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JP3219471B2 - シロアリ防除剤 - Google Patents

シロアリ防除剤

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Publication number
JP3219471B2
JP3219471B2 JP19332892A JP19332892A JP3219471B2 JP 3219471 B2 JP3219471 B2 JP 3219471B2 JP 19332892 A JP19332892 A JP 19332892A JP 19332892 A JP19332892 A JP 19332892A JP 3219471 B2 JP3219471 B2 JP 3219471B2
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宗孝 石田
セリット ムーニー
勝康 中田
宣行 萩原
武祚 金
長孝 山崎
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Taiyo Kagaku KK
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シロアリ防除剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年、生
活環境の変化に伴い家屋やビル、倉庫、工場等における
木材害虫による被害が増大している。とりわけシロアリ
による被害は建築物の建材だけにとどまらず、家具類、
皮革・繊維類、ビニール加工品、電線・ケーブル類等の
広範囲にわたっている。従来、シロアリ防除剤として用
いられてきた薬剤としては、有機リン系のクロルピリホ
ス、ホキシムおよびピリダフェンチオン等や、ナフタリ
ン系のモノクロルナフタリン、トリアジン系のトリプロ
ピルイソシアヌレート等があげられる。しかしながら、
これらの薬剤はいずれも安全性および残留毒性に問題が
あり、散布作業者に対する直接被害にとどまらず、環境
への蓄積性が重大な社会問題となっている。そのため、
安全性が高く残留毒性の少ない防除剤の必要性が高まっ
ている。
【0003】ところで、インドでは古くから、センダン
科植物であるニーム(Azadirachtaindica A. Juss) を
殺虫剤や駆虫剤として用いており、その作用機作および
駆虫の対象となる昆虫等が既に知られている( J. Davi
d Warthen Jr., Proc. Entomol. Soc. Wash.,91(3),pp.
367 〜388,(1989)・ M.Jacobson, ACS Symposium Series
No.296 pp.220〜232 (1986)) 。ニームに含まれる主要
活性成分であるアザジラクチン(Azadirachtin) はバッ
タ、蛾、甲虫類等の昆虫に対する活性が天然物の中で最
も強い成分として知られている。しかし、このアザジラ
クチン自体はシロアリに対して防除活性を示さないこと
が知られている(Butterworth and Morgan, J. Insect
Physiol.,17 pp.969〜977,(1971)) 。従って、ニームそ
のもののシロアリに対する効果は不明であった。
【0004】本発明者らは、安全性が高く残留毒性の少
ない天然物中からシロアリ防除効果の高いものを選択す
べく研究を重ねた結果、有効成分は不明なるもニーム抽
出物が高いシロアリ防除効果を有することを見出し、先
に出願を行った(特開平3−41011号公報)。しか
し、ニーム抽出物は特有の不快臭を有しているとともに
粘稠な形態を有し、さらに有色(茶褐色)であるため処
理により美観をそこなうといった問題もあるために、シ
ロアリ防除効果を有するにもかかわらず、その取り扱い
および調剤方法等が制限されるとともに、その用途も床
下や土壌といった建築物の屋外に限定されているのが現
状である。また、ニーム抽出物のみの処理では、優れた
シロアリ防除効果を有するものの、殺虫力という点から
みれば、既存の薬剤と比較して弱く遅効的であるという
点が指摘されている。
【0005】従って、本発明の目的は、このようなニー
ム抽出物の問題点を解決し、その取り扱いおよび調剤が
容易で広範囲の用途に用いることができると同時に、安
全性が高く、低薬量で優れた防除効果を有するシロアリ
防除剤を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、従来より使用されているシロアリ殺虫剤と併用する
ことにより、該殺虫剤の使用量を減少させ、安全で殺虫
力をも有するシロアリ防除剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためにニーム抽出物中の各成分の精製を行
い、各成分について鋭意研究を行った。その結果、ニー
ム抽出物の下記の式(1)〜(10)で表される化合物
がシロアリ防除に有効な成分であることを見出した。さ
らに、これら成分の一種以上とピレスロイド系殺虫剤、
有機りん系殺虫剤又はカーバメート系殺虫剤の一種以上
とを混合施用することにより低薬量で高いシロアリ防除
効果および殺虫効果を発揮することを見出し、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、式(1)から式
(10)で表されるトリテルペン類よりなる群から選ば
れる一種以上の精製物質を有効成分として配合してなる
シロアリ防除剤、好ましくは有効成分とするトリテルペ
ン類の全部または一部が式(2)、(5)、(6)およ
び(7)よりなる群から選ばれることを特徴とするシロ
アリ防除剤、さらには式(1)から式(10)で表され
るトリテルペン類よりなる群から選ばれる一種以上の精
製物質とピレスロイド系殺虫剤、有機りん系殺虫剤およ
びカーバメート系殺虫剤よりなる群から選ばれる一種以
上とを有効成分として配合してなるシロアリ防除剤に関
するものである。
【0007】
【化2】
【0008】本発明のシロアリ防除剤に用いる、式
(1)〜(10)で表されるトリテルペン類はそれぞれ
アザジラジオン、17−ヒドロキシアザジラジオン、1
7−エピアザジラジオン、エポキシアザジラジオン、ゲ
ジュニン、デアセチルゲジュニン、サランニン、デアセ
チルサランニン、ニンビン、デアセチルニンビンと呼ば
れる化合物であり、各化合物はニーム、センダン、トウ
センダンまたはタイワンセンダン等のセンダン科植物か
ら容易に分離・抽出・精製することができる。
【0009】なお、上記トリテルペン類の抽出方法につ
いては特に制限はなく、有機溶媒抽出法、圧搾抽出法と
いった通常の方法にて容易に抽出することができる。有
機溶媒抽出法による抽出を行う場合に用いる有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノールおよびオクタノール等のアル
コール類;プロピレングリコール、エチレングリコー
ル、ヘキシレングリコールおよびグリセリン等のポリオ
ール類;メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエ
ーテルおよびイソプロピルエーテル等のエーテル類;メ
チルエチルケトンおよびアセトン等のケトン類;酢酸エ
チル等のエステル類;クロロホルムおよびジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、イソオクタ
ン、ケロシン、パラフィン、ベンゼン、トルエンおよび
キシレン等の炭化水素類、またはこれらの含水物等のい
ずれでも構わないが、特にメタノール、エタノール等の
アルコール類やジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素
類及びこれらの含水物が好適である。
【0010】抽出後のトリテルペン類の精製手段には特
に制限はなく、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマ
トグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、再結晶に
よる析出およびこれらの方法を適宜組合せる等の通常の
方法が用いられる。また、本発明のシロアリ防除剤に用
いるトリテルペン類は、上述の植物体から得る方法以外
に化学合成品を用いることもなんら制限を受けるもので
はなく、経済性、安全性等を勘案し、適宜選択すること
ができる。
【0011】本発明のシロアリ防除剤は、前記のように
して得られる式(1)〜(10)で表されるトリテルペ
ン類の一種以上の物質を有効成分として配合して得られ
るものであるが、これらのトリテルペン類は優れたシロ
アリ防除作用を有しているも、殺虫性は弱いという特性
を有するものである。従って、各種用途によってはシロ
アリの防除に止まらず、主に殺虫性を要求される用途に
おいては充分な薬効は期待できない。しかし、既存のシ
ロアリ殺虫剤に本発明のシロアリ防除剤の有効成分を添
加することにより、既存のシロアリ殺虫剤の殺虫効果を
保持しつつその使用量を減少させることが可能である。
即ち、このような併用により、人体への残留毒性などの
問題のより少ない安全で、かつシロアリ殺虫効果を有し
たシロアリ防除剤を提供することができる。本発明にお
いて併用し得る殺虫剤としてはピレスロイド系殺虫剤、
有機りん系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤が挙げられ
る。
【0012】本発明で使用されるピレスロイド系殺虫剤
としては、(RS)−3−アリル−2−メチル−4−オ
クソシクロペンタ−2−エニル(±)−シス−トランス
−クリサンセマート(アレスリン)、(RS)−α−シ
アノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(IR
S)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
ト(シフルトリン)、(RS)−α−シアノ−3−フェ
ノキシベンジル−(Z)−(IRS)−シス−3−(2
−クロロ−3,3,3,−トリフルオロプロペニル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(シ
ハロトリン)、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシ
ベンジル(IRS)−シス,トランス−3−(2,2−
ジクロロビニル)−1,1−ジメチルシクロプロパンカ
ルボキシレート(シペルメトリン)、(S)−α−シア
ノ−3−フェノキシベンジル(IR)−シス−3−
(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート(デルタメスリン)、(R
S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−
2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート
(フェンバレレート)、(RS)−α−シアノ−3−フ
ェノキシベンジル−(S)−2−(4−ジフルオロメト
キシフェニル)−3−メチルブチレート(フルシトリネ
ート)、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ル−N−(2−クロロ−α,α,α,−トリフルオロ−
p−トリル)−D−バリネート(フルバリネート)、3
−フェノキシベンジル(IRS)−シス−トランス−3
−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボキシレート(ペルメトリン)、3−フ
ェノキシベンジル(±)−シス−トランス−クリサンセ
マート(フェノトリン)、2−(4−エトキシフェニ
ル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエ
ーテル(エトフェンプロックス)、(RS)−α−シア
ノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2,2−ジクロ
ロ−1−(4−エトキシフェニル)−シクロプロパンカ
ルボキシレート(シクロプロトリン)、(S)−α−シ
アノ−3−フェノキシベンジル−(IR)−シス−2,
2−ジメチル−3−〔(RS)−1,2,2,2−テト
ラブロモエチル〕シクロプロパンカルボキシレート(ト
ラロメスリン)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メチルベンジル−(Z)−(IRS)−シス−3−
(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−
エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシ
レート(テフルスリン)、2−メチルビフェニル−3−
イルメチル−(Z)−(IRS)−シス−3−(2−ク
ロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)
−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
(ビフェントリン)などが挙げられる。
【0013】有機りん系殺虫剤としては、O,O−ジエ
チル−O−3,5,6−トリクロル−2−ピリジルホス
ホロチオエート(クロルピリホス)、O,O−ジメチル
−O−3,5,6−トリクロル−2−ピリジルホスホロ
チオエート(クロルピリホスメチル)、O,O−ジメチ
ル−O−(3−オキソ−2−フェニル−2H−ピリダジ
ン−6−イル)ホスホロチオエート(ピリダフェンチオ
ン)、(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−
6)−ジエチルチオホスフェート(ダイアジノン)、
O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェ
ニル)チオホスフェート(フェニトロチオン)、O,O
−ジメチル−O−〔3−メチル−4−(メチルチオ)フ
ェニル〕チオホスフェート(フェンチオン)、2,2−
ジクロロビニルジメチルホスフェート(ジクロルボ
ス)、2−クロル−1−(2,4,5−トリクロルフェ
ニル)ビニルジメチルホスフェート(テトラクロルビン
ホス)、O,O−ジエチル−α−シアノベンジリデンア
ミノ−オキシホスホロチオエート(ホキシム)、O,S
−ジメチル−N−アセチルホスホロアミドチオエート
(アセフェート)、O−エチル−O−(N−メトキシア
セトイミドイル)フェニルチオノフォスフェート(HI
−8276)などが挙げられる。
【0014】またカーバメート系殺虫剤としては、1−
ナフチル−N−メチルカーバメート(カルバリル)、2
−セコンダリーブチルフェニル−N−メチルカーバメー
ト(BPMC)、2−イソプロポキシフェニル−N−メ
チルカーバメート(propoxur)、3,5−キシ
リル−N−メチルカーバメート(XMC)などが挙げら
れる。本発明においては、これらのピレスロイド系殺虫
剤、有機りん系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤より
なる群から選ばれる一種以上が用いられる。複数の殺虫
剤を併用する場合は、特定の系の殺虫剤の中から適宜選
択され、あるいは例えばピレスロイド系殺虫剤と有機り
ん系殺虫剤との組合せのように各系の殺虫剤を組合せて
併用してもよい。
【0015】また、既存の天然シロアリ防除剤に、本発
明のシロアリ防除剤を添加して使用することもできる。
天然のシロアリ防除剤としては、本発明者らが先に出願
したキハダ抽出物(特開平1−13007号公報、特開
平1−106804号公報)、柑橘類種子抽出物(特開
平1−83006号公報)等が挙げられる。
【0016】本発明のシロアリ防除剤の製剤化にあたっ
ては、通常の製剤処方に従い適当な担体および/または
希釈剤と共に製剤化される。得られる製剤の剤型につい
ても特に制限はなく、例えば粉剤、粒剤、水和剤、乳
剤、油剤、エアゾール剤、燻煙剤等の剤型を使用目的に
応じて適宜に選択することができる。これら各剤型の調
製は通常の方法により行うことができる。例えば粉剤、
粒剤等の固剤は前記の式(1)〜(10)で表されるト
リテルペン類の一種以上と適当な担体を混合し、必要に
応じて粉砕又は造粒して調製される。この際、一般に使
用される担体としては、例えば大豆粉、タバコ粉、木
粉、澱粉、乳糖等の植物性粉末、カオリン、ベントナイ
ト、酸性白土等のクレー類、滑石粉、ロウ石粉等のタル
ク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ類を挙げることができ
る。水和剤、乳剤、油剤等の液剤は常法に従い水その他
の適当な溶剤及び必要に応じて分散剤等の各種界面活性
剤を添加して調製される。エアゾール剤、燻煙剤等もま
た常法に従い、それぞれの噴射剤、発煙性基剤、燃焼性
基剤等を用いて調製される。
【0017】また、上記各製剤中には必要に応じて通常
添加配合される乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、浸透
剤等の界面活性剤の他にも例えば湿潤剤、粘漿剤、安定
剤、協力剤等を添加配合することもできる。上記界面活
性剤としては各種石鹸類、高級アルコール硫酸エステ
ル、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン
酸、第4級アンモニウム塩、オキシアルキルアミン、脂
肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイド等を挙げるこ
とができる。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安
定化剤を適量加えることもできる。また、本発明のシロ
アリ防除剤はシロアリの発生、被害の状況に応じて他の
シロアリ防除剤や共力剤などと組み合わせて使用するこ
とができる。さらに、木材の劣化をおこす木材腐朽菌を
防除するために腐朽防止剤を配合して使用することもで
きる。
【0018】各製剤中に配合される前記式(1)〜(1
0)で表されるトリテルペン類の配合量は、上記製剤の
剤型に応じて適宜に決定され特に制限はないが、通常
0.1〜80重量%、好ましくは0.3〜50重量%の
範囲とすることができる。0.1重量%未満の場合、シ
ロアリ防除効果が充分でなく、また、80重量%を超え
て配合する場合には有効成分の析出等により製剤化に適
しない場合がある。また、式(1)から式(10)で表
されるトリテルペン類とピレスロイド系殺虫剤、有機り
ん系殺虫剤又はカーバメート系殺虫剤との混合比は、重
量比で49:1〜1:49、好ましくは10:1〜1:
10である。各製剤の使用方法はその剤型に応じて異な
り、該剤型毎に通常これによる処理を必要とする箇所に
適当量撒布することにより、例えば、床下、台所、風呂
場、壁中等に撒布、噴霧、塗布、貼りつけ等の方法で適
用できる。また、シロアリの食餌である木材並びに紙及
び紙製品を含む木材製品に本発明のシロアリ防除剤の液
剤を含浸、噴霧または塗布することによりシロアリを防
除できる。施用量はその剤型、適用方法、適用箇所等に
応じて適宜に決定され、所望の防除効果が奏される限り
限定されるものではない。
【0019】本発明のシロアリ防除剤は、前記のように
式(1)〜(10)で表されるトリテルペン類の一種以
上の物質を有効成分として配合して得られるものである
が、なかでも式(2)、(5)、(6)および(7)で
表される化合物は特に強いシロアリ防除作用を有するた
め、これらを有効成分の全部または一部として配合した
ものが好ましい。
【0020】また、本発明のシロアリ防除剤の対象とな
るシロアリに特に制限はなく、イエシロアリ(Coptoter
mes formosanus Shiraki)およびヤマトシロアリ(Reti
culitermis speratus kolbe)等の建材、家具類、皮革・
繊維類、ビニール加工品、電線・ケーブル類等に被害を
及ぼすすべてのシロアリが挙げられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。なお、単に部と記載
されているものは重量部を意味する。 実施例1 ニームの種子の乾燥粉砕品1kgにヘキサン5リットル
を加え室温にて24時間抽出を3回行った(アザジラク
チンは残渣中に存在する)。得られた抽出液を濾過し、
ロータリーエバポレーターにて濃縮乾固して褐色油状物
質を得た。この抽出物に10倍量のメタノールを加え2
4時間3回抽出操作を行い、抽出液を濾過後濃縮乾固し
て黒褐色の粘稠な抽出物90gを得た。この抽出物10
gをシリカゲルクロマトグラフィー(富士デビィソン化
学株式会社製シリカゲルBW-820MH、溶出液クロロホルム
/酢酸エチル=40/1〜100%酢酸エチル)にて分
画を行いさらに各画分を分取高速液体クロマトグラフィ
ー(Waters prep. Nova-pak C18 HR 、アセトニトリル
/メタノール/水=35/20/45)にて分取精製を
くり返し、アザジラジオン(式(1))543mg、1
7−ヒドロキシアザジラジオン(式(2))210m
g、17−エピアザジラジオン(式(3))133m
g、エポキシアザジラジオン(式(4))485mg、
ゲジュニン(式(5))162mg、デアセチルゲジュ
ニン(式(6))150mg、サランニン(式(7))
745mg、デアセチルサランニン(式(8))141
mg、ニンビン(式(9))520mg;デアセチルニ
ンビン(式(10))245mgを得た。得られた各精
製物は、無色・無臭の粉末であった。
【0022】実施例2 ニーム果実の乾燥品500gを粉砕し、メタノール3リ
ットルを加え室温にて24時間抽出を3回行い、得られ
た抽出混合液を濾過し、ロータリーエバポレーターにて
濃縮乾固して茶褐色油状物質103gを得た。この抽出
物10gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士
デヴィソン化学株式会社製シリカゲルBW-820MH、溶出液
クロロホルム/酢酸エチル=40/1〜100%酢酸エ
チル)にて分画を行いさらに各画分を分取高速液体クロ
マトグラフィー(Waters prep. Nova-pak C18 HR 、ア
セトニトリル/メタノール/水=35/20/45)に
て分取精製を繰り返し、アザジラジオン(式(1))3
85mg、17−ヒドロキシアザジラジオン(式
(2))77mg、17−エピアザジラジオン(式
(3))65mg、エポキシアザジラジオン(式
(4))496mg、ゲジュニン(式(5))101m
g、デアセチルゲジュニン(式(6))46mg、サラ
ンニン(式(7))126mg、デアセチルサランニン
(式(8))51mg、ニンビン(式(9))116m
g、デアセチルニンビン(式(10))112mgを得
た。得られた各精製物は、無色・無臭の粉末であった。
【0023】実施例3 (油剤の調製)アザジラジオン(式(1))5部、17
−ヒドロキシアザジラジオン(式(2))1部、17−
エピアザジラジオン(式(3))1.5部、エポキシア
ザジラジオン(式(4))10部、ゲジュニン(式
(5))1部、デアセチルゲジュニン(式(6))1
部、サランニン(式(7))2部、デアセチルサランニ
ン(式(8))0.5部、ニンビン(式(9))1部、
デアセチルニンビン(式(10))0.5部をキシレン
76.5部に溶解させ油剤を得た。
【0024】実施例4 (油剤の調製)17−ヒドロキシアザジラジオン(式
(2))2部、ゲジュニン(式(5))0.5部、デア
セチルゲジュニン(式(6))1部、サランニン(式
(7))1部をキシレン95.5部に溶解させ油剤を得
た。
【0025】実施例5 (油剤の調製)エポキシアザジラジオン(式(4))
2.5部、デアセチルゲジュニン(式(6))2.5
部、ペルメトリン0.2部をキシレン94.8部に溶解
させ油剤を得た。
【0026】実施例6 (乳剤の調製)17−ヒドロキシアザジラジオン(式
(2))5部、デアセチルサランニン(式(8))5
部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル10
部にシクロヘキサン80部に溶解して乳剤を得た。
【0027】実施例7 (水和剤の調製)サランニン(式(7))5部、クロル
ピルホス5部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
2部をよく混合しホワイトカーボン10部およびクレー
78部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0028】実施例8 (粉剤の調製)アザジラジオン(式(1))2部、ゲジ
ュニン(式(5))2部、ニンビン(式(9))4部を
アセトンで溶解し、イソプロピルアシッドホスフェート
(PAP:日本化学工業株式会社製)1部、ホワイトカーボ
ン2部およびクレー89部に加え均一に混合した後アセ
トンを留去して粉剤を得た。
【0029】実施例9 (粒剤の調製)17−ヒドロキシアザジラジオン(式
(2))1部、17−エピアザジラジオン(式(3))
1部、デアセチルゲジュニン(式(6))0.5部、ホ
ワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸カルシウム2
部、ベントナイト20部および白土3.5部を加えて混
練機で混練し、造粒後流動乾燥機にて乾燥して粒剤を得
た。
【0030】実施例10 (エアゾール剤の調製)ゲジュニン(式(5))1部、
デアセチルゲジュニン(式(6))1部、ニンビン(式
(9))3部、デアセチルニンビン(式(10))2部
をエタノール100部に溶解し、液化石油ガスおよびジ
メチルエーテル混合物(1:1容積比)20部をエアゾ
ール用耐圧缶に充填し、エアゾール剤を得た。
【0031】実施例11 (粉剤の調製)アザジラジオン(式(1))5部、ゲジ
ュニン(式(5))2部、サランニン(式(7))2
部、カルバリル2部をアセトンで溶解し、イソプロピル
アシッドホスフェート(PAP:日本化学工業株式会社
製)1部、ホワイトカーボン2部およびクレー86部に
加えて均一に混合した後、アセトンを留去して粉剤を得
た。
【0032】試験例1 実施例1に準じて調製した各化合物の所定濃度希釈液を
直径8mmの濾紙(東洋濾紙株式会社製、重量30m
g)に一定量塗布し、減圧デシケーター中にて一晩乾燥
させた。これをプラスチックカップ(直径6cm、高さ
4cm)に入れヤマトシロアリの職蟻20匹を放虫し死
虫率を求めた。試験は10反復にて行った。試料の供試
量と放虫21日後の平均の死虫率を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】その結果、本発明のシロアリ防除剤は優れ
た防除効果を有し、特に17−ヒドロキシアザジラジオ
ン(式(2))、ゲジュニン(式(5))、デアセチル
ゲジュニン(式(6))、およびサランニン(式
(7))は顕著に優れた効果を発揮した。
【0035】試験例2 1×1×2cmのアカマツ木片に実施例3、4、5で調
製した油剤を塗布処理し、デシケーター中で乾燥させた
後、重量を測定し供試験体とした。この処理木片を湿潤
海砂を入れたポリカップ(直径12cm、高さ7cm)
に入れイエシロアリの職蟻100匹、兵蟻10匹を放っ
た。20日後に生存虫数と木片重量の減少量を調べた。
対照として、無処理の木片および実施例1の操作過程で
得られるニームのメタノール抽出物20部をキシレン8
0部に溶解して調製した油剤(ニーム油剤)で塗布処理
した場合についても同時に試験を行った。試験は3反復
にて行い、得られた結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】その結果、実施例3〜5により調製された
各シロアリ防除剤は、単にニームのメタノール抽出物の
みを成分としたニーム油剤と比較して、優れた効果を有
していた。
【0038】
【発明の効果】本発明のシロアリ防除剤に配合されるト
リテルペン類は、無色無臭の粉末であるため、調剤およ
び取扱いが容易で、かつ防除効果の高いシロアリ防除剤
が提供されることが可能となった。また、該トリテルペ
ン類は安全性が高く残留毒性の少ないものであるため、
安心して使用することができる。さらに、既存の殺虫剤
と併用することにより、殺虫剤の用量を減少させること
が可能である。従って、人体への残留毒性などの問題の
より少ない安全で、かつシロアリ殺虫効果を有したシロ
アリ防除剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A01N 53/00 A01N 53/00 A 57/00 57/00 A 65/00 65/00 A (72)発明者 萩原 宣行 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽 化学株式会社内 (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽 化学株式会社内 (72)発明者 山崎 長孝 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽 化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−41011(JP,A) 特開 昭61−61802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 45/00 A01N 43/08 A01N 43/12 A01N 43/16 A01N 43/90 101 A01N 53/00 A01N 57/00 A01N 65/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)から(10)で表されるトリテ
    ルペン類よりなる群から選ばれる一種以上の精製物質を
    有効成分として配合してなるシロアリ防除剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 有効成分とするトリテルペン類の全部ま
    たは一部が、式(2)、(5)、(6)および(7)よ
    りなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1記載
    のシロアリ防除剤。
  3. 【請求項3】 式(1)から(10)で表されるトリテ
    ルペン類よりなる群から選ばれる一種以上の精製物質
    ピレスロイド系殺虫剤、有機りん系殺虫剤およびカーバ
    メート系殺虫剤よりなる群から選ばれる一種以上とを有
    効成分として配合してなるシロアリ防除剤。
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