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JP3273842B2 - アルコキシシラン化合物及びシランカップリング剤 - Google Patents

アルコキシシラン化合物及びシランカップリング剤

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Publication number
JP3273842B2
JP3273842B2 JP30430293A JP30430293A JP3273842B2 JP 3273842 B2 JP3273842 B2 JP 3273842B2 JP 30430293 A JP30430293 A JP 30430293A JP 30430293 A JP30430293 A JP 30430293A JP 3273842 B2 JP3273842 B2 JP 3273842B2
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JP
Japan
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alkylene
carbon atoms
phenylene
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Inventor
宏一 井柳
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ポーラ化成工業株式会社
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Publication date
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  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシシラン化合
物及びシランカップリング剤に関し、詳しくはシランカ
ップリング剤や表面処理剤などに有用な新規なアルコキ
シシラン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、親水性の表面を処理して撥水
性を持たせたり、表面を親有機性にする事で、無機物表
面にプラスチックス等に対する親和性を付与したりする
ために、末端に活性シリル基を有する化合物、いわゆる
シランカップリング剤が広範囲な分野で用いられてい
る。
【0003】これらのシランカップリング剤の性能を高
めようとする試みもなされており、例えば特公昭62−
34349号公報には、グリコール又はポリグリコール
のエステルのアシル基をトリアルコキシシリル化し、活
性シリル基の数を増加させたシラン化合物が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年ま
すます高い表面処理剤としての性能が要求されるように
なり、高耐候性、高耐熱性の処理表面を与え得るシラン
カップリング剤が要求されるようになっているが、現存
するシラン化合物は、無機物表面との反応点となる末端
の活性シリル基が少ないため、これらの要求に対して必
ずしも満足のいくものではない。
【0005】耐候性、耐熱性等を高めるために、末端の
活性シリル基を増やす方法として、活性シリル基と重合
性の官能基を合わせ持つシランカップリング剤を重合さ
せる方法が考えられる。しかし、この方法では一般に反
応生成物の分子量を制御することが困難なために、生成
物が高分子化しやすく、その結果各種溶剤に対して溶解
しなくなり、使用性が著しく低下する等の問題点を有し
ていた。
【0006】本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたも
のであって、高耐候性、高耐熱性の表面処理等に利用可
能であって、且つ各種溶媒への溶解性が良好なアルコキ
シシラン化合物及びシランカップリング剤を提供するこ
とを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、三価以上の多価ア
ルコールの全ての水酸基にトリアルコキシシリル基を導
入したアルコキシシラン化合物が、表面との反応点とな
るアルコキシシリル基の数が多く、高耐候性、高耐熱性
の表面処理を行うことを可能とし、しかも各種溶剤への
溶解性が良好であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち本発明は、炭素数3〜6のアルカ
ンポリオール及びその2分子間又は分子内脱水縮合物、
及び、単糖類及びその糖アルコール誘導体から選択され
る三〜十価の多価アルコールの水酸基のすべてがアシル
化された化合物であって、このアシル化によるアシル基
のすべてが化5で表される、トリアルコキシシリル化さ
れたアシル基であることを特徴とするアルコキシシラン
化合物である。
【0009】
【化5】−COQSi(OR)3 (但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表
し、互いに異なっていても、互いに同一のものを含んで
いても良い。Qは部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4
アルキル基で水素原子が置換されていても良い炭素数
1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン基、及びアル
キレン部分の炭素数が2〜10である−アルキレン−S
−アルキレン−、−フェニレン−S−アルキレン−、も
しくは−フェニレン−アルキレン−S−アルキレン−の
から選ばれるいずれかを表し、互いに異なっていて
も、互いに同一のものを含んでいても良い。)多価アル
コールとしては、三〜十価のものであり、好ましくは三
〜六価のものである。本発明のアルコキシシラン化合物
としては、具体的には下記一般式(1)で表される化合
物、
【0010】
【化6】
【0011】(但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアル
キル基を表し、互いに異なっていても、互いに同一のも
のを含んでいても良い。Qは部分的にハロゲン原子、
素数1〜4のアルキル基で水素原子が置換されていても
良い炭素数1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン
、及びアルキレン部分の炭素数が2〜10である−ア
ルキレン−S−アルキレン−、−フェニレン−S−アル
キレン−、もしくは−フェニレン−アルキレン−S−ア
ルキレン−の基から選ばれるいずれかを表し、互いに異
なっていても、互いに同一のものを含んでいても良
い。)下記一般式(2)で表される化合物、
【0012】
【化7】
【0013】(但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアル
キル基を表し、互いに異なっていても、互いに同一のも
のを含んでいても良い。Qは部分的にハロゲン原子、
素数1〜4のアルキル基で水素原子が置換されていても
良い炭素数1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン
、及びアルキレン部分の炭素数が2〜10である−ア
ルキレン−S−アルキレン−、−フェニレン−S−アル
キレン−、もしくは−フェニレン−アルキレン−S−ア
ルキレン−の基から選ばれるいずれかを表し、互いに異
なっていても、互いに同一のものを含んでいても良
い。)さらに下記一般式(3)で表される化合物が挙げ
られる。
【0014】
【化8】
【0015】(但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアル
キル基を表し、互いに異なっていても、互いに同一のも
のを含んでいても良い。Qは部分的にハロゲン原子、
素数1〜4のアルキル基で水素原子が置換されていても
良い炭素数1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン
、及びアルキレン部分の炭素数が2〜10である−ア
ルキレン−S−アルキレン−、−フェニレン−S−アル
キレン−、もしくは−フェニレン−アルキレン−S−ア
ルキレン−の基から選ばれるいずれかを表し、互いに異
なっていても、互いに同一のものを含んでいても良
い。)また、前記三〜十価の多価アルコールが単糖類で
あって、単糖類の水酸基のすべてが前記化5式で表され
るアシル基によってエステル化された化合物も本発明の
アルコキシシラン化合物に含まれる。
【0016】さらに、本願発明はこれらのアルコキシシ
ラン化合物からなるシランカップリング剤を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】<1>本発明のアルコキシシラン化合物及
びシランカップリング剤 本発明のアルコキシシラン化合物は、三〜十価の多価ア
ルコールの水酸基のすべてをアシル基によってエステル
化した化合物であって、アシル基はすべて前記化5式で
表されるトリアルコキシシリル化されたアシル基であ
る。
【0018】前記多価アルコールが三価の場合には、
般式(1)で表されるエステル化合物が、価の場合に
一般式(2)で表されるエステル化合物及び一般式
(3)で表されるエステル化合物が挙げられる。
【0019】さらに、本発明においては多価アルコール
として単糖類も好適に用いられる。単糖類は、アルドー
ス、ケトースを問わず、3個以上の水酸基を有していれ
ば良い。また、本発明においては、単糖類はD体であっ
てもL体であってもよく、環状であっても鎖状であって
もよい。さらに、単糖類の還元生成物である糖アルコー
ルなどの単糖類誘導体も用いられる。
【0020】具体的には、グルコース、ガラクトース、
マンノース、キシロース、フルクトース、ソルボース、
ソルビトール、マンニトール、リビトールなどが挙げら
れる。
【0021】化5式で表される基、及び一般式(1)〜
(3)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、Q
は部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基で
水素原子が置換されていても良い炭素数1〜4のアルキ
レン基もしくはフェニレン基、及びアルキレン部分の炭
素数が2〜10である−アルキレン−S−アルキレン
−、−フェニレン−S−アルキレン−、もしくは−フェ
ニレン−アルキレン−S−アルキレン−の基から選ばれ
るいずれかを表し、互いに異なっていても、互いに同一
のものを含んでいても良い。Rのアルキル基としては具
体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられ
る。
【0022】一方、Qのアルキレン基としては具体的に
は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が、また
これらの基の水素原子は部分的にハロゲン原子、炭素数
1〜4のアルキル基等で置換されていても良い。一方、
アルキレン部分の炭素数が2〜10である−アルキレン
−S−アルキレン−、−フェニレン−S−アルキレン
−、もしくは−フェニレン−アルキレン−S−アルキレ
ン−の基としては、具体的には、-(CH2)3-S-(CH2)3-、-
(CH2)2-S-(CH2)2-、-CH2CH(CH3)CH2-S-(CH2)3-、-(CH2)
10-S-(CH2)3-、-Ph-(CH2)2-S-(CH2)2-等が例示できる。
尚、ここでPhはフェニレン基を表す。
【0023】上記アルコキシシラン化合物は、シランカ
ップリング剤として使用することができる。本発明のア
ルコキシシラン化合物をシランカップリング剤として使
用する場合には、上記化合物を単独で使用してもよく、
2種以上の任意の混合物として使用してもよい。また、
これら単独の化合物又は混合物を、そのままシランカッ
プリング剤としてもよく、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール、テトラヒドロフラン、
メチルエチルケトン等の溶媒またはこれらの溶媒の混合
物に溶解して用いてもよい。
【0024】<2>本発明のアルコキシシラン化合物の
製法 本発明のアルコキシシラン化合物は、三〜十価の多価ア
ルコールのアシルエステル、例えば、下記一般式(6)
〜(8)に示される多価アルコールのアシルエステル、
あるいは単糖類のアシルエステルのいずれかに対して、
例えば一般組成式(4)で表されるトリアルコキシモ
ノハイドロジェンシランを白金系触媒の存在下で反応さ
せる方法、一般組成式(5)で表されるメルカプト基
を有するトリアルコキシシランを紫外線照射下又は有機
過酸化物の存在下で付加させる方法、等の公知の方法に
より合成する事が出来る。
【0025】
【化9】 (RO)3 Si−H ・・・(4) (RO)3 SiP−SH ・・・(5) (Rは一般式(1)〜(3)における場合と同じであ
り、Pは部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基で水素原子が置換されていても良い炭素数1〜4の
アルキレン基またはフェニレン基を表す。)なお、式
(6)〜(8)に示される多価アルコールのアシルエス
テルは、多価アルコールに当該アシルクロライドを反応
させる等の公知の方法で製造できる。
【0026】
【化10】
【0027】(但し、式中、Zは部分的にハロゲン原子
で水素原子が置換されていても良く、場合によってはア
リーレン基を鎖長中に含んでいても良い、不飽和結合を
1個含む分岐又は直鎖のアルキル基を表し、互いに異な
っていても、互いに同一のものを含んでいても良い。)
【0028】
【化11】
【0029】(但し、式中、Zは部分的にハロゲン原子
で水素原子が置換されていても良く、場合によってはア
リーレン基を鎖長中に含んでいても良い、不飽和結合を
1個含む分岐又は直鎖のアルキル基を表し、互いに異な
っていても、互いに同一のものを含んでいても良い。)
【0030】
【化12】
【0031】(但し、式中、Zは部分的にハロゲン原子
で水素原子が置換されていても良く、場合によってはア
リーレン基を鎖長中に含んでいても良い、不飽和結合を
1個含む分岐又は直鎖のアルキル基を表し、互いに異な
っていても、互いに同一のものを含んでいても良い。)
【0032】
【作用】本発明のアルコキシシラン化合物は、従来のア
ルコキシシラン化合物に比べて末端の活性シリル基の数
が多く、ガラス等の無機物の表面処理に用いると、耐候
性、耐熱性等に優れた処理表面を与えることができる。
また、本発明のアルコキシシラン化合物は、生成する際
に高分子化せず、その結果各種溶剤に対して溶解性を有
するので、使用性にもすぐれている。本発明のアルコキ
シシラン化合物をシランカップリング剤として使用する
際には、そのまま処理表面に噴霧してもよく、各種溶剤
に溶解してから噴霧あるいは塗布してもよい。さらに、
本発明のアルコキシシラン化合物をコーティング用組成
物の成分として使用することもできる。
【0033】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【0034】
【実施例1】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管を備
えた三つ口フラスコに、ジグリセリンテトラ−10−ウ
ンデセノエ−ト41.6g、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン39.3g、ベンゼン300mlを入
れ、攪拌混合した。さらに、この溶液にアゾビスイソブ
チロニトリル0.5gをベンゼン100mlに溶解した
溶液を添加し攪拌混合した。
【0035】攪拌を続けながら、室温で乾燥窒素ガスに
よるバブリングを1時間行った後、加熱してベンゼンの
沸点で24時間還流を行って反応を完結させた。続いて
ロータリーエバポレーターでベンゼンを除去して淡黄色
粘性液体を得た。IR、NMR測定を行ったところ、こ
の液体が式(9)で表されるアルコキシシランであるこ
とが確認された。
【0036】
【化13】
【0037】(但し、Qは−CH2(CH28CH2SC
2CH2CH2−を表す。)
【0038】
【実施例2】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管を備
えた三つ口フラスコに、グリセリントリ−3−ブテノエ
ート29.6g、3−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン71.5g、ベンゼン400mlを入れ、攪拌混
合した。さらに、この溶液にアゾビスイソブチロニトリ
ル0.4gをベンゼン100mlに溶解した溶液を添加
し攪拌混合した。
【0039】攪拌を続けながら、室温で乾燥窒素ガスに
よるバブリングを1時間行った後、加熱してベンゼンの
沸点で24時間還流を行って反応を完結させた。続いて
ロータリーエバポレーターでベンゼンを除去して淡黄色
粘性液体を得た。IR、NMR測定を行ったところ、こ
の液体が式(10)で表されるアルコキシシランである
ことが確認された。
【0040】
【化14】
【0041】(但し、Qは−CH2CH2CH2SCH2
2CH2−を表す。)
【0042】
【実施例3】耐圧ビン型の反応容器にペンタエリトリト
ールテトラメタクリレート40.9g、トリエトキシシ
ラン65.7gを入れ、攪拌混合した。次に塩化白金酸
2PtCl6・6H20をテトラヒドロフラン中で加熱
し、0.02モル%溶液とし、白金0.2ミリモルに相
当するこの溶液を前述の混合溶液に添加した後、反応容
器を80℃で4時間加熱した。
【0043】続いてテトラヒドロフランを除去した後、
固形物を除去し粘性液体を得た。IR、NMR測定を行
ったところ、式(11)で表されるアルコキシシランで
あることが確認された。
【0044】
【化15】
【0045】(但し、Qは−CH(CH3)CH2−を表
す。)
【0046】
【実施例4】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管を備
えた三つ口フラスコにD−ソルビトールヘキサアクリレ
ート10.1g、3メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン23.6g、ベンゼン150mlを入れ、攪拌混合
した。さらに、この溶液にアゾビスイソブチロニトリル
0.1gをベンゼン50mlに溶解した溶液を添加し攪
拌混合した。
【0047】攪拌を続けながら、室温で乾燥窒素ガスに
よるバブリングを1時間行った後、加熱してベンゼンの
沸点で24時間還流を行って反応を完結させた。続いて
ロータリーエバポレーターでベンゼンを除去して淡黄色
粘性液体を得た。IR、NMR測定を行ったところこの
液体が式(12)で表されるアルコキシシランであるこ
とが確認された。
【0048】
【化16】
【0049】(但し、Qは−CH2CH2SCH2CH2
2−を表す。)
【0050】
【実施例5】耐圧ビン型の反応容器に、D−グルコース
ペンタ−4−ペンテノエート29.5g、トリエトキシ
シラン41.1gを入れ、攪拌混合した。次に塩化白金
酸H 2PtCl6・6H20をテトラヒドロフラン中で加
熱し、0.02モル%溶液とし、白金0.1ミリモルに
相当するこの溶液を前述の混合溶液に添加した後、反応
容器を80℃で4時間加熱した。
【0051】続いてテトラヒドロフランを除去した後、
固形物を除去し粘性液体を得た。IR、NMR測定を行
ったところ、この液体が式(13)で表されるアルコキ
シシランであることが確認された。
【0052】
【化17】
【0053】(但し、Qは−CH2(CH22CH2−を
表す。)
【0054】
【試験例】上記実施例で得られたアルコキシシラン化合
物について、シランカップリング剤としてガラスの表面
処理を行い、コーティング性能を評価した。
【0055】実施例1〜5で得られたアルコキシシラン
及び比較品として市販のイソブチルトリメトキシシラン
(IBTMO)、オクチルトリエトキシシラン(OCT
EO)を、各々0.1重量モル%になるようテトラヒド
ロフラン/エチルアルコール2:8(重量比)混合溶媒
に溶解し、各々の溶液をスプレー装置を用いて市販のス
ライドガラス上に噴霧塗布した。尚、いずれのアルコキ
シシランも溶媒に対する溶解性は良好であった。このス
ライドガラスを室温で4時間乾燥した後、150℃で1
2時間加熱して表面処理を完結させた。
【0056】上記の様に表面処理したスライドガラスを
大気中300℃で2時間加熱処理し、加熱処理前後での
撥水性を以下の基準で目視により判断し、処理表面の耐
熱性の評価とした。結果は表1に示す。
【0057】[判断基準] ◎:水が水滴となって表面上をころがる。 ○:ころがらないが、水滴となってはじく。
【0058】△:水がやや広がるが完全に表面を覆わな
い。 ×:水が表面を完全に覆う。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜5で得られたアルコキシシラン化合物からなるシラン
カップリング剤で処理したスライドグラスは、比較品を
使用した場合に比べて加熱処理後も高い撥水性を示し、
本発明のアルコキシシラン化合物からなるシランカップ
リング剤で処理した表面の耐熱性が良好であることが示
された。
【0061】
【発明の効果】本発明のアルコキシシラン化合物は、シ
ランカップリング剤として用いた場合高い耐熱性を有す
る処理表面を与えるので、高温条件に暴露される材料の
表面処理剤として好適に使用し得るものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3〜6のアルカンポリオール及び
    その脱水縮合物、及び、単糖類及びその糖アルコール
    導体から選択される三〜十価の多価アルコールの水酸基
    のすべてがアシル化された化合物であって、このアシル
    化によるアシル基のすべてが化1で表されるトリアルコ
    キシシリル化されたアシル基であることを特徴とするア
    ルコキシシラン化合物。 【化1】−COQSi(OR)3 (但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表
    し、互いに異なっていても、互いに同一のものを含んで
    いても良い。Qは部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4
    アルキル基で水素原子が置換されていても良い炭素数
    1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン基、及びアル
    キレン部分の炭素数が2〜10である−アルキレン−S
    −アルキレン−、−フェニレン−S−アルキレン−、も
    しくは−フェニレン−アルキレン−S−アルキレン−の
    から選ばれるいずれかを表し、互いに異なっていて
    も、互いに同一のものを含んでいても良い。)
  2. 【請求項2】 前記化合物が、下記一般式(1)で表さ
    れることを特徴とする請求項1記載のアルコキシシラン
    化合物。 【化2】 (但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表
    し、互いに異なっていても、互いに同一のものを含んで
    いても良い。Qは部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4
    アルキル基で水素原子が置換されていても良い炭素数
    1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン基、及びアル
    キレン部分の炭素数が2〜10である−アルキレン−S
    −アルキレン−、−フェニレン−S−アルキレン−、も
    しくは−フェニレン−アルキレン−S−アルキレン−の
    から選ばれるいずれかを表し、互いに異なっていて
    も、互いに同一のものを含んでいても良い。)
  3. 【請求項3】 前記化合物が、下記一般式(2)で表さ
    れることを特徴とする請求項1記載のアルコキシシラン
    化合物。 【化3】 (但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表
    し、互いに異なっていても、互いに同一のものを含んで
    いても良い。Qは部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4
    アルキル基で水素原子が置換されていても良い炭素数
    1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン基、及びアル
    キレン部分の炭素数が2〜10である−アルキレン−S
    −アルキレン−、−フェニレン−S−アルキレン−、も
    しくは−フェニレン−アルキレン−S−アルキレン−の
    から選ばれるいずれかを表し、互いに異なっていて
    も、互いに同一のものを含んでいても良い。)
  4. 【請求項4】 前記化合物が、下記一般式(3)で表さ
    れることを特徴とする請求項1記載のアルコキシシラン
    化合物。 【化4】 (但し、上式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表
    し、互いに異なっていても、互いに同一のものを含んで
    いても良い。Qは部分的にハロゲン原子、炭素数1〜4
    アルキル基で水素原子が置換されていても良い炭素数
    1〜4のアルキレン基もしくはフェニレン基、及びアル
    キレン部分の炭素数が2〜10である−アルキレン−S
    −アルキレン−、−フェニレン−S−アルキレン−、も
    しくは−フ ェニレン−アルキレン−S−アルキレン−の
    から選ばれるいずれかを表し、互いに異なっていて
    も、互いに同一のものを含んでいても良い。)
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のア
    ルコキシシラン化合物からなるシランカップリング剤。
JP30430293A 1993-12-03 1993-12-03 アルコキシシラン化合物及びシランカップリング剤 Expired - Fee Related JP3273842B2 (ja)

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