JP3247691B2 - 眼内レンズ - Google Patents
眼内レンズInfo
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- JP3247691B2 JP3247691B2 JP24850290A JP24850290A JP3247691B2 JP 3247691 B2 JP3247691 B2 JP 3247691B2 JP 24850290 A JP24850290 A JP 24850290A JP 24850290 A JP24850290 A JP 24850290A JP 3247691 B2 JP3247691 B2 JP 3247691B2
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- intraocular lens
- intraocular
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水晶体を摘出した人眼に挿入して視力の矯正
を行う眼内レンズに関するものである。
を行う眼内レンズに関するものである。
[従来の技術] 白内障で濁った水晶体を摘出後に、眼内レンズを移植
する手術が広く行われている。この眼内レンズの形状に
は平凸、メニスカス、両凸のものがある。
する手術が広く行われている。この眼内レンズの形状に
は平凸、メニスカス、両凸のものがある。
これらの眼内レンズの形状はデザイン的に差別化する
目的のこともあるが、主として固定位置や周辺組織への
影響を考慮して決定されていた。
目的のこともあるが、主として固定位置や周辺組織への
影響を考慮して決定されていた。
後房レンズの普及とともに、2次白内障を防ぎ後嚢と
の密着性を良くするために両凸レンズが主として採用さ
れるに至っている。その前後面の曲率比は1:−1や1:−
3のものが知られている。
の密着性を良くするために両凸レンズが主として採用さ
れるに至っている。その前後面の曲率比は1:−1や1:−
3のものが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記いずれの形状を採用するにしても収差を
考慮した光学性能(解像力、偏心による像の劣化)をレ
ンズ形状選択に反映させてその形状を選択するというこ
とはなかった。
考慮した光学性能(解像力、偏心による像の劣化)をレ
ンズ形状選択に反映させてその形状を選択するというこ
とはなかった。
本発明は、上記理由に鑑み案出されたもので、収差を
考慮した光学性能のよい眼内レンズを提供することを技
術課題とする。
考慮した光学性能のよい眼内レンズを提供することを技
術課題とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の眼内レンズは、水晶体を摘出した人眼に挿入
して視力の矯正を行う眼内レンズにおいて、両凸レンズ
であって、レンズの1面の曲率に対して標準的な網膜上
での三次収差による横収差量がほぼ最小な値を有するよ
うな曲率比でレンズの他面を形成したことを特徴として
いる。
して視力の矯正を行う眼内レンズにおいて、両凸レンズ
であって、レンズの1面の曲率に対して標準的な網膜上
での三次収差による横収差量がほぼ最小な値を有するよ
うな曲率比でレンズの他面を形成したことを特徴として
いる。
上記標準的な網膜は、グルストランドの模型眼に基づ
いて決定されていることを特徴としている。
いて決定されていることを特徴としている。
また、水晶体を摘出した人眼に挿入して視力の矯正を
行う眼内レンズにおいて、レンズの1面の曲率に対して
標準的な網膜上での三次収差による横収差量がほぼ最小
な値を有し、光軸からの複数の距離でのレンズシェイプ
ファクタに対する横収差量の最小な値を求め、最小な値
を与える光軸からの距離に対するレンズシェイプファク
タの近似関数を求めることにより決定する曲率比でレン
ズの他面を形成することを特徴としている。
行う眼内レンズにおいて、レンズの1面の曲率に対して
標準的な網膜上での三次収差による横収差量がほぼ最小
な値を有し、光軸からの複数の距離でのレンズシェイプ
ファクタに対する横収差量の最小な値を求め、最小な値
を与える光軸からの距離に対するレンズシェイプファク
タの近似関数を求めることにより決定する曲率比でレン
ズの他面を形成することを特徴としている。
さらに上記光軸からの距離は1.5mm乃至2.5mmの範囲内
であることを特徴としている。
であることを特徴としている。
[実施例] 第1図は本発明にかかる眼内レンズの正面図の一例で
あり、第2図はその側面図である。
あり、第2図はその側面図である。
なお、正面図の形状は本発明の形状を限定する意味は
なく、例えば楕円形状のものでも良い。
なく、例えば楕円形状のものでも良い。
次に本レンズの前面及び後面の形状の選定方法につい
て説明する。
て説明する。
本実施例では以下の条件の下でGullstrandの模型眼の
データに基づいて計算した。
データに基づいて計算した。
眼軸長は24mm、物点は無限遠方にあるものとし、網膜
上で結像するように角膜前面曲率で補正できるものとす
る。眼内レンズ後面から網膜までの距離は19.8mmと設定
する。レンズ屈折力は20ディオプターで直径6mm、レン
ズ端厚みも一定で、0.35mmとする。さらに偏心はなく、
半画角は5度であるものとする。
上で結像するように角膜前面曲率で補正できるものとす
る。眼内レンズ後面から網膜までの距離は19.8mmと設定
する。レンズ屈折力は20ディオプターで直径6mm、レン
ズ端厚みも一定で、0.35mmとする。さらに偏心はなく、
半画角は5度であるものとする。
以上の条件の模型眼は次の表のように表わすことがで
きる。
きる。
Rは曲率半径、dは面間隔、ndはヘリウムの輝線スペ
クトルに対する屈折力を示す。また、r1、r2、d1、d2は
眼内レンズの形状によって定まる値である。
クトルに対する屈折力を示す。また、r1、r2、d1、d2は
眼内レンズの形状によって定まる値である。
角膜前面の中心部の曲率半径をr0とすると、角膜周辺
部での曲率半径は次式で示されることが知られている。
部での曲率半径は次式で示されることが知られている。
ここで、r′は光軸方向の角膜頂点からの距離、hは
光軸に垂直な方向の光軸からの距離である。
光軸に垂直な方向の光軸からの距離である。
眼内レンズの場合収差は三次まで考慮すれば十分であ
るので、横収差量(ΔY)の展開式は、 で表わすことができる。
るので、横収差量(ΔY)の展開式は、 で表わすことができる。
なお、NA=A/f,Y=tan5゜である。
ここで、Iは球面収差、IIはコマ収差、IIIは非点収
差、IVは像面湾曲、Vは歪曲のそれぞれ収差係数であ
り、Aは主平面に投影した入射瞳の半径、fは眼球全体
の焦点距離である。
差、IVは像面湾曲、Vは歪曲のそれぞれ収差係数であ
り、Aは主平面に投影した入射瞳の半径、fは眼球全体
の焦点距離である。
焦点距離が1になるように正規化した3次収差係数の
計算結果は以下のように表わされる。
計算結果は以下のように表わされる。
Xはレンズ形状の特性を表わすレンズシェイプファク
タで、レンズの前面曲率をC1、後面曲率をC2とすると、 で表わされる。参考のためにレンズシェイプファクタの
値の変化によるレンズ形状の概略を第3図に示す)。
タで、レンズの前面曲率をC1、後面曲率をC2とすると、 で表わされる。参考のためにレンズシェイプファクタの
値の変化によるレンズ形状の概略を第3図に示す)。
以上に基づいて直径2mmから5mmの瞳孔径(絞り)につ
いて計算した横収差量を第4図に示す。第4図の各曲線
は最小自乗法により得られたものである。
いて計算した横収差量を第4図に示す。第4図の各曲線
は最小自乗法により得られたものである。
それぞれの曲線を二次回帰分析して最小値となるレン
ズシェイプファクタの値を瞳孔径(絞り)に対してプロ
ットしたものを第5図に示す。
ズシェイプファクタの値を瞳孔径(絞り)に対してプロ
ットしたものを第5図に示す。
第5図において2mm〜5mmの瞳孔径(P)の範囲におけ
るXの値は、最小自乗法により以下の3次式で表わされ
る。
るXの値は、最小自乗法により以下の3次式で表わされ
る。
X=0.00827−0.35208 P+0.17821 P2−0.01776 P3 これに基づいて、各瞳孔径(絞り)の大きさに対する
最適なレンズシェイプファクタの値が得られる。
最適なレンズシェイプファクタの値が得られる。
瞳孔径が3mm付近から5mmの範囲の最適形状はX=0.15
4〜0.429である。これはレンズの1面の曲率に対するレ
ンズの他面の曲率比(Q)が−1.4〜−2.3に相当する。
4〜0.429である。これはレンズの1面の曲率に対するレ
ンズの他面の曲率比(Q)が−1.4〜−2.3に相当する。
なお、曲率比QとレンズシェイプファクタXとは、 の関係にある。
以上の結果は偏心がない場合であるが、レンズシェイ
プファクタは小さいほど偏心に対しては許容度が大きく
なるので、実際の眼内レンズの製造においては3mm前後
の瞳孔径の最適なレンズシェイプファクタの値またはや
やそれより小さい値を選択することが好ましい。このよ
うな場合3mmの瞳孔径についての収差量を計算すること
により複雑な操作をすることなく直ちに必要な値が得ら
れる。
プファクタは小さいほど偏心に対しては許容度が大きく
なるので、実際の眼内レンズの製造においては3mm前後
の瞳孔径の最適なレンズシェイプファクタの値またはや
やそれより小さい値を選択することが好ましい。このよ
うな場合3mmの瞳孔径についての収差量を計算すること
により複雑な操作をすることなく直ちに必要な値が得ら
れる。
以上の計算はレンズ屈折力が20ディオプターという代
表的な値について行ったが、同様にして任意のレンズ屈
折力について計算することができる。
表的な値について行ったが、同様にして任意のレンズ屈
折力について計算することができる。
以下には眼内レンズに用いられるレンズの屈折力のほ
ぼ上限と下限である10ディオプタと30ディオプタの場合
についての算出結果を示しておく。
ぼ上限と下限である10ディオプタと30ディオプタの場合
についての算出結果を示しておく。
屈折力が10ディオプタの場合、 X=0.00702−0.27766 P+0.17063 P2−0.01682 P3 屈折力が30ディオプタの場合、 X=0.00958−0.47611 P+0.20928 P2−0.02043 P3 なお、収差を計算する基礎となるデータは本実施例のも
のが唯一のものではないことは当業者には明らかであ
り、例えばグルストランドの模型眼の代わりにヘルツホ
ルムの模型眼を使用する等の変容は本発明に含まれるも
のである。
のが唯一のものではないことは当業者には明らかであ
り、例えばグルストランドの模型眼の代わりにヘルツホ
ルムの模型眼を使用する等の変容は本発明に含まれるも
のである。
[効果] 本発明に基づいて設計された眼内レンズによれば、収
差を最小にできるので網膜上に鮮明な物体像が得られる
眼内レンズを提供することができる。
差を最小にできるので網膜上に鮮明な物体像が得られる
眼内レンズを提供することができる。
第1図は実施例の眼内レンズの正面図であり、第2図は
その側面図である。第3図はレンズシェイプファクタ
(X)の値の変化に伴うレンズ形状の変化を表わす説明
図、第4図はレンズシェイプファクタ(X)と横収差量
との関係を示すグラフ、第5図は瞳孔径とレンズシェイ
プファクタ(X)との関係を示すグラフである。
その側面図である。第3図はレンズシェイプファクタ
(X)の値の変化に伴うレンズ形状の変化を表わす説明
図、第4図はレンズシェイプファクタ(X)と横収差量
との関係を示すグラフ、第5図は瞳孔径とレンズシェイ
プファクタ(X)との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】水晶体を摘出した人眼に挿入して視力の矯
正を行う眼内レンズにおいて、両凸レンズであって、レ
ンズの1面の曲率に対して標準的な網膜上での三次収差
による横収差量がほぼ最小な値を有するような曲率比で
レンズの他面を形成したことを特徴とする眼内レンズ。 - 【請求項2】水晶体を摘出した人眼に挿入して視力の矯
正を行う眼内レンズにおいて、レンズの1面の曲率に対
してグルストランドの模型眼に基づいて決定される標準
的な網膜上での三次収差による横収差量がほぼ最小な値
を有するような曲率比でレンズの他面を形成したことを
特徴とする眼内レンズ。 - 【請求項3】水晶体を摘出した人眼に挿入して視力の矯
正を行う眼内レンズにおいて、レンズの1面の曲率に対
して標準的な網膜上での三次収差による横収差量がほぼ
最小な値を有し、光軸からの複数の距離でのレンズシェ
イプファクタに対する横収差量の最小な値を求め、最小
な値を与える光軸からの距離に対するレンズシェイプフ
ァクタの近似関数を求めることにより決定する曲率比で
レンズの他面を形成することを特徴とする眼内レンズ。 - 【請求項4】第3項の光軸からの距離は1.5mm乃至2.5mm
の範囲内であることを特徴とする眼内レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24850290A JP3247691B2 (ja) | 1990-09-17 | 1990-09-17 | 眼内レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24850290A JP3247691B2 (ja) | 1990-09-17 | 1990-09-17 | 眼内レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04126144A JPH04126144A (ja) | 1992-04-27 |
JP3247691B2 true JP3247691B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=17179131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24850290A Expired - Fee Related JP3247691B2 (ja) | 1990-09-17 | 1990-09-17 | 眼内レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3247691B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7381221B2 (en) * | 2002-11-08 | 2008-06-03 | Advanced Medical Optics, Inc. | Multi-zonal monofocal intraocular lens for correcting optical aberrations |
US20060227286A1 (en) * | 2005-04-05 | 2006-10-12 | Xin Hong | Optimal IOL shape factors for human eyes |
US8974526B2 (en) | 2007-08-27 | 2015-03-10 | Amo Groningen B.V. | Multizonal lens with extended depth of focus |
EP3413839A1 (en) | 2016-02-09 | 2018-12-19 | AMO Groningen B.V. | Progressive power intraocular lens, and methods of use and manufacture |
-
1990
- 1990-09-17 JP JP24850290A patent/JP3247691B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04126144A (ja) | 1992-04-27 |
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Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |