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JP3237848B2 - 試験要素の作製方法 - Google Patents

試験要素の作製方法

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JP3237848B2
JP3237848B2 JP50747094A JP50747094A JP3237848B2 JP 3237848 B2 JP3237848 B2 JP 3237848B2 JP 50747094 A JP50747094 A JP 50747094A JP 50747094 A JP50747094 A JP 50747094A JP 3237848 B2 JP3237848 B2 JP 3237848B2
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test
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carrier
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JP50747094A
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ジェイ. レデン,デイヴィッド
アール. ムールマン,デイヴィッド
ジェイ. キンチ,マイケル
バック,ハーヴェイ,ビー.
Original Assignee
ロシュ ダイアグノスティックス コーポレーション
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals

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  • Biomedical Technology (AREA)
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  • Biotechnology (AREA)
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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
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  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は臨床診断の分野に関する。より詳しくは、本
発明は乾式化学(dry chemistry)に基づく分析装置、
それらの製造方法、および使用に関する。
背景および先行技術 臨床診断は、一般に、個人の健康または全般的状態に
関連する種々の物質の確認および測定に関するものであ
る。医師、ヘルスケアワーカーおよび一般大衆は、血
液、尿等の体液中の種々の物質の存在およびレベルに関
心を持っている。臨床分析で長い間測定されてきた物質
には、グルコース、コレステロール、およびアミラー
ゼ、クレアチンキナーゼ等の酵素があげられる。より最
近になって、妊娠、血液障害[「クウイック(Quick'
s)」試験、部分トロンブラスチン時間(Partial throm
blastin time)すなわち「Ptt」試験、等]あるいは感
染に関する測定もまた臨床診断における日常的なものと
なった。この分野における最も焦眉の問題は、例えば後
天性免疫不全症候群(AIDS)またはエイズ関連症候群
(ARC)のマーカーとしてのヒト免疫不全ウイルス(HI
V)に対する抗体の測定である。しかし、このウィルス
に対する新しい試験がこの分野におけるこれまでの進歩
の広く深い基礎に基づいて考案されている。
この分野を「湿式化学(wet chemistry)」および
「乾式化学(dry chemistry)」に分割することは過度
の単純化であるが、それでも本発明を適切な状況に置く
のに役立つ。前者は反応が完全に液体状態で起こる方法
論に関する。このような化学のよい例は、αアミラーゼ
アッセイを記述した米国特許第4,818,692号である。こ
の参照文献を読むと、試薬が液体試料に加えられ、もし
興味のあるアナライト(アミラーゼ)が存在すると、試
薬はそれと反応し、色を呈することが分かる。この色の
発現と強度が、アナライトの存在と量の測定としてモニ
ターされる(以後ここで使用される「アナライト(anal
yte)」という語は、いかなる状況下であれ、測定され
るべき物質を言う)。対照的に、「乾式化学」は、考慮
されているアナライトの測定に関与する試薬のいくつか
または全部を、紙片のような固体材料の上に置くことを
含む。試料は固体材料と接触させられ、問題のアナライ
トの検出に必要な反応のいくつかまたは全部がin situ
で起こる。その固体材料上にない試薬を必要とするさら
なる反応が要求される場合は、第一の反応が起こった後
でそれらの試薬を加えることができる。本発明は乾式化
学に関するものであり、したがって湿式化学については
以後考察しない。
先行技術は、臨床分析に使用される乾式化学装置の多
数の異なる例で満されている。この分野の特許のいくつ
かの例には、Liottaの米国特許第4,446,232号、Deutsch
らの米国特許第4,361,537号、およびFriesenらの米国特
許第4,861,711号が含まれる。
Liottaは、免疫診断に有用な、領域に分けられた試験
片の非常に単純な例を教示する。紙片のような支持体
が、その中に配置された酵素結合抗体、および酵素標識
と反応可能な試薬を有する。アナライト(これに対して
抗体は特異的である)が紙片と接触すると、抗体はアナ
ライトと結合して、基質試薬が存在する紙片上の箇所へ
拡散する。そこで酵素−基質相互作用が起こり、発色反
応が生じ、試料中のアナライトの存在を指示する。
もしアナライトが存在しない場合は、結合物は「固
相」領域に固定され、酵素と基質の相互作用を妨げる。
Deutsch特許は、本質的には蓋をした試験管であるも
のの内部に収められた試験片を教示する。試験片は、そ
の縦方向に沿って位置する種々の試薬を有する。試験片
の一端に液体を導入すると、それは毛細作用によって試
験片を上昇し、それに沿って種々の反応が起こる。
Friesenらは、異なる形の免疫学的反応、例えば競合
的およびサンドイッチイムノアッセイが起こり得る、い
くつかの領域に分かれた装置を教示する。
これらの3つの特許は、繊維性材料(例えば紙)に基
づく試験片の、種々の形態の診断における一般的効果を
示す。他の多くの特許が同様な教示を示し、そこには米
国特許第3,888,629号(Bagshawe)、第4,366,241号(To
mら)、第4,517,288号(Giegelら)、第4,668,619号(G
reenquistら),第4,708,932号(Axenら)、第4,774,17
4号(Giegelら)、第4,786,606号(Giegelら)、第4,82
4,640号(Hildebrandら)、および第4,855,240号(Rose
nsteinら)が含まれる。これらの特許はすべて、臨床分
析への固体試験片の一般的な適用可能性を示している。
例えば、Tomらは、ここに参照として組み入れる第19〜2
6欄で、乾式化学を用いてアッセイが可能な種々のアナ
ライトのいくつかのリストを挙げている。乾式化学はま
た、特定のアナライト、例えばコレステロール(Goodhu
eらの米国特許第3,983,005号)、ヒト絨毛膜ゴナドトロ
ピン(Katzらの米国特許第4,496,654号)、ヘモグロビ
ン(Guadagnoの米国特許第4,742,002号)および血液型
抗原(Hewettの米国特許第4,851,210号)等の分析と関
連して教示されている。
上記のタイプの分析試験片は普及しているが、それら
に問題がないわけではない。紙等の吸水性材料で作られ
た試験片は、例えば、使用した材料の質および特性の点
で大幅な変動を受ける。さらに、抗体のような試薬の試
験片への含浸または配置は、試薬の分解をもたらす工程
を必要とする場合がある。例えば、タンパク質試薬が液
体形態で試験片に適用される場合、それは当然乾燥され
なければならない。しかし、乾燥には熱を要するであろ
うし、熱はタンパク質の最も周知の不活性化剤の一つで
ある。さらに、紙等の吸水性材料に固有の吸収性のため
に、試薬をあらかじめ定められた、処方通りの、または
好ましい方法で組み入れようとすると、試験片上で起こ
り得る試薬の分散を制御することは、よしんば不可能で
はないにしても、困難である。品質管理の極めて厳しい
基準を用いても、例えば紙の毛細管作用は試験片ごとに
変わり得るばかりでなく単一試験片中でも変わり得るの
で、試験片の調製は常にリスクを伴なう。さらに、繊維
性材料は不活性ではない。アナライトのアッセイを行な
う際、ある量のアナライトが反応物(例えば試験片上に
配置された抗体)ではなく、試験片の繊維に付着するこ
とがよく起こる。その結果、特定の試験片を解釈するこ
とが非常に難しくなることがある。
上記の問題、およびここに繰り返し述べることはしな
いが当技術分野で周知のその他の問題に鑑み、別の材料
を使おうとする試みがなされた。別の繊維性、ゲルまた
はフィルム材料が支持体として使用されたが、これらは
ここに記述された理由の多くにより、総じて満足できる
ものではない。それゆえ、「不活性な」材料で作られた
ビーズまたは球体等の粒状物を含む他の材料が注目され
た。ここで使用する「不活性な」という語は、単にその
材料が考慮されている臨床的使用に関連した反応に干渉
しないことを意味する。臨床および免疫学的アッセイに
おける不活性粒子の使用に関する特許が多数あると言え
ば、それは事実の控え目な表現である。この領域におけ
るいくつかの米国特許を挙げると、第4,794,090号(Par
hamら)、第4,740,468号(Wengら)、第4,680,274号(S
akaiら)、第4,657,739号(Yasudaら)、第4,478,946号
(VanderMerweら)、第4,438,239号(Rembeumら)、第
4,340,564号(Harteら)、第4,338,094号(Elahi)、第
4,201,763号(Monthonyら)、第4,166,102号(Johnso
n)、および第4,059,658号(Johnson)がある。しか
し、「活性な」または「負荷させた」粒子の使用に関す
る文献の圧倒的多数は、本発明には全く関係がない。一
般的に、粒状材料は上に記述した方向に沿って凝集アッ
セイ等の湿式化学系に使用される。受容体を持つ粒子
(粒子に結合した抗体等)を含有する溶液を、分析すべ
き試料に加える。もし問題がアナライトが試料中に存在
するならば、アナライトは粒子に結合している受容体と
結合する。この結合の結果、粒子は多数の異なる理由の
うち何らかの理由により凝集する。粒子技術のこのよう
な使用は本発明とは関係がない。
微粒子は、分析装置の作製に用いるとき利点と欠点の
両方を呈する。利点には、均一サイズが含まれる。ま
た、微粒子は試料の量を増やす必要なしに、反応が起こ
り得る表面積を増加させる。その結果、反応速度が増加
し得る。欠点としては、ビーズの望ましくない、制御不
能な凝集の可能性が含まれる。また、非特異的結合は誤
った反応に帰着する可能性がある。粒子が繊維性材料に
配置されると、それらは動く可能性があり、その結果
「ブラーリング(blurring)」効果によって試験結果を
混乱させる。
本発明に幾分ながらより関係があるのは、例えば受容
体を担持する粒状物が試験片等の支持体に含有される装
置である。Wengら、およびYasudaらの特許はこのような
システムのよい例である。しかし、ビーズ等の粒子を多
孔性支持体において使用することの問題点は、粒子を放
っておくと、絨毯の上を転がるボールまたはビー玉のよ
うに、繊維性マトリックスの中で動く可能性があること
である。この動く傾向は、流動性物質、例えば液体など
がマトリックスに加えられたとき、一層悪化する。する
と粒子は装置全体にわたって動き回り、動いている溶液
の前面では粒子は装置から出てゆき、試験片を役に立た
なくする。
臨床診断への別のアプローチは、繊維性材料を全く使
用しないか、または繊維を別の層に使用することによっ
て上記の問題を避けようと試みている。このような試み
は、例えばPierceの米国特許第4,258,001号によって例
示される。この特許は、2層システムを教示しており、
その1つの層は接着剤によってひとまとめに結合された
粒子から成る構造体である。この特許は、いわゆる「相
互作用性の組成物」、例えば抗原または抗体を場合によ
り含有する粒子を記述している。この層は、支持体の上
に位置している。アナライトを含有する液体は多孔性粒
子層を通過し、アナライトは相互作用性組成物と反応す
る。
しかし、Pierceが記述する方向に沿ったシステムは、
それ自身の問題を持たないわけではない。接着剤はその
性質上粘着性である。乾燥させても、ある量の「粘性」
は存在し、少量であっても試料アナライトに関してそれ
は問題にならない量ではないかもしれない。その結果、
「相互作用性の組成物」ではなく、接着剤への誤った係
合が起こりうる。さらに、接着したビーズの均一な整列
(array)を作製するにはある困難が伴う。なぜなら、
ビーズの分布は均一でないかもしれず、また接着剤の乾
燥は整列の厚さ等のパラメーターによって異なる速度で
起こるかもしれないからである。
最近、先行技術はこの問題に関するいくつかのアプロ
ーチを予見した。Browon,IIIらの米国特許第4,916,056
号は、適切な繊維性マトリックスおよび特定サイズの粒
子を選択することによって、後者(粒子)を前者(繊維
性マトリックス)に固定することができると示唆してい
る。第8欄、60〜65行目で発明者らは、この理由は不明
であると認めており、その開示を全体的に検討しても、
粒子に適用されるいかなる処置についても情報は得られ
ない。ヨーロッパ特許出願第200381号もまた、ビーズを
それに結合した抗体と共にマトリックス中で使用するこ
とを教示している。しかし、この開示は、ビーズはマト
リックス内に捕らえられている一方で、それにもかかわ
らず可動性であると述べている。そのような試験片は、
臨床アッセイ用としては完全に満足できるものではな
い。
臨床化学に関連した分野、例えば免疫学における進歩
の結果の1つは、かつて複雑と思われていたこの分野の
多くの応用が今や極めてありふれたものになったことで
ある。この発展の1つの成果は、家庭診断市場、すなわ
ち個人が健康のプロにアッセイを実施してもらうのでは
なく、自分の家庭でそれを行なう臨床化学のサブ分野の
創製である。家庭での使用者は臨床パラメーターの解釈
について訓練されておらず、それで家庭用診断製品は一
般的に「イエス/ノー」タイプの試験が使用されるシス
テムか、または使用される試験装置によって曖昧でない
答えが提供されるシステムに限定されている。特許文献
は、家庭用診断に有用な装置の例を、上述のBrowon,III
らの米国特許第4,916,056号、およびValkirsらの米国特
許第4,632,901号に示す。両方の開示は、特に妊娠の自
己診断に向けられ、またこのようなシステムにおける十
分な陰性対照の必要に言及している。実際、この分野の
技術は、試験片における「ボード上の」対照の望ましさ
と必要性を長らく認識してきた。これらを教示する開示
の例は、4,649,121(Ismailら)、4,558,013(Markinov
ichら)、4,541,987(Guadagno)、4,540,659(Litman
ら)、4,472,353(Moore)および4,099,886(Olveira)
である。これらの装置の多くにおける対照の使用は、対
照が熟練した実践者にも家庭での使用者にも有用である
ことを示している。先行技術は、「陰性」および「陽
性」の両方の対照が使われることを示している。「陰
性」試験とは、試料が対象となるアナライトを含有して
いないことを使用者に知らせるものである。対照的に、
ここで使用する句である真の陰性「対照」は、もし試薬
が適性に作動しているならば、決して信号を発してはな
らない。これは、対象となるアナライトが存在しようと
するまいと関係なく、そうである。
陽性対照は、本質的に、システムと装置が機能してい
ることを使用者に知らせるものである。このような対照
は、対象となるアナライトの試料、ならびに試験試料中
のアナライトを同定するために起こらなければならない
反応にとって必須な試薬成分を含有することが可能であ
る。陽性対照は、それを含有する分析装置が使用された
時は常に信号を発しなければならない。もし信号が発せ
られない時は、使用者はその装置がもはや機能していな
いという指示を受ける。このようにして、陽性対照はシ
ステムまたは試薬の完全性をチェックすることによっ
て、試験片の「使用期限を定める(date)」のに役立ち
うる。陽性対照はまた、試験片または他のシステム構成
成分が不適切に保存された時、または品質管理が十分で
なかった所を指示することができる。成長し続ける診断
市場のもとで、陽性対照はさらに一層重要なものとして
浮上してくる。
上記に示した通り、分析装置が受けるストレスとし
て、長期間の保存がある。その他には、不適切な使用ま
たはいい加減な取り扱いがある。このようなストレスは
装置の完全性を危うくする可能性があり、また装置に損
害を与える可能性もある。試験片および他の分析装置
を、試料の分析という意図された使用に供する前に環境
にさらしてはならないことは、当然のことである。環境
への暴露は、例えば試験片の物理的損傷および/または
化学的汚染をもたらすかもしれない。したがって、明ら
かに、これらの装置は使用まで保護されることが望まし
い。
試験片を保護することの望ましさは、保護を提供する
ためのコストとバランスを取らねばならない。臨床実験
室、診療室などで使用される膨大な量の試験片を考える
と、このコストはできる限り低く押さえなければならな
い。この目的のため、これらの装置の多くは、例えばセ
ロファンまたはプラスチックを用いて、袋、ポーチ、等
の形に安くパッケージされている。このようなパッケー
ジはある程度の保護を提供するが、試験片の用途と関連
した有用な目的にはなんら役に立たない。先行技術の多
くの試験片が感染性物質の分析に、そして例えば血液、
尿、唾液、糞便、等といった生物学的試料と関連して用
いられているため、試験片に与えられた保護は、試験片
を使用する個人と試料との接触を最小限にするのに役立
つことが望ましい。さらに、使用者の側に高等な知識が
なくても使用され得るようにこれらの試験片を形作るこ
とが望ましいため、理想的には試験片のケーシングは使
用者が装置を使い易くするものでなければならない。ま
た、その保護またはケーシングの構造は、理想的には、
もしも例えば多すぎる量の試料が装置に加えられた場合
に、「フェイルセルフ(fail−safe)」システムとして
働くように形作られねばならない。このようなケーシン
グの他の好ましい特徴には、観測口(viewing port)つ
まり「窓」、および流体貯蔵器が含まれる。これらは両
方とも以下に記述される。
先行技術は上記の目標の方向に動いている試験片ホー
ルダーとケーシングの使用を確かに示しているが、これ
らのうちすべての目標を達成するものはない。試験片用
ケーシングまたはホールダーの例は、例えば米国特許第
4,900,663号(Wieら)、第4,851,210号(Hewett)、お
よび第4,331,650号(Brewerら)に見られ、それらは先
に記述したあまり頑丈でないタイプのホールダーを示し
ている。これらの装置はその形状の性質からしばしば
「テストカード」と呼ばれている。より本質的なホール
ダーは、GB 2204398、EP 306772、EP 323605、EP 30633
6およびEP 183442に見ることができる。これらの装置の
うち、望ましい特性、すなわち保護、低コスト、および
使いやすさのすべてを兼ね備えたものはない。
先行技術を要約すると、吸水性の紙および/または粒
子技術を活用した試験片設計へのアプローチはある。こ
れらのアプローチのそれぞれは、利点および/または問
題点を持つ。先行技術は対照、つまり「陽性」および
「陰性」対照の両方を診断アッセイのために使用するこ
とを教える。様々なタイプの形状が利用可能であるもの
の、陽性対照、陰性対照、および試験領域を組み込んだ
試験片は先行技術には見出だされない。
ここに記述するタイプの試験片および装置は、しばし
ばケーシングまたはハウジングで囲まれている。これら
の構造は、実際の試験片が最善の結果を確実にする方法
で使用されるのを可能とする。このようなケーシングま
たはハウジングは「不活性」でなければならない。つま
り、試験片上で実施されるアッセイまたは試験に干渉す
るような物質を一切含有してはならない。
試験片ハウジングの重要な点には、試験すべき流体ま
たは試料からの使用者の保護が含まれる。さらに、ケー
シングは実際の試験片を、他の流体との早すぎる接触か
ら保護しなければならない。このような「早すぎる」接
触には、測定対象でない流体との接触、および望まれる
接触時期に先立つ試験片内での領域の接触が含まれ得
る。したがって、一連の連続反応または反応工程が起こ
らねばならないところでは、ケーシングまたはハウジン
グがこれらの工程を制御するのに重要な役割を果たし得
る。
さらに、ここに記述するタイプの構造体は、「口(po
rt)」、「窓」またはその他の開口部等の観察手段を適
切に配置することにより、試験液の分析を容易にするこ
とが可能である。また、もし適切な方法で構築されたな
らば、ハウジングは他の表面との不適切な接触による試
験片固有のクロマトグラフィー的性質との干渉を防ぐで
あろう。
考慮しなければならないハウジングまたはケーシング
の他の特徴には、アッセイへの不活性が含まれる。ハウ
ジングはアッセイ、試薬または試料に干渉しない材料で
作られねばならない。ハウジングはまた、影を投影する
とか、またはその他適切な反応観察を邪魔するような問
題を生ずることなく、試験の観察を容易にするような方
法で形作られねばならない。さらに、試験片に適用され
る試料の量は使用者ごとに違うので、過剰な流体が加え
られた場合に試験片の異なる領域へ溢れ出さないように
ホールダーを形成することが望ましい。
したがって、本発明の目的は、試料中のアナライトを
測定するのに使用し得る有用な分析装置であって、陰性
対照、試験領域、および陽性対照を、必ずではないが好
ましくは、連続したマトリックス内に線形に配列した領
域に含有する装置を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、そのような装置を製造す
るのに有用な工程および方法論を提供することで、それ
はマトリックスと粒子技術の両方の長所を組み合わせた
ものである。タンパク質、糖タンパク質等の分子および
他の物質をビーズ等の表面に結合させ、次にこれを化学
結合ないし繊維に結合させることができる方法の発見
は、粒子および繊維技術の組合わせに伴なう問題の多く
を解決する。
本発明のさらにもう一つの目的は、試験片それ自体を
保護し、検査人によるその使用を単純化し、また驚くべ
きことに、試験片による試料流体の吸収を制御された方
法で促進するフェイルセイフシステムとして役立つ、試
験片用のケーシングまたはホールダーを提供することで
ある。
本発明のこれらの、そしてその他の特徴がどのように
して達成されるかは、以下の開示から分かるであろう。
発明の概要 本発明はいくつかの驚くべき発見に基づいている。そ
れらの発見ははまず以下の観察から始まった。すなわ
ち、タンパク質(これに限らない)などの分子を、粒子
を相互に結合する接着剤を使用せずに、固体担体および
繊維の両方にしっかり固定させることが可能である。実
際、接着剤の使用は避けるべきである。対象となる分子
を好ましくは共有結合により担体に結合させ、次にこの
担体に結合させた分子の等電点(pI)と異なるpHを有す
る溶液で処理する。この処理は、担体に結合した分子に
電荷を付与する。ガラス繊維マトリックス等のマトリッ
クスは、固有の電荷(ガラス繊維の電荷は負)を持つ
か、または処理して電荷を持たせることが可能である。
担体に結合した分子とマトリックスとが反対の電荷を持
つような処理およびマトリックスを選択することによ
り、その複合体をマトリックス中に配置することができ
る。これは、接着した粒子の配列をマトリックス上に位
置させる装置とは対照的である。
本発明は、なかでも特にボード上の陽性および陰性対
照を有する分析装置を包含する。担体に結合した分子と
マトリックスの間の引力は非常に強いため、担体/分子
複合体を多孔性マトリックス全体に分散させることな
く、マトリックス上に申し分なく正確に配置することが
可能であることが分かった。本質的に、担体は正確にそ
れが配置された場所にとどまり、その結果、分析反応は
1つの、唯一の位置で起こる。この好ましい結果のた
め、陽性および陰性の両方の対照を同一装置内に配置す
ることが可能である。なぜなら、いったん試料が試験片
に加えられたときに、試験片内で試薬が混じり合うこと
について何ら心配する必要がないからである。
試験片全体にわたって担体を配置することは、対照お
よび試験反応が常に装置のある特定の位置で起こること
を意味する。それゆえ、試験および対照反応が起こるべ
き場所を明確に指し示す観察手段を上部が提供するよう
に配列された担体を提供することができる。さらに、試
薬の配置が非常に明確にされているので、装置に加える
試料の量についてさほど厳密にならなくてもよい。これ
は、もし試料の量が試験片の吸収能力を越えたら、試薬
の混合と流出の問題が生じるかもしれないので、問題と
なり得る点である。したがって、試験片を支えるために
提供される試験片支持体は、試験片が試験液を吸収でき
るように、試験液吸収用の貯蔵器を提供するよう形作ら
れる。
主要な特徴、およびこの概要には記述されていない付
加的な発明の特徴を、以下の本文でさらに一層詳しく説
明する。
図面の簡単な説明 図1は、ここに記述する試験装置の大まかな態様を示
す。
図2は、付加的な選択特徴を有する試験装置を示す。
図3aは、装置用ケーシングの態様の上部の上面図であ
る。
図3bは、装置用ケーシングの態様の底部の上面図であ
る。
図4は、蛍光を使って示されたガラス微小繊維紙と帯
電ラテックスとの相互作用の結果を表す。
図5は、試験支持体と帯電材料の相互作用に関するpH
効果を描いている。
図6は、処理粒子および未処理粒子の移動性を比較す
るものである。
図7は、p24が受容体である場合のHIV試験片で得られ
たデータを表す。
図8は、図7に対応するもので、受容体としてgp41が
使用された。
好ましい実施態様の詳細な説明 図を参照すると、図1は本発明の分析装置の最も大ま
かな態様を図示する。試験片10は、液体試料を吸収する
ことができる吸水紙、セルロースまたは他の材料からな
る吸収性マトリックス11を含む。水平の矢印は、装置内
における流体の流れる方向を示す。
「12」、「13」および「14」に描かれている項目に言
及すると、これらはそれぞれ線形配列で配置された陰性
対照、「読み取り」つまり「試験」領域、および陽性対
照を示す。これらの領域I、IIおよびIIIは各々以下に
記述する試薬を含有する。
陰性対照「I」は、試験システムの完全性に対するマ
ーカーとして設計される。この領域は、色変化などの信
号を決して呈してはならない。例えば、もしマトリック
ス11が白色の吸水紙であるならば、領域12は試験分析が
実施される前も後も白色でなければならない。もしそう
でないとすると、装置に何か悪いところがあるので、ア
ッセイの前に色があるならば装置を破壊するか、または
試験実施後に色が現れるならば試験結果を破棄しなけれ
ばならない。理想的には、この領域は、他の領域に使用
されているのと類似の試薬であるが、検査されるアナラ
イトに対して非反応性かまたは不活性なものを含有す
る。例えば、対象となるアナライトが「II」における抗
体抗原反応によって検出されるストレプトコッカスA
(Storeptococcus A)抗原のような抗原であるならば、
陰性対照は不活性化または非免疫性のイムノグロブリン
あるいは領域IIに存在する抗体と同一種の抗体を含有す
ることができる。同様に、もし問題の試験が試験領域に
ウイルス抗原を含有するHIV抗体に関するものであるな
ら、領域Iはその抗原の不活性形態のものを含有しなけ
ればならない。それは、抗体が結合するエピトープを破
壊するように熱または尿素で処理された材料などであ
る。陰性対照に使用することが考えられる他の材料に
は、不活性化形態のプロテインA,ビオチン−ストレプト
アビジン/アビジン複合体、などが含まれる。非免疫性
IgGについて述べたが、これは非免疫活性形態の抗体お
もびイムノグロブリン全般のよい例である。
図1および参照番号「13」または「II」に言及する
と、これは試験領域を構成し、ここで実際の分析アッセ
イが行なわれる。この領域は、対象のアナライトと反応
する試薬を含有する。例えば、上記の2つのアナライト
を用いて、ストレプトコッカス・ピロゲネス(Streptoc
occus pyrogenes)がアッセイされるとすると、この領
域はストレプA(Strep A)グループ特異的抗原に特異
的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体
を含有することができる。ストレプAに対する抗体は文
献より公知であり、ここで詳しく述べる必要はない。も
ちろん、「抗体」という語が完全な分子をいうばかりで
なく、Fab、Fab′およびF(ab′)断片等の反応性断
片をもさすことは理解されねばならない。
必須ではないが理想的には、試薬は以下に述べるよう
に固体担体に結合させて、動かないように試験片に配置
される。この配置は、例えばHIV抗体についてアッセイ
する場合にもそうであり、この場合、「II」における試
薬は例えばエピトープとして活性のウイルス性タンパク
質またはそのウイルス断片である。これらのタンパク質
および断片の多くが公知であり、ここに例を挙げる必要
はない。多数の確認されたエピトープ性分子(epitopic
molecule)を有するHIVまたは他の材料についてアッセ
イをするのに有用な装置において、陽性対照と陰性対照
の間に複数の試験領域を配置することができる。例えば
HIVは、gp120、p24、gp41、これらの分子に対する抗体
などに特異的な受容体を含有する複数の試験領域を配置
することによってアッセイすることができる。同様な方
法で、トキソプラズマ(Toxoplasma)、風疹ウイルス
(Rubella)、ヘルペスウイルス(Herpes)およびサイ
トメガロウイルス(Cytomegalovirus)に特異的な抗体
と結合する受容体を含有する複数の試験領域を配置する
ことによって、装置を「TORCH」試験用に構築すること
が可能である。
IIにおけるアナライトおよび試薬は、アナライトが試
料中に存在するならば反応し、好ましくはアナライトを
領域IIに固定化する。流体試料は、試験片の毛細管現象
により第3領域III、すなわち「14」へ流れる。これは
陽性対照領域である。この領域は、対象となるアナライ
トの試料および第2領域に配備されているのと同じ試薬
の試料を含有するであろう。その結果、この領域は常に
反応を顕示しなければならない。もしそうでないなら
ば、試験は無効である。したがって、第3領域はアッセ
イ試薬および試験片構造体自体の機能的対照としての役
目も果たす。
特に好ましい実施態様においては、領域IIおよびIII
で試料と試薬との反応がいったん起こると、検出可能な
信号(例えば色など)の形成をもたらすように追加の試
薬をこれらの領域と接触させる。例えばストレプA(st
rep A)がアッセイされるとすると、第2領域における
グループ特異的抗原の抗体による固体化に続いて、第2
の標識抗体をこの領域および第3の陽性対照領域と接触
させる。ストレプグループ抗原分子のいくつかはマルチ
エピトープ性なので、抗体−抗原−標識抗体のサンドイ
ッチが形成可能で、実際形成される。標識は固有の信
号、例えば放射性核種または化学発光成分、着色粒子ま
たは蛍光粒子、金および染料ゾルを持っていてもよい
し、または信号を発するためのさらなる反応または諸反
応に携わるものであってもよい。最も好ましくは、これ
らの標識は酵素で、これらだけに限定されないが、例え
ばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、または
β−ガラクトシダーゼ等である。これらの標識を使用す
る際は、酵素基質のような付加的材料を試験片に加える
必要がある。これらの例には、ペルオキシダーゼを触媒
とする反応にはテトラメチルベンジジン(TMB)、4−
クロロおよび4−メトキシ−1−ナフトール、ならびに
アルカリホスファターゼを触媒とする反応には5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(BCIP)
またはBCIPとテトラゾリウム塩が挙げられる。これらの
2つの例は、決して利用可能な基質のすべてではない。
そして、基質の選択は、何が利用可能であるのかと、使
用される特定の酵素によって決まる。好ましい基質と
は、基質に対する酵素の作用が水性媒体に不溶性の産物
を生じるものである。
第2の標識抗体および基質の両方は、外部の供給源か
ら装置に適用してもよいし、また装置それ自体の中に配
置しておくことも可能である。第2の支持層、例えば試
験領域の下側の層は、基質の装置への浸透上昇(percol
ation up)を可能とする。または、基質が構造体10にフ
ラップ(flap)手段によって結合している層に含有され
るように装置を形作ることもできる。この装置では、外
力(例えば圧力)の適用によって上記の層は試験領域と
のみ接触が可能である。
本発明の特別好ましい実施態様は、任意選択の構造体
にin situで配備されている基質を有する。これは図2
に示されており、以下に考察する。
3つの領域、すなち陰性(21)、試験(22)および陽
性領域(23)は、区別できる別々の信号が発生されて測
定されるように、相互に線形配列に位置づけられ、少な
くとも少量のスペースによって相互に分離されている。
もし装置の製造、保管、および使用において何も不首
尾な点がなければ、考えられる結果は2つしかない。も
し対象のアナライトが全く存在しないならば、領域21も
領域22も何ら信号を発しないであろう。対照的に、領域
23は信号を出さなければならず、使用者は装置上に単一
のバンドのみを見るであろう。反対に、もしアナライト
が存在するならば、領域22および23の両方が陽性信号を
発し、他方領域21は何も出さないであろう。それゆえ、
試料の評価は、試験片の表面に何本のバンドが現れるか
という単純な問題となる。2本のバンドはアナライトの
存在を示し、他方1本のバンドはアナライトが存在しな
いことを示す。上に説明した通り、試験結果の有効性に
関する他の考慮すべき問題もまたバンド形成によって確
認される。
上記の「TORCH」アッセイ、もしくは、例えばHIV測定
におけるような異なるまたは複数のエピトープ認識に関
するアッセイなどのように、複数の異なるアナライトが
適用されるアッセイされる装置においては、複数の試料
領域に対応する複数のバンドが存在するであろう。そし
て、バンドのそれぞれは異なるアナライトに関する試験
に対応する。
図2においては、領域21、22および23を横断してきた
流体を吸収するため、廃液領域24が試験片の末端に加え
られている。この廃液領域は、マトリックス11が作られ
ている材料と少なくとも同じくらい吸収性の材料で作製
されることが好ましい。あるレベルにおいては、この特
徴は必要というよりむしろ便利と考えられるかもしれな
い。なぜなら、流体を除去するための他のアプローチ、
例えば吸収性スポンジと接触させるなども考えられるか
らである。この廃液領域に、試験片が湿気または過度の
酸もしくは塩基に暴露されたかどうかを判定するのに使
用可能な作用剤を組み込むことによって、この領域は明
らかに機能性を付与され得る。先行技術からは、液体が
存在すると白色から鮮やかな青色に変化する無水硫酸銅
などの物質、ならびに酸性または塩基性状態にさらされ
ると変色または発色するpH指示薬がよく知られている。
これらを廃液領域に組み込むことにより、試験片が使用
前に望ましくない状態に暴露されたかどうかを確かめる
ことができる。さらに、このような指示薬は、試験片装
置がクロマトグラフィー的流れに関しては適切に機能し
ているという可視的モニターとしての役割も果たし得
る。このような指示薬は装置の任意の場所に置くことが
できるが、廃液領域に沿った指示薬の配置は試験反応に
干渉する可能性が全くないことを保証する。
さらにこの領域は、標識と反応相手との信号を発生さ
せる反応を妨げるいわゆる「信号インヒビター」を含む
こともできる。このような阻害は望ましいものである。
なぜなら、そのような信号がここで発生したならば、
「逆流」が信号を装置内へ、実際の反応信号に干渉する
ことになる地点まで運んでいく可能性があるからであ
る。
上記のような指示薬は、図2で25と示されている位置
の廃液領域に都合よく配置することができる。この領域
はまた、信号発生システムに対するインヒビターを組み
込む部位でもある。このような場合は、指示薬反応の可
視化を可能とするために、追加の「口(port)」または
「窓」がケース容量に単に組み込まれる。このようなイ
ンヒビターの例には、ペルオキシダーゼの作用を不可逆
的に阻害するアジ化ナトリウムが含まれる。廃液領域に
インヒビターを組み込むことによって、信号発生システ
ム成分間の相互作用の結果、廃液または貯蔵器において
色またはその他の信号の有意な発生は起こらなくなる。
これは次に、試験結果の安定性を保つのを助ける。なぜ
なら、アッセイを実施した後、マトリックス上への色の
逆流が起こらないからである。
図示した装置には、廃液領域と反対側の端部に非常に
望ましい特徴が存在する。構造体26は、そこに液体を適
用するための吸収性材料を含んでいる。この構造体の役
割は、以下に考察する図2に示される構成要素27〜29に
関連して明らかになるであろう。項目27は、1つまたは
複数の物質、例えば上で言及した基質などを含有するパ
ッドのような構造体である。これはその前方部分で両面
粘着テープ28によって構造体26から隔てられている。第
2の両面粘着テープ28′は、基質パッド27を流れ制御手
段29から隔てている。次に、この流れ制御手段29は、試
験片11と一方向流体接触している。
操作の際、構造体26〜29は働き出す。例えば、試料が
試験片に加えられ、それに続いて標識受容体が適用され
ると働き出す。この状況によい例は、ストレプ抗原がビ
ーズ上の抗体に結合され、これに続いて酵素標識を含有
する抗体の第2試料が抗原と結合する状況である。結合
を測定するため、非結合標識受容体を洗い流さなければ
ならず、また基質がこの領域に到達しなければならな
い。基質試薬を別途供給する必要を防ぐため、図2の態
様においては、ある量の基質が移動可能な形で構造体27
の「基質パッド」に含有されている。基質はそれが湿ら
なければ移動させることはできない。この目的のため吸
着手段26が基質パッドの上に配置されている。加湿剤、
または好ましい実施態様においては「ランバッファー
(run buffer)」が、その縦方向に沿ったある地点で26
に適用され、下に流れ、基質パッドに入る。このような
方法で、材料26は流体を構造体27に供給するため「計
量」装置の役割を果たす。液体が基質パッドの前端部に
のみ行くことを保証するため、両面粘着テープ「28」が
提供される。このテープぱ液体が前進するのを妨げ、そ
れを下に向かわせ、基質パッドに入れる。この目的のた
め、硬化ホットメルト接着剤などの別のタイプのブロッ
ク材料を使用してもよい。実際には、両面粘着テープが
好ましい。
その液体またはランバッファーは基質パッドに入り、
そこに含有されている基質を溶解/可動化する。再び、
液体の流れを前方に向けるため、第2のブロックである
両面粘着テープ28′が提供される。これらは液体が後ろ
へ流れるのを防ぐ。図2から分かるように、この第2ブ
ロックは第1ブロックが配置されている末端とは反対
の、基質領域の端部に配置されている。記述した方法で
は、手段28および28′は、構成要素27を通る指向性の流
体の流れのためにあらかじめ定められた流路を確立する
ため、組み合わせて使用される。
テープ28′の配置は、可溶化された基質の流れを極め
て有用な構造体「29」(ここでは流れ制御体または流れ
指示手段と称する)へと方向づける。構造体29は、その
細孔の形状により液体の下向きの流れのみを許す一片の
非湿潤性材料である。後で分かるように、この構造体は
円錐形または逆「V」字形の細孔によって特徴づけられ
る。これらは下向きの流れを許すが、構造体を上昇する
または横切る流れを許さない。この流れ指示体29は、マ
トリックス11と流体接触しているので、可溶化/可動化
された基質は一方的にマトリックスに流れ込む。
上記の機能に加え、構造体29は様々な孔径を有する材
料から選択することが可能で、したがって構或要素27か
ら構成要素11への流体の流れの「速度」をコントロール
するのに使用できる。構造体29における細孔の均一な配
置により、構造体11に入る流体の均一な分散が保証され
る。構造体29は、試薬をこの構造体の細孔に適用し、乾
燥することによって、試薬供給装置としても使用し得
る。試薬の適用および乾燥方法は、当業者には自明であ
ろうから,ここで詳しく述べる必要はない。
構造体「26」および「27」をどのような材料で構成す
るかという選択は、それらが吸収性で、かつそれらと接
触する試薬に対して不活性であるという要件によっての
み制限される。同様に、両面粘着テープとして記述され
た構造体「28」および「28′」も、流体の流れを妨げる
任意の材料から構成しうる。構造体29のために選択され
る材料は、液体を1方向に向かわせるものでなければな
らない。構造体29にとって特に好ましい材料は、使い捨
ておしめの製造に使われる材料で、その開示を参考とし
てここに組み入れる米国特許第3,929,135号および第4,3
42,314号に記述されている「ビスポアー(Vispore)」
である。′135特許はこの材料の構造を「テーパー付き
毛細管(tapered cappillary)」と記述しており、実際
そのような円錐形または逆V字形状を見ることができ
る。以後、「テーパー付き毛細管の細孔構造を有する流
れ指示体」とは、′135特許に示されるタイプの材料を
さすものとする。
本明細書に記述する装置の全体は、不活性な支持体30
の上に配置される。これは単に装置に付加的な強度を与
えるのに役立つ。そして、この支持体は、試験片要素の
底部からの読み取りが望まれる場合には透明であっても
よいし、そうでなくてもよい。試験片構成要素の不活性
支持体への取り付け方法は、両面粘着テープ、硬化ホッ
トメルト接着剤、これらの組み合わせ、および/または
適切な接着性を有する他の材料の使用を含むことが可能
で、これらすべては当業界において公知である。
装置に付加的な特徴を組み入れることが可能である。
これらの非制限的例には、アナライト特異的抗体、信号
インヒビター、緩衝液、などが含まれる。
この装置は、特定の分析試験のすべての目的に使用し
得る単一の水平流試験装置を提供する。試料および追加
の活性反応剤を適用し、試験結果を解釈することが、同
じ1つの装置の中ですべてできる。
本発明の好ましい態様の非常に重要な特徴は、「真
の」陽性対照の使用である。先に考察したように、装置
の好ましい態様において、対象となるアナライトの試料
および活性反応剤(例えばアナライトイ特異的抗体)の
両方を、アナライト試料が可溶化されたならば反応する
ように装置に組み入れることができる。このような対照
は、装置内の別の地点に配置されているアナライト試料
と反応するように設計された活性反応剤がまだ活性であ
ることを保証するので、望ましいものである。
この装置の他の有利な点は、この開示全体を読めば明
らかになろう。
ここに記述する試験片の特に好ましい態様は、受容体
材料をマトリックスに配置する方法の使用を含む。受容
体、つまりマトリックスに組み込まれる対象の分子は、
接着剤または固定剤を使用することなく、マトリックス
に組み込まれる分子に電荷を付与することによってそこ
(マトリックス)に適用できることが発見された。その
分子は電荷を帯び、マトリックス自体が帯びている電荷
と相互作用する。対象の分子の電荷と反対の電荷をもつ
材料をマトリックスとして選択することによって、また
はこの分子の帯びている電荷と反対の電荷をマトリック
スに付与することによって、接着剤または固定剤を使用
することなく、後者(分子)は確実にマトリックスに組
み入れられる。受容体材料をマトリックスに配置するの
に電荷の相互作用を利用することの特別な利点は、マト
リックスにおける受容体の含浸または位置づけを制御で
きる点である。
対象となる材料[以後、材料組成物という]は、分子
自体の形であってもよいし、または好ましい態様におい
ては固体担体に結合していてもよい。
材料組成物に電荷を付与するには、その材料を電場に
置くことを含む様々な方法が用い得る。しかし、材料組
成物を対象の材料(すなわち受容体)の等電点(pI)と
異なるpHを有する溶液で処理して電荷を付与することが
特に好ましい。そのpIと異なるpHが用いられると、材料
組成物はそこから電荷を受けとる。pIより低いpHでは、
材料組成物は正の電荷を受け、pIより高いpHでは受けと
る電荷が負となる。
pI値は一般的にタンパク質と関連した値であるが、pI
値は炭水化物、脂質、およびそれらの種々の組合せ(糖
タンパク質、リポタンパク質、糖脂質、等)を含むすべ
ての分子が持っている。したがって、分子を記述するた
めに以後使用される「タンパク質含有・・」または「炭
水化物含有・・」などという表現は、その分子の純粋な
種と共に、分子の組合せをもさす。例えば、糖タンパク
質抗原は、「炭水化物含有分子」であると共に「タンパ
ク質含有分子」でもある。
対象となる特定タイプの分子で本発明に包含されるも
のには、すべての標準免疫試薬が含まれる。例えば、抗
体(ポリクローナル、モロクローナルを問わず、またそ
の断片であるか複合体であるかを問わず)、抗原(エピ
トープ活性な抗原断片を含む)、プロテインA、プロテ
インG、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、等
である。
材料組成物が受容体と固体担体からなる場合、前者は
後者に結合される。固体担体として使用し得る材料に
は、合成、天然、および「半合成」材料があり、これは
担体に天然に存在する材料と合成材料の両方を組み入れ
ることのできる材料をいう。ラテックス、ポリスチレン
ラテックス、ガラス、セファロース、デキストラン、ア
ガロース、シリカ、雲母、粘度、珪藻土、およびその他
の材料が使用できる。ラテックス系のポリマーは特に好
ましい。
担体の形状は決定的なものではなく、例えば、細い棒
状、偏菱形、および球形の材料を含み得るが、球形のも
のが最も好ましい。限定的ではないが、担体粒子は平均
直径が約20nmから約20μmであるラテックスビーズのよ
うに均一サイズであることが望ましい。好ましいビーズ
は、約0.3μmから約1.0μmの平均直径を有し、特に好
ましい態様は平均直径が約0.4μmから約0.5μmの範囲
のビーズを使用している。
任意の製造工程において担体材料のマトリックス上へ
の配置をモニターするために、必須ではないが、蛍光性
の、または着色された担体を使用することが望ましい。
先に示したように、材料組成物を受容体のpIと異なる
pHを有する溶液で処理することが好ましい。一般的に
は、その溶液は約2.0から約12.0のpHを有することがで
き、約3.0から約9.0のpHが特に好ましい。処理液のpHの
選択は、分子の性質、そのpIおよび他の要因に基づいて
変わるであろう。
マトリックス材料は、先に示したように固有の電荷を
持っていてもよいし、または電荷を持つように処理して
もよい。例えばガラス繊維は元来負の電荷を持っている
ので、ガラス繊維含有マトリックスを使う時は、材料組
成物は正の電荷を帯びるように処理されなければならな
ず(例えば、pIより低いpHの溶液で処理)、マトリック
ス自体は処理する必要がない。電荷を持たない他のマト
リックス材料は、電荷を持つように処理することができ
る。マトリックスは、例えば酸または塩基で処理し、既
存の官能基に陽子を付加するか、またはそこから陽子を
取り去ることができる。あるいは、部分加水分解によっ
て新しい官能基を生成するよう処理することができる。
その他の変更、例えばアルデヒド官能基のカルボキシル
基への過ヨウ素酸酸化、無水物処理によるアミノ官能基
のスクシニル化、または電場にマトリックスを置くこ
と、等も採用できる。マトリックスとして使用し得る材
料の非制限的例には、ろ紙、再生セルロースまたはラッ
グペーパー、セルロースを含む複合材料、綿、またはガ
ラス繊維などの繊維性あるいは吸水性材料、および他の
繊維性材料が含まれる。ポリアミドおよびポリアクリル
アミドは繊維性あるいは吸水性合成材料の例である。分
析試験に用いられている種々のフリースも使用すること
ができ、フィルム、ゼラチンなども同様に使用できる。
これらはすべて本発明の範囲に含まれるものとする。非
繊維性または不織膜材料もまた使用できる。使用し得る
材料の例には、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セル
ロース、およびPVDFが含まれる。
試験マトリックスの調製においては、材料組成物がマ
トリックスに適用され、次にこの組成物を含有していた
溶液がすべて除去される。これは、試験マトリックスへ
の組成物の組み入れをもたらす。相反する電荷の相互作
用の強さによって、組成物はそれが置かれた場所に結合
される。さらに、類似した電荷は相互に反発するので、
ビーズのような固体担体に伴なう凝集(clumping)の問
題もなくなる。本発明を使用すると、固体担体材料はマ
トリックス全体のうち、それが配置された場所にのみ分
散させられる。これが、例えば上記の3領域装置のよう
な領域に分かれた装置の制作を極めて簡単にし、アッセ
イすべきアナライトの正確で感度のよい評価を可能にす
る。
上に記述した材料組成物の分散にあわせて作製される
試験片は、種々のタイプのアッセイに有用な装置となる
ように、更に処理することが可能である。例えば、第1
の受容体を動かないように装置に組み入れた後、流体の
存在下で可動性の第2の受容体を加えることができる。
この第2の受容体が標識されていると、出来上がった装
置はサンドイッチタイプのイムノアッセイに有用であ
る。対象のアナライトを含有する試料が装置に加えられ
ると、結合した受容体、アナライトおよびこれまでは可
動性であった標識受容体のサンドイッチが生じ、後でそ
の標識を測定することができる。もちろん、抗体等の第
2の受容体を別な供給源から加えることもできる。つま
り、それは装置に組み入れられている必要はない。
当業者は当然、本発明にしたがって調製した試験片
は、下記のカテゴリーのアッセイ用の試験片作製のため
の標導プロトコールにしたがって変更を加えたならば、
競合および置換型アッセイにも使用し得ることに気付く
であろう。
ここに記述された方法にしたがって、マルチアナライ
ト(multianalyte)または濃度型(concentration typ
e)アッセイを実施するための試験片を調製することも
可能である。「マルチアナライト」システムという語
は、2種以上のアナライトを同定するように試験片を適
合させることを意味する。これは、例えば、患者の感染
にストレプトコッカス(Streptococcus)のどのグルー
プが関与しているのか、または患者がp24、gp41およびg
p120等の一連のHIV抗原のどれに応答しているのかを決
定する必要が生じた時、有用である。要素11の領域2
が、トキソプラズマ(Toxoplasma)、風疹ウイルス(Ru
bella)、単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex)お
よびサイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)に特異
的な抗体を検出して、患者が何に感染しているのかを決
定するのに必要な抗体を用いて構築されている時は、同
じ方法で、「TORCH」試験を実施するように試験片装置
を形作ることができる。「濃度アッセイ」という語は、
対象となるアナライトが試料中に過剰にあるいは不十分
に存在するかどうかを決定するシステムを意味する。例
えば、糖尿病の診断ではい、体液試料中に存在するグル
コースの量が測定される主要パラメーターである。試験
片は図1に示すように複数の領域を持つように作製する
ことができるが、領域内における色の反応は、試料中の
アナライト濃度の半定量的な測定をもたらすであろう。
例えば、第1領域が正常な個人由来の体液試料中に見出
だされるグルコースの全量と反応するにはちょうど充分
な量の受容体を含有するならば、後の領域は過剰または
毒性レベルのモニターとして使用可能である。なぜな
ら、後の領域においては、異常に大量のアナライトが存
在しない限り信号は現われてはならないからである。同
様に、例えばホルモン不足が疑われる状況において、第
1および第2領域が正常な量のホルモンと反応するのに
ちょうど充分な量の試薬を含有するように装置を修正す
ることができる。このアプローチを用いると、第2領域
で全く信号が出されないか、または弱い信号が出された
場合、これは異常に低い量のアナライトを示す。
ここに記述されたタイプの試験装置は、ケーシングの
中に有利に保管することができる。このようなケーシン
グは、試験片を保護し使用者に安全を提供するばかりで
なく、以下の考察により示されるように、試験分析を実
施するにあたって装置の使用を容易にする。
図3aを参照すると、これは試験装置と関連して用いら
れるケーシング40の上面図を示している。ケーシングの
上部は、ポリスチレンプラスチック等の不活性で丈夫な
材料からなる細長い構造体である。向かい合う短い側面
41及び41′、ならびに向かい合う長い側面42および42′
を有する長方形の構造体が提供される。40を左から右へ
見ていくと、ケーシングの上部は適用口43を有する。こ
れについては以下に詳しく考察する。この適用口は開口
部から下に向かって傾斜しており、先に説明したよう
に、試験片に含まれている試薬をすべて放出させるため
にランバッファー(run buffer)を試験片に適用する箇
所を提供する。装置の反対側の端に向かって行くと、第
2の口44が設けてあり、これもまた下向きに傾斜してい
る。この口は、試験片装置の3つの領域、すなち陰性対
照(21)、読取り(22)および陽性対照(23)にまたが
って位置している。実際には、分析すべき試料および存
在しうる他の試薬はここに加えられる。この口も下向き
に傾斜している。この口の壁が傾斜している角度と、影
ができるのを最小にするように選択される。影ができる
と結果の解釈に悪影響を及ぼす可能性がある。図示され
た態様において、矢印45、「R」46、および「C」47は
装置の使用を手助けするために提示されている。矢印は
分析対象の試料が加えられるべき場所を示し、「R」お
よび「C」は、「読取り(read)」すなわち試験領域、
および「対照(control)」すなわち陽性領域をそれぞ
れ表す。装置の端に向かって、斜線を付した部分は任意
選択の設計態様である。
複数のタブセット(tabset)または接合手段48がケー
シング上部の背面側から突き出して、ケーシング下部の
対応するタブセット(52)とかみ合うように配置されて
いる。点線49および49′は、ケーシングのこの部分の下
側が凹所をなしていて、大きい長方形の内部に事実上そ
れよりわずかに小さい長方形を作っていることを示す。
以下に述べる図3bにおける装置の下部は、構造体のその
部分の内壁および外壁をより明確に描いており、対応し
た形状が上部に存在し、これは下部とかみ合う。
図3bを参照すると、これはケーシングの下部50の開放
上面図である。これは上部と同一の材料からなり、同一
の幾何学的形状を有する。一対の縦の棒51がケーシング
の底に存在し、複数対のタブセット52と一緒になってそ
こに試験片を位置させるための誘導装置(guide)を形
成し、また試験片をハウジングの底から離して支えるた
めにも役立っている。少なくともこれらのタブセットの
いくつかがケーシング上部の対応するタブセットと組み
合わさって、ケーシングの上部と下部を一緒に組み立て
ると、結合した構造体を形成する。下部はその周囲のま
わりに内壁53および外壁54を有し、これらはケーシング
40の上部の同様の構造体49および49′と整合する。
ハウジング上部の重要な特徴は、口44の4つの壁がそ
こに配置された試験片と全く接触しないように形作られ
ていることである。その結果は、小さい毛管スペースが
作り出され、これは口44が試料および他の試薬を保持す
るのを可能とし、かつそれらの試験片への適用を効果的
に「計量する(meter)」。また、ケーシング材料は試
験片と直接接触しないので、試験片自体の特性への制御
されない、または認識されない影響は全くない。
同様なタイプの構造がケーシングの上部および下部か
ら突き出しているタブセットの挿入から生じる。これら
のタブセットが相互作用すると、それらは囲い込まれた
試験片を効果的に密閉し、その結果、過剰な流体を保持
する少なくとも2つの貯蔵器が形成される。詳しく述べ
ると、図3bにおいて中空スペース55および55′が試験片
の長さに沿ってハウジングの長さにわたって延びている
ことが分かるであろう。これらのスペースは液体を保持
することが可能で、また口43または44に過剰な量が加え
られたならば、これは試験装置のオーバーフローをもた
らす可能性がある。ケーシングの部品40および50をシー
ルすることは、タブセットの相互作用により別個のオー
バーフロー区画(compartment)を作り出すが、過剰な
流体(試料および試薬など)は適用口に直に隣接する区
画において試験片がそれを吸収できるようになるまで保
持されることになる。事実上、この相互作用はもう1つ
の計量手段をもたらし、試験装置に適用された液体が所
望の位置でのみ試験片に入ることを確実にする。
ケーシングの上部と下部は一緒に組み立てられ、その
下部に実際の試験装置を配置した後、シールされる。シ
ールの方法は職人によって決められる。シールを実施す
ることのできる種々の方法の例には、接着剤、加熱、ス
ナップはめ込みまたは音波のエネルギーによるものがあ
る。また、上部と下部が分離可能で試験片が取り外せる
ようにケーシングを構築することも、ありそうではない
が、考えられる。
ここに記述する本発明の実際の操作を、以下の実施例
によって示すことにする。
実施例1 本発明にしたがって抗体と結合した粒子を調製した。
これを行なうため、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム/0.
02%チメロサールを用いて、公称平均粒子直径が0.51ミ
クロンの蛍光性カルボキシル化ラテックスを、2.5%(w
/v)固体懸濁液として調製した。
抗ストレプAウサギポリクローナル抗体をカルボジイ
ミド結合によりこれらの粒子に結合させた。最終産物は
0.5%(w/v)固体懸濁液で、100mMグリシン/50mM HEPES
/150mM塩化ナトリウム/0.1%(w/v)ウシ血清アルブミ
ン/0.1%(w/v)アジ化ナトリウムおよび0.01%(w/v)
チメロサール中に保存した。組成物全体ではpH7.4であ
った。
次に、ラテックスのアリコートを50mMリン酸ナトリウ
ム/150mM塩化ナトリウム、pH7.2、を用いて0.26%固体
(w/v)に希釈し、次いでこれを以下に述べる種々のタ
イプおよびpHの緩衝液と共に15mlの遠心管(Corex)に
移し、試験用の試料を調製した。試料を9900rpm(11,70
0xg max)で15分間遠心にかけ、上清液を吸引して捨て
た。
ラテックス粒子を、固体0.27%(w/v)で試験緩衝液
に再懸濁した。粒子サイズ分布の測定のため、各懸濁液
を0.005%(w/v)に希釈する前に超音波処理した。結果
を表1にまとめる。
粒子上の抗体はpH4で凝集を引き起こしたが、これよ
り上または下のpH値は、非常によく似た分布平均を持つ
粒子をもたらし、それらは非誘導体化ラテックスより少
し大きいだけであった(変動係数すなわち「CV」に注意
されたい)。
CV値は、pH2、3および7.2では粒子が本質的に単分散
であったことを示している。
ポリクローナル抗体調製物を構成している様々な種類
の物質は、5から8の間にある単なる等電点(pI)をも
つ。抗体はカルボキシル化ラテックスに結合されている
のて、ラテックス−抗体結合体の等電点は、結合した抗
体の等電点の加重平均よりも幾分低くなろう。表面電荷
反発作用は、非凝集状態でラテックス−抗体結合体を維
持する上で重要な要件となる。そしてpH4では有意な比
率の抗体−ラテックス粒子が、そのような凝集を防ぐに
は不十分な実効表面電荷を有するようである。
実施例2 抗体およびラテックスの帯電複合体と固体支持体との
相互作用を研究した。
実施例1の方法にしたがって抗体をラテックス粒子に
結合した。非誘導体化ラテックスのアリコートを実施例
1に記述したものと同じ希釈緩衝液を用いて0.5%(w/
v)固体に希釈することにより、付加的試料を調製し
た。非誘導体化ラテックスおよび抗体−ラテックス結合
体の別々なアリコートを、表1の種々の緩衝液と共に2m
lの微小遠心管に移した。試料を14,000rpm(16,000xg m
ax)で5分間遠心にかけた。上清液を吸引して捨て、そ
の後、得られたラテックスペレットを0.2%(w/v)固体
で先に用いた試験緩衝液に再懸濁した。
次に、各試験試料の3個のアリコート(各25μl)の
直接ピペットでガラス微小繊維紙のより多孔性の側に分
注した。長波長UV光のもとでの蛍光法により、相互作用
を観察した。UV透視法とポラロイドカメラを用いて蛍光
スポットの写真を撮った。図4にこれらの結果を示す。
ラテックス試料をガラス微小繊維紙に加えた。試料
は、50mMリン酸ナトリウム(pH2,4,6,8,10および12)中
に、ラテックスに結合した抗体を含む試料(2,4,6,8,10
および12)およびラテックスに結合した抗体を含まない
試料(2R,6R,8R,10Rおよび12R)であった。50mM酢酸(p
H3)中に、ラテックスに結合した抗体を含む付加的試料
(HAC−3)およびラテックスに結合した抗体を含まな
い付加的試料(HACR−3)もまた評価した。
図は、抗体がラテックス上に存在すると、ラテックス
とガラス微小繊維紙との相互作用が劇的に増大する、す
なわち、スポットの直径が減少し、紙面上のはるかに少
ない拡散/分散と「より密着した」配置を示すことを表
している。これが、受容体担持粒子を正確な、選択され
た位置に有する試験片の製造を可能にする。
データは、増強された相互作用がpHによって変動する
ことを示している。試験緩衝液のpHが抗体のpI値よりも
低い(すなわち、pH2〜4)時は、分散の程度は少なく
なる。
実施例3 さらなる研究が実施され、これにより実施例2の実験
から到達された結論の1つ、すなわち、粒子上の帯電し
た受容体の存在は分散を減少させるのに役立ったという
ことを確認した。
先に記述したウサギ抗ストレプA(strep A)抗体
は、前の実施例のガラス微小繊維紙と共に適当であっ
た。抗ストレプA抗体とペルオキシダーゼ(POD)の結
合体を、大体Nakaneら、J.Hist & Cyt.22(12):1084
−1091(1974)にしたがって調製した。さらに、グルー
プAストレプトコッカスの炭水化物抗原を、大体Kholy
ら、Appl.Microbiol.28(5):836−839(1974)にした
がって調製した。
図2にしたがった装置を作製した。上記の抗体を50mM
リン酸ナトリウム(pH2、4、6、8、10または12)あ
るいは50mM酢酸(pH3)で、250μg/mlまたは600μg/ml
に希釈した。両方の濃度の、および種々のpHの抗体12μ
lをガラス微小繊維試験領域に適用し、評価材料とし
た。両方の濃度と記載されたすべてのpH用に各試験片が
2組ずつ作製された。試験片は37℃で1時間乾燥した。
試験を行うにあたって、270μl容量の中性pH緩衝液
を2組の試験片のガラス微小繊維紙のそれぞれに加え、
また、試験片の第2のものは2ng/mlのグループAストレ
プトコッカスの炭水化物抗原を受け取った。この抗原は
Kholyら、Appl.Microbiol.28(5):836−839(1974)
にしたがって調製されたものであった。対照または抗原
の添加に続いて、35μl容量の4U/mlペルオキシダーゼ
標識ウサギ抗ストレプA抗体結合体を加え、1分間イン
キュベートした。この後、PBS中の過ホウ酸ナトリウム
4水和物の1ml試料を試験片のスポンジに添加した。そ
の後、抗ストレプA抗体の紙への結合を指し示す呈色反
応について、試験片を目視によって15分後に観察した。
図5は典型的な結果を示し、pH効果といわれるものを
実証している。pH4では呈色反応が観察されたが、pH10
では観察されなかった。一般に、pH値が抗体の典型的な
pI値(5.6から7.7の範囲)のそれよりも低いときは、リ
ン酸緩衝液と酢酸緩衝液の両方において呈色反応を観察
した。pHが6から10へ上昇するにつれ、呈色反応は徐々
に減少した。
グループAストレプトコッカスの炭水化物抗原の不在
下では、呈色反応は全く観察されなかった。これは特異
性を示唆し、またここに記述する方法による抗体のガラ
ス微小繊維紙への結合は、抗原との相互作用を妨げない
ことを示唆する。したがって、ここに記述する方法によ
って作製される試験片は定性イムノアッセイ装置に使用
し得る。
実施例4 非誘導体化蛍光ラテックスの移動性をラテックス−抗
体結合体のそれと比較した。装置および試薬は先に記述
したように調製し、試薬適用のためのプロトコールも同
様に行った。ラテックスおよびラテックス−抗体結合体
の再懸濁のための試験緩衝液は、50mMリン酸ナトリウム
(pH2または12)か、または50mM酢酸(pH3)であった。
ラテックスと紙片との相互作用を、UV光蛍光法により試
験片の展開の前と後で観察した。図6に適例の写真を示
す。
図6が、ラテックス中に抗体が存在するとそれは試験
支持体(例えばガラス微小繊維紙)との相互作用におい
て重要な役割を果たす、という主張を支持することが分
かるであろう。例えば、以下のことに注目すべきであ
る。すなわち、未処理ラテックスについては試験片の展
開前はあまり明瞭でないバンドがあり、また試験片の展
開後はバンド蛍光の減少がある。
実施例5 先行する実施例は、ここに記述する本発明において抗
体の使用が実行可能であることを示した。これから示す
ように、他のタンパク質もまた使用可能である。
p24およびgp41分子に対する免疫優性(immunodominan
t)領域を含有する組換えHIV−1タンパク質を得、同じ
くHIV−1陽性患者由来の高い抗gp41反応性を示すヒトI
gGを得た。また、マウスモノクローナル抗HIV−1 p24抗
体を確保し、同じくヤギ抗ヒトIgGおよびヤギ抗マウスI
gGペルオキシダーゼ結合体を確保した。
p24タンパク質は、1%SDS(w/v)を含有する0.1Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)に入れて供給された。
これを0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を用いて
23.9mg/mlから4.0mg/mlに希釈した。リン酸ナトリウム
緩衝液に代えて、10KDa Centricon Unitを用いて緩衝液
を交換した。同様に、gp41組換えタンパク質の緩衝液
を、0.1%(w/v)SDSおよび5mM EDTAを含有した0.1Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液pH7.5から交換した。
タンパク質の試験試料は、50mlリン酸ナトリウム(pH
2、4、6、8、10または12)または50ml酢酸(pH3)で
1mg/mlに希釈した。適用プロトコールは、実施例3で考
察した抗ストレプA抗体について記述したのと全く同じ
であった。
再度実施例3にしたがって、270μl容量のマウスモ
ノクローナル抗HIV p24抗体の1:100(v/v)希釈物を2
組の試験片の1つに適用し、また同容量のHIV陰性血清
試料を対照として他の試験片に加えた。次に、35μlア
リコートのヤギ抗マウスIgGペルオキシダーゼ[1:200
(v/v)希釈物]およびヤギ抗ヒトIgGペルオキシダーゼ
結合体(0.1U/ml)を試験片に加え、また次に過ホウ酸
ナトリウム4水和物を含有するのPBS溶液1mlを加えた。
再度、実施例3におけるように、今度は10分後に肉眼で
見える色を観察した。色の形成は、p24:マウスIgG結合
体、またはp24:ヒトIgG結合体の存在を指し示す。
図7は、これらの結果を示す。各試料の「第1の」試
験片(これはマウス試料を使用したものである)は、タ
ンパク質含浸が低いpH(2および3)で起こると、きわ
めて緊密なろ紙への結合が見られることを示した。pHレ
ベルが上がると、移動性は増大した。陰性試料が幾分か
の非特異的結合を確かに示したが、すべての試料は陽性
試験片よりもはるかに反応性が低かった。
実施例6 実施例5に使用したプロトコールを、gp41を試験する
のに用いた。相違点はただ、陽性対照の精製ヒト抗HIV
gp41 IgG(62μg/ml)であったこと、およびヤギ抗ヒト
IgGペルオキシダーゼ結合体(0.1U/ml)を両方の試験片
に使用したことであった。図8の写真は、再度、移動性
と上昇したpHの間に相関関係があったことを示してい
る。
実施例7 ここに記述し、また図2に示す試験片要素を、グルー
プAストレプトコッカスの検出に使用した。まず、ポリ
ビニルアルコール繊維を有するWhatmanガラス繊維紙の
長さ2.8cm幅0.6cmの小片に切ってマトリックス20を作製
した。この小片の最初の部分を6〜12μlの、表面に結
合した非免疫性ウサギIgGを有する0.4〜0.5μmポリス
チレンラテックスの0.1%(w/v)固体懸濁液で含浸し
た。この小片の中間の部分を、アフィニティー精製ウサ
ギ抗グループAストレプIgGに結合したラテックスの同
様の懸濁液で含浸した。この小片の末端の部分を、ラテ
ックスと結合したウサギ抗グループAストレプIgG結合
体および6μlの精製グループAストレプ炭水化物抗原
溶液(濃度60〜80ng/ml)の両方で含浸した。マトリッ
クスを35℃で約20分間乾燥した。これは、真の陰性対照
「21」、試験結果領域「22」および真の陽性対照「23」
に相当する固相領域の線形配列を有する完全なマトリッ
クスを作り出した。マトリックスの一端は、320紙「2
4」の長さ6.5cm幅0.6cmの小片(これは廃液領域「25」
の部分が約60μlの100mg/mlアジ化ナトリウム水溶液で
含浸されている)の下に2mmだけ重ね合わせた。マトリ
ックスの反対側の端は、X6212 Visporeの長さ1.2cm幅0.
6cmの小片の下に4mmだけ重ね合わせた。両面接着剤の長
さ1.2cm幅0.6cの小片をVisporeの上に配置した。長さ1.
5cm幅0.6cmの紙片「27」を両面接着剤の上に配置した。
この紙片は約50μgのペルオキシダーゼの色原体基質、
すなわち4−メトキシ−1−ナフトールで含浸され、40
℃で15分間乾燥してあった。この紙片はマトリックスと
2mm重なり合い、したがって多孔性Visporeを介してマト
リックスとの直接流体接触が確立された。両面接着剤
「28」の長さ1cm幅0.6cmの小片を紙27の上に配置した。
この接着剤は紙27のマトリックス要素から最も離れた位
置の上部表面に端に0.5cmの「窓」を作り出すように配
置された。最後に長さ4cm幅0.6cmのスポンジ「26」を構
成要素28の上に据えた。すべての試験片構成要素は図示
されているように重なり合って連続した試験片を形成
し、これらはホットメルト接着剤および/または両面接
着剤を用いて、長さ13cm幅0.6cmのポリエステル支持体
ホイルに取り付けられた。
前記のように構築された試験片をグループAストレプ
トコッカスの検出に使用した。0、2.5x104、5x104、お
よび1x105のグループAストレプトコッカスコロニー形
成単位(CFU)を加えたスワブ(swab)を小さいガラス
試験管に入れ、上記のEl−Kholyらにしたがって標準2
分間微量亜硝酸抽出にかけてグループ特異的炭水化物抗
原を無傷のストレプトコッカスの細胞壁から遊離させ
た。抽出に続いて、亜硝酸抽出物を弱塩基で中和し、中
和された抽出物の250から300μlを試験片のマトリック
スの地点21と22の間に滴下した。次に、緩衝液中の5単
位/mlペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ストレプA結合体
調製物30〜35μlをマトリックスの同じ位置に加えた。
最終工程で、過ホウ酸ナトリウム4水和物を含有するリ
ン酸緩衝溶液を試験片の構成要素26に適用した。抽出し
たグループAストレプトコッカスCFUを加えた試験片は
すべてマトリックス要素の位置22および23の両方に青い
線を示した。グループAストレプトコッカスCFUを含有
しない抽出物を用いて使用した試験片は、位置23のみに
青い線を示した。マトリックス上の青い着色は、22およ
び23によって示される領域において過酸化水素の存在下
で色原体基質4−メトキシ−1−ナフトールに対してペ
ルオキシダーゼが作用したことを示した。吸収性貯蔵器
24の廃液領域11におけるアジ化ナトリウムとの相互作用
によるペルオキシダーゼの不可逆的阻害は、この貯蔵器
における実質的発色を妨げた。これは、試験片の蒸発乾
燥の間に色のマトリックスへの逆拡散がおこる可能性を
排除することによって、マトリックス要素上の試験結果
の安定性を保つのに役立った。
実施例8 別の酵素/基質信号発生系と共に使用する場合の試験
片装置の順応性のテストするため、実施例7に記述した
のと同じ方法で試験片を構築しアッセイした。ただし以
下の点で異なっていた。すなわち、構成要素27は約50μ
lの5−ブロモ−クロロ−3−インドリルホスフェート
(1〜2mg/ml)(BCIP)溶液およびニトロブルーテトラ
ゾリウム(0.25〜0.5mg/ml)(NBT)で含浸され、構成
要素11には信号インヒビターを組み込まず、またアッセ
イは40〜50μlの5〜10単位/mlアルカリホスファター
ゼ標識ウサギ抗ストレプA結合体および50mMの2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノールを含有する洗浄緩衝
液を用いて実施された。抽出したグループAストレプト
コッカスCFUを加えた試験片はすべてマトリックス要素
の領域22および23の両方に紫色のバンドを示した。グル
ープAストレプトコッカスCFUを含有しない抽出物を用
いて使用した試験片は、領域23のみに紫色の線を示し
た。
実施例9 非酵素的信号発生系を有する試験片装置の有用性を実
証するため、金標識ウサギ抗グループAストレプIgG結
合体を30nmオーロビーズ(登録商標)(AurobeadsTM
(Janssen)を用いて調製した。この結合体の調製に使
われた手順および緩衝液系は、製造者が30nm粒子のポリ
クローナル抗体による標識化のために推奨するものであ
った。標識には、5〜10μg/mlの抗体濃度の金ゾルを使
用した。試験片要素は、実施例7に記述したのと同じ方
法で構築した。ただし以下の点で異なっていた。すなわ
ち、構成要素28および27は試験片に組み入れず、また吸
収性貯蔵器24の廃液領域25に使われていた信号インヒビ
ターも組み入れなかった。試験片を評価するため、ゼロ
または1x105ストレプトコッカスCFUを含有する中和され
た亜硝酸抽出物250〜300μlをマトリックス要素の領域
21と23の間に適用した。この工程に次いで、520nmの吸
光度を5.0から7.0に調整した金標識抗体の懸濁液50μl
をマトリックスの同じ領域に適用した。アッセイの最終
工程では、1.2mlのリン酸緩衝溶液の洗浄液を構成要素2
6に加えた。グループAストレプトコッカスCFUを含有す
る中和された抽出物を加えた試験片は領域22および23に
赤い線を示した。グループAストレプトコッカスCFUを
含有しない抽出物を受け取った試験片は、領域23のみに
赤い線を示した。
実施例10 「ボード上の(on board)」信号発生系を有する試験
片装置の有用性を実証するため、試験片を実施例1に記
述したのと同じ方法で構築した。ただし以下の点で異な
っていた。すなわち、構成要素27は実施例9で使用した
金標識抗体を乾燥形態で含有していた。試験片は、実施
例9に記述したようにストレプトコッカスのCFUを含
む、または含まない中和された亜硝酸抽出物をマトリッ
クス要素に適用することにより評価した。マトリックス
への試料の適用に次いで、1.2mlのリン酸緩衝溶液の洗
浄液を構成要素27に加えた。パッド27から放出された金
標識ウサギ抗ストレプAIgGは、グループAストレプトコ
ッカスCFUを含有する試料に暴露された試験片の領域22
および23に捕らえられたグループA抗原に結合した。グ
ループAストレプトコッカスCFUを含有しない抽出物に
暴露された試験片は、領域23のみに赤い線を示した。
実施例11 ディップスティック(dipstick)形式での試験片装置
の使用を示すため、試験片を実施例1に記述したように
構築した。ただし以下の点で異なっていた。すなわち、
構成要素26は試験片要素に組み入れなかった。試料およ
び結合体の適用は実施例7に記述したように実施した。
アッセイの最終工程で、試験片を過酸化物生成化合物を
含有する500μlのリン酸緩衝溶液を含む12x75mmの試験
管に入れ、構成要素3が洗浄液と接触するようにした。
グループAストレプトコッカスを含有する試料に暴露さ
れた試験片は、領域22および23に青い線を示した。グル
ープAストレプトコッカスを含有しない試料に暴露され
た試験片は、領域9のみに線を示した。
実施例12 他のアナライト検出のための試験片装置の使用を示す
ため、試験片を実施例7に記述したのと同様の方法で構
築し、アッセイした。ただし以下の点で異なっていた。
すなわち、構成要素20は、p24もしくはgp41(HIV−1抗
原)を塗布した0.4〜0.5μmポリスチレンラテックスの
0.1%(w/v)固体懸濁液12μl、または個々に精製され
た上記タンパク質の1mg/ml溶液で含浸され、そして陰性
または陽性対照領域(領域21および23)は20には全く含
まれなかった。さらなる相違点は以下のものを含んだ:
(1)構成要素10の廃液領域11には信号インヒビターが
組み入れられていなかった、(2)ヒト血清HIV−1陽
性および陰性試料[1:100(v/v)希釈物]または特異的
マウスモノクローナル抗体(例えば、NENマウス、抗HIV
−1 p24)を対照として使用した、および(3)ヤギ
抗ヒトIgGおよび抗マウスIgG−ペルオキシダーゼ結合体
を信号発生試薬として使用した。p24またはgp41に対す
る抗体を含有する血清試料は、この装置に使用すると、
実施例7に記述されたタイプの眼に見える線(22)を生
じた。他方、陰性血清試料を使用すると、信号は全く生
じなかった。
実施例13 他のアナライト検出のための試験片装置の使用を示す
ため、試験片を実施例7に記述したのと同様の方法で構
築し、アッセイした。ただし以下の点で異なっていた。
すなわち、構成要素20は、マウスモノクローナル抗βhC
G抗体を塗布した0.4〜0.5μmポリスチレンラテックス
の0.2%(w/v)固体懸濁液12μlで含浸され(領域2
2)、また陽性対照(領域23)は上記ラテックスの上に
塗布したヒツジポリクローナル抗マウスIgG抗体を含ん
でいた。前の実験では陰性対照(領域21)は全く利用さ
れなかった。付加的相違点は以下のものを含んだ:
(1)構成要素24に信号インヒビターを組み入れなかっ
た、(2)PBSおよびヒト尿中のhCG試料(0、50および
500mIU/ml)を対照として用いた、および(3)マウス
モノクローナル抗ホロ(holo)hCG−HRP結合体を信号発
生試薬として使用した。抗ホロhCG抗体はhCGのαおよび
β鎖によって作られるエピトープに結合する抗体で、そ
のようなエピトープにのみ結合する。アッセイ形式にお
ける相違点は、容量に関連するものであった:すなわ
ち、150μlの試料、50μlのmAb抗ホロhCG−HRP(12U/
ml)および850μlのランバッファーである。
同様な結果が、領域22および23の試験に先だって構成
要素20で乾燥させたmAb抗ホロhCG−POD結合体を有する
試験片について観察され、これは手作業による液体結合
体添加の必要を排除した。
hCGを含有する尿試料はこの試験装置に使用すると肉
眼で見える2本の線(領域22および23)を生じ、1本は
試験領域で他の1本は陽性対照であった。hCGを含有し
ない尿試料は肉眼で見える1本の線(領域23)を陽性対
照領域に示した。
実施例14 尿中のhGCを分析するために試験片を作製し、使用し
た。試験片は実施例15のものと以下の点を除いて同一で
あった。すなわち、mAb抗ホロhCGをアルカリホスファタ
ーゼに結合させた;構成要素27をBCIP/NBT(それぞれメ
タノール中に0.5mg/ml)で含浸した;およびアルカリホ
スファターゼランバッファーを使用した。
同様な結果が、領域22および23の試験に先だって構成
要素20で乾燥させたmAb抗ホロhCGアルカリホスファター
ゼ結合体を有する試験片について観察され、これは再度
手作業による液体結合体添加の必要を排除する。
hCGを含有する尿試料はこの試験装置に使用すると肉
眼で見える2本の線(領域22および23)を生じ、1本は
試験領域で他の1本は陽性対照であった。hCGを含有し
ない尿試料は肉眼で見える1本の線(領域9)を陽性対
照領域に示した。
以上に述べた実施例はこのように本発明の特徴を示
す。これらの特徴は、例えば分析方法(種々のパラメー
ターの診断など)に有用な試験要素の作製に有用な方法
を含む。この作製方法は、その最も広い態様において、
アナライト特異的受容体に電荷を付与し、次にこの材料
組成物を反対の電荷を帯びた試験要素に適用することを
必要とする。電荷の相互作用が材料組成物を十分に固定
するので、出来上がった装置を有用たらしめるのに接着
剤は必要ない。
ここで用いられる材料組成物という用語は、アナライ
ト特異的受容体の試料のような単純なものをさすことが
ある。可能性のあるアナライト特異的受容体のいくつか
は以下に考察される。本発明のこの点における1つの好
ましい態様においては、材料組成物はまた、アナライト
特異的受容体が結合または付着した担体を含む。担体の
例も以下に述べられる。
特に好ましい態様においては、材料組成物はそれに電
荷を付与するため、材料組成物を作っているまたは材料
組成物に含有されるアナライト特異的受容体の等電点
(pI)と異なるpHを有する溶液と接触させて処理され
る。このタイプの接触を実施する方法は、アナライト特
異的受容体のpIの測定も含め、周知でありここで詳しく
述べる必要はない。
上記のように、材料組成物は電荷を帯びた試験要素に
適用される。試験要素に広く用いられている材料のいく
つか(紙を含む)は、電荷を帯びていることに注意すべ
きである。このような材料を使用すると、材料組成物の
試験要素への固定を確実にするためにそれ以上の処理は
必要ない。しかし、試験要素が電荷を帯びていない場合
は、材料組成物の帯びている電荷と反対の電荷を帯びる
ように処理することが可能である。これを実施するには
多数の標準的方法がある。例えば、セルロース含有試験
要素を過ヨウ素酸塩で処理する、ナイロンの試験要素を
酸性状態に暴露する、または材料を電場に置く、などで
ある。
アナライト特異的受容体の性質は様々でありる。よく
使われる受容体には、ポリクローナルおよびモノクロー
ナル抗体ならびにそれらの結合性断片、およびオリゴ価
(oligovalent)または「重合した」抗体が含まれる。
受容体はプロテインAまたはプロテインGなどの他のタ
ンパク質であってもよい。また、アッセイが抗体を測定
する場合(上記のHIVアッセイに注目されたい)、受容
体は抗原でもあり得るので、任意の結合性タンパク質が
アナライト特異的受容体として役立ち得る。同様に、レ
クチンのような受容体は炭水化物、脂質、あるいは核酸
分子、および前記のタンパク質を含有しうる。ビオチン
およびアビジン/ストレプトアビジンならびにこれらの
誘導体はここに包含され、同じくアナライトに結合する
能力を変化させない方法で処理された受容体も包含され
る。このような修飾の例をここにあげる必要はないであ
ろう。なぜなら当分野の技術は、例えば固相結合しやす
くさせるためのタンパク質のスクシニル化などに、おそ
らく精通しているからである。
これらのアナライト特異的受容体はもちろんアッセイ
の目的に基づいて選択される。典型的な試験には、例え
ば性的感染症(STD)を含むがこれだけに限定されない
感染性疾患の病因物質に関するアッセイが含まれる。受
容体は原因物質のエピトープに結合するものが選ばれ
る。先に記述した特定微生物に加え、クラミジア(Chla
mydia)、風疹ウイルス(Rubella)、サイトメガロウイ
ルス(Cytomegalovirus)、トキソプラズマ(Toxoplasm
a)、ナイセリア(Neisseria)、ヘルペスウイルス(He
rpes)およびヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodefi
ciency Virus)はアッセイ可能な微生物の一部である。
ここに記述する受容体に関連して担体が使用される場
合、「担体」は診断装置と関連づけられる任意の材料で
あってよい。これらには以下のものが含まれるが、それ
だけに限定されない。すなわち、特定形状(例えばビー
ズまたは球体)の担体、またはラテックス、ガラス、架
橋炭水化物、アガロース、ポリスチレン、デキストラ
ン、雲母および珪藻土などの特定の合成または天然材料
である。これらの担体は固体または多孔性であり得る。
特に好ましいのは均一サイズで直径が約1.0nmから約20
μmの担体である。特に好ましいのは0.3から1.0μmの
粒子で、なかでも直径が0.4から0.5μmのものがとりわ
け好ましい。
これらの粒子を試験支持体に前述のように適用した
後、出来上がった材料を診断装置の作製に使用すること
が可能である。このような装置は本発明の別な側面であ
り、複数の領域に分かれた材料を含む。本発明の装置の
最も顕著な特徴は、各領域が吸収性材料を含む3つの別
々な領域の存在を包含する。これらの領域は、分析され
る流体すなわち試料がそのそれぞれを通って動いていく
ような方法で提供される。第1の領域は非反応性固定化
材料、例えば非結合性IgGなどを含有することによって
特徴付けられる。これらの材料は、使用者が使用してい
る特定装置の完全性を判断する上で有用である。第2の
領域は、アナライト特異的受容体を含むように作製され
る。このアナライト特異的受容体は、前記の方法で吸収
性支持体に結合していることが可能だが、そうである必
要はない。第3の領域はアナライト受容体および測定さ
れるべきアナライトの両方を含有する。この組み合わせ
は、もし装置が機能しているならば、第3領域で結合が
起こることを保証する。第3領域のアナライトは試料に
溶解性でありうるが、そうである必要はない。固定化反
応剤の存在は、そこに含有されるアナライトが溶解性で
あろうとまたは、例えば上に記述したもののように担体
上に存在しようと、固定化されることを保証する。
本発明の装置のアナライト特異的受容体は先に考察し
た受容体のどのタイプのものでもよいことを先に示し
た。同様に、これらの受容体は先に記述した任意の担体
上に位置してよい。試験支持体および装置を作製するの
に使用される支持体は、繊維性(例えばガラス繊維を含
有する)、吸水性(例えば吸収性の紙またはセルロース
を含有する)でありうる。そして、それらはまたゲル、
フィルム、織布、などの膜性でありうる。
ここに記述する本発明の装置および方法の多数の異な
る態様があり、それらはすべて当業者には有用である。
例えば、診断分析の基本的原則を適用して、ここに記述
する装置の変形を作製することが可能である。先に指摘
したように、ここに記述する固定方法はアナライト特異
的受容体の位置づけに通じる。第2の受容体を試験支持
体または装置に組み入れることも可能である。そのよう
な状況では、第2の受容体は対象となるアナライトと結
合して第1受容体−アナライト−第2受容体のサンドイ
ッチ構造体を作り出すこともできるし、または直接第1
の受容体と結合してアナライトと結合について競合する
ことも可能である。これらの態様のどちらにおいても、
第2の受容体が検出可能な信号をもたらす標識を持つこ
とが望ましい。選択される標識は、酸素、金ゾル、染料
ゾル、着色粒子、蛍光体、化学発光体、または放射性標
識でありうる。β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼまたはグルコ
ースオキシダーゼ等の酵素を使用する場合、試験支持体
はその酵素と反応して信号(必ずそうではないが一般的
には着色されたもの)をもたらす物質をも含有すること
ができる。上にリストした酵素は、使用し得る酵素の例
とみなされるべきである。このリストは包括的なもので
はない。
例えばSTDの診断を含む多くの状況において、試料を
同時に2個以上のアナライトについて分析するのが望ま
しいことはよく認識されている。本発明はこのような複
数アナライトの分析に有用な装置を作製する方法を提供
する。この装置では、複数の異なる材料組成物が使用さ
れ、これらは試験要素の異なる領域に配置されている。
本発明による試験装置の構築には種々の形状が使用で
きる。先に提供した本発明の複数の領域に分かれた装置
の記述は、いかにして3つの領域のすべてが固定化反応
剤を含有するかを説明する。第2および第3領域の両方
における反応剤はアナライトと結合しなければならない
ので、ある時にはこれらの反応剤が同一であることが必
ずではないが望ましい。例えば、チロキシンアッセイに
おいては、領域2および3の一方は固定化抗チロキシン
抗体を含有し、もう一方は固定化チロキシン結合タンパ
ク質を含有することが可能である。両方の領域はまたこ
れらの1つを含有することが可能である。同様に、HIV
抗体に対してアッセイを行なう時は、2つの領域に2つ
の異なるペプチドを使用することも可能であるし、また
は同じペプチドを両方に使用することも可能である。ま
た、実施例が示すように、1本鎖の2つが結合して二量
体を形成したときに作られるエピトープにのみ結合する
抗体があり、また1本の鎖に対してのみ特異的な抗体が
ある。このタイプの抗体多様性もまた本発明に利用でき
る。
前記のように第1領域は活性な固定化反応剤を含有す
る。ここに用いられる材料の選択は、第2および第3領
域の一方または両方に用いられている固定化反応剤の不
活性形態のものを用いるのが好ましいが、様々でありう
る。不活性化は熱または種々の化学薬品などで処理する
ことにより保証されうる。
本発明の装置の構築にあたっては、試料の流れが制御
されるように領域を形作ることが好ましいであろう。こ
れは、例えば連続する2つの領域を一方における流体の
流れる方向が他方における流れに対して垂直であるよう
に位置させることによって達成できる。
ここに開示する装置は3つの領域を必要とするが、領
域は3つだけに限定されない。実際、第3領域の下流に
位置する第4領域を加えるが好ましいこともある。第4
領域の実際的利点は、装置における過剰な液体を吸収す
る能力を含む。また、第4領域は固定化反応の部位から
離れたところに位置しているので、使用者がその特定の
試験片がまだ機能するかどうか、およびどこまで反応が
進んでいるかを確認することを可能にする種々の材料を
含有し得る。第4領域に組み入れることができる材料の
なかには、液体の存在下で変色する物質、pHストレスを
受けると変色するpH指示薬、および特に有用な態様に、
信号インヒビターがある。この態様は有用である。なぜ
なら、しばしば過剰な標識反応剤または着色された反応
生成物が第4領域に流れ込み、次に1つまたはそれ以上
の反応領域に「逆流」してくるからである。インヒビタ
ーの使用は、このような状況が起こるのを防止するのに
役立つ。
第5の領域もまた、上記の第4領域と一緒に、または
第1から第3領域のみと一緒に、使用できる。この第5
領域は第1領域の上流に配置され、またアナライト反応
に参加する標識受容体などの反応試薬を含有するであろ
う。この標識受容体は放出され、種々の領域に流れ込
み、先に記述したように反応する。第5領域に関連して
吸着手段が使用されるであろう。そしてこの手段は、第
5領域と第1領域とがそうであるように、第5領域と流
体接触している。
第1領域と第5領域とが接触しているために、液体を
第5領域に向け、また第1領域から遠ざけるように流体
の流れを阻害または制御することが好ましいであろう。
そして、このような場合、阻害手段を組み入れることが
できる。すると流体は第5領域から第1領域へ流れ、直
接第1領域へは流れない。ここに記述する制御手段は、
好ましくは流体を垂直方向へ流れるよう導くものであ
る。好ましいは、所望のすべての領域が所望の方法で形
作られた時、それらは診断試験片に一般に用いられてい
るタイプの不活性支持体の上に配置される。特に第1、
第2および第3領域は不活性支持体の上に配置すること
が好ましい。
本発明の装置に第2の受容体を組み込むことが可能で
あると先に述べた。しかし、装置自体への組み入れは必
要ではない。なぜなら、第2の受容体は実際の装置の外
部にあるがキットの一部である分かれた部分によって提
供することが可能だからである。このようなキットは、
ランバッファー(run buffer)用の分かれた部分もまた
含むことができる。ランバッファーとは、すなわち装置
に直接加えられる、一般的に不活性で、アッセイの種々
の成分の装置内での移動を助ける材料である。
本発明の他の態様は当業者には明白であろう。よっ
て、ここに述べる必要はないであろう。
明細書および実施例は例証的なもので、本発明を制限
するものではないこと、ならびに、本発明の精神および
範囲内の他の態様は当業者にとって自明であろうこと、
が理解されるであろう。
フロントページの続き (72)発明者 ムールマン,デイヴィッド アール. アメリカ合衆国 46250 インディアナ 州 インディアナポリス, ヘイグ ロ ード 9115番地 (72)発明者 キンチ,マイケル ジェイ. アメリカ合衆国 46250 インディアナ 州 インディアナポリス, ヘイグ ロ ード 9115番地 (72)発明者 バック,ハーヴェイ,ビー. アメリカ合衆国 46250 インディアナ 州 インディアナポリス, ヘイグ ロ ード 9115番地 (56)参考文献 特開 平2−131500(JP,A) 特開 平2−12062(JP,A) 特開 昭62−228167(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 525 G01N 21/78 G01N 33/569

Claims (41)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料の分析に有用な試験要素の作製方法で
    あって、 (i)アナライト特異的受容体を含む組成物に処理を施
    して、これに電荷を付与し、そして (ii)この帯電組成物を、該帯電組成物の電荷と反対の
    電荷を帯びた試験要素の領域に適用して、その上に該帯
    電組成物を結合させる、 ことを含む方法。
  2. 【請求項2】前記の組成物が担体をさらに含み、該担体
    にアナライト特異的受容体が結合される、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】前記の処理がアナライト特異的受容体の等
    電点と異なるpHを有する溶液で前記の組成物を処理する
    ことからなる、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記の試験要素に処理を施して、これに前
    記の帯電組成物と反対の電荷を付与することをさらに含
    む、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】過ヨウ素酸塩を用いた酸化によって前記の
    試験要素を処理することを含む、請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】前記の試験要素を電場に置くことによって
    処理することを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記のアナライト特異的受容体がタンパク
    質含有分子を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記のタンパク質含有分子がスクシニル化
    される、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記のアナライト特異的受容体が炭水化物
    含有分子を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記のアナライト特異的受容体が脂質含
    有分子を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記のアナライト特異的受容体が抗体ま
    たはその結合性断片を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記の抗体またはその結合性断片が感染
    症と関連した生物に特有のエピトープと特異的に結合す
    る、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】感染症と関連した生物がストレプトコッ
    カス(streptococcus)、クラミジア(Chlamydia)、風
    疹ウイルス(Rubella)、サイトメガロウイルス(Cytom
    egalovirus)、トキソプラズマ(Toxoplasma)、ナイセ
    リア(Neiserria)、ヘルペスウイルス(Herpes)、ま
    たはヒト免疫不全ウイルスである、請求項12に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】前記のアナライト特異的受容体が抗原ま
    たはそのエピトープ活性断片を含む、請求項1に記載の
    方法。
  15. 【請求項15】前記の抗原またはそのエピトープ活性断
    片が伝染性の生物に由来するものである、請求項14に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】感染症と関連した生物がストレプトコッ
    カス(streptococcus)、クラミジア(Chlamydia)、風
    疹ウイルス(Rubella)、サイトメガロウイルス(Cytom
    egalovirus)、トキソプラズマ(Toxoplasma)、ナイセ
    リア(Neiserria)、ヘルペスウイルス(Herpes)、ま
    たはヒト免疫不全ウイルスである、請求項11に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】前記のアナライト特異的受容体がレクチ
    ン、ストレプトアビジン、アビジン、プロテインA、ま
    たはプロテインGを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記の担体が多孔質である、請求項2に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】前記の担体が固定である、請求項2に記
    載の方法。
  20. 【請求項20】前記の担体がビーズまたは球体である、
    請求項2に記載の方法。
  21. 【請求項21】前記の担体が合成材料から成る、請求項
    2に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記の担体が天然材料から成る、請求項
    2に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記の担体がラテックス、ガラス、架橋
    炭水化物、アガロース、ポリスチレン、デキストラン、
    雲母、または珪藻土から成る、請求項2に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記の担体が均一なサイズの粒子から成
    る、請求項2に記載の方法。
  25. 【請求項25】前記の粒子の直径が1.0nm〜20μmであ
    る、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】前記の粒子の直径が0.3〜1.0μmであ
    る、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記の粒子の直径が0.4〜0.5μmであ
    る、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】試験要素の前記領域が繊維材料を含む、
    請求項1に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記の繊維材料がガラス繊維を含む、請
    求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】試験要素の前記領域が吸水性材料を含
    む、請求項1に記載の方法。
  31. 【請求項31】前記の吸水性材料がセルロースを含む、
    請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】試験要素の前記領域が膜である、請求項
    1に記載の方法。
  33. 【請求項33】第2受容体を前記の試験要素に組み入れ
    ることをさらに含み、その際、該第2受容体は前記アナ
    ライトまたは前記第1受容体と特異的に結合するもので
    ある、請求項1に記載の方法。 に記載の方法。
  34. 【請求項34】前記の第2受容体が検出可能な信号をも
    たらす標識を持つ、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】前記の標識と反応して検出可能な信号を
    もたらす物質を組み入れることをさらに含む、請求項34
    に記載の方法。
  36. 【請求項36】前記の第2受容体が抗体またはその結合
    性断片である、請求項33に記載の方法。
  37. 【請求項37】前記の第2受容体が抗原またはそのエピ
    トープ活性断片である、請求項33に記載の方法。
  38. 【請求項38】前記の標識が酵素、金ゾル、染料ゾル、
    着色粒子、蛍光体、化学発光体、または放射性標識であ
    る、請求項34に記載の方法。
  39. 【請求項39】前記の酵素がβ−ガラクトシダーゼ、ペ
    ルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ
    またはグルコースオキシダーゼである、請求項38に記載
    の方法。
  40. 【請求項40】それぞれ異なるアナライト特異的受容体
    を含む複数の組成物に処理を施して各組成物に電荷を付
    与し、そして前記試験要素の領域に各組成物を適用する
    ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  41. 【請求項41】前記組成物のそれぞれを前記試験要素の
    別々の領域に適用する、請求項40に記載の方法。
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