JP3241197B2 - 吸収液中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方法 - Google Patents
吸収液中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方法Info
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Description
に吸収液中に存在する亜硫酸カルシウムの酸化制御方法
に関する。
灰石膏法による排煙脱硫を実施する場合、排ガス中の硫
黄酸化物は炭酸カルシウムを含有する吸収液と接触し、
以下の反応により吸収される。 SO2 +CaCO3 →CaSO3 +CO2 生成した亜硫酸カルシウムの一部は排ガス中の酸素によ
り酸化され石膏を生成する。 CaSO3 + 1/2O2 → CaSO4
カルシウムから石膏への酸化が十分に行われないため、
系外から酸素を含む気体を吸収液中に通気している。こ
の際、酸素を含む気体の通気流量の設定が低い場合、亜
硫酸カルシウムの濃度が増加し、吸収剤である炭酸カル
シウムの溶解阻害、脱硫性能の低下、及び脱硫装置から
排出される排水中の化学的酸素要求量(以下、CODと
称す)の増大等の不具合を生じる。一方、亜硫酸カルシ
ウムから石膏への転化率を高めに維持しようとすれば負
荷変動等を考慮して前記酸素を含む気体を過剰に供給せ
ざるを得ず、ランニングコストの増大及び排水CODの
増大につながる。従って、酸素を含む気体を過剰に通気
せず、かつ亜硫酸カルシウムの酸化を十分に行わせるた
め、気体の通気流量を制御する必要がある。
気体の通気流量制御方法に関しては酸化還元電位(以
下、ORPと称す)によるものが知られている。従来の
ORPによる通気流量制御方法はORPと亜硫酸濃度の
相関関係を求めた結果から予めORP設定値を決定し、
通気流量を制御するものであった。
スを炭酸カルシウムを含有する吸収液と接触させて湿式
石灰石膏法によって処理した場合における吸収液のOR
Pと亜硫酸濃度の関係について一例を示したものであ
り、ORPは亜硫酸濃度以外にpHの影響を受ける。こ
のため、従来法による酸化制御では、負荷変動や吸収剤
原料の種類の変化などによりpHが変化した場合、ある
いは石炭の種類の変化などにより溶解液成分が変化した
場合にもORPは影響を受けるため、空気の過剰供給ま
たは亜硫酸濃度の増加により排水CODが増大するなど
の不具合を生じるという問題があった。
に鑑み、硫黄酸化物を含む排ガスの湿式石灰石膏法排煙
脱硫方法を実施するに際し、従来方法におけるような不
具合のない吸収液中の亜硫酸塩の酸化制御方法を提供し
ようとするものである。
て、本発明者らは硫黄酸化物を含む排ガスを対象に湿式
石灰石膏法を実施するに際し、吸収液中のORPを連続
的に検知することによって酸素を含む気体の通気流量を
制御する酸化制御方法において、ORPは亜硫酸濃度以
外にpHの影響を受けるため、吸収液のORP及びpH
を検出した信号により既知のORPとpHの関係から該
吸収液のpHにおけるORP設定値を導出し、該設定値
と前記吸収液のORPとの偏差信号により酸素を含む気
体の通気流量を制御する方法を見い出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
スをカルシウム化合物を含有する吸収液で処理するに際
し、該吸収液中に酸素を含む気体を通気し、該吸収液の
酸化還元電位を連続的に検知することによって前記酸素
を含む気体の通気流量を制御する排煙脱硫方法におい
て、該吸収液の酸化還元電位を検出した信号とpHを検
出した信号により既知酸化還元電位とpHの関係から該
吸収液のpHにおける酸化還元電位設定値を導出し、該
設定値と前記吸収液の酸化還元電位との偏差信号により
前記酸素を含む気体の通気と通気の停止を制御すること
を特徴とする吸収液中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方
法である。
きるように鋭意検討の結果得られたものであり、ORP
が亜硫酸濃度以外にpHの影響を受けるという知見に基
づき、吸収液中のORP及びpHを連続的に検出した信
号により既知ORPとpHの関係から該吸収液のpHに
おけるORP設定値を導出し、該設定値と前記吸収液の
ORPとの偏差信号により酸素を含む気体の通気流量を
制御することで、pHの変動に対しても安定した酸化制
御を維持でき、排水COD低減が可能となる。
燃焼排ガス2と吸収塔1を循環する吸収液3とを気液接
触させ、燃焼排ガス2中の硫黄酸化物を吸収・分離す
る。硫黄酸化物が除去された燃焼排ガスは洗浄ガス4と
なって排出される。吸収液3に吸収された硫黄酸化物は
亜硫酸カルシウムとなり、一部は燃焼排ガス中の酸素に
より酸化されて石膏を生成する。吸収液中に存在する未
酸化の亜硫酸カルシウムは吸収塔液室5に通気される空
気6によって酸化され石膏となる。
などに対しても安定な制御が可能となるように2値信号
を出力する関数演算器(2種類の信号のいずれかを入力
信号に応じて出力する演算器)9を使用し、以下の方法
を適用する。ORP検出器7及びpH検出器8からの出
力信号を関数演算器9に入力する。関数演算器9は所定
pHにおけるORP設定値を既知ORPとpHの関係か
ら吸収液pHにおけるORP設定値に演算し、導出され
た設定値と吸収液のORPとの偏差に応じて2値信号を
出力する。関数演算器9からの出力信号を通気流量調節
器10に入力し、導出されたORP設定値との偏差によ
りコントロールバルブ開閉信号を出力する。コントロー
ルバルブ11により空気の通気流量を調節することによ
って酸化を制御する。
と2値信号出力の関係の一例を図3に示す。吸収液のO
RPが吸収液のpHにおけるORP設定値に対して低下
し、ORP偏差が所定pHにて予め設定されたしきい値
を既知ORPとpHの関係から吸収液pHにおけるしき
い値に演算した値(図3におけるβ)より大きくなる
と、出力信号が吸収液のpHにおけるORP設定値(図
3におけるαH )から該ORP設定値よりORP偏差し
きい値を減じた値(図3におけるαL )まで変化し、O
RP偏差が0になるまで保持する。この際、pHの変動
が少ない場合には、所定pHにおけるしきい値をそのま
ゝ用いることも可能である。
制御方法を具体的に説明する。亜硫酸が所定濃度となる
ように予め所定pHにてORP設定値を決定したうえ、
吸収液pHにおけるORP設定値を導出し通気酸化の停
止による吸収液ORPの低下によりORP偏差がしきい
値βよりも大きくなると、コントロールバルブ11が開
き空気の通気を開始する。通気の開始によりORPが上
昇し、ORP偏差が0となった時点でコントロールバル
ブ11が閉じ空気の通気を停止する。この際、空気の通
気流量を減じる方法も可能である。以上の如くコントロ
ールバルブ11の開閉を繰り返すことによって酸化を制
御する。
が小さいため吸収液中で析出して固体となる。石膏を含
んだ吸収液の一部は抜き出しライン12を介して吸収塔
1から排出され、固液分離機13で石膏14とろ液15
に分離され、ろ液の一部は原料調整槽16へ送られ残部
は排水17として系外に排出される。原料調整槽16で
炭酸カルシウム18が供給され再び吸収塔1へ戻され
る。
100mV(pH=5)に設定した場合、pHが5から
6の間で変動したにもかかわらず吸収液中の亜硫酸濃度
は0.5mmol/リットル以下で安定な酸化制御を維
持でき、排水のCODは6.8mg/リットルであっ
た。
のORPを検出した信号のみによる空気通気流量の調節
によって酸化制御を実施した場合、装置及びその他の運
転状態は実施例と同一の条件において、pHが5から6
の間で変動したことにより空気の供給が過剰となること
もあったため、排水のCODは23mg/リットルとな
り、実施例に比較して著しく高かった。
ば、排煙脱硫方法における吸収液中に存在する亜硫酸カ
ルシウムの合目的な酸化制御方法が提供され、排水中の
CODの低減が可能となる。
す図表。
Claims (1)
- 【請求項1】 硫黄酸化物を含む排ガスをカルシウム化
合物を含有する吸収液で処理するに際し、該吸収液中に
酸素を含む気体を通気し、該吸収液の酸化還元電位を連
続的に検知することによって前記酸素を含む気体の通気
流量を制御する排煙脱硫方法において、該吸収液の酸化
還元電位を検出した信号とpHを検出した信号により既
知酸化還元電位とpHの関係から該吸収液のpHにおけ
る酸化還元電位設定値を導出し、該設定値と前記吸収液
の酸化還元電位との偏差信号により前記酸素を含む気体
の通気と通気の停止を制御することを特徴とする吸収液
中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00701494A JP3241197B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 吸収液中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00701494A JP3241197B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 吸収液中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07204459A JPH07204459A (ja) | 1995-08-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP00701494A Expired - Fee Related JP3241197B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 吸収液中の亜硫酸カルシウムの酸化制御方法 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3358926B2 (ja) * | 1995-12-19 | 2002-12-24 | 三菱重工業株式会社 | 排煙脱硫方法における亜硫酸塩の酸化制御方法 |
JP3254139B2 (ja) * | 1996-08-23 | 2002-02-04 | 三菱重工業株式会社 | 排煙脱硫方法における酸化還元電位測定方法 |
-
1994
- 1994-01-26 JP JP00701494A patent/JP3241197B2/ja not_active Expired - Fee Related
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