JP3276445B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents
プラズマcvd装置Info
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Description
太陽電池、薄膜半導体、光センサ、半導体保護膜などの
各種電子デバイスに使用される薄膜の製造に適したプラ
ズマCVD装置に関する。
記す)薄膜を製造するために、従来より用いられている
プラズマCVD装置の構成を図5を参照して説明する。
熱用ヒータ3とが平行に配置されている。高周波電極2
には、高周波電源4からインピーダンス整合器5を介し
て例えば13.56MHzの高周波電力が供給される。
基板加熱用ヒータ3は、反応容器1とともに接地され、
接地電極となっている。したがって、高周波電極2と基
板加熱用ヒータ3との間でグロー放電プラズマが発生す
る。反応容器1内には、図示しないボンベから反応ガス
導入管6を通して例えばモノシランと水素との混合ガス
が供給される。反応容器1内のガスは、排気管7を通し
て真空ポンプ8により排気される。基板9は、基板加熱
用ヒータ3上に保持され、所定の温度に加熱される。
製造する。真空ポンプ8を駆動して反応容器1内を排気
する。反応ガス導入管6を通して例えばモノシランと水
素との混合ガスを供給して反応容器内の圧力を0.05
〜0.5Torrに保ち、高周波電源4から高周波電極
2に電圧を印加すると、グロー放電プラズマが発生す
る。反応ガス導入管6から供給されたガスのうち、モノ
シランガスは高周波電極2−基板加熱用ヒータ3間に生
じるグロー放電プラズマによって分解される。この結
果、SiH3 ,SiH2 などのSiを含むラジカルが発
生し、基板9表面に付着して、a−Si薄膜が形成され
る。
は、次のような問題がある。すなわち、従来の装置にお
いて、反応容器内の圧力、ガス流量などを変えずに成膜
速度を向上させるためには、高周波電極に印加する高周
波電力を上げ、グロー放電プラズマ中の電子密度を向上
させることにより反応ガスの分解を促進している。しか
し、電子密度を上げると必然的にイオン密度も増大する
ので、基板上に堆積中の膜に多量のイオンが衝突する。
この結果、成膜された膜は、ストレスなどが増大し、膜
質が低下してしまう。したがって、膜質を低下させずに
成膜速度を向上させることは非常に困難であった。
なされたものであり、膜質を低下させることなく高い成
膜速度で非晶質薄膜を成膜できるプラズマCVD装置を
提供することを目的とする。
装置は、反応容器と、該反応容器内に収容された放電用
電極と、放電用電極にグロー放電用電力を供給する電源
と、前記放電用電極と平行に支持された基板加熱用ヒー
タとを有し、基板加熱用ヒータ上に支持された基板上に
非晶質薄膜を形成するプラズマCVD装置において、前
記反応容器の側壁を貫通して前記反応容器内に導入さ
れ、前記反応容器内で前記基板加熱用ヒータ上の基板の
側方において前記放電用電極のある側とは反対側を向い
て開口するガス導入口を有する反応ガス導入管と、前記
ガス導入口と向かい合って配置され、前記ガス導入口を
介して前記反応容器内に供給される反応ガスを加熱する
ガス加熱用ヒータと、前記反応ガス導入管と前記基板加
熱用ヒータ上の基板との間に設けられ、開口部分が互い
違いになるように配置され、前記放電用電極と前記基板
加熱用ヒータとの間に反応ガスを均一に分散して案内す
る実質的に平行に配置された第1及び第2のスリット板
と、を具備することを特徴とするプラズマCVD装置。
ヒータと前記ガス導入口との間に設けられ、一方の面が
前記ガス加熱用ヒータから熱エネルギを受け、他方の面
が前記ガス導入口から供給される反応ガスに熱エネルギ
を与える加熱板を有することが好ましい。
ジカル密度[Radical] は、反応ガス密度をN、電子密度
をne 、電子のエネルギー分布関数をf(ε)、電子と
反応ガス分子とが衝突してラジカルが生成される時の反
応衝突断面積をσ(ε)とすると、次式で表せる。
する最低の電子エネルギーである。図3にグロー放電プ
ラズマ中の電子エネルギー分布関数を示す。上式におい
て、反応ガスを加熱しない場合のE0 を図3中のE1 と
する。一方、本発明では反応ガス導入管6のガス導入口
を基板9の側方において該基板9のある側とは反対側を
向いて開口させ、かつガス加熱用ヒータ10を反応ガス
導入管6のガス導入口と向き合う位置に配置することに
より、反応容器内において反応ガスを基板から離れる向
きに導入し、ヒータ10で十分に加熱された後に反応ガ
スを基板のほうに向けて緩やかにふんわりと流れ込ま
せ、これにより反応ガス分子の内部エネルギを増加さ
せ、高エネルギのイオンの発生数を抑制しながら反応ガ
スの分解が促進され、ラジカルを生成するのに要する最
低の電子エネルギーは実効的に例えばE2 まで低下す
る。この結果、図3の斜線部で示す部分に含まれる電子
も新たにラジカル生成に寄与する。したがって、全体の
電子密度を変えずに成膜速度を向上できる。さらに、第
1及び第2のスリット板12,13を反応ガス導入管6
と基板加熱用ヒータ3上の基板9との間に配置し、ガス
加熱用ヒータ10で予め加熱された反応ガスを第1及び
第2のスリット板12,13により分散させてプラズマ
中に導入するので、多量のイオンが堆積中の膜に衝突す
ることが回避され、膜質が劣化しなくなる。この場合
に、第1及び第2のスリット板12,13の開口部分が
重ならないように互い違いに配置すると、反応ガスが更
に均一に分散化され、多量のイオンが堆積中の膜に衝突
することがなくなり、膜質が更に向上する。
する。
装置の構成を示す断面図である。なお図5と同一部材に
は同一番号を付している。反応容器1内には、グロー放
電プラズマを発生させるために高周波電極2と基板加熱
用ヒータ3とで一対の平行平板型電極が構成されてい
る。高周波電極2には、高周波電源4から例えば13.
56MHzの周波数の電力がインピーダンス整合器5を
介して供給される。
反応ガス導入管6を通して、例えばモノシランと水素の
混合ガスが、ガス加熱用ヒータ10に送られ加熱された
後、供給される。このガス加熱用ヒータ10は、図2に
示すような加熱板11を介して反応ガスを間接加熱する
構造となっている。すなわち、反応ガス導入管6のガス
導入口は加熱板11と向かい合った位置で開口している
ので、加熱板11の一方の面がガス加熱用ヒータ10か
ら熱エネルギを受け、加熱板11の他方の面がガス導入
口から供給される反応ガスに対して熱エネルギを与え
る。この結果、供給される反応ガスは加熱板11により
均一かつ十分に加熱される。また、ガス加熱用ヒータ1
0から成膜空間への反応ガスの出口に、第1のスリット
板12と第2のスリット板13との開口部分が重ならな
いように互い違いに配置されており、これら第1及び第
2のスリット板12,13は加熱されている。反応ガス
は第1及び第2のスリット板12,13の開口部分を蛇
行しながら通過するので、反応効率が上がる。反応容器
1内のガスは排気管7を通して真空ポンプ8に排気され
る。基板9は、基板加熱用ヒータ3に保持され、所定の
温度に保たれる。
たが、この代わりに直径0.3〜1mm程度の無数の穴
を開けた板を用いても良い。また、スリット板の枚数
は、2枚に限定されない。
を製造する。真空ポンプ8を駆動して反応容器1内を排
気する。反応ガス導入管6、ガス加熱用ヒータ10を通
して例えばモノシランと水素の混合ガスを50〜200
cc/min程度の流量で供給し、反応容器1内の圧力
を0.05〜0.5Torrに保ち、高周波電源4から
インピーダンス整合器5を介して高周波電極2に電圧を
印加すると、高周波電極2と基板加熱用ヒータ3との間
にグロー放電プラズマが発生する。この結果、反応ガス
が分解して基板9上にa−Si薄膜が堆積する。a−S
i薄膜の成膜速度の反応ガス温度に対する依存性を確認
するため、下記の条件で成膜実験を行った。
mm、反応ガスの種類:水素希釈20%SiH4 、反応
ガス流量:70cc/分、反応容器圧力:0.1Tor
r、高周波電力:50Wとし、ガス加熱用ヒータ10の
温度を室温から400℃の範囲に設定した。ガス加熱用
ヒータ温度と成膜速度との関係を図4に示す。
温度が400℃の場合、室温の場合と比較して、成膜速
度が約3.2倍に増加している。成膜速度は2〜6.5
オングストローム/secであった。
応ガス導入管のガス導入口を基板の側方において前記放
電用電極のある側とは反対側を向いて開口させ、かつガ
ス加熱用ヒータを反応ガス導入管のガス導入口と向き合
う位置に配置し、反応容器内において反応ガスを基板か
ら離れる向きに導入し、ヒータで加熱された後に反応ガ
スを基板のほうに向けて緩やかにふんわりと流れ込ま
せ、これにより反応ガス分子の内部エネルギーを増加さ
せ、高エネルギのイオンの発生数を抑制しながら反応ガ
スの分解を促進させることができ、反応容器に導入する
反応ガスを加熱することにより、反応ガスを分解してラ
ジカルを生成させるために必要なエネルギーを下げるこ
とができ、高速でa−Si薄膜を成膜することができ
る。さらに、開口部分が重ならないように互い違いにし
た一対のスリット板を反応ガス導入管と基板加熱用ヒー
タ上の基板との間に配置し、ガス加熱用ヒータで予め加
熱された反応ガスをスリット板により分散させてプラズ
マ中に導入するので、多量のイオンが堆積中の膜に衝突
することがなくなり、a−Si薄膜の膜質を低下させる
ことなく成膜速度が更に増大する。したがって、a−S
i太陽電池、薄膜半導体、光センサ、半導体保護膜など
の製造分野で工業的価値が大きい。
構成を示す断面図。
ヒータの断面図。
エネルギー分布関数f(ε)との関係を示す特性図。
ヒータとの関係を示す特性図。
図。
タ、4…高周波電源、5…インピーダンス整合器、6…
ガス導入管、7…排気管、8…真空ポンプ、9…基板、
10…ガス加熱用ヒータ、11…加熱板、12…第1の
スリット板、13…第2のスリット板。
Claims (2)
- 【請求項1】 反応容器と、該反応容器内に収容された
放電用電極と、放電用電極にグロー放電用電力を供給す
る電源と、前記放電用電極と平行に支持された基板加熱
用ヒータとを有し、基板加熱用ヒータ上に支持された基
板上に非晶質薄膜を形成するプラズマCVD装置におい
て、前記反応容器の側壁を貫通して前記反応容器内に導入さ
れ、前記反応容器内で前記基板加熱用ヒータ上の基板の
側方において前記放電用電極のある側とは反対側を向い
て開口するガス導入口を有する 反応ガス導入管と、前記 ガス導入口と向かい合って配置され、前記ガス導入
口を介して前記反応容器内に供給される反応ガスを加熱
するガス加熱用ヒータと、 前記反応ガス導入管と前記基板加熱用ヒータ上の基板と
の間に設けられ、開口部分が互い違いになるように配置
され、前記放電用電極と前記基板加熱用ヒータとの間に
反応ガスを均一に分散して案内する実質的に平行に配置
された第1及び第2のスリット板と、 を具備することを特徴とするプラズマCVD装置。 - 【請求項2】 さらに、前記ガス加熱用ヒータと前記ガ
ス導入口との間に設けられ、一方の面が前記ガス加熱用
ヒータから熱エネルギを受け、他方の面が前記ガス導入
口から供給される反応ガスに熱エネルギを与える加熱板
を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマCV
D装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06832093A JP3276445B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | プラズマcvd装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06832093A JP3276445B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | プラズマcvd装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06283436A JPH06283436A (ja) | 1994-10-07 |
JP3276445B2 true JP3276445B2 (ja) | 2002-04-22 |
Family
ID=13370417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06832093A Expired - Fee Related JP3276445B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | プラズマcvd装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3276445B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6503366B2 (en) * | 2000-12-07 | 2003-01-07 | Axcelis Technologies, Inc. | Chemical plasma cathode |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP06832093A patent/JP3276445B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06283436A (ja) | 1994-10-07 |
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