JP3241813U - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
本考案は、特に研磨機の定盤の回転数や研磨圧力を増加させた条件で、研磨レートに優れる研磨パッドの提供を目的とする。本考案の研磨パッドは、基材と、この基材の一方の面に積層され、砥粒及びバインダーを含む研磨島とを備え、上記研磨島が、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部を有し、上記研磨部の頂面の面積が10mm2以上27.5mm2以下である。
Description
本考案は、研磨パッドに関する。
例えばスマートフォンはその画面の表面がカバーガラスで覆われている。このようなカバーガラスは、原料であるガラス基板を研磨して、表面を平坦化しつつ所定の厚みとした後、面取り、穴あけ、化学強化、印刷等を経て完成する。このうち研磨には、基材と、この基材の一方の面に積層され、砥粒及びバインダーを含む研磨層(研磨島)とを備える固定砥粒方式の研磨パッドを用いることができる。
ところで、近年のスマートフォンの画面の大型化に伴い、カバーガラスも大型化している。この大型化に伴い広い面積でのカバーガラスの均一性が必要とされ、原料となる板ガラスに対し機械的及び光学的な品質の高さが要求されている。このため、原料となる板ガラスの厚みを大きくとるようになってきている。一方、大型化に伴いカバーガラス自体の厚さが増しているが、その程度は低く、結果として、原料となる板ガラスを研磨すべき量が増加することとなる。
研磨すべき量が増加すれば、そのままでは加工時間が増大し、製品の製造効率が低下してしまう。このため、研磨レートに優れると共に、比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い研磨パッドが提案されている(例えば再表2017/163565号公報参照)。この公報に記載の研磨パッドでは、平均粒子径の異なる複数種の砥粒を用いることで優れた研磨レートと、長期間に渡る研磨レートの低下の抑止を図っている。
しかし、上記従来の研磨パッドでは、研磨すべき量の増加に比べ研磨レートが十分に改善しているとは言えず、さらなる研磨レートの改善が求められている。さらに研磨レートを向上させるためには、研磨機の定盤の回転数の増加や、研磨島を介してガラス基板に加える研磨圧力の増加を図る方法が有効である。
本考案はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、特に研磨機の定盤の回転数や研磨圧力を増加させた条件で、研磨レートに優れる研磨パッドの提供を目的とする。
本考案者らが、研磨機の定盤の回転数や研磨圧力を増加させた条件での研磨レートについて鋭意検討した結果、研磨島を構成する複数の研磨部の構成が大きく研磨レートの向上につながることを見出し、本考案を完成させた。
すなわち、本考案の研磨パッドは、基材と、この基材の一方の面に積層され、砥粒及びバインダーを含む研磨島とを備え、上記研磨島が、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部を有し、上記研磨部の頂面の面積が10mm2以上27.5mm2以下である。
当該研磨パッドは、研磨部が円柱状であるので、研磨圧力を高めても研磨部に欠けや割れが発生し難く、安定して研磨を行うことができる。また、当該研磨パッドは、研磨部の頂面の面積を上記範囲内とすることで、基材への密着力を確保しつつ、研磨部で効果的に研磨圧力を受けることができるので、研磨レートを高められる。
上記複数の研磨部が同心円状に配置されているとよい。このように上記複数の研磨部を同心円状に配置することで、基材の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
上記複数の研磨部が千鳥配置されているとよい。このように上記複数の研磨部を千鳥配置することで、基材の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
上記複数の研磨部の研磨島全体に対する面積占有率としては、40%以上65%以下が好ましい。このように上記複数の研磨部の研磨島全体に対する面積占有率を上記範囲内とすることで、被削体への適度な接触面積と研磨圧力とを確保できるので、研磨レートをさらに高めることができる。
上記研磨部間の最小間隔としては、0.3mm以上2.5mm以下が好ましい。このように上記研磨部間の最小間隔を上記範囲内とすることで、被削体への適度な接触面積と研磨圧力とを確保できるので、研磨レートをさらに高めることができる。
上記研磨島の平均厚さとしては、0.5mm以上2mm以下が好ましい。このように上記を上記範囲内とすることで、研磨部のアスペクト比が大きくなり研削中に研磨部が倒れ易くなることを抑止しつつ、当該研磨パッドの寿命を伸ばすことができる。
ここで、複数の研磨部を有する「研磨島」とは、研磨部間の最小間隔をDとするとき、至近の研磨部との距離がDと同程度、例えば2×D以下となる研磨部の集合体を指す。なお、「研磨島全体の面積」には、研磨部間に溝が存在する場合、その溝も含めた面積をいう。また、「平均厚さ」とは、任意の10点で測定された厚さの平均値を指す。
「複数の研磨部が千鳥配置である」とは、研磨部が、平行する複数の列に等間隔で配置され、一の列に含まれる研磨部の中心を通り、この一の列に対して直交する方向に、この一の列と隣接する列の研磨部の中心が位置しないような配列をいう。
以上説明したように、本考案の研磨パッドは、特に研磨機の定盤の回転数や研磨圧力が大きい条件で、研磨レートに優れる。
以下、本考案の一実施形態について適宜図面を参照しつつ詳説する。
[第1実施形態]
図1から図3に示す研磨パッド1は、基材10と、この基材10の一方の面(以下、単に「表面」ともいう)に積層される研磨島20と、基材10の他方の面(以下、単に「裏面」ともいう)に積層される接着層30とを備える。また、研磨島20は、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部21と、この研磨部21間に配設される溝22とを有する。
図1から図3に示す研磨パッド1は、基材10と、この基材10の一方の面(以下、単に「表面」ともいう)に積層される研磨島20と、基材10の他方の面(以下、単に「裏面」ともいう)に積層される接着層30とを備える。また、研磨島20は、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部21と、この研磨部21間に配設される溝22とを有する。
当該研磨パッド1は、研磨機の定盤の回転数や研磨圧力が大きい条件、特に上記回転数が50回転以上2000回転以下、好ましくは150回転以上1200回転以下となるような条件で好適に用いることができる。
<基材>
基材10は、研磨島20を支持するための板状又はシート状の部材である。
基材10は、研磨島20を支持するための板状又はシート状の部材である。
基材10の主成分としては、特に限定されないが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、アルミニウム、銅等が挙げられる。中でも耐熱性の高いPCが好ましい。また、基材10の表面に化学処理、コロナ処理、プライマー処理等の接着性を高める処理が行われてもよい。ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分を意味し、好ましくは含有量が50質量%以上、より好ましくは90質量%以上の成分をいう。
また、基材10は可撓性又は延性を有するとよい。このように基材10が可撓性又は延性を有することで、当該研磨パッド1が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体との接触面積が大きくなるため、研磨レートがさらに高まる。このような可撓性を有する基材10の材質としては、例えばPETやPI等を挙げることができる。また、延性を有する基材10の材質としては、アルミニウムや銅等を挙げることができる。
基材10の平均厚さの下限としては、75μmが好ましく、100μmがより好ましく、150μmがさらに好ましい。一方、基材10の平均厚さの上限としては、3mmが好ましく、1mmがより好ましく、500μmがさらに好ましい。基材10の平均厚さが上記下限未満であると、当該研磨パッド1の強度や平坦性が不足するおそれがある。逆に、基材10の平均厚さが上記上限を超えると、当該研磨パッド1が不要に厚くなり、取扱いが困難になるおそれがある。
基材10の形状及び大きさは、使用される研磨機の定盤の形状及び大きさに合わせて適宜決定される。例えば図1に示す研磨パッド1の基材10は、円環状である。円環状の基材10としては、例えば外径200mm以上2022mm以下及び内径100mm以上658mm以下とすることができる。なお、基材10の形状は円環状に限定されるものではなく、直径200mm以上2022mm以下の円形状や一辺が140mm以上160mm以下の正方形状等としてもよい。
また、当該研磨パッド1の取扱性の観点から、複数の基材10が研磨機の定盤に支持される構成とすることもできる。図1に示す研磨パッド1では、基材10がその表面にスリット10aを有し、このスリット10aにより円環状の基材10は、その中心を通る直線で3分割されている。スリット10a上には研磨島20が形成されておらず、当該研磨パッド1では、スリット10aに沿って容易に切断することができる。このように当該研磨パッド1では、基材10を3つに分割して移送し、研磨機の定盤にそれぞれ固定することで、図1に示す円環状の研磨パッド1を構成することもできる。
スリット10aの平均幅の下限としては、0.1mmが好ましく、1mmがより好ましく、3mmがさらに好ましい。一方、スリット10aの平均幅の上限としては、4mmが好ましく、3.5mmがより好ましい。スリット10aの平均幅が上記下限未満であると、分割時にスリット10aに隣接する研磨島20が合わせて切断され、研磨島20の欠損等が生じ易くなるおそれがある。逆に、スリット10aの平均幅が上記上限を超えると、研磨島20の面積が相対的に減少するため、研磨レートが低下するおそれがある。
なお、上述の分割数は3に限定されるものではなく、4分割あるいは8分割など他の分割数であってもよい。また、当該研磨パッド1の移送時に基材10を分割することは必須ではなく、分割することなく移送することも可能である。
<研磨島>
研磨島20は、図1に示すように3本の基材10のスリット10aを除く複数の領域(図1では、第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cの3つの領域)に分かれて設けられている。第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cは、実質的に同形である。このように研磨島20の各領域を実質的に同形とすることで、各領域に加わる研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
研磨島20は、図1に示すように3本の基材10のスリット10aを除く複数の領域(図1では、第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cの3つの領域)に分かれて設けられている。第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cは、実質的に同形である。このように研磨島20の各領域を実質的に同形とすることで、各領域に加わる研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
研磨島20は、研磨部21に複数の砥粒23及びバインダー24を含む。
(砥粒)
砥粒23としては、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、セリア砥粒、炭化ケイ素砥粒等が挙げられる。中でも他の砥粒より硬質であるダイヤモンド砥粒が好ましい。砥粒23をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力が向上し、研磨レートをさらに向上できる。
砥粒23としては、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、セリア砥粒、炭化ケイ素砥粒等が挙げられる。中でも他の砥粒より硬質であるダイヤモンド砥粒が好ましい。砥粒23をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力が向上し、研磨レートをさらに向上できる。
なお、ダイヤモンド砥粒のダイヤモンドとしては、単結晶でも多結晶でもよく、またNiコーティング等の処理がされたダイヤモンドであってもよい。中でも単結晶ダイヤモンド及び多結晶ダイヤモンドが好ましい。単結晶ダイヤモンドは、他のダイヤモンドより硬質であり研削力が高い。また、多結晶ダイヤモンドは多結晶を構成する微結晶単位で劈開し易く目つぶれが進行し難いので、長期間研磨を行っても研磨レートの低下が小さい。
砥粒23の平均粒子径は、研磨レートと研磨後の被削体の表面粗さとの観点から適宜選択される。砥粒23の平均粒子径の下限としては、2μmが好ましく、10μmがより好ましく、20μmがさらに好ましい。一方、砥粒23の平均粒子径の上限としては、200μmが好ましく、100μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。砥粒23の平均粒子径が上記下限未満であると、当該研磨パッド1の研磨力が不足し、研磨レートが低下するおそれがある。逆に、砥粒23の平均粒子径が上記上限を超えると、研磨精度が低下するおそれがある。ここで、「平均粒子径」とは、レーザー回折法等により測定された体積基準の累積粒度分布曲線の50%値(50%粒子径、D50)をいう。
研磨部21における砥粒23の含有量の下限としては、3体積%が好ましく、4体積%がより好ましく、8体積%がさらに好ましい。一方、砥粒23の含有量の上限としては、55体積%が好ましく、45体積%がより好ましく、35体積%がさらに好ましい。砥粒23の含有量が上記下限未満であると、研磨部21の研磨力が不足するおそれがある。逆に、砥粒23の含有量が上記上限を超えると、研磨部21が砥粒23を保持できないおそれがある。
(バインダー)
研磨部21のバインダー24の主成分としては、特に限定されないが、樹脂又は無機物が挙げられる。
研磨部21のバインダー24の主成分としては、特に限定されないが、樹脂又は無機物が挙げられる。
上記樹脂としては、ポリウレタン、ポリフェノール、エポキシ、ポリエステル、セルロース、エチレン共重合体、ポリビニルアセタール、ポリアクリル、アクリルエステル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド等の樹脂を挙げることができる。中でも基材10への良好な密着性が確保し易いポリアクリル、エポキシ、ポリエステル及びポリウレタンが好ましい。なお、上記樹脂は、少なくとも一部が架橋していてもよい。
また、上記無機物としては、ケイ酸塩、リン酸塩、多価金属アルコキシド等を挙げることができる。中でも砥粒保持力が高いケイ酸塩が好ましい。このようなケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム等を挙げることができる。
バインダー24の主成分は、無機物であるとよい。このようにバインダー24の主成分を無機物とすることで、砥粒23の保持力を高め、砥粒23が目こぼれする前に脱粒することを抑止できる。このため、研削力がさらに高められる。
なお、バインダー24には、分散剤、カップリング剤、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤及び添加剤などを目的に応じて適宜含有させてもよい。
(その他)
また、研磨部21は、他の粒子を含んでもよい。このような他の粒子としては、充填剤が挙げられる。このように研磨部21に上記充填剤を含ませることで、バインダー24の弾性率が向上し、研磨レートを高めることができる。
また、研磨部21は、他の粒子を含んでもよい。このような他の粒子としては、充填剤が挙げられる。このように研磨部21に上記充填剤を含ませることで、バインダー24の弾性率が向上し、研磨レートを高めることができる。
上記充填剤としては、例えばダイヤモンドのほか、アルミナ、シリカ、酸化セリウム、酸化マグネシウム、ジルコニア、酸化チタン等の酸化物及びシリカ-アルミナ、シリカ-ジルコニア、シリカ-マグネシア等の複合酸化物を挙げることができる。これらは単独で又は必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも高い研磨力が得られ、かつ比較的安価なアルミナが好ましい。
上記充填剤の平均粒子径は砥粒23の平均粒子径にも依存するが、上記充填剤の平均粒子径の下限としては、0.01μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、上記充填剤の平均粒子径の上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記充填剤の平均粒子径が上記下限未満であると、上記充填剤によるバインダー24の弾性率向上効果の不足により、研磨レートが向上しないおそれがある。一方、上記充填剤の平均粒子径が上記上限を超えると、充填剤が砥粒23の研磨力を阻害するおそれがある。
また、上記充填剤の平均粒子径は砥粒23の平均粒子径よりも小さいとよい。砥粒23の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましい。一方、砥粒23の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比の上限としては、0.8が好ましく、0.6がより好ましい。砥粒23の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比が上記下限未満であると、上記充填剤によるバインダー24の弾性率向上効果の不足により、研磨レートが向上しないおそれがある。逆に、砥粒23の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比が上記上限を超えると、充填剤が砥粒23の研磨力を阻害するおそれがある。
上記充填剤の研磨部21に対する含有量は、砥粒23の含有量にも依存するが、上記充填剤の含有量の下限としては、15体積%が好ましく、30体積%がより好ましい。一方、上記充填剤の含有量の上限としては、75体積%が好ましく、72体積%がより好ましい。上記充填剤の含有量が上記下限未満であると、上記充填剤によるバインダー24の弾性率向上効果の不足により、研磨レートが低下するおそれがある。逆に、上記充填剤の含有量が上記上限を超えると、充填剤が砥粒23の研磨力を阻害するおそれがある。
(研磨部)
研磨島20が有する複数の研磨部21は、図2及び図3に示すように、千鳥配置されている。このように複数の研磨部21を千鳥配置することで、基材10の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
研磨島20が有する複数の研磨部21は、図2及び図3に示すように、千鳥配置されている。このように複数の研磨部21を千鳥配置することで、基材10の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
複数の研磨部21は、平行する複数の列(図2及び図3では横方向)に配置される。一の列に配置される研磨部21の間隔(中心間の距離、ピッチ)は等しい。この研磨部21の間隔は、複数の列間で同じ間隔とされる。また、この一の列と隣接する列の研磨部21の中心は、一の列で隣接する研磨部21の中心を結ぶ直線の中点からこの一の列に対して直交する方向に位置する。つまり、隣接列の研磨部21の位置は、一の列の研磨部21の位置から半ピッチずれている。従って、複数の研磨部21の配置としては、複数の列は2列ごとに同じパターンが繰り返される。このように複数の研磨部21を配置することで、基材10の反りを効果的に低減できる。
また、一の列で隣接する2つの研磨部21と、この研磨部21の中心を結ぶ直線の中点からこの一の列に対して直交する方向に位置する1の研磨部21との3つの研磨部21の中心Mを頂点として構成される三角形(例えば図3の2点鎖線で示される三角形)は、生正三角形であることが好ましい。このように上記三角形を正三角形とすることで、列方向及びこの列に対して直交する方向の等方性が高められるので、さらに安定して研磨を行うことができる。
第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cにおいて、スリット10aと隣接する研磨部21は、図2に示すように、径方向に一直線上に配置されている。このようにスリット10aと隣接する研磨部21を一直線上に配置することで、当該研磨パッド1をスリット10aに沿って直線状に切断する際に、研磨部21が合わせて切断されて欠損が生じてしまうことを抑止できる。
第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cを同形としつつ、スリット10aと隣接する研磨部21を径方向に一直線上に配置するためには、スリット10a付近で研磨部21の列間の間隔を調整するとよい。例えば図1に示す研磨パッド1では、各研磨島領域で、図2に示すように、時計回りで下流側に対応するスリット10aから4列分に想到する研磨部の列群Rで研磨部21の列間の間隔が調整されている。
また、第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cの内側及び外側の弧と隣接する研磨部21は、図2に示すように、欠損が生じないように設けられている。具体的には、上述したように研磨部21を千鳥配置する場合に、内側及び外側の弧と研磨部21が平面視で重なる位置には配置されないように構成されている。
一の列に配置される研磨部21の平均ピッチ(図3のL)の下限としては、4.5mmが好ましく、5mmがより好ましい。一方、上記平均ピッチLの上限としては、6.5mmが好ましく、5.5mmがより好ましい。上記平均ピッチLが上記下限未満であると、研磨部21の頂面の平均面積を十分に確保できず、研磨部21が研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、上記平均ピッチLが上記上限を超えると、隣接する研磨部21間の溝22の幅が大きくなり、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。
研磨部21間の最小間隔(図3のD)の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記最小間隔Dの上限としては、2.5mmが好ましく、2mmがより好ましい。上記最小間隔Dが上記下限未満であると、研磨部21の頂面の平均面積を十分に確保できず、研磨部21が研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、上記最小間隔Dが上記上限を超えると、隣接する研磨部21間の溝22の幅が大きくなり、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。これに対し、研磨部21間の最小間隔Dを上記範囲内とすることで、被削体への適度な接触面積と研磨圧力とを確保できるので、当該研磨パッド1の研磨レートをさらに高めることができる。
研磨部21の頂面の面積の下限としては、10mm2であり、12mm2がより好ましい。一方、研磨部21の頂面の面積の上限としては、27.5mm2であり、25mm2がより好ましく、20mm2がさらに好ましい。研磨部21の頂面の平均面積が上記下限未満であると、円柱状である研磨部21の底面積も小さくなることから、研磨部21が十分に基材10と密着できず、研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、研磨部21の頂面の平均面積が上記上限を超えると、研磨圧力が分散し、研磨レートが低下するおそれや、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。
複数の研磨部21の研磨島20全体に対する面積占有率の下限としては、40%が好ましく、43%がより好ましく、45%がさらに好ましい。一方、上記面積占有率の上限としては、65%が好ましく、61%がより好ましく、60%がさらに好ましい。上記面積占有率が上記下限未満であると、研磨時に加える圧力が狭い研磨部21に集中し過ぎるため、研磨部21が基材10から剥離するおそれがある。逆に、上記面積占有率が上記上限を超えると、研磨時に研磨島20の被削体への接触面積が大きくなるため、摩擦抵抗により研磨レートが低下するおそれがある。
研磨島20の平均厚さ(円柱状である複数の研磨部21の平均高さ)の下限としては、0.5mmが好ましく、0.8mmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。一方、研磨島20の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.8mmがより好ましい。研磨島20の平均厚さが上記下限未満であると、研磨島20の耐久性が不足し、当該研磨パッド1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、研磨島20の平均厚さが上記上限を超えると、研磨部21のアスペクト比が大きくなり、研磨時に発生するモーメントによって研磨島20と基材10との界面にかかる負荷の影響で研磨部21が倒れ易くなるおそれや、当該研磨パッド1の製造コストが増大するおそれがある。
(溝)
溝22は、その平面視での大きさにより研磨部21の面積占有率を制御するほか、研磨により発生する研磨粉を当該研磨パッド1の外部へ排出する役割を果たす。
溝22は、その平面視での大きさにより研磨部21の面積占有率を制御するほか、研磨により発生する研磨粉を当該研磨パッド1の外部へ排出する役割を果たす。
当該研磨パッド1では、溝22の底面は、図4に示すように、基材10の表面で構成されている。このように溝22の底面を基材10の表面で構成することで、研磨粉の排出能力を高められる。また、当該研磨パッド1は、使用により研磨部21が摩耗し、その頂面が溝22の底面に近づくと寿命となるが、溝22の底面を基材10の表面で構成することで、寿命となるまでの期間を長くすることができる。
一方、溝22の深さが研磨部21の平均厚さよりも小さく、溝22が基材10の表面に達さない構成とすることも可能である。このような構成とすることで、複数の研磨部21の下部が一体化されるため、研磨部21を倒れ難くすることができる。
この場合、溝22の深さは、研磨部21の平均高さの50%以上とできる。溝22の深さが上記下限未満であると、当該研磨パッド1の寿命が短くなり過ぎるおそれがある。
また、平面視で溝22の底面となる領域の研磨部21は、研磨部21と同様の砥粒23及びバインダー24を含む構成とすることもできるが、バインダー24のみで構成することもできる。この溝22の底面となる領域は実質的に研磨に寄与しないため、バインダー24のみで構成することで、研磨レートを低下させることなく、当該研磨パッド1に必要な砥粒23の量を減らし、当該研磨パッド1の製造コストを低減することができる。
<接着層>
接着層30は、当該研磨パッド1を支持し研磨装置に装着するための支持体に当該研磨パッド1を固定する層である。
接着層30は、当該研磨パッド1を支持し研磨装置に装着するための支持体に当該研磨パッド1を固定する層である。
この接着層30に用いられる接着剤としては、特に限定されないが、例えば反応型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト接着剤、貼り替え可能な接着剤である粘着剤等を挙げることができる。
この接着層30に用いられる接着剤としては、粘着剤が好ましい。接着層30に用いられる接着剤として粘着剤を用いることで、支持体から当該研磨パッド1を剥がして貼り替えることができるため当該研磨パッド1及び支持体の再利用が容易になる。このような粘着剤としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤、アクリル-ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ブチルゴム系等の合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等が挙げられる。
接着層30の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、接着層30の平均厚さの上限としては、0.3mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。接着層30の平均厚さが上記下限未満であると、接着力が不足し、当該研磨パッド1が支持体から剥離するおそれがある。逆に、接着層30の平均厚さが上記上限を超えると、例えば接着層30の厚みのため当該研磨パッド1を所望する形状に切る際に支障をきたすなど、作業性が低下するおそれがある。
<研磨パッドの製造方法>
当該研磨パッド1は、例えば調製工程と、研磨島形成工程と、接着層貼付工程とを備える製造方法により製造することができる。
当該研磨パッド1は、例えば調製工程と、研磨島形成工程と、接着層貼付工程とを備える製造方法により製造することができる。
(調製工程)
上記調製工程では、砥粒23と、バインダー24とを含む研磨島用組成物を調製する。
上記調製工程では、砥粒23と、バインダー24とを含む研磨島用組成物を調製する。
具体的には、砥粒23及びバインダー24の形成材料を含む研磨島用組成物を塗工液として準備する。なお、固形分中の砥粒23の含有量が、製造後の研磨部21の砥粒23の含有量となるので、研磨部21における含有量が所望の値となるように固形分の量を適宜決定する。
また、塗工液の粘度や流動性を制御するために、水、アルコール等の希釈剤を添加する。この希釈により、研磨部21に含まれる砥粒23の一部をバインダー24の表面から突出させることができる。つまり、希釈剤を添加することで、研磨島形成工程で研磨島用組成物を乾燥させたときにバインダー24の厚さが減少し、砥粒23の突出量を増やすことができる。従って、この希釈により研磨の初期から高い研磨レートを発現させることができる。
(研磨島形成工程)
研磨島形成工程では、上記調製工程で準備した研磨島用組成物の印刷により研磨島20を形成する。研磨島形成工程は、塗工工程と乾燥工程とを備える。
研磨島形成工程では、上記調製工程で準備した研磨島用組成物の印刷により研磨島20を形成する。研磨島形成工程は、塗工工程と乾燥工程とを備える。
〔塗工工程〕
塗工工程では、上記研磨島用組成物を基材10の表面に塗工する。
塗工工程では、上記研磨島用組成物を基材10の表面に塗工する。
具体的には、調製工程で準備した塗工液を用い、基材10の表面に印刷法により複数の研磨部21及びこの研磨部21間に配設される溝22とを有する研磨島20を形成する。この溝22を形成するために、溝22の形状に対応する形状を有するマスクを用意し、このマスクを介して上記塗工液を印刷する。この印刷方式としては、例えばスクリーン印刷、メタルマスク印刷等を用いることができる。
上記印刷用のマスクとしては、SUS製又はフッ素樹脂製のマスクが好ましい。SUS製又はフッ素樹脂製のマスクはマスクを厚くできるので、平均厚さの大きい研磨部21を容易に作製することができる。
研磨部21の高さは、主にマスクの厚みと塗工量とにより調整することができる。従って、この塗工工程で、研磨部21の平均高さを所望の値とするように上記研磨島用組成物の塗工量を調整するとよい。
〔乾燥工程〕
乾燥工程では、上記塗工工程後の塗工液(研磨島用組成物)を加熱乾燥する。この加熱乾燥により塗工液が硬化し、研磨島20が形成される。この乾燥工程は、マスクを除去して行われる。
乾燥工程では、上記塗工工程後の塗工液(研磨島用組成物)を加熱乾燥する。この加熱乾燥により塗工液が硬化し、研磨島20が形成される。この乾燥工程は、マスクを除去して行われる。
上記乾燥工程での加熱温度の下限としては、80℃が好ましく、100℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、300℃が好ましく、200℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、研磨島用組成物が十分に硬化せず、摩耗量が増大し、当該研磨パッド1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、研磨部21が熱により変質するおそれがある。
上記乾燥工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、上記加熱時間の下限としては、2時間が好ましく、2.5時間がより好ましい。一方、上記加熱時間の上限としては、20時間が好ましく、18時間がより好ましい。上記加熱時間が上記下限未満であると、研磨島用組成物が十分に硬化せず、摩耗量が増大し、当該研磨パッド1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、上記加熱時間が上記上限を超えると、当該研磨パッド1の製造効率が低下するおそれがある。
(接着層貼付工程)
接着層貼付工程では、基材10の裏面側に接着層30を積層する。具体的には、例えば予め形成されたテープ状の接着層30を基材10の裏面に貼り付ける。
接着層貼付工程では、基材10の裏面側に接着層30を積層する。具体的には、例えば予め形成されたテープ状の接着層30を基材10の裏面に貼り付ける。
<利点>
当該研磨パッド1は、研磨部21が円柱状であるので、研磨圧力を高めても研磨部21に欠けや割れが発生し難く、安定して研磨を行うことができる。また、当該研磨パッド1は、研磨部21の頂面の面積を10mm2以上25mm2以下とすることで、基材10への密着力を確保しつつ、研磨部21で効果的に研磨圧力を受けることができるので、研磨レートを高められる。
当該研磨パッド1は、研磨部21が円柱状であるので、研磨圧力を高めても研磨部21に欠けや割れが発生し難く、安定して研磨を行うことができる。また、当該研磨パッド1は、研磨部21の頂面の面積を10mm2以上25mm2以下とすることで、基材10への密着力を確保しつつ、研磨部21で効果的に研磨圧力を受けることができるので、研磨レートを高められる。
[第2実施形態]
図5に示す研磨パッド2は、基材10と、この基材10の一方の面に積層され、砥粒及びバインダーを含む研磨島20とを備え、研磨島20が、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部21を有し、研磨部21の頂面の面積が10mm2以上27.5mm2以下である。
図5に示す研磨パッド2は、基材10と、この基材10の一方の面に積層され、砥粒及びバインダーを含む研磨島20とを備え、研磨島20が、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部21を有し、研磨部21の頂面の面積が10mm2以上27.5mm2以下である。
当該研磨パッド2は、複数の研磨部21が同心円状に配置されている。当該研磨パッド2は、複数の研磨部21が同心円状に配置されている点以外は、第1実施形態の研磨パッド1と同様に構成することができるので、詳細説明を省略し、複数の研磨部21の配置について以下に説明する。
<研磨部>
研磨部21が配置される同心円の中心は、当該研磨パッド2の中心と一致することが好ましい。また、同心円は等間隔であるとよい。なお、円柱状である研磨部21は、その中心軸が同心円上となるように配置される。
研磨部21が配置される同心円の中心は、当該研磨パッド2の中心と一致することが好ましい。また、同心円は等間隔であるとよい。なお、円柱状である研磨部21は、その中心軸が同心円上となるように配置される。
隣接する同心円との半径の差の下限としては、4.5mmが好ましく、5mmがより好ましい。一方、上記半径の差の上限としては、6.5mmが好ましく、5.5mmがより好ましい。上記半径の差が上記下限未満であると、研磨部21の頂面の平均面積を十分に確保できず、研磨部21が研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、上記半径の差が上記上限を超えると、隣接する研磨部21間の溝22の幅が大きくなり、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。
研磨部21は、図5に示すように上記同心円の中心から半径方向に放射状に延びる直線状に並んでいるとよい。この放射状に延びる直線は、基材10にスリットが設けられている場合、このスリットを避けるように配置される。また、上記直線は、研磨圧力の面内均一性の観点から、スリットの領域を除き等角度間隔で設けられることが好ましい。
また、個々の研磨部21の頂面の平均面積は、等しいことが好ましい。このように研磨部21を配置すると、内周に位置するほど研磨部21が円周上に密に存在することとなるため、図5に示すように、内周側の研磨部21は間引きされるとよい。図5に示す研磨パッド2では、例えば外側から5列目より内側の円周で1個おきに間引きされており、具体的には図5の間引き領域Sに位置すべき研磨部21が間引きされている。
研磨部21間の円周方向の最小間隔(図5のD)の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記最小間隔Dの上限としては、2.5mmが好ましく、2mmがより好ましい。上記最小間隔Dが上記下限未満であると、研磨部21の頂面の平均面積を十分に確保できず、研磨部21が研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、上記最小間隔Dが上記上限を超えると、円周方向に隣接する研磨部21間の溝22の幅が大きくなり、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。これに対し、研磨部21間の最小間隔Dを上記範囲内とすることで、被削体への適度な接触面積と研磨圧力とを確保できるので、当該研磨パッド2の研磨レートをさらに高めることができる。なお、上述の研磨部21の間引きは、研磨部21間の最小間隔Dが上記範囲内となるように行われるとよい。
<研磨パッドの製造方法>
当該研磨パッド2は、例えば調製工程と、研磨島形成工程と、接着層貼付工程とを備える製造方法により製造することができる。各工程は、第1実施形態の研磨パッド1の製造方法と同様であるので、詳細説明を省略する。
当該研磨パッド2は、例えば調製工程と、研磨島形成工程と、接着層貼付工程とを備える製造方法により製造することができる。各工程は、第1実施形態の研磨パッド1の製造方法と同様であるので、詳細説明を省略する。
<利点>
当該研磨パッド2は、複数の研磨部21を同心円状に配置することで、基材10の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
当該研磨パッド2は、複数の研磨部21を同心円状に配置することで、基材10の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに安定して研磨を行うことができる。
[その他の実施形態]
本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、基材がその表面に研磨島が形成されていないスリットを有する場合を説明したが、スリットは必須の構成要素ではなく、省略可能である。
また、上記第1実施形態では、隣接列の研磨部の位置が、一の列の研磨部の位置から半ピッチずれている場合を説明したが、この位置のずれは半ピッチに限定されず、例えば1/3ピッチであってもよい。この場合、複数の研磨部の配置としては、3列ごとに同じパターンが繰り返される。
上記実施形態では、複数の研磨部が千鳥配置されている場合及び同心円状に配置されている場合について説明したが、複数の研磨部は千鳥配置又は同心円状に配置されていなくともよい。例えば複数の研磨部は、格子点上に規則的に配置されていてもよい。
上記実施形態では、研磨パッドが接着層を有する場合を説明したが、接着層は必須の構成要件ではなく、省略可能である。研磨パッドが接着層を有さない場合は、研磨パッドの製造方法の接着層貼付工程は省略される。
あるいは、図5に示すように当該研磨パッド3は、基材10の他方の面に、接着層30を介してさらに積層される支持体40及びその支持体40を介してさらに積層される第2接着層31を備えてもよい。当該研磨パッド3が支持体40を備えることにより、当該研磨パッド3の取扱いが容易となる。なお、当該研磨パッド3は、支持体40及び第2接着層31以外の構成要素は、図4に示す研磨パッド1と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
(支持体)
支持体40の主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性を有する樹脂やポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。支持体40の主成分にこのような材質を用いることにより支持体40が可撓性を有し、当該研磨パッド3が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体とが接触し易くなるため研磨レートがさらに向上する。中でも支持体40の主成分としては、接着層30及び第2接着層31との接着性の観点から、ポリ塩化ビニルが好ましい。
支持体40の主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性を有する樹脂やポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。支持体40の主成分にこのような材質を用いることにより支持体40が可撓性を有し、当該研磨パッド3が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体とが接触し易くなるため研磨レートがさらに向上する。中でも支持体40の主成分としては、接着層30及び第2接着層31との接着性の観点から、ポリ塩化ビニルが好ましい。
支持体40の形状及び大きさは、使用される研磨機の定盤の形状及び大きさに合わせて適宜決定される。上述した基材10のように平面上に並置した複数の支持体40が研磨機の定盤に支持される構成とすることもできる。
支持体40の平均厚さの下限としては、0.5mmが好ましく、0.8mmがより好ましい。一方、支持体40の平均厚さの上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましい。支持体40の平均厚さが上記下限未満であると、当該研磨パッド3の強度が不足するおそれがある。逆に、支持体40の平均厚さが上記上限を超えると、支持体40を研磨機の定盤に取り付け難くなるおそれや支持体40の可撓性が不足するおそれがある。
(第2接着層)
第2接着層31は、接着層30と同様の接着剤を用いることができる。また、第2接着層31は、接着層30と同様の平均厚さとできる。
第2接着層31は、接着層30と同様の接着剤を用いることができる。また、第2接着層31は、接着層30と同様の平均厚さとできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本考案をさらに詳細に説明するが、当該考案は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ダイヤモンド砥粒(平均粒子径61μm)及びバインダーとしてのエポキシ樹脂を混合し、固形分中のダイヤモンド砥粒の含有量が10体積%となるよう調整し、塗工液を得た。また、基材として平均厚さ500μmのポリカーボネート板を用意した。
ダイヤモンド砥粒(平均粒子径61μm)及びバインダーとしてのエポキシ樹脂を混合し、固形分中のダイヤモンド砥粒の含有量が10体積%となるよう調整し、塗工液を得た。また、基材として平均厚さ500μmのポリカーボネート板を用意した。
上記塗工液を用いてこの基材の表面に印刷により塗工した。印刷のパターンとして、図1に示すように、同形の第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cの3つの領域を有するパターンとした。各研磨島領域の研磨部は、直径4mm(12.56mm2)で、面積占有率45%とした。なお、間隔調整されている列群Rを除き、研磨部間の平均ピッチは4.98mmとし、研磨部間の最小間隔は、0.98mmとした。また、各研磨島領域の研磨部の個数は3432個とした。また、塗工量は、研磨部の平均高さが1mmとなるように調整した。
塗工液は、オーブンで120℃、16時間の乾燥を行い硬化させた。このようにして実施例1の研磨パッドを得た。
[比較例1]
印刷のパターンを以下に述べる構成とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の研磨パッドを得た。
印刷のパターンを以下に述べる構成とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の研磨パッドを得た。
印刷のパターンとして、図1に示すように、同形の第1研磨島20a、第2研磨島20b及び第3研磨島20cの3つの領域を有するパターンとした。各研磨島領域の研磨部は、直径6mm(28.26mm2)で、面積占有率40%とした。なお、間隔調整されている列群Rを除き、研磨部間の平均ピッチは8.61mmとし、研磨部間の最小間隔は、2.61mmとした。また、各研磨島領域の研磨部の個数は1180個とした。
[研磨条件]
上記実施例1及び比較例1で得られた研磨パッドを用いて、ガラス基板(Gorilla3ガラス、厚さ1mm、鏡面)の研磨を行った。研磨は、上定盤回転数550rpm、下定盤回転数550rpm及びキャリア回転数0.6rpmの条件行った。その際、クーラントとして、株式会社ノリタケカンパニーリミテッドの「CG50-P」を30倍希釈したものを毎分15L供給した。
上記実施例1及び比較例1で得られた研磨パッドを用いて、ガラス基板(Gorilla3ガラス、厚さ1mm、鏡面)の研磨を行った。研磨は、上定盤回転数550rpm、下定盤回転数550rpm及びキャリア回転数0.6rpmの条件行った。その際、クーラントとして、株式会社ノリタケカンパニーリミテッドの「CG50-P」を30倍希釈したものを毎分15L供給した。
[評価]
上述の条件で5秒間の研磨を行った後、除去されたガラス基板の厚さ(除去量)及び表面粗さ(Ra)を測定した。結果を表1に示す。なお、ガラス基板の厚さの測定にはマイクロメーターを用いた。また、表面粗さ(Ra)の測定には、接触式表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ製)を用い、JIS-B-0601:2001記載の方法に準拠して行った。
上述の条件で5秒間の研磨を行った後、除去されたガラス基板の厚さ(除去量)及び表面粗さ(Ra)を測定した。結果を表1に示す。なお、ガラス基板の厚さの測定にはマイクロメーターを用いた。また、表面粗さ(Ra)の測定には、接触式表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ製)を用い、JIS-B-0601:2001記載の方法に準拠して行った。
表1の結果から、研磨部の頂面の面積が10mm2以上25mm2以下である実施例1は、研磨部の頂面の面積が25mm2を超える比較例1に比べて、表面粗さ(Ra)が同等で、除去量が大きい。このことから、研磨部の頂面の面積が10mm2以上25mm2以下とすることで、研磨レートを高められることが分かる。
本考案の研磨パッドは、特に研磨機の定盤の回転数や研磨圧力を増加させた条件で、研磨レートに優れる。従って、当該研磨パッドを用いることで、加工時間を低減し、製品の製造効率を高めることができる。
1、2、3 研磨パッド
10 基材
10a スリット
20 研磨島
20a 第1研磨島
20b 第2研磨島
20c 第3研磨島
21 研磨部
22 溝
23 砥粒
24 バインダー
30 接着層
31 第2接着層
40 支持体
M 研磨部の中心
R 間隔調整されている列群
S 間引き領域
L ピッチ
D 最小間隔
10 基材
10a スリット
20 研磨島
20a 第1研磨島
20b 第2研磨島
20c 第3研磨島
21 研磨部
22 溝
23 砥粒
24 バインダー
30 接着層
31 第2接着層
40 支持体
M 研磨部の中心
R 間隔調整されている列群
S 間引き領域
L ピッチ
D 最小間隔
Claims (6)
- 基材と、
この基材の一方の面に積層され、砥粒及びバインダーを含む研磨島と
を備え、
上記研磨島が、その中心軸が上記一方の面と直交する円柱状の複数の研磨部を有し、
上記研磨部の頂面の面積が10mm2以上27.5mm2以下である研磨パッド。 - 上記複数の研磨部が同心円状に配置されている請求項1に記載の研磨パッド。
- 上記複数の研磨部が千鳥配置されている請求項1に記載の研磨パッド。
- 上記複数の研磨部の研磨島全体に対する面積占有率が40%以上65%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の研磨パッド。
- 上記研磨部間の最小間隔が0.3mm以上2.5mm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の研磨パッド。
- 上記研磨島の平均厚さが0.5mm以上2mm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の研磨パッド。
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