JP3264452B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
接着剤組成物Info
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Description
ル共重合体のケン化物と、(メタ)アクリル酸エステル
及びビニルエステルからなる群より選択された少なくと
も1種以上と不飽和カルボン酸との共重合体を前記エチ
レン−ビニルエステル共重合体及び/またはそのケン化
物にグラフトしたグラフト共重合体とからなる組成物、
またはこの組成物と粘着付与剤からなる組成物に関し、
各種被着体に対し優れた接着性を有することを特徴とす
る。
ることにより作業性に優れ、尚かつゲルが少なく均一な
膜厚であり、しかも透明性、耐貫通性、耐光性、耐水性
といった合せガラスに要求される特性を有した合せガラ
スに関する。
ン−ビニルエステル共重合体はポリエチレンと比較し、
柔軟性、粘着性に優れホットメルト接着剤の主原料とし
て使用されている。この中で、特にケン化エチレン−酢
酸ビニル共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体をE
VAと略す)は、側鎖に水酸基を有していることから更
に接着特性に優れ、金属、プラスチック、ガラス、繊維
等の接着剤として広く使用されている。しかしながら用
途によってはまだ接着特性が十分とはいえず、例えば合
せガラスの中間膜とした場合、種々の問題を有してい
る。
て透明性、ガラスとの接着性、耐水性、耐貫通性等が挙
げられるが、これらの特性を兼備えたものとして、従来
可塑化ポリビニルブチラールが広く使用されている。し
かし可塑化ポリビニルブチラールは高価であること、常
温下で膜表面の粘着性が強く、粘着防止のため重曹のよ
うなブロッキング防止剤を散布し、使用にあたってはこ
れを水洗除去、乾燥といった工程が必要となり、作業が
非常に煩雑であること、また吸湿によりガラスとの接着
性が低下し、白濁不透明といった現象も見られるといっ
たような種々の問題点を有している。
てケン化EVAを環状酸無水物によってエステル化した
ものが使用されているが、これらのものでも透明性、接
着性、耐水性は必ずしも十分でない。
はその酸無水物を直接グラフトしたものが使用されてい
るが、グラフト共重合の際、ケン化EVAのゲル化も同
時に起り、均一の膜厚の膜を得る事ができないばかり
か、安定した接着性も得られず、かならずしも良好なも
のとは言い難い。本発明はかかる問題点を解決すること
を目的とする。
考慮し、鋭意検討した結果、エチレン−ビニルエステル
共重合体のケン化物と、(メタ)アクリル酸エステル及
びビニルエステルからなる群より選択された少なくとも
1種以上と不飽和カルボン酸との共重合体を前記エチレ
ン−ビニルエステル共重合体及び/またはそのケン化物
にグラフトしたグラフト共重合体とからなる組成物、ま
たはこの組成物と粘着付与剤からなる組成物が、各種基
材特にガラスとの接着性に優れていることが判明した。
また本組成物を合せガラス用中間膜とした場合、上記の
欠点を解決した特性を有していることが判り本発明に至
った。
エステル共重合体のケン化物50〜98重量%と、(II)
(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエステルからな
る群より選択された少なくとも1種以上と不飽和カルボ
ン酸との共重合体部分5〜90重量%並びにエチレン−ビ
ニルエステル共重合体及び/またはそのケン化物部分95
〜10重量%とからなるグラフト共重合体2〜50重量%と
からなる組成物であって、組成物中の不飽和カルボン酸
の含量が 0.1〜10重量%となる組成物、またはこれらか
らなる組成物 100重量部に対し粘着付与剤25重量部未満
からなる組成物に関するものであり、各種被着体に対し
優れた接着性を有した接着剤組成物に関するものであ
る。更に本組成物を中間膜として、その両側にガラスを
貼り合せてなる合せガラスに関するものである。
用いられる成分(I)のベースレンジとなるエチレン−
ビニルエステル共重合体は通常の高圧法ポリエチレンプ
ラントによりエチレンとエチレン−ビニルエステルを共
重合して得られるものが使用できる。
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル
等が挙げられるが本発明においては酢酸ビニルを用いた
ものが好ましい。本発明においてエチレン−ビニルエス
テル共重合体中のビニルエステル含量は10〜40重量%の
ものが好ましい。ビニルエステル含量が10重量%未満で
あるとガラスとの接着性、透明性共悪くなり、また40重
量%を越えると、膜表面の粘着性が強くなったりする場
合がある。
ケン化法はエチレン−ビニルエステル共重合体のペレッ
トあるいは粉末をメタノールのような低級アルコール中
でアルカリ触媒を用いてケン化する方法、トルエン、キ
シレン、ヘキサンのようなエチレン−ビニルエステル共
重合体を溶解する溶媒を用い予めエチレン−ビニルエス
テル共重合体を溶解した後、少量のアルコールとアルカ
リ触媒を用いてケン化する方法が挙げられる。
のケン化度は50%未満が好ましい。これはケン化度が50
%を越えると透明性が悪くなり好ましくないからであ
る。
び/またはそのケン化物のメルトフローレート(以下M
FRと略す)は特に規定されないが、良好な接着性及び
加工性を得るためには 0.5〜50g/10分とすることが好ま
しい。
ニルエステル共重合体のケン化物と、グラフト共重合体
(II)に用いられるエチレン−ビニルエステル共重合体
のケン化物は同一のものを用いるのが好ましいが、特に
制限を受けるものではない。
I)とは(メタ)アクリル酸エステル及びビニルエステ
ルからなる群より選択された少なくとも1種以上と不飽
和カルボン酸とをエチレン−ビニルエステル共重合体及
び/またはそのケン化物にグラフトしたグラフト共重合
体からなる。
アクリル酸エステル及びビニルエステルからなる群より
選択された少なくとも1種以上と不飽和カルボン酸との
共重合体とは両者の単量体の共重合体であり、その共重
合体の数平均重合度は5〜10000 の範囲が好ましく、更
に好ましくは10〜5000の範囲である。ここで数平均重合
度が5未満であるとガラスとの接着性が不十分であり、
また数平均重合度が10000 を越えると、溶融時の粘度が
高くなり、透明性が低下するなど好ましくない。
酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸
と炭素数1〜8のアルキルとのエステルが挙げられる。
またビニルエステルとしては、前記成分(I)に用いら
れているビニルエステルと同一のものが挙げられる。
クリル酸、フマル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、メサコン酸、無水マルイン酸、
無水シトラコン酸、無水イタコン酸、4−メチルシクロ
ヘキサ−4−エン1,2−ジカルボン酸無水物、ビシク
ロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物等が挙げられ、これらのものを単独で用いて
も、複合系で用いてもかまわない。
酸エステル及びビニルエステルからなる群より選択され
た少なくとも1種以上と不飽和カルボン酸との共重合体
の好ましい例としては、メタクリル酸メチル−アクリル
酸共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合
体、アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体、アクリル
酸ブチル−メタクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリ
ル酸共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体、酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等が挙げられ、更に
好ましくはメタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体及
び酢酸ビニル−アクリル酸共重合体である。
タ)アクリル酸エステル及びビニルエステルからなる群
より選択された少なくとも1種以上と不飽和カルボン酸
との共重合体部分が5〜90重量%、好ましくは5〜80重
量%、最も好ましくは10〜50重量%と、エチレン−ビニ
ルエステル共重合体及び/またはそのケン化物部分が10
〜95重量%、好ましくは20〜95重量%、最も好ましくは
50〜90重量%からなるものである。
ニルエステルからなる群より選択された少なくとも1種
以上と不飽和カルボン酸との共重合体部分が5重量%未
満であると、ガラスとの接着性が不十分であり、(メ
タ)アクリル酸エステル及びビニルエステルからなる群
より選択される少なくとも1種と不飽和カルボン酸との
共重合体部分が90重量%を越えると、成分(I)との相
溶性が悪く、透明性が低下し好ましくない。
グラフト化法としては、一般に知られている連鎖移動
法、電離性放射線法等のいずれの方法を用いてもよい
が、好ましい方法としては以下に説明する方法である。
なぜならば、グラフト効率が高く、熱による二次的凝集
が起らないため、性能の発現がより効果的だからであ
る。
製造方法の具体例を説明する。すなわち、グラフトされ
るエチレン−ビニルエステル共重合体及び/またはその
ケン化物 100重量部を水に懸濁せしめ、別に(メタ)ア
クリル酸エステル及びビニルエステルからなる群より選
択される少なくとも1種のビニル単量体と不飽和カルボ
ン酸5〜400 重量部に、10時間の半減期を得るための分
解温度が40〜90℃である重合開始剤をビニル単量体と不
飽和カルボン酸の合計 100重量部に対して0.01〜5重量
部とを溶解せしめた溶液を加え、重合開始剤の分解が実
質的に起らない条件で加熱し、ビニル単量体、不飽和カ
ルボン酸、重合開始剤をエチレン−ビニルエステル共重
合体及び/またはそのケン化物に含浸せしめる。次い
で、この水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体
と不飽和カルボン酸とをエチレン−ビニルエステル共重
合体及び/またはそのケン化物中で共重合せしめて、グ
ラフト化前駆体を得る。
(I)に混合する前に溶融混練してなくてもよい。すな
わち、このグラフト化前駆体を直接成分(I)と共に溶
融混練してもよい。
で溶融混練することにより、本発明のグラフト共重合体
を得ることができる。
下に示す方法である。すなわち、グラフトされるエチレ
ン−ビニルエステル共重合体及び/またはそのケン化物
100重量部を水に懸濁せしめ、別に(メタ)アクリル酸
エステル及びビニルエステルからなる群より選択される
少なくとも1種のビニル単量体と不飽和カルボン酸5〜
400 重量部に、下記一般式(1)または(2)で表され
るラジカル重合性有機過酸化物の1種または2種以上の
混合物をビニル単量体と不飽和カルボン酸との合計量 1
00重量部に対して10重量部以下と、10時間の半減期を得
るための分解温度が40〜90℃である重合開始剤をビニル
単量体と不飽和カルボン酸とラジカル重合性有機過酸化
物との合計 100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解
せしめた溶液を加え、重合開始剤の分解が実質的に起ら
ない条件で加熱し、ビニル単量体、不飽和カルボン酸、
ラジカル重合性有機過酸化物及び重合開始剤をエチレン
−ビニルエステル共重合体及び/またはそのケン化物に
含浸せしめる。
め、ビニル単量体と不飽和カルボン酸とラジカル重合性
有機過酸化物とをエチレン−ビニルエステル共重合体及
び/またはそのケン化物中で共重合せしめて、グラフト
化前駆体を得る。
も成分(I)に混合する前に溶融混練してなくてもよ
い。すなわち、このグラフト化前駆体を直接成分(I)
と共に溶融混練してもよい。
で溶融混練することにより、本発明のグラフト共重合体
を得ることができる。
有機過酸化物とは、 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜2のアルキル
基、R2 は水素原子またはメチル基、R3 およびR4 は
それぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭素数1〜
12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基
または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。mは1
または2である。)で表される化合物である。
有機過酸化物とは、 (式中、R6 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基、R7 は水素原子またはメチル基、R8 及びR9 はそ
れぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素数1〜12
のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基ま
たは炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。nは0,
1または2である。)で表される化合物である。
性有機過酸化物として、具体的には、t−ブチルペルオ
キシアクリロイロキシエチルカーボネート;t−アミル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート;t−
ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネー
ト;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシア
クリロイロキシエチルカーボネート;クミルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカーボネート;p−イソプロピ
ルクミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネー
ト;t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
ーボネート;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシ
エチルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタクリ
ロイロキシエチルカーボネート;1,1,3,3−テト
ラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
ーボネート;クミルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート;p−イソプロピルクミルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカーボネート;t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカーボネート;t−ア
ミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボ
ネート;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエト
キシエチルカーボネート;1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ
ーボネート;クミルペルオキシアクリロイロキシエトキ
シエチルカーボネート;p−イソプロピルクミルペルオ
キシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネート;t
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチル
カーボネート;t−アミルペルオキシメタクリロイロキ
シエトキシエチルカーボネート;t−ヘキシルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネート;
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカーボネート;クミルペル
オキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト;p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカーボネート;t−ブチルペルオキ
シアクリロイロキシイソプロピルカーボネート;t−ア
ミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート;1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート;クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カーボネート;p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカーボネート;t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネー
ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタクリロ
イロキシイソプロピルカーボネート;1,1,3,3−
テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート;クミルペルオキシメタクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート;p−イソプロピルク
ミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート等を例示することができる。
物としては、t−ブチルペルオキシアリルカーボネー
ト;t−アミルペルオキシアリルカーボネート;t−ヘ
キシルペルオキシアリルカーボネート;1,1,3,3
−テトラメチルブチルペルオキシアリルカーボネート;
p−メンタンペルオキシアリルカーボネート;クミルペ
ルオキシアリルカーボネート;t−ブチルペルオキシメ
タリルカーボネート;t−アミルペルオキシメタリルカ
ーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタリルカーボネ
ート;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ
メタリルカーボネート;p−メンタンペルオキシメタリ
ルカーボネート;クミルペルオキシメタリルカーボネー
ト;t−ブチルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト;t−アミルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト;t−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカーボネ
ート;t−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカーボ
ネート;t−アミルペルキシメタリロキシエチルカーボ
ネート;t−ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカ
ーボネート;t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロ
ピルカーボネート;t−アミルペルオキシアリロキシイ
ソプロピルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシアリ
ロキシイソプロピルカーボネート;t−ブチルペルオキ
シメタリロキシイソプロピルカーボネート;t−アミル
ペルオキシメタリロキシイソプロピルカーボーネート;
t−ヘキシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカー
ボネート等を例示することができる。
アクリロイロキシエチルカーボネート;t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカーボネート;t−ブ
チルペルオキシアリルカーボネート;t−ブチルペルオ
キシメタリルカーボネートである。
(II)との比率は、成分(I)50〜98重量%に対し、該
グラフト共重合体(II)2〜50重量%であることが好ま
しい。これは該グラフト共重合体(II)が2重量%未満
であると、ガラスとの接着性が悪くなり、また該グラフ
ト共重合体(II)が50重量%を越えると、透明性、耐水
性が悪くなり好ましくないからである。
I)とからなる組成物中の不飽和カルボン酸の含量は、
0.1〜10重量%であることが好ましい。ここで不飽和カ
ルボン酸の含量が 0.1重量%未満ではガラスとの接着性
が悪くなるので好ましくなく、また不飽和カルボン酸の
含量が10重量%を越えると耐水性が悪くなり好ましくな
い。
脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族
系炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂、ロジン類、スチレ
ン系樹脂が挙げられる。
ブテン−1、ブタジエン、イソプレン、1,3ブタジエ
ン等のC4 〜C5 のモノまたはジオレフィンを主体とす
る重合体、脂肪族系炭化水素樹脂の例としては、スペン
トC4 〜C5 留分中のジエン成分を環化二量体化後重合
させた樹脂、シクロペンタジエン等の環状モノマーを重
合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂の例としては、ビ
ニルトルエン、インデン、α−メチルトルエン等のC2
ビニル芳香族系炭化水素樹脂を成分とした樹脂等、ポリ
テルペン系樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−
ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノー
ル共重合体等、ロジン類の例としては、ロジン、重合ロ
ジン、水添ロジン、ロジンペンタエリストール及びその
水添物または重合物等、またスチレン系樹脂の例として
は、スチレン系単独重合体、スチレン−オレフィン共重
合体、ビニルトルエン−α−メチルトルエン共重合体等
が挙げられる。これらの粘着付与剤の中で、色調、該組
成物との相溶性等の点から脂肪族系炭化水素樹脂、脂環
族系炭化水素樹脂が好ましい。
量は、該組成物 100重量部に対し25重量%未満が好まし
い。これは粘着付与剤の量が25重量%を越えると、加工
性、透明性の低下をきたすからである。
(I)と該グラフト共重合体(II)を溶融混練する際に
同時に添加してもよいし、予め成分(I)と該グラフト
共重合体(II)の組成物を作成し、あらためて粘着付与
剤を溶融混練してもかまわない。溶融混練の具体的方法
としては熱ロール、押出機、バンバリー等が挙げられる
膜とする方法はインフレーション、キャスト、カレンダ
ー等が挙げられる。中間膜の厚みは 0.1〜2mmの範囲が
合せガラス用として好ましい範囲である。また加工に際
して高級脂肪酸アミドのような滑剤を必要に応じて添加
してもかまわない。また耐候性を改良する目的で、ベン
ゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収
剤、耐光安定剤を添加してもかまわない。更に接着性を
改良する目的でシランカップリング等の添加剤を添加し
てもかまわない。
するには複数のガラスの間に該中間膜を重ね、加熱加圧
下で接着させれば良い。加熱温度は80〜180 ℃と広い温
度範囲がとれ、このことも本発明の特徴の一つである。
施例、比較例におけるヘーズ、煮沸試験、耐貫通性試験
及びフィルム外観の評価は以下のように行った。
した。合せガラスとして 1.0%以下が好ましい。
た。煮沸後のヘーズから煮沸前のヘーズを引いた値を表
示した。値の小さい方が好ましい。
作成し、ゲルカウンターにて 0.3mmφ以上のゲルの個数
を数えた。
2500gを入れ、更に懸濁剤としてポリビニルアルコール
2.5gを溶解させた。この中に酢酸ビニル含量28重量%
のEVAを20%ケン化したケン化EVA「メルセンH」
(東ソー(株)製) 800gを入れ攪拌・分散した。
サイド「ナイパーB」(日本油脂(株)製) 1.0g、ラ
ジカル重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシ
メタクリロイロキシエチルカーボネート6g、不飽和カ
ルボン酸としてアクリル酸100 gと(メタ)アクリル酸
エステルとしてメタクリル酸メチル 100gをよく混合
し、この溶液を前記オートクレーブ中に投入・攪拌し
た。
時間攪拌することにより重合開始剤、ラジカル重合性有
機過酸化物、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カ
ルボン酸をケン化EVA中に含浸させた。次いで温度を
80℃に上げ、その温度で2時間重合を行い、水洗及び乾
燥してグラフト化前駆体を得た。このグラフト化前駆体
のメタクリル酸メチルとアクリル酸の共重合体を酢酸エ
チルで抽出し、GPCにより数平均重合度を測定したと
ころ 800であった。
で 160℃にて混練することによりグラフト化反応させグ
ラフト共重合体(IIA)を得た。このグラフト共重合体
(IIA)においてメタクリル酸メチル−アクリル酸共重
合体のケン化EVAへのグラフト効率は65重量%であっ
た。またグラフト共重合体(IIA)中のアクリル酸の含
有量は7重量%であった。
ルオキサイドを2g、t−ブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカーボネートを12g、アクリル酸を 200
g、メタクリル酸メチルを 200gに変更した以外は参考
例1を繰り返してグラフト共重合体(IIB)を得た。
重合体の数平均重合度は 780、メタクリル酸メチル−ア
クリル酸共重合体のケン化EVAへのグラフト効率は55
重量%であった。また、グラフト共重合体(IIB)中の
アクリル酸の含有量は13重量%であった。
ロキシエチルカーボネートを用いなかった以外は参考例
1を繰り返してグラフト共重合体(IIC)を得た。
重合体の数平均重合度は 800、メタクリル酸メチル−ア
クリル酸共重合体のケン化EVAへのグラフト効率は15
重量%であった。また、グラフト共重合体(IIC)中の
アクリル酸の含有量は6重量%であった。
ニル 100gに変更した以外は参考例1を繰り返してグラ
フト共重合体(IID)を得た。
数平均重合度は1300、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体
のケン化EVAへのグラフト効率は45重量%であった。
また、グラフト共重合体(IID)中のアクリル酸の含有
量は6重量%であった。
A85重量%、参考例1で合成されたグラフト共重合体5
重量%、粘着付与剤として脂環族系石油樹脂「アルコン
P−100 」(荒川化学工業(株)製)10重量%を良く混
合し、二軸押出機で 160℃にて混練することにより合せ
ガラス中間膜用の組成物を得た。
厚みのシートを作成し、3mmの厚みのガラスの間に挟み
込み、 110℃で5分間加熱圧着して合せガラスを作成し
た。
ズの測定を、接着性の目安として耐貫通性試験を、耐熱
性、耐水性の目安として煮沸試験を、またフィルム外観
の評価を行った。結果は表1に示した。
A80重量%、参考例1で合成されたグラフト共重合体10
重量%とする以外は実施例1と同様にして組成物を得
た。この組成物を用い実施例1と同様にして合せガラス
を作成し、物性評価を行った。結果は表1に示した。
ト共重合体を用いる以外は実施例2と同様にして組成物
を得た。この組成物を用い実施例1と同様にして合せガ
ラスを作成し、物性評価を行った。結果は表1に示し
た。
ト共重合体を用いる以外は実施例2と同様にして組成物
を得た。この組成物を用い実施例1と同様にして合せガ
ラスを作成し、物性評価を行った。結果は表1に示し
た。
ト共重合体を用いる以外は実施例2と同様にして組成物
を得た。この組成物を用い実施例1と同様にして合せガ
ラスを作成し、物性評価を行った。結果は表1に示し
た。
A 100重量部に対しアクリル酸1重量部を溶融押出法に
てグラフトし、酸変性ケン化EVAを得た。この酸変性
ケン化EVA90重量部に対し実施例1で用いた粘着付与
剤10重量部を良く混合し、実施例1と同様にして組成物
を得た。この組成物を用い実施例1と同様にして合せガ
ラスを作成し、物性評価を行った。結果は表1に示し
た。
A99.5重量%、参考例1で合成されたグラフト共重合体
0.5重量%とする以外は実施例1と同様にして組成物を
得た。この組成物を用い実施例1と同様にして合せガラ
スを作成し、物性評価を行った。結果は表1に示した。
合体のケン化物と、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニルエステルからなる群より選択される少なくとも1種
と不飽和カルボン酸との共重合体5〜90重量%と前記エ
チレン−ビニルエステル共重合体及び/またはそのケン
化物95〜10重量%とからなるグラフト共重合体と粘着付
与剤からなり、優れた接着特性を有する組成物である。
特に合せガラス中間膜用として、可塑化ポリビニルブチ
ラールの様な膜表面の粘着性がなく作業性が良好であ
る。
共重合体及び/またはそのケン化物と比較し、膜のゲル
が少なく均一な膜厚の中間膜であり、なおかつ透明性、
ガラスとの接着性、耐水性に優れていることから、自動
車、車両、建築物等幅広い範囲の合せガラスとして用い
る事ができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 (I)エチレン−ビニルエステル共重合
体のケン化物50〜98重量%と、(II)(メタ)アクリル
酸エステル及びビニルエステルからなる群より選択され
た少なくとも1種以上と不飽和カルボン酸との共重合体
部分5〜90重量%並びにエチレン−ビニルエステル共重
合体及び/またはそのケン化物部分95〜10重量%とから
なるグラフト共重合体2〜50重量%とからなる組成物で
あって、組成物中の不飽和カルボン酸の含量が 0.1〜10
重量%である接着剤組成物。 - 【請求項2】 請求項1のエチレン−ビニルエステル共
重合体のケン化物が、酢酸ビニル含量10〜40重量%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を5〜50%ケン化したケン
化エチレン−酢酸ビニル共重合体である接着剤組成物。 - 【請求項3】 請求項1に記載の組成物 100重量部に対
し、粘着付与剤25重量部未満を添加してなる接着剤組成
物。 - 【請求項4】 請求項1、請求項2あるいは請求項3に
記載の組成物を主要構成要素とする合せガラス用貼り合
せ剤。 - 【請求項5】 請求項4の貼り合せ剤を中間膜とし、そ
の両側にガラスを貼り合せてなる合せガラス。
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- 1992-06-25 JP JP19170692A patent/JP3264452B2/ja not_active Expired - Fee Related
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