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JP3275326B2 - 多層セラミック焼結体の製造方法 - Google Patents

多層セラミック焼結体の製造方法

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Publication number
JP3275326B2
JP3275326B2 JP23932791A JP23932791A JP3275326B2 JP 3275326 B2 JP3275326 B2 JP 3275326B2 JP 23932791 A JP23932791 A JP 23932791A JP 23932791 A JP23932791 A JP 23932791A JP 3275326 B2 JP3275326 B2 JP 3275326B2
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JP
Japan
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sintered body
laminate
firing
multilayer ceramic
force
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Expired - Lifetime
Application number
JP23932791A
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English (en)
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JPH05283272A (ja
Inventor
弘則 児玉
忠彦 三吉
覚 荻原
秀夫 鈴木
正英 岡本
二三幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Family has litigation
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  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層セラミック焼結体及
びその製造方法に係り、特に高精度,高信頼性を確保で
きる多層セラミック焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの多層化技術は、近年特に
電子産業部門において欠かすことのできない技術となっ
てきている。例えば、積層セラミックコンデンサ,圧電
素子等の電子セラミックデバイスの小型化,高性能化
や、半導体素子等の高密度実装に必須のセラミック多層
配線基板などへの技術が挙げられ、一般にグリーンシー
ト法で作製され、多層セラミック焼結体として知られて
いる。
【0003】しかし、一般にセラミックスは焼結時に大
きな寸法変化(収縮)を伴い、これは原料やプロセスの
バラツキの影響を受けやすい。従って、焼結後の寸法精
度を高く保つことは非常に難しい技術である。また多層
セラミック焼結体に対しても同様に高い寸法精度が要求
され、特に多層配線回路基板として用いる場合には、半
導体チップを搭載し、チップとの接続を形成しなければ
ならないため、基板表面に形成する配線の位置精度(表
面の寸法精度)が高いことが要求される。更にこれらの
セラミック基板には、後工程でめっき,ピン付けまたは
薄膜層の形成等の作業が必要で、これらの作業工程での
機械的な信頼性も重要な要件となってくる。
【0004】また、これらのセラミック基板上に、後工
程で薄膜多層配線層を形成することが必要な場合などに
は、セラミック基板を精度良く薄膜回路作製装置にセッ
トできることなども重要な要件となってくる。一般にこ
のような場合には、基板の外周部を基準とすることか
ら、焼結体の外形寸法(最大寸法)及び外周形状が高精
度であることが必要となる。
【0005】上記した多層のセラミック積層体の焼結方
法としては、積層体に何も荷重をかけない状態で焼成
(無加圧焼成)するのが一般的である。この方法は簡便
で、コストも安いというメリットがあるが、焼成収縮の
バラツキを避けられず、その表面寸法精度を高く安定さ
せることが非常に難しい。特に内部に複雑な導体層を有
するような場合には、その寸法精度の確保が難しく、さ
らに反り,剥離,ふくれ等の発生も大きな問題となる。
【0006】これらの問題に対しては、例えば特開昭57
−32657 号公報,同62−5848号公報,同63−31754 号公
報において、0.5〜20g/cm2の範囲の小さな荷重を
焼成時に積層体に加える方法を開示している。これらの
方法では、積層体の焼成収縮を阻害しないで、焼結体の
反り,剥離,ふくれ等を低減させることができるが、焼
成収縮のバラツキをも同時に低減させることはできな
い。従って、高寸法精度を確保する方法とはなっていな
い。
【0007】一方、例えば特開昭60−137884 号公報,
特開平1−225546号公報では、焼結時の収縮を抑制する
ために、25〜200kg/cm2 の荷重をかけて焼結する
方法が開示されている。しかしこれらの方法では、基本
的に積層体の表面寸法を変化させずに焼結するために
は、焼成時に枠を用いることが必須となる。もしこの枠
を用いず積層体の側面をフリーの状態で焼結した場合に
は、荷重が非常に大きいため、実際には焼結体がつぶれ
てしまい、焼結体の表面及び外形寸法の精度が確保でき
ない(形状を保持できない)。一方、枠を用いて焼成す
る場合には、焼成時に焼結体が枠材と反応・接着して側
面が不規則な形状となってしまったり、枠材が強固に焼
結体と固着して、これを取り除くための研削加工が必要
となったり、枠材が使い捨てとなるためにコストや作業
性の面でも大きな問題があった。
【0008】これらに対して、特開昭62−260777号公報
では、上記2法の中間の加圧力を加えてXY平面の収
縮,上反り及びひずみをなくして焼結する方法を開示し
ている。この技術では、基板のXY平面内の焼結収縮は
防止することができるが、側面の形状及びこれを制御す
る具体的方法については、何ら開示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、無
加圧若しくは比較的軽い荷重をかける場合には、焼成収
縮によるバラツキに伴う表面層における寸法精度の低下
が避けられない。また側面も理想的には焼成前と同じフ
ラット形状になるはずのところが、実際には内部配線等
の影響で収縮によるバラツキがあって、やはり不規則な
形状となってしまうという問題があった。
【0010】一方、大きな荷重をかける場合には、積層
体が焼成時に大きくつぶれてしまうか、若しくはこのつ
ぶれを防止する目的で枠を用いて焼成するために枠材と
の反応,固着が起きてしまうか、いずれの場合も焼結体
の外形寸法精度の制御が難しいという問題があった。
【0011】本発明は、これらの問題を解決し、表面寸
法精度を向上させるとともに、側面(外形)形状を自在
に制御して、外形寸法の高精度化や機械的信頼性の向上
を達成する多層セラミック焼結体及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、表面層に焼
結による収縮を生じさせず、側面の全体又は一部が曲面
形状を有する焼結体により達成される。すなわち、加圧
力を制御するだけでなく、加圧側の材料と被加圧側の材
料との間の摩擦力または拘束力を最適に制御することに
より達成される。
【0013】このような曲面形状としては凹型または凸
型があり、目的や用途に応じていずれかまたは両方の形
状を選ぶことができる。
【0014】凹型形状の場合には、外形(最大寸法)の
寸法精度が表面層部分で決定されるので、表面部分のみ
の焼結による収縮を制御さえしておけば、容易に表面及
び外形の寸法精度の両方が確保できる。また、側面がサ
ンプルの薄膜回路作製装置へのセッティングや、外部電
極の形成に好適な形状なので、セット位置の高精度化の
達成,位置合わせの容易実行,ハンドリング安定性の向
上,信頼性の向上等の効果がある。このような形状の焼
結体は、表面部分の焼結による収縮を抑制(拘束力を印
加)する一方で、中央層近傍における収縮を抑制しない
ように工夫することにより作製できる。例えば、最も簡
便な方法としては、焼成時に焼結体がつぶれない程度の
範囲で最適化された荷重を加え、且つ加圧される積層体
と加圧する物との間の摩擦力を、積層体表面部分の焼結
による収縮を抑えるために必要な拘束力となる値に最適
化することにより実現できる。より具体的に説明する
と、加圧力が未焼成の多層セラミック積層体に伝達され
る境界部分において、加圧力を付与する側の物には表面
が平滑でない物を用いればよい。すなわち上述した焼結
体は、加圧される積層体と加圧する物との間の摩擦力を
大きくする、言い換えれば面内拘束力を大きくすること
により、焼結体に加える加圧力をできるだけ小さく抑
え、つぶれを防止しながら焼結することによって初めて
実現できるものである。
【0015】また凸型形状の焼結体は、同様に焼成時に
外表面の一部に実質的にその表面の焼結収縮を生じさせ
ない範囲内の加圧力及び/または拘束力を加えるととも
に、材料に発生するクリープ(一定応力のもとでも時間
とともに塑性変形が増加する現象)量をコントロールし
て、焼結体の加圧力及び/または拘束力を加えない面
(自由表面)の焼成収縮量を補い、焼結体の最終外形形
状をコントロールすること、より具体的には自由表面の
全体または一部を焼結体中心より見て外側に彎曲させる
ことにより達成される。この場合には、側面が丸みを帯
びた形状となるため、ハンドリング時の機械的信頼性を
大幅に向上することができる。
【0016】
【作用】まず、表面の収縮を抑えて、側面を凹型形状と
する方法を、加圧力を印加する方法により説明する。
【0017】表面付近の焼成による収縮は、焼結する積
層体の厚さに対応した、ある一定以上の荷重をかけるこ
とによって抑えられる。この収縮抑制力(面方向拘束
力)は、加圧される積層体と加圧する物との間にはたら
く摩擦力によって生じているので、積層体表面から遠く
なるほどこの力が小さくなる。この収縮抑制力の減少に
伴って、逆に収縮量は大きくなるため、焼結体の側面
は、厚さ方向,辺方向とも中央部付近でより大きくくぼ
んだ凹型曲面形状(すり針状)となる。この様な焼結体
の典型的な形状を図1に示す。この場合、加える荷重に
は適当な範囲が存在し、荷重が小さすぎると表面部分も
焼成時に大きく収縮してしまうし、荷重が大きすぎると
焼結体がつぶれて、形状が保持できなくなってしまう。
好ましい側面の形状は、その適用する用途によって異な
るが、一般的には彎曲部の曲率半径が、加圧面間の距離
(焼結体の厚さ)の1/4以上、より好ましくは1/2
以上であることが望ましい。また焼成時の収縮力は、材
料の種類や、積層体の密度及び焼成条件等によって多少
変化するので、加える荷重の最適範囲もこれに合わせて
変動させる必要がある。
【0018】次に、自由表面に適当な量の材料クリープ
を発生させ、側面全体またはその一部を凸型形状とする
ための方法を説明する。このための方法としては、まず
第1に外表面に焼成収縮を生じさせないように加える加
圧力を同時に利用することができる。加圧力により発生
する表面収縮抑制力は、加圧される積層体と加圧する側
の材料との間に働く摩擦力によって生じるため、加圧力
が大きくなるにつれて、その収縮抑制力も大きくでき
る。図2に対向する2つの表面に加圧力を加えながら焼
成した場合の、加圧力と焼成寸法変化率(加圧面,XY
方向)との一般的な関係を示す。寸法変化は、加圧力を
加えた表面に形成されたパターンの位置、及び焼結体の
XY方向の最外寸法の変化率としてそれぞれ示してあ
る。加圧力がゼロから大きくなるにつれ、表面パターン
寸法変化率,最外寸法変化率ともマイナスの絶対値が小
さくなり、ある加圧力で両方共ゼロになる。この範囲
(図2中、Aで示す)では、焼結体の自由表面は表面を
拘束された面より焼結収縮が大きいため、一般にはその
形状が凹型となる。従って、焼結体のXY方向の最外寸
法は焼結体の加圧した表面部分の寸法で決まる。一方、
これよりさらに加圧力を大きくしていく(図2中、Bで
示す)と、最外寸法の変化率は収縮から膨張へ変化し、
その値は加圧力の増加とともに大きくなる。この状態
は、すなわち焼結体の自由表面の焼結収縮量より大きな
クリープによる変化が生じ、自由表面の形状が外側に凸
型に彎曲した形状となっていることを示している。この
ような状態は、従来焼結体のつぶれとしてセラミック焼
結体の製造、特に高精度を要求される用途には利用され
ていなかった。しかしながら本願発明者等の検討の中
で、このような加圧力の大きな条件下でも、加圧される
積層体と加圧する側の材料との間に働く摩擦力を最適化
すれば表面パターン寸法変化率をある加圧力範囲でゼロ
のまま保つことができることが見出された。換言すれ
ば、表面の寸法変化がゼロになる最低の加圧力を超える
加圧力範囲を選ぶことにより、表面寸法精度は非常に良
く、かつ側面の形状は外に凸型の機械的な信頼性の良い
形状とできる。図3にその典型的な形状を示す。但し、
加える加圧力が大きすぎると焼結体が大きくつぶれて、
焼結体内部に形成した導体配線の形状,位置等が実用に
適さない範囲に変化したり、さらには焼結体の形状自体
が保持できなくなってしまう。一般的には、外表面に焼
結収縮を生じさせないために必要な加圧力の範囲と、自
由表面に適当な量の材料クリープを発生させるために必
要な加圧力の範囲とが必ずしも一致するとは限らない。
従って、これらの条件を満たすためには、前述の加圧さ
れる積層体と加圧する側の材料との間に働く摩擦力を最
適化することが必要不可欠となる。このような工夫によ
り、外表面に焼結収縮を生じさせないように必要な加圧
力の範囲を変更することができるので、外表面に焼結収
縮を生じさせず、かつ自由表面に適当な量のクリープを
発生できる加圧力の範囲を見出すことが初めて可能とな
るのである。図4には、加圧される積層体と加圧する側
の材料との間に働く摩擦力を変えた場合の、加圧力と焼
成寸法変化率(加圧面,XY方向)との一般的な関係を
示す。また一般に必要な加圧力は、焼結する積層体の厚
さが厚くなるにつれて大きくなる。このような加圧力条
件は、材料の種類や、積層体の厚さ,密度及び焼成条件
等によって変化するが、一般的には摩擦力を大きくした
方が、最適な加圧力の範囲を広く選ぶことができ、プロ
セスマージンが大きくできる。
【0019】図5は、積層体の上下面を見掛け気孔率6
0〜70%のアルミナ/シリカ質多孔質板で挟んだ状態
で加圧力を変えて焼成した場合の焼結後のサンプルの中
央部の断面図(図の上下面が拘束面)である。図5
(a)は、加圧力が小さい場合の例で、側面の形状がサ
ンプル板中心方向に凹型に彎曲している。この彎曲の度
合いはサンプル板の中心に近いほど大きい(図1のa,
c参照)。また表面の焼成収縮をゼロとするための条件
として、加圧力及びこれに伴う表面摩擦力(または収縮
拘束力)を焼結条件、セッタ材条件と共に最適にコント
ロールした場合には、図5(a)に示したように、側面
の彎曲形状が、表面付近では彎曲度が小さく(曲率半径
が大)、表面から(厚さ方向に)少し離れたところで彎
曲幅が大きくなる特徴を持つ。側面の彎曲程度を図5
(a)に示した距離(幅)x1 で示すと、x1 はサンプ
ル厚さの1/3以下、より好ましくは1/6以下が望ま
しい。
【0020】同じ条件で加圧力のみを図5(a)の場合
より大きくした場合、サンプル中央部断面は、図5の
(b),(c)の順に形状が特徴的に変化する。
【0021】図5(c)は、表面拘束力と共にクリープ
による変形を最適にコントロールすることにより達成で
きる形状で、側面は全体が外側に凸型に彎曲する。彎曲
の最大幅をx2とすると、x2はサンプルの厚さの1/3
以下、より好ましくは1/6以下が良い。図5(b)の
形状は、加圧力が(a),(c)の中間の場合に達成で
きる形状で、側面の表面近傍は外側に凸型形状,厚さ中
央部近傍は内側に凹型形状となる。この場合の最大彎曲
距離は、サンプルの厚さの1/4以下、特に1/8以下
が望ましい。
【0022】本発明の方法では、いずれの加圧力の場合
にも側面がフラットな形状となることはなかった。
【0023】次に、自由表面に適当な量の材料クリープ
を発生させるための第2の方法として、外表面の一部に
は焼結収縮を生じさせないように表面拘束力のみを付与
しながら、最適なクリープの起こる焼成条件(温度,時
間)を選ぶことができる。拘束力はこれを加える面に平
行な方向に発生する力で、真空または減圧チャックや寸
法安定性の基板との接合等で与えることができる。さら
に加圧力も伴った形で与えることもできる。この場合に
は、表面拘束力の条件を選ばれた最適なクリープ条件下
でも表面寸法精度を確保できるようにすれば良い。但
し、本方法での最適なクリープの起こる範囲では、側面
が凹型となる範囲で表面収縮をゼロとできる拘束力より
大きな拘束力を加えておくことが好ましい。またプロセ
スマージンからも多少大きめな拘束力を加えておくこと
が好ましい。この場合にも、上記最適拘束力の条件は、
材料の種類や積層体の厚さ,密度及び焼成条件によって
変化する。図6に減圧チャック方式の例をいくつか示
す。これらの例では、積層体にかかるサンプルの厚さ方
向の圧力をコントロールできるよう、減圧チャック装置
部分が位置及び圧力を精密にコントロールできるシリン
ダに取り付けられるか、内蔵されているかしている。こ
のような装置を用いる場合には、さらに焼結体の厚さを
シリンダのコントロールにより精密に決められるという
メリットがある。さらに、焼結体をポーラスにコントロ
ールしたいという場合などには、この装置で厚さ方向の
焼成収縮量を少なくコントロールする(厚さ方向の収縮
を抑える)ことも可能となる。
【0024】表面拘束力の範囲は、一般には100g/
cm2 以上、より好ましくは500g/cm2 以上で大きい
方が好ましい。また静摩擦係数の範囲としては0.6 以
上、より好ましくは0.8 以上が良い。但し、上記範囲
はその焼成条件,材料構成で変化するため、上記範囲に
限定されるものではない。
【0025】加圧力及び/または拘束力を加える面の焼
結収縮を生じさせない、または寸法変化が実質的にゼロ
とみなせる範囲は、焼結前の寸法に比べた変化率で±
0.5%以内、好ましくは±0.3% 以内と考えること
ができる。特に寸法精度に厳しい場合には、±0.1%
以内とする必要のある場合も考えられる。なお、上記成
形体または積層体の加圧力及び/または拘束力を加える
面は、成形体または積層体の複数の面のうち最も面積の
大きな面が好ましい。換言すれば、厚さは積層体の表面
の最大長さ、すなわち直方体の場合には表面の対角線の
長さよりも小さい方が好ましい。自由表面の全体または
一部が焼結体中心より外側に凸型に彎曲した形状の焼結
体では、互いに稜を共有する2面間の交差角度がいずれ
も鈍角となることから、得られた焼結体にめっき,ピン
付けや薄膜層の形成等の後工程作業を行う際の機械的な
信頼性が大幅に向上する。好ましい自由表面の形状は、
その適用する用途によっても異なるが、一般的には彎曲
部の平均曲率半径が、自由表面の対向する辺間の距離の
1/4以上、特に1/2以上であることが好ましい。加
圧力は、焼成中、常に多層セラミック積層体の上面に対
して垂直にかかることが望ましく、加圧力が常に垂直に
かかる様な構造を備えた荷重を積層体上に積載して加圧
力を付加することが好ましい。例えば、荷重が焼成中に
積層体の厚さ方向の収縮にともなって厚さ方向に移動す
る際、その方向を規定する(横ずれ,偏加圧を防止す
る)ピストン状の構造や複数の外周ピンを備えた治具な
どが有効である。
【0026】積層体に直接接する材料としては、積層体
の焼成温度域まで寸法安定性が高く、その表面が平滑で
ない方が好ましい。すなわち、この材料表面と積層体と
の間の摩擦力が大きい方が、より小さい荷重で積層体の
焼成収縮を抑えられるので、加圧によるつぶれの影響を
抑えて焼成しやすいからである。この場合の表面粗さ
(Ra)の範囲は、積層体の材料及び焼結体の用途によ
ってその最適な範囲が異なるが、焼成による収縮を効果
的に抑えるためには1μm以上、好ましくは2μm以上
がよい。また、加圧力を与える側に多孔質体を用いるこ
とも有効である。この場合には、その平均ポアサイズを
0.5μm 以上、好ましくは1μm以上とするとよい。
【0027】ところで、加圧焼成される積層体の上下面
に作用する摩擦力/拘束力は、必ずしも上下で同じであ
る必要はなく、このような場合には、摩擦力/拘束力の
小さい方の面の収縮率の方が大きくなり、上下面の面積
が異なるので、側面の形状は厚さ方向に非対称な曲面形
状とすることができるが、高い寸法精度を必要とする面
が焼成収縮を抑えられていれば問題はない。このような
焼結体の断面形状の例を図7に示す。
【0028】加圧力及び/または拘束力を加える面に焼
成後加圧側の材料が残る場合には、これを研削,ブラス
ト,薬品処理等の手段により除去することもできる。ま
た、最終的に側面全体、若しくは一部が平面であること
が必要な場合には、側面を切断,研削等により加工する
ことはもちろん可能である。この場合には、通常の無加
圧焼結やホットプレス焼結法によるものより、側面の研
削部分が小さくできるので、加工コストの面でメリット
が大きい。
【0029】内部にスルーホール又はビアホールを形成
する必要のある多層セラミック焼結体では、従来の無加
圧焼結法で焼成した場合、セラミックス部分と導体ペー
ストとの焼成収縮特性、すなわち焼成収縮率,収縮量等
を厳密に一致させなければ、スルーホールまたはビアホ
ールの周囲に剥離やクラックが生じたり、スルーホール
またはビアホールの基板表面部分に凹凸が生じるという
問題があった。本発明の方法によれば、面方向の収縮が
小さい分、厚さ方向の収縮が大きく、従って、セラミッ
クス部分の物質移動が比較的容易になるので、導体ペー
ストとの焼成収縮率や収縮量の差を焼成途中の段階で十
分に吸収できる。このため、従来法で行っていたような
セラミックス部分と導体ペーストとの焼成収縮特性の厳
密な一致は不要となる。また、脱バインダを大気中で行
うため、導体形成材料として金属酸化物(例えばCu
O,Cu2O)を用い、途中で還元して金属導体とする
方法等においては、酸化または還元に伴う体積変化によ
る剥離やクラックが大きな問題となるが、本発明の方法
ではこの問題についても容易に解決できる。また、外形
側面の彎曲形状に対応して、スルーホール又はビアホー
ルの径の中心線が、特に基板の周辺部において、厚さ方
向で、焼結体の側面形状に沿って彎曲するという特徴が
得られる。この様子を図8に、焼結体の全面にスルーホ
ールが形成された場合の概念図で示す。
【0030】本発明の方法では、加圧しながら焼成する
際に、積層体の側面を拘束するための枠を用いる必要が
なく、側面が空いているので、通常のホットプレス法に
比べて積層体に含まれる有機物の除去(脱バインダ)が
容易になる。更に、多層セラミック積層体に比較的多量
の有機物が含まれている場合には、積層体の焼結温度に
おいて寸法安定で、且つ多孔質の板状物を該積層体の上
下面に配置して、これを介して圧力を加えながら焼結す
ることにより、有機物の加熱分解・燃焼成分を上下面か
らも容易に外部に排出できるので、有機物の除去(脱バ
インダ)に有効である。この場合に用いる多孔質体の気
孔率は、加圧力以上の強度を保てる範囲で、できるだけ
大きい方が好ましく、30〜90%が好適である。特
に、耐熱セラミック繊維材を複合化した多孔質板は、強
度低下を抑えて開気孔率を大きくすることができるの
で、有効な材料である。さらに、セラミック繊維等の耐
熱性繊維を用いた不織布(セラミックペーパーなど)や
織布(ガラスクロス,アルミナクロスなど)を用いるこ
とも有効である。さらに、積層体中または加圧側多孔質
体中に、脱バインダ促進用の触媒を添加する方法を組み
合わせることも脱バインダ性の向上には有効である。ま
た、焼成過程において、積層体の焼結収縮が未だ起こら
ず脱バインダの為の加熱工程が終了する温度域までは圧
力を加えずに焼成し、その後、加圧してセラミックス部
分の焼結を行う方法も有効である。この場合、最終的に
得たい焼結体の寸法精度に応じて、脱バインダのための
加熱工程で起こる寸法変化をコントロールしなければい
けない。特に寸法変化率を実質的にゼロにしたい場合に
は、脱バインダのための加熱工程を焼結寸法変化の起こ
らない温度範囲で行う必要がある。成形体または積層体
の絶縁体層材料にガラスが含まれる場合には、このガラ
ス成分の軟化温度(粘度が4.5×107poiseの時の温
度)、より好ましくは屈伏点(粘度が1011poiseの時の
温度)より低い温度で行うことが好ましい。
【0031】また、多層セラミック成形体または積層体
の焼成は、酸化性,不活性,還元性雰囲気中、もしくは
真空中のいずれかまたはこれらを組み合わせて行うこと
ができる。耐酸化性の小さな導体材料が使用されている
ような場合は、脱バインダのため、Ar/H2O,N2
2O,N2/H2/H2Oなどの加湿した雰囲気ガス中で
の焼成工程を含むことが好ましい。また必要に応じて、
焼結体の高密度化や脱バインダ促進のために、大気圧よ
りも大きなガス圧雰囲気中で焼成する工程を含むことも
好ましい。
【0032】さらに、枠を用いる必要がないことは、製
造コスト,時間の低減というメリットがある。また、複
数個の多層セラミック積層体を、表面の平滑でない板や
多孔質板を挾んで多段に積み重ね、これらの多段積層物
の最下面と最上面の間に加圧力を加えながら、一括で焼
成を行なう方法や、ひとつの炉内に多数のピストン型加
圧装置(多軸ピストン)を備えた炉を用いるなどの方法
も可能で、量産性の向上,製造コストの低減にはより有
効である。
【0033】本発明の方法によって得られる焼結体の表
面には、焼結体に直接接していた材料の表面状態がその
まま転写される。従って、制御された表面粗さを持つ材
料を加圧力を与える側に用いることによって、製作され
る焼結体の表面粗さを制御できるので、これにより後工
程で形成する薄膜部分との接着強度を改善することも可
能である。ただし、加圧力及び/または拘束力を付与す
る側の材料が粗すぎて焼結体表面の凹凸があまり大きく
なると、後工程で形成する薄膜表面に基板の凹凸の影響
が出たり、基板表面に半導体チップ等の部品を搭載する
場合に接合不良が起こり、歩留まりが低下するという問
題が発生することがある。従って、加圧力及び/または
拘束力を付与する側の材料の表面粗さは、通常の電子材
料用の用途に対しては、50μm以下、好ましくは20
μm以下が良い。上記材料に多孔質体を用いる場合に
は、そのポアサイズが、50μm以下、好ましくは20
μm以下が良い。表面が平滑であることが要求される場
合には、研削等の方法により焼結後に加工すればよい。
この場合にも、本発明の方法により得られるサンプルは
サンプル全体の反りが非常に小さいため、研削量が少な
くて済むというメリットがある。
【0034】また、積層体に直接接する加圧側の材料と
しては、焼結後のサンプルの寸法精度が非常に高いもの
が要求される場合には、サンプルの熱膨張係数に近いも
のが必要となる。一方、寸法精度の要求が多少ゆるい場
合には、この加圧側材料を、焼結体の熱膨張係数より大
きな熱膨張係数を有する材料とすることにより、焼結体
表面に圧縮応力が残った焼結体を作製でき、これにより
焼結体の強度を向上することもできる。
【0035】本発明の方法を用いれば、セラミック絶縁
層と導体層とを有する成形体または積層体のセラミック
絶縁層部分を異なる種類のセラミック材料の組合せで構
成した多層セラミック焼結体を精度よく作製することも
可能となる。従来の方法では、このような場合、異種セ
ラミックス間の焼成収縮特性や熱膨張係数の違いによ
り、焼結体の反り,剥離等が起こりやすく、また寸法精
度の制御もますます困難となっており、実際には各種の
組合せで多層セラミック焼結体を製造することは不可能
に近かった。しかしながら本発明の方法では、基本的に
成形体の焼成収縮が殆ど起こらないので、上記のような
問題を解消して良好な多層セラミック焼結体を作製でき
る。例えば、各種ノイズの低減に好適な電子機器実装用
の多層基板を提供するために、低誘電率材料から構成さ
れた多層セラミック積層体の内部や表面に高誘電率材料
からなる層を形成して同時に焼成することにより、コン
デンサを内蔵させた基板を作製する方法などに対しても
非常に有効な方法となる。この場合、コンデンサとする
材料としては、チタン酸バリウム,チタン酸鉛系の高比
誘電率材料が、また特に高周波領域で使用する場合には
比誘電率が多少低いが高周波特性の良好なマイクロ波誘
電体材料、例えば比誘電率が20乃至200前後の(M
g−Ca)TiO3複合ペロブスカイト系,BaO−Ti
2系,BaO−TiO2−WO3系,(Ba−Sr)O−
Sm23−TiO2系を用いることが好ましい。さらに
本発明の加圧力を印加する方法では、積層体の厚さ方向
の焼成収縮率が無加圧焼成時に比べて特に大きいので、
焼結体全体の厚さ及び各層の絶縁体厚さが通常の無加圧
焼結に比べて小さくできる。例えば、グリーンシート法
で薄い多層板を製造したい場合には、グリーンシート1
層の厚みを小さくすることもできるが、これでは途中の
プロセスでのシートのハンドリング性や寸法安定性が悪
くなってしまうといった問題が生じる。これに対して本
発明の方法であれば、従来通りのシートを用いて最終的
な焼結体の厚さよりも薄くできる。また、特に上記のコ
ンデンサ内蔵基板や積層コンデンサチップ等を作製する
場合には、1層当たりの厚さが薄くなるので、容量の大
きな物が作製できるというメリットもある。コンデンサ
を備えた基板としては、焼成した基板の上に後から小型
のチップコンデンサを取り付けたり、薄膜プロセスを用
いて、薄膜コンデンサを形成する方法でも作製すること
ができ、この場合にも高い表面寸法精度を確保できる本
発明の方法で焼成した基板が好適である。また成形体ま
たは積層体を構成する複数の層のうち表面に近い絶縁体
層だけを他の絶縁体と異なる材料で構成した一体または
積層された成形体または積層体とすることもできる。こ
の方法によれば、熱的,機械的に最も厳しい環境下に置
かれる表面層を強化することが可能となる。また、前述
の脱バインダのための加熱工程を加圧力及び/または拘
束力を加えずに行う場合において、脱バインダのための
加熱工程で表面部分の寸法変化が起こらないようにこの
外側部分の絶縁体層物質に含むガラス成分の軟化温度を
より高くしておくことも有効な手段である。またこの外
側部分の絶縁体層物質を、成形体及び/または積層体の
焼成温度において実質的に焼結されない材料とすれば、
加圧力及び/または拘束力を付与する物質との反応を抑
えることができ、さらに焼成後、これを簡単に除去する
こともできる。
【0036】さらに本発明の方法の応用として、セラミ
ック絶縁層と導体層とからなる一体または積層された成
形体または積層体を構成する複数のセラミック絶縁層部
分の一部を焼成済み基板とすることができる。この焼成
済み基板は、成形体または積層体の最外層や内層部、ま
たは両方に配置することができる。また積層体の上下面
の両方もしくはどちらか一方でもよい。特に表面に複合
する場合には、積層体の焼成温度で寸法安定性を有する
焼成済み基板を用いることが望ましい。本方法は、予め
積層体と焼成済み基板とを一体成形したものを加圧力及
び/または拘束力を加えながら焼成する方法の他に、未
焼成の積層体と焼成済みの基板とを積層し、焼成時に一
体化する方法も可能である。上記のような手法を用いる
際には、焼成済み基板と成形体または積層体を構成する
他の未焼成部分との境界部分の摩擦力が最適化されてい
る必要がある。このためには、複合化する焼成済みの基
板の未焼成積層部分に接する側の表面粗さを最適化すれ
ばよい。最適な焼成済み基板の表面粗さは、材料の種類
や、積層体の密度,形状及び焼成条件等によって変化す
るがほぼ表面粗さ(Ra)を0.5μm以上、好ましくは
1μm以上とするのがよい。焼成済み基板を積層体の最
外層に配置する場合には、焼結済み基板の積層面の面積
を、積層体の未焼成部分の積層面の面積以上の大きさと
することが特に好ましい。この場合には、例えば、焼結
の際に積層体部分の側面が凹型曲面形状を有するように
最適化すれば、最終的な焼結体の表面及び外形の寸法精
度は必ず表面の焼成済み基板の寸法で決まることにな
る。また表面に一体化する焼成済み基板が積層体部分よ
り大きい場合には、加圧力を大きくして、積層体側面部
分が凸型に焼成される場合でも、この凸部の寸法が表面
の焼成済み基板より大きくならない条件、すなわち積層
焼結体全体から見れば依然側面に凹みがある状態を選べ
ば、複合焼結体の外形寸法はやはり表面の焼成済み基板
の寸法で決まることになる。従って、予め焼成済み基板
の外形寸法を高精度に加工しておけば、容易に高寸法精
度が確保できる。これらの方法により得られる複合焼結
体の断面形状のいくつかの例を図9に示す。またこの配
置の場合には、積層体の外側になる面、すなわち積層体
の未焼成部分と接しない面を、予め研削等の手段により
平滑にすることもできるので、後工程で薄膜を形成する
必要がある場合などには特に有効な方法である。また本
方法を多層配線回路基板に適用する場合には、表裏面間
(ビア)及び/または表裏面の配線が形成された焼成済
み基板を用いて、同様な内層配線を形成した未焼成の多
層セラミック積層体部分と配線が互いに接続されるよう
位置合わせして一体成形または積層して焼成する方法が
有効である。この場合、焼成済み基板に形成される表裏
面間及び/または表裏面の配線が予め焼成されたもので
もよいし、複数の貫通穴を有する焼成済み基板に導体ペ
ーストを用いて表裏面間(ビア)及び/または表裏面の
配線を形成した導体部分が未焼成のものでもよい。さら
には、焼成済み基板に予め形成された複数の貫通穴に導
体ブロックを埋め込む方法により表裏面間(ビア)の配
線を形成する方法も可能である。焼成済み基板に形成す
る複数の貫通穴を、この焼成済み基板の焼成後に、例え
ば、機械加工,レーザー加工,電子ビーム加工,化学処
理等の方法により形成する方法は、特に、貫通穴を位置
精度良く形成するのに好適である。予め焼成された配線
や導体ブロックを含む上述の焼成済み基板の場合には、
焼成済み基板に形成される導体と成形体または積層体の
焼成済み基板以外の未焼成部分に形成される導体とを互
いに異なる材料とすることも有効となる。また、成形体
または積層体の最外層に一体化または積層する焼成済み
基板に予め複数の貫通穴に形成し、必要に応じてその焼
成済み基板の表面に導体ペーストを用いて配線を形成
し、成形体または積層体の焼成済み基板以外の未焼成部
分に形成された導体部分と位置合わせして積層した後、
一括焼成して表面に複数の凹部を形成する方法も以下の
用途には有効である。焼結体の表面に形成された複数の
凹部の底部には導体部が配置されており、この凹部に半
田等の導体接合材料や導体ボール,導体ピン等を充填ま
たは挿入して凹部の底部の導体部との接続を形成する。
これによれば、半田の拡がりを凹部に限定できる,半田
高さを大きくできる,ピンの接合強度を向上できる等の
メリットがある。さらに、高強度の焼成済み基板を用い
れば、焼成済み基板部分の強度をそれ以外の絶縁体部分
より大きくすることが容易にできるので、焼結体全体の
高強度化が図れる。特に焼成済み基板を多層焼結体の最
外層に配置すれば、その効果は大きい。前述の方法で基
板の強度を表面に配置した焼成済み基板部分で確保する
ことによって、内層部分にボイドを多く含む材料、一般
的に低強度の材料とすることも可能となる。この方法に
よれば、内層部分の比誘電率を大幅に下げることができ
るので、特に高速信号伝送を必要とする多層回路基板等
の用途には好適である。内層部分にボイドを増やすに
は、焼結性の劣る材料組成を選ぶことのほか、用いるセ
ラミック原料分の一部をシリカビーズ,アルミナビーズ
といった中空の粉末とする方法なども用いることができ
る。この方法により、焼結体の側面にボイドを多く含ん
だ面が露出する場合で特に高い信頼性を要求される用途
には、後工程で側面を低融点ガラスや金属材料、または
有機物によりコーティングすることも行われる。この場
合には、側面凹型形状のものが特に好ましい。一方、熱
伝導率の大きな材料からなる焼成済み基板を用いること
により、多層セラミック焼結体の熱伝導性を向上させる
こともできる。高熱伝導性の基板としては、炭化珪素,
窒化アルミニウム,窒化ホウ素,ダイヤモンド等を含む
基板を用いることが好適である。この方法では、焼成済
み基板の積層面の面積を前記成形体または積層体を構成
する他の未焼成部分の積層面の面積と同じか、もしくは
より大きくすることができるので、多くの場合好まし
い。多層セラミック焼結体から露出及び/または突出し
た複数の高熱伝導基板部分を、後工程により金属等の高
熱伝導部材により互いに連結すれば、実質的に全体が高
熱伝導性を有する焼結体とすることができる。また露出
及び/または突出した高熱伝導基板の一部をさらに外部
のヒートシンク等へ高熱伝導接続し、これを通して強制
的に熱を放散することもできる。この方法は、高熱伝導
基板上に発熱量の大きなLSIチップを複数個搭載した
多層セラミック回路基板等の用途には特に有効である。
【0037】内層部に焼成済み基板を配置する場合で、
焼成済み基板の配置の必要性や、信頼性確保の面から焼
結後完全に焼結体内部に埋め込んだ形としたい場合など
には、焼成済み基板の積層面の面積を前記成形体または
積層体を構成する他の未焼成部分の積層面の面積より小
さくすることが好ましい。上述のように内部に焼成済み
基板を配置する場合には、多層セラミック積層体の表面
ですでに全体の焼結収縮を抑制する力を与えられている
ので、焼成済み基板の表面粗さを特に大きくして表面の
摩擦力を制御する必要はない。また上述の内蔵する焼成
済み基板としては、コンデンサ等の機能性部品であるこ
とが有効で、さらにチップコンデンサ,抵抗,コイル等
の小型の部品を多数内蔵することも勿論可能である。
【0038】セラミック焼結体の表面及び内部に形成さ
れる導体層を形成する材料としては、Cu,Ag,A
u,Ag/Pd,Ni,W,Mo,Pd,Ptまたはこ
れらの組合せから選ばれる材料が好適である。上記の組
合せで選ばれる導体材料は、予め合金として用いてもよ
いし、印刷後、焼成中に反応して少なくとも一部に合金
を形成するものでもよい。また、焼成後でも実質的に互
いに反応せず、複合材として一体に存在するものでもよ
い。これにより、導体材料として、焼成雰囲気,熱膨張
係数,電気伝導率(抵抗率)等を、広く選択できる。さ
らに成形体または積層体を構成する複数の導体層を異な
る材料で形成することもできる。特に積層体の絶縁体組
成が異なる場合には、それぞれの絶縁体に最適な組合せ
の導体材料を選ぶことが好ましい。
【0039】作製する焼結体が積層コンデンサ等で、焼
結体の側面に導電部(外部電極)を形成する必要のある
場合には、側面を凹型とし、この凹型部分に導電材料を
充填すれば、外形寸法を大きくしなくてよく、形成した
導電部分の信頼性も向上する。
【0040】セラミック絶縁材料としては、アルミナ,
ムライト,ジルコニア,窒化アルミニウム,窒化ホウ
素、またはこれらの混合物を主成分とするセラミックス
や、ホウケイ酸ガラス,アルミノケイ酸ガラス等の各種
ガラス,コージェライト,β−ユークリプタイト等の結
晶を含む結晶化ガラス、及びこれらとアルミナ,シリ
カ,ムライト,ジルコニア,マグネシア,シリコンカー
バイド,シリコンナイトライド,窒化アルミニウム,窒
化ホウ素,ダイヤモンド等のセラミックスフィラとの複
合材や、チタン酸バリウム,チタン酸鉛、その他の鉛を
含む複合ペロブスカイト化合物より主として構成される
コンデンサや圧電素子に好適な材料など、各種のセラミ
ックス、特に焼結時に液相を生成するセラミックス材料
が好適である。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】(実施例1)酸化物に換算してSiO2
65〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al2
3を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、その他を1重量%以下とする組成を有する平均
粒径2μmのホウケイ酸ガラス粉末75体積%と、平均
粒径1μmのアルミナ粉末25体積%とを混合し、更に
この粉末にメタクリル酸系のバインダ,可塑剤及び溶剤
を加えて、ボールミルで24h湿式混合してスラリーを
作製した。次に、このスラリーを用いてドクターブレー
ド法によりグリーンシートを得た。これらのグリーンシ
ートに、パンチ法により100〜150μmφの穴をあ
け、これにCuの導体ペーストを充填してビアを形成し
た。グリーンシート上にも、Cuのペーストを用いて配
線を印刷した。これらの各種の配線回路を印刷したグリ
ーンシートを50枚積層して、100℃,100kg/cm
2の条件で加熱圧着し、配線が三次元状に形成された多
層セラミック積層体を作製した。得られた積層体の厚さ
は、約14mmだった。
【0043】この積層体は、アルミナ質の多孔質板(気
孔率約70%,平均気孔径10μm)で上下面を挾み、
更にその上から0〜2400g/cm2 の加圧力をそれぞ
れ加えながら、非酸化性雰囲気中、950℃で1時間焼
成した。室温から約600℃の温度までは、100℃/
h以下のゆっくりした速度で昇温を行ない脱バインダを
十分に行った。
【0044】図10に、加圧力と加圧面、すなわちXY
方向及びこれに垂直な方向、Z方向の焼成寸法変化率と
の関係を示す。XY方向の寸法変化は、加圧力を加えた
表面に形成されたパターンの位置、及び焼結体の最外寸
法の変化率をそれぞれ示している。多層セラミック焼結
体の加圧する表面層のX,Y方向の平均寸法変化率は約
1100g/cm2 の加圧力を加えた場合にゼロとなるこ
とがわかる。またこの時のZ方向の収縮率は約45%で
あった。しかしながらこの加圧力では、まだ焼結体の加
圧しない面の焼結収縮量がクリープ量より大きいため形
状がわずかに凹型となっている。これよりさらに加圧力
を大きくしていくと、最外寸法の変化率は収縮から膨張
側へ変化する。まず加圧力がわずかに大きくなった時点
では、自由表面の加圧面に近い部分のみが凸型となっ
た。さらに加圧力を増加すると、自由表面の形状は全体
が外側に凸型に彎曲した形状となった。しかも本実験条
件において、この自由表面の少なくとも一部が凸型とな
る加圧力範囲でも表面パターン寸法変化率をゼロのまま
保つことができる事が見出された。但し、加える加圧力
が約2000g/cm2 を超えると焼結体が大きくつぶれ
てしまい(Z方向収縮率60%以上)、焼結体内部に形
成した導体配線の形状,位置等が実用上問題の出る範囲
にまで変化した。本実施例で、自由表面の凸型彎曲度合
いを平均曲率半径でサンプル厚さの1/4以上とする加
圧力の範囲は1200〜2000g/cm2であった。ま
た、側面の全体または少なくとも一部が凹型で、表面パ
ターン寸法変化率を0.5% 以下とできる範囲は600
〜1200g/cm2 であった。次にグリーンシートの積
層数を変えて厚さの異なる積層体を作製し、種々の加圧
力による焼成収縮率、焼結体形状を調べた。焼結による
X,Y方向の平均収縮率を実質的にゼロとし、側面形状
を外側に凹型または凸型に彎曲した形状とできる最適な
加圧力の範囲を積層体の厚さとの関係で図11に斜線で
示した。最適な加圧力の範囲は、全般に比較的広い範囲
で確保できており、プロセス管理上非常に有効な方法で
あることが確認できた。
【0045】なお、本実施例で1000g/cm2 を超え
る加圧力を加えながら焼成したサンプルでは、前記アル
ミナ質の多孔質板の一部がサンプル表面に残留する場合
があった。しかしながらこの場合には、サンプル表面を
軽く研磨するかブラスト処理をすることにより、表面パ
ターンを損傷することなく前記残留物を取り除くことが
できた。
【0046】(実施例2)酸化物に換算してSiO2
75〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al2
3を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、アルカリ土類金属酸化物を5重量%以下とする
組成を有する平均粒径4μmのホウケイ酸ガラス粉末6
5体積%と、平均粒径3μmのアルミナ粉末35体積%
の混合粉末にアクリル樹脂系のバインダ,可塑剤及び溶
剤を加えて、ボールミルで24h湿式混合してスラリー
を作製した。以下、実施例1と同じ方法でグリーンシー
トとし、これにCuの導体ペーストを用いて配線を印刷
した。これらのグリーンシートを30枚積層した積層体
を作製した。得られた積層体に重量の殆どかからない
様、位置及び圧力を精密にコントロールできるシリンダ
に取付け、及び内蔵した図6(a)に類似の耐熱セラミ
ックス製の減圧チャック装置で挟んで実験を行なった。
表面を拘束しながら加湿窒素中、900℃から1200
℃の温度で2時間焼成し、途中、室温から約600℃の
温度までは、50℃/h以下のゆっくりとした速度で昇
温を行った。焼成中、自由表面(側面)から拘束した表
面を通り、さらにチャック穴へのガス流により脱バイン
ダを十分に行った。図12には、得られた焼結体の最外
寸法変化率と焼成温度との関係を示す。焼成温度が97
0℃を超えると側面のクリープによる変化量が大きくな
り、凸型になり、最外寸法もこれに対応して増加するよ
うになる。焼成温度が1150℃を超えると、Z方向の
変化率が60%を超え、つぶれ始める。
【0047】(実施例3)酸化物に換算してMgOを
0.05〜25重量%、CaOを0.05〜25重量%、
Al23を20〜35重量%、B23を20〜55重量
%、SiO2 を0〜25重量%、アルカリ金属酸化物を
0〜5重量%、ZnOを0〜5重量%、PbOを0〜20
重量%とし、総量100%となる様に選んだ結晶化ガラ
ス組成のガラス粉末(平均粒径2μm)60重量%と、
平均粒径1μmのアルミナ粉末40重量%とを混合し、
更にこの粉末に水溶性のアクリル系のバインダ及び、可
塑剤,分散剤,消泡剤及び水を含む溶剤を加えて、ボー
ルミルで24h湿式混合してスラリーを作製した。実施
例1と同様に、グリーンシートを作製し、Agの導体ペ
ーストを用いて、ビア及びグリーンシート上に配線回路
や電極層を形成した。さらに積層体の最表部に配置する
層には、Auの導体ペーストを用いてビア及びグリーン
シート上に配線回路や電極層を形成した。これらの各種
の配線回路を印刷したグリーンシートを100枚積層し
て加熱圧着し、配線が三次元状に形成された多層セラミ
ック積層体を作製した。得られた積層体の厚さは、約2
2mmだった。
【0048】この積層体を、アルミナ質の多孔質板に載
置し、上面にもアルミナ質の多孔質板を置き、さらにそ
の上から2000g/cm2 の加圧力を加えながら、大気
中で室温から約600℃の温度までは、50℃/h以下
のゆっくりした速度で昇温を行い脱バインダを十分に行
った。その後引き続き、750℃において1時間、主と
して基板の緻密化のための焼成を行なった後、さらに基
板部分の結晶化処理及び導体及び基板部分の最終緻密化
のために、950℃で1時間加熱焼成した。
【0049】得られた積層セラミック焼結体の、表面層
のX,Y方向の平均収縮率はゼロで、側面は凹型だっ
た。焼結体の断面を観察したところ、本実施例の焼結体
では無加圧焼成した物に比べて、かなりボイドの量、大
きさ共に減少しており、更に4点曲げ強度も、約300
MPaで、無加圧焼成品に比べて大きく向上した。
【0050】(実施例4)ムライト(3Al23・2S
iO2 :平均粒径3μm)70〜80重量%、焼結助剤
としてSiO2 20〜30重量%、Al230.3〜1
0重量% 、MgO0.3〜2 重量%で、総量を100
%とした混合粉末にPVB,可塑剤及び溶剤を加えて、
ボールミルで24h湿式混合してスラリーを作製した。
実施例1と同様に、グリーンシートを作製し、Wの導体
ペーストを用いて、ビア及びグリーンシート上に配線回
路や電極層を形成した。これらの各種の配線回路を印刷
したグリーンシートを多数枚積層して加熱圧着し、配線
が三次元状に形成された多層セラミック積層体を作製し
た。この積層体を表面粗さ(Ra)が約2〜3μmの窒
化硼素板に載置して、あらかじめ約800℃の温度まで
100℃/h以下のゆっくりした速度で昇温し、脱バイ
ンダを十分に行った。この段階では、積層体の収縮は起
こっていなかった。その後、敷き板と同じ表面粗さ約2
〜3μmの窒化硼素板を積層体の上面にも積載して、更
にその上から加圧力を加えながら、窒素,水素,水蒸気
の混合気流中で、1670℃で5時間焼成した。
【0051】上記の方法でシートの積層数を変えた厚さ
の異なる積層体を作製し、種々の加圧力による焼成収縮
率を調べた。積層体厚さが10mmのとき約1700g/
cm2の加圧力、厚さが20mmのとき約3500g/cm2
の加圧力で、表面層のX,Y方向の平均収縮率をゼロと
することができることがわかった。焼結によるX,Y方
向の表面パターンの平均寸法変化率を0.5% 以下と
し、かつ側面の平均曲率半径を厚さの1/4以上とする
のに必要な加圧力範囲と積層体の厚さとの関係を図13
に示す。
【0052】焼結体の断面を観察したところ、本実施例
の焼結体では無加圧焼成した物に比べて、かなりボイド
が少なくなっていることがわかった。4点曲げ強度も、
約350MPaで、無加圧焼成品に比べて向上した。
【0053】また、本実施例で焼成したサンプルでは、
前記BN板は全くサンプルと反応せず、従ってサンプル
表面はBN板の凹凸パターンを完全に転写していた。
【0054】(実施例5)酸化物に換算してSiO2
65〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al2
3を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、その他を1重量%以下とする組成を有する平均
粒径2μmのホウケイ酸ガラス粉末60体積%と、平均
粒径1μmのアルミナ粉末20体積%、及び平均粒径2
μmのムライト粉末20体積%とを混合し、更にこの粉
末に水溶性アクリル系バインダ,可塑剤,分散剤,消泡
剤及び水を含む溶剤を加えて、ボールミルで24h湿式
混合してスラリーを作製した。次に、実施例1と同じ方
法でグリーンシートとし、これにCu導体ペーストを用
いて印刷法により配線を印刷した。これらのグリーンシ
ートを40枚積層した積層体を2個作製した。この積層
体をそれぞれ2枚ずつのアルミナ質の多孔質板(気孔率
約50%,平均気孔径8μm,熱膨張係数7×10-6
℃)及びムライト質の多孔質板(気孔率約40%,平均
気孔径5μm,熱膨張係数4×10-6/℃)で上下面を
挟み、さらにその上から3500g/cm2 の加圧力をそ
れぞれ加えながら、窒素,水素,水蒸気の混合気流中、
950℃で2時間焼成した。100℃/h以下のゆっく
りした速度で昇温を行い、さらにガス雰囲気圧力を大気
圧より高くして加湿ガスの積層体内部への拡散を促進す
ることにより脱バインダを十分に行った。多層セラミッ
ク焼結体の表面層パターンの焼成寸法変化率は、いずれ
もゼロで、側面は凸型に彎曲した形状となった。上記の
方法により得られた焼結体の曲げ強度を、前記多孔質板
に接して焼成された面に最大張力がかかる方向で測定し
たところ、アルミナ多孔質板を用いた焼結体の方が大き
な強度が得られた。これはアルミナ質多孔質板の熱膨張
係数が、得られた焼結体の熱膨張係数(3.8×10-6
℃)より大きく、焼結終了後の冷却過程で焼結体表面に
圧縮応力を発生させているためと考えられる。
【0055】(実施例6)酸化物に換算してSiO2
65〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al2
3を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、その他を1重量%以下とする組成を有する平均
粒径4μmのホウケイ酸ガラス粉末50重量%と、平均
粒径2μmのアルミナ粉末50重量%とを混合し、更に
この粉末にメタクリル酸系のバインダ,可塑剤及び溶剤
を加えて、ボールミルで24h湿式混合してスラリーを
作製した。次に、このスラリーを用いてドクターブレー
ド法によりグリーンシートを得た。このグリーンシート
にCu導体ペーストを用いて印刷法によりビア及び表面
配線を形成し、これらのグリーンシートを60枚積層し
た積層体を3個作製した。これらの積層体の間にアルミ
ナ質の多孔質板を挾み、更に最上下面にもアルミナ質の
多孔質板を配置して、その上から1000g/cm2 の加
圧力を加えながら、加湿窒素中、950℃で2時間、一
括焼成した。途中、室温から約600℃の温度までは、
50℃/h以下のゆっくりした速度で昇温を行い、脱バ
インダを十分に行った。多層セラミック焼結体の表面層
のX,Y方向の平均収縮率は、いずれもゼロで、側面の
形状は凹型だった。
【0056】(実施例7)ムライト(3Al23・2S
iO2 :平均粒径3μm)70〜80重量%,焼結助剤
としてSiO2 20〜35重量%,Al231〜5重量
%,アルカリ土類金属酸化物0.1〜5 重量%で、総量
を100%とした混合粉末に水溶性のアクリル系バイン
ダ,可塑剤,分散剤,消泡剤及び水を含む溶剤を加え
て、ボールミルで24h湿式混合してスラリーを作製し
た。これを用いて、実施例1と同様に、グリーンシート
を作製し、一方で、上述のムライト粉末のみ、アルミナ
粉末(平均粒径1μm),窒化ホウ素粉末(平均粒径2
μm)の3種類の粉末(いずれの粉末も焼結助剤を含ま
ない)にそれぞれ水溶性のアクリル系バインダ及び可塑
剤,分散剤,消泡剤及び水を含む溶剤を加えて、ボール
ミルで24h湿式混合して3種類のスラリーを作製し
た。これらも実施例1と同様の方法でそれぞれのグリー
ンシートを作製した。上述の焼結助剤を添加したムライ
トのグリーンシートには、WとMoの混合導体ペースト
を用いて、ビア及びグリーンシート上に配線回路や電極
層を形成した。これらの各種の配線回路を印刷したグリ
ーンシートを位置合わせしながら50枚積層した。さら
に前記積層体の最上下面に、上述の焼結助剤を添加して
いないムライト、アルミナまたは窒化ホウ素のグリーン
シートをそれぞれ配置して、全体を一括で加熱圧着し、
配線が三次元状に形成された多層セラミック積層体を3
種類作製した。これらの積層体を表面粗さ(Ra)が約
3μmの二枚の炭化ケイ素板で挟んで、その上から25
00g/cm2 の加圧力を加えながら、窒素,水素,水蒸
気の混合気流中で、1650℃で3時間焼成した。途中
約1200℃の温度まで100℃/h以下のゆっくりし
た速度で昇温し、脱バインダを十分に行った。この操作
により、側面が凹型に彎曲した焼結体が得られた。本実
施例の積層体及び得られた焼結体の加圧面に垂直な加圧
面中央部付近の断面図を図14に示す。
【0057】この方法では、焼成したサンプルと前記炭
化ケイ素との固着は起こらなかった。サンプル表面に配
置した焼結助剤を添加していないムライト,アルミナま
たは窒化ホウ素の層は未焼結のまま残っていた。この部
分は軽く研磨することで簡単にでき、これにより内層部
分に形成されていたスルーホールまたはビア配線部(端
子パッド)を表面に露出することができた。また、研磨
後の表面もフラットで比較的平滑であった。一部のサン
プルについては、さらに表面を平滑に研磨処理した後、
ポリイミドの薄膜配線層を形成し、LSIチップを多数
個搭載して、マルチチップモジュールを構成した。
【0058】(実施例8)実施例1と同様のホウケイ酸
ガラスとアルミナフィラーの複合材のグリーンシート及
び低温焼結が可能なPb(Mg13Nb23)O3−Pb
(Zn13Nb23)O3 系高誘電率材料のグリーンシート
を作製した。これらのグリーンシートに、パンチ法によ
り100〜150μmφの穴をあけ、これにAgの導体
ペーストを充填してビアを形成した。ホウケイ酸ガラス
/アルミナフィラー複合材のグリーンシート上にはさら
にAgのペーストを用いて配線を印刷した。
【0059】Pb(Mg13Nb23)O3−Pb(Zn1
3Nb23)O3系高誘電率材料のグリーンシート上に
は高容量のコンデンサを形成すべく電極部を印刷形成し
た。これらの各種配線回路,電極層を印刷したグリーン
シートを10枚積層して、100℃,100kg/cm2 の条
件で加熱圧着し、スルーホール配線及びコンデンサ部が
形成された多層セラミック積層体を作製した。得られた
積層体の厚さは、約1mmであった。
【0060】この積層体は、アルミナ質の多孔質板で上
下面を挟み、さらにその上から450g/cm2 の加圧力を
加えながら、大気中において950℃で0.5 時間焼成
した。室温から約600℃の温度までは、100℃/h
以下のゆっくりした速度で昇温し、脱バインダを十分に
行った。焼結された基板は、LSIチップキャリアとし
て高密度に配置して使用するために、側面端部を一部分
研削加工により削除した。
【0061】得られた基板を−55〜150℃,1サイ
クル/hの条件下で温度サイクル試験を行ったが、10
00サイクル経過後でも全くクラック等の発生は認めら
れなかった。さらに本実施例で得られたコンデンサ内蔵
基板の表面に微少半田ボールを用いたCCB法によりL
SIチップを搭載した。この場合、得られた基板には反
りやスルーホール部の凹凸がなく、かつスルーホールの
表面位置精度がよいため、LSIチップとの接合及び導
通で、歩留まりが非常に向上できた。
【0062】(実施例9)酸化物に換算してSiO2
65〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al2
3を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、その他を5重量%以下の組成として有する2種
類の軟化温度の異なる(800℃,900℃)ホウケイ酸
ガラスを作製した。これらを平均粒径2μmまで粉砕し
た2種類のガラス粉末それぞれ75体積%と、平均粒径
1μmのアルミナ粉末25体積%とを混合し、更にこの
粉末に水溶性のアセタール系バインダ及び可塑剤,分散
剤,消泡剤及び水を含む溶剤を加えて、ボールミルで2
4h湿式混合してスラリーを作製した。実施例1と同様
に、それぞれのグリーンシートを作製し、Cuの導体ペ
ーストを用いて、ビア及びグリーンシート上に配線回路
や電極層を形成した。これらの各種の配線回路を印刷し
たグリーンシートを位置合わせしながら60枚積層し
た。この際、前記積層体のうちの上下面各2層ずつに、
上述の軟化温度の高い方のガラスを用いて作製し配線回
路を形成したグリーンシートをそれぞれ配置した。これ
を一括で加熱圧着し、配線が三次元状に形成された多層
セラミック積層体とした。この積層体をアルミナ質の多
孔質板(気孔率約70%,平均気孔径15μm)上に載
置して、あらかじめ約650℃の温度まで50℃/h以
下のゆっくりした速度で昇温し、脱バインダを十分に行
った。この段階では、積層体の表面パターンの収縮は全
く起こっていなかった。その後、敷き板と同じ多孔質板
を積層体の上面にも積載し、更にその上から加圧力を加
えながら、窒素,水素,水蒸気の混合気流中、950℃
で2時間焼成した。残留カーボン量の非常に少ない良好
な基板が得られた。
【0063】(実施例10)実施例2と同様のホウケイ
酸ガラスとアルミナフィラーの複合粉末に水溶性のアク
リル系バインダ及び可塑剤,分散剤,消泡剤及び水を含
む溶剤を加えて、ボールミルで24h湿式混合してスラ
リーを作製した。実施例2と同様に、グリーンシートを
作製し、金属としてCu60vol%とW40vol%
との混合粉末を含む導体ペーストを用いてビア及びグリ
ーンシート上に配線回路や電極層を形成した。前記各種
の配線回路を印刷したグリーンシートを50枚積層し、
これらの配線が三次元状に互いに接続されるよう位置合
わせして加熱圧着して多層セラミック積層体を作製し
た。この積層体を窒素、水素、水蒸気の混合気流中で約
600℃の温度まで、50℃/h以下のゆっくりした速
度で昇温を行ない脱バインダを十分に行った。
【0064】一方、Wのビア及び表面配線導体が寸法精
度良く形成された高強度のムライト焼結済み基板を2枚
準備した。この基板を前述の脱バインダが終了した積層
体の上下面に配線が三次元状に互いに接続されるよう位
置合わせをして配置し、ムライト基板面から約200g
/cm2 の加圧力を加えながら、非酸化性雰囲気中、95
0℃で2時間焼成した。前記焼成済み基板の表面粗さ
(Ra)は、積層体に接する面が約1μm、表面に露出
する面が約0.3μm である。又、その積層面サイズは
未焼成の積層体部分の面積と同じとした。
【0065】得られた多層セラミック焼結体は、完全に
一体化しており、その側面はムライト焼成済み基板以外
の部分がわずかに凸型となっていた。CuとWの混合ペ
ーストを用いた導体部は、焼成により、CuがWの周囲
を充分に濡らすため、非常に緻密であり、さらにCuと
Wとは反応しないため、Cuのマトリクス中にWが均一
に分散複合した状態の一体の導体部となっていた。ま
た、CuとWの複合導体は熱膨張係数が小さくなるた
め、表面層のW導体部及びセラミック部がともに信頼性
が高く一体化される。本実施例の焼結体では無加圧焼成
した物に比べて、強度が約280MPaで、ムライト焼
成済み基板を複合化しない場合に比べて大きく向上し
た。
【0066】(実施例11)酸化物に換算してSiO2
を65〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al
23を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、その他を1重量%以下の組成として有する平均
粒径2μmのホウケイ酸ガラス粉末50体積%(軟化点
850℃、屈伏点610℃)、平均粒径1μmのアルミ
ナ粉末20体積%および平均粒径1μmのシリカ粉末3
0体積%を混合し、更にこの粉末に水溶性のアセタール
系バインダ,可塑剤,分散剤,消泡剤及び水を含む溶剤
を加えたものを、ボールミルで24h湿式混合してスラ
リーを作製した。実施例1と同様の方法でグリーンシー
トを作製し、これにCuの導体ペーストを用いて、ビア
及びグリーンシート上に配線回路や電極層を形成した。
【0067】一方、多数のビアをレーザーを用いて高位
置精度で形成し、これらにWの微細ブロックが充填され
た高熱伝導性窒化アルミニウム(AlN)焼結基板を2
枚準備した。前記各種の配線回路を印刷したグリーンシ
ートを30枚積層し、さらにその最上下面に前記窒化ア
ルミニウム基板を配置して、これらの配線が三次元状に
互いに接続されるよう位置合わせして加熱圧着して多層
セラミック積層体を作製した。前記焼成済み基板の表面
粗さ(Ra)は、積層体に接する面が約2μm、表面に
露出する面が約0.5μm としてある。また、その積層
面のサイズは未焼成の積層体部分の面積より大きい。こ
の積層体に、前記AlN基板面から約300g/cm2
加圧力を加えながら、非酸化性雰囲気中、900℃で2
時間焼成した。また室温から約600℃の温度までは、
50℃/h以下のゆっくりした速度で昇温を行ない脱バ
インダを十分に行った。この場合に焼結時に、AlN基
板以外の部分に形成されたCu配線の一部が表面のWブ
ロック部分に濡れ拡がり、AlN基板にあけたビアとW
ブロック間にあった焼結前の微小な隙間は完全に封着さ
れていた。
【0068】得られた多層セラミック焼結体は完全に一
体化しており、その側面は窒化アルミニウム焼成済み基
板以外の部分が凹型となっていた。さらに得られた多層
セラミック焼結体の窒化アルミニウム基板以外の部分
は、材料自体が低誘電率である上に、密度が約87%と
比較的低いために比誘電率が3.8 と非常に小さく、高
速伝送を必要とする基板として非常に有利である。多層
基板全体の強度は表面に複合化されている高強度の窒化
アルミニウム基板で確保されているために、実用上は全
く問題がなかった。さらにこの多層基板全体の熱伝導を
よくするために、上記最外層の2枚の窒化アルミニウム
基板と焼結されたガラス部分で囲まれた側面の凹みの部
分に、半田ペーストを充填し、低温で溶融することによ
って2枚の高熱伝導窒化アルミニウム基板を結合し、熱
のパスを形成する。これにより、LSIチップを片側表
面に搭載し動作させた場合、チップの発熱を多層基板表
面の窒化アルミニウム基板と、多層基板側面に形成され
た半田を通して多層基板の全体に拡散できるので、熱放
散性が飛躍的に向上する。この方法は同時に、側面に露
出している低密度部分(ボイドの多い部分)を気密封止
して信頼性を向上させることもできるので、この基板を
高い信頼性が要求される超大型計算機などの多層回路基
板として用いようとする場合には非常に好適である。図
15に、本実施例で得られる多層回路基板の断面図を示
す。図中では焼結体中央部のガラス/セラミックス複合
材部分に形成されている配線は省略してある。
【0069】(実施例12)酸化物に換算してSiO2
を65〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al
23を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、その他を1重量%以下とする組成を有する平均
粒径3μmのホウケイ酸ガラス粉末65体積%と、平均
粒径1μmのアルミナ粉末10体積%及び平均粒径5μ
mの中空シリカビーズ25体積%の混合粉末にアクリル
樹脂系のバインダ,可塑剤及び溶剤を加えて、ボールミ
ルで20h湿式混合してスラリーを作製した。以下、実
施例1と同様にしてグリーンシートとし、これにCuの
導体ペーストを用いてビア及びグリーンシート上に配線
回路や電極層を形成した。一方、Wのビア及び表面配線
導体が寸法精度よく形成された緻密で高強度のムライト
焼成済み基板、及び予め複数の貫通穴をCO2 レーザー
を用いて高位置精度で形成したムライト焼結基板を準備
した。この基板には必要に応じて表面に導体ペーストを
用いて配線を形成しておくこともできる。上記のグリー
ンシート50枚と基板2枚を、ムライト基板が最終的な
積層体の最下層及び最上層に配置されるよう積層した。
この際、グリーンシートに形成した配線が三次元的に互
いに接続されるよう位置合わせをし、さらにグリーンシ
ート上に形成された導体部分と位置合わせした。ムライ
ト基板の表面粗さ(Ra)は、積層体に接する面が約
0.7μm 、表面に露出する面が約0.3μm とし、基
板の積層面のサイズは未焼成の積層体部分の面積と同じ
とした。この複合積層体の前記ムライト基板面を多孔質
板(気孔率約70%,平均気孔径10μm)で挟み、約
600g/cm2 の加圧力を加えながら、非酸化性雰囲気
中、960℃で2時間焼成した。室温から約600℃の
温度までは、50℃/h以下のゆっくりした速度で昇温
を行い脱バインダを十分に行った。これにより、ムライ
ト基板以外の側面部分が凹型で、一方のムライト基板側
表面に複数の小穴(凹部)を有し、反対のムライト基板
には複数のW導体パッドが形成された多層セラミック回
路基板が製造できた。これらのパッド及び焼結の位置精
度は非常に高かった。
【0070】次に焼結体下面に形成された複数の凹部
に、少量の半田を印刷、充填した後、各凹みにI/Oピ
ンを挿入し、半田を溶融して固着及び前記凹部底部の導
体部とピンの接続を形成した。この方法で形成したI/
Oピンの前記多層基板への接合強度は通常の挿入部分を
持たないピンに比べて約2倍に向上した。
【0071】一方、反対側のムライト基板上にはCu配
線を形成したポリイミドの薄膜配線層を多数形成し、そ
の上にキャリア基板に搭載したLSIチップを多数個搭
載して、マルチチップモジュールを構成した。このモジ
ュールを用いた大型計算機は、非常に信頼性が高く、か
つ信号の高速伝送を達成できた。図16に、本実施例で
得られる多層回路基板及びこれを用いたLSIチップの
実装モジュールの構造の一例を示す。図中では一部の配
線は省略してある。
【0072】(実施例13)酸化物に換算してSiO2
を75〜85重量%、B23を10〜30重量%、Al2
3を1〜10重量%、アルカリ金属酸化物を10重量
%以下、アルカリ土類金属酸化物を5重量%以下の組成
として有する平均粒径4μmのホウケイ酸ガラス粉末6
5体積%,平均粒径3μmのアルミナ粉末15体積%お
よび平均粒径10μmの中空シリカビーズ20体積%の
混合粉末にアクリル樹脂系のバインダ及び可塑剤、溶剤
を加えて、ボールミルで24h湿式混合してスラリーを
作製した。以下、実施例1と同じ方法でグリーンシート
とし、これにCu導体ペーストを用いて、ビア及びグリ
ーンシート上に配線回路や電極層を形成した。一方、多
数のビアを電子ビームを用いて高位置精度で形成した高
熱伝導性窒化アルミニウム焼結基板を3枚準備した。こ
れら焼成済み基板にもCu導体ペーストを用いて、ビア
及びグリーンシート上に配線回路や電極層を形成した。
但し、ここで用いたCuペーストは、前記のグリーンシ
ートに対して用いたペーストよりCu粒子の充填率が大
きいものを用いた。これらのグリーンシート50枚とA
lN焼成済み基板3枚を、AlN基板が最終的な積層体
の最上下面及び中央層に配置され、さらに配線が三次元
状に互いに接続されるよう位置合わせして積層後、加熱
圧着して一体の多層セラミック積層体を作製した。前記
AlN基板の表面粗さ(Ra)は、積層体に接する面が約
1μm、表面に露出する面が約0.5μm としてある。
さらに最上下面に配置されるAlN基板の積層面のサイ
ズは未焼成の積層体部分の面積より大きく、中央部に配
置されるAlN基板のサイズは未焼成の積層体部分の面
積と同じとした。この積層体に前記AlN基板面から約
500g/cm2の加圧力を加えながら、非酸化性雰囲気
中、970℃で2時間焼成した。室温から約600℃の
温度までは、50℃/h以下のゆっくりした速度で昇温
を行ない脱バインダを十分に行った。
【0073】得られた多層セラミック基板のAlN基板
以外の部分は、側面が外に凸型となっていた。さらにこ
の部分は比誘電率が3.9 と非常に小さく、高速伝送を
必要とする基板として非常に有利である。多層基板全体
の強度は表面に複合化されているAlN基板で確保され
ているので、実用上はまったく問題がなかった。更にこ
の多層基板全体の熱伝導を良くするために、上記最外層
の2枚のAlN基板と焼結されたガラス部分で囲まれた
側面のくぼみの部分に、はんだペーストを充填し、低温
で焼成することにより3枚の高熱伝導AlN基板を結合
し、熱のパスを形成する。これにより、LSIチップを
片側表面に搭載し動作させた場合、チップの発熱を多層
基板表面のAlN基板と、多層基板側面に形成されたは
んだとを通して多層基板の全体に拡散できるので、熱放
散性が飛躍的に向上する。図17に、本実施例で得られ
る多層回路基板の断面図を示す。図中では得られた多層
基板の内部に形成されている配線は省略してある。
【0074】(実施例14)BaTiO3 系高誘電率材
料のグリーンシートを作製し、これにPtの導体ペース
トを用いてビア及び電極部を印刷形成した。これらを複
数枚積層、焼成して、複数のスルーホール配線及びコン
デンサ部が形成された多層セラミックコンデンサを作製
した。一方、実施例1と同様のホウケイ酸ガラスとアル
ミナフィラーの複合材のグリーンシートに、Ag−Pd
の導体ペーストを用いてビアおよび表面配線を印刷形成
した。また一部のグリーンシートには、パンチ法により
前記セラミックコンデンサより大きな穴を形成した。前
記コンデンサの積層部分の面積より大きな面積にカット
した複数枚のグリーンシートと前記焼成済みセラミック
コンデンサを、コンデンサが最終的な積層体の内部に配
置されるよう配置した。この際、コンデンサを積層する
層部分には同時に前記コンデンサより大きな穴をあらか
じめ形成したグリーンシートを配置した。さらにコンデ
ンサの電極及びスルーホール配線が他の積層体の配線と
三次元状に互いに接続されるよう位置合わせして積層し
た。これを加熱圧着して一体の多層セラミック積層体を
作製した。前記積層コンデンサの表面粗さ(Ra)は約
0.3μm であった。この積層体は、アルミナ質の多孔
質板で上下面を挾み、更にその上から加圧力を加えなが
ら、大気中において900℃で1時間焼成した。
【0075】本実施例で得られたコンデンサ内蔵基板の
表面に、微小半田ボールを用いたCCB法によりLSI
チップを搭載した。この場合、得られた基板には反りや
スルーホール部の凹凸が全くなく、且つスルーホールの
表面位置精度が良いため、LSIチップとの接合及び導
通で、歩留まりが非常に向上できた。また内蔵されたコ
ンデンサにより、LSIチップの動作ノイズを大幅に低
減できた。図18に本実施例で得られる多層回路基板の
断面図を示す。
【0076】(実施例15)BaTiO3 系高誘電率材
料のグリーンシートを作製し、これにPdの導体ペース
トを用いてビア及び電極部を印刷形成した。これらを複
数枚積層、焼成して、複数のスルーホール配線及びコン
デンサ部が形成された多層セラミックコンデンサを複数
個作製した。さらにWのビア配線導体が寸法精度よく形
成された高強度のアルミナ焼結済み基板を1枚準備し
た。一方、実施例1で用いたホウケイ酸ガラスとアルミ
ナフィラーの複合材のグリーンシートに、Ag−Pdの
導体ペーストを用いてビア及び表面配線を印刷形成し
た。また一部のグリーンシートには、パンチ法により前
記セラミックコンデンサより僅かに大きな穴を前記コン
デンサと同じ数だけ形成した。前記コンデンサの積層部
分の面積より大きな面積にカットした複数枚のグリーン
シートと複数個の前記焼成済みセラミックコンデンサ
を、コンデンサが最終的な積層体の内部に配置されるよ
うに配置した。この際、コンデンサを積層する層部分に
は同時に前記コンデンサより大きな穴を予め形成したグ
リーンシートを配置した。また積層体の最下層には前記
アルミナ焼結済み基板を配置した。さらに上記のコンデ
ンサ、アルミナ焼結済み基板の電極及びスルーホール配
線が他の積層体の配線と三次元状に互いに接続されるよ
うに位置合わせして積層した。これを加熱圧着して多層
セラミック積層体を作製した。前記積層コンデンサの表
面粗さ(Ra)は約0.3μm であった。この積層体
は、アルミナ質の多孔質板で上下面を挟み、さらにその
上から加圧力を加えながら、大気中において900℃で
1時間焼成した。
【0077】本実施例で得られたコンデンサ内蔵多層基
板の裏面には半田を用いてI/Oピンを接続し、一方の
表面には微少半田ボールを用いたCCB法によりLSI
チップを搭載した。この場合、得られた基板には反りや
スルーホール部の凹凸が全くなく、かつスルーホールの
表面位置精度がよいため、LSIチップとの接合及び導
通歩留まりやI/Oピン接合強度が非常に向上できた。
また内蔵されたコンデンサにより、LSIチップの動作
ノイズを大幅に低減できた。図19に、本実施例で得ら
れる多層回路基板及びこれを用いたLSIチップの実装
モジュール構造の断面図の一例を示す。
【0078】(実施例16)平均粒径0.5μm のチタ
ン酸バリウム粉末,メタクリル酸系のバインダ,可塑剤
及び溶剤を用いて、実施例1と同様の方法で、厚さ0.
1mm のグリーンシートを作製した。Pdの導体ペース
トを用いて、グリーンシート上に電極層をスクリーン印
刷により形成した。これらのグリーンシート29枚及び
最上層に印刷されていないグリーンシートを1枚、合計
で30枚積層して加熱圧着し、多層セラミック積層体を
作製した。得られた積層体の厚さは、約3mmだった。
【0079】この積層体は、表面粗さが5μmのSiC
基板で上下面を挾み、更にその上から800g/cm2
圧力を加えながら、大気中、1600℃で1時間焼成し
た。室温から約600℃の温度までは、バインダ除去の
ため、50℃/h以下のゆっくりした速度で昇温した。
【0080】得られた多層セラミック焼結体の、表面層
のX,Y方向の平均収縮率はほぼゼロで、側面は凹型だ
った。Z方向の収縮率は約45%で、無加圧焼成した場
合のZ方向収縮率約20%に比べて非常に大きく、従っ
て誘電体層部分の厚さが小さくなっていた。
【0081】この焼結体の側面凹部に、外部引出し電極
を焼き付け、これを−55℃〜150℃、1サイクル/h
の条件で温度サイクル試験を行った。本実施例の焼結体
では、1000サイクル経過後でも全く外部電極接合部
や素子にクラック等の欠陥は発生しなかった。得られた
積層コンデンサの中央部断面を図20に示す。
【0082】(実施例17)平均粒径0.7μm のあら
かじめ仮焼して得たPbZrO3−PbTiO3系の粉末
と、メタクリル酸系のバインダ,可塑剤及び溶剤を用い
て、実施例1と同様の方法にて、厚さ0.15mm のグリ
ーンシートを作製した。Ag−Pdの導体ペーストを用
いて、グリーンシート上に内部電極層をスクリーン印刷
により形成した。これらのグリーンシート19枚及び最
上層に印刷されていないグリーンシートを1枚、合計で
20枚積層して加熱圧着し、多層セラミック積層体を作
製した。得られた積層体の厚さは、約2mmだった。
【0083】この積層体を、アルミナの多孔質基板で上
下面を挾み、更にその上から600g/cm2 の加圧力を
加えながら、大気中、1100℃で1時間焼成した。室
温から約500℃の温度までは、バインダ除去のため、
50℃/h以下のゆっくりした速度で昇温した。
【0084】得られた積層セラミック焼結体の、表面層
のX,Y方向の平均収縮率はほぼゼロで、側面は凹型だ
った。この焼結体の側面凹部に、外部電極を焼き付け、
積層セラミックス駆動素子とした。これを−55℃〜1
50℃、1サイクル/hの条件で温度サイクル試験を行
った。本実施例の焼結体では、1000サイクル経過後
でも全く外部電極接合部や素子にクラック等の欠陥は発
生せず、特性の劣化も認められなかった。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、表面層の焼成収縮がな
く、且つ側面が凹型及び凸型曲面形状を有する焼結体が
得られ、比較的簡単に表面寸法精度、および外形寸法精
度がともに良好な積層セラミック焼結体や、機械的信頼
性に優れる焼結体を実現できる。特に、LSI搭載用基
板の用途には、チップを搭載する表面の寸法精度が非常
に高く、しかもこの面を基準として、後工程での位置合
わせがすべてできることから、全工程を通しての寸法精
度の大幅な向上が可能となる。また、本発明により得ら
れる多層セラミック焼結体は、各種電子機器に用いられ
る多層セラミック部品、電子計算機のLSI実装用多層
配線基板や高機能性構造材料等、広く用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は側面が厚さ方向に凹型となった焼結体
を上面から見た図、(b)は(a)のX−X′部分での
切断面を示す図、(c)は(b)のY−Y′部分での切
断面を上面から見た図である。
【図2】対向する2つの表面に加圧力を加えながら焼成
した場合の加圧力と焼成寸法変化率(加圧面、XY方
向)との一般的な関係を示す図である。
【図3】(a)は側面が厚さ方向に凸型となった焼結体
を上面から見た図、(b)は(a)のX−X′部分での
切断面を示す図、(c)は(b)のY−Y′部分での切
断面を上面から見た図である。
【図4】加圧される積層体と加圧する側の材料との間に
働く摩擦力を変えた場合の加圧力と焼成寸法変化率(加
圧面、XY方向)との一般的な関係を示す図である。
【図5】対向する2面に加圧力を加えながら焼成した場
合の焼結体の加圧面に垂直な断面の実際に得られる形状
の例を示す図である。
【図6】表面拘束力を与える減圧チャック装置を用いた
積層体の焼成方法の例を示す図である。
【図7】上下面の摩擦係数を変えて焼成した焼結体の切
断面形状を示す図である。
【図8】本発明の方法で得られる焼結体中のスルーホー
ルの形状を示す焼結体の断面図である。
【図9】(a),(b),(d)は未焼成の積層体の上
下面に焼成済みの基板を接合し焼成した複合焼結体の断
面図、(c)は未焼成の積層体の片面に焼成済みの基板
を接合し焼成した複合焼結体の断面図である。
【図10】加圧力と加圧面方向及びこれに垂直な方向の
焼成寸法変化率との関係を示す図である。
【図11】焼結によるX,Y方向の平均収縮率をゼロと
し、かつ側面の形状を最適な範囲に保持できる加圧力の
最適な範囲を積層体の厚さとの関係で示す図である。
【図12】焼結体の最外寸法変化率及び側面形状と焼成
温度との関係を示す図である。
【図13】焼結によるX,Y方向の平均収縮率を実質的
にゼロとし、かつ側面の形状を最適な範囲に保持できる
加圧力の最適な範囲を積層体の厚さとの関係で示した図
である。
【図14】(a)は本発明の多層セラミック焼結体の焼
成前積層体の実施例を示す断面図、(b)は本発明の多
層セラミック焼結体の実施例を示す断面図である。
【図15】焼成済み基板を複合化した多層セラミック焼
結体の実施例を示す断面図である。
【図16】焼成済み基板を複合化した多層セラミック焼
結体基板及びこれを用いたLSIチップの実装モジュー
ル構造の実施例を示す断面図である。
【図17】本実施例で得られる多層回路基板の断面図で
ある。
【図18】本実施例で得られる多層回路基板の断面図で
ある。
【図19】本実施例で得られる焼成済み基板、素子を複
合化した多層回路基板及びこれを用いたLSIチップの
実装モジュール構造の断面図の一例を示す図である。
【図20】本実施例で得られた積層コンデンサの中央部
断面図である。
【符号の説明】
1…多層セラミック焼結体、2…多層セラミック焼結体
の側面彎曲部、3…スルーホール、4…焼成済み基板、
5…多層セラミックコンデンサ、6…内部電極、7…多
層セラミックコンデンサの側面凹部、8…外部電極、1
1…多層セラミック積層体、12…非焼結性グリーンシ
ート、13…内部配線、14、15…端子パッド、16
…ビア配線、17…ボイド、18…はんだ、19…中空
ビーズ、20…内部ビア配線の一部、21…挿入型I/
Oピン、22…小穴(凹部)、23、24…充填、接合
用はんだ、25…ポリイミド/Cu薄膜多層配線部、2
6…はんだボール、27…キャリア基板、28…LSI
チップ、29…キャップ、30…内部ビア配線、31…
内部配線、32…I/Oピン、33…多層セラミックコ
ンデンサ、34…多層セラミックコンデンサの内部配
線、35…多層セラミックコンデンサのスルーホール、
100…耐熱性多孔質板、101…多層セラミック成形
体、102…減圧チャック装置、103…吸引口、10
4…圧力補正機構(シリンダ)、105…台、106…
ガラス/セラミックス複合焼結体、111…AlN基
板、112…中空ビーズ、113…はんだ、114…L
SIチップ、115…はんだボール、116…I/Oピ
ン、117…ビアホール、スルーホール、118…内層
配線、119…多層セラミックコンデンサ、120…多
層セラミックコンデンサの内部電極、121…多層セラ
ミックコンデンサのスルーホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 1/03 630 H01L 41/08 N 3/46 41/22 A (72)発明者 鈴木 秀夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 岡本 正英 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 小林 二三幸 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社 日立製作所 神奈川工場内 (56)参考文献 特開 昭57−17474(JP,A) 特開 平2−5449(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/64 - 35/645 H01G 4/12 H01L 41/08,41/24 H05K 3/46

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、加圧力を加えながら加熱焼成し
    て、多層セラミック焼結体を製造する方法であって、前
    記加圧力の加わる面の焼成寸法変化量を、少なくともゼ
    ロとする力以上の加圧力を加えながら焼成することを特
    徴とする側面が彎曲形状を有する多層セラミック焼結体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、加圧力を加えながら加熱焼成し
    て、多層セラミック焼結体を製造する方法であって、前
    記加圧力によって生じるクリープによる外形寸法変化量
    が、焼結に伴う収縮変化量より大きくなる範囲の加圧力
    を加えながら焼成することを特徴とする側面の少なくと
    も一部が凸型形状を有する多層セラミック焼結体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、面方向の拘束力を加えながら加
    熱焼成して、多層セラミック焼結体を製造する方法であ
    って、前記拘束力が前記積層体の拘束面の焼成寸法変化
    量を実質的にゼロとする力以上であることを特徴とする
    多層セラミック焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、面方向の拘束力を加えながら加
    熱焼成して、多層セラミック焼結体を製造する方法であ
    って、前記積層体の前記拘束力の加わる面の焼成寸法変
    化量が実質的にゼロであり、かつクリープによる前記拘
    束力の加わらない面の外形寸法変化量が焼結に伴う収縮
    量より大きくなる温度、時間条件で加熱焼結を行うこと
    を特徴とする側面の少なくとも一部が凸型形状を有する
    多層セラミック焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】セラミック絶縁層を有し、その少なくとも
    表面及び内部のいずれかに導体となる層が形成された積
    層体の少なくとも一部に、面方向の拘束力を加えながら
    加熱焼成して多層セラミック焼結体を製造する方法にお
    いて、前記焼結体の絶縁層が焼成後気孔率、熱伝導率、
    比誘電率、強度及び熱膨張率のうちの少なくとも1以上
    が互い異なる2種以上のグリーンシート材料により構成
    され、側面が彎曲形状を有し、かつ前記拘束力の加わる
    面の焼成寸法変化量を実質的にゼロとする力を加えなが
    ら焼成することを特徴とする多層セラミック焼結体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】前記積層体の少なくとも最外層の絶縁体層
    物質を、積層体の焼成温度において実質的に焼結されな
    い材料とすることを特徴とする請求項乃至いずれか
    に記載の多層セラミック焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、加圧力及び拘束力のいずれかを
    加えながら加熱焼成し、自由表面に彎曲形状を有する多
    層セラミック焼結体を製造する方法であって、前記絶縁
    層の少なくとも1層を焼成済み基板とすることを特徴と
    する多層セラミック焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、加圧力及び拘束力のうちのいず
    れかを加えながら加熱焼成し、側面の少なくとも一部に
    彎曲形状を有する多層セラミック焼結体を製造する方法
    であって、前記絶縁層の少なくとも1層を焼成済み基板
    とし、該焼成済み基板の少なくとも表面に予め焼成した
    配線を形成し、該配線が前記積層体の未焼成部分に形成
    された導体部分と接続するように位置合わせをし、その
    後焼成することを特徴とする多層セラミック焼結体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】セラミック絶縁層を有し、少なくとも表面
    及び内部のいずれかに導体層が形成された積層体の外表
    面の少なくとも一部に、加圧力及び拘束力のうちのいず
    れかを加えながら加熱焼成し、側面の少なくとも一部に
    彎曲形状を有する多層セラミック焼結体を製造する方法
    であって、前記絶縁層の少なくとも1層を焼成済み基板
    とし、該焼成済み基板に予め複数の貫通穴を形成し、該
    貫通穴導体ペーストまたはメッキにより前記焼成済み
    基板の少なくとも表面に配線を形成し、該配線が前記積
    層体の未焼成部分に形成された導体部分と接続するよう
    に位置合わせをし、その後焼成することを特徴とする多
    層セラミック焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記焼成済み基板を形成する材料の、熱
    伝導率,比誘電率,強度のうちの少なくとも1つが、前
    記積層体の他の絶縁部分の焼成後における前記物性値よ
    りも大きいことを特徴とする請求項乃至いずれかに
    記載の多層セラミック焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記焼成時に、積層体の側面を拘束しな
    いことを特徴とする請求項7乃至10いずれかに記載の
    多層セラミック焼結体の製造方法。
  12. 【請求項12】前記物質が、前記積層体の焼成温度にお
    いて寸法安定で且つ多孔質な材料からなることを特徴と
    する請求項乃至11いずれかに記載の多層セラミック
    焼結体の製造方法。
  13. 【請求項13】前記加圧力または拘束力を与える媒体
    が、耐熱セラミック繊維材を複合化した材料から成るこ
    とを特徴とする請求項12記載の多層セラミック焼結体
    の製造方法。
  14. 【請求項14】前記積層体に直接接する加圧力または拘
    束力を与える媒体が、焼結体の熱膨張係数より大きな熱
    膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする請求項
    12または13記載の多層セラミック焼結体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】前記積層体を複数個積み重ねて、一括に
    焼成を行なうことを特徴とする請求項乃至11いずれ
    かに記載の多層セラミック焼結体の製造方法。
  16. 【請求項16】前記複数個の積層体間に、該積層体の焼
    成温度において寸法安定でかつ多孔質な材料、または実
    質的に焼結されない積層体層を介して積み重ねて一括に
    焼成を行うことを特徴とする請求項15記載の多層セラ
    ミック焼結体の製造方法。
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