JP3237757B2 - 電子部品封止用樹脂組成物および封止電子部品 - Google Patents
電子部品封止用樹脂組成物および封止電子部品Info
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- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L81/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of polysulfones; Compositions of derivatives of such polymers
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐湿性に優れた電子部品封止用樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは、樹脂成分としてポリアリーレ
ンスルフィド(PASと略記)を含む樹脂組成物にエポキ
シ変性シリコーンオイルを配合した電子部品封止用樹脂
組成物および該樹脂組成物を用いて封止した電子部品に
関する。
に関し、さらに詳しくは、樹脂成分としてポリアリーレ
ンスルフィド(PASと略記)を含む樹脂組成物にエポキ
シ変性シリコーンオイルを配合した電子部品封止用樹脂
組成物および該樹脂組成物を用いて封止した電子部品に
関する。
電子部品、例えば、トランジスター、ダイオード、I
C、コンデンサー等は電気絶縁性の保持、外部雰囲気に
よる物性変化の防止に加え、生産性やコストの有利さ等
の目的で合成樹脂で封止することが広く行われている。
C、コンデンサー等は電気絶縁性の保持、外部雰囲気に
よる物性変化の防止に加え、生産性やコストの有利さ等
の目的で合成樹脂で封止することが広く行われている。
従来、封止用の合成樹脂としては、エポキシ樹脂やシ
リコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられているが、熱
硬化に長時間を要し成形サイクルが長いこと、硬化の進
行を防ぐための樹脂の保存方法が容易でないこと、スプ
ルーランナーの再利用ができないこと等の欠点が指摘さ
れている。
リコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられているが、熱
硬化に長時間を要し成形サイクルが長いこと、硬化の進
行を防ぐための樹脂の保存方法が容易でないこと、スプ
ルーランナーの再利用ができないこと等の欠点が指摘さ
れている。
そこで、近年、耐熱性、難燃性に優れた熱可塑性樹脂
であるポリフェニレンスルフィド(PPSと略記)を主体
とする樹脂組成物を電子部品封止用樹脂組成物として用
いることが提案されている(例えば、特公昭56−9014
号、特開昭57−17153、特開昭57−21844号、特開昭57−
40557号、特開昭59−20910号、特開昭59−20911号、特
公昭60−40188号、特開昭62−65351号、特開昭62−1974
51号、特開昭63−146963号)。
であるポリフェニレンスルフィド(PPSと略記)を主体
とする樹脂組成物を電子部品封止用樹脂組成物として用
いることが提案されている(例えば、特公昭56−9014
号、特開昭57−17153、特開昭57−21844号、特開昭57−
40557号、特開昭59−20910号、特開昭59−20911号、特
公昭60−40188号、特開昭62−65351号、特開昭62−1974
51号、特開昭63−146963号)。
しかしながら、PPS樹脂組成物で封止を行った場合、P
PSは、電子部品のリードフレームあるいはボンディング
ワイヤーとの密着性に劣るため、高湿度雰囲気下に置い
た場合、封止用樹脂部分とリードフレームあるいはボン
ディングワイヤーなどとの界面から水分が侵入し、電気
絶縁性の低下や、リードフレームおよびワイヤーの腐食
などを引き起こし、電子部品の電気的特性を低下させ
る。
PSは、電子部品のリードフレームあるいはボンディング
ワイヤーとの密着性に劣るため、高湿度雰囲気下に置い
た場合、封止用樹脂部分とリードフレームあるいはボン
ディングワイヤーなどとの界面から水分が侵入し、電気
絶縁性の低下や、リードフレームおよびワイヤーの腐食
などを引き起こし、電子部品の電気的特性を低下させ
る。
この耐湿性の低下に対し、シリコーンオイルやシリコ
ーンゴムを配合したPPSを主体とする樹脂組成物を電子
部品封止用樹脂組成物として用いることが提案されてい
る(例えば、特開昭55−114784号、特開昭56−38856
号、特開昭61−37482号、特開昭63−219145号、特開昭6
3−219146号、特開昭63−219147号)。
ーンゴムを配合したPPSを主体とする樹脂組成物を電子
部品封止用樹脂組成物として用いることが提案されてい
る(例えば、特開昭55−114784号、特開昭56−38856
号、特開昭61−37482号、特開昭63−219145号、特開昭6
3−219146号、特開昭63−219147号)。
しかし、これら封止用樹脂組成物を用いて封止した電
子部品は、耐湿性の改良効果は見られるものの、いまだ
不十分であり、また、シリコーンオイルのブリーディン
グ現象の問題もあるため、実用化する上で解決すべき課
題となっている。
子部品は、耐湿性の改良効果は見られるものの、いまだ
不十分であり、また、シリコーンオイルのブリーディン
グ現象の問題もあるため、実用化する上で解決すべき課
題となっている。
本発明の目的は、耐湿性に優れた封止電子部品用樹脂
組成物を提供することにある。
組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、このような優れた耐湿性を有す
る電子部品封止用樹脂組成物を用いた封止電子部品を提
供することにある。
る電子部品封止用樹脂組成物を用いた封止電子部品を提
供することにある。
本発明者らは、従来技術、特に特開昭59−20911号に
提案されているエポキシ変性シリコーンオイル(トーレ
シリコーン社製SF8411、エポキシ当量=3,000g/eqiv.)
を配合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物での
耐湿性、ブリーディング性をさらに改良すべく鋭意研究
した結果、熱可塑性樹脂としてPASを用い、無機充填材
を高い割合で配合して樹脂部分の線膨張率の低下を図る
とともに、特定のエポキシ当量を有するエポキシ変性シ
リコーンオイルを含有させた樹脂組成物を用いると、シ
リコーンオイルのブリーディング現象が防止されるとと
もに、該樹脂組成物とリードフレームとの間の密着性が
向上し、優れた耐湿性の得られることを見出し、その知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
提案されているエポキシ変性シリコーンオイル(トーレ
シリコーン社製SF8411、エポキシ当量=3,000g/eqiv.)
を配合したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物での
耐湿性、ブリーディング性をさらに改良すべく鋭意研究
した結果、熱可塑性樹脂としてPASを用い、無機充填材
を高い割合で配合して樹脂部分の線膨張率の低下を図る
とともに、特定のエポキシ当量を有するエポキシ変性シ
リコーンオイルを含有させた樹脂組成物を用いると、シ
リコーンオイルのブリーディング現象が防止されるとと
もに、該樹脂組成物とリードフレームとの間の密着性が
向上し、優れた耐湿性の得られることを見出し、その知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、ポリアリーレンスルフィ
ド(PAS)25〜60重量%および無機充填材40〜75重量%
からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部、およびエポキ
シ当量が350〜1,000g/eqiv.のエポキシ変性シリコーン
オイル1.5〜5重量部を含有することを特徴とする電子
部品封止用樹脂組成物が提供される。
ド(PAS)25〜60重量%および無機充填材40〜75重量%
からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部、およびエポキ
シ当量が350〜1,000g/eqiv.のエポキシ変性シリコーン
オイル1.5〜5重量部を含有することを特徴とする電子
部品封止用樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、これらの樹脂組成物を用いて
封止した電子部品が提供される。
封止した電子部品が提供される。
以下、本発明について詳述する。
(ポリアリーレンスルフィド) 本発明で用いるPASは、ポリマーの主構成単位として
p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位 を50重量%以上、より好ましくは70重量%以上含むポリ
マーである。
p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位 を50重量%以上、より好ましくは70重量%以上含むポリ
マーである。
ただし、加工性および物性を損なわない範囲内におい
て、重合時に架橋剤(例えば、1,2,4−トリハロベンゼ
ン等)を用いて得た低架橋ポリマーも許容できる。
て、重合時に架橋剤(例えば、1,2,4−トリハロベンゼ
ン等)を用いて得た低架橋ポリマーも許容できる。
p−フェニレンスルフィド単位が50重量%以上である
ことに対応して、このPASは、50重量%未満の他の共重
合性構成単位を含むことができる。
ことに対応して、このPASは、50重量%未満の他の共重
合性構成単位を含むことができる。
このような構成単位としては、m−フェニレンスルフ
ィド単位、ジフェニルスルフォンスルフィド単位、ジフ
ェニルスルフィド単位、ジフェニルエーテルスルフィド
単位、2,6−ナフタレンスルフィド単位などがある。
ィド単位、ジフェニルスルフォンスルフィド単位、ジフ
ェニルスルフィド単位、ジフェニルエーテルスルフィド
単位、2,6−ナフタレンスルフィド単位などがある。
また、p−フェニレンスルフィド繰り返し単位70〜95
重量%とm−フェニレンスルフィド繰り返し単位5〜30
重量%とからなるブロック共重合体も好ましく用いられ
る。
重量%とm−フェニレンスルフィド繰り返し単位5〜30
重量%とからなるブロック共重合体も好ましく用いられ
る。
本発明のPASとしては、融点が250℃を越えるものが好
ましい。融点が250℃以下では耐熱性樹脂としての特徴
を十分に発揮することができない。
ましい。融点が250℃以下では耐熱性樹脂としての特徴
を十分に発揮することができない。
また、本発明のPASは、温度310℃、剪断速度10,000/
秒で測定した溶融粘度が10〜500ポイズの範囲、より好
ましくは20〜200ポイズの範囲のものが望ましい。
秒で測定した溶融粘度が10〜500ポイズの範囲、より好
ましくは20〜200ポイズの範囲のものが望ましい。
溶融粘度が10ポイズ未満では、封止成形時に組成物中
の無機充填材とPASとの分離が起き易く、また、封止成
形物の機械的強度が低下し、好ましくない。
の無機充填材とPASとの分離が起き易く、また、封止成
形物の機械的強度が低下し、好ましくない。
一方、PASの溶融粘度が大きくなれば、比較的多重に
配合しても良好な物性を有する封止用樹脂組成物を得る
ことができるが、500ポイズを越えると、封止成形用組
成物の溶融粘度が大きくなり過ぎ、流動性の低下、成形
加工性の低下が生じるとともに、封止成形時の「素子ず
れ」、「ワイヤー変形」等を起こすおそれがある。
配合しても良好な物性を有する封止用樹脂組成物を得る
ことができるが、500ポイズを越えると、封止成形用組
成物の溶融粘度が大きくなり過ぎ、流動性の低下、成形
加工性の低下が生じるとともに、封止成形時の「素子ず
れ」、「ワイヤー変形」等を起こすおそれがある。
このようなPASは、例えば、特開昭61−7332号公報に
記載の方法等により好適に得ることが出来る。
記載の方法等により好適に得ることが出来る。
(無機充填材) 本発明で使用する無機充填材としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、酸
化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸
カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化
マグネシウム、リン酸マグネシウム、窒化ケイ素、ガラ
ス、ハイドロタルサイト、酸化ジルコニウム等の粒状ま
たは粉末状の充填材が挙げられる。
カ、アルミナ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、酸
化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸
カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化
マグネシウム、リン酸マグネシウム、窒化ケイ素、ガラ
ス、ハイドロタルサイト、酸化ジルコニウム等の粒状ま
たは粉末状の充填材が挙げられる。
これらの無機充填材は、それぞれ単独で、あるいは2
種以上組合せて用いることができる。
種以上組合せて用いることができる。
また、これらの無機充填材をシランカップリング剤や
チタネートカップリング剤で処理したものも用いること
ができる。
チタネートカップリング剤で処理したものも用いること
ができる。
(エポキシ変性シリコーンオイル) 本発明で使用するエポキシ変性シリコーンオイルは、
ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサ
ンなどのごときポリオルガノシロキサン(シリコーンオ
イル)のケイ素原子に結合する有機基の一部をエポキシ
環含有有機基で置換(エポキシ変性)したもので、変性
の度合を示すエポキシ当量が350〜1,000g/eqiv.、好ま
しくは400〜700g/eqiv.のものである。
ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサ
ンなどのごときポリオルガノシロキサン(シリコーンオ
イル)のケイ素原子に結合する有機基の一部をエポキシ
環含有有機基で置換(エポキシ変性)したもので、変性
の度合を示すエポキシ当量が350〜1,000g/eqiv.、好ま
しくは400〜700g/eqiv.のものである。
ここで、エポキシ当量とは、シリコーンオイル分子鎖
中に存在するエポキシ基の単位数当りの分子量を表して
おり、分子鎖中のエポキシ基の数が多くなるとエポキシ
当量は小さくなる。
中に存在するエポキシ基の単位数当りの分子量を表して
おり、分子鎖中のエポキシ基の数が多くなるとエポキシ
当量は小さくなる。
エポキシ当量が350g/eqiv.未満では、エポキシ変性シ
リコーンオイル中のエポキシ基の割合が多くなり、樹脂
組成物の柔軟性が失われるとともにリードフレームとの
密着性が低下し、耐湿性の改善効果は小さくなる。
リコーンオイル中のエポキシ基の割合が多くなり、樹脂
組成物の柔軟性が失われるとともにリードフレームとの
密着性が低下し、耐湿性の改善効果は小さくなる。
一方、エポキシ当量が1,000g/eqiv.を越すと、エポキ
シ変性シリコーンオイル中のエポキシ基の割合が少なく
なり、PASとの相溶性が低下し、シリコーンオイルがブ
リードしやすくなるとともに、樹脂組成物の弾性率、強
度の低下が顕著になるため好ましくない。
シ変性シリコーンオイル中のエポキシ基の割合が少なく
なり、PASとの相溶性が低下し、シリコーンオイルがブ
リードしやすくなるとともに、樹脂組成物の弾性率、強
度の低下が顕著になるため好ましくない。
このようにエポキシ当量が350〜1,000g/eqiv.の範囲
外では、耐湿性および強度等物性の優れた封止用組成物
は得られない。
外では、耐湿性および強度等物性の優れた封止用組成物
は得られない。
また、エポキシ変性シリコーンオイルの粘度(25℃)
は、通常、100〜20,000cStの範囲が好ましい。
は、通常、100〜20,000cStの範囲が好ましい。
(各成分の配合割合) 本発明の電子部品封止用樹脂組成物は、PAS25〜60重
量%と無機充填材40〜75重量%との割合からなる熱可塑
性樹脂混合物100重量部に対して、エポキシ変性シリコ
ーンオイルを1.5〜5重量部の割合で配合したものであ
る。
量%と無機充填材40〜75重量%との割合からなる熱可塑
性樹脂混合物100重量部に対して、エポキシ変性シリコ
ーンオイルを1.5〜5重量部の割合で配合したものであ
る。
無機充填材の配合割合が40重量%未満では、樹脂組成
物の線膨張率の低下が不十分となり、該組成物の高温時
の熱変形が大きく、封止成形物の耐湿性が劣る。逆に、
75重量%を越えると、樹脂組成物の粘度が上昇し成形性
が劣る。
物の線膨張率の低下が不十分となり、該組成物の高温時
の熱変形が大きく、封止成形物の耐湿性が劣る。逆に、
75重量%を越えると、樹脂組成物の粘度が上昇し成形性
が劣る。
次に、エポキシ変性シリコーンオイルの配合量が1.5
重量部未満では、樹脂部の低弾性変化が十分でなく、ま
た、リードフレームと樹脂部との密着性も十分でなく、
耐湿性が劣る。一方、5重量部を越えると、封止成形物
としての機械的強度の低下が生じ、しかも成形時にブリ
ーデイング現象があらわれるため好ましくない。
重量部未満では、樹脂部の低弾性変化が十分でなく、ま
た、リードフレームと樹脂部との密着性も十分でなく、
耐湿性が劣る。一方、5重量部を越えると、封止成形物
としての機械的強度の低下が生じ、しかも成形時にブリ
ーデイング現象があらわれるため好ましくない。
このように本発明においては、前記特定の成分を特定
の配合割合で使用することにより、耐湿性、曲げ強度等
の優れた封止用樹脂組成物とすることが出来るのであ
る。
の配合割合で使用することにより、耐湿性、曲げ強度等
の優れた封止用樹脂組成物とすることが出来るのであ
る。
本発明の封止用組成物には、この他に必要に応じて、
本発明の目的を損なわない範囲で、他の合成樹脂、エラ
ストマーあるいは抗酸化剤、熱安定剤、光安定剤、防錆
剤、カップリング剤、離型剤、滑剤、着色剤、発泡剤、
難燃剤、静電防止剤等を配合することが出来る。
本発明の目的を損なわない範囲で、他の合成樹脂、エラ
ストマーあるいは抗酸化剤、熱安定剤、光安定剤、防錆
剤、カップリング剤、離型剤、滑剤、着色剤、発泡剤、
難燃剤、静電防止剤等を配合することが出来る。
合成樹脂およびエラストマーとしては、例えば、ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、
ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリーレン、ポ
リアセタール、ポリ四フッ化エチレン、ポリ二フッ化エ
チレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹
脂;ポリオレフィンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム
などのエラストマー;を挙げることができる。
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、
ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリーレン、ポ
リアセタール、ポリ四フッ化エチレン、ポリ二フッ化エ
チレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹
脂;ポリオレフィンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム
などのエラストマー;を挙げることができる。
本発明の封止用樹脂組成物の溶融粘度(310℃、剪断
速度10,000/秒で測定)は、通常、200〜1,000ポイズで
ある。この溶融粘度が200ポイズ未満では、封止成形物
にクラックが発生しやすくなり、耐湿性が低下する。一
方、1,000ポイズを越えると、封止成形時のワイヤー断
線等を起こしやすくなるので好ましくない。
速度10,000/秒で測定)は、通常、200〜1,000ポイズで
ある。この溶融粘度が200ポイズ未満では、封止成形物
にクラックが発生しやすくなり、耐湿性が低下する。一
方、1,000ポイズを越えると、封止成形時のワイヤー断
線等を起こしやすくなるので好ましくない。
ここで、各成分を混合する方法は、特に限定されな
い。例えば、各成分をヘンシェルミキサー等の混合機で
混合する方法が広く用いられている。また、本発明の樹
脂組成物を封止成形する方法も特定の方法に限定されな
い。
い。例えば、各成分をヘンシェルミキサー等の混合機で
混合する方法が広く用いられている。また、本発明の樹
脂組成物を封止成形する方法も特定の方法に限定されな
い。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
<物性試験の方法> 得られた封止成形品について、次の方法により物性試
験を行なった。
験を行なった。
耐湿性試験 試験法:封止成形品を85℃、湿度85%の雰囲気下に24
時間置き、次いで260℃の半田浴槽に10秒間リードフレ
ーム部のみ浸漬させた後、25℃で、蛍光インク(栄進化
学製:金属探傷用インク、ネオグロ−F−4A−E)に1
時間浸漬し、次いでサーディップパッケージオープナ00
−032型(B&G ENTERPRISES社製)を用いてT0−92型ト
ランジスターダミー品をリードフレームと封止樹脂界面
部から開封して、封止樹脂組成物と金属との界面におけ
る蛍光インクの浸透度を目視により観察し、次の基準で
判定した。
時間置き、次いで260℃の半田浴槽に10秒間リードフレ
ーム部のみ浸漬させた後、25℃で、蛍光インク(栄進化
学製:金属探傷用インク、ネオグロ−F−4A−E)に1
時間浸漬し、次いでサーディップパッケージオープナ00
−032型(B&G ENTERPRISES社製)を用いてT0−92型ト
ランジスターダミー品をリードフレームと封止樹脂界面
部から開封して、封止樹脂組成物と金属との界面におけ
る蛍光インクの浸透度を目視により観察し、次の基準で
判定した。
◎:浸透度 極めて小、 ○:浸透度 小、 △:浸透度 中、 ×:浸透度 大。
強度(曲げ強度、曲げ弾性率)試験 ペレットを、東芝機械IS−220Eを用い、シリンダー温
度300℃、金型温度150℃の条件で試験片(形状:130×1
2.7×3.2mm)に成形し、ASTM D−790にしたがって測
定した。
度300℃、金型温度150℃の条件で試験片(形状:130×1
2.7×3.2mm)に成形し、ASTM D−790にしたがって測
定した。
成形品表面 封止成形品表面でのエポキシ変性シリコーンオイルの
ブリードの程度を目視観察するとともに、手で感触判定
した。
ブリードの程度を目視観察するとともに、手で感触判定
した。
◎:ブリード 全くなし、 ○:ブリード ごく少しあり、 △:ブリード 少しあり、 ×:ブリード あり。
[実施例1] ポリp−フェニレンスルフィド〔温度310℃、剪断速
度10,000/秒で測定した溶融粘度η*=35ポイズ、融点
=285℃〕35重量%と溶融粉砕シリカ(日本電気硝子社
製P−447K)65重量%を混合した熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して、エポキシ当量460g/eqiv.のエポキシ
変性シリコーンオイル〔東芝シリコーン社製XF−42−80
2、粘度1,720cSt〕2.5重量部の配合でヘンシェルミキサ
ーを用いて均一に混合した後、スクリュー径45mmの二軸
混練押出機を用いて、シリンダー温度300℃で押し出し
てペレット化した。
度10,000/秒で測定した溶融粘度η*=35ポイズ、融点
=285℃〕35重量%と溶融粉砕シリカ(日本電気硝子社
製P−447K)65重量%を混合した熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して、エポキシ当量460g/eqiv.のエポキシ
変性シリコーンオイル〔東芝シリコーン社製XF−42−80
2、粘度1,720cSt〕2.5重量部の配合でヘンシェルミキサ
ーを用いて均一に混合した後、スクリュー径45mmの二軸
混練押出機を用いて、シリンダー温度300℃で押し出し
てペレット化した。
このペレットを用いて、東芝機械IS−25EP−1YVを用
い、シリンダー温度300℃、金型温度200℃、射出速度20
cc/sec、保持圧力400kg/cm2の条件で銅リードフレーム
を封止成形し、TO−92型トランジスターダミー品(封止
成形品)を作成した。
い、シリンダー温度300℃、金型温度200℃、射出速度20
cc/sec、保持圧力400kg/cm2の条件で銅リードフレーム
を封止成形し、TO−92型トランジスターダミー品(封止
成形品)を作成した。
物性の測定結果を第1表に示す。
[実施例2〜4] それぞれエポキシ当量が650g/eqiv.、粘度1,000cSt
(実施例2)、エポキシ当量が350g/eqiv.、粘度1,300c
St(実施例3)およびエポキシ当量が750g/eqiv.、粘度
800cSt(実施例4)である各エポキシ変性シリコーンオ
イルを用いた以外は、実施例1と同様にして封止成形品
および試験片を成形して評価した。
(実施例2)、エポキシ当量が350g/eqiv.、粘度1,300c
St(実施例3)およびエポキシ当量が750g/eqiv.、粘度
800cSt(実施例4)である各エポキシ変性シリコーンオ
イルを用いた以外は、実施例1と同様にして封止成形品
および試験片を成形して評価した。
[比較例1〜3] エポキシ当量が280g/eqiv.、粘度27,000cSt(比較例
1)、1,130g/eqiv.、粘度470cSt(比較例2)および3,
000g/eqiv.、粘度8,000cSt(比較例3)である市販エポ
キシ変性シリコーンオイルを用いた以外は、実施例1と
同様にして封止成形品および試験片を成形して評価し
た。
1)、1,130g/eqiv.、粘度470cSt(比較例2)および3,
000g/eqiv.、粘度8,000cSt(比較例3)である市販エポ
キシ変性シリコーンオイルを用いた以外は、実施例1と
同様にして封止成形品および試験片を成形して評価し
た。
[実施例5] エポキシ変性シリコーンオイルの配合量を5.0重量部
とした以外は、実施例1と同様にして封止成形品および
試験片を成形して評価した。
とした以外は、実施例1と同様にして封止成形品および
試験片を成形して評価した。
[比較例4〜5] エポキシ変性シリコーンオイルの配合量を1.0重量部
(比較例4)および7.5重量部(比較例5)とした以外
は、実施例1と同様にして封止成形品および試験片を成
形して評価した。
(比較例4)および7.5重量部(比較例5)とした以外
は、実施例1と同様にして封止成形品および試験片を成
形して評価した。
これらの実施例および比較例の結果を一括して第1表
に示した。
に示した。
[実施例6〜7] 溶融粉砕シリカの配合割合を75重量%(実施例6)お
よび60重量%(実施例7)とした以外は、実施例1と同
様にして封止成形品および試験片を成形して評価した。
よび60重量%(実施例7)とした以外は、実施例1と同
様にして封止成形品および試験片を成形して評価した。
[実施例8] 無機充填材として酸化マグネシウム(旭硝子社製500W
−10)を65重量%の割合で用いたこと以外は、実施例1
と同様にして封止成形品および試験片を成形して評価し
た。
−10)を65重量%の割合で用いたこと以外は、実施例1
と同様にして封止成形品および試験片を成形して評価し
た。
[比較例6] 溶融粉砕シリカの配合割合を80重量%とした以外は、
実施例1と同様にして封止成形品および試験片を成形し
て評価した。
実施例1と同様にして封止成形品および試験片を成形し
て評価した。
[比較例7] エポキシ変性シリコーンオイルの代わりにアミノ当量
が600g/eqiv.のアミノ変性シリコーンオイルを用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして封止成形品および試験
片を成形して評価した。
が600g/eqiv.のアミノ変性シリコーンオイルを用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして封止成形品および試験
片を成形して評価した。
実施例6〜8および比較例6〜7の結果を一括して第
2表に示した。
2表に示した。
[実施例9] ポリp−フェニレンスルフィドを溶融粘度(温度310
℃、剪断速度10,000/秒で測定)が180ポイズのポリp−
フェニレンスルフィドに変更し、さらに配合組成を第3
表に示したように変更した以外は、実施例1と同様にし
て封止成形品および試験片を成形して評価した。
℃、剪断速度10,000/秒で測定)が180ポイズのポリp−
フェニレンスルフィドに変更し、さらに配合組成を第3
表に示したように変更した以外は、実施例1と同様にし
て封止成形品および試験片を成形して評価した。
[比較例8] 実施例9のポリp−フェニレンスルフィドを用い、配
合組成を第3表に示したように変更した以外は、実施例
1と同様にして封止成形品および試験片を成形して評価
した。
合組成を第3表に示したように変更した以外は、実施例
1と同様にして封止成形品および試験片を成形して評価
した。
実施例9および比較例8の結果を第3表に示した。
〔発明の効果〕 本発明によれば、PASに、無機充填材を高充填して樹
脂部分の線膨張率の低下を図るとともに、特定のエポキ
シ当量を有するエポキシ変性シリコーンオイルを含有さ
せることにより、リードフレームとの間の密着性が向上
し、優れた耐湿性を示すとともに、シリコーンオイルの
ブリードがない電子部品封止用樹脂組成物および封止電
子部品が提供される。
脂部分の線膨張率の低下を図るとともに、特定のエポキ
シ当量を有するエポキシ変性シリコーンオイルを含有さ
せることにより、リードフレームとの間の密着性が向上
し、優れた耐湿性を示すとともに、シリコーンオイルの
ブリードがない電子部品封止用樹脂組成物および封止電
子部品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−20911(JP,A) 特開 昭62−197451(JP,A) 特開 昭63−219145(JP,A) 特開 昭63−219146(JP,A) 特開 昭63−219147(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】ポリアリーレンスルフィド25〜60重量%お
よび無機充填材40〜75重量%からなる熱可塑性樹脂混合
物100重量部、およびエポキシ当量が350〜1,000g/eqiv.
のエポキシ変性シリコーンオイル1.5〜5重量部を含有
することを特徴とする電子部品封止用樹脂組成物。 - 【請求項2】ポリアリーレンスルフィドが繰り返し単位 を主構成単位とするポリマーであって、融点が250℃を
越え、溶融粘度が10〜500ポイズ(温度310℃、剪断速度
10,000/秒で測定)の範囲のものである請求項1記載の
電子部品封止用樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1または2記載の電子部品封止用樹
脂組成物で封止した封止電子部品。
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