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JP3254710B2 - 粉末状ポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

粉末状ポリウレタン樹脂の製造方法

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Publication number
JP3254710B2
JP3254710B2 JP00753092A JP753092A JP3254710B2 JP 3254710 B2 JP3254710 B2 JP 3254710B2 JP 00753092 A JP00753092 A JP 00753092A JP 753092 A JP753092 A JP 753092A JP 3254710 B2 JP3254710 B2 JP 3254710B2
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JP
Japan
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polyurethane resin
polyol
insoluble
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inert organic
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克彦 西富
至彦 南田
泰宏 松本
寛治 城田
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、コ−ト用ビヒク
ル、接着剤、成形品として有用な粉末状ポリウレタン樹
脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタン樹脂の非水系分散体
やそれからの粉末の製造技術として、非水分散媒体中に
分散安定剤の使用が必須であることが知られている。
【0003】この分散安定剤の必要条件としては、その
構成成分が(1)非水系不活性媒体中で溶媒和性を有す
るが、ポリウレタン樹脂のソフトセグメントと本質的に
非溶媒和性である成分と、(2)非水系不活性媒体中で
非溶媒和性であるが、ポリウレタン樹脂のソフトセグメ
ントと相溶性である成分とが適度にバランスしているこ
とである。それらの例としては、(メタ)アクリル酸長
鎖アルキルエステル/(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエステル又は(メタ)ア
クリル酸グリシジルのコポリマー或はブロックポリマ
ー;ポリ(メタ)アクリル酸長鎖アルキルエステルに対
する(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸
グリシジルのグラフトポリマー;N−ビニルピロリドン
/C4〜C20のα−オレフィンのコポリマー;ポリオキ
シアルキレンポリジメチルシロキサングラフト、又はブ
ロックコポリマー;ポリラクトン/(メタ)アクリル酸
長鎖アルキルエステル/ビニル単量体とのブロック、又
はグラフトコポリマー;長鎖アルキルイソシアネート/
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルのウレ
タンポリマー、又はそのモノマーと(メタ)アクリル酸
誘導体と2個の官能基含有高分子化合物の部分反応物と
のコポリマー等がある。
【0004】この分散安定剤の使用量は、分散するポリ
ウレタン原料混合物又はウレタンプレポリマ−単独或い
はそれらの溶液の液滴直径に影響を与え、最終的に得ら
れるポリマ−粉末の大きさが変化するが、通常はポリウ
レタン樹脂に対して約0.1〜20重量%が用いられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、分散安定剤を
使用すると、最終ポリマ−粉末を分離後洗浄する工程が
必要であり、これに伴い洗浄溶剤が必要である。またこ
れらの分散安定剤はもともとポリウレタン樹脂粉末を得
る為の補助手段であって、その使用量が少なければ少な
い程コスト面で有利である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、ポリウレタ
ン樹脂の非水系分散体やそれからの樹脂粉末の製造時に
必須の分散安定剤の使用量を減少させるべく鋭意研究を
行った結果、ポリオ−ル成分として特定組成を有するマ
クロモノマ−を含有させることにより上記課題を解決し
うることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、水酸基2個を有するメル
カプタン化合物(aA)を開始剤として炭素数4〜20
のアルキル基含有の重合性不飽和結合を有する化合物
(aB)を重合させて得られるポリオール(aAB)を含有
するポリオール(a)、ポリイソシアネ−ト(b)、および必
要によりポリアミンから得られるポリウレタン樹脂の有
機溶媒溶液を、該有機溶媒不溶の水不溶性不活性有機媒
体中に分散させた後、該水不溶性不活性有機媒体には不
溶であるが該有機溶媒に可溶であり且つ該ポリウレタン
樹脂を溶解しない液状化合物を添加することを特徴とす
る粉末状ポリウレタン樹脂の製造方法、好ましくは液状
化合物が、水、メタノールであることを特徴とする粉末
状ポリウレタン樹脂の製造方法を提供するものである。
【0008】本発明の製造方法は、特に粉末状のポリウ
レタン樹脂を得るのに好ましい。本発明において使用さ
れるポリオ−ル(a)としては、高分子ポリオ−ル(a1)
び低分子ポリオ−ル(a2)が挙げられる。
【0009】高分子ポリオール(a1)としては、ポリエー
テルポリオール〔低分子ポリオール(a2)(エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3又は1,4ブタ
ンジオール、1,6ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、シクロヘキシレング
リコールなどの二官能ポリオール:グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、シュークローズなどの三官能以上のポリオールな
ど)、多価フェノール類(ビスフェノール類例えばビス
フェノールAなど)及び/又はアミン類(アルカノール
アミン例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン;脂肪族ポリアミン例えばエチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン;芳香族ジアミン例えばトリ
レンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなど)のアル
キレンオキシド[炭素数2〜4のアルキレンオキシド例
えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシドなどの1種または2種以上(ランダム及び/又
はブロック)]付加物、アルキレンオキシドの懸濁混合
物(テトラヒドロフランの開環重合、加水分解によるポ
リテトラメチレンエーテルグリコールなど)〕、ポリエ
ステルポリオール〔ポリカルボン酸(脂肪族ポリカルボ
ン酸例えばアジピン酸、コハク酸、セバチン酸、アゼラ
イン酸、フマル酸、マレイン酸、二量化リノレイン酸;
芳香族ポリカルボン酸例えばフタル酸、イソフタル酸及
びテレフタル酸)と低分子ポリオール又はポリエーテル
ポリオール(前記低分子ポリオール、トリエチレングリ
コール〜ポリエチレングリコールなど)との末端がヒド
ロキシル基であるポリエステルポリオール、ラクトンポ
リエステル(ポリカプロラクトンジオールなど)、ポリ
カーボネートジオールなど〕、ポリブタジエンポリオー
ル、水添ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオー
ル、ポリマーポリオール〔ポリオール(上記ポリエーテ
ル、ポリエステルなど)中でビニルモノマー(アクリロ
ニトリル、スチレンなど)を重合させたポリオール〕な
ど、及びこれらの2種以上の混合物があげられる。
【0010】高分子ポリオール(a1)のうち好ましいの
は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール
である。高分子ポリオール(a1)の水酸基当量は、通常2
00〜1500である。
【0011】低分子ポリオール(a2)としてはポリエーテ
ルポリオールの項で説明した低分子ポリオール(a2)と同
様のものがあげられる。低分子ポリオール(a2)で好まし
いものはエチレングリコール、1,4ブタンジオールで
ある。
【0012】本発明において使用されるポリイソシアネ
−ト(b)としては、有機ポリイソシアネ−トが用いら
れ、それらの例としては、エチレンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネ
ート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチ
ルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フ
マレート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネ
ート、2−イソシアネートエチル−2,6ジイソシアネ
ートヘキサノエート;イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、
メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TD
I)、ビス(2−イソシアネートエチル)4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボキシレート;キシリレンジイ
ソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネ−ト;H
DIの水変性物。
【0013】IPDIの三量化物;トリレンジイソシア
ネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンジイソシ
アネート(PAPI;粗製MDI)、ナフテレンジイソ
シアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物
(カーボジイミド基、ヴレトジオン基、ウレトイミン
基、ウレア基、ビューレット基及び/又はイソシアヌレ
ート基含有)例えばカーボジイミド変性MDIなど;及
びこれら2種以上の混合物があげられる。
【0014】これらのうちで好ましいのはHDI、IP
DI、水添MDI、TDI及びMDIである。本発明に
おいて必要により用いられるポリアミンとしては有機ポ
リアミンが用いられ、それらの例としては、脂肪族ポリ
アミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンな
ど)、脂環族ポリアミン〔4,4’−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン(水添MDA)、1,4ジアミノシクロ
ヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルシ
クロヘキシルメタン、イソホロンジアミンなど)、芳香
環を有する脂肪族ジアミン(キシリレンジアミンな
ど)、芳香族ポリアミン(ジフェニルメタンジアミン、
ジクロロジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミ
ン、ジエチルトリレンジアミン、ベンジジン、フェニレ
ンジアミンなど)、アルカノールアミン(モノー又はジ
ーエタノールアミン、プロパノールアミン、N−ヒドロ
キシエチルエチレンジアミンなど)、ポリアルキレンオ
キシドポリアミン〔前記活性水素含有化合物の炭素数2
〜4のアルキレンオキシド例えばエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの1種又は2
種以上(ランダム及び/又はブロック)の付加物、アル
キレンオキシドの開環重合物(テトラヒドロフランの開
環重合、加水分解によるポリテトラメチレンエーテルグ
リコールなど)のポリエーテルポリオールの末端OH基
がアミノ基に置換された構造の化合物例えばポリオキシ
エチレンエーテルジアミン及びポリオキシプロピレンエ
ーテルジアミン〕など及びこれらの2種以上の混合物が
挙げられる。
【0015】ポリアミンのうちで好ましいのはヘキサメ
チレンジアミン、イソホロンジアミン及び4,4’−ジ
アミノジシクロヘキシルメタンである。これらポリオ−
ルは高分子ポリオール単独又は高分子ポリオールと低分
子ポリオール及び/又はポリアミンと併用して使用され
る。
【0016】高分子ポリオール(a1)と(低分子ポリオー
(a2)及び/又はポリアミン)との重量比は、通常1:
0〜1:3、好ましくは1:0.05〜1:1.5であ
る。ポリオ−ル及びポリアミンの平均活性水素(OH,
NH2,NH)当量は通常70〜1500、好ましくは
100〜750である。
【0017】活性水素含有化合物の平均官能基数は通常
2〜3、好ましくは2〜2.5である。本発明において
ポリオ−ル(aAB)成分としては例えば
【0018】
【化1】
【0019】の構造式で示されるものが挙げられる。 のOH及びSHを除いた残基であり、Ra,Rcは炭素数
1〜10の直鎖又は分岐の2価のアルキル残基であり、
bは炭素数1〜10の直鎖又は分岐の1価のアルキル
残基であり、R1,R2はH又は炭素数1〜10の直鎖又
は分岐のアルキル基であり、同じでも異なってもよい。
またR3はH又はCH3であり、Rは炭素数4〜20の直
鎖又は分岐のアルキル基であり、Xは炭素数4〜20の
直鎖又は分岐のアルキル基、COOR´(R´は炭素数
1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基或いはイソシアネ
−ト基と反応する活性基を含有しない任意の基)、イソ
シアネ−ト基と反応する活性基を含有しない任意の基で
あり、m,nは同時に0となることはない0又は1以上
の整数で、モノオレフィンの繰り返し単位はランダム、
交互、ブロックのいずれでもよい。
【0020】上記構造式で示されるポリオール(aAB)
は、(HO)2ZSH(Zは上記構造式中と同じ)の如
き構造の2つのOH基を含有するメルカプタン化合物(a
A)と炭素数4〜20のアルキル基を含有する重合性不飽
和結合を有する化合物(aB)単独又はそれと他の重合性不
飽和結合を有する化合物とを、無溶媒又は有機溶媒中で
ラジカル発生触媒の存在下に30〜250℃の温度で反
応させて得られる。
【0021】その分子量は、通常1,000〜100,
000位のものが用いられ、特に2,000〜50,0
00が好ましい。本発明において使用されるメルカプタ
ン化合物(aA)の例としては、3−メルカプト−1,2−
プロパンジオ−ル、2−メルカプト−1,2−プロパン
ジオ−ル、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロ
パンジオ−ル、2−メルカプト−2−エチル−1,3−
プロパンジオ−ル、1−メルカプト−2,2−プロパン
ジオ−ル、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3
−プロパンジオ−ル、2−メルカプトエチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル等が挙げられる。
【0022】また炭素数4〜20のアルキル基を含有す
る重合性不飽和結合を有する化合物(aB)の例としては、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メチル)
クロトン酸ブチル、(メチル)クロトン酸アミル、(メ
チル)クロトン酸オクチル、(メチル)クロトン酸ラウ
リル、(メチル)クロトン酸ステアリル等の酸アルキル
エステル、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−デセン、1−ウンデセン、1−ヘキサデセン、1−
オクタデセン、1−エイコセン等の1−オレフィンや3
−オクテン、4−デセン、5−ヘキサデセン、7−オク
タディセン、10−エイコセン等のモノオレフィンが挙
げられる。
【0023】その他の重合性不飽和結合を有する化合物
の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メチ
ル)クロトン酸メチル、(メチル)クロトン酸エチル、
(メチル)クロトン酸プロピル、エチレン、プロピレ
ン、2−ブテン、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、(クロル)エチ
ルビニルエ−テル、スチレン、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のイソシアネ−ト基と
反応する活性水素を含有しない任意のモノビニル化合物
等が挙げられる。
【0024】ポリオール(aAB)の使用量は、特に限定さ
れないが、少なすぎると不活性有機媒体中でのポリウレ
タン樹脂又はウレタンプレポリマ−単独或いはそれらの
溶液の自己分散性が不十分となる。一方、多すぎると自
己分散性は向上するものの原料コスト面やポリマ−物性
に悪影響を与える恐れがある。従って、通常は全ポリオ
−ル(a)成分の1〜50%、好ましくは5〜30%程度
が使用される。
【0025】ポリウレタン樹脂を製造するに当たり、ポ
リオ−ル(a)単独又はそれとポリアミンとの合計とポリ
イソシアネ−トとの割合は種々変えることができるが、
通常は当量比で1:1〜1:1.5、好ましくは1:1
〜1:1.1である。又、ウレタン化反応は、一括反応
でも段階的反応でも良い。
【0026】本発明の粉末状ポリウレタン樹脂は、ポリ
オール(aAB)を含むポリオール(a)とポリイソシアネート
(b)とを混合後、水不溶性不活性有機媒体中に分散させ
て反応させるか、又はポリオール(aAB)を含むポリオー
ルとポリイソシアネートとから得られるイソシアネート
基含有ウレタンプレポリマーをそれ自身には不溶性の水
不溶性不活性有機溶媒中に分散させた所に、ポリアミン
を添加して混合反応させることにより得られる。その際
に、不活性有機溶媒中に通常必須の分散安定剤を使用し
ないか又は従来の使用量よりも少量で十分である。
【0027】また本発明の粉末状ポリウレタン樹脂は、
ポリオ−ル(aAB)を含有するポリオール、ポリイソシア
ネ−ト、および必要によりポリアミンから得られるポリ
ウレタン樹脂の有機溶媒溶液を、該有機溶媒不溶の水不
溶性不活性有機媒体中に分散させた後、該水不溶性不活
性有機媒体には不溶であるが該有機溶媒に可溶であり且
つ該ポリウレタン樹脂を溶解しない液状化合物を添加す
ることにより得られるが、その際に、不活性有機媒体中
に通常必須の分散安定剤を使用しないか又は従来の使用
量よりも少量で十分である。
【0028】これらのことから、本発明の粉末状ポリウ
レタン樹脂を製造するに際しては、生成した粉末の洗浄
工程における手間と洗浄溶剤が少なくて済みプロセス面
で極めて有利である。
【0029】本発明においてポリウレタン樹脂を得る為
に適用される水不溶性不活性有機媒体としては特に限定
はないが、例えば飽和脂肪族炭化水素系溶剤(ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナン、デカン等の直鎖体及び/又は異性体の単独ある
いは、それらの混合物)が好ましく用いられ、溶剤回収
の点からは、あまり沸点が高くないものが特に好まし
い。
【0030】又、水不溶性不活性有機媒体中へのポリオ
ール(aAB)を含有するポリオ−ルとポリイソシアネ−ト
の混合物又はこれらから得られるイソシアネ−ト基含有
ウレタンプレポリマ−の分散方法及びウレタン化反応時
又はウレタンプレポリマ−とポリアミンとの尿素化反応
時の分散方法、更に、ポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液
の分散方法としては特に限定はなく、一般に使用される
分散装置が好ましく用いられる。
【0031】それらの分散装置の例としては、ホモミキ
サ−、ホモジナイザ−、ディスパ−ミル等の機械的せん
断力を加えて乳化する装置、プロペラ型撹拌羽根,桜型
撹拌羽根或いはコニカルスクリュ−型撹拌羽根等を有す
る装置があるが、いずれの装置でも良い。
【0032】又、ウレタン化反応又は尿素化反応は、不
活性有機媒体の沸点にもよるが通常は−20〜100
℃、好ましくは10〜80℃位で実施される。次に、ポ
リオール(aAB)を含有するポリオ−ルとポリイソシアネ
−トのみから得られるか或いは更にポリアミンも反応さ
せて得られるポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液を作成す
る有機溶剤としては、水不溶性不活性有機媒体に不溶で
あれば特に限定はないが、例えば極性の大きいニトリル
系溶剤(アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、ア
ミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド系溶
剤(ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドな
ど)、N−アルキルピロリドン系溶剤(N−メチルピロ
リドン、N−エチルピロリドンなど)やエーテル系溶剤
(エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリ
コールモノエチルエーテルなど)の単独及びこれらの2
種以上の混合物が好ましく用いられる。尚、ポリウレタ
ン樹脂の溶解に支障を及ぼさない範囲で任意の溶媒を有
機溶剤に混合使用しても良い。
【0033】ポリウレタン樹脂溶液を得る際の反応温度
は、通常室温〜140℃、好ましくは60〜120℃で
行われる。ポリアミンを反応させる場合は、通常80℃
以下、好ましくは0〜70℃の温度で行われる。
【0034】更に、ポリウレタン樹脂溶液の有機溶媒に
は可溶性であるがポリウレタン樹脂を溶解せず且つ不活
性有機媒体には不溶性の液状化合物としては、特に限定
はないが、本発明では水又はメタノ−ルが好ましく用い
られる。
【0035】ポリマ−溶液からポリマ−粉末を得るまで
の工程の操作温度は、不活性有機媒体の沸点にもよるが
通常は−20〜100℃、好ましくは10〜80℃位で
実施される。
【0036】本発明において分散安定剤は、不活性有機
媒体中で使用されないか又は従来使用量よりも少量しか
使用されないが、その使用量としてはポリウレタン樹脂
に対して0〜10wt%、好ましくは0〜5wt%が通
常用いられる。
【0037】本発明における分散安定性とは、10〜5
00μm径のポリマー溶液の液滴が安定に得られること
を意味しており、液滴の径が小さくなるほど同一撹拌条
件下で安定性が高い。
【0038】本発明に適用可能な分散安定剤としては、
従来の技術に記載された如きものがあるが、水不溶性不
活性有機媒体に溶解しポリウレタン樹脂を安定に分散し
得るポリマ−であれば何でも使用できる。
【0039】水不溶性不活性有機媒体中で得られたポリ
マ−粉末の分離は、濾過,遠心分離,デカンテ−ション
等の公知の方法により不活性有機媒体を除去することに
より得られる。
【0040】分離した後の粉末の乾燥は、常温〜100
℃で風乾、或いは減圧乾燥されるか又は流動床上にて行
うことができる。本発明の方法によれば、ポリオール(a
AB)の種類と使用量、併用される分散安定剤の量、分散
装置の操作条件、ポリウレタン樹脂溶液の分散工程にお
けるポリマ−溶液/不活性有機媒体比率、その他によ
り、平均粒子径が1μm程度の細かいものから1000
μm程度の粗いものまで種々得ることができる。本発明
では10〜500μmの平均粒子径が好ましく用いられ
る。
【0041】ポリウレタン樹脂の分子量は、通常5,0
00〜200,000である。分子量分布はポリウレタ
ン樹脂の重合条件を変えることにより種々変えることが
可能で、通常、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)が1.5〜5.0の範囲で選べる。
【0042】本発明のポリウレタン樹脂の製造方法には
必要に応じ着色剤、触媒、老化防止剤、整泡剤、消泡
剤、フィラー、ケーキング防止剤などの添加剤やポリア
クリル酸系樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂などを加えてもよい。
【0043】これらの添加剤を含有させる時期はポリウ
レタン樹脂の製造前、製造途中及び製造後いずれの場合
でもよい。
【0044】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中の部及び%は断わりのない限り
重量に関するものである。
【0045】実施例1 ホモミキサ−を備えた反応フラスコ中に、分子量2,0
00のポリエチレンアジペ−ト184部、1,4−ブタ
ンジオ−ル17.6部及び平均分子量10,000のマ
クロモノマ−(チオグリセリンの存在下に、メチルメタ
クリレ−トとラウリルメタクリレ−トとを5/5(重量
比)で共重合させた片末端ジオ−ル基を有するオリゴマ
−)50.4部を70℃で均一混合した後、ジフェニル
メタンジイソシアネ−ト73.5部を加えて均一に混合
する。
【0046】そこへn−オクタン325.5部を加えて
高速撹拌し(約1,500rpm)、内容物を分散させ
つつ内温を70℃に5時間保持する。その後更に90℃
まで昇温して2時間反応させてn−オクタン中に分散し
た粒子状のポリウレタン樹脂を得た。
【0047】この分散液を静置後デカンテ−ションを行
い、減圧下でn−オクタンを除去しポリウレタン樹脂粉
末を得た。この粉末の主粒子径は80〜450μmであ
った。
【0048】実施例2 別の反応フラスコ中で、分子量2,000のポリカプロ
ラクトンジオ−ル180部及び平均分子量5,000の
マクロモノマ−(チオグリセリンの存在下に、ラウリル
メタクリレ−トとアクリロニトリルとを7/3(重量
比)で共重合させた片末端ジオ−ル基を有するオリゴマ
−)20部を70℃で均一混合後、イソホロンジイソシ
アネ−ト41.8部を添加して70℃で更に3時間保持
してイソシアネ−ト末端ウレタンプレポリマ−を得た。
【0049】次に、そのプレポリマ−の100部を、ホ
モミキサ−を備えた反応フラスコ内で予め40℃に加熱
しておいたn−オクタン250部中に、高速撹拌しつつ
(約1,500rpm)徐々に添加して均一に分散させ
る。(約30分間かけて内温は40℃に維持する。)更
に、そこへ8.1部の4,4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタンを16.2部のイソプロピルアルコ−ルに溶
解させたものを66部のn−オクタン中に添加して沈澱
させたものを、撹拌を継続させながら添加し45〜50
℃で2時間保持して反応を完結させる。
【0050】得られたポリマ−粉末分散液を実施例1と
同様に処理して粉末を分離した所、その主粒子径は50
〜350μmであった。
【0051】実施例3 実施例1において、n−オクタン中に予めアンタロンV
−216(N−ビニルピロリドン/ヘキサデセン−1の
コポリマ−、GAF社製品)を8.2部溶解させた以外
は、全く実施例1と同様にして得られたポリマ−粉末の
主粒子径は20〜300μmであった。
【0052】実施例4 分子量2,000のポリエチレン/ブチレンアジペ−ト
ジオ−ル157部、分子量2,000のポリプロピレン
エ−テルグリコ−ル17部、1,4−ブタンジオ−ル2
8.9部及び平均分子量5,000のマクロモノマ−
(チオグリセリンの存在下に、ヘキサデセン−1とステ
アリルメタクリレ−トとを5/5(重量比)で共重合さ
せた片末端ジオ−ル基を有するオリゴマ−)36部とジ
フェニルメタンジイソシアネ−ト104部とを、ジメチ
ルホルムアミド637部中で70℃で10時間反応させ
てポリウレタン溶液(濃度35%,粘度20,000c
ps/25℃)を得た。
【0053】このポリウレタン溶液100部を、n−オ
クタン200部中に室温(26℃)にてホモミキサ−を
用いて、強力に撹拌して(約2,500rpm)均一に
液滴状態に分散させた。次に、そこに130部のメタノ
−ルを約30分間で添加し、更に1時間撹拌を続けた後
静置してポリマ−粉末を得た。その後は実施例1と同様
に処理して粉末を分離した所、その主粒子径は100〜
350μmであった。
【0054】実施例5 実施例2において、マクロモノマ−として平均分子量
5,000でチオグリセリンの存在下に、ブチルアクリ
レ−トとステアリルメタクリレ−トとを5/5(重量
比)で共重合させた片末端ジオ−ル基を有するオリゴマ
−を20部用いた以外は、全く実施例2と同様にして得
られたポリマ−粉末の主粒子径は80〜400μmであ
った。
【0055】実施例6 実施例4において、不活性有機媒体としてn−オクタン
の代わりにリグロインを用いた以外は、全く実施例4と
同様にして得られたポリマ−粉末の主粒子径は150〜
400μmであった。
【0056】比較例1 実施例1において、マクロモノマ−を用いずに且つジフ
ェニルメタンジイソシアネ−トを72.3部用いた以外
は、全く実施例1と同様にして原料混合物をn−オクタ
ン中に分散させて反応を行ったが、均一な分散物は得ら
れず、不均一な固体ポリマ−が生成したのみであった。
【0057】比較例2 実施例4において、マクロモノマ−を用いず且つジフェ
ニルメタンジイソシアネ−ト及びDMF使用量をそれぞ
れ102.2部,567部用いた以外は、全く実施例4
と同様にしてポリウレタン樹脂のDMF溶液(濃度35
%,粘度17,000cps/25℃)を得て、その後
は実施例4と全く同様にしてポリマ−溶液の分散を行っ
た所、均一な分散物は得られずメタノ−ル添加により粒
子が凝集してモチ状化した。
【0058】
【発明の効果】本発明により得られたポリウレタン樹脂
は、飽和脂肪族炭化水素化合物からなる非水分散媒体中
で自己分散性を有している。この性質は粉末状ポリウレ
タン樹脂を製造する場合に極めて有利であり、本来なら
ば非水分散媒体に溶解させる必要がある分散安定剤の使
用量を0ないし従来使用量の半分以下に減少でき、洗浄
工程における手間と洗浄溶剤が少なくて済む。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−66211(JP,A) 特開 平4−178416(JP,A) 特表 昭57−500246(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08J 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基2個を有するメルカプタン化合物
    (aA)を開始剤として炭素数4〜20のアルキル基含
    有の重合性不飽和結合を有する化合物(aB)を重合さ
    せて得られるポリオール(aAB)を含有するポリオール
    (a)、ポリイソシアネ−ト(b)、および必要によりポリア
    ミンから得られるポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液を、
    該有機溶媒不溶の水不溶性不活性有機媒体中に分散させ
    た後、該水不溶性不活性有機媒体には不溶であるが該有
    機溶媒に可溶であり且つ該ポリウレタン樹脂を溶解しな
    い液状化合物を添加することを特徴とする粉末状ポリウ
    レタン樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 液状化合物が、水、メタノールであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の粉末状ポリウレタン樹脂
    の製造方法。
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