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JP3252016B2 - ポリオレフィン微孔性多孔膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン微孔性多孔膜の製造方法

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Publication number
JP3252016B2
JP3252016B2 JP12699893A JP12699893A JP3252016B2 JP 3252016 B2 JP3252016 B2 JP 3252016B2 JP 12699893 A JP12699893 A JP 12699893A JP 12699893 A JP12699893 A JP 12699893A JP 3252016 B2 JP3252016 B2 JP 3252016B2
Authority
JP
Japan
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liquid
temperature
film
membrane
polyethylene
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JP12699893A
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佳史 西村
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Asahi Kasei Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用、工業用の濾
過、分離等に用いられる各種の分離用膜や、電池用セパ
レーター、電解コンデンサー用セパレーター等、特に非
水溶媒電池セパレ−タ−に用いられるポリオレフィン微
孔性多孔膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤やアルカリ性または酸性の溶液
に対する耐性を有するポリオレフィン微孔性多孔膜は各
種の分離用膜や、電池用セパレーター、電解コンデンサ
ー用セパレーター等に使用されている。特に非水溶媒電
池であるリチウム電池においては、リチウム金属、リチ
ウムイオン等が用いられているためにプロトン性電解質
は使用できず、γ−ブチロラクトン、ポリプロピレンカ
ーボネート、ジメトキシエタンなどの有機溶媒に、Li
BF4 、LiClO4 などのリチウム塩を溶解した電解
液を電解質として使用している。従って正極と負極との
間に設置するセパレーターには上記したような有機溶媒
に不溶なポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィ
ン系材料を微孔性多孔膜や不織布に加工してセパレータ
ーとして用いている。また、このような微孔性多孔膜や
不織布は、電池容量の増大のため、厚みを信頼性を損な
わない範囲において極力薄くする。そのために、通常、
微孔性多孔膜においては延伸等の手段にて、また、不織
布においては熱プレス等の手段にて、厚みを薄くしてい
る。
【0003】さらに、このようなリチウム電池等の非水
溶媒電池用セパレーターには、組立加工性、安全性およ
び信頼性等の点から、高強度、低電気抵抗、高透過性お
よび高温特性等の性能が要求され、さらには、低コスト
であることが要求される。高強度は、組立加工性に関
し、強度が高いほど電池を組立る際の生産スピードを上
げることができる。
【0004】低電気抵抗,高透過性は、上記のような有
機溶媒にリチウム塩を溶解してなるいわゆる非プロトン
性電解液は、一般に内部抵抗が高いので、この欠点をカ
バーするためにセパレーターによる抵抗の増大を抑制す
るために要求されるものである。高温特性とは、安全性
に関するもので、次に挙げるような性能を意味する。す
なわち、電池を外部短絡させた場合の発熱で、電池内が
温度上昇した際、微孔性多孔膜が温度上昇により熱収縮
し、該微孔性多孔膜の孔径が小さくなり、電気抵抗が上
昇し、実質的に溶融無孔化する温度(無孔化温度)が低
いほど、低温でイオンの透過を阻止することが可能であ
り、電池内温度の急激な温度上昇を抑制する。溶融無孔
化した該微孔性多孔膜は、さらに温度上昇すると樹脂の
溶融粘度が低下して、特定の温度(膜破れ温度)にて破
断する。
【0005】したがって、低い無孔化温度を有している
ほど、かつ、無孔化温度と膜破れ温度の差が大きいほ
ど、高温特性が良好で安全性の高い電池用セパレーター
になりうると考えられる。従来、例えば、特開昭60−
163938号公報、特公昭63−29891号公報に
おいては、ポリエチレンまたは重量平均分子量20万〜
50万のポリエチレンと溶媒等からなる板状成形物を、
圧延等の手段により機械方向に一軸延伸した後、溶媒等
を抽出する技術を開示しているが、該公報等において得
られた膜は、孔径の小さいものが得られ、高い膜強度を
有しているが、膜の透過性能が不良で、かつ低融点の高
密度ポリエチレン単独の組成であるため膜破れ温度が低
く、高温特性が不良で安全性に問題がある。また、圧延
という手段をとっているため制御が困難で連続生産性に
劣る。特開昭46−40119号公報や特開平1−11
3442号公報においては、ポリプロピレンからなる微
孔性多孔膜が開示されているが、高強度で高い膜破れ温
度を有している反面、高融点樹脂単一の組成のため無孔
化温度が高く、高温特性が不良で安全性に問題がある。
【0006】また、上記のように単体(ポリエチレン、
ポリプロピレンのみ)の多孔膜の製造方法については、
例えば、米国特許第4247498号および第4519
909号(Castro)のように液−液相分離を利用するもの
や、米国特許第4539256号(Shipman)や特開昭6
3−314247号のように固−液相分離を利用するも
のがあるが、これらの技術においては、ポリエチレンお
よびポリプロピレンの混合物からなるポリオレフィン樹
脂の多孔膜の製造方法については開示されていない。
【0007】高温特性を改良するために特開昭63−3
08866号公報や特開平2−77108号公報では、
ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる単膜を積層
化し、高強度かつ優れた高温特性を有する微孔性多孔膜
を得る方法が開示されているが、積層のため、セパレー
ターの電気抵抗が高くなり、また、高温特性も充分でな
く、高性能電池用セパレーターとしては不向きのものと
なる。さらに、特開平2−77108号公報では、積層
押出という手法をとるため、製造工程の複雑化および製
造コストという点で生産性に劣るものとなる。
【0008】一方、高い膜破れ温度を達成する技術とし
て、超高分子量ポリオレフィンを使用する方法がある。
特開昭58−5228号公報で開示されているようない
わゆる超高分子量ポリエチレンゲル紡糸を応用した、特
開昭60−242035号公報および特開昭60−25
5107号公報では、超高分子量ポリエチレンからなる
高強度の微孔性多孔膜を得る技術が開示されているが、
超高分子量ポリエチレンを使用しているため、均一組成
物を得るために、超高分子量ポリエチレンを溶媒で予め
膨潤させて混練機に供給したり、混練機で混合した均一
混合物を、固化させることなく、溶融した状態で押出機
に供給したりするため、時間がかかったり、生産性が悪
く、また、無孔化温度も充分に低いとは言えず、安全性
に疑問が残る。
【0009】低い無孔化温度、および高い膜破れ温度の
双方を満足し、かつ高強度の膜を得る技術としては、特
開平2−21559号公報および特開平3−64334
号公報に開示されているように、超高分子量ポリエチレ
ンに一部高密度ポリエチレンをブレンドする技術がある
が、超高分子量ポリエチレンを使用するために均一組成
物を得るために時間がかかり、生産性に劣る。また、超
高分子量ポリエチレンに一部高密度ポリエチレンとポリ
プロピレンをブレンドする技術もあるが、これも、超高
分子量ポリエチレンを使用するために均一組成物を得る
ために時間がかかり、生産性に劣る。
【0010】また、特開昭63−295650号公報に
は、超高分子量ポリエチレンと無機フィラーを使用し、
均一組成物を得る技術が開示されているが、製造工程に
おいて無機フィラーを使用するため、無機フィラーによ
る成形機のけずれ等、成形機のメンテナンス面や、無機
フィラーの処理の面で、製造コスト的に不利である。一
方、超高分子量ポリエチレンを使用せず、ポリエチレン
とポリプロピレンのみから高強度の成形物を得る技術と
しては、ポリエチレンとポリプロピレンが分子オーダー
で相溶しないため(例えば、ポリマーブレンド<シー・
エム・シー社製>)、困難であることが知られている
が、例えば、特開昭50−111174号公報のように
ポリエチレンとポリプロピレンからなる成形物を二軸延
伸したり、または、ポリエチレンとポリプロピレンから
なる成形物を延伸後アニールしたり、アニール後延伸し
たりすることにより、多孔膜を得る技術があるが、高い
気孔率を有する微孔性の多孔膜は得られておらず、膜の
透過性能が不良であり、また、アニールを施すものにつ
いては、アニールを施すために、成形物を得るために時
間がかかり、生産性に劣る。
【0011】また、特開昭62−148537号、特開
昭57−49629号公報にもポリエチレンおよびポリ
プロピレンからなる微孔性多孔膜を作製する技術が開示
されているが、製造工程において無機フィラーを使用す
るため、無機フィラーによる成形機、ダイス等のけずれ
等成形機、ダイス等のメンテナンスの面や無機フィラー
の処理の面で、製造コスト的に不利である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点の
ない、すなわち、性能上、高強度、低電気抵抗、高透過
性かつ高温特性に優れた低コストの単膜の微孔性多孔膜
を提供でき、しかも生産工程が簡略化された製造方法を
提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、(a)粘度平均分子量100万未満のポリエ
チレン及びポリプロピレンの混合物からなるポリオレフ
ィン樹脂を30%以上の重量濃度で液状または固体状有
機物に加熱溶解する工程 (b)上記(a)の工程で得た溶液をシ−ト状に押出
し、ポリオレフィン樹脂と液状または固体状有機物を固
(結晶)−液相分離させる工程 (c)上記(b)の工程で得たシ−ト状物から液状また
は固体状有機物を抽出し、膜の両面から同時に圧力をか
けることなく延伸する工程、又は、膜の両面から同時に
圧力をかけることなく延伸してから、液状または固体状
有機物を抽出する工程 からなるポリオレフィン微孔性多孔膜の製造方法を与え
るものである。
【0014】さらには、(c)工程が、膜の両面から同
時に圧力をかけることなく延伸してから、液状または固
体状有機物を抽出し、更に膜の両面から同時に圧力をか
けることなく延伸する工程であることを特徴とするポリ
オレフィン微孔性多孔膜の製造方法に関するものであ
る。本発明によれば、適当な液状または固体状有機物を
用い、その有機物とポリオレフィン樹脂の割合を規定す
ることにより、ポリエチレンおよびポリプロピレンから
なるポリオレフィンの混合物の混合性を制御し、得られ
る多孔膜の高温特性や強度を良好なものとできる。ま
た、該シ−ト状物を延伸してから液状または固体状有機
物を抽出し、さらに延伸する場合には、気孔率を上昇さ
せることなしに抽出前の延伸を施すことができ、しか
も、抽出後にも延伸を行うため、得られた膜の強度は、
さらに増大する。
【0015】また、本発明によれば、シート状に成形す
る場合に成形機、ダイス等の削れが少なく、また、成形
されたシート状成形物は不均一点の少ないものであるた
め、延伸する際に欠陥穴等の発生が少なく、効率良く生
産することができる。得られたポリオレフィン微孔性多
孔膜は、膜厚10〜100μm、平均孔径0.01〜1
μm、気孔率30〜80%、機械方向弾性率5000k
gf/cm2 以上、電気抵抗10Ωcm2 以下、さらに
好ましくは5Ωcm2 以下、透気度1000秒以下、無
孔化温度100〜145℃、膜破れ温度160℃以上の
高強度、低電気抵抗、高透過性能かつ高温特性に優れた
低コストの単膜の微孔性多孔膜である。
【0016】本発明でいうところの粘度平均分子量10
0万未満のポリエチレンとは、通常の押出、射出、イン
フレーションまたはブロー成形に用いられる低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエ
チレンのことであり、粘度平均分子量が100万以上の
超高分子量ポリエチレンは含まない。また、粘度平均分
子量が70万以下であればより好ましい。
【0017】また、本発明でいうところのポリプロピレ
ンとは、通常の押出、射出、インフレーションまたはブ
ロー成形に用いられる公知のアイソタクチック、シンジ
オタクチック、アタクチックポリプロピレン、エチレン
プロピレンランダムコポリマ−、及びエチレンプロピレ
ンブロックコポリマ−のことである。特に、公知のアイ
ソタクチックポリプロピレンが、入手、溶融成形性の点
から望ましい。
【0018】本発明における、ポリエチレンおよびポリ
プロピレンの混合物からなるポリオレフィン樹脂として
は、上記のポリエチレンおよびポリプロピレンのうち、
それぞれ何種類かを混合しても良く、また、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂を適宜混
合しても良い。ポリエチレン、ポリプロピレン以外の樹
脂としては、例えばポリブテン、ポリメチルペンテン、
エチレンプロピレンラバ−等が挙げられる。
【0019】ポリオレフィン樹脂全体に対するポリプロ
ピレンの割合は5〜50wt%、ポリプロピレン以外の
ポリマーの割合は95〜50wt%であることが好まし
い。また、ポリエチレンはポリプロピレン以外のポリマ
ーの内50wt%以上を占めることが好ましい。このよ
うなポリオレフィン樹脂には、必要に応じて、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着色
剤、難燃化剤等の添加物を本発明の目的を損なわない範
囲で添加することができる。
【0020】このような各種のポリマーの混合物からな
るポリオレフィン樹脂は通常相溶性が悪いので、通常の
押出、射出、インフレーションまたはブロー成形に用い
られるポリオレフィンを用いるのが望ましい。このよう
なポリオレフィンは、粘度平均分子量が70万以下、系
全体の分子量が100万以下の分率が80wt%以上と
なる。本発明でいうところの分子量100万以下の分率
は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ
ー)測定の積分曲線から求められるものであり、80w
t%未満になると高分子量分が増加するため、均一組成
物が得られにくくなる傾向にある。また、高密度ポリエ
チレンをポリエチレン成分として含む場合、強度が高く
なり望ましい。
【0021】本発明に用いられる液状または固体状有機
物は、加熱溶解時に液体状態に保たれ、かつ一般的有機
溶剤、水等に溶解し、容易に成形体から抽出されるもの
である。さらに、固体状有機物とは、25℃で固体状の
有機物のことをいう。このような液状または固体状有機
物の内、ポリエチレンまたはポリプロピレンに対して極
限粘度の高分子量依存性係数aが0.55以上のものが
望ましい。このような液状または固体状有機物は、ポリ
エチレンまたはポリプロピレンにとって良溶媒であるこ
とが知られている(例えば、P.G.de Genne 高分子の
物理学)。このような液状または固体状有機物として
は、例えば、キシレン、トルエン、デカリン、デカン、
ドデカン、O−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン
や、流動パラフィン、パラフィンワックス、プロセスオ
イル等の鉱油、ステアリルアルコ−ルなどが挙げられ
る。このような液状または固体状有機物を用いることに
よりポリエチレンとポリプロピレンの混合性が良好にな
り、また、相分離により有効に孔となる空間を形成する
ことができる。
【0022】特に、引火点が50℃以上のドデカン、デ
カリン、O−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン
や、流動パラフィン、パラフィンワックス、プロセスオ
イル等の鉱油、ステアリルアルコ−ルが望ましく、さら
に、引火点が100℃以上のトリクロロベンゼンや、流
動パラフィン、パラフィンワックス、プロセスオイル等
の鉱油、ステアリルアルコ−ルが特に望ましい。引火点
が50℃以上の有機物である場合は、後に記載する液状
または固体状有機物の抽出前に延伸を行えるので、孔と
なる部分の割合を大きく変化させることなしに延伸を施
すことができ、得られた膜の強度を高めることができ望
ましい。なかでも、人体に対する安全性の面から、流動
パラフィン、パラフィンワックス、プロセスオイル等の
鉱油やステアリルアルコ−ルが特に好ましい。
【0023】本発明において、ポリオレフィン樹脂と液
状または固体状有機物を固−液相分離させるということ
は、相分離がいわゆる凝固点降下曲線により起こること
を示す。熱可塑性ポリマーを有機物に溶解したものは、
組成により液−液相分離を示す部分と固−液相分離を示
す部分に分かれることが知られているが(例えば、米国
特許第4247498号および第4519909号(Cas
tro)、 Smolders, vanAsrtsen およびSteenbergen K
olloid.Z.U.Z.Polymere 243.14〜20(197
1)、高分子実験学11,高分子溶液〈共立出版〉
等)、本発明において、ポリオレフィン樹脂と液状また
は固体状有機物を固−液相分離させるためには、上記し
た適当な有機物を用い、その有機物に30%以上の重量
濃度でポリオレフィン樹脂を溶解させることが必要であ
る。
【0024】ポリオレフィン樹脂の重量濃度が30%未
満であると、ポリオレフィン樹脂と液状または固体状有
機物を固−液相分離させることが難しい。また、重量濃
度が80%より多くなれば、電気抵抗が高くなり、透過
性能も悪くなる。従って、内部抵抗が大きくなるため、
電池から有効に電気エネルギーを取り出せなくなり、電
池用セパレーターとしての性能に劣るものになってしま
う。
【0025】ポリマーと有機物の温度−組成グラフは上
記の文献等に示されているような公知に方法によって容
易に作製できる。ポリオレフィン樹脂と液状または固体
状有機物が液−液相分離すると、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリマーの混合性が不均一になるが、本
発明のように固−液相分離させることにより、ポリマー
同士の混合を均一に保つことができる。このため、圧延
を施すことなく、強度や高温特性に優れた膜を得ること
ができる。また、圧延工程を省略できるため、制御が楽
になり、生産性が向上する。
【0026】ポリオレフィンの混合物からなるポリオレ
フィン樹脂を液状または固体状有機物に加熱溶解し、シ
ート状に押出成形するには、単軸押出機、二軸押出機等
公知の手段にて押出成形できるが、押出シートの厚みむ
らを少なくするためにギヤーポンプを押出機とダイスの
間に介在させるのが望ましい。さらに好ましくは、重量
フィーダーを使用したり、ギヤーポンプ前圧力により押
出機のスクリュー回転数を制御するのが望ましい。
【0027】ポリオレフィンの混合物からなるポリオレ
フィン樹脂と液状有機物を混合する場合はポリオレフィ
ン樹脂をホッパーから投入し、液状有機物を、押出機バ
レルの途中から投入するのが作業性がよく、ポリオレフ
ィンの混合物からなるポリオレフィン樹脂と固体状有機
物を混合する場合は、予め混合したポリオレフィンの混
合物からなるポリオレフィン樹脂と固体状有機物をホッ
パーから投入するのが作業性が良い。本発明では、ポリ
オレフィン樹脂として、超高分子量ポリエチレンを用い
ないため、押出機投入前にあらかじめポリオレフィン樹
脂を液状または固体状有機物に溶解させておく必要は特
にない。通常の押出、射出、インフレーションまたはブ
ロー成形に用いられるポリオレフィン樹脂であれば、ホ
ッパー投入から押出までの間に、液状または固体状有機
物に完全に溶解させることができる。このため、必要な
溶解時間は10分未満となり、製造時間を大幅に短縮す
ることができる。また、溶解時の加熱温度は、溶媒の沸
点以下で150〜250℃が好ましい。
【0028】本発明において、押出樹脂温、押出スピー
ド等は、特に限定されるものではないが、押出樹脂温は
180℃〜260℃が好ましく、押出スピードは0.1
m/分〜30m/分の押出スピードで押出すのが好まし
い。溶融混合物をダイスを通してフィルムまたはシート
状に押出し冷却する場合は所定の温度に設定したロ−ル
にて冷却するのがよい。また、エア−ナイフ等の手段を
所望により用いてもよい。ダイス吐出部から冷却部まで
の距離はなんら限定されるものではないが、5cm〜1
mであることが好ましい。
【0029】得られたシート状成形物から液状または固
体状有機物を抽出するには、樹脂の貧溶媒かつ液状また
は固体状有機物の良溶媒中に、好ましくは20〜90℃
にて浸漬し、シート状成形物より液状または固体状有機
物を除去すればよい。抽出溶媒としては、メタノール、
エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素等の有機溶媒が挙げられる。
【0030】また、このようにシート状成形物から液状
または固体状有機物を抽出しても、一部、液状または固
体状有機物は残存している。というのは、液状または固
体状有機物が形成する部分は、孔となる部分の他に、液
状または固体状有機物が独立して存在する部分があるか
らである。実際、シート状成形物または得られた膜を約
5mm角に切断した物からソックスレ−抽出器等の手段
により、四塩化炭素中に該液状または固体状有機物を抽
出することが可能である。四塩化炭素中の該液状または
固体状有機物は適度の濃度に調節した後、ガスクロマト
グラフィ−、液体クロマトグラフィ−、FT−IR、質
量分析等の組合せにより検出同定することができる。
【0031】シート状成形物と抽出溶媒の接触は所定温
度の溶媒に所定時間浸漬してひきあげる浸漬法により行
うことができる。または、シート状成形物の表面上に抽
出溶媒を連続的に流下或は噴射する方法により行うこと
もできる。連続的に抽出処理を施すには、多段に区分け
された槽をロールを介して連続的にシートを送り出しな
がら、抽出溶媒をシートの進行方向と逆の方向からなが
す、多段向流法を用いるのが良い。
【0032】抽出処理を経た成形品を乾燥する工程にお
ける乾燥の方法は、例えば、空気または窒素ガスを吹き
付ける方法、減圧乾燥方法、熱空気、或いは熱窒素ガス
乾燥室を通過させる方法、成形品の熱収縮が許容できる
温度に加熱した金属ロールに接触させる方法等、公知の
方法が使用できる。延伸工程とは、シート状成形物を所
望の膜厚に延ばす手段を指し、本発明では膜の両面から
同時に圧力をかけるような圧延を行う必要はない。特に
延伸機を使用する場合は、延伸温度80〜140℃の範
囲内より選ばれた所定の条件で、シートを機械方向(一
軸方向)または二軸方向に引き延ばすことで、所望の膜
厚に調整された微孔性多孔膜が得られる。ここで、抽
出、延伸工程の順序については、なんら限定されるもの
ではないが、液状または固体状有機物を抽出する前に延
伸を施し、該延伸物から液状または固体状有機物を抽出
し、乾燥し、さらに延伸すると、得られたポリオレフィ
ン微孔性多孔膜の透過性能、及び強度が高くなり、望ま
しい。また、好ましい延伸倍率は、面積倍率で2〜20
0倍が好ましく、更に5〜100倍が好ましい。
【0033】かくして得られたポリオレフィン微孔性多
孔膜は、膜厚10〜100μm、平均孔径0.01〜1
μm、気孔率30〜80%、機械方向弾性率5000k
gf/cm2 以上、電気抵抗10Ωcm2 以下、さらに
好ましくは5Ωcm2 以下、透気度1000秒以下、無
孔化温度100〜145℃、膜破れ温度160℃以上の
高強度、低電気抵抗、高透過性能かつ安全性に優れた低
コストの単膜の微孔性多孔膜である。
【0034】
【実施例】以下、本発明について、実施例を挙げて更に
詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるも
のではない。尚、実施例における測定方法および評価方
法は次の通りである。 (1)膜厚 ダイヤルゲージ(最小目盛り:1μm)を使用した。 (2)気孔率 次式より算出した。
【0035】気孔率=空孔容積÷膜全容積×100 空孔容積=含水重量−絶乾重量 (3)機械方向弾性率 ASTM−D−882に準拠し、インストロン型引張試
験機にて測定した。 (4)平均孔径 ASTM−F−316−70に準拠し、ハーフドライ法
にて評価した。尚、測定圧力の上限は、10kgf/c
2 とした。 (5)最大孔径 ASTM−E−128−61に準拠し、エタノール中で
のバブルポイントより算出した。 (6)透過性能 透気度により評価した。
【0036】透気度はJIS P−8117に準拠し、
東洋精機製B型ガーレー式デンソメーターを用い、標線
目盛り0から100までに要する時間をストップウォッ
チにて測定した。 (7)電気抵抗 安藤電気製AG−4311型LCRメーターにて、25
℃で測定した。
【0037】電解液:炭酸プロピレン 50体積% ジメトキシエタン50体積% 過塩素酸リチウム1mol/dm3 条件:白金黒電極 極板間距離3mm 極板面積 0.785cm2 交流 1kHZ 組立:図1に記載 (8)メルトインデックス 特に断わりが無い場合は、ASTM−D−1238に準
拠するものとする。 (9)粘度平均分子量(Mv) 溶剤(デカリン)を使用し、測定温度135℃における
極限粘度[η]を測定し、次式より算出した。
【0038】 [η]=6.2×10-4Mv0.7 (Chiangの式) (10)高温特性 6cm×6cmの膜サンプルを準備し、熱変形しないよ
うに四隅を固定して、所定温度に設定されたギヤーオー
ブン中に30分間静置した後、速やかにギヤーオーブン
から取り出し、空冷して得た熱処理サンプルの中央部の
電気抵抗を測定した。所定の設定温度において、得られ
た熱処理サンプルの電気抵抗値より、25℃の電気抵抗
の50倍になる温度を無孔化温度とし、膜破れが観察さ
れる温度を膜破れ温度として評価した。 (11)系全体における分子量100万以下の分率 GPC測定の積分曲線から求められる。
【0039】GPC(ゲルパーミエイションクロマトグ
ラフィ)測定 機器:WATERS 150−GPC 温度:140℃ 溶媒:1、2、4−トリクロロベンゼン 濃度:0.05%(インジェクション量:500マイク
ロリットル) カラム:Shodex GPC AT−807/S 1
本 Tosoh TSK−GEL GMH6 −HT 2本 溶解条件:160℃、2.5時間 キャリブレーションカーブ:ポリスチレンの標準試料を
測定し、ポリエチレン換算定数(0.48)を使用し、
3次で計算 (12)膜中の溶媒検出 約40gの試料を約2mm角の大きさに切り出し、四塩
化炭素を用い、ソックスレ−抽出器にて水浴温95℃で
10時間抽出した得られた抽出液をエバポレ−タ−によ
り50mlの溶液に濃縮した。この溶液をガスクロマト
グラフィ−、FT−IR、質量分析により検出同定し
た。
【0040】ガスクロマトグラフィ− 機器:柳本3810 温度:INJ 300℃;OVEN 230℃(インジ
ェクション量:20マイクロリットル) カラム:Silicone OV−17 5% 1m キャリアガス:ヘリウム 検出器:FID (13)ポリマ−/有機物温度−組成グラフ(固−液相
分離の判断) 数種類の組成のポリマ−/有機物をブラベンダ−社製プ
ラスチコ−ダ−により溶融混練し、得られた試料約5m
gをセイコ−電子工業株式会社製、示差走差熱量計 D
SC210型を用い、窒素気流下で、200℃にて10
分間放置した後、降温速度10℃/minにて測定した
時のポリエチレン、ポリプロピレンの発熱ピ−ク温度を
測定し、発熱ピ−ク温度−組成のグラフを作成し、傾き
より走分離が固−液相分離か液−液相分離か判断した。
【0041】
【実施例1】メルトインデックス(測定荷重5kg、1
90℃)0.25g/10minの高密度ポリエチレン
32重量%、およびメルトインデックス0.5g/10
minのポリプロピレン8重量%の混合物に、粘度7
5.8cSt(37.8℃)の流動パラフィン60重量
%を添加し、30m/mφ二軸押出機に650m/m幅
Tダイスを取り付けた製膜装置に供給して、厚さ290
μmのシート状の原膜を得た。樹脂温は200℃、押出
スピードは0.4m/分、ダイス吐出部から冷却ロール
までの距離は10cmであった。該膜を、岩本製作所社
製二軸延伸試験機にて、温度100℃、速度500mm
/minの条件下、押出方向に平行なMD方向に2倍、
押出方向に垂直なCMD方向に3倍延伸した後、流動パ
ラフィンの抽出溶剤として1,1,1−トリクロロエタ
ンを使用し、1,1,1−トリクロロエタン中に20分
間浸漬し、流動パラフィンを抽出除去して、乾燥し、延
伸膜を得た。更に、該膜を、岩本製作所社製二軸延伸試
験機にて、温度120℃、速度500mm/minの条
件下で押出方向に平行なMD方向に2倍、押出方向に垂
直なCMD方向に2倍延伸し、微孔性多孔膜を得た。以
上のようにして得られた膜は、表1に記載の性能を有
し、高強度、低電気抵抗、高透過性かつ小孔径であっ
た。
【0042】尚、使用したメルトインデックス(測定荷
重5kg、190℃)0.25g/10minのポリエ
チレンの粘度平均分子量を測定したところ、20万であ
った。また、得られた膜の分子量測定をGPC測定によ
り行ったところ、図2のようなチャートが得られ、系全
体の分子量が100万以下の分率は、92wt%であっ
た。
【0043】さらに、得られた膜中の流動パラフィンの
含有量は1ppmであった。また、使用した流動パラフ
ィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンに対して固−液
相分離を示し、使用した流動パラフィンのポリエチレン
に対する極限粘度の高分子量依存性係数は0.65、ポ
リプロピレンに対する極限粘度の高分子量依存性係数は
0.6、引火点は250℃であった。
【0044】
【実施例2】速度を300mm/minで延伸した以外
は、実施例1と同様にして微孔性多孔膜を得た。得られ
た膜は、表1に記載の通り、延伸速度を小さくすること
により、更に低い電気抵抗を示した。
【0045】
【実施例3】実施例1に記載のポリエチレン、ポリプロ
ピレン、および流動パラフィン、各40、10、50重
量%を、30m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダ
イスを取り付けた製膜装置に供給して、実施例1と同様
にして、厚さ300μmのシート状の原膜を得た。実施
例1と同様にして、微孔性多孔膜を得た。
【0046】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0047】
【実施例4】実施例1に記載のポリエチレン、ポリプロ
ピレン、および流動パラフィン、各48、12、40重
量%を、30m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダ
イスを取り付けた製膜装置に供給して、実施例1と同様
にして、厚さ400μmのシート状の原膜を得た。岩本
製作所社製二軸延伸試験機にて、温度100℃、速度5
00mm/minの条件下、押出方向に平行なMD方向
に3倍、押出方向に垂直なCMD方向に3.5倍延伸し
た後、流動パラフィンの抽出溶剤として1,1,1−ト
リクロロエタンを使用し、1,1,1−トリクロロエタ
ン中に20分間浸漬し、流動パラフィンを抽出除去し
て、乾燥し、延伸膜を得た。更に、該膜を、岩本製作所
社製二軸延伸試験機にて、温度120℃、速度500m
m/minの条件下で押出方向に平行なMD方向に3
倍、押出方向に垂直なCMD方向に3倍延伸し、微孔性
多孔膜を得た。以上のようにして得られた膜は、表1に
記載の性能を有していた。
【0048】
【実施例5】メルトインデックス5.0g/10min
の高密度ポリエチレン8重量%、メルトインデックス
0.25g/10minの高密度ポリエチレン24重量
%、および実施例1に記載のポリプロピレン8重量%の
混合物に、実施例1で使用した粘度75.8cSt(3
7.8℃)の流動パラフィン60重量%を添加し、30
m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダイスを取り付
けた製膜装置に供給して、シート状に押出成形し、実施
例1と同様にして、微孔性多孔膜を得た。
【0049】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0050】
【実施例6】メルトインデックス20.0g/10mi
nの線状低密度ポリエチレン8重量%、メルトインデッ
クス0.25g/10minの高密度ポリエチレン24
重量%、および実施例1に記載のポリプロピレン8重量
%の混合物に、実施例1で使用した粘度75.8cSt
(37.8℃)の流動パラフィン60重量%を添加し、
30m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダイスを取
り付けた製膜装置に供給して、シート状に押出成形し、
実施例1と同様にして、微孔性多孔膜を得た。
【0051】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0052】
【実施例7】メルトインデックス0.30g/10mi
nの低密度ポリエチレン8重量%、メルトインデックス
0.25g/10minの高密度ポリエチレン24重量
%、および実施例1に記載のポリプロピレン8重量%の
混合物に、実施例1で使用した粘度75.8cSt(3
7.8℃)の流動パラフィン60重量%を添加し、30
m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダイスを取り付
けた製膜装置に供給して、シート状押出成形し、実施例
1と同様にして、微孔性多孔膜を得た。
【0053】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0054】
【実施例8】メルトインデックス0.30g/10mi
nの線状低密度ポリエチレン8重量%、メルトインデッ
クス0.25g/10minの高密度ポリエチレン24
重量%、実施例1に記載のポリプロピレン6重量%およ
び三井石油化学工業株式会社製ポリメチルペンテンTR
X(MX 002)2重量%の混合物に、実施例1で使
用した粘度75.8cSt(37.8℃)の流動パラフ
ィン60重量%を添加し、30m/mφ二軸押出機に6
50m/m幅Tダイスを取り付けた製膜装置に供給し
て、シート状に押出成形し、樹脂温を240℃で押出し
たこと、及び抽出溶剤としてメチルエチルケトンを使用
した以外は実施例1と同様にして、微孔性多孔膜を得
た。
【0055】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0056】
【実施例9】液状有機物としてトリクロロベンゼンを使
用した以外は、実施例1と同様にして微孔性多孔膜を得
た。得られた膜は、表1に記載の性能を有していた。使
用したトリクロロベンゼンは、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンに対して固−液相分離を示し、使用したトリクロ
ロベンゼンのポリエチレンに対する極限粘度の高分子量
依存性係数は0.70、ポリプロピレンに対する極限粘
度の高分子量依存性係数は0.65、引火点は110℃
であった。また、トリクロロベンゼンの残存は3ppm
であった。
【0057】
【比較例1】メルトインデックス(測定荷重5kg、1
90℃)0.25g/10minの高密度ポリエチレン
16重量%、およびメルトインデックス0.5g/10
minのポリプロピレン4重量%の混合物に、ジフェニ
ルエ−テルを80重量%使用して実施例1と同様にして
微孔性多孔膜を得た。高密度ポリエチレン及びポリプロ
ピレンとジフェニルエ−テルは液−液相分離を示した。
【0058】以上のようにして得られた膜は、表1に示
すように高温特性が不充分であった。
【0059】
【比較例2】メルトインデックス0.80g/10mi
nのポリエチレン8重量%、粘度平均分子量300万の
超高分子量ポリエチレン24重量%、および実施例1に
記載のポリプロピレン8重量%の混合物に、実施例1に
使用した粘度75.8cSt(37.8℃)の流動パラ
フィン60重量%を添加し、30m/mφ二軸押出機に
650m/m幅Tダイスを取り付けた製膜装置に供給し
て、シート状に押出成形したが、得られた成形物はサメ
ハダ状となり、製膜性に欠けるものであった。
【0060】
【比較例3】メルトインデックス0.25g/10mi
nの高密度ポリエチレン35重量%、粘度75.8cS
t(37.8℃)の流動パラフィン65重量%を添加
し、30m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダイス
を取り付けた製膜装置を供給して、シート状に押出成形
して、厚さ290μmのシート状の原膜を得た。次に、
圧延をかけ、厚さ40μmの膜を作製した後、膜を、
1,1,1−トリクロロエタン中に20分間浸漬し、流
動パラフィンを抽出除去して、乾燥し、微孔性多孔膜を
得た。
【0061】得られた膜の膜破断温度は145℃と低か
った
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン微孔性多孔膜の
製造方法によれば、ポリオレフィン樹脂と液状または固
体状有機物を固−液相分離させることにより、相溶性の
悪い樹脂でも、不均一点などの欠点なく、短時間の内に
シート状に成形でき、また、ポリエチレンおよびポリプ
ロピレンからなるポリオレフィンの混合物の混合性を制
御し、圧延を施すことなく、高温特性、強度の優れた多
孔膜を得ることができる。
【0064】また、本発明によれば、シート状に成形す
る場合に成形機、ダイス等の削れが少なく、また、成形
されたシート状成形物は不均一点の少ないものであるた
め、延伸する際に欠陥穴等の発生が少なく、効率良く生
産することができる。従って、性能上、高強度、低電気
抵抗、高透過性かつ高温特性に優れた低コストの単膜の
微孔性多孔膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微孔性多孔膜の電気抵抗測定における
組立の概略図
【図2】実施例1のGPC測定結果のチャート
【符号の説明】
1 電極 2 テフロンパッキン 3 膜 4 外径2cm、内径1cm、厚み1mmのテフロンパ
ッキン 5 電極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)粘度平均分子量100万未満のポ
    リエチレン及びポリプロピレンの混合物からなるポリオ
    レフィン樹脂を30%以上の重量濃度で液状または固体
    状有機物に加熱溶解する工程 (b)上記(a)の工程で得た溶液をシ−ト状に押出
    し、ポリオレフィン樹脂と液状または固体状有機物を固
    (結晶)−液相分離させる工程 (c)上記(b)の工程で得たシ−ト状物から液状また
    は固体状有機物を抽出し、膜の両面から同時に圧力をか
    けることなく延伸する工程、又は、膜の両面から同時に
    圧力をかけることなく延伸してから、液状または固体状
    有機物を抽出する工程 からなるポリオレフィン微孔性多孔膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 (c)工程が、膜の両面から同時に圧力
    をかけることなく延伸してから液状または固体状有機物
    を抽出する工程、及び、更に膜の両面から同時に圧力を
    かけることなく延伸する工程からなることを特徴とする
    請求項1記載のポリオレフィン微孔性多孔膜の製造方
    法。
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