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JP3240205B2 - 2−アルコキシカルボニルメチルカルボニルピラジンの製造法 - Google Patents

2−アルコキシカルボニルメチルカルボニルピラジンの製造法

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Publication number
JP3240205B2
JP3240205B2 JP35312792A JP35312792A JP3240205B2 JP 3240205 B2 JP3240205 B2 JP 3240205B2 JP 35312792 A JP35312792 A JP 35312792A JP 35312792 A JP35312792 A JP 35312792A JP 3240205 B2 JP3240205 B2 JP 3240205B2
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JP
Japan
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reaction
general formula
represented
alkyl group
alkali metal
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JP35312792A
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Inventor
満春 太野垣
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Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2−アルコキシカルボニ
ルメチルカルボニルピラジン類の製造法に関する。2−
アルコキシカルボニルメチルカルボニルピラジン類は香
料および医農薬の中間体として極めて重要な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、2−アルコキシカルボニルメチル
カルボニルピラジン類の製造法の一例としては、室温で
2−メトキシカルボニルピラジンと酢酸エチルの混合物
にナトリウムエトキシドを加えた後、還流下(約78
℃)で反応を進行させて、2−エトキシカルボニルメチ
ルカルボニルピラジンを得る方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】前記の方法を追試した
ところ、室温で2−メトキシカルボニルピラジンとナト
リウムエトキシド、酢酸エチルを混ぜるとスラリー状と
なり、これを還流状態(約78℃)まで昇温させると、
スラリー濃度は高まり撹拌が悪く、反応器に負担が掛る
という欠点がこの方法にはある。さらに2−メトキシカ
ルボニルピラジンに対する2−アルコキシカルボニルメ
チルカルボニルピラジンの収率は67%と低く、この従
来方法は工業的方法としては不利である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
行った結果、不活性溶媒とナトリウムアルコキシドの混
合物に、アルコキシカルボニルピラジンと酢酸エステル
を加えつつ、同時に反応で生成されたアルコール類を系
外に抜きながら反応させると、従来方法から予測も出来
ないような高い収率例えば90%以上の収率で、また良
好な撹拌状態で2−アルコキシカルボニルメチルカルボ
ニルピラジンを製造できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0005】即ち、本発明は不活性溶剤と一般式
(1):
【化6】 (式中、R2はアルキル基またはアラルキル基を示す。
Mはアルカリ金属を示す。)で表わされるアルカリ金属
アルコキシド類(以下、アルカリ金属アルコキシド類と
いう)の混合物に、一般式(2):
【化7】 (式中、R2はアルキル基またはアラルキル基を示
す。)で表わされる2−アルコキシカルボニルピラジン
類(以下、アルコキシカルボニルピラジン類という)と
一般式(3):
【化8】 (式中、R3は低級アルキル基またはアラルキル基を示
す。)で表わされる酢酸エステル類(以下、酢酸エステ
ル類という)を加えつつ、かつ生成する一般式(4):
【化9】 (式中、R2は前記に同じ。)で表わされるアルコール
類(以下、アルコール類という)を系外に除去しながら
反応させることを特徴とする一般式(5):
【化10】 (式中、R4は低級アルキル基またはアラルキル基を示
す。)で表わされる2−アルコキシカルボニルメチルカ
ルボニルピラジン類(以下、アルコキシカルボニルメチ
ルカルボニルピラジン類という)の製造法を提供するも
のである。
【0006】本発明で使用される不活性溶媒としては、
本発明の反応に不活性有機溶媒であればとくに限定され
ないが、これらの中でもアルカリ金属アルコキシド類の
分散を高めるものが好ましく、反応終了後の反応液を水
を用いて後処理したときアルコキシカルボニルメチルカ
ルボニルピラジン類の抽出溶媒を兼ねることができるも
のがさらに好ましい。かかる抽出溶媒を兼ねうる有機溶
媒としてはシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素溶媒が挙げ
られる。
【0007】本発明の原料であるアルカリ金属アルコキ
シド類としてはナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、
カリウムエトキシド、カリウムブトキシド等が挙げられ
る。当該アルカリ金属アルコキシド類は、アルコール類
を含んでいてもよいが、アルコール類の含有量の少ない
ものが好ましい。
【0008】本発明の原料であるアルコキシカルボニル
ピラジン類としては、2−メトキシカルボニルピラジ
ン、2−エトキシカルボニルピラジン、2−プロポキシ
カルボニルピラジン、2−ブトキシカルボニルピラジ
ン、2−ベンジルオキシカルボニルピラジン等が挙げら
れる。
【0009】本発明の原料である酢酸エステル類として
は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジ
ル等が挙げられる。
【0010】本発明で生成されるアルコール類として
は、アルコキシカルボニルピラジン類及び酢酸エステル
類との反応で得られるもので、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0011】本発明の目的物質であるアルコキシカルボ
ニルメチルカルボニルピラジン類としては、2−メトキ
シカルボニルメチルカルボニルピラジン、2−エトキシ
カルボニルメチルカルボニルピラジン、2−プロポキシ
ルボニルメチルカルボニルピラジン、2−ブトキシカル
ボニルメチルカルボニルピラジン、2−ベンジルオキシ
カルボニルメチルカルボニルピラジン等が挙げられる。
【0012】一般式(1)中のR1と一般式(3)中の
3とが同一のアルキル基であるときには、得られるア
ルコキシカルボニルメチルカルボニルピラジン類は、1
種類でそのR4がR1及びR3と同一のアルキル基であ
る。一方、一般式(1)中のR1と一般式(3)中のR3
とが相違するアルキル基であるときには、2種類の当該
アルコキシカルボニルメチルカルボニルピラジン類が得
られる。これは、生成したアルコキシカルボニルメチル
カルボニルピラジン類の一部と、アルカリ金属アルコキ
シド類との間でエステル交換反応に起因するものと推察
される。
【0013】本発明の不活性溶媒の使用量は、アルコキ
シカルボニルピラジン類と同量(重量)以上であれば充
分であるが、より効率よく反応を進めるためには3〜6
倍量(重量)が好ましい。
【0014】本発明で使用されるアルカリ金属アルコキ
シドは、アルコキシカルボニルピラジン類に対して等モ
ルで充分であるが、速やかに反応させるためには2〜1
5倍モルが好適である。
【0015】本発明で使用される酢酸エステル類は、ア
ルコキシカルボニルピラジン類の同量あれが充分である
が、より効率的に反応を進めるためには3〜10倍量を
用いるのが好適である。この反応で用いられる酢酸エス
テル類の多くは、反応で生成されるアルコール類と同伴
して反応系外へ放出されるが、これは精製して再使用し
ても反応になんら影響ない。
【0016】反応中に生成するアルコール類を除去する
手段としては、常圧または減圧下でアルコール類を留去
する方法が挙げられる。
【0017】本発明の反応温度は通常30℃以上で、生
成されるアルコール類が系外に除去できる範囲であれば
特に限定されないが、50〜100℃が好適である。
【0018】本発明の反応の終点は系外に除去されたア
ルコール量と同伴した酢酸エステル量で判断するが、通
常は4〜10時間の範囲で反応が終了する。
【0019】このようにして得られた反応液からは、以
下の後処理によって効率的にアルコキシカルボニルメチ
ルカルボニルピラジン類が単離されて得られる。まず、
撹拌下に20〜30℃を維持しながら、希塩酸を用いて
反応液を中和(PH=6〜7)し、濾過、分液し、得ら
れた油分を少量の水で洗浄する。その油分をエバポレー
ターなどを用いて、蒸発乾固し、残渣としてGC純度9
8%以上のアルコキシカルボニルメチルカルボニルピラ
ジン類を得る。なお、アルコキシカルボニルメチルカル
ボニルピラジン類は前述の様に、原料2種類のアルコキ
シカルボニルメチルカルボニルピリジン類が生成する場
合もある。これらの2種のアルコキシカルボニルメチル
カルボニルピラジン類を分離する必要があるときは、通
常の蒸留で容易に目的を果せる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0021】実施例1 撹拌器、温度計、コック付きリービッヒ冷却器の備った
1リットルの反応フラスコに、28%ナトリウムメトキ
サイド/メタノール122.6gとトルエン500ml
を仕込み、撹拌しながら内温85℃まで上げ、メタノー
ル/トルエン混合液103gを留出させた。つぎに内温
を50℃にし、徐々に昇温しながら、3時間で2−メト
キシカルボニルピラジン56gと酢酸エチル630ml
の混合物を滴下した。この間、真空度約600mmHg
で内容物410gを留出させた。この後、常圧下、内温
85℃で2時間撹拌した。反応後、室温まで冷却し、撹
拌下に水403gを仕込んだ後、濃塩酸を使ってで水層
をPH=6.0にした。濾過でピッチを濾別したのち、
油分を水洗し、エバポレータで蒸発乾固した。残った結
晶73gは2−メトキシカルボニルメチルカルボニルピ
ラジン(以下、メチル体という)と2−エトキシカルボ
ニルメチルカルボニルピラジン(以下、エチル体とい
う)の混合物で、その組成比は3:7であった。2−メ
トキシカルボニルピラジンに対する2−アルコキシカル
ボニルメチルカルボニルピラジンの収率は94.9%で
あった。
【0022】実施例2 撹拌器、温度計、留出ラインに接続出来るコック付きの
還流冷却器の備った20リットルの反応器に、メタノー
ル3000gを仕込み、室温から60℃で金属ナトリウ
ム292gを投入した。60℃で減圧下にメタノールを
留出させながら、トルエン9.5リットルを仕込んだ。
内温を84℃まで加熱し、メタノール/トルエン混合液
約2600gを留出させた。内温を約50℃に下げ、撹
拌下に徐々に昇温しながら、2−メトキシカルボニルピ
ラジン1.4Kgと酢酸エチル8Kgの混合液を5時間
で滴下した。この間、反応器内をアスピレーターで50
0〜600mmHgにし、内容物を6014g留出させ
た。最終的に内温は70℃となり、2−メトキシカルボ
ニルピラジンと酢酸エチルの滴下後は、同温で4時間撹
拌を行った。内容物を室温まで冷却し、水を5.6Kg
仕込んだ後、約700mlの濃塩酸で中和(PH=7.
0)した。不純物400gを濾別した後、油分と水層を
分けた。水層にトルエン3150mlを加え、振盪後、
油分をさきの油分と合せて、水1Kgで洗浄した。油分
をエバポレーターで濃縮し、2−アルコキシカルボニル
メチルカルボニルピラジン(メチル体59:エチル体4
1)1750gを得た。2−メトキシカルボニルピラジ
ンに対する2−アルコキシカルボニルメチルカルボニル
ピラジンの収率は93.0%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来技術に比較
し、良好な撹拌状態で、格段に高い収率で例えば従来技
術よりも約30%以上向上させてアルキコキシカルボニ
ルメチルカルボニルピラジン類を製造することができ、
本発明の方法は工業的に極めて有用なものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性溶剤と一般式(1): 【化1】 (式中、 1 はアルキル基またはアラルキル基を示す。
    Mはアルカリ金属を示す。)で表わされるアルカリ金属
    アルコキシド類の混合物に、一般式(2): 【化2】 (式中、R2はアルキル基またはアラルキル基を示
    す。)で表わされる2−アルコキシカルボニルピラジン
    類と一般式(3): 【化3】 (式中、R3は低級アルキル基またはアラルキル基を示
    す。)で表わされる酢酸エステル類を加えつつ、かつ生
    成する一般式(4): 【化4】 (式中、R2は前記に同じ。)で表わされるアルコール
    類を系外に除去しながら反応させることを特徴とする一
    般式(5): 【化5】 (式中、R4は低級アルキル基またはアラルキル基を示
    す。)で表わされる2−アルコキシカルボニルメチルカ
    ルボニルピラジン類の製造法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属アルコキシド類がナトリウ
    ムメトキシドである請求項1の製造法。
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