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JP3278432B2 - インクカートリッジ - Google Patents

インクカートリッジ

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JP3278432B2
JP3278432B2 JP2000392751A JP2000392751A JP3278432B2 JP 3278432 B2 JP3278432 B2 JP 3278432B2 JP 2000392751 A JP2000392751 A JP 2000392751A JP 2000392751 A JP2000392751 A JP 2000392751A JP 3278432 B2 JP3278432 B2 JP 3278432B2
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ink
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discharge
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規文 小板橋
義章 高柳
壮平 田中
博司 田鹿
一義 高橋
仁 杉本
美由紀 松原
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Canon Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に対して交換可能に構成されたインクカートリッジ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンやワードプロセッサー等
のOA機器が広く普及している。これらの機器で入力さ
れた情報を出力する方式の一つとして、インクを吐出し
て被記録材に付着させることで所望の記録を得るインク
ジェット記録法がある。これは、複数の吐出口を備えた
インクジエツトヘツドを用いるもので、機械的あるいは
熱的なエネルギーを利用して吐出口からインクを飛翔さ
せることによって被記録材に付着させ、記録を行う。
【0003】このような記録法は、特にカラー画像読み
取り装置やカラービデオ装置などに接続され、カラー写
真やカラー原稿の再生を行う記録装置に適用される要求
が高まっている。この要求から、複数のインクを使用し
て行うカラーインクジェット記録装置の開発が盛んにな
されている。このようなカラー記録にあっては、中間調
(ハーフトーン)画像の記録が要求されるとともに、高
精細のカラー画像記録が要望されている。
【0004】これらの要望を満足するためには、複数の
吐出口すべてを同一径とすること、あるいは形成された
吐出口の方向性が等しいこと、さらには吐出圧をまった
く一定とすること等が要求される。
【0005】しかしながら、インクジェット記録ヘッド
は現状において、構造あるいは製造上の特徴からヘツド
固有の吐出口間のばらつき、あるいは熱エネルギーを利
用するタイプのヘッドでは抵抗体の抵抗値の差異がわず
かではあるが発生してしまう。
【0006】このようなヘッドからインクを吐出させる
と、これらのファクターが相乗的に影響し、ヘッドの吐
出口間及びヘッド間のインク吐出量のばらつきや、吐出
よれなどを発生することになる。このような吐出状態で
は、特にハーフトーン記録画像で濃度むらが目立ち、高
精細画像記録の要求に十分対応することができなかっ
た。
【0007】この要求を満足するために、インクジエツ
トヘツドの製造時にヘツド個々の濃度むら等に関するデ
ータを測定する。この測定に基づき、ヘツドの駆動条件
や画像処理を行う場合の諸特性を補正するための補正デ
ータを、あらかじめ半導体メモリ(例えばROM)等の
記憶装置に書込んで製品に搭載して吐出制御を行い、前
述の課題を改善する方法が提案されている。
【0008】一方、装置の低価格、高記録品位を目指し
て、記録ヘッド部とインクタンク部とを一体化し、装置
に対して交換可能としたタイプの記録ヘッドカートリッ
ジが提案されている。このようなタイプのヘッドでは、
装置本体とカートリッジとの整合性(マッチング)をあ
らかじめ行うことができない。そこで、前述のヘッド特
性を記憶した半導体メモリをカートリッジに備える構成
とすることが提案されている。
【0009】また、上述した交換可能な記録ヘッドはイ
ンクタンクと一体となったカートリッジであるので、運
搬時のショックや環境の変化等により、記録ヘッドの特
性が劣化することがある。このため新しい記録ヘッドに
交換したとき、記録装置側では記録ヘッドの再生をする
ため、回復動作を行う必要がある。
【0010】さらに、カラー記録装置においては、一般
にシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックなどの複数色
の記録ヘッドが必要になるため、交換可能な記録ヘッド
を用いる場合には、記録ヘッドの誤装着を防止する必要
がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録装置においては、記録ヘッドを交換した場合、記録
ヘッドを使用する前に、ユーザーがマニュアルで記録ヘ
ッドの回復動作を行っている。このため、ユーザは記録
ヘッドの交換に加えて、回復操作を行わなければなら
ず、操作性の向上が望まれる。また、記録ヘッドの交換
時にユーザが回復操作を忘れた場合、最適な記録を行う
ことができなくなってしまう。 同様に、補正データを
記憶している記憶装置を有する記録ヘッドを交換した場
合、装置本体が記録ヘッドに最適な駆動を行うため、ユ
ーザは上記補正データを装置本体に読み込ませる操作を
行う必要がある。
【0012】以上のように、交換可能な記録ヘッドを交
換した場合、最適な記録を行うためにはユーザによる操
作が不可欠であり、操作性の向上が望まれる。
【0013】一方、記録ヘッドとインクタンクとが着脱
可能に構成された構造の場合、カートリッジ形態のイン
クタンク自体の交換に関しても上述のような各種操作を
ユーザーに行わせることなり、一層操作の煩雑さを招い
てしまうことになり、操作性の向上がより望まれる。
【0014】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、交換可能なインクカートリッジ交換後の
記録の最適化を容易に図ることの可能なインクカートリ
ッジを提供することを目的とする。特に、精度の高いイ
ンクの残量検知が達成できるインクカートリッジを提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクカー
トリッジは、記憶メモリを備えており、該記憶メモリに
はインク残量検出に利用されるインク温度と検知電圧に
関するデータをテーブルとして有することを特徴とす
る。
【0016】また、本発明に係るインクカートリッジ
は、記憶メモリを備えており、該記憶メモリにはインク
残量検出に利用されるインク温度を変数とした検知電圧
の関数データを有することを特徴とする。
【0017】
【0018】(作用)上記構成によれば、インクカート
リッジにデータが予め備えられているためユーザによる
操作を必要とすることなく、インクカートリッジ交換後
の記録の最適化を容易に図ることが可能となる。
【0019】また、インクカートリッジが交換されたこ
とを検知すると、インクジェット記録装置に備えられた
制御機構によってデータに応じた最適な制御が成される
ので、ユーザによる操作を必要とすることなく、インク
カートリッジ交換後の記録の最適化を容易に図ることが
できる。特に、インクの残量検知に関して精度の良い測
定が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1〜3は本発明の一実施例であるインク
ジェット記録装置のメイン制御を示すフローチャートで
あり、図1〜3を用いてメイン制御の概要を説明する。
【0022】電源ONされて、装置はステップS1で装
置のイニシャルチェックを行う。このチェックは本装置
のROMとRAMのチェック、つまり、プログラムやデ
ータをチェックして装置が正常に動作できるか確認する
ものである。ステップS2で温度センサー回路の補正値
を読み込む。ステップS3で初期ジャムチェックをす
る。この実施例では、前ドアーが閉じられたときもステ
ップS3で初期ジャムチェックをする。ステップS4
で、次のステップにおいて記録ヘッドの情報を読むに当
たって必要な装置側のチェックを行う。ステップS5
で、記録ヘッドに内蔵されているROMのデータを読み
込む。次に、ステップS6でイニシャルデータ設定をす
る。
【0023】ステップS7で初期20℃温調をスタート
し、ステップS8で回復動作判断〔1〕(電源ON時に
吸引回復動作を行うかどうかの判断)を行う。以上まで
がウエイト状態までのシーケンスフロー説明である。
【0024】次に、スタンバイ状態のシーケンスフロー
説明を行う。ステップS9で20℃温調を行い、ステッ
プS10でスタンバイ空吐出を行う。ステップS11で
給紙無しか調べる。給紙無しならばステップS21へ進
む。ステップS12でクリーニングボタンが押されたか
チェックし、押されていたら、ステップS13でクリー
ニング動作を行う。ステップS14でRHSボタンが押
されていれば、ステップS15でRHSモードフラグを
セットする。ここで、RHSとは記録ヘッドの濃度むら
を補正するヘッドシェーディング処理をいい、印字した
パターンの濃度むらを読み取り部(リーダー)によって
読み取り、濃度むらを補正する。
【0025】ステップS16で手差し給紙された場合
は、ステップS17で手差しフラグをセットし、コピー
開始シーケンスであるステップS22へと進む。ステッ
プS18でOHPボタンがONされれば、ステップS1
9でOHPモードフラグをセットし、ONされていなけ
ればステップS20でOHPモードフラグをリセットす
る。ステップS21でコピーボタンが押されれば、コピ
ー開始シーケンスであるステップS22へと進む。一
方、押されていなければステップS9へ戻る。ステップ
S13で、クリーニング動作が終了したときもステップ
S9へ戻る。
【0026】次に、コピーシーケンスの説明を行う。ス
テップS22で機内昇温を抑えるファンを回転させ、ス
テップS23で25℃温調をスタートする。ステップS
24で給紙無しか調べ、給紙無しならばステップS25
で空吐出〔1〕(N=100)を行い、ステップS29
へ進む。ここで、Nは空吐出の回数を示す。ステップS
26で回復動作判断〔2〕(給紙前に吸引回復動作を行
うかどうかの判断)をし、次のステップS27で給紙を
する。ステップS28で紙幅、紙種検知動作を行う。ス
テップS29で画像移動をするか調べ、画像移動を行う
ならばステップS30の副走査移動(用紙移動)を行
い、画像移動をしないならばステップS31へ進む。ス
テップS31で書き込みヘッドの温度が25℃以上にな
っているか調べる。25℃以上になっていればステップ
S32で回復動作判断〔3〕(非キャッピング状態での
インクの蒸発量に基づいて、回復動作を行うかどうかの
判断)をし、ステップS33で1ライン分の記録動作を
行う。その後、ステップS34で回復動作判断〔6〕
(ワイピングタイミングに基づいて、回復動作を行うか
どうかの判断)を行い、ステップS35で用紙搬送す
る。
【0027】ステップS36では記録動作が終了したか
調べる。終了していれば、印字枚数等のデータをヘッド
のROMに書き込んだ後、ステップS37へ進む。終了
してなければステップS31へ戻る。ステップS37で
はスタンバイ状態へ移るかどうか調べ、スタンバイ状態
移行ならばステップS38へ進む。
【0028】ステップS38以降は、排紙動作及び1枚
印字後の回復動作判断〔4〕(印字泡の除去、液室内気
泡の除去、異常高温時の冷却、回復)を行うルーチンで
ある。ステップS38では排紙動作の有無を調べる。排
紙動作がなければ、ステップS39,S40,S41で
45℃以下に下がるのを待ち、2分以内に下がらなけれ
ばステップS42で異常を停止する。45℃以下になれ
ば、ステップS50でワイピング動作をし、ステップS
43で空吐動作(N=50)をして、次のステップS4
8でキャッピングをする。排紙動作があればステップS
44で排紙動作をする。ステップS45で連続印字か調
べ、連続印字ならステップS47の回復動作判断〔4〕
の後、ステップS24へと戻る。連続印字でなければ、
ステップS46の回復動作判断〔4〕を行い、判断後
に、排紙無しの場合と同様にステップS48でキャッピ
ングを行う。そして、ステップS49でファンを停止し
てステップS9へと戻り、コピー動作終了となる。
【0029】図4は、ステップS3の初期ジャムチェッ
クルーチンの詳細を示すフローチャートである。このル
ーチンは電源ON直後のジャム検知である。ステップS
201からステップS204において、それぞれ給紙セ
ンサー、排紙センサー、紙浮き検知センサー、紙幅セン
サーによって、記録用紙等が搬送路中やキャリッジ近く
にないかを調べる。あれば、ジャムと判断して警告を発
し、なければ、メインフローに戻る。
【0030】図5は、ステップS5のヘッド情報読み込
みルーチンの詳細を示すフローチャートである。ステッ
プS301で書き込みヘッドの持つヘッド固有のシリア
ルNoの読み込みをし、そのシリアルNoの値がFFF
FHか調べる(ステップS302)。シリアルNoがF
FFFHならば、ステップS304でヘッドなしと判断
してエラーとなる。シリアルNoがFFFFHでなけれ
ば、ステップS303でヘッドのもつ色情報を読み取
る。ステップS305で、そのヘッドが色ごとに指定さ
れている正規の位置に装着されているかを色情報から調
べ、正しく装着されていればステップS306へ、誤装
着していればステップS307へ進む。
【0031】ステップS306では残りのヘッド情報
(印字パルス幅、温度センサー補正値、印字枚数、ワイ
ピング回数等)を読み取り記憶する。ステップS308
では、装着されている書き込みヘッドが新しいものか
を、ヘッドのシリアルNoを比べることにより調べる。
ヘッドのシリアルNoは常にバックアップRAMに保存
してあり、ヘッドから読み込んだデータと比較すること
ができる。両者の値が異なれば新規ヘッドが装着され、
値が等しければヘッドは交換されていないと判断でき
る。本実施例ではBk、C、M,Yの色についてそれぞ
れおこなう。新規のヘッドでなければヘッド情報読み込
みルーチンは終了である。新規のヘッドであれば、ステ
ップS309で新規のヘッド情報を装置内のメモリに記
憶し、新規ヘッドが装着されていることを示すフラグ
(またはデータ)をメモリにセットする。次に、ステッ
プS310で書き込みヘッドのHSデータ(シェーディ
ング情報)を読み込み、ステップS311でこの新規ヘ
ッドが使用開始した時刻を装置内の時計からヘッド内不
揮発メモリに書き込み、ヘッド情報読み込みルーチンを
終了する。
【0032】次に、印字過程での回復動作(吸引・空吐
出・ワイピング)について説明する。
【0033】(回復動作判断〔1〕)図6はステップS
8の回復動作判断〔1〕のルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。ステップS501で記録装置に新しい
記録ヘッドが装着されているか調べ、新規ヘッドが装着
していればステップS502の回復動作〔6〕(新カー
トリッジ吸引回復)へ進む。その後、ステップS514
のインク残量検知へ進み、回復動作判断〔1〕を終了す
る。
【0034】新規ヘッドが装着してなければ、ステップ
S503で記録ヘッドがキャッピングされていたか調べ
る。キャッピングしていればステップS505へ、キャ
ッピングしていなければステップS504で1時間以上
キャッピングしていなかったか調べる。キャッピングを
せずに1時間放置するとヘッドのノズルが増粘するた
め、回復動作が必要である。非キャッピング状態が1時
間以内であればステップS505へ進む。ステップS5
05では装置を動作させていて、最後に吸引動作をして
から3日過ぎている調べ、3日過ぎていれば回復動作が
必要である。ステップS506では装置を動作させてい
て、最後に空吐動作をしてから10日過ぎているか調
べ、10日過ぎていれば回復動作が必要である。以上の
どれかの条件が揃った場合、ステップS507の回復動
作〔3〕(タイマー吸引回復)へ進む。
【0035】ステップS508で、ヘッド温度が45℃
以上(異常高温)ならばステップS509でファンを回
転し、ステップS510の異常高温チェックへと進む。
異常高温チェック終了後はステップS511でファンを
停止して、ステップS512へ進む。45℃以下ならば
直接ステップS512へと進む。ステップS512はイ
ンクの不吐出を検知する不吐検知動作である。その後、
ステップS513で、キャッピングを行う。ステップS
514でインク残量検知を行い、回復動作判断〔1〕の
ルーチンを終わる。
【0036】(不吐出検知動作)図7は、S512の不
吐出検知動作ルーチンの詳細を示すフローチャートであ
る。ステップS601で温調/PWM制御を停止して、
ステップS602でヘッド温度の安定待ちを行う。ステ
ップS603で動作前のヘッド温度を測定をし、ステッ
プS604で短パルス加熱を行う。この短パルス加熱と
は、吐出しない程度の小さな駆動パルス幅にて加熱を行
うことをいう。これはステップS605で空吐出〔5〕
を行う(N=2000,PWM制御をせず,パルス幅固
定のダブルパルスで行う)。ステップS606で動作後
のヘッド温度を測定し、ステップS607で動作前後の
ヘッド温度上昇値を判断する。もし、ヘッド温度上昇値
が所定値を越えているならば、記録ヘッドが不吐出して
いると判断し、ステップS608の回復動作〔7〕(不
吐出検知吸引回復)へ、不吐出でなければステップS6
09に進んで空吐出〔4〕を2000発する。
【0037】ここで、不吐出検知方法について説明す
る。本方法はヘッドの吐出状態が正常に行われているか
どうかを検知する方法であるが、本装置本体においては
特に電源ON時に行う。
【0038】まず、本方法の原理について説明する。本
記録では熱エネルギーによりインクを吐出させる。その
際発生する熱の大部分は、吐出するインク滴と共にヘッ
ドの外部へ出て行く。そのため駆動の際のかなりの大き
さの熱エネルギーが発生するにもかかわらず、ヘッドの
温度はそれほど上昇しない。しかしながら、一部のノズ
ルが吐出しない状態(不吐出)があると、発生するエネ
ルギーがインク滴と共に外部に出て行かないため、正常
な場合に比べて、ヘッド温度がより上昇する。そこで、
ある一定の発数の吐出の前後でヘッドの温度を温度セン
サーにより検知し、上昇温度が基準の値を越えたら不吐
出があったとみなす。
【0039】具体的には、まず、サブヒーターによるヘ
ッドの温調をやめ、ヘッド温度を測定しメモリする。次
に、短パルス加熱を行う。これは吐出しない程度の小さ
な駆動パルス幅をノズル内ヒーターに加えることで、ノ
ズル部の増粘しているインクの粘度を低下させるもので
ある。駆動法はダブルパルスで行い、プレパルスもメイ
ンパルスも1μsecの固定パルスとして、連続的に駆
動させる。次に、4KHzの空吐出を2000発行う。
ここでの駆動法はPWM制御を行わず、固定値によるダ
ブルパルスとする。これは、不吐出検知の際のヘッドに
与える熱エネルギーを一定にするためである。最後に、
ヘッドの温度を測定し、上昇温度を計算し、この値が基
準値に対して大きければ、ヘッドに不吐出があると検知
する。
【0040】(異常高温チェック)図8はステップS5
10の異常高温チェックルーチンの詳細を示すフローチ
ャートである。ステップS701で3回吸引動作カウン
ターセット、ステップS702で2分タイマーセットし
た後、ステップS703で記録ヘッドの温度が45℃以
上あるか調べる。温度が45℃以上あればステップS7
05に進み、温度が45℃未満であればステップS70
4で回復動作
〔9〕をする。
【0041】ステップS705では記録ヘッドの温度が
60℃以上あるか調べる。温度が60℃以上あれば、ス
テップS706で本装置が吸引動作を3回以上したか調
べ、吸引動作が3回未満の場合ステップS707で本装
置は回復動作〔8〕(高温印字吸引回復)を行う。その
後、ステップS708で3回吸引動作カウンターを減算
し、ステップS709で約20秒ウエイトする。このウ
エイトをすることで、高温になっているヘッド温度が下
がるのを待つ。ステップS706で本装置が吸引動作を
3回以上した場合、及び2分以上45度から下がらない
場合(ステップS710)には、ステップS711で本
装置は異常停止をする。
【0042】(回復動作判断〔2〕)図9はステップS
26の回復動作判断〔2〕ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。ステップS801では、本装置が回復
動作してから3日以上印字しているか調べ、3日以上印
字していればステップS802の手差しチェックをす
る。手差しでなければ、ステップS806で回復動作
〔3〕をする。その後、ステップS807でインク残量
検知を行い、回復動作判断〔2〕ルーチンを終了する。
手差しであれば、ステップS804で手差しを解除して
回復動作〔3〕(ステップS805)をし、メインルー
チンのステップS9の20度温調へ戻る。
【0043】ステップS801にて吸引して3日未満で
あれば、ステップS803で空吐出〔1〕(N=10
0)を行い回復動作判断〔2〕ルーチンを終わる。
【0044】(回復動作判断〔3〕)図10はステップ
S32の回復動作判断〔3〕ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。ステップS901で給紙直後か判断
し、給紙直後ならば、カセット給紙と手差し給紙とで、
空吐出の発数を変えて行う。つまり、空吐出〔1〕の発
数をカセットでは10発、手差しでは15発とする(ス
テップS902,S903,S904)。その後、空吐
カウンタとワイピングカウンタとをリセットする(ステ
ップS905,S906)。
【0045】給紙直後でない場合、ステップS907で
空吐カウンターがN回(本実施例ではN=2)かどうか
調べる。N回ならステップS908で空吐出を5発し、
カウンターをリセット(ステップS909)して、回復
動作判断〔3〕ルーチンを終わる。カウンターがNでな
ければ、ステップS910でカウンターを加算して終了
する。
【0046】(回復動作判断〔6〕)図11はステップ
S34の回復動作判断〔6〕ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。ステップS1001でワイピングが
M回(本実施例ではM=10)かどうか調べる。M回な
らステップS1002でワイピング動作を行い、空吐出
〔1〕を100発行った後、カウンターをリセットして
(ステップS1003,1004,1005)、回復動
作判断〔6〕ルーチンを終わる。カウンターがMでなけ
れば、カウンターを加算して終わる。
【0047】(回復動作判断〔4〕)図12はステップ
S47の回復動作判断〔4〕ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。
【0048】ステップS1101で印字中の温度が50
℃より高いか、または印字後45℃を越えたかにより
(ステップS1102)、ステップS1103の異常高
温CHECKへと進む。ステップS1104で枚数カウ
ンターが10枚かどうか調べ、10枚なら回復動作
〔4〕(印字後吸引回復)をする(ステップS110
5)。10枚でなければステップS1106でワイピン
グを行い、空吐出〔2〕(N=50)を行い(ステップ
S1107)、回復動作判断〔4〕を終える。
【0049】(タイマー吸引回復)図13はタイマー吸
引回復(回復動作〔3〕)ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。この回復モードの目的は、吸引回復動
作が行われない状態が長い間続いた場合、ヘッドの液室
内のインクが増粘し、さらにヘッドの液室内に気泡が発
生し増大することで正常な吐出ができなくなる場合があ
るため、それを防止することである。そのため、最終吸
引後のある一定時間、空吐出後の一定時間、及び非キャ
ップ状態で一定時間経過したことを判断して行う回復動
作である。
【0050】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去し、増粘インクを排除する。さらに吸引と同時
に吐出を行う。これは吸引のみで発生する負圧に対し
て、吐出の際に瞬間的な負圧が加わるため液室内の気泡
の除去を容易にしている。さらに吐出の際の気泡を発生
させる手段として電気熱変換体が駆動されるため、各液
路部のインク温度が上昇し粘度を低下させ、かつ表面張
力を低下させるため、一層液路内の流路抵抗が小さいも
のとなり気泡の除去がさらに容易なものとなる。
【0051】具体的には、チューブポンプによりある程
度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生させ、最大負
圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周波数で吐出
させる。ただし、ノズル列の端部側においては液室内の
インクの流れが悪いためインクの濃度が高くなるため、
中央に比べて吐出発数を多くすることで回復後の印字で
各ノズルの濃度を一定にしてインク増粘による濃度むら
を防止する。吸引圧はそのポンプの最大圧に設定した。
吸引保持時間は2.5秒でその時の吸引量は0.17g
程度である。吐出数は中央部で1000発、端部で30
00発とした。吸引後はゴムブレードによりヘッドのオ
リフィス面をワイピングし、その後、空吐出を行う。
【0052】(印字後吸引回復)図14は印字後吸引回
復(回復動作〔4〕)ルーチンの詳細を示すフローチャ
ートである。この回復モードの目的は、印字動作状態が
長い間続いた場合、吐出によりヘッドの液室内に気泡が
発生し増大することで正常な吐出ができなくなる場合が
あるため、それを防止することである。そのため、最終
吸引後からのある一定枚数の印字後に行う回復動作であ
る。
【0053】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去する。さらに吸引と同時に吐出を行う。これは
吸引のみで発生する負圧に対して吐出の際に瞬間的な負
圧が加わるため、液室内の気泡の除去を容易にしてい
る。特に、印字直後に行うため各液路部のインク温度が
上昇し粘度が低下しており、かつ表面張力も低下してい
るため、液路内の流路抵抗が小さく気泡の除去がさらに
容易なものとなる。
【0054】具体的には、チューブポンプによりある程
度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生させ、最大負
圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周波数で吐出
させる。吸引圧はそのポンプの最大圧より小さめに設定
した。これは、印字直後であるためインクの粘度が小さ
く、ポンプの圧力を大きくしなくとも十分気泡をとるこ
とが可能であり、また必要以上にインク消費量を増やさ
ずにすむためである。吸引保持時間は2.5秒でその時
の吸引量は0.12g程度である。吐出数は各ノズル共
100発とした。吸引後はゴムブレードによりヘッドの
オリフィス面をワイピングし、その後、空吐出を行う。
【0055】(新カートリッジ吸引回復)図15は、新
カートリッジ吸引回復(回復動作〔6〕)ルーチンの詳
細を示すフローチャートである。この回復モードの目的
は、パッケージから取り出された新しいカートリッジが
本体に装着された場合、各種物流の環境等によってヘッ
ドの液室内のインクが増粘し、さらにヘッドの液室内に
気泡が発生し増大することで、正常な吐出ができなくな
る場合が想定されるため、それを防止することである。
そのため、新カートリッジが本体に装着されたことが認
識されたときに行う回復動作である。
【0056】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去し、増粘インクを排除する。さらに吸引と同時
に吐出を行う。これは、吸引のみで発生する負圧に対し
て、吐出の際に瞬間的な負圧が加わるため液室内の気泡
の除去を容易にしている。さらに吐出の際の気泡を発生
させる手段として電気熱変換体が駆動されるため、各液
路部のインク温度が上昇して粘度を低下させ、かつ表面
張力を低下させるため、一層液路内の流路抵抗が小さい
ものとなり、気泡の除去がさらに容易なものとなる。ま
た、最悪の場合、通常の回復時に比べて、ノズルや液室
内部の増粘は著しいものとなるため、吸引と同時に行う
吐出は通常の回復モードに比べて多く設定してある。
【0057】具体的には、図59のチューブポンプをヘ
ッドキャッピング状態で加圧コロを(K)位置より回転
を開始し、(L)位置までチューブを加圧する事によ
り、ある程度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生さ
せ、最大負圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周
波数で吐出させる。ただし、ノズル列の端部側において
は液室内のインクの流れが悪くインクの濃度が高くなる
ため、中央に比べて吐出発数を多くすることで回復後の
印字で各ノズルの濃度を一定にしてインク増粘による濃
度むらを防止する。吸引圧はそのポンプの最大圧に設定
した。吸引保持時間は2.5秒でその時の吸引量は0.
17g程度である。吐出数は中央部で2000発、端部
で6000発とした。吸引後はゴムブレードによりヘッ
ドのオリフィス面をワイピングし、その後、空吐出を行
う。
【0058】(不吐出検知吸引回復)図16は不吐出検
知吸引回復(回復動作〔7〕)ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【0059】(高温印字後吸引回復)図17は高温印字
後吸引回復(回復動作〔8〕)ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。この回復モードの目的は、高du
tyな印字状態が長い間続いた場合等、ヘッド内のイン
クの温度の上昇で正常な吐出ができなくなる場合がある
ため、それを防止することである。そのため、ヘッド内
の温度がある一定以上の値になった場合に行う回復動作
である。
【0060】ポンプにより吸引を行うことで液室内の高
温インクを排出する。この時、このモード以外の回復動
作においては、さらに吸引と同時に吐出を行うが、本モ
ードにおいては吐出に伴うインク温度の上昇を防止する
ため、あえて行わない。各液路部のインク温度が上昇し
粘度が低下しており、かつ表面張力も低下しているた
め、液路内の流路抵抗が小さく、小さい圧力で高温イン
クを低温インクに置換できる。吸引圧はそのポンプの最
大圧より小さめに設定した。これは、印字直後であるた
めインクの粘度が小さく、ポンプの圧力を大きくしなく
とも十分に、また必要以上にインク消費量を増やさずに
すむためである。
【0061】具体的には、図59のチューブポンプをヘ
ッドキャッピング状態で加圧コロを(K)位置より回転
を開始し、(M)位置までチューブを加圧する事により
少な目の負圧をヘッドの液室内に発生させ、吸引保持時
間は2.5秒でその時の吸引量は0.12g程度であ
る。吸引後はゴムブレードによりヘッドのオリフィス面
をワイピングする。
【0062】(高温印字後回復)図18は高温印字後回
復(回復動作
〔9〕)ルーチンの詳細を示すフローチャ
ートである。この回復動作は異常高温動作ルーチンから
戻る場合のルーチンである。ノズル内のインク温度を上
昇させる事は、次の印字に際し悪影響となるので、ワイ
ピング後の空吐出を空吐出〔2〕とする。通常の空吐よ
りもより昇温を押さえるために500Hzで吐出を行
い、全くヘッドの温度上昇をさせない。
【0063】(回復スイッチ)図19は、回復スイッチ
ルーチン(回復動作〔10〕)の詳細を示すフローチャ
ートである。この回復モードの目的は、本装置における
シーケンス上の回復モードが行われているのにも拘ら
ず、万一、ヘッドの吐出が正常に行われない場合、ユー
ザーの判断により回復スイッチが押された時に、ヘッド
の吐出を正常な状態に回復させることである。通常は使
用されることはないが、もし使用された場合には、確実
に回復させるために、他の回復モードに比べて強力にし
ている。
【0064】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去し、増粘インクを排除する。さらに吸引と同時
に吐出を行う。これにより、吸引のみで発生する負圧に
対して吐出の際に瞬間的な負圧が加わるため、液室内の
気泡の除去を容易にしている。さらに、吐出の際の気泡
を発生させる手段として電気熱変換体が駆動されるた
め、各液路部のインク温度が上昇して粘度を低下させ、
かつ表面張力を低下させるため、一層液路内の流路抵抗
が小さいものとなり、気泡の除去がさらに容易なものと
なる。また、回復性能を確実なものとするため、このモ
ードではスイッチが1回押されたら、吸引動作を2回繰
り返して行われる。
【0065】具体的には、図59のチューブポンプをヘ
ッドキャッピング状態で加圧コロを(K)位置より回転
を開始し(L)位置までチューブを加圧する事により、
ある程度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生させ、
最大負圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周波数
で吐出させる。ただし、ノズル列の端部側においては液
室内のインクの流れが悪くインクの濃度が高くなるた
め、中央に比べて吐出発数を多くすることで回復後の印
字で各ノズルの濃度を一定にして、インク増粘による濃
度むらを防止する。吸引圧はそのポンプの最大圧に設定
した。吸引保持時間は2.5秒でその時の吸引量は0.
17g程度である。吐出数は中央部で2000発、端部
で6000発とした。
【0066】吸引後はゴムブレードによりヘッドのオリ
フィス面をワイピングし、吸引したインクはチューブポ
ンプの加圧コロを(L)位置から2回転し、(K)位置
で停止させる事で排インク吸収体へと送られる。その
後、空吐出を行う。この後、さらに上記動作を繰り返し
て行う。
【0067】図20は空吐出〔1〕から空吐出〔5〕、
スタンバイ空吐出の詳細を示すフローチャートである。
【0068】(空吐出〔1〕)この空吐出〔1〕は印字
中、スタンバイ中、及びワイピング後に全ノズルを吐出
させて行う。最大駆動周波数の4KHzに対して吐出周
波数を1KHzとしているのは、ノズル部の昇温を伴わ
ない、安定した吐出状態だからである。
【0069】(空吐出〔2〕)この空吐出〔2〕(パタ
ーン空吐出)の目的は、ノズル内に発生する微小な気泡
を除去することである。なぜなら、ノズル内に気泡があ
ると、正常な発泡ができなくなるからであり、また、微
小な気泡を放置して置くと気泡どうしが合体して大きな
気泡となり、ノズル内を塞いで不吐出を引き起こすから
である。
【0070】ところで、ノズル内の微小気泡を除去する
方法として吸引が考えられるが、吸引は吐出量に比べイ
ンクの消費量が多く、また動作時間が長いという問題が
ある。そこで、本空吐出方法が有効となる。即ち、気泡
は印字中に発生するため、印字直後に除去することが望
ましいが、吸引動作は比較的時間が長いため記録時間が
長くなり、またランニングコストも大きなものとなるか
らである。
【0071】ここで本空吐出方法について説明する。通
常ノズル内に気泡があると、そのノズルから吐出しても
その気泡はなかなか除去できない。しかしながら、気泡
除去を目的とするノズルに対して隣接するノズルを断続
的に吐出させると、気泡はノズルから排出される。
【0072】具体的には、はじめに奇数ノズルだけを1
KHzで50発吐出させ、次に偶数ノズルを1KHzで
50発吐出させる。これを1サイクルとして、確実に気
泡を除去するために2サイクル行う。
【0073】(空吐出〔3〕)この空吐出〔3〕は吸引
と同時か、不吐出検知の際に全ノズルの吐出により行
う。最大駆動周波数の4KHzとした理由は、吸引と同
時の場合はノズル部の温度が高くなり、増粘インクを低
粘度化させ、かつ液室内の流速を最大にすることで吸引
性を上げるためであり、不吐出検知の場合は検知精度を
上げるためである。
【0074】(空吐出〔4〕)比較的長い間、吐出や吸
引回復を行わないとヘッドの液室の壁側から内部に向か
ってインクが増粘していく。ヘッドの端部側のノズルは
液室の壁に近いため、放置後に回復無しで印字を行う
と、ヘッドの端部が濃くなる。そこで、この空吐出
〔4〕は、端部ノズルだけ吐出させることで全ノズルの
インク濃度のむらをなくすことが目的である。
【0075】具体的には、ヘッドの駆動を複数のノズル
に対してBLOCK毎に分割駆動しているため、ヘッド
の端部である1BLOCKと16BLOCKを4KHz
で吐出させる。
【0076】(空吐出〔5〕)この空吐出〔5〕は、異
常高温吸引回復動作後のワイピング後に全ノズルを吐出
させて行う。通常ワイピング後の吐出周波数は1KHz
であるが、より一層ノズル部の昇温を伴わない為に駆動
周波数を500Hzとし、安定した吐出を行う。
【0077】(スタンバイ空吐出)この空吐出はスタン
バイ中に行うものであり、1時間毎に行う。目的は、ス
タンバイ中のノズル内及び液室内のインクの増粘を防止
するためであり、コピースイッチが押されたらすぐに濃
度むらのない安定した印字を可能にするためである。具
体的には空吐出〔1〕(N=50)を行う。
【0078】なお、上述した各吸引動作後には、10日
タイマー及び3日タイマー、コピー枚数カウンターをリ
セットする。また、各空吐出動作後には、10日タイマ
ーをリセットする。
【0079】(ワイピング動作)図57はワイピング動
作ルーチンのフローである。ステップS5401でキャ
リッジをスタート位置まで移動させる。ステップS54
02でワイピングブレードを上げる。ステップS540
3でキャリッジをワイピング位置へ移動させる。この移
動の際、キャリッジに搭載されている記録ヘッドのノズ
ル部がワイピングブレードでふかれる。キャリッジがワ
イピング位置で停止したのち、ステップS5404でワ
イピングブレードを下げる。
【0080】図58はワイピング動作の説明図である。
図58(A)はキャリッジがスタート位置でワイピング
ブレードを上げた様子を示す。図58(B)はキャリッ
ジがスタート位置からワイピング位置へ移動している様
子を示す。図58(C)はキャリッジがワイピング位置
でワイピングブレードを上ったままの様子を示す。図5
8(D)はキャリッジがワイピング位置でワイピングブ
レードを下げたときの様子を示す。
【0081】ここで、ヘッドROMの使用方法について
詳しく説明する。
【0082】(駆動設定)本実施例で用いている装置
は、交換可能なヘッド(カートリッジタイプ)を使用し
ており、ユーザーがいつでもヘッドを交換できる利点を
有するものである。このため、サービスマン等による装
置の細かな調整は期待できない。また、この交換可能な
ヘッドは、大量生産によって供給されるため、個々のヘ
ッドが、前記したヒーターボ-ド(H・B)の面積、抵
抗値、膜構造など製造工程上のバラツキによって異なる
特性を持っている。よってより安定に高い画質を得るた
めには、上記特性のバラツキを補正する必要がある。
【0083】この様なヘッド毎の駆動条件設定の違いを
補正する方法として、ROM情報の読み込みによる補正
や、ヘッドの吐出穴径の分布による1ヘッド内での吐出
量バラツキによる濃度ムラを補正する方法(H・Sデー
タの読み込み)を行う。
【0084】この様な補正をヘッド毎に行わない場合に
は、吐出特性の中でも特に吐出速度、方向(着弾精
度)、吐出量(濃度)、吐出安定性(リフィル周波数・
ムラ・ヌレ)などが適正化されない。このため安定した
画像が得られないばかりか、印字中に発生する不吐出や
ヨレによって著しい画像の乱れが発生する。
【0085】また、特にフルカラー画像は、シアン・マ
ゼンタ・イエロ-・ブラックの4つのヘッドによって形
成されるため、1色でも標準状態と違った吐出量や制御
特性を持ったヘッドで印字すると画像に支障を来す。中
でも吐出量のバラツキは、全体のカラ-バランスが崩れ
るため色味の変化や色再現性が低下(色差の増大)し、
画質を低下させてしまう。ブラック、レッド、ブル-、
グリ-ン等の単色画像においては、濃度変動を起こすこ
とになる。また、制御特性のバラツキは、中間調再現性
を変えてしまう。よって本実施例では、これらの吐出特
性のバラツキの補正を行う。
【0086】まず、本実施例における印字方法について
詳しく説明する。
【0087】(印字方法)本実施例では、ヘッド駆動方
法及び印字方法に特徴を持たせている。ヘッド駆動には
分割パルス幅変調(PWM)駆動法を用いている。Vop
は、図60に示すように、H・B上に熱エネルギーを発
生させるために必要な電気エネルギ-を与えるための電
気的エネルギ-であり、H・Bの面積・抵抗値・膜構造
やヘッドのノズル構造によって決まる。P1 はプレヒー
トパルス幅、P2 はインターバルタイム、P3 はメイン
ヒートパルス幅を示している。T1 ,T2 ,T3 はプレ
ヒートパルスの立ち上がりからの時間であり、それぞれ
P1 ,P2 ,P3 を決めるための時間を示している。
【0088】分割パルス幅変調駆動法は、P1 ,P2 ,
P3 の順にパルスを与える。P1 はプレヒートパルスで
主にノズル内のインク温度を制御するためのパルス幅で
あり、ヘッドの温度センサーを利用した温度検知によっ
てP1 のパルス幅を制御する。この時H・B上に熱エネ
ルギーを加えすぎてプレ発泡現象が発生しないようにし
ている。
【0089】P2 はインターバルタイムでプレヒートパ
ルスP1 とメインヒートパルスP2が相互干渉しないよ
うに一定時間の間隔を設けるためと、ノズル内インクの
温度分布を均一化する働きがある。P3 はメインヒート
パルスで、H・B上に発泡現象を発生させノズル穴より
インク滴を吐出させる。これらのパルス幅は,H・Bの
面積,抵抗値,膜構造やヘッドのノズル構造,インク物
性によって決まる。
【0090】本実施例では、図61に示すようなヘッド
構造を持つヘッドを用いている。ヘッド温度TH =2
5. 0(℃)の環境で、Vop=18. 0(V)の時に、
P1 =1. 867(μsec )で、P3 =4. 114(μ
sec )のパルスを与えると最適な駆動条件となり、安定
したインク吐出状態が得られる。この時の吐出特性は、
インク吐出量Vd =30. 0ng/ dot、 吐出速度
V=12. 0m/secであった。ちなみに、ヘッドの
最高駆動周波数はfr =4.0KHzであり、400d
piの解像度をもち、128ノズルを16Blockに
分割して1Blockから順次駆動している。本実施例
でのヘッドは、ヘッド毎の特性を記録したROMを有し
ており、この情報を本体に読み込ませることによって個
々のヘッドの特性のバラツキを補正させる様にしてい
る。
【0091】このヘッド毎の吐出特性バラツキを補正
し、最適な画像形成を行うための方法を以下に示す。ヘ
ッドを搭載した本体に電源を投入した時に、ヘッドのR
OMにヘッドの製造時に記憶させた情報(ROM情報)
を本体側に読込む。このとき、ヘッドID番号,色情
報,TA1(印字パルス幅に対応するヘッドの駆動条件テ
-ブルポインタ),TA3(PWMテ-ブルポインタ),温
度センサ補正値,印字枚数,ワイピング回数などの情報
を読み取る。ここで読み取ったテ-ブルポインタTA1に
従って、本体側では後述する分割パルス幅変調駆動制御
法のメインヒートパルス幅:P3 の値を求める。
【0092】図62にテーブルポインタ:TA1とTA1か
ら求めたメインヒートパルス幅:P3 との関係を示す。
【0093】(1) TA1の決定:ヘッドの製造時に、
予め各ヘッドの吐出特性測定を標準駆動条件(ヘッド温
度:TH=25.0 (℃)の環境下で駆動電圧:Vop=1
8.0( V ) の時にP1 =1.87( μsec )でP3 =
4.114( μsec ) のパルス印加)で行っておき、各
ヘッドに最適な駆動条件を決めて、ヘッドのROMに情
報として記憶させておく。
【0094】(2) 駆動条件設定:本体側では分割パ
ルス幅駆動時の各パルス幅プレヒートパルス幅:P1 、
インターバルタイム幅:P2 、メインヒートパルス幅:
P3 を設定するためにプレヒートパルスの立ち上がり時
からの時間を、図60に示すようにT1 、T2 、T3と
しておきT3(T3 =8.602 μsec )の値は本体上で最初
から固定しておく。ヘッドより読み込んだポインタによ
って与えられるパルス幅条件T2 :TA1(例えばTA1=
4.488 μsec )の値によってP3 (P3 =T3 -T2 =
4.114 μsec )を決定している。
【0095】以上のように、ヘッドのROM内に記憶し
ているヘッド駆動条件設定用テーブルポインタTA1を情
報として読み込み、本体側の設定条件(駆動条件)を変
えることで、ヘッド毎の吐出特性バラツキを補正するこ
とが可能となり、交換可能なヘッドを用いた場合であっ
ても簡単にカラー画質の安定化が図れるようになった。
【0096】(PWMによる補正法)ここでは、本実施
例で用いているヘッド毎の吐出量バラツキを補正し、最
適な画像形成を行うための方法であるPWM制御方法を
更に有効に利用するための方法について述べる。
【0097】PWMの制御条件は、ヘッドの装着された
本体に、電源を入れたときに本体側に、ヘッドのROM
情報としてID番号・色・駆動条件・HSデータととも
に読み込まれる。本実施例では、PWMの制御条件とし
てテーブルポインタ:TA3を読みとる。後述する様に、
この番号TA3はヘッドの吐出量(VDM)に対応した番号
が付けられており、読み込まれたTA3に従って、本体側
ではPWMのプレヒートパルス幅:P1 の上限値を決め
る。
【0098】次にPWMによる補正法を順に説明する。
【0099】(1)テ-ブルポインタTA3の決定:予
め、ヘッドの製造時に行程上で各ヘッドの吐出量測定を
標準駆動条件(ヘッド温度:TH=25.0 (℃)の環境
下で駆動電圧:Vop=18.0( V ) の時にP1 =1.
87( μsec )でP3 =4.114( μsec ) のパルス
印加)で行い、その値を測定吐出:VDMとする。次に,
標準吐出量:VD0=30.0(ng/dot)との差を
△V=VD0-VDMとして求める。
【0100】この△Vから図63に示す如く、△Vの値
とテ-ブルポインタ:TA3との関係を求めた。このよう
に吐出量の多少量によってランク分けし、ヘッドごとの
TA3をそれぞれのROMに情報として記憶させておく。
【0101】△Vからテ-ブルを作成する場合には、後
述する分割パルス幅変調駆動法で制御可能なプレヒ-ト
パルス幅P1 の1テ-ブルの変化分:△VP と同じにす
る必要がある。つまり、後述する様にプレヒ-トパルス
幅P1 によってヘッドの吐出量補正を行っているためで
ある。
【0102】(2)テ-ブルポインタの読み込み:先に
示した(1)の様にして、ヘッドのROM内に記憶させ
た情報を持つヘッドをインクジェット記録装置本体に装
着し、電源ON時に図5で示す様なシ-ケンスに従っ
て、ヘッドROM内に記憶された情報を本体側のSRA
Mに記憶させる。
【0103】(3)PWM制御のテ-ブル決定: 1.吐出量の多いヘッドでは、25.0℃の時のプレヒ
-トパルス幅P1 の値を標準駆動条件(P1 =1.86
7μsec )より短くして吐出量を少なくし、標準吐出量
VD0に近づける。 2.吐出量の少ないヘッドでは、25.0℃の時のプレ
ヒ-トパルス幅P1 の値を標準駆動条件(P1 =1.8
67μsec )より長くして吐出量を多くし、標準吐出量
VD0に近づける。 3.上記の動作は図63に示されているように、各ヘッ
ドの吐出量に応じてテ-ブルポインタTA3とプレヒ-トパ
ルス幅P1 の関係がが決められており、常に標準吐出量
VD0になるよう設定してある。 4.このような方法によって、標準吐出量VD0( 30.
0ng/dot)に対して±0.6(ng/dot)の
吐出量バラツキを補正することが可能となった。
【0104】以上のように、PWM制御用テ-ブルポイ
ンタTA3をヘッドのROM情報として読み込み、本体側
の設定条件(駆動条件)を変えることで、ヘッド毎の吐
出量バラツキを吸収することが可能となり、交換可能な
ヘッドを用いた本体でも簡単にカラ-画質の安定化が可
能となった。さらに、ヘッドの歩溜りを向上させること
ができるので、カ-トリッジヘッドのコストをも低減さ
せることが可能となった。
【0105】次に、プレヒ-トパルス:P1 を用いた吐
出量制御方法について詳細に述べる。ヘッド温度(TH
)一定の条件でプレヒ-トパルス幅:P1 と吐出量:V
d との関係を、図64に示している。図で示される様
に、プレヒ-トパルス幅P1 の増加に対してP1LMTまで
は直線的に増加し、それ以後はプレ発泡現象によりメイ
ンヒ-トパルスP3 の発泡が乱され、P1MAXを過ぎると
吐出量が減少する傾向を示す。
【0106】プレヒ-トパルス幅:P1 の一定の条件で
ヘッド温度:TH (環境温度)と吐出量:VD との関係
は、図65に示すようにヘッド温度TH の増加に対して
直線的に増加する傾向を示す。それぞれの直線性を示す
領域の係数は、 吐出量のプレヒ-トパルス依存係数:KP =△VDP/ △
P1 (ng/ μs・dot) 吐出量のヘッド温度依存係数:KTH=△VDT/ △TH
(ng/ ℃・dot)のように決まる。
【0107】図61に示すヘッド構造のものではKP =
3.21(ng/ μsec ・dot)、KTH=0.3(n
g/ μsec ・dot)であった。これらの二つの関係を
以下に説明するように有効に利用すると、ヘッド温度が
環境温度の変動や印字による自己昇温による変動など様
々な要因によって変化しても、ヘッドのインク吐出量を
常に一定に保てる吐出量制御方法が可能となる。ヘッド
温度に対する吐出量制御の様子を、ヘッド温度と吐出量
との関係で示したのが図66である。図66においてT
0 は標準温度、TL は吐出量制御の限界温度、TC は発
泡限界温度を示している。
【0108】吐出量制御は以下の3つの条件で行う。 (1)TH ≦T0 低温時の吐出量補償をヘッドの温調で行う。 (2)T0 <TH ≦TL 分割パルス幅変調法(PWM)による吐出量制御で行
う。 (3)TL <TH (<TC ) P1 =一定による非制御で行う。
【0109】(1)の状態は、図66の温調領域で主に
低温環境での吐出量を確保するためのものである。ヘッ
ド温度TH =25.0℃以下の時に、ヘッド温度TH を
温調温度T0 =25. 0(℃)に一定に保つことで、T
H =T0 の時の吐出量VD0=30. 0(ng/dot)
を得ている。T0 を25. 0℃としているのは温調によ
るインク増粘、インク固着、温調リップルなどによる弊
害を極力なくすためである。このときのP1 のパルス幅
は、P1 =1. 867μsec である。
【0110】(2)の状態は、図66で示すPWM領域
であり、ヘッド温度TH が26. 0℃〜44. 0℃の間
で行われている。印字による自己昇温や環境温度の変化
を、センサ-が温度検知する。プレヒ-トパルス幅P1
は、図67に示されるようにヘッド温度TH の適当な範
囲ごとにP1 の値を変化させるか、図21に示したシ-
ケンスに従って行えば良い。
【0111】なお、図67(A)においては、P1 の基
準値をP1=0Aとした場合を示し、2.0℃毎にプレヒ
-トパルス幅P1 を1ステップ(1H )づつ変化させて
いる。また同図(B),(C)は、P1 の基準値をP1=
0BまたはP1=09とした場合を示している。
【0112】図21のシ-ケンスに従う場合には、次の
様に行う。このシ-ケンスでは、ヘッド温度の誤検知を
防ぎ、より正確な温度検知を行うために、過去3回の温
度(Tn-3 、Tn-2 、Tn-1 )と新しく検知した温度T
n との平均ヘッド温度Tm を,Tm =(Tn-3 +Tn-2
+Tn-1 +Tn )/4として求め、更に左右のセンサ-
における平均値を求める。
【0113】次のステップでは、この値Tm と前回求め
たヘッド温度Tm-1 とを次の式で比較し、次の様に補正
を行う。 (1)|Tm -Tm-1 |≦△T(本実施例では △T=
1℃)の場合 温度変化が±1℃以内の変化であり、図67の1テ-ブ
ルに示される温度範囲なのでP1 のパルス幅は変えな
い。 (2)Tm -Tm-1 >△Tの場合 温度変化が高温側にシフトしているので、プレヒ-トパ
ルス幅P1 を1H 小さくしてパルス幅を狭くする。 (3)Tm -Tm-1 <-△Tの場合 温度変化が低温側にシフトしているので、プレヒ-トパ
ルス幅P1 を1H 大きくしてパルス幅を広くする。
【0114】以上説明したシ-ケンスのフロ-チャ-ト
を、図21に示す。このフロ-チャ-トはタイマ-割り込
みの一部であり、20m秒に一度このル-チンに入り込
む。ステップS401で4色のヘッドにある左右2個の
温度センサ-からヘッドの温度を読み込み、各々のセン
サ-で過去3回の温度デ-タ-との平均をステップS40
2で演算する。次にヘッド毎で左右の温度デ-タの平均
を求める。そして、ステップS403で、Tm とTm-1
と△Tとの関係により前述の条件(3)の場合ステップ
S404でP1 を1H 増し、条件(1)の場合ステップ
S405でP1 をそのままとし、条件(2)の場合ステ
ップS406でP1 を1H 減らす。
【0115】なお、図67のようなテ-ブルを用いる場
合においても、また図21で示されるようなシ-ケンス
を用いる場合においても、一度の補正でP1 の変化量を
多くすると濃度むらを生じる恐れがあるため、温度変化
が1ポインタの補正範囲より大きくなった場合であって
も1回にP1 の変化量を1ポインタ(本実施例では1H
)になる様に制御を行う。
【0116】シ-ケンスを用いる場合、印字中に1つの
1ポインタを変化させるのに要する時間(フィ-ドバッ
クタイム)はTF =20msecである。従って、1ラ
イン(約800msec)の中では約40回のポインタ
変化が可能となっている。このため、最高で△Tup=
19.0℃の昇温にも対処可能となっており、広い温度
範囲において濃淡変化の発生を低減している。温度検知
に4回平均を用いているのは、センサ-のノイズ等によ
る誤検知を防ぎ、フィ-ドバックをなめらかに行うとと
もに制御による濃度変動を必要最低限にしシリアル印字
方式による繋ぎでの濃度変化(繋ぎスジ)を目だたなく
するためである。
【0117】この吐出量制御方法を用いると、上記の温
度範囲で目標吐出量VD0=30.0(ng/dot)に
対して±0.3(ng/dot)の範囲内で制御が可能
となる。このような範囲内での吐出量変動に押さえるこ
とによって、1枚の印字中に発生する濃度変動は、約±
0.2程度に抑えられ、シリアル印字方式において顕著
な濃度ムラの発生や繋ぎスジを問題とならない程度にす
ることができる。
【0118】なお、温度検知の平均回数を増やすとノイ
ズ等に強くなりよりなめらかな変化となるが、リアルタ
イムでの制御では検知精度が損なわれ正確な制御が出来
なくなる。また、温度検知の平均回数を減らすとノイズ
等に弱くなり急激な変化が発生するが、リアルタイムで
の制御では検知精度が高まり正確な制御が可能となる。
【0119】(3)の状態は、非制御領域であり、ヘッ
ド温度TH =44.0℃以上の場合を想定している。印
字状態において、例えば100%duty(最高吐出周
波数による印字)を連続して印字すると、瞬間的にはヘ
ッド温度がこの領域に到達することがあるが、常時この
領域の温度にならないようにヘッド構造の設計及びヘッ
ド駆動条件を設定している。万一、この状態が連続して
発生するような場合には、高温異常状態と判断し回復動
作を行うことで対処する。また、P1 のパルス幅をP1
=0.187μsecとしてプレヒ-トパルスによる加
熱を抑えて、印字による自己昇温を極力低減するように
している。
【0120】(温調)次に温調のシーケンスについて詳
しく述べる。本実施例では、ヘッド側に位置した左右の
サブヒーターと、吐出用ヒ-タ-の近傍に位置する左右の
温度センサーとを用いて本体側で制御を行っている。図
72に本実施例で使用しているヘッドのH.Bの模式図
を示している。温度センサー8e、サブヒーター8d、
吐出用(メイン)ヒーター8cが配された吐出部列8
g、駆動素子8hが同図で示される様な位置関係で同一
基板上に形成されている。この様に各素子を同一基板上
に配することでヘッド温度の検出、制御が効率よく行
え、更にヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化を計
ることができる。また同図には、H.Bをインクで満た
される領域と、そうでない領域とに分離する天板の外周
壁断面8fの位置関係を示す。同図で示される通り、温
度センサ-8eは、天板の外周壁8fより吐出口側、つ
まりインクで満たされた領域であり、吐出口に近い位置
に配されている。このことにより吐出口近辺のヘッド温
度を効率よく検出することができる。
【0121】温度の検知は、吐出量制御方式と同様で4
回の平均値を利用している。この時、ヘッド温度TH は
右側のセンサーから検知した温度TR と、左側のセンサ
ーから検知した温度TL との平均値(TH =(TR +T
L )/2)を用いている。この検知温度によってヘッド
側のサブヒーターに電流を流して温調を行うわけである
が、温度の制御方法は基本的にON/OFF方式であ
る。つまり、目標温度T0 =25.0℃に到達するまで
は最大電力(左右各1. 2W)を投入し、目標温度に到
達すると電流を切り、下がると電流を流す方式である。
ON/OFFのタイミングは40msec毎に行ってい
る。
【0122】このタイミングを長くするとリップルの幅
が大きくなり周期が延びる。また、このタイミングを短
くするとリップルの幅が小さくなり周期が短くなる。こ
の方式によって目標温度での温調リップル幅は、約2℃
あるが4回平均による温度検知を用いているため、温調
リップルによる吐出量制御への影響はほとんどない。必
要があればPID制御などの高価な制御方法を用いても
かまわない。
【0123】図22は初期20度温調ルーチンのフロー
である。ステップS2001でタイマーカウンターを3
0秒セットした後、20℃より高い場合はルーチンを終
わる(ステップS2002)。20℃より低い場合はス
テップS2003でヘッドのヒーターをONする。ステ
ップS2004でタイマーが30秒たっているかを調べ
る。30秒たっていればステップS2005で異常停
止、たっていなければステップS2002へ戻る。
【0124】図23は、20度温調及び25度温調ルー
チンのフローである。ステップS2101でヘッドの温
度が20℃より高いか低いかチェックする。20℃より
高い場合はステップS2102でヘッドのヒーターをO
FFし、20℃より低い場合はステップS2103でヘ
ッドのヒーターをONして、20度温調ルーチンを終了
する。
【0125】なお、25度温調ルーチンにおけるステッ
プS2104〜S2106についても、20度温調ルー
チンにおけるステップS2101〜S2103と同様で
あるので、説明を省略する。
【0126】(HSテーブル)ここでは、本実施例で用
いているHS制御方法を有効に利用するための方法につ
いて述べる。この実施例は、交換可能なヘッド(カート
リッジタイプ)を使用するため、ユーザーがいつでもヘ
ッドを交換できるのでサービスマン等による細かな調整
は期待できない。また、カートリッジヘッドは大量生産
によって製造するため、個々のヘッド特有の特性をもっ
ており、前記したH・Bの面積・抵抗値・膜構造やノズ
ル形成など製造工程上のバラツキによる1ヘッド内での
吐出特性分布や吐出穴径の分布が発生するので、吐出量
バラツキによる濃度ムラを補正する方法が必要となる。
【0127】この1ヘッド内での吐出量バラツキを補正
し、ムラの無い最適な画像形成を行えるようにするため
の方法を以下に示す。電源を入れたときに、ヘッドのR
OM情報としてID番号・色・駆動条件とともにHSデ
ータとしてテーブルTHSを読みとる。このテーブルTHS
を本体側ではコピーする。
【0128】THSの決定は以下のように行う。あらかじ
めヘッドの製造行程上で各ヘッドのト径分布測定を標準
駆動条件で行ってHSデータを計算しておき、計算結果
をテーブル化したものをヘッドのROM情報として記憶
させておく。
【0129】以上のように、HSデータ用テーブルTHS
をヘッドのROM情報として読み込むことによって、本
体側で各ヘッドのムラ補正が行えるようにしておくこと
で、各ヘッド毎の吐出量バラツキによる濃度ムラを吸収
することが可能となる。従って、交換可能なヘッドを用
いた本体でも、簡単にカラー画質の安定化が可能となっ
た。
【0130】(給紙動作)図24は、ステップS27の
給紙動作ルーチンのフローである。
【0131】ステップS2201でキャリッジのスター
トポジション移動をする。ステップS2202で手差し
フラグが立っているか判断する。フラグが立っていれば
ステップS2203へ、フラグが立っていなければステ
ップS2204で、それぞれRHSモードか調べる。ス
テップS2203でRHSモードならば給紙〔1〕へ、
RHSモードでなければ給紙〔2〕へ進む。ステップS
2204でRHSモードならば給紙〔3〕へ、RHSモ
ードでなければ給紙〔4〕へ進む。
【0132】図25は、図24のステップS2201の
キャリッジのスタートポジション移動ルーチンの詳細を
示すフローチャートである。ステップS2301でキャ
リッジがホームポジションにいるか調べる。キャリッジ
がホームポジションにいなければ、ステップS2302
でキャリッジをホームポジションへ移動させる。ホーム
ポジションにいれば、ステップS2303でキャリッジ
はスタートポジションへ移動する。次に、ステップS2
304で、スタートポジションで空吐〔1〕を100発
行って、キャリッジのスタートポジション移動ルーチン
を終了する。
【0133】(紙幅、紙種の検知動作)図26は、ステ
ップS28の紙幅、紙種の検知動作ルーチンの詳細を示
すフローチャートである。検知初期セットをして、キャ
リッジはスタートポジションから紙幅検知位置へ移動す
る。この移動中に紙幅、紙種を検知する。紙幅検知に移
動終了後、キャリッジはスタートポジションへ移動す
る。
【0134】(1ライン印字動作)図27は、ステップ
S24の1ライン印字ルーチンの詳細を示すフローチャ
ートを示す。まず、ステップS2501で印字制御をす
る。ステップS2502でキャリッジの移動量をセット
する。ステップS2503でキャリッジを前進させ、ス
テップS2504でタイマーをセットする。ステップS
2505で紙浮きチェックをし、紙浮きを検知するとス
テップS2506でジャムとなる。
【0135】ステップS2509でモーターが停止した
か調べる。モーターが止まっていればステップS251
0へ、モーターが動いていればステップS2511でタ
イマーのチェックをする。タイムアップしていれば、ス
テップS2512でエラー、タイムアップしていなけれ
ば、ステップS2505へ戻る。
【0136】ステップS2513でタイマーをセット
し、ステップS2514でキャリッジのスタート位置移
動をスタートする。ステップS2515で1ライン印字
してカウンターを加算する。ステップS2516でモー
ターが停止したか調べ、モーターが止まっていれば1ラ
イン印字ルーチンを終了する。モーターが動いていれ
ば、ステップS2517でタイマーのチェックをする。
タイムアップしていれば、ステップS2518でエラ
ー、タイムアップしていなければ、ステップS2516
へ戻る。
【0137】図28は図27のステップS2501の印
字制御ルーチンのフローを示す。ステップS2601で
RHSモードかチェックする。RHSモードならばステ
ップS2602の印字制御〔1〕へ、RHSモードでな
ければステップS2605へ進む。ステップS2605
でOHPモードか調べる。OHPモードならばステップ
S2607へ、そうでなければステップS2608へ進
む。
【0138】ステップS2607で縮小モードか調べ
る。縮小モードならばステップS2609の印字制御
〔4〕へ、そうでなければステップS2610の印字制
御〔5〕へ進む。ステップS2608でも縮小モードか
調べる。縮小モードならばステップS2611の印字制
御〔6〕へ、そうでなければステップS2612の印字
制御〔7〕へ進む。 図29は縮小印字モードの印字制
御〔6〕のフローを示す。印字制御として、ヘッドデジ
ット制御、インク吐出力制御、ヘッドタイミング制御を
行なっている。ここでは、ヘッドデジット制御について
詳細に説明する。
【0139】記録ヘッドのノズル数は128である。ヘ
ッドデジット制御は、このヘッドのノズルを8ノズル単
位でON・OFFを制御するものである。この8ノズル
単位をデジットとしている。図31がその説明図であ
る。例えば、デジット1はノズル1からノズル8、デジ
ット16はノズル121からノズル128で構成されて
いる。この制御するデジットは1ヘッドで16個ある。
【0140】ヘッドデジット制御〔6〕ルーチンのフロ
ーを図30、説明図を図31に示す。このルーチンで
は、キャリッジが縮小印字時にA4サイズの記録をする
場合には65回の1ライン印字を行うので、65回それ
ぞれデジットの制御を行う。奇数回目の1ライン印字の
とき(ステップS2801、ステップS2802)は、
ステップS2805でノズル1からノズル64までをイ
ンクを吐出させ、ノズル65からノズル128までは吐
出させない。
【0141】また、偶数回目の1ライン印字のとき(ス
テップS2801)は、ステップS2803でノズル6
5からノズル128までを吐出させ、ノズル1からノズ
ル64まではインクを吐出させない。また、最終印字の
65回目の1ライン印字は、ステップS2804でノズ
ル81からノズル128までのインクを吐出させる。
【0142】図32はRHS印字モードの印字制御
〔1〕ルーチンのフローを示す。印字制御として、ヘッ
ドデジット制御、インク吐出力制御、ヘッドタイミング
制御を行なっている。ここでは、ヘッドデジット制御と
ヘッドタイミング制御の説明をする。インク吐出力制御
は説明を省略する。
【0143】図33はRHS印字モードのヘッドデジッ
ト制御〔1〕ルーチンのフローであり、その説明図を図
34に示す。このルーチンは、キャリッジはRHS印字
時に12回の1ライン印字を行なうので、それぞれデジ
ットの制御を行う。3n+1回目(n=0、1、2、
3)の1ライン印字のとき(ステップS3101)は、
ステップS3102でデジット13から16(ノズル9
7からノズル128)までをインクを吐出させる。
【0144】また、3n+2回目の1ライン印字のとき
(ステップS3103)は、ステップS3104でデジ
ット1からデジット16(ノズル1からノズル128)
までを吐出させる。それ以外の(3n+3回目)の1ラ
イン印字のときは、ステップS3105でデジット1か
らデジット4(ノズル1からノズル39)までを吐出さ
せる。
【0145】図35はRHS印字モードのヘッドタイミ
ング制御〔1〕ルーチンのフローである。
【0146】Bk,C,M,Yによる印字パターンを、
図37に示すようなエリアに印字するように設定する。
なお、具体的なタイミング制御の説明は省略するが、通
常の印字タイミングとの比較図を図36に示す。図36
(A)はRHS印字モード以外の印字モードの印字タイ
ミング、図36(B)はRHS印字タイミングである。
【0147】OHP印字時の印字制御は印字制御〔5〕
である。この印字制御〔5〕ルーチンのフローが図38
である。ヘッドデジット制御〔5〕を図39に、ヘッド
ノズル制御〔5〕を図40に示し、ヘッドデジット制御
〔5〕とヘッドノズル制御〔5〕について説明する。こ
のルーチンは、OHP用紙に記録するためにキャリッジ
が2回同じエリアをスキャンして間引いて印字する。こ
のため、キャリッジはにA4サイズの記録をする場合に
は66回の1ライン印字を行うので、66回それぞれデ
ジットの制御を行う。
【0148】図39、図40において、奇数回目の1ラ
イン印字のときは、ノズル1からノズル128まで(ス
テップS3703)の奇数ノズルだけを駆動(ステップ
S3802)し、イン?Nを吐出させる。また、偶数回目
の1ライン印字のときは、ノズル1からノズル128ま
で(ステップS3703)の偶数ノズルだけを駆動(ス
テップS3803)し、インクを吐出させる。65回目
の1ライン印字はノズル81からノズル128まで(ス
テップS3702)の奇数ノズルだけを駆動(ステップ
S3802)し、インクを吐出させる。また、66回目
の1ライン印字はノズル81からノズル128まで(ス
テップS3702)の偶数ノズルだけを駆動(ステップ
S3803)し、インクを吐出させる。図41、図42
はその説明図である。
【0149】OHP縮小印字時の印字制御は印字制御
〔4〕である。この印字制御〔4〕ルーチンのフローが
図43である。ヘッドデジット制御〔4〕を図44に、
ヘッドノズル制御〔4〕を図45に示し、ヘッドデジッ
ト制御〔4〕とヘッドノズル制御〔4〕について説明す
る。このルーチンは、OHP用紙に記録するためにキャ
リッジが4回同じエリアをスキャンして間引いて印字す
る。このため、キャリッジはA4サイズの記録をする場
合には130回の1ライン印字を行うので、130回そ
れぞれデジットの制御を行う。
【0150】4n+1回目(n=0、1、・・・)の1
ライン印字のときは、ノズル1からノズル64まで,つ
まり、デジット1からデジット8まで(ステップS42
05)の奇数ノズルだけを駆動(ステップS4302)
し、インクを吐出させる。4n+2回目(n=0、1、
・・・)の1ライン印字のときは、ノズル1からノズル
64までの偶数ノズルだけを駆動(ステップS430
3)し、インクを吐出させる。4n+3回目(n=0、
1、・・・)の1ライン印字のときは、ノズル65から
ノズル128まで,つまりデジット9からデジット16
まで(ステップS4202)の奇数ノズルだけを駆動
(ステップS4302)し、インクを吐出させる。4n
+4回目(n=0、1、・・・)の1ライン印字のとき
は、ノズル65からノズル128までの偶数ノズルだけ
を駆動(ステップS4303)し、インクを吐出させ
る。図46、47はその説明図である。
【0151】また、129回目の1ライン印字は、ノズ
ル81からノズル128まで、つまり、デジット11か
らデジット16まで(ステップS4204)の奇数ノズ
ルだけを駆動(ステップS4302)し、インクを吐出
させる。130回目の1ライン印字は、ノズル81から
ノズル128までの偶数ノズルだけを駆動(ステップS
4303)し、インクを吐出させる。図48は、その説
明図である。
【0152】(用紙搬送)図49は、ステップS35の
用紙搬送ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
ステップS4601でRHSモードかチェックする。R
HSモードならばステップS4602の用紙搬送〔1〕
へ、RHSモードでなければステップS4603へ進
む。ステップS4603でOHPモードか調べる。OH
PモードならばステップS4604へ、そうでなければ
ステップS4605へ進む。ステップS4604で縮小
モードか調べる。縮小モードならばステップS4606
の用紙搬送〔4〕へ、そうでなければステップS460
7の用紙搬送〔5〕へ進む。また、ステップS4605
で縮小モードか調べる。縮小モードならばステップS4
608の用紙搬送〔6〕へ、そうでなければステップS
4609の用紙搬送〔7〕へ進む。
【0153】RHS印字時の用紙搬送は用紙搬送〔1〕
である。用紙搬送〔1〕ルーチンのフローが図50であ
る。RHS印字時は12回の1ライン印字を行い、1ラ
イン印字を1回する毎に1回紙送りをする。OHP印字
時の用紙搬送は用紙搬送〔5〕である。用紙搬送〔5〕
ルーチンのフローが図51である。OHP印字時にA4
サイズの用紙に記録をする場合には、66回の1ライン
印字を行い、1ライン印字を2回行う毎に紙送りを1回
する。用紙搬送はA4の記録の場合は33回の紙送りを
行う。紙送りは1ライン印字を偶数回行った後にする。
フローでいえばステップS4804である。紙送り量は
記録ヘッドの128ノズルの印字幅分である。また、A
4の場合は64回目の1ライン印字後の紙送り量は48
ノズルの印字幅分である。フローでいえばステップS4
803である。奇数回目の1ライン印字の後は紙送りを
しない。
【0154】OHP縮小印字時の用紙搬送は用紙搬送
〔4〕である。用紙搬送〔4〕ルーチンのフローが図5
2である。OHP印字時にA4サイズの用紙に記録をす
る場合には、130回の1ライン印字を行い、1ライン
印字を4回行う毎に紙送りを1回する。用紙搬送はA4
の記録の場合は32回の紙送りを行う。紙送りは1ライ
ン印字を偶数回行った後にする。フローでいえばステッ
プS4904である。紙送り量は記録ヘッドの128ノ
ズルの印字幅分である。また、A4の場合は64回目の
1ライン印字後の紙送り量は48ノズルの印字幅分であ
る。フローでいえばステップS4903である。奇数回
目の1ライン印字のあとは紙送りをしない。
【0155】縮小印字時の用紙搬送は用紙搬送〔6〕で
ある。用紙搬送〔6〕ルーチンのフローが図53であ
る。縮小印字時にA4サイズの用紙に記録をする場合に
は、65回の1ライン印字を行い、1ライン印字を2回
行う毎に紙送りを1回する。
【0156】用紙搬送はA4の記録の場合は33回の紙
送りを行う。紙送りは1ライン印字を偶数回行った後に
する。フローでいえばステップS5004である。紙送
り量は記録ヘッドの128ノズルの印字幅分である。ま
た、A4の場合は64回目の1ライン印字後の紙送り量
は、48ノズルの印字幅分である。フローでいえばステ
ップS5003である。奇数回目の1ライン印字の後は
紙送りをしない。
【0157】(排紙動作)図54は排紙動作ルーチンの
フローである。OHPモードかどうか判断し、OHPモ
ードならば排紙〔1〕、コート紙モードならば排紙へ進
む。図55は排紙〔1〕ルーチンのフローである。
【0158】ステップS5201は記録用紙を排紙する
ために紙送りローラーを回転させる。この時、回転量は
記録用紙のサイズに応じて設定される。設定する量は、
紙の後端がジャムチェック位置を通りすぎる値である。
排紙ローラーなどが不良で所定の紙送りができないと
き、ジャムとなる。ステップS5202は1回目の排紙
のジャムチェックをしている。本実施例では紙搬送路上
にある給紙センサーで検知している。ジャムをしていな
ければ、紙を完全に装置外まで排紙する量を再設定して
引き続きローラーを回転させる。設定する量は紙が完全
に排出される値である。
【0159】排紙ローラーなどが不良で紙を完全に排出
できないとき、ジャムとなる。ステップS5203は2
回目の排紙のジャムチェックをしている。本実施例では
紙搬送路上にある排紙センサーで検知している。ステッ
プS5204、S5205、S5206で吸引ポンプを
所定の位置への移動、キャリッジのホームポジションへ
の移動、吸引ポンプのスタート位置移動を行う。
【0160】図56は排紙ルーチンのフローである。ス
テップS5301は記録用紙を排紙するために紙送りロ
ーラーをステップ送りで回転させる。この送り量は記録
ヘッドの印字幅であり、本実施例では128ノズル分で
ある。この紙送り量は記録用紙のサイズに応じて設定さ
れる。設定する量は、紙の後端がジャムチェック位置を
通りすぎる値である。
【0161】排紙ローラーなどが不良で所定の紙送りが
できないとき、ジャムとなる。ステップS5302は1
回目の排紙のジャムチェックをしている。本実施例では
紙搬送路上にある給紙センサーで検知している。ジャム
をしていなければ、紙を完全に装置外まで排紙する量を
再設定して引き続きローラーを回転させる。設定する量
は紙が完全に排出される値である。
【0162】排紙ローラーなどが不良で紙を完全に排出
できないとき、ジャムとなる。ステップS5303は2
回目の排紙のジャムチェックをしている。本実施例では
紙搬送路上にある排紙センサーで検知している。ステッ
プS5304、5、6で吸引ポンプを所定の位置への移
動、キャリッジのホームポジションへの移動、吸引ポン
プのスタート位置移動を行う。
【0163】(制御構成)次に、上述した記録制御フロ
ーを実行するための制御構成について、図68を参照し
て説明する。同図において、60はCPU、61はCP
U60が実行する制御プログラムを格納するプログラム
ROM、62は各種データを保存しておくバックアップ
RAMである。63は記録ヘッド搬送のための主走査モ
ータ、64は記録用紙搬送のための副走査モータで、ポ
ンプによる吸引動作にも用いられる。65はワイピング
用ソレノイド、66は給紙制御に用いる給紙ソレノイ
ド、67は冷却用のファン、68は紙幅検知動作のとき
にONする紙幅検知用LEDである。69は紙幅セン
サ、70は紙浮きセンサ、71は給紙センサ、72は排
紙センサ、73は吸引ポンプの位置を検知する吸引ポン
プ位置センサである。74はキャリッジのホームポジシ
ョンを検知するキャリッジHPセンサ、75はドアの開
閉を検知するドアオープンセンサ、76は手差しボタン
の押下を検知する手差しボタンセンサ、77はOHPボ
タンの押下を検知するOHPボタンセンサである。
【0164】78は4色のヘッドに対する記録データの
供給制御を行うゲートアレイ、79はヘッドを駆動する
ヘッドドライバ、8aは4色分のインクカ-トリッジ、
8bは4色分の記録ヘッドであり、ここでは8a,8b
としてブラック(Bk)を代表して示す。インクカ-ト
リッジ8aは、インクの残量を検知するインク残量セン
サ8fを有する。ヘッド8bは、インクを吐出させるた
めのメインヒータ8c、ヘッドの温調制御を行うサブヒ
ータ8d、ヘッド温度を検知するヘッド温度センサ8
e、ヘッド特性情報を格納するROM854を有する。
【0165】図69(A)は本実施例のインクジエツト
カートリツジの外観形状を示す図である。また同図
(B)は同図(A)のプリント板85の詳細を示す図で
ある。図69(B)において、851はプリント基板、
852はアルミ放熱板、853は発熱素子とダイオード
マトリクスからなるヒータボード、854は濃度むら情
報等を予め記憶しているEEPROM(不揮発性メモ
リ)、及び855は本体とのジヨイント部となる接点電
極である。なお、ここではライン状の吐出口群は図示さ
れていない。
【0166】このように、インクジエツト記録ヘツド8
bの発熱素子や駆動制御部を含むプリント基板851上
に、各々の記録ヘツド固有の濃度むら情報等を記憶する
ためのEEPROM854を実装する。こうすることに
より、本体装置に記録ヘツド8bが装着されると、本体
装置は記録ヘツド8bから濃度むら等の記録ヘッド特性
に関する情報を読出し、この情報に基づいて記録特性改
善のための所定の制御を行う。これにより、良質な画像
品位を確保することが可能となる。
【0167】図70(A)、(B)は図69のプリント
基板851上の要部回路構成を示す図である。ここで、
一点鎖線の枠内がヒータボード853内の回路構成であ
り、このヒータボード853は発熱素子857と電流の
回り込み防止用のダイオード856の直列接続回路のN
×M(ここでは、16×8)のマトリクス構造で構成さ
れている。即ち、これらの発熱素子857は、図71に
示すように各ブロツク毎に時分割で駆動され、その駆動
エネルギーの供給量の制御はセグメント(seg)側に
印加されるパルス幅(T)変更して制御することにより
実現される。
【0168】図70(B)は図69(B)のEEPRO
M854の一例を示す図であり、本実施例に関する濃度
むら等の情報が記憶されている。これらの情報は、本体
装置側からの要求信号(アドレス信号)D1に応じてシ
リアル通信により本体側装置へ出力される。
【0169】本発明が適用可能な装置の全体説明をす
る。図73は本実施例の構成斜視説明図、図74はその
断面説明図である。
【0170】先ず全体構成を説明すると、この装置は読
取装置Rと記録装置Pからなる。読取装置Rの構成は、
読取手段1が読取キャリッジ2に設けられ、このキャリ
ッジ2が主走査方向(矢印a方向)へ往復移動可能に構
成されている。また前記キャリッジ2は読取ユニット3
に取り付けられ、該ユニット3が副走査方向(矢印b方
向)へ往復移動可能に構成されている。
【0171】従って、装置上面に取り付けられた原稿台
ガラス4上に原稿面を下にして原稿5を載置すると共
に、カバー6で固定してセットし、図示しない複写スイ
ッチを押すと、キャリッジ2が主走査方向へ移動して一
行分の原稿を読み取り、その情報を信号ケーブル7を介
して図示しない制御系へ伝達する。前記の如くして一行
分の読み取りを終了すると、キャリッジ2をホームポジ
ションに戻すと共に、読取ユニット3が副走査方向へ一
行分移動し、前記と同様にして次行以下の読み取りを行
うものである。
【0172】また記録装置Pの構成は、記録手段8が記
録キャリッジ9に搭載され、該記録手段8の位置へシー
ト搬送手段10によって記録シート11が搬送される如
く構成されている。
【0173】従って、前記読取装置Rからの読取信号が
信号ケーブル7を介して伝達されると、記録シート11
が搬送手段10で矢印c方向へ搬送され、該シート11
が記録位置まで搬送されると、記録キャリッジ9が図7
3の矢印d方向へ往復移動すると共に、この移動に同期
して記録手段8が画信号に応じて駆動し、記録シート1
1に画像を記録する。そして一行分の記録が終了する
と、記録シート11を一行分矢印c方向へ搬送して同様
に記録を行い、記録後のシート11を排出トレイ12へ
排出するものである。
【0174】ここで前記読取ユニット3の一部底部は記
録装置Pの最高部よりも低くなるように突出構成され、
該部分に信号ケーブル7の一端が接続固定されている。
【0175】次に、前記実施例の各部の構成を順次具体
的に説明する。
【0176】(読取手段)読取手段1は原稿5に記載さ
れた情報を光学的に読み取り、電気信号に変換するもの
であり、図74に示すように、光源1aから原稿面に光
を照射し、その反射光をレンズ1bを介してCCD等の
光電変換素子1cへ至らせ、該素子1cで電気信号に変
換し、画信号として記録装置Pへ送出する如く構成して
いる。
【0177】尚、前記光電変換素子1cは基板1dに取
り付けられ、この基板1dに信号ケーブル7の一端が接
続されている。
【0178】(読取キャリッジ)読取キャリッジ2は前
記読取手段1を主走査方向へ移動させるものであり、読
取手段1が取り付けられ、主走査レール2aに対してス
ライド可能に取り付けられている。そして前記レール2
aの両端付近には駆動プーリ2bと従動プーリ2cが取
り付けられており、両プーリ2b,2c間に張設された
タイミングベルト2dが前記読取キャリッジ2に接続さ
れている。更に前記駆動プーリ2bには読取キャリッジ
モーター2eが連結している。
【0179】従って、前記キャリッジモーター2eを正
逆回転すると、キャリッジ2がレール2aにガイドさ
れ、主走査方向へ往復移動する。
【0180】(読取ユニット)読取ユニット3は前記キ
ャリッジ2を副走査方向へ移動させるものであり、前記
主走査レール2a,プーリ2b,2c及びキャリッジモ
ーター2eはこの読取ユニット3に取り付けられてい
る。読取ユニット3は一方端が副走査レール3aにスラ
イド可能に取り付けられ、他端にはガイドローラ3bが
取り付けられ、このローラ3bは装置本体フレーム13
に形成されたガイド部13aに沿って移動可能に構成さ
れている。また前記副走査レール3aの両端付近には駆
動プーリ3cと従動プーリ(図示せず)が取り付けら
れ、両プーリ間にタイミングベルト3dが張設されてい
る。そして前記ベルト3dは読取ユニット3に接続さ
れ、駆動プーリ3cにはユニットモーター3eが連結し
ている。
【0181】従って、前記ユニットモーター3eが正逆
回転すると、読取ユニット3は副走査レール3aに沿っ
て副走査方向(キャリッジ2の移動方向である主走査方
向と直交する方向)へ往復移動するものである。
【0182】(記録手段)記録手段は記録シート11に
インク像を記録するものであり、本実施例ではインクジ
ェット記録方式を用いている。
【0183】インクジェット記録方式は記録用のインク
液を飛翔液滴として吐出噴射させるための液体吐出口
と、該吐出口に連通する液体流路、及びこの液体流路の
一部に設けられ、流路内のインク液を飛翔させるための
吐出エネルギーを与える吐出エネルギー発生手段とを備
えている。そして画信号に応じて前記吐出エネルギー発
生手段を駆動し、インク液滴を吐出して像を記録するも
のである。
【0184】前記吐出エネルギー発生手段としては、例
えばピエゾ素子等の電気機械変換体等の圧力エネルギー
発生手段を用いる方法、レーザー等の電磁波をインク液
に照射吸収させて飛翔液滴を発生させる電磁エネルギー
発生手段を用いる方法、或いは電気熱変換体等の熱エネ
ルギー発生手段を用いる方法等がある。この中で電気熱
変換体等の熱エネルギー発生手段を用いる方式が吐出口
を高密度に配列し得ると共に、記録ヘッドのコンパクト
化も可能であるために好適である。
【0185】インクカートリッジ8aの下端には記録ヘ
ッド8bが取り付けられている。インクカートリッジ8
a内に液体インクを収容して記録ヘッド8bを駆動する
と、読取装置Rからの画信号に応じて電気熱変換体が発
熱し、その発熱に対応して吐出口からインクが下方へ飛
翔する。
【0186】そして、前記記録ヘッド8bの駆動と同期
して記録キャリッジ9を主走査方向(図73の矢印d方
向)へスキャンすると、1スキャンで記録シート11に
対して8.128mm 幅の記録が行われるものである。
【0187】(記録キャリッジ)記録キャリッジ9は前
記記録手段8を主走査方向へ往復移動させるためのもの
であり、これは図73に示すように主走査レール9aに
スライド可能に取り付けられ、この記録キャリッジ9に
前記記録手段8が搭載されている。
【0188】前記主走査レール9aの両端付近には駆動
プーリ9bと従動プーリ(図示せず)が取り付けられて
おり、両プーリ間に張設されたタイミングベルト9cが
前記記録キャリッジ9に接続されている。更に前記駆動
プーリ9bには記録キャリッジモーター9dが連結して
いる。
【0189】従って、前記キャリッジモーター9dを正
逆回転すると、記録キャリッジ9がレール9aにガイド
され、主走査方向へ往復移動するものである。尚、前記
記録ヘッド8bへの電気信号は信号ケーブル14を介し
て伝達され、このケーブル14の一端は図73に示すよ
うに、記録キャリッジ9の一部であって、インクカート
リッジ8aと略同一高さに形成されたアーム9eに接続
され、他端は記録ユニット15に接続固定されている。
【0190】(シート搬送手段)シート搬送手段10は
記録シート11を搬送するためのものである。その構成
は図74に示すように、装置下部にカセット10aが着
脱可能に取り付けられ、このカセット10a内に記録シ
ート11が複数枚積層収納されている。そして、この記
録シート11はピックアップローラ10b及びカセット
10aの先端に設けられた分離爪10a1 によって矢印
c方向へ一枚ずつ分離給送され、記録ヘッド8bに対し
てシート搬送方向上下流側に配設された搬送ローラ対1
0c,10dによって搬送される如く構成されている。
【0191】この搬送動作は、前記記録手段8による記
録が8.128mm 幅で行われることから、記録時には記録動
作と同期して8.128mm ピッチで間欠的に搬送され、記録
後のシート11が排出トレイ12へ排出されるものであ
る。
【0192】また、OHP等の手差し給紙を行なう場合
は、排出トレイ12から図示しないガイドに沿って記録
前のシート11を挿入し、このシート11を搬送ローラ
対10c,10dが記録開始位置まで矢印cとは反対方
向に給送する。その後は、矢印c方向に記録動作を同期
して間欠搬送される。
【0193】(信号ケーブル)次に、信号ケーブル7の
接続状態について説明するが、それに先立って読取装置
Rと記録装置Pの配置関係について説明する。
【0194】両者の配置関係は図74に示すように、装
置本体の上部に読取装置Rが配置され、その下方に記録
装置Pが配置されている。そして前記記録装置Pは図7
4に示すように記録手段8が左側に配置され、その右側
には各部へ信号等を供給するための電装ユニット16が
配置されている。
【0195】また、前記電装ユニット16の上端は記録
装置Pの最高部(本実施例ではインクカートリッジ8a
及びアーム9eの上端)よりも低くなるように構成され
ている。そしてこの低くなった部分に読取ユニット3の
一部が下方へ突出するように構成されている。即ち、読
取ユニット3の底部は高低部3fに対して低底部3gが
下方へ突出するように形成され、記録手段8の上方には
前記高低部3fが位置し、電装ユニット16の上方には
前記低底部3gが位置するように構成されており、前記
低底部3gは記録装置Pに於けるインクカートリッジ8
a及びアーム9eよりも下方へ突出するように構成され
ている。このように構成しても読取ユニット3は副走査
方向(矢印b方向)へ支障なく移動可能である。
【0196】前記構成に於いて、信号ケーブル7は一端
が読取手段1の基板1dに接続され、読取キャリッジ2
の銜え部2fで固定されると共に、他端が前記読取ユニ
ット3の低底部3gに接続固定されている。
【0197】本実施例にあっては図74に示す前記読取
ユニット3の高低部3fから原稿台ガラス4までの高さ
H1=55mm、高低部3fと低底部3g間の高さH2=19mmに
設定している。そして、読取キャリッジストローク約25
0mm で直径1.5mm のケーブル7を使用した状態で、前記
読取キヤリッジ2が図74の二点鎖線に示す如く右端A
に移動したときの信号ケーブル7のループ径D1=48mm、
キャリッジ2が移動してストローク位置Bに来たときの
最高ループ径D2=65mmとなるように設定している。
【0198】前記の如く、最高ループ径D2 が前記読取
ユニット高低部3fから原稿台ガラス4までの高さH1
より大きくなっても、信号ケーブル7の一端は低底部3
gに固定されているために、信号ケーブル7が原稿台ガ
ラス4に接触することはない。これにより、記録装置P
上に位置する読取装置Rの高さを不要に高くする必要が
なくなるものである。なお、前記信号ケーブル7はケー
ブル17を介して電装ユニット16に接続している。
【0199】また、記録キャリッジ9の移動に伴ってル
ープを形成する記録信号ケーブル14は、記録ユニット
15の底部とアーム9e間に充分な距離があるために、
該ケーブル14が上部に位置する読取ユニット3の高低
部3fに接触することはない。
【0200】(回復系ユニット)次に、本実施例に係る
回復系ユニットについて説明する。
【0201】図75はその回復系ユニットの配設部位お
よび概略構成を説明するための模式図であり、本例にお
いては回復系ユニットを図77のHPにあたるホームポ
ジション側に配設してある。
【0202】回復系ユニットにおいて、キャップユニッ
ト300は記録ヘッド8bを有する複数のインクカート
リッジ8aにそれぞれ対応して設けられたものであり、
記録キャリッジ9の移動に伴って図中左右方向にスライ
ド可能であるとともに、上下方向に昇降可能である。そ
して記録キャリッジ9がホームポジションにあるときに
は、記録ヘッド部8bと接合してこれをキャッピングす
る。このキャップユニット300の詳細な構成について
は図78、図79及び図80につき後述する。
【0203】また、図75図示の回復系ユニットにおい
て、401および402は、それぞれワイピング部材と
しての第1および第2ブレード、403は第1ブレード
401をクリーニングするために、例えば吸収体でなる
ブレードクリーナである。本例においては、記録キャリ
ッジ9の移動によって駆動されるブレード昇降機構によ
り第1ブレード401を保持させ、これにより第1ブレ
ード401を記録ヘッド8bの吐出口形成面のうち露出
したオリフィスプレート103の表面をワイピングすべ
く突出(上昇)した位置と、これと干渉しないように後
退(下降)した位置とに設定可能とする。そして本例で
は、記録ヘッド8bは図76における幅l2 を有する部
分が図78中左側にあるように取付けられているものと
し、記録キャリッジ9が図中左側より右側に移動すると
きに第1ブレード401によるワイピングがなされるよ
うにする。これにより、露出しているオリフィスプレー
ト103の面は、図76に示した吐出口の配設位置によ
って区画される狭い部分側(幅l1 の部分)から広い部
分側(幅l2 の部分)に向けてのみワイピングがなされ
る。なお、第2ブレード402については、第1ブレー
ド401によってワイピングされない記録ヘッド8bの
吐出口形成面、すなわち図76における露出したオリフ
ィスプレート表面の両側部分にある押え部材109の表
面をワイピングする位置に固定してある。
【0204】さらに、回復系ユニットにおいて、500
はキャップユニット300に連通したポンプユニットで
あり、キャップユニット300を記録ヘッド8bを接合
させて行う吸引処理等に際してそのための負圧を生じさ
せるのに用いる。
【0205】図77は、ヘッド・回復系の正面図であ
る。記録ヘッド8bを有する記録キャリッジ9は主走査
レ-ル9aに支持された状態で記録のために矢印X及び
Y方向に移動可能である。また、本体底板55側には弾
性体で形成され、記録ヘッド8bの吐出口の目詰りを防
止するために記録ヘッド8bの先端部を覆うキャップ3
02を有するキャップホルダ330が配置されている。
このキャップホルダ330は底板55に固定された回復
系ベース350にホルダの位置決めピン332及び33
4によって摺動可能な状態で置かれている。さらにキャ
ップホルダ330はバネ360によって矢印Z方向に常
に加圧される構成になっている。また、HPは非記録位
置であり、記録ヘッド8bの目詰りを防止するためのキ
ャッピング及び目詰りした吐出口を回復させるための操
作、例えば吸引回復や加圧回復によるヘッド内インクの
循環回復が行われる記録キャリッジ9のホームポジショ
ンと呼ばれる通常待機位置、SPは記録キャリッジ9が
記録のために動作を開始するスタートポジションと呼ば
れる位置である。この場合に於けるホームポジションH
P,スタートポジションSPは記録キャリッジ9の位置
決め部52を基準にしている。
【0206】(キャップユニット)図78、図79は及
び図80は、回復系ユニットの詳細な構成例を示すそれ
ぞれ正面図、平面図および側面図である。
【0207】まずキャップユニット300は、記録ヘッ
ド8bの吐出口のまわりに密着するキャップ302と、
これを支持するホルダ303と、空吐出処理および吸引
処理に際してインクを受容する吸収体306と、この受
容されたインクを吸引するための吸引チューブ304
と、さらにポンプユニット500に連通した接続チュー
ブ305等を有している。このキャップユニット300
はインクカートリッジ8aのそれぞれに対応した位置に
同個数(本例では4個)だけ設けられ、キャップホルダ
330により支持されている。
【0208】332および334はキャップホルダ33
0から突設したピンであり、固定の回復系ベース350
に設けられてキャップホルダ330を図78中左右方向
かつ上下方向に案内するためのカム溝352および35
4にそれぞれ係合している。キャップホルダ330の一
方のピン334と回復系ベース350の立ち上げ部36
4との間にはバネ360を張架し、これによりキャップ
ホルダ330に同図示の位置、即ちキャップホルダが右
端位置かつ下降位置に保持されるように付勢力を与えて
いる。なお、この位置にあるキャップホルダ330ない
しキャップユニット300に対して、記録キャリッジ9
上に搭載されたインクカートリッジ8aの記録ヘッド8
bが対向した位置が、1スキャンの記録処理時における
記録キャリッジ9のスタートポジション(SP)であ
る。
【0209】342はキャップホルダ330から立ち上
げられ、スタートポジションより左方の位置において記
録キャリッジ9と係合する係合部である。記録キャリッ
ジ9がスタートポジションより図78中さらに左方に移
動すると、これに伴って係合部342によりキャップホ
ルダ330はバネ360の付勢力に抗して移動する。こ
のときキャップホルダ330はピン332および334
を介してカム溝352および354に沿って案内され、
左方かつ上方に変位する。従ってキャップ302が記録
ヘッド8bの吐出口の周囲と密着し、キャッピングが施
される。なお、このキャッピングがなされるときの記録
キャリッジ9の位置をホームポジションとする。
【0210】以上のように、上記実施例によればヘッド
交換時にはヘッド情報を読み出して装置内のメモリに記
憶しているので、交換後のヘッドに対して最適な駆動を
行うことができる。また、ヘッド交換時には自動的にヘ
ッドの回復動作を行うので、ユーザが回復操作に煩わさ
れることも防止できる。さらに、回復動作はヘッド交換
時の専用モードを有するので、確実な回復処理を行うこ
とができる。
【0211】また、ヘッド交換検知をイニシャルチェッ
ク(ハードウエアチェック)の直後に行い、その後ヘッ
ドのデータを読み込んでいるので、ヘッドのデータを確
実にかつ速やかに読み込むことができる。ヘッドの交換
検知を読み取ったヘッドのデータを比較することによっ
て行っているので、交換したヘッドの有無が速やかに分
かる利点も有する。
【0212】なお、上記実施例では前ドアーを開けても
電源がOFFにならず一時的にドアーオープン状態にな
り、ドアーを閉じれば通常の状態に復帰する構成であっ
たが、ドアーの開閉と電源のON/OFFが連動してい
る構成であっても良い。この場合、前ドアーが閉じられ
た時には、図1のステップS1のイニシャルチェックを
行うことになる。この構成によれば、装置のリカバリー
処理が多くかかる反面、装置の確実なチェックを行うこ
とができる。
【0213】また、上記実施例では、ヘッドの交換検知
にヘッドのROMのデータを使っているが、メカ的に、
たとえばピン等の簡易な構成で新規ヘッドかどうかを判
断しても良い。ヘッドにROMを使わず、メカ的に判断
する方法を使うことにより、ヘッドの交換検知に要する
コストを下げたり、ヘッドの構成に自由度が広がるとい
う効果がある。
【0214】<第2実施例>次に、本発明の第2実施例
について、図面を参照して詳細に説明する。この実施例
は、複数のヘッドを有する装置において、交換したヘッ
ドの空吐出数と交換していないヘッドのそれを変えるこ
とにより、交換していないヘッドのインクを必要以上の
空吐出で無駄に消費することのないようにしたものであ
る。この点以外は上記実施例と同様であるので、説明は
省略する。
【0215】図81は、本実施例の新カートリッジ吸引
回復ルーチンの詳細を示すフローチャートである。同図
の新旧ヘッド空吐数セットにおいて、新規ヘッドの空吐
数は中央部で2000発、端部で6000発、交換して
いないヘッドのそれはそれぞれ100発、300発に設
定する。その後、設定数に応じた回数で空吐〔3〕、空
吐〔4〕を行う。
【0216】上記新旧ヘッド空吐数セットについて、図
82を参照して説明する。ステップS8201、ステッ
プS8204、ステップS8207、ステップS821
0で、それぞれBk,C,M,Yのヘッドが新しいか調
べる。例えば、Bkの場合に新しいヘッドが装着される
と、ステップS8202で中央部で2000発、端部で
6000発の空吐が、ヘッドが交換されないとステップ
S8203で中央部で100発、端部で300発の空吐
が行われるようにセットする。C,M,Yの色について
も、同様にそれぞれステップS8205とステップS8
206、ステップS8208とステップS8209、ス
テップS8211とステップS8212でセットする。
【0217】以上のように、第2実施例によれば、複数
色のヘッドを有する装置において、新規ヘッドの空吐出
数と交換していないヘッドの空吐出数の2種類の設定が
可能で、新規ヘッドの空吐出数を多く設定しているの
で、交換していないヘッドのインクを必要以上の空吐出
で無駄に消費することが防止できる。
【0218】なお、上記実施例では、新規ヘッドの空吐
出数をインク色に拘らず全て同じにしているが、色また
はインクの種類に応じて空吐出数を設定しても良い。イ
ンクの色や種類に対応して空吐出数を設定することによ
り、より良好なヘッド回復処理を行うことができる。ま
た、上記実施例では、交換したヘッドと交換していない
ヘッドの空吐出数を変えているが、空吐出を行う駆動周
波数を変えることによっても、同様の効果を奏すること
ができる。
【0219】<第3実施例>本発明の第3実施例につい
て、図面を参照して詳細に説明する。この実施例は、ヘ
ッドのROMに格納されるデータとその格納形式に特徴
を有するものである。図83はROMに格納されるデー
タ形式を、図84はそのデータ内容を示す。ここでは、
ROMとしてEEPROMを用いた。
【0220】EEPROM内には製造番号、濃度むら補
正データ、インク色データ、温度センサ、即ちダイオー
ドセンサの特性(ランク分類)などが書き込まれてい
る。この実施例では、1Kbit(128byte)の
ものを使用している。ノズル数が128なので各ノズル
に対応した濃度むら補正データが128あり、夫々が6
bit、即ち0から63までの64種類の補正テーブル
の中から1つを選択できるようになっている。EEPR
OMのアドレスがノズル番号と対応しており、各アドレ
スの下位6bitがそのノズルの濃度補正テーブル番号
となっている。製造番号については、本実施例では20
bit用意した。図83から明らかなように、濃度補正
データ以外のデータについては各アドレスの上位2bi
tを利用している。製造番号には製造年月日、シリアル
ナンバーなどを含む。本体装置側は、製造番号を読み込
むことにより、ヘッドの交換検知が可能となる。
【0221】インク色データについては2bitを利用
し、ブラックは00、シアンは01、マゼンタは10、
イエローは11と区別した。これにより、本体装置は、
形状的には全く同一の複数のヘッドを装着する場合で
も、電気的にヘッドの色判別が可能となり、不適当なイ
ンク色のヘッドがセットされた場合に、それを検出する
ことができる。ダイオードセンサの特性区分について
は、4bit即ち16ランクに分類した。ダイオードの
温度特性は、図85に示すように同一プロセスで形成さ
れたものであれば、温度に対する電圧変化量は均一とな
る。しかし、電圧降下の絶対値は個々にある範囲でばら
つく。したがって、精度良く温度を検出するには個々の
ダイオードの特性を装置本体に知らせる必要がある。た
だし、同一ウエハー内ではばらつきは無視できることが
確認されているため、左右夫々に対してデータを用意す
る必要はない。駆動電流パルス幅TA1(T2:P3)、
TA3(T1:P1)については、4bitを利用してい
る。
【0222】<第4実施例>次に、図86を参照して本
発明の第4実施例について説明する。同図において、8
は交換可能なヘッド(記録手段)であり、インクがなく
なったり破損のときにはユーザが交換をする。854は
ヘッドに搭載されたROMであり、先の実施例と同様の
ヘッドの諸情報が記憶されている。CPU60aは、R
OM854の内容を読み出し、バックアップRAM62
に書き込み、この内容によって制御を行う。バックアッ
プRAM62は、電池でバックアップされており、電源
が切られても内容が消去されない。EEPROM等の不
揮発性メモリでも同じ効果が得られる。
【0223】75はドアオープンセンサであり、ユーザ
がドアを開けたかどうかを判断する。ユーザがドアを開
けるということは、通常装置内に滞留した紙を除去する
時や、ヘッドを交換する場合である。80は電源リセッ
トICであり、電源投入時所定の電圧に達したらCPU
60を含むシステムをリセット状態から解除する。コン
トロールボード81bやコントロールボード81cは、
コントロールボード81aに接続されたシステムであ
り、例えばコントロールボード81bはイメージリーダ
を管理し、プリンター管理コントローラであるコントロ
ールボード81aと通信のやり取りをし、複写機システ
ムを構築する。また、コントロールボード81cは画像
編集装置のようなオプション機器であり、例えばコント
ロールボード81bと通信や画像データのやり取りを
し、よりシステムアップした複写機システムを構築可能
な構成をとることができる。ここで必要ならば、CPU
61bもCPU61cも、ROM854の内容によって
所定の制御を行う。制御内容については、本実施例と直
接には関係しないので説明は省略する。
【0224】このように構成された本実施例の動作につ
いて、図87を参照して説明する。CPU60aは、電
源リセットIC80により電源投入を検知(ステップS
8701)し、またはドアオープンをドアオープンセン
サー75で検知(ステップS8705)する。この時、
ヘッド識別番号をヘッド8のROM854から読み込む
(ステップS8702)ことにより、交換可能なヘッド
8が交換されたか否かをバックアップRAM62内に記
憶されたヘッド識別番号との比較により判断する(ステ
ップS8703)。ここで、ヘッド8が交換された場合
のみ上記ヘッド識別番号を含む所定のヘッド特性データ
を、電池バックアップのRAM62または不揮発性のメ
モリ等に転送する(ステップS8704)。
【0225】以上のように、交換可能なヘッド8にヘッ
ド識別番号を持たせ、電源投入後またはドアオープン後
にバックアップRAM62内のヘッド識別番号と比較し
てヘッドが交換されたか否かを判断する。そして、交換
された時のみ上記ヘッド識別番号を含む所定のヘッド特
性データを電池バックアップのRAM62に転送する事
により、毎回転送するのに比べて時間を省き、コピー時
間またはプリント時間の長くなるのを防止することがで
きる。
【0226】<第5実施例>次に、本発明の第5実施例
について説明する。インクジェット記録装置において
は、その記録ヘッドを一時的に交換する場合がある。す
なわち、始めに、ある記録ヘッドで記録していたが、何
らかの理由で他のヘッドと取り替えて記録して、また元
のヘッドで記録する場合である。これらのことはヘッド
が本体に始めから装着されていてインクタンクやインク
ボトルを交換するようないわゆるパーマネントヘッドに
おいてはあまり行われることはないが、ヘッドとインク
タンクが一体となったカートリッジタイプの記録ヘッド
では頻発することがある。特に、一つのヘッドキャリッ
ジに記録ヘッドを乗せて印字を行う記録装置で複数の色
のインクを用いて印字する場合などは、必ず一時的に本
体装置の外で保管することになる。
【0227】このように本体装置に対して記録ヘッド等
が交換される場合、正常な記録の制御や、ヘッドからイ
ンクを安定に吐出させることが不可能、あるいは難しく
なる場合がある。そこで、この実施例では記録ヘッド
に、そのヘッドの特性データを記憶させる記憶部材(メ
モリ)を持たせ、記録装置本体に所定のタイミングでヘ
ッドの記憶部材のデータを読み込むようにした。この実
施例では、ヘッドとインクタンクが一体となったカート
リッジタイプの記録ヘッドの場合について説明する。
【0228】(ヘッドのID番号)ヘッドのID番号は
一つひとつのカートリッジをそれぞれ独立に認識するた
めに設けている。本体の電源ON時に、その前の動作中
に装着されていたカートリッジとID番号が違う場合は
新しいカートリッジに入れ替わったと判断できるため、
各種初期化動作を行う。
【0229】ID番号が変わったと言うことは前のカー
トリッジのインクが無くなり新しいカートリッジをパッ
ケージから取り出して装着したと言うことであり、その
まま装着しただけでは、そのヘッドから安定してインク
を吐出させることができない場合がある。そこで、新カ
ートリッジに最適な回復動作を行う。
【0230】また、以前に入っていたカートリッジの情
報を初期化する。その情報は電源ON時にカートリッジ
のROMから読み出すデータだけではなく、前のカート
リッジだけを制御するために必要なデータもである。
【0231】ID番号を電源ON時に読みとり、それが
その前の動作中のものと一緒であれば特にカートリッジ
のROMからデータを読み出す必要はない。しかしなが
ら、本体の動作中にカートリッジのROMを書き換える
ような装置構成の場合は、電源ON時または適時にカー
トリッジのROMよりデータを読みだし各種操作を行
う。
【0232】(インクの色)所定のキャリッジ位置に所
定の色のカートリッジが入っていないと出力された画像
はおかしな色になってしまう。
【0233】そこで、カートリッジに色データを入れて
おくことで、カートリッジの誤装着を防止できる。
【0234】(残検特性)インクタンク内の吸収体内に
さされた残検ピンに定電流を流し、一定時間後の電圧値
をはかる。この時の値が残検値であり、この値が所定の
スレッショルド電圧値に対して大きいときにランプを点
灯させるなどしてユーザーにインク量が残り少ないこと
を知らせる。
【0235】残検値はインクの電気抵抗に依存している
ため、低温になると値が大きくなる。よって、インクの
温度に応じて残検のスレッショルド電圧値を変えてイン
ク残量の検知を行う。また、インクの種類やインクタン
ク内の吸収体のロットによってもその特性は変化する
(図88参照)。
【0236】そこで、カートリッジ毎に、各温度におけ
る検知電圧をデータとして入れておくことで精度良くイ
ンクの残量を検知できる。具体的には以下の方法のどれ
でもよい。 〔1〕各温度毎のテーブルを入れておく。メモリの容量
と温度センサの精度を考えて3〜5℃の間隔で0〜30
℃の範囲のデータを入れる。この際、0℃以下は0℃の
値を、30℃以上は30℃の値を用いる(図89(A)
参照)。 〔2〕しかしながら、これだけのデータをメモリに入れ
なくとも、温度に対する検知電圧は単純な関数で表現で
きるため、2〜3の数値のみのデータで良い。たとえば
25℃以上は一定の値で、それ以下はリニアに値が上が
っていくように直線近似できるため、2個の数値データ
で充分である(図89(B)参照)。
【0237】(HSデータ)ヘッドシェーディング(H
S)はヘッド内の濃度ムラを補正し画質を向上させるた
めに行う。最初はヘッド出荷検査時に行いヘッド内のR
OMに書き込むが、ユーザーが使用しているうちにムラ
が変化してきたら適宜にRHSを行ってもらう。そのと
き新たに本体内のSRAMにHSデータを書き込む。
【0238】(製造年月日)カートリッジがいつ製造さ
れたかが分かれば、本体内にそのカートリッジが装着さ
れたとき、どの程度経っているかが分かる。その経過時
間によって新カートリッジの回復動作を適切なものとす
ることが可能となる。
【0239】すなわち経過時間が長くなるとノズル内の
インク濃度が高くなっているため、吸引量や空吐の発数
を多くしないと、安定した、しかも適正な濃度のインク
を吐出できない。具体的には、製造日から装着された日
までの月単位で回復動作を変える。
【0240】(有効期間)カートリッジが製造されてか
ら長い時間が経過するとインクの組成や物性が変化する
ため、吐出安定性やインク濃度が変わる。これは特にパ
ッケージを開封してからが顕著である。すなわちカート
リッジからインクが蒸発するが、インクの成分の中でも
水のように蒸発し易いものもあれば、不揮発性の成分も
ある。よってインク中の成分比が変化するため吐出特性
が変化するためである。またインク中の染料は蒸発しな
いため、インクの濃度が高くなり出力された画像は色味
が希望するものと異なってしまう。よってパッケージを
開封してカートリッジを装着してからある一定の期間を
過ぎると本体で警告するか、自動的に動作を停止しカー
トリッジを交換してもらう。
【0241】またパッケージを開封しなくとも、すなわ
ちインクがカートリッジから蒸発しなくとも、インクと
インクタンク内の吸収体が反応しインクの成分が変性す
るので、ある一定期間以上経つと吐出安定性が悪くなる
場合があるため、本体で警告するか自動的に動作を停止
しカートリッジを交換してもらう。
【0242】これらは具体的には数年のオーダーであり
通常に使用している人にはまったく問題がないが、万
一、長期にわたって使用しない場合などでも警告により
ユーザーが認識できるため常に高品位な画質を得ること
ができる。
【0243】(温度センサのランク)本インクジェット
記録装置ではヘッドの温度によって吐出制御を変えるた
め精度の高い温度検出が必要である。ヘッドの温度検知
はヘッドの吐出ヒーターと同一基板上に設けられた温度
センサーにより行われる。このセンサは半導体の抵抗素
子からなるが製造上のばらつきがあるため特性が違う。
よって製造時にこの抵抗を測定し、センサのランクを設
けそれぞれのヘッドが正確な温度検知を行えるようにし
てある。
【0244】そして電源ON時にこのデータを読みだ
し、このランクに応じてヘッド温度を計算し正確に検出
することでヘッド毎でばらつきのない、しかも1枚の画
像内で濃度むらのない高品位な画像を得ることができ
る。
【0245】(X方向(スキャン方向)のレジスト補正
データ)本インクジェット記録装置は4つのヘッドカー
トリッジをキャリッジに乗せ、シリアルにスキャンしな
がら印字することでフルカラー画像を構成している。具
体的にはスキャンする方向にヘッドを一定間隔で並べ、
一定の時間間隔でインクを吐出させることで同一の場所
にインクを印字させ希望のカラー画素を構成する。しか
しながら、ヘッドカートリッジのメカ精度やヘッドから
インクがよれて吐出される等により印字する位置すなわ
ちレジストが合わない場合がある。そうすると、画像の
色味や細線等が微妙に表現できないため高品位な画像を
得ることができない。
【0246】そこでヘッドカートリッジを製造した際に
スキャン方向のレジストデータを入れておき、新カート
リッジ装着時にこのデータを読みだし、インクの吐出の
タイミングを制御することで正確なレジストを補正す
る。
【0247】以下具体的に説明する。複数の吐出口を持
ったヘッドはスキャン方向に対してほぼ垂直の方向に吐
出口が並ぶように位置される。正確にはある程度斜めに
配置されている。すなわち複数の吐出口を持っている場
合、その吐出口から同時にインクを吐出させるなら垂直
に配置させてもスキャン方向に対して垂直な印字になる
のだが、複数の吐出口から同時に吐出させようとする
と、その瞬間に吐出させるのに必要なかなり大きなパワ
ーが必要となる。また、同時に吐出する数が多い場合と
少ない場合では吐出ヒータに流れる電流の差によって電
圧降下が違ってくるため電源の電圧が変動し、最適な駆
動条件で安定して吐出させることが難しくなる。そこ
で、実際にはまったくの同時ではなく、ある程度の時間
をおいて分割して吐出させる。そうすると最初に吐出し
てから最後に吐出するまでの時間の間キャリッジがスキ
ャンするため、たとえばNノズルのヘッドが1からNま
で順番に吐出すると斜めに印字されてしまう。そこで、
あらかじめその曲がりを考慮してヘッド自体を斜めに配
置させる。
【0248】しかしながら、前記説明したようにヘッド
のメカ精度や吐出のよれのためにレジストがずれる。そ
こで、あらかじめヘッドの検査時にどの程度ずれている
かを測定し、ずれ量に相当する時間だけ吐出するタイミ
ングを早めるか、あるいは遅くするようにその時間をデ
ータとしてヘッド内に書き込み、電源ON時にそのデー
タを読みだして吐出するタイミングを制御する。このデ
ータはヘッド全体としてどの程度ずれているかのもので
もよいし、ノズル毎に制御しても良い(図90参照)。
このように吐出するタイミングをヘッド毎あるいはノズ
ル毎で制御することでスキャン方向のレジストを補正し
高品位な画像を出力することができる。
【0249】このようにヘッドカートリッジ内にデータ
を書き込んでおき、本体の電源ON時等にデータを読み
だし、適切な各種制御を行うことで、高品位な画像を信
頼性高く印字することが可能となる。
【0250】なお、これらのデータはすべてがなくとも
良いが、データが多いほど高精度な制御による高品位な
画像が得られる。
【0251】<第6実施例>本実施例はヘッドとインク
タンクが分離可能なカートリッジの場合について説明す
る。ヘッドとインクタンクが分離することで、インクが
なくなればタンクを交換し、1つのヘッドで何回もイン
クタンクを利用することで、ヘッドの寿命がくるまで使
えるため、ランニングコストが安くなる。このようなヘ
ッドカートリッジの場合、ヘッド側とインクタンク側の
両方にメモリを持たせると良いが、少なくともヘッド側
に持たせれば良い。
【0252】まず、両方に記憶メモリが付いている場合
について説明する。この場合、第5実施例で説明したデ
ータのインクタンクに関するデータはインクタンク側か
ら、ヘッドに関するデータはヘッド側から別々に読み出
せば良い。なお、第5実施例と同様の部分については、
説明を省略する。
【0253】(ヘッドのID番号)ID番号が変わった
と言うことはヘッドの寿命が終わり新しいヘッドカート
リッジをパッケージから取り出して装着したと言うこと
であり、そのまま装着しただけでは、そのヘッドから安
定してインクを吐出させることができない。特にこのよ
うにインクタンクとヘッドが分離するカートリッジでは
ヘッドの液質内はインクが入ってない場合が想定できる
ため、新ヘッドに最適な回復動作を行う。
【0254】(HSデータ)ヘッドシェーディング(H
S)はヘッド内の濃度ムラを補正し画質を向上させるた
めに行う。最初はヘッド出荷検査時に行いヘッド内のR
OMに書き込むが、ユーザーが使用しているうちにムラ
が変化してきたら適宜にRHSを行ってもらう。そのと
き新たに本体内のSRAMにHSデータを書き込む。
【0255】(製造年月日)ヘッドカートリッジがいつ
製造されたかが分かれば、本体内にそのカートリッジが
装着されたとき、どの程度経っているかが分かる。その
経過時間によって新カートリッジの回復動作を適切なも
のとすることが可能となる。
【0256】すなわち、経過時間が長くなるとヘッド内
ヒータが何らかの変化をきたし、空吐の発数を多くしな
いと、安定した吐出ができない。具体的には、製造日か
ら装着された日までの月単位で回復動作を変え、空吐数
を多くする。
【0257】(有効期間)ヘッドカートリッジが製造さ
れてから長い時間が経過するとヘッドの耐久性が悪くな
る。これは特に印字を開始してからが顕著である。すな
わちインクと吐出ヒーターが接触し、しかもヒーターに
電圧が加わるため吐出ヒーターの耐久性がなくなってく
るのである。よってパッケージを開封してカートリッジ
を装着してからある一定の期間を過ぎると本体で警告す
るか自動的に動作を停止しヘッドカートリッジを交換し
てもらう。
【0258】これらは具体的にはかなりの吐出発数ある
いは枚数であり、インクタンクを何回か交換することが
可能であるが、所定の値を越えたならユーザーに警告し
ヘッドを交換してもらうことができるため常に高品位な
画質を得ることができる。
【0259】(温度センサのランク)製造時に半導体素
子の抵抗を測定し、センサのランクを設けそれぞれのヘ
ッドが正確な温度検知を行えるようにしてある。
【0260】(X方向(スキャン方向)のレジスト補正
データ)ヘッドカートリッジを製造した際にスキャン方
向のレジストデータを入れておき、新カートリッジ装着
時にこのデータを読みだしインクの吐出のタイミングを
制御することで正確なレジストを補正する。
【0261】(インクタンクのID番号)インクタンク
のID番号は一つひとつのインクタンクカートリッジを
それぞれ独立に認識するため、あるいは種類の異なるイ
ンクタンクカートリッジのグループを認識するために設
けている。(図86のヘッド8をインクタンクカートリ
ッジと置き換えて参照)本体の電源ON時やインクタン
クカートリッジの着脱や交換がなされた際に、その前の
動作中に装着されていたインクタンクカートリッジとI
D番号が違う場合は新しいインクタンクカートリッジに
入れ替わったと判断できるため、各種初期化動作を行
う。
【0262】ID番号が変わったと言うことは、インク
がなくなり新しいインクタンクカートリッジをパッケー
ジから取り出して装着したと言う場合と、途中で別の特
性を有したインクタンクカートリッジと交換し記録を行
うこと(所望の記録が完了した後、再び元のインクタン
クカートリッジに交換する場合も含む)であり、そのま
ま装着しただけでは、安定してインクを吐出させること
ができない。またインクがなくなった場合の交換はヘッ
ドの液室内はインクが入ってない場合が想定できるた
め、新インクタンクに最適な回復動作を行う。加えて、
途中で別の特性のインクタンクカートリッジと交換する
場合、記録に前のインクカートリッジのインクの影響を
受けないように回復動作を行わせる。
【0263】また、以前に入っていたインクタンクカー
トリッジの情報を初期化する。その情報は電源ON時や
着脱や交換が検知された際にカートリッジのROMから
読み出すデータだけではなく、前のカートリッジだけを
制御するために必要なデータもである。
【0264】ID番号を電源ON時や着脱や交換が検知
された際に読みとり、それがその前の動作中のものと一
緒であれば特にカートリッジのROMからデータを読み
出す必要はない。しかしながら、本体の動作中にカート
リッジのROMを書き換えるような装置構成の場合は電
源ON時または適時にカートリッジのROMよりデータ
を読みだし各種操作を行う。
【0265】(インクの色)所定のキャリッジ位置に所
定の色のカートリッジが入っていないと出力された画像
はおかしな色になってしまう。
【0266】そこで、カートリッジに色データを入れて
おくことで、カートリッジの誤装着を防止できる。ま
た、特性が異なるインクタンクカートリッジで記録を実
行する場合、前のインクタンクカートリッジのインクの
影響を受けないように回復動作を行わせる制御を実行し
て対応する。
【0267】(残検特性)カートリッジ毎に、各温度に
おける検知電圧をデータとして入れておくことで精度良
くインクの残量を検知できる。
【0268】(製造年月日)インクタンクカートリッジ
がいつ製造されたかが分かれば、本体内にそのカートリ
ッジが装着されたとき、どの程度経っているかが分か
る。その経過時間によって新カートリッジの回復動作を
適切なものとすることが可能となる。
【0269】すなわち、経過時間が長くなるとヘッドカ
ートリッジと結合する部分のインク濃度が高くなってい
るため、吸引量を多くしないと、安定した、しかも適正
な濃度のインクを吐出できない。具体的には、製造日か
ら装着された日までの月単位で回復動作を変える。
【0270】(有効期間)インクタンクカートリッジが
製造されてから長い時間が経過するとインクの組成や物
性が変化するため、吐出安定性やインク濃度が変わる。
これは特にパッケージを開封してからが顕著である。す
なわちカートリッジからインクが蒸発するが、インクの
成分の中でも水のように蒸発し易いものもあれば、不揮
発性の成分もある。よってインク中の成分比が変化する
ため吐出特性が変化するためである。またインク中の染
料は蒸発しないためインクの濃度が高くなり出力された
画像は色味が希望するものと異なってしまう。よってパ
ッケージを開封してカートリッジを装着してからある一
定の期間を過ぎると本体で警告するか自動的に動作を停
止しカートリッジを交換してもらう。
【0271】またパッケージを開封しなくとも、すなわ
ちインクがカートリッジから蒸発しなくとも、インクと
インクタンク内の吸収体が反応しインクの成分が変性す
るため、ある一定期間以上経つと吐出安定性が悪くなる
場合があるため、本体で警告するか自動的に動作を停止
しカートリッジを交換してもらう。
【0272】この様に、ヘッドとインクタンクが分離可
能で、一体となって機能するカートリッジにおいて、ヘ
ッド側、インクタンク側それぞれに記憶メモリを持た
せ、記録装置本体に所定のタイミングでそれぞれ独立に
データを読みだす。これにより、それぞれ固有のヘッ
ド、インクタンクに応じて適切な本体及び、ヘッドの制
御が可能となり、安定した高品位な画像を印字すること
が可能となる。
【0273】またインクタンクをあまり大きくしなくて
も、1つのヘッド寿命内で何回もヘッドに比べ比較的コ
ストの安いインクタンクを交換して使えるため、ランニ
ングコストを安くできる。しかもインクタンクを小さく
することで、ヘッドカートリッジの重量を軽くすること
が出来るためヘッドキャリッジも軽い構成が可能とな
り、キャリッジを動かすモーターのトルクを小さくする
ことが出来、モーターや電源を小型化することが可能と
なる。
【0274】<第7実施例>この実施例は、第6実施例
と異なりヘッド側だけに記憶メモリがあり、インクタン
ク側にはない場合を示す。
【0275】インクタンク側に記憶メモリを設けなくて
も、ヘッド側のメモリだけで制御することが出来るた
め、インクタンクのコストを安くできる。しかしなが
ら、ヘッド側のメモリ容量はインクタンクが独立にメモ
リを持っている場合に比べ大きなものとなるので、より
信頼性のある制御をするためにはヘッドとインクタンク
で独立にメモリを持っている方がよい。
【0276】<第8実施例>本実施例では、本体上に1
ヘッドしか乗らない場合について説明する。インクタン
クがヘッド部と分離可能な構成の場合、複数の色のイン
クタンクや別の種類のインクのインクタンクを交換して
使用する場合がある。
【0277】このとき、交換する前のインクの色と新し
いインクの色が異なれば、インクの混色の防止のために
吸引や空吐を同じ色の場合に比べて多めに行う必要があ
る。そこで、交換する前のインクの色を本体側のメモリ
に書き込み電源ON時に、インクタンクの色や種類のデ
ータと比較することで適切な回復処理が可能となり、余
分なインクの消費やインクの混色を防ぐことが可能とな
る。
【0278】この場合、インクタンク側に色のデータを
持たせる必要があるが、色のデータ以外に必要がなけれ
ば、タンクに突起を付ける等の機械的な構成による本体
側での認識ができれば良い。
【0279】また、インクタンクとヘッドが一体のカー
トリッジの場合でも(インクの種類)が違う場合、それ
をデータとしてカートリッジに書き込み、インクの種類
により回復性が変わるため空吐の発数や必要吸引圧を変
えるなどすれば最適な回復動作ができる。
【0280】<その他>なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が
達成できるからである。
【0281】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の
米国特許第4313124号明細書に記載されている条
件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができ
る。
【0282】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0283】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0284】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0285】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。
【0286】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【0287】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジエ
ツト装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固
形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使用
せしめることで防止するか又は、インクの蒸発防止を目
的として放置状態で固化するインクを用いるかして、い
ずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化してインク液状として吐出するものや
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インク使用も本発明には適用可能である。このような場
合インクは、特開昭54-56847号公報あるいは特
開昭60-71260号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物として保持さ
れた状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態
としても良い。本発明においては、上述した各インクに
対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行す
るものである。
【0288】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクカートリッジにデータが予め備えられているため
ユーザによる操作を必要とすることなく、インクカート
リッジ交換後の記録の最適化を容易に図ることが可能と
なる。
【0289】また、インクカートリッジが交換されたこ
とを検知すると、インクジェット記録装置に備えられた
制御機構によってデータに応じた最適な制御が成される
ので、ユーザによる操作を必要とすることなく、インク
カートリッジ交換後の記録の最適化を容易に図ることが
できる。特に、インクの残量検知に関して精度の良い測
定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置のメイン制御を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置のメイン制御を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置のメイン制御を示すフローチャートである。
【図4】ステップS3の初期ジャムチェックルーチンの
詳細を示すフローチャートである。
【図5】ステップS5のヘッド情報読み込みルーチンの
詳細を示すフローチャートである。
【図6】ステップS8の回復動作判断〔1〕のルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図7】S512の不吐出検知動作ルーチンの詳細を示
すフローチャートである。
【図8】異常高温チェックルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。
【図9】ステップS20の回復動作判断〔2〕ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図10】回復動作判断〔3〕ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図11】回復動作判断〔6〕ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図12】回復動作判断〔4〕ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図13】タイマー吸引回復(回復動作〔3〕)ルーチ
ンの詳細を示すフローチャートである。
【図14】印字後吸引回復(回復動作〔4〕)ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図15】新カートリッジ吸引回復(回復動作〔6〕)
ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図16】不吐出検知吸引回復(回復動作〔7〕)ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図17】高温印字後吸引回復(回復動作〔8〕)ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図18】高温印字後回復(回復動作
〔9〕)ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図19】回復スイッチ吸引回復(回復動作〔10〕)
ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図20】空吐出〔1〕から空吐出〔5〕、スタンバイ
空吐出の詳細を示すフローチャートである。
【図21】プレヒートパルス幅P1を設定するシ-ケン
スを示す図である。
【図22】初期20度温調ルーチンのフローチャ-トで
ある。
【図23】20度温調及び25度温調ルーチンのフロー
チャ-トである。
【図24】ステップS21の給紙動作ルーチンのフロー
チャ-トである。
【図25】図24のステップS2201のキャリッジの
スタートポジション移動ルーチンの詳細を示すフローチ
ャートである。
【図26】ステップS22の紙幅、紙種の検知動作ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図27】ステップS24の1ライン印字ルーチンの詳
細を示すフローチャートである。
【図28】図27のステップS2501の印字制御ルー
チンのフローチャ-トである。
【図29】縮小印字モ-ドの印字制御〔6〕ル-チンのフ
ローチャ-トである。
【図30】ヘッドデジット制御〔6〕ルーチンのフロー
チャ-トである。
【図31】ヘッドデジット制御〔6〕の説明図である。
【図32】RHS印字モードの印字制御〔1〕ルーチン
のフローチャ-トである。
【図33】RHS印字モードのヘッドデジット制御
〔1〕ルーチンのフローチャ-トである。
【図34】RHS印字モードのヘッドデジット制御
〔1〕の説明図である。
【図35】RHS印字モードのヘッドタイミング制御
〔1〕ルーチンのフローチャ-トである。
【図36】印字タイミングを示す図である。
【図37】Bk,C,M,Yによる印字パターンを印字
するエリアを示す図である。
【図38】OHP印字時の印字制御〔5〕ルーチンのフ
ローチャ-トである。
【図39】ヘッドデジット制御〔5〕ルーチンのフロー
チャ-トである。
【図40】ヘッドノズル制御〔5〕ルーチンのフローチ
ャ-トである。
【図41】図39のヘッドデジット制御〔5〕および図
40のヘッドノズル制御〔5〕により行われるノズル駆
動の説明図である。
【図42】図39のヘッドデジット制御〔5〕および図
40のヘッドノズル制御〔5〕により行われるノズル駆
動の説明図である。
【図43】OHP縮小印字時の印字制御〔4〕ルーチン
のフローチャ-トである。
【図44】ヘッドデジット制御〔4〕ルーチンのフロー
チャ-トである。
【図45】ヘッドノズル制御〔4〕ルーチンのフローチ
ャ-トである。
【図46】図44のヘッドデジット制御〔4〕および図
45のヘッドノズル制御〔4〕により行われるノズル駆
動の説明図である。
【図47】図44のヘッドデジット制御〔4〕および図
45のヘッドノズル制御〔4〕により行われるノズル駆
動の説明図である。
【図48】図44のヘッドデジット制御〔4〕および図
45のヘッドノズル制御〔4〕により行われるノズル駆
動の説明図である。
【図49】ステップS25の用紙搬送ルーチンの詳細を
示すフローチャートである。
【図50】用紙搬送〔1〕ルーチンのフローチャートで
ある。
【図51】用紙搬送〔5〕ルーチンのフローチャートで
ある。
【図52】用紙搬送〔4〕ルーチンのフローチャートで
ある。
【図53】用紙搬送〔6〕ルーチンのフローチャートで
ある。
【図54】排紙動作ルーチンのフローチャートである。
【図55】排紙〔1〕ルーチンのフローチャートであ
る。
【図56】排紙〔2〕ルーチンのフローチャートであ
る。
【図57】ワイピング動作ルーチンのフローチャートで
ある。
【図58】ワイピング動作の説明図である。
【図59】チュ-ブポンプの作動を示す説明図である。
【図60】分割パルス幅変調駆動法の説明図である。
【図61】本実施例で用いるヘッド構造の説明図であ
る。
【図62】テーブルポインタTA1とTA1から求めたメイ
ンヒートパルス幅P3 の関係を示す図である。
【図63】テ-ブルポインタTA3とプレヒ-トパルス幅P
1 の関係を示す図である。
【図64】プレヒ-トパルス幅P1 と吐出量VDの関係
を示す図である。
【図65】ヘッド温度THと吐出量VDの関係を示す図
である。
【図66】ヘッド温度に対する吐出量制御の様子を、ヘ
ッド温度と吐出量の関係で示す図である。
【図67】ヘッド温度THとプレヒ-トパルス幅P1 の
関係を示す図である。
【図68】記録制御フローを実行するための制御構成を
示すブロック図である。
【図69】本実施例のインクジエツトカートリツジを説
明する図である。
【図70】プリント基板851上の要部回路構成を説明
する図である。
【図71】発熱素子857をブロツク毎に時分割で駆動
するためのタイミングチャ-トである。
【図72】本実施例で使用しているヘッドの温度センサ
-、サブヒ-タ-、吐出用(メイン)ヒ-タ-の位置関係を
示す図である。
【図73】本実施例の構成斜視説明図である。
【図74】本実施例の断面説明図である。
【図75】回復系ユニットの模式的斜視図である。
【図76】ヘッドの正面図である。
【図77】ヘッド回復系の正面図である。
【図78】回復系ユニットの正面図である。
【図79】回復系ユニットの平面図である。
【図80】回復系ユニットの側面図である。
【図81】本発明の第2実施例の新カートリッジ吸引回
復ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図82】図81の新旧ヘッド空吐数セットの詳細を示
すフローチャートである。
【図83】本発明の第3実施例のROM854内のデー
タの格納形式を示す図である。
【図84】ROM854内のデータの内容を示す図であ
る。
【図85】ダイオードセンサの温度・電圧特性を示す図
である。
【図86】本発明の第4実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図87】図86の動作を説明するフローチャ-トであ
る。
【図88】インク残量とインク抵抗値の関係を示す図で
ある。
【図89】温度と検知電圧の関係を示す図である。
【図90】ヘッドのレジスト補正量を示す図である。
【符号の説明】
P 記録装置 R 読取装置 A 右端 B ストロ-ク位置 HP ホ-ムポジション SP スタ-トポジション 1 読取手段 1a 光源 1b レンズ 1c 光電変換素子 1d 基板 2 読取キャリッジ 2a 主走査レ-ル 2b 駆動プ-リ 2c 従動プ-リ 2d タイミングベルト 2e キャリッジモ-タ- 2f 衡え部 3 読取ユニット 3a 副走査レ-ル 3b ガイドロ-ラ 3f 高底部 3g 低底部 4 原稿台ガラス 5 原稿 6 カバ- 7 信号ケ-ブル 8 記録手段 8a インクカ-トリッジ 8b 記録ヘッド 8c 吐出用(メイン)ヒ-タ- 8d サブヒ-タ- 8e 温度センサ- 9 記録キャリッジ 9a 主走査レ-ル 9b 駆動プ-リ 9c タイミングベルト 9d 記録キャリッジモ-タ- 9e ア-ム 10 シ-ト搬送手段 10a カセット 10a1 分離爪 10b ピックアップロ-ラ 10c 搬送ロ-ラ対 10e 搬送ロ-ラ対 11 記録シ-ト 12 排出トレイ 13 装置本体フレ-ム 13a ガイド部 14 信号ケ-ブル 15 記録ユニット 16 電送ユニット 17 信号ケ-ブル 52 位置決め部 55 本体底板 60 CPU 103 オリフィスプレ-ト 108 吐出口 109 押さえ部材 300 キャップユニット 302 キャップ 303 ホルダ 304 吸引チュ-ブ 305 接続チュ-ブ 306 吸収体 330 キャップホルダ 332 位置決めピン 334 位置決めピン 342 係合部 350 回復系ベ-ス 352 カム溝 354 カム溝 360 バネ 364 立ち上げ部 401 第1ブレ-ド 402 第2ブレ-ド 403 ブレ-ドクリ-ナ 500 ポンプユニット 853 ヒ-タボ-ド 854 EEPROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 壮平 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 一義 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−289358(JP,A) 特開 昭62−15415(JP,A) 特開 平2−279344(JP,A) 国際公開90/974(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録装置に対して交換可
    能に構成されるインクカートリッジにおいて、前記インクカートリッジは記憶メモリを備えており、該
    記憶メモリにはインク残量検出に利用されるインク温度
    と検知電圧に関するデータをテーブルとして有する こと
    を特徴とするインクカートリッジ。
  2. 【請求項2】 インクジェット記録装置に対して交換可
    能に構成されるインクカートリッジにおいて、 前記インクカートリッジは記憶メモリを備えており、該
    記憶メモリにはインク残量検出に利用されるインク温度
    を変数とした検知電圧の関数データを有することを特徴
    とするインクカートリッジ。
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