JP3211215B2 - 結晶質リン酸ジルコニウム化合物の製造方法 - Google Patents
結晶質リン酸ジルコニウム化合物の製造方法Info
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Description
結晶質リン酸ジルコニウム化合物を、水熱法により製造
する方法であり、本発明により製造される結晶質リン酸
ジルコニウム化合物は、耐熱性、耐放射線性及び耐薬品
性に優れ、特異的なイオン選択性を示す無機イオン交換
体として有用である。
オン交換体或いは固体電解質として公知の化合物であっ
て、その製造法として焼成法及び水熱法等が知られてい
る。
下記一般式で表される化合物 XZr2(PO4)3・nH2O (但し、Xはアルカリ金属イオンを示し、nは0≦n≦
2を満たす数である。)を、焼成法により得るには、ジ
ルコニウム化合物、リン酸化合物及びアルカリ金属塩
を、上記化合物の化学量論比となるよう乾式或いは湿式
で混合し、上記粉末混合物を、適当な結合剤を用いて加
圧成形した後、1000〜1600℃で加熱焼成して固
相反応を行う。
ン酸ジルコニウム化合物は、結晶性が悪く、また未反応
の原料や副生成物等の不純物が混在し易い等の欠点を有
している。また、焼成法で得られる結晶質リン酸ジルコ
ニウムは、焼結が顕著であるため、一般的な機械的粉砕
方法では均一かつ微細な粒度分布の粉体とすることは非
常に困難である。一般に無機イオン交換体は、微粉末と
して水溶液、樹脂、塗料等に分散させて用いられるた
め、粉末の分散性が重要であり、最大径は少なくとも1
0μm以下であり、平均粒径は1μm以下であることが
好ましいとされている。従って、上記のように、均一か
つ微細な粒度分布の粉体とすることが困難であること
は、種々の用途に適用しようとするうえで、大きな障害
となることが多い。以上の理由より、結晶質リン酸ジル
コニウム化合物を粉末状無機イオン交換体として利用す
る場合には、焼成法は適した製法とは言い難い。
ジルコニウム化合物 YZr2(PO4)3・nH2O (但し、Yはアンモニウムイオンを示し、nは0≦n≦
2を満たす数である。)を水熱法により得る方法とし
て、ジルコニウム化合物の水溶液とリン酸アンモニウム
の水溶液とを混合し、pHを3.8〜5.0に調整する
ことにより沈澱物を生成した後、水熱条件下で該沈澱物
を加熱し、固液分離することにより、結晶質リン酸ジル
コニウム化合物を得る方法があり、ジルコニウムイオン
含有化合物としてオキシ塩化ジルコニウム水和物を使用
する水熱反応が知られている(特公平2−3220
3)。
コニウム化合物を短時間の反応で得ることができ、この
方法により合成される結晶質リン酸ジルコニウム化合物
は、結晶性が良い微細な粒状物であり、さらに一次粒子
の粒径も揃っているため、粉砕が極めて容易であり、無
機イオン交換体を微粉末状で分散させるのに適してい
る。しかし、今までに知られている水熱法は、加熱温度
320〜400℃及び圧力50〜150MPaとかなり
過酷な水熱条件下で実施しなければならないという問題
点があり、工業的に容易に製造する条件であるとは言い
難い。
て、反応系に錯化剤を添加する方法が提案されている
(特開昭60−239313)。即ち、該方法はジルコ
ニウム化合物の水溶液と、リン酸化合物及びアンモニウ
ムイオン含有化合物またはアミン含有化合物の少なくと
も一種を含む水溶液との混合液に、錯化剤としてカルボ
ン酸化合物を加えた後、pH10以下、加熱温度100
℃以下の温和な条件下で反応させることを特徴とする結
晶質リン酸アンモニウムジルコニウムの製造方法であ
る。
し、不純物が生成しやすく、反応容積当りの収量が非常
に少ないうえ、排水中のカルボン酸化合物の除去等の製
造工程上の問題を有しており、種々改善の余地が残され
ている。
点を解消し、温和な反応条件下で、高純度の結晶質リン
酸ジルコニウム化合物を得ることができ、しかも得られ
た反応生成物は均一かつ微細な粒度分布をもつ粉末状と
して利用することができる製造方法を提供するものであ
る。
が有する上記の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、
硫酸イオン含有ジルコニウム化合物を用いると、特開昭
60−239313に開示されているような錯化剤を添
加することなしに、従来の水熱方法における加熱温度に
比較して極めて低い加熱温度域で、無機イオン交換体と
して有用な結晶質リン酸ジルコニウム化合物を簡易かつ
経済的に製造できることを見出し、本発明を完成するに
到った。即ち、本発明は、リン酸化合物の水溶液とジル
コニウム化合物の水溶液とを混合することにより沈澱物
を生成させ、該沈澱物を水熱状態下で加熱することによ
り、結晶質リン酸ジルコニウム化合物を製造するに際
し、リン酸化合物の水溶液としてアンモニウムイオン及
び/又はアルカリ金属イオンを有する水溶液を用い、ジ
ルコニウム化合物の水溶液として硫酸イオンを化合物中
に含有するジルコニウム化合物の水溶液を用いることを
特徴とする下記一般式で表される結晶質リン酸ジルコニ
ウム化合物の製造方法である。 AZr2(PO4)3・nH2O 〔1〕 (但し、Aはアンモニウムイオン又はアルカリ金属イオ
ンの少なくとも一種を示し、nは0≦n≦2を満たす数
である。)
明する。本発明の製造方法は、リン酸化合物の水溶液と
ジルコニウム化合物の水溶液とを混合することにより沈
澱物を生成させた反応スラリーを、水熱状態下で加熱す
ることにより、結晶質リン酸ジルコニウム化合物を製造
する方法である。本発明に使用する硫酸イオン含有ジル
コニウム化合物としては、化合物中に硫酸イオンを有す
る水溶性のジルコニウム化合物であれば、特に制限なく
使用することができ、好ましい化合物の具体例として、
硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム及びオキシ
硫酸ジルコニウム等がある。
又はリン酸塩であり、好ましいリン酸塩として、水溶性
又は酸可溶性の塩である、リン酸アンモニウム塩及びリ
ン酸アルカリ金属塩があり、その具体例としてリン酸二
水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナ
トリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素ア
ンモニウム及びリン酸水素二カリウム等がある。
応スラリー中のアルカリ金属イオンの濃度、アンモニウ
ムイオンの濃度、及び一般式〔1〕で表される化合物に
おけるこれらのイオンの分配率により決定される。従っ
て、本発明においては、アルカリ金属イオン又はアンモ
ニウムイオンを反応系に供給する方法として、アルカリ
金属イオン又はアンモニウムイオンのリン酸塩を原料と
して供給する方法ばかりでなく、リン酸とは別の化合物
としてこれらのイオンを含有する化合物を原料として供
給する方法があり、反応スラリーにおけるアルカリ金属
イオン及びアンモニウムイオンの濃度を適宜調整すれ
ば、アルカリ金属イオンとアンモニウムイオンを所望の
割合で有する結晶質リン酸ジルコニウム化合物を得るこ
とが可能である。例えば、反応スラリーにおけるアルカ
リ金属イオンを、一般式〔1〕で表される化合物におけ
るAの化学量論量の10倍程度過剰に存在させて、反応
スラリーのpHを調整し、アンモニウムイオンの量を変
化させる場合、アンモニウムイオンがAの化学量論量で
あるとき、生成物中のAは殆どアルカリイオンであり、
アンモニウムイオンがAの化学量論量の2倍であると
き、生成物中のAは殆どアンモニウムイオンであり、ア
ンモニウムイオンがAの化学量論量とその2倍量の中間
であるとき、生成物中のAとしてアンモニウムイオンと
アルカリイオンが共存する化合物を得ることができる。
反応スラリーにおけるアルカリ金属イオン及びアンモニ
ウムイオンの濃度を調整するために使用できるアルカリ
金属塩及びアンモニウム塩の好ましい具体例として、ア
ルカリ金属及びアンモニウムイオンのハロゲン化物又は
硫酸塩等があり、具体的化合物としては例えば塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化アンモニウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム及び
硫酸アンモニウム等がある。上記アルカリ金属塩及び/
又はアンモニウム塩を反応系に供給するには、上記アル
カリ金属塩及びアンモニウム塩より選ばれる水溶性塩の
一種以上を、硫酸イオン含有ジルコニウム化合物の水溶
液、リン酸化合物の水溶液又は反応スラリーのいずれに
添加しても良い。
液とリン酸化合物の水溶液との混合に際しては、各原料
中のジルコニウムイオンとリン酸イオンの混合モル比
が、Zr:PO4=1:1.5の化学量論比又はこの比
に近い値、例えばZr:PO4=1:2であれば、硫酸
イオン含有ジルコニウム化合物の水溶液とリン酸化合物
の水溶液とを混合する方法には特に制限はなく、例えば
硫酸イオン含有ジルコニウム化合物の水溶液にリン酸化
合物の水溶液を添加する方法、純水を入れた反応容器に
リン酸化合物の水溶液と硫酸イオン含有ジルコニウム化
合物の水溶液を同時に添加する方法のいずれを採用して
もよい。但し、部分的にリン酸濃度が高くならないよう
に、反応スラリーを十分撹拌しておくことが望ましい。
生成せしめた後のスラリ−は、pHを7以下に調整する
ことが好ましく、より好ましくはpHを1〜5に調整し
た後、水熱反応に供せられる。pHが1未満では下記一
般式で表される層状構造の結晶質リン酸ジルコニウム化
合物が生成する傾向があり、 A2Zr(PO4)2 (但しAはアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオン
より選ばれる少なくとも1種である。)pHが7より大
きいと非晶質のリン酸ジルコニウム化合物が生成する傾
向が大となる。
スラリー中に酸又はアルカリを添加すればよく、好まし
い酸として塩酸、硫酸及び硝酸等の鉱酸があり、好まし
いアルカリとして、アンモニウムイオンの水酸化物及び
アルカリ金属の水酸化物等があり、具体的化合物として
例えば水酸化アンモニウム又は水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等がある。
ないが、濃度が大きくなるに従って、結晶化速度が低下
する傾向があり、一方濃度が小さくなると反応容器の単
位体積当たりの収量が少なくなり、経済的ではないの
で、結晶化に要する時間と容積効率を考慮すると、好ま
しい固形分濃度は10〜40wt%の範囲である。
105℃以上の温度で加熱することが好ましい。105
℃以上で加熱すればれば、充分結晶化が進行するが、低
温、低圧で加熱するほど結晶化速度は小さくなり、経済
的に製造する方法として不利となることから、加熱温度
としては120〜175℃がより好ましく、更に好まし
くは130〜150℃が適当である。加熱条件を適当に
設定すれば、結晶化は12〜48時間のうちに完了す
る。
ム化合物を得た後、生成物を濾過、デカンテ−ション、
遠心分離及びフィルタ−プレス等の公知の手段により、
液相から分離し、洗浄した後、常法により乾燥、粉砕
し、粉末状無機イオン交換体として有用な一般式〔1〕
で表される化合物を得る。
説明する。なお、本発明はこれら実施例に記載した以外
の方法によっても可能であり、実施例のみに限定される
ものではない。なお、以下の各実施例において得た粉末
について、次の様にして各種測定を行なった。 (1)螢光X線分析 理学電機工業株式会社製3270Eを使用して、粉末中
のアルカリ金属イオンの有無を測定した。 (2)結晶構造の同定 Cu−Kα線を用い、Ni板をフィルターとして粉末X
線回折分析を行い、得られた回折図形をASTMカ−ド
または既存文献と比較することにより、結晶構造の同定
を行なった。 (3)粒度分布 レ−ザ−回折式粒度分布測定装置(島津製作所製LA−
500)を使用して、平均粒径及び最大粒径を測定し、
粉末の粒度分布を評価した。
2O〕の21.2g(0.06モル)を純水40gに溶
解し、硫酸ジルコニウム水溶液(a)を調製した。次い
で、試薬1級リン酸二水素アンモニウムの10.4g
(0.09モル)を純水に溶解した水溶液(b)の50
gを、水溶液(a)に撹拌しながら添加し、沈澱物を生
成せしめ、反応スラリーを得た。この反応スラリーに2
0wt%水酸化ナトリウム水溶液28gを添加して、こ
の反応スラリーを、pH2に調整した後、テフロン製耐
圧容器に移しかえ、150℃、飽和蒸気圧下(4.9K
g/cm2 )で24時間水熱処理を行なった。反応生成
物を濾過水洗した後、105℃で乾燥し、乾燥ケ−キを
軽く粉砕することにより、白色粉末14.2gを得た。
上記白色粉末の螢光X線分析の結果、白色粉末中にはナ
トリウムイオンは殆ど存在していなかった。また、得ら
れた乾燥粉末の粉末X線回折図(図1)を解析した結
果、結晶質リン酸アンモニウムジルコニウム化合物〔N
H4Zr2(PO4)3〕と全く同じX線回折ピークを示
し、結晶性不純物を含有していなかった。以上のことか
ら、上記白色粉末は一般式〔1〕におけるAとして、ア
ンモニウムイオンを有するリン酸ジルコニウム化合物で
あることがわかる。粒度分布測定の結果、得られた粉末
の平均粒径及び最大径は各々、0.68μm及び2.6
μmであり、上記で得た白色粉末は均一かつ微細な粒度
分布を有していた。
数のオキシ塩化ジルコニウムを使用した他は同様の操作
を行い、白色粉末14.7gを得た。得られた乾燥粉末
の粉末X線回折図(図2)は、非晶質に特有なハローパ
ターンを示し、何の結晶性物質の生成も示さなかった。
の硝酸ジルコニウムを使用した他は同様の操作を行い、
白色粉末14.4gを得た。得られた乾燥粉末の粉末X
線回折図(図3)は、非晶質に特有なハローパターンを
示し、何の結晶性物質の生成も示さなかった。
かえて85%リン酸水溶液10.3g(0.09モル)
を使用し、20wt%水酸化ナトリウム水溶液65gを
添加してpH4に調整した他は同様の操作を行い、白色
粉末14.5gを得た。得られた乾燥粉末の粉末X線回
折図(図4)は、結晶質リン酸ナトリウムジルコニウム
化合物〔NaZr2(PO4)3〕と全く同じX線回折ピ
ークを示し、結晶性不純物を含有していなかった。この
ことから、上記白色粉末は一般式〔1〕におけるAとし
て、ナトリウムイオンを有するリン酸ジルコニウム化合
物であることがわかる。粒度分布測定の結果、得られた
粉末の平均粒径及び最大粒径は各々0.70μm及び
3.0μmであり、上記で得た白色粉末は均一かつ微細
な粒度分布を有していた。
えて20%水酸化カリウム水溶液50gを添加してPH
3に調整した他は同様の操作を行い、白色粉末14.4
gを得た。得られた乾燥粉末の粉末X線回折図(図5)
は、結晶質リン酸カリウムジルコニウム化合物〔KZr
2(PO4)3〕と全く同じX線回折ピークを示し、結晶
性不純物を含有していなかった。このことから、上記白
色粉末は一般式〔1〕におけるAとして、カリウムイオ
ンを有するリン酸ジルコニウム化合物であることがわか
る。粒度分布測定の結果、得られた粉末の平均粒径及び
最大径は各々、0.55μm及び1.7μmであり、上
記で得た白色粉末は均一かつ微細な粒度分布を有してい
た。
2O〕423gを純水600gに溶解し、硫酸ジルコニ
ウム水溶液(a)を調整した。次いで、試薬1級リン酸
二水素アンモニウム208gを純水に溶解した水溶液
(b)の800gを、水溶液(a)に撹拌しながら添加
し、沈澱物を生成せしめ、反応スラリーを得た。この反
応スラリーに40%水酸化ナトリウム水溶液280gを
添加して、この反応スラリーを、pH2に調整した後、
ステンレス製の3L容積オ−トクレ−ブに移しかえ、1
40℃、飽和蒸気圧下(3.7Kg/cm2 )で36時
間撹拌しながら水熱処理を行なった。反応生成物を濾過
水洗した後、105℃で乾燥し、乾燥ケ−キを軽く粉砕
するとにより、白色粉末290gを得た。上記白色粉末
の螢光X線分析の結果、白色粉末中にはナトリウムイオ
ンは殆ど存在していなかった。また、得られた乾燥粉末
の粉末X線回折図(図6)を解析した結果、結晶質リン
酸アンモニウムジルコニウム化合物〔NH4Zr2(PO
4)3〕と全く同じX線回折ピークを示し、結晶性不純物
を含有していなかった。以上のことから、上記白色粉末
は一般式〔1〕におけるAとして、アンモニウムイオン
を有するリン酸ジルコニウム化合物であることがわか
る。粒度分布測定の結果、得られた粉末の平均粒径及び
最大径は各々、0.60μm及び2.2μmであり、上
記で得た白色粉末は均一かつ微細な粒度分布を有してい
た。
g/cm2 )にした他は実施例1と全く同じにして、白
色粉末14.4gを得た。上記白色粉末の螢光X線分析
の結果、白色粉末中にはナトリウムイオンは殆ど存在し
ていなかった。また、得られた乾燥粉末の粉末X線回折
図(図7)を解析した結果、結晶質リン酸アンモニウム
ジルコニウム化合物〔NH4Zr2(PO4)3〕と全く同
じX線回折ピークを示し、結晶性不純物を含有していな
かった。以上のことから、上記白色粉末は一般式〔1〕
におけるAとして、アンモニウムイオンを有するリン酸
ジルコニウム化合物であることがわかる。粒度分布測定
の結果、得られた粉末の平均粒径及び最大径は各々、
0.46μm及び1.7μmであり、上記で得た白色粉
末は均一かつ微細な粒度分布を有していた。
2O〕の21.2g(0.06モル)を純水40gに溶
解し、その後塩化アンモニウム1.60gを溶解し、ア
ンモニウムイオンを含有する硫酸ジルコニウム水溶液
(a)を調製した。次いで、85%リン酸水溶液(b)
10.4g(0.09モル)を、水溶液(a)に撹拌し
ながら添加し、沈澱物を生成せしめ、反応スラリーを得
た。この反応スラリーに20wt%水酸化ナトリウム水
溶液15gを添加して、この反応スラリーを、pH2に
調整した後、テフロン製耐圧容器に移しかえ、150
℃、飽和蒸気圧下(4.9Kg/cm2 )で24時間水
熱処理を行なった。反応生成物を濾過水洗した後、10
5℃で乾燥し、乾燥ケ−キを軽く粉砕することにより、
白色粉末14.3gを得た。得られた乾燥粉末の螢光X
線分析の結果、乾燥粉末はナトリウムイオンを含有して
おり、また乾燥粉末の赤外線吸収スペクトル分析の結
果、アンモニウムイオンのN−H結合に特有な吸収(14
30cm-1)を有することから、乾燥粉末はアンモニウムイ
オンを含有していることがわかった。また乾燥粉末の粉
末X線回折図(図8)は、結晶質リン酸ナトリウムジル
コニウム化合物〔NaZr2(PO4)3〕と極めて類似
したX線回折パターンを示し、2Θが14度〜35度の
主要なピークは若干低角度側へシフトしており、結晶性
不純物を含有していなかった。以上のことから、上記の
ようにして得た白色粉末は、一般式〔1〕におけるAと
してアンモニウムイオンとナトリウムイオンを有する結
晶質リン酸ジルコニウム化合物であることがわかる。粒
度分布測定の結果、得られた粉末の平均粒径及び最大径
は各々、0.54μm及び1.2μmであり、上記で得
た白色粉末は均一かつ微細な粒度分布を有していた。
な反応条件下で高純度の結晶質リン酸ジルコニウム化合
物を得ることを可能とし、しかも本発明により得られた
反応生成物は、特異なイオン交換特性を有しているとと
もに、均一かつ微細な粒度分布をもっているため、水溶
液、樹脂又は塗料等に分散させて用いることができる。
従って、本発明は、イオン交換体としての機能を有する
微粉末状結晶質リン酸ジルコニウム化合物を簡易かつ極
めて経済的に得ることができる製造方法として極めて工
業的価値が大きい。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】リン酸化合物の水溶液とジルコニウム化合
物の水溶液とを混合することにより沈澱物を生成させ、
該沈澱物を水熱状態下で加熱することにより、結晶質リ
ン酸ジルコニウム化合物を製造するに際し、リン酸化合
物の水溶液としてアンモニウムイオン及び/又はアルカ
リ金属イオンを有する水溶液を用い、ジルコニウム化合
物の水溶液として硫酸イオンを化合物中に含有するジル
コニウム化合物の水溶液を用いることを特徴とする下記
一般式で表される結晶質リン酸ジルコニウム化合物の製
造方法。 AZr2(PO4)3・nH2O (但し、Aはアンモニウムイオン又はアルカリ金属イオ
ンの少なくとも一種を示し、nは0≦n≦2を満たす数
である。)
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JP19728291A JP3211215B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 結晶質リン酸ジルコニウム化合物の製造方法 |
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