JP3291939B2 - 水滴感知センサ - Google Patents
水滴感知センサInfo
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- JP3291939B2 JP3291939B2 JP26357794A JP26357794A JP3291939B2 JP 3291939 B2 JP3291939 B2 JP 3291939B2 JP 26357794 A JP26357794 A JP 26357794A JP 26357794 A JP26357794 A JP 26357794A JP 3291939 B2 JP3291939 B2 JP 3291939B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣類乾燥機、空調機器等
において有用とされる水滴感知センサに関するものであ
る。
において有用とされる水滴感知センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、絶縁性基板上に適当な間隔を
おいて一対の電極を設け、その上に吸水性を有する紙等
を設けてなる水滴感知センサがある。これは紙表面に付
着した水滴を毛細管現象によって紙の内部に吸収し、電
極間を導通させて水滴を感知するという機能を持つ。
おいて一対の電極を設け、その上に吸水性を有する紙等
を設けてなる水滴感知センサがある。これは紙表面に付
着した水滴を毛細管現象によって紙の内部に吸収し、電
極間を導通させて水滴を感知するという機能を持つ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の水
滴感知センサにおいては、微少量の水滴では必ずしも感
知できなかった。すなわち、微少量の水滴は紙の内部に
のみ吸収され、電極間を導通するには至らなかった。
滴感知センサにおいては、微少量の水滴では必ずしも感
知できなかった。すなわち、微少量の水滴は紙の内部に
のみ吸収され、電極間を導通するには至らなかった。
【0004】そこで本発明は前記の問題点を解決し、微
少の水滴でも感知できる水滴感知センサを提供すること
を目的とする。
少の水滴でも感知できる水滴感知センサを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の水滴感知センサは、絶縁性基板上に少なくと
も一対の電極を所定間隔離して設けられ、前記電極間が
水滴によって電気的に短絡されることにより前記水滴の
付着を感知する水滴感知センサであって、少なくとも前
記電極間の絶縁性基板上に親水性の化学吸着薄膜が設け
られるとともに、前記化学吸着薄膜の表層に親水性基と
して−OH基、−NH 2 基、−SO 3 H基、−COOH基
から選ばれる少なくとも一つを含み、この親水性化学吸
着薄膜がSiの共有結合を介して基板表面に形成される
ことを特徴とする。
に本発明の水滴感知センサは、絶縁性基板上に少なくと
も一対の電極を所定間隔離して設けられ、前記電極間が
水滴によって電気的に短絡されることにより前記水滴の
付着を感知する水滴感知センサであって、少なくとも前
記電極間の絶縁性基板上に親水性の化学吸着薄膜が設け
られるとともに、前記化学吸着薄膜の表層に親水性基と
して−OH基、−NH 2 基、−SO 3 H基、−COOH基
から選ばれる少なくとも一つを含み、この親水性化学吸
着薄膜がSiの共有結合を介して基板表面に形成される
ことを特徴とする。
【0006】前記構成においては、少なくとも絶縁性基
板表面が粗面加工されていることが好ましい。
板表面が粗面加工されていることが好ましい。
【0007】
【0008】
【作用】前記本発明の構成によれば、本発明の水滴感知
センサは絶縁性基板上に設けられた一対の電極間の絶縁
性基板上を覆うように、親水性の化学吸着膜が設けられ
ている。すなわち、化学吸着膜はナノメータレベルの膜
厚であるため、センサ表面に付着した水滴を内部にほと
んど吸収することなく、すばやく濡れ広げて電極間を導
通させるので、微少な水滴でも確実に感知できるものと
なる。
センサは絶縁性基板上に設けられた一対の電極間の絶縁
性基板上を覆うように、親水性の化学吸着膜が設けられ
ている。すなわち、化学吸着膜はナノメータレベルの膜
厚であるため、センサ表面に付着した水滴を内部にほと
んど吸収することなく、すばやく濡れ広げて電極間を導
通させるので、微少な水滴でも確実に感知できるものと
なる。
【0009】さらに絶縁性基板表面が粗面加工されてい
る前記本発明の望ましい構成によれば、基板表面に設け
られた親水性化学吸着膜の親水性が強調され、より高い
濡れ性を付与することができる。その結果、より高感度
の水滴感知センサとすることができる。
る前記本発明の望ましい構成によれば、基板表面に設け
られた親水性化学吸着膜の親水性が強調され、より高い
濡れ性を付与することができる。その結果、より高感度
の水滴感知センサとすることができる。
【0010】また、化学吸着膜の表層に−OH基、−N
H2基、−SO3H基、−COOH基から選ばれる少なく
とも一つを含む前記本発明の好ましい構成によれば、所
望の親水性を有する化学吸着膜とすることができる。
H2基、−SO3H基、−COOH基から選ばれる少なく
とも一つを含む前記本発明の好ましい構成によれば、所
望の親水性を有する化学吸着膜とすることができる。
【0011】また、本発明に供せられる親水性化学吸着
膜はSiの共有結合を介して基板表面に形成されている
ので、剥離しにくく、耐久性に優れたものとなる。
膜はSiの共有結合を介して基板表面に形成されている
ので、剥離しにくく、耐久性に優れたものとなる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の水滴感知センサの一実施例で
ある。絶縁性基板11の表面に一対のくし歯状の電極1
2を設け、その上に親水性化学吸着膜13を形成させ
る。
ある。絶縁性基板11の表面に一対のくし歯状の電極1
2を設け、その上に親水性化学吸着膜13を形成させ
る。
【0013】絶縁性基板11としては、例えばアルミ
ナ、石英ガラス等のような、その表面に化学吸着膜を結
合させるための活性水素を有しているものであればよ
い。なお、このように活性水素を有していなかったり、
あるいは濃度が低い基板の場合には、表面を酸化処理
(例えば酸素プラズマ処理、水蒸気プラズマ処理、コロ
ナ処理、もしくはクロム酸混液処理等)することによっ
て、活性水素を付与することが可能である。
ナ、石英ガラス等のような、その表面に化学吸着膜を結
合させるための活性水素を有しているものであればよ
い。なお、このように活性水素を有していなかったり、
あるいは濃度が低い基板の場合には、表面を酸化処理
(例えば酸素プラズマ処理、水蒸気プラズマ処理、コロ
ナ処理、もしくはクロム酸混液処理等)することによっ
て、活性水素を付与することが可能である。
【0014】この基板上に設けられる化学吸着膜13は
その表層に例えば−OH基、−NH 2基、−SO3H基、
−COOH基等の親水性基を含むものとされる。
その表層に例えば−OH基、−NH 2基、−SO3H基、
−COOH基等の親水性基を含むものとされる。
【0015】以下、実施例をあげて順に説明する。 実施例1(−OH基の付与) くし型電極を設けたアルミナ製の基板31を用意し(図
3(a))、洗浄した後、クロル基を複数個もつシラン
系化学吸着物質、例えばSiCl4(Cl3SiOSiC
l3や、SiHCl3、Cl3SiOSiCl2OSiCl
3等でもよい)を非水系溶媒(例えばシクロヘキサン)
に1wt%溶解した溶液に30分程度浸漬して化学吸着
を行なうと、基板表面に含まれる水酸基32と反応し
て、下記(化1)等で示される結合が生成した。
3(a))、洗浄した後、クロル基を複数個もつシラン
系化学吸着物質、例えばSiCl4(Cl3SiOSiC
l3や、SiHCl3、Cl3SiOSiCl2OSiCl
3等でもよい)を非水系溶媒(例えばシクロヘキサン)
に1wt%溶解した溶液に30分程度浸漬して化学吸着
を行なうと、基板表面に含まれる水酸基32と反応し
て、下記(化1)等で示される結合が生成した。
【0016】
【化1】
【0017】次に、基板31を溶液から取り出して乾燥
させると、(化1)とSiCl4とからなるCl基を多
く含むシラン化合物層33が形成された(図3
(b))。
させると、(化1)とSiCl4とからなるCl基を多
く含むシラン化合物層33が形成された(図3
(b))。
【0018】次に、基板31表面に水を反応させると、
脱塩酸反応が起こりシラン化合物層33は共有結合して
ポリマー化され、さらに、共有結合しなかったSiCl
基はSiOH基に置換された。これにより、OH基を多
数含むきわめて親水性の高い化学吸着膜34がSi共有
結合を介して基板31表面に形成された(図3
(c))。
脱塩酸反応が起こりシラン化合物層33は共有結合して
ポリマー化され、さらに、共有結合しなかったSiCl
基はSiOH基に置換された。これにより、OH基を多
数含むきわめて親水性の高い化学吸着膜34がSi共有
結合を介して基板31表面に形成された(図3
(c))。
【0019】実施例2(−NH2基の付与) 電極12を設けたガラスエポキシ製の基板41を用意
し、洗浄した後、酸素プラズマ処理を行なって基板41
表面に水酸基42を付与した(図4(a))。この基板
41を、シアノ基及びクロロシリル基を含む物質、例え
ばNC(CH2)1 7SiCl3をフッ素系溶媒(例えばフ
ロリナートFC−40:住友スリーエム(株)製)に1
wt%程度溶かした溶液に2時間程度浸漬すると、NC
(CH2)1 7SiCl3のSiCl基と基板41表面の水
酸基42とが反応して、基板表面全面に亘り、下記(化
2)で示される結合が生成され、シアノ基を含む化学吸
着膜43が形成された(図4(b))。
し、洗浄した後、酸素プラズマ処理を行なって基板41
表面に水酸基42を付与した(図4(a))。この基板
41を、シアノ基及びクロロシリル基を含む物質、例え
ばNC(CH2)1 7SiCl3をフッ素系溶媒(例えばフ
ロリナートFC−40:住友スリーエム(株)製)に1
wt%程度溶かした溶液に2時間程度浸漬すると、NC
(CH2)1 7SiCl3のSiCl基と基板41表面の水
酸基42とが反応して、基板表面全面に亘り、下記(化
2)で示される結合が生成され、シアノ基を含む化学吸
着膜43が形成された(図4(b))。
【0020】
【化2】
【0021】次に、リチウムアルミニウムハイドライド
を溶解させたエーテル(10mg/ml)に基板41を
浸漬し、12時間程度反応させた。溶液から取りだした
後、エーテル、続いてエーテルと同容量の10wt%の
塩酸を加えた。さらにトリエチルアミン溶液に入れて2
時間反応させると、下記(化3)に示す親水性の高い化
学吸着膜を得た。これにより、−NH2基を多数含むき
わめて親水性の高い化学吸着膜44がSi共有結合を介
して基板41表面に形成された(図4(c))。
を溶解させたエーテル(10mg/ml)に基板41を
浸漬し、12時間程度反応させた。溶液から取りだした
後、エーテル、続いてエーテルと同容量の10wt%の
塩酸を加えた。さらにトリエチルアミン溶液に入れて2
時間反応させると、下記(化3)に示す親水性の高い化
学吸着膜を得た。これにより、−NH2基を多数含むき
わめて親水性の高い化学吸着膜44がSi共有結合を介
して基板41表面に形成された(図4(c))。
【0022】
【化3】
【0023】実施例3(−COOH基の付与) 電極12を設けたガラスエポキシ製の基板51を用意
し、洗浄した後、酸素プラズマ処理を行なって基板表面
に水酸基52を付与した(図5(a))。この基板51
を、エステル結合(R−CO−OCH2−:Rは官能
基)及びクロロシリル基を含む物質、例えばCH3OO
C(CH2)10SiCl3をフッ素系溶媒(例えばアフル
ード:旭硝子(株)製)に2wt%程度溶かした溶液に
4時間程度浸漬すると、CH3OOC(CH2)10SiC
l3のSiCl基と基板表面の水酸基52とが反応し
て、基板51表面全体に亘り、下記(化4)で示される
結合が生成され、エステル結合を含む化学吸着膜53が
形成された(図5(b))。
し、洗浄した後、酸素プラズマ処理を行なって基板表面
に水酸基52を付与した(図5(a))。この基板51
を、エステル結合(R−CO−OCH2−:Rは官能
基)及びクロロシリル基を含む物質、例えばCH3OO
C(CH2)10SiCl3をフッ素系溶媒(例えばアフル
ード:旭硝子(株)製)に2wt%程度溶かした溶液に
4時間程度浸漬すると、CH3OOC(CH2)10SiC
l3のSiCl基と基板表面の水酸基52とが反応し
て、基板51表面全体に亘り、下記(化4)で示される
結合が生成され、エステル結合を含む化学吸着膜53が
形成された(図5(b))。
【0024】
【化4】
【0025】次に、この基板51を塩酸(HCl)の3
6wt%溶液中、65℃で30分反応させて、末端に親
水性のカルボキシル基を形成した。このようにして、下
記(化5)に示される、−COOH基を多数含むきわめ
て親水性の高い化学吸着膜54がSi共有結合を介して
基板51表面に形成された(図5(c))。
6wt%溶液中、65℃で30分反応させて、末端に親
水性のカルボキシル基を形成した。このようにして、下
記(化5)に示される、−COOH基を多数含むきわめ
て親水性の高い化学吸着膜54がSi共有結合を介して
基板51表面に形成された(図5(c))。
【0026】
【化5】
【0027】実施例4(−SO3H基の付与) 電極12を設けたガラスエポキシ製の基板61を用意
し、洗浄した後、酸素プラズマ処理を行なって基板表面
に水酸基62を付与した(図6(a))。この基板61
を、メルカプト基及びアルコキシシリル基を含む物質、
例えばHS(CH 2)3Si(OEt)3をフッ素系溶媒
(例えばアフルード:旭硝子(株)製)に1wt%程度
溶かした溶液に4時間程度浸漬すると、HS(CH2)
10Si(OEt)3のSiOEt基と基板表面の水酸基
62とが反応して、基板61表面全体に亘り、下記(化
6)で示される結合が生成され、メルカプト基を含む化
学吸着膜63が形成された(図6(b))。
し、洗浄した後、酸素プラズマ処理を行なって基板表面
に水酸基62を付与した(図6(a))。この基板61
を、メルカプト基及びアルコキシシリル基を含む物質、
例えばHS(CH 2)3Si(OEt)3をフッ素系溶媒
(例えばアフルード:旭硝子(株)製)に1wt%程度
溶かした溶液に4時間程度浸漬すると、HS(CH2)
10Si(OEt)3のSiOEt基と基板表面の水酸基
62とが反応して、基板61表面全体に亘り、下記(化
6)で示される結合が生成され、メルカプト基を含む化
学吸着膜63が形成された(図6(b))。
【0028】
【化6】
【0029】次に、この基板61を10wt%過酸化水
素水と10wt%酢酸の容量比1:5の混合溶液中に浸
漬して、40〜50℃で30分反応させると、下記(化
7)で示される親水性の高い化学吸着膜が得られた。こ
のようにして、−SO3H基を多数含むきわめて親水性
の高い化学吸着膜64がSi共有結合を介して基板61
表面に形成された(図6(c))。
素水と10wt%酢酸の容量比1:5の混合溶液中に浸
漬して、40〜50℃で30分反応させると、下記(化
7)で示される親水性の高い化学吸着膜が得られた。こ
のようにして、−SO3H基を多数含むきわめて親水性
の高い化学吸着膜64がSi共有結合を介して基板61
表面に形成された(図6(c))。
【0030】
【化7】
【0031】なお、粗面加工を施した基板表面に親水性
化学吸着膜を形成すると、表面形態の効果により、親水
性が強調されて、より高感度で応答性の良好なセンサと
することができる。基板表面を粗面加工するには、サン
ドブラスト処理や湿式エッチング処理、プラズマエッチ
ング処理、ゾル−ゲル膜塗布等の通常の方法を用いるこ
とができる。
化学吸着膜を形成すると、表面形態の効果により、親水
性が強調されて、より高感度で応答性の良好なセンサと
することができる。基板表面を粗面加工するには、サン
ドブラスト処理や湿式エッチング処理、プラズマエッチ
ング処理、ゾル−ゲル膜塗布等の通常の方法を用いるこ
とができる。
【0032】実施例5(基板表面の粗面化) 電極12を設けたガラスエポキシ製の基板を用意し、サ
ンドブラストにより粗面化した。この基板を洗浄した
後、酸素プラズマ処理を行なって基板表面に水酸基を付
与した。次に、実施例1と同様にして、−OH基を含む
親水性の化学吸着膜を粗面化した基板表面に形成した。
ンドブラストにより粗面化した。この基板を洗浄した
後、酸素プラズマ処理を行なって基板表面に水酸基を付
与した。次に、実施例1と同様にして、−OH基を含む
親水性の化学吸着膜を粗面化した基板表面に形成した。
【0033】以上のようにして得られた本実施例1〜5
の効果を次のようにして調べた。なお、比較例として以
下の2つを用いた。 (比較例1)電極12を設けたガラスエポキシ製基板の
表面にポリエステルファイバー紙を貼り付けたものを比
較例1とした。 (比較例2)電極12を設けたガラスエポキシ製基板だ
けのものを比較例2とした。
の効果を次のようにして調べた。なお、比較例として以
下の2つを用いた。 (比較例1)電極12を設けたガラスエポキシ製基板の
表面にポリエステルファイバー紙を貼り付けたものを比
較例1とした。 (比較例2)電極12を設けたガラスエポキシ製基板だ
けのものを比較例2とした。
【0034】実験は、センサの電極12面を水平、上向
きに置き、5cmの高さから水滴を滴下して、センサが
感知できるかどうかつまり水滴で電極12間が短絡され
たか否かを電気的に検知した。
きに置き、5cmの高さから水滴を滴下して、センサが
感知できるかどうかつまり水滴で電極12間が短絡され
たか否かを電気的に検知した。
【0035】(表1)は実施例と比較例の試料にそれぞ
れ10〜100μlの水滴を滴下したときの結果を示し
たもので、感知したものには○、感知しなかったものに
は×を記入してある。その結果比較例1及び2ではある
程度の大きさ以上の水滴でないと感知しなかったが、実
施例1〜5では10μlの水滴でも感知した。このこと
から、本実施例の水滴感知センサは、比較例では感知で
きないような微少量の水滴でも感知できることがわか
る。
れ10〜100μlの水滴を滴下したときの結果を示し
たもので、感知したものには○、感知しなかったものに
は×を記入してある。その結果比較例1及び2ではある
程度の大きさ以上の水滴でないと感知しなかったが、実
施例1〜5では10μlの水滴でも感知した。このこと
から、本実施例の水滴感知センサは、比較例では感知で
きないような微少量の水滴でも感知できることがわか
る。
【0036】
【表1】
【0037】なお、実施例1〜5における親水性の化学
吸着膜34,44,54,64はいずれも各基板表面の
みならず、電極12の表面も覆っているが、これらの化
学吸着膜34,44,54,64は水分子から見ると多
孔質である。したがって、図2の(a),(b)のごと
く基板表面に水滴24が滴下され、それが親水性の化学
吸着膜34,44,54,64によって図2の(c),
(d)のごとく広げられると、その一部は多孔部を介し
て電極12と接し、これにより電極12間の導通がとれ
ることとなる。
吸着膜34,44,54,64はいずれも各基板表面の
みならず、電極12の表面も覆っているが、これらの化
学吸着膜34,44,54,64は水分子から見ると多
孔質である。したがって、図2の(a),(b)のごと
く基板表面に水滴24が滴下され、それが親水性の化学
吸着膜34,44,54,64によって図2の(c),
(d)のごとく広げられると、その一部は多孔部を介し
て電極12と接し、これにより電極12間の導通がとれ
ることとなる。
【0038】また電極12は例えば10μmの膜厚があ
るのに対し、上記化学吸着膜34,44,54,64は
数十オングストロームときわめて薄いので、多孔といえ
ども水滴を吸水してしまって電極12間の短絡を阻害す
ることはない。
るのに対し、上記化学吸着膜34,44,54,64は
数十オングストロームときわめて薄いので、多孔といえ
ども水滴を吸水してしまって電極12間の短絡を阻害す
ることはない。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の水滴感知センサ
は絶縁性基板上に設けられた一対の電極間を覆うように
親水性の化学吸着膜が設けられているので、センサ表面
に付着した水滴は濡れ広がり、たとえ微少な水滴であっ
ても感知できるものとなる。また、親水性の化学吸着膜
はSi共有結合を介して形成されているので、剥離し難
く、耐久性に優れたものとなる。
は絶縁性基板上に設けられた一対の電極間を覆うように
親水性の化学吸着膜が設けられているので、センサ表面
に付着した水滴は濡れ広がり、たとえ微少な水滴であっ
ても感知できるものとなる。また、親水性の化学吸着膜
はSi共有結合を介して形成されているので、剥離し難
く、耐久性に優れたものとなる。
【図1】(a)は本発明の水滴感知センサの一実施例の
斜視図 (b)はその基板表面を分子レベルまで拡大した断面図
斜視図 (b)はその基板表面を分子レベルまで拡大した断面図
【図2】本発明の水滴感知センサの作用を説明するため
に、図1の基板表面を拡大して示した説明図
に、図1の基板表面を拡大して示した説明図
【図3】(a)は本発明の第1の実施例である水滴感知
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
【図4】(a)は本発明の第2の実施例である水滴感知
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
【図5】(a)は本発明の第3の実施例である水滴感知
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
【図6】(a)は本発明の第4の実施例である水滴感知
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
センサを説明するために、基板表面を分子レベルまで拡
大した断面図 (b)は同断面図 (c)は同断面図
11 基板 12 電極 13 親水性の化学吸着膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−209101(JP,A) 特開 昭60−211346(JP,A) 特開 昭52−98993(JP,A) 特開 昭59−200951(JP,A) 実開 昭51−44979(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/12 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に少なくとも一対の電極を
所定間隔離して設けられ、前記電極間が水滴によって電
気的に短絡されることにより前記水滴の付着を感知する
水滴感知センサであって、少なくとも前記電極間の絶縁
性基板上に親水性の化学吸着薄膜が設けられるととも
に、前記化学吸着薄膜の表層に親水性基として−OH
基、−NH 2 基、−SO 3 H基、−COOH基から選ばれ
る少なくとも一つを含み、この親水性化学吸着薄膜がS
iの共有結合を介して基板表面に形成されることを特徴
とする水滴感知センサ。 - 【請求項2】 絶縁性基板表面が粗面加工されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の水滴感知センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26357794A JP3291939B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 水滴感知センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26357794A JP3291939B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 水滴感知センサ |
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1994
- 1994-10-27 JP JP26357794A patent/JP3291939B2/ja not_active Expired - Fee Related
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