JP3297862B2 - ピンタンブラー錠およびピンタンブラー錠装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ピンタンブラー
錠およびピンタンブラー錠装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コードピンが円周上に配設されたピンタ
ンブラー錠は、鍵の偽造が困難なことから多用されてい
る。そして、通常の錠と同様に、個々のピンタンブラー
錠には、それぞれに対応した固有の鍵が使用され、他の
ピンタンブラー錠の鍵では解錠や施錠ができないように
なっているのが一般的である。しかし、パチンコ台や自
動販売機のような機械の扉に取り付けるピンタンブラー
錠は、個々のピンタンブラー錠に対応したそれぞれの鍵
を備えることは、管理者が機械の台数だけ鍵を所持し、
解錠または施錠する度に、多数の鍵の中から必要な鍵を
選択することになり実用的でない。そのため、例えば、
機械のメーカー毎に共通の鍵で解錠および施錠できるピ
ンタンブラー錠を使用するようにして、保管したり所持
したりする鍵の数を少なくすることが通常行われてい
る。このような場合、この共通の鍵が紛失したり盗難に
遭ったりすると、その鍵に対応したピンタンブラー錠を
取り付けたすべての機械からピンタンブラー錠を取り外
し、別のピンタンブラー錠と交換することが必要とな
る。ピンタンブラー錠の交換に際しては、例えば、予備
の鍵またはマスター鍵を用いて解錠し扉を開き、扉の裏
側から錠を取り付けているボルトやナットを回してピン
タンブラー錠を扉から取り外し、該錠に連結されている
適宜のロック機構と該錠とを分解し、新しいピンタンブ
ラー錠を取付け直すこととなる。このようなピンタンブ
ラー錠の交換作業は煩雑で迅速な対応を行うことが困難
であり、営業や防犯に重大な影響を与えかねない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、
機械等に装着されたままで表側から錠だけを交換するの
に使用できるピンタンブラー錠、すなわち、錠を取り付
けているボルトやナットを回して錠を機械等から取り外
し、錠に連結されている適宜のロック機構と錠とを分解
したりして新しい錠を取付け直すことなく、錠を交換で
きるピンタンブラー錠を提供することを目的としてい
る。また、この発明は、前記ピンタンブラー錠を機械等
に装着したまま錠だけを表側から交換するためのベース
を備えた錠装置を提供することをも目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明におけるピンタンブラー錠は、前面部に鍵
挿入口が形成された筒状のケースと、該ケース内の後方
部に設けられ前端面から後端面に貫通した嵌挿孔が穿設
された固定体と、該嵌挿孔に回転部の後端面中央部から
延設された錠軸が嵌挿され、固定体の前端面と回転部の
後端面が摺接し錠軸の軸線を中心として回転可能な回転
体と、回転部の軸線を中心とした円周上に穿設された所
定数の貫通ピン孔に各々挿入されたコードピンと、固定
体に前記貫通ピン孔と連通するように同数穿設されたピ
ン挿入孔に各々付勢されて挿入されたアンダーピンと、
固定体の軸線を中心とした前記円周と同一半径の円周上
に穿設された貫通孔に挿入された戻しピンとを有し、前
記固定体および／またはケースの外側面から突出して形
成された係合突部が形成されてなることを特徴とする
（請求項１）。

【０００５】このピンタンブラー錠装置としては、前面
部に鍵挿入口が形成された筒状のケースと、該ケース内
の後方部に設けられ前端面から後端面に貫通した嵌挿孔
が穿設された固定体と、該嵌挿孔に回転部の後端面中央
部から延設された錠軸が嵌挿され、固定体の前端面と回
転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を中心として回転可能
な回転体と、回転部の軸線を中心とした円周上に穿設さ
れた所定数の貫通ピン孔に各々挿入されたコードピン
と、固定体に前記貫通ピン孔と連通するように同数穿設
されたピン挿入孔に各々付勢されて挿入されたアンダー
ピンと、固定体の軸線を中心とした前記円周と同一半径
の円周上に穿設された貫通孔に挿入された戻しピンとを
有し、前記固定体および／またはケースの外側面から突
出して係合突部が形成されてなるピンタンブラー錠と、
該ピンタンブラー錠を合致して収容し前記係合突部を案
内する案内溝が軸線と平行に形成された筒状の内側壁を
有し、前記係合突部を係止する所定長さの切欠窓が案内
溝と直交して形成された前方部と、前記固定体の後端面
との摺接面を有し軸線を中心とした開口孔と前記貫通孔
に連通するようにピン孔が穿設された後方部と、該ピン
孔に付勢されて挿通されたストッパーピンとからなるベ
ースと、を具備することを特徴とする（請求項２）。

【０００６】このような構成により、ピンタンブラー錠
を用いてピンタンブラー錠装置を組み立てるには、先
ず、ピンタンブラー錠の係合突部をベースの案内溝に係
合させ、ピンタンブラー錠を軸線方向に摺動させ、ベー
スの開口孔に錠軸を挿入しつつ、固定体の後端面とベー
スの後方部の摺接面とを当接させる。次いで、ピンタン
ブラー錠を軸線を中心に、例えば、時計方向に一体的に
所定角度回動させて固定体の後端面とベースの後方部の
摺接面とを摺接させつつ係合突部を切欠窓に沿って摺動
させ、固定体の戻しピンの挿通された貫通孔とベースの
ピン孔とを連通させると、ストッパーピンへの付勢力に
よりストッパーピンの先端部が前記貫通孔に侵入するこ
とになる。これにより、ピンタンブラー錠がベースに結
合されることになりピンタンブラー錠装置を組み立てる
ことができる。この状態において、この錠装置を機械等
に取り付け、所定の鍵によって施錠及び解錠動作を行
う。

【０００７】ベースからピンタンブラー錠を取り外し、
別のピンタンブラー錠と交換する場合は、機械等の表側
から後述するような交換用の第１鍵を鍵挿入口に差し込
み、アンダーピンへの付勢力に抗しコードピンの後端と
アンダーピンの先端の当接位置を回転部の後端面と固定
体の前端面の摺接位置に一致させた状態とし、第１鍵を
反時計方向に回転させることで回転体を反時計方向に所
定角度回転させ、所定のコードピンの後端を戻しピンの
先端に当接させ、交換用の第１鍵を抜き取る。次いで、
交換用の第２鍵を鍵挿入口に差し込み、コードピンをス
トッパーピンへの付勢力に抗し後方に押圧し、前記コー
ドピンの後部を固定体の貫通孔に侵入させ、戻しピンの
後端とストッパーピンの先端の当接位置を固定体の後端
面とベースの後方部の摺接面の当接位置に一致させ、交
換用の第２鍵をさらに反時計方向に回転させることで、
ピンタンブラー錠の係合突部を前記ベースの切欠窓に沿
って摺動させつつピンタンブラー錠を軸線を中心に反時
計方向に一体的に回動させる。これにより、ピンタンブ
ラー錠とベースとの結合を解除することができる。そし
て、ピンタンブラー錠の係合突部がベースの案内溝に沿
って摺動できる位置において、軸線方向にピンタンブラ
ー錠を摺動させ、ベースからピンタンブラー錠を分離す
ることができる。

【０００８】また、この発明におけるピンタンブラー錠
としては、前面部に鍵挿入口が形成された筒状のケース
と、該ケース内の後方部に設けられ前端面から後端面に
貫通した嵌挿孔が穿設された固定体と、該嵌挿孔に回転
部の後端面中央部から延設された錠軸が嵌挿され、固定
体の前端面と回転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を中心
として回転可能な回転体と、回転部の軸線を中心とした
円周上に穿設された所定数の貫通ピン孔に各々挿入され
たコードピンと、固定体に前記貫通ピン孔と連通するよ
うに同数穿設されたピン挿入孔に各々付勢されて挿入さ
れたアンダーピンと、固定体の軸線を中心とした前記円
周と同一半径の円周上に穿設された貫通孔に挿入された
戻しピンとを有し、前記固定体および／またはケースの
後端から外側面に軸線と平行な第１溝部とこれに直交す
る所定長さの第２溝部が連接された係合溝が形成されて
なることを特徴とするものであってもよい（請求項
３）。

【０００９】そして、このピンタンブラー錠装置として
は、前面部に鍵挿入口が形成された筒状のケースと、該
ケース内の後方部に設けられ前端面から後端面に貫通し
た嵌挿孔が穿設された固定体と、該嵌挿孔に回転部の後
端面中央部から延設された錠軸が嵌挿され、固定体の前
端面と回転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を中心として
回転可能な回転体と、回転部の軸線を中心とした円周上
に穿設された所定数の貫通ピン孔に各々挿入されたコー
ドピンと、固定体に前記貫通ピン孔と連通するように同
数穿設されたピン挿入孔に各々付勢されて挿入されたア
ンダーピンと、固定体の軸線を中心とした前記円周と同
一半径の円周上に穿設された貫通孔に挿入された戻しピ
ンとを有し、前記固定体および／またはケースの後端か
ら外側面に軸線と平行な第１溝部とこれに直交する所定
長さの第２溝部が連接された係合溝が形成されてなるピ
ンタンブラー錠と、該ピンタンブラー錠を合致して収容
し前記係合溝に係合する突状部が半径方向に突出して形
成された筒状の内側壁を有する前方部と、前記固定体の
後端面との摺接面を有し軸線を中心とした開口孔と前記
貫通孔に連通するようにピン孔が穿設された後方部と、
該ピン孔に付勢されて挿通されたストッパーピンとから
なるベースと、を具備することを特徴とするものであっ
てもよい（請求項４）。

【００１０】このような構成により、ピンタンブラー錠
を用いてピンタンブラー錠装置を組み立てるには、先
ず、ピンタンブラー錠の係合溝の第１溝部をベースの突
状部にに係合させ、ピンタンブラー錠を軸線方向に摺動
させ、ベースの開口孔に錠軸を挿入しつつ、固定体の後
端面とベースの後方部の摺接面とを当接させる。次い
で、ピンタンブラー錠を軸線を中心に、例えば、時計方
向に一体的に所定角度回動させて固定体の後端面とベー
スの後方部の摺接面とを摺接させつつ第２溝部に前記突
状部を係合させて摺動させ、固定体の戻しピンの挿通さ
れた貫通孔とベースのピン孔とを連通させると、ストッ
パーピンへの付勢力によりストッパーピンの先端部が前
記貫通孔に侵入することになる。これにより、ピンタン
ブラー錠がベースに結合されることになりピンタンブラ
ー錠装置を組み立てることができる。この状態におい
て、この錠装置を機械等に取り付け、所定の鍵によって
施錠及び解錠動作を行う。

【００１１】ベースからピンタンブラー錠を取り外し別
のピンタンブラー錠と交換する場合は、機械等の表側か
ら後述するような交換用の第１鍵を鍵挿入口に差し込
み、アンダーピンへの付勢力に抗しコードピンの後端と
アンダーピンの先端の当接位置を回転部の後端面と固定
体の前端面の摺接位置に一致させた状態とし、第１鍵を
反時計方向に回転させることで回転体を反時計方向に所
定角度回転させ、所定のコードピンの後端を前記戻しピ
ンの先端に当接させ、交換用の第１鍵を抜き取る。次い
で、交換用の第２鍵を鍵挿入口に差し込み、コードピン
をストッパーピンへの付勢力に抗し後方に押圧し、前記
コードピンの後部を固定体の貫通孔に侵入させ、戻しピ
ンの後端とストッパーピンの先端の当接位置を固定体の
後端面とベースの後方部の摺接面との当接位置に一致さ
せ、交換用の第２鍵をさらに反時計方向に回転させるこ
とで、ピンタンブラー錠の第２溝部に前記ベースの突状
部を係合させて摺動させつつピンタンブラー錠を軸線を
中心に反時計方向に一体的に回動させる。これにより、
ピンタンブラー錠とベースとの結合を解除することがで
きる。そして、ピンタンブラー錠の第１溝部が前記ベー
スの突状部と係合しピンタンブラー錠が摺動できる位置
において、軸線方向にピンタンブラー錠を摺動させ、ベ
ースからピンタンブラー錠を分離することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づきこの発明の態
様を更に詳細に説明する。もちろんこの発明は以下の態
様によって限定されるものではない。図１は、この発明
のピンタンブラー錠装置の１態様を示す縦断面図であ
り、図２は平面図、図３は図１のＡ−Ａ線断面図、図４
は分解斜視図である。

【００１３】ピンタンブラー錠装置（１）として、シリ
ンダー状のピンタンブラー錠（２）、該ピンタンブラー
錠を収容し結合するベース（３）、および、ピンタンブ
ラー錠に連結されるジョイント（４）が図示されてい
る。図に示されるように、ピンタンブラー錠（２）は、
筒状のケース（５）、該ケース（５）内の後方部に固定
された固定体（６）、該固定体（６）に支持されてケー
ス（５）内で回転できるようにされた回転体（７）とを
備えている。

【００１４】ケース（５）の前面部には、ケース周縁か
ら鍵挿入口（８）までの内向きフランジ部（９）が形成
されており、該フランジ部（９）の一部に鍵の突部の通
過を可能とする凹部（１１）が形成されている。前記フ
ランジ部の後面は後述するコードピン（１０）の先端が
当接するストッパーとしての機能を果たすものである。
ケース（５）の内側壁の前記フランジ部寄りには環状の
段部が突出して形成され、回転体（７）の軸線方向への
移動が規制されている。また、ケース（５）の後方部内
側には、図３に示されるように後端から所定深さのガイ
ド溝（１２）、（１２）が軸線と平行に対向してそれぞ
れ形成されている。

【００１５】ケース（５）内の後方部には、固定体
（６）の前方部が挿入され、固定ピン（１３）によって
ケース（５）に一体に固定されている。固定体（６）の
ケース（５）内への挿入は、固定体（６）の前方部の外
側面に前端面周縁から軸線と平行に対向してそれぞれ突
設された所定長さの突条（１４）、（１４）を、前記ケ
ース（５）の内側後方部に設けられたガイド溝（１
２）、（１２）に沿って案内することで行われ、固定体
（６）の後方部が露出した所定の位置で固定される。固
定体（６）の後方部の外側面には後述するベースの切欠
窓に係合する係合突部（１５）、（１５）が対向してそ
れぞれ半径方向に突設されている。

【００１６】固定体（６）には、前端面の中央部から後
端面に向かう嵌挿孔（１６）が穿設され、該嵌挿孔（１
６）に、大径で短円柱状の回転部（１７）の後端面中央
部から後方に延出された錠軸（１８）が嵌挿され、固定
体（６）の前端面と回転部（１７）の後端面とが摺接し
回転可能となっている。回転部（１７）の前端面中央部
から前方に鍵係合部（１９）が突設されており、該鍵係
合部（１９）には鍵を係合させる切欠凹溝（２０）が形
成されている。

【００１７】回転体（７）の回転部（１７）には、軸線
を中心とした所定半径の円周上に貫通ピン孔（２１）
が、例えば、該円周を６等分（すなわち、６０度間隔）
した位置のうち第１の位置を除き第２〜第６の位置にお
いて軸線に平行に穿設され、これらの各貫通ピン孔（２
１）にはそれぞれコードピン（１０Ａ）〜（１０Ｅ）が
挿入されている。従って、図から明らかなように第１の
位置である回転部（１７）の鍵係合部（１９）の切欠凹
溝（２０）近傍の位置には貫通ピン孔は穿設されていな
い。各コードピンの長さは、鍵に設けるピン押圧用のカ
ム溝に応じて設定されている。

【００１８】固定体（６）には、軸線を中心とし前記回
転部（１７）に穿設された貫通ピン孔（２１）と同一半
径の円周上で、該円周を６等分した位置のうち第１の位
置を除き第２〜第６の位置において、有底のピン挿入孔
（２２）が軸線と平行に穿設され、これらの各ピン挿入
孔（２２）にはそれぞれコイルバネ（２３）とアンダー
ピン（２４Ａ）〜（２４Ｅ）が挿入されている。アンダ
ーピン（２４）はコイルバネ（２３）によって前方に付
勢されており、アンダーピン（２４）を介しコードピン
（１０）が前方に突出し、ケースの内向きフランジ部
（９）の後面にコードピン（１０）の先端が当接した状
態となる。各アンダーピンの長さは通常同一とされ、そ
の下部には脚部が設けられ、脚部の周囲にコイルバネ
（２３）が装着されている。脚部の長さは、鍵が鍵挿入
口（８）から挿入されてコードピンが押し込まれ、コー
ドピンの後端とアンダーピンの先端との位置が回転部
（１７）の後端面と固定体（６）の前端面の摺接位置に
一致するような位置となるのに支障のないように設定さ
れている。なお、前記ピン挿入孔は有底に限られず、固
定体（６）の後端面にまで貫通しているものであっても
よく、このような場合には、例えば、ピン挿入孔は固定
体の前端面から中間部までを大径部とし、中間部から後
方を小径部としコイルバネを受け止める段部を設けるよ
うにすればよい。

【００１９】そして、固定体（６）に穿設されたピン挿
入孔と同一円周上にある前記第１の位置においては、貫
通孔（２５）が軸線と平行に穿設され、該貫通孔（２
５）にはコイルバネ（２６）とともに戻しピン（２７）
が挿入されている。該貫通孔（２５）は前端面から中間
部までを大径部とし中間部より後方は小径部としてコイ
ルバネ（２６）を受け止める段部が形成され、貫通孔
（２５）から戻しピン（２７）が抜け落ちないようにな
っている。貫通孔（２５）の小径部には、戻しピン（２
７）の脚部が挿通されている。

【００２０】回転部（１７）の後端面と固定体（６）の
前端面とが摺接して回転することが容易なようにアンダ
ーピンと戻しピンの先端は略半球状に加工されている。

【００２１】錠軸（１８）の後端部は角柱部とされ、ジ
ョイント（４）の基端部に形成された凹部と連結できる
ようになっている。角柱部には縦溝が形成され、ジョイ
ント（４）の基端部の凹部に設けられた縦突条とを合致
させて角柱部を凹部に嵌合させ、回転体（７）とジョイ
ント（４）とを所定の角度で連結することができる。

【００２２】ベース（３）は、前方部（３０）と後方部
（３１）とが一体となっている。前方部（３０）は筒状
で、ピンタンブラー錠（２）を合致して収容する筒状の
内側壁が形成されるとともに、ピンタンブラー錠（２）
の係合突部（１５）、（１５）を案内して所定の位置に
おいてピンタンブラー錠（２）をベース（３）に係合さ
せる構造となっており、後方部（３１）はピンタンブラ
ー錠（２）とベース（３）との結合をロックするピン機
構とジョイント（４）を挿通する開口孔（３２）を備え
ている。

【００２３】図５に示すように、前方部（３０）の内側
壁下方には内側に突出した環状の段部が設けられ、該段
部には軸線と平行な案内溝（３３）、（３３）が対向し
て形成されている。前方部（３０）には、案内溝の後端
から連続し案内溝に直交して時計方向に延びる切欠窓
（３４）、（３４）がそれぞれ形成されている（図４参
照）。従って、ピンタンブラー錠（２）の係合突部（１
５）、（１５）を案内溝（３３）、（３３）に沿って摺
動させて、切欠窓（３４）、（３４）の位置にまで到達
させ、次いで、時計方向に回動させると係合突部が切欠
窓に沿って摺動し、係合突部の端縁と切欠窓の端縁とで
係合することとなる。係合突部の幅は相違し、これに対
応する案内溝の幅も相違しており、ピンタンブラー錠の
係合突部を案内溝に挿入する方向が決定され、ピンタン
ブラー錠をベースに結合させる際の方向が容易に判別で
きるようになっている。

【００２４】後方部（３１）には軸線を中心とした開口
孔（３２）が穿設され、該開口孔（３２）に前記したジ
ョイント（４）が挿通されている。開口孔（３２）周縁
には段部が所定角度（図においては２４０度）にわたっ
て設けられ、ジョイント（４）の前端部の外側面から突
出させた回り止め（３５）を収容し、ジョイント（４）
の回動範囲を設定している。ジョイント（４）の後端部
は、後方部（３１）から突出し、外側面が軸と平行に切
り欠かれるとともに軸方向に雌ネジ孔が設けられ、適宜
のロック機構の部材を所定の方向に位置決めしてネジ固
定できるようになっている。開口孔（３２）の近傍には
ピン孔（３６）が軸線と平行に穿設され、該ピン孔（３
６）は後方部の摺接面から中間部までは小径部となり、
中間部から後端面までは大径部となっており、ピン孔
（３６）の後方部は雌ネジが形成されている。該ピン孔
（３６）には、後方部（３１）の後端面側から前部が小
径で後部が大径のストッパーピン（３７）がコイルバネ
（３８）とともに挿入され、ピン孔（３６）の後方部に
形成された雌ネジに止めネジ（３９）を螺合させ、スト
ッパーピン（３７）が前方に突出するようにコイルバネ
（３８）によって付勢されている。ピン孔（３６）は、
ピンタンブラー錠（２）がベース（３）に結合された状
態において、固定体（６）の貫通孔（２５）に連通する
位置に設けられている。ピンタンブラー錠（２）の係合
突部（１５）、（１５）が前記したように案内溝（３
３）、（３３）に沿って摺動し、切欠窓（３４）、（３
４）の位置にまで到達すると、固定体（６）の後端面が
後方部（３１）の摺接面と当接し、ストッパーピン（３
７）が後方に押し戻される。そして、ピンタンブラー錠
（２）を時計方向に回動させ、係合突部を切欠窓に沿っ
て摺動させ、固定体（６）の貫通孔（２５）と後方部
（３１）のピン孔（３６）とが連通する位置に到達する
と、ストッパーピン（３７）の先端部がコイルバネ（３
８）の付勢力により貫通孔（２５）に侵入し、ストッパ
ーピン（３７）の先端が戻しピン（２７）の後端に当接
してピンタンブラー錠（２）の回動が阻止され、ピンタ
ンブラー錠（２）がベース（３）に結合した状態となる
（図１参照）。ピンタンブラー錠とベースとの結合を解
除するには、戻しピン（２７）の後端とストッパーピン
（３７）の先端の当接位置を固定体（６）の後端面と後
方部（３１）の摺接面の当接位置にまで移動させて反時
計方向に回動可能にする必要があり、図１に示す状態に
おいては、ピンタンブラー錠（２）の係合突部（１５）
が切欠窓（３４）に沿って摺動できず、従って、案内溝
（３３）に沿って摺動させることもできない。

【００２５】なお、後方部（３１）には左右に取付け用
のフランジ（４１）、（４１）が張り出しており、該フ
ランジには取り付け孔（４２）、（４２）が穿設されて
いる。

【００２６】前述したように図１はピンタンブラー錠
（２）がベース（３）に結合された状態であり、係合突
部（１５）が切欠窓（３４）に係合し、ストッパーピン
（３７）の先端がコイルバネ（３８）の付勢力によって
戻しピン（２７）の後端に当接して固定体（６）の貫通
孔（２５）内まで侵入し、戻しピン（２７）の先端が回
転部（１７）の後端面に当接しており、ケース（５）の
軸線、回転部（１７）の軸線、錠軸（１８）の軸線、固
定体（６）の軸線、ベース（３）の軸線、ジョイント
（４）の軸線は一致し共通した軸線となっている。そし
て、コイルバネ（２３）の付勢力によってアンダーピン
（２４）を介しコードピン（１０）の先端がケース
（５）の前面部の内向きフランジ部（９）の後面に当接
している。

【００２７】この状態において、図６に示す通常の鍵
（５０）を使用して解錠または施錠を行うことができ
る。図６に示すように鍵（５０）は円筒形をしており、
その外周面には先端から各コードピンを押圧するための
カム溝（５１Ａ）〜（５１Ｅ）がコードピンの数に対応
する数形成されている。これらのカム溝の深さは各コー
ドピン（１０Ａ）〜（１０Ｅ）の長さに応じて設定され
ており、鍵（５０）をピンタンブラー錠（２）の鍵挿入
口（８）に差し込みコードピン（１０Ａ）〜（１０Ｅ）
をコイルバネの付勢力に抗し押し込んだ際、コードピン
（１０Ａ）〜（１０Ｅ）の後端とアンダーピン（２４
Ａ）〜（２４Ｅ）の先端の当接位置が回転体（７）の回
転部（１７）の後端面と固定体（６）の前端面の摺接位
置に一致し、回転体（７）の回転が可能となり、解錠ま
たは施錠状態とすることができるように形成されてい
る。

【００２８】また、鍵（５０）の先端部の外周には抜け
防止用突起（５２）が突設され、内周の前記抜け防止用
突起（５２）の反対位置には、回転力伝達用突起（５
３）が突設されている。ピンタンブラー錠（２）の鍵係
合部（１９）の切欠凹溝（２０）が図２に示す状態にお
いて、鍵の抜け防止用突起（５２）を内向きフランジ部
（９）の凹部（１１）に、回転力伝達用突起（５３）を
回転体（７）の鍵係合部の切欠凹溝（２０）に合致する
ように鍵（５０）を押し込むと、カム溝（５１）の前記
した作用により鍵の回転が可能となり、抜け防止用突起
（５２）がフランジ部（９）の裏面に当たって鍵の抜け
を防止しつつ回転し、一方、回転力伝達用突起（５３）
が回転体（７）の鍵係合部の切欠凹溝（２０）と係合し
て回転体に回転力を与える。このようにして、この鍵
（５０）を回転することで、例えば、扉に装着されたピ
ンタンブラー錠の解錠または施錠を行うことができる。

【００２９】図７に表側からピンタンブラー錠（２）と
ベース（３）とを分離するのに使用する交換用の第１鍵
（５５）を示す。該第１鍵（５５）は、通常の鍵（５
０）と同じ形状のカム溝（５６Ａ）〜（５６Ｅ）を有し
ているが、抜け防止用突起は設けられていないものであ
る。

【００３０】図８に表側からピンタンブラー錠（２）と
ベース（３）とを分離するのに使用する交換用の第２鍵
（５７）を示す。該第２鍵（５７）は一箇所のカム溝の
深さが通常の鍵（５０）のカム溝（５１Ａ）の深さＨと
くらべ浅い深さｈのカム溝（５８Ａ）を有するものであ
り、抜け防止用突起は設けられていないものである。

【００３１】次に、上記構成のピンタンブラー錠装置の
組立、および該錠装置における表側からのピンタンブラ
ー錠とベースとの分離操作を説明する。ピンタンブラー
錠装置（１）の組み立て操作は前述した内容から明らか
であるが更に、これを図９とともに示す。先ず、ピンタ
ンブラー錠の係合突部を案内溝に係合させ、ピンタンブ
ラー錠を案内溝に沿って摺動させて切欠窓の位置にまで
到達させると、固定体（６）の後端面が後方部（３１）
の摺接面と当接し、図９（ａ）に示されるようにストッ
パーピン（３７）が後方に押し戻される。そして、ピン
タンブラー錠（２）を時計方向（図９（ｂ）における矢
印方向）に回動させ、係合突部を切欠窓に沿って摺動さ
せ、固定体（６）の貫通孔（２５）と後方部（３１）の
ピン孔（３６）とが連通する位置に到達すると、ストッ
パーピン（３７）の先端部がコイルバネ（３８）の付勢
力により貫通孔（２５）に侵入し、図９（ｂ）に示すよ
うにストッパーピン（３７）の先端が戻しピン（２７）
の後端に当接しピンタンブラー錠（２）がベース（３）
に結合し、ピンタンブラー錠装置（１）を組み立てるこ
とができる。このようにして組み立てられたピンタンブ
ラー錠装置（１）は、例えば、扉等に取付けられ、図６
に示す通常の鍵（５０）を使用して、解錠または施錠す
ることができる。

【００３２】通常の鍵が紛失したり盗難に遭ったりし、
扉に取り付けたまま表側からピンタンブラー錠（２）だ
けを取り外す場合、先ず、図７に示す交換用の第１鍵
（５５）を鍵挿入口（８）に差し込む。そして、第１鍵
（５５）のカム溝（５６Ａ）〜（５６Ｅ）がコードピン
（１０Ａ）〜（１０Ｅ）をコイルバネの付勢力に抗して
押し込むとコードピン（１０Ａ）〜（１０Ｅ）の後端と
アンダーピン（２４Ａ）〜（２４Ｅ）の先端との当接位
置が回転部（１７）の後端面と固定体（６）の先端面の
摺接位置に一致し、図９（ｂ）に示す状態から、図１０
（ａ）に状態となる。これによって回転体（７）が固定
体（６）に対し回転可能となる。

【００３３】次いで、第１鍵（５５）を反時計方向（図
１０（ｂ）の矢印方向）に回すことにより、回転体の回
転部（１７）を固定体（６）に対し孔１つ分の１ポジシ
ョンだけ変更するように回転させると、コードピン（１
０Ａ）の後端が戻しピン（２７）の先端と当接した図１
０（ｂ）の状態となる。そして、この状態で第１鍵（５
５）を抜くと図１０（ｃ）の状態となる。これにより、
戻しピン（２７）の先端部がコイルバネ（２６）の付勢
力により回転部（１７）の貫通ピン孔（２１）に侵入
し、コードピン（１０Ａ）が押し上げられその先端は内
向きフランジ部（９）の裏面に当接する。また、同様に
アンダーピン（２４）の先端部もコイルバネ（２３）の
付勢力によりアンダーピン（２４Ｅ）を除き回転部（１
７）の貫通ピン孔（２１）に侵入し、コードピン（１
０）が押し上げられその先端はフランジ部（９）の裏面
に当接する。

【００３４】この状態で、交換用の第２鍵（５７）を鍵
挿入口（８）に差し込み、第２鍵（５７）のカム溝（５
８Ａ）〜（５８Ｅ）をコードピン（１０Ａ）〜（１０
Ｅ）に当接させてコイルバネの付勢力に抗して押し込む
と、一箇所の浅い深さｈのカム溝（５８Ａ）によってコ
ードピン（１０Ａ）が第１の鍵によるよりも下方に押し
下げられ、コードピン（１０Ａ）の後部が固定体（６）
のピン挿入孔（２２）に侵入する。これにより、先ず、
コードピン（１０Ａ）に当接している戻しピン（２７）
も押し下げられて、戻しピン（２７）の後端とストッパ
ーピン（３７）の先端とが当接し、次いで、戻しピン
（２７）の後端とストッパーピン（３７）の先端の当接
位置が固定体（６）の後端面とベースの後方部（３１）
の摺接面との摺接位置に一致する位置にまで押し下げら
れて、図１１（ａ）の状態となる。

【００３５】この状態において、第２鍵（５７）を反時
計方向（図１１（ｂ）の矢印の方向）に回すことで、コ
ードピン（１０Ａ）を介して回転する力がピンタンブラ
ー錠（２）に伝達され、図１１（ｂ）に示すようにピン
タンブラー錠（２）を一体としてベース（３）に対し回
動でき、固定体（６）の貫通孔（２５）へのストッパー
ピン（３７）の係合状態を解除することができる。さら
に、第２鍵（５７）を反時計方向に回し、ピンタンブラ
ー錠（２）の係合突部（１５）を切欠窓（３４）に沿っ
て摺動させ、次いで、係合突部（１５）を案内溝（３
３）に沿って摺動させ、ピンタンブラー錠（２）とベー
ス（３）との結合を解除することができる。

【００３６】このようにすることで、交換用の第１鍵と
第２鍵を用いて、扉に取り付けたまま表側からピンタン
ブラー錠をベースから取り外し、別のピンタンブラー錠
と交換することができることになる。

【００３７】ピンタンブラー錠装置におけるピンタンブ
ラー錠とベースとの結合構造としては、上記した構造に
限られるものではなく、各種の構造が採用可能である。
図１２に別のピンタンブラー錠装置（６０）を示す。こ
の装置は、ピンタンブラー錠（６１）のケース（６２）
を後方まで延長し、該ケース（６２）の外側面に係合突
部（６３）、（６３）を突設したものであり、そのた
め、ベース（６４）の前方部の前端縁から内側壁に前記
係合突部の摺動する案内溝（６５）、（６５）を形成し
たものである。その他の構造は図１〜図５と相違がな
く、使用する鍵も図６〜図８と同様であり、ピンタンブ
ラー錠の交換操作も同様なことから、詳細な説明は省略
する。なお、係合突部は固定体とケースの両方に連続し
た形状に設けるようにしてもよい。

【００３８】図１３にさらに別のピンタンブラー錠装置
（７０）を示す。この装置は、ピンタンブラー錠（７
１）のケース（７２）を後方まで延長し、該ケース（７
２）の外側面に係合溝（７３）、（７３）を凹設したも
のであり、そのため、ベース（７４）の前方部の内側壁
から係合ピン（７５）、（７５）を突出させたものであ
る。具体的には、前記係合溝（７３）、（７３）は、ケ
ース（７２）の後端から凹設された軸線と平行な溝部と
これに直交する所定長さの溝部が連なった逆Ｌ字状をし
ている。その他の構造は図１〜図５と相違がなく、使用
する鍵も図６〜図８と同様であり、ピンタンブラー錠の
交換操作も同様であり、図１〜図１１についての説明お
よび請求項４についての記載からして明らかであること
から、詳細な説明は省略する。なお、前述したように係
合溝をケースに凹設することに代え、固定体の後方部を
ケースの外径と同一とし、ここに係合溝を凹設するよう
にしてもよく、また、係合溝を、固定体とケースの両方
に連続して設けるようにしてもよい。

【００３９】ピンタンブラー錠装置の構造としては、以
上に限定されるものではなく各種の変更が可能である。
すなわち、ベースの前方部の形状も円筒状に限られず、
また、その長さもピンタンブラー錠の前面部を除き全体
をほぼ収容する程長くなく、例えば、ピンタンブラー錠
の後方部を収容するようにしてもよいものである。ま
た、ピンタンブラー錠のコードピン等の本数も図に示し
た数に限定されるものではなく、これよりも多くてもま
た少なくてもよい。戻しピンとアンダーピンの固定体へ
の配設位置も図に示した構造に限定されるものではな
く、第２鍵の戻しピンを押し戻すカム溝の位置も図に示
した位置関係に限定されるものではなく適宜変更が可能
である。また、ピンタンブラー錠とベースとの結合を解
除するためのコードピンと戻しピンとの位置関係も前述
したような１ポジションとすることに限られず、ピンタ
ンブラー錠とベースとの結合を解除するためのコードピ
ンと戻しピンとを当接させるたの回転体の回転方向も前
述した方向だけに限定されず逆方向であってもよい。ま
た、戻しピンを付勢するためのコイルバネは必ずしも必
要とされるものではないが、このコイルバネを備えるこ
とで、戻しピンが貫通孔から不用意に露出したりしない
ことになり好ましい。また、ピンタンブラー錠にベース
との係合突起や係合溝をピンタンブラー錠に対向して一
対設けることに限られず、一対以上であってもよく、対
向していなくてもよく、場合によっては、係合突起や係
合溝は単数であってもよい。また、回転体の錠軸を延長
したものとし、該錠軸の端部が適宜のロック機構の部材
に嵌合するようにしたりして、ジョイントを省略するよ
うにすることも可能である。

【００４０】このピンタンブラー錠装置は、パチンコ台
や自動販売機の扉に用いるだけでなく、各種の製品、例
えば、机の引き出し、ロッカー、住宅のドア、自動車の
ドア等各種の分野において有効に活用することができ
る。

【００４１】

【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、ベースに結合したピンタンブラー
錠を鍵を用いるだけで、表側から分離し、別のピンタン
ブラー錠と交換することのできるピンタンブラー錠およ
びピンタンブラー錠装置を提供することができる。これ
により、従来のように、ピンタンブラー錠を取り付けて
いるボルトやナットを回して錠を装着している機械等か
ら取り外し、錠に連結されている適宜のロック機構と錠
とを分解したりして別の錠に交換しなくても、機械等の
表側からピンタンブラー鍵を取り外し別のピンタンブラ
ー錠錠と交換できることから、鍵の紛失や盗難に遭った
場合等の対処としての鍵の交換操作が容易であり、迅速
な対応が可能であり安全性を高めることができる。しか
も、交換に際して必要とするのは主として交換するピン
タンブラー錠で済むことからコストを抑えることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のピンタンブラー錠装置の一実施形態
を示す縦断面図である。

【図２】図１に示すピンタンブラー錠装置の平面図であ
る。

【図３】図１に示すピンタンブラー錠装置のＡ−Ａ線断
面図である。

【図４】図１に示すピンタンブラー錠装置の分解斜視図
である。

【図５】図１に示すピンタンブラー錠装置のベースの平
面図である。

【図６】図１に示すピンタンブラー錠装置において通常
使用する鍵の部分斜視図である。

【図７】図１に示すピンタンブラー錠装置の交換用の第
１鍵の部分斜視図である。

【図８】図１に示すピンタンブラー錠装置の交換用の第
２鍵の部分斜視図である。

【図９】図１に示すピンタンブラー錠装置の組立時の動
作を示す部分断面展開図である。

【図１０】図１に示すピンタンブラー錠装置におけるピ
ンタンブラー錠の交換時の動作を示す部分断面展開図で
ある。

【図１１】図１に示すピンタンブラー錠装置におけるピ
ンタンブラー錠の交換時の図１０に続く動作を示す部分
断面展開図である。

【図１２】この発明のピンタンブラー錠装置の他の実施
形態を示す分解斜視図である。

【図１３】この発明のピンタンブラー錠装置のさらに他
の実施形態を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ピンタンブラー錠装置 ２ ピンタンブラー錠 ３ ベース ５ ケース ６ 固定体 ７ 回転体 ２７ 戻しピン ３７ ストッパーピン

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面部に鍵挿入口が形成された筒状のケ
   ースと、該ケース内の後方部に設けられ前端面から後端
   面に貫通した嵌挿孔が穿設された固定体と、該嵌挿孔に
   回転部の後端面中央部から延設された錠軸が嵌挿され、
   固定体の前端面と回転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を
   中心として回転可能な回転体と、回転部の軸線を中心と
   した円周上に穿設された所定数の貫通ピン孔に各々挿入
   されたコードピンと、固定体に前記貫通ピン孔と連通す
   るように同数穿設されたピン挿入孔に各々付勢されて挿
   入されたアンダーピンと、固定体の軸線を中心とした前
   記円周と同一半径の円周上に穿設された貫通孔に挿入さ
   れた戻しピンとを有し、前記固定体および／またはケー
   スの外側面から突出して係合突部が形成されてなること
   を特徴とするピンタンブラー錠。
2. 【請求項２】 前面部に鍵挿入口が形成された筒状のケ
   ースと、該ケース内の後方部に設けられ前端面から後端
   面に貫通した嵌挿孔が穿設された固定体と、該嵌挿孔に
   回転部の後端面中央部から延設された錠軸が嵌挿され、
   固定体の前端面と回転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を
   中心として回転可能な回転体と、回転部の軸線を中心と
   した円周上に穿設された所定数の貫通ピン孔に各々挿入
   されたコードピンと、固定体に前記貫通ピン孔と連通す
   るように同数穿設されたピン挿入孔に各々付勢されて挿
   入されたアンダーピンと、固定体の軸線を中心とした前
   記円周と同一半径の円周上に穿設された貫通孔に挿入さ
   れた戻しピンとを有し、前記固定体および／またはケー
   スの外側面から突出して係合突部が形成されてなるピン
   タンブラー錠と、 該ピンタンブラー錠を合致して収容し前記係合突部を案
   内する案内溝が軸線と平行に形成された筒状の内側壁を
   有し、前記係合突部を係止する所定長さの切欠窓が案内
   溝と直交して形成された前方部と、前記固定体の後端面
   との摺接面を有し軸線を中心とした開口孔と前記貫通孔
   に連通するようにピン孔が穿設された後方部と、該ピン
   孔に付勢されて挿通されたストッパーピンとからなるベ
   ースと、を具備することを特徴とするピンタンブラー錠
   装置。
3. 【請求項３】 前面部に鍵挿入口が形成された筒状のケ
   ースと、該ケース内の後方部に設けられ前端面から後端
   面に貫通した嵌挿孔が穿設された固定体と、該嵌挿孔に
   回転部の後端面中央部から延設された錠軸が嵌挿され、
   固定体の前端面と回転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を
   中心として回転可能な回転体と、回転部の軸線を中心と
   した円周上に穿設された所定数の貫通ピン孔に各々挿入
   されたコードピンと、固定体に前記貫通ピン孔と連通す
   るように同数穿設されたピン挿入孔に各々付勢されて挿
   入されたアンダーピンと、固定体の軸線を中心とした前
   記円周と同一半径の円周上に穿設された貫通孔に挿入さ
   れた戻しピンとを有し、前記固定体および／またはケー
   スの後端から外側面に軸線と平行な第１溝部とこれに直
   交する所定長さの第２溝部が連接された係合溝が形成さ
   れてなることを特徴とするピンタンブラー錠。
4. 【請求項４】 前面部に鍵挿入口が形成された筒状のケ
   ースと、該ケース内の後方部に設けられ前端面から後端
   面に貫通した嵌挿孔が穿設された固定体と、該嵌挿孔に
   回転部の後端面中央部から延設された錠軸が嵌挿され、
   固定体の前端面と回転部の後端面が摺接し錠軸の軸線を
   中心として回転可能な回転体と、回転部の軸線を中心と
   した円周上に穿設された所定数の貫通ピン孔に各々挿入
   されたコードピンと、固定体に前記貫通ピン孔と連通す
   るように同数穿設されたピン挿入孔に各々付勢されて挿
   入されたアンダーピンと、固定体の軸線を中心とした前
   記円周と同一半径の円周上に穿設された貫通孔に挿入さ
   れた戻しピンとを有し、前記固定体および／またはケー
   スの後端から外側面に軸線と平行な第１溝部とこれに直
   交する所定長さの第２溝部が連接された係合溝が形成さ
   れてなるピンタンブラー錠と、 該ピンタンブラー錠を合致して収容し前記係合溝に係合
   する突状部が半径方向に突出して形成された筒状の内側
   壁を有する前方部と、前記固定体の後端面との摺接面を
   有し軸線を中心とした開口孔と前記貫通孔に連通するよ
   うにピン孔が穿設された後方部と、該ピン孔に付勢され
   て挿通されたストッパーピンとからなるベースと、を具
   備することを特徴とするピンタンブラー錠装置。