JP3230257B2 - ポリフェニレンスルフィドの硬化方法 - Google Patents
ポリフェニレンスルフィドの硬化方法Info
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Description
びの改良されたPPSの製造法に関するものである。
れた高性能エンジニアリングプラスチックとして知られ
ている。
報等に基づく方法などで製造されるが、得られるポリマ
ーは低分子量であるため十分な強度を有さず、かつ低粘
度であるためペレットの製造さえ困難なことが知られて
いる。そこで合成されたポリマーの低分子量物をその融
点以下の温度の空気中で酸化架橋することにより分子量
を増大せしめ成形品の強度増大と成形加工性の向上を行
なう方法が行なわれており、現在、この方法による高分
子量化されたポリマーが工業的に用いられている。
分子量化ポリマーは靭性に乏しい、すなわち引張り破断
伸び、引張り強度が低いという重大な欠点を有してい
る。そこでかかる欠点を改良するため重合工程の改良が
数多く提案されている。例えば、特開昭50−8469
8号公報では重合触媒としてアルカリ金属カルボン酸塩
を添加している。しかし、この製造法は特別の重合触媒
が必要であるばかりか、200℃以下で溶解させるのに
適当な溶媒のないPPSにおいては、重合触媒除去のた
めのポリマー精製工程が必要になるなどコスト高となり
問題である。
は、ある値以下のメルトフローレートを持つ酸化架橋前
のPPSをある値以下のメルトフローレートになるまで
酸化架橋し、かつ酸化架橋前後のメルトフローレートの
値の比がある範囲内になるように酸化架橋するPPSの
製造法が提案されている。しかし、これはウエルドクラ
ック発生の防止を目的としたものであり、靭性、耐衝撃
性の改良には不充分である。
の欠点として知られてきた脆性を改良し、耐衝撃性、引
張り破断伸びに優れたPPSを提供するものである。
解決するために、酸化架橋前後の零剪断粘度と耐衝撃性
や引張り破断伸びについて検討した結果、零剪断粘度と
機械特性が深く関わっていることを見い出し、さらに驚
くべきことに酸化架橋後の零剪断粘度が同等であって
も、酸化架橋前のある零剪断粘度を境にしてPPSの機
械的性質、特に引張り破断伸びが大幅に改良されるこ
と、Izod衝撃試験では非破壊となることを見い出
し、本発明に到達したものである。
度(以下η0’と略す。)が800以上のPPSを酸化
架橋後の零剪断粘度(以下η0と略す。)が50000
以上に達するまで酸化架橋を行なうことを特徴とするP
PSの硬化方法に関するものである。
したポリマーがニュートン流動を示す低剪断速度状態で
の溶融粘度であり、コーンプレート型の回転粘度計、例
えば英国サンガモ社製ワイゼンベルグレオゴニオメータ
ーR20等を用いて測定することができる。
ルグレオゴニオメーターを用い、窒素雰囲気下、剪断速
度範囲0.01〜100(秒−1)の定常流で、300
〜380℃の温度範囲において測定を行い、WLF
(M.L.Williams−R.E.Landel−
J.D.Ferry)式を用いて、300℃に重ね合わ
せて零剪断粘度を求めた。
式
好ましくはη0’≧1000のη0’を有するものであ
り、公知の方法で得られるものであれば特に制限はな
い。しかしながら、η0’<800では本発明による耐
衝撃性、引張り破断伸びの改良効果が発現せず好ましく
ない。
例えば(1)ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリ
との反応(米国特許第2513188号公報、特公昭4
4−27671号公報および特公昭45−3368号公
報)、(2)チオフェノール類のアルカリ触媒又は銅塩
等の共存下における結合反応(米国特許第327416
5号公報および英国特許第1160660号公報)、
(3)芳香族化合物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下
における結合反応(特公昭46−27255号公報およ
びベルギー特許第29437号公報)等が挙げられる。
2240号公報、特公昭54−8719号公報、特公昭
53−25588号公報、特公昭57−334号公報、
特開昭55−43139号公報、米国特許435081
0号公報、米国特許4324886号公報に挙げられて
いるような高分子量PPSの製造法により得ることが好
ましい。
る限定されたη0’のPPSをη0≧50000、好ま
しくはη0≧70000になるまで酸化架橋の際の温
度、時間を制御し、酸化架橋を行なう。かかるη0が5
0000未満では本発明における効果が少なくなり好ま
しくない。
用いて行うことができる。例えば、リボンブレンダー、
流動層、オーブン、容器回転式混合機による酸化架橋が
挙げられるが、中でもリボンブレンダーを用いた方法が
好ましく、PPSを粉末状として酸素、オゾン、または
これらを含む気体中で行われる。
融点未満であり、生産性を考慮すると好ましくは220
℃以上270℃未満である。200℃未満では硬化速度
が遅く実用的でなく、また融点以上ではPPS粒子の融
着が生じることがある。
本発明の目的を逸脱しない範囲で、熱可塑性エラストマ
ー、例えばエチレン−プロピレン−エチリデンノルボル
ネン共重合体(EPDMゴム)、エチレン−プロピレン
共重合体(EPゴム)、エチレン−ブテン−1共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
系ブロック共重合体エラストマー、アミド系エラストマ
ー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー
等、またはゴム質重合体、例えば共役ジエンゴム、アク
リルゴム等を添加することも可能である。さらに、ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポリブテン、ポリメチルスチ
レン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロ
ニトリル、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレン
テレフタレート,ポリアリレート等のポリエステル、ナ
イロン6,ナイロン66,ナイロン46,ナイロン1
2,ナイロン11,非晶性ナイロン,芳香族ナイロン等
のポリアミド、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリフェ
ニレンスルフィドスルホン、PPS、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィドケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコ
ーン樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂
などの単独重合体、ランダム重合体またはブロック、グ
ラフト共重合体およびそれらの混合物等の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂を添加することも可能である。
維、アルミナ繊維等のセラミック繊維、アラミド繊維、
全芳香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カリウ
ムウィスカー、炭化珪素ウィスカー等の補強用充填剤や
炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェラ
イト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、ネフェ
リンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、
フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ド
ロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、
石膏、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルー
ン、石英、石英ガラス等の無機充填剤や有機,無機顔料
を配合することもできる。
〜12mm,繊維径3〜20μのチョップドストラン
ド、繊維長30〜500μ,繊維径3〜20μのミルド
ファイバー、325メッシュ以下のガラスフレークやガ
ラスパウダーを挙げることができる。
剤、離型剤、シラン系,チタネート系のカップリング
剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、結晶核剤、発砲
剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定
剤、着色剤及びPPSの架橋度を制御する目的で架橋促
進剤としてチオホスフィン酸金属塩や架橋防止剤のジア
ルキル錫ジカルボキシレート、アミノトリアゾール等を
必要に応じて添加してもよい。
各成分を加えて、種々の公知の方法によりペレット化で
きる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ブ
ラベンダー等による加熱溶融混練方法が最も好ましい。
この際の混練温度は特に限定されるものではないが、通
常200〜400℃の中から任意に選ぶことができる。
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
する内容積530リットルの反応器にN−メチルピロリ
ドン110リットル及び硫化ナトリウム(純度:Na2
S 60.2重量%)61.1kgを仕込み、攪拌下ジ
ャケットにより加熱し内温が約200℃に達するまで、
蒸留を脱水塔を通じて行った。この際、13.5リット
ルの主として水からなる抽出液を留去した。次いで、p
−ジクロルベンゼン68.7kg及びN−メチルピロリ
ドン48リットルを添加し、2時間かけて225℃まで
昇温し、225℃にて2時間反応させた後、30分かけ
て250℃に昇温し、さらに250℃で3時間反応させ
た。
ット及び減圧ラインを装備する溶媒回収器に移した。こ
の際、N−メチルピロリドン30リットルを追加した。
続いて、減圧下で加熱して、主としてN−メチルピロリ
ドンからなる留出液210リットルを留去した。
スラリーとし、80℃、15分間加熱攪拌した後、遠心
分離してポリマーを回収した。
200リットルを添加し、100℃、30分間加熱攪拌
を行い、、冷却後、遠心分離機でポリマー粉末を回収し
た。尚、この操作を2回繰り返した。
ブレンダーに移し、乾燥を行った。このようにして得ら
れたポリマーのη0’は745であり、これをPPS−
Iとする。
代わりにP−ジクロルベンゼン69.0kgを使用し、
250℃での反応時間を4時間とする事以外は参考例1
と同様にPPSを合成した。このようにして得られたポ
リマーのη0’は1170であり、これをPPS−II
とする。
のリボンブレンダーに15kg仕込み、回転数60rp
mで攪拌し、空気を10リットル/分で送り込み、26
5℃でそれぞれ時間を変えて酸化架橋を行なった。
す。
340℃に設定した同方向回転二軸押出機を用いてスク
リュー回転数200rpmの条件で溶融混練し、押出し
たストランドをペレット化した。ここで得たペレットを
270〜330℃に設定したスクリューインライン式射
出成形機に供給し、金型温度135℃の条件で引張り試
験用、Izod衝撃試験用テストピースを射出成形し
た。これらのテストピースを用いて引張り試験(AST
M D−638)、Izod衝撃試験(ASTMD−2
56)を行なった。その結果を表1に示す。
びを零剪断粘度に対してプロットしたものを図1に示
す。
性、引張り破断伸びに優れるため、従来より公知の種々
の方法により、プリント配線用基盤、電子部品封止材
料、各種コネクター部品、耐熱塗料、薄肉成形品、繊
維、シート、フィルム、チューブ等種々の形状の成形品
に成形することができ、射出成形、押出成形、ブロー成
形、発泡成形等の加工方法が可能であり、特に押出し成
形、ブロー成形に好適に用いられる。具体的な用途分野
としては自動車、電気、電子、機械等の工業材料分野で
耐熱性、難燃性及び成形加工性に優れた成形素材として
広範囲に使用することができる。
Sの零剪断粘度と引張り破断伸びの関係を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】300℃における零剪断粘度(単位POI
SE)が800以上の酸化架橋前のポリ(p−フェニレ
ンスルフィド)(但し、重合終了後、不活性雰囲気下、
230〜265℃の温度で処理して、800POISE
以上の溶融粘度(高化式フローテスターにより直径0.
5mm,長さ2mmのダイスを用いて、300℃,20
0(秒)-1で測定したもの)を示す実質的に線状のポリ
フェニレンスルフィド樹脂を除く。)を酸化架橋後の3
00℃における零剪断粘度が50000以上に達するま
で酸化架橋を行なうことを特徴とするポリ(p−フェニ
レンスルフィド)の硬化方法。
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JP32837691A JP3230257B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | ポリフェニレンスルフィドの硬化方法 |
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-
1991
- 1991-11-18 JP JP32837691A patent/JP3230257B2/ja not_active Expired - Fee Related
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