JP3282771B2 - パン類用固形カルシウム剤 - Google Patents
パン類用固形カルシウム剤Info
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Description
ウム強化剤、及び該強化剤を用いる製パン性、風味及び
食感の良いカルシウム強化パン類の製造方法に関する。
よれば、カルシウムを必須栄養素のうち、所要量に満た
ない唯一のものである。そのために、カルシウムを強化
した種々の食品が開発されてきた。従来、カルシウム強
化に用いるカルシウム素材としては、卵殻粉末、貝殻粉
末、サンゴ粉末、骨粉等の天然素材や、炭酸カルシウ
ム、塩化カルシウム、有機酸カルシウム等の化学合成品
等が知られているが、溶解性、呈味性、吸収性及び価格
等に違いがあるので、対象に見合った素材の選択が必要
となる。特に酵母の発酵を利用する製パン工程にこれら
のカルシウム素材を添加する場合は、生地発酵に好まし
くない影響を与える素材は、その使用が制限されること
になる。例えば炭酸カルシウムは、発酵中のパン生地の
pHを上昇させ、結果的に製パン性を低下させると共に
パンの風味及び食感を低下させる恐れがある。また、有
機酸カルシウムのカルシウム含量は炭酸カルシウムに比
べて低く、単独で充分量を添加するとコスト高となるば
かりでなく、製パン性を低下させることも生じる。この
ような理由から、カルシウム強化パンの開発は非常に制
限されているのが現状である。
ン性を低下させることなく、かつ、パン類の品質、風味
及び食感を低下させないパン類用固形カルシウム剤を開
発することにある。
1の発明は、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム及びリン
ゴ酸ナトリウムを含んでなるパン類用固形カルシウム
剤、及び第2の発明は、パン類の製造方法において、上
記した固形カルシウム剤を用い、パン類生地が、炭酸カ
ルシウム、乳酸カルシウム及びリンゴ酸ナトリウムを含
むことを特徴とするカルシウム強化パン類の製造方法に
関する。
ン類の品質、風味及び食感の低下等の前記問題点を解決
すべく鋭意検討した結果、炭酸カルシウム、乳酸カルシ
ウム及びリンゴ酸ナトリウムを含む固形カルシウム剤を
用いることにより、前記問題点が解決され、カルシウム
剤を添加しない従来品と同等以上の品質で、しかもカル
シウムが強化されたパン類を製造することが可能である
ことを見出し、本発明を完成させた。
又は小麦粉に必要に応じてライ麦等の他の穀粉類を配合
した原料穀粉に、イースト、食塩、水等のパンの製造に
おいて通常使用されている材料を添加し、混捏した生地
を発酵させ、次いで焼成又は油揚げしたもの、並びにイ
ーストを用いずに上記生地を製造し、焼成、油揚げ又は
蒸したものであればいずれでも良くパンの種類を問わ
ず、具体的には、例えば食パンをはじめフランスパン、
ライ麦パン、菓子パン、デニッシュペーストリ類のほ
か、ピザ、ホットケーキ、マフィン、蒸しパン、揚げパ
ン、ドーナツ等が対象となる。
貝殻、サンゴ、石灰石等の炭酸カルシウムを主成分とす
る天然物粉末及びそれらの精製物、あるいは化学的合成
品等が利用可能であるが、最も安価で純度の高い化学的
合成品を用いるのが好都合である。有機酸カルシウムと
しては、可食性の有機酸カルシウムであれば利用可能で
あるが、有機酸のカルシウム塩、例えば乳酸カルシウム
やリンゴ酸カルシウム等が推奨される。次に炭酸カルシ
ウムによる製パン性の低下、パン類の品質の低下を防止
する効果を有する有機酸ナトリウムとしては、可食性の
有機酸のナトリウム塩であれば利用可能であり、有機酸
のナトリウム塩、例えばリンゴ酸ナトリウムや乳酸ナト
リウム等が推奨される。
配合比率について説明する。前述のごとく本発明は、従
来パンのカルシウム強化用素材として単独ではその使用
が困難であった炭酸カルシウムに、カルシウム補強のた
めの乳酸カルシウム及び品質向上のためのリンゴ酸ナト
リウムをパン類生地ができ上るまでに添加することによ
り、炭酸カルシウム単独添加による製パン性の低下、食
感の低下等の製パン上の問題点を克服したものである。
炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リンゴ酸ナトリウム
の比率は、カルシウム強化性があり、かつパン類の製造
において支障が無く、かつ風味及び食感の低下しない範
囲であれば良く、炭酸カルシウム1重量部に対して、乳
酸カルシウム1〜3重量部程度、リンゴ酸ナトリウム
0.5〜3.0重量部程度の間にあることが望ましい。
次に、パン類生地への添加量としてはカルシウム含量に
よって一律でないが、日本人のカルシウム必要量は60
0mg/日とされているので、1回のパン類の食事分に
最大で600mgのカルシウムが摂取できるように添加
すれば良い。例えば、成人一人当り一日に不足するカル
シウム量が約60mgであるとされているから、この不
足分を一食で補給できるように添加すれば良く、その一
例として、食パン一斤(小麦粉約250g相当)中に少
なくとも180mgのカルシウム量が強化されるように
調整し、その1/3量を1日で摂取すれば良く、これは
6枚切り食パン2枚分に相当する。炭酸カルシウムと乳
酸カルシウムの比率は上述の範囲で任意で良いが、炭酸
カルシウムによる製パン性への影響がでない範囲で、炭
酸カルシウムの比率を高めることができる。更にリンゴ
酸ナトリウムを添加するが、これは炭酸カルシウムによ
る製パン性の低下が起こらないようにすると共に、パン
類の品質向上に寄与するものである。本発明のカルシウ
ム剤には、このほか必要に応じてデンプン等の食品素材
を添加することもできる。
は、粉末、顆粒等の固形、すなわち固体の形の形態であ
り、通常はパン類の原料と混合する際、粉末を用いれば
良いが、粉立ちが問題となる場合は、適当な粒径の顆粒
状とするのが好適である。また、該カルシウム剤の添加
方法は、必要量の炭酸カルシウム、乳酸カルシウム及び
リンゴ酸ナトリウムを予め粉末として混合し、又は各成
分それぞれ単独でパン類生地ができ上るまでのいずれか
の混捏時点で添加されていれば良い。パン類生地の作製
には、一般的に採用されている中種法を用いることがで
きる。その場合、本発明のカルシウム剤は、作業手順
等、諸々の点で、本捏時に添加するのが望ましい。
合して製造したパン類は、カルシウムが強化され、しか
も製パン性、パン類の品質、風味及び食感において無添
加のものと同等性を保つと共に、生地の伸展性や老化抑
制効果に寄与することが示される。
本発明が限定されるものではない。
−1、OY−2、OY−3及びOY−4を調製した。こ
こでOY−2は炭酸カルシウムを単独でカルシウム剤と
して用いている。
ン性(70重量%4時間中種食パン製法)において、本
捏時に、カルシウム含量は調整するため、OY−1及び
OY−3は0.5重量%、OY−2は0.2重量%、O
Y−4は0.3重量%添加し、製パン性を無添加の場合
と比較した。ここで発酵力の測定にはシリンダー生地膨
張法を用い、パン容積の測定にはナタネ置換法を用い
た。また、パン風味及び食感は、官能検査により評価し
た。
ショートニングを入れ、更に中速で3分、高速で3分
×:良くない)
ある。カルシウム剤として炭酸カルシウムのみを添加し
たOY−2では、無添加(コントロール)に比べて生地
のpHの上昇、製パン性の低下、パンの容積低下等が認
められ、パンの品質、風味共に低下した。これに対し
て、炭酸カルシウムに乳酸カルシウム及びリンゴ酸ナト
リウムを加えたOY−1では、炭酸カルシウム単独添加
による前記問題点が克服され、パンの品質はコントロー
ルと同等であった。更に、同区は生地の伸展性及びパン
の老化抑制効果においてコントロールよりも優れてい
た。
てその製パンへの使用が困難であった炭酸カルシウムを
含むパン類用固形カルシウム剤を提供することが可能と
なり、風味や食感を損なわない、従来品と同等の品質を
有するカルシウム強化パン類の製造方法を提供すること
ができる。これは現在の食生活で唯一不足しているカル
シウムの補給に寄与するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭酸カルシウム、乳酸カルシウム及びリ
ンゴ酸ナトリウムを含んでなるパン類用固形カルシウム
剤。 - 【請求項2】 パン類の製造方法において、請求項1に
記載の固形カルシウム剤を用い、パン類生地が、炭酸カ
ルシウム、乳酸カルシウム及びリンゴ酸ナトリウムを含
むことを特徴とするカルシウム強化パン類の製造方法。
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---|---|---|---|
JP22739594A JP3282771B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | パン類用固形カルシウム剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP22739594A JP3282771B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | パン類用固形カルシウム剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0866146A JPH0866146A (ja) | 1996-03-12 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP22739594A Expired - Lifetime JP3282771B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | パン類用固形カルシウム剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005074709A3 (de) * | 2004-02-04 | 2006-03-02 | Anton Haerle | Kalzium-angereicherte lebensmittel |
Families Citing this family (4)
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-
1994
- 1994-08-30 JP JP22739594A patent/JP3282771B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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