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JP3236095B2 - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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Publication number
JP3236095B2
JP3236095B2 JP33743292A JP33743292A JP3236095B2 JP 3236095 B2 JP3236095 B2 JP 3236095B2 JP 33743292 A JP33743292 A JP 33743292A JP 33743292 A JP33743292 A JP 33743292A JP 3236095 B2 JP3236095 B2 JP 3236095B2
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Japan
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light
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JP33743292A
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JPH06186029A (ja
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optic Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optic Co Ltd filed Critical Olympus Optic Co Ltd
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Publication of JPH06186029A publication Critical patent/JPH06186029A/ja
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  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は被写体距離を検出する
測距装置に関し、より詳細には、被写体に対して赤外光
等のパルス光を投射し、被写体からの反射光に基いて被
写体距離を検出するアクティブ式の測距装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に使用されているスチルカメラやビ
デオカメラ等に適用されるオートフォーカス(AF)装
置には、大きく分けて2つの方式がある。
【0003】1つは被写体の輝度分布情報を利用するパ
ッシブ方式、もう1つは自ら信号投射手段を有し、その
反射信号によって距離を測定するいわゆるアクティブ方
式である。
【0004】このうち、アクティブ方式は構成が簡単
で、廉価であるため普及率は高いが、最大の欠点は距離
が遠くなるほど反射信号が小さくなってしまうことで、
遠距離ではノイズの中から、この信号を分離して測距演
算を行うのが大変困難となる。
【0005】赤外線を投光する方式では、特開昭60−
19116号公報や、特開昭63−132110号公報
に開示されているように、同期積分動作を繰返すことに
より、ランダムに発生するノイズを相殺し、信号成分を
分離することによって高精度の 距を達成しようとした
提案がなされている。
【0006】ここで、一般的に知られているアクティブ
式AF装置の構成を、図15を参照して説明する。同図
に於いて、赤外発光ダイオード(以下IREDと略記す
る)1で発光された光は、投光レンズ2で集光されて被
写体3に向けて照射される。そして、その反射光は、受
光レンズ4により半導体素子から成る周知の位置検出素
子(以下PSDと略記する)5上に結像される。このP
SD5では、その結像位置に応じて光電流I1 及びI2
が分流され、この分流する光電流I1 及びI2はAF用
IC6に供給される。このAF用IC6は、IRED駆
動用トランジスタ7を介して上記IRED1をパルス駆
動すると共に、PSD5からの光電流I1 、I2 に基く
測距データをCPU8に供給する。
【0007】一方、被写体の明るさを電気信号に変換す
る露出制御(以下EEと略記する)用受光素子9は、E
E用IC10と組合わされて適正露出を制御する。また
上記CPU8は、カメラ全体のシーケンスを司り、シャ
ッタの開口時間や、ピント調節用のレンズを駆動するた
めの演算等も行うものである。CPU8の出力は、ドラ
イバ11によってシャッタやフィルム巻上げ及びレンズ
繰出しを行う動力源となるモータ12を駆動する。
【0008】ここで、PSD5によって被写体距離を測
定する赤外光投射式三角測距の動作原理について述べ
る。受光レンズ4の光軸をPSD5の中心線に一致させ
てこれを原点としたとき、反射光の入射位置をx、投光
レンズ2と受光レンズ4との主点間距離、すなわち基線
長をS、受光レンズ4の焦点距離をf0 とすれば、被写
体距離Lは、(1)式で与えられる。
【0009】
【数1】
【0010】IRED1による被写体の反射光により、
PSD5で発生する光電流I1 、I2 は共に反射光強度
に比例するが、光電流比I1 /I2 は反射光強度には依
存せず、入射光位置xのみで決定される。PSD5の全
長をtとすれば、上記光電流比I1 /I2 は(2)式の
ように表される。
【0011】
【数2】 この(2)式に(1)式を代入すれば、(3)式が求め
られる。
【0012】
【数3】 したがって、PSD5の光電流のI1 /I2 が求まれ
ば、被写体距離Lが一義的に決定されることになる。上
記(3)式を変形すると、(4)式のようになる。
【0013】
【数4】 光電流のI1 及びI2 が十分大きい近距離には、この
(4)式より高精度で距離情報Lを求めることができ
る。すなわち、(5)式のように表される。
【0014】
【数5】
【0015】このようにして、I1 /(I1 +I2 )を
演算(比演算)すれば、被写体距離が求められるが、こ
の距離検出の精度を向上させるために、単純に、この測
距動作を何回も行ってその平均値を求めようとする回路
は広く知られている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遠距離
になってくると、無視できなくなる回路ノイズ成分
N1、IN2は、上記(5)式のI1 /(I1 +I2 )に
対し、(I1 +IN1)/(I1 +I2 +IN1+IN2)の
ような形で重畳される。この、誤差が重畳された形でい
くら平均値を求めても、なかなか正しい値はとりにく
い。
【0017】また、上述した特開昭60−19116号
公報や特開昭63−132110号公報に開示された回
路では、光電流の積分方向を切換えて積分によるノイズ
相殺効果と共に、比演算の動作も狙っている。しかしな
がら、このような方式では、積分回数がそのまま測距の
分解能となるので、所定の分解能を得るには、長い測距
時間を必要とし、それはカメラに応用した場合、シャッ
タタイムラグに大きく影響するものであった。
【0018】特に前者では、二重積分方式のA/D変換
器の応用のため、パワーコントロール、ゲインコントロ
ール、またはそれに類する回路を必要とした。何故なら
ば、信号光電流のダイナミックレンジは300倍にも達
するためである。
【0019】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、遠距離でもその回路ノイズ成分による誤差の影響を
受けず、タイムラグや、ダイナミックレンジの問題を対
策した、簡単な構成の測距装置を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、被
写体に向けて光束を投光する投光手段と、上記被写体か
らの上記光束の反射光を受光し、被写体距離に応じた割
合で第1光電流と第2光電流を出力する受光手段と、
記第1及び第2光電流を加算する加算手段と、上記加算
手段の出力を積分する第1積分手段と、上記第1光電流
を積分する第2積分手段と、上記第1光電流と上記第2
光電流の比に基いて、上記被写体までの距離を演算する
第1演算手段と、上記第1積分手段の出力と上記第2積
分手段の出力とに基いて、上記被写体までの距離を演算
する第2演算手段と、上記加算手段の出力に基いて、上
記被写体までの距離を演算する第3演算手段と、上記第
1及び第2光電流に基いて、上記第1演算手段、上記第
2演算手段、上記第3演算手段の何れかを選択する選択
手段と、を具備することを特徴とする。またこの発明
は、被写体に向けて光束を投光する投光手段と、上記被
写体からの上記光束の反射光を受光し、被写体距離に応
た光電流を出力する受光手段と、上記受光手段の出力
した光電流信号を積分する積分手段と、上記受光手段の
出力した光電流信号と上記積分手段の積分結果とを用い
て、方式の異なる3種類の測距方式にて被写体距離を演
算する演算手段と、上記受光手段の出力に基いて、上記
被写体が遠距離域にあるか、中距離域にあるか、近距離
域にあるかを判定する判定手段と、を具備し、上記判定
手段の判定結果に基いて、上記演算手段による測距方式
を切換えるようにしたことを特徴とする。更にこの発明
は、被写体からの光信号を受光する受光手段と、上記受
光手段の出力を第1のタイミングに於いて積分する第1
の積分手段と、上記受光手段の出力を上記第1のタイミ
ングとは異なる第2のタイミングに於いて積分する第2
の積分手段と、上記第1の積分手段の出力に基いて、上
記被写体までの距離を演算する第1の演算手段と、上記
第1の積分手段の出力と、上記第2の積分手段の出力と
に基いて、上記被写体までの距離を演算する第2の演算
手段と、を具備し、上記第1の積分手段の動作後、その
積分量に応じて上記第2の積分手段を動作させるか否か
を決定するようにしたことを特徴とする。
【0021】
【作用】この発明の測距装置にあっては、投光手段から
被写体に向けて光束が投光され、この投光手段による被
写体からの上記光束の反射光が受光手段で受光され、被
写体距離に応じた割合で第1光電流と第2光電流が出力
される。そして、加算手段で上記第1及び第2光電流が
加算され、上記加算手段の出力が第1積分手段にて積分
され、上記第1光電流が第2積分手段にて積分される。
上記第1光電流と上記第2光電流の比に基いて、上記被
写体までの距離が第1演算手段で演算され、上記第1積
分手段の出力と上記第2積分手段の出力とに基いて、上
記被写体までの距離が第2演算手段で演算される。更
に、上記加算手段の出力に基いて、上記被写体までの距
離が第3演算手段で演算され、上記第1及び第2光電流
に基いて、上記第1演算手段、上記第2演算手段、上記
第3演算手段の何れかが選択手段により選択される。
たこの発明の測距装置にあっては、投光手段から被写体
に向けて光束が投光され、上記被写体から上記光束の反
射光が受光手段で受光されて被写体距離に応じた光電流
が出力される。上記受光手段の出力した光電流信号は積
分手段で積分され、上記受光手段の出力した光電流信号
と上記積分手段の積分結果とが用いられて、演算手段に
て、方式の異なる3種類の測距方式にて被写体距離が演
算される。更に、上記受光手段の出力に基いて、上記被
写体が遠距離域にあるか、中距離域にあるか、近距離域
にあるかが判定手段により判定される。そして、上記判
定手段の判定結果に基いて、上記演算手段による測距方
式が切換えられる。更にこの発明の測距装置にあって
は、被写体からの光信号が受光手段で受光されて、第1
の積分手段で上記受光手段の出力が第1のタイミングに
於いて積分される。また、第2の積分手段で上記受光手
段の出力を上記第1のタイミングとは異なる第2のタイ
ミングに於いて積分される。更に、上記第1の積分手段
の出力に基いて、上記被写体までの距離が第1の演算手
段で演算され、上記第1の積分手段の出力と、上記第2
の積分手段の出力とに基いて、上記被写体までの距離が
第2の演算手段で演算される。そして、上記第1の積分
手段の動作後、その積分量に応じて上記第2の積分手段
を動作させるか否かが決定される。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。
【0023】図1は、この発明の測距装置の基本概念を
示す被写体距離検出装置の構成ブロック図である。同図
に於いて、IRED1、IREDドライバ11、PSD
5、投光レンズ2、受光レンズ4、CPUで構成される
演算制御回路7は、上述した図15に示した従来例と同
様に構成されている。
【0024】上記PSD5の光電流出力I1 、I2 は、
それぞれ低入力インピーダンスのプリアンプ13及び1
4によって定常光によるDC電流成分が分離され、その
各出力は加算回路15と比演算回路16とにそれぞれ入
力される。そして、スイッチ(SW)17aがオフ、S
W17bがオン時に、加算回路15によって加算された
第1電流I1 と第2電流I2 の加算電流が積分回路18
に入力される。ここで、IRED1の発光に同期した所
定回数の積分動作が行われる。また、比演算回路16
は、両電流I1 、I2 の比演算を行う。
【0025】上記比演算回路16と積分回路18の出力
は、CPU8に入力される。また、積分回路18は、S
W1aオン、SW1bオフ時は、信号電流I1 のみ
を積分することが可能である。更に、タイミング回路1
9は、IREDドライバ11を介して、IRED1を発
光させ、積分タイミング、SW17a、17bの制御等
を行う。
【0026】このように構成された測距装置に於いて、
図2のフローチャートを参照して動作を説明する。尚、
図2のフローチャートに於ける動作や、測距の演算を司
は、CPU8である。
【0027】先ずステップS1では、I1 /(I1 +I
2 )の演算を行う比演算回路16の出力を、CPU8が
入力する。上記(5)式により、この結果から被写体距
離が求められるが、ステップS2にてこの結果LをL1
(例えば5m)と比較する。ここで、LがL1 より近い
ならば、この測距結果は十分なS/Nの下に得られた信
頼性の高い結果と考えることができる。したがって、ス
テップS7に進んでこの結果を採用し、ステップS8に
てピント合わせを行う。一方、上記ステップS2にて、
LがL1 より遠く、L2 (例えば10m)よりも遠いな
らば、ステップS6に進んで積分回路18の出力から距
離を演算する。
【0028】遠距離では上記比演算のみならず、信号を
検出するのも困難になるため、被写体が無限達の風景で
あるか否かを判定するのに、総信号光量を利用するが、
後述するように被写体の反射率を一定と仮定して、I1
+I2 が距離の2乗に反比例するという原理より、距離
を演算してもよい。
【0029】上記ステップS2及びS3にて、LがL1
とL2 の間であれば、ステップS4に進み、SW17a
をオン、SW17bをオフして、再度IRED1の発光
及び積分動作を繰返す。これによって、積分回路18か
らI1 の積分値が得られるので、ステップS5にて、先
に得られたI1 +I2 の積分値と共に、I1 /(I1
2 )の演算を行う。この演算は、分子、分母共、積分
によるノイズの平滑化が行われた後に比演算されるた
め、比演算回路16に比べて、ばらつきの少ない高精度
な出力となる。この結果により、(5)式を用いて得ら
れた距離Lに基いて、ステップS8でピント合わせを行
うようにする。そして、影シーケンスが終了する。以
上のように、L1 ≦L≦L2 の距離に於いてのみ積分に
よる比演算を行うので、ダイナミックレンジの心配な
く、測距装置を構成することができる。また、上記距離
範囲にない場合は、上記ステップS4のステップを通ら
ないので、タイムラグも短くなる。
【0030】ところで、図2のフローチャートでは、比
演算結果から積分後比演算の採用を決定していたが、図
3のフローチャートに示されるように、I1 +I2 によ
って判定してもよい。
【0031】すなわち、ステップS11にてI1 +I2
を読出した後、ステップS12及びS13にてI1 +I
2 とIR1、IR2を比較する。ここで、IR1、IR2は所定
の光電流量である。この場合、ステップS2及びS3
は、距離が遠い程、I1 +I2が小さくなることによ
り、不等号が図2に示されるものとは逆になる。この他
のステップS14〜S19については、上述した図2の
フローチャートのステップS4〜S9と同様であるの
で、説明を省略する。
【0032】図4は、図1に示されたこの発明の基本概
念に従って、より具体的に構成した測距装置の第2の実
施例を示したものである。但し、同実施例では、比演算
回路の出力を複数回積分することにより、図1の比演算
回路16の部分を、より高性能のものとして改良してあ
る。また、図1の加算回路15と、SW17a及び17
bは、単純にSW17として置換えられている。
【0033】すなわち、SW17をオンすると、トラン
ジスタ22a及び22bのコレクタ電流、つまりI1
2 に依存した信号電流が積分される。そして、SW1
7をオフすると、トランジスタ22bのコレクタ電流は
積分されなくなるので、I1のみに依存した積分が行わ
れるようになる。
【0034】同実施例に於けるPSD5、アンプ13、
14等は上述した図1のものと同一の機能を持ち、ま
た、PSD5で発生した光電流I1 、I2 の2つの信号
をそれぞれ増幅し加算回路15と比演算回路16に導く
比較する回路系は、各々全く同様に形成されるので、こ
こでは一方の光電流I1 の回路系のみについて説明し、
光電流I2 の回路系は参照番号のaをbに置換えて表す
ものとする。
【0035】被写体にカメラを向けた場合、一般に被写
体は太陽光や人工照明光によって定常的に光を照射され
ているため、PSD5には信号光以外にもそれらによる
定常光が入射しており、PSD5はこれらによる定常光
電流I0 を出力している。AFの演算に於いては、この
定常光電流I0 を除去してIRED1(図1参照)によ
る信号光電流I1 、I2 のみを弁別して取出す必要があ
る。
【0036】したがって、先ず、この定常光電流の除去
動作について説明する。この定常光電流I0 と信号光電
流I1 、I2 の弁別は、基本的にはIRED1が発光し
ていない状態と発光した状態とで定常光電流I0 の成分
は変化しないので、変化分は信号光電流I1 、I2 であ
ると判断することにより行われる。
【0037】IRED1の発光前、定常光電流I0 がア
ンプ13(14)に低入力インピーダンスにより吸い込
まれ、トランジスタ20a(20b)で増幅される。こ
の増幅電流は、カレントミラー回路21a、23a(2
1b、23b)によって圧縮ダイオード26a(26
b)に流れ込む。このとき、圧縮ダイオード26a(2
6b)の電位が上記電流I0 の流入によって高くなる
と、ホールドアンプ28a(28b)が働いて、トラン
ジスタ30a(30b)のベース電位を制御して、上記
定常光電流I0 をGNDに捨てようとする。
【0038】上記ホールドアンプ28a(28b)のプ
ラス(+)側の入力端には、定電流源25a(25b)
の定電流IDBでバイアスされた圧縮ダイオード26a
(26b)の電圧が、またマイナス(−)側の入力端に
は定電流源28a(28b)により同じく定電流IDB
よってバイアスされた圧縮ダイオード33の電圧が、各
々バッファ27a(27b)、31をそれぞれ介して印
加されている。このため、ホールドアンプ28a(28
b)が機能している以上、圧縮ダイオード26a(26
b)には、定常光電流I0 による電流は流入しないよう
になっている。すなわち、図中矢印Xで示されるライン
間には、電流の流れがない状態で、この回路は安定して
いる。
【0039】次に、IRED1が発光した場合は、定常
光電流I0 に信号光電流I1 (I2)がプラスされた状
態でプリアンプ13(14)に入力されてくる。このと
き、IRED1の発光に同期してホールドアンプ28a
(28b)はオフするので、定常光電流I0 は、ホール
ドコンデンサ29a(29b)によって記憶されている
電位に基いてトランジスタ30a(30b)を通じてG
NDに捨てられる。ここで、信号光電流I1 (I2 )だ
けはトランジスタ20a(20b)によって増幅され、
カレントミラー回路21a、23a(21b、23b)
を介して圧縮ダイオード26a(26b)に流れ込む。
このとき、定電流源25a(25b)はホールドアンプ
28a(28b)と同様に、図中符号B0 で示すライン
にタイミング回路19から出力されるバイアスカット信
号Bによってオフされるので、圧縮ダイオード26aに
は信号光電流I1 のみによる圧縮電圧が生じる。同様に
信号光電流I2 も定常光電流I0 を除去されて圧縮ダイ
オード26bに流入する。
【0040】これらの圧縮電圧VA 、VB は、上記バッ
ファ27a、27bをそれぞれ介して、トランジスタ3
4、35、定電流源36、積分コンデンサ37から成る
比演算回路16に入力される。またこの比演算回路16
は、リセット回路38と共に第2積分回路39を構成し
ている。
【0041】比演算回路16は、IRED1の発光に同
期させて定電流源36をオンさせると、積分電流IINT
は、(6)式の関係を満たすので、積分コンデンサ37
には、(7)式の電圧信号が発生する。
【0042】
【数6】
【0043】
【数7】 ここで、nはIRED1の発光回数、I0 は定電流源3
6の電流値、τは1回の積分時間、Cは積分コンデンサ
37の容量である。上記リセット回路38は、IRED
1の発光に先立って積分コンデンサ37の電位を初期状
態にし、積分電圧VINT =0とする働きをする。
【0044】上記(7)式のVINT は、演算制御回路
(CPU)8がA/D変換によって読取るが、上記
(5)式及び(7)式より(8)式が成り立つので、V
INT より距離情報1/Lが求められる。
【0045】
【数8】
【0046】以上が、同実施例に於ける比演算回路16
の動作である。n回にわたって、比演算信号が平均化さ
れるので、上述したラー回路21a、22aによって光
量積分回路に導かれる。同様に増幅された信号光電流I
2 は、SW17bがオンの時、カレントミラー回路21
b、22bにより上記信号光電流I1 と加算される。
【0047】ここで、上記カレントミラー回路を構成す
るトランジスタ22a、22bには、上記信号光電流I
1 、I2 以外にもバイアス電流を定常的に流している。
これは上記トランジスタ20a、21a、22a、23
a(20b、21b、22b、23b)は、バイアスし
ておかないとIRED1の信号電流に対する応答性が悪
くなるからである。したがって、上述した定常光除去動
作により、ラインXの電流が0となる状態に於いて、定
電流源24a(24b)の流す定電流源IPBによってそ
れぞれバイアスされている。
【0048】そのため、光量積分回路は、この定電流源
PBによってバイアスを除去して、SW17の状態によ
り信号光電流I1 及びI2 、またはI1 のみを積分する
回路となっている。つまり、IRED1の発光以前にト
ランジスタ22a、22bより流入してくる電流を除去
し、それを引いた電流I1 +I2 、またはI1 のみを積
分するということで、既に述べた定常光除去回路と同様
に動作を行う。
【0049】そして、上記加算回路15に接続されてい
るスイッチング回路は、IRED1の発光以前はSW4
2及び43がオン、SW40及び41はオフ状態となっ
ているので、バイアス電流の両チャンネル合わせて2I
PB分はホールドアンプ46の動作によってGNDに捨て
られる。それは抵抗45に電流が流れようとすると、そ
の電圧降下をホールドアンプ46が検出してトランジス
タ48を制御するからである。すなわち、この場合、図
示矢印C方向に電流が流れようとすると、ホールドアン
プ46の+側の入力端の電位が上がる。すると、トラン
ジスタ48は、コレクタ電流を増して図示矢印C方向へ
の流れを抑えようとする。また、反対に図示矢印D方向
に電流が流れようとすると、ホールドアンプ46の−側
の入力端の電位が上がり、トランジスタ48はコレクタ
電流を減らして図示矢印D方向への流れを抑えようとす
る。
【0050】このように、バイアス電流2IPB分の中に
含まれるノイズ成分によって、抵抗45に対し、どちら
の方向へ電流が流れようとしても、この回路では敏感に
それを除去する。
【0051】次に、IRED1が発光すると、SW42
及び43はタイミング回路19からの積分信号INTに
よりオフし、SW40及び41はオンするので、ホール
ドコンデンサ47の記憶した電荷に基いて、バイアス電
流はトランジスタ48により捨てられながら、信号光電
流I1 、I2 に基く電流のみが図示矢印E方向の経路
で、第1積分回路18へ導入される。この第1積分回路
18は、積分アンプ49と積分コンデンサ50とから成
る光量積分回路で構成されており、上記信号光電流
1 、I2 を積分する。
【0052】この積分は、上記増幅用トランジスタ20
a、20bの電流増幅率をβとすると、積分アンプ49
の出力電圧VpINTは、SW17がオンの時、(9)式で
表されるようになる。
【0053】
【数9】
【0054】ここで、上記Cp は積分コンデンサ50の
容量である。上記比演算動作と同様に、リセット回路5
1は、IRED1の発光前に積分アンプ49の出力電圧
pINTを初期状態にリセットする役目をする。そして、
CPU8がA/D変換によって上記VpINTを読取っ
て、後述する(13)式に従って距離情報1/Lが求め
られる。ここで、被写体の反射率は一定、IRED1の
投光スポットは、被写体に全部当っていると仮定する
と、光の拡散の原理により、(10)式が求められる。
【0055】
【数10】 ここで、ノイズ電流IN を想定すると、(11)式のよ
うになる。
【0056】
【数11】 また、平方根演算をする前では、(12)式のようにな
る。
【0057】
【数12】
【0058】ここで、上記(12)式について考慮して
みる。この式に於いては、一瞬の短時間の測距であれ
ば、ノイズ成分IN が与える誤差△1/Lに大きな差は
ないが、この測距動作を長時間、多数回行うときには差
異が生じる。すなわち、ノイズ成分IN はランダムなノ
イズであるので、積分すればする程、0に近付くもので
ある。したがって、上記(12)式は、積分すればする
程0に近付き、誤差が小さくなる。故に、上記(10)
式と(9)式より、(13)式が求められ、距離情報1
/Lを求めることができる。
【0059】
【数13】
【0060】図5は、上述したAF回路の動作を示すタ
イミングチャートである。このタイミングチャートに示
されるように、比演算の積分と光量積分は同時に行わ
れ、各々の結果は、公知の二重積分式A/D変換方式に
て、所定電流による第2積分の時間、t1 、t2
3 、t4 によってCPU8に入力される。つまり、C
PU8は、この時間を内蔵のクロックでカウントすれば
よい。また、図中a、b、c、dのタイミングで、積分
電圧そのものをCPU8が内蔵のA/D変換器で直接読
取るという方法もある。
【0061】更に、上述した図2及び図3のフローチャ
ートで説明したように、被写体が所定の距離範囲にない
場合は、これらの積分動作は1回で済むが、判定の結
果、所定の距離範囲にある場合は、SW17をオフした
後、図5に示されるように、再度積分が行われる。つま
り、nが一定であれば、(14)式のような関係が成り
立つ。
【0062】
【数14】 したがって、CPU8は、t3 /t1 を演算することに
よって、この発明の目的である積分後比演算を行うこと
ができる。
【0063】このように、同実施例は、遠距離ではt1
を用い、中距離ではt3 /t1 を用い、更に近距離では
2 を用いて距離演算を行うため、3つの測距方式を有
しているといえるが、それを実現するのには、上記比算
手段と光量積分手段の2つの測距しか必要としていな
い。
【0064】上述した定数Kは、IRED1の光量、P
SD5の光電変換効率、プリアンプ13、14の増幅
率、AF用投・受光レンズ2、4のばらつきによって大
きく変化する。しかしながら、ここでは記憶回路52を
用いることにより、これらのばらつきを製品の1つ1つ
について補正するための補正データを記憶して、上記
(10)式による測距演算を、より高精度で実現可能に
している。
【0065】次に、図6のフローチャートを参照して、
上記2つの測距手段を有する被写体距離検出装置の実際
の距離の割出しについて説明する。このフローチャート
では、上記(13)式は、単純化して(15)式のよう
な形にしてあるが、Ip DATAはSW17、オン時の
信号VpINTをCPU8が読込んだデジタル値である。
【0066】
【数15】 また上記(8)式も比演算信号VINT をCPU8が読込
んだデジタル値を、ADと表現し、(16)式のような
形に単純化してある。
【0067】
【数16】 また、SW17、オフ時の光量積分信号VpINT1 をA/
D変換した値をIp DATA1とすると、(17)式の
ような関係が成立する。
【0068】
【数17】 ここで、K、A、B、A1 、B1 は定数である。
【0069】図6のフローチャートに於いて、先ずステ
ップS21にて、SW17をオンし、発光回数のカウン
ト値nを「0」に初期化する。次に、ステップS22に
て、IRED1の発光及び積分動作を行う。ステップS
23では、IRED1の発光回数によってnをインクリ
メントし、次いでステップS24にて16回の発光終了
判定が行われるまで、発光・積分動作を繰返す。また、
ステップS25は、二重積分によるIp DATAの読出
しである。この開始時点は、図5のタイミングチャート
に示されるaの時点に相当する。
【0070】次に、ステップS26にて、(15)式に
よる距離演算が行われる。この結果によって、同実施例
は3つの測距方式の何れを採用するかを判定するが、こ
の判定は、ステップS27及びS30で行われる。ここ
で距離が5m以近(1/L>1/5)と判定されると、
ステップS28に移行して、比演算の結果をCPU8は
入力する。そして、ステップS29にて、(16)式に
よる測距演算を行う。
【0071】また、上記ステップS27及びS30に
て、距離が10m以遠(1/L≦1/10)であると判
定されると、ステップS30で分岐して、上記ステップ
S26にて求めた距離に対するピント合わせが行われ
る。更に、距離が5mと10mの間である場合、ステッ
プS31に進んで、再度積分回数のカウント値nが初期
化される。ここで、SW17をオフして、再度IRED
1の発光及び演算積分が行われる(ステップS32〜S
34)。
【0072】そして、図5のタイミングチャート中のc
の時点にて、Ip DATA1 をCPU8は読込み(ステ
ップS35)、ステップS36にて、上記(17)式に
従った測距演算を行う。
【0073】この図6の例では、図5のタイミングチャ
ートと少し違いがあり、ステップS32のIRED1の
発光が行われる時、図5のb〜b′の比演算読出しは省
略され、より測距時間の短縮を図っている。図7(a)
〜(c)は、この発明の被写体距離検出装置による測距
結果を示したグラフである。
【0074】図7(a)は、実線が比演算の結果を、そ
して破線が積分後比演算の測距結果を示している。同図
に示されるように、遠距離になる程S/Nが劣化し、ば
らつきW1 が大きくなることがわかる。このばらつきが
許容量を越える前(LCH2 以近)に、積分後比演算の結
果を採用するようにする。
【0075】しかし、必要以上に、近距離までこの積分
後比演算を行おうとすると、上述したように、積分回路
のダイナミックレンジを考慮して、パワーコントロール
や、ゲインコントロールの回路が必要となる。また、タ
イムラグが長くなるのは、図6に示されるとおりであ
る。これらの比演算方式では、被写体の反射率に依存し
ない測距が可能であるが、次に、もっと遠距離域では反
射率の影響が小さくなることを説明する。
【0076】図7(b)は、光量積分の結果で、ノイズ
によるばらつきは積分による相殺効果で小さく、むしろ
被写体の反射率によるばらつきが、ばらつきW2 の主要
因になっている。しかし、一般の被写体のIRED1の
信号光に対する反射率は、30%〜70%であることを
加味すると、上記(15)式がその中間50%の反射率
について成立しているとき、赤外反射率30%の被写体
によるIp DATAは、(18)式のようになり、赤外
反射率70%の被写体に対するIp DATAは、(1
9)式のようになる。
【0077】
【数18】
【0078】
【数19】 このばらつきの差は、(20)式のようになるので、被
写体距離Lが大きければ大きい程、差が小さくなる。
【0079】
【数20】
【0080】これは丁度、比演算によるばらつきと逆で
あり、この光量積分方式を、上述の比演算、または積分
後比演算の方式と組合せることにより、図7(c)に示
されるように、遠距離から近距離までばらつきの少ない
高精度の距離検出装置を提供することができる。但し、
ここまで遠距離測距を必要としないカメラでは、この光
量積分による測距を省略してもよい。
【0081】また、更にタイムラグを短縮するには、図
8に示されるような実施例も考えられる。尚、以下に示
される実施例に於いて、上述した実施例と同一の部分に
は同一の参照番号を付して説明を省略するものとする。
【0082】図8に示される第3の実施例は、光量積分
回路を2つ用意し、同時にI1 とI1 +I2 の光電流に
依存した信号を積分できるようにしたものである。第1
積分回路18の出力はIp DATA、第2積分回路39
の出力はIp DATA1となる。
【0083】近距離域は比演算回路16の出力でカバー
し、遠距離域はこれらの積分出力より、積分後比演算を
行うようにする。図1のタイミング回路19は、この第
3の実施例では、CPU8で兼用している。次に、図9
のフローチャートを参照して、この回路の動作を説明す
る。
【0084】同実施例では、先ず、ステップS41でI
RED1を発光し、PSD5の両端で受光して、積分し
て比演算を行って1/Lを求める。次いで、ステップS
42にて、Lが5m以遠かを判定し、5m以遠であれば
ステップS43〜S48にて図6のフローチャートに於
けるステップS31〜S36と同様の処理を行う。
【0085】この第3の実施例では、5m以遠でしか積
分演算結果は採用しないので、積分回路のダイナミック
レンジはそれほど大きくなくてよい。したがって、パワ
ーコントロール、ゲインコントロール等は必要ない。
【0086】また、図10は、この発明の第4の実施例
として、中間電極を有するマルチ電極PSD5aを用い
た高精度化の例を示したものである。これは、図8の例
と異なり、第2積分回路39は、上記PSD5aの中間
電極の出力を増幅するアンプ13aに接続されている。
【0087】マルチ電極PSD5aは、上記(4)式の
tを可変にできるPSDであり、例えば中間電極をtの
1/2の部分に持つ時、(4)式より(4)′式が得ら
れる。
【0088】
【数21】
【0089】これにより、出力I1 /(I1 +I2
は、(4)式の2倍の傾きを有して変化することがわか
る。つまり、微少なLの変化に対しては、PSDの全長
を用いるよりも、反射信号光が入射する部分を挟んだ微
少な部分で、I1 とI2 を取出し、I1 /(I1
2 )の演算を行う方が精度が上がることが、この式か
らも明らかである。
【0090】しかし、tを小さくして使用すると、測距
可能な距離レンジが短くなるので、マルチ電極PSDで
は必ず2回に分けての測距が必要であった。先ず、PS
Dの全長tを用いて測距し、その結果がt/2の範囲で
測距可能な所定距離範囲にあるときのみ、もう一度この
t/2の部分を用いて再測距するといった手順である。
【0091】この発明の積分後演算も、図9のステップ
S41、S44のように2回の測距が必要であるので、
これらを組合わせて、同じ時間内により高精度な測距を
実現するのが図10に示される第4の実施例である。
【0092】この第4の実施例は、PSDの両端を用い
た時も、中間の電極を用いた時も、I1 +I2 について
は、PSDに入射する全光量ゆえ、同じであるという特
性を利用している。この第4の実施例では、図11
(a)のフローチャートを採用することにより、より短
時間で高精度の測距を可能としている。
【0093】図11(a)に於いて、先ず、ステップS
51では、PSD5aの両端の信号を増幅するプリアン
プ13、14をイネーブル状態としてIRED1を発光
し、比演算回路16の出力より1/Lを算出する。この
時、中間電極用プリアンプ13aの入力は、オープン状
態となっている。このIRED1の発光によって、加算
回路15の出力を第1積分回路18に入力して積分動作
を行うことにより、CPU8はI1 +I2 の積分値を検
出することができる。
【0094】次に、ステップS52にて、Lが5m以遠
であるか否かを判定する。ここで、Lが5m以遠の時
は、ステップS53に進んで、I2 +I3 の積分及び検
出動作を省略し、I3 の積分及び検出を行う。この時、
光スポットは、中間電極と、IRED1に近い方のPS
D端部電極の間に入射するようにPSDの位置を決めて
ある。したがって、プリアンプ13は入力をオープン状
態として、プリアンプ13aと14のみをイネーブル状
態にして、IRED発光、第2積分回路39の出力に
て、CPU8はI3 の積分値を検出する。
【0095】この後、ステップS54にて、先に求めた
1 +I2 の積分値と、このI3 の積分値を用いて、
(16)式と同様の演算を行えば、より短い測距時間に
て、高精度の測距演算が可能となる。尚、図中のA2
2 は定数である。
【0096】図11(b)は、単純に、この発明とマル
チ電極PSDを併用した例のフローチャートを示したも
のである。但し、この場合積分動作等は省略し、簡略化
したものとなっている。
【0097】先ず、ステップS55では、図11(a)
のステップS51と同様、IRED1を発光し、PSD
5aの両端で受光して、積分し比演算を行い、1/Lを
求める。ステップS56にて、図11(a)のステップ
S52と同様の働きをし、この結果が5mより近い時
は、図9のフローチャートと同様に、その結果よりピン
ト合わせを行う。遠い時は、ステップS57へ分岐し、
今度はPSD5aの中間電極と、PSD5aの一方の端
部電極を用いる状態にて、IRED1を発光、第1積分
回路18にてI3 +I2 を積分する。
【0098】次に、ステップS58にて、再度IRED
1の発光、第2積分回路39にてI3 を積分する。そし
て、ステップS59にてこれらを演算し、ピント合わせ
情報とする。
【0099】ここで、ステップS57にて求めるI2
3 は、PSDの長さに関係なく、反射信号光スポット
が正しく入射しておれば、PSDの全長を用いて測定し
た時のI1 +I2 と等しい。
【0100】図12は、I1 /(I1 +I2 )の演算を
行わない第5の実施例を示したものである。この基本構
成は、図1のものと同様であり、第1積分回路18の出
力にコンパレータ54が接続されている点が異なる。こ
のコンパレータ54には、定電圧源53が接続されてお
り、積分結果を定電圧VCOM と比較し、積分結果が所定
レベルに達したかどうかをCPU8に入力するように構
成している。
【0101】図13は、このような回路を用いて、上述
のように、CPU8ではI1 /(I1 +I2 )の演算を
行わず、測距を行なうフローチャートを示している。
【0102】ステップS61は、図2と同様、IRED
1を発光し、比演算の測距結果をCPU8が入力するス
テップである。そして、同様に、ステップS62で所定
距離L1 と比較する。近距離時はステップS63を介し
て、(5)式に従った距離を採用する。
【0103】そして、ステップS62から分岐して、ス
テップS64、S66のステップにより、SW17aを
オフ、17bをオンし、I1 +I2 の積分を電圧源53
による所定電圧VCOM に達するまで繰返す。そして、所
定電圧に達するまでの積分回数nを、ステップS65に
てカウントする。すると、(9)式から(9)′式が求
められる。
【0104】
【数22】 よって、積分回数nは(21)式のようになる。
【0105】
【数23】
【0106】次に、ステップS67でSW17aをオ
ン、SW17bをオフして、I1 のみをn回積分する。
これは、上記(9)′式と同様に、 VPINT=A・I1 ・n となるので、(21)式より(22)式が求められる。
【0107】
【数24】
【0108】次いで、ステップS68で、このI1 の積
分結果VPINTをCPU8が入力する。上記(22)式で
明らかなように、I1 /(I1 +I2 )をCPU8が演
算しなくとも、VPINT自身がこの演算結果として出力さ
れている。VCOM は定数なので、CPU8はステップS
69にて、VPINT/VCOM よりI1 /(I1 +I2 )を
求め、上記(5)式に基いて測距演算が可能である。こ
の実施例では、CPU8がデータをA/D変換して入力
するプロセスが1回で済むため、上述した実施例に比べ
子化誤差が小さく、より正確な測距が可能となる。
【0109】また、図14(a)に示されるフローチャ
ートのように、図13のステップS61のステップを省
略し、ステップS64〜S66の積分回数nから、遠近
判断する実施例も可能である。この実施例では、図13
の遠近判定のステップS62の代わりに、ステップS7
0にてステップS63への分岐を決定する。つまり、I
1 +I2 の1回の積分あたりの積分量は、距離が近い程
大きくなるので、所定電圧VCOM までの積分回数は、近
距離を測距する時ほど小さくなると考えられる。したが
って、所定積分回数nCON より積分回数nが小さい時の
みステップS63に分岐すればよい。
【0110】また、図12に示される回路を用いて、図
14(b)に示されるフローチャートのような実施例も
可能となる。この場合、ステップS64〜S66、S7
0、S63は、図14(a)と同様であるが、この実施
例ではI1 の積分をn回行うのではなく、I1 +I2
積分と同様、ステップS71、S72、S73の処理に
より、所定電圧VCON に達するまでI1 の積分を行い、
その積分回数nをカウントする。このとき、上記(2
1)式と同様に(21)′式が求められる。
【0111】
【数25】 つまり、n/n1 を演算すれば、(23)式が得られ
る。
【0112】
【数26】
【0113】したがって、ステップS74にて、このn
1 /nより、上記(5)式を用いて測距演算を行えば、
距離の算出が可能となる。この実施例では、積分電圧を
読出す必要がないので、CPU8に入力するためのA/
D変換器が不要になる。
【0114】また、VCOM が温度等によって変動して
も、(23)式で明らかなように、n1 とnを求める過
程で一定ならば相殺されるので、VCOM の構成に温度特
性を考慮しなくてもよいという利点がある。尚、上述し
た実施例に於いて、第1及び第2積分回路は、スイッチ
によって切換えて、1つの積分回路で兼用するようにし
ても良い。
【0115】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、遠距離
でもその回路ノイズ成分による誤差の影響を受けず、タ
イムラグや、ダイナミックレンジの問題を対策した、簡
単な構成の測距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測距装置の基本概念を示す被写体距
離検出装置の構成ブロック図である。
【図2】図1の測距装置の動作を説明するフローチャー
トである。
【図3】図1の測距装置の別の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図4】この発明の測距装置の第2の実施例で具体的に
構成した回路図である。
【図5】AF系の動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図6】2つの測距手段を有する被写体距離検出装置の
実際の距離の割出しについて説明するフローチャートで
ある。
【図7】この発明の被写体距離検出装置による測距結果
を示したグラフである。
【図8】この発明の第3の実施例で、光量積分回路を2
つ用意し、同時にI1 とI1 +I2 の光電流に依存した
信号を積分できるようにした測距装置のブロック構成図
である。
【図9】図8の測距装置の動作を説明するフローチャー
トである。
【図10】この発明の第4の実施例として、中間電極を
有するマルチ電極PSDを用いた測距装置のブロック構
成図である。
【図11】図10の測距装置の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図12】この発明の第5の実施例を示したもので、I
1 /(I1 +I2 )の演算を行わない測距装置のブロッ
ク構成図である。
【図13】図12の測距装置の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図14】図12の測距装置の別の動作例を説明するフ
ローチャートである。
【図15】従来のアクティブ式AF装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1…赤外発光ダイオード(IRED)2…投光レンズ、
3…被写体、4…受光レンズ、5…位置検出素子(PS
D)、6…AF用IC、7…IRED駆動用トランジス
タ7、8…演算制御回路(CPU)、9…露出制御(E
E)用受光素子、10…EE用IC、11…ドライバ、
12…モータ、13、13a、14…プリアンプ、15
…加算回路、16…比演算回路、17、17a、17b
…スイッチ(SW)、18…積分回路、19…タイミン
グ回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に向けて光束を投光する投光手段
    と、 上記被写体からの上記光束の反射光を受光し、被写体距
    離に応じた割合で第1光電流と第2光電流を出力する受
    光手段と、上記第1及び第2光電流を加算する加算手段と、 上記加算手段の出力 を積分する第1積分手段と、 上記第1光電流を積分する第2積分手段と、 上記第1光電流と上記第2光電流の比に基いて、上記被
    写体までの距離を演算する第1演算手段と、上記第1積分手段の出力と上記第2積分手段の出力とに
    基いて、上記被写体までの距離を演算する第2演算手段
    と、 上記加算手段の出力に基いて、上記被写体までの距離を
    演算する第3演算手段と、 上記第1及び第2光電流に基いて、上記第1演算手段、
    上記第2演算手段、上記第3演算手段の何れかを選択す
    る選択手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 被写体に向けて光束を投光する投光手段
    と、 上記被写体からの上記光束の反射光を受光し、被写体距
    離に応じた光電流を出力する受光手段と、 上記受光手段の出力した光電流信号を積分する積分手段
    と、 上記受光手段の出力した光電流信号と上記積分手段の積
    分結果とを用いて、方式の異なる3種類の測距方式にて
    被写体距離を演算する演算手段と、 上記受光手段の出力に基いて、上記被写体が遠距離域に
    あるか、中距離域にあるか、近距離域にあるかを判定す
    る判定手段と、 を具備し、 上記判定手段の判定結果に基いて、上記演算手段による
    測距方式を切換えるようにした ことを特徴とする測距装
    置。
  3. 【請求項3】 被写体からの光信号を受光する受光手段
    と、 上記受光手段の出力を第1のタイミングに於いて積分す
    る第1の積分手段と、 上記受光手段の出力を上記第1のタイミングとは異なる
    第2のタイミングに於いて積分する第2の積分手段と、 上記第1の積分手段の出力に基いて、上記被写体までの
    距離を演算する第1の演算手段と、 上記第1の積分手段の出力と、上記第2の積分手段の出
    力とに基いて、上記被写体までの距離を演算する第2の
    演算手段と、を具備し、 上記第1の積分手段の動作後、その積分量に応じて上記
    第2の積分手段を動作させるか否かを決定するようにし
    ことを特徴とする測距装置。
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