検出
できたら、そこから45度CAにて第1気筒の上死点が
訪れることになる。
プランジャ23aの下死点は、第1気筒,第3気筒,第
2気筒の上死点からエンジンクランク角にて30度CA
遅れたタイミングになっており、上死点は、第5気筒,
第6気筒,第4気筒の上死点からエンジンクランク角に
て30度CA遅れたタイミングになっている。また、他
方の可変吐出量高圧ポンプ5bのプランジャ23bは、
これとちょうど正反対のタイミングで上死点・下死点に
なる。
ルスという)とNeセンサ7の出力(15度CA毎に出
力され、以下、Neパルスという)とから各可変吐出量
高圧ポンプ5a,5bのプランジャ23a,23bの上
死点タイミングと下死点タイミングとを知ることができ
る。
ィードバック制御においては、このGパルス及びNeパ
ルスから検出されるプランジャ23の下死点タイミング
に基づいて電磁弁60の閉弁開始タイミングが与えられ
る。即ち、CPU6は、図4に示す様に、プランジャ2
3の下死点タイミングに相当するNeパルスを基準パル
スとして、期間TF(以下、出力待ち期間TFという)
だけ遅れて電磁弁駆動パルスを出力する。この駆動パル
スによって、電磁弁60への通電が開始され、電流の立
上がりの関係で期間TC(以下、閉弁遅れTCという)
だけ遅れて弁体62の閉弁が実行される。その後は、プ
ランジャ23の上昇に伴うポンプ室24の圧力上昇によ
って弁体62の閉弁状態が維持されるから、駆動パルス
は短い期間TONが経過するとオフにされ、消費電力の
節約がなされている。外開弁故の利点である。
ャ23が上死点に至るまでの期間がポンプ室24内の燃
料加圧期間となり、図示ハッチングの吐出面積に比例す
る量の燃料がコモンレール4へと圧送されることにな
る。従って、この図において、吐出面積が大きくなるよ
うに、駆動パルスの出力時期を早くすればより多くの燃
料がコモンレール4へ圧送され、逆に出力時期を遅くす
ればコモンレール4への燃料圧送量が減少する。つま
り、コモンレール4の圧力は、駆動パルスの出力時期
(出力待ち期間TF)によって調節することができるの
である。
ドバック制御するためのメインルーチンを説明する。E
CU6では、図5に示すように、Neパルスに基づいて
エンジン回転数Neを算出し(S1)、アクセルセンサ
8の検出値をA/D変換してアクセル開度Accpを求
める(S2)。
クセル開度Accpに基づいて、図6に示す様な目標燃
料噴射量算出マップを参照し、目標燃料噴射量QFIN
を算出する(S3)。そして、この目標燃料噴射量QF
INおよびエンジン回転数Neに基づいて、図7に示す
様な目標コモンレール圧算出マップを参照し、目標コモ
ンレール圧PFINを算出する(S4)。なお、各マッ
プはECU6の内蔵ROMに記憶されており、算出結果
QFIN,PFIN等は内蔵RAMに記憶される。
コモンレール圧が算出されると、これらに基づいて、イ
ンジェクタ14及び電磁弁60の駆動制御を実行する
(S5,S6)。この内、コモンレール圧制御ルーチン
では、図8に示すように、コモンレール圧制御条件を示
すモードフラグMFに何が設定されているかに応じて
(S11,S12,S13)、第1の始動時制御(S1
5)、第2の始動時制御(S16)、ノーマル制御(S
17)のいずれかに基づいてコモンレール圧の制御が実
行される。
始動時制御をすべき状態を意味し、モードフラグMF=
2は、第2の始動時制御をすべき状態を意味し、モード
フラグMF=3は、ノーマル制御をすべき状態を意味す
る。モードフラグMFには、これら1,2,3の外に、
「0」もセットされる。MF=0は、エンジン停止状態
からイグニッションキーをオンにした直後に設定され、
その直前にはエンジンが駆動されていなかったことを意
味する。以下、MF=0を停車モードという。
て設定されるかについて説明する。モードフラグ設定処
理は、図9,図10に示すフローに従って実行されてい
る。この制御処理は、イグニッションオンと同時に開始
される。イグニッションオン時には、各種フラグやタイ
マー等がリセットされる。
フラグMFに「0」、即ち停車モードが設定されている
か否かを判定する(S21)。エンジン始動直後はこの
停車モードになっているから、最初の判定ではS23に
移行し、Neパルス入力があるか否かを判定する。Ne
パルス入力がない場合には(S23:NO)、Gパルス
入力があるか否かを判定する(S25)。そして、S2
3,S25のいずれもがNOと判定された場合には、未
だエンジンはクランキグを開始していないと判断し、処
理を一旦抜ける。一方、Neパルス若しくはGパルスの
入力があると判定された場合には(S23:YES、又
はS25:YES)、モードフラグMFに「1」をセッ
トして処理を抜ける(S27)。
し、第1の始動時制御モードになると、今度はS21の
判定がNOとなるので、S31へ進んでモードフラグM
Fが「1」か否かを判定する。クランキング開始直後
は、MF=1であるからS33へ移行し、イグニッショ
ンオン時にリセットされたタイマーTが5秒経過を示し
ているか否かを判定する。5秒経過前であるならば、気
筒判別ができたか否か、具体的にはGセンサ16のGパ
ルス入力によって、第1気筒の上死点前45度CAに対
応する突起37aのパルスを判別できたか否かを判断す
る(S35)。そして、気筒判別ができている場合には
(S35:YES)、モードフラグMFに「2」をセッ
トして処理を抜ける(S37)。一方、S33にて5秒
経過していると判定された場合には、モードフラグM
F,タイマーT等を初期化して処理を抜ける(S3
9)。また、5秒経過前であっても、気筒判別ができて
いない場合には(S35:NO)、モードフラグMF=
1のままで処理を抜ける。
ているのは、第1始動時制御があまりにも長く続くの
は、センサによる検出状態などに何等かの異常があると
考えられ、本ルーチンの処理を最初からやり直すためで
ある。こうして、クランキング直後から第1の始動時制
御をすべき旨(MF=1)が設定されると共に、気筒判
別が可能となった時点にて第2の始動時制御に移行すべ
き旨(MF=2)の設定がなされる。従って、本ルーチ
ンでは、いずれS31がNOとなり、S41以下の処理
が実行される。
セットされているか否かを判定する。そして、YESと
判定されたら、エンジンストールが起こっているかを確
認する(S43)。この確認では、一定時間以上Neパ
ルスが入力されないときにYESと判定される。そし
て、エンジンストールが起こっていないならば(S4
3:NO)、エンジン回転数Neが200rpm以上か
否かを判定する(S45)。Ne<200rpmの場合
には、さらに実コモンレール圧PCが25MPa以上か
否かを判定する(S47)。S45,S47のいずれか
がYESとなった場合には、さらに気筒判別が可能とな
っているか否かを判定する(S49)。そして、気筒判
別可能ならば(S49:YES)、いよいよモードフラ
グMFを「3」にセットする(S51)。この後、初め
てノーマル制御としてのフィードバック制御が開始され
ることになる。
ル圧PCに関して判定をしているのは、クランキング及
びそれに続く過渡状態が完了したか否か、過渡状態が完
了していないとしても十分にコモンレール圧が高まった
か否かを確認してからノーマル制御に移行するためであ
る。また、S49でも気筒判別が可能か否かを判定する
のは、気筒判別ができていない状態ではノーマル制御が
正常に行えないので、この様な状態にありながらノーマ
ル制御に移行することのないようにという用心のためで
ある。
には第1の始動時制御が、その次に第2の始動時制御
が、そして最後にノーマル制御が選ばれていく。次に、
第1の始動時制御(図8のS15)の内容について説明
する。この制御は、図11に示すサブルーチンに従って
実行される。
なったか否かを判定する(S61)。このタイマーT1
は、初めてこのサブルーチンが実行される際に「0」に
初期化されている。そして、T1<32.8msecの
内は、第1高圧ポンプ5a側の電磁弁60aを閉弁し、
第2高圧ポンプ5b側の電磁弁60bを開弁した状態
(PCV#1:ON,PCV#2:OFF)を維持する
(S63)。一方、T1≧32.8msecになったら
(S61:NO)、タイマーT1が65.6msecに
なったか否かを判定する(S65)。そして、32.8
msec<T1<65.6msecである間は(S6
5:YES)、S63とは逆に、第1高圧ポンプ5a側
の電磁弁60aを開弁し、第2高圧ポンプ5b側の電磁
弁60bを閉弁した状態(PCV#1:OFF,PCV
#2:ON)を維持する(S67)。そして、T1≧6
5.6msecになったら(S61,S65共にN
O)、タイマーT1をリセットする(S69)。
ぞれ32.8msec毎に閉弁・開弁を繰り返す状態と
なる。従って、プランジャ23の上昇と電磁弁60の閉
弁とが重なっている期間には燃料油の圧送がなされ、プ
ランジャ23の下降と電磁弁60の開弁とが重なってい
る期間にはプランジャ室への燃料油の吸入がなされる。
そして、これら開弁期間と閉弁期間とが丁度半々になっ
ているから、この制御が実施されている間は、何等同期
をとることなく、プランジャ23の上昇行程の半分では
燃料油の圧送ができ、プランジャ23の下降行程の半分
ではプランジャ室への燃料油の吸入ができることにな
る。
内容について説明する。この制御は、図12に示すサブ
ルーチンに従って実行される。そして、丁度、図13の
タイミングチャートで示す様に制御がなされる。まず、
最初のステップでは、NeパルスNo.4の入力があっ
たか否かを判定する(S71)。Neパルスは、図13
に示すように、クランク角15度CA毎に発生するパル
ス信号であって、Neセンサ7におけるクランク角検出
用のパルサの形状により、基準位置No.0と、各位置
No.1,No.2,…とが区別できるようになってい
る。そして、この基準位置No.0は、Gセンサ16の
各気筒に対応した突起37a〜37fに対して相対的に
15度CA遅れて現れる様に構成されている。従って、
NeパルスNo.4が入力されたということは、Gセン
サ入力があってから75度CAだけ回転した状態を意味
する。そして、これは、丁度、各高圧ポンプにおけるプ
ランジャ23a,23bの上死点又は下死点に対応する
タイミングを意味する。
(S71:YES)、現在のGセンサ入力から判別され
ている気筒が第1,第2又は第3のいずれかの気筒であ
るか否かを判定する(S73)。そして、これら第1,
第2又は第3のいずれかの気筒が判別されていると判定
された場合には(S73:YES)、第1高圧ポンプ5
a側の電磁弁60aを閉弁し、第2高圧ポンプ5b側の
電磁弁60bを開弁した状態(PCV#1:ON,PC
V#2:OFF)を維持する(S75)。一方、これら
以外の気筒が判別されている場合には(S73:N
O)、S75とは逆に、第1高圧ポンプ5a側の電磁弁
60aを開弁し、第2高圧ポンプ5b側の電磁弁60b
を閉弁した状態(PCV#1:OFF,PCV#2:O
N)を維持する(S77)。
いては、図14に示す手順で処理が実行される。この処
理は、ディーゼルエンジン2の各気筒の圧縮行程に同期
した割り込み処理として実行され、まず、この目標コモ
ンレール圧PFINの取り込みと、目標燃料噴射量QF
INの取り込みとが実行される(S81,S83)。
Nおよび目標燃料噴射量QFINに基づいて、図15に
示す様な駆動パルス出力待ち期間算出マップを参照し、
駆動パルス出力待ち期間の基準値(基準出力待ち期間)
TFBASEを算出する(S85)。
をA/D変換して実コモンレール圧PCを算出する(S
87)。そして、実コモンレール圧PCと目標コモンレ
ール圧PFINとを比較して、圧力差ΔP=PC−PF
INに応じて基準出力待ち期間TFBASEに対する補正量
TFFBを算出する(S89)。この補正量TFFBの算出
に当たっては、一般によく知られたPID制御の手法が
用いられる。
量TFFBの和から、電磁弁駆動時の遅延時間TCを減算
して、制御用の出力待ち期間TFが算出される(S9
1)。遅延時間TCを減算するのは、電磁弁駆動タイミ
ングを目標タイミングに合わせるためである。
って、各電磁弁60a,60b,…が制御され、コモン
レール4内の圧力は、エンジン回転数Neやアクセル開
度Accpといった運転条件に応じた燃料噴射を行うに
適する目標コモンレール圧PFINに維持される。
レール圧が低下し、目標コモンレール圧にするのに通常
のフィードバック制御が不可能な状体あるいは間に合わ
ない様な状態において、本実施例によれば、第1,第2
の始動時制御を実行する様に構成されているので、速や
かにコモンレール圧を高めることができる。
に第2の始動時制御に移行させることによって、可変吐
出量高圧ポンプ5の能力を最大限に発揮させて燃料油を
吸入・圧送することができ、特開平2−146256号
の様に、第1の始動時制御だけしか行わないものに比べ
て一層速やかにコモンレール圧を昇圧することができ
る。
の始動時制御をも併用したので、クランキング開始直後
の様に気筒判別ができない状態から始動時制御を行うこ
とができ、コモンレール圧の上昇を一層速やかにするこ
とができる。以上本発明の一実施例を説明したが、本発
明はこれに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内の
種々なる態様を採用することができることはもちろんで
ある。
2の始動時制御だけを行う構成であっても構わない。ま
た、第1の始動時制御において、実施例では開弁期間と
閉弁期間をいずれも32.8msecにとったが、特開
平2−146256号と同様に、クランキング初期のク
ランク軸回転数において外開式の電磁弁が自閉できるま
での期間に対応させて閉弁期間を設定し、当該クランク
軸回転数においてプランジャ室へ十分に燃料油を吸入で
きる期間に対応させて開弁期間を設定しておいても構わ
ない。
燃料噴射装置によれば、内燃機関の始動時において、高
圧ポンプ自身の能力を最大限に発揮させ、無駄・無理な
しに、より早くコモンレール圧を上昇させることができ
る。従って、蓄圧式内燃機関の始動性を大幅に向上する
ことができる。
ある。
式図である。
ミングチャートである。
コモンレール圧算出のためのメインルーチンのフローチ
ャートである。
トである。
定ルーチンのフローチャートである。
設定ルーチンのフローチャートである。
制御ルーチンのフローチャートである。
制御ルーチンのフローチャートである。
高圧ポンプの電磁弁開閉制御状態との関係を示すタイミ
ングチャートである。
ルーチンのフローチャートである。
ャートである。
ィーゼルエンジン、3・・・インジェクタ、4・・・コ
モンレール、5・・・可変吐出量高圧ポンプ、6・・・
電子制御装置(ECU)、7・・・回転数センサ、8・
・・アクセルセンサ、9・・・コモンレール圧センサ、
10・・・燃料タンク、11・・・低圧供給ポンプ、1
2・・・供給配管、13・・・配管、14・・・コント
ロール弁、16・・・気筒判別センサ、23・・・プラ
ンジャ、24・・・ポンプ室、26・・・燃料溜、32
・・・カム、38・・・カム角度センサ、42・・・逆
止弁、45・・・吐出口、60・・・電磁弁、61・・
・低圧通路、62・・・弁体。
Claims (1)
- 【請求項1】 プランジャ室に嵌合されたプランジャの
移動に合わせて制御弁を開閉することで、プランジャ室
内の燃料を蓄圧室へ圧送する燃料圧送手段と、 該制御弁の動作タイミングを設定するための、前記プラ
ンジャの下死点に相当する基準信号を、内燃機関の気筒
を判別する気筒判別センサおよび内燃機関の回転数を検
出する回転数センサの少なくとも一方のセンサ値に基づ
いて、出力する基準信号出力手段と、 前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する圧力検出手段と、 該圧力検出手段による検出値を燃料噴射の目標圧力と比
較し、前記蓄圧室の燃料圧力を該目標圧力とする様に、
前記基準信号に基づいて前記制御弁の動作タイミングを
設定し、前記燃料圧送手段を駆動制御するフィードバッ
ク制御手段とを備え、前記蓄圧室に蓄えられた燃料にて
燃料噴射をする内燃機関の燃料噴射装置において、 内燃機関の始動時には、所定時間毎に前記制御弁による
開閉動作を繰り返して、前記プランジャ室に吸入された
燃料を前記蓄圧室に圧送する第1の始動時制御を行い、
これに続き、前記基準信号出力手段における前記基準信
号が出力されたことが検出された後は、前記基準信号出
力手段による基準信号から判明するプランジャの上昇中
にわたって前記制御弁を閉弁し、同じく判明する下降中
にわたって前記制御弁を開弁する第2の始動時制御を実
行することによって、前記蓄圧室の燃料圧を急速に高め
る始動時制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の
燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00341193A JP3360336B2 (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00341193A JP3360336B2 (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207548A JPH06207548A (ja) | 1994-07-26 |
JP3360336B2 true JP3360336B2 (ja) | 2002-12-24 |
Family
ID=11556643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00341193A Expired - Lifetime JP3360336B2 (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3360336B2 (ja) |
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-
1993
- 1993-01-12 JP JP00341193A patent/JP3360336B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH06207548A (ja) | 1994-07-26 |
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