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JP3251262B2 - Pc板取付け方法および取付け構造 - Google Patents

Pc板取付け方法および取付け構造

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JP3251262B2
JP3251262B2 JP13824899A JP13824899A JP3251262B2 JP 3251262 B2 JP3251262 B2 JP 3251262B2 JP 13824899 A JP13824899 A JP 13824899A JP 13824899 A JP13824899 A JP 13824899A JP 3251262 B2 JP3251262 B2 JP 3251262B2
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concrete
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fixing bracket
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博 増川
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新之輔 相場
秀機 池田
博行 鈴木
卓郎 矢口
賢一 河野
計一 鹿児島
敏男 井田
保 武村
晴義 岡本
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Kajima Corp
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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物外壁に配設
するプレキャストコンクリートのパネル板(以下PC板
という)を用いたカーテンウォールの取付け方法および
取付け構造に関し、特に鉄筋コンクリート構造の躯体に
対するPC板の取付け方法および取付け構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鉄骨構造(S構造)の建築物の外壁を構
成するPC板の取付け構造が従来より各種提案されてい
る(例えば実公昭54−5533号公報、実公昭54−
20806号公報、実公昭59−20491号公報
等)。このような従来の鉄骨構造に対するPC板の取付
け構造は、ラーメン構造の建物躯体を構成するH型鋼材
等の鉄骨材の上面に躯体付け金物を溶接により接合し、
この躯体付け金物から位置決めボルトを突出させ、この
位置決めボルトに対し、PC板側に埋設した取付け部材
を嵌め込んで上下方向のレベル(高さ)および壁面に直
角方向の出入り調整を行ってPC板を躯体側に取付けて
いた。
【0003】このようなPC板は、地震等による層間変
位に追従するため、スウェイ方式あるいはロッキング方
式により、PC板の下部あるいは上部の取付け部材をど
ちらかを固定し固定していないほうをスライドさせたり
(スウェイ方式)、PC板の上端または下端を上方向自
由の鉛直支持としてもう一方の端部を上下連動させてP
C板を回動させること(ロッキング方式)により、PC
板に加わる応力を逃している。
【0004】一方、鉄筋コンクリート構造(RC構造ま
たはSRC構造)の建物においてもPC板によるカーテ
ンウォール構造が用いられる。この場合、各PC板の取
付け構造は、S構造に対するものと同様であり、躯体側
コンクリートに予め支持金物を埋設し、この躯体付け支
持金物にPC板を取付け、その後PC板と躯体側コンク
リート間に生じた隙間に塞ぎ材を充填するものである。
【0005】図17は、従来の鉄筋コンクリート構造の
躯体に対するPC板取付け構造の要部縦断面図であり、
図18はそのA−A方向から見た立面図である。建物各
階の梁またはスラブを構成する鉄筋コンクリート構造の
躯体コンクリート1a(鉄筋は図示省略)の端部に、躯
体側から外面を露出させてアングル鋼材からなる第1の
躯体付け支持金物2が埋設される。この第1の躯体付け
支持金物2は、これに溶接された埋め込み筋3を介して
躯体コンクリート1aに固着されて一体化される。第1
の躯体付け支持金物2には位置決め用ボルト4が固着さ
れる。このボルト4に対し、PC板5aの上端部に設け
たアングル鋼材からなる取付け片7に設けたルーズ孔7
bを挿通させ出入り方向の位置決めをしてナット9で固
定する。この取付け片7は上下方向に長い長孔7aを通
してアンカーボルト6を介してPC板5aに対しナット
8により固定される。
【0006】躯体コンクリート1aには、前述のPC板
5aの上端部を保持する第1の躯体付け支持金物2に隣
接して別体の第2の躯体付け支持金物10が同様に埋設
される。この第2の躯体付け支持金物10は、上階のP
C板5bの重量を支持するものである。この第2の躯体
付け支持金物10上に台座金物12および突棒11が固
着される。突棒11に嵌め込まれる孔を有する各種厚さ
の積層板13を重ねて高さの調整が行われる。この積層
板13上に、PC板側に埋設された支持金物102が搭
載され、この支持金物102を介して上階のPC板5b
の重量が支持される。この支持金物102は、支持アン
グル15と、これに溶接され一体化された埋め込み材1
4により構成される。埋め込み材14の部分がPC板5
bの下端部に埋め込まれる。上階のPC板5bの上端部
には下階のPC板5aと同様にPC板保持用の取付け片
7が固定され、前述と同様に上階の第1の躯体付け支持
金物2を介して上階の躯体コンクリート1bに取付けら
れる。
【0007】各階の躯体コンクリート1a,1bとPC
板5a,5bの間に形成された隙間には、上下階間での
漏水や漏音の防止および防災のために耐火材からなる塞
ぎ材16が充填される。
【0008】このような構造のPC板カーテンウォール
を施工する場合、従来は、各階の躯体コンクリートを打
設して躯体付け支持金物等の躯体側の固定金具を埋設し
て硬化した後、この躯体コンクリートにPC板を取付け
ていた。すなわち、従来のPC板の取付け方法では、躯
体のコンクリート打ち作業を先行させて各階の梁やスラ
ブを下階から順番に形成し、これに遅れてコンクリート
が硬化した後に3層またはそれ以上下階の外壁にPC板
を順番に取付けていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
躯体コンクリート打設工事を先行させて梁やスラブを形
成し、その後からPC板を取付ける施工方法では、PC
板取付け作業に先行してPC板取付け階の上階部分まで
コンクリート打ち作業のための足場を組み立てる必要が
あり、PC板取付け作業時にはこの足場と躯体コンクリ
ート間の狭い隙間を通してPC板を取付けなければなら
ず作業性が悪かった。
【0010】また、PC板取付け後に塞ぎ材を装着する
際、PC板と躯体コンクリートとの間の隙間幅が型枠自
体やその設置精度等のばらつきにより一定とならないた
め、塞ぎ材により隙間を完全に密封することが難しく、
上下階の間で音が大きく伝わったり漏水の面で問題とな
ることがあった。
【0011】また、コンクリートが完全に硬化してから
下階のPC板を取付けなければならないため、工期が長
期化していた。
【0012】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、施工性を向上させ工期の短縮を図るとともに、P
C板と躯体側との間に塞ぎ材を完全に充填可能とするP
C板取付け方法およびこのようなPC板取付け方法によ
るPC板取付け構造の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、PC板に予めPCファスナーを埋設
し、このPCファスナーを受けてPC板を躯体側に固定
する固定金具を躯体コンクリートに埋設し、PC板と躯
体との間に塞ぎ材を装着した鉄筋コンクリート構造物へ
のPC板取付け方法において、前記固定金具を躯体側に
埋設する前にこの固定金具を前記PCファスナーに仮固
定し、このPC板を前記塞ぎ材とともに躯体側に仮保持
し、この仮保持状態でコンクリートを打設して前記固定
金具をコンクリートに埋設することを特徴とするPC板
取付け方法を提供する。
【0014】この構成によれば、PC板側に固定したP
Cファスナーに躯体付け用の固定金具を仮止めした状態
でコンクリート打設とPC板取付けを同時に行うため、
コンクリート打設用の足場を利用してPC板取付け作業
を下階側から同時に進行させることができ、PC板の取
付け作業が効率よく行われ現場での作業性が向上する。
また、固定金具をコンクリートに埋設する前にPCファ
スナーに取付けるため、従来のようにコンクリートに固
定された固定金具に対するPCファスナーの位置合せが
不要になり、PC板の位置調整作業が簡素化する。
【0015】また、塞ぎ材をPC板と躯体の間に装着し
た状態でコンクリートを流し込むため、硬化後の躯体コ
ンクリートとPC板間は塞ぎ材により完全に密封され
る。したがって、従来の場合のようにコンクリート硬化
後にPC板を取付け、このPC板との間の隙間に塞ぎ材
を詰込む方法と異なり、塞ぎ不良による音漏れや漏水等
の問題を生じることがなくなる。
【0016】また、従来のように上階のコンクリートの
硬化を待つことなく各階ごとにPC板の取付け作業とコ
ンクリート打ちとを同時に進行させることができるた
め、工期の短縮が図られる。
【0017】好ましい構成例では、前記PCファスナー
はPC板の上端部に埋設され、PC板の下端部に仮設支
持部材を設け、この仮設支持部材を介してこのPC板の
自重を床側の躯体コンクリートに支持し、この状態で天
井側の躯体にコンクリートを打設してPC板上端部を躯
体側に固定し、その後、前記仮設支持部材を取外してP
C板の自重をその上端部のPCファスナーを介して躯体
側に支持させることを特徴としている。
【0018】この構成によれば、PC板の上端部側の躯
体コンクリートが硬化するまでの仮設時に、既に硬化し
ているPC板の下端部側の躯体コンクリートに仮設支持
部材を介してPC板の自重を支持し、上端部側の躯体コ
ンクリートが硬化した後、下端部側の仮設支持部材が取
外されPC板の自重がPCファスナーおよび固定部材を
介して上端部側の躯体コンクリートに支持される。これ
により、下階側から順次PC板取付けと躯体コンクリー
ト打ちとを同時に進行させながら建物を構築できる。
【0019】さらに好ましい構成例では、前記仮設支持
部材は、レベル調整ボルトを有し、このレベル調整ボル
トによりPC板の高さ調整を行うことを特徴としてい
る。
【0020】この構成によれば、仮設時に従来のように
積層板の積み重ねによることなく、ボルトの調整により
容易にPC板の高さ調整を行うことができる。
【0021】さらに好ましい構成例では、PC板の前記
仮保持状態において、前記塞ぎ材によりコンクリートの
型枠の一部を構成することを特徴としている。
【0022】この構成によれば、塞ぎ材をコンクリート
の型枠の一部としてPC板と躯体の間に装着した状態で
コンクリートを流し込むため、硬化後の躯体コンクリー
トとPC板間は塞ぎ材により完全に密封される。
【0023】さらに好ましい構成例では、前記PCファ
スナーの上部に、上階側のPC板の下端部に係合して上
階側のPC板の出入り方向の位置決めを行うための出入
り調整手段を設けたことを特徴としている。
【0024】この構成によれば、下階側から順次躯体コ
ンクリート打ちと同時進行でPC板を取付ける場合に、
既に硬化した下階側の躯体コンクリートに固定された下
階側のPC板上端部のPCファスナーを介して、その上
側に仮保持したPC板の出入り方向の位置調整が容易に
効率的に行われる。
【0025】さらに好ましい構成例では、前記出入り調
整手段として、前記PCファスナーに上端が開口した凹
部を形成し、この凹部に、上階側のPC板下端部に埋設
したアンカーに螺合する引きボルトを挿入し、前記PC
ファスナーに、上階側のPC板下端部表面に当接する押
しボルトを装着したことを特徴としている。
【0026】この構成によれば、PCファスナー上端部
の凹部に引きボルトが挿入され、この引きボルトの調整
により上階側PC板下端部のアンカーを介して上階側P
C板の躯体側に引張って位置を調整し、さらにPCファ
スナーに設けた押しボルトの調整により上階側PC板下
端部表面を押圧して躯体側から押出して位置を調整する
ことにより、出入り方向の位置決めができる。この場
合、上階PC板のアンカーに結合される引きボルトはP
Cファスナーの凹部にその上端開口部から挿入され上下
方向に移動可能であり、押しボルトはPC板表面に当接
して上下に移動可能である。したがって、PC板の自重
をその上端部のPCファスナーで支持した場合、下端部
側は上下に自由にロッキング動作が可能になる。
【0027】さらに好ましい構成例では、前記固定金具
は、その上面にPCファスナーを係止するための係止突
起を有し、前記PCファスナーは、前記係止突起に嵌合
する孔を有し、前記係止突起はその上端部にネジ部を有
し、この係止突起にPCファスナーの孔を嵌合させて前
記係止突起上端部のネジ部に仮設ナットを螺合させるこ
とにより前記固定金具を前記PCファスナーに仮固定す
ることを特徴としている。
【0028】この構成によれば、固定金具上面に突出す
る係止突起にPCファスナー側の孔を嵌合させてPCフ
ァスナーと固定金具とを連結し、係止突起上端部のネジ
部に仮設ナットを装着して固定金具をPCファスナーに
仮固定する。この仮固定状態で固定金具をコンクリート
に埋設する。したがって、従来行っていたコンクリート
に固定金具を埋設してからこの固定金具にPCファスナ
ーを装着する方法と異なり、PCファスナーと固定金具
との位置合せ作業が不要になり、PCファスナー側の孔
はルーズ孔とする必要はなく、係止突起に嵌合する径の
孔として位置決めできる。コンクリート硬化後は仮設ナ
ットを取外してPCファスナーを固定金具の係止突起に
沿って上下方向にロッキング動作可能とする。この場
合、係止突起に沿って摺動するPCファスナーの摺動抵
抗を小さくするために、係止突起のネジ部は仮設ナット
の螺合に必要な先端部のみに形成しておくことが望まし
い。本発明ではさらにPC板取付け構造として、PC板
にPCファスナーが埋設され、このPCファスナーを受
けてこのPC板を躯体側に固定する固定金具が躯体コン
クリートに埋設され、前記PC板と躯体コンクリートの
間に塞ぎ材が装着された鉄筋コンクリート構造物へのP
C板取付け構造において、前記PCファスナーをPC板
の上端部に設け、前記固定金具の上面にPCファスナー
を係止するための係止突起を設け、前記PCファスナー
は、前記係止突起に嵌合する孔を有し、このPC板の自
重をその上端部のPCファスナーおよび固定金具を介し
て躯体コンクリート側に支持し、PC板の下端部は、下
階側のPC板のPCファスナーに対し出入り方向に位置
決めされるとともに上下方向に移動可能に保持され、前
記固定金具はこれに係止するPCファスナーおよび塞ぎ
材に対し位置決めされた状態でコンクリートに埋設され
たものであることを特徴とするPC板取付け構造を提供
する。
【0029】この構成によれば、PC板のPCファスナ
ーの孔に固定金具の係止突起を嵌合させた状態で仮結合
し、固定金具をPCファスナーおよび塞ぎ材に対し位置
決めした状態でコンクリート打ちが行われるため、前述
の本発明に係るPC板取付け方法が好適に実施され、ま
た前述の本発明に係るPC板取付け方法を実施すると上
記構造が得られる。したがって、このPC板取付け構造
によれば、前述の本発明方法を実施した場合のように、
PC板側に固定したPCファスナーに躯体付け用の固定
金具を仮止めした状態でコンクリート打設とPC板取付
けを同時に行うため、コンクリート打設用の足場を利用
してPC板取付け作業を下階側から同時に進行させるこ
とができ、PC板の取付け作業が効率よく行われ現場で
の作業性が向上する。また、固定金具をコンクリートに
埋設する前にPCファスナーに取付けるため、従来のよ
うにコンクリートに固定された固定金具に対するPCフ
ァスナーの位置合せが不要になり、PC板の位置調整作
業が簡素化する。
【0030】また、同じく前述の本発明方法の場合と同
様に、塞ぎ材をPC板と躯体の間に装着した状態でコン
クリートを流し込むため、硬化後の躯体コンクリートと
PC板間は塞ぎ材により完全に密封される。したがっ
て、従来の場合のようにコンクリート硬化後にPC板を
取付け、このPC板との間の隙間に塞ぎ材を詰込む方法
と異なり、塞ぎ不良による音漏れや漏水等の問題を生じ
ることがなくなる。
【0031】また、従来のように上階のコンクリートの
硬化を待つことなく各階ごとにPC板の取付け作業とコ
ンクリート打ちとを同時に進行させることができるた
め、工期の短縮が図られる。
【0032】好ましい構成例では、前記固定金具の上面
に、PC板に近接させて棒材を配設し、この棒材を介し
て前記PCファスナーを前記固定金具上に支持したこと
を特徴としている。
【0033】この構成によれば、固定金具上でのPCフ
ァスナーの支持位置がPC板に近接しているため、PC
板やPCファスナーに作用する曲げモーメントを極力小
さくすることができ、構造上の強度を高めて地震や風そ
の他躯体側からの偏倚荷重等による力を受けた場合に、
PC板に作用する力を軽減することができる。また、こ
れによりPCファスナーの強度が実質上高められるた
め、部材の薄型化や小型軽量化を図ることができる。
【0034】さらに好ましい構成例では、前記固定金具
上面の係止突起は、その上端部に仮設ナット装着用のネ
ジが形成され、この仮設ナット締め付け時にこの固定金
具がPCファスナーに対し回転することを防止するため
の回転防止部材をこの固定金具上面に設けたことを特徴
としている。
【0035】この構成によれば、コンクリート打ち前の
仮設時に、PCファスナーの孔に固定金具の係止突起を
挿通させて仮設ナットで締め付けるときに、ナットの締
め付けによる固定金具の回転が防止され取付け作業が円
滑に行われる。
【0036】さらに好ましい構成例では、前記固定金具
の上面は躯体側コンクリートの上面より低くなるように
段差が形成され、前記係止突起の高さはこの段差の高さ
以下であることを特徴としている。
【0037】この構成によれば、固定金具の上面に突出
する係止突起が、躯体側コンクリート上面までの段差以
下の高さであるため、躯体側コンクリート上面を床仕上
げした場合、その床仕上げ面を広く有効にとることがで
きる。
【0038】別の好ましい構成例では、前記固定金具の
上面は躯体側コンクリートの上面より低くなるように段
差が形成され、この固定金具の上面に該段差に対応した
高さの箱枠を設けたことを特徴としている。
【0039】この構成によれば、固定金具と躯体コンク
リートとの間の段差部分に箱枠が設けられるため、段差
部の上面が塞がれ使用性が高まるとともに強度が高めら
れる。
【0040】本発明ではさらに、鉄筋コンクリート構造
物へのPC板取付け構造において、PC板の上端部およ
び下端部に、内部に水平方向のピンを有するPCファス
ナーを埋設し、躯体側から突出して前記ピンに係止する
上端が開口した凹部を有する固定金具を躯体コンクリー
トに埋設し、前記固定金具は、PC板の上端部および下
端部のうち一方のPCファスナーのピンに対し、この固
定金具の前記凹部の底部が密着してこのPC板の自重を
支持し、他方のPCファスナーのピンに対しては前記凹
部の底部から浮かせた状態で係止し、前記固定金具はこ
れに係止するPCファスナーおよび塞ぎ材に対し位置決
めされた状態でコンクリートに埋設されたものであるこ
とを特徴とするPC板取付け構造を提供する。
【0041】この構成によれば、固定金具が躯体コンク
リートから外側に突出して埋設され、この突出部に設け
た凹部がPCファスナーのピンに係合してPC板を保持
する。この場合、PCファスナーはPC板の上端部およ
び下端部に埋設され、固定金具は、上端部または下端部
の一方のPCファスナーのピンを介してPC板の重量を
支持し、他方のPCファスナーのピンを係止してPC板
を保持する。
【0042】PC板取付け時には、固定金具をPCファ
スナーに仮固定し、PC板を躯体側に仮支持し、塞ぎ材
を装着した状態で、コンクリート打ちを行って固定金具
をコンクリートに埋設する。この構造は、特に柱等の上
下に連続した躯体コンクリートにPC板を支持する場合
に適している。この場合、固定金具は、柱等の上下に連
続した躯体コンクリート内に埋設する構造に限らず、梁
や床スラブの高さ方向の中間部に埋設する構造として用
いてもよい。
【0043】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図1から図4に本発明の第1
の実施の形態を示す。図1は本発明の実施の形態に係る
PC板取付け構造の要部縦断面図、図2はそのA−A方
向から見た平面図、図3はB−B方向から見た立面図、
図4は図3のC−C方向から見た立面図である。
【0044】建物の梁またはスラブを構成するRC構造
の躯体コンクリート(鉄筋は図示省略)21の外壁側に
下階側のPC板20aおよび上階側のPC板20bが取
付けられる。各PC板の上端部(下階側のPC板20a
の上端部のみ図示)にはPCファスナー98が埋設され
る。躯体コンクリート21には、このPCファスナー9
8を受けてPC板を躯体側に取付け固定するための固定
金具99が埋設される。PC板側のPCファスナー98
は、後述の取付け板28、アンカープレート29、アン
カー筋30およびPC板保持片34等を溶接等により一
体に結合して構成される。躯体側の固定金具99は、後
述の躯体付け支持金物22、プレート23、補助筋2
4、台プレート25およびボルト26等を溶接等により
一体に結合して構成される。
【0045】躯体21には、上記固定金具99を構成す
るアングル鋼材からなる躯体付け支持金物22が埋設さ
れる。この躯体付け支持金物22は、これに溶接された
プレート23および補助筋24を介して躯体コンクリー
ト21の縁部を構成するように埋設され躯体と一体化さ
れる。躯体付け支持金物22には台プレート25が溶接
され、この台プレート25上にPC板係止用のボルト2
6が溶接により固着され、躯体付け支持金物22の上面
22aから突出する。この躯体付け支持金物22の上面
側には上面が開口したコンクリート塞ぎ枠27が設けら
れる。躯体21のコンクリート上面21aと躯体付け支
持金物22の上面22aとの間には段差が形成され、躯
体付け支持金物22から突出するボルト26の突出量は
この段差の高さ以内に収まるようにボルト26の長さが
決められる。
【0046】このボルト26のネジ部26aは、後述の
仮設ナットを装着するためにボルト26の先端部にのみ
形成される。ボルト26の先端のネジ部26aより下側
のPCファスナー98のPC板保持片34が挿通して係
合する部分には、地震時等にPCファスナー98と固定
金具99との相互の摺動抵抗を小さくして円滑に摺動さ
せるためにネジは形成されていない。
【0047】上階側のPC板20bと下階側のPC板2
0aとの間は、変成シリコーン等からなるシーリング材
31、発泡クロロプレンゴム等からなるバックアップ材
32および耐火耐水性の弾性材からなるガスケット材3
3により密封される。
【0048】PC板20aの上端部には、前述のPCフ
ァスナー98を構成する取付け板28が固着される。こ
の取付け板28にアンカープレート29が溶接され、こ
のアンカープレート29にアンカー筋30が溶接され
る。これらのアンカープレート29およびアンカー筋3
0がPC板20aのコンクリート内に埋設されることに
より、取付け板28がPC板20aに一体的に固着され
る。取付け板28の下部のPC板20aの内面側には、
アングル鋼材からなるPC板保持片34が溶接される。
このPC板保持片34は、前述の躯体付け支持金物22
から突出するボルト26が嵌合する孔を有し、この孔に
ボルト26を挿通させて躯体付け支持金物22とPC板
20aとを連結する。この場合、ボルト26を挿通させ
るPC板保持片34側の孔はルーズ孔ではなく、ボルト
26が実質上隙間なく嵌合する径の孔である。これは、
本実施形態では、ボルト26をPC板保持片34の孔に
挿通した状態で、かつ塞ぎ材54をPC板20aの内側
に装着した状態でコンクリート打ちを行うため、従来の
ようにコンクリート硬化後にPC板の位置合せを行う必
要がないためである。
【0049】PCファスナー98を構成するPC板保持
片34は、ボルト26に対し上下方向には拘束されずに
係止するため、PC板20aはこのボルト26に沿って
上下に移動可能となりボルト26の突出長さに応じたロ
ッキング動作が可能になる。なお、前述のように、この
PC板保持片34とボルト26とが相互に係合して摺動
する部分には円滑な摺動動作をさせるためにネジは形成
されていない。
【0050】PC板保持片34は、丸鋼材35を介して
躯体付け支持金物22上に支持される。この丸鋼材35
は、躯体付け支持金物22の上面22a上でなるべくP
C板20aに近い位置に設けられる。これにより、PC
板20aの重量を躯体付け支持金物22に支持させた場
合に、PC板保持片34に対する曲げモーメントが小さ
くなる。したがって、PC板の自重や地震、風その他躯
体側からの変位荷重等による応力を受けた場合、PC板
の取付け板やそのアンカー部材および保持片等に作用す
る曲げモーメントの応力を小さくすることができ、構造
上の強度を高めることができる。
【0051】下側のPC板20aの上端部に固着された
PCファスナー98を構成する取付け板28の上部は、
上側のPC板20bの下端部に係合してこれを以下のよ
うにして保持する。すなわち、取付け板28の上部に
は、上端が開口した凹部37(図3)が形成され、この
凹部37に出入り調整用の引きボルト41が装着され
る。この引きボルト41の頭部と取付け板28の間に
は、戻り止め用のスプリングワッシャ38、プレートワ
ッシャ39およびステンレス鋼材等の金属材あるいは樹
脂材からなる滑り材40が装着される。引きボルト41
は、プレート43を介してPC板20bに埋設されたイ
ンサート42に螺合して、PC板20bを躯体側に引い
て位置調整することができる。プレート43は、埋め込
み筋44を介してPC板20bに固着される。
【0052】引きボルト41の下側の取付け板28には
出入り調整用押しボルト45が螺着する。押しボルト4
5は、プレート43の表面に当接してPC板20bを外
側に押して位置調整することができる。
【0053】引きボルト41は凹部37内で上下方向に
移動可能であり、押しボルト45はプレート43表面に
当接した状態で上下方向に移動可能である。したがっ
て、これらの出入り調整用のボルト41,45はPC板
20bの上下方向の位置調整やロッキング動作を妨げな
い。
【0054】施工時には、各PC板の下端部に取付け板
28に隣接して仮設用レベル調整金物46が取付けられ
る。このレベル調整金物46は、仮設金物53と、この
仮設金物53の下端に接合された台座プレート47と、
この台座プレート47を挿通するボルト48と、このボ
ルト48に螺合するナット49と、ボルト48の下端が
当接する基台50とからなる。ナット49は台座プレー
ト47の下面に溶接される。ボルト48をナット49に
対し回転調整することにより、ナット49が台座プレー
ト47に固着されているため、ボルト48が台座プレー
ト47に対し上下動してPC板の上下位置の調整が行わ
れる。このような仮設金物53は、2本のボルト51を
PC板内に埋設されたインサート52に螺着することに
よりPC板に固定される。このレベル調整金物46は、
PC板の取付け後に取り外される。レベル調整金物46
を取り外した後は、PC板の重量は、その上端部に設け
た取付け板28のPC板保持片34等からなるPCファ
スナー98および躯体付け支持金物22等からなる固定
金具99を介して上階側の躯体に支持される。
【0055】図5および図6は、この第1実施形態の施
工方法を説明するための全体の分解斜視図および要部分
解斜視図である。図5に示すように、PC板に固着され
た取付け板28の下部内側に溶接されるPC板保持片
(アングル鋼材)34の孔34aに躯体付け支持金物2
2の上面に突出するボルト26を挿通させる。ボルト2
6の先端部にネジ26aが形成されている。このネジ2
6aに螺合する仮設ナット56を仮設パイプ55を介し
てボルト26に装着して締め付ける。躯体付け支持金物
22の上面には回転防止部材36が突出して設けられて
いる。仮設ナット56の締め付け時に、この回転防止部
材36がPC板保持片34の側面に当接するため、躯体
付け支持金物22等からなる固定金具99の回転が防止
され円滑な装着作業ができる。
【0056】このようにPCファスナー98のPC板保
持片34と固定金具99の躯体付け支持金物22とを相
互に固定した状態で躯体コンクリートの型枠を形成し、
塞ぎ材54をPC板の内面側に装着してこれを型枠の一
部として用いる。この型枠内に躯体付け支持金物22を
配設してコンクリート打ちを行う。PC板の出入り調整
は、図6に示すように、取付け板28の上部に設けた凹
部37を通して引きボルト41を取付け、その下側にね
じ孔57を通して押しボルト45を装着して両ボルト4
1,45の調整により行う。なお、図6ではスプリング
ワッシャ38(図1)は図示省略してある。
【0057】PC板の高さ調整は、前述のように、レベ
ル調整金物46(図3、図4)のボルト48を回して、
台座プレート47に固着されたナット49に対する捩じ
込み位置の調整により行う。
【0058】図7は、出入り調整の別の方法を示す。P
C板20aの下端部に仮設用のアングル鋼材からなる出
入り調整金物62を固定する。この出入り調整金物62
は、ボルト63をPC板20aのインサート66に螺着
させることによりPC板20aに固定される。この出入
り調整金物62の水平部側の端部には長孔64が形成さ
れ、この長孔64を挿通して躯体コンクリート21に埋
設したインサート66にボルト65を螺着する。これに
より、長孔64の範囲内でPC板20aの出入り調整が
できる。
【0059】図8は、施工時のPC板の支持状態を示
す。床スラブ60および梁59からなる躯体21Aの外
壁を構成するPC板20bは、振れ止めサポート58に
より施工中躯体21Aに保持される。図中、61は梁5
9の鉄筋を示す。
【0060】施工手順は、まず躯体21Aのコンクリー
トを打設する。このとき、前述の図1〜図7で説明した
ように、下階側のPC板20aの上端部に設けたPCフ
ァスナー(図8では図示省略)が、躯体21Aのコンク
リート内に埋設される固定金具(図8では図示省略)に
結合され、かつこの階の躯体21Aに対する塞ぎ材54
Aが装着された状態でコンクリート打ちが行われる。
【0061】次に、コンクリートが硬化した後、この躯
体21Aの階の外壁を構成するPC板20bを取付け
る。このとき、前述の図1〜図7で説明したように、P
C板20bの下端部に係合する下階側のPC板20aの
PCファスナーの取付け板を介して出入り調整が行わ
れ、レベル調整金物46により高さ調整が行われるとと
もに重量が支持される。さらにこのとき、PC板20b
の上端部に塞ぎ材54Bが装着される。また、このとき
振れ止めサポート58が取付けられ、PC板20bを保
持する。続いて、この状態から、前述の躯体21Aのコ
ンクリート打ちと同様に、上階の躯体21Bのコンクリ
ート打ちが行われる。躯体21Bのコンクリートが硬化
したら振れ止めサポート58を外すとともにレベル調整
金物46を外してPC板20bの自重をその上端部のP
Cファスナーを介して上階側の躯体21Bに支持する。
このようにして順次下階側から、躯体のコンクリート打
ちとPC板の取付けを同時に進行しながら建物を構築す
る。
【0062】図9は、本発明の第2の実施の形態の要部
縦断面図、図10(A)(B)(C)はそれぞれ図9の
A−A部、B−B部およびC−C部の要部構成説明図で
あり、図11(A)は図9のD−D部の平面図であり、
同図(B)はその変形例である。また、図12はこの実
施形態の要部構成部材の分解斜視図である。
【0063】この実施形態は、特に柱にPC板を取付け
る場合に適した構造である。柱を構成する躯体70の外
面にPC板72が取付けられる。各PC板72と躯体7
0との間には前述の実施形態と同様に塞ぎ材88が装着
される。各PC板72の上端部および下端部にはそれぞ
れ箱状の取付け枠73が、これに溶接された異形鋼棒等
からなるアンカー74を介して埋設される(図ではPC
板の上端部側が下に示され、下端部側が上に示されてい
る)。取付け枠73の内部には水平方向のピン75が設
けられる。このような取付け枠73、アンカー74およ
びピン75等によりPCファスナー100を構成する。
【0064】ピン75には、躯体付け金物71に形成し
た上端が開口した上下方向に長い凹部83が係合する。
躯体付け金物71は、凹部83を柱の外側に突出させた
状態で、異形鋼棒等からなるアンカー84を介して柱の
躯体70内に埋設される。このような躯体付け金物71
およびアンカー84により、PCファスナー100を受
けて固定保持する固定金具101を構成する。
【0065】取付け枠73の内側(柱側)には入口プレ
ート76が設けられる。入口プレート76には、躯体付
け金物71を挿通させてセットするための開口86が形
成される。躯体付け金物71は、躯体コンクリート打設
前にこの入口プレート76の開口86を通してピン75
に係合してセットされる。この場合、躯体付け金物71
を開口86の下部から挿入し、凹部83がピン75の下
側にきたら上に持上げて凹部83をピン75に嵌め合わ
せる。このとき、躯体付け金物71の挿入操作を容易に
し且つピンに係合したときの位置ずれを抑えるために、
入口プレート76の開口86は、下側の幅が広くピンと
の係合位置では幅が狭くなるように形成することが望ま
しい。
【0066】躯体付け金物71は、ピン75に係合させ
た後、仮設アングル80上に台座85を介してボルト8
1およびナット82により支持される。仮設アングル8
0は、滑り材77を介して入口プレート76の内側(躯
体側)に、ボルト79を入口プレート76に設けた孔8
7(図10(B)、図12)を通してインサート78に
螺着させることにより固定される。
【0067】躯体付け金物71の凹部83は、PC板7
2の上端部側のピン75に対してはその底部にピン75
が当接するようにセットされ、下端部側のピン75に対
しては底部から浮いて凹部の中間位置に配置されるよう
にセットされる。したがって、PC板72の重量はその
上端部のピン75を介して躯体付け金物71に支持され
る。下端部側のピン75に係合する躯体付け金物71に
は垂直方向の荷重は作用せず、PC板72を出入り方向
の位置を固定して保持するとともに、凹部83の長さに
応じた量の上下方向のロッキング動作を可能とする。
【0068】このようにPC板72に躯体付け金物71
をセットした状態で且つ前述の第1の実施形態と同様に
塞ぎ材88を装着した状態で、躯体側の型枠を形成して
コンクリートを打ち込む。このとき、PC板の自重は、
その下端部で例えば柱の両側のスラブ(図示しない)上
に前述の仮設用のレベル調整金物46(図3、図4、図
8参照)を用いて支持する。柱のコンクリート硬化後
は、このレベル調整金物を外して、PC板の自重をその
上端部側のPCファスナー100および固定金物101
を介して躯体70で支持する。
【0069】この実施形態の固定金具101を構成する
躯体付け金物71の別の例を図11(B)および(C)
に示す。(B)の例は、躯体付け金物71の躯体側の端
部71aを1ヵ所または2ヵ所で一方向または両方向に
曲げてアンカー機能を持たせたものである(図は両方向
に折曲げた形状を示す)。(C)は躯体付け金物71の
躯体側の端部71aの幅を上下方向に広げてアンカー機
能を持たせたものである。これらの例において、鉄筋か
らなるアンカー84は省略してもよいし、補助的に付加
してアンカー機能をさらに高めてもよい。また(B)お
よび(C)の形状を組合せてもよい。さらに、このよう
に端部を折曲げた形状や幅を広げた形状に代えて、また
はこれらとともに、端部の厚さを増すことによりアンカ
ー機能を高めてもよい。
【0070】図13は、本発明の第3の実施の形態に係
るPC板取付け構造の要部縦断面図、図14は、そのA
−A方向から見た平面図、図15は、B−B方向から見
た立面図、図16は、この第3実施形態の要部分解斜視
図である。
【0071】この実施形態は、前記第1実施形態と同様
に躯体付け支持金物22の上面が躯体側コンクリートの
上面より低くなるように段差が形成された埋設部構造に
おいて、この躯体付け支持金物22の上面に該段差に対
応した高さの箱枠89を設けたものである。箱枠89の
上面は塞がり、施工時にこの箱枠89上に仮設アングル
90が取付けられる。仮設アングル90は、ボルト91
によりPC板保持片34を介して取付け板28に固定さ
れる。ボルト91は、プレート95を介して仮設アング
ル90の長孔96(図16)および取付け板28の孔9
7(図16)を通してインサート92(図13)に螺着
される。この場合、仮設アングル90は長孔96の範囲
内で上下方向の取付け位置が調整される。この仮設アン
グル90の上面にボルト26が突出し、このボルト26
にワッシャ94を介して仮設ナット93を螺着して締め
付けることにより、仮設時に箱枠89とともに躯体付け
金物22等からなる固定金具99が取付け板28等から
なるPCファスナー98側に固定される。
【0072】このように箱枠89および躯体付け支持金
物22を装着した状態で、前述の第1実施形態と同様に
塞ぎ材54を装着してコンクリートの打設とPC板の取
付けを同時に進行させる。コンクリート硬化後に仮設ア
ングル90は取り外される。このような箱枠89を設け
ることにより、躯体付け支持金物22の埋設部分の段差
部上面の強度が高まり使用性が高められる。このような
箱枠89以外の構成、すなわち施工時に用いる仮設用レ
ベル調整金物46等その他の構成や施工方法およびその
効果は前記第1実施形態と同様である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、PC
板側に固定したPCファスナーに躯体付け用の固定金具
を仮止めした状態でコンクリート打設とPC板取付けを
同時に行うため、コンクリート打設用の足場を利用して
PC板取付け作業を下階側から同時に進行させることが
でき、PC板の取付け作業が効率よく行われ現場での作
業性が向上する。また、固定金具をコンクリートに埋設
する前にPCファスナーに取付けるため、従来のように
コンクリートに固定された固定金具に対するPCファス
ナーの位置合せが不要になり、PC板の位置調整作業が
簡素化する。
【0074】また、塞ぎ材をPC板と躯体の間に装着し
た状態でコンクリートを流し込むため、硬化後の躯体コ
ンクリートとPC板間は塞ぎ材により完全に密封され
る。したがって、従来の場合のようにコンクリート硬化
後にPC板を取付け、このPC板との間の隙間に塞ぎ材
を詰込む方法と異なり、塞ぎ不良による音漏れや漏水等
の問題を生じることがなくなる。
【0075】また、従来のように上階のコンクリートの
硬化を待つことなく各階ごとにPC板の取付け作業とコ
ンクリート打ちとを同時に進行させることができるた
め、工期の短縮が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の要部縦断面図。
【図2】 図1のA−A方向から見た平面図。
【図3】 図1のB−B方向から見た立面図。
【図4】 図3のC−C方向から見た立面図。
【図5】 第1実施形態の要部構成部材の分解斜視図。
【図6】 第1実施形態の一部構成部材の分解斜視図。
【図7】 出入り調整手段の別の例の構成説明図。
【図8】 本発明の施工手順を説明するための建物の要
部縦断面図。
【図9】 本発明の第2実施形態の要部縦断面図。
【図10】 (A)(B)(C)はそれぞれ図9のA−
A方向、B−B方向およびC−C方向からみた要部構成
説明図。
【図11】 (A)は図9のD−D方向から見た平面
図、(B)(C)は躯体付け金物の別の例の形状を示す
図。
【図12】 第2実施形態の要部分解斜視図。
【図13】 本発明の第3実施形態の要部縦断面図。
【図14】 図13のA−A方向から見た平面図。
【図15】 図13のB−B方向から見た立面図。
【図16】 第3実施形態の要部分解斜視図。
【図17】 従来のPC板取付け構造の要部縦断面図。
【図18】 図17のA−A方向から見た立面図。
【符号の説明】
1a,1b:躯体、2:第1の躯体付け支持金物、3:
埋め込み筋、4:ボルト、5a,5b:PC板、6:ア
ンカーボルト、7:取付け片、7a:長孔、7b:ルー
ズ孔、8,9:ナット、10:第2の躯体付け支持金
物、11:突棒、12:台座金物、13:積層板、1
4:埋め込み材、15:支持アングル、16:塞ぎ材、
20a,20b:PC板、21:躯体コンクリート、2
1a:躯体コンクリートの上面、22:躯体付け支持金
物、23:プレート、24:補助筋、25:台プレー
ト、26:PC板係止用のボルト、27:コンクリート
塞ぎ枠、28:取付け板、29:アンカープレート、3
0:アンカー筋、31:シーリング材、32:バックア
ップ材、33:ガスケット材、34:PC板保持片、3
4a:孔、35:丸鋼材、36:回転防止部材、37:
凹部、38:スプリングワッシャ、39:プレートワッ
シャ、40:滑り材、41:引きボルト、42:インサ
ート、43:プレート、44:埋め込み筋、45:押し
ボルト、46:仮設用レベル調整金物、47:台座プレ
ート、48:ボルト、49:ナット、50:基台、5
1:ボルト、52:インサート、53:仮設金物、5
4:塞ぎ材、55:仮設パイプ、56:ナット、57:
ねじ孔、58:振れ止めサポート、59:梁、60:床
スラブ、61:鉄筋、62:出入り調整金物、63,6
5:ボルト、64:長孔、66:インサート、70:躯
体、71:躯体付け金物、72:PC板、73:取付け
枠、74:アンカー、75:ピン、76:入口プレー
ト、77:滑り材、78:インサート、79:ボルト、
80:仮設アングル、81:ボルト、82:ナット、8
3:凹部、84:アンカー、85:台座、86:開口、
87:孔、88:塞ぎ材、89:箱枠、90:仮設アン
グル、91:ボルト、92:インサート、93:ナッ
ト、94:ワッシャ、95:プレート、96:長孔、9
7:孔、98,100:PCファスナー、99,10
1:固定金具、102:支持金物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増川 博 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 小林 美亀雄 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 相場 新之輔 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 池田 秀機 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社東京支店内 (72)発明者 鈴木 博行 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社東京支店内 (72)発明者 矢口 卓郎 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 河野 賢一 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 鹿児島 計一 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社東京支店内 (72)発明者 井田 敏男 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社東京支店内 (72)発明者 武村 保 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社東京支店内 (72)発明者 岡本 晴義 東京都葛飾区立石6−13−2 共栄技建 株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−101296(JP,A) 特開2000−273994(JP,A) 実開 平5−92306(JP,U) 実開 平6−67628(JP,U) 実公 昭54−5533(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/88 - 2/96

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PC板に予めPCファスナーを埋設し、 このPCファスナーを受けてPC板を躯体側に固定する
    固定金具を躯体コンクリートに埋設し、 PC板と躯体との間に塞ぎ材を装着した鉄筋コンクリー
    ト構造物へのPC板取付け方法において、 前記固定金具を躯体側に埋設する前にこの固定金具を前
    記PCファスナーに対し位置決めされた状態で仮固定
    し、 このPC板を前記塞ぎ材とともに躯体側に仮保持し、 この仮保持状態でコンクリートを打設して前記固定金具
    をコンクリートに埋設することを特徴とするPC板取付
    け方法。
  2. 【請求項2】前記PCファスナーはPC板の上端部に埋
    設され、 PC板の下端部に仮設支持部材を設け、この仮設支持部
    材を介してこのPC板の自重を床側の躯体コンクリート
    に支持し、 この状態で天井側の躯体にコンクリートを打設してPC
    板上端部を躯体側に固定し、 その後、前記仮設支持部材を取外してPC板の自重をそ
    の上端部のPCファスナーを介して躯体側に支持させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のPC板取付け方法。
  3. 【請求項3】前記仮設支持部材は、レベル調整ボルトを
    有し、このレベル調整ボルトによりPC板の高さ調整を
    行うことを特徴とする請求項1または2に記載のPC板
    取付け方法。
  4. 【請求項4】PC板の前記仮保持状態において、前記塞
    ぎ材によりコンクリートの型枠の一部を構成することを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のPC板取
    付け方法。
  5. 【請求項5】前記PCファスナーの上部に、上階側のP
    C板の下端部に係合して上階側のPC板の出入り方向の
    位置決めを行うための出入り調整手段を設けたことを特
    徴とする請求項1から4のいずれかに記載のPC板取付
    け方法。
  6. 【請求項6】前記出入り調整手段として、 前記PCファスナーに上端が開口した凹部を形成し、 この凹部に、上階側のPC板下端部に埋設したアンカー
    に螺合する引きボルトを挿入し、 前記PCファスナーに、上階側のPC板下端部表面に当
    接する押しボルトを装着したことを特徴とする請求項5
    に記載のPC板取付け方法。
  7. 【請求項7】前記固定金具は、その上面にPCファスナ
    ーを係止するための係止突起を有し、 前記PCファスナーは、前記係止突起に嵌合する孔を有
    し、 前記係止突起はその上端部にネジ部を有し、 この係止突起にPCファスナーの孔を嵌合させて前記係
    止突起上端部のネジ部に仮設ナットを螺合させることに
    より前記固定金具を前記PCファスナーに仮固定するこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のPC
    板取付け方法。
  8. 【請求項8】PC板にPCファスナーが埋設され、 このPCファスナーを受けてこのPC板を躯体側に固定
    する固定金具が躯体コンクリートに埋設され、 前記PC板と躯体コンクリートの間に塞ぎ材が装着され
    た鉄筋コンクリート構造物へのPC板取付け構造におい
    て、 前記PCファスナーをPC板の上端部に設け、 前記固定金具の上面にPCファスナーを係止するための
    係止突起を設け、 前記PCファスナーは、前記係止突起に嵌合する孔を有
    し、 このPC板の自重をその上端部のPCファスナーおよび
    固定金具を介して躯体コンクリート側に支持し、 PC板の下端部は、下階側のPC板のPCファスナーに
    対し出入り方向に位置決めされるとともに上下方向に移
    動可能に保持され、 前記固定金具はこれに結合されるPCファスナーおよび
    塞ぎ材に対し位置決めされた状態でコンクリートに埋設
    されたものであることを特徴とするPC板取付け構造。
  9. 【請求項9】前記固定金具の上面に、PC板に近接させ
    て棒材を配設し、この棒材を介して前記PCファスナー
    を前記固定金具上に支持したことを特徴とする請求項8
    に記載のPC板取付け構造。
  10. 【請求項10】前記固定金具上面の係止突起は、その上
    端部に仮設ナット装着用のネジが形成され、この仮設ナ
    ット締め付け時にこの固定金具がPCファスナーに対し
    回転することを防止するための回転防止部材をこの固定
    金具上面に設けたことを特徴とする請求項8または9に
    記載のPC板取付け構造。
  11. 【請求項11】前記固定金具の上面は躯体側コンクリー
    トの上面より低くなるように段差が形成され、前記係止
    突起の高さはこの段差の高さ以下であることを特徴とす
    る請求項8から10のいずれかに記載のPC板取付け構
    造。
  12. 【請求項12】前記固定金具の上面は躯体側コンクリー
    トの上面より低くなるように段差が形成され、この固定
    金具の上面に該段差に対応した高さの箱枠を設けたこと
    を特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のPC
    板取付け構造。
  13. 【請求項13】鉄筋コンクリート構造物へのPC板取付
    け構造において、 PC板の上端部および下端部に、内部に水平方向のピン
    を有するPCファスナーを埋設し、 躯体側から突出して前記ピンに係止する上端が開口した
    凹部を有する固定金具を躯体コンクリートに埋設し、 前記固定金具は、PC板の上端部および下端部のうち一
    方のPCファスナーのピンに対し、この固定金具の前記
    凹部の底部が密着してこのPC板の自重を支持し、 他方のPCファスナーのピンに対しては前記凹部の底部
    から浮かせた状態で係止し、 前記固定金具はこれに係止するPCファスナーおよび塞
    ぎ材に対し位置決めされた状態でコンクリートに埋設さ
    れたものであることを特徴とするPC板取付け構造。
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