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JP3249954B2 - 蛍光免疫分析方法及び装置 - Google Patents

蛍光免疫分析方法及び装置

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JP3249954B2
JP3249954B2 JP19353699A JP19353699A JP3249954B2 JP 3249954 B2 JP3249954 B2 JP 3249954B2 JP 19353699 A JP19353699 A JP 19353699A JP 19353699 A JP19353699 A JP 19353699A JP 3249954 B2 JP3249954 B2 JP 3249954B2
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    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
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    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N21/648Specially adapted constructive features of fluorimeters using evanescent coupling or surface plasmon coupling for the excitation of fluorescence
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    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
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    • G01N33/54373Apparatus specially adapted for solid-phase testing involving physiochemical end-point determination, e.g. wave-guides, FETS, gratings
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズモン共鳴による
二光子又はそれ以上の多光子励起を利用して抗原濃度を
定量する蛍光免疫分析方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫分析では、ある抗原に対して特異的
に結合する抗体を用い、試料内に存在しているごく微量
の抗原を高感度で分析している。従来から種々の免疫分
析法が知られているが、なかでも分析時間が短く高感度
で且つ廃液処理の困難な放射性物質を使用しない蛍光免
疫分析法が注目されている。蛍光免疫分析法では、蛍光
試薬を標識した抗体を用い、通常の光照射で溶液試料中
の抗原と結合した抗体が発する蛍光強度を測定し、測定
値から抗原濃度を定量している。
【0003】また、簡便性や安定性に有利な表面プラズ
モン共鳴を利用する免疫分析法も採用されている。表面
プラズモン共鳴は、金属薄膜を蒸着した三角形ガラスプ
リズムに光を入射させると、共鳴角θR で反射光強度が
著しく低下する現象である。共鳴角θR は、金属薄膜の
表面に予め結合・固定化した抗体が溶液試料中の抗原に
結合することにより変化する。そこで、反射光強度が極
小になったときの共鳴角θR を測定することにより、抗
体と抗原との結合割合、ひいては抗原を分析する。蛍光
免疫分析法及び表面プラズモン共鳴を利用した免疫分析
法は、このような長所を活用して生化学分析,臨床分析
等の分野に応用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の蛍光免疫分析で
は、抗原と結合した蛍光標識抗体を励起する励起光によ
り、系内に存在する血清蛋白,酵素等の妨害物質が同時
に励起される。励起された妨害物質は、強い背景光を発
する蛍光発生源となり、測定感度を低下させる。妨害物
質の励起に起因する誤差要因は、蛍光標識試薬と妨害物
質の偏光特性の差を利用する方法,妨害物質に比較して
蛍光寿命が長い希土類系標識系抗体を用いる時間分解蛍
光分析法である程度解消される。しかし、感度の向上は
すでに限界に達しており、新規な蛍光標識試薬の開発に
よる感度の向上が困難な現状である。
【0005】そこで、既存の蛍光標識試薬を用いながら
更なる高感度分析を可能にする分光技術として、二光子
励起が考えられている("p-Bis(o-methylstyryl)benzen
e asa Power-Squared Sensor for Two-Photon Absorpti
on Measurements between 537 and 694nm", S.M.Kenned
y and F.E. Lytle Anal. Chem., 1986, 58 2643-2647
,"Two-Photon induced fluorescence of biological
markers based on optic al fibers" A.Lago, A.T.Obei
dat, A.E.Kaplan, J.B.Khurgin, and P.L.Shkolnikov,
Opt.Lett.,1995, 20, 2054-2056等参照)。通常の一光
子励起では、蛍光標識試薬の電子の遷移エネルギに対応
する波長の光子を蛍光標識試薬が吸収することにより励
起状態を生起させる。他方、二光子励起では、蛍光標識
試薬が通常吸収する光の倍の波長をもつ二つの低エネル
ギ光子を同時に吸収させることにより一光子励起と同じ
励起状態が生成する。したがって、励起光の電場が強
く、局在化している個所が選択的に励起されるため、妨
害物質に起因する背景光の影響を大幅に低下させること
が可能になる。しかし、二光子励起の吸収断面積は、一
光子励起に比較して数十桁も小さい。その結果、蛍光標
識試薬を直接光照射して励起させる上では、極めて高価
な超短パルス光源の使用を余儀なくされる。そこで、二
光子励起の効率を格段に向上させ、蛍光免疫分析への応
用を可能にする手法が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような要
求に応えるべく開発されたものであり、表面プラズモン
共鳴の電場増強効果及び電場局在化効果を利用して二光
子励起の確立を高くすることにより、励起効率を飛躍的
に向上させ、妨害物質に起因する背景光の影響を抑制
し、抗原濃度を高感度で定量することを目的とする。
【0007】本発明の蛍光免疫分析方法は、その目的を
達成するため、抗体が固定された金属薄膜をもつ三角形
ガラスプリズムを回転テーブルに載置し、抗原を含む試
料溶液を三角形ガラスプリズムの金属薄膜側に供給して
抗原を抗体に結合させ、更に蛍光標識抗体を含む蛍光標
識試薬を供給して抗原に結合している抗体に蛍光標識抗
体を結合させた後、蛍光標識抗体が通常吸収する光の整
数倍の波長をもつ光を三角形ガラスプリズムのプリズム
側から同時入射させて蛍光標識抗体を二光子励起又は多
光子励起させ、反射率が最も小さくなる入射角で三角形
ガラスプリズムのプリズム側に入射したときに発生する
蛍光をスペクトル分析することを特徴とする。
【0008】この方法で使用する装置は、抗体が固定さ
れた金属薄膜を一面にもつ三角形ガラスプリズムと、該
三角形ガラスプリズムが載置される回転テーブルと、抗
原を含む試料溶液及び該抗原に対する蛍光標識抗体を含
む蛍光標識試薬を前記金属薄膜側に供給するフローセル
と、蛍光標識抗体が通常吸収する光の整数倍の波長をも
つ光を三角形ガラスプリズムのプリズム側から同時入射
させる励起光源と、前記抗体に結合した抗原に更に結合
した蛍光標識抗体が二光子励起又は多光子励起されたと
きに発する蛍光を分光分析する光検出器とを備えてい
る。
【0009】
【作用】表面プラズモンは、Au,Ag,Cu,Pt,
Ni,Al等の金属薄膜を蒸着した三角形ガラスプリズ
ムに、プリズム側から所定の共鳴角θR で光を入射する
とき金属薄膜表面に形成される強い局所電場である。共
鳴角θR 付近では、入射光のほとんどが表面プラズモン
に変換される。表面プラズモンの電場が入射光とほぼ同
様な性質をもつため、電場中に置かれた蛍光標識試薬
は、直接光の吸収で励起する従来法と同様に励起され、
蛍光を発する。表面プラズモンによる励起は、電場増強
効果を呈することが最大の特徴である。すなわち、表面
プラズモンの電場強度が入射光の電場強度よりも増強さ
れ、特に近赤外領域では数百倍に達する。この電場増強
効果により、光を表面プラズモンに一旦変換すると、同
じ光源を用いた直接光励起に比較して極めて高い電場強
度が得られ、従来の直接光励起では困難であった二光子
励起が可能になる。
【0010】しかも、表面プラズモンの電場は、金属表
面に強く局在しており、金属表面からの距離に応じて指
数関数的に減衰する。この強度分布のため、金属表面以
外に存在する妨害物質が励起されず、誤差要因となる背
景光が排除される。したがって、表面プラズモン共鳴を
蛍光免疫分析に応用すると、金属表面に吸着固定されて
いる蛍光標識抗体のみが選択的に且つ高効率で励起さ
れ、妨害物質の影響が最少限に抑制される。更に、表面
プラズモンの電場がp−偏光としての特性をもつことか
ら、蛍光の偏光特性の差を利用して背景光を低減するこ
とも可能である。このように、表面プラズモンは、蛍光
免疫分析用の励起源として理想的な長所をもつ。しか
も、電場増強効果及び電場局在化効果を呈する表面プラ
ズモン共鳴と二光子励起又は多光子励起を組み合わせる
とき、一層大きな効果が得られる。すなわち、二光子励
起の吸収断面積は10-48 〜10-50 と極端に小さいた
め、超短パルスレーザ等による極めて高強度の励起光を
照射しなければ通常励起できない。他方、たとえば近赤
外光領域における表面プラズモン共鳴により誘導される
電場の強度は入射光の数百倍に達する。このような電場
強度が吸収断面積に重畳されると二桁以上も大きな遷移
確率での励起が可能になり、妨害物質に起因する背景光
の影響が排除される二光子又は多光子励起の長所が発揮
される。抗体の励起には二光子励起が最も好ましいが、
三光子励起以上の多光子励起によっても同様に背景光を
低減し高感度で蛍光を検出することが可能である。三光
子以上の励起においては、二光子励起よりも更に長波長
の光を用いて励起する。通常の直接光照射では、二光子
励起に比較して吸収断面積が更に小さくなるため励起が
極めて困難である。ここに、光源の波長が長波長化する
ほど電場強度が大きくなる表面プラズモン共鳴を加える
と、二光子励起よりも更に大きな遷移確率の増大効果が
得られる。
【0011】
【実施の形態】本発明に従った蛍光免疫分析装置は、た
とえば図1に示すように三角形ガラスプリズム10を回
転テーブル1に載置している。三角形ガラスプリズム1
0の一面には抗体を固定化した金属薄膜11が設けられ
ており、試料溶液が金属薄膜11に接触しながら流れる
ようにフローパイプ12及びフローセル13で流路を構
成する。フローパイプ12に替えて固定セルを使用する
ことも勿論可能である。金属薄膜11は、三角形ガラス
プリズム10の一面に直接形成し、或いは金属薄膜11
を形成したガラス基板17(図3)を三角形ガラスプリ
ズム10に貼り合せることにより設けられる。金属薄膜
11が設けられる三角形ガラスプリズム10又はガラス
基板17としては、近紫外線又は近赤外線の透過率が高
い高屈折率である限り材質に制約を受けるものではな
く、光学用ガラスBK−7,LaSF−N30,SF−
10(ドイツSchott社製)等が使用される。金属
薄膜11としては、Au,Ag,Cu,Pt,Ni,A
l等が使用可能である。
【0012】フローパイプ12及びフローセル13に
は、試料溶液と反応せず透明度の高いアクリル樹脂が好
適に使用される。フローパイプ12は、図2に示すよう
にフローセル13に挿し込まれ、同質の三角形ガラスプ
リズム10とガラス板14との間に挟持され、樹脂接着
剤を用いて全体が圧着Pされる。フローパイプ12は一
部が開放されており、試料溶液が金属薄膜11に接する
接液部15となる。励起光源2としては、図1では二光
子発生源として半導体レーザ誘起ピコ秒Nd−YAGレ
ーザ(波長532nm,パルス幅800ピコ秒,エネル
ギ1μJ)を図示しているが、これに拘束されることな
く、対象となる蛍光標識試薬に応じた波長をもつレーザ
が適宜選択される。
【0013】励起光源2から出射されたレーザ光は、ビ
ームスプリッタ3aで透過光及び反射光に分割される。
透過光は、更にビームスプリッタ3bで透過光及び反射
光に分割され、透過光が三角形ガラスプリズム10のプ
リズム面に導かれる。プリズム側から三角形ガラスプリ
ズム10に入射した透過光は、屈折して金属薄膜11に
投影され、金属薄膜11で反射した後、三角形ガラスプ
リズム10の他のプリズム面から出射される。三角形ガ
ラスプリズム10に対する入射角は、回転テーブル1 の
回転角度を調整することにより設定・変更される。
【0014】三角形ガラスプリズム10から出射された
光を光検出器4aで検出し、反射光強度Iを測定する。
また、ビームスプリッタ3bで分割された反射光を光検
出器4bで検出し、入射光強度I0 を測定する。反射光
強度I及び入射光強度I0 は、それぞれ光検出器4a及
び光検出器4bからI/I0 回路5に出力される。I/
0 回路5で反射率I/I0 が求められ、コンピュータ
6に出力され記録される。三角形ガラスプリズム10を
載せた回転テーブル1を回転させながら反射率I/I0
の測定するとき、反射率I/I0 が最小になる入射角、
すなわち共鳴角θR が求められる。
【0015】ビームスプリッタ3aからの反射光は、光
検出器4cに入力され、光検出器4dのゲート開閉に利
用される。光検出器4a〜4cには、たとえばPINフ
ォトダイオードが使用される。光検出器4dには、たと
えばイメージを増強する機能をもつゲート付きCCD分
光検出器が使用される。金属薄膜11に固定されている
抗体は、フローパイプ12から注入された試料溶液中の
抗原と結合する。抗体に結合した抗原に更に蛍光標識抗
体を結合させる。蛍光標識抗体は、三角形ガラスプリズ
ム10に入射した光で励起され、蛍光FLを発する。
【0016】蛍光標識抗体を含む試薬としては、近紫外
又は近赤外に吸収をもつ限り多数の有機蛍光標識試薬や
希土類蛍光標識試薬が使用される。希土類蛍光標識試薬
には、Eu,Tb,Yb,Sm,Tm,Nd,Er,H
o,Pr,Gd等の希土類イオンを含む試薬がある。発
光寿命の短い通常の有機系蛍光標識試薬を使用する場
合、レーザ照射直後に光検出器4dのゲートを開けて蛍
光FLを検出するように、光検出器4cからゲートパル
サ7に検知信号を送り、ゲートパルサ7から光検出器4
dにゲート開閉信号を出力する。これにより、金属薄膜
11から発せられた蛍光FLが分光器8を透過して光検
出器4dで検出される。発生した蛍光FLは、抗体の選
択励起によるものであり、二光子励起により背景光が抑
えられている。発光寿命が極めて長い希土類系標識試薬
を使用する場合、数百ナノ秒が経過した後で光検出器4
dのゲートを開き、金属薄膜11からの蛍光FLを検出
する。ゲート開放のタイミングをこのように調整すると
き、妨害物質に起因する背景光が大幅に低下し、蛍光F
Lが一層高感度で測定される。
【0017】
【実施例】抗体が固定された金属薄膜11を次の手順で
ガラス基板17上に設けた。図3に示すように、ガラス
基板17上にAuを蒸着して金属薄膜11を形成した
後、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの2%アセ
トン溶液に浸漬し、メタノール及び蒸留水で洗浄した。
次いで、グルタールアルデヒドの5%水溶液にガラス基
板17を3時間浸漬し、蒸留水で洗浄することにより、
抗体固定用の有機層21を金属薄膜11の上に形成し
た。次いで、血清中の代表的な腫瘍マーカーであるα−
フェトプロテイン(AFP)に対する抗体を含む燐酸緩
衝溶液にガラス基板17を16時間浸漬し、抗AFP抗
体22を有機層21に結合させた。更に、抗AFP抗体
22が関与しない非特異的な吸着を防止するため、有機
層21の活性部位を0.1Mエタノールアミン水溶液及
び血清アルブミン溶液でブロッキングした。
【0018】ブロッキング層23の形成後、ガラス基板
17にアクリル樹脂製のフローセル13を粘着性パッキ
ングで接着し、回転テーブル1上の三角形ガラスプリズ
ム10にガラス基板17のガラス側をマッチングオイル
で接着した。300μg/mlのAFPを含むリン酸緩
衝液をフローセル13に注入し、抗AFP抗体22と接
触する状態で2時間放置した後、リン酸緩衝溶液で洗浄
し、ガラス基板17上の抗AFP抗体22にAFP24
を結合させた。次いで、蛍光標識抗体として代表的な希
土類蛍光標識試薬であるN1-P-isothiosyanatobenzyl)-d
iethylenetriamine-N1, N2, N3, N3-tetraaceteic acid
europi um(DTTA−Eu)を100μg/ml含む
燐酸緩衝溶液をフローセル13に注入し、AFP24と
接触する状態で2時間放置した後、リン酸緩衝溶液で洗
浄した。これにより、ガラス基板17上の抗AFP抗体
22で固定されたAFP24にDTTA−Eu25を結
合させた。
【0019】以上の操作によって、試料溶液に含まれる
AFP24(抗原)の濃度に比例した量のDTTA−E
u25(蛍光標識抗体)がガラス基板17に固定され
た。AFP24(抗原)及びDTTA−Eu25(蛍光
標識抗体)が固定されたガラス基板17を備えた三角形
ガラスプリズム10を回転テーブル1上で回転させなが
ら、半導体レーザ励起Nd−YAGレーザ(励起光源
2)を用いて波長532nmのp−偏光をプリズム側か
ら照射し、各入射角ごとに反射率を測定した。その結
果、入射角がほぼ75度のときに反射率が最少になっ
た。
【0020】反射率が最少になる条件下で発光スペクト
ルを測定したところ、図4に示すように3価ユウロピウ
ムイオンに特徴的な発光スペクトルが観測された。更
に、種々のAFP濃度を有する試料溶液を用いて検量線
を作成し定量したところ、AFP濃度と発光強度との間
に密接な直線関係が成立していることが判った。このこ
とから、本発明によるとき、抗原の濃度を十分に定量で
きることが確認された。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、表面プラズモン共鳴を利用して蛍光標識抗体を二光
子励起又は多光子励起させ、このときに発生する蛍光を
スペクトル分析することにより、金属薄膜に固定した抗
体に結合している抗原を定量している。この方法による
とき、試料溶液に含まれている妨害物質が励起されず、
吸着固定されている蛍光標識抗体のみを選択的に且つ効
率よく励起させることができるため、抗原濃度を高感度
で定量できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面プラズモン共鳴を利用した蛍光免疫分析
装置の概略図
【図2】 抗体を固定した金属薄膜が設けられた三角形
ガラスプリズム及びフローセルを示す図
【図3】 抗体を金属薄膜に固定するプロセス及び抗体
に結合した抗原の濃度を測定するプロセスの説明図
【図4】 実施例で求められた表面プラズモン励起によ
る希土類標識抗体の蛍光スペクトル
【符号の説明】
1:回転テーブル 2:励起光源 3a,3b:ビ
ームスプリッタ 4a〜4d:光検出器 5:I/
0 回路 6:コンピュータ 7:ゲートパルサ
8:分光器 10:三角形ガラスプリズム 11:金属薄膜 1
2:フローパイプ 13:フローセル 14:ガラ
ス板 15:接液部 17:ガラス基板 21:有機層 22:抗AFP抗体 23:ブロッ
キング層 24:AFP(α−フェトプロテイン:抗
原) 25:DTTA−Eu(蛍光標識抗体) I:反射光強度 I0 :入射光強度 FL:蛍光

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体が固定された金属薄膜をもつ三角形
    ガラスプリズムを回転テーブルに載置し、抗原を含む試
    料溶液を三角形ガラスプリズムの金属薄膜側に供給して
    抗原を抗体に結合させ、更に蛍光標識抗体を含む蛍光標
    識試薬を供給して抗原に結合している抗体に蛍光標識抗
    体を結合させた後、蛍光標識抗体が通常吸収する光の整
    数倍の波長をもつ光を三角形ガラスプリズムのプリズム
    側から入射させて蛍光標識抗体を二光子励起又は多光子
    励起させ、反射率が最も小さくなる入射角で三角形ガラ
    スプリズムのプリズム側に入射したときに発生する蛍光
    をスペクトル分析することを特徴とする蛍光免疫分析方
    法。
  2. 【請求項2】 抗体が固定された金属薄膜を一面にもつ
    三角形ガラスプリズムと、該三角形ガラスプリズムが載
    置される回転テーブルと、抗原を含む試料溶液及び該抗
    原に対する蛍光標識抗体を含む蛍光標識試薬を前記金属
    薄膜側に供給するフローセルと、蛍光標識抗体が通常吸
    収する光の整数倍の波長をもつ光を三角形ガラスプリズ
    ムのプリズム側から入射させる励起光源と、前記抗体に
    結合した抗原に更に結合した蛍光標識抗体が二光子励起
    又は多光子励起されたときに発する蛍光を分光分析する
    光検出器とを備え、反射率が最も小さくなる入射角で三
    角形ガラスプリズムのプリズム側に入射したときに発生
    する蛍光をスペクトル分析することを特徴とする蛍光免
    疫分析装置。
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