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JP3281371B2 - 広面コーティング用の円筒状回転マグネトロン - Google Patents

広面コーティング用の円筒状回転マグネトロン

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JP3281371B2
JP3281371B2 JP50105091A JP50105091A JP3281371B2 JP 3281371 B2 JP3281371 B2 JP 3281371B2 JP 50105091 A JP50105091 A JP 50105091A JP 50105091 A JP50105091 A JP 50105091A JP 3281371 B2 JP3281371 B2 JP 3281371B2
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cylindrical
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アレックス ブーズニー
ジョセフ ティー フッグ
Original Assignee
ザ ビーオーシー グループ インコーポレイテッド
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Publication date
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • C23C14/3407Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • C23C14/35Sputtering by application of a magnetic field, e.g. magnetron sputtering
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/34Gas-filled discharge tubes operating with cathodic sputtering
    • H01J37/3402Gas-filled discharge tubes operating with cathodic sputtering using supplementary magnetic fields
    • H01J37/3405Magnetron sputtering

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  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、広くは、スパッタリングによる基板物品の
コーティング技術に関し、より詳しくは、そのようなコ
ーティング作業に使用される円筒状回転マグネトロンの
改良された構造的特徴に関する。
建築用ガラス、自動車用風防ガラス(ウインドシール
ド)等の広面基板のコーティングは、以前は、平板状マ
グネトロンを用いたスパッタリング法により行われてい
た。このようなコーティングとして、商業用ビルの窓に
広く使用されている多層太陽光制御コーティングがあ
る。コーティングすべきガラスの表面積が大きいため、
コーティング機械は非常に大型である。
最近では、このようなコーティングの目的のために、
円筒状回転マグネトロンが示唆されている。しかしなが
ら、そのような大型装置を作ることができ且つ効率的に
作動できる方法で、高真空及び静止磁界中の円筒状スパ
ッタリングターゲットを水冷しながら回転させるという
条件は未だ満たされていない。
従って本発明の主目的は、長い大規模の工業用スパッ
タリングに適用できる改良された円筒状回転マグネトロ
ン構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、小さな目標物上に皮膜(フィル
ム)を首尾よく効率的にスパッタリングするのに使用で
きる改良された円筒状回転マグネトロン構造を提供する
ことにある。
本発明の更に他の目的は、誘電体皮膜のスパッタリン
グに特に適した円筒状回転マグネトロン構造を提供する
ことにある。
発明の要約 本発明の上記及び他の目的は、個別的に又は組み合わ
せて使用できる本発明の種々の構造的技術及び特徴によ
り達成される。本発明の1つの特徴によれば、真空チャ
ンバ内には、円筒状のスパッタリングターゲットがその
両端部で支持されており、一端の支持組立体が、冷却液
をシリンダ内に供給し且つシリンダ内から排出させるよ
うになっており且つシリンダを回転させる駆動機構を収
容している。一方、他端の支持機構はターゲット面への
給電接点を収容している。シリンダをその一端のみで軸
線方向に拘束することにより、シリンダの熱膨張及び熱
収縮を許容できるようになっている。真空チャンバから
冷却流体を分離させておくロータリシールは、シリンダ
の一端のみに必要とされる。
本発明の他の特徴は、ターゲット面と同じ電位にある
支持構造体の一部としてのあらゆる導電性表面を最小に
して、誘電体皮膜のスパッタリング時に、支持構造体の
これらの導電性表面上への誘電体(誘電物質)の形成を
回避し、好ましくない電弧(アーキング)の発生を低減
できることである。電弧を回避するため、このようなす
べての導電性表面には、セラミック板又は充分な酸化物
コーティング等の誘電体層が設けられる。
本発明の別の特徴によれば、円筒状のターゲット支持
構造体が真空チャンバの壁に電気的に接続されており且
つプラスチック部品を用いて円筒状ターゲットの一端を
回転自在に支持している。一方の支持構造体のプラスチ
ック部品は、回転ターゲット内の液体通路に連結された
液体クーラント(冷却液)の入口及び出口を形成してい
る。
本発明の他の特徴によれば、円筒状回転ターゲットの
上方に水冷形のアノードが配置されている。このアノー
ドは、その縁部があらゆる導電性表面から間隔を隔てて
配置されており、結果として生じるプラズマをそのよう
な導電性表面から遠くに向けるように構成されている。
本発明の他の特徴は、回転ターゲットシリンダ内に磁
石を静止支持することである。この静止支持は、回転し
ない冷却液搬送導管への磁石の取付けと、回転シリンダ
の内面上に載るローラであって、両端部のみで主に支持
される長い構造体の撓みに対する支持体を形成するロー
ラとの使用との組合せにより達成される。
本発明の更に他の特徴は、逆の極性が互いに対面する
ように配置された磁石をもつ互いに隣接したシリンダを
備えた2つの円筒状回転マグネトロンを設けたことであ
る。この構成により、或る環境においては好ましくない
プラズマの集中を防止することができる。
本発明の他の目的、利点及び特徴は、添付図面を参照
して述べる本発明の好ましい実施例についての以下の詳
細な説明により明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明が活用されている形式の円筒状回転
マグネトロンスパッタリング装置を示す概略構成図であ
る。
第2図は、第1図の装置に使用された形式の円筒状ス
パッタリングターゲットの中央部を通る断面図であり、
本発明の種々の特徴を備えた構造の第1実施例を示すも
のである。
第3図は、第2図の実施例の3−3線に沿う断面図で
ある。
第4図は、第2図の実施例の4−4線に沿う断面図で
ある。
第5図は、第2図の実施例の5−5線に沿う断面図で
ある。
第6図は、第1図の装置に使用された形式の円筒状ス
パッタリングターゲットの中央部を通る断面図であり、
本発明の種々の特徴を備えた構造の第2実施例を示すも
のである。
第7図は、第6図の装置に組み込まれた部品を、第6
図の7−7線に沿って断面した断面図である。
好ましい実施例の説明 最初に第1図を参照すると、ここには、本発明による
改良を使用した形式のスパッタリング装置が概略的に示
されている。閉鎖された反応チャンバ10内には真空が維
持されており、この反応チャンバ10内には、基板12が反
応チャンバ10を通って移動するときに、基板12上に薄い
皮膜材料を蒸着させることを目的としてプラズマが形成
される。基板12は、この上に皮膜を蒸着できる殆ど全て
の材料を使用でき、通常は、金属、ガラス及び或る種の
プラスチック等の真空適合材料が使用される。皮膜はま
た、基板表面上に前に形成されている他の皮膜すなわち
コーティング上にも蒸着することができる。
カソード組立体14は全体として長い回転可能な円筒管
16からなり、該円筒管16は反応チャンバ10内に取り付け
られており且つターゲット面20を備えている。円筒管16
内には、その下部に長い磁石組立体18が支持されている
が、該磁石組立体18が円筒管16と一緒に回転することは
ない。一般に、円筒管16の内部は後述のようにして水冷
され、装置が高出力レベルで作動できるようにする。円
筒管16は水平位置に支持されており且つ駆動装置22によ
りその長手方向軸線の回りで一定速度で回転される。
円筒管16は、その外側円筒面(ターゲット面)20上に
露出されるターゲット材料の性質及び組成に基づいて、
多数の種々の形態のうちの1つの形態に構成される。1
つの構造は、実質的に全体が中実ターゲット材料で作ら
れた壁を有するものである。他の構造は、例えば黄銅又
はステンレス鋼等の適当な非磁性材料からなるコアで形
成されたものであり、遂行すべき特定の作業に要求され
る直径、壁厚及び長さを有している。コアの外面には、
コーティングされる基板12上に蒸着すべく選択されたタ
ーゲット材料20の層が付着される。両場合共、円筒管16
及びターゲット材料20の層は、従来の平ターゲットに代
わる管状ターゲットすなわちスパッタリング源を構成す
る。
長い磁石(磁石組立体)18は、円筒管16内で長手方向
に配置された組立体で構成されている。この磁石組立体
18は、円筒管16の周囲に沿って交互に変化する3つの極
性24、26、28が生じ且つこれらの極性24、26、28が円筒
状回転ターゲット14の底部に維持されるように設計され
る。第1図に示す構成は、断面が「W」形の磁石形状を
有している。他の構成として、後述の「U」形断面形状
がある。いずれの場合でも、磁石は、それらの力線が1
つの極性から円筒管16を通り抜け、且つ湾曲した円筒管
16を通って隣接の極性に戻るように、円筒管16に対して
配置されている。この構成により、隣接極性間にいわゆ
る「磁気トンネル」が形成される。この磁気トンネル
は、スパッタリング速度を増大させるだけでなく、トン
ネルの内部よりも早くターゲット材料20を除去する。
スパッタリングを生じさせるのに充分なカソード電位
は、電源30から、慣用的な電気ブラシによる円筒管16と
の摺動接点34を備えた給電線32を介して供給される。説
明例では直流形の電源30を用いているが、この構造に交
流電源を用いることもできる。反応チャンバ10の包囲体
は導電性材料で形成されており且つ電気的に接地されて
いる。スパッタリング工程において、反応チャンバ10の
包囲体はアノードとして機能する。後述のように、別の
アノードを用いて正の低電位に維持することは任意であ
る。
コーティング作業を行うのに必要な低圧を得るため、
反応チャンバ10には真空ポンプ38に連通している出口管
36が設けられている。
コーティング作業に必要なガスを反応チャンバ10に供
給するため、ガス供給装置が設けられている。コーティ
ングチャンバ(反応チャンバ)10内には、不活性ガス源
42からの第1ガス供給管40が延入している。入口管40に
連結されたノズル44は、不活性ガスを回転カソード14の
上方の領域に分配する。ターゲット面20と接地したチャ
ンバ包囲体との間に形成される電界の影響を受けて帯電
イオンを破壊するのは不活性ガスである。+イオンは、
磁界によりこれらが閉じ込められる領域(磁石組立体18
に対向する円筒管16の底部において円筒管16の長さに沿
って対向する各極性の間の領域で、主として2つの平行
なストリップ内の領域)において、ターゲット面20に引
きつけられてこれに衝撃を与える。
反応チャンバ10内には、反応ガス源48からの第2ガス
供給管46が延入している。入口管46に連結されたノズル
50は、コーティングされる基板12の幅に近接しており且
つこれを横切る領域に反応ガスを分配する。イオン衝撃
の結果として、反応ガスの分子はターゲット面からスパ
ッタリングされた分子と結合し、基板12の上面に蒸着さ
れる所望の分子を形成する。
図示のガス供給装置は実際に種々の変更が可能であ
る。供給源42、48からの不活性ガス及び反応ガスは、共
通管及びノズル対を通して反応チャンバ10内に供給する
こともできる。この場合には、供給管は、供給管は、回
転ターゲット管16の一側面に沿ってその長手方向軸線に
平行に配置するのが好ましい。このような供給管は2本
使用し、ターゲット管16の各側において該管16の長手方
向軸線に平行に1本ずつ配置することができる。各供給
管は、同じ組合せの不活性ガス及び反応ガスを供給す
る。また、蒸着すべき皮膜に基づいて、1種類以上の反
応ガスを同時に供給することができる。
第2図は円筒状回転ターゲット構造体の第1実施例の
横断面図であり、該構造体に関連する幾つかのエレメン
トが示してある。第2図の組立体は、第1図に全体を概
略的に示したスパッタリング装置に使用できる。電気的
に接地した金属包囲体51は、この中に真空チャンバ53を
形成している。包囲壁(包囲体)51の外部には大気室温
及び圧力が存在している。コーティングされる基板55
(例えばガラスシート)が、例えばローラ57等の複数の
支持ローラにより、紙面に垂直な方向に、円筒状回転マ
グネトロン構造体を通るように前進される。
シリンダ59の外面61は、特定のスパッタリング方法に
望まれるターゲット材料で形成されている。例えば、ガ
ラス基板55の表面上にシリコンをベースとする配合物
(コンパウンド)を皮膜として形成したい場合には、表
面導電性を付与すべく小割合の不純物を含有するシリコ
ンで円筒面を形成する。ガラスコーティングの種々の適
用に使用される他のポピュラーなターゲット材料とし
て、亜鉛及びチタンがある。一般に、平マグネトロンに
使用されているターゲット材料は、本発明の回転カソー
ドにも使用することができる。
ターゲット面61を形成する別の技術として、管59の全
体をターゲット材料で鋳造する技術、及び、黄銅等の適
当な非磁性材料からなる支持管に、プラズマ溶射又は液
体溶射等によりターゲット材料からなる外側層をコーテ
ィングする技術がある。強く望まれることは、ターゲッ
ト材料とシリンダ面との結合が良好で、支持シリンダと
の良好な熱的接触が得られ、シリンダ59内を循環する水
により充分に冷却できるようにすることである。冷却が
充分であると、構造体を高出力レベルで作動でき、この
結果、基板への皮膜材料の高速蒸着が可能になる。
シリンダ59の一端には小径のスピンドル軸63が取り付
けられており、該スピンドル軸63は第1支持組立体65に
より支持されている。同様に、シリンダ59の反対側端部
も同様な小径のスピンドル軸67により支持されており、
該スピンドル軸67は第2支持組立体69により支持されて
いる。支持組立体65、69は、協働して、円筒状ターゲッ
ト59を所望の回転位置に保持し、その長手方向軸線の回
りで回転させ、冷却流体の供給源を形成し且つここから
温かい流体を排出させ、且つターゲット59を直流高電圧
に電気的に接続する。これらの全ての機能は、真空と、
加圧された冷却流体(殆どの場合、普通の水である)と
の間の適正なシール及び相互連結を維持しながら、支持
組立体65、69により与えられる。特に、10フィート(約
3m)以上のシリンダ59を支持する必要がある大規模な工
業的適用の場合には、支持構造体(支持組立体)65、69
に関する要求が多くある。この長さは、幅広のターゲッ
ト面を形成し、このターゲット面の下を、オフィスビル
の窓ガラス板のような基板55が通り且つその全幅面を一
度にコーティングできるようにする上で必要である。
最初に第1支持構造体(第1支持組立体)65について
説明すると、包囲体51の上壁の下面には金属ブロック71
が取り付けられているが、該金属ブロック71はプラスチ
ック部材73により包囲体51から電気的に絶縁されてい
る。導管部材75は、供給源(図示せず)からの水を開口
77から導入する。長い管79は、その中心軸線が回転シリ
ンダ59の中心軸線と一致するようにして導管部材75の壁
に固定されている。管79の目的は、シリンダ59を通して
水をシリンダ59の反対側端部まで導くことにあり、この
反対側端部において水は開口81から排出される。管79
は、スピンドル軸67がシリンダ59と共に回転するとき
に、管79の外側を包囲しているスリーブ又はローラベア
リング83により所定位置に支持される。管79の端部から
排出される水は、シリンダ59の内部を通って戻され、こ
れによりターゲット面61を冷却した後、支持組立体65の
チャンバ85内に流入する。チャンバ85には、液体戻し導
管87(第5図)が設けられている。第1支持組立体65の
導電性エレメントは、ターゲットシリンダ59の負の高電
圧に維持されているので、導管75は、包囲体51に接触し
ないようにして該包囲体51の頂板の開口に通されてい
る。包囲体51のこの開口は、絶縁板(プラスチック部
材)73の受入れ溝内に支持されたOリングシール87、89
によりシールされている。
導管構造体(導管部材)75及び支持ブロック(金属ブ
ロック)71は、真空チャンバの外壁構造体(金属包囲
体)51に固定されているため、シリンダ59のスピンドル
軸63は、その長手方向軸線の回りで回転できるように外
壁構造体51により支持されている。円筒状の金属シール
ハウジング91が、支持ブロック71及び管構造体(導管部
材)75に確実に固定されており、且つ、シールハウジン
グ91の円筒状外面に形成された溝内に支持された複数の
Oリング(例えばOリング93)により支持ブロック71及
び管構造体75に対してシールされている。これらのシー
ル93は、加圧水を収容するプレナム(チャンバ)85を、
真空チャンバ53から充分に遮断できるものでなくてはな
らない。
円筒状のシールハウジング91の内面は環状空間になっ
ている。この環状空間92内にはベアリング及びシールが
支持されており、ローラベアリング95が、静止のシール
ハウジング91に対してスピンドル軸63を自由に回転でき
るようにしている。環状空間92はまた、該空間92の両端
部に隣接して配置されたシール97、98のような複数のダ
イナミックuカップシールを支持している。これらのダ
イナミックシール97、98の目的は、チャンバ85内の加圧
水を真空チャンバ53から遮断することにある。環状空間
92内には、そのようなシールをできる限り多く設ける必
要がある。
両シール97、98間の環状空間92の領域は、ベント96を
介して大気に通じている。従って、シール97を通って漏
洩する全ての水は、環状空間92内に存在して反対側端部
のシール98に対し圧力を作用することなく、環状空間92
から流出する。従って、真空チャンバ53内への水の漏洩
が防止される。
シリンダ59がその長手方向に沿って移動しないように
安定化させたいという一般的理由に加え、加圧されてシ
リンダ59内に強制供給される水クーラントにより、シリ
ンダ59を有効に拘束する付加的必要性が発生される。シ
リンダ59のこの拘束は、スピンドル軸63の外面により支
持された円筒状スリーブ99の垂直指示面により与えられ
る。スリーブ99とシールハウジング91の外面との間に形
成されるギャップ内には、ローラベアリング101が収容
されている。シリンダ59を支持構造体65から外れる方向
に移動させようとする軸線方向の力がシリンダ59に加え
られると、スリーブ99はギア103の表面と摩擦係合す
る。これにより、スリーブ99がスピンドル軸63と一緒に
回転される。このとき、ローラベアリング101は、シー
ルハウジング91に対してスリーブ99が自由に回転できる
ようにする。これにより、水圧の影響を受けてシリンダ
59の構造体全体が移動することが制限される。
ローラベアリング95は円筒状の回転構造体の全重量を
支持する。従って、力を分散し且つシールハウジング91
に磨耗溝が形成されないようにするため、ローラベアリ
ング95はボールよりも長いシリンダの形態に構成するの
が好ましい。このための好ましい材料はポリアセタール
であり、「Delrin(デルリン)」の商標で市販されてい
る。これらのローラは、ローラ同士を互いに間隔を隔て
て保持するため、同じ材料で作られた普通の形式のベア
リングケージにより回転可能に捕捉されている。非導電
性のプラスチックベアリング及びシールの使用により、
ターゲットシリンダ59と支持構造体65との間に流れるこ
とがある電流による影響を受けないという付加的利益が
得られる。このような電流は、金属ベアリングとこれに
隣接する金属部品との表面を腐食させて、これらの寿命
及び性能を制限する傾向がある。
シール97のような回転シールは、後で真空グリース
(vacuum grease)が充填される「U」形の断面形状を
もつ「Nitride」の商標のプラスチック材料からなる連
続リングの形態に構成するのが好ましい。これらのシー
ルを形成するのに、いかなるばねも使用しない。ベアリ
ングとシールとの組合せにより、加圧冷却水と真空チャ
ンバとの間を有効に遮断できると同時に、シリンダ構造
体を支持構造体65内で自由に回転させることができる。
この回転を与える動力は、シリンダの一端における支
持構造体65を介しても与えられる。第2図及び第5図に
示すように、スピンドル軸63にはウォームギア103が固
定されている。軸107によりウォーム105が支持されてい
る。該軸107は垂直方向に配向されており、且つ真空チ
ャンバ壁51のオーバーサイズ開口を通って上方に延びて
いるスリーブ109内で回転される。また、軸107はベルト
プーリ111に終端している。プーリ111は、都合のよい便
利な駆動源(図示せず)により一定速度で駆動されるベ
ルト113を支持している。
スリーブ109とこれを包囲するブロック材料71との間
には適当なスタティックOリングシールが設けられてお
り、チャンバ85内の加圧水を大気から隔絶している。ま
た、スリーブ109内には適当な回転シール(図示せず)
が設けられており、回転軸107とスリーブ109の内部との
間の水の漏洩を防止している。前述のように、スリーブ
109が通っている真空チャンバ壁51のオーバーサイズ開
口は、絶縁片(ブロック)71及びそのOリングシールに
よりシールされている。
支持組立体65を上記のように構成することにより、円
筒状構造体の反対側端部における第2支持組立体69は非
常に簡単に構成することができる。加圧冷却水はこの端
部における円筒状のターゲット構造体内に完全に収容さ
れるので、真空チャンバ53と加圧冷却水とを隔絶するの
にいかなる回転シールも不要である。また、上記のよう
に冷却水が収容されるため、冷却水通路と真空チャンバ
の外部の大気圧とを隔絶するためのいかなる回転シール
も不要である。スピンドル軸67を回転自在に支持するこ
と以外の支持構造体69の主要機能は、シリンダ59と外部
電圧源とを電気的に接続することである。
支持組立体69は、支持組立体65の場合と同様に、電気
的絶縁層119を介して真空チャンバ51の頂壁の下面に支
持された支持材料からなるブロック115を有している。
ブロック115には、端カバー板117がボルト止めされてお
り且つOリングシールされている。ブロック115にはチ
ャンネルが設けられており、該チャンネル内には電気ブ
ラシ121及び支持体123が収容されている。包囲体51のシ
ールされた開口には導電線125が通されており、負の電
圧源に接続されている。ブラシ121は回転するスピンド
ル軸67と広面積で接触できる形状を有しており、銅含浸
グラファイトで作るのが好ましい。この接触は、チャン
バ53内の真空により生じる差圧により維持される。
スピンドル軸67は、支持構造体65と同様にして、支持
構造体69により回転可能に支持されている。金属シール
ハウジング127が、ブロック115の受入れ開口により支持
されており且つ一連のOリングシールによりブロック11
5に対してシールされている。シールハウジング127の内
面には環状空間128が設けられており、該環状空間内に
はベアリング及びシールが収容されている。環状空間12
8内には1組のローラベアリング129が配置されている。
また、環状空間128内には、前述の形式からなる1つ以
上のuカップ回転シール131が支持されている。しかし
ながら、この場合には、シールがそれ程重要ではなく、
多数は不要である。これらのシール131の主要目的は、
ブラシ121とスピンドル軸67との摩擦接触により発生す
る粒子が、基板55上にスパッタリングされる皮膜の品質
を低下させないように、真空チャンバ53から電気ブラシ
組立体を隔絶することにある。ターゲットシリンダ59の
反対側端部における相手側のスピンドル軸63は支持組立
体65により軸線方向に移動しないように拘束されている
けれども、スピンドル軸67は支持組立体69により拘束さ
れてはいない。従って、いかなる不利な効果を生じさせ
ることもなく、熱膨張及び熱収縮を吸収することができ
る。温度変化による移動が行えるようにすることは、シ
リンダ59の長さが非常に幅広の基板にスパッタリングで
きる充分な長さをもつ場合には特に必要である。
本発明の構造は、スパッタリングを行うのに、導電線
125を介してシリンダ59の表面61に供給される交流電流
又は直流電流を使用することができる。種々の適用に対
し交流及び直流の両方を使用できるが、基板上への皮膜
の蒸着速度を大きくしたい工業用の適用例の場合には、
通常は直流の実施例の方が好ましい。本願の説明に係る
実施例は直流装置である。
直流装置の場合には、真空チャンバ53の外側壁51が電
気的に接地される。これらの外側壁51の内面はアノード
として機能するけれども、場合によっては、導電線135
を介して僅かに正の電圧源(図示せず)に接続された別
の浮動アノード133を設けるのが望ましいこともある。
そのような浮動アノードを使用する場合には、浮動アノ
ードは、図示のように、シリンダターゲット59の僅かに
上方に配置される平板の形態に構成するのが好ましい。
また、高出力レベルを用いる場合には、通常冷却するの
が好ましい。冷却は、浮動アノード133に取り付けられ
た銅製チューブ137に水を通すことにより達成される。
この冷却は、アノード133を適正温度に維持するだけで
なく、真空チャンバ53を全体的に冷却する補助をする。
多くの適用例に対し、単一の円筒状の回転ターゲット
で満足のいく成果が得られる。しかしながら、蒸着速度
が大きい場合には、2つ以上のターゲット組立体を互い
に近接した縦列(タンデム)に配置するのが好ましいこ
とがある。第3図及び第4図の断面図には、そのような
2つのターゲット組立体の構成が示されている。各ター
ゲット組立体は、第2図及び第5図に関連して述べたタ
ーゲット組立体と実質的に同じ構造を有している。第3
図及び第4図の断面図において、第2ターゲット組立体
の構成エレメントは、第1ターゲット組立体の構成エレ
メントに使用した番号にダッシュ(′)を付した番号で
示されている。
第3図及び第4図の断面図はまた、円筒状回転ターゲ
ット59内に支持された磁石組立体72の詳細を示してい
る。磁石141は、ターゲットシリンダ59の実質的に全長
にわたって延びている。磁石141は、U形の強磁性材料1
43からなる剛体片により支持されていて、磁界の通路を
形成している。磁石141の両側には絶縁体145、147が配
置されているけれども、磁石141の頂面は強磁性材料143
と接触している。強磁性材料143は鉄が好ましく、磁石1
41はセラミックVIII材料が好ましい。通常、磁石材料は
矩形の断面形状をもつ短い部片に形成され、そのような
多数の磁石部片が円筒状回転ターゲット59の長さに沿っ
て端と端とを突き合わせて配置される。任意ではある
が、磁石141の両側の強磁性材料の部片143の底部には、
磁石141の極性とは逆の極性をもつ小さな断面形状の磁
石を取り付けることができる。第3図及び第4図に示す
「U」形の磁石構造とは異なり、第1図に概略的にしめ
した「W」形の磁石構造を用いることができる。
磁石構造体(磁石組立体)72は市販されている実施例
に用いられており、その支持体は価値のないものではな
い。適正なスパッタリング作業を行うためには、磁石
は、回転ターゲットシリンダ59の底部に沿って固定され
た状態に維持する必要がある。磁石141をできる限りタ
ーゲットシリンダ59の内面に近接させて保持することも
好ましいことである。2つの形式の支持体が示されてい
るけれども、これらの両形式は、磁石構造体72の長さに
沿う異なる位置に好都合に使用できる。
これらの支持機構の1つが第3図に示されている。水
を搬送する内部の水導管79が、回転しないように支持構
造体65により支持され且つキー止めされている。磁性材
料143は、剛性板149及びストラップ151で作られたブラ
ケットにより、導管79に沿う周期的位置において該導管
79に取り付けられている。これにより、磁石がシリンダ
59と一緒に回転することが防止される。
非常に長い磁石構造体の場合には、磁石構造体72及び
支持管(水導管)79の長さ方向に沿って生じる撓みのた
め、ブラケット支持では充分でない。従って、極性面が
回転管59の内面をこすることがないようにして極性面を
回転管59の内面に近接させるには、そのように長いスパ
ンの中央に向いたローラ支持体を用いるのが好ましい。
これが第4図に示されている。図示のように、1対のブ
ラケット153、155が磁性材料143に取り付けられており
且つ該磁性材料143から水平方向に延びている。これら
のブラケット153、155の各々に、それぞれローラ157、1
59が支持されている。これらのローラ157、159は回転す
るターゲットシリンダ59の内面上に載っていて、磁石14
1とシリンダ59との間の距離を維持している。
所与の装置に単一の回転マグネトロン組立体を使用す
る場合には、磁石組立体72のN極とS極との相対位置を
どのようにするかは問題でない。しかしながら、2つ以
上のターゲット組立体を互いに隣接させて使用する場合
には、隣接するユニットの極性方向を交互に変えること
が好ましい。これが、第3図及び第4図の各々に示され
ている。互いに隣接するターゲット組立体のうちの一方
の組立体では、極性がN−S−Nに配置されているのに
対し、隣接する他方のターゲット組立体ではS−N−S
の極性に配置されている。このような互いに異なる磁石
の極性の配置は、磁石141のN極をS極に変え、磁石141
のS極をN極に変えることにより達成される。このよう
に磁石の極性を配置することにより、或る条件下では、
コーティングされる基板55の表面近くに生じるプラズマ
の位置及び形状の好ましい制御ができることが判明して
いる。
図示の実施例において、支持組立体65、69の各々が、
それらの強度及び作業性のために金属エレメントを使用
している。互いに隣接する金属部品間に電弧が発生しな
いようにするため、これらの支持組立体65、69は、回転
ターゲット組立体と同じ電位に電気的に接続されてい
る。従ってこれらの金属部品には、ターゲット面61の負
の高電圧も存在する。或るコーティング作業において
は、コーティングされる材料に基づいて、当該電圧にお
ける重要な大きさをもつ導電性材料の表面積を、いつ、
真空チャンバ53内に露出させるかという問題が生じる。
基板55に誘電体皮膜を蒸着させる場合には、この誘電体
皮膜の或る量は、露出表面(例えば、端ブロック71、11
5の露出面)上に蒸着されてしまう。このため、好まし
くない粒状物質を生じさせる電弧が発生され、蒸着すべ
き皮膜の品質が低下される。
多くの邪魔物質(すなわち、表面にコーティングされ
るとき、高い電圧の露出表面への蒸着に関して、電弧の
ような問題を生じさせる物質)の中で、二酸化ケイ素
は、基板55の上に蒸着するのに望ましい誘電体皮膜であ
る。この場合、ターゲット面61は、最初はケイ素であ
り、反応ガスは酸素である。二酸化ケイ素は良好な絶縁
物であるので、電弧が発生するような高い電圧の露出表
面に、非常に厚く蒸着させる必要はない。
従って、そのような材料が使用されたターゲット組立
体では、そのように露出される導電性表面の大きさは良
好に小さくなる。このように小さくする1つの方法は、
支持組立体65、69のそれぞれの絶縁体73、119を下方に
移動させて、支持組立体65、69のシールハウジング91、
127に近接させることである。低位置での電気的接続を
遮断することにより、絶縁体より上の支持構造体が接地
電位に保持され、これらの表面上に好ましくない誘電体
蒸着が生じることはない。他の可能性ある方法は、金属
の端片71、115の代わりに、セラミックのような誘電材
料を用いることであるが、セラミックはしばしば加工が
困難である。
別のアプローチは、第2図に示した構成における端ブ
ロック71、115の金属露出面を少なくとも0.25インチ
(約6.4mm)の厚さのセラミック板で覆うことである。
このようにすれば、誘電体層の直ぐ後ろに高電圧面が形
成されないため、そのような絶縁板への誘電体の蒸着に
よって電弧が発生されることはない。露出領域を覆うべ
く金属表面に対してKaptonプラスチック層を位置決めす
ることにより、誘電体板の間に存在することのあるいか
なる小さなギャップをも覆うことができる。他の技術
は、これらの露出面上に酸化アルミニウム層をプラズマ
溶射することである。端ブロック71、115がアルミニウ
ム材料で作られている場合の別のアプローチは、露出面
を硬質陽極酸化することである。これらの技術の目的
は、好ましくない誘電体が形成される傾向を低減させる
ことにある。
蒸着される誘電体皮膜のターゲット面上への形成は、
磁石の近くに位置する表面の衝撃時に、誘電体皮膜の一
定除去により回避される。シリンダ59が一回転すると、
実質的に全表面がこのような衝撃を受ける。回転ターゲ
ット面61自体は自己浄化する傾向がある。シリコンをベ
ースとする誘電体皮膜の蒸着に円筒状回転マグネトロン
を用いることは、1989年11月8日付出願のWolfe等の係
属中の米国特許出願第433,690号(名称「Method for Co
ating Substrates with Silicon Based Compound(シリ
コンをベースとする配合物で基板をコーティングする方
法)」)の要旨であり、本願はこれを参考にしている。
第6図は、円筒状回転ターゲット構造体の第2実施例
の断面図である。この実施例は、第2図〜第5図に関連
して前述した実施例と同様のものであるが、主な相違点
は、円筒状のターゲット端部支持構造体と、これに関連
する冷却、回転及び電気的付勢機構とにある。第6図の
第1支持構造体201及び第2支持構造体203は、それぞ
れ、第2図の第1支持構造体65及び第2支持構造体69に
相当する。主な相違点は、この第2実施例の支持構造体
201、203が金属で作られていて、両方共、真空チャンバ
の壁205に機械的及び電気的に接続されていることであ
る。スピンドル軸207、209は、それぞれ、第2図の実施
例におけるスピンドル軸63、67に相当する。管211は、
円筒状ターゲット及びそのスピンドル軸の長さにわたっ
て延びており、第2図の実施例における管79の対応部分
と同様に、回転しないように固定され且つ円筒状ターゲ
ット構造体のクーラント通路を形成している。電気的な
絶縁材料で作られたスリーブベアリング212は、スピン
ドル軸209と管211とを互いに分離した関係に保持する。
円筒状ターゲット構造体を真空チャンバの壁205から
電気的に絶縁するため、円筒状ターゲット構造体の端ス
ピンドルは、2つの真空シールハウジング215、217によ
り支持構造体内に支持されている。水シールハウジング
213も設けられている。これらの3つの部片213、215、2
17は、市販されているポリエチレンテレフタレートから
なる非導電性材料を機械加工して製造することができ
る。
プラスチック部片215、217の主な機能は、それぞれの
スピンドル軸207、209を回転自在に支持することであ
る。この目的のため、それぞれのプラスチック部片21
5、217には適当なベアリング組立体219、221が設けられ
ている。これらのプラスチック部片215、217の他の機能
は、チャンバ内の真空と、それらのプラスチック部片の
それぞれの支持組立体201、203内の大気圧との間の空気
圧シールを形成することである。これを達成するため、
適当なダイナミックuカップ回転シール223、225が設け
られている。プラスチック部片215、217には、それぞ
れ、電気的な絶縁体からなるベアリングリテーナ224、2
28が取り付けられている。ベアリング及びシールに充分
なグリースを供給してこれらが最適作動できるようにす
るため、プラスチック部片215、217にはそれぞれグリー
ス供給管227、229が設けられており、これらの供給管22
7、229はそれぞれのダクト231、233を介してベアリング
及びシールに連通している。
ベアリングリテーナ224、228は、好ましくはセラミッ
ク材料で作り、それぞれ、プラスチック部片215、217の
全面を覆うようにして、これらのプラスチック部片21
5、217が対面するスパッタリングチャンバの環境からこ
れらを保護できるようにする。保持板(ベアリングリテ
ーナ)224、228はそれぞれの支持構造体201、203の金属
部分(通常はアルミニウム)上に延びている。また、こ
れらの保持板224、228の外縁部は、それぞれの溝226、2
30上に配置されることにより金属面との接触を回避でき
るように終端している。このように外縁部を終端させる
と、セラミック板上のあらゆる金属皮膜蒸着が延びて金
属と接触することを好都合に回避できる。
第6図の実施例の第3プラスチック部品213は、ター
ゲット組立体の内部と、冷却液供給管及び排出管との間
のカップリングを形成する。この部片(プラスチック部
品)213の断面図が第7図に示されている。この部片213
はフレーム(真空チャンバの壁)205に係止されてい
て、内部のクーラント管211が回転又は他の移動をしな
いように保持し、該クーラント管211が金属フレーム部
分から絶縁された状態に維持する手段をも形成する。ま
た、この部片213は、壁239により分離された2つの液体
チャンバ235、237を有している。壁239は管211が通され
る開口を有している。管211の外面は壁239の開口に対し
てシールされているため、液体が両チャンバ235、237の
間を移動することはない。チャンバ235には液体供給管2
41により液体が供給され、この液体は、管211の適当な
側壁開口を通って管211の内部に流入する。液体は円筒
状ターゲット構造体の長さ方向に沿って管211内を流
れ、スピンドル軸209内の反対側端部の開口から流出す
る。スピンドル軸及び円筒状ターゲット内で且つ管211
の外にある戻り通路により、冷却液はプラスチック部品
213のチャンバ237内に流入し、排出管243から流出す
る。
スピンドル軸207を受け入れているプラスチック部品2
13の開口にはuカップ回転シール245が設けられてい
て、水が支持構造体201の内部に漏洩しないようにして
いる。プラスチック部品213には、プラスチックシール
保持板246が取り付けられている。
回転ターゲット組立体を絶縁するプラスチック部品を
この回転ターゲット組立体に直ぐ隣接して配置し、従っ
て支持構造体201、203を接地した金属材料で作ることが
できるため、液体クーラントにより引き起こされるター
ゲット組立体の軸線方向スラストに抗する機構を支持構
造体201に設けることは具合のよいことではない。むし
ろ、この実施例では、スピンドル軸209の端部に部片247
を取り付けて、スラストボールベアリング249と協働す
るようにしてある。真空チャンバのフレーム205の端壁
には、プラスチックディスク250が配置されている。こ
の構成により、第6図の実施例において、ターゲット組
立体の右方に作用する軸線方向スラストは、フレーム構
造体自体により受け止められる。
第6図の実施例では、スピンドル軸209に取り付けら
れたスプロケット251と、該スプロケット251と係合する
電気的な絶縁材料からなる歯付き駆動ベルト253とを設
けることによりターゲット構造体が回転される。複数の
湾曲ブラシ255、257等からなるブラシ組立体により電気
的接点が形成されている。湾曲ブラシ255、257は、プラ
スチック部片261によりフレーム205に対する回転が拘束
された部片259により、回転しないように保持されてい
る。スピンドル軸209には、ブラシ255、257の取付け面
を形成する適当なスリーブ263が支持されている。ブラ
シ255、257には、導電線265を介して電位が付与され
る。
以上、本発明の好ましい実施例に関連して本発明の特
徴を説明したが、本発明は請求の範囲に記載された全範
囲内で保護されることが理解されよう。
フロントページの続き (72)発明者 フッグ ジョセフ ティー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94949 ノヴァト カレ デ ラ セル ア 252 (56)参考文献 特開 昭57−145983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空チャンバの包囲体内に構成される円筒
    状マグネトロンにおいて、 互いに隣接して配置されかつ水平位置に支持された、少
    なくとも2つの円筒状ターゲット構造体を備え、前記タ
    ーゲット構造体の各々は、該ターゲット構造体の個々の
    長手方向軸線を中心に回転可能であり、 前記ターゲット構造体の各々は、前記ターゲット構造体
    の下部に位置決めされた細長い磁石エレメントを収容し
    ており、該磁石エレメントは、それぞれ、前記ターゲッ
    ト構造体の各々と一緒に回転できないように保持されて
    おり、1つのターゲット構造体の磁石エレメントは、そ
    の断面を横切る方向にN−S−Nの極性の順序で配置さ
    れた極性を有し、もう1つのターゲット構造体の磁石エ
    レメントは、その断面を横切る方向にS−N−Sの極性
    の順序で配置された極性を有しており、それによって、
    前記ターゲット構造体内に生じたプラズマの集中を防止
    することができるように構成されることを特徴とする円
    筒状マグネトロン。
  2. 【請求項2】真空チャンバの包囲体内に構成される円筒
    状マグネトロンにおいて、 長手方向軸線を中心に回転できるように前記真空チャン
    バ内に支持される、少なくとも1つの細長い中空円筒状
    のターゲット構造体を備え、 前記ターゲット構造体をその前記長手方向軸線を中心に
    回転させるために、前記ターゲット構造体に作動可能に
    連結された手段と、 前記ターゲット構造体内でその実質的に全長にわたって
    延び且つ前記ターゲット構造体と一緒に回転できないよ
    うに拘束されている磁石構造体と、 前記磁石構造体と前記ターゲット構造体の内面との間の
    分離を維持するために、前記磁石構造体により支持され
    且つ前記ターゲット構造体の内面上に載っている複数の
    ローラと、 を備えていることを特徴とする円筒状マグネトロン。
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