JP3281019B2 - 亜鉛粒の製造方法および装置 - Google Patents
亜鉛粒の製造方法および装置Info
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Description
る亜鉛粒の製造方法に関し、さらに詳しくは表面酸化、
不純物の混入および収縮孔の少ない球状およびなみだ状
の亜鉛粒の製造方法、およびこの方法に用いられる亜鉛
粒の製造装置に関する。
トマイズ法、水中滴下法、直接鋳造法など各種製造法が
知られており、中でも容易に金属粒を製造する方法とし
て水中滴下法が広く用いられてきた。水中滴下法とは、
溶融亜鉛をノズルなどから冷却水中に滴下して冷却凝固
させることにより、粒状の亜鉛を得る方法であって、亜
鉛の溶融温度、ノズル入口径および出口径、ノズルの先
端と冷却水面との距離、冷却水温度などの条件を選定す
ることにより、所望の形状寸法を持つ亜鉛粒を形成する
ために用いられていた。
る場合、ノズルから滴下される溶融亜鉛の滴下速度の調
節が困難なことから、得られた亜鉛粒表面に空洞やへそ
状の陥没部分が生じていたり、あるいは亜鉛粒に尾長部
(しっぽ)が生じていたり、偏平粒であったりすること
が多く、形状不良粒が多数発生し、良好な形状の亜鉛粒
の歩留まりが悪く、製品化率(製品歩留まり)が低いと
いう問題点があった。
底部に取り付けた滴下ノズルの中間にバルブを設けるこ
とによって、上記従来技術の問題点を解決し、球状粒お
よびなみだ状粒の形成率を向上させ、かつ粒表面の酸
化、収縮孔の発生および不純物の混入が少ない亜鉛粒の
製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
を解決するため鋭意研究したところ、ノズル中間にバル
ブを設けた滴下ノズルにより滴下溶融亜鉛の速度を調節
すると共に、選定された一定距離をへだてた冷却水中へ
溶融亜鉛を滴下することによって上記目的が達成される
ことを見出し、本発明を提供することができた。
われたるつぼ内で溶融させた純度6Nの原料高純度亜鉛
を、該るつぼ底部に連接されたノズルから冷却水中に滴
下して冷却凝固させる球状あるいはなみだ状の亜鉛粒の
製造方法であって、該るつぼと出口内径1mmφの該ノ
ズルとを電気炉によって亜鉛の融点より高温に加熱し、
上記ノズル中間にバルブを設け、該バルブの開閉量によ
り溶融亜鉛の滴下速度を3.5〜4.5粒/秒に調節す
ると共に、ノズル出口から30℃の冷却水面までの距離
を40〜50mmの範囲で選定し、かつ、ArとH2混
合の不活性ガスが該るつぼ内へ導入されて充満した後、
420〜450℃に加熱された該ノズルの出口付近から
下方へ向けて排出されて該ノズル出口付近を該不活性ガ
ス雰囲気とし該亜鉛粒表面の酸化を防止して、該亜鉛粒
表面の収縮孔の発生を防止し製品化率を94%以上、か
つ前記球状粒発生率を72%以上とすることを特徴とす
る高純度亜鉛粒の製造方法を、第2に、純度6Nの原料
高純度亜鉛を溶融する蓋付きるつぼが、その底部に連接
された溶融亜鉛滴下用のノズルと共に、包囲し該ノズル
先端部のみ開放されている石英容器内に設置され、さら
に該石英容器は電気炉によって包囲、載置されて亜鉛の
融点より高温に加熱され、かつ該ノズル下方には該ノズ
ルから滴下される溶融亜鉛を冷却凝固させる冷却水を入
れた水槽が設置された球状あるいはなみだ状の亜鉛粒の
製造装置であって、420〜450℃に加熱された出口
内径1mmφの上記滴下用ノズルの中間に滴下亜鉛量を
3.5〜4.5粒/秒に調節するバルブを設けると共
に、上記電気炉には該ノズル出口から30℃の上記冷却
水面までの距離を40〜50mmの範囲で選定する上下
移動機構を設け、さらに、該るつぼは内部へArとH2
混合の不活性ガスを導入する導入管と、該るつぼ内部を
充満した後該ガスを排出する排出口と、を備えて、該排
出されたガスが該ノズル出口周囲から外部へ排出され該
亜鉛粒表面の酸化が防止され、製品化率を94%以上、
かつ前記球状粒発生率を72%以上としたことを特徴と
する高純度亜鉛粒の製造装置、を提供するものである。
うな構成とすることができる。すなわち、本装置は流量
調節用バルブの(好ましくはニードルバルブ構造のバル
ブ)が取付けられたノズル2を底部に設けた黒鉛製るつ
ぼ1と、冷却水を入れた水槽6とを有しており、るつぼ
1は水槽6の上方にあって周囲に加熱体(ヒーター)5
が装備された石英容器3内に設置される。また、るつぼ
1の蓋部には不活性ガス導入管4と不活性ガス排出口10
が設けられており、不活性ガス導入管4によって導入さ
れた不活性ガスが、るつぼ1内に充満した後、不活性ガ
ス排出口10から排出される構造、および電気炉上下移動
装置8により電気炉5および滴下ノズル2全体の上下移
動を可能にし、冷却水槽6との距離を設定距離に保つ構
造となっている。
装置の黒鉛製溶解るつぼ1内に純度6N(シックス ナ
イン)の亜鉛を入れ、これを石英容器3内に配置し、不
活性ガス導入管4からAr+H2ガスを0.5リットル
/分で導入する。黒鉛製溶解るつぼ1内に充満した不活
性ガスは、不活性ガス排出口10から排出され、石英容
器3と滴下ノズル2の先端部付近に不活性ガス雰囲気を
つくる。このように不活性ガスを流すことにより、すべ
ての工程が不活性ガス雰囲気中で進行し、亜鉛粒の表面
酸化が防止される。
し、原料を溶解した後、滴下ノズル2を 420〜450 ℃に
加熱し、滴下流量調節用バルブ9を開き、滴下ノズル2
よりあらかじめ電気炉上下移動装置8により30〜50mmの
落下距離に設定してある冷却水槽6に溶融亜鉛流を滴下
流量調節用バルブ9で分断させて滴下させる。このとき
の冷却水はあらかじめ30℃に加熱保温をしておく。また
滴下流量調節用バルブ9の開閉量を調節し、溶融亜鉛の
滴下速度を3〜5粒/秒で滴下、凝固させ、球状あるい
はなみだ状の亜鉛粒を得た。
説明する。しかし本発明の範囲は、以下の実施例により
制限されるものではない。
本発明の亜鉛粒の製造方法の一例を説明する。本実施例
では、図1に示す製造装置を用いた亜鉛粒の製造に際
し、落下距離Lおよび落下速度を変化させ、製造される
亜鉛粒の品質について調べた。
示す断面図であって、滴下流量調節用バルブ9を取り付
けた出口内径1mmφの滴下ノズル2を底部に設けた黒鉛
製溶解るつぼ1と冷却水を入れた冷却水槽6とからな
り、黒鉛るつぼ1は、冷却水槽の上方にあり周囲に加熱
体である電気炉5が装備された石英容器3内に設置さ
れ、また、黒鉛製溶解るつぼ1の蓋部には不活性ガス導
入管4と不活性ガス排出口10が設けられている。
るつぼ1内に純度6N(シックス ナイン)の亜鉛を入
れ、これを石英容器3内に設置し、不活性ガス導入管4
からAr+3%H2ガスを0.5リットル/分で導入し
た。
480℃に加熱し、黒鉛製溶解るつぼ1内で亜鉛を溶解し
一定時間経過後、滴下ノズル2をノズルヒーター7で 4
50℃に加熱し、落下距離Lを電気炉上下移動装置8によ
り調節して、冷却水槽6の上方30〜50mmの位置に滴下ノ
ズル2の先端位置を設定し、滴下流量調節用バルブ9を
開き開閉量を調節し溶融亜鉛流の滴下速度を3〜5粒/
秒とし、30℃の冷却水を入れた冷却水槽6に滴下、凝固
させ、亜鉛粒を製造した。この時、落下距離Lと滴下速
度を以下のように変えて亜鉛粒の製造を行い、亜鉛粒の
品質について調べた。その結果を表1に示した。また、
比較例として、滴下速度を調節しない従来方法で製造し
た結果も表1中に併せて示した。
と落下速度Lとの関係を図2に示し、製品ショットにお
ける球状粒となみだ状粒の発生率と滴下速度の関係を図
3に示した。
落下距離Lとの関係では、落下距離Lが45mm、50mmの時
に,95%以上の製品化率となり、従来方法を示すNo.7に比
べ、製品化率が飛躍的に向上していることがわかる。ま
た、製品ショットにおける球状粒およびなみだ状粒の発
生率と滴下速度との関係では、滴下速度が3粒/秒から
5粒/秒と滴下速度が早くなるにつれて、球状粒の発生
率が増大し、逆になみだ状粒の発生率は減少した。この
ことから、本亜鉛粒製造装置によれば、溶融亜鉛粒の滴
下速度を任意に設定することにより球状粒およびなみだ
状粒のつくり分けが可能であることがわかった。
するノズルの先端部付近が大気雰囲気であり、ノズルか
ら滴下された溶融亜鉛の分断性が悪かったが、本発明の
開発により、不活性ガス雰囲気のもと分断性良く溶融亜
鉛を滴下させることができるようになった。また、滴下
速度の調節により球状粒およびなみだ状粒のつくり分け
も可能となった。そのため、球状粒およびなみだ状粒の
形成率が向上し、かつ粒表面の酸化、空洞や陥没の発生
および不純物の混入が減少し、製品歩留まりが飛躍的に
向上した。
面図である。
品化率および不良品発生率と、落下距離Lとの関係を示
すグラフである。
品ショットにおける球状粒およびなみだ状粒それぞれの
発生率と落下速度との関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 全面が被われたるつぼ内で溶融させた純
度6Nの原料高純度亜鉛を、該るつぼ底部に連接された
ノズルから冷却水中に滴下して冷却凝固させる球状ある
いはなみだ状の亜鉛粒の製造方法であって、該るつぼと
出口内径1mmφの該ノズルとを電気炉によって亜鉛の
融点より高温に加熱し、上記ノズル中間にバルブを設
け、該バルブの開閉量により溶融亜鉛の滴下速度を3.
5〜4.5粒/秒に調節すると共に、ノズル出口から3
0℃の冷却水面までの距離を40〜50mmの範囲で選
定し、かつ、ArとH 2 混合の不活性ガスが該るつぼ内
へ導入されて充満した後、420〜450℃に加熱され
た該ノズルの出口付近から下方へ向けて排出されて該ノ
ズル出口付近を該不活性ガス雰囲気とし該亜鉛粒表面の
酸化を防止して、該亜鉛粒表面の収縮孔の発生を防止し
製品化率を94%以上、かつ前記球状粒発生率を72%
以上とすることを特徴とする高純度亜鉛粒の製造方法。 - 【請求項2】 純度6Nの原料高純度亜鉛を溶融する蓋
付きるつぼが、その底部に連接された溶融亜鉛滴下用の
ノズルと共に、包囲し該ノズル先端部のみ開放されてい
る石英容器内に設置され、さらに該石英容器は電気炉に
よって包囲、載置されて亜鉛の融点より高温に加熱さ
れ、かつ該ノズル下方には該ノズルから滴下される溶融
亜鉛を冷却凝固させる冷却水を入れた水槽が設置された
球状あるいはなみだ状の亜鉛粒の製造装置であって、4
20〜450℃に加熱された出口内径1mmφの上記滴
下用ノズルの中間に滴下亜鉛量を3.5〜4.5粒/秒
に調節するバルブを設けると共に、上記電気炉には該ノ
ズル出口から30℃の上記冷却水面までの距離を40〜
50mmの範囲で選定する上下移動機構を設け、さら
に、該るつぼは内部へArとH 2 混合の不活性ガスを導
入する導入管と、該るつぼ内部を充満した後該ガスを排
出する排出口と、を備えて、該排出されたガスが該ノズ
ル出口周囲から外部へ排出され該亜鉛粒表面の酸化が防
止され、製品化率を94%以上、かつ前記球状粒発生率
を72%以上としたことを特徴とする高純度亜鉛粒の製
造装置。
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