JP3134010B2 - デスアラニンベナノマイシンa誘導体およびそれらの製造法 - Google Patents
デスアラニンベナノマイシンa誘導体およびそれらの製造法Info
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- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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- C07H15/20—Carbocyclic rings
- C07H15/24—Condensed ring systems having three or more rings
- C07H15/244—Anthraquinone radicals, e.g. sennosides
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- A01N43/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な抗かび性抗生物
質デスアラニンベナノマイシンA誘導体ならびにそれら
の合成法に関する。さらに、それらの合成用の中間体と
なるデスアラニンベナノマイシンAならびにその製造法
に関する。本発明はデスアラニンベナノマイシンAから
のベナノマイシンAの製造法も包含する。
質デスアラニンベナノマイシンA誘導体ならびにそれら
の合成法に関する。さらに、それらの合成用の中間体と
なるデスアラニンベナノマイシンAならびにその製造法
に関する。本発明はデスアラニンベナノマイシンAから
のベナノマイシンAの製造法も包含する。
【0002】
【従来の技術】本発明による新規な抗かび性抗生物質デ
スアラニンベナノマイシンA誘導体と構造上類似する化
合物として、本発明者らによって発見された放線菌アク
チノマジュラ・スパジックスMH193−16F4株が
生産するベナノマイシンAおよびその関連化合物[Ta
keuchiら、「J. Antibiotics」4
1巻、807頁(1988)、米国特許第5,055,
453号、特開平1−121293号、特開平1−16
8694号、特開平3−187391号、特願平2−9
6317号公報参照]と、沖らによって報告されたアク
チノマジュラ・ハイビスカ ATCC53557株が生
産するプラディマイシン群抗生物質[Okiら、「J.
Antibiotics」」41巻、1701頁(1
988)、Sawadaら、「J. Antibiot
ics」43巻、1367頁(1990)]がある。
スアラニンベナノマイシンA誘導体と構造上類似する化
合物として、本発明者らによって発見された放線菌アク
チノマジュラ・スパジックスMH193−16F4株が
生産するベナノマイシンAおよびその関連化合物[Ta
keuchiら、「J. Antibiotics」4
1巻、807頁(1988)、米国特許第5,055,
453号、特開平1−121293号、特開平1−16
8694号、特開平3−187391号、特願平2−9
6317号公報参照]と、沖らによって報告されたアク
チノマジュラ・ハイビスカ ATCC53557株が生
産するプラディマイシン群抗生物質[Okiら、「J.
Antibiotics」」41巻、1701頁(1
988)、Sawadaら、「J. Antibiot
ics」43巻、1367頁(1990)]がある。
【0003】これらの抗生物質は、いずれもベンゾ
[a]ナフタセンキノン骨格の5位に糖部分を有し、2
位のカルボキシル基にアミノ酸がアミド結合している化
学構造をもつことが特徴である。しかし、放線菌の生産
物として知られている上記の化学構造の抗生物質は、上
記2位のカルボキシル基に結合しているアミノ酸がグリ
シン、アラニンおよびセリンに限られており、このアミ
ノ酸を化学的に変換した例はない。
[a]ナフタセンキノン骨格の5位に糖部分を有し、2
位のカルボキシル基にアミノ酸がアミド結合している化
学構造をもつことが特徴である。しかし、放線菌の生産
物として知られている上記の化学構造の抗生物質は、上
記2位のカルボキシル基に結合しているアミノ酸がグリ
シン、アラニンおよびセリンに限られており、このアミ
ノ酸を化学的に変換した例はない。
【0004】本発明者らの詳しい研究によって、これら
のベナノマイシン−プラディマイシン群抗生物質のう
ち、5位の糖部分が中性のβ−D−キシロシル−β−D
−フコシルオキシ基で、2位のアミノ酸がD−アラニン
であるベナノマイシンA[特開平1−121293号又
は欧州特願公開0315147号明細書参照]が優れた
抗かび作用と抗ウイルス作用を示し、他の類似抗生物質
に比べて低毒性で、且つ水溶性が優れていることが解っ
たので、現在開発のための安全性試験が実施されてい
る。従って、ベナノマイシンAの化学変換による新規な
半合成抗生物質の創製が期待される。
のベナノマイシン−プラディマイシン群抗生物質のう
ち、5位の糖部分が中性のβ−D−キシロシル−β−D
−フコシルオキシ基で、2位のアミノ酸がD−アラニン
であるベナノマイシンA[特開平1−121293号又
は欧州特願公開0315147号明細書参照]が優れた
抗かび作用と抗ウイルス作用を示し、他の類似抗生物質
に比べて低毒性で、且つ水溶性が優れていることが解っ
たので、現在開発のための安全性試験が実施されてい
る。従って、ベナノマイシンAの化学変換による新規な
半合成抗生物質の創製が期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、数多くの抗かび
性抗生物質と合成抗かび薬が研究されてきたが、低毒性
で有効性の高い抗かび薬は少ない。そこで、かびに起因
する各種の感染症の医療分野では新規な抗かび薬の出現
が常に望まれている。
性抗生物質と合成抗かび薬が研究されてきたが、低毒性
で有効性の高い抗かび薬は少ない。そこで、かびに起因
する各種の感染症の医療分野では新規な抗かび薬の出現
が常に望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ベナノ
マイシン−プラディマイシン群抗生物質の2位のカルボ
キシル基に結合するアミノ酸を化学的に変換して、新規
でより優れた抗かび性抗生物質を提供することにある。
本発明においては、ベナノマイシンAの2位のカルボキ
シル基に結合するアミノ酸がトレオニン、アロトレオニ
ン、ブチリンまたはアミノマロン酸に転換されてある新
規なデスアラニンベナノマイシンA誘導体、ならびにそ
れらの製造法を提供する。さらに、これらのアミノ酸に
D、Lがある場合はD−体であることが抗かび活性に好
ましい。また、本発明はべナノマイシンAの2位のカル
ボキシル基に結合するアミノ酸が前記の種類のアミノ酸
に転換されてあるものの他に、グリシン、アラニンおよ
びセリンである既知のデスアラニンベナノマイシンA誘
導体またはベナノマイシンAそれ自体の合成法も包含す
る。
マイシン−プラディマイシン群抗生物質の2位のカルボ
キシル基に結合するアミノ酸を化学的に変換して、新規
でより優れた抗かび性抗生物質を提供することにある。
本発明においては、ベナノマイシンAの2位のカルボキ
シル基に結合するアミノ酸がトレオニン、アロトレオニ
ン、ブチリンまたはアミノマロン酸に転換されてある新
規なデスアラニンベナノマイシンA誘導体、ならびにそ
れらの製造法を提供する。さらに、これらのアミノ酸に
D、Lがある場合はD−体であることが抗かび活性に好
ましい。また、本発明はべナノマイシンAの2位のカル
ボキシル基に結合するアミノ酸が前記の種類のアミノ酸
に転換されてあるものの他に、グリシン、アラニンおよ
びセリンである既知のデスアラニンベナノマイシンA誘
導体またはベナノマイシンAそれ自体の合成法も包含す
る。
【0007】本発明者らは、上記の目的を達成するため
に、特開平1−121293号公報に記載される通り、
放線菌アクチノマジュラ・スパジックスMH193−1
6F4株(微工研条寄第2051号)の培養によって得
られる次式(A) で表わされるベナノマイシンA[ベナノマイシンAは前
記の一般式(I)でRがメチル基で立体化学が(2′
R)である場合に相当する化合物である]を原料として
用い、ベナノマイシンAの2位カルボキシル基にアミド
結合したアミノ酸、すなわちアラニン部分を脱除すれ
ば、次式(II) で示されるデスアラニンベナノマイシンAが製造でき、
このデスアラニンベナノマイシンAは、これの2位カル
ボキシル基に各種のアミノ酸をアミド結合することによ
りデスアラニンベナノマイシンAから、これの各種のア
ミド誘導体を合成できると予想した。しかしながら、単
にベナノマイシンAを通常の加水分解などの条件で、直
接そのアミド結合を解裂する反応を試みたが、デスアラ
ニンベナノマイシンAの合成に満足する結果は得られな
かった。
に、特開平1−121293号公報に記載される通り、
放線菌アクチノマジュラ・スパジックスMH193−1
6F4株(微工研条寄第2051号)の培養によって得
られる次式(A) で表わされるベナノマイシンA[ベナノマイシンAは前
記の一般式(I)でRがメチル基で立体化学が(2′
R)である場合に相当する化合物である]を原料として
用い、ベナノマイシンAの2位カルボキシル基にアミド
結合したアミノ酸、すなわちアラニン部分を脱除すれ
ば、次式(II) で示されるデスアラニンベナノマイシンAが製造でき、
このデスアラニンベナノマイシンAは、これの2位カル
ボキシル基に各種のアミノ酸をアミド結合することによ
りデスアラニンベナノマイシンAから、これの各種のア
ミド誘導体を合成できると予想した。しかしながら、単
にベナノマイシンAを通常の加水分解などの条件で、直
接そのアミド結合を解裂する反応を試みたが、デスアラ
ニンベナノマイシンAの合成に満足する結果は得られな
かった。
【0008】更に研究を進めた結果、本発明者らは、ベ
ナノマイシンAの2位側鎖の末端カルボキシル基をメチ
ル、エチルの如き低級アルキル基またはジフェニルメチ
ル基、あるいはメトキシベンジル基の如き通常のカルボ
キシル保護基としてのエステル形成基で保護し、更に9
個のヒドロキシル基をアセチル基などの通常のヒドロキ
シル保護基で保護した後、メアワイン試薬や五塩化リン
/ピリジン試薬などを使用する既知のイミノエーテル化
反応を行うことによりアミド結合をイミノエーテルに変
換し、次式(B) 〔式中、Eはエステル形成基、R'はヒドロキシル保護
基、R"は使用するメアワイン試薬によって決まる低級
アルキル基を表わす〕で示すイミノエーテルの保護体を
調製できることを見出した。
ナノマイシンAの2位側鎖の末端カルボキシル基をメチ
ル、エチルの如き低級アルキル基またはジフェニルメチ
ル基、あるいはメトキシベンジル基の如き通常のカルボ
キシル保護基としてのエステル形成基で保護し、更に9
個のヒドロキシル基をアセチル基などの通常のヒドロキ
シル保護基で保護した後、メアワイン試薬や五塩化リン
/ピリジン試薬などを使用する既知のイミノエーテル化
反応を行うことによりアミド結合をイミノエーテルに変
換し、次式(B) 〔式中、Eはエステル形成基、R'はヒドロキシル保護
基、R"は使用するメアワイン試薬によって決まる低級
アルキル基を表わす〕で示すイミノエーテルの保護体を
調製できることを見出した。
【0009】次に、式(B)の化合物の6位ヒドロキシ
ル基以外のヒドロキシル基のヒドロキシル保護基とカル
ボキシル保護基を除去すると、次式(C) 〔式中、R'とR"は前記に同じである〕で示すイミノエ
ーテル化合物が得られる。式(C)の化合物を例えばア
セトン−水混液中で加熱還流することにより、イミノエ
ーテル結合の解裂反応ならびに残留したヒドロキシル保
護基の脱離反応にかけると、目的とする式(II)のデス
アラニンベナノマイシンAのエステルを合成することに
成功した。このエステルは通常のアルカリ加水分解によ
って式(II)のデスアラニンベナノマイシンAの遊離酸
または塩に変換できる。
ル基以外のヒドロキシル基のヒドロキシル保護基とカル
ボキシル保護基を除去すると、次式(C) 〔式中、R'とR"は前記に同じである〕で示すイミノエ
ーテル化合物が得られる。式(C)の化合物を例えばア
セトン−水混液中で加熱還流することにより、イミノエ
ーテル結合の解裂反応ならびに残留したヒドロキシル保
護基の脱離反応にかけると、目的とする式(II)のデス
アラニンベナノマイシンAのエステルを合成することに
成功した。このエステルは通常のアルカリ加水分解によ
って式(II)のデスアラニンベナノマイシンAの遊離酸
または塩に変換できる。
【0010】更に、式(II)のデスアラニンベナノマイ
シンAの9個のヒドロキシル基を、低級アルカノイル
基、例えばアセチル基又はアロイル基、例えばベンゾイ
ル基などよりなる通常のヒドロキシル保護基で保護し、
その後、得られた保護体を次式(III) 〔式中、Raは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基ま
たは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わし、
R'は低級アルキル基を表わす〕で示されるアミノ酸エ
ステルと既知のアミド形成反応によって縮合し、その縮
合生成物からヒドロキシル保護基およびカルボキシル保
護基を除去すると、次の一般式(Ia) 〔式中、Raは水素原子、炭素数が1〜5であるアルキ
ル基または炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル
基、カルボキシル基、あるいは低級アルコキシカルボニ
ル基を表わす〕で示されるデスアラニンベナノマイシン
A誘導体が合成できた。
シンAの9個のヒドロキシル基を、低級アルカノイル
基、例えばアセチル基又はアロイル基、例えばベンゾイ
ル基などよりなる通常のヒドロキシル保護基で保護し、
その後、得られた保護体を次式(III) 〔式中、Raは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基ま
たは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わし、
R'は低級アルキル基を表わす〕で示されるアミノ酸エ
ステルと既知のアミド形成反応によって縮合し、その縮
合生成物からヒドロキシル保護基およびカルボキシル保
護基を除去すると、次の一般式(Ia) 〔式中、Raは水素原子、炭素数が1〜5であるアルキ
ル基または炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル
基、カルボキシル基、あるいは低級アルコキシカルボニ
ル基を表わす〕で示されるデスアラニンベナノマイシン
A誘導体が合成できた。
【0011】一般式(Ia)のデスアラニンベナノマイシ
ンA誘導体のうち、Ra が水素原子、メチル基またはヒ
ドロキシメチル基である場合の化合物は既知の化合物で
ある。
ンA誘導体のうち、Ra が水素原子、メチル基またはヒ
ドロキシメチル基である場合の化合物は既知の化合物で
ある。
【0012】他方、一般式(Ia)の誘導体のうち、Ra
が炭素数2〜5のアルキル基、炭素数2〜5のヒドロキ
シアルキル基、カルボキシル基または低級(C1 〜
C6 )アルコキシ−カルボニル基である場合の化合物は
新規な化合物であって、これら新規な化合物は抗かび活
性を有することが本発明者らにより知見された。上記の
諸知見に基づいて、本発明は完成された。
が炭素数2〜5のアルキル基、炭素数2〜5のヒドロキ
シアルキル基、カルボキシル基または低級(C1 〜
C6 )アルコキシ−カルボニル基である場合の化合物は
新規な化合物であって、これら新規な化合物は抗かび活
性を有することが本発明者らにより知見された。上記の
諸知見に基づいて、本発明は完成された。
【0013】従って、第1の本発明の要旨とするところ
は、一般式(I) [式中、Rは炭素数が2−5であるアルキル基または炭
素数が2〜5であるヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わす]で
示される新規な抗かび性抗生物質デスアラニンベナノマ
イシンA誘導体またはそれらの塩である。
は、一般式(I) [式中、Rは炭素数が2−5であるアルキル基または炭
素数が2〜5であるヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わす]で
示される新規な抗かび性抗生物質デスアラニンベナノマ
イシンA誘導体またはそれらの塩である。
【0014】一般式(I)の誘導体は下記のD−トレオ
ニン誘導体、D−アロトレオニン誘導体、D−ブチリン
誘導体およびアミノマロン酸誘導体を包含する。
ニン誘導体、D−アロトレオニン誘導体、D−ブチリン
誘導体およびアミノマロン酸誘導体を包含する。
【0015】[A]理化学的性状 1、D−トレオニン誘導体[一般式(I)においてRが
−CH(OH)CH3 でその立体化学が(2′R,3′
S)]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C40H43NO20 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 857
(M- ) (4)融点:>220℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):230,288,305,465. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
00,2920,1726,1628,1608,14
47,1431,1377,1334,1298,12
56,1236,1209,1163,1076,10
45,997,970。
−CH(OH)CH3 でその立体化学が(2′R,3′
S)]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C40H43NO20 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 857
(M- ) (4)融点:>220℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):230,288,305,465. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
00,2920,1726,1628,1608,14
47,1431,1377,1334,1298,12
56,1236,1209,1163,1076,10
45,997,970。
【0016】(7)1 H NMRスペクトル(400M
Hz,DMSO−d6 ):12.80(1H),8.0
9(1H),7.73(1H),7.30(1H),
7.22(1H),6.92(1H),4.63(1
H),4.60(1H),4.53(1H),4.42
(2H),4.18(1H),3.95(3H),3.
71(2H),3.55(2H),3.30(1H),
3.1(3H),2.35(3H),1.20(3
H),1.14(3H). (8)13C NMRスペクトル(100MHz, DM
SO−d6 ):187.4,184.9,171.7,
167.2,165.9,164.6,156.8,1
51.0,147.8,138.1,137.3,13
4.3,131.3,127.3,125.5,11
5.5,113.7,110.0,107.5,10
6.8,105.1,104.3,82.9,75.
9,73.5,70.3,70.0,69.3,66.
4,65.5,57.9,56.3,20.2,19.
2,16.2。
Hz,DMSO−d6 ):12.80(1H),8.0
9(1H),7.73(1H),7.30(1H),
7.22(1H),6.92(1H),4.63(1
H),4.60(1H),4.53(1H),4.42
(2H),4.18(1H),3.95(3H),3.
71(2H),3.55(2H),3.30(1H),
3.1(3H),2.35(3H),1.20(3
H),1.14(3H). (8)13C NMRスペクトル(100MHz, DM
SO−d6 ):187.4,184.9,171.7,
167.2,165.9,164.6,156.8,1
51.0,147.8,138.1,137.3,13
4.3,131.3,127.3,125.5,11
5.5,113.7,110.0,107.5,10
6.8,105.1,104.3,82.9,75.
9,73.5,70.3,70.0,69.3,66.
4,65.5,57.9,56.3,20.2,19.
2,16.2。
【0017】このD−トレオニン誘導体は(2′R,
3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンAと命名できる新規化合物である。
3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンAと命名できる新規化合物である。
【0018】2、D−アロトレオニン誘導体[一般式
(I)においてRが−CH(OH)CH3 でその立体化
学が(2′R,3′R)]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C40H43NO20 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 857
(M- ) (4)融点:>223℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):235,288,310,460. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
50,1734,1645,1448,1394,13
34,1298,1257,1236,1209,11
65,1076,999,970。
(I)においてRが−CH(OH)CH3 でその立体化
学が(2′R,3′R)]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C40H43NO20 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 857
(M- ) (4)融点:>223℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):235,288,310,460. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
50,1734,1645,1448,1394,13
34,1298,1257,1236,1209,11
65,1076,999,970。
【0019】(7)1 H NMRスペクトル(270M
Hz,DMSO−d6 ):12.80(1H),8.1
7(1H),8.09(1H),7.31(1H),
7.21(1H),6.93(1H),4.62(1
H),4.58(1H),4.53(1H),4.42
(2H),3.96(4H),3.73(2H),3.
62(3H),3.30(1H),3.1(3H),
2.31(3H),1.20(3H),1.13(3
H). (8)13C NMRスペクトル(67.5MHz, D
MSO−d6 ):186.4,185.2,171.
6,167.2,166.3,164.5,158.
0,152.0,147.2,138.0,137.
2,134.8,131.3,127.1,126.
5,115.9,114.3,110.0,107.
2,106.4,105.1,104.4,82.9,
75.9,73.5,70.3,70.0,69.3,
66.6,65.5,58.6,56.2,19.9,
19.3,16.2。
Hz,DMSO−d6 ):12.80(1H),8.1
7(1H),8.09(1H),7.31(1H),
7.21(1H),6.93(1H),4.62(1
H),4.58(1H),4.53(1H),4.42
(2H),3.96(4H),3.73(2H),3.
62(3H),3.30(1H),3.1(3H),
2.31(3H),1.20(3H),1.13(3
H). (8)13C NMRスペクトル(67.5MHz, D
MSO−d6 ):186.4,185.2,171.
6,167.2,166.3,164.5,158.
0,152.0,147.2,138.0,137.
2,134.8,131.3,127.1,126.
5,115.9,114.3,110.0,107.
2,106.4,105.1,104.4,82.9,
75.9,73.5,70.3,70.0,69.3,
66.6,65.5,58.6,56.2,19.9,
19.3,16.2。
【0020】このD−アロトレオニン誘導体は(2′
R,3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノ
マイシンAと命名できる新規化合物である。
R,3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノ
マイシンAと命名できる新規化合物である。
【0021】3、D−ブチリン誘導体[一般式(I)に
おいてRが−CH2 CH3 でその立体化学が(2′
R)]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C40H43NO19 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 841
(M- ) (4)融点:228−234℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):270,295,490. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
15,1734,1626,1446,1385,13
34,1296,1259,1209,1165,10
74,1045,999,968。
おいてRが−CH2 CH3 でその立体化学が(2′
R)]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C40H43NO19 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 841
(M- ) (4)融点:228−234℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):270,295,490. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
15,1734,1626,1446,1385,13
34,1296,1259,1209,1165,10
74,1045,999,968。
【0022】(7)1 H NMRスペクトル(270M
Hz,DMSO−d6 ):12.8(1H),8.30
(1H),8.10(1H),7.32(1H),7.
22(1H),6.93(1H),1.13(3H),
0.97(3H). (8)13C NMRスペクトル(67.5MHz, D
MSO−d6 ):188.0,185.5,173.
8,167.7,166.5,165.2,157.
3,156.5,151.5,138.4,137.
8,134.9,131.8,127.7,126.
1,119.2,116.1,114.1,110.
6,108.1,107.4,105.7,76.5,
74.0,72.4,71.5,70.8,70.6,
69.9,66.1,56.9,54.0,24.6,
19.6,16.8,10.9。
Hz,DMSO−d6 ):12.8(1H),8.30
(1H),8.10(1H),7.32(1H),7.
22(1H),6.93(1H),1.13(3H),
0.97(3H). (8)13C NMRスペクトル(67.5MHz, D
MSO−d6 ):188.0,185.5,173.
8,167.7,166.5,165.2,157.
3,156.5,151.5,138.4,137.
8,134.9,131.8,127.7,126.
1,119.2,116.1,114.1,110.
6,108.1,107.4,105.7,76.5,
74.0,72.4,71.5,70.8,70.6,
69.9,66.1,56.9,54.0,24.6,
19.6,16.8,10.9。
【0023】このD−ブチリン誘導体は(2′R)−
3′−メチルベナノマイシンAと命名できる新規化合物
である。
3′−メチルベナノマイシンAと命名できる新規化合物
である。
【0024】4、アミノマロン酸誘導体[一般式(I)
においてRが−COOH]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C39H37NO21Na2 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 901
(M- ) (4)融点:216−218℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):240,274,323,498. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
00,1618,1491,1442,1385,13
32,1296,1260,1163,1074,10
44,995,966。
においてRが−COOH]の理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C39H37NO21Na2 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 901
(M- ) (4)融点:216−218℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax, nm
):240,274,323,498. (6)赤外部吸収スペクトル(KBr,cm-1):34
00,1618,1491,1442,1385,13
32,1296,1260,1163,1074,10
44,995,966。
【0025】(7)1 H NMRスペクトル(270M
Hz,D2 O):8.05(1H),7.66(1H),
7.45(1H),7.05(1H),5.23(1
H),5.19(1H),5.14(1H),5.03
(1H),4.99(1H),4.3(4H),4.2
1(1H),4.15(1H),4.1−3.9(3
H),3.83(1H),3.71(1H),3.67
(1H),2.63(3H),1.55(3H) (8)13C NMRスペクトル(67.5MHz, D
2 O−d6 ):188.2,184.6,175.4,
172.0,165.1,156.0,144.1,1
40.9,138.2,137.4,130.4,12
9.8,122.9,122.0,120.5,11
6.5,115.8,111.5,105.7,10
4.6,103.9,83.7,81.4,77.1,
74.7,72.5,72.1,71.4,70.7,
66.5,56.8,19.5,16.6。
Hz,D2 O):8.05(1H),7.66(1H),
7.45(1H),7.05(1H),5.23(1
H),5.19(1H),5.14(1H),5.03
(1H),4.99(1H),4.3(4H),4.2
1(1H),4.15(1H),4.1−3.9(3
H),3.83(1H),3.71(1H),3.67
(1H),2.63(3H),1.55(3H) (8)13C NMRスペクトル(67.5MHz, D
2 O−d6 ):188.2,184.6,175.4,
172.0,165.1,156.0,144.1,1
40.9,138.2,137.4,130.4,12
9.8,122.9,122.0,120.5,11
6.5,115.8,111.5,105.7,10
4.6,103.9,83.7,81.4,77.1,
74.7,72.5,72.1,71.4,70.7,
66.5,56.8,19.5,16.6。
【0026】このアミノマロン酸誘導体は、2′−カル
ボキシ−2′−デメチルベナノマイシンAと命名できる
新規化合物である。
ボキシ−2′−デメチルベナノマイシンAと命名できる
新規化合物である。
【0027】[B]生物活性 本発明による一般式(I)の新規なデスアラニンベナノ
マイシンA誘導体の各種かび類に対する活性を、1%グ
ルコース添加栄養寒天培地による倍数希釈法(27℃、
42時間)で測定し、その最小発育阻止濃度(μg/m
l)を次の表1に示した。
マイシンA誘導体の各種かび類に対する活性を、1%グ
ルコース添加栄養寒天培地による倍数希釈法(27℃、
42時間)で測定し、その最小発育阻止濃度(μg/m
l)を次の表1に示した。
【0028】
【0029】第2の本発明の要旨においては、次式(I
I) で表わされるデスアラニンベナノマイシンAの9個のヒ
ドロキシル基を低級アルカノイル基又はアロイル基から
なるヒドロキシル保護基で保護し、得られた保護体を次
式(III) 〔式中、Raは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基ま
たは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わし、
R'は低級アルキル基を表わす〕で示されるアミノ酸エ
ステルと既知のアミド形成反応によって縮合し、その縮
合生成物からヒドロキシル保護基およびカルボキシル保
護基ならびに低級アルキル基R'を除去することから成
る、一般式(Ia) 〔式中、Raは水素原子、炭素数が1〜5であるアルキ
ル基または炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル
基、カルボキシル基、あるいは低級アルコキシカルボニ
ル基を表わす〕で示される抗かび性抗生物質デスアラニ
ンベナノマイシンA誘導体を生成することを特徴とす
る、一般式(Ia)の抗がび性抗生物質デスアラニンベナ
ノマイシンA誘導体の製造法が提供される。
I) で表わされるデスアラニンベナノマイシンAの9個のヒ
ドロキシル基を低級アルカノイル基又はアロイル基から
なるヒドロキシル保護基で保護し、得られた保護体を次
式(III) 〔式中、Raは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基ま
たは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わし、
R'は低級アルキル基を表わす〕で示されるアミノ酸エ
ステルと既知のアミド形成反応によって縮合し、その縮
合生成物からヒドロキシル保護基およびカルボキシル保
護基ならびに低級アルキル基R'を除去することから成
る、一般式(Ia) 〔式中、Raは水素原子、炭素数が1〜5であるアルキ
ル基または炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル
基、カルボキシル基、あるいは低級アルコキシカルボニ
ル基を表わす〕で示される抗かび性抗生物質デスアラニ
ンベナノマイシンA誘導体を生成することを特徴とす
る、一般式(Ia)の抗がび性抗生物質デスアラニンベナ
ノマイシンA誘導体の製造法が提供される。
【0030】上記の方法において、デスアラニンベナノ
マイシンAのヒドロキシル基の保護基としては、通常の
保護基が使用されるが、脱保護が容易でさらにカルボキ
シル基の保護基と同時に除去できることが望ましく、例
えばアルカリ加水分解で除去できるアセチル保護基の使
用が好ましい。アミド形成反応としては、アジド法、酸
クロリド法、酸無水物法、活性エステル法などの既知の
方法が用いられる。特に、N−ヒドロキシサクシンイミ
ドや1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどを用いる活
性エステル法が好ましい。
マイシンAのヒドロキシル基の保護基としては、通常の
保護基が使用されるが、脱保護が容易でさらにカルボキ
シル基の保護基と同時に除去できることが望ましく、例
えばアルカリ加水分解で除去できるアセチル保護基の使
用が好ましい。アミド形成反応としては、アジド法、酸
クロリド法、酸無水物法、活性エステル法などの既知の
方法が用いられる。特に、N−ヒドロキシサクシンイミ
ドや1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどを用いる活
性エステル法が好ましい。
【0031】アミド形成反応の反応液中より目的とする
一般式(Ia)のデスアラニンベナノマイシンA誘導体を
採取するには、必要に応じてその性状を利用した通常の
精製手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、吸着
または分配クロマト法、ゲル濾過法、透析法、沈殿法な
どを単独でまたは適宜組み合わせて行なうことができ
る。
一般式(Ia)のデスアラニンベナノマイシンA誘導体を
採取するには、必要に応じてその性状を利用した通常の
精製手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、吸着
または分配クロマト法、ゲル濾過法、透析法、沈殿法な
どを単独でまたは適宜組み合わせて行なうことができ
る。
【0032】このようにして得られた一般式(Ia)のデ
スアラニンベナノマイシンA誘導体は遊離の形で分離す
ることができ、またデスアラニンベナノマイシンA誘導
体を含有する溶液またはその濃縮液を塩基、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合
物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアル
カリ土類金属化合物、アンモニウム塩などのような無機
塩基、エタノールアミン、トリエチルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミンなどの有機塩基により、精製の各工程の
操作中に処理した場合、デスアラニンベナノマイシンA
誘導体は対応するその塩類の形に変化して分離される。
スアラニンベナノマイシンA誘導体は遊離の形で分離す
ることができ、またデスアラニンベナノマイシンA誘導
体を含有する溶液またはその濃縮液を塩基、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合
物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアル
カリ土類金属化合物、アンモニウム塩などのような無機
塩基、エタノールアミン、トリエチルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミンなどの有機塩基により、精製の各工程の
操作中に処理した場合、デスアラニンベナノマイシンA
誘導体は対応するその塩類の形に変化して分離される。
【0033】また別に、このようにして製造された一般
式(Ia)のデスアラニンベナノマイシンA誘導体の塩類
は、常法により遊離の形、すなわちデスアラニンベナノ
マイシンA誘導体それ自体に変化させることができる。
さらに遊離の形で得られたデスアラニンベナノマイシン
A誘導体を前記の塩基で常法により対応するそれらの塩
類に変化させてもよい。従って、一般式(Ia)及び一般
式(I)のデスアラニンベナノマイシンA誘導体と同様
に前記のようなそれらの塩類も、この発明の範囲内に含
まれるものとする。
式(Ia)のデスアラニンベナノマイシンA誘導体の塩類
は、常法により遊離の形、すなわちデスアラニンベナノ
マイシンA誘導体それ自体に変化させることができる。
さらに遊離の形で得られたデスアラニンベナノマイシン
A誘導体を前記の塩基で常法により対応するそれらの塩
類に変化させてもよい。従って、一般式(Ia)及び一般
式(I)のデスアラニンベナノマイシンA誘導体と同様
に前記のようなそれらの塩類も、この発明の範囲内に含
まれるものとする。
【0034】第3の本発明の要旨とするところは、本発
明における抗かび性抗生物質デスアラニンベナノマイシ
ンA誘導体の合成中間体として有用である次式(II) で示されるデスアラニンベナノマイシンAおよびその塩
またはエステル、特にアルキルエステルである。
明における抗かび性抗生物質デスアラニンベナノマイシ
ンA誘導体の合成中間体として有用である次式(II) で示されるデスアラニンベナノマイシンAおよびその塩
またはエステル、特にアルキルエステルである。
【0035】1、デスアラニンベナノマイシンAの理化
学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C36H36O18 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 756
(M- ) (4)融点:>220℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル: (6)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1):342
2,2984,2930,1746,1608,144
7,1385,1334,1259,1163,107
4,1045,999,968。
学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C36H36O18 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 756
(M- ) (4)融点:>220℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル: (6)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1):342
2,2984,2930,1746,1608,144
7,1385,1334,1259,1163,107
4,1045,999,968。
【0036】(7)1 H NMRスペクトル(400M
Hz,DMSO−d6 ,δ ppm):12.83(1
H),8.00(1H),7.26(1H),7.18
(1H),6.91(1H),6.12(1H),4.
62(2H),4.51(1H),4.40(1H),
3.93(3H),3.68(2H),3.58(2
H),3.52(1H),3.27(1H),3.08
(4H),2.45(3H),1.10(3H). (8)13C NMRスペクトル(100MHz, DMS
O−d6 ,δ ppm):187.0,185.1,1
71.1,165.9,164.6,157.6,15
5.5,147.4,140.6,139.4,13
4.5,131.4,125.3,118.2(x
2),115.4,114.8,114.2,110.
0,107.3,106.6,105.0,104.
2,82.8,81.3,75.9,73.5,71.
6,70.3,70.0,69.9,69.3,65.
5,56.2,21.5,16.2。
Hz,DMSO−d6 ,δ ppm):12.83(1
H),8.00(1H),7.26(1H),7.18
(1H),6.91(1H),6.12(1H),4.
62(2H),4.51(1H),4.40(1H),
3.93(3H),3.68(2H),3.58(2
H),3.52(1H),3.27(1H),3.08
(4H),2.45(3H),1.10(3H). (8)13C NMRスペクトル(100MHz, DMS
O−d6 ,δ ppm):187.0,185.1,1
71.1,165.9,164.6,157.6,15
5.5,147.4,140.6,139.4,13
4.5,131.4,125.3,118.2(x
2),115.4,114.8,114.2,110.
0,107.3,106.6,105.0,104.
2,82.8,81.3,75.9,73.5,71.
6,70.3,70.0,69.9,69.3,65.
5,56.2,21.5,16.2。
【0037】2、デスアラニンベナノマイシンAメチル
エステルの理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C37H38O18 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 770
(M- ) (4)融点:199−206℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax,
nm):235,285,470. (6)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1):342
5,1720,1624,1447,1387,126
0,1163,1070. (7)1 H NMRスペクトル(400MHz,DMS
O−d6 ,δ ppm):12.80(1H),8.00
(1H),7.26(1H),7.17(1H),6.
90(1H),6.07(1H),5.68(1H),
5.0(3H),4.62(3H),4.49(2
H),4.40(1H),3.94(3H),3.82
(3H),3.69(2H),3.60(2H),3.
52(1H),3.3(1H),3.08(4H),
2.25(3H),1.10(3H). (8)13C NMRスペクトル(100MHz, DMS
O−d6 ,δ ppm):186.5,185.4,1
68.8,166.0,164.6,147.1,13
9.3,134.6,131.7,123.0,11
5.9,114.5,110.1,107.4,10
6.5,105.4,83.1,76.1,73.7,
71.8,70.4,70.1,69.4,65.7,
56.4,52.0,19.7,16.4。
エステルの理化学的性状 (1)色および形状:赤色粉末 (2)分子式:C37H38O18 (3)マススペクトル(FABMS):m/z 770
(M- ) (4)融点:199−206℃(分解) (5)紫外部および可視部吸収スペクトル(λmax,
nm):235,285,470. (6)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1):342
5,1720,1624,1447,1387,126
0,1163,1070. (7)1 H NMRスペクトル(400MHz,DMS
O−d6 ,δ ppm):12.80(1H),8.00
(1H),7.26(1H),7.17(1H),6.
90(1H),6.07(1H),5.68(1H),
5.0(3H),4.62(3H),4.49(2
H),4.40(1H),3.94(3H),3.82
(3H),3.69(2H),3.60(2H),3.
52(1H),3.3(1H),3.08(4H),
2.25(3H),1.10(3H). (8)13C NMRスペクトル(100MHz, DMS
O−d6 ,δ ppm):186.5,185.4,1
68.8,166.0,164.6,147.1,13
9.3,134.6,131.7,123.0,11
5.9,114.5,110.1,107.4,10
6.5,105.4,83.1,76.1,73.7,
71.8,70.4,70.1,69.4,65.7,
56.4,52.0,19.7,16.4。
【0038】第4の本発明の要旨においては、次式
(A) で表されるベナノマイシンAの2位側鎖の末端カルボキ
シル基をカルボキシル保護基で保護し、更にベナノマイ
シンAの9個のヒドロキシル基をヒドロキシル保護基で
保護した後、メアワイン試薬との既知のイミノエーテル
化反応にかけることによりベナノマイシンAのアミド結
合をイミノエーテルに変換し、これにより式(B) 〔式中、Eはエステル形成基の形のカルボキシル保護基
であり、R'はヒドロキシル保護基であり、R"は使用す
るメアワイン試薬によって決まる低級アルキル基を表わ
す〕で示されるイミノエーテルの保護体を調製し、次
に、式(B)の化合物の6位ヒドロキシル基以外のヒド
ロキシル基のヒドロキシル保護基(R')とカルボキシ
ル保護基(E)を除去して、次式(C) 〔式中、R'とR"は前記に同じである〕で示すイミノエ
ーテル化合物を生成し、さらに(C)の化合物をアセト
ン−水混液中で加熱還流することにより、イミノエーテ
ル結合の解裂反応ならびに残留したヒドロキシル保護基
の脱離反応にかけて、次式(II) で表わされるデスアラニンベナノマイシンAを生成する
ことを特徴とする、式(II)のデスアラニンベナノマイ
シンAの製造法が提供される。
(A) で表されるベナノマイシンAの2位側鎖の末端カルボキ
シル基をカルボキシル保護基で保護し、更にベナノマイ
シンAの9個のヒドロキシル基をヒドロキシル保護基で
保護した後、メアワイン試薬との既知のイミノエーテル
化反応にかけることによりベナノマイシンAのアミド結
合をイミノエーテルに変換し、これにより式(B) 〔式中、Eはエステル形成基の形のカルボキシル保護基
であり、R'はヒドロキシル保護基であり、R"は使用す
るメアワイン試薬によって決まる低級アルキル基を表わ
す〕で示されるイミノエーテルの保護体を調製し、次
に、式(B)の化合物の6位ヒドロキシル基以外のヒド
ロキシル基のヒドロキシル保護基(R')とカルボキシ
ル保護基(E)を除去して、次式(C) 〔式中、R'とR"は前記に同じである〕で示すイミノエ
ーテル化合物を生成し、さらに(C)の化合物をアセト
ン−水混液中で加熱還流することにより、イミノエーテ
ル結合の解裂反応ならびに残留したヒドロキシル保護基
の脱離反応にかけて、次式(II) で表わされるデスアラニンベナノマイシンAを生成する
ことを特徴とする、式(II)のデスアラニンベナノマイ
シンAの製造法が提供される。
【0039】この第4の本発明の方法の一実施法におい
ては、前記の式(A)で表わされるベナノマイシンAの
カルボキシル基をメチル、エチル、メトキシベンジル、
ジフェニルメチルなどの通常のエステル形成基で保護
し、続いて9個のヒドロキシル基をアセチル基などの通
常の保護基で保護し、こうして得られた保護体をメアワ
イン試薬や五塩化リン/ピリジン試薬などを使用する既
知のイミノエーテル化反応にかけ、これによってアミド
結合をイミノエーテルに変換し、次式(IV) [式中、Rb はエステル形成基、R′はヒドロキシル保
護基、R″は使用するメアワイン試薬によってきまる低
級アルキル基を表わす]で示すイミノエーテルの保護体
を生成し、次いでそのヒドロキシル基とカルボキシル基
の保護基を除去して前記の式(C)の化合物を生成し、
さらにこの化合物のイミノエーテルの解裂反応を行うこ
とから成る式(II)のデスアラニンベナノマイシンAの
エステルの合成法を包含する。このエステルは通常のア
ルカリ加水分解によって式(II)で表わされるデスアラ
ニンベナノマイシンAの遊離酸または塩に変換できる。
ては、前記の式(A)で表わされるベナノマイシンAの
カルボキシル基をメチル、エチル、メトキシベンジル、
ジフェニルメチルなどの通常のエステル形成基で保護
し、続いて9個のヒドロキシル基をアセチル基などの通
常の保護基で保護し、こうして得られた保護体をメアワ
イン試薬や五塩化リン/ピリジン試薬などを使用する既
知のイミノエーテル化反応にかけ、これによってアミド
結合をイミノエーテルに変換し、次式(IV) [式中、Rb はエステル形成基、R′はヒドロキシル保
護基、R″は使用するメアワイン試薬によってきまる低
級アルキル基を表わす]で示すイミノエーテルの保護体
を生成し、次いでそのヒドロキシル基とカルボキシル基
の保護基を除去して前記の式(C)の化合物を生成し、
さらにこの化合物のイミノエーテルの解裂反応を行うこ
とから成る式(II)のデスアラニンベナノマイシンAの
エステルの合成法を包含する。このエステルは通常のア
ルカリ加水分解によって式(II)で表わされるデスアラ
ニンベナノマイシンAの遊離酸または塩に変換できる。
【0040】上記の方法において、イミノエーテル化反
応に使用するメアワイン試薬としては、メチル、エチル
などの低級アルキル基を有するトリアルキルオキソニウ
ムテトラフルオロボラートが使用され、そのアルキル基
によって生成するイミノエーテルのアルキル基[式(I
V)におけるR″]が規定される。式(IV)の化合物の
イミノエーテルの解裂反応は脱保護反応後に行なうのが
好ましく、含水溶媒、例えばアセトン水、メタノール水
中で加熱還流して行なわれる。反応液中より目的とする
式(II)のデスアラニンベナノマイシンAの遊離酸また
はエステルを採取するには、必要に応じてその性状を利
用した通常の精製手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換
樹脂法、吸着または分配クロマト法、ゲル濾過法、透析
法、沈殿法などを単独でまたは適宜組み合わせて行なう
ことができる。
応に使用するメアワイン試薬としては、メチル、エチル
などの低級アルキル基を有するトリアルキルオキソニウ
ムテトラフルオロボラートが使用され、そのアルキル基
によって生成するイミノエーテルのアルキル基[式(I
V)におけるR″]が規定される。式(IV)の化合物の
イミノエーテルの解裂反応は脱保護反応後に行なうのが
好ましく、含水溶媒、例えばアセトン水、メタノール水
中で加熱還流して行なわれる。反応液中より目的とする
式(II)のデスアラニンベナノマイシンAの遊離酸また
はエステルを採取するには、必要に応じてその性状を利
用した通常の精製手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換
樹脂法、吸着または分配クロマト法、ゲル濾過法、透析
法、沈殿法などを単独でまたは適宜組み合わせて行なう
ことができる。
【0041】このようにして得られた式(II)のデスア
ラニンベナノマイシンAは遊離の形で分離することがで
き、またデスアラニンベナノマイシンAを含有する溶液
またはその濃縮液を塩基、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属化合
物、アンモニウム塩などのような無機塩基、エタノール
アミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミンな
どの有機塩基により、精製の各工程の操作中に処理した
場合、デスアラニンベナノマイシンAは対応するその塩
類の形に変化して分離される。
ラニンベナノマイシンAは遊離の形で分離することがで
き、またデスアラニンベナノマイシンAを含有する溶液
またはその濃縮液を塩基、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属化合
物、アンモニウム塩などのような無機塩基、エタノール
アミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミンな
どの有機塩基により、精製の各工程の操作中に処理した
場合、デスアラニンベナノマイシンAは対応するその塩
類の形に変化して分離される。
【0042】また別に、このようにして製造された式
(II)のデスアラニンベナノマイシンAの塩類は、常法
により遊離の形、すなわちデスアラニンベナノマイシン
Aそれ自体に変化させることができる。さらに遊離の形
で得られたデスアラニンベナノマイシンAを前記の塩基
で常法により対応するそれらの塩類に変化させてもよ
い。従って、デスアラニンベナノマイシンAと同様に前
記のようなそれらの塩類も、この発明の範囲内に含まれ
るものとする。また、デスアラニンベナノマイシンAは
メタノール、エタノールなどの低級アルカノールと反応
させると、そのカルボキシル基が対応する低級アルキル
エステルとなる。
(II)のデスアラニンベナノマイシンAの塩類は、常法
により遊離の形、すなわちデスアラニンベナノマイシン
Aそれ自体に変化させることができる。さらに遊離の形
で得られたデスアラニンベナノマイシンAを前記の塩基
で常法により対応するそれらの塩類に変化させてもよ
い。従って、デスアラニンベナノマイシンAと同様に前
記のようなそれらの塩類も、この発明の範囲内に含まれ
るものとする。また、デスアラニンベナノマイシンAは
メタノール、エタノールなどの低級アルカノールと反応
させると、そのカルボキシル基が対応する低級アルキル
エステルとなる。
【0043】以下に本発明の実施例を示すが、デスアラ
ニンベナノマイシンAおよびそのアミド誘導体の性状が
本発明によって明らかにされたので、それらの性状に基
づきデスアラニンベナノマイシンAおよびそのアミド誘
導体の製造法を種々考案することができる。
ニンベナノマイシンAおよびそのアミド誘導体の性状が
本発明によって明らかにされたので、それらの性状に基
づきデスアラニンベナノマイシンAおよびそのアミド誘
導体の製造法を種々考案することができる。
【0044】従って、本発明は実施例に限定されるもの
ではなく、実施例の修飾手段は勿論、本発明によって明
らかにされたデスアラニンベナノマイシンAおよびその
アミノ酸誘導体の性状に基づいて公知の手段を施してデ
スアラニンベナノマイシンAおよびそのアミド誘導体を
生成、抽出、精製する方法をすべて包括する。
ではなく、実施例の修飾手段は勿論、本発明によって明
らかにされたデスアラニンベナノマイシンAおよびその
アミノ酸誘導体の性状に基づいて公知の手段を施してデ
スアラニンベナノマイシンAおよびそのアミド誘導体を
生成、抽出、精製する方法をすべて包括する。
【0045】実施例1 デスアラニンベナノマイシンAメチルエステルの製造 (a)ベナノマイシンAジフェニルメチルエステルの生
成 ベナノマイシンA遊離酸[特開平1−121293号]
3.0gをジメチルホルムアミド(DMF)50ml、
メタノール50mlの混液に懸濁し、室温下ジフェニル
ジアゾメタン1.1gを加え一夜撹拌した。反応液を減
圧下に約半量まで濃縮し、水を200ml加え析出した
赤色固体を濾取した。このようにして得られた赤色固体
を酢酸エチル200mlと水200mlの混液に加え3
0分間激しく撹拌した。不溶の赤色固体を濾取し水で洗
浄して標題化合物3.02gを得た。FABMS:99
3(M- )。
成 ベナノマイシンA遊離酸[特開平1−121293号]
3.0gをジメチルホルムアミド(DMF)50ml、
メタノール50mlの混液に懸濁し、室温下ジフェニル
ジアゾメタン1.1gを加え一夜撹拌した。反応液を減
圧下に約半量まで濃縮し、水を200ml加え析出した
赤色固体を濾取した。このようにして得られた赤色固体
を酢酸エチル200mlと水200mlの混液に加え3
0分間激しく撹拌した。不溶の赤色固体を濾取し水で洗
浄して標題化合物3.02gを得た。FABMS:99
3(M- )。
【0046】(b)ノナ−O−アセチルベナノマイシン
Aジフェニルメチルエステルの生成 前項で得られたベナノマイシンAジフェニルメチルエス
テル3.0gを無水ピリジン120mlに溶解し、無水
酢酸60mlを加え50℃で3時間撹拌した。減圧濃縮
し得られた油状物質に水100mlを加え粉体化した。
これを濾取して水洗を繰り返すことにより黄橙色の固体
の表題のノナ−O−アセチル体4.12gを得た。FA
BMS:1370(M−1)- 。
Aジフェニルメチルエステルの生成 前項で得られたベナノマイシンAジフェニルメチルエス
テル3.0gを無水ピリジン120mlに溶解し、無水
酢酸60mlを加え50℃で3時間撹拌した。減圧濃縮
し得られた油状物質に水100mlを加え粉体化した。
これを濾取して水洗を繰り返すことにより黄橙色の固体
の表題のノナ−O−アセチル体4.12gを得た。FA
BMS:1370(M−1)- 。
【0047】(c)デスアラニンベナノマイシンAメチ
ルエステルの生成 ノナ−O−アセチルベナノマイシンAジフェニルメチル
エステル4.21gを無水ジクロロメタン80mlに溶
解しトリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート
2.27gを加え、室温にて一夜撹拌した。飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液100mlを加え30分間激しく撹
拌した後分液し、有機溶媒層を5%クエン酸、水で順次
洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮
して対応のノナ−O−アセチルイミノエーテル体3.9
9gを得た。
ルエステルの生成 ノナ−O−アセチルベナノマイシンAジフェニルメチル
エステル4.21gを無水ジクロロメタン80mlに溶
解しトリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート
2.27gを加え、室温にて一夜撹拌した。飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液100mlを加え30分間激しく撹
拌した後分液し、有機溶媒層を5%クエン酸、水で順次
洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮
して対応のノナ−O−アセチルイミノエーテル体3.9
9gを得た。
【0048】これをメタノール40mlに溶解させ、1
M水酸化ナトリウム水溶液40mlを加え室温にて一夜
撹拌した。反応液からメタノールを減圧留去した後、氷
冷下で1M塩酸でpH1.6に調整し、析出した橙色固
体を遠心分離した。こうして得られた粉末を水洗、乾燥
して黄赤色粉末の脱アセチル体を得た。
M水酸化ナトリウム水溶液40mlを加え室温にて一夜
撹拌した。反応液からメタノールを減圧留去した後、氷
冷下で1M塩酸でpH1.6に調整し、析出した橙色固
体を遠心分離した。こうして得られた粉末を水洗、乾燥
して黄赤色粉末の脱アセチル体を得た。
【0049】引き続いてこの粉末をアセトン60mlと
水30mlの混液に溶解させ、60℃で3時間加熱還流
した(イミノエーテルの解裂)。アセトンを減圧留去
後、析出した赤色固体を遠心分離して赤色固体を得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;クロロホルム−ブタノール−ピリジン−水,4:
2:2.5:0.3)により精製して、デスアラニンベ
ナノマイシンAメチルエステル1.36gを得た。
水30mlの混液に溶解させ、60℃で3時間加熱還流
した(イミノエーテルの解裂)。アセトンを減圧留去
後、析出した赤色固体を遠心分離して赤色固体を得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;クロロホルム−ブタノール−ピリジン−水,4:
2:2.5:0.3)により精製して、デスアラニンベ
ナノマイシンAメチルエステル1.36gを得た。
【0050】実施例2 デスアラニンベナノマイシンAの製造 実施例1で得られたデスアラニンベナノマイシンAメチ
ルエステル640mgに16mlのメタノールと2M水
酸化ナトリウム水溶液64mlを加え、70℃で24時
間撹拌した。反応液を氷冷下3M塩酸でpH1.6に調
整し、析出した固体を濾取し水洗した。
ルエステル640mgに16mlのメタノールと2M水
酸化ナトリウム水溶液64mlを加え、70℃で24時
間撹拌した。反応液を氷冷下3M塩酸でpH1.6に調
整し、析出した固体を濾取し水洗した。
【0051】これをシリカゲルカラムグロマトグラフィ
ー(展開溶媒;クロロホルム−ブタノール−ピリジン−
水,4:3:5:1)にかけ赤色のデスアラニンベナノ
マイシンAのピリジニウム塩を得た。この固体を水50
mlに溶解させ1M塩酸でpH1.6に調整後、析出し
た固体を遠心分離してオレンジ色のデスアラニンベナノ
マイシンA遊離酸の430mgを得た。
ー(展開溶媒;クロロホルム−ブタノール−ピリジン−
水,4:3:5:1)にかけ赤色のデスアラニンベナノ
マイシンAのピリジニウム塩を得た。この固体を水50
mlに溶解させ1M塩酸でpH1.6に調整後、析出し
た固体を遠心分離してオレンジ色のデスアラニンベナノ
マイシンA遊離酸の430mgを得た。
【0052】実施例3 ノナ−O−アセチル−デスアラニンベナノマイシンAの
製造 上記の実施例2により得られたデスアラニンベナノマイ
シンA遊離酸640mgを無水ピリジン10mlに溶か
した。その溶液に無水酢酸5mlを加え70℃で3時間
撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた固体をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム−メタノール−水,50:1:0.05)で精製しノ
ナ−O−アセチル−デスアラニンベナノマイシンA64
3mgを得た。FABMS:m/z 1134
(M- )。
製造 上記の実施例2により得られたデスアラニンベナノマイ
シンA遊離酸640mgを無水ピリジン10mlに溶か
した。その溶液に無水酢酸5mlを加え70℃で3時間
撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた固体をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム−メタノール−水,50:1:0.05)で精製しノ
ナ−O−アセチル−デスアラニンベナノマイシンA64
3mgを得た。FABMS:m/z 1134
(M- )。
【0053】実施例4 (2′S,3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチル
ベナノマイシンA[L−トレオニン誘導体]の製造 実施例3で得られたノナ−O−アセチル−デスアラニン
ベナノマイシンAの100mgと1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール水和物74mgを4mlのアセトニトリル
に溶解させた。この溶液にL−トレオニン・ジフェニル
メチルエステルのパラトルエンスルホン酸塩168mg
とN−メチルモルホリン60μlを含むアセトニトリル
溶液3mlを加え、さらに氷冷下ジシクロヘキシルカー
ボジイミド57mgを加えて1時間反応させ、さらに室
温で3時間反応させた(アミド形成反応)。
ベナノマイシンA[L−トレオニン誘導体]の製造 実施例3で得られたノナ−O−アセチル−デスアラニン
ベナノマイシンAの100mgと1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール水和物74mgを4mlのアセトニトリル
に溶解させた。この溶液にL−トレオニン・ジフェニル
メチルエステルのパラトルエンスルホン酸塩168mg
とN−メチルモルホリン60μlを含むアセトニトリル
溶液3mlを加え、さらに氷冷下ジシクロヘキシルカー
ボジイミド57mgを加えて1時間反応させ、さらに室
温で3時間反応させた(アミド形成反応)。
【0054】反応液に酢酸0.2mlを加え1時間攪拌
後析出した沈殿を濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチ
ル20mlに溶解し、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および水で順次洗浄し無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮して縮合生成物
の120mgを得た。
後析出した沈殿を濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチ
ル20mlに溶解し、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および水で順次洗浄し無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮して縮合生成物
の120mgを得た。
【0055】この混合物100mgをメタノール5ml
とピリジン3mlに溶解させ0.2M炭酸カリウム水溶
液10mlを加え70℃で一夜攪拌させた(脱保護反
応)。反応液を氷冷し1M塩酸でpH2.0に調整し析
出した固体を遠心分離して赤色固体を得た。これをシリ
カゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−
ブタノール−ピリジン−水,4:2:2.5:0.3)
で精製して(2′S,3′R)−3′−ヒドロキシ−
3′−メチルベナノマイシンAのピリジン塩を得た。
とピリジン3mlに溶解させ0.2M炭酸カリウム水溶
液10mlを加え70℃で一夜攪拌させた(脱保護反
応)。反応液を氷冷し1M塩酸でpH2.0に調整し析
出した固体を遠心分離して赤色固体を得た。これをシリ
カゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−
ブタノール−ピリジン−水,4:2:2.5:0.3)
で精製して(2′S,3′R)−3′−ヒドロキシ−
3′−メチルベナノマイシンAのピリジン塩を得た。
【0056】これを水20mlに溶解させ、吸着剤樹
脂、ダイヤイオンHP−20のカラムに吸着させ70%
アセトニトリルで溶離させた。溶離液を減圧濃縮し、得
られた固体を再び水に懸濁し、2M塩酸でpH2.0に
調整して析出した沈澱を遠心分離すると、(2′S,
3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンA遊離酸10mgを得た。FABMS:857(M
- )。
脂、ダイヤイオンHP−20のカラムに吸着させ70%
アセトニトリルで溶離させた。溶離液を減圧濃縮し、得
られた固体を再び水に懸濁し、2M塩酸でpH2.0に
調整して析出した沈澱を遠心分離すると、(2′S,
3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンA遊離酸10mgを得た。FABMS:857(M
- )。
【0057】実施例5 (2′R,3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチル
ベナノマイシンA[D−トレオニン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、実施例3で
得られたノナ−O−アセチル−デスアラニンベナノマイ
シンA(100mg)とD−トレオニン・ジフェニルメ
チルエステルパラトルエンスホン酸塩(168mg)か
ら(2′R,3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチ
ルベナノマイシンA遊離酸30mgを得た。FABM
S:857(M- )。
ベナノマイシンA[D−トレオニン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、実施例3で
得られたノナ−O−アセチル−デスアラニンベナノマイ
シンA(100mg)とD−トレオニン・ジフェニルメ
チルエステルパラトルエンスホン酸塩(168mg)か
ら(2′R,3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチ
ルベナノマイシンA遊離酸30mgを得た。FABM
S:857(M- )。
【0058】実施例6 (2′S,3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチル
ベナノマイシンA[L−アロトレオニン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、ノナ−O−
アセチル−デスアラニンベナノマイシンA(100m
g)とL−アロトレオニン・ジフェニルメチルエステル
パラトルエンスホン酸塩(168mg)から(2′S,
3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンA遊離酸6.4mgを得た。FABMS:857
(M- )。
ベナノマイシンA[L−アロトレオニン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、ノナ−O−
アセチル−デスアラニンベナノマイシンA(100m
g)とL−アロトレオニン・ジフェニルメチルエステル
パラトルエンスホン酸塩(168mg)から(2′S,
3′S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンA遊離酸6.4mgを得た。FABMS:857
(M- )。
【0059】実施例7 (2′R,3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチル
ベナノマイシンA[D−アロトレオニン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、ノナ−O−
アセチル−デスアラニンベナノマイシンA(100m
g)とD−アロトレオニン・ジフェニルメチルエステル
パラトルエンスホン酸塩(168mg)から(2′R,
3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンA遊離酸1.5mgを得た。FABMS:857
(M- )。
ベナノマイシンA[D−アロトレオニン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、ノナ−O−
アセチル−デスアラニンベナノマイシンA(100m
g)とD−アロトレオニン・ジフェニルメチルエステル
パラトルエンスホン酸塩(168mg)から(2′R,
3′R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイ
シンA遊離酸1.5mgを得た。FABMS:857
(M- )。
【0060】実施例8 (2′R)−3′−メチルベナノマイシンA[D−ブチ
リン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、ノナ−O−
アセチル−デスアラニンベナノマイシンA(100m
g)とD−ブチリン・ジフェニルメチルエステルパラト
ルエンスホン酸塩(168mg)から(2′R)−3′
−メチルベナノマイシンA遊離酸7.7mgを得た。F
ABMS:841(M- )。
リン誘導体]の製造 実施例4に記述した製造法と同様の方法で、ノナ−O−
アセチル−デスアラニンベナノマイシンA(100m
g)とD−ブチリン・ジフェニルメチルエステルパラト
ルエンスホン酸塩(168mg)から(2′R)−3′
−メチルベナノマイシンA遊離酸7.7mgを得た。F
ABMS:841(M- )。
【0061】実施例9 2′−デメチルベナノマイシンA[グリシン誘導体]の
製造 実施例3で得られたノナ−O−アセチル−デスアラニン
ベナノマイシンA100mgと1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール−水和物72mgをアセトニトリルに溶解さ
せた。この溶液にグリシン・エチルエステル塩酸塩66
mgとN−メチルモルホリン5μ1を含むアセトニトリ
ル溶液2mlを加え、さらに氷冷下ジシクロヘキシルカ
ーボジイミド56mgを加えて1時間反応させ、さらに
室温で3時間反応させた。反応液に酢酸0.1を加え1
時間攪拌後析出した沈澱を濾別濾液を減圧濃縮した。残
渣を酢酸エチル20mlに溶解し、10%クエン酸水溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次洗浄
し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し
て縮合生成物の混合物103mgを得た。
製造 実施例3で得られたノナ−O−アセチル−デスアラニン
ベナノマイシンA100mgと1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール−水和物72mgをアセトニトリルに溶解さ
せた。この溶液にグリシン・エチルエステル塩酸塩66
mgとN−メチルモルホリン5μ1を含むアセトニトリ
ル溶液2mlを加え、さらに氷冷下ジシクロヘキシルカ
ーボジイミド56mgを加えて1時間反応させ、さらに
室温で3時間反応させた。反応液に酢酸0.1を加え1
時間攪拌後析出した沈澱を濾別濾液を減圧濃縮した。残
渣を酢酸エチル20mlに溶解し、10%クエン酸水溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次洗浄
し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し
て縮合生成物の混合物103mgを得た。
【0062】上記の縮合生成物メタノール2mlに溶解
させ1M水酸化ナトリウム水溶液2mlを加え50℃で
一夜攪拌させた。反応液を氷冷し1M塩酸でpH2.0
に調整し析出した固体を遠心分離して赤色固体を得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;クロロホルム−ブタノール−ピリジン−水,4:
2:2.5:0.3)で精製して2′−デメチルベナノ
マイシンAのピリジン塩を得た。これを水300mlに
溶解させ1M塩酸でpH2.0に調整した後、析出した
沈澱を遠心分離して2′−デメチルベナノマイシンA遊
離酸46mgを得た。
させ1M水酸化ナトリウム水溶液2mlを加え50℃で
一夜攪拌させた。反応液を氷冷し1M塩酸でpH2.0
に調整し析出した固体を遠心分離して赤色固体を得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;クロロホルム−ブタノール−ピリジン−水,4:
2:2.5:0.3)で精製して2′−デメチルベナノ
マイシンAのピリジン塩を得た。これを水300mlに
溶解させ1M塩酸でpH2.0に調整した後、析出した
沈澱を遠心分離して2′−デメチルベナノマイシンA遊
離酸46mgを得た。
【0063】実施例10 3′−ヒドロキシベナマイシンA[D−セリン誘導体]
の製造 実施例9に記述した製造法と同様の方法で実施例3で得
られたノナ−O−アセチル体(100mg)とD−セリ
ン・ベンジルエステル塩酸塩(100mg)から3′−
ヒドロキシベナノマイシンA遊離酸21mgを得た。
の製造 実施例9に記述した製造法と同様の方法で実施例3で得
られたノナ−O−アセチル体(100mg)とD−セリ
ン・ベンジルエステル塩酸塩(100mg)から3′−
ヒドロキシベナノマイシンA遊離酸21mgを得た。
【0064】実施例11 2′−カルボキシ−2′−デメチルベナノマシンA[ア
ミノマロン酸誘導体]2ナトリウム塩の製造 実施例9に記述した製造法と同様の方法で実施例3で得
られたノナ−O−アセチル体(100mg)とアミノマ
ロン酸ジエチルエステル(77mg)から2′−カルボ
キシ−2′−デメチルベナノマイシンA2ナトリウム塩
(51mg)を得た。FABM:901(M- )。
ミノマロン酸誘導体]2ナトリウム塩の製造 実施例9に記述した製造法と同様の方法で実施例3で得
られたノナ−O−アセチル体(100mg)とアミノマ
ロン酸ジエチルエステル(77mg)から2′−カルボ
キシ−2′−デメチルベナノマイシンA2ナトリウム塩
(51mg)を得た。FABM:901(M- )。
【0065】実施例12 ベナノマイシンAの製造 実施例9に記述した製造法と同様の方法で実施例3で得
られたノナ−O−アセチル体(100mg)とD−アラ
ニン・ベンジルエステルパラトルエンスルホン酸塩(1
29mg)からベナノマイシンA遊離酸(41mg)を
得た。
られたノナ−O−アセチル体(100mg)とD−アラ
ニン・ベンジルエステルパラトルエンスルホン酸塩(1
29mg)からベナノマイシンA遊離酸(41mg)を
得た。
フロントページの続き (72)発明者 西塚 俊雄 東京都大田区山王3−9−18 第3清風 荘4D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/24 A61K 31/704 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (8)
- 【請求項1】 一般式(I) [式中、Rは炭素数が2−5であるアルキル基または炭
素数が2〜5であるヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、あるいは低級アルコキシカルボニル基を表わす]
で示される抗かび性抗生物質デスアラニンベナノマイシ
ンA誘導体、およびそれらの塩類。 - 【請求項2】 一般式(I)の化合物が(2′R,3′
S)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナマイシンA
である、即ち一般式(I)のRが−CH(OH)CH3
の基で、その立体化学が(2′R,3′S)である請求
項1記載の式(I)の誘導体(D−トレオニン誘導体)
およびそれらの塩類。 - 【請求項3】 一般式(I)の化合物が(2′R,3′
R)−3′−ヒドロキシ−3′−メチルベナノマイシン
Aである、即ち一般式(I)のRが−CH(OH)CH
3 基で、その立体化学が(2′R,3′R)である請求
項1記載の式(I)の誘導体(D−アロトレオニン誘導
体)およびそれらの塩類。 - 【請求項4】 一般式(I)の化合物が(2′R)−
3′−メチルベナノマイシンAである、即ち一般式
(I)のRが−CH2 CH3 基で、その立体化学が
(2′R)である請求項1記載の式(I)の誘導体(D
−ブチリン誘導体)およびそれらの塩類。 - 【請求項5】 一般式(I)の化合物が2′−カルボキ
シ−2′−デメチルベナノマイシンAである、即ち一般
式(I)のRが−COOH基である請求項1記載の式
(I)の誘導体(アミノマロン酸誘導体)およびそれら
の塩類。 - 【請求項6】 次式(II) で表わされるデスアラニンベナノマイシンAの9個のヒ
ドロキシル基を低級アルカノイル基又はアロイル基から
なるヒドロキシル保護基で保護し、得られた保護体を次
式(III) 〔式中、Raは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基ま
たは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、または低級アルコキシカルボニル基を表わし、
R'は低級アルキル基を表わす〕で示されるアミノ酸エ
ステルと既知のアミド形成反応によって縮合し、その縮
合生成物からヒドロキシル保護基およびカルボキシル保
護基ならびに低級アルキル基R'を除去することから成
る、一般式(Ia) 〔式中、Raは水素原子、炭素数が1〜5であるアルキ
ル基または炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル
基、カルボキシル基、あるいは低級アルコキシカルボニ
ル基を表わす〕で示される抗かび性抗生物質デスアラニ
ンベナノマイシンA誘導体を生成することを特徴とす
る、一般式(Ia)の抗がび性抗生物質デスアラニンベナ
ノマイシンA誘導体の製造法。 - 【請求項7】 次式(II) で表わされるデスアラニンベナノマイシンA、およびそ
の塩またはエステル。 - 【請求項8】 次式(A) で表されるベナノマイシンAの2位側鎖の末端カルボキ
シル基をカルボキシル保護基で保護し、更にベナノマイ
シンAの9個のヒドロキシル基をヒドロキシル保護基で
保護した後、メアワイン試薬との既知のイミノエーテル
化反応にかけることによりベナノマイシンAのアミド結
合をイミノエーテルに変換し、これにより式(B) 〔式中、Eはエステル形成基の形のカルボキシル保護基
であり、R'はヒドロキシル保護基であり、R"は使用す
るメアワイン試薬によって決まる低級アルキル基を表わ
す〕で示されるイミノエーテルの保護体を調製し、次
に、式(B)の化合物の6位ヒドロキシル基以外のヒド
ロキシル基のヒドロキシル保護基(R')とカルボキシ
ル保護基(E)を除去して、次式(C) 〔式中、R'とR"は前記に同じである〕で示すイミノエ
ーテル化合物を生成し、さらに式(C)の化合物をアセ
トン−水混液中で加熱還流することにより、イミノエー
テル結合の解裂反応ならびに残留したヒドロキシル保護
基の脱離反応にかけて、次式(II) で表わされるデスアラニンベナノマイシンAを生成する
ことを特徴とする、式(II)のデスアラニンベナノマイ
シンAの製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03335487A JP3134010B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | デスアラニンベナノマイシンa誘導体およびそれらの製造法 |
EP93902522A EP0684253A4 (en) | 1991-11-26 | 1993-01-22 | DESALANINE LEVEL ANOMICIN A DERIVATIVES AND PRODUCTION THEREOF. |
US08/492,007 US5693772A (en) | 1991-11-26 | 1993-01-22 | Desalaninebenanomicin A derivatives and processes for the preparation thereof |
PCT/JP1993/000082 WO1994017085A1 (en) | 1991-11-26 | 1993-01-22 | Desalaninebenanomicin a derivative and production thereof |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03335487A JP3134010B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | デスアラニンベナノマイシンa誘導体およびそれらの製造法 |
PCT/JP1993/000082 WO1994017085A1 (en) | 1991-11-26 | 1993-01-22 | Desalaninebenanomicin a derivative and production thereof |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05202087A JPH05202087A (ja) | 1993-08-10 |
JP3134010B2 true JP3134010B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=18289127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03335487A Expired - Fee Related JP3134010B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | デスアラニンベナノマイシンa誘導体およびそれらの製造法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
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EP (1) | EP0684253A4 (ja) |
JP (1) | JP3134010B2 (ja) |
WO (1) | WO1994017085A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4870165A (en) * | 1987-02-02 | 1989-09-26 | Bristol-Myers Company | Antifungal antibiotics |
US5055453A (en) * | 1987-11-02 | 1991-10-08 | Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai | Benanomicins a and antibiotic compositions |
JP2592468B2 (ja) * | 1987-11-02 | 1997-03-19 | 財団法人微生物化学研究会 | 新規抗生物質ベナノマイシンaおよびbならびにその製造法 |
JP2643340B2 (ja) * | 1988-08-22 | 1997-08-20 | 財団法人微生物化学研究会 | ヒト後天性免疫不全症候群ウイルス感染阻害剤 |
US4973673A (en) * | 1988-11-10 | 1990-11-27 | Bristol-Myers Company | Serine analogs of BU-3608 antibiotics |
JPH03294289A (ja) * | 1990-04-13 | 1991-12-25 | Microbial Chem Res Found | 新規抗かび性抗生物質2′―デメチルベナノマイシンaならびにその製造法 |
US5696096A (en) * | 1990-09-28 | 1997-12-09 | Bristol-Myers Squibb Company | Pradimicin derivatives |
US5326867A (en) * | 1992-07-16 | 1994-07-05 | Bristol-Myers Squibb Company | Pradimic acids, amides, and pradimicin derivatives |
-
1991
- 1991-11-26 JP JP03335487A patent/JP3134010B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-01-22 US US08/492,007 patent/US5693772A/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-01-22 WO PCT/JP1993/000082 patent/WO1994017085A1/ja not_active Application Discontinuation
- 1993-01-22 EP EP93902522A patent/EP0684253A4/en not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO1994017085A1 (en) | 1994-08-04 |
EP0684253A1 (en) | 1995-11-29 |
EP0684253A4 (en) | 1998-07-29 |
JPH05202087A (ja) | 1993-08-10 |
US5693772A (en) | 1997-12-02 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |