[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3282771B2 - パン類用固形カルシウム剤 - Google Patents

パン類用固形カルシウム剤

Info

Publication number
JP3282771B2
JP3282771B2 JP22739594A JP22739594A JP3282771B2 JP 3282771 B2 JP3282771 B2 JP 3282771B2 JP 22739594 A JP22739594 A JP 22739594A JP 22739594 A JP22739594 A JP 22739594A JP 3282771 B2 JP3282771 B2 JP 3282771B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
bread
breads
calcium carbonate
dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22739594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0866146A (ja
Inventor
俊行 石崎
房夫 君塚
禎介 貝沼
英与 福原
富士夫 上田
二三男 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Yeast Co Ltd
Original Assignee
Oriental Yeast Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Yeast Co Ltd filed Critical Oriental Yeast Co Ltd
Priority to JP22739594A priority Critical patent/JP3282771B2/ja
Publication of JPH0866146A publication Critical patent/JPH0866146A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3282771B2 publication Critical patent/JP3282771B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン類用の固形カルシ
ウム強化剤、及び該強化剤を用いる製パン性、風味及び
食感の良いカルシウム強化パン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本人の栄養調査に関する最近の報告に
よれば、カルシウムを必須栄養素のうち、所要量に満た
ない唯一のものである。そのために、カルシウムを強化
した種々の食品が開発されてきた。従来、カルシウム強
化に用いるカルシウム素材としては、卵殻粉末、貝殻粉
末、サンゴ粉末、骨粉等の天然素材や、炭酸カルシウ
ム、塩化カルシウム、有機酸カルシウム等の化学合成品
等が知られているが、溶解性、呈味性、吸収性及び価格
等に違いがあるので、対象に見合った素材の選択が必要
となる。特に酵母の発酵を利用する製パン工程にこれら
のカルシウム素材を添加する場合は、生地発酵に好まし
くない影響を与える素材は、その使用が制限されること
になる。例えば炭酸カルシウムは、発酵中のパン生地の
pHを上昇させ、結果的に製パン性を低下させると共に
パンの風味及び食感を低下させる恐れがある。また、有
機酸カルシウムのカルシウム含量は炭酸カルシウムに比
べて低く、単独で充分量を添加するとコスト高となるば
かりでなく、製パン性を低下させることも生じる。この
ような理由から、カルシウム強化パンの開発は非常に制
限されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製パ
ン性を低下させることなく、かつ、パン類の品質、風味
及び食感を低下させないパン類用固形カルシウム剤を開
発することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、第
1の発明は、炭酸カルシウム、酸カルシウム及びリン
酸ナトリウムを含んでなるパン類用固形カルシウム
剤、及び第2の発明は、パン類の製造方法において、
記した固形カルシウム剤を用い、パン類生地が、炭酸カ
ルシウム、酸カルシウム及びリンゴ酸ナトリウムを含
むことを特徴とするカルシウム強化パン類の製造方法に
関する。
【0005】本発明者らは、カルシウム剤添加によるパ
ン類の品質、風味及び食感の低下等の前記問題点を解決
すべく鋭意検討した結果、炭酸カルシウム、酸カルシ
ウム及びリンゴ酸ナトリウムを含む固形カルシウム剤を
用いることにより、前記問題点が解決され、カルシウム
剤を添加しない従来品と同等以上の品質で、しかもカル
シウムが強化されたパン類を製造することが可能である
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0006】なお、本発明においてパン類とは小麦粉、
又は小麦粉に必要に応じてライ麦等の他の穀粉類を配合
した原料穀粉に、イースト、食塩、水等のパンの製造に
おいて通常使用されている材料を添加し、混捏した生地
を発酵させ、次いで焼成又は油揚げしたもの、並びにイ
ーストを用いずに上記生地を製造し、焼成、油揚げ又は
蒸したものであればいずれでも良くパンの種類を問わ
ず、具体的には、例えば食パンをはじめフランスパン、
ライ麦パン、菓子パン、デニッシュペーストリ類のほ
か、ピザ、ホットケーキ、マフィン、蒸しパン、揚げパ
ン、ドーナツ等が対象となる。
【0007】本発明で用いる炭酸カルシウムは、卵殻、
貝殻、サンゴ、石灰石等の炭酸カルシウムを主成分とす
る天然物粉末及びそれらの精製物、あるいは化学的合成
品等が利用可能であるが、最も安価で純度の高い化学的
合成品を用いるのが好都合である。有機酸カルシウムと
しては、可食性の有機酸カルシウムであれば利用可能で
あるが、有機酸のカルシウム塩、例えば乳酸カルシウム
やリンゴ酸カルシウム等が推奨される。次に炭酸カルシ
ウムによる製パン性の低下、パン類の品質の低下を防止
する効果を有する有機酸ナトリウムとしては、可食性の
有機酸のナトリウム塩であれば利用可能であり、有機酸
のナトリウム塩、例えばリンゴ酸ナトリウムや乳酸ナト
リウム等が推奨される。
【0008】次に、これらのパン類生地への添加量及び
配合比率について説明する。前述のごとく本発明は、従
来パンのカルシウム強化用素材として単独ではその使用
が困難であった炭酸カルシウムに、カルシウム補強のた
めの酸カルシウム及び品質向上のためのリンゴ酸ナト
リウムをパン類生地ができ上るまでに添加することによ
り、炭酸カルシウム単独添加による製パン性の低下、食
感の低下等の製パン上の問題点を克服したものである。
炭酸カルシウム、酸カルシウム、リンゴ酸ナトリウム
の比率は、カルシウム強化性があり、かつパン類の製造
において支障が無く、かつ風味及び食感の低下しない範
囲であれば良く、炭酸カルシウム1重量部に対して、
酸カルシウム1〜3重量部程度、リンゴ酸ナトリウム
0.5〜3.0重量部程度の間にあることが望ましい。
次に、パン類生地への添加量としてはカルシウム含量に
よって一律でないが、日本人のカルシウム必要量は60
0mg/日とされているので、1回のパン類の食事分に
最大で600mgのカルシウムが摂取できるように添加
すれば良い。例えば、成人一人当り一日に不足するカル
シウム量が約60mgであるとされているから、この不
足分を一食で補給できるように添加すれば良く、その一
例として、食パン一斤(小麦粉約250g相当)中に少
なくとも180mgのカルシウム量が強化されるように
調整し、その1/3量を1日で摂取すれば良く、これは
6枚切り食パン2枚分に相当する。炭酸カルシウムと
酸カルシウムの比率は上述の範囲で任意で良いが、炭酸
カルシウムによる製パン性への影響がでない範囲で、炭
酸カルシウムの比率を高めることができる。更にリンゴ
酸ナトリウムを添加するが、これは炭酸カルシウムによ
る製パン性の低下が起こらないようにすると共に、パン
類の品質向上に寄与するものである。本発明のカルシウ
ム剤には、このほか必要に応じてデンプン等の食品素材
を添加することもできる。
【0009】本発明の固形カルシウム剤の形態として
は、粉末、顆粒等の固形、すなわち固体の形の形態であ
り、通常はパン類の原料と混合する際、粉末を用いれば
良いが、粉立ちが問題となる場合は、適当な粒径の顆粒
状とするのが好適である。また、該カルシウム剤の添加
方法は、必要量の炭酸カルシウム、酸カルシウム及び
リンゴ酸ナトリウムを予め粉末として混合し、又は各成
分それぞれ単独でパン類生地ができ上るまでのいずれか
の混捏時点で添加されていれば良い。パン類生地の作製
には、一般的に採用されている中種法を用いることがで
きる。その場合、本発明のカルシウム剤は、作業手順
等、諸々の点で、本捏時に添加するのが望ましい。
【0010】このようにして本発明のカルシウム剤を配
合して製造したパン類は、カルシウムが強化され、しか
も製パン性、パン類の品質、風味及び食感において無添
加のものと同等性を保つと共に、生地の伸展性や老化抑
制効果に寄与することが示される。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、それによって
本発明が限定されるものではない。
【0012】実施例1 表1に示す化合物を組合せて混合し、カルシウム剤OY
−1、OY−2、OY−3及びOY−4を調製した。こ
こでOY−2は炭酸カルシウムを単独でカルシウム剤と
して用いている。
【0013】
【表1】
【0014】これらのカルシウム剤を、表2に示す製パ
ン性(70重量%4時間中種食パン製法)において、本
捏時に、カルシウム含量は調整するため、OY−1及び
OY−3は0.5重量%、OY−2は0.2重量%、O
Y−4は0.3重量%添加し、製パン性を無添加の場合
と比較した。ここで発酵力の測定にはシリンダー生地膨
張法を用い、パン容積の測定にはナタネ置換法を用い
た。また、パン風味及び食感は、官能検査により評価し
た。
【0015】
【表2】
【0016】(注)L1M2:低速で1分、中速で2分 L1M3↓M3H3:低速で1分、中速で3分、次いで
ショートニングを入れ、更に中速で3分、高速で3分
【0017】
【表3】 (◎:かなり良い、○:良い、△:あまり良くない、
×:良くない)
【0018】製パン試験の結果は表3に示したとおりで
ある。カルシウム剤として炭酸カルシウムのみを添加し
たOY−2では、無添加(コントロール)に比べて生地
のpHの上昇、製パン性の低下、パンの容積低下等が認
められ、パンの品質、風味共に低下した。これに対し
て、炭酸カルシウムに乳酸カルシウム及びリンゴ酸ナト
リウムを加えたOY−1では、炭酸カルシウム単独添加
による前記問題点が克服され、パンの品質はコントロー
ルと同等であった。更に、同区は生地の伸展性及びパン
の老化抑制効果においてコントロールよりも優れてい
た。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、従来カルシウム剤とし
てその製パンへの使用が困難であった炭酸カルシウムを
含むパン類用固形カルシウム剤を提供することが可能と
なり、風味や食感を損なわない、従来品と同等の品質を
有するカルシウム強化パン類の製造方法を提供すること
ができる。これは現在の食生活で唯一不足しているカル
シウムの補給に寄与するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貝沼 禎介 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 福原 英与 東京都板橋区小豆沢3丁目6番10号 オ リエンタル酵母工業株式会社内 (72)発明者 上田 富士夫 東京都板橋区小豆沢3丁目6番10号 オ リエンタル酵母工業株式会社内 (72)発明者 梅田 二三男 東京都板橋区小豆沢3丁目6番10号 オ リエンタル酵母工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−80054(JP,A) 特開 昭63−14653(JP,A) 特開 昭59−220146(JP,A) 特開 平3−292846(JP,A) 特開 平1−171430(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/00 - 17/00 A23L 1/27 - 1/308

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウム、酸カルシウム及び
    ンゴ酸ナトリウムを含んでなるパン類用固形カルシウム
    剤。
  2. 【請求項2】 パン類の製造方法において、請求項1に
    記載の固形カルシウム剤を用い、パン類生地が、炭酸カ
    ルシウム、酸カルシウム及びリンゴ酸ナトリウムを含
    むことを特徴とするカルシウム強化パン類の製造方法。
JP22739594A 1994-08-30 1994-08-30 パン類用固形カルシウム剤 Expired - Lifetime JP3282771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22739594A JP3282771B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 パン類用固形カルシウム剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22739594A JP3282771B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 パン類用固形カルシウム剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0866146A JPH0866146A (ja) 1996-03-12
JP3282771B2 true JP3282771B2 (ja) 2002-05-20

Family

ID=16860157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22739594A Expired - Lifetime JP3282771B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 パン類用固形カルシウム剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3282771B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005074709A3 (de) * 2004-02-04 2006-03-02 Anton Haerle Kalzium-angereicherte lebensmittel

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6039986A (en) * 1998-07-10 2000-03-21 Nestec S.A. Fortification of foodstuff
US7927640B2 (en) 2004-02-02 2011-04-19 Delavau Llc Calcium fortification of bread dough
US7166313B2 (en) * 2004-02-02 2007-01-23 Delavau L.L.C. Calcium fortification of bread dough
US7169417B2 (en) * 2004-02-02 2007-01-30 Delavau Llc Calcium fortification of bread dough

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005074709A3 (de) * 2004-02-04 2006-03-02 Anton Haerle Kalzium-angereicherte lebensmittel

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0866146A (ja) 1996-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4859473A (en) Process for making low sodium baked crackers
US5260082A (en) Baked goods, doughs or batters, dry mixes and methods for producing thereof
EP0294692B1 (en) Powdered fat and premix comprising the same
JP3068339B2 (ja) 冷凍ベーカリー製品
US5178894A (en) High non-fat milk content bread products having improved keeping qualities
US5066499A (en) Process for making low sodium crackers and products obtained thereby
US4900577A (en) Leavening composition for crackers
JP3282771B2 (ja) パン類用固形カルシウム剤
EP2068659A2 (en) Calcium fortification of bread dough
US4296133A (en) Method for producing bread
EP0189278B1 (en) Confectionery premix of starch and vital gluten and starch-based confectioneries made therewith
EP0126529B1 (en) Process for making low sodium crackers and cookies and products obtained thereby
JPH04356152A (ja) 菓子用小麦粉組成物及び菓子生地並びに菓子
US5064661A (en) Process for making low sodium sponge goods and products obtained thereby
JP2003038089A (ja) ベーカリー製品の製造方法
JP3648816B2 (ja) 低塩低蛋白パンの製造方法
JP2920428B2 (ja) イースト発酵食品及びその冷凍品の製造法
RU2803801C1 (ru) Состав для приготовления мучного кондитерского изделия из цельносмолотой муки сорго зернового для диетического питания
JP2002272424A (ja) 魚肉入り食品の製造方法
JP2005073518A (ja) パン類の製造方法
JPH11289966A (ja) 低塩低タンパクパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法
EP2613637A1 (en) Bread mix comprising nixtamalized corn flour
JPH0740857B2 (ja) ド−ナツの製造法
US3214275A (en) Process for the preparation of baked goods and alimentary pastes
JP3962154B2 (ja) 食パン及び食パンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090301

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100301

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110301

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120301

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130301

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130301

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140301

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term