JP3235411B2 - ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物 - Google Patents
ゴム変性熱可塑性樹脂およびその組成物Info
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Description
優れた引張り強度、曲げ強度等の機械的強度ならびに耐
衝撃性を付与されるのに好適なゴム変性熱可塑性樹脂な
らびに、該ゴム変性熱可塑性樹脂と他の熱可塑性樹脂と
からなる組成物に関する。
脂、AES樹脂が広く知られ、工業的に大量に使用され
ている。ABS樹脂の製造法としては、下記の2つの方
法が一般に知られている。ゴム状重合体5〜25重量
%の存在下に、スチレンとアクリロニトリルからなる単
量体75〜95重量%を重合して得る方法。ゴム状重
合体40〜45重量%の存在下にスチレンとアクリロニ
トリルからなる単量体55〜60重量%を重合して得ら
れる高ゴム含有率のABS樹脂(以下「ゴムリッチAB
S樹脂」という)を、別途重合して得られたスチレン−
アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)に配合し、配合
物中のゴム状重合体の含有率を5〜25重量%に調節す
ることでABS樹脂を得る方法(この方法で得られたA
BS樹脂を、以下「ブレンドタイプABS樹脂」とい
う)。上記のの方法は、ゴムリッチABS樹脂の配合
量を適宜選択すること、AS樹脂の種類を適宜選択する
ことで、各種の品質の異なる多種類のABS樹脂を生産
性良く製造することができる。
ストダウンが要求されている。このコストダウンの対応
策としては、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率をさら
に高め、それに、生産性に優れ低コストのAS樹脂の配
合量を高めることで、ブレンドタイプABS樹脂の生産
性を高める方法が考えられる。しかし、我々の検討で
は、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率を従来品に比べ
て高めると、それを用いたブレンドタイプABS樹脂
は、成形品の機械強度・耐衝撃性が従来のゴムリッチタ
イプABS(樹脂)を用いたブレンドタイプABS樹脂
に比べ劣る。また、ゴムリッチABS樹脂は、AS樹脂
以外にも他の熱可塑性樹脂にも配合されて使用される
が、ゴムリッチABS樹脂のゴム含有率を高めると、上
記に示した同様の問題点がみられた。
を高めたゴムリッチABS樹脂の有している上記の課題
を解決した高ゴム含有率のゴムリッチABS樹脂およ
び、該ゴムリッチABS樹脂と他の熱可塑性樹脂とから
なる熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とする。
チABS樹脂で生じる上記の課題の解決について鋭意検
討した結果、ゴムリッチABS樹脂のアセトン不溶分の
貯蔵弾性率が特定範囲内になるように改質することで、
上記の課題が解決されることを見出し、本発明に到達し
た。
成分の存在下に、芳香族ビニル化合物(b)およびシア
ン化ビニル化合物(c)を重合して得られ、(a)成分
の含有率が50〜85重量%、(b)成分の含有率が5
〜48重量%、(c)成分が2〜45重量%、かつ下記
条件で測定するアセトン不溶分の貯蔵弾性率が0.5×
108〜10×108Pa、グラフト率が10重量%以上
であることを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂、ならび
に、該ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と他の熱可塑性樹脂
(B)とからなる組成物であり、組成物中の(a)成分
の含有率が3〜35重量%である熱可塑性樹脂組成物を
提供する。 アセトン不溶分の貯蔵弾性率の測定条件 テストピースの作製 ゴム変性熱可塑性樹脂中のゴム成分およびグラフト樹脂
(ゲル分)以外の溶媒可溶分(ゾル分)アセトンに溶解
し、遠心分離により除去する。得られたゲル分を、真空
乾燥してアセトンを除去した後、溶融加圧成形し、厚さ
1mmのシートとする。このシートを長さ40mm、幅
5mmの短冊状に切り取り、テストピースとする。 貯蔵弾性率の測定 測定装置として、Polymer Laborator
ies社製のDynamic Mechanical
Thermal Analysis(DMTA)装置を
使用し、下記条件で測定する。 全サンプル長 :40mm サンプル厚 :1mm 測定温度 :30℃一定 治具形状 :両持ち梁(Dual Cantil
ever) 治具間サンプル長:5mm 角周波数 :2π rad/s(1Hz)
発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体
(a)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物(b)およ
びシアン化ビニル化合物(c)を重合して得られ、ゴム
変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成分の含有率が50
〜85重量%、(b)成分の含有率が5〜48重量%、
(c)成分が2〜45重量%、(A)のアセトン不溶分
の貯蔵弾性率が0.5×108〜10×108Pa、グラ
フト率が10重量%以上のゴム変性熱可塑性樹脂であ
る。
合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜
60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、
エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパ
ー型、ラジアルテレブロック型の構造を有するものなど
が含まれる。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上
記ブロック共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロ
ックとスチレン−ブタジエンランダム共重合体のブロッ
ク体の水素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結
合含量が20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結
合含量が20重量%を超えるポリブタジエンブロックか
らなる重合体の水素化物などが含まれる。これらのゴム
状重合体は、1種単独でまたは2種以上で使用される。
好ましい(a)成分としては、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン(スチレン含量5〜60重量%が好まし
い)共重合体から選ばれた少なくとも1種の共役ジエン
系ゴムであり、さらに好ましくは、ポリブタジエン/ス
チレン−ブタジエン共重合体:50〜99/1〜50
(重量%)の割合からなる混合物である。
は、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−
アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
メチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチ
レン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種
単独であるいは2種以上混合して用いられる。
は、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙
げられる。
で他の単量体を使用することができる。他の単量体とし
て、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水
物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα−
またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物(マレイ
ミド系単量体ともいう);グリシジルメタクリレート、
アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;アク
リルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸
アミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、
メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物、
3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−
ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸
基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサ
ゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。これらの
単量体は1種または2種以上で使用される。他の単量体
の含有率は、(a)成分を除いた成分中好ましくは20
重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
分の含有率は50〜85重量%、好ましくは52〜80
重量%、さらに好ましくは55〜75重量%、特に好ま
しくは56〜73重量%である。(a)成分の含有率が
50重量%未満では、生産性の改良効果が十分でなく、
一方、85重量%を超えると、機械強度・耐衝撃性が低
下する。また、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(b)
成分の含有率は、5〜48重量%、好ましくは5〜46
重量%、さらに好ましくは10〜42重量%、特に好ま
しくは12〜40重量%である。(c)成分の含有率は
2〜45重量%、好ましくは2〜43重量%、さらに好
ましくは3〜35重量%、特に好ましくは4〜32重量
%である。(b)成分が5重量%未満の場合、(b)成
分が48重量%を超える場合、(c)成分が2重量%未
満の場合、(c)成分が45重量%を超える場合のいず
れの場合にも、機械強度の改良効果、耐衝撃性の改良効
果のいずれかが十分でなく、両者をともに目的のレベル
に維持することができない。
溶分の貯蔵弾性率は、0.5×108〜10×108P
a、好ましくは0.7×108〜8×108Pa、さらに
好ましくは0.8×108〜5×108Pa、特に好まし
くは1×108〜4×108Paである。貯蔵弾性率が
0.5×108Pa未満であると機械的強度が劣り、1
0×108Paを超えると耐衝撃性が充分でない。貯蔵
弾性率の測定条件は、上記記載のとおりである。
は10重量%以上である。グラフト率が10重量%未満
であると、機械強度・耐衝撃性が劣る。グラフト率は、
下記の方法で測定される。ここでグラフト率とは、ゴム
変性熱可塑性樹脂中のゴム量に対し、ゴム状重合体に直
接グラフト結合している共重合体成分の割合をいう。こ
のグラフト率は、重合開始剤量、重合温度などによって
制御することができる。このグラフト率の具体的な求め
方は、まず本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(A)2gを
室温のアセトンに投入し、十分撹拌し、不溶解分(w)
を求める。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量
は、重合処方をもとに算出することができる。この算出
されたゴム状重合体総量をRとし、次式よりグラフト率
を求める。 グラフト率(重量%)=[(w−R)/R]×100
分、(b)成分、(c)成分の含有率は、重合時にそれ
ら成分の仕込量により適宜調節することができる。ま
た、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)中の(a)成分、
(b)成分、(c)成分の含有率は、それら成分の仕込
量と重合転化率などから求めることができる。また、他
の方法としては、公知の定量分析法でも求めることがで
きる。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)の貯蔵弾性率の調節
は、重合時に使用する連鎖移動剤、開始剤などの種類・
量を適宜選択する方法、重合温度を適宜選択する方法、
(a)成分のゴム状重合体のゲル含率、分子量を適宜選
択することで行なえる。ゴム変性熱可塑性樹脂(A)の
製造方法としては、溶液重合法、バルク重合法、サスペ
ンション重合法、乳化重合法あるいは、それらの方法を
組み合わせた方法を挙げることができる。好ましい重合
法としては、乳化重合法であり、乳化重合法で用いられ
る重合助剤としては、一般に公知のものを使用すること
ができる。
造時に使用する重合開始剤として、各種のハイドロパー
オキサイド、アルキルパーエステル、パーカーボネート
などの有機過酸化物があり、好ましくはキュメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートである。特にt−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートを用いると一段と優れた本発明の効果が
得られる。上記の開始剤の好ましい量としては、ゴム成
分と単量体成分の合計100重量部に対して、0.1〜
2重量部である。連鎖移動剤としては、例えばハロゲン
化炭化水素類(例えば、クロロホルム、ブロモホルムな
ど)、メルカプタン類(例えばn−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ヘキサデシルメルカプタンなど)、テルペン
類(例えばジペンテン、ターピノーレンなど)、α−メ
チルスチレンダイマーが挙げられる。
ルエチルケトン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトン
中30℃)は0.15〜1.5dl/gのものが好まし
く、より好ましくは0.2〜1.2dl/gであり、さ
らに好ましくは0.25〜1dl/gであり、特に好ま
しくは0.3〜0.8dl/gである。
請求項2の他の熱可塑性樹脂(B)としては、例えば、
ゴム状重合体含有率が50重量%未満のABS樹脂・A
ES樹脂・AAS樹脂、AS樹脂、HIPS、PSなど
のスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のオレフィン系樹脂;PA6、PA66、PA46、P
A12などポリアミド樹脂;ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートなど
のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリフェ
ニレンエーテルまたはポリフェニレンエーテル/スチレ
ン系樹脂などのポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリア
セタール、塩化ビニル樹脂、ポリスルフォン、PPS、
ポリエーテルスルフォン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、EVOHなどがあり、これらは1種または2種以上
併用して使用することができる。
は、下記のa.、b.それぞれ単独あるいはa.とb.
の併用が挙げられる。 a.;ゴム状重合体の存在下に、芳香族化合物、シアン
化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、マレイ
ミド系単量体の群から選ばれた少なくとも2種の群から
なる単量体を重合して得られ、かつゴム状重合体含有率
が50重量%未満のゴム変性熱可塑性樹脂。なお、ここ
でのゴム状重合体、単量体は上記に示したものが挙げら
れる。また、ゴム変性熱可塑性樹脂のメチルエチルケト
ン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトン中30℃)が
0.2〜1dl/gのものが好ましく、さらに好ましく
は0.3〜0.6dl/gである。 b.;芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド系単量体の群
から選ばれた少なくとも2種の群からなる単量体を重合
して得られ、かつ固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒
として、30℃で測定)が好ましくは0.2〜1.3d
l/g、さらに好ましくは0.3〜1dl/g、特に好
ましくは0.35〜0.7dl/gである共重合体。
AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂などが挙げられ、
その中で好ましくはABS樹脂、AES樹脂である。上
記のb.としては、下記の共重合体が挙げられる。 イ.芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の共重
合体。好ましい組成割合は、前者の単量体が50〜99
重量%、後者が1〜50重量%である。 ロ.芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体。 ハ.芳香族ビニル化合物とマレイミド系単量体と必要に
応じて、シアン化ビニル化合物および/または(メタ)
アクリル酸エステルからなる共重合体。なお、上記のマ
レイミド系単量体にかえて、不飽和酸無水物単量体を用
い、得られた共重合体をイミド化して、得られる後イミ
ドタイプの共重合体もここに含まれる。ここでの芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイミド系単量体は、上記に示したそ
れらのものと同じである。
性樹脂(B)とからなる請求項2の熱可塑性樹脂組成物
の各成分の組成比率の規定にかえて、ゴム変性熱可塑性
樹脂(A)の(a)成分であるゴム状重合体が該組成物
中に好ましくは3〜35重量%含有されるように、それ
ぞれの成分を適宜配合される。(a)成分のさらに好ま
しい該含有率は5〜25重量%である。(a)成分の含
有率が3重量%未満であると、十分な耐衝撃強度が得ら
れない。一方35重量%を超えると成形品が軟かくな
り、好ましくない。他の熱可塑性樹脂(B)として、本
願のゴム変性熱可塑性樹脂(A)以外のゴム変性熱可塑
性樹脂(C)を用いた場合、該ゴム変性熱可塑性樹脂
(C)に含有されているゴム状重合体(以下「a’成
分」という)の扱いを下記の通りとする。a’成分もa
成分とみなし、下記の条件を満たすものとする。(a+
a’)の含有率が3〜35重量%かつaの含有率が3〜
35重量%とする。好ましくは(a+a’)の含有率が
5〜25重量%かつaの含有率が5〜25重量%であ
る。
は、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)
と必要に応じて、各種の添加剤を混練りして製造され
る。混練方法としては、押出機、ロール、バンバリーミ
キサー、ニーダーなどを用いる方法がある。好ましい方
法としては、押出機を用いる方法であり、押出機として
は単軸押出機、二軸押出機などがある。上記、混練方法
を用いて各種成分を混練りするに際し、全成分を一括し
て混練りしてもよく、一部の成分を先に混練りし、残り
の成分を一括または分割して添加混練りしてもよい。ま
た、ゴム変性熱可塑性樹脂(A)にも必要に応じて、各
種の添加剤を添加することができる。また、混練りを必
要とするときは、上記に示した方法で混練りすることが
できる。各種の添加剤としては、公知の着色剤、顔料、
滑剤、耐候剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱老
化防止剤、可塑剤、抗菌・防カビ剤などが挙げられる。
本発明の請求項2の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、
シート押出し、真空成形、異形押出し、インジェクショ
ンプレス、発泡成形、ブロー成形、中空成形などによっ
て各種成形品を成形することができる。
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断わ
らない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。 [評価方法] (1)貯蔵弾性率の測定 貯蔵弾性率測定用テストピース作製法 グラフト共重合体のゴムおよびグラフト樹脂分(ゲル
分)以外の溶媒可溶分(ゾル分)をアセトンに溶解し
て、遠心分離により除去した。得られたゲル分を真空乾
燥してアセトンを除去した後、溶融加圧成形し、厚さ1
mmのシートとした。このシートを長さ40mm、幅5
mmの短冊状に切り取り、テストピースとした。 貯蔵弾性率の測定条件 測定装置:Polymer Laboratories
社製 Dynamic Mechanical Therma
l Analysis(DMTA)装置 全サンプル長 :40mm サンプル厚 :1mm 測定温度 :30℃ 治具形状 :両持ち梁(Dual Cantil
ever) 治具間サンプル長:5mm 角周波数 :2π rad/s(1Hz)
(B)の混合方法 ゴム変性熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)と添
加剤を表2に示した割合でヘンシェルミキサーを用いて
混合し、その混合物をシリンダーセット温度200℃の
押出機により、ペレットを得た。
試験用テストピースの成形方法 上記(2)の方法で得たペレットを成形材料として、下
記の成形条件でアイゾット衝撃強度測定用テストピー
ス、引張り試験用テストピース、曲げ試験用テストピー
スを成形した。 成形機 :5オンス インラインスクリュータイプ成
形機 金型温度:50℃±5℃ 成形機設定条件: シリンダーセット温度:200℃ 射出圧力:一次圧75〜95kg/cm2G、二次圧5
0kg/cm2G 背圧:5kg/cm2G 成形サイクル:インジェクション15秒、ローディング
10秒、キュアリング40秒、サイクルスタート2秒
f・cm/cm)で測定した。
に準拠して行った。 試験片:ASTMタイプI 長さ :21.6cm 中央の幅:1.27cm 厚さ :0.32cm 引張り速度:5.0cm/min 各試験片の引張り強さTS(kgf/cm2)及び伸び
E(%)を算出した。
た。 試験片: 長さ:10.0cm 幅 :2.5cm 厚さ:0.32cm 曲げ速度:1.5cm/min 各試験片の曲げ強さFS(kgf/cm2)及び曲げモ
ジュラスFM(kgf/cm2)を算出した。
換算で54部、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴムラ
テックスを固形分換算で6部加え、イオン交換水150
部、スチレン7部、アクリロニトリル3部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.2部をさらに加えてフラスコ内温度
を60℃に昇温したのち、ピロリン酸ナトリウム0.2
部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖0.4部
をイオン交換水20部に溶解した溶液を加え、クメンハ
イドロパーオキサイド0.1部をさらに加えて重合を開
始し、温浴温度を70℃に保った。1時間重合させたの
ち、スチレン22部、アクリロニトリル8部、t−ドデ
シルメルカプタン0.5部、クメンハイドロパーオキサ
イド0.2部を2時間かけて連続的に添加し、さらに1
時間重合させて反応を完結させた。得られた共重合体ラ
テックスを硫酸を用いて凝固し、水洗、乾燥した。表1
に示すABS−1を得た。
BS−1およびABS−3のクメンハイドロパーオキサ
イドにかえて、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートを用い、他はABS−1およびABS−3と同
様の条件で重合を行なった。表1のABS−3、5、
6、7はABS−1の処方で、ゴム量、t−ドデシルメ
ルカプタン量、及び開始剤量を適宜変量し、他はABS
−1と同様の条件で行なった。 (熱可塑性樹脂) AS−1;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η]は0.6dl/g AS−2;スチレン75%とアクリロニトリル25%の
共重合体であり、[η](メチルエチルケトン可溶分の
固有粘度)は0.4dl/g 実施例1〜6、比較例1〜3 実施例1〜6は貯蔵弾性率が本発明の範囲内のゴム変成
熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物である。配合
処方および評価結果を表2に示す。
の範囲未満のゴム変性熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹
脂組成物であり、比較例2は、貯蔵弾性率が本発明の範
囲を越えるゴム変性熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂
組成物である。配合処方、ならびに評価結果を表2に示
す。実施例1〜4に比して、比較例1および3は機械的
強度に劣り、比較例2は衝撃強度に劣る。すなわち実施
例1〜4は成形品の耐衝撃性、機械強度に優れているこ
とが明白である。
は、高ゴム成分含有率であっても、他の熱可塑性樹脂
(B)に配合して得られる成形品は、耐衝撃性、機械強
度に優れている。そして、高ゴム成分含有率であるため
に、少量で耐衝撃性及び機械強度の改良効果が得られる
ので、展開性に対応しやすい。その上、AS樹脂などの
他の熱可塑性樹脂は、生産性に優れ、かつ低コストであ
るので、それに配合することにより、生産性に優れ、低
コストのABS樹脂を大量に製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ゴム状重合体(a)成分の存在下に、芳
香族ビニル化合物(b)およびシアン化ビニル化合物
(c)を重合して得られ、(a)成分の含有率が50〜
85重量%、(b)成分の含有率が5〜48重量%、
(c)成分が2〜45重量%、かつ下記条件で測定する
アセトン不溶分の貯蔵弾性率が0.5×108〜10×
108Pa、グラフト率が10重量%以上であることを
特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂。 アセトン不溶分の貯蔵弾性率の測定条件 テストピースの作製 ゴム変性熱可塑性樹脂中のゴム成分およびグラフト樹脂
(ゲル分)以外の溶媒可溶分(ゾル分)アセトンに溶解
し、遠心分離により除去する。得られたゲル分を、真空
乾燥してアセトンを除去した後、溶融加圧成形し、厚さ
1mmのシートとする。このシートを長さ40mm、幅
5mmの短冊状に切り取り、テストピースとする。 貯蔵弾性率の測定 測定装置として、Polymer Laborator
ies社製のDynamic Mechanical
Thermal Analysis(DMTA)装置を
使用し、下記条件で測定する。 全サンプル長 :40mm サンプル厚 :1mm 測定温度 :30℃一定 治具形状 :両持ち梁(Dual Cantil
ever) 治具間サンプル長:5mm 角周波数 :2π rad/s(1Hz) - 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性熱可塑性樹脂
(A)と他の熱可塑性樹脂(B)とからなる組成物であ
り、組成物中の(a)成分の含有率が3〜35重量%で
ある熱可塑性樹脂組成物。
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